JPH05345805A - ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 - Google Patents
ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤Info
- Publication number
- JPH05345805A JPH05345805A JP5035396A JP3539693A JPH05345805A JP H05345805 A JPH05345805 A JP H05345805A JP 5035396 A JP5035396 A JP 5035396A JP 3539693 A JP3539693 A JP 3539693A JP H05345805 A JPH05345805 A JP H05345805A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerization
- vinyl
- dispersion
- degree
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
重が高く、しかも残留塩化ビニルモノマーの除去が容易
なビニル系重合体粒子を製造するのに適したビニル系化
合物の懸濁重合用分散助剤や分散安定剤を開発するこ
と。 【構成】 けん化度60モル%以下および平均重合度4
000以上であり、かつ平均粒子径が100μm以下の
ポリ酢酸ビニル等のポリビニルエステル系重合体を分散
質とする水性分散液からなるビニル系化合物(塩化ビニ
ル等)の懸濁重合用分散助剤である。また、この分散助
剤5〜70重量%(固形分換算)と重合度500以上の
水溶性高分子(ポリビニルアルコール等)30〜95重
量%(固形分換算)とを含有する懸濁重合用分散安定剤
である。
Description
合用分散助剤,ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤
およびビニル系重合体の製造方法に関し、詳しくは塩化
ビニル等のビニル系化合物の懸濁重合にあたって、少量
の使用で高い分散力を有し、しかも得られるビニル系重
合体粒子を多孔性にする能力に優れた分散助剤,分散安
定剤およびビニル系重合体の製造方法に関する。
から、工業的に塩化ビニル系樹脂等のビニル系重合体を
製造する場合、水性媒体中で分散安定剤の存在下に塩化
ビニルモノマー等のビニル系化合物を分散させ、油溶性
触媒を用いて重合を行う懸濁重合法が広く実施されてい
る。一般に、ビニル系重合体の品質を支配する因子とし
ては、重合率,水−モノマー比,重合温度,触媒の種類
および量,重合槽の型式,攪拌速度あるいは分散安定剤
の種類などが挙げられるが、なかでも分散安定剤の種類
による影響が非常に大きいことが知られている。
要求される性能としては、(i)少量の使用で高い分散
力を示し、得られるビニル系重合体粒子の粒径分布をで
きるだけシャープにする働きのあること、(ii)可塑剤
の吸収速度を大きくして加工性を容易にするため、およ
び重合体粒子中に残存する塩化ビニルモノマー等の除去
を容易にするため、さらには成型品中のフィッシュアイ
などの生成を防止するため各重合体粒子をできるだけ均
一にしかも多孔性にする働きがあること、および(iii)
充填比重の大きい重合体粒子を形成する働きがあること
などが挙げられる。
定剤としては、メチルセルロース,カルボキシメチルセ
ルロースなどのセルロース誘導体あるいは部分けん化ポ
リビニルアルコールなどがそれぞれ単独または組み合わ
せて使用されている。例えば、特開昭52−11589
0号公報には、けん化価300〜500(けん化度37.
3〜69.7モル%に相当する)および平均分子量100
00〜30000(平均重合度140〜530に相当す
る)の部分けん化ポリビニルアルコールを分散助剤とし
て用いて塩化ビニルを懸濁重合する方法が開示されてい
る。また、特開昭55−112210号公報には、けん
化価505〜600(けん化度14.6〜36.3モル%に
相当する)および4%メタノール溶液の粘度が0.5〜2.
0cps(平均重合度550以下に相当する)の部分け
ん化ポリビニルアルコールを分散助剤として用いて塩化
ビニルを懸濁重合する方法が開示されている。しかしな
がら、これらの分散助剤は、得られた塩化ビニル重合体
粒子のポロシティー(多孔性)の点では若干の効果が見
られるが、塩化ビニル重合体粒子の充填比重が低下する
という致命的欠点があった。
は、けん化度40〜55モル%およびイソプロパノール
と水との混合溶剤(イソプロパノール:水=1:1)中
での4%粘度が5〜15mPas(平均重合度74〜7
80に相当する)である部分けん化ポリビニルアルコー
ルを分散助剤として用いて塩化ビニルを懸濁重合する方
法が開示されている。しかしながら、該公報記載の分散
助剤は、得られる塩化ビニル重合体粒子を多孔性にする
能力が低い、可塑剤吸収速度が遅い、あるいは残留ビニ
ルモノマーの除去が困難であるという欠点があった。ま
た、特開平2−167319号公報には、けん化度80
モル%,平均重合度3000のポリビニルアルコールと
けん化度40モル%,平均重合度3000のポリビニル
アルコールとからなる塩化ビニルの懸濁重合用分散剤が
開示されており、特開昭56−167745号公報に
は、けん化度65モル%以上,平均重合度100〜30
00のポリビニルアルコールを分散剤とし、けん化度2
0〜65モル%,平均重合度1000以下のポリビニル
エステルを分散質とする水性分散液が開示されており、
該水性分散液は、塩化ビニルの懸濁重合用分散助剤に使
用できる旨の記載がある。しかしながら、これらの公報
に記載されている分散剤を用いても、上述の問題(塩化
ビニル重合体粒子の多孔性が低く、充填比重が低い)は
充分には解決されない。さらに、WO91/15518
号公報には、けん化度60モル%以下,平均重合度50
〜3000の末端イオン性基変性ポリビニルエステル系
重合体を分散質とする水性分散液を、塩化ビニル等のビ
ニル系単量体の懸濁重合用分散助剤に用いることが開示
されている。しかしながら、この分散助剤を用いても、
解決しがたい問題(特に、塩化ビニル重合体の充填比重
が小さい)が数多く残されている。その他、特開昭52
−110797号公報には、けん化度30〜65モル
%,重合度60〜6000の部分けん化ポリビニルアル
コールからなる塩化ビニルの懸濁重合用分散助剤が開示
されている。しかしながら、この分散助剤を用いると、
得られる塩化ビニル重合体粒子のポロシティー(多孔
性)は若干改善されるが、充填比重が低く、可塑剤吸収
速度が低いという問題があった。
本発明者らは、上記問題を克服してよりすぐれた懸濁重
合用の分散助剤および分散安定剤を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、けん化度60モル%以下,平均重合度4
000以上であり、かつ平均粒子径100μm以下のポ
リビニルエステル系重合体(以下、PVES系重合体と
略記することがある)を分散質とする水性分散液が、目
的とする性能を有する分散助剤となることを見出した。
また、それを用いた分散安定剤が目的とする性能を有す
るものになることを同時に見出した。本発明はこのよう
な知見に基いて完成したものである。
以下および平均重合度4000以上であり、かつ平均粒
子径が100μm以下のポリビニルエステル系重合体を
分散質とする水性分散液からなるビニル系化合物の懸濁
重合用分散助剤(A)を提供するとともに、該分散助剤
(A)および重合度500以上の水溶性高分子(B)か
らなり、固形分換算の配合割合が成分(A)5〜70重
量%および成分(B)30〜95重量%であるビニル系
化合物の懸濁重合用分散安定剤を提供するものである。
さらに、本発明は、上記の分散安定剤を用いてビニル系
化合物を懸濁重合することを特徴とするビニル系重合体
の製造方法を提供するものである。
VES系重合体を分散質とする水性分散液であり、該P
VES系重合体は、平均重合度4000以上、好ましく
は7000以上、さらに好ましくは10000以上のも
のである。PVES系重合体の平均重合度の上限につい
ては、特に制限はないが、該重合体の製造上の観点か
ら、40000以下が好ましく、35000以下がより
好ましい。ここで、PVES系重合体の平均重合度は、
PVES系重合体を完全にけん化した後、アセチル化し
てポリ酢酸ビニルとした後、30℃におけるアセトン溶
液中の極限粘度数から、次式により求めた粘度平均重合
度(P)で表したものである。 P=(〔η〕×103 /7.94)(1/0.62) また、PVES系重合体のけん化度は、60モル%以下
であり、好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは
15モル%以下、最も好ましくは0〜5モル%、特に0
モル%である。ここで、けん化度とは、ビニルエステル
成分のけん化度を意味し、他の成分を共重合している場
合はその成分は含まない。けん化度は従来公知の化学分
析法や核磁気共鳴分析法などにより分析できる。このP
VES系重合体を構成するビニルエステル単位として
は、様々なビニルエステル化合物に由来する単位がある
が、例えば酢酸ビニル,ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニ
ル,酪酸ビニル,イソ酪酸ビニル,ピバリン酸ビニル,
カプリル酸ビニル,バーサチック酸ビニルなどに由来す
るビニルエステル単位が挙げられるが、これらのビニル
エステル系単位のなかでも工業的には酢酸ビニル単位が
好ましい。本発明のPVES系重合体は、その分子中に
イオン基,親水性基,親油性基を10モル%以下含むこ
とは何ら妨げるものではない。また、分散質の平均粒子
径は、100μm以下であり、好ましくは30μm以
下、さらに好ましくは10μm以下、一層好ましくは2
μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは
0.5μm以下である。なお、分散質の平均粒子径は、固
体として測定する場合はふるい法により、水性分散液と
して測定する場合は光透過式粒度分布測定器,沈降式粒
度分布測定器あるいは動的光散乱粒度分布測定器を用い
て測定される。
るには、通常公知の方法、例えば塊状重合,溶液重合,
懸濁重合,エマルジョン重合,分散重合のいずれの方法
も採用し得るが、工業的には溶液重合,エマルジョン重
合,分散重合が好ましい。また重合プロセスとしては、
回分法,半回分法,連続法いずれのプロセスにおいても
製造可能である。このPVES系重合体が部分けん化物
である場合には、ポリビニルエステルをけん化してPV
ES系重合体を得ることができる。具体的には通常公知
の方法、すなわちアルカリけん化,酸けん化のいずれも
採用できるが、工業的にはメタノール溶媒で水酸化ナト
リウムやナトリウムメトキシドを触媒としたメタノール
分解が最も有利である。けん化温度は特に制限はない
が、得られるPVES系重合体の着色防止という観点か
ら、20〜60℃で行うのが好ましい。また触媒とする
水酸化ナトリウムやナトリウムメトキシドの量は、ビニ
ルエステル単位1モルに対して通常0.2モル以下が得ら
れるPVES系重合体の着色防止や酢酸ナトリウムの量
を低く抑えるという点から好ましい。
とする水性分散液は、分散質の平均粒子径が100μm
以下であれば、その製法はいずれの方法でもよい。例え
ば懸濁重合,エマルジョン重合,分散重合により得られ
た水性分散液をそのまま用いる方法、あるいはこれらの
水性分散液をスラリー状でけん化する方法が可能であ
る。また、一旦PVES系重合体あるいは部分けん化P
VES系重合体として単離した後、ジェットミル粉砕な
どで機械的に粉砕する方法、あるいはイオン系,ノニオ
ン系界面活性剤、または一般公知のポリビニルアルコー
ル(以下、PVAと略記する)などを、本発明の性能を
低下させない程度添加して、分散質の平均粒子径が10
0μm以下の水性分散液を得る方法などが可能である。
また、上述のPVES系重合体を一旦単離し、一般公知
の分散安定剤とともに溶剤に溶解し、攪拌下に水に投入
することにより水性分散液を得る方法も可能である。ま
た、水性分散液の濃度に関しては特に制限はない。
用分散安定剤(C)について説明する。本発明の分散安
定剤(C)は、上記の分散助剤(A)および重合度50
0以上の水溶性高分子(B)からなり、固形分換算の配
合割合が成分(A)5〜70重量%および成分(B)3
0〜95重量%であるものである。ここで、水溶性高分
子(B)としては、重合度が500以上であれば特に制
限はないが、従来公知のビニル系化合物の懸濁重合用の
分散剤(あるいは分散安定剤)が好ましく、なかでも、
けん化度が60モル%より大きく90モル%以下であっ
て平均重合度が500以上のPVA系重合体が特に好ま
しい。また、従来公知のヒドロキシプロピルセルロー
ス,メチルセルロース等のセルロース誘導体の使用も可
能である。これらの水溶性高分子(B)は主分散剤とし
て機能する。本発明の分散安定剤(C)において、上記
分散助剤(A)の配合割合は5重量%未満では、その添
加効果が小さく、また70重量%を超えると、重合安定
性に悪影響を及ぼす場合がある。
い態様として、固形分換算で上記の分散安定剤(C)1
00重量部に対して、けん化度60モル%以下および平
均重合度1000以下のPVES系重合体(D)を5〜
100重量部含有する分散安定剤(E)が挙げられる。
PVES系重合体(D)のけん化度は、60モル%以下
であり、15〜55モル%が好ましく、25〜45モル
%がより好ましい。PVES系重合体の平均重合度は、
1000以下であり、600以下が好ましく、150〜
550がより好ましい。このPVES系重合体(D)
は、カルボン酸基,スルホン酸基,アミノ基またはそれ
らの塩、あるいは各種イオン基で変性されたものでもよ
い。
方法について説明する。本発明の方法は、本発明の分散
安定剤(C)を用いてビニル系化合物を懸濁重合するこ
とを特徴とするものである。本発明の分散安定剤(C)
を用いてビニル系化合物を懸濁重合(例えば塩化ビニル
を単独またはこれを主体とし、これと共重合しうるモノ
マーとの混合物を懸濁重合)する際には、通常、水媒体
に分散安定剤を添加し、塩化ビニルまたはこれと共重合
しうるモノマーとの混合物を分散させ、油溶性触媒の存
在下で行われる。分散安定剤は、上記の分散助剤(A)
と水溶性高分子(B)を別々に加えてもよいし、両者を
混合した後加えてもよい。また、本発明の分散安定剤
(C)を用いると、昇温時間を短縮する目的で40℃以
上の加熱水媒体を重合反応系へ仕込む場合であっても、
フィッシュアイが少なく、可塑剤吸収性,脱モノマー性
の良好な高品質のビニル系重合体を得ることができる。
あるビニル系化合物に対して、通常は固形分換算で0.0
05〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲
で使用される。懸濁重合に際して用いられる触媒は、油
溶性の触媒であればいずれでもよく、例えばベンゾイル
パーオキサイド,ラウロイルパーオキサイド,ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート,2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル,2,2’−アゾビス−2,4−ジ
メチルバレロニトリルあるいはこれらの混合物が使用さ
れる。また、重合温度は、一般には30〜70℃程度の
範囲から選択される。本発明の分散安定剤(C)を用い
てビニル系化合物を懸濁重合する際には、カチオン性,
ノニオン性の各種界面活性剤を1種又は2種以上併用し
てもよい。また、添加剤として、ポリメタクリル酸メチ
ル,ポリスチレンなどを少量添加することもできる。
としては、塩化ビニル単独のほか、塩化ビニルを主体と
する単量体混合物(塩化ビニル50重量%以上)が包含
され、この塩化ビニルと共重合されるコモノマーとして
は、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニルなどのビニルエス
テル、アクリル酸メチル,アクリル酸エチルなどのアク
リル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル、エチレ
ン,プロピレンなどのオレフィン、無水マレイン酸,ア
クリロニトリル,イタコン酸,スチレン,塩化ビニリデ
ン,ビニルエーテル、その他塩化ビニルと共重合可能な
単量体が例示される。さらには、塩化ビニルを含まない
上記ビニル化合物の単独重合や共重合にあたっても、本
発明の方法を適用することは可能である。以上主として
塩化ビニルの重合について説明したが、本発明の分散助
剤(A)および分散安定剤(C)は必ずしも塩化ビニル
の懸濁重合用に限定されるものではなく、スチレン,メ
タクリレートなどのビニル系化合物の懸濁重合用にも用
いられる。
説明するが、本発明の分散助剤および分散安定剤はこれ
らの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施
例において、「部」は「重量部」を示す。 実施例1〜11および比較例1〜5 第1表に示す分散助剤(A)(ポリ酢酸ビニル)および
主分散剤(B)(PVA)よりなる分散安定剤(C)を
使用して塩化ビニルの懸濁重合を下記方法で実施した。
成分(A)の水性分散液の調整方法は、成分(B)の水
への溶解時に攪拌下で成分(A)の粉末を添加して分散
させた(以下の実施例および比較例において同じ)。す
なわち、30リットルのグラスライニングオートクレー
ブに脱イオン水50部,第1表に示す主分散剤(B)
(PVA)の2重量%水溶液の所定量,分散助剤(A)
(ポリ酢酸ビニル)の2重量%水性分散液の所定量およ
びジイソプロピルパーオキシジカーボネートの50重量
%トルエン溶液0.009部を仕込み、オートクレーブ内
を50mmHgとなるまで脱気して酸素を除いた後、塩
化ビニルモノマーを30部仕込み、攪拌下に57℃に昇
温して重合を行った。重合開始時、オートクレーブ内の
圧力は8.5kg/cm2 Gであったが、重合開始7時間
後に4.5kg/cm2 Gとなったので、この時点で重合
を停止し、未反応塩化ビニルモノマーをパージし、内容
物を取り出し脱水乾燥した。得られた塩化ビニル樹脂の
重合収率は88%であり、平均重合度は1050であっ
た。分散安定剤の物性と使用量および得られた塩化ビニ
ル樹脂の性能を第1表に示す。
用して塩化ビニルの懸濁重合を下記方法で実施した。す
なわち、30リットルのグラスライニングオートクレー
ブに第2表に示す主分散剤(B)(PVA)の2重量%
水溶液の所定量,分散助剤(A)(ポリ酢酸ビニル)の
2重量%水性分散液の所定量およびジイソプロピルパー
オキシジカーボネートの50重量%トルエン溶液0.00
9部を仕込み、オートクレーブ内を50mmHgとなる
まで脱気して酸素を除いた後、塩化ビニル単量体30部
および63℃に加熱した脱イオン水45部を仕込み、攪
拌下に重合を行った。仕込み後の内温は57℃であっ
た。重合開始時、オートクレーブ内の圧力は8.5kg/
cm2 Gであったが、重合開始7時間後に4.5kg/c
m2 Gとなったので、この時点で重合を停止し、未反応
塩化ビニル単量体をパージし、内容物を取り出し脱水乾
燥した。得られた塩化ビニル樹脂の重合収率は88%で
あり、平均重合度は1050であった。この塩化ビニル
樹脂の性能を第2表に示す。
(A)(ポリ酢酸ビニル)を使用した以外は、実施例1
〜11と同様にして塩化ビニルの懸濁重合を行った。得
られた塩化ビニル樹脂の性能を第3表に示す。
は、下記の方法により測定したものである。 (1)平均粒子径 タイラーメッシュ基準の金網を使用して乾式篩分析によ
り測定した。 (2)充填比重 JIS K6721−1959に準拠して測定した。 (3)可塑剤吸収性 プラストグラフに接続させたプラネタリーミキサーを用
い、80℃に保った容器内に塩化ビニル樹脂100部,
ジオクチルフタレート50部を投入し、攪拌しながら各
時間毎の混練トルクを記録し、混練トルクが低下した点
における混練時間で表示する。 (4)残留塩化ビニルモノマー ヘッドスペースガスクロマトグラフにより塩化ビニル樹
脂中の塩化ビニルモノマー含有量を定量した。 (5)分散助剤の平均粒子径の測定は、大塚電子(株)
製:ELS−800(1μm未満の場合)または堀場
(株)製:CAPA−700(1〜30μmの場合)ま
たはセイシン企業(株)製:SKC−2000S(30
μmより大の場合)を用いた。 (6)フィッシュアイ測定法 重合により得られた塩化ビニル樹脂100重量部,三塩
基性硫酸鉛1重量部,ステアリン酸鉛1.5重量部,二酸
化チタン0.2重量部,カーボンブラック0.1重量部,ジ
オクチルフタレート50重量部を混合した組成物25g
を145℃のロールで5分間混練し、0.2mm厚のシー
トとして分取し、このシート100cm2 の透明粒子の
数をもって示した。
の分散助剤からなる分散安定剤は、従来の分散助剤およ
び分散安定剤に比べて、得られるビニル系重合体粒子を
多孔性にする能力が非常に高く、可塑吸収速度が高く、
残留塩化ビニルモノマーの除去が容易であり、かつ充填
比重が高いことなどのすぐれた性能を有する。また、得
られるビニル系重合体粒子は、粒子径が大きくその分布
がシャープで、取扱い時の粉の飛散が少なく、かつ成型
機などへのくい込み性が良いことなど、様々な点におい
てすぐれたものである。得られた塩化ビニル重合体粒子
中の残留塩化ビニルモノマー(発癌性物質)が少ないこ
とは、塩化ビニル重合体粒子を取り扱う作業者の塩化ビ
ニルモノマー被曝量が低下し、作業環境,作業衛生の観
点から重要である。また、得られた塩化ビニル重合体粒
子の可塑剤吸収速度が早いことは、成形時の可塑剤との
混練時間が短くても良いことを意味しており、塩化ビニ
ル樹脂の成形効率の観点から重要である。さらに、得ら
れた塩化ビニル重合体粒子の充填比重が高いことは、成
形機への仕込み効率が高くなることを意味し、塩化ビニ
ル樹脂の成形効率の観点から重要である。
Claims (5)
- 【請求項1】 けん化度60モル%以下および平均重合
度4000以上であり、かつ平均粒子径が100μm以
下のポリビニルエステル系重合体を分散質とする水性分
散液からなるビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤。 - 【請求項2】 けん化度が0モル%である請求項1記載
のビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の分散助剤(A)
および重合度500以上の水溶性高分子(B)からな
り、固形分換算の配合割合が成分(A)5〜70重量%
および成分(B)30〜95重量%であるビニル系化合
物の懸濁重合用分散安定剤(C)。 - 【請求項4】 請求項3記載の分散安定剤(C)並びに
けん化度60モル%以下および平均重合度1000以下
のポリビニルエステル系重合体(D)からなり、固形分
換算の配合割合が成分(C)100重量部に対して成分
(D)5〜100重量部であるビニル系化合物の懸濁重
合用分散安定剤。 - 【請求項5】 請求項3記載の分散安定剤(C)を用い
てビニル系化合物を懸濁重合することを特徴とするビニ
ル系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03539693A JP3340492B2 (ja) | 1992-03-10 | 1993-02-24 | ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5193992 | 1992-03-10 | ||
JP4-51939 | 1992-03-10 | ||
JP03539693A JP3340492B2 (ja) | 1992-03-10 | 1993-02-24 | ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05345805A true JPH05345805A (ja) | 1993-12-27 |
JP3340492B2 JP3340492B2 (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=26374380
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03539693A Expired - Fee Related JP3340492B2 (ja) | 1992-03-10 | 1993-02-24 | ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3340492B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005082665A (ja) * | 2003-09-08 | 2005-03-31 | Kuraray Co Ltd | 分散安定剤 |
US9062132B2 (en) | 2007-04-16 | 2015-06-23 | Kuraray Co., Ltd. | Dispersion stabilizer for suspension polymerization |
WO2015156312A1 (ja) * | 2014-04-09 | 2015-10-15 | 株式会社クラレ | 懸濁重合用分散安定剤及びビニル樹脂の製造方法 |
WO2019244967A1 (ja) * | 2018-06-21 | 2019-12-26 | 株式会社クラレ | ビニル系重合体の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0343089U (ja) * | 1989-09-05 | 1991-04-23 | ||
JPH0532254U (ja) * | 1991-10-03 | 1993-04-27 | 日本軽金属株式会社 | トラツク荷台 |
-
1993
- 1993-02-24 JP JP03539693A patent/JP3340492B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0343089U (ja) * | 1989-09-05 | 1991-04-23 | ||
JPH0532254U (ja) * | 1991-10-03 | 1993-04-27 | 日本軽金属株式会社 | トラツク荷台 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005082665A (ja) * | 2003-09-08 | 2005-03-31 | Kuraray Co Ltd | 分散安定剤 |
US9062132B2 (en) | 2007-04-16 | 2015-06-23 | Kuraray Co., Ltd. | Dispersion stabilizer for suspension polymerization |
WO2015156312A1 (ja) * | 2014-04-09 | 2015-10-15 | 株式会社クラレ | 懸濁重合用分散安定剤及びビニル樹脂の製造方法 |
JPWO2015156312A1 (ja) * | 2014-04-09 | 2017-04-13 | 株式会社クラレ | 懸濁重合用分散安定剤及びビニル樹脂の製造方法 |
US10604592B2 (en) | 2014-04-09 | 2020-03-31 | Kuraray Co., Ltd. | Dispersion stabilizer for suspension polymerization, and method for producing vinyl resin |
WO2019244967A1 (ja) * | 2018-06-21 | 2019-12-26 | 株式会社クラレ | ビニル系重合体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3340492B2 (ja) | 2002-11-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0474885B1 (en) | Suspension polymerization of vinylic compound | |
US5308911A (en) | Secondary suspending agent for suspension polymerization of vinyl compound | |
JP3150304B2 (ja) | ポリビニルアルコール系重合体 | |
JP3340492B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 | |
JP2565511B2 (ja) | 塩化ビニルの懸濁重合用分散安定剤 | |
JP2629016B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JPH05222104A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JPH02305804A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JPH05279405A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JP2882660B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用の分散助剤および分散安定剤 | |
JP3210388B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JP2566594B2 (ja) | ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JPH03290402A (ja) | 塩化ビニル系モノマーの懸濁重合用分散安定剤 | |
JP3156932B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用の分散助剤および分散安定剤 | |
JPH0762006A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JPH0761442B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JPS62235303A (ja) | 塩化ビニル系懸濁重合方法における懸濁安定剤の仕込み方法 | |
JP3232194B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JP2588569B2 (ja) | 塩化ビニル懸濁重合方法 | |
JP2826194B2 (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合方法 | |
JP2528892B2 (ja) | 塩化ビニル系化合物の懸濁重合用分散安定剤 | |
JP3183932B2 (ja) | ビニル系単量体の懸濁重合法 | |
JP3410723B2 (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 | |
JPH06220109A (ja) | ビニル系化合物の懸濁重合用分散助剤 | |
JPH05331213A (ja) | 塩化ビニル系重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080816 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090816 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100816 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110816 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110816 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120816 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |