JP2641951B2 - ハロゲン化銀写真乳剤、その製造方法及び写真感光材料 - Google Patents
ハロゲン化銀写真乳剤、その製造方法及び写真感光材料Info
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Description
光材料に関し、特に写真感度の優れた平板状ハロゲン化
銀写真乳剤およびこれを用いる写真感光材料に関するも
のである。
もいう。)に関しては米国特許第4434226号、同4439520
号、同4414310号、同4433048号、同4414306号、同44593
53号等にその製法および使用技術が開示されており、増
感色素による色増感効率の向上を含む感度の向上、感度
/粒状性の関係の改良、平板粒子の特異的な光学的性質
によるシャープネスの向上、カバーリングパワーの向上
などの利点が知られている。
及びスモールフォーマット化が進みより高感度でかつ画
質の優れたカラー写真感光材料が強く望まれている。
化銀乳剤が要求されており、従来の平板状ハロゲン化銀
乳剤でこれらの要求に応えるには不充分であり一層の性
能向上が望まれている。
4) J.F.Hamilton,Phot.Sci.Eng.,11,57(1967) T.Shiozawa,J.Soc.Phot.Sci.Jap.,34,16(1971) T.Shiozawa,J.Soc.Phot.Sci.Jap.,35,213(1972) 等の文献があり、X線回折法または、低温の透過型電子
顕微鏡法により結晶中の転位を観察することが可能であ
ることおよび故意に結晶に歪を与えることにより結晶中
に種々の転位が生じることなどが述べられている。
意図して転位を導入したものではないが、積極的に転位
を導入したハロゲン化銀粒子としては特開昭63−22023
8、特開平1−201649に記載がある。これらの特許によ
ると、ある程度転位線を導入した平板粒子は、転位線の
ない平板粒子と比較して感度、相反側などの写真特性に
優れ、かつこれらを感光材料に用いると鮮鋭性、粒状性
に優れることが示されているが、いまだ満足できるもの
ではない。
る。本発明は、第一に、感度の高いハロゲン化銀乳剤を
得ることを目的とする。第二には、相反則特性の優れた
ハロゲン化銀乳剤を得ることを目的とする。
に転位が集中している平板状ハロゲン化銀粒子を含有す
るハロゲン化銀写真乳剤、 (2) 粒子厚みが0.5μm未満であり、粒子直径が0.3
μm以上であって、アスペクト比が2以上の平板状ハロ
ゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子の投影面積の少なく
とも50%を占める上記(1)記載のハロゲン化銀写真乳
剤、 (3) 平板状ハロゲン化銀粒子の頂点に、直接に又は
沃素イオンによるハロゲン変換を介して、沃素銀若しく
は沃化銀含有率の高いハロゲン化銀を接合して接合ハロ
ゲン化銀粒子とした後、引き続いて平板粒子を成長させ
ることからなる上記(2)記載のハロゲン化銀化銀写真
乳剤の製造方法、及び (4) 支持体上に感色性の異なる少なくとも2つの感
光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、これらの乳剤層の少な
くとも1層が、上記(2)記載のハロゲン化銀写真乳剤
及び発色現像主薬の酸化体とカップリングして発色する
カプラーの少なくとも1種を含有する写真感光材料、 によって達成された。
以上8未満の平板状ハロゲン化銀粒子を1個以上含有す
る。ここで平板状ハロゲン化銀粒子は、1枚の双晶面か
2枚以上の平行な双晶面を有するハロゲン化銀粒子の総
称である。双晶面とは、(111)面の両側ですべての格
子点のイオンが鏡像関係にある場合にこの(111)面の
ことをいう。この平板状粒子は粒子を上から見た時に三
角形状、六角形状もしくはこれらが丸みを帯びた円形状
をしており、三角形状のものは三角形の、六角形状のも
のは六角形の、円形状のものは円形状の互いに平行な外
表面を有している。
きは、0.3μm以上の粒子直径を有する平板状粒子につ
いて、各々その粒子直径を厚みで割った値(アスペクト
比)の平均値である。粒子の厚みの測定は、参照用のラ
テックスとともに粒子の斜め方向から金属を蒸着し、そ
のシャドーの長さを電子顕微鏡写真上で測定し、ラテッ
クスのシャドーの長さを参照にして計算することにより
容易にできる。
投影面積と等しい面積をもつ円の直径である。
し、撮影倍率を補正することにより得られる。
好ましい。平板状粒子の厚みとしては0.05〜0.5μmで
あることが好ましい。
しくは乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の投影面積のうち50
%、特に好ましくは80%以上である。さらに、これらの
一定面積を占める平板粒子の平均アスペクト比が3以上
8未満であることが好ましい。また単分散の平板粒子を
用いるとさらに好ましい結果が得られることがある。単
分散の平板粒子の構造および製造法は、例えば特開昭63
−151618号などの記載に従うが、その形状を簡単に述べ
ると、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が、最
小の長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する
辺の比が、2以下である六角形であり、かつ、平行な2
面を外表面として有する平板状ハロゲン化銀によって占
められており、さらに、該六角平板状ハロゲン化銀粒子
の粒子サイズ分布の変動係数〔その投影面積の円換算直
径で表わされる粒子サイズとバラツキ(標準偏差)を、
平均粒子サイズで割った値〕が20%以下の単分散性をも
つものである。
Sci.Eng.,11、57、(1967)やT.Shiozawa,J.Soc.Phot,S
ci.Japan,35、213、(1972)に記載の、低温での透過型
電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察することが
できる。すなわち乳剤から粒子に転位が発生するほどの
圧力をかけないよう注意して取り出したハロゲン化銀粒
子を電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電子線による
損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料を冷却した
状態で透過法により観察を行う。この場合粒子の厚みが
厚い程、電子線が透過しにくくなるので高圧型(0.25μ
の厚さの粒子に対し、200kV以上)の電子顕微鏡を用い
た方がより鮮明に観察することができる。このような方
法により得られた粒子の写真より、主平面に対して垂直
方向から見た場合の各粒子についての転位の位置を求め
ることができる。
傍に実質的に集中する。平板粒子の頂点近傍とは三角形
状または六角形状の外表面を有している場合平板粒子の
中心と各頂点を結ぶ直線の中心からx%の位置の点か
ら、平板粒子の各頂点を作る2つの辺に垂線を下ろした
ときにその垂線と、その辺で囲まれている部分のことで
あり、粒子の厚み全体にわたる三次元的領域をいう。こ
のxの値は好ましくは50以上100未満で、より好ましく
は75以上100未満である。
いまいなものとなるが、この場合でも外周に対して6つ
の接線を求め、各接線の交点と平板粒子の中心とを結ぶ
直線が、平板粒子の外周と交わる点を頂点として求める
ことができる。
転位密度が粒子の頂点近傍以外の部分より高いことをい
う。転位密度とは、ある投影面積あたりに含まれる転位
線の本数により定義される。頂点近傍の転位密度は、頂
点近傍以外の部分の転位密度の2倍以上が好ましく、さ
らに好ましくは10倍以上が好ましい。
在し、各頂点の近傍に転位が集中していればよい。6個
の頂点のうち、最低1個の頂点近傍に転位が集中してい
ても本発明の効果が得られる。
(Cleve,Photography Theory and Practice(1930)),
131頁;ガトフ著、フォトグラフィク・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Gutoff,Photographic Scienc
e and Engineering),第14巻,248〜257頁(1970年);
米国特許第4,434,226号、同4,414,310号、同4,433,048
号、同4,439,520号および英国特許第2,112,157号などに
記載の方法を改良して調製できる。
沃臭化銀、沃塩臭化銀および塩臭化銀のいずれのハロゲ
ン化銀を用いてもよい。好ましいハロゲン化銀は30モル
%以下の沃化銀を含む沃臭化銀、もしくは沃塩臭化銀で
ある。
成に関して、構造を有していても良い。
に一旦沃化銀又は沃化銀含有率の高いハロゲン化銀を接
合し、再び平板粒子を成長させる。
の沃化銀含有よりも高く、好ましくは90モル%以上の沃
化銀を含有し残りは臭化銀又は/及び塩化銀である沃化
銀含有率の高いハロゲン化銀部分を接合するためには、
直接的方法又はハロゲン変換を経由する間接的方法のい
ずれかによる。
スト粒子にエピタキシャル成長により接合する方法は、
特開昭59−162540(US4,463,087)に広義には開示され
ている。この方法によれば、ホスト粒子結晶構造に対し
て非同形である銀塩を選ぶことにより、エピタキシャル
成長による付着を行なわせることができると搭載されて
いる。しかしながら、実施例では八面体臭化銀粒子上に
おけるチオシアン酸銀のエッジ(辺)選択局部エピタキ
シャル成長等のエッジ選択成長のみを多く開示している
にとどまる。沃臭化銀(AgI 6モル%)の平板粒子に対
してもチオシアン酸銀がエッジに選択的にエピタキシャ
ル成長した例が開示されるにとどまり、平板粒子の頂点
に沃臭化を生長させる具体例は何ら具体的に開示されて
いない。
子をホストとし、ホストの0.5〜10モル%、好ましくは
1〜6モル%の沃化カリウムと硝酸銀の両水溶液を急速
にダブルジェット添加することにより、配向支配物質
(site director)を何ら使用することなく、平板粒子
の頂点に沃臭銀もしくは沃化銀含有率の高いハロゲン化
銀をエピタキシャル生成させることにより直接接合する
ことができることを見い出した。好ましい添加時間は5
〜0.2分であり、さらに好ましくは、0.5〜2分である。
ロゲン化銀を成長させるためには、次の方法によっても
よい。すなわち、ホスト粒子を含む溶液にハロゲン化銀
溶剤を加えた後沃化カリウムと硝酸銀の両水溶液を添加
する。この場合は両水溶液を急速に添加する必要はな
い。両水溶液はホストの銀量の0.5〜10モル%、好まし
くは2〜6モル%添加する。
塩、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類を挙げるこ
とができる。
号、同第2,448,534号、同第3,320,060号)アンモニア、
チオエーテル化合物(例えば米国特許第3,271,157号、
同第3,574,628号、同第3,704,130号、同第4,297,439
号、同第4,276,347号)、チオン化合物(例えば特開昭5
3−144319号、同53−82408号、同55−77737号)、アミ
ン化合物(例えば特開昭54−100717号)、チオ尿素誘導
体(例えば特開昭55−2982号)、イミダゾール類(例え
ば特開昭54−10071号)、置換メルカプトテトラゾール
(例えば特開昭57−202531号)を挙げることができる。
銀もしくは沃化銀含有率の高いハロゲン化銀部分をエピ
タキシャルに接合させる間接的方法について述べる。
方法が特開昭58−108526(US4,435,501)に記載されて
いる。ホストの平板粒子がその表面において本質的に最
低8モル%の沃化物からなる場合、配向支配物質が存在
しなくてもコーナー(頂点)に隣接して塩化銀のエピタ
キシャル成長が行なわれること、コーナー又はエッジ部
位においてエピタキシャル成長をより狭く制限するため
には、水性沃化物や吸着性配向支配物質を使用すること
も記載されている。
たように、平板状粒子にシアニン色素を吸着せしめて、
コーナーに塩化銀をエピタキシャル成長させる方法で
は、本発明の目的の達成に好ましくないことを見い出し
た。すなわち、このようにして得られたエピタキシャル
粒子を沃化物でハロゲン変換した後平板粒子を成長させ
ても転位が頂点近傍のみならず、辺や主表面に転位が導
入されてしまう。これは増感色素自体が転位を導入する
働きを有するためであろうと推定される。
めには水溶性沃化物を配向支配物質として用いることが
好ましいことを見い出した。すなわち典型的には沃化カ
リウムを使用する。ホスト平板粒子に対して0.03〜3モ
ル%、好ましくは0.5〜1.5モル%の沃化カリウムを使用
することが好ましい。この量は平板粒子の表面単原子被
覆量の約50〜200%に相当することが好ましい。この後
硝酸銀と塩化カリウム等をダブルジェット法で添加する
と、本発明の目的にかなった塩化銀を平板粒子の頂点に
成長させることができる。ここで添加する硝酸銀の量は
ホスト平板粒子に対して0.1〜10モル%が好ましい。
べる。溶解度の大きいハロゲン化銀は溶解度のより小さ
いハロゲン化銀を形成し得るハロゲンイオンを添加する
ことにより、溶解度のより小さいハロゲン化銀に変換さ
れる。この過程はハロゲン変換と呼ばれ、例えば米国特
許第4142900号に記載されている。本発明ではエピタキ
シャル成長した塩化銀を沃化カリウムで選択的にハロゲ
ン変換することにより平板粒子の頂点部にβ−AgI相を
形成する。ハロゲン変換のための沃化カリウムの量は多
すぎると転位の分散を起こし、少量すぎるとこの後の粒
子成長段階で起こる再結晶化により所望の転位が消滅し
てしまう。またこの過程で予め適量の塩化銀相が存在し
ていない場合には、沃化カリウムは臭化銀とハロゲン変
換を起こすため、続く粒子成長で転位は集中しないもの
となる。ハロゲン変換のための沃化カリウムの量は、ホ
スト平板粒子に体し0.1〜10mol%の量が好ましい。
およびハロゲン変換の段階では基盤(ホスト平板粒子)
の臭化銀または塩臭化銀または塩臭化銀または塩沃臭化
銀とは異なる結晶形を持つβ−AgI相または沃化銀含有
率の高いハロゲン化銀相が平板粒子の頂点に形成され
る。続けて硝酸銀と臭化カリウム又は硝酸銀と、臭化カ
リウムとヨウ化カリウムの混合液を同時に添加すると粒
子はさらに成長するが、この時β−AgI相を起点として
転位が導入される。βAgI相は頂点近傍に局在している
ため転位は頂点近傍に集中したものとなる。この際に添
加する硝酸銀の量は基盤に対して5mol%以上であれば任
意である。また、臭化カリウムとヨウ化カリウムの混合
液を添加する場合、その混合の割合は臭化カリウム1に
対してヨウ化カリウムはから0.4の割合が好ましい。
少なくとも2つの感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、こ
れらの乳剤層の少なくとも1層は発色現像主薬の酸化体
とカップリングして発色するカプラーの少なくとも1種
を含有し、発色現像処理を使用する多層ハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料に適用できる。例えばカラーペーパ
ー、カラー反転ペーパー、カラーポジフィルム、カラー
ネガフィルム、カラー反転フィルム、カラー直接ポジ感
光材料、等の処理に適用することができる。特にカラー
ペーパー、カラー反転ペーパーへの適用が好ましい。
般に感色性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性の順、あるいはこの逆順に設置さ
れる。しかし、目的に応じて赤外感色性層などの他の感
色性層を用いることができ、また同一感色性層中に異な
る感光性層が挟まれたような設置順をもとりえる。
層には各種の中間層等の非感光性層を設けてもよい。
層、ハレーション防止層等を目的に応じて用いることが
できる。これらの層には非感光性の乳剤、たとえば微粒
子乳剤などを含有させることもできる。
電防止、接着防止等の目的でいわゆるバック層を設ける
ことができる。バック層は1層でも多層であってもよ
い。
層(G)/青感光性(B)/支持体、、B/G/R支持体な
どの順に設置することができる。同一感色性を有し感度
の異なる複数の設けた層配列も有用である。更に詳しく
は、高感度青感光性層(BH)/低感度青感光性層(BL)
/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/
高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)/支
持体やこの中の任意の感色性層の高感層と低感層を入れ
換えた配列をとることができる。
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL/RL
の順に配列することもできる。また特開昭56−25738
号、同62−63936号明細書に記載されているように、支
持体から最も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に
配列することもできる。
層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤
層などの順に配置されていてもよい。
号、同第4,705,744号、同第4,707,436号、特開昭62−16
0448号、同63−89580号の明細書に記載の、BL,GL,RLな
どの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー
層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接して配置するこ
とが好ましい。
々の層構成・配列を選択することができる。
ロゲン化銀乳剤は、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩化
銀等いかなるハロゲン組成のものでも使用できる。
ても良いが、粒子間で等しいハロゲン組成を有する乳剤
を用いると、各粒子の性質を均質にすることが容易であ
る。また、ハロゲン化銀乳剤粒子内部のハロゲン組成分
布については、ハロゲン化銀粒子のどの部分をとっても
組成の等しい所謂均一型構造の粒子や、ハロゲン化銀粒
子内部のコア(芯)とそれを取り囲むシエル(殻)〔一
層または複数層〕とでハロゲン組成の異なる所謂積層型
構造の粒子あるいは、粒子内部もしくは表面に非層状に
ハロゲン組成の異なる部分を有する構造(粒子表面にあ
る場合は粒子のエッジ、コーナーあるいは面上の異組成
の部分が接合した構造)を粒子などを適宜選択して用い
ることができる。高感度を得るには、均一型構造の粒子
よりも後二者のいずれかを用いることが有利であり、耐
圧力性の面からも好ましい。ハロゲン化銀粒子が上記の
ような構造を有する場合には、ハロゲン組成において異
なる部分の環境部は、明確な境界であっても、組成差に
より混晶を形成して不明確な境界であっても良く、また
積極的に連続的な構造変化を持たせたものであっても良
い。
り、例えば、カラーペーパーなどのようなプリント材料
においては主として塩臭化銀乳剤系が、カラーネガなど
のような撮影材料においては主として沃臭化銀乳剤系が
用いられる。
高い所謂高塩化銀乳剤が好ましく用いられる。これ等高
塩化銀乳剤の塩化銀含有率は90モル%以上が好ましく、
95モル%以上が更に好ましい。
述べたような層状もしくは非層状にハロゲン化銀粒子内
部および/または表面に有する構造のものが好ましい。
上記局在相のハロゲン組成は、臭化銀含有率において少
なくとも10モル%のものが好ましく、20モル%を越える
ものがより好ましい。そして、これらの局在層は、粒子
内部、粒子表面のエッジ、コーナーあるいは面上にある
ことができるが、一つの好ましい例として、粒子のコー
ナー部にエピタキシャル成長したものを挙げることがで
きる。
均粒子サイズ(球状もしくは球に近い粒子の場合は粒子
直径を、立方体粒子の場合は、稜長をそれぞれ粒子サイ
ズとして投影面積にもとづく平均であらわす。平板粒子
の場合も球換算で表わす。)は、2μm以下で、0.1μ
m以上が好ましいが、特に好ましいのは1.5μm以下で
0.15μm以上である。粒子サイズ分布は狭くても広くて
もいずれでもよいが、ハロゲン化銀乳剤の粒度分布曲線
に於る標準偏差値を平均粒子サイズで割った値(変動
率)が20%以内、特に好ましくは15%以内のいわゆる単
分散ハロゲン化銀乳剤を本発明の感光材料に併用するこ
とが好ましい。また感光材料が目標とする階調を満足さ
せるために、実質的に同一の感色性を有する乳剤層にお
いて粒子サイズの異なる2種以上の単分散ハロゲン化銀
乳剤(単分散性としては前記の変動率をもったものが好
ましい)を同一層に混合または別層に重層塗布すること
ができる。さらに2種以上の多分散ハロゲン化銀乳剤あ
るいは単分散乳剤と多分散乳剤との組合わせを混合ある
いは重層して使用することもできる。
立方体、八面体、菱十二面体、十四面体の様な規則的
(regular)な結晶体を有するものあるいはそれらの共
存するものでもよく、また球状などのような変則的(ir
regular)な結晶形をもつものでもよく、またこれらの
結晶形の複合形をもつものでもよい。また平板状粒子で
もよい。
は、例えばリサーチ・デイスクロージヤー(RD)No.176
43(1978年12月),22〜23頁,“I.乳剤製造(Emulsion
preparation and types)”、および同No.18716(1979
年11月),648頁、グラフキデ著「写真の物理と化学」,
ポールモンテル社刊(P.Glafkides,Chemie et Phisique
Photograh−ique,Paul Montel,1967)、ダフイン著
「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F.Duffi
n,Photograhic Emulsion Chemistry(Focal Press,196
6))、ゼクリマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al.,Making and
Coating Photograhic Emuldion.Focal Press,1964)な
どに記載された方法を用いて調製することができる。
許第1,413,748号などに記載された単分散乳剤も好まし
い。
も本発明の感光材料に併用できる。平板状粒子は、ガト
フ著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エン
ジニアリング(Gutoff,Photographic Science and Engi
neering)、第14巻、248〜257頁(1970年);米国特許
第4,434,226号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,4
39,520号および英国特許第2,112,157号などに記載の方
法により簡単に調製することができる。
ロゲン組成からなるものでもよく、層状構造をなしてい
てもよい、また、エピタキシャル接合によって組成の異
なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、また例えば
ロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接
合されていてもよい。
ン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成および分光増
感を行ったものを使用する。このような工程で使用され
る添加剤はリサーチ・デイスクロージヤーNo.17643およ
び同No.18716に記載されており、その該当箇所を後掲の
表にまとめた。
写真用添加剤は上記の2つのリサーチ・デイスクロージ
ヤーに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を
示した。
防止するために、米国特許4,411,987号や同第4,435,503
号に記載されたホルムアルデヒドと反応して、固定化で
きる化合物を感光材料に添加することが好ましい。
ることができ、その具体例は前出のリサーチ・デイスク
ロージヤー(RD)No.17643、VII−C〜Gに記載された
特許に記載されている。
501号、同第4,022,620号、同第4,326,024号、同第4,40
1,752号、同第4,428,961号、特公昭58−10739号、英国
特許第1,425,020号、同第1,476,760号、米国特許第3,97
3,968号、同第4,314,023号、同第4,511,649号、欧州特
許第249,473A号、等に記載のものが好ましい。
ゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許第4,310,
619号、同第4,351,897号、欧州特許第73,636号、米国特
許第3,061,432号、同第3,725,067号、リサーチ・デイス
クロージヤーNo.24220(1984年6月)、特開昭60−3355
2号、リサーチ・デイスクロージヤーNo.24230(1984年
6月)、特開昭60−43659号、同61−72238号、同60−35
730号、同55−118034号、同60−185951号、米国特許第
4,500,630号、同第4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号等に記載のものが特に好ましい。
ル系カプラーが挙げられ、米国特許第4,052,212号、同
第4,146,396号、第4,228,233号、同第4,296,200号、同
第2,369,929号、同第2,810,171号、同第2,772,162号、
同第2,895,826号、同第3,772,002号、同第3,758,308
号、同第4,334,011号、同第4,327,173号、西独特許公開
第3,329,729号、欧州特許第121,365A号、同第249,453A
号、米国特許第3,446,622号、同第4,333,999号、同4,77
5,616号、同第4,451,559号、同第4,427,767号、同第4,6
90,889号、同第4,254,212号、同第4,296,199号、特開昭
61−42658号等に記載のものが好ましい。
ラーは、リサーチ・デイスクロージヤーNo.17643のVII
−G項、米国特許第4,163,670号、特開昭57−39413号、
米国特許第4,004,929号、同第4,138,258号、英国特許第
1,146,368号に記載のものが好ましい。また、米国特許
第4,774,181号に記載のカップリング時に放出された蛍
光色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラー
や、米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反応し
て色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基として
有するカプラーを用いることも好ましい。
米国特許第4,366,237号、英国特許第2,125,570号、欧州
特許第96,570号、西独特許(公開)第3,234,533号に記
載のものが好ましい。
特許第3,451,820号、同第4,080,211号、同第4,367,282
号、同第4,409,302号、同第4,576,910号、英国特許第2,
102,273号等に記載されている。
カプラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制
剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD17643、VII−F
項に記載された特許、特開昭57−151944号、同57−1542
34号、同60−184248号、同63−37346号、同63−37350
号、米国特許4,248,962号、同4,782,012号に記載された
ものが好ましい。
るカプラーとしては、英国特許第2,097,140号、同第2,1
31,188号、特開昭59−157638号、同第59−170840号に記
載のものが好ましい。
ラーとしては、米国特許第4,130,427号等に記載の競争
カプラー、米国特許第4,283,472号、同第4,338,393号、
同第4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60
−185950号、特開昭62−24252号等に記載のDIRレドック
ス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出カプラー、DIR
カプラー放出レドックス化合物もしくはDIRレドックス
放出レドックス化合物、欧州特許第173,302A号、同第31
3,308A号に記載の離脱後復色する色素を放出するカプラ
ー、R.D.No.11449、同24241、特開昭61−201247号等に
記載の漂白促進剤放出カプラー、米国特許第4,553,477
号等に記載のリガンド放出カプラー、特開昭63−75747
号に記載のロイコ色素を放出するるカプラー、米国特許
第4,774,181号に記載の蛍光色素を放出するカプラー等
が挙げられる。
より感光材料に導入できる。
国特許第2,322,027号などに記載されている。また、ポ
リマー、分散法の1つとしてラテックス分散法の工程、
効果、含浸用のラテックスの具体例は、米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,274号および同
第2,541,230号などに、有機溶媒可溶性ポリマーによる
分散法についてはPCT国際公開番号WO88/00723号明細書
に記載されている。
えばフタノール酸アルキルエステル(例えばジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート)、リン酸エステル
(例えばジフェニルフォスフェート、トリフェニルフォ
スフェート、トリクレジルフォスフェート、ジオクチル
ブチルフォスフェート)、クエン酸エステル(例えばア
セチルクエン酸トリブチル)、安息香酸エステル(例え
ば安息香酸オクチル)、アルキルアミド(例えばジエチ
ルラウリルアミド)、脂肪酸エステル類(例えばジブト
キシエチルサクシネート、ジエチルアゼーレート)、ト
リメシン酸エステル類(例えばトリメシン酸トリブチ
ル)など、又は沸点約30℃〜150℃の有機溶媒、例えば
酢酸エチル、酢酸ブチルの如き低級アルキルアセテー
ト、ブロピオン酸エチル、2級ブチルアルコール、メチ
ルイソブチルケトン、β−エトキシエチルアセテート、
メチルセロソルブアセテート等を併用してもよい。これ
らの分散物は、水洗や減圧によって不要な成分を除去し
てもよい。
化銀の1モルあたり0.001ないし1モルの範囲であり、
好ましくはイエローカプラーでは0.01ないし0.5モル、
マゼンタカプラーでは0.003ないし0.3モル、またシアン
カプラーでは0.002ないし0.3モルである。
号、同62−272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチル
−p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−クロ
ル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシエタノ
ール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール等の
各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好まし
い。
るプラスチックフィルム(硝酸セルロース、酢酸セルロ
ース、ポリエチレンテレフタレートなど)、紙などの可
撓性支持体またはガラス、などの剛性の支持体に塗布さ
れる。支持体及び塗布方法については、詳しくはリサー
チ・デイスクロージヤー176巻Item 17643 XV項(p.27)
XVII項(p.28)(1978年12月号)に記載されている。
として、ハイドロキノン誘導体、アミノフェノール誘導
体、没食子酸誘導体、アスコルビン酸誘導体などを含有
してもよい。
とができる。即ち、シアン、マゼンタ及び/又はイエロ
ー画像用の有機褪色防止剤としてはハイドロキノン類、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクラマン
類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール類、
ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノール
類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、ア
ミノフェノール類、ヒンダードアミン類およびこれら各
化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化し
たエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙げ
られる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッケ
ル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバマ
ト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用でき
る。
されている。
18,613号、同第2,700,453号、同第2,170,197号、同第2,
728,659号、同第2,732,300号、同第2,735,765号、同第
3,982,944号、同第4,430,425号、英国特許第1,363,921
号、米国特許第2,710,801号、同第2,816,028号などに、
6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラン
類、スピロクロマン類は米国特許第3,432,300号、同第
3,573,050号、同第3,574,627号、同第3,698,909号、同
第3,764,337号、特開昭52−152225号などに、スピロイ
ンダン類は米国特許第4,360,589号に、p−アルコキシ
フェノール類は米国特許第2,735,765号、英国特許第2,0
66,975号、特開昭59−10539号、特公昭57−19765号など
に、ヒンダードフェノール類は米国特許第3,700,455
号、特開昭52−72224号、米国特許4,228,235号、特公昭
52−6623号などに、没食子酸誘導体、メチレンジオキシ
ベンゼン類、アミノフェノール類はそれぞれ米国特許第
3,457,079号、同第4,332,886号、特公昭56−21144号な
どに、ヒンダードアミン類は米国特許第3,336,135号、
同第4,268,593号、英国特許第1,326,889号、同第1,354,
313号、同第1,410,846号、特公昭51−1420号、特開昭58
−114036号、同第59−53846号、同第59−78344号など
に、金属錯体は米国特許第4,050,938号、同第4,241,155
号、英国特許第2,027,731(A)号などにそれぞれ記載
されている。これらの化合物は、それぞれ対応するカラ
ーカプラーに対し通常5ないし100重量%をカプラーと
共乳化して感光層に添加することにより、目的を達成す
ることができる。シアン色素像の熱および特に光による
劣化を防止するためには、シアン発色層およびそれに隣
接する両側の層に紫外線吸収剤を導入することがより効
果的である。
ゾトリアゾール化合物(例えば米国特許第3,533,794号
に記載のもの)、4−チアゾリドン化合物(例えば米国
特許第3,314,794号、同第3,352,681号に記載のもの)、
ベンゾフェノン化合物(例えば特開昭46−2784号に記載
のもの)、ケイヒ酸エステル化合物(例えば米国特許第
3,705,805号、同第3,707,395号に記載のもの)、ブタジ
ェン化合物(米国特許第4,045,229号に記載のもの)、
あるいばベンゾオキシドール化合物(例えば米国特許第
3,700,455号に記載のもの)を用いることができる。紫
外線吸収性のカプラー(例えばα−ナフトール系のシア
ン色素形成カプラー)や、紫外線吸収性のポリマーなど
を用いてもよい。これらの紫外線吸収剤は特定の層に媒
染されていてもよい。
ゾール化合物が好ましい。
剤または保護コロイドとしては、ゼラチンを用いるのが
有利である。それ以外の親水性コロイド単独あるいはゼ
ラチンと共に用いることができる。
酸を使用して処理されたものでもどちらでもよい。ゼラ
チンの製法の詳細はアーサー・ヴアイス著、ザ・マクロ
モレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼラチン(アカデ
ミツク・プレス、1964年発行)に記載がある。
の感光性ハロゲン化銀乳剤及びカプラーを含有する層を
有する。感光性ハロゲン化銀乳剤は通常、青感性、緑感
性、化感性を付与するように分光増感されているが、目
的に応じて赤外感光性や、中間の分光感度を付与したも
のであってもよい。どのような感色性を付与するかは、
露光光源たとえば太陽光、タングステン光、LED、レー
ザー等に依存する。乳剤層、非感光性層の層数および層
順に特に制限はない。例としては、支持体上に、実質的
に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン
化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有する。
合わせて用いる。乳剤の感光性と、カプラーの発色色素
の色相との関係は、一般には青感層にはイエローカプラ
ー、緑感層にはマゼンタカプラー、赤感層にはシアンカ
プラーを用いるのが通常であるが、目的に応じて変更し
てもよい。
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−
フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その
代表例としては3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩
酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などが挙げられ
る。これらの化合物は目的に応じて2種以上併用するこ
ともできる。
くはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物塩、沃化物塩、
ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類もしくはメ
ルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブリ防止剤
などを含むのが一般的である。また必要に応じて、ヒド
ロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、亜硫酸
塩ヒドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエタ
ノールアミン、カテコールスルホン酸類、トリエチレン
ジアミン(1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン)類
の如き各種保恒剤、エチレングリコール、ジェチレング
リコールのような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリ
エチレングリコール、四級アンモニウム塩、アミン類の
ような現像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、
ナトリウムボロンハイドライドのようなカブラセ剤、1
−フェニル−3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、
粘性付与剤、アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホ
ン酸、アルキルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表
されるような各種キレート剤、例えば、エチレンジアミ
ン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジェチレントリアミン五酢
酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチル
イミノジ酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン
酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレン
ホスホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフ
ェニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として挙げること
ができる。
から発色現像する。この黒白現像液には、ハイドロキノ
ンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−3−
ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類またはN−メチ
ルp−アミノフェノールなどのアミノフェノール類など
の公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。
ることが一般的ある。またこれらの現像液の補充量は、
処理するカラー写真感光材料にもよるが、一般に感光材
料1平方メートル当たり3以下であり、補充液中の臭
化物イオン濃度を低減させておくことにより500ml以下
にすることもできる。補充量を低減する場合には処理槽
の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸
発、空気酸化を防止することが好ましい。また現像液中
の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いることにより
補充量を低減することもできる。
処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし(漂白定着
処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を
図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理方法でもよ
い。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理すること、
漂白定着処理の前に定着処理すること、又は漂白定着処
理後漂白処理することも目的に応じて任意に実施でき
る。漂白剤としては、例えば鉄(III)、コバルト(II
I)、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合
物、過酸類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。
代表的漂白剤としてはフェリシアン化合物;重クロム酸
鉄;鉄(III)もしくはコバルト(III)の有機錯塩、例
えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二
酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエー
テルジアミン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類も
しくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩;過硫酸
塩;臭素酸塩;過マンガン酸塩;ニトロベンゼン類など
を用いるとができる。これらのうちエチレンジアミン四
酢酸鉄(III)錯塩を始めとするアミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩及び過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防止
の観点から好ましい。さらにアミノポリカルボン酸鉄
(III)錯塩は漂白液においても、漂白定着液において
も特に有用である。これらのアミノポリカルボン酸鉄
(III)錯塩を用いた漂白液又は漂白定着液のpHは通常
5.5〜8であるが、処理の迅速化のために、さらに低いp
Hで処理することもできる。
じて漂白促進剤を使用することおができる。有用な漂白
促進剤の具体例は、次に明細書に記載されている:米国
特許第3,893,858号、西独特許第1,290,812号、特開昭53
−95630号、リサーチ・デイスクロージヤーNo.17,129号
(1978年7月)などに記載のメルカプト基またはジスル
フイド結合を有する化合物;特開昭50−140129号に記載
のチアゾリジン誘導体;米国特許第3,706,561号に記載
のチオ尿素誘導体;特開昭58−16235号に記載の沃化物
塩;西独特許第2,748,430号に記載のポリオキシエチレ
ン化合物類;特公昭45−8836号記載のポリアミン化合物
類;臭化物イオン等が使用できる。なかでもメルカプト
基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果が大
きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,858号、西
特許第1,290,812号、特開昭53−95630号に記載の化合物
が好ましい。更に、米国特許第4,552,834号に記載の化
合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感光材料中に添
加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着する
ときにこれらの漂白促進剤は特に有効である。
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげ
ることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、
特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。漂
白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜流酸塩ある
いはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的であ
る。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えば
カプラー等使用素材による)、用途、更には水洗水温、
水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充方式、そ
の他種々の条件によって広範囲に設定し得る。このう
ち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関係
は、Journal of the Society of Motion Picture and T
elevision Engineers第64巻、p.248〜253(1955年5月
号)に記載の方法で、求めることができる。
大幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の
増加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感
光材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感
光材料の処理において、このような問題の解決策とし
て、特開昭62−288838号に記載のカルシウムイオン、マ
グネシウムイオンを低減させる方法を極めて有効に用い
ることができる。また、特開昭57−8542号に記載のイソ
チアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソ
シアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベン
ゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴の化学」(1986
年)、三共出版、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、
防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学界編
「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いる
こともできる。
9であり、好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時
間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一
般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃で
30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発明の感光材
料は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理するこ
ともできる。このような安定化処理においては、特開昭
57−8543号、58−14834号、同60−220345号に記載の公
知の方法はすべて用いることができる。
もあり、その例として、撮影用カラー感光材料の最終浴
として使用される、ホルマリンと界面活性剤を含有する
安定浴を挙げることができる。この安定欲にも各種キレ
ート剤や防黴剤を加えることもできる。
ー液は脱銀工程等他の工程において再利用することもで
きる。
化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。
内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを
用いるのが好ましい。例えば米国特許第3,342,597号記
載のインドアニリン系化合物、同第3,342,559号、リサ
ーチ・デイスクロージヤー14,850号及び同15,159号記載
のシッフ塩基型化合物、同13,924号記載のアルドール化
合物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩錯体、特開
昭53−135628号記載のウレタン系化合物を挙げることが
できる。
て、発色現像を促進する目的で、各種の1−フェニル−
3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物
は特開昭56−64339号、同57−144547号、および同58−1
15438号等に記載されている。
される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、よ
り高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆に
低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成す
ることができる。また、感光材料の節銀のため西独特許
第2,226,770号または米国特許第3,674,499号に記載のコ
バルト補力もしくは過酸化水素補力を用いた処理を行っ
てもよい。
はカートリッジに収納した形態を取るのが好ましい。カ
ートリッジとして最も一般的なものは、現在の135フォ
ーマットのパトローネである。その他下記特許で提案さ
れたカートリッジも使用できる。(実開昭58−67329
号、特開昭58−181035号、特開昭58−182634号、実開昭
58−195236号、米国特許4,221,479号、特願昭63−57785
号、特願昭63−183344号、特願昭63−325638号、特願平
1−21862号、特願平1−25362号、特願平1−30246
号、特願平1−20222号、特願平1−21863号、特願平1
−37181号、特願平1−33108号、特願平1−85198号、
特願平1−172595号、特願平1−172594号、特願平1−
172593号、米国特許4,846,418号、米国特許4,848,693
号、米国特許4,832,275号) 以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
低分子量ゼラチン0.7%水溶液を30℃に保ち撹拌しなが
ら、これにダブルジェット法により同一の一定流量で1
分間にわたり臭化カリウム1.01モル水溶液および硝酸銀
0.94モル水溶液を加えた(全硝酸願の12.7%を消費し
た)。さらに16%脱イオンゼラチン溶液400mlを加えた7
5℃に昇温した。硝酸銀0.88モル水溶液を加えPBrを2.31
に調製した後(全硝酸銀の3.7%を消費)、14.7Nアンモ
ニア水溶液を加えpHを8.3に調整して物理熟成後、3N硝
酸を加え再びpHを5.5に調整した。臭化カリウム1.33モ
ル水溶液および、硝酸銀0.88モル水溶液を同時に30分間
にわたってpBrを3.02に保ちながら加えた(全硝酸銀の8
3.6%を消費)。次いで通常のフロキュレーション法に
より脱塩し平均アスペクト比6.5、円相当径1.0μmであ
る平板状AgBr乳剤A−1を調製した。用いた硝酸銀は15
6gである。
比16.7/67.3/16;同3領域の沃化銀含有率0/7.5/0)の調
製 臭化カリウム0.57モルを含有する脱イオンゼラチン0.
7%水溶液(溶液A)1.0を30℃に保ち撹拌しながら、
これにダブルジェット法により同一の一定流量で30秒間
にわたり臭化カリウム1.95モル水溶液(溶液B)および
硝酸銀1.9モル水溶液(溶液C)を加えた(全硝酸銀の
2.06%を消費した)。さらに8%脱イオンゼラチン溶液
400mlを加えた後、75℃の昇温した。硝酸銀1.12モル水
溶液(溶液D)を加えpBrを2.13に調整した後(全硝酸
銀の1.84%を消費した)14.7Nアンモニア水溶液を加えp
Hを8.3に調整して物理熟成後、1N硝酸を加え再びpHを5.
5に調整した。臭化カリウム1,34モル水溶液(溶液E)
及び溶液Dを同時に流量を加速しながら(終了時流量を
開始時の2.5倍とした)11分間にわたってpBrを1.56に保
ちながら加えた後(全硝酸銀の12.8%を消費した)、1N
のNaOHを加えてpHを9.3に調整した。臭化カリウム1.34
モル及び沃化カリウム0.108モルを含んだ水溶液(溶液
F)及び溶液Dを同時に流量を加速しながら(終了時流
量を開始時の5.5倍とした)28.5分間にわたってpBrを1.
56に保ちながら加えた(全硝酸銀の67.3%を消費し
た)。さらに溶液Dおよび臭化カリウム1.34モル水溶液
(溶液G)を同時に流量を加速しながら(終了時流量を
開始時の2倍とした)10分間にわたってpBrを2.42に保
ちながら加えた(全硝酸銀の16%を消費した)。次いで
通常のフロキュレーション法により脱塩し、平均アスク
ト比6.5、円相当直径1.0μmである平板状AgBrI(AgI=
5.1モル)乳剤A−2を調製した。用いた硝酸銀は156g
である。得られた高アスペクト比平板状ヨウ臭化銀粒子
は表面沃化銀濃度2.6モル%、平均沃化銀濃度5.1モル%
を示し、周環領域と比較して中央環状領域は高い沃化銀
濃度であることを示していた。
比16.7/67.3/16;同3領域の沃化銀含有率0/4.6/12)の
調製 乳剤A−2の調製方法において溶液Fの組成を臭化カ
リウム1.35モル及び沃化カリウム0.065モルを含んだ水
溶液に変更し、さらに溶液Gの組成を臭化カリウム1.24
モル及び沃化カリウム0.17モルを含んだ水溶液に変更し
た以外は同様の方法によって、(AgI=5.0モル%処方
値)乳剤A−3を調製した。得られた高アスペクト比平
板状沃臭化銀粒子は表面沃化銀濃度10.8モル%、平均沃
化銀濃度4.9モル(実測値)%を示し、中央環状領域と
比較して周環領域には高い沃化銀濃度であることを示し
ていた。
留水350ccを混合し40℃に昇温し、よく撹拌した。この
状態を保持して、以下の手順を行なった。
化カリウム溶液(濃度0.04mol/)を15分間かけて添加
した。
る量の、硝酸銀溶液(濃度1.02mol/)と塩化ナトリウ
ム溶液(1.58mol/)を1分間にわたってダブルジェッ
ト法で添加した。
化カリウム溶液(濃度0.04mol/)を8分間で添加し
た。
る量の、硝酸銀溶液(濃度1.02mol/)と臭化カリウム
溶液(濃度1.02mol/)をpBr=1.73に保ちながら49分
間で添加した。
1)、乳剤A−2を基盤乳剤として調製した乳剤(乳剤
B−2)、乳剤A−3を基盤乳剤とした調製した乳剤
(乳剤B−3)ともに平均アスペクト比6.5、円相当直
径1.3μmであった。
を行なった。基盤乳剤A−1から調製した乳剤を乳剤C
−1、乳剤A−2から調製した乳剤を乳剤C−2、乳剤
A−3から調製した乳剤を乳剤C−3とした。
た。基盤乳剤A−1から調製した乳剤を乳剤D−1、乳
剤A−2から調製した乳剤を乳剤D−2、乳剤A−3か
ら調製した乳剤を乳剤D−3とした。
い、転位の直接観察を行なった。電子顕微鏡は日本電子
(株)製JEM−2000FX IIを用い、加速電圧200kv、温度
−120℃で観察した。
の写真を示す。転位が頂点の近傍のみに集中しているこ
とが明確にわかる。
の写真を示す。転位は集中せず、粒子の辺に均一に導入
されていることがわかる。
位は一本も導入されていない。
3それぞれ60g(3.6×10-2molAg)に対しチオ硫酸ナト
リウム1.6×10-7molを添加し60℃で60分間保持して硫黄
増感を行なった。
3それぞれ60g(3.6×10-2mol)に対しチオ硫酸ナトリ
ウム、チオシアン酸カリウム、塩化金酸をそれぞれの乳
剤に対して最適量添加し、60℃で60分保持して金−硫黄
増感を行なった。ここで最適量は1/100″で露光した時
に最高の感度を示すことを言う。
体上に第1表に示すような塗布量で上記の化学増感を施
した乳剤および保護層を塗布し、それぞれの乳剤につい
て塗布試料を作成した。
放置した後、連続ウエッジを通して1/100秒間および10
秒間、同じ露光量になるように露光し、次のカラー現像
処理を行った。
ハース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型アニオン
交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充填した混床
式カラムに通水してカルシウムおよびマグネシウムイオ
ン濃度を3mg/以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌ
ール酸ナトリウム20mg/と硫酸ナトリウム1.5g/を添
加した。
示する露光量の逆数の相対値で表わした。硫黄増感を施
した試料に対する結果を第2表に、金−硫黄増感を施し
た試料に対する結果を第3表に示す。
調製した乳剤と比較して、本発明のBの方法で調製した
乳剤は1/100秒感度、10秒感度ともに高く、本発明の効
果が顕著であった。
に、下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カ
ラー感光材料の第1青感乳剤層に実施例−1に記載の乳
剤B−1,B−2,B−3,C−1,C−2,C−3,D−1,D−2,D−3,
(最高の金−硫黄増感を施してある)を含む試料201〜2
09を作製した。
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
のうち1種類 銀 0.22 増感色素VIII 7.0×10-4 EX−9 0.721 EX−8 0.042 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.10 第14層(第2青感乳剤層) 乳剤G 銀 0.45 増感色素VIII 2.1×10-4 EX−9 0.154 EX−10 0.007 HBS−1 0.05 ゼラチン 0.78 第15層(第3青感乳剤層) 乳剤H 銀 0.77 増感色素VIII 2.2×10-4 EX−9 0.20 HBS−1 0.07 ゼラチン 0.69 第16層(第1保護層) 乳剤I 銀 0.20 U−4 0.11 U−5 0.17 HBS−1 0.05 ゼラチン 1.00 第17層(第2保護層) ポリメチルアクリレート粒子(直径 約1.5μm) 0.54 S−1 0.20 ゼラチン 1.20 各層には上記の成分の他に、ゼラチン硬化剤H−1お
よびEX−14〜21および界面活性剤を添加した。上記試料
の作成に用いた乳剤A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,Kの内容は第
4表の通りである。また、試料の作成に用いた化合物の
構造式又は名称を後掲の第A表に示す。
像機を用い第5表に記載の処理方法で、(漂白液の累積
補充量がその母液タンクの容量の3倍になるまで)処理
した。
光量から第一青感層の感度を評価した。転位が頂点近傍
に集中している本発明の乳剤(B−1,B−2,B−3)を用
いると転位が粒子の辺に均一に存在している乳剤(C−
1,C−2,C−3)および転位の存在しない乳剤(D−1,D
−2,D−3)と比較して、10秒露光、1/100秒露光ともに
感度が高く本発明の効果が顕著であった。
1中の頂点近傍に転位が集中しているハロゲン化銀粒子
の結晶構造を示す電子顕微鏡写真であり、その倍率は65
000倍である。 第2図は、実施例1の比較例の乳剤C−1中の転位が辺
に存在しているハロゲン化銀粒子の結晶構造を示す電子
顕微鏡写真であり、その倍率は50000倍である。 第3図は、実施例1の比較例の乳剤D−1中の転位が導
入されていないハロゲン化銀粒子の結晶構造を示す電子
顕微鏡写真であり、その倍率は65000倍である。
Claims (4)
- 【請求項1】アスペクト比が2以上であり、粒子の頂点
近傍に転位が集中している平板状ハロゲン化銀粒子を含
有するハロゲン化銀写真乳剤。 - 【請求項2】粒子厚みが0.5μm未満であり、粒子直径
は0.3μm以上であって、アスペクト比が2以上の平板
状ハロゲン化銀粒子が全ハロゲン化銀粒子の投影面積の
少なくとも50%を占める請求項(1)記載のハロゲン化
銀写真乳剤。 - 【請求項3】平板状ハロゲン化銀粒子の頂点に、直接に
又は沃素イオンによるハロゲン変換を介して、沃化銀若
しくは沃化銀含有率の高いハロゲン化銀を接合して接合
ハロゲン化銀粒子とした後、引き続いて平板粒子を成長
させることからなる請求項(2)記載のハロゲン化銀写
真乳剤の製造方法。 - 【請求項4】支持体上に感色性の異なる少なくとも2つ
の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、これらの乳剤層の
少なくとも1層が、請求項(2)記載のハロゲン化銀写
真乳剤及び発色現像主薬の酸化体とカップリングして発
色するカプラーの少なくとも1種を含有する写真感光材
料。
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