JP2588182B2 - ゴム状アクリル重合体の製法 - Google Patents

ゴム状アクリル重合体の製法

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JP2588182B2
JP2588182B2 JP61505573A JP50557386A JP2588182B2 JP 2588182 B2 JP2588182 B2 JP 2588182B2 JP 61505573 A JP61505573 A JP 61505573A JP 50557386 A JP50557386 A JP 50557386A JP 2588182 B2 JP2588182 B2 JP 2588182B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 ラテックス、その重合体及びそれから製造された物品
に関して、多数の特許及び刊行物が存在している。本発
明は、特に、複数の性質のすぐれたバランス、例えば低
温柔軟性、“軟度(ソフトネス)”、光及び酸化に対す
る良好な耐性、引張強さと伸びの良好な組合せ、そして
すぐれたヒステリシス特性を有している新規な重合体を
含有している新しいラテックス組成物に向けられてい
る。本発明が最も密接に関係するラテックスの主たる部
類は、アクリルラテックスである。
常用のアクリルラテックスであって、アクリレート酸
エステル、主たる量までのその他の共重合可能な単量
体、不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、及び架橋用
単量体、例えばN−アルキロールアクルアミドからなる
共重合単位(interpolymerized units)の重合体を含有
しているものは公知である。これらの重合体はラテック
スの形で使用することができ、また、これらのラテック
スは、凝集、乾燥などによってラテックスから分離する
ことができる。ラテックス形は、塗料の調製に有利に用
いることができ、さもなけらば、不織布用又は紙及びそ
の他の材料の処理用のバインダとして使用することがで
きる。
この技術分野において、多数のアクリルラテックスが
例示されている。米国特許第2,757,106号、同第3,231,5
33号、同第3,539,434号及び同第4,501,289号はこのよう
な特許の例であり、但しほんの一例にしかすぎない。さ
らに詳しく述べると、例えばイタコン酸のような不飽和
ジカルボン酸の共重合単位を含有するアクリル系ラテッ
クス重合体を列挙するかもしくは開示する特許が、本発
明により係りがあるものである。このような特許の例
は、次のような米国特許各号である:2,754,280;3,714,0
78;4,071,650;4,181,769;4,268,546;4,289,823;4,291,0
87;4,351,875;4,406,660;及び4,455,342。しかし、これ
らの文献は、ジカルボン酸とモノカルボン酸の使用を区
別しておらず、また、ジカルボン酸の使用により本発明
において製造されるところのユニークでかつ改良された
重合体を開示していない。本発明の完成以前、Tgが低く
て軟質のアクリル重合体は、基本的なこととして、引張
強さと伸びの性質の不良なバランス及び不適当なヒステ
リシス特性を呈示した。このことは、良好な低温特性、
例えば低温柔軟性と良好な強度特性の間に通常“トレー
ド(trad−off)”が存在するので、意外なことではな
い。本発明の製法により得られる重合体は、この点に関
して、いくつかの性質の非常に改良されたバランスを呈
示する。とりわけ、この新規な重合体は、基本的に、Tg
が低くて軟質のアクリル重合体であって、引張強さと伸
びの良好なバランス、そして低いヒステリシス損失パー
セントによって示されるように、すぐれたヒステリシス
特性を有している。
発明の概要 本発明は、ユニークなアクリルラテックス、ユニーク
なゴム状アクリル重合体の製法に関する。ラテックス
は、(a)約1〜約20重量部の、4〜10個の炭素原子を
含有する最低1種類の不飽和ジカルボン酸を、(b)約
70〜約99重量部の、その主たる部分がアクリレート単量
体である最低1種類の共重合可能な単量体、及び(c)
約0.1〜約10重量部の架橋用単量体と、常用の開始剤及
び表面活性剤の存在において共重合させることによって
調製する。これらのラテックス中の重合体は、複数の性
質のユニークかつ改良されたバランスを有している。こ
の新規な重合体は、低Tgの軟質重合体であって、引張強
さと伸びの良好なバランス、そしてすぐれたヒステリシ
ス特性を有している。かかる重合体は、ゴム質であり、
強靭であり、かつ高弾性であり、そして一部の“高硬度
(harder)”アクリル重合体において一般的な引張強さ
及び伸び特性を呈示する。これらの新規な重合体のガラ
ス転移温度(Tg)は、約−20℃〜約−60℃である。
新規なラテックスは、単量体のプレミックスを使用し
て、かつそのプレミックスを開始剤含有の反応器中に計
量供給することによって、単量体及びその他の成分を重
合させることによって調製することができる。しかし、
好ましい1方法は、プレミックスを通常の方法で、しか
し、不飽和ジカルボン酸の全部あるいは実質的な部分を
含まないようにして調製し、そしてそのプレミックスを
反応器中に計量供給する前に、不飽和ジカルボン酸を最
初に反応器に添加することからなる。
発明の詳細な説明 本願明細書において開示する新規なラテックスは、ユ
ニークな性質を具えた物品を得ることを目的として、不
織布用の被膜あるいはバインダとして有用であり、ある
いは、新規な重合体は、ラテックスから分離して、ユニ
ークな性質を具えたフィルム及び物品を製造するために
使用することができる。新規な重合体は、いくつかの性
質のユニークで改良されたバランスを呈示する。かかる
重合体は、すぐれた低温柔軟性を有し、またさらに、引
張強さと伸びの良好なバランス及びすぐれたヒステリシ
ス特性を呈示する。さらに詳しく述べると、新規な重合
体は、高弾性、ゴム質、強靭性、それらの軟度が認めら
れる低い粘着性、熱及び光安定性、乾燥及び湿潤強度及
び溶剤強度、そして低温柔軟性の改良されたバランスを
有している。これらの新規な重合体の特定の性質は、一
部のより硬質のアクリレート重合体の性質に比較可能で
ある。例えば、新規な重合体は、高硬質アクリレート重
合体に匹敵するところを耐摩耗性を呈示する。しかし、
新規な重合体は、高硬質アクリレート重合体について認
められる大可塑性の挙動と比較した場合に、ゴム状の挙
動を呈示する。本発明以前では、低Tgの軟質アクリル重
合体は、基本的に、引張強さと伸び特性の劣ったバラン
ス、そして不適当なヒステリシス特性を呈示した。本発
明の重合体は、この点に関して、いくつかの性質のより
改良されたバランスを呈示する。特に、本発明の新規な
重合体は、低Tgの軟質アクリル重合体であって、引張強
さと伸びの良好なバランス、そして低いヒステリシス損
失パーセントによって示されるように、すぐれたヒステ
リシス特性を有している。
本願明細書に開示する新規なラテックスは、4〜約10
個の炭素原子を含有する最低1種類の不飽和ジカルボン
酸を最低1種類の共重合可能な単量体と、開始剤及び表
面活性剤の存在において重合させることによって調製す
る。任意には、架橋用単量体を不飽和ジカルボン及び共
重合可能な単量体と共重合させることができる。反応器
に装填される単量体の全部の合計量は、バッチ式、経時
増加式及び/又は計量供給のいかんによらず、100重量
部に等しい。
不飽和ジカルボン酸の使用は本発明にとって重要であ
る。例えばアクリル酸又はメタクリル酸のようなモノカ
ルボン酸を使用したのでは、複数の性質のユニークなバ
ランスが重合体において得られない。本発明において用
いられる不飽和ジカルボン酸は、1分子につき4〜約10
個の炭素原子を含有する。特に適当なジカルボン酸は、
4〜6個の炭素原子を含有しているもの、例えばイタコ
ン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、フマ
ル酸及びマレイン酸である。このような酸の無水物、例
えば無水マレイン酸もまた有用である。より好ましい不
飽和ジカルボン酸は、イタコン酸及びフマル酸である。
挙動の面から最も好ましい不飽和ジカルボン酸は、イタ
コン酸である。
不飽和ジカルボン酸の使用量は、約1重量部〜約20重
量部、さらに好ましくは約2重量部〜約8重量部であ
る。不飽和ジカルボン酸を約8重量部を上廻る量で使用
すると、酸の不安定化作用及び重合の若干の遅延に原因
して、成分の重合を適宜調節することが必要になってく
る。例えば、4重量部のイタコン酸を使用した場合に良
好な結果が得られたのと同一の表面活性剤及び開始剤を
使用して、8重量部のイタコン酸を最初に反応器中に装
入したような実験では、得られたラテックスが高い残留
単量体含有量を有し、同等あるいは同レベルのフィルム
の形成において若干の困難をひきおこした。20重量部の
イタコン酸を最初に反応器中に装入した場合には、ラテ
ックスが形成されたけれども、但し、その残留単量体量
は非常に高レベルであった。このような場合には、許容
し得る量の残留単量体を有するラテックスを得るため、
重合の条件及び成分を容易に調節することができる。こ
のことは、表面活性剤及び/又は開始剤の使用量を増大
させること、重合温度を上昇させること、不飽和ジカル
ボン酸を部分的に計量供給すること、ラテックスをスト
リッピングすること、あるいはその組合せによって行う
ことができる。約3〜約6重量部の不飽和ジカルボン酸
を用いたときにすぐれた結果が得られた。
本発明の新規な重合体は、(a)上記した不飽和ジカ
ルボン酸の最低1種類と、(b)最低1種類の共重合可
能な単量体及び(c)、架橋用単量体との共重合体であ
る。したがって、本発明の新規に重合体は、95重量%の
n−ブチルアクリレートと5重量%のイタコン酸の共重
合体のような構造簡単な共重合体であってもよい。しか
し、これらの新規な重合体は、2種類よりも多種類の単
量体からなる共重合単位を含有するのがより望ましい。
本発明において用いられる共重合可能な単量体は、不
飽和ジカルボン酸と共重合することが可能な任意の不飽
和単量体であることができる。この共重合可能な単量体
の使用量は、不飽和ジカルボン酸及び架橋用単量体(も
しも使用するならば)の重量部と使用される共重合可能
な単量体の重量部とが合計で100重量部までとなるよう
な量である。例えば、4重量部の不飽和ジカルボン酸及
び2重量部の架橋用単量体を含有している本発明の新規
な共重合体は、したがって、94重量部の共重合可能な単
量体を含有するであろう。単量体の全部が合計100重量
部を基準にして添加され、かつラテックス反応における
転化が通常実質的な完結に達するので、装入される単量
体の重量部は、最終重合体中に含まれる共重合せる単量
体の重量%に実質的に等しなる。もしもこのことが事実
でないならば、常用の分析方法を使用して、重合体中に
含まれる任意の共重合せる単量体の重量%を容易に確か
めることができる。一般的に、反応器に装入される共重
合可能な単量体の全量は、単量体全体の最低70重量部、
さらに一般的な最低90重量部である。
共重合可能な単量体の例は、次のようなものである:1
〜約20個の炭素原子をアルキル基中に含有するアルキ
ル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、及び
シアノアルキルアクリレート及びメタクリレート;ジア
クリテート及びジメタクリレート、例えばエチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレートなど;2〜約10個の炭素原子を含有するモノオレ
フィン、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、
1−ヘキセン、1−オクテンなど;4〜約20個の炭素原子
を含有するビニル及びアリルアセテート、例えば酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酢酸アリルなど;4〜約20個
の炭素原子を含有するビニルケトン、例えばメチルビニ
ルケトン;4〜約20個の炭素原子を含有するビニル及びア
リルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、アリルメ
チルエーテルなど;8〜約20個の炭素原子を含有するビニ
ル芳香族体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p
−n−ブチルスチレン、p−n−オクチルスチレン、ビ
ニルトルエンなど;3〜約6個の炭素原子を含有するビニ
ルニトリル、例えばアクリロニトリル及びメタクロニト
リル;4〜約20個の炭素原子を含有するビニルアミド、例
えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメ
タクリルアミドなど;及び4〜約20個の炭素原子を含有
するジエン及びジビニル、例えばブタジエン、イソプレ
ン、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテルなど;ハロゲ
ン基を含有する炭素原子数2〜約20の単量体、例えば塩
化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルベンジ
ルクロリド、ビニルベンジルブロミド、ビニルクロロア
セテート、アリルクロロアセテート、2−クロロエチル
アクリレート、クロロプレンなど;不飽和スルホネート
単量体、例えばナトリウムスチレンスルホネートなど;4
〜約20個の炭素原子を含有する不飽和カルボン酸エステ
ル及びアミド単量体、例えばジメチルフマレート、ジブ
チルイタコネート、イタコン酸の半エチルエステルな
ど;そして3〜約5個の炭素原子を含有する不飽和モノ
カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸など。
共重合可能な単量体を選択するに当っての2つの条件
は、(1)製造される重合体のガラス転移温度(Tg)が
約−20℃〜約−60℃、さらに好ましくは、約−25℃〜約
−50℃であること、及び(2)共重合可能な単量体が主
たる割合のアクリレート単量体を含有すること、であ
る。
用いられるアクリレート単量体は、次式によって表わ
されるアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオア
ルキル又はシアノアルキルアクリレートである: (上式において、 Raは水素又はメチルであり、 そして R1は、1〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基、合
計して2〜約12個の炭素原子を含有するアルコキシアル
キル又はアルキルチオアルキル基、又は2〜約12個の炭
素原子を含有するシアノアルキル基である)。
アルキルの構造は、第1、第2又は第3の炭素の形状
を含有することができる。このようなアクリレートの例
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、n−ペンチルアクリレート、イソアミル
アクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−メチル
ペンチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレー
ト、n−ドデシルアクリレート、n−オクタデシルアク
リレートなど;メトキシメチルアクリレート、メトキシ
エチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブ
トキエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレー
ト、メトキシチオエチルアクリレート、ヘキシルチオエ
チルアクリレートなど;そしてα−及びβ−シアノエチ
ルアクリレート、α,β及びα−シアノプロピル、シア
ノブチル、シアノヘキシル、及びシアノオクチルアクリ
レートなど;n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、オク
タデシルメタクリレートなど;である。2種類もしくは
それ以上のアクリレート単量体の混合物も容易に用いら
れる。
好ましくは、用いられる共重合可能な単量体は、約40
重量%から約100重量%までの上式のアクリレートを含
有する。最も好ましいアクリレート単量体は、式中のRa
が水素であり、そしてR1が4〜約10の炭素原子を含有す
るアルキル基であるかもしくは2〜約8個の炭素原子を
含有するアルコキシアルキル基であるものである。最も
好ましいアクリレートの例は、n−ブチルアクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レートなど、そしてメトキシエチルアクリレート、エト
キシエチルアクリレートなどである。アルキルアクリレ
ート及びアルコキシアルキルアクリレートの両者を使用
することができる。用いられたアクリレート単量体が最
も好ましいアクリレート単量体であり、そしてそのよう
な単量体が約75%〜100%の共重合可能な単量体を有す
る場合、すぐれた結果が得られた。
新規な重合体が低いTg値を有しかつ主たる割合の共重
合せるアクリレート単量体を含有するというような、共
重合可能な単量体を選択するに当っての2つの基準は、
補足的に説明すると、共重合可能な単量体として好まし
いアクリレート単量体を多量に用いた場合には、必要な
Tg値を具えた新規な重合体が得られるということであ
る。本発明の新規な重合体は、規定されたTg範囲内にお
いて2つ以上のTg値を有し得るということが理解され
る。
重合体のTg値は、示差熱分析を使用して容易に設定す
ることができる。さらに、重合体のTg値は、多くの刊行
物に与えられた手法及び技法に従って、既知の式及び容
易に得ることのできるデータを使用して、共重合せる単
量体から予想することが可能である。このような刊行物
の1つとして、書籍、Mechanical Properties of Polym
ers,L.E.Nielsen著、Reinhold Publishing Corp.刊(19
67)、Library of Congress catalog card no.62−1893
9がある。チャプター2は重合体における転移に向けら
れており、また、その16〜24頁に記載の図表には、アク
リレート重合体を含めた多くの重合体のTg値が、用いら
れた単量体を基準にして列挙されている。
したがって、新規な重合体のTgは、用いられた共重合
性単量体の種類と量を認識することを通じて、決定する
ことが可能である。しかし、上記した共重合性単量体の
リストから、単量体の一部は多量に使用することができ
ずかつそれでも必須の基準を満たす重合体を提供するこ
とが明らかである。例えば、“硬質”の共重合可能な単
量体、すなわち、Tg値が+80℃もしくはそれ以上である
単独重合体を生じるようなものは、通常、共重合可能な
単量体の全重量の0〜約25重量%の量で用いられるであ
ろう。このような硬質単量体の例は、ビニル芳香族体、
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン;ビニルニトリル、例えばアクリロニトリル及びメタ
クリロニトリル、そしてハロゲン基を含有する単量体、
例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルベンジルク
ロリドである。さらに、共重合可能な単量体の特定のも
のは、もしもそれらの単量体を多量に存在させた場合
に、本発明の重合体の特徴を見劣りさせ得るような活性
を有している。したがって、例えばビニルアミド、ジア
クリレート及びジメタクリレート、不飽和スルホネート
単量体、そして不飽和モノカルボン酸のような共重合可
能な単量体は、通常、共重合可能な単量体の全重量の0
〜約5重量%の量で用いられるであろう。
新規な重合体は、それらの重合体のユニークな性質を
ひき出すために、一般には架橋用単量体を存在させるこ
とを必要としない。しかし、これらの新規な重合体を用
途の多くは、重合体中に架橋用単量体を存在させること
あるいは新規な重合体に対して架橋剤を添加することが
必要となる。
本発明において用いられる架橋用単量体は、不飽和の
ジカルボン酸及び共重合可能な単量体と重合可能な任意
の単量体あるいは低重合体であることができる。かかる
架橋用単量体は、架橋反応を呈示するか、もしくは架橋
部位に変換可能である。不飽和のジカルボン酸及び共重
合可能な単量体と共重合し、そして次に架橋部位を生成
する方向で変換可能な架橋用単量体の一例はアクリルア
ミドであり、これは、ホルムアルデヒドで処理した場
合、メチロール基を形成する。より好ましい架橋用単量
体は、N−メチルロール基を含有するモノエチレン系不
飽和単量体、例えばN−メチロールアクリルアミド、あ
るいは1個もしくはそれ以上のN−メチロール基を含有
していてもよいアクリレーカーボネートのN−メチロー
ル誘導体である。N−メチロール基は、未反応のまゝ残
留せしめられてもよく、さもなければ、C1〜C4アルコー
ルを用いるなどしてエーテル化せしめられてもよい。ア
ルコールは、硬化時に放出せしめられ、よって、硬化の
ためのN−メチロール基の再生が行われる。アルコール
エーテル化剤としては、メチルアルコール、エチルアル
コール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコー
ル、2−エトキシエタノール、及び2−ブトキシエタノ
ールをあげることができる。
さらに詳しく述べると、好ましい架橋用単量体は、約
4〜約18個、好ましくは4〜12個の炭素原子をアルキル
基中に含有するN−アルキロールアクリルアミド、及び
約7〜約20個の炭素原子を含有する低級アルキルアクリ
ルアミドグリコレート低級アルキルエーテルから選ばれ
る。とりわけ好ましい架橋用単量体の例を特に列挙する
と、N−メチロールアクリルアミド、N−メチイロール
メタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミ
ド、イソブトキシメチルアクリルアミド、そしてメチル
アクリルアミドグリコレートメチルエーテルがある。N
−メチロールアクリルアミドを架橋用単量体として用い
た時に、特に良好な結果が得られた。
架橋用単量体は、全部の単量体の合計100重量部を基
準にして、約0.1〜約10重量部、さらに好ましくは約0.5
〜約5重量部の範囲内において用いられる。
もしも架橋用単量体を不飽和ジカルボン酸及び共重合
性単量体と共重合させないのならば、ラテックス又は重
合体に対して架橋剤を後重合添加することによって、新
規な重合体をあとで架橋させることができる。このよう
な架橋剤の例は、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミ
ン−アルデヒド樹脂及び部分メチロール化メラミン−ホ
ルムアリデヒド樹脂、グリオキサール樹脂、その他であ
る。これらの架橋剤は、重合体100重量部を基準にし
て、約0.1〜約20重量部、さらに好ましくは約0.5〜約2
重量部の量で使用することができる。
新規な重合体はラテックスとして調製することができ
る。これらの新規な重合体は、ラテックスの形で用いた
場合に大きなユーティリィティを有するので、ラテック
スそのものがユニークでありかつ新規である。
新規な重合体の調製に用いられる水性媒体は、慣用の
乳化剤を含んでいなくてもよく、あるいは慣用の乳化剤
を含有していてもよい。本発明のユニークなラテックス
を調製するために慣用の乳化剤を使用する場合には、標
準タイプのアニオン系及び非イオン系乳化剤を使用する
ことができる。有用な乳化剤は、8〜18個の炭素原子を
有するアルコールの硫酸塩のアルカリ金属又はアンモニ
ウム塩、例えばナトリウムラウリルサルフェート、エタ
ノールアミンラウリルサルフェート及びエチルアミンラ
ウリルサルフェート;スルホン化石油及びパラフィン油
のアルカリ金属及びアンモニウム塩;例えばドデカン−
1−スルホン酸及びオクタジエン−1−スルホン酸のよ
うなスルホン酸のナトリウム塩;アラルキルスルホネー
ト、例えばナトリウムイソプロピルベンゼンスルホネー
ト、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート及びナト
リウムイソブチルナフタレンスルホネート;スルホン化
ジカルボン酸エステルのアルカリ金属及びアンモニウム
塩、例えばナトリウムジオクチルスルホスクシネート及
びジナトリウム−N−オクタデシルスルホスクシネー
ト;錯体有機モノ−及びジホシフェートエステルの遊離
酸のアルカリ金属又はアンモニウム塩;共重合可能な表
面活性剤、例えばビニルスルホネートなどを包含する。
また、非イオン系の乳化剤、例えばオクチル−又はノニ
ルフェニルポリエトキシエタノールを使用してもよい。
すぐれた安定性を具えた本発明のラテックスは、芳香族
のスルホン酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩、アラ
ルキスルホネート、長鎖アルキルスルホネート及びポリ
(オキシアルキレン)スルホネートを乳化剤として使用
した場合に得られる。
乳化剤はその混合物は、全体を重合の開示時に添加し
てもよく、さもなければ、運転中に経時増加的に添加す
るかもしくは計量供給してもよい。一般的には、乳化剤
の一部を重合の開始時に反応器に添加し、そしてその残
りを、単量体の比例供給を行う時、経時増量的又は比例
的に反応器に装入する。
単量体の重合は、重合を開始させることが可能な化合
物の存在において、約0℃から約100℃までの温度で実
施することができる。開始用の化合物及びその混合物
は、屡々酸化−還元触媒と組み合わせて、選ばれた重合
温度プロファイルで適当な開始速度を生じるような量及
びタイプでもって選ばれる。一般的に用いられる開始剤
には、種々の過酸素化合物のようなフリーラジカル開始
剤、例えば、ペルスルホネート、ベンゾイルペルオキシ
ド、t−ブチルジペルフタレート、ペラルゴニルペルオ
キシド及び1−ヒドロキシシクロヘキシルヒドロペルオ
キシド;アゾ化合物、例えばアゾジイソブチロニトリル
及びジメチルアゾジイソブチレート;その他が含まれ
る。とりわけ有用な開始剤は、水溶性の過酸素化合、例
えば過酸化水素、及び自体もしくは活性化系において用
いられるナトリウム、カリウム及びアンモニウム過硫酸
塩である。一般的な酸化−還元系は、アルカリ金属過硫
酸塩を還元性物質、例えばポリヒドロキシフェノール、
酸化可能な硫黄化合物、例えば亜硫酸ナトリウム又は亜
硫酸水素ナトリウム、還元糖、ジメチルアミノプロピオ
ニトリル、ジアゾメルカプト化合物、水溶性ヘキサシア
ノ鉄(III)塩化合物、その他と組み合わせたものを包
含する。また、過硫酸塩で触媒せる重合を活性化するた
め、重金属イオンを使用してもよい。
表面活性剤の使用量は約0.01〜約10重量部であり、そ
して開始剤の使用量は約0.01〜約1.5重量部である。な
お、これらの使用量はどちらも、単量体の合計量100重
量部を基準としている。
すぐれた安定性を有している本発明の重合体ラテック
スは、アルカリ金属及びアンモニウム過硫酸塩を開始剤
として使用して得られる。この開始剤は、重合の最初に
おいて完全に反応器に装入してもよく、さもなければ、
重合の進行を通じて、開始剤を経時増加時に添加するも
しくは計量供給してもよい。重合中を通じて開始剤を添
加することは、その重合中に適当な速度が与えられるの
で、屡々有利である。
新規なアクリルリテックスは、いろいろな手法を用い
て調製することができる。ある手法では、単量体を任意
に水、表面活性剤又はその混合物、緩衝剤、調節剤、そ
の他と混合することによってプレミックスを調製する。
もしも水を使用するならば、水性プレミックスを攪拌し
てエマルジョンを調製する。反応器には、多量の水、開
始剤及び任意の成分を別々に添加する。次いで、プレミ
ックスを反応器に計量供給し、そして単量体を重合させ
る。
上記の方法の変法に従うと、プレミックスの一部を反
応器に添加することができる。次いで開始剤を添加し、
そして最初の単量体の反応器内における重合を行わせて
種重合体の粒子を形成する。その後、プレミックスを残
りあるいはもう1つのプレミックスを反応器に計量供給
し、そして通常の手法でもって重合反応を完結させる。
さらにもう1つの変法に従うと、プレミックスを、連続
的というよりはむしろ経時増加的に、反応器に供給する
ことができる。最後に、上記方法のさらにもう1つの変
法に従うと、単量体及びその他の成分の全部を直接に反
応器に添加し、そして重合の公知な手法で実施すること
ができる。この最後に述べた手法は、一般的には、バッ
チ法と呼ばれている。また、単量体は、プレミックス中
以外の別の独立した流れ中で反応器に添加することもで
きる。
本発明のラテックスの調製方法の好ましい1態様に従
うと、約2〜約8重量部の不飽和ジカルボン酸、例えば
イタコン酸を、水中で、90〜98重量部のアルキルアクリ
レート単量体、例えばn−ブチルアクリレート、及び0.
5〜5重量部の架橋用単量体、例えばN−メチロールア
クリルアミドと、0.1〜5重量部の適当な表面活性剤、
例えばナトリウムラウリルサルフェート、及び0.01〜1.
5重量部の適当な開始剤、例えば過硫酸ナトリウムの存
在において重合させる。
不飽和のジカルボン酸は、プレミックスの計量供給を
始める前、全部を最初に反応器に添加することができ、
さもなければ、そのような酸の一部あるいは全部を、重
合の間に、反応器中に計量供給することができる。この
方法の好ましい1態様に従うと、不飽和のジカルボン酸
の全量を最初に反応器に添加し、そして共重合可能な単
量体及び架橋用単量体を含有するプレミックスを反応器
中に計量供給する。不飽和ジカルボン酸の全量を最初に
反応器に添加した場合、重合体の物理的性質の最良のバ
ランスが得られた。しかし、モノカルボン酸だけを使用
して製造した同様な重合体と比較した場合、不飽和ジカ
ルボン酸の一部又は全部をプレミックスに添加した場合
にもまた、複数の性質の改良されたバランスを有する重
合体が得られた。
すでに説明したように、アクリルラテックスを調製す
るための方法は、通常、多数の工程を包含する。典型的
には、1種類もしくはそれ以上の単量体、任意に表面活
性剤、水、そしていくつかの成分、例えば緩衝剤、連鎖
調節剤、その他を含有するプレミックスを調製する。こ
のプレミックスを、通常、はげしく攪拌して、もしも水
が一成分であるならば、常温でエマルジョンを形成す
る。また、反応器は、重合に供するため、水、開始剤、
単量体(もしも反応器に添加するのなら)、任意に緩衝
剤、及びその他の成分の添加によって調製する。反応器
及びその内容物を予備化熱することができる。プレミッ
クスを、約0.5〜約10時間もしくはそれ以上、好ましく
は1〜4時間にわたって反応器に計量供給する。重合が
開始するや否や、反応器の温度が上昇する。重合温度を
好ましくは約30℃〜約90℃で調節するため、反応器を取
り囲む冷水ジャケットあるいはその他のタイプのジャケ
ットを使用することができる。
典型的には、得られたラテックスを処理して残留単量
体を減量し、そしてそのpH値を所望の値に調節する。次
いで、このラテックスをチーズクロス又はフィルターソ
ックスを通して度々濾過し、そして保存する。保存した
ラテックスは、固形分含有量の合計が約10〜約68%、さ
らに典型的には約40〜60%である。
不飽和ジカルボン酸の全量あるいは少なくとも半分か
もしくはそれ以上を反応器中に最初に加えた場合には最
良の結果が得られたけれども、その酸の半分以上あるい
は全部をプレミックス中に加えた場合にも、使用の酸が
本願明細書に記載の不飽和ジカルボン酸である限りにお
いて、新規な重合体の物理的性質のバランスにおいて予
想外の改良が得られたという点が理解されなければなら
ない。例えばアクリル酸及びメタクリル酸のような不飽
和モノカルボン酸を使用したのでは、新規な重合体にお
いて複数の性質のユニークなバランスを得ることの機能
が果たされなかった。さらに、アクリル酸又はメタクリ
ル酸を最初に全部反応器中に加えた場合、重合中に水を
添加することによってゲル化あるいは凝固の防止につと
めたにもかかわらず、反応混合物がゲル化するかもしく
は凝集した。
すでに述べたように、本発明の好ましい1方法におい
て、モノカルボン酸の全量を一般にプレミックスに添加
するような従来の方法とは異なって、不飽和ジカルボン
酸を全部最初に反応器に添加する。最初に多量の不飽和
ジカルボン酸を反応器に添加する場合には、最適な性質
を具えたラテックスを得るために、重合の処方を調節す
ることが必要である。例えば、不飽和ジカルボン酸の全
量を反応器中に加えかつ、その際、重合の処方あるいは
プロセスにおいて何らかのその他の変更を行わないと、
より大きな粒径をもったラテックスを得ることができ
る。この理由としては、ジカルボン酸が反応器内の開始
剤の効率を下げること、及び/又はジカルボン酸が反応
器内における粒子形成の不安定化をひきおこし、これが
ため、ラテックス重合体の粒径に影響がでてくること、
が考えられる。
アクリルラテックスの技術では、反応器内に含まれる
表面活性剤の量はラテックスの粒径に対して実質的な影
響力を有しているということが知られている。したがっ
て、表面活性剤の使用量を増加させることによって、ラ
テックスの粒径を下げることができる。反応器内におけ
る不飽和ジカルボン酸の存在は粒径を増大する硬化を有
し得るので、表面活性剤(及び/又は開始剤)の使用量
における上向きの調節はこの効果を補償することが可能
である。
本願明細書に開示する新規なラテックスは、典型的な
コロイドの性質を有している。これらのラテックスは、
アニオン的に安定化されており、調製時で約1〜約6の
pH値を有しており、約1000〜5000Å粒径を有しており、
そして、それらのpH値を中性を越えるまで上昇させた場
合、良好な機械的安定性を呈示する。
本発明の重合体が奏する最もユニークな性質の1つ
に、それらのすぐれたヒステリシス特性がある。本発明
において調製した新規な重合体は、非常に狭いヒステリ
シス曲線を有している。ヒステリシス曲線が狭ければ狭
いほど、重合体の弾性(レジリエンス)はより大であ
る。また、ヒステリシス曲線が狭ければ狭いほど、重合
体の延伸あるいは加工時における熱の発生がより少なく
なるであろう。
重合体のヒステリシス損失パーセントは、その重合体
のヒステリシス曲線から、次のような手法を使用しても
とめた。約7〜10ミルの厚さをもった生重合体のダンベ
ル形試験片サンプルをラテックスから、延伸バーを使用
して調製した。流延フィルムを風乾し、300゜Fで5分間
にわたって加熱した。生重合体とは、例えば充填剤、顔
料、可塑剤、その他のような配合成分が添加されておら
ず、かつ硬化剤成分が添加されていないことを意味す
る。サンプルをインストロン引張試験機にかけ、20イン
チ/分の速度で200%伸びまで引っ張った。次いで、そ
のサンプルを20インチ/分でそのもとの位置まで収縮さ
せ(1サイクルを構成)、そして次に再び引張り及び収
縮を行ない、5サイクルを完了した。それぞれのサイク
ルの引張/伸び(すなわち、ヒステリシス)曲線を記録
した。それぞれのケースで、第2のサイクルに関して記
録されたデータをもとに、ヒステリシス損失パーセント
の測定を行った。力と伸びの関数を示すヒステリシスグ
ラフにおいて、重合体を200%伸びまで第2延伸するこ
とによって示される数値の曲線の下側の領域は、伸びの
生じるのに必要な仕事エネルギーの量(EA)を表わす。
重合体をそのサイクルで収縮させる場合に示される数値
の領域は、重合体をそのもとの位置に戻す際にその重合
体によって加えられる仕事エネルギー(EB)を表わす。
完全弾性を有していて熱やその他のエネルギーの損失を
呈示しない重合体は、EAがEBに等しいようなヒステリシ
ス曲線を有するであろう。すなわり、2つの曲線は、互
いに頂部に位置するであろう。この理想的な条件からの
偏差が、ここで言う重合体ヒステリシス損失の尺度であ
る。ゴム状重合体は、非常に高いヒステリシス損失パー
セントを有するであろう。
重合体のヒステリシス損失パーセントは、次のような
式によって決定した: 本発明の重合体は、それらのヒステリシス曲線から計
算した時に、約20%未満のヒステリシス損失パーセント
を呈示する。最も好ましい不飽和ジカルボン酸、共重合
可能な単量体及び架橋用単量体から調製し、かつ好まし
い方法によって調製した重合体は、15%を下廻るヒステ
リシス損失パーセントを呈示する。
新規な重合体は、それらの重合体をユニークなものに
ならしめるその他の性質を有している。これらの重合体
は軟質であり、しかもゴム質でありかつ強靭である。こ
れらの生重合体を延伸バーを用いて流延し、風乾し、そ
して、300゜Fで5分間にわたって加熱することによって
得た生重合体フィルムについて測定した場合、生重合体
の極限引張強さは最低300psiであり、そして極限伸びパ
ーセントは最低350%である。本発明の重合体が呈示す
るところの引張強さと伸びの良好なバランスを観察する
ための1方法として、それらの重合体の“Tx E積”を計
算することがある。Tx E積は、簡単に述べると、重合体
の極限引張強さにその重合体の破断点伸びパーセントを
掛けることによって得られる数値である。Tx E積は、重
合体の総体的な強靭制を示す1つの推定値である。新規
な重合体のTx E積は最低約140,000であり、そしてさら
に好ましくはい最低約200,000である。最も好ましい方
法を使用して最も好ましい単量体から製造した新規な重
合体のTx E積は、最低約250,000である。
以下に記載する実施例は、本発明を説明することが目
的で記載するものである。これらの実施例は、いかなる
形でも本発明を限定するものではなく、また、本発明の
範囲は記載の請求の範囲によって規定される。
実 施 例 下記の実験では、特に示した場合を除いて、93〜97重
量部の共重合可能な単量体、2〜4.5重量部の記載の
酸、及び1〜3重量部の架橋用単量体からなる単量体ミ
ックスを重合させることによってラテックスを調製し
た。したがって、酸を不使用の比較実験では、共重合可
能な単量体の量を増量した。別のタンクで、脱イオン
水、表面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム、架橋用
単量体、及び共重合可能な単量体を混合することによっ
てプレミックスを調製した。記載のように、酸の全部又
は一部をプレミックス中あるいは反応器中に加えた。反
応器には、最初に、脱イオン水、ラウリル硫酸ナトリウ
ム及び過硫酸ナトリウムを加えた。プレミックスを、約
1.5〜約2.5時間にわたって反応器に計量供給し、その期
間中、反応器内の温度を70〜80℃で保持した。
反応器へのプレミックスの計量供給の開始後、一部の
場合には、第2の開始剤系を反応器に供給した。この第
2の開始剤系は、過硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、そして炭酸ナトリウムを脱イオン水中に加えた
ものであった。この第2の開始剤を反応器中に、3.5時
間にわたって計量供給した。時々計量供給を行うのでは
なくて、開始剤ブースタを反応器中に単に投入した。反
応が完結したところで、反応器内のラテックスを75℃で
約1.5時間にわたって放置し、そして次に40℃まで冷却
した。この時点で、ラテックスを抜き取り、30℃に冷却
し、アンモニアを加えてそのpH値をpH=約4.5に調節
し、そしてチーズクロスを通して濾過し、保存した。
上述のような一般的な手順に続けて、3種類の変法か
らなる反応条件を実際に使用した。変法Aでは、反応温
度を80℃とし、プレミックスの計量供給時間を2時間と
し、0.05部の過硫酸ナトリウムを含有する開始剤ブース
タを2時間後に添加し、そしてラウリル硫酸ナトリウム
の使用料を反応器内で0.05重量部及びプレミックス内で
0.95重量部とした。変法Bは変法Aに同じであったけれ
ど、但し、反応温度を75℃とした。変法Cでは、反応温
度を70℃とし、0.35重量部の過硫酸ナトリウム開始剤を
反応器に加え、0.15部の過硫酸ナトリウム及び0.05部の
ラウリル硫酸ナトリウムからなる第2の開始剤を3.5時
間にわたって計量供給し、そして反応器内におけるラウ
リル硫酸ナトリウムの量を0.4重量部及びプレミックス
内のそれを0.6重量部とした。
生重合体のフィルムは次のような手法で調製した。最
初に、ラテックスのpH値をアンモニアで7〜8に調節す
ることによってラテックスを中和した。必要に応じて、
ラテックスを粘度を約500cpsまで上昇させて均一なフィ
ルムを得ることができるようにするため、増粘剤をラテ
ックスに添加した。ラテックスフィルムをポリエチレン
の裏地上に延伸バーを使用して付着せしめたところ、7
〜10ミルの厚さのドライフィルムが得られた。次いで、
このラテックスフィルムを室温で約24時間にわたって乾
燥した。次いで、この重合体フィルムを裏地から剥離
し、必要に応じて、取り扱いをさらに容易にするため
に、タルクを散布し、そして3005゜F(149℃)で5分間
にわたって加熱した。次のような手法を使用して試験片
を調製し、試験した。ダンベル形試験片を重合体フィル
ムから作製し、そしてインストロン引張試験機に1″の
つかみあご部間隔でセットした。これらのあご部を20イ
ンチ/分の速度で離していった。0.5インチの標線を使
用して伸びを測定した。下記の例に記載のそれぞれのデ
ータ点は、3回の別々の試験を平均値を表わしたもので
ある。
例 1 本例では、本発明の新規なラテックスの調製、そのラ
テックスから本発明の新規な重合体の調製を説明し、そ
して新規な重合体の性質と重合体中に酸を含まないかも
しくはアクリル酸又はメタクリル酸を含有する重合体の
それとの比較を示す。本発明の例は、重合せるイタコン
酸を含有するラテックスから調製した重合体だけであ
る。その他のサンプルは、比較目的にのみ調製しかつ記
載する。ラテックスはすべて、2重量部のN−メチロー
ルアクリルアミドを架橋用単量体として添加して、かつ
変法Bとして上記した方法を使用して、調製した。酸
は、もしも使用するならば、全量をプレミックス中に加
え、そしてそのプレミックスを反応器中に計量供給し
た。これらの試験において、すべての反応条件及び手法
は、特定の酸の使用という例外を除いて同一であった。
上述のようにして調製した生重合体のフィルムサンプル
について、極限引張強さ及び伸びパーセントの試験を実
施した。結果を下記表Aに示す: 上記のデータから、イタコン酸(IA)を使用して調製
した本発明の新規な重合体は、引張強さと伸びのバラン
ス及びヒステリシス損失パーセントにすぐれていること
が明らかである。重合せるイタコン酸(IA)を含有する
重合体は693psiの引張強さ、380%の極限伸び、そして2
63000のTx E積を有し、一方、アクリル酸(AA)の場合
の対応の結果はそれぞれ350psi,390%及び120000、そし
てメタクリル酸(MAA)の場合は330psi,390%及び12900
0であった。酸を完全に不含で調製した重合体の場合に
は、引張強さが207psiだけであり、伸びが260%であ
り、そしてTx E積が53800だけであた。記載のデータ
は、本発明の重合体は引張強さと伸びの良好なバランス
と低いヒステリシス損失を有するということを示してい
る。
例 2 さらに比較を行う目的のため、本発明の新規な重合体
の性質をいくつかの市販の重合体の性質と比較した。本
例では使用した新規な重合体は前記例1において調製し
た重合体に同様であり、但し、本例の場合、イタコン酸
の全量を最初に反応器に加えた(プレミックス中にはイ
タコン酸が含まれず)。市販の重合体は、Hycar 2671
(アクリルA)、Hycar 2673(アクリルB)、そして
ローム・アンド・ハース社によって市販のRhoplex TR93
4として公知なアクリル重合体(アクリルC)である。
結果を下記表Bに示す: 上記のデータは、本発明の新規な重合体と、良好な引
張強さと伸びのユニークなバランス及び低いヒストリシ
スロスを与えるということを示している。新規な重合体
の、引張及び伸び特性のバランス、そしてヒステリシス
損失は、“硬質”アクリル重合体のそのような性質の大
半よりも実際に良好であり、しかも、新規な重合体のTg
は、そのような重合体よりも著しく低い値であった。
例 3 本例では、ラテックスを変法Aを使用して調製しか不
飽和ジカルボン酸の全量をプレミックス中に加えた本発
明の重合体の調製及び試験を説明する。下記の単量体を
記載の重量基準で装入した:4.5部の記載の酸、1.0部の
N−メチロールアクリルアミド、及び94.5部のn−ブチ
ルアクリレート。
フィルムのサンプルを重合体から調製し、そして上記
のように試験した。また、比較のために、イタコン酸の
代りにモノカルボン酸、アクリル酸、を使用して重合体
を調製した。このアクリル酸もまた全量をプレミックス
中に加えた。試験の結果を下記表Cに示す。
プレマトリックス中のアクリル酸(AA)を用いて調製
した重合体についての引張強さ、伸び、Tx E積、及びヒ
ステリシス損失は、それぞれ、310psi,493%,153000、
及び23.1%であった。イタコン酸(IA)を全部プレミッ
クス中に加え、それによって本発明の重合体を調製した
場合には、引張強さ、伸び、Tx E積、及びヒステリシス
損失は、それぞれ、、546psi,553%,317000、及び19.6
%であった。イタコン酸の全部をプレミックス中に加え
て行う実験を繰り返した場合、結果はより一層良好であ
り、引張強さが670psi、伸びが573%、Tx E積が36600
0、そしてヒステリシス損失パーセントが17.5%であっ
た。重合体のすべてが、約−44℃のTgを示した。アクリ
ル酸(AA)の代りにイタコン酸(IA)を使用した場合、
低いTgでもって、引波強さと伸び特性のすぐれたバラン
ス、及び低いヒステリシス損失パーセントを有している
重合体が得られるということが明らかである。
例 4 イタコン酸の全部を最初に反応器に加える1実験を行
った。この実験では、前記例3に記載したものと同一の
単量体及び重量部、そして同一の重合及び試験条件を使
用した。この新規な重合体は、引張強さが507psi、伸び
が753%、Tx E積が382000、そしてヒステリシス損失パ
ーセントが19.8であった。
緩衝剤不含の場合に、この例3で調製したラテックス
のpH値は約1.9であった。先に述べたように、不飽和ジ
カルボン酸の全量を最初に反応器中で使用することに
は、構成粒子を重合及び/又は不安定化する開始効率を
下げる効果が具わっており、したがって、酸をプレミッ
クス中に加えた場合よりもより大きな粒径を有している
ラテックスを得ることができる。開始効率の低下は、表
面活性剤又は開始剤、あるいはその両方の量を増加させ
ることによって克服することができる。このことは、反
応器内における表面活性剤の使用量を0.05重量部から0.
5重量部に増加し、かつその他の条件はすべて同じとし
た1実験を行うことによって立証された。新規なラテッ
クスの調製は、表面活性剤の量を増加させることによっ
て、より近似して最適化されることとなった。この方法
で調製した新規な重合体のフィルムについて得られたデ
ータは、重合体の引張強さは773psiに上昇し、伸びは64
7%まで低下し、Tx E積は500000に増大し、そしてヒス
テリシス損失パーセントは14.9%に低下したことを示し
ている。このことは、複数の性質のバランスはより少量
の表面活性剤を使用して得られるものとは異なっている
ということを示している。複数の性質のこのようなバラ
ンスはある種の用途において有用である。
例 5 この例では、不飽和ジカルボン酸の全部あるいは最低
半分を最初に反応器に加えるような好ましし方法により
新規なラテックスを調製することによって得ることがで
きるすぐれた結果について説明する。下記表Dに記載の
データは、反応器内に加えるイタコン酸(IA)の量を全
量を最初に反応器に加えるものからイタコン酸の全量を
プレミックス中に加えるものまで変更したようないろい
ろなラテッスから製造されたフィルムの性質を示したも
のである。ラテックスの調製には、2重量部のN−メチ
ロールアクリルアミドを架橋用単量体として添加し、か
つ前記変法Aの手法を使用した。結果を下記表Dに示
す。
合計4重量部のイタコン酸を最初に反応器に加えた場
合、引張強さ、伸び、Tx E積、及びヒステリシス損失
は、それぞれ、755psi,608%,459000、及び12.8%であ
った。ある量のイタコン酸をプレミックス中に加えた場
合には、重合体の性質が、特に伸びパーセントとヒステ
リシス損失パーセントにおいて、変化を生じた。しか
し、新規な重合体をいかに調製しようとも、換言する
と、イタコン酸の全量を反応器に加えるか、プレミック
スに加えるか、あるいはイタコン酸を2分するかという
ような方法によって、得られた重合体は、マクリル酸又
はメタクリル酸を使用して調製した同様な重合体と比較
して、複数の性質のすぐれたバランスを呈示した。比較
のため、前記表Aを参照されたい。
例 6 イタコン酸以外の不飽和ジカルボン酸を使用すること
を適否をこの例で説明する。2重量部のn−メチロール
アクリルアミドを架橋用単量体として使用して、かつ前
記変法Bの手法を使用して、その際、全部で4.0重量部
の規定の酸を最初に反応器に加えて、重合体を調製し
た。使用した不法和のジカルボン酸は、イタコン酸(I
A)、フマル酸(FA)、マレイン酸(MA)、及びシトラ
コン酸(CA)であった。また、酸を含まないかもしくは
不飽和ジカルボン酸の代りにアクリル酸(AA)又はメタ
クリル酸(MAA)を含有するような比較用のラテックス
を調製する試みも実施した。結果を下記表Eに示す: アクリル酸(AA)又はメタクリル酸(MAA)を全部反
応器に加えた2つの実験では、重合の間じゅう反応器に
水を添加するこによってゲル化を防止するように努めた
けれども、重合中に、ゲル化したラテックスが生成し
た。イタコン酸(IA)を反応器中で使用した場合には、
新規な重合体の引張強さは755psiであり、伸びは603%
であり、Tx E積は459000であり、そしてヒステリシス損
失パーセントは低い12.8%であった。このプロセスでフ
マル酸を使用したところ、若干低い引張強さと伸び及び
大きなヒステリシス損失パーセントを有する重合体が製
造された。マレイン酸(MA)はシトラコン酸(CA)を不
飽和ジカルボンとして使用したところ、より低い引張強
さ及び良好な伸びを有する重合体が得られた。これらの
重合体のTx E積及びヒステリシス損失パーセントは良好
であった。酸を用いなかった場合、重合体の引張強さは
僅かに207psiであり、その伸びはほんの260%であり、
そしてTx E積は非常に低い54000であった。
上記した実験の特定のものを繰り返したが、ここで
は、不飽和ジカルボン酸の全部をプレミックス中に加え
た(最初に、反応器中には不存在)。マレイン酸をプレ
ミックス中で使用して調製した重合体は、引張強さが35
0psi、伸びが357%、そしてTx E積が126000であった。
シトラコン酸をプレミックス中で使用して調製した重合
体は、引張強さが321psi、伸びが553%、そしてTx E積
が178000であった。これらの結果の両方とも、アクリル
酸を反応器中で(上記の通り)あるいはプレミックス中
で(表A参照)使用した場合に得られたものよりも良好
である。
例 7 本例では、本発明の新規なラテックス及び重合体の調
製においてその他の共重合可能な単量体を使用すること
について説明する。使用した手法は、前記例6において
使用したものに同じで、イタコン酸を全部最初に反応器
に加えた。プレミックス中のn−ブチルアクリレートの
一部の代りに、記載の高Tg発生性の共重合可能な単量体
を記載の量で使用した。結果を下記表Fに示す。
上記の結果は、本発明の新規なラテックス及び重合体
は、最終重合体のTgが約−20℃〜約−60℃の間にあり、
かつアクリレート単量体が主たる共重合可能な単量体と
して存在せしめられる限りにおいて、多量の共重合可能
な単量体と使用して容易に調製することができることを
示している。もちろん、1種類もしくはそれ以上のその
他の共重合可能な単量体、特に、“硬質”単量体を存在
させると、対応のラテックスから調製される重合体の性
質に影響がでてくることが可能である。例えば、5重量
部のスチレン(ST)及び5重量部のアクリロニトリル
(AN)を対応量のn−ブチルアクリレートの代りに使用
したところ、重合体の引張強さは838psiであり、かつ伸
びは670%であった。10重量部の酢酸ビニル(VAC)を使
用したところ、重合体の引張強さは678psiでありかつ伸
びは630%であった。10重量部のメタクリル酸メチル(M
MA)を使用したところ、重合体の引張強さは943psiであ
りかつ伸びは560%であった。これらのケースのすべて
において、Tx E積は非常に高く、そしてヒステリシス損
失%は前記した範囲内であった。
上記と同一の手法を使用して、94重量部の2−エチル
ヘキシルアクリレート(2−EHA)を単独の共重合可能
な単量体として使用して、非常に低いTgを有する重合体
を調製した。この重合体は良好ではなくて、230psiの引
張強さ、980%の伸び、及び−65.5℃のTgを有した。こ
の重合体は、本発明の新規な重合体の必須の基準を満た
さなかった。この実験は、重合体のTgが記載のTg範囲外
となるものを選択した場合には、本願明細書に記載する
ところの複数の性質のユニークなバランスを有しない重
合体が得られるということを示している。
例 8 本例では、本発明の新規なラテックス及び重合体の調
製においてその他の架橋用単量体を使用することについ
て説明する。この架橋用単量体は、それぞれの実験にお
いて、プレミックス中で2.0重量部を使用する。イタコ
ン酸を4重量部で使用し、そして、全部で最初に反応器
に加えた。使用したプロセス手法は変法Bであった。結
果を下記表Gに示す: 表 G NMA NMMA MAGME 引張、psi 830 937 910 伸び、% 773 360 1055 TxE積 642000 337000 960000 ヒステリシス損失% 15.4 13.9 14.2 表Gに記載のデータの第1欄は、N−メチロールアク
リルアミド(NMA)を架橋用単量体として使用してラテ
ックス重合を行った場合のデータを示している。N−メ
チロールメタクリルアミド(NMMA)を架橋用単量体とし
て使用して調製した重合体は、より高い引張強さ(937p
si)を有したけれども、しかし、伸びは低かった(360
%)。メチルアクリルアミドグリコレートメチルエーテ
ル(MAGME)を架橋用単量体として使用した場合には、
重合体の引張強さは910psiであり、伸びは1055%であ
り、また、非常に高いTx E積が得られた。
表Gから、広い範囲の架橋用単量体が本発明における
使用に適当であることを容易に理解することができる。
例 9 一連のラテックスを調製したけれども、本例ではイタ
コン酸(IA)の量及びN−メチロールアクリルアミド
(NMA)の量を変更した。使用した共重合可能な単量体
は、93〜97重量部のn−ブチルアクリレートであった。
イタコン酸は、その全部を最初に反応器に加えた。使用
した開始剤は、過硫酸ナトリウムであった。プロセス手
法Cを使用した。重合体についての試験結果を下記表H
に示す。
上記のデータは、本発明の新規な重合体は種々の量の
不飽和ジカルボン酸及び架橋用単量体を使用して容易に
調製することができるということを示している。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)1〜20重量部の、4〜10個の炭素原
    子を含有する最低1種類の不飽和ジカルボン酸、(b)
    70〜99重量部の、その主たる部分がアクリレート単量体
    である最低1種類の共重合可能な単量体、及び(c)0.
    1〜10重量部の架橋用単量体を、常用の開始剤及び表面
    活性剤の存在において共重合体させるに当り、実質的に
    水、前記(b)の最低1種類の共重合可能な単量体、前
    記(c)の架橋用単量体、表面活性剤及び前記(a)の
    全量の二分の1までの最低1種類の不飽和ジカルボン酸
    からなるプレミックスを反応器中に計量供給し、その
    際、前記反応器に水、開始剤及び前記(a)の全量の少
    なくとも二分の1の最低1種類の不飽和ジカルボン酸を
    含ませる工程、及び引き続いて、反応器内で、0℃〜10
    0℃の温度で重合を行わせる工程を含んでなることを特
    徴とする、−20℃〜−60℃のTg、20%未満のヒステリシ
    ス損失パーセント、及び再生300psiの重合体引張強さ及
    び最低350%の伸びを有している重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記(a)の不飽和ジカルボン酸が、4〜
    6個の炭素原子を含有しかつ全部の単量体の合計100重
    量部につき2〜8重量部の量で用いられる、請求の範囲
    第1項に記載の重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記(a)の不飽和ジカルボン酸が、イタ
    コン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、フマル酸、マレ
    イン酸及びその混合物からなる群から選ばれ、そして前
    記(c)の架橋用単量体が、4〜18個の炭素原子を含有
    するN−アルキロールアクリルアミド、7〜20個の炭素
    原子を含有する低級アルキルアクリルアミドグリコレー
    ト低級アルキルエーテル及びその混合物から選ばれる、
    請求の範囲第2項に記載の重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記重合体が、−20℃〜−50℃のTgを有
    し、かつ前記(b)の共重合可能な単量体に最低40重量
    %の、次式によって表わされるアクリレート: (上式において、 Raは水素又はメチルであり、 そして R1は、1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基、2〜
    12個の炭素原子を含有するアルコキシアルキル又はアル
    キルチオアルキル基、2〜12個の炭素原子を含有するシ
    アノアルキル基又はその混合物である)を用いる、請求
    の範囲第3項に記載の重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記(b)の共重合可能な単量体が、最低
    65重量%のアクリレート単量体を含有し、その単量体に
    おいて、式中のRaが水素でありかつR′が4〜10個の炭
    素原子を含有するアルキル基又は2〜8個の炭素原子を
    含有するアルコキシアルキル基であり、そして前記
    (c)の架橋用単量体が0.5〜5重量部で用いられる、
    請求の範囲第4項に記載の重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記(a)の不飽和ジカルボン酸が、イタ
    コン酸、フマル酸及びその混合物からなる群から選ば
    れ、前記(c)の架橋用単量体が、N−メチロールアク
    リルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メチル
    アクリルアミドグリコレートメチルエーテル及びの混合
    物からなる群から選ばれ、そして前記(b)の共重合可
    能な単量体が、最低75重量%のアクリレート単量体及び
    25重量%までの、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビ
    ニル、メタクリル酸メチル及びその混合物からなる群か
    ら選ばれた単量体を含有する、請求の範囲第5項に記載
    の重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記(a)の不飽和ジカルボン酸がイタコ
    ン酸である、請求の範囲第6項に記載の重合体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記(b)の共重合可能な単量体がn−ブ
    チルアクリレートである、請求の範囲第7項に記載の重
    合体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記(c)の架橋用単量体がN−メチルア
    クリルアミドである、請求の範囲第8項に記載の重合体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】前記の重合体が、水および界面活性剤の
    存在下にラテックス粒子状にある、請求の範囲第1項に
    記載の重合体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記の重合体が、前記(a)の不飽和ジ
    カルボン酸の全量を最初に反応器に添加し、そして前記
    プレミックスに前記不飽和ジカルボン酸を含ませないで
    得る重合体であり、該重合体が水および界面活性剤の存
    在下にある、請求の範囲第1項に記載の重合体の製造方
    法。
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