JPH0225940B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 カルボキシル基を含有している水性合成ゴム分
散液の製造は米国再発行27269／3256234中に開示
されている。使用されるエチレン系不飽和カルボ
ン酸の塩は水の存在下で例えばジオレフイン及び
芳香族ビニル化合物の如き他の水不溶性単量体中
に微溶性であるため、該方法を低いpH値におい
て、すなわちpH5〜２の範囲内で、実施すること
が知られている。しかしながら、これらのpH値
においては適当な乳化剤の選択は限定され、それ
は主として基礎となる酸が高い解離定数を有する
ようなアニオン系乳化剤に対して云える。上記の
米国再発行特許では乳化剤の添加量は単量体を基
にして４重量％である。

同様な方法は英国特許1072694中に開示されて
おり、そこでは共重合は７以下のpH値で行なわ
れ、次にpHを重合後に７以上にあげる。この場
合の乳化剤の使用量は単量体を基にして５重量％
である。

中和すること又はpHを７以上の値に調節する
ことが必要であり、その理由はそうしないと該方
法用に使われている機械内で腐食が生じ易いから
である。中和により、カルボキシル基含有ラテツ
クスの表面張力が急激に落下する。しかしなが
ら、表面張力の低下はラテツクスの発泡傾向を相
当増加させ、その結果特に高速で運転されている
機械内でそのようなラテツクスを処理するときに
は相当な困難が生じる傾向がある。

望ましくない発泡傾向を避けるため及びできる
限り凝固物及び斑点のない安定なラテツクスを得
るため、及び第三番目にエチレン系不飽和カルボ
ン酸の量をできる限り少なく保つための経済的理
由から、種々の方法が提唱されてきている。ドイ
ツ公告明細書1814209に従うと、0.025〜0.1重量
％のスルホン酸塩型の乳化剤及び0.5〜３重量％
のポリエチレングリコール並びに少量の鉄塩の存
在下で74.5〜20重量％のジオレフイン、25.0〜70
重量％の任意に他の非解離性モノ−オレフインに
より部分的にもしくは完全に置換されていてもよ
いスチレン、及び0.5〜10重量％のモノ−エチレ
ン系不飽和カルボン酸から、高い表面張力を有す
る合成ゴム分散液が製造される。これらのラテツ
クスはほとんど凝固物又は斑点を有さず、処理工
程中に発泡せずそしてほんの少量のエチレン系不
飽和カルボン酸しか必要としないが、必要な鉄の
添加がこれらの分散液から生成されるフイルムの
老化に望ましくない影響を与え、そしてポリエチ
レングリコールの添加のためにこれらのフイルム
は例えばニードルフエルト床被覆の含浸の如きあ
る種の応用には適さないほど親水性となる。

米国特許3575913に従うと、0.5〜2.5重量％の
モノエチレン系不飽和カルボン酸を反応区域中に
加え、例えばスチレンの如きアリールビニル単量
体及び例えばブタジエン−（１，３）の如き共役
ジエンからなる単量体塊状物を加え、単量体含有
量の少なくとも約90％が転化されるまで例えばパ
ーオキソ二硫酸塩開始剤を用いて重合し、次に１
〜５重量％のアクリル酸を加え、そして単量体転
化率が少なくとも98％となるまで70〜100℃の温
度で重合する。この方法は比較的大量の不飽和モ
ノ及びジ−カルボン酸を使用し、その中ではイタ
コン酸が挙げられる。重合はアニオン系乳化剤を
添加して行なわれる。

米国特許3324066に従うと、単量体の全量を基
して１重量％より多いアニオン系分散剤を用いる
複雑な方法により、１〜10重量％の少なくとも１
種のモノ−エチレン系不飽和カルボン酸を含有し
ているカルボキシル化された合成ゴム分散液が製
造される。イタコン酸が使用される場合、それは
他の不飽和酸と混合され、そして酸濃度は全単量
体濃度を基にして４％である。

ドイツ公開明細書2418419に従うと、73.5〜
18.5重量部のブタジエン、20〜80重量部のスチレ
ン、０〜10重量部のアクリロニトリル、０〜５重
量のエチレン系不飽和カルボン酸アミド又はそれ
らのメチロール誘導体及び1.5〜10重量部のエチ
レン系不飽和カルボン酸を、ラジカル生成開始剤
及び乳化剤の存在下で重合することにより、エチ
レン系不飽和カルボン酸が1.0〜４重量部のアク
リル酸及び0.5〜６重量部のメタクリル酸からな
り、そして乳化剤が単量体の全量を基にして0.5
重量部より少ない量で使用されているアニオン系
乳化剤であるなら、斑点のない低発泡性ラテツク
スが得られる。

使用されるエチレン系不飽和カルボン酸がイタ
コン酸であるなら最少可能量のエチレン系不飽和
カルボン酸を用いる方法により、斑点のないそし
て発泡傾向のほとんどない、技術的応用上有利
な、カルボキシル基を含有している合成ゴム分散
液が得られることを今見出した。

従つて、本発明は、エチレン系不飽和カルボン
酸と10〜90重量％の１種もしくはそれより多い炭
素数が４〜９の非環式共役ジエン及び10〜90重量
％の１種もしくはそれより多い炭素数が８〜12の
アリールビニル単量体及び／又は（メタ）アクリ
ロニトリルから成る非解離性単量体混合物との共
重合体を含有している水性合成ゴム分散液、ただ
し上記（メタ）アクリロニトリルの量は、存在す
る場合には、多くとも50重量％であり、そして25
重量％までの上記非解離性単量体は任意に１種も
しくはそれより多い他の非解離性の共重合可能な
単量体により置換されていてもよい、において、
該共重合体が0.3〜1.0重量部のイタコン酸と99.0
〜99.7重量部の上記非解離性単量体混合物との共
重合体であること、及び、該分散液が共重合体を
基にして0.05〜0.5重量％のアニオン性乳化剤で
安定化されていること、を特徴とする水性合成ゴ
ム分散液を提供する。

本発明はまた、上記水性合成ゴム分散液を製造
する方法として、水の一部、イコタン酸の一部又
は好適には全部、塩基、アニオン性乳化剤の全部
又は一部及び単量体の一部をスタラーを備えたバ
ツチ式に操作されている反応器中に加え、ここで
各成分は撹拌されている反応混合物のpHが3.5〜
6.0であるように選択され、重合を少なくとも70
℃の温度において単量体の全量を基にして0.5〜
1.5重量％のパーオキソ二硫酸アンモニウム及
び／又はアルカリ金属パーオキソ二硫酸塩の添加
により開始し、そして反応器の内容物を75℃〜
150℃に保ちながら、他の単量体の少なくとも１
種の非水性供給流（すなわち原料）及びアンモニ
ウム及び／又はアルカリ金属パーオキソ二硫酸塩
の残りを含有している少なくとも１種の水性供給
流（すなわち原料）を、単量体がほとんど完全に
転化するまで加えることを特徴とする方法を提供
する。

驚ろくべきことに、本発明に従つて製造される
合成ゴム分散液はそれらの低い乳化剤及びカルボ
ン酸含有量にもかかわらず凝固物を有さないこと
及びそれらはpHをアルカリ性水準に調節した後
に非常に高い機械的安定性を有することが見出さ
れた。アルカリ性pHに調節した後でさえ高いそ
れらの表面張力のために、分散液は特に容易に処
理でき、そしてそれらはまたいずれの使用基質に
対しても優れた接着性を有することによつても特
徴づけられている。該分散液は好適にはポリアル
キレングリコールを含んでいない。

本発明の効果を構成と関連づけて繰り返えし説
明すると、本発明によれば、カルボキシル基を含
有する合成ゴムの水性分散液の製造において、イ
タコン酸という特定のエチレン系不飽和カルボン
酸を前記のように0.3〜1.0重量部という少量で使
用する結果として、0.05〜0.5重量％という非常
に少量のアニオン性乳化剤の使用によつて安定な
分散液を形成し得る共重合体を得ることができ
る。本発明の分散液は、また、上記のような構成
の結果として、アルカリ性にされたときでも、高
い表面張力、優れた機械的安定性及び良好な加工
性を示す。これらの結果は、前記したように、従
来の分散液において４重量％、５重量％あるいは
１重量％より多いというような多量のアニオン性
乳化剤の使用が必要であつたことと較べると、ま
た、前記したように、従来の分散液が中和したと
きに表面張力を急激に低下して発泡しやすくな
り、そのために高速加工ができなかつたことと比
較すると、全く予期し得ない効果というべきであ
る。

本発明に従う方法を任意に改変させて、反応開
始後にしかも非水性及び水性流の連続的添加の開
始前に種ラテツクスが発達できるようにある時間
間隔を経過させることもできる。

下記のものが炭素数が４〜９の適当な非環式共
役ジエンの例である：ブタジエン−（１，３）、２
−メチル−ブタジエン−（１，３）（イソプレン）、
２，３−ジメチルブタジエン−（１，３）、ピペリ
レン、２−ネオペンチル−ブタジエン−（１，３）
及び他の置換されたジエン、例えば２−クロロブ
タジエン−（１，３）（クロロプレン）、２−シア
ノブタジエン−（１，３）及び置換された直鎖共
役ペンタジエン及び直鎖もしくは分枝鎖状ヘキサ
ジエン。ブタジエンが、アリールビニル単量体及
び（メタ）アクリロニトリルと共重合可能な、特
に使用しやすさの点で好適な、単量体である。

任意にα−位置でアルキル置換されていてもよ
いビニル基が炭素数が６〜10の芳香族核と直接結
合しているようなアリールビニル単量体が適して
いる。下記のものがその例である：スチレン及び
置換されているスチレン、例えば４−メチルスチ
レン、３−メチルスチレン、２，４−ジメチルス
チレン、２，４ジエチルスチレン、４−イソプロ
ピルスチレン、４−クロロスチレン、２，４−ジ
クロロスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチル
スチレン及びビニルナフタレン。スチレンがそれ
の入手し易さ及び特にブタジエン−（１，３）と
の共重合し易さのために好適な単量体である。

上記の如く、25重量部までの非解離性単量体を
１種もしくはそれより多い上記の単量体と共重合
可能な単量体により交換することもできる。これ
らの交換単量体には特に下記のものが包合され
る：炭素数が８までのアルコールのアクリル酸及
び／又はメタクリル酸エステル、アルカンジオー
ル及びα，β−モノエチレン系不飽和モノカルボ
ン酸のジエステル、例えばエチレングリコールジ
アクリレート及びブタンジオール−（１，４）−ジ
アクリレート、α，β−モノエチレン系不飽和モ
ノ及びジカルボン酸のアミド、例えばアクリルア
ミド及びメタクリルアミド、及びそれらのＮ−メ
チロール誘導体、並びにアルコキシ基中の炭素数
が１〜４のＮ−アルコキシメチル−及びＮ−アシ
ル−（メタ）−アクリルアミド、例えばＮ−メチロ
ール−（メタ）アクリルアミド、Ｎ−メトキシメ
チル−（メタ）アクリルアミド、Ｎ−ｎ−ブトキ
シメチル−（メタ）アクリルアミド及びＮ−アセ
トキシメチル−（メタ）アクリルアミド。炭素数
が１〜18のカルボン酸のビニルエステル、特に酢
酸ビニル及びプロピオン酸ビニル、塩化ビニル及
び塩化ビニリデン、ビニルエステル、例えばビニ
ルメチルエーテル、ビニルケトン、例えばビニル
エチルケトン、及び複素環式モノビニル化合物、
例えばビニルピリジン、も共単量体として使用で
きる。

本発明に従う方法は少なくとも75℃の温度にお
いてそして３〜６のpH値において行なわれる。
これらのpH値用の適当な乳化剤は硫酸塩及びス
ルホン酸塩型のものである。代表例には、高級脂
肪アルコール硫酸塩、高級アルキルスルホン酸塩
及びアルキルアリールスルホン酸塩並びにそれら
とホルムアルデヒドとの縮合生成物、高級ヒドロ
キシアルキルスルホン酸塩、スルホこはく酸エス
テル塩及び硫酸化された酸化エチレン付加物が包
合される。

本発明に従う方法で開始剤として使用されるパ
ーオキソ二硫酸塩の全量は、単量体の全量を基に
して0.5〜1.5重量部である。パーオキソ二硫酸の
塩、例えばパーオキソ二硫酸ナトリウム、カリウ
ム又はアンモニウム、が適当な開始剤である。

反応混合物を緩衝させるためには、アルカリを
反応器中に最初に加えられている成分にそして任
意に反応器に加えられる水流にも加える。下記の
ものが例である：水酸化ナトリウム及びカリウ
ム、炭酸ナトリウム及びカリウム並びに炭酸水素
ナトリウム及びカリウム。

乳化重合は任意に重合助剤、例えばキレート化
剤及び促進剤、の存在下で実施される。鎖転移
剤、例えばテトラブロモ−メタン、ブロモメチル
ベンゼン、アルコール、高級アルキルメルカプタ
ン、ジアルキルジキサントゲナート、チオグリコ
ール酸並びにそれらの塩及びエステル、も重合反
応において使用できる。使用される型及び量は特
に、化合物の活性及びジエンの使用量に依存して
おり、それは精通者には良く知られていることで
ある。

単量体がほとんど完全に転化された後に重合が
終つたときに、ラテツクスから残留単量体を公知
の方法で除去でき、そしてそれの機械的安定性を
増すためにそれを約７〜11のpHに調節すること
ができる。本発明に従う方法により得られる分散
液は6.0以上のpH値において45〜70、好適には50
〜60、ｍＮ／ｍの表面張力を有する。それらの固
体含有量は１〜65重量％であり、好適には30〜50
重量％である。実質的にもしくは完全に凝固物及
び斑点のないラテツクスは特に、非織物の結合
用、織物物質及び紙の含浸及び被覆用、並びに塗
料結合剤組成物の製造用に適している。

下記の実施例は本発明に従う方法を説明するも
のである。

実施例 １ 560ｇのイタコン酸及び107ｇの４−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム（75％活性物質）を
スタラー付きの250容器中で14Kgの水中に溶解
させた。濃アンモニア水溶液を用いてpHを４〜
５に調節した。容器を空にした後に、44.94Kgの
スチレン、24.5Kgのブタジエン及び140ｇのター
シヤリ−ドデシルメルカプタンからなる6.96Kgの
均質混合物（供給流／すなわち原料）を撹拌され
ている反応混合物中に加え、そして乳化液を85℃
に加熱した後に70ｇのパーオキソ二硫酸ナトリウ
ムの1.4Kgの水中溶液により重合を開始した。85
℃における１時間の反応時間後に、供給流１（す
なわち原料）の残りと、700ｇのパーオキソ二硫
酸ナトリウム、187ｇの４−ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム（75％活性物質）及び70ｇの
テトラナトリウム−エチレンジアミン−Ｎ，Ｎ，
N′，N′−テトラアセテートの52.5Kgの水中溶液
（供給流２）（すなわち原料）を均一な速度でそれ
ぞれ６時間にわたつて85℃の重合温度において加
えた。次に２種の原料の流入が終了した後に反応
混合物を85℃で２時間撹拌した。

得られた合成ゴム分散液は49.2％の固体含有
量、200nｍの平均粒径及び4.8のpHを有してい
た。アンモニアでpHを９に調節した後に、表面
張力は64ｍＮ／ｍであつた。このpHにおいては、
ラテツクスは優れた機械的安定性及び非常に少な
い発泡傾向を有することが見出された。

比較例 １ 実施例１を繰返したが、イタコン酸の代りに等
重量のアクリル酸を使用した。反応混合物を棄て
なければならないほど大量の凝固物が成生した。

比較例 ２ 実施例１を繰返したが、イタコン酸の代りに等
重量のメタクリル酸を使用した。反応混合物はア
クリル酸を使用したときに得られたものよりさら
に多い凝固物を含有しており、これも棄てなけれ
ばならなかつた。

上記の比較例１及び２は、数多くのエチレン系
不飽和カルボン酸の中から特にイタコン酸を選択
し且つその特定量を使用する本発明の臨界性が示
されている。すなわち、エチレン性不飽和カルボ
ン酸としてありふれたアクリル酸やメタクリル酸
を本発明が特定するような少量で使用した場合に
は、無用の凝固物を大量に生成する不利益があ
る。

実施例 ２ 280ｇのイタコン酸及び187ｇの４−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム（75％活性物質）を
スタラー付きの250容器中で14Kgの水中に溶解
させた。濃アンモニア水溶液を用いてpHを４〜
５に調節した。容器を空にした後に、45.22Kgの
スチレン、24.5Kgのブタジエン及び140ｇのター
シヤリ−ドデシルメルカプタンからなる6.96Kgの
均質混合物（供給流１すなわち原料）を撹拌され
ている反応混合物中に加え、そして乳化液を85℃
に加熱した後に70ｇのパーオキソ二硫酸ナトリウ
ムの1.4Kgの水中溶液により重合を開始した。85
℃における１時間の反応時間後に、供給流１（す
なわち原料）の残りと、700ｇのパーオキソ二硫
酸ナトリウム、187ｇの４−ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム（75％活性物質）及び70ｇの
テトラナトリウム−エチレンジアミン−Ｎ，Ｎ，
N′，N′−テトラアセテートの52.5Kgの水中溶液
（供給流２）（すなわち原料）を均一な速度でそれ
ぞれ６時間にわたつて85℃の重合温度において加
えた。次にこれらの原料の流入が終了した後に反
応混合物を85℃で２時間撹拌した。

得られた合成ゴム分散液は50.9％の固体含有
量、196nｍの平均粒径及び3.6のpHを有してい
た。アンモニアでpHを９に調節した後に、表面
張力は58ｍＮ／ｍであつた。このpHにおいては、
ラテツクスは優れた機械的安定性及び非常に少な
い発泡傾向を有することが見出された。

アルカリ性pHに調節されている実施例１及び
２に記されているゴムラテツクスはニードルフエ
ルトの含浸用に特に適していた。

実施例 ３ 140ｇのイタコン酸及び187ｇの４−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム（75％活性物質）を
スタラー付きの250容器中で14Kgの水中に溶解
させた。濃アンモニア水溶液を用いてpHを４〜
５に調節した。容器を空にした後に、44.94Kgの
スチレン、24.5Kgのブタジエン及び140ｇのター
シヤリ−ドデシルメルカプタンからなる6.96Kgの
均質混合物（供給流１、すなわち原料）を撹拌さ
れている反応混合物中に加え、そして70ｇのパー
オキソ二硫酸ナトリウムの1.4Kgの水中溶液によ
り重合を開始した。85℃における１時間の反応時
間後に、供給流１（すなわち原料）の残りと、700
ｇのパーオキソ二硫酸ナトリウム、187ｇの４−
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム（75％活
性物質）及び70ｇのテトラナトリウム−エチレン
ジアミン−Ｎ，Ｎ，N′，N′−テトラアセテート
の溶液（供給流２）（すなわち原料）及び420ｇの
イタコン酸の24.5Kgの水中溶液（供給流３）（す
なわち原料）をそれぞれ６時間にわたつて85℃の
重合温度において加えた。全原料流を加えた後
に、反応混合物を85℃で２時間撹拌した。

得られた合成ゴム分散液は50.1％の固体含有
量、237nｍの平均粒径及び2.1のpHを有してい
た。pH9において表面張力は58ｍＮ／ｍであつ
た。

このゴムラテツクスもニードルフエルトの含浸
用に使用できた。

実施例 ４ 420ｇのイタコン酸、140ｇの炭酸水素ナトリウ
ム及び70ｇのラウリル硫酸ナトリウムをスタラー
付きの250容器中で17.5Kgの水中に溶解させた。
容器を空にした後に、20.85Kgのスチレン、38.5
Kgのブタジエン、10.5Kgのアクリルニトリル及び
70ｇのターシヤリ−ドデシルメルカプタンからな
る10.45Kgの均質混合物（供給流１、すなわち原
料）を撹拌されている反応混合物中に加え、そし
て乳化液を80℃に加熱した後に140ｇのパーオキ
ソ二硫酸アンモニウムの1.4Kgの水中溶液により
重合を開始した。80℃における30分間の反応時間
後に、供給流１（すなわち原料）の残りを７時間
にわたり加え、そして、560ｇのパーオキソ二硫
酸アンモニウム、210ｇのラウリル硫酸ナトリウ
ム及び140ｇの炭酸水素ナトリウムの49Kgの水中
溶液（供給流２）（すなわち原料）を８時間にわ
たつて80℃の重合温度において加えた。これらの
原料の添加が完了したときに反応混合物を80℃で
２時間撹拌した。

得られた合成ゴム分散液は51.0％の固体含有
量、288nｍの平均粒径及び6.0のpHを有してい
た。pH9において表面張力は48ｍＮ／ｍであつ
た。

このゴムラテツクスはセルロース板の含浸用に
使用できた。

実施例 ５ 700ｇのイタコン酸及び187ｇの４−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム（75％活性物質）を
スタラー付きの250容器中で14Kgの水中に溶解
させた。濃アンモニア水溶液を用いてpHを４〜
５に調節した。容器を空にした後に、42.0Kgのス
チレン、25.2Kgのブタジエン及び210ｇのターシ
ヤリ−ドデシルメルカプタンからなる6.74Kgの均
質混合物（供給流１、すなわち原料）及び350ｇ
のＮ−メチロールアクリルアミド60％水溶液を撹
拌されている反応混合物中に加え、そして乳化液
を80℃に加熱した後に140ｇのパーオキソ二硫酸
アンモニウムの1.4Kgの水中溶液により重合を開
始した。85℃における15分間の反応時間後に、供
給流１（すなわち原料）の残りと、840ｇのパーオ
キソ二硫酸アンモニウム、187ｇの４−ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム（75％活性物質）
及び70ｇのテトラナトリウム−エチレンジアミン
−Ｎ，Ｎ，N′，N′−テトラアセテートの70Kgの
水中溶液（供給流２）（すなわち原料）及び3.15
KgのＮ−メチロールアクリルアミド60％水溶液
（供給流３）（すなわち原料）をそれぞれ６時間に
わたつて85℃の重合温度において加えた。全ての
原料の添加後に、反応混合物を85℃で２時間撹拌
した。

得られた合成ゴム分散液は44.0％の固体含有
量、258nｍの平均粒径及び4.4のpHを有してい
た。pH7において表面張力は48ｍＮ／ｍであつ
た。

このゴムラテツクスは非織物の結合用に適して
いた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エチレン系不飽和カルボン酸と10〜90重量％
   の１種もしくはそれより多い炭素数が４〜９の非
   環式共役ジエン及び10〜90重量％の１種もしくは
   それより多い炭素数が８〜12のアリールビニル単
   量体及び／又は（メタ）アクリロニトリルから成
   る非解離性単量体混合物との共重合体を含有して
   いる水性合成ゴム分散液、ただし上記（メタ）ア
   クリロニトリルの量は、存在する場合には、多く
   とも50重量％であり、そして25重量％までの上記
   非解離性単量体は任意に１種もしくはそれより多
   い他の非解離性の共重合可能な単量体により置換
   されていてもよい、において、該共重合体が0.3
   〜1.0重量部のイタコン酸と99.0〜99.7重量部の上
   記非解離性単量体混合物との共重合体であるこ
   と、及び該分散液が共重合体を基にして0.05〜
   0.5重量％のアニオン性乳化剤で安定化されてい
   ること、を特徴とする水性合成ゴム分散液。 ２ イコタン酸、スチレン及びブタジエンの共重
   合体を含有している、特許請求の範囲第１項記載
   の水性合成ゴム分散液。 ３ エチレン系不飽和カルボン酸と10〜90重量％
   の１種もしくはそれより多い炭素数が４〜９の非
   環式共役ジエン及び10〜90重量％の１種もしくは
   それより多い炭素数が８〜12のアリールビニル単
   量体及び／又は（メタ）アクリロニトリルから成
   る非解離性単量体混合物との共重合体を含有して
   いる水性合成ゴム分散液、ただし上記（メタ）ア
   クリロニトリルの量は、存在する場合には、多く
   とも50重量％であり、そして25重量％までの上記
   非解離性単量体は任意に１種もしくはそれより多
   い他の非解離性の共重合可能な単量体により置換
   されていてもよい、であつて、該共重合体が0.3
   〜1.0重量部のイタコン酸と99.0〜99.7重量部の上
   記非解離性単量体混合物との共重合体であり且つ
   該分散液が共重合体を基にして0.05〜0.5重量％
   のアニオン性乳化剤で安定化されている水性合成
   ゴム分散液の製造に際して、バツチ式方法を用い
   て、水の一部、イコタン酸の一部又は好適には全
   部、塩基、アニオン性乳化剤の全部又は一部及び
   単量体の一部をスタラーを備えた反応器中に加
   え、ここで各成分は撹拌されている反応混合物の
   pHが3.5〜6.0であるように選択され、重合を少な
   くとも70℃の温度において単量体の全量を基にし
   て0.5〜1.5重量％のパーオキソ二硫酸アンモニウ
   ム及び／又はアルカリ金属パーオキソ二硫酸塩の
   添加により開始し、そして反応器の内容物を75℃
   〜150℃に保ちながら、他の単量体の少なくとも
   １種の非水性供給流（すなわち原料）及びアンモ
   ニウム及び／又はアルカリ金属パーオキソ二硫酸
   塩の残りを含有している少なくとも１種の水性供
   給流（すなわち原料）を、単量体がほとんど完全
   に転化するまで加えることを特徴とする該水性合
   成ゴム分散液の製造方法。