JPH0761442B2 - ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 - Google Patents
ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤Info
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- JPH0761442B2 JPH0761442B2 JP62003663A JP366387A JPH0761442B2 JP H0761442 B2 JPH0761442 B2 JP H0761442B2 JP 62003663 A JP62003663 A JP 62003663A JP 366387 A JP366387 A JP 366387A JP H0761442 B2 JPH0761442 B2 JP H0761442B2
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- aldehyde
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Description
【発明の詳細な説明】 (A) 産業上の利用分野 本発明はビニル系化合物なかんずく塩化ビニルの懸濁重
合用分散安定剤に関するものである。
合用分散安定剤に関するものである。
(B) 従来の技術および問題点 工業的に塩化ビニル系樹脂を製造する場合、水性媒体中
で分散安定剤の存在下に塩化ビニルモノマーを分散さ
せ、油溶性触媒を用いて重合を行なう懸濁重合法が広く
実施されている。一般に該樹脂の品質を支配する因子と
しては重合率、水−モノマー比、重合温度、触媒の種類
および量、重合槽の型式、撹拌速度あるいは分散安定剤
の種類、量等が挙げられるが、中でも分散安定剤の種類
による影響が非常に大きいことが知られている。
で分散安定剤の存在下に塩化ビニルモノマーを分散さ
せ、油溶性触媒を用いて重合を行なう懸濁重合法が広く
実施されている。一般に該樹脂の品質を支配する因子と
しては重合率、水−モノマー比、重合温度、触媒の種類
および量、重合槽の型式、撹拌速度あるいは分散安定剤
の種類、量等が挙げられるが、中でも分散安定剤の種類
による影響が非常に大きいことが知られている。
塩化ビニル系モノマーの懸濁重合用分散安定剤に要求さ
れる性能としては(i)少量の使用で高い分散力を示
し、得られる塩化ビニル系重合体粒子の粒径分布をでき
るだけシヤープにする働きのあること、(ii)可塑剤の
吸収速度を大きくして加工性を容易にするため、および
重合体粒子中に残存する塩化ビニルモノマーの除去を容
易にするため、更には成型品中のフイツシユアイ等の生
成を防止するため各重合体粒子をできるだけ均一にしか
も多孔性にする働きがあること、(iii)充てん比重の
大きい重合体粒子をつくる働きがあることなどが挙げら
れる。
れる性能としては(i)少量の使用で高い分散力を示
し、得られる塩化ビニル系重合体粒子の粒径分布をでき
るだけシヤープにする働きのあること、(ii)可塑剤の
吸収速度を大きくして加工性を容易にするため、および
重合体粒子中に残存する塩化ビニルモノマーの除去を容
易にするため、更には成型品中のフイツシユアイ等の生
成を防止するため各重合体粒子をできるだけ均一にしか
も多孔性にする働きがあること、(iii)充てん比重の
大きい重合体粒子をつくる働きがあることなどが挙げら
れる。
従来、ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤としては
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセ
ルロース誘導体あるいは部分けん化ポリビニルアルコー
ル等がそれぞれ単独又は併用して使用されている。しか
しこれらは塩化ビニル系重合体粒子を多孔性にする能力
が低く、可塑剤吸収速度が遅いとか残留塩化ビニルモノ
マーの除去がしにくいという欠点があつた。
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセ
ルロース誘導体あるいは部分けん化ポリビニルアルコー
ル等がそれぞれ単独又は併用して使用されている。しか
しこれらは塩化ビニル系重合体粒子を多孔性にする能力
が低く、可塑剤吸収速度が遅いとか残留塩化ビニルモノ
マーの除去がしにくいという欠点があつた。
また、末端にアルキル基を有するポリビニルアルコール
(以下ポリビニルアルコールをPVAと略記する)系重合
体をビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤として用い
ることも知られている。例えば、特開昭51−18779号で
は末端に炭素数8以上のアルキル基を有し、重合度300
〜1500のPVAを単独で、塩化ビニルモノマーに対して0.2
%使用することが開示されており、また特開昭54−2599
0号では末端に炭素数4以上のアルキル基を有し、けん
化度が60〜90モル%のPVAを単独あるいは一般のポリビ
ニルアルコールとともに塩化ビニルモノマーに対して0.
1%使用することが開示されており、さらに特開昭59−1
66505号では末端にアルキル基を有し、重合度が150未満
のPVAを単独で、塩化ビニルモノマーに対して0.05%使
用することが開示されている。
(以下ポリビニルアルコールをPVAと略記する)系重合
体をビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤として用い
ることも知られている。例えば、特開昭51−18779号で
は末端に炭素数8以上のアルキル基を有し、重合度300
〜1500のPVAを単独で、塩化ビニルモノマーに対して0.2
%使用することが開示されており、また特開昭54−2599
0号では末端に炭素数4以上のアルキル基を有し、けん
化度が60〜90モル%のPVAを単独あるいは一般のポリビ
ニルアルコールとともに塩化ビニルモノマーに対して0.
1%使用することが開示されており、さらに特開昭59−1
66505号では末端にアルキル基を有し、重合度が150未満
のPVAを単独で、塩化ビニルモノマーに対して0.05%使
用することが開示されている。
しかしながらこれらの方法においては得られる塩化ビニ
ル樹脂のポロシテイーは大きくなる傾向は認められるも
のの、充てん比重の大きいものが得られにくいという欠
点があり、特に近年、充てん比重の大きな塩化ビニル樹
脂が要求されているという状況にあつては、とうてい満
足して使用できるレベルのものではないというのが実体
であつた。
ル樹脂のポロシテイーは大きくなる傾向は認められるも
のの、充てん比重の大きいものが得られにくいという欠
点があり、特に近年、充てん比重の大きな塩化ビニル樹
脂が要求されているという状況にあつては、とうてい満
足して使用できるレベルのものではないというのが実体
であつた。
(C) 問題点を解決するための手段 本発明者は上記の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、(A)末端に炭素数6以上のアルキル基を有し、
重合度が200以下でけん化度が91〜98モル%のPVA系重合
体および(B)重合度が500以上でけん化度が70〜90モ
ル%のPVA系重合体を重量比で(A)/(B)が30/70〜
70/30の割合で併用する場合には、驚くべきことに前記
(i)(ii)(iii)の要件を全て満足し、特に(iii)
の充てん比重が著しく向上することを見出し本発明を完
成するに到つたものである。
結果、(A)末端に炭素数6以上のアルキル基を有し、
重合度が200以下でけん化度が91〜98モル%のPVA系重合
体および(B)重合度が500以上でけん化度が70〜90モ
ル%のPVA系重合体を重量比で(A)/(B)が30/70〜
70/30の割合で併用する場合には、驚くべきことに前記
(i)(ii)(iii)の要件を全て満足し、特に(iii)
の充てん比重が著しく向上することを見出し本発明を完
成するに到つたものである。
本発明の(A)末端に炭素数6以上のアルキル基を有す
るPVA系重合体は、以下に記す連鎖移動剤の存在下にビ
ニルエステルを重合し、得られたポリビニルエステルを
公知の方法によりけん化することによつて得ることがで
きる。
るPVA系重合体は、以下に記す連鎖移動剤の存在下にビ
ニルエステルを重合し、得られたポリビニルエステルを
公知の方法によりけん化することによつて得ることがで
きる。
連鎖移動剤としては炭素数6以上のアルキル基を有する
アルデヒドあるいはメルカプタンが用いられる。
アルデヒドあるいはメルカプタンが用いられる。
アルデヒドとしては、n−オクチルアルデヒド、2−エ
チル−ヘキシルアルデヒド、n−カプリンアルデヒド、
n−デシルアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、ラ
ウリルアルデヒド、n−トリデシルアルデヒド、セチル
アルデヒド、パルミチルアルデヒド、ステアリルアルデ
ヒドなどがあげられる。
チル−ヘキシルアルデヒド、n−カプリンアルデヒド、
n−デシルアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒド、ラ
ウリルアルデヒド、n−トリデシルアルデヒド、セチル
アルデヒド、パルミチルアルデヒド、ステアリルアルデ
ヒドなどがあげられる。
また、メルカプタンとしては、n−ドデシルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、n−オクタデシルメル
カプタンの他にn−デシルメルカプタン、ステアリルメ
ルカプタンなどがあげられる。
ン、n−オクチルメルカプタン、n−オクタデシルメル
カプタンの他にn−デシルメルカプタン、ステアリルメ
ルカプタンなどがあげられる。
炭素数の上限はとくに限定はないが、入手のしやすさの
点から炭素数は40以下の範囲から選ぶのが適当である。
これらの連鎖移動剤は単独で用いてもよいし、また2種
以上併用することもできる。連鎖移動剤は得られるPVA
の平均重合度が200以下になる程度に使用される。
点から炭素数は40以下の範囲から選ぶのが適当である。
これらの連鎖移動剤は単独で用いてもよいし、また2種
以上併用することもできる。連鎖移動剤は得られるPVA
の平均重合度が200以下になる程度に使用される。
本発明に用いる(A)末端に炭素数6以上のアルキル基
を有するPVA系重合体の平均重合度は、200以下であるこ
とが必要であり、好ましくは150以下である。重合度が2
00をこえる場合には、可塑剤吸収性の高い塩化ビニル樹
脂を得ることができない。
を有するPVA系重合体の平均重合度は、200以下であるこ
とが必要であり、好ましくは150以下である。重合度が2
00をこえる場合には、可塑剤吸収性の高い塩化ビニル樹
脂を得ることができない。
また本発明に用いる(A)末端に炭素数6以上のアルキ
ル基を有するPVA系重合体のけん化度は91〜98モル%、
好ましくは91〜95モル%であることが必要である。けん
化度が91モル%未満の場合には、得られる塩化ビニル樹
脂の充てん比重が高くならず、98モル%を越える場合に
は可塑剤吸収性の高い塩化ビニル樹脂が得られない。
ル基を有するPVA系重合体のけん化度は91〜98モル%、
好ましくは91〜95モル%であることが必要である。けん
化度が91モル%未満の場合には、得られる塩化ビニル樹
脂の充てん比重が高くならず、98モル%を越える場合に
は可塑剤吸収性の高い塩化ビニル樹脂が得られない。
また本発明に用いる上述の末端にアルキル基を有するPV
Aのアルキル基は炭素数が6以上であることが必要であ
る。炭素数が6未満の場合には上述の如き著しい効果は
得られない。
Aのアルキル基は炭素数が6以上であることが必要であ
る。炭素数が6未満の場合には上述の如き著しい効果は
得られない。
本発明においては上述の如き(A)末端に炭素数6以上
のアルキル基を有するPVA系重合体と(B)重合度500以
上、好ましくは1000以上でけん化度が70〜90モル%、好
ましくは75〜85モル%のPVA系重合体とを、重量比で30/
70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40の割合で併用して
使用することが必須の要件である。
のアルキル基を有するPVA系重合体と(B)重合度500以
上、好ましくは1000以上でけん化度が70〜90モル%、好
ましくは75〜85モル%のPVA系重合体とを、重量比で30/
70〜70/30、好ましくは40/60〜60/40の割合で併用して
使用することが必須の要件である。
ここで用いられる(B)のPVA系重合体の重合度は500以
上であることが必要であり、けん化度は70〜90モル%で
あることが必要である。(B)のPVA系重合体の重合度
が500未満の場合には塩化ビニル樹脂の粒径分布が広く
なりやすく、粗大粒子が形成されやすい。
上であることが必要であり、けん化度は70〜90モル%で
あることが必要である。(B)のPVA系重合体の重合度
が500未満の場合には塩化ビニル樹脂の粒径分布が広く
なりやすく、粗大粒子が形成されやすい。
また、(B)のPVA系重合体のけん化度が70モル%未満
の場合には、フイツシユ・アイとなる塩化ビニル樹脂を
形成しやすく、90モル%以上の場合には、粒子径分布が
広くなりやすい。
の場合には、フイツシユ・アイとなる塩化ビニル樹脂を
形成しやすく、90モル%以上の場合には、粒子径分布が
広くなりやすい。
(A)/(B)が30/70より小さい場合には可塑剤吸収
性が低くなる傾向があり、70/30より大きい場合には充
てん比重が大きくならない。
性が低くなる傾向があり、70/30より大きい場合には充
てん比重が大きくならない。
また(A)および(B)はそれぞれ1種の成分である必
要はなく、1種または2種以上の(A)末端に炭素6以
上のアルキル基を有し、重合度が200以下でけん化度が9
1〜98モル%のポリビニル系重合体および1種または2
種以上の(B)重合度が500以上でけん化度が70〜90モ
ル%のポリビニルアルコール系重合体を上記と同様の配
合比で混合して使用することができる。
要はなく、1種または2種以上の(A)末端に炭素6以
上のアルキル基を有し、重合度が200以下でけん化度が9
1〜98モル%のポリビニル系重合体および1種または2
種以上の(B)重合度が500以上でけん化度が70〜90モ
ル%のポリビニルアルコール系重合体を上記と同様の配
合比で混合して使用することができる。
上記の方法で得られる分散安定剤を用いて塩化ビニルを
単独またはこれを主体とし、これと共重合しうるモノマ
ーとの混合物を懸濁重合する際には、通常、水媒体に分
散安定剤を添加し、塩化ビニルモノマーまたはこれと共
重合しうるモノモーとの混合物を分散させ油溶性触媒の
存在下で行なわれる。分散安定剤は粉末のまま、または
水溶液として加えれば良い。
単独またはこれを主体とし、これと共重合しうるモノマ
ーとの混合物を懸濁重合する際には、通常、水媒体に分
散安定剤を添加し、塩化ビニルモノマーまたはこれと共
重合しうるモノモーとの混合物を分散させ油溶性触媒の
存在下で行なわれる。分散安定剤は粉末のまま、または
水溶液として加えれば良い。
分散安定剤は塩化ビニルモノマーまたはこれを主体とし
これと共重合しうるモノマーとの混合物に対して0.01〜
0.2重量%、好ましくは0.03〜0.07重量%使用される。
これと共重合しうるモノマーとの混合物に対して0.01〜
0.2重量%、好ましくは0.03〜0.07重量%使用される。
又、懸濁重合に際して用いられる触媒は油溶性の触媒で
あればいずれでもよく、例えばベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、2,2′−アゾイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルあ
るいはこれらの混合物が使用される。
あればいずれでもよく、例えばベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート、2,2′−アゾイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリルあ
るいはこれらの混合物が使用される。
重合温度は30〜70℃程度の範囲から選択される。
重合時に分散助剤として1種または2種以上のノニオン
系界面活性剤及び/またはアニオン系界面活性剤を併用
することもできる。
系界面活性剤及び/またはアニオン系界面活性剤を併用
することもできる。
また、本発明の分散安定剤は重合槽の撹拌翼がブルーマ
ージン型のような高速撹拌タイプの場合でも安定な重合
が可能であり、前記の(i)、(ii)、(iii)の全て
の要件を満足する塩化ビニル系樹脂が得られるのも特徴
の1つである。
ージン型のような高速撹拌タイプの場合でも安定な重合
が可能であり、前記の(i)、(ii)、(iii)の全て
の要件を満足する塩化ビニル系樹脂が得られるのも特徴
の1つである。
さらに、塩化ビニル系化合物モノマーの重合槽への仕込
時の水の温度が30〜60℃の場合であつても、重合の安定
性および、得られる塩化ビニル系化合物樹脂の性能に問
題がない。
時の水の温度が30〜60℃の場合であつても、重合の安定
性および、得られる塩化ビニル系化合物樹脂の性能に問
題がない。
以上、主として塩化ビニルの重合について説明してきた
が、本発明の分散安定剤は必ずしも塩化ビニルの重合用
に限定されるものではなく、塩化ビニリデン、アルキル
ビニルエーテル、酢酸ビニル、アクリル酸およびそのエ
ステル、メタアクリル酸およびそのエステル、マレイン
酸およびその無水物、イタコン酸、スチレン、塩化ビニ
ル、アクリロニトリル、イソプレン、イソブテン、ブタ
ジエンなどのα−オレフインおよびエチレンなどの群か
らなる1種または2種以上の成分を含有するビニル系化
合物の懸濁重合用にも用いられる。
が、本発明の分散安定剤は必ずしも塩化ビニルの重合用
に限定されるものではなく、塩化ビニリデン、アルキル
ビニルエーテル、酢酸ビニル、アクリル酸およびそのエ
ステル、メタアクリル酸およびそのエステル、マレイン
酸およびその無水物、イタコン酸、スチレン、塩化ビニ
ル、アクリロニトリル、イソプレン、イソブテン、ブタ
ジエンなどのα−オレフインおよびエチレンなどの群か
らなる1種または2種以上の成分を含有するビニル系化
合物の懸濁重合用にも用いられる。
(D) 作用および発明の効果 本発明は(A)末端に炭素数6以上のアルキル基を有す
るPVA系重合体の重合度とけん化度を特定し、さらに
(B)重合度が500以上でけん化度が70〜90モル%のPVA
系重合体との配合比率を特定することにより、従来相矛
盾すると考えられていた、可塑剤吸収性と著しく高い充
てん比重とを同時に満たす塩化ビニル重合体粒子を得る
ことができるなど、工業的価値が非常に高いものであ
る。
るPVA系重合体の重合度とけん化度を特定し、さらに
(B)重合度が500以上でけん化度が70〜90モル%のPVA
系重合体との配合比率を特定することにより、従来相矛
盾すると考えられていた、可塑剤吸収性と著しく高い充
てん比重とを同時に満たす塩化ビニル重合体粒子を得る
ことができるなど、工業的価値が非常に高いものであ
る。
(E) 実施例 以下に実施例をあげて本発明を更にくわしく説明する
が、本発明の分散安定剤はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。実施例中、部及び%はいずれも重量
基準を示す。
が、本発明の分散安定剤はこれらの実施例のみに限定さ
れるものではない。実施例中、部及び%はいずれも重量
基準を示す。
(E)−1:塩化ビニルの懸濁重合 100グラスライニングオートクレーブに脱イオン水150
部、〔表−1〕〜〔表−6〕の各種の分散安定剤0.05部
およびジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト0.2部を仕込み、オートクレーブ内を50mmHgとなるま
で脱気して酸素を除いた後、塩化ビニルモノマーを100
部仕込み、回転数400rpmで撹拌下に57℃に昇温して重合
を行なつた。
部、〔表−1〕〜〔表−6〕の各種の分散安定剤0.05部
およびジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト0.2部を仕込み、オートクレーブ内を50mmHgとなるま
で脱気して酸素を除いた後、塩化ビニルモノマーを100
部仕込み、回転数400rpmで撹拌下に57℃に昇温して重合
を行なつた。
重合開始時、オートクレーブ内の圧力は8.0kg/cm2Gであ
つたが、重合開始7時間後に4.0kg/cm2Gとなつたので、
この時点で重合を停止し、未反応塩化ビニルモノマーを
パージし、内容物を取り出し脱水乾燥した。
つたが、重合開始7時間後に4.0kg/cm2Gとなつたので、
この時点で重合を停止し、未反応塩化ビニルモノマーを
パージし、内容物を取り出し脱水乾燥した。
塩化ビニル樹脂の重合収率は85%で、平均重合度は1100
であつた。
であつた。
(E)−2:塩化ビニル樹脂の性能評価方法 (1) 粒径分布:タイラーメツシユ基準の金網を使用
して乾式篩分析により測定した。
して乾式篩分析により測定した。
(2) 充てん比重:JISK6721−1959によつて測定し
た。
た。
(3) 粒子多孔性の均一性:塩化ビニル樹脂100部、
ジオクチルフタレート50部、ジブチル錫マレエート1
部、セチルアルコール1部、チタン白0.25部、カーボン
ブラツク0.1部の混合物を150℃のロールで所定時間混練
し、肉厚0.2mmのシートを作成しこれに光を透過させて1
00cm2当りのシート中に含まれるフイツシユ・アイの数
を数えた。フイツシユ・アイが短時間のうちになくなる
ものほど粒子多孔性の均一性がよいことを示している。
ジオクチルフタレート50部、ジブチル錫マレエート1
部、セチルアルコール1部、チタン白0.25部、カーボン
ブラツク0.1部の混合物を150℃のロールで所定時間混練
し、肉厚0.2mmのシートを作成しこれに光を透過させて1
00cm2当りのシート中に含まれるフイツシユ・アイの数
を数えた。フイツシユ・アイが短時間のうちになくなる
ものほど粒子多孔性の均一性がよいことを示している。
(4) 可塑剤吸収性:プラストグラフに接続させたプ
ラネタリーミキサーを用い、80℃に保つた容器内に塩化
ビニル樹脂100部、ジオクチルフタレート50部を投入
し、撹拌しながら各時間毎の混練トルクを記録し、混練
トルクが低下した点における混練時間で表示する。
ラネタリーミキサーを用い、80℃に保つた容器内に塩化
ビニル樹脂100部、ジオクチルフタレート50部を投入
し、撹拌しながら各時間毎の混練トルクを記録し、混練
トルクが低下した点における混練時間で表示する。
(5) 残留塩化ビニルモノマー:塩化ビニル樹脂の一
定量をテトラヒドロフランに溶解してガスクロマトグラ
フにより塩化ビニル樹脂中の塩化ビニルモノマー含有量
を定量した。
定量をテトラヒドロフランに溶解してガスクロマトグラ
フにより塩化ビニル樹脂中の塩化ビニルモノマー含有量
を定量した。
(E)−3:塩化ビニル樹脂の性能評価結果 〔実施例1〜4〕,〔比較例1〕 表−1に示す分散安定剤を用いて、(A)末端にアルキ
ル基を有するPVA系重合体のアルキル基の炭素数の影響
を調べる目的で(E)−1に示す方法で塩化ビニルの懸
濁重合を行つた。結果は表−1に示す。
ル基を有するPVA系重合体のアルキル基の炭素数の影響
を調べる目的で(E)−1に示す方法で塩化ビニルの懸
濁重合を行つた。結果は表−1に示す。
〔実施例5〜7〕,〔比較例2〜4〕 表−2に示す分散安定剤を用いて、(A)末端にアルキ
ル基を有するPVA系重合体のけん化度の影響を調べる目
的で、(E)−1に示す方法で塩化ビニルの懸濁重合を
行つた。結果は表−2に示す。
ル基を有するPVA系重合体のけん化度の影響を調べる目
的で、(E)−1に示す方法で塩化ビニルの懸濁重合を
行つた。結果は表−2に示す。
〔実施例8〜10〕,〔比較例5〕 表−3に示す分散安定剤を用いて、(A)末端にアルキ
ル基を有するPVA系重合体の重合度の影響を調べる目的
で、(E)−1に示す方法で塩化ビニルの懸濁重合を行
つた。結果は表−3に示す。
ル基を有するPVA系重合体の重合度の影響を調べる目的
で、(E)−1に示す方法で塩化ビニルの懸濁重合を行
つた。結果は表−3に示す。
〔実施例11〜13〕,〔比較例6〜7〕 表−4に示す分散安定剤を用いて、(B)PVA系重合体
のけん化度の影響を調べる目的で、(E)−1に示す方
法で塩化ビニルの懸濁重合を行つた。結果は表−4に示
す。
のけん化度の影響を調べる目的で、(E)−1に示す方
法で塩化ビニルの懸濁重合を行つた。結果は表−4に示
す。
〔実施例14〜17〕,〔比較例8〕 表−5に示す分散安定剤を用いて、(B)PVA系重合体
の重合度の影響を調べる目的で、(E)−1に示す方法
で塩化ビニルの懸濁重合を行つた。結果は表−5に示
す。
の重合度の影響を調べる目的で、(E)−1に示す方法
で塩化ビニルの懸濁重合を行つた。結果は表−5に示
す。
〔実施例18〜20〕,〔比較例9〜14〕 表−6に示す分散安定剤を用いて、(A)末端にアルキ
ル基を有するPVA系重合体と(B)PVA系重合体の併用割
合の影響を調べる目的で(E)−1に示す方法で塩化ビ
ニルの懸濁重合を行つた。結果は表−6に示す。
ル基を有するPVA系重合体と(B)PVA系重合体の併用割
合の影響を調べる目的で(E)−1に示す方法で塩化ビ
ニルの懸濁重合を行つた。結果は表−6に示す。
Claims (13)
- 【請求項1】(A)末端に炭素数6以上のアルキル基を
有し重合度が200以下でけん化度が91〜98モル%のポリ
ビニルアルコール系重合体および(B)重合度が500以
上でけん化度が70〜90モル%のポリビニルアルコール系
重合体を、重量比で(A)/(B)が30/70〜70/30の割
合で混合してなることを特徴とするビニル系化合物の懸
濁重合用分散安定剤。 - 【請求項2】末端に炭素数6以上のアルキル基を有する
ポリビニルアルコール系重合体が重合度150以下で、け
ん化度91〜95モル%である特許請求の範囲第1項に記載
の分散安定剤。 - 【請求項3】(A)末端に炭素数6以上のアルキル基を
有し重合度が200以下で、けん化度が91〜98モル%のポ
リビニルアルコール系重合体が、連鎖移動剤の存在下に
ビニルエステルを重合し、得られたポリビニルエステル
を公知の方法によりけん化することにより得られたもの
である特許請求の範囲第1項に記載の分散安定剤。 - 【請求項4】連鎖移動剤がn−オクチルアルデヒド、2
−エチル−ヘキシルアルデヒド、n−カプリンアルデヒ
ド、n−デシルアルデヒド、n−ウンデシルアルデヒ
ド、n−ラウリルアルデヒド、n−トリデシルアルデヒ
ド、セチルアルデヒド、パルミチルアルデヒド、ステア
リルアルデヒドなどの炭素数6以上のアルデヒドまたは
n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタ
ン、n−オクタデシルメルカプタン、n−デシルメルカ
プタン、ステアリルメルカプタンなどの炭素数6以上の
メルカプタンである特許請求の範囲第3項に記載の分散
安定剤。 - 【請求項5】ビニルエステルが酢酸ビニルである特許請
求の範囲第3項または第4項に記載の分散安定剤。 - 【請求項6】(B)のポリビニルアルコール系重合体が
重合度1000以上で、けん化度が75〜85モル%である特許
請求の範囲第1項に記載の分散安定剤。 - 【請求項7】ビニル系化合物が、塩化ビニリデン、アル
キルビニルエーテル、酢酸ビニル、アクリル酸およびそ
のエステル、メタアクリル酸およびそのエステル、マレ
イン酸およびその無水物、イタコン酸、スチレン、塩化
ビニル、アクリロニトリル、イソプレン、イソブテン、
ブタジエンなどのα−オレフインおよびエチレンなどの
群からなる1種または2種以上の成分を含有するもので
ある特許請求の範囲第1項に記載の分散安定剤。 - 【請求項8】ビニル系化合物が塩化ビニルである特許請
求の範囲第7項に記載の分散安定剤。 - 【請求項9】(A)/(B)が40/60〜60/40である特許
請求の範囲第1項に記載の分散安定剤。 - 【請求項10】1種または2種以上の(A)末端に炭素
数6以上のアルキル基を有し、重合度が200以下でけん
化度が91〜98モル%のポリビニルアルコール系重合体お
よび1種または2種以上の(B)重合度が500以上でけ
ん化度が70〜90モル%のポリビニルアルコール系重合体
を混合してなる特許請求の範囲第1項に記載の分散安定
剤。 - 【請求項11】重合時に分散助剤として1種または2種
以上のノニオン系界面活性剤及び/またはアニオン系界
面活性剤を併用する特許請求の範囲第1項に記載の分散
安定剤。 - 【請求項12】分散安定剤の使用量がビニル系化合物に
対して0.01〜0.2重量%である特許請求の範囲第1項に
記載の分散安定剤。 - 【請求項13】分散安定剤の使用量がビニル系化合物に
対して0.03〜0.07重量%である特許請求の範囲第12項に
記載の分散安定剤。
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---|---|---|---|
JP62003663A JPH0761442B2 (ja) | 1987-01-09 | 1987-01-09 | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62003663A JPH0761442B2 (ja) | 1987-01-09 | 1987-01-09 | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63171628A JPS63171628A (ja) | 1988-07-15 |
JPH0761442B2 true JPH0761442B2 (ja) | 1995-07-05 |
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ID=11563688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP62003663A Expired - Fee Related JPH0761442B2 (ja) | 1987-01-09 | 1987-01-09 | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 |
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US5741871A (en) * | 1996-06-14 | 1998-04-21 | Air Products And Chemicals, Inc. | Acrylic emulsions prepared in the presence of fully hydrolyzed poly (vinyl alcohol) |
EP2292690B1 (en) * | 2008-06-23 | 2013-01-02 | Kuraray Co., Ltd. | Polyvinyl chloride resin composition and method for producing same |
US9777080B2 (en) | 2012-07-19 | 2017-10-03 | Kuraray Co., Ltd. | Dispersion stabilizer for suspension polymerization, and manufacturing method for vinyl resin |
-
1987
- 1987-01-09 JP JP62003663A patent/JPH0761442B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPS63171628A (ja) | 1988-07-15 |
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