JPH0892853A - ロック繊維集合体用共重合体ラテックス、ロック繊維集合体用接着剤組成物及びロック繊維集合体 - Google Patents

ロック繊維集合体用共重合体ラテックス、ロック繊維集合体用接着剤組成物及びロック繊維集合体

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JPH0892853A
JPH0892853A JP6254588A JP25458894A JPH0892853A JP H0892853 A JPH0892853 A JP H0892853A JP 6254588 A JP6254588 A JP 6254588A JP 25458894 A JP25458894 A JP 25458894A JP H0892853 A JPH0892853 A JP H0892853A
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fiber aggregate
adhesive composition
rock fiber
lock
monomer
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Application number
JP6254588A
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Hidekazu Mori
英和 森
Rumi Kawada
留美 川田
Kenzo Miyamoto
健三 宮本
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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  • Nonwoven Fabrics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ロック繊維集合体に対し十分な強度と少ない圧
縮残留歪みを付与することができ、また、ロック繊維集
合体の製造工程において優れた操業性をもたらすことが
できる共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物を提
供する。 【構成】酸価が200以上でかつガラス転移温度が10
0℃以上であるカルボキシル基含有重合体の中和物の存
在下に、ガラス転移温度が20℃以上の共重合体を与え
る単量体混合物を重合して得られるロック繊維集合体用
共重合体ラテックスを含有することを特徴とするロック
繊維集合体用接着剤組成物。 【効果】ロック繊維集合体に対し十分な強度と少ない圧
縮残留歪みを付与することができ、また、ロック繊維集
合体の製造工程において優れた操業性をもたらすことが
できる共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物を提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロック繊維集合体用共重
合体ラテックス、ロック繊維集合体用接着剤組成物及び
ロック繊維集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ロック製品は車両シート、椅子、ソファ
ー、ベッド、土木用透水材料などに利用されている。か
かるロック製品はパーム、木綿、ジュート、ポリエステ
ル、ナイロン、ポリプロピレン、芳香族ポリアミド、ア
クリル繊維あるいはガラス繊維などの各種ロック繊維を
嵩高く接合したロック繊維集合体から構成されている。
ロック繊維を接合する際には、通常、共重合体ラテック
スを含有する接着剤組成物が用いられる。この接着剤に
用いられる共重合体ラテックスは、ロック繊維集合体に
十分な強度をもたらすと共に、ロック繊維重合体の圧縮
残留歪みを少なくするような性能を有するものが要求さ
れる。このような要求に対して、特定なオリゴマーを重
合乳化剤として使用することにより得られた共重合体ラ
テックスを含有する接着剤組成物が提供されているが
(特公平6−51869号公報)、接着性の改善は不十
分であり、更なる改善が求められている。
【0003】また、ロック繊維集合体は、共重合体ラテ
ックスを含有する接着剤組成物をロック繊維にスプレー
で噴霧したり、浸漬後ロールで絞ったりして付与し、次
いで乾燥することによりロック繊維が接合して製造され
る。従って、共重合体ラテックスを含有する接着剤がス
プレーノズルの詰まりを起こさないことや、各種ロール
でガムアップトラブルを起こさないこと、つまり操業性
に優れるものであることが要求されるが、このような要
求に対しても満足できるものは未だ提案されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はこのような
事情に鑑み鋭意検討した結果、酸価が200以上でかつ
ガラス転移温度が100℃以上であるカルボキシル基含
有重合体の中和物の存在下に、ガラス転移温度が50℃
未満の共重合体を与える単量体混合物を重合して得られ
る共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物が、ロッ
ク繊維集合体に十分な強度をもたらすと共に、圧縮残留
歪みを少なくし、更に製造工程において優れた操業性を
有することを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完
成するに到った。
【0005】
【課題を解決すめための手段】かくして本発明によれ
ば、酸価が200以上でかつガラス転移温度が100℃
以上であるカルボキシル基含有重合体の中和物の存在下
に、ガラス転移温度が50℃未満の共重合体を与える単
量体混合物を重合して得られるロック繊維集合体用共重
合体ラテックスが提供される。また、本発明によれば、
前記ロック繊維集合体用共重合体ラテックスを含有する
ことを特徴とするロック繊維集合体用接着剤組成物が提
供される。さらに、本発明によれば、前記ロック繊維集
合体用接着剤組成物で接着されたことを特徴とするロッ
ク繊維集合体が提供される。
【0006】本発明に用いられるカルボキシル基含有重
合体は、その酸価が200以上、好ましくは250以上
であることが必要である。200未満では得られるロッ
ク繊維集合体の圧縮残留歪が大きくなってしまう。カル
ボキシル基含有重合体は、そのガラス転移温度が100
℃以上、好ましくは120℃以上であることが必要であ
る。100℃未満では得られるロック繊維集合体の圧縮
残留歪が大きくなってしまう。なお、酸価及びガラス転
移温度は後記の評価方法によって得られる値である。
【0007】カルボキシル基含有重合体は、エチレン性
不飽和カルボン酸単量体とこれと共重合可能な単量体と
の共重合体である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体
の使用量は、合成して得られるカルボキシル基含有重合
体の酸価が200以上になる範囲であればよく、通常カ
ルボキシル基含有重合体を得るために用いる全単量体の
30重量%以上使用する。使用量が少ないとカルボキシ
ル基含有重合体の酸価が小さくなるので、結果的に得ら
れるロック繊維集合体の圧縮残留歪が大きくなってしま
う。
【0008】エチレン性不飽和カルボン酸単量体の具体
例としてはアクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不
飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン
酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなど
のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物
等を挙げることができる。特に、メタクリル酸やイタコ
ン酸が好適である。
【0009】エチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能
な単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエン、クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸グリシジル等のエチレン性不
飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリロニト
リル等のシアン化ビニル単量体;アリルグリシジルエー
テル等のエチレン性不飽和グリシジルエーテル;(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等
のエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン等の共役ジエン単量体;塩化
ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル等のカルボン
酸ビニルエステル等が挙げられる。特にスチレンなどの
芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸メチルなどの
エチレン性不飽和カルボン酸エステルが好適に用いられ
る。
【0010】カルボキシル基含有重合体は、その合成方
法によって特に限定されないが、乳化重合で製造するの
が好適である。カルボキシル基含有重合体の合成におい
ては、重合開始剤、分子量調整剤及び乳化剤などの重合
副資材は特に限定されない。
【0011】カルボキシル基含有重合体の中和物は前記
カルボキシル基含有重合体のカルボキシル基が少なくと
も一部中和されたものである。中和はpHが5以上とな
るまで、好ましくは6〜9になるまで行うのが好まし
い。pHが低すぎると後続の重合が円滑に進行せず、凝
集物が発生するので好ましくない。中和に用いられる塩
基性物質としては、アンモニア;メチルアミン、エチル
アミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、N,N
−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、
トリメチルアミン、トリエタノールアミン等の有機アミ
ン;水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物;な
どが挙げられる。特にアンモニアなどの揮発性の塩基性
物質が好ましい。
【0012】本発明のラテックスは、前記カルボキシル
基含有重合体の中和物を乳化剤として用い、その存在下
に単量体混合物を重合して得られる共重合体のラテック
スである。本発明に用いられる単量体混合物は、この単
量体混合物を重合して得られる共重合体のガラス転移温
度が50℃未満、好ましくは0〜40℃になるものであ
ることが必要である。50℃以上になると接着力が不十
分となり、得られるロック繊維集合体の強度が低下す
る。
【0013】単量体混合物は、その単量体の種類、組合
せは、特に限定されない。単量体の具体例としては芳香
族ビニル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル
単量体、シアン化ビニル単量体、エチレン性不飽和グリ
シジルエーテル単量体、エチレン性不飽和アミド単量
体、N−メチロール基含有エチレン性不飽和単量体、共
役ジエン単量体、ハロゲン化ビニル単量体、カルボン酸
ビニルエステル単量体などが挙げられる。なお、単量体
としてエチレン性不飽和カルボン酸単量体は使用しない
方が重合時の凝固物の発生が少なくてすむので好まし
い。エチレン性不飽和カルボン酸単量体を使用する場合
は、単量体混合物の2重量%以下、好ましくは1重量%
以下である。
【0014】カルボキシル基含有重合体の中和物とその
存在下に重合する単量体混合物との重量比率は80:2
0〜20:80、好ましくは85:15〜15:85で
ある。カルボキシル基含有重合体の中和物が少なくなる
と、得られるロック繊維集合体の圧縮残留歪が大きくな
る場合がある。一方、該重合体の中和物が多くなると、
得られるロック繊維集合体の強度が低下してしまう場合
がある。
【0015】重合は、公知の乳化重合法によって行う。
たとえば、単量体混合物をカルボキシル基含有重合体の
中和物を含有する水性媒体中に一括して仕込んで重合す
る方法、単量体混合物をカルボキシル基含有重合体の中
和物を含有する水性媒体中に添加しながら重合する方法
または単量体混合物とカルボキシル基含有重合体の中和
物とを混合し攪拌して得られる乳化物を水性媒体中に添
加しながら重合する方法などいずれの方法でもよい。重
合温度は0〜100℃、特に30〜90℃が好ましい。
重合において、重合開始剤、分子量調整剤などの重合副
資材は特に限定されない。重合開始剤としては、過硫酸
塩、過酸化物などのラジカル開始剤が挙げられる。分子
量調整剤としては、ハロゲン化炭化水素、メルカプタン
類、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。ま
た、重合に際して、乳化剤として界面活性剤を使用する
必要はないが、必要に応じて使用することができる。界
面活性剤を使用する場合は、単量体混合物に対して3重
量%以下、好ましくは1重量%以下である。使用量が多
くなると得られるラテックスの泡立ちが大きくなり取扱
いにくくなるので好ましくない。
【0016】得られるラテックスの固形分濃度は20〜
75%が一般的である。20%未満では固形分当たりの
輸送料がかさんで実用的でない。又、75%を越えると
ラテックスの粘度が高くなり取り扱いに支障をきたすた
め実用的でない。
【0017】本発明により得られるロック繊維集合体用
共重合体ラテックスはそのままでもロック繊維集合体接
着剤組成物として用いることも可能であるが、水で希釈
したり、他の添加剤と配合して用いても良い。添加剤と
しては公知の乳化剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、充填剤、着色剤、加硫剤、加硫促進剤、架
橋剤、架橋剤用助剤、防腐剤、増粘剤、浸透剤、難燃剤
などが使用される。接着剤組成物を調製する方法は公知
の方法が適用でき、重合体タンクにロック繊維集合体用
共重合体ラテックスと添加剤、必要に応じて水を投入し
て撹拌機で混合する方法が一般的である。
【0018】得られたロック繊維集合体接着剤組成物の
ロック繊維への付与方法は浸漬含浸法、スプレー法、泡
立て法等の公知の方法を用いることができる。本発明の
ロック繊維集合体接着剤組成物を用いると、ロック繊維
集合体の製造工程においてスプレーノズルの詰まりが起
きず、各種ロールでガムアップが生じることがないた
め、優れた操業性が得られる。操業性の指標としては共
重合体ラテックス並びに接着剤組成物のマーロン式機械
的安定性試験機による機械的安定性試験(試験操作と条
件は後記実施例参照)が挙げられる。この試験において
凝集物の発生が少ないことが肝要であり、好ましくは凝
集物の発生割合がマーロン式機械的安定性試験に供試し
たラテックス乃至は接着剤組成物の固形分100重量部
に対して0.1%未満である。
【0019】本発明のロック繊維集合体接着剤組成物は
各種のロック繊維に適用することができ、例えば、パー
ム、木綿、ジュート、ポリエステル、ナイロン、ポリプ
ロピレン、芳香族ポリアミド、アクリル繊維あるいはガ
ラス繊維などが挙げられる。これらのロック繊維は単独
で用いても良いし、複数種の繊維を組み合わせて用いて
も良い。繊維は繊維原料から製造された新しい繊維でも
良いし、あるいはすでにロック繊維集合体や不織布、織
布等のリサイクル使用のために裁断したり解織したりし
たものでも良い。さらにこれらのロック繊維にロック繊
維集合体接着剤組成物を付与するに先立って前述の添加
剤薬液で処理したり、あるいは接着剤付与後さらに前述
の添加剤薬液で処理することも可能である。一般的には
ロック繊維にロック繊維集合体接着剤組成物を付与した
後、熱風等で乾燥することによりロック繊維集合体が得
られる。乾燥方法は特に限定されず公知の方法が使用で
きる。
【0020】かくして得られたロック繊維集合体は車両
シート、椅子、ソファー、ベッド、土木用透水材料など
のロック製品の材料として利用され、優れた引っ張り強
度、圧縮強度及び圧縮残留歪みを有するため、品質の優
れたロック製品を提供することができる。
【0021】以下に本発明の好ましい態様を記載する。 (1)カルボキシル基含有重合体の中和物の酸価が25
0以上である本発明のロック繊維集合体用共重合体ラテ
ックス。 (2)カルボキシル基含有重合体の中和物のガラス転移
温度が120℃以上である本発明のロック繊維集合体用
共重合体ラテックス。 (3)カルボキシル基含有重合体は、エチレン性不飽和
カルボン酸単量体とこれと共重合可能な単量体との共重
合体であり、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用
量が全単量体の30重量%以上である本発明のロック繊
維集合体用共重合体ラテックス。 (4)エチレン性不飽和カルボン酸単量体がメタクリル
酸またはイタコン酸である前記(3)記載の本発明のロ
ック繊維集合体用共重合体ラテックス。 (5)エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能
な単量体が芳香族ビニル単量体またはエチレン性不飽和
カルボン酸エステルである前記(3)記載の本発明のロ
ック繊維集合体用共重合体ラテックス。 (6)共重合体を与える単量体混合物のガラス転移温度
が0〜40℃である本発明のロック繊維集合体用共重合
体ラテックス。 (7)カルボキシル基含有重合体の中和物とその存在下
に重合する単量体混合物との重量比率は80:20〜2
0:80である本発明のロック繊維集合体用共重合体ラ
テックス。 (8)ロック繊維集合体用共重合体ラテックスを水で希
釈してなる本発明のロック繊維集合体接着剤組成物。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示すが本発明は以下の実施例
に限定されるものでは無い。尚、以下の実施例において
特に断らない限り組成物の割合は重量部を示す。 参考例 重合体の中和物の製造 表1に示す所定量の単量体、チオグリコール酸2−エチ
ルヘキシル4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.4部を水40部に添加して、撹拌し単量体乳化物を
得た。別に、温度計、撹拌器、還流冷却器、供給管及び
窒素導入管を備えた反応器内を窒素ガスで置換した後、
水190部を仕込んだ。次いで、反応器を80℃まで加
熱し、過硫酸カリウム5%水溶液40部を添加し、前記
単量体乳化物を3時間かけて反応器に添加した。添加終
了後、さらに2時間反応を続けた後、20℃に冷却して
28%のアンモニア水を添加して、pHを7に調整し、
カルボキシル基含有重合体の中和物(A1〜A5)を得
た。物性を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】酸価は以下の方法により求めた。中和前の
単量体乳化物1g(固形分換算)にフェノールフタレイ
ン指示薬を2滴添加し、0.1Nの水酸化カリウム水溶
液で滴定し、中和するまでに要した水酸化カリウムの固
形分のmg数として求めた。
【0025】ガラス転移温度は以下の方法により求め
た。示差走査熱量計(DSC[セイコー電子工業(株)
製:SSC5200])を用いて昇温速度10℃/分、
開始温度−100℃の条件で測定した。
【0026】実施例 (1)重合体ラテックスの製造 表2に示す所定量の単量体及びドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ0.3部を水33部に添加して、撹拌し単量
体乳化物(B1〜B4)を得た。表2に各単量体組成で
乳化重合したときに得られる重合体のガラス転移温度を
示す。
【0027】
【表2】
【0028】別に、表3に示す各カルボキシル基含有重
合体の中和物の水溶液(固形分100部)を撹拌機付き
反応器に仕込んだ。次いで反応器を80℃まで加熱し、
過硫酸カリウム5%水溶液40部を添加し、表3に示す
各単量体乳化物を3時間かけて添加し、反応させた。添
加終了後、さらに2時間反応させ、20℃に冷却し、固
形分を20%に調整して共重合体ラテックスを得た。
【0029】得られた各共重合体ラテックスを固形分濃
度10%になるよう水で希釈して各接着剤組成物を調製
した。これらの接着剤組成物の機械的安定性をマーロン
式機械的安定性試験機により測定し、第3表に示した。
マーロン式機械的安定性試験の方法は下記のように行っ
た。固形分濃度10%のラテックス接着剤組成物100
gを100メッシュ金網でろ過した後、マーロン式機械
的安定性試験機で荷重15Kg、10分間の試験を行っ
た。試験後のラテックス接着剤組成物を100メッシュ
金網でろ過し、金網上にろ別された凝集物を採取した。
得られた凝集物を乾燥後秤量して凝集物発生量(g)を
求めた。機械的安定性は凝集物発生量の供試したラテッ
クス接着剤組成物の固形分重量に対する割合(%)で表
示した。
【0030】これらの接着剤組成物を、縦100mm、
横100mm、厚さ30mm、重量5gのパーム繊維の
表面に固形分重量で2gをスプレー塗布し、120℃の
熱風乾燥器中で10分間乾燥した。更に裏面も同様にス
プレー塗布し、乾燥することにより、パームロック試験
片を作成した。これらの試験片を用いて引っ張り強度、
圧縮残留歪みを測定した。その結果を第3表に示した。
引っ張り強度はインストロン引っ張り試験機を用いて測
定した。圧縮残留歪はJISK6382に従い測定し
た。
【0031】比較例 比較のため第3表に示す所定の各カルボキシル基含有重
合体の中和物の水溶液と各単量体乳化物を用いる他は実
施例と同様にして共重合体ラテックスを得た。次いで、
各共重合体を用いて実施例と同様にして接着剤組成物を
調整し、機械的安定性を求めた。また、それらを用いて
パームロック試験片を作成し、引っ張り強度、圧縮残留
歪みを測定した。その結果を第3表に示した。
【0032】
【表3】
【0033】表3より、本発明例(実験番号1〜5)の
共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物は凝集物の
発生割合が0.1%未満であり、操業性に優れたもので
あることがわかる。また、ロック繊維集合体に対し十分
な強度と少ない圧縮残留歪みを付与することができるこ
とがわかる。これに対し、ガラス転移温度が100℃未
満のカルボキシル基含有重合体の中和物を用いて得られ
た共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物(比較
例、実験番号6,9)はロック繊維集合体の圧縮残留歪
が大きくなってしまうことがわかる。酸価が200未満
以上のカルボキシル基含有重合体の中和物を用いて得ら
れた共重合体ラテックスを含有する接着剤組成物(比較
例、実験番号7)はロック繊維集合体の圧縮残留歪が大
きくなってしまうことがわかる。ガラス転移温度が50
℃以上の単量体混合物を用いて得られた共重合体ラテッ
クスを含有する接着剤組成物(比較例、実験番号8)は
ロック繊維集合体に充分な強度を付与することができな
いことがわかる。カルボキシル基含有重合体の中和物を
用いずに得られた共重合体ラテックスを含有する接着剤
組成物(比較例、実験番号10)は凝集物の発生割合が
高く、操業性に劣るものであることがわかる。また、ロ
ック繊維集合体の圧縮残留歪みが大きくなってしまうこ
とがわかる。
【0034】
【本発明の効果】かくして本発明の共重合体ラテックス
を含有する接着剤組成物を用いることにより、ロック繊
維集合体に対し十分な強度と少ない圧縮残留歪みを付与
することができ、また、ロック繊維集合体の製造工程に
おいて優れた操業性をもたらすことができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価が200以上でかつガラス転移温度
    が100℃以上であるカルボキシル基含有重合体の中和
    物の存在下に、ガラス転移温度が50℃未満の共重合体
    を与える単量体混合物を重合して得られるロック繊維集
    合体用共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】請求項1のロック繊維集合体用共重合体ラ
    テックスを含有することを特徴とするロック繊維集合体
    用接着剤組成物。
  3. 【請求項3】請求項2のロック繊維集合体用接着剤組成
    物で接着されてなるロック繊維集合体。
JP6254588A 1994-09-22 1994-09-22 ロック繊維集合体用共重合体ラテックス、ロック繊維集合体用接着剤組成物及びロック繊維集合体 Pending JPH0892853A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007138325A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Toagosei Co Ltd 不織布用エマルション
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