JPH11116850A - 水分散型樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

水分散型樹脂組成物及びその製造方法

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JPH11116850A
JPH11116850A JP28152997A JP28152997A JPH11116850A JP H11116850 A JPH11116850 A JP H11116850A JP 28152997 A JP28152997 A JP 28152997A JP 28152997 A JP28152997 A JP 28152997A JP H11116850 A JPH11116850 A JP H11116850A
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JP
Japan
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water
resin composition
surfactant
dispersed resin
unsaturated monomer
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JP28152997A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Nijiyutsuken
年彦 二十軒
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性、密着性、耐久性及び保存安定性の全
てに優れる水分散型樹脂組成物及びその製造方法を提供
すること。 【解決手段】界面活性剤を含む水系媒質中で、ラジカル
重合開始剤を用いてエチレン性不飽和モノマーを含むモ
ノマー混合物を乳化重合さる。そのエチレン性不飽和モ
ノマーは、(a)親油性のエチレン性不飽和モノマー及
び(b)親水性のエチレン性不飽和モノマーからなる。
その界面活性剤はラジカル重合が可能な重合性官能基を
有するノニオン系の界面活性剤を含んでいる。分散体の
平均粒子直径は200ナノメーター以下とされる。ラジ
カル重合が可能な重合性官能基を有するノニオン系の界
面活性剤の使用量は、モノマー全量100重量部に対し
て1重量部以上20重量部以下が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料、接着剤、粘
着剤、紙加工剤、各種被覆剤等に用いられる水分散型樹
脂組成物及びその製造方法に関するものであり、特に、
耐水性、密着性、耐久性及び保存安定性に優れる水分散
型樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保全、安全衛生等の観点より
塗料、接着剤、粘着剤、紙加工剤、各種被覆剤等の無公
害化、安全衛生化が強く要望されている。従って、例え
ば塗料を例にとると、有機溶剤系の塗料に代わり水系塗
料の用途が拡大されつつある。この水系塗料は、酢酸ビ
ニル系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、アクリルスチレ
ン系樹脂粒子等を界面活性剤、分散剤等を用いて水中に
分散させた水分散型樹脂組成物を主成分とし、これに顔
料、顔料分散剤、消泡剤、増粘剤、成膜助剤、防腐剤等
を配合したものである。
【0003】この水系塗料は水分散型であるが故に有機
溶剤系塗料に比べて基材への濡れ性や浸透性に劣り、従
って密着性が不充分であるという問題がある。また、水
溶性成分を含む故に耐水性が不充分であるという問題も
ある。
【0004】水系塗料の耐水性を向上させるため、無機
ポリマーと有機ポリマーとを併用する方法が提案されて
いる。例えば、無機ポリマーであるコロイダルシリカと
有機ポリマーエマルジョンとのブレンド物を主成分とし
た塗料や、コロイダルシリカを重合時に使用したエマル
ジョンを主成分とした塗料を用いれば、良好な耐水性を
備えた皮膜を得ることができる。しかし、この水系塗料
は無機ポリマーと有機ポリマーとの結びつきが脆弱であ
り、この水系塗料を用いて得られる皮膜は耐久性に劣る
こととなる。無機ポリマーと有機ポリマーとの結びつき
を堅固にすべく、両ポリマーのブレンド物にアルコキシ
シラン類を添加した水分散型樹脂組成物やアルコキシシ
ラン基を有するモノマーを使用した水分散型樹脂組成物
も提案されている。しかし、これらの水分散型樹脂組成
物は保存安定性に劣り、長期保存に耐え得ないという問
題がある。
【0005】水系塗料の耐水性を向上させるため、ラジ
カル重合が可能な重合性官能基を有する界面活性剤(以
下、これを「反応性界面活性剤」ともいう)を用いて水
分散型樹脂組成物を得る方法も提案されている。この方
法は、主としてアニオン系の反応性界面活性剤を用いて
乳化重合を行うものである。この水分散型樹脂組成物に
よって得られる皮膜の耐水性は良好であるが、密着性及
び耐久性に関しては有機溶剤系の樹脂組成物によって得
られる皮膜に及ばないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの問題に鑑
みてなされたものであり、耐水性、密着性、耐久性及び
保存安定性の全てに優れる水分散型樹脂組成物及びその
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ためになされた発明は、界面活性剤を含む水系媒質中
で、ラジカル重合開始剤を用いてエチレン性不飽和モノ
マーを含むモノマー混合物を乳化重合させて得られる水
分散型樹脂組成物であって、そのエチレン性不飽和モノ
マーは(a)親油性のエチレン性不飽和モノマー及び
(b)親水性のエチレン性不飽和モノマーからなり、そ
の界面活性剤はラジカル重合が可能な重合性官能基を有
するノニオン系の界面活性剤を含んでおり、分散体の平
均粒子直径が200ナノメーター以下であることを特徴
とする水分散型樹脂組成物、である(請求項1)。
【0008】また、上記した問題を解決するためになさ
れた他の発明は、界面活性剤を含む水系媒質中で、ラジ
カル重合開始剤を用いてエチレン性不飽和モノマーを含
むモノマー混合物を乳化重合させる水分散型樹脂組成物
の製造方法であって、そのエチレン性不飽和モノマーと
して(a)親油性のエチレン性不飽和モノマー及び
(b)親水性のエチレン性不飽和モノマーを用い、その
界面活性剤としてラジカル重合が可能な重合性官能基を
有するノニオン系の界面活性剤を用いて、分散体の平均
粒子直径を200ナノメーター以下とすることを特徴と
する水分散型樹脂組成物の製造方法、である(請求項
5)。
【0009】これらの発明によれば、親水性のエチレン
性不飽和モノマー含むエチレン性不飽和モノマーを用い
ており、界面活性剤としてノニオン系の反応性界面活性
剤を用いており、しかも分散体の平均粒子直径を200
ナノメーター以下としているので、耐水性、密着性、耐
久性及び保存安定性の全てに優れる水分散型樹脂組成物
を得ることができる。
【0010】本発明において耐水性、密着性、耐久性及
び保存安定性をよりよくバランスさせるには、モノマー
(a)とモノマー(b)との混合比である(a)/
(b)を70/30以上99.9/0.1以下とするこ
と(請求項2)、ノニオン系の反応性界面活性剤の使用
量をモノマー100重量部に対し1重量部以上20重量
部以下とすること(請求項3)、そして、ラジカル重合
開始剤を水溶性のラジカル重合開始剤とすること(請求
項4)が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の水分散型樹脂組成物の製
造においては、ノニオン系の反応性界面活性剤を用いて
いる。反応性界面活性剤を用いることにより、得られた
水分散型樹脂組成物の水系媒質中に残余する界面活性剤
の量を抑えることができ、従って通常の界面活性剤を用
いた場合に比べて耐久性を高めることができる。また、
反応性界面活性剤のうちでもノニオン系の反応性界面活
性剤を用いることにより、例えばスレート材等のセメン
ト成形体のようにアルカリ性を示す基材にも安定して浸
透させることができ、密着性及び耐久性を高めることが
できる。
【0012】用いられるノニオン系の反応性界面活性剤
としては、ラジカル重合可能な重合性官能基を有するポ
リエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキル
エーテル型、アルキルフェニルエーテル型等が挙げら
れ、具体的には、例えば第一工業製薬株式会社製の商品
名「アクアロンRN−20」、同社製の商品名「アクア
ロンRN−50」、旭電化工業株式会社製の商品名「ア
デカリアソープNE20」等が挙げられる。これらのノ
ニオン系の反応性界面活性剤は、単独で又は2種以上が
組み合わされて用いられる。また、必要に応じ、ノニオ
ン系の反応性界面活性剤とその他の界面活性剤とが併用
されることもある。
【0013】ノニオン系の反応性界面活性剤の使用量
は、モノマー全量100重量部に対し1重量部以上20
重量部以下が好ましく、3重量部以上10重量部以下が
特に好ましい。使用量が上記範囲未満であると、重合が
安定に進行せず、水分散型樹脂組成物中に多量の凝集物
が発生してしまうことがある。逆に、使用量が上記範囲
を超えると、未反応の界面活性剤が多くなって水分散型
樹脂組成物の耐水性が低下してしまうことがある。
【0014】本発明の水分散型樹脂組成物は、(a)親
油性のエチレン性不飽和モノマーに(b)親水性エチレ
ン性不飽和モノマーを混合し、乳化重合させている。そ
の混合比である(a)/(b)は70/30以上99.
9/0.1以下が好ましく、90/10以上99.5/
0.5以下が特に好ましい。混合比が上記範囲未満であ
ると、得られる皮膜の密着性が低下してしまうことがあ
る。逆に、混合比が上記範囲を超えると、得られる皮膜
の耐水性及び耐アルカリ性が低下してしまうことがあ
る。
【0015】本発明の水分散型樹脂組成物に用いられる
(a)親油性のエチレン性不飽和モノマーとしては、例
えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ス
テアリル等の(メタ)アクリル酸の炭素数1以上24以
下のアルキル又はシクロアルキルエステル;ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸の炭素数2
以上8以下のヒドロキシアルキルエステル;スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、N−ビニルピロ
リドン、ビニルピリジン等の芳香族不飽和モノマー;グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の
エポキシ基含有の(メタ)アクリル酸エステル;アクリ
ル酸1−メチル2−ピロリドン、アクリル酸1−エチル
2−ピロリドン、メタクリル酸1−メチル2−ピロリド
ン、メタクリル酸1−エチル2−ピロリドン等の(メ
タ)アクリル酸のピロール環含有の炭素数1以上24以
下のアルキルエステル;アクリル酸1−メチル2−オキ
サゾリドン、アクリル酸1−エチル2−オキサゾリド
ン、メタクリル酸1−メチル2−オキサゾリドン、メタ
クリル酸1−エチル2−オキサゾリドン等の(メタ)ア
クリル酸のオキサゾール環含有の炭素数1以上24以下
のアルキルエステル等が挙げられ、これらが単独で又は
二種以上組み合わされて用いられる。
【0016】本発明の水分散型樹脂組成物に用いられる
(b)親水性のエチレン性不飽和モノマーとしては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン
酸、ポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレー
ト、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−ブトキシメチルアクリルアミド等が挙げられ、これ
らが単独で又は二種以上組み合わされて用いられる。
【0017】本発明においては、前述のモノマー(a)
及びモノマー(b)以外のモノマー(以下「他のモノマ
ー」ともいう)を共重合成分として用いることができ
る。他のモノマーを用いる場合、モノマー(a)とモノ
マー(b)との混合比を上記範囲に維持しつつ、全モノ
マー量100重量部に対してモノマー(a)が70重量
部以上となるようにすれば、耐水性、密着性、耐久性及
び保存安定性の向上という本発明の特徴を損なわずに、
他のモノマーの持つ特徴を水分散型樹脂組成物に導入す
ることができる。
【0018】本発明の水分散型樹脂組成物の分散体の平
均粒子直径は、200ナノメーター以下とされている。
平均粒子直径が200ナノメーターを越えると、基材へ
の浸透性が悪くなり、結果として密着性及び耐久性が低
下してしまう。この観点から、平均粒子直径は120ナ
ノメーター以下が好ましい。なお、このように本発明に
おいては平均粒子直径は小さいほど好ましいので、平均
粒子直径の下限は特には限定する必要がないが、一般的
に得られる水分散型樹脂組成物の平均粒子直径は20ナ
ノメーター以上である。
【0019】本発明では、ラジカル重合開始剤を用いて
モノマー混合物を共重合させている。ラジカル重合開始
剤としては、熱、還元性物質等によりラジカル分解して
モノマーへの付加重合を起こすものであればよく、水溶
性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合物等が使
用できる。用いられるラジカル重合開始剤としては、例
えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジア
ミノプロパン)ハイドロクロライド等が挙げられる。こ
れらのラジカル重合開始剤の中でも、水系媒質中におけ
る溶解性及び重合安定性の観点から、水溶性のものが好
適に用いられる。
【0020】ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー
全量100重量部に対して0.05重量部以上2.0重
量部以下が好ましく、0.1重量部以上0.5重量部以
下が特に好ましい。
【0021】本発明の水分散型樹脂組成物の製造方法に
おいて、重合速度を促進する場合や低温で重合反応を起
こさせる場合は、前述のラジカル重合開始剤と組み合わ
せて、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン
酸塩、ロンガリット等の還元剤を使用することもでき
る。また、分子量の調整のために、ドデシルメルカプタ
ン等の連鎖移動剤を添加してもよい。
【0022】本発明の水分散型樹脂組成物の乳化重合法
については特には制限がなく、水、ノニオン系の反応性
界面活性剤及びラジカル重合開始剤の存在下でモノマー
(a)及び(b)の混合物を滴下するモノマー滴下法、
モノマー(a)及び(b)の混合物を水、ノニオン系の
反応性界面活性剤の存在下で乳化し、それを滴下しなが
ら重合を行うプレエマルジョン法、水、ノニオン系の反
応性界面活性剤、ラジカル重合開始剤並びにモノマー
(a)及び(b)の混合物の存在下でラジカル重合を行
う一浴重合法等が採用できる。安全性の観点からはモノ
マー滴下法及びプレエマルジョン法が好ましく、プレエ
マルジョン法が特に好ましい。モノマー滴下法及びプレ
エマルジョン法を採用する場合は、滴下量の1重量%以
上50重量%以下、好ましくは3重量%以上30重量%
以下を重合開始前に添加することもできる。
【0023】本発明の水分散型樹脂組成物は安定な分散
性を示すので中和剤等の使用は特には必要ないが、所望
によりアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、アミン類等のpH調整剤を使用してもよい。また、
本発明の水分散型樹脂組成物に増粘剤、消泡剤、顔料、
分散剤、染料、防腐剤等を必要に応じ添加してもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例に沿って具体的に説明
するが、これら実施例の開示に基づいて本発明が限定的
に解釈されるべきでないことは勿論である。
【0025】[実施例及び比較例の水性樹脂分散液の調
製] [実施例1]第1段階として、反応容器に脱イオン水2
4重量部、ノニオン系の反応性界面活性剤(前述の「ア
クアロンRN−20」)3重量部(モノマー全量に対し
て6重量部)、メタクリル酸メチル25重量部、アクリ
ル酸ブチル10.4重量部、スチレン12重量部及びア
クリル酸0.6重量部を投入し、攪拌機を用いて900
から1500rpmで攪拌し、均一なプレエマルジョン
を得た。
【0026】そして、第2段階として、攪拌機、還流冷
却器、滴下漏斗及び温度計を備えた容量が2リットルの
4つ口フラスコに脱イオン水24重量部、ノニオン系の
反応性界面活性剤(前述の「アクアロンRN−20」)
1重量部(モノマー全量に対して2重量部)及び第1段
階で得られたプレエマルジョンの一部を仕込んで、窒素
ガス気流下に摂氏70度まで加熱した。ここへ、ラジカ
ル重合開始剤を添加した。そして、残りのプレエマルジ
ョン及びラジカル重合開始剤水溶液を4時間かけて滴下
し、摂氏70度から73度の範囲内に重合温度を維持し
つつ、乳化重合させた。滴下終了後もこの重合温度を2
時間維持して重合反応を完了させた。室温まで冷却した
のち、生成物を200メッシュのろ布で濾過して、実施
例1の水分散型樹脂組成物を得た。濾過により得られた
凝集物の乾燥重量は、全モノマーの0.002%と非常
にわずかであった。また、得られた水分散型樹脂組成物
の不揮発分は48重量%であり、分散体の平均粒子直径
は150ナノメーターであった。
【0027】[実施例2]用いるノニオン系の反応性界
面活性剤を、「アクアロンRN−20」に代えて前述の
「アクアロンRN−50」とした他は実施例1と同様に
して、実施例2の水分散型樹脂組成物を得た。濾過によ
る凝集物の乾燥重量は、全モノマーの0.003%と非
常にわずかであった。また、得られた水分散型樹脂組成
物の不揮発分は48重量%であり、分散体の平均粒子直
径は130ナノメーターであった。
【0028】[実施例3]用いるノニオン系の反応性界
面活性剤を、「アクアロンRN−20」に代えて前述の
「アデカリアソープNE20」とした他は実施例1と同
様にして、実施例3の水分散型樹脂組成物を得た。濾過
による凝集物の乾燥重量は、全モノマーの0.002%
と非常にわずかであった。また、得られた水分散型樹脂
組成物の不揮発分は48重量%であり、分散体の平均粒
子直径は130ナノメーターであった。
【0029】[比較例1]第1段階で使用するノニオン
系の反応性界面活性剤「アクアロンRN−20」の量を
4重量部(モノマー全量に対して8重量部)とし、第2
段階でノニオン系の反応性界面活性剤を使用しなかった
他は実施例1と同様にして、比較例1の水分散型樹脂組
成物を得た。濾過による凝集物の乾燥重量は、全モノマ
ーの0.003%と非常にわずかであった。また、得ら
れた水分散型樹脂組成物の不揮発分は48重量%であ
り、分散体の平均粒子直径は400ナノメーターであっ
た。
【0030】[比較例2]ノニオン系の反応性界面活性
剤に代えて、重合性官能基を有さない界面活性剤(以
下、これを「非反応性界面活性剤」という)であってノ
ニオン系である界面活性剤(第一工業製薬株式会社製の
商品名「ノイゲンEA170」)とした他は実施例1と
同様にして、比較例2の水分散型樹脂組成物を得た。濾
過による凝集物の乾燥重量は、全モノマーの0.005
%と非常にわずかであった。また、得られた水分散型樹
脂組成物の不揮発分は48重量%であり、分散体の平均
粒子直径は200ナノメーターであった。
【0031】[比較例3]ノニオン系の反応性界面活性
剤に代えて、アニオン系の反応性界面活性剤(第一工業
製薬株式会社製の商品名「アクアロンHS−10」)を
使用し、その使用量を第1段階では2重量部(モノマー
全量に対して4重量部)、第2段階では0.5重量部
(モノマー全量に対して1重量部)とした他は実施例1
と同様にして、比較例3の水分散型樹脂組成物を得た。
濾過による凝集物の乾燥重量は、全モノマーの0.00
2%と非常にわずかであった。また、得られた水分散型
樹脂組成物の不揮発分は48重量%であり、分散体の平
均粒子直径は120ナノメーターであった。
【0032】[実施例及び比較例の水分散型樹脂組成物
の評価試験] [耐水性評価試験及び密着性評価試験]前述の各実施例
及び各比較例の水分散型樹脂組成物を、JIS−K54
00に準拠した耐水性試験及び密着性試験に供した。評
価結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0033】[耐久性評価試験]各水分散型樹脂組成物
を、ASTM−C666A法に準拠した耐久性試験に供
した。判定基準は、皮膜に変化がないものを◎、皮膜に
わずかな浮きや膨れが見られるものを○、皮膜に大幅な
浮きや膨れが見られるものを△、皮膜の剥離が見られる
ものを×とした。評価結果が、下記の表1及び表2に示
されている。
【0034】[保存安定性評価試験]各水分散型樹脂組
成物を、摂氏60度の条件で7日間養生させ、養生前後
の粘度とpHとを測定し、その変化の程度を確認した。
その結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1及び表2中の界面活性剤の配合量にお
いて、カッコ内の数値はモノマー全量100重量部に対
する配合量(重量部)を示したものである。
【0038】表1及び表2において、分散体の平均粒子
直径が200ナノメーターを越える比較例1の水分散型
樹脂組成物は、耐水性及び密着性が劣っている。また、
非反応性の界面活性剤を用いた比較例2の水分散型樹脂
組成物は、耐水性が劣っている。さらに、アニオン系の
反応性界面活性剤を用いた比較例3の水分散型樹脂組成
物は、密着性、耐久性及び保存安定性が劣っている。
【0039】これに対し、ノニオン系の反応性界面活性
剤を用い、平均粒子系が200ナノメーター以下とされ
た実施例1から実施例3までの水分散型樹脂組成物は、
耐水性、密着性、耐久性及び保存安定性のすべてにおい
て優れている。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐水性、密着性、耐久性及び保存安定性のすべてが良好
な水分散型樹脂組成物及びその製造方法を得ることがで
きる。このように良好な性能を示す水分散型樹脂組成物
は、塗料のみならず、接着剤、粘着剤、紙加工剤、各種
被覆剤等に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 157/00 C09J 157/00 // C08F 20/00 C08F 20/00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤を含む水系媒質中で、ラジカ
    ル重合開始剤を用いてエチレン性不飽和モノマーを含む
    モノマー混合物を乳化重合させて得られる水分散型樹脂
    組成物であって、 そのエチレン性不飽和モノマーは(a)親油性のエチレ
    ン性不飽和モノマー及び(b)親水性のエチレン性不飽
    和モノマーからなり、 その界面活性剤はラジカル重合が可能な重合性官能基を
    有するノニオン系の界面活性剤を含んでおり、 分散体の平均粒子直径が200ナノメーター以下である
    ことを特徴とする水分散型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記モノマー(a)とモノマー(b)と
    の混合比である(a)/(b)が、70/30以上9
    9.9/0.1以下である請求項1に記載の水分散型樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記ラジカル重合が可能な重合性官能基
    を有するノニオン系の界面活性剤の使用量が、モノマー
    100重量部に対し1重量部以上20重量部以下である
    請求項1又は2に記載の水分散型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記ラジカル重合開始剤が水溶性のラジ
    カル重合開始剤である請求項1から3のいずれかに記載
    の水分散型樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 界面活性剤を含む水系媒質中で、ラジカ
    ル重合開始剤を用いてエチレン性不飽和モノマーを含む
    モノマー混合物を乳化重合させる水分散型樹脂組成物の
    製造方法であって、 そのエチレン性不飽和モノマーとして(a)親油性のエ
    チレン性不飽和モノマー及び(b)親水性のエチレン性
    不飽和モノマーを用い、 その界面活性剤としてラジカル重合が可能な重合性官能
    基を有するノニオン系の界面活性剤を用いて、分散体の
    平均粒子直径を200ナノメーター以下とすることを特
    徴とする水分散型樹脂組成物の製造方法。
JP28152997A 1997-10-15 1997-10-15 水分散型樹脂組成物及びその製造方法 Pending JPH11116850A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002194292A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Chuo Rika Kogyo Corp 水性下地塗料
JP2007084781A (ja) * 2005-02-28 2007-04-05 Dainippon Ink & Chem Inc アクリル系水性粘着剤組成物の製造方法
JP2007217594A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Dainippon Ink & Chem Inc アクリル系水性粘着剤

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