JPH1060055A - 十分に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)の存在下で製造されたアクリルエマルジョン - Google Patents

十分に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)の存在下で製造されたアクリルエマルジョン

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JPH1060055A
JPH1060055A JP9155630A JP15563097A JPH1060055A JP H1060055 A JPH1060055 A JP H1060055A JP 9155630 A JP9155630 A JP 9155630A JP 15563097 A JP15563097 A JP 15563097A JP H1060055 A JPH1060055 A JP H1060055A
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acrylic
stabilizer
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JP9155630A
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Richard Henry Bott
リチヤード・ヘンリー・ボツト
Frank Vito Distefano
フランク・ヴイートウ・デイステフアーノ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体含量の高いアクリルエマルジョンを、界
面活性剤または特別な処理を使用することなく容易に製
造すること。 【解決手段】 上記課題は、単独の安定剤として十分に
加水分解されたポリ(ビニルアルコール)または部分的
に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)(但し低分
子量ポリ(ビニルアルコール)の分子量が5,000〜
13,000である)および連鎖移動剤の存在下でアク
リルエステルモノマーを重合させて、エマルジョン組成
物を製造することによって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリ(ビニルアルコー
ル)の存在下でポリアクリレートの安定なエマルジョン
を製造するための方法および得られたエマルジョンに関
する。
【0002】
【発明の背景】ポリ(ビニルアルコール)は、多くのビ
ニルエステルモノマーの乳化重合の安定剤として広く使
用されている。安定剤としてポリ(ビニルアルコール)
を使用すると、接着剤、シーラント、コーティングおよ
びバインダーのような用途に有用である粒子サイズの制
御、流動性および架橋特性を可能にする。一つの制限
は、ポリ(ビニルアルコール)の比較的低い安定剤レベ
ル、例えば重合するアクリルモノマーの12重量%未満
では、安定なアクリルエマルジョンを製造することがで
きないということである。ポリ(ビニルアルコール)の
別の制限は、例えば45重量%を超える、高い固形分を
有するアクリルエマルジョンについては、安定剤として
その使用を拡大できないということである。この制限を
克服するために多くの努力がなされており、それを行う
にあたっては、一般には、いずれも方法または組成を変
えることをベースにしている。 以下の特許および文献
は、アクリル不飽和を有するモノマーからなるモノマー
混合物を乳化重合するための安定剤系としてポリ(ビニ
ルアルコール)を使用することを説明している。
【0003】GB 1348449および“Polyvinyl alcohol-De
velopments”, C.A. Finch編,JohnWiley & Sons.New
York,NY.(第459頁、1992)中のFarmer,D.B.
は、非イオン性またはアニオン性界面活性剤を使用する
アクリルエマルジョンの製造を開示している。ポリ(ビ
ニルアルコール)それ自体は、安定なエマルジョンを製
造するのに不適切であるとされている。US 5,326,809に
は、広い範囲のエチレン系不飽和モノマーの乳化重合の
安定剤としてポリ(ビニルアルコール−コ−ビニルアミ
ン)を使用することが開示されている。代表的なポリ
(ビニルアルコール−コ−ビニルアミン)安定剤には、
50〜99モル%のポリ(ビニルアルコール)および
0.1〜50%のポリ(ビニルアミン)が含まれる。ア
クリルモノマーを単独で使用する例ではいずれも、エマ
ルジョンの安定性を高めるための界面活性剤を添加して
いることがわかる。安定性のいくらかの向上が、アミン
官能基によって実現される。また、アクリルモノマーは
メチルアクリレートであり、これは水溶性がより高いた
め、本質的にPVOHを用いて安定化するのが容易であ
る。
【0004】US 5,354,803には、十分に加水分解された
低分子量ポリ(ビニルアルコール)12〜35%を含
み、界面活性剤を含まず、ホルムアルデヒドを含まない
ポリ(ビニルアルコール)グラフトコポリマーの製造が
開示されている。この文献では、高濃度(12〜35重
量%)のポリ(ビニルアルコール)を使用して、アクリ
ルモノマーがポリ(ビニルアルコール)へ化学的にグラ
フト化するのを促進している。さらに、製造したエマル
ジョンの固体含有量は、一貫して40重量%未満であっ
た。US 5,364,904には、ガラス繊維のサイズ剤として使
用するためのコポリマーエマルジョンの製造が開示され
ている。そのエマルジョンは、アルキル(−メタ)アク
リレートモノマーを含むエマルジョンを微細流動化し、
そしてポリ(ビニルアルコール)で安定化させることに
よって形成する。ポリ(ビニルアルコール)は、加水分
解の程度が少なくとも70%であるのが好ましいが、ポ
リ(ビニルアルコール)の加水分解の重要性は記載され
ていない。この例は、界面活性剤の添加がエマルジョン
の安定性を確実に促進していることを示している。
【0005】GB 1,438,449には、すべてのアクリルエマ
ルジョン組成物を安定化させるための手段として酸また
はメルカプタン基を含むポリ(ビニルアルコール)の使
用が開示されている。さらにまた、この文献は、すべて
のアクリルエマルジョン組成物に関して、安定剤として
慣用のポリ(ビニルアルコール)を使用するのは、有用
性が足りないことを指摘している。US 4,670,505には、
保護コロイドおよび界面活性剤の存在下で(メタ)アク
リルモノマーの乳化重合のための安定化系の一部として
低分子量のアミノアルコールを使用することが開示され
ている。ポリ(ビニルアルコール)の存在下で製造する
場合、少なくとも50%の量で存在する、酢酸ビニルな
しのアクリル系を製造すると不安定な系が得られる。
【0006】US 2,318,429には、分散剤として部分的に
鹸化されたポリ酢酸ビニルを使用して、重合したアルキ
ルメタクリレート、すなわちメチルメタクリレートおよ
びイソブチルアクリレート、の水性分散体を製造するた
めの方法が開示されている。特許権者らは、ポリアクリ
レートの水性分散体は、アニオン性界面活性剤を用いて
得ることができるが、これらのエマルジョンは、カチオ
ン性界面活性剤によって、多価金属イオンによって、並
びに正に帯電したエマルジョンおよび分散体によって容
易に凝固するため、織物の仕上げ剤としての有用性は限
定されていることに言及している。特許権者らは、40
〜130の鹸化価および約20センチポアズの粘度(2
0℃の時の4%水性溶液)を有する部分的に鹸化された
ポリ酢酸ビニルの存在下でアルキルアクリレートを重合
させることによってコロイド系が製造できることを報告
している。表1は、ポリメチルメタクリレートの製造並
びに部分的に鹸化されたおよび完全に鹸化されたポリ酢
酸ビニルの存在を開示している。特許権者は、完全に鹸
化されたポリ酢酸ビニルを用いて製造したエマルジョン
は不安定であることを記載している。US 2,407,107に
は、アルキルアクリレートモノマーを水性溶液中で乳化
し、重合させる乳化重合によってアルキルアクリレート
ポリマーの安定な分散体を製造する方法が開示されてい
る。水溶性の、部分的に鹸化されたポリ酢酸ビニルを乳
化剤として使用して少量の石油炭化水素、例えば鉱油ま
たはワックスを加えた。炭化水素は、アルキルアクリレ
ートモノマーの重量を基準にして約0.5〜5%の量で
使用し、そして典型的には重合されたアルキルアクリレ
ートの10〜40重量%を含むエマルジョンの安定性を
高めるのに使用した。
【0007】US 2,773,050には、ヒドロキシル基を含む
ポリマー、例えばポリ(ビニルアルコール)との混合物
中で同時に、アクリルエステルを重合するための方法が
開示されており、これは次いで架橋剤を用いた処理によ
って硬化することができる。重合は、ヒドロキシル基を
有するビニルポリマー、例えばポリ(ビニルアルコー
ル)の水性溶液中のアクリルエステル、および場合によ
り、乳化剤、例えば硫酸化された脂肪族アルコールのア
ルカリ金属塩の分散体を製造することによって実施する
のが都合よい。アクリル樹脂対ポリ(ビニルアルコー
ル)およびエマルジョンの重量比は約80:20〜約5
0:50の範囲であるが、好ましくは80:20〜6
5:35である。
【0008】
【発明の概要】本発明は、改善されたアクリルエマルジ
ョン組成物およびアクリルエマルジョンを製造するため
の改善された方法に関する。水に不溶なアクリルモノマ
ー系を重合させるための改良点は、本質的に特定の加水
分解レベルを有するポリ(ビニルアルコール)からなる
安定剤系の存在下および連鎖移動剤の存在下で、アクリ
ルモノマーの重合を実施することにある。この媒体は有
用な性質を有し、そして接着剤、コーティング、バイン
ダーおよびセメント添加剤のような用途の使用に適して
いるエマルジョンを製造することを可能にする。すくな
くとも大部分のアクリルモノマーが、メチルアクリレー
トよりも大きい炭素含有量を有する、実質的に全アクリ
ルの水不溶性のモノマー系を重合させ、そして実質的に
十分に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)並びに
少なくとも86%の加水分解価および約5,000〜1
3,000の分子量を有するポリ(ビニルアルコール)
からなる群より選ばれるポリ(ビニルアルコール)から
本質的になる安定剤を使用して、その全アクリルエマル
ジョン系を45重量%を超える高固体で、エマルジョン
の12重量%未満のポリ(ビニルアルコール)濃度で、
安定化させることが可能であることがわかった。約9
6.5%未満の加水分解レベルは、低分子量のポリ(ビ
ニルアルコール)では使用されうるが高分子量のポリ
(ビニルアルコール)では不安定となる。
【0009】本発明に関するいくつかの利点があり、こ
れらには、 ・ 安定剤としてポリ(ビニルアルコール)保護コロイ
ドを使用して、高固体の本質的にすべてのアクリルエマ
ルジョンを製造する能力 ・ 比較的低レベルのポリ(ビニルアルコール)、例え
ばモノマー重量の2〜12%そして一般的には3〜5%
の範囲を有するアクリルエマルジョンを製造する能力 ・ 慣用の界面活性剤もしくは炭化水素可溶化剤または
微細流動化技術を使用することなく安定なアクリルエマ
ルジョンを製造する能力 ・ 木材のような種々の物質に対する優れた接着性を有
し、そして優れた湿潤強度および耐水性を有するアクリ
ルエマルジョンを製造する能力 ・ 優れた膜およびコーティングを形成する能力 ・ ポリ(ビニルアルコール)で安定化された再分散可
能なアクリルポリマーを製造する能力、および ・ 低粘度を有するアクリルエマルジョンを製造する能
力、が含まれる。
【0010】発明の詳述 本発明の実施においては、安定剤として、ポリ(ビニル
アルコール)からなる安定剤系を使用する乳化重合法に
よって、実質的にすべてのアクリルエマルジョンを製造
することができる。アクリルモノマー、特にメチルアク
リレートよりも水溶性の低いアクリルモノマーは、本質
的に安定剤としてポリ(ビニルアルコール)を使用して
エマルジョン系中で重合させることが本質的に不可能で
あった。ここに記載した重合法では、広い範囲のアクリ
ルモノマーを使用することができ、それらは単独で、ま
たは別のアクリルモノマーと組み合わせて使用すること
ができる。これらのエチレン系不飽和の重合可能な、ア
クリルおよびメタクリル酸のC1〜C8アルキルエステル
には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレートお
よび対応するメタクリレートが含まれる。これらの中で
は、メチルメタクリレートおよびブチルメタクリレート
が、接着剤、コーティング、バインダーおよびセメント
の用途に適した種々の重合系を製造するための重合法に
使用する好ましい低級アルキルアクリレートである。
【0011】別のエチレン系不飽和モノマーをアクリル
エステルと共重合させることができる。得られるコポリ
マーの組成は、用途に大きく依存している。典型的なモ
ノマーには、酢酸ビニル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、アクリルおよびメタクリル酸、マレイン酸およ
びフマル酸無水物等が含まれる。また、僅かにより水溶
性の高いアクリレートには、ヒドロキシアクリレート、
例えばヒドロキシエチルアクリレートおよびグリシジル
アクリレートが含まれこれらをアクリルエステルと共重
合させることもできる。エマルジョンがアクリルエマル
ジョンとみなされるには、アクリルエステル以外のモノ
マーは最少に、ポリマーを製造するのに使用するモノマ
ーの例えば約10重量%未満、好ましくは5重量%にし
なければならない。より親水性のモノマー、すなわち重
合すべきアクリルモノマーよりも親水性のモノマーは、
耐水性を維持するためには除くべきである。
【0012】界面活性剤、可溶化剤および微細流動化技
術を使用することなしに、例えば45重量%を超える、
すべての高固体アクリルエマルジョンを製造するための
鍵の一つは、安定剤として、実質的に十分に加水分解さ
れたポリ(ビニルアルコール)および部分的に加水分解
されたポリ(ビニルアルコール)、>86%、からなる
群より選ばれ、分子量が約5,000〜13,000の範
囲であるポリ(ビニルアルコール)を使用することにあ
る。低分子量、すなわち13,000未満のポリ(ビニ
ルアルコール)は、86%加水分解されたものから十分
に加水分解されたものまで使用することができる。安定
剤として使用したポリ(ビニルアルコール)のレベル
は、重合する全モノマーの重量を基準に約2〜12%、
好ましくは約3〜約7%である。ポリ(ビニルアルコー
ル)の一つのタイプは、少なくとも96.5%の加水分
解価を有する、すなわちポリ(酢酸ビニル)の酢酸基の
96.5%がヒドロキシル基に変換されている。酢酸基
が96.5%未満しかヒドロキシル基に変換されていな
い時、すなわちポリ酢酸ビニルが十分には加水分解され
ておらず、そして分子量が約13,000より上の時
は、高固体アクリルエマルジョン処方物がが砂のように
なる傾向がある。加水分解の程度が実質的に96.5%
より低いときは、ラテックスは不安定となりうる。ポリ
(ビニルアルコール)の第二のタイプは、少なくとも8
6%の加水分解価から十分に加水分解されたもので、
5,000〜13,000の範囲の分子量を有するポリ
(ビニルアルコール)である。加水分解価が低く、分子
量が高いポリ(ビニルアルコール)は、先行技術によっ
て示されているように低固体のアクリルエマルジョンを
製造することが可能であるが、ポリ(ビニルアルコー
ル)安定剤レベルが低いと、高固体エマルジョンを製造
することは不可能である。
【0013】ポリ(ビニルアルコール)の分子量は、ア
クリルエマルジョンを安定化するのに重要な因子であ
る。約5,000〜約45,000の範囲の数平均分子量
を有する十分に加水分解されたポリ(ビニルアルコー
ル)は、約15,000〜約30,000の好ましい範囲
で使用しなければならない。加水分解価の低いポリ(ビ
ニルアルコール)は、分子量が約13,000を超えな
いことを条件として使用することができる。十分に加水
分解されたポリ(ビニルアルコール)のブレンドを使用
しても望ましい結果を得ることができる。ブレンドの一
つのタイプは、86〜90%加水分解されたものを含
む、低分子量(5,000〜13,000)のポリ(ビニ
ルアルコール)20〜80%、好ましくは50〜75
%、およびより高い分子量、例えば25,000〜45,
000の分子量のポリ(ビニルアルコール)20〜80
%、好ましくは50〜75%からなる。別のブレンド
は、十分に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)お
よび単独ではエマルジョンを安定化することができない
と考えられる部分的に加水分解されたポリ(ビニルアル
コール)からなることができる。換言すれば、安定化ポ
リ(ビニルアルコール)のすべてが十分に加水分解され
ている必要はないが、いくらかの加水分解の程度の低い
物質、例えば15,000を超える分子量で、85〜9
0%の加水分解価のものを含みうる。いくらかの加水分
解価の低い物質を使用する場合、そのレベルは、エマル
ジョンの安定性が低くなるにつれて、しっかりと調整し
なければならない。このような低加水分解ポリ(ビニル
アルコール)は約0〜25%使用することができるが、
残りのポリ(ビニルアルコール)は、安定剤の別の成分
として、少なくとも98%の加水分解価を有しなければ
ならない。
【0014】安定な低級アルキルアクリレートを含むエ
マルジョンを製造する別のポイントは、連鎖移動剤を使
用することにある。これらの連鎖移動剤は、重合させる
べきモノマーの約0.2〜3重量%、好ましくは0.5〜
1.5重量%の量で配合させる。代表的な連鎖移動剤に
は、慣用のメルカプタン、例えばn−ドデシルメルカプ
タンおよび水溶性の連鎖移動剤が含まれる。典型的に
は、これらの連鎖移動剤は、メチルメタクリレートを基
準にして、少なくとも0.6の連鎖移動係数を有する。
ポリ(ビニルアルコール)および連鎖移動剤の存在下に
おける、アクリルおよびメタクリル酸の低級アルキルエ
ステルの乳化重合は、慣用の遅延添加重合技術を使用し
て、または慣用のバッチ法によって実施することができ
る。遅延法は好ましいものであり、この場合、重合すべ
きモノマーの約10〜30%を安定剤を含む重合反応器
に添加し、残りのモノマーをある期間にわたって添加す
る。添加の時間は変化しうるが、慣用の方法では、2〜
4時間の期間にわたってモノマーを添加する。さらなる
記述は、U.S. 5,326,809に記載されており、参照により
本明細書に組み込まれている。
【0015】慣用の乳化重合法では、使用する触媒は、
過酸化物のようなフリーラジカルを形成する触媒、例え
ばt−ブチルヒドロパーオキサイド、過硫酸塩、例えば
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等、並びにアゾ化
合物、例えば2,2′−アゾアミジノプロパン塩酸塩お
よび還元系、例えばホルムアルデヒドスルホキシル酸ナ
トリウムおよびエリソルビン酸ナトリウムである。酸化
剤は、一般に、重合系に入れるモノマーの重量を基準に
して、0.01〜1%、好ましくは0.05〜0.5重量
%の量で使用する。還元剤は、水性系として、必要な当
量または化学量論量で添加する。エマルジョン中のアク
リルポリマーおよびコポリマーの粒子サイズは、0.3
〜2ミクロンの範囲である。この粒子サイズの範囲は、
微細流動化により得た極めて微細な粒子サイズのエマル
ジョンよりも有益である。これらの利点には、高い剪断
下での安定性、湿潤粘着性、硬化速度、塩への安定性お
よび配合者にとって処方の許容範囲が広いということが
含まれる。
【0016】本明細書に記載した、低級アルキルアクリ
レートエマルジョンの重要な利点の一つは、記載したよ
うに、それらが本質的に十分に加水分解されたポリ(ビ
ニルアルコール)および/または部分的に加水分解され
たポリ(ビニルアルコール)からなる安定化系で安定化
されており、多くの用途で得られたポリマーの性質に悪
影響を及ぼしうるレベルの非イオン性およびアニオン性
の界面活性剤を含まないということである。十分に加水
分解されたポリ(ビニルアルコール)の存在下における
ポリマーに関連する性質の利点には、前記のものおよび
望ましいエマルジョン粘度が含まれる。高レベルのポリ
(ビニルアルコール)を有する先行技術のエマルジョン
では、グラフト化のレベルが高く、このため粘度が望ま
しくない、膜形成および耐水性に乏しいといったことに
関連するプロセスの欠点が生じる。低レベルのポリ(ビ
ニルアルコール)で安定化されたエマルジョンは、これ
らの性質を改善する。以下の実施例は、本発明の種々の
実施態様を説明するために提供するものであって、本発
明の範囲を限定しようとするものではない。すべての量
は別記しない限り、重量部である。
【0017】実施例1 ポリ(酢酸ビニル)の加水分解 以下の方法を使用して、実施例に使用したポリ(ビニル
アルコール)試料の加水分解の程度を測定した。ポリ
(ビニルアルコール)の秤量した試料を、フラスコ中に
置き、水およびメタノールの75/25容積/容積混合
物中に溶解した。次いで、既知濃度の水酸化ナトリウム
溶液のアリコートを残っているすべての酢酸基を完全に
加水分解するのに十分な量で添加した。次いで、溶液を
1時間、還流させ、反応を確実に完了させた。最後に、
加水分解の程度を、酸の標準液で過剰の水酸化ナトリウ
ムを逆滴定することによって測定した。次いで、ポリ
(ビニルアルコール)の加水分解を完了するのに消費し
た水酸化ナトリウムの量を使用して、ポリ(ビニルアル
コール)の加水分解の程度を決定した。
【0018】実施例2 ブチルアクリレート/メチルメタクリレートエマルジョ
ンの製造 ポリ(ビニルアルコール)の存在下において 一般的な合成法:混合器、冷却器、窒素パージ、および
溶液を供給するための供給路を備え付けた2リッターの
ジャケット付きガラス反応器を重合容器として、使用し
た。水性系は初期装填物からなり、これは水、安定剤、
酸化剤、少レベル(10〜30%)モノマーおよび促進
剤からなる。この混合物を反応温度に加熱し、所望の温
度で平衡状態にした。次いで、少量の還元剤を添加する
ことによって反応を開始した。反応が熱を生じ始めた
時、供給物の添加(遅延添加)を開始した。反応器のジ
ャケットを加熱または冷却することによって、および遅
延成分の添加速度を制御することによって、所望の温度
を維持した。モノマーおよび開始剤溶液をすべて添加し
た後、生成物を反応温度に30〜90分維持し、モノマ
ーを確実に完全に転化させた。次いで生成物を室温に冷
却し取り出した。ブチルアクリレートおよびメチルメタ
クリレートをベースとするエマルジョンA〜Fを、上の
一般的な記述に従って製造した。実施例A〜Fは、まず
第一に安定剤として、種々のポリ(ビニルアルコール)
ポリマーを使用することで区別され、このようなポリ
(ビニルアルコール)ポリマーは、異なるエマルジョン
に対応するようA〜Fと示されている。ポリ(ビニルア
ルコール)A〜Fは、以下の表に示した。
【0019】
【表1】
【0020】ポリ(ビニルアルコール)Aのエマルジョ
ン 本実施例は、単独の安定剤としてポリ(ビニルアルコー
ル)Aの存在下で製造された、ブチルアクリレート/メ
チルメタクリレートコポリマーエマルジョンの製造を説
明している。 反応器への始発装填物 脱イオン水 230g ポリ(ビニルアルコール)A10%水溶液 340g モノマー混合物(以下と同じ比率) 357g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 1.0g 硫酸アンモニウム第一鉄(1%水性溶液) 5g 酢酸 3.9g
【0021】 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 323.4g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 6.6g 総量 330g 2)脱イオン水 169.5g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 10.65g Foamaster VF(*) 1.5 総量 181.65g 3)n−ブチルアクリレート 383g メチルメタクリレート 467g n−ドデシルメルカプタン 7g 総量 857g Foamaster VFは市販の脱泡剤である。
【0022】反応は、70℃で実施した。遅延溶液1を
最初に0.2g/分の速度で、次いで2時間にわたって
1.9g/分に高めて添加した。遅延溶液2は、最初に
0.1g/分の速度で、次いで15分後に0.5g/分に
高めて添加した。モノマー遅延溶液3は、3.3g/分
の速度で添加した。反応は4時間で完了した。生成物は
以下の性質を有していた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 39ppm メチルメタクリレート 133ppm 固体% 49.5 加速された沈降 4.0% pH 3.2 Tg 12.1℃ 60RPM粘度 225cps 12RPM粘度 420cps 100メッシュ粗粒子 2500ppm 粘度はBrookfieldの装置で4%エマルジョンで測定した。 エマルジョンは安定しており、従って、高固体の、ブチ
ルアクリレート/メチルメタクリレートエマルジョン
は、単独の安定剤としてポリ(ビニルアルコール)を使
用して製造することができることがわかった。粒度レベ
ルは適度であった。
【0023】ポリ(ビニルアルコール)Bのエマルジョ
ン 本実施例は、98〜98.8%の加水分解価を有するポ
リ(ビニルアルコール)Bの存在下で製造した、ブチル
アクリレート/メチルメタクリレートコポリマーエマル
ジョンの製造を説明している。 反応器への始発装填物 脱イオン水 230g ポリ(ビニルアルコール)B10%水溶液 340g モノマー混合物(以下と同じ比率) 357g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 1.0g 硫酸アンモニウム第一鉄(1%水性溶液) 5g 酢酸 6.2g
【0024】 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 323.4g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 6.6g 総量 330g 2)脱イオン水 169.5g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 10.65g Foamaster VF(*) 1.5 総量 181.65g 3)n−ブチルアクリレート 383g メチルメタクリレート 467g n−ドデシルメルカプタン 7g 総量 857g
【0025】反応を70℃で実施した。遅延溶液1を最
初に0.5g/分の速度で、次いで1.5時間にわたって
1.3g/分に高めて添加した。遅延溶液2は、最初に
0.3g/分の速度で、次いで15分後に0.7g/分に
高めて添加した。モノマー遅延溶液3は、3.7g/分
の速度で添加した。反応は4時間で完了した。生成物は
以下の性質を有していた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 80ppm メチルメタクリレート 140ppm 固体% 49 pH 3.1 Tg 20.9℃ 12RPM粘度 ND 60RPM粘度 265cps 100メッシュ粗粒子 100ppm 加速された沈降 3.0% エマルジョンは安定であり、粗い粒子は少ししかなく、
従ってポリ(ビニルアルコール)Bの安定剤としての有
効性が示された。粗い粒子のレベルを下げた主な理由
は、ポリ(ビニルアルコール)Aと比べて、分子量のよ
り高い、すなわち7000〜13,000のポリ(ビニ
ルアルコール)であったためと考えられる。この結果
は、より高分子量のアルコールでは安定化する力がより
大きいためであると考えられる。
【0026】ポリ(ビニルアルコール)Cのエマルジョ
ン 本実施例は、単独の安定剤として、ポリ(ビニルアルコ
ール)C(加水分解96.5〜97.5%)の存在下で、
ブチルアクリレート/メチルメタクリレートコポリマー
エマルジョンの製造を説明している。 反応器への始発装填物 脱イオン水 230g ポリ(ビニルアルコール)C10%水溶液 340g モノマー混合物(以下と同じ比率) 357g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 1.0g 硫酸アンモニウム第一鉄(1%水性溶液) 5g 酢酸 3.1g
【0027】 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 323.4g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 6.6g 総量 330g 2)脱イオン水 169.5g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 10.65g Foamaster VF(*) 1.5 総量 181.65g 3)n−ブチルアクリレート 383g メチルメタクリレート 467g n−ドデシルメルカプタン 7g 総量 857g
【0028】反応を70℃で実施した。遅延溶液1を最
初に0.2g/分の速度で、次いで2時間にわたって1.
2g/分に高めて添加した。遅延溶液2は、最初に0.
1g/分の速度で、次いで30分にわたって0.7g/
分に高めて添加した。モノマー遅延溶液3は、3.6g
/分の速度で添加した。反応は4時間で完了した。生成
物は以下の性質を有していた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 49ppm メチルメタクリレート(*) ND 固体% 50.3 pH 4.0 Tg 22℃ 12RPM粘度 19000cps 60RPM粘度 7980cps 加速された沈降 7.0% 100メッシュ粗粒子 1900ppm 加速された沈降 3.0% NDとは、検出されなかったということである。 この結果は、ポリ(ビニルアルコール)がアクリルモノ
マー系を安定化させるのに有効であることを示してい
る。しかしながら、ポリ(ビニルアルコール)Bと比較
すると、粘度および粗粒子の形成がより高いのは、おそ
らくポリ(ビニルアルコール)の加水分解価が低いため
であろう。
【0029】ポリ(ビニルアルコール)Dのエマルジョ
ン 本実施例は、単独の安定剤として、96.7%の加水分
解価を有するポリ(ビニルアルコール)Dの存在下で製
造した、ブチルアクリレート/メチルメタクリレートコ
ポリマーエマルジョンの製造を説明している。 反応器への始発装填物 脱イオン水 230g ポリ(ビニルアルコール)D10%水溶液 340g モノマー混合物(以下と同じ比率) 357g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 1.0g 硫酸アンモニウム第一鉄(1%水性溶液) 5g 酢酸 4.8g
【0030】 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 323.4g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 6.6g 総量 330g 2)脱イオン水 169.5g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 10.65g Foamaster VF(*) 1.5 総量 181.65g 3)n−ブチルアクリレート 383g メチルメタクリレート 467g n−ドデシルメルカプタン 7g 総量 857g
【0031】反応を70℃で実施した。遅延溶液1を最
初に0.2g/分の速度で、次いで2時間にわたって1.
9g/分に高めて添加した。遅延溶液2は、最初に0.
1g/分の速度で、次いで15分後に0.6g/分に高
めて添加した。モノマー遅延溶液3は、3.3g/分の
速度で添加した。反応を開始して直ちに、多量の凝塊が
観察された。この不安定な状態は反応を通じて続いた。
反応は4時間で完了した。生成物は以下の性質を有して
いた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 24ppm メチルメタクリレート(*) 63ppm 固体% ND 加速された沈降 ND pH ND Tg ND 12RPM粘度 ND 60RPM粘度 ND 100メッシュ粗粒子 ND NDとは、生成物が不安定であるために測定できなかったということである。
【0032】記載からわかるように、ポリマーはほとん
ど直ちに凝固し、低加水分解価のポリ(ビニルアルコー
ル)は、安定剤として効果的でないことによるものと考
えられる。連鎖移動剤の存在は役立っていなかった。こ
こで得られた結果は、幾分擬似的であると考えられ、そ
れはこのデータが他の仕事と一致させることができない
からである。試験の概要に関しては実施例5を参照する
とよい。しかしながら、使用したポリ(ビニルアルコー
ル)は許容される安定剤のボーダーライン上にあり、失
敗することが予想されうる。
【0033】ポリ(ビニルアルコール)Eのエマルジョ
ン 本実施例は、単独の安定剤として、ポリ(ビニルアルコ
ール)Eの存在下で製造した、ブチルアクリレート/メ
チルメタクリレートコポリマーエマルジョンの製造を説
明している。 反応器への始発装填物 脱イオン水 230g ポリ(ビニルアルコール)E10%水溶液 340g モノマー混合物(以下と同じ比率) 357g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 1.0g 硫酸アンモニウム第一鉄(1%水性溶液) 5g 酢酸 3.3g
【0034】 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 323.4g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 6.6g 2)脱イオン水 169.5g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 10.65g Foamaster VF(*) 1.5 3)n−ブチルアクリレート 383g メチルメタクリレート 467g n−ドデシルメルカプタン 7g
【0035】反応を70℃で実施した。遅延溶液1を最
初に0.2g/分の速度で、次いで2時間にわたって1.
9g/分に高めて添加した。遅延溶液2は、最初に0.
1g/分の速度で、次いで15分後に0.6g/分に高
めて添加した。モノマー遅延溶液3は、3.3g/分の
速度で添加した。反応を開始して直ちに、多量の凝塊が
観察された。この不安定な状態は反応を通じて続いた。
2時間後に反応を停止した。生成物は以下の性質を有し
ていた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 43ppm メチルメタクリレート 238ppm 固体% 34% 加速された沈降 ND pH 2.7 Tg ND 12RPM粘度 ND 60RPM粘度 ND 100メッシュ粗粒子 49,000ppm NDとは、生成物が不安定であるために測定できなかったということである。
【0036】高分子量の低加水分解ポリ(ビニルアルコ
ール)が安定剤として有効でないということは、他の親
水性モノマーおよび/または安定剤なしで、より水不溶
性のアクリルモノマーを安定化させるポリ(ビニルアル
コール)の能力に関する先行の研究者らの結果を確認す
ることとなった。
【0037】ポリ(ビニルアルコール)Fのエマルジョ
ン 本実施例は、単独の安定剤として、ポリ(ビニルアルコ
ール)Fの存在下で製造した、ブチルアクリレート/メ
チルメタクリレートコポリマーエマルジョンの製造を説
明している。 反応器への始発装填物 脱イオン水 245g ポリ(ビニルアルコール)F10%水溶液 218g モノマー混合物(以下と同じ比率) 40g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 0.5g 硫酸アンモニウム第一鉄(1%水性溶液) 5g 酢酸 2.3g
【0038】 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 237.5g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 12.5g 総量 250g 2)脱イオン水 200g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 8.0g 総量 208g 3)n−ブチルアクリレート 289g メチルメタクリレート 193g n−ドデシルメルカプタン 1.5g 総量 483.5g
【0039】反応を70℃で実施した。遅延溶液1を最
初に0.2g/分の速度で、次いで2時間にわたって0.
3g/分に高めて添加した。遅延溶液2は、最初に0.
1g/分の速度で、次いで15分後に0.4g/分に高
めて添加した。モノマー遅延溶液3は、1.4g/分の
速度で添加した。反応を開始して直ちに、多量の凝塊が
観察された。この不安定な状態は反応を通じて続いた。
反応は6時間で完了した。生成物は以下の性質を有して
いた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 172ppm メチルメタクリレート(*) 固体% 34% 加速された沈降 ND pH 2.3 Tg −7.0 12RPM粘度 ND 60RPM粘度 ND 100メッシュ粗粒子 ND (*) 未検出 NDとは、生成物が不安定であるために測定できなかったということである。
【0040】生成物は、不安定であり、従って、たとえ
ポリ(ビニルアルコール)の分子量が所望の範囲内であ
っても、少なくとも96.5%の加水分解価を有するポ
リ(ビニルアルコール)を使用するのが重要であること
がわかる。
【0041】実施例3 ブチルアクリレート/メチルメタクリレートエマルジョ
ンを製造するためのバッチ法 本実施例は、実施例2で使用した遅延法とは異なるバッ
チ法を使用して、単独の安定剤としてポリ(ビニルアル
コール)Bの存在下で製造したブチルアクリレート/メ
チルメタクリレートコポリマーエマルジョンの製造を説
明している。 反応器への始発装填物 脱イオン水 140g ポリ(ビニルアルコール)B10%水溶液 160g メチルメタクリレート 158g ブチルアクリレート 141g n−ドデシルメルカプタン 0.9g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 2.3g 硫酸アンモニウム第一鉄(1%水性溶液) 5g Foamaster VF 2.3g 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 237.5g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 12.5g 総量 250g
【0042】反応を40℃で開始し、1時間にわたって
40℃に上昇させた。遅延溶液1を0.3g/分の速度
で添加した。遅延溶液1の添加速度を変化させることに
よって反応温度を制御した。反応は2時間で完了した。
生成物は工程を通じて良好な安定性を示した。生成物は
以下の性質を有してた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 31ppm メチルメタクリレート(*) 固体% 45.8% 加速された沈降 4.0% pH -- 60RPM粘度 -- Tg1 −3.3 12RPM粘度 -- 100メッシュ粗粒子 -- (*)未検出
【0043】実施例4 ブチルアクリレート/メチルメタクリレートエマルジョ
ンの製造 ポリ(ビニルアルコール)のブレンドの存在下において 本実施例は、安定剤としてポリ(ビニルアルコール)C
およびポリ(ビニルアルコール)Gの混合物すなわちブ
レンドの存在下で製造したブチルアクリレート/メチル
メタクリレートコポリマーエマルジョンの製造を説明し
ている。 反応器への始発装填物 脱イオン水 403g ポリ(ビニルアルコール)C10%水性溶液 619g ポリ(ビニルアルコール)G10%水性溶液 185g モノマー混合物(以下と同じ比率) 434g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 2.2g 硫酸アンモニウム第一鉄(5%水性溶液) 5g 酢酸 5.8g 遅延供給物 溶 液 1)脱イオン水 393.9g ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム 10.1g 総量 404g 2)脱イオン水 387g tertブチルヒドロパーオキサイド(70%水性溶液) 15.4g 総量 402.4g 3)n−ブチルアクリレート 935g メチルメタクリレート 935g n−ドデシルメルカプタン 13.2g 総量 1883.2g
【0044】反応を70℃で実施した。遅延溶液1およ
び2を最初に0.3g/分の速度で添加し、次いで2時
間にわたって1.7g/分に高めた。モノマーの遅延物
3を16.1g/分の速度で添加した。反応を2.5時間
で完了した。遅延溶液の総量については上に示した通り
であり、使用した実際の量は、遅延溶液1が105.1
gそして遅延溶液2が156.9gであった。追加の水
を添加して、最終的な固体含有量を〜50%に調節し
た。生成物は以下の性質を有していた。 未反応のモノマーのブチルアクリレート 235ppm メチルメタクリレート(*) 固体% 50.4% 加速された沈降 3.0% pH 3.9 60RPM粘度 2400cps Tg1 0.7℃ 12RPM粘度 5400cps 100メッシュ粗粒子 50ppm (*)未検出 本実施例は、分子量および加水分解のレベルの異なるポ
リ(ビニルアルコール)の組み合わせを使用することに
よって良好な性質が得られることを示している。粗粒子
の形成は、単独で使用したポリ(ビニルアルコール)タ
イプのいずれのものより少なかった。
【0045】実施例5 試験のまとめ 一連の試験は、広く様々な市販のポリ(ビニルアルコー
ル)の効果を測定するために実施した。実施例1の一般
的な方法は以下の通りである。ポリ(ビニルアルコー
ル)は以下の表に示した。
【0046】
【表2】
【0047】上記表中のAは、Air Products and Chemi
cals. Incが所有する登録商標、Airvolのその系列のポ
リ(ビニルアルコール)についての略号である。後の数
字は等級を表している。表からわかるように、最良の結
果は、中程度の重量、高加水分解>98%のポリ(ビニ
ルアルコール)を用いて得られる。また、結果から低分
子量の低加水分解ポリ(ビニルアルコール)は、アクリ
ルエマルジョンを安定化させるのに有効であり、上記ポ
リ(ビニルアルコール)Dと対照的である。
【0048】比較例1 この特別な実施例では、単独の安定剤としてポリ(ビニ
ルアルコール)Bを使用した実施例の手法に従って製造
したが、異なる点は連鎖延長剤、ドデシルメルカプタン
を除いたことである。過剰の粗粒子が形成し、エマルジ
ョンが不安定であったために、重合は数時間で停止し
た。
フロントページの続き (72)発明者 フランク・ヴイートウ・デイステフアーノ アメリカ合衆国ペンシルベニア州18062. マキユンジー.ギヤツプロード360

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的に少なくとも一つのアクリルモノ
    マーからなる重合可能なモノマー系を、水およびポリア
    クリルポリマーの製造用の安定剤の存在下で重合させる
    ポリアクリルポリマー粒子を製造するためのアクリル不
    飽和を有する、水不溶性のエチレン系不飽和モノマーか
    ら本質的になるモノマー混合物の乳化重合のための方法
    において、微細流動化することなく45重量%を超える
    固体含量を有するアクリルエマルジョンを製造するため
    に、 a) 96.5%を超える加水分解価を有するポリ(ビニ
    ルアルコール)および少なくとも86%の加水分解価を
    有するポリ(ビニルアルコール)からなる群より選ばれ
    るポリ(ビニルアルコール)から本質的になり、ここで
    その分子量は約5,000〜13,000の範囲内である
    安定剤を利用し、そして実質的に界面活性剤および溶剤
    はなく、そして前記ポリ(ビニルアルコール)は、重合
    すべきモノマーの2〜約15重量の量で存在する重合領
    域で重合を実施し;そして b) 連鎖移動剤の存在下で重合を実施することを特徴と
    する、上記の方法。
  2. 【請求項2】 ポリ(ビニルアルコール)を重合するモ
    ノマーの約3〜約7重量%の量でエマルジョンに配合す
    る、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 連鎖移動剤を重合すべきモノマーの約
    0.2〜3重量%の量で配合する、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 重合領域にアクリルモノマーを遅延添加
    することによって重合を実施する請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 始発装填物として重合すべきアクリルモ
    ノマーの10〜30%を重合領域に装填し、次いでモノ
    マーの残りをある期間にわたって添加することによっ
    て、遅延添加を実施する請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 アクリルモノマーがアクリルおよびメタ
    クリル酸のC1-8アルキルエステルである、請求項3の
    方法。
  7. 【請求項7】 アクリルモノマーが、メチルメタクリレ
    ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブ
    チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートか
    らなる群より選ばれる請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 ポリ(ビニルアルコール)が少なくとも
    98%の加水分解パーセントを有する、請求項6の方
    法。
  9. 【請求項9】ポリ(ビニルアルコール)安定剤が、低分
    子量(5,000〜13,000)のポリ(ビニルアルコ
    ール)20〜80%および高分子量25,000〜45,
    000のポリ(ビニルアルコール)20〜80%からな
    るブレンドとして存在する、請求項7の方法。
  10. 【請求項10】 ポリ(ビニルアルコール)安定剤が、
    低分子量(5,000〜13,000)のポリ(ビニルア
    ルコール)50〜75%の量、並びに約86〜90%の
    加水分解価およびより高い分子量25,000〜45,0
    00のポリ(ビニルアルコール)25〜50%からなる
    ブレンドとして存在する、請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 ポリアクリルポリマー粒子を製造する
    ためのアクリル不飽和を有する、重合されたエチレン系
    不飽和モノマーから本質的になる水性エマルジョンにお
    いて、96.5%を超える加水分解価を有するポリ(ビ
    ニルアルコール)および少なくとも86%の加水分解価
    を有するポリ(ビニルアルコール)からなる群より選ば
    れるポリ(ビニルアルコール)から本質的になり、ここ
    でその分子量は約5,000〜13,000の範囲内であ
    る安定剤を用いて前記エマルジョンを安定化させ、前記
    エマルジョンは実質的に界面活性剤および溶剤を含ま
    ず、前記エマルジョンは固体含量がエマルジョンの少な
    くとも45重量%であり、そしてポリ(ビニルアルコー
    ル)は、ポリアクリルポリマーの約2〜12重量%の量
    で配合されたものであることを特徴とする上記エマルジ
    ョン。
  12. 【請求項12】 ポリ(ビニルアルコール)は、重合す
    るモノマーの3〜7重量%の量でエマルジョンに配合さ
    れた、請求項11のエマルジョン。
  13. 【請求項13】 連鎖移動剤が重合すべきモノマーの
    0.2〜3重量%の量で配合された請求項12のエマル
    ジョン。
  14. 【請求項14】 アクリルモノマーが、アクリルおよび
    メタクリル酸のC1- 8エステルであり、連鎖移動剤がメ
    ルカプタンである、請求項13のエマルジョン。
  15. 【請求項15】 アクリルモノマーがメチルメタクリレ
    ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブ
    チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートか
    らなる群より選ばれる、請求項14のエマルジョン。
  16. 【請求項16】 ポリ(ビニルアルコール)が少なくと
    も98%の加水分解パーセントを有する、請求項15の
    エマルジョン。
  17. 【請求項17】 ポリ(ビニルアルコール)安定剤は、
    低分子量(5,000〜13,000)のポリ(ビニルア
    ルコール)20〜80%およびより高分子量の35,0
    00〜45,000のポリ(ビニルアルコール)20〜
    80%の量で存在する、請求項15のエマルジョン。
  18. 【請求項18】 ポリ(ビニルアルコール)安定剤が、
    低分子量(5,000〜13,000)のポリ(ビニルア
    ルコール)50〜75%、およびより高分子量の35,
    000〜45,000のポリ(ビニルアルコール)25
    〜50%の量で存在する、請求項16のエマルジョン。
JP9155630A 1996-06-14 1997-06-13 十分に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)の存在下で製造されたアクリルエマルジョン Pending JPH1060055A (ja)

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