JP3359464B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は迅速処理に適するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方法に関
するものであり、更に詳しくは発色現像時間の短縮化に
よる階調バランスの崩れを改良し、現在広く普及してい
る処理及び迅速処理の何れにおいても同等の階調の画像
を得ることが可能なハロゲン化銀カラー写真感光材料及
びカラー画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーネガ感光材料の現像処理時間は、
1972年に導入されたコダック社のC−41処理によ
り著しく迅速化され、乾燥工程を含まないウエット処理
時間で17分20秒である。また、近年ミニラボ市場に
導入された富士写真フイルム(株)のCN−16FA処
理のウエット処理時間は、更に迅速化が進み8分15秒
である。
【0003】処理の迅速化が進んでいる現在において
も、ユーザーが撮影したネガ感光材料をプリント依頼し
た場合、最も仕上がりの早い店頭処理(いわゆるミニラ
ボ)でも仕上がるのに30分前後要し、大多数のユーザ
ーに写真店に2度足を運ぶことを強いているのが現状で
ある。カラーネガとカラーペーパーの現在のシステムに
おいて、写真店に足を運ぶのを1度にしたいというユー
ザーの要求に応えるため更なる現像処理時間の大幅な短
縮化が望まれている。
【0004】従来の現像処理時間の短縮化は、主に発色
現像処理工程以降の脱銀工程においてなされており、前
述のC−41処理とCN−16FA処理を例にとれば、
前者の発色現像時間は3分15秒で後者のそれは3分5
秒であり、発色現像時間に関してはほとんど変わってい
ない。そしてCN−16FA処理において、発色現像時
間は全現像処理時間の約40%を占めるに至っており、
更なる現像処理時間の大幅な短縮化を行うためには、発
色現像時間の短縮化を行わないと極めて困難な状況にあ
る。
【0005】一方、C−41処理及びそれと互換性を有
する現像処理(例えば、CN−16FA処理)は、現在
全世界的に広く普及しており、発色現像時間を短縮化し
た迅速処理を実際の市場に導入するためには、この迅速
処理もC−41処理と互換性を有することが求められ
る。通常カラーネガ感光材料は、いくつかの感色性ハロ
ゲン化銀乳剤層から成っており、現像処理した際各乳剤
層の階調バランスが最適になるよう設計されているが、
発色現像時間を短縮化した迅速処理を実施すると階調バ
ランスが崩れ色再現性が著しく悪化してしまった。
【0006】異なる発色現像時間において現像処理を実
施しても同様の階調を得る処理方法が、例えば特開平2
−2553号に開示されている。該処理方法によれば、
処理温度、発色現像液中の発色現像主薬の濃度及び発色
現像時間を変更することにより同等の階調が得られる。
具体的に該特許の実施例1において、処理温度38℃、
発色現像主薬濃度15ミリモル/リットル、発色現像時
間3分15秒(C−41処理同等の処理と考えられる)
で得られる階調(ガンマ値)と同等の階調が、処理温度
38℃、発色現像主薬濃度150ミリモル/リットル、
発色現像時間1分30秒にて得られることが示されてい
る。
【0007】しかしながら、該処理方法による発色現像
時間の短縮化は、発色現像主薬の濃度が100ミリモル
/リットルを越えるため、液中での発色現像主薬の自己
カップリング反応が著しく促進され、保存後の発色現像
主薬の濃度低下による写真性の変動が大きくなりまた、
該自己カップリング反応の生成物による感光材料への着
色が増大する。更に、現像処理後の感光材料中に残る発
色現像主薬が増大し、該感光材料を室内にて保存した時
に、特に未露光部の濃度(ステイン)が著しく上昇して
しまう。
【0008】上記問題を回避するため、発色現像主薬の
濃度を80ミリモル/リットル以下にして、処理温度を
40℃以上にすることにより発色現像処理時間を1分3
0秒以下に短縮化すると、発色現像主薬の拡散が律速に
なり、感光材料の上層(支持体から遠い側の乳剤層)の
現像に対し下層(支持体から近い側の乳剤層)の現像が
遅れ、上層と下層の階調バランスが崩れ色再現性が著し
く悪化してしまった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、発色現像時間の短縮化による階調バランスの崩れを
改良し、現在広く普及している現像処理及び発色現像時
間を短縮化した超迅速処理のいずれにおいても同等の階
調の画像を得ることが可能なハロゲン化銀カラー写真感
光材料及びカラー画像形成方法に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の方法により達成された。 (1) 支持体上にそれぞれ少なくとも1層の、赤感性ハロ
ゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び青感性
ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感
光材料において、発色現像時間の異なる下記2種類の現
像処理A及び現像処理Bを実施したとき、該2種類の現
像処理によって得られるイエロー、マゼンタ及びシアン
の階調度が下記条件式を満足することを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。
【0011】 0.8≦γB (C)/γA (C)≦1.2 0.8≦γB (M)/γA (M)≦1.2 0.8≦γB (Y)/γA (Y)≦1.2
【0012】(γA (Y)、γA (M)、γA (C)は
それぞれ現像処理Aを実施したときのイエロー、マゼン
タ、シアンの階調度を表わし、γB (Y)、γ
B (M)、γB (C)はそれぞれ現像処理Bを実施した
ときのイエロー、マゼンタ、シアンの階調度を表わ
す。)
【0013】(現像処理A)発色現像時間が150〜2
00秒であり、発色現像液の温度が35〜40℃であ
り、発色現像主薬を10〜20ミリモル/リットル含有
しかつ、ハロゲン化銀溶剤を実質的に含有しない発色現
像液を使用し発色現像処理する現像処理。
【0014】(現像処理B)発色現像時間が25〜90
秒であり、発色現像液の温度が40〜60℃であり、発
色現像主薬を25〜80ミリモル/リットル含有しか
つ、チオ硫酸塩、メタンチオスルフォン酸塩、チオシア
ン酸塩、下記一般式(I)〜 (V)から選ばれるハロゲ
ン化銀溶剤を少なくとも1種含有する発色現像液を使用
し発色現像処理する現像処理。
【0015】一般式(I) L1 −(A−L2 n −B−L3 式中、L1 及びL3 は同一でも異なっていてもよく各々
アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、またはヘテロ環基を表し、L2 はアルキレン基、ア
リーレン基、アラルキレン基、ヘテロ環連結基またはそ
れらを組み合わせた連結基を表す。A及びBは同一でも
異なっていてもよく各々−S−、−O−、−NR−、−
CO−、−CS−、−SO2 −またはそれらを任意に組
み合わせた基を表す。nは1〜10の整数を表す。ただ
し、L1 及びL3 の少なくとも一つは−COOM基、−
OM基、−SO3 M基で置換されているものとする。M
は水素原子または対カチオンを表し、Rは水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基またはアルケニル
基を表す。ただし、A及びBの少なくとも一つは−S−
を表す。 一般式(II)
【0016】
【化6】
【0017】上記一般式(II)において、R11、R12
13およびR14は、それぞれ、水素原子、アルキル基ま
たはアルケニル基を表わす。 一般式(III)
【0018】
【化7】
【0019】式中、R21、R22はアルキル基、シクロア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル
基、アリール基またはヘテロ環基を表わす。ただしR22
は水素原子であってもよい。Yは−O−、−S−、−N
(R23)−を表わし、R23はアルキル基、シクロアルキ
ニル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘ
テロ環基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基またはスルファモイルアミノ基を表わ
す。R21とR22、R22とR23はそれぞれ互いに結合して
環を形成してもよい。 一般式(IV)
【0020】
【化8】
【0021】式中、Q41は5または6員の複素環を形成
するのに必要な非金属原子群を表わす。尚、この複素環
は炭素芳香環または複素芳香環と縮合していてもよい。
41は、単結合、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水
素基、二価の複素環基又はこれらの組合せた連結基を表
わす。R41はカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸も
しくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基ま
たはアンモニウム塩を表わす。qは1〜3の整数を表わ
し、M41は水素原子またはカチオンを表わす。 一般式(V)
【0022】
【化9】
【0023】式中、X51及びY51は脂肪族基、芳香族炭
化水素基、複素環基、−N(R51)R52、−N(R53)
N(R54) R55、−OR56、又は−SR57を表わす。
尚、X51とY51は環を形成してもよいが、エノール化す
ることはない。ただし、X51及びY51のうち少なくとも
一つはカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくは
その塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基またはア
ンモニウム基、水酸基の少なくとも1つで置換されてい
るものとする。R51、R52、R53、R54及びR55は水素
原子、脂肪族基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表
し、R56及びR57は水素原子、カチオン、脂肪族基、芳
香族炭化水素基又は複素環基を表わす。
【0024】本願明細書において、脂肪族基、芳香族炭
化水素基、複素環基は、別段の断りがないかぎり、以下
の通りである。脂肪族基とは、置換もしくは無置換の、
直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換もしくは無
置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル
基を表わす。二価の脂肪族基とは、これらの脂肪族基の
二価のもので、置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしく
は環状のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニ
レン基、置換もしくは無置換のアルキニレン基を表わ
す。脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、イソプロピル基、2−ヒドロキシプロピ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、ビニル基、プロペニル
基、ブテニル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げら
れる。芳香族炭化水素基とは、置換もしくは無置換の、
単環であっても更に芳香環や複素環と縮環していてもよ
いアリール基を表わす。二価の芳香族炭化水素基とは、
置換もしくは無置換の、単環であっても更に芳香環や複
素環と縮環していてもよいアリーレン基を表わす。芳香
族炭化水素基としては、フェニル基、2−クロロフェニ
ル基、3−メトキシフェニル基、ナフチル基などが挙げ
られる。複素環基とは、ヘテロ原子として、窒素原子、
酸素原子または硫黄原子を少なくとも一つ有する、3〜
10員環の、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは無置
換の、単環であっても更に芳香環や複素環と縮環してい
てもよい、複素環基を表わす。複素環としては、ピロー
ル環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピ
ラジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、チアジアゾ
ール環、オキサジアゾール環、キノキサリン環、テトラ
ゾール環、チアゾール環、オキサゾール環等が挙げられ
る。
【0025】また、本明細書における各基は別段の断り
の無いかぎり置換されていてもよく、それらが有しても
よい置換基としては、例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリ
ール基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、アシル
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ニ
トロ基、ヒドロキサム酸基、複素環基等が挙げられる。
【0026】(2) 該赤感性ハロゲン化銀乳剤層の平均沃
化銀含有率が0.1〜10モル%であるハロゲン化銀乳
剤を含有することを特徴とする上記(1) に記載のハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料。
【0027】(3) 該ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有
率が0.5〜5.0モル%であることを特徴とする上記
(2) に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0028】(4) 該ハロゲン化銀乳剤の平均アスペクト
比が5〜10であることを特徴とする上記(2) に記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0029】(5) 赤感性ハロゲン化銀乳剤層が高感度、
中感度及び低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層の3層から
成り、該中感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層が該ハロゲン
化銀乳剤を含有することを特徴とする上記(2) 〜(4) の
いずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料。
【0030】(6) 該支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤層
の反対側に透明磁気記録層を有することを特徴とする上
記(1) 〜(5) のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料。
【0031】(7) 該2種類の現像処理A及びBが各々下
記現像処理A′及びB′であることを特徴とする上記
(1) 〜(6) のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー
写真感光材料。
【0032】(現像処理A′)発色現像時間が3分〜3
分15秒であり、発色現像液の温度が37〜39℃であ
り、発色現像主薬として2−メチル−4−〔N−エチル
−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリンを1
5〜20ミリモル/リットル含有しかつ、ハロゲン化銀
溶剤を実質的に含有しない発色現像液を使用し発色現像
処理する現像処理。
【0033】(現像処理B′)発色現像時間が50〜7
0秒であり、発色現像液の温度が43〜47℃であり、
発色現像主薬として2−メチル−4−〔N−エチル−N
−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリンを35〜
40ミリモル/リットル含有しかつ、下記ハロゲン化銀
溶剤(III−3)を0.8〜3ミリモル/リットル含有す
る発色現像液を使用し発色現像処理する現像処理。
【0034】
【化10】
【0035】(8) 上記(1) 〜(7) のいずれか1項に記載
のハロゲン化銀カラー写真感光材料について、上記(1)
に記載の現像処理Aまたは該現像処理Bを実施すること
によりカラー画像を形成することを特徴とするカラー画
像形成方法。
【0036】本発明の感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層のそ
れぞれ少なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲ
ン化銀乳剤層および非感光性層の層数に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層から成る感色性層を少なくとも2つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性
層、緑感色性層、青感色性層の順に設置される。これら
の感色性乳剤層を含む親水性コロイド層全体を「感光
層」と呼ぶ。好ましい各層の最大分光感度波長は、例え
ば青感性層が420〜480nm、緑感性層が520〜5
80nm、赤感性層が520〜580nmにあることがあげ
られる。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上
層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けても
よい。該中間層には、特開昭61−43748号、同5
9−113438号、同59−113440号、同61
−20037号、同61−20038号明細書に記載さ
れるようなカプラー、DIR化合物等が含まれていても
よく、通常用いられるように混色防止剤を含んでいても
よい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳
剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは英国
特許第923,045号に記載されるように高感度乳剤
層、低感度乳剤層の2層構成を好ましく用いることがで
きる。通常は、支持体に向かって順次感光度が低くなる
様に配列するのが好ましく、また各ハロゲン乳剤層の間
には非感光性層が設けられていてもよい。また、特開昭
57−112751号、同62−200350号、同6
2−206541号、同62−206543号等に記載
されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、
支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。具体
例として支持体から最も遠い側から、低感度青感光性層
(BL)/高感度青感光性層(BH)/高感度緑感光性
層(GH)/低感度緑感光性層(GL)/高感度赤感光
性層(RH)/低感度赤感光性層(RL)/の順、また
はBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、またはB
H/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置するこ
とができる。また特公昭49−15495号公報に記載
されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀
乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳
剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀
乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低めら
れた感光度の異なる3層から構成される配列が好ましい
例として挙げられる。このような感光度の異なる3層か
ら構成される場合でも、特開昭59−202464号明
細書に記載されているように、同一感色性層中において
支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/
低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その他、高感度
乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度
乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層などの順に配置さ
れていてもよい。また、4層以上の場合にも、上記の如
く配列を変えてもよい。色再現性を改良するために、米
国特許第4,663,271号、同第4,705,74
4号、同第4,707,436号、特開昭62−160
448号、同63−89850号の明細書に記載の、B
L、GL、RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる
重層効果のドナー層(CL)を主感光層に隣接もしくは
近接して配置することが好ましい。上記のように、それ
ぞれの感光材料の目的に応じて種々の層構成・配列を選
択することができる。
【0037】本発明における階調度は以下のようにして
求められる。まず、標準白色光源(黒体放射の4800
°Kのエネルギー分布を有する光源)で試験感光材料を
ウエッジ露光し、指定した現像処理を行った後、赤、
緑、青フィルターを通して、シアン、マゼンタ、イエロ
ーの吸収濃度を測定し特性曲線を求める。得られた特性
曲線から、露光量の対数(横軸)に対して、シアン、マ
ゼンタ、イエローの吸収濃度がカブリ+0.2、+0.
5、+1.0、+1.5、+2.0の点をそれぞれプロ
ットし、これらの点を最小自乗法で直線近似した後、横
軸からの角度θに対する tanθをその感光材料の階調度
γと定義し、シアン、マゼンタ、イエローのγをそれぞ
れγ(C)、γ(M)、γ(Y)とした。
【0038】本発明の感光材料は、本発明の現像処理A
を実施した後のシアン、マゼンタ及びイエローの階調度
γA (C)、γA (M)、γA (Y)と、本発明の現像
処理Bを実施した後の階調度γB (C)、γB (M)、
γB (Y)が、下記の条件式を満たす。
【0039】 0.8≦γB (C)/γA (C)≦1.2 0.8≦γB (M)/γA (M)≦1.2 0.8≦γB (Y)/γA (Y)≦1.2
【0040】さらに好ましくは 0.9≦γB (C)/γA (C)≦1.1 0.9≦γB (M)/γA (M)≦1.1 0.9≦γB (Y)/γA (Y)≦1.1 の条件式を満たす。
【0041】この条件を満たさない場合には、現像処理
AまたはBの少なくとも一方の処理で現像したカラーネ
ガから得られるプリントの色味が崩れてしまい、鑑賞に
耐えうる色再現が得られない。
【0042】本発明において、γA (C)、γ
A (M)、γA (Y)、γB (C)、γB (M)、γB
(Y)はそれぞれ0.50〜1.00であることが好ま
しく、0.60〜0.90であることがより好ましく、
0.65〜0.80であることが特に好ましい。
【0043】本発明においては、プリントを供するカラ
ーペーパーとしては市販されているいずれも使うことが
出来る。カラーペーパーの好ましい階調度は測色濃度で
約2.7±0.1である。(測色濃度については、日本
写真学会編「写真工学の基礎」銀塩写真編、387頁参
照)
【0044】次に本発明の赤感性乳剤層に用いるハロゲ
ン化銀乳剤について詳細に説明する。本発明のハロゲン
化銀乳剤は沃臭化銀または沃塩臭化銀であり、好ましく
は沃臭化銀である。その平均沃化銀含有率は、好ましく
は0.1〜10モル%でありより好ましくは0.5〜
5.0モル%であり、最も好ましくは1.0〜3.0モ
ル%である。
【0045】平均沃化銀含有率が0.1モル%未満であ
ると、満足のゆく感光度が得られず、一方、10モル%
より大きいとハロゲン化銀溶剤による現像促進効果が小
さくなり、30モル%以上を越えるとほとんど効果が見
られなくなる。
【0046】本発明のハロゲン化銀粒子は、赤感性乳剤
層が高感度、中感度及び低感度の3層から成る層構成の
感光材料に用いられることが好ましく、どの赤感性乳剤
層に用いることもできるが、特に、中感度の層に用いる
のが好ましく、中感度及び低感度の層に用いるのが最も
好ましい。
【0047】ハロゲン化銀溶剤により現像促進させると
いう点から、本発明のハロゲン化銀粒子は、平板状であ
ることが好ましい。本発明に使用する平板状ハロゲン化
銀乳剤において、アスペクト比とはハロゲン化銀粒子に
おける厚みに対する直径の比を意味する。ここで直径と
は、ハロゲン化銀乳剤を顕微鏡又は電子顕微鏡で観察し
たとき、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径
を指すものとす。従って、アスペクト比が2以上である
とは、この円の直径が粒子の厚みに対して2倍以上であ
ることを意味する。
【0048】本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子において、粒子径は粒子厚さの2
倍以上であるが、好ましくは3〜20倍、より好ましく
は4〜15倍、特に好ましくは5〜10倍である。ま
た、全ハロゲン化銀粒子の投影面積における平板状ハロ
ゲン化銀粒子の占める割合は50%以上であるが、好ま
しくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
【0049】また、平板状ハロゲン化銀粒子の径として
は、0.02〜20μm 、好ましくは0.3〜10.0
μm であり、特に好ましくは0.4〜5.0μm であ
る。粒子の厚みとしては、好ましくは0.5μm 以下で
ある。ここで平板状ハロゲン化銀粒子径とは、粒子の投
影面積に等しい面積の円の直径をいう。また、粒子の厚
みとは、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行
な面の間の距離で表わされる。
【0050】本発明において、より好ましい平板状ハロ
ゲン化銀粒子は、粒子直径が0.3μm 以上10.0μ
m 以下で、粒子厚さが0.3μm 以下であり、且つ平均
(直径/厚さ)が5以上10以下である。これ以上にな
ると感光材料を折り曲げたり、固く巻き込んだり、ある
いは鋭利な物に触れた時に写真性能に異常が出ることが
あり好ましくない。さらに好ましくは粒子直径が0.4
μm 以上5.0μm 以下で、平均(直径/厚さ)が5以
上の粒子が全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の85%以
上を占めるハロゲン化銀乳剤の場合である。
【0051】本発明で使用する平板状のハロゲン化銀乳
剤は、Cugnac, Chatean の報告や、Duffin著 "Photogra
phic Emulsion Chemistry"(Focal Press刊、New York 1
966年) 66頁〜72頁、及び A.P.H.Trivelli, W.F.Smith
編 "Phot. Journal" 80(1940年)285頁に記載されている
が、特開昭58−113927号、同58−11392
8号、同58−127921号に記載された方法等を参
照すれば容易に調製することができる。
【0052】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
により化学増感することができる。化学増感のために例
えば、H.Frieser 編 "Die Grundlagen der Photographi
schen Prozesse mit Silberhalogeniden" (Akademische
Verlagsgesellschaft. 1968年)675頁〜 735頁に記載の
方法を用いることができる。
【0053】すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る
カルコゲンを含む化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素
類、メルカプト化合物類、ローダニン類、セレノ尿素
類、フォスフィンセレニド類、フォスフィンテルリド類
など)を用いるカルコゲン増感法;還元性物質(例えば
第一錫塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジ
ンスルフィン酸、シラン化合物)を用いる還元増感法;
貴金属化合物(例えば金錯塩の他、Pt、Ir、Pd等
の周期律表第VIII族の金属の錯塩)を用いる貴金属増感
法などを単独又は組み合わせて用いることができる。
【0054】これらの具体例はカルコゲン増感法につい
ては米国特許第1,574,944号、同第2,27
8,947号、同第2,410,689号、同第2,7
28,668号、同第3,656,955号等、還元増
感法については、米国特許第2,419,974号、同
第2,983,609号、同第4,054,458号
等、貴金属増感法については米国特許第2,399,0
83号、同第2,448,060号、英国特許第61
8,061号等の各明細書に記載されている。特に省銀
の観点から、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は金増感
又はカルコゲン増感、或いはこれらの併用が好ましい。
【0055】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
に応じてメチン色素類その他によって分光増感すること
ができる。また、前述した鮮鋭度の向上の他に分光速度
が高いことも本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の特長で
ある。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホ
ロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル
色素及びヘミオキソノール色素が包含される。特に有用
な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合
メロシアニン色素に属する色素である。
【0056】有用な増感色素としては例えば、ドイツ特
許第929,080号、米国特許第2,493,748
号、同第2,503,776号、同第2,519,00
1号、同第2,912,329号、同第3,656,9
59号、同第3,672,897号、同第4,025,
349号、英国特許第1,242,588号、特公昭4
4−14030号に記載されたものを挙げることができ
る。
【0057】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同第2,97
7,229号、同第3,397,060号、同第3,5
22,052号、同第3,527,641号、同第3,
617,293号、同第3,628,964号、同第
3,666,480号、同第3,672,898号、同
第3,679,428号、同第3,814,609号、
同第4,026,707号、英国特許第1,344,2
81号、特公昭43−4936号、同53−12375
号、特開昭52−109925号、同52−11061
8号に記載されている。
【0058】本発明で使用する写真乳剤には、感光材料
の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止
し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化
合物を含有させることができる。すなわちアゾール類、
例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾイール
類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイ
ミダゾール類(特に、ニトロ−又はハロゲン置換体);
ヘテロ環メルカプト化合物、例えば、メルカプトチアゾ
ール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン類;カル
ボキシル基やスルホン基等の水溶性基を有する上記のヘ
テロ環メルカプト化合物類;例えばオキサドリンチオン
のようなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリ
アザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒド
ロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン
類);ベンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン
酸;等のようなカブリ防止剤または安定剤として知られ
た、多くの化合物を加えることができる。これらのさら
に詳しい具体例及びその使用方法については、例えば米
国特許第3,954,474号、同第3,982,94
7号、同第4,021,248号の各明細書、又は特公
昭52−28660号公報の記載を参考にすることがで
きる。
【0059】本発明の前記乳剤は単分散乳剤であること
が好ましい。本発明に関わる単分散乳剤とは、ハロゲン
化銀粒子の粒径に関する変動係数が0.25以下の粒径
分布を有する乳剤である。ここで変動係数とは粒径に関
する標準偏差を平均粒径で除した値である。すなわち、
個々の乳剤粒子の粒径がriであり、その数がniであると
き、平均粒径は、
【0060】平均粒径=Σrini/Σni
【0061】で定義され、その標準偏差は
【0062】標準偏差=Σ(ri−F)2 /Σni r:平均粒径
【0063】と定義される。本発明でいう個々の粒子径
とはハロゲン化銀乳剤をティ・エイチ・ジェームス(T.
H.James)ら著「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフ
ィック・プロセス」(The Theory of the Photographic
Process) 第3版36〜43頁、マクミラン社発行(1
966年)に記載されているような当業界でよく知られ
た方法(通常は電子顕微鏡撮影)で微小撮影した場合に
投影された面積に相当した投影面積相当直径である。こ
こでハロゲン化銀粒子の投影相当直径とは上述の著書に
示されているようにハロゲン化銀粒子の投影面積と等し
い円の直径で定義される。従ってハロゲン化銀粒子の形
状が球状以外(たとえば立方体、八面体、十四面体、平
板状、ジャガイモ状など)の場合も上述のように平均粒
径rおよびその偏差Sを求めることが可能である。
【0064】ハロゲン化銀粒子の粒径にかかわる変動係
数は0.25以下であるが、好ましくは0.20以下、
より好ましくは0.15以下である。
【0065】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開
昭63−151618号等に記載されている単分散六角
平板状ハロゲン化銀乳剤であることが特に好ましい。こ
こで六角平板状ハロゲン化銀粒子とは、その{1,1,
1}面の形状が六角形であり、隣辺比率が、2以下であ
ることを特徴としている。ここで隣辺比率とは、六角形
を形成する最小の長さを有する辺の長さに対する最大の
長さを有する辺の長さの比である。本発明の六角平板状
ハロゲン化銀粒子は、隣辺比率が2以下であれば、その
角が幾分丸みをおびていてもよい。角が丸みをおびてい
る場合の辺の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣接
する辺の直線部分を延長した線との交点の間の距離で表
わされる。本発明の六角平板状粒子の六角形を形成する
各辺は、その1/2以上が実質的に直線からなることが
好ましく、特に4/5以上が実質的に直線からなること
が好ましい。本発明において、隣辺比率は1〜1.5で
あることが好ましい。
【0066】本発明の六角平板状ハロゲン化銀乳剤は、
分散媒とハロゲン化銀粒子とからなり該ハロゲン化銀粒
子の全投影面積の50%以上、好ましくは70%以上よ
り好ましくは、90%以上が上記六角平板状ハロゲン化
銀粒子によって占められている。
【0067】沃化銀の粒子内分布は、粒子全体に均一で
あってもよいし、粒子内部と表面層とで沃化銀含量が異
なってもよいし、また、粒子内部に異なった沃化銀含量
の層がいくつもある、いわゆる多重構造であってもよ
い。
【0068】六角平板状ハロゲン化銀乳剤の製造法は、
米国特許第4,797,354号を参考にすることがで
きる。単分散六角平板状ハロゲン化銀乳剤の作り方とし
ては、製造工程を核形成、オストワルド熟成及び粒子成
長の過程に分ける。核形成時には、pBrを1.0〜
2.5に保ち、できるだけ平行な双晶面をもつ核(平板
粒子核)を多くつくるような過飽和条件(温度、ゼラチ
ン濃度、銀塩水溶液と、ハロゲン化アルカリ水溶液の添
加速度、pBr、ヨードイオン含量、攪拌回転数、p
H、ハロゲン化銀溶剤量、塩濃度など)で核形成を行
う。オストワルド熟成時には、核形成時に形成された平
板粒子核以外の粒子を消滅せしめ、平板粒子核のみを成
長させかつ単分散性の良い核にするために温度、pB
r、pH、ゼラチン濃度、ハロゲン化銀溶剤量などを調
節する。粒子成長時にはpBr及び添加する銀イオン量
とハロゲンイオン量を調節することによって所望のアス
ペクト比と粒子サイズをもつ六角平板状ハロゲン化銀粒
子を得ることができる。粒子成長時は、銀イオン及びハ
ロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長速度の30〜1
00%にすることが好ましい。
【0069】本発明の前記乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
個数の50%が1粒子当たり10本以上の転位を含むこ
とが好ましい。平均粒子の転位は、たとえば J.F.Hamil
ton, Phot.Sci.Eng., 11, 57(1967)やT.Shiozawa, J.So
c.Phot.Sci Japan, 35, 213(1972) に記載の、低温での
透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察する
ことができる。すなわち、乳剤から粒子に転位が発生す
るほどの圧力をかけないよう注意して取り出したハロゲ
ン化銀粒子を、電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電
子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料
を冷却した状態で透過法により観察を行う。このとき、
粒子の厚みが厚いほど、電子線が透過しにくくなるの
で、高圧型(0.25μm の厚さの粒子に対して200
KV)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察すること
ができる。このような方法によって得られた粒子の写真
から、主平面に対して垂直方向から見た場合の各粒子に
ついての転位の位置及び数を用いることができる。
【0070】本発明の平板粒子の転位の位置は、平板粒
子の長軸方向の中心から辺までの長さのx%の距離から
辺にかけて発生している。このxの値は、好ましくは1
0≦x<100であり、より好ましくは30≦x<98
であり、さらに好ましくは50≦x<95である。この
とき、この転位の開始する位置を結んで作られる形状
は、粒子形と相似に近いが、完全な相似形でなくゆがむ
ことがある。転移線の方向は、略中心から辺に向かう方
向であるが、しばしば蛇行している。本発明の平板粒子
の転位の数については、10本以上の転位を含む粒子が
50個数%以上存在することが好ましい。さらに好まし
くは、10本以上の転位を含む粒子が80個数%以上、
特に、20本以上の転位を含む粒子が80個数%以上存
在するものが好ましい。
【0071】さらに、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子
で好ましく用いられるハロゲン化銀粒子の50個数%以
上が1粒子当たり10本以上の転位を含むハロゲン化銀
粒子においては、ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含有
率の相対標準偏差が30%以下であることが特に好まし
く、さらに好ましくは20%以下が好ましい。個々の乳
剤粒子の沃化銀含有率は、例えばX線マイクロ・アナラ
イザーを用いて、一個一個の粒子の組成を分析すること
によって測定できる。ここで「個々の粒子の沃化銀含有
率の相対標準偏差」とは、例えばX線マイクロ・アナラ
イザーにより少なくとも100個の乳剤粒子の沃化銀含
有率を測定した際の沃化銀含有率の標準偏差を平均沃化
銀含有率で除した値に100を乗じて得られる値であ
る。個々の乳剤粒子の沃化銀含有率測定の具体的方法
は、例えば、欧州特許第147,868A号に記載され
ている。
【0072】個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差
が大きいと、個々の粒子の化学増感の適点が異なり、す
べての乳剤粒子の性能を引き出すことが不可能になり、
また転位の数の粒子間の相対標準偏差も大きくなる傾向
にある。個々の粒子の沃化銀含有率Yi(モル%)と各
粒子の球相当直径Xi(ミクロン)の間には、相関があ
る場合とない場合があるが、相関がないことが望まし
い。
【0073】平板粒子のハロゲン組成に関する構造につ
いては、X線回折、EPMA(XMAという名称もあ
る)法(電子線でハロゲン化銀粒子を走査して、ハロゲ
ン化銀組成を検出する方法)、ESCA(XPSという
名称もある)法(X線を照射し粒子表面から出てくる光
電子を分光する方法)などを組み合わせることにより確
認できる。本発明において粒子表面とは、表面より50
A程度の深さまでの領域をいう。このような領域のハロ
ゲン組成は、通常ESCA法により測定することができ
る。粒子内部とは、上記の表面領域以外の領域をいう。
【0074】前記の転位線を有する平板状粒子よりなる
乳剤は、特開昭63−220238号、特願平2−31
0862号に記載されている方法に基づいて調製するこ
とができる。また本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子サ
イズ分布が狭いことが好ましく、核形成−オストワルド
熟成及び粒子成長の段階を経て調製する特願昭63−1
51618号に記載されている方法を好ましく用いるこ
とができる。しかしながら、乳剤の個々の粒子の沃化銀
含有率は、特に緻密な制御をしないと不均一になりがち
であった。
【0075】乳剤の個々の粒子の沃化銀含有率を均一に
するために、まず、オストワルド熟成後の粒子のサイズ
と形状をできるだけ均一にすることが肝要である。さら
に成長段階において、硝酸銀水溶液とアルカリ・ハライ
ド水溶液を、pAgを6.0から10.0の範囲で一定
に保ちつつ、ダブル・ジェット法で添加し、特に均一な
被覆を行うためには、添加中の溶液の過飽和度は高い方
が好ましい。例えば米国特許第4,242,445号に
記載されているような方法で、結晶の成長速度が結晶臨
界成長速度の30〜100%になるような比較的高い過
飽和度で添加を行うことが望ましい。
【0076】本発明の平板粒子の転位は粒子の内部に特
定の高ヨード相を設けることによってコントロールする
ことができる。具体的には基板粒子を調製し、次に高ヨ
ード相を設け、その外側を高ヨード相よりヨード含有率
の低い相でカバーすることによって得られる。ここで、
個々の粒子の沃化銀含有率を均一にするために、上記高
ヨード相の形成条件を適切に選択することが重要であ
る。
【0077】この内部高ヨード相は、基板の平板粒子の
平面に均一に沈着したものではなく、むしろ局在的に存
在させることが重要である。このような局在化は、平板
の主平面上、側面上、辺上、角上のいずれの場所で起っ
てもよい。さらに、内部高ヨード相を、そのような部位
に選択的にエピタキシャルに配位していても良い。この
ための方法として、沃化物塩を単独に添加する、いわゆ
るコンバージョン法や例えば特開昭59−133540
号、特開昭58−108526号、特開昭59−162
540号に記載されているようなエピタキシャル接合法
を用いることができる。その時に以下のような条件を選
択することが、個々の粒子の沃化銀含有率を均一にする
ために有効である。すなわち、沃化物塩添加時のpAg
は8.5〜10.5の範囲が好ましく、9.0〜10.
5の範囲が特に好ましい。温度は、50℃〜30℃の範
囲に保つことが好ましい。沃化物塩の添加は、十分に攪
拌された条件下で全銀量に対し1モル%以上の沃化物塩
を30秒から5分間にわたって添加することが好まし
い。
【0078】種々の化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程
で存在せしめることによって、ハロゲン化銀粒子の性質
をコントロールできる。このような化合物は、反応器中
に最初に存在せしめても良い。また、常法に従って、1
もしくは2以上の塩を加えると共に添加することもでき
る。米国特許第2,448,060号、同2,628,
167号、同3,737,313号、同3,772,0
31号、並びにリサーチ・ディスクロージャー、134
巻、1975年6月、13452に記載されるように、
銅、イリジウム、鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛(例
えば、硫黄、セレン及びテルルのカルコゲン化合物)、
金および第VII 属貴金属の化合物のような化合物をハロ
ゲン化銀沈殿生成過程で存在せしめることによって、ハ
ロゲン化銀の特性をコントロールできる。特公昭58−
1410号、モイザー(Moisar)ら著、ジャーナル・オ
ブ・フォトグラフィック・サイエンス、25巻、197
7、19−27頁に記載されるように、ハロゲン化銀乳
剤は沈殿生成過程において粒子の内部を還元増感するこ
とができる。
【0079】本発明に用いられる平板粒子においては、
エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀
が接合されていてもよく、また、例えばロダン銀、酸化
鉛のハロゲン化銀以外の化合物と接合されていても良
い。これらの乳剤粒子は、例えば、米国特許第4,09
4,684号、同4,142,900号、同4,45
9,353号、英国特許第2,038,792号、米国
特許第4,349,622号、同4,395,478
号、同4,433,501号、同4,463,087
号、同3,656,962号、同3,852,067
号、特開昭59−162540号に開示されている。
【0080】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
化学的に増感されている。化学増感は、上記ハロゲン化
銀乳剤形成後に行われるが、ハロゲン化銀乳剤形成後、
化学増感を行う間に、前記乳剤を水洗してもよい。化学
増感については、リサーチ・ディスクロージャー、No.
17643(1978年12月:23頁)及び同No. 1
8716(1979年11月:648頁右欄)に記載さ
れており、pAg5〜10、pH5〜8及び温度30〜
80℃において硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラ
ジウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組み合
わせを用いて行うことができる。
【0081】また、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤
は、分光増感色素の存在下で化学増感されることが好ま
しい。分光増感色素の存在下で化学増感する方法は、例
えば米国特許第4,425,426号、同4,442,
201号、特開昭59−9658号、同61−1031
49号、同61−133941号などに記載されてい
る。用いられる分光増感色素としては通常ハロゲン化銀
写真感光材料に用いられる分光増感色素であればいかな
るものでもよく、その分光増感色素は、リサーチ・ディ
スクロージャー、No. 17643の23〜24頁及びN
o. 18716の648頁右欄〜649頁右欄に記載さ
れている。分光増感色素は一種類でも数種類混ぜて使用
してもよい。
【0082】分光増感色素を添加する時期は、化学増感
の開始前(粒子形成時、粒子形成終了時、水洗後)、化
学増感の途中及び化学増感終了時のいずれの時期でもよ
いが粒子形成終了後化学増感の開始前又は化学増感の終
了時が好ましい。添加される分光増感色素の量は、任意
であるが飽和吸着量の30〜100%が好ましく、より
好ましくは50〜90%である。
【0083】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、通常
分光増感されている。用いられる分光増感色素としては
上記と同様上記の2つのリサーチ・ディスクロージャー
に記載されている。上述のように化学増感時に分光増感
色素を存在させた乳剤は、分光増感するために、同種又
は別種の色素をさらに追加で添加してもよいし、しなく
てもよい。
【0084】本発明の乳剤は感光性乳剤層に単独で用い
てもよいし、平均粒子サイズの異なる2種以上の乳剤を
併用するようにしてもよい。2種以上の乳剤を用いる場
合、異なる層に用いてもよいが、同一感光層に混合して
用いるのが好ましい。また、2種以上の乳剤を用いる場
合、本発明で規定する平均アスペクト比の乳剤とそうで
ないものとを用いてもよい。上記のように、乳剤を混合
して用いることは、階調コントロール、低露光量領域か
ら高露光量領域すべてにわたる粒状性のコントロール、
及び発色現像依存性(時間及び発色現像主薬・亜硫酸ナ
トリウム塩等の現像液内組成依存性、pH(依存性)の
コントロールなどの観点から好ましい。また本発明の乳
剤は特開昭60−143332号、同60−25403
2号に記載されている、粒子間の沃化銀含有率の相対標
準偏差が20%以下であることが特に好ましい。
【0085】本発明で併用される写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は約30モル%
以下のヨウ化銀を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もし
くはヨウ塩臭化銀である。特に好ましいのは約2モル%
から約10モル%までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もし
くはヨウ塩臭化銀である。写真乳剤中のハロゲン化銀粒
子は、立方体、八面体、十四面体のような規則的な結晶
を有するもの、球状、板状のような規則的な結晶形を有
するもの、双晶面などの結晶欠陥を有するもの、あるい
はそれらの複合形でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約
0.2μm以下の微粒子でも投影面積直径が約10μm
に至るまでの大サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単
分散乳剤でもよい。本発明に使用できるハロゲン化銀写
真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(R
D)No.17643(1978年12月)、22〜23
頁、“I.乳剤製造(Emulsion prepar
ation and types)”、および同No.1
8716(1979年11月)648頁、同No.307
105(1989年11月)、863〜865頁、およ
びグラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル
社刊(P.Glafkides,Chemie etP
hisique Photographique,Pa
ul Montel,1967)、ダフィン著「写真乳
剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F.Duffi
n,Photographic Emulsion C
hemistry(Focal Press,196
6))、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フ
ォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et
al.,Making and Coating P
hotographic Emulsion,Foca
l Press,1964)などに記載された方法を用
いて調製することができる。
【0086】米国特許第3,574,628号、同3,
655,394号および英国特許第1,413,748
号などに記載された単分散乳剤も好ましい。結晶構造は
一様なものでも、内部と外部とが異質なハロゲン組成か
らなるものでもよく、層状構造をなしていてもよい、ま
た、エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン
化銀が接合されていてもよく、また例えばロダン銀、酸
化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されていて
もよい。また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよ
い。上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜
像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも表面と内
部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよいが、ネ
ガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像型のう
ち、特開昭63−264740号に記載のコア/シェル
型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シェル型
内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13354
2号に記載されている。この乳剤のシェルの厚みは、現
像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ましく、
5〜20nmが特に好ましい。
【0087】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。このよ
うな工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロー
ジャーNo.17643、同No.18716および同No.
307105に記載されており、その該当箇所を後掲の
表にまとめた。本発明の感光材料には、感光性ハロゲン
化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組
成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる
2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用すること
ができる。米国特許第4,082,553号に記載の粒
子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第4,
626,498号、特開昭59−214852号に記載
の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイド銀
を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的に非
感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。粒子
内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀乳剤とは、感
光材料の未露光部および露光部を問わず一様に(非像様
に)現像が可能となるハロゲン化銀乳剤のことをいう。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子の調
製法は、米国特許第4,626,498号、特開昭59
−214852号に記載されている。粒子内部がかぶら
されたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成
するハロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をもつもので
も異なるハロゲン組成をもつものでもよい。粒子内部ま
たは表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、
塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いるこ
とができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の
粒子サイズには特別な限定はないが、平均粒子サイズと
して0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.6μ
mが好ましい。また、粒子形状については特に限定はな
く、規則的な粒子でもよく、また、多分散乳剤でもよい
が、単分散(ハロゲン化銀粒子の重量または粒子数の少
なくとも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を
有するもの)であることが好ましい。
【0088】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が0〜100モル%であり、必要に応じて塩化銀
および/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃
化銀を0.5〜10モル%含有するものである。微粒子
ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平
均値)が0.01〜0.5μmが好ましく、0.02〜
2μmがより好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の
感光性ハロゲン化銀と同様の方法で調製できる。この場
合、ハロゲン化銀粒子の表面は、光学的に増感される必
要はなく、また分光増感も不要である。ただし、これを
塗布液に添加するのに先立ち、あらかじめトリアゾール
系、アザインデン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくは
メルカプト系化合物または亜鉛化合物などの公知の安定
剤を添加しておくことが好ましい。この微粒子ハロゲン
化銀粒子含有層に、コロイド銀を好ましく含有させるこ
とができる。本発明の感光材料の塗布銀量は、8.0g
/m2 以下が好ましく、6.0g/m2 以下が最も好ま
しい。
【0089】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866 頁 2.感度上昇剤 648 頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 866 〜868 頁 強色増感剤 649 頁右欄 4.増白剤 24頁 647 頁右欄 868 頁 5.かぶり防止剤 24〜25頁 649 頁右欄 868 〜870 頁 安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 873 頁 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650 頁左欄〜 872 頁 右欄 8.色素画像安定剤 25頁 650 頁左欄 872 頁 9.硬膜剤 26頁 651 頁左欄 874 〜875 頁 10.バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 11.可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 876 頁 12.塗布助剤、 26〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 13.スタチック 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 14.マット剤 878 〜879 頁
【0090】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許4,411,98
7号や同第4,435,503号に記載されたホルムア
ルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料に
添加することが好ましい。本発明の感光材料に、米国特
許4,740,454号、同第4,788,132号、
特開昭62−18539号、特開平1−283551号
に記載のメルカプト化合物を含有させることが好まし
い。本発明の感光材料に、特開平1−106052号に
記載の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係
にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそ
れらの前駆体を放出する化合物を含有させることが好ま
しい。本発明の感光材料に、国際公開WO88/047
94号、特表平1−502912号に記載された方法で
分散された染料またはEP317,308A号、米国特
許4,420,555号、特開平1−259358号に
記載の染料を含有させることが好ましい。本発明には種
々のカラーカプラーを使用することができ、その具体例
は前出のリサーチ・ディスクロージャーNo.1764
3、VII −C〜G、および同No.307105、VII −
C〜Gに記載された特許に記載されている。イエローカ
プラーとしては、例えば米国特許第3,933,501
号、同第4,022,620号、同第4,326,02
4号、同第4,401,752号、同第4,248,9
61号、特公昭58−10739号、英国特許第1,4
25,020号、同第1,476,760号、米国特許
第3,973,968号、同第4,314,023号、
同第4,511,649号、欧州特許第249,473
A号、等に記載のものが好ましい。
【0091】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号等に記載のものが特に好
ましい。本発明に使用できるシアンカプラーとしては、
フェノール系及びナフトール系カプラーが挙げられ、米
国特許第4,052,212号、同第4,146,39
6号、同第4,228,233号、同第4,296,2
00号、同第2,369,929号、同第2,801,
171号、同第2,772,162号、同第2,89
5,826号、同第3,772,002号、同第3,7
58,308号、同第4,334,011号、同第4,
327,173号、西独特許公開第3,329,729
号、欧州特許第121,365A号、同第249,45
3A号、米国特許第3,446,622号、同第4,3
33,999号、同第4,775,616号、同第4,
451,559号、同第4,427,767号、同第
4,690,889号、同第4,254,212号、同
第4,296,199号、特開昭61−42658号等
に記載のカプラーが好ましい。さらに、特開昭64−5
53号、同64−554号、同64−555号、同64
−556に記載のピラゾロアゾール系カプラーや、米国
特許第4,818,672号に記載のイミダゾール系カ
プラーも使用することができる。ポリマー化された色素
形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,82
0号、同第4,080,211号、同第4,367,2
82号、同第4,409,320号、同第4,576,
910号、英国特許2,102,137号、欧州特許第
341,188A号等に記載されている。
【0092】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII −G項、同No.307105のVII −
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。カップリ
ングに伴って写真的に有用な残基を放出する化合物もま
た本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤を放出する
DIRカプラーは、前述のRD17643、VII −F項
及び同No.307105、VII −F項に記載された特
許、特開昭57−151944号、同57−15423
4号、同60−184248号、同63−37346
号、同63−37350号、米国特許4,248,96
2号、同4,782,012号に記載されたものが好ま
しい。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放
出するカプラーとしては、英国特許第2,097,14
0号、同第2,131,188号、特開昭59−157
638号、同59−170840号に記載のものが好ま
しい。また、特開昭60−107029号、同60−2
52340号、特開平1−44940号、同1−456
87号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応によ
り、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放
出する化合物も好ましい。
【0093】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第
4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラ
ー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放
出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記
載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0094】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されている。水中油滴分散法に用い
られる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の
具体例としては、フタル酸エステル類(例えばジブチル
フタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス
(2,4−ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビス
(2,4−ジ−t−アミルフェニル)イソフタレート、
ビス(1,1−ジ−エチルプロピル)フタレート)、リ
ン酸またはホスホン酸のエステル類(例えばトリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチ
ルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシ
ルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェー
ト、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホ
スフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2
−エチルヘキシルフェニルホスホネート)、安息香酸エ
ステル類(例えば2−エチルヘキシルベンゾエート、ド
デシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロ
キシベンゾエート)、アミド類(例えばN,N−ジエチ
ルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、
N−テトラデシルピロリドン)、アルコール類またはフ
ェノール類(例えばイソステアリルアルコール、2,4
−ジ−tert−アミルフェノール)、脂肪族カルボン
酸エステル類(ビス(2−エチルヘキシル)セバケー
ト、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリブチレー
ト、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレー
ト)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキ
シ−5−tert−オクチルアニリン)、炭化水素類
(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフ
タレン)などが挙げられる。また補助溶剤としては、沸
点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以
下の有機溶剤などが使用でき、典型例としては酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテー
ト、ジメチルホルムアミドどが挙げられる。ラテックス
分散法の工程、効果および含浸用のラテックスの具体例
は、米国特許第4,199,363号、西独特許出願
(OLS)第2,541,274号および同第2,54
1,230号などに記載されている。
【0095】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチ
ル、p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−ク
ロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシエ
タノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好ま
しい。本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前
述のRD.No.17643の28頁、同No.18716
の647頁右欄から648頁左欄、および同No.307
105の879頁、発明協会公開技報94−6023号
に記載されている。支持体としては、好ましくは、トリ
アセテート支持体(TAC)、ポリエステル支持体、ポ
リエチレンナフタレート支持体などを挙げることができ
る。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性
コロイド層の膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好まし
く、20秒以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿
度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、10
〜25μmが好ましく、さらに好ましくは12〜22μ
m、特に好ましくは15〜20μmである。膜膨潤速度
1/2 は、当該技術分野において公知の手法に従って測
定することができる。例えばエー・グリーン(A.Gr
een)らによりフォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.E
ng.)、19巻、2号、124〜129頁に記載の型
のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定
でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処理し
た時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、
飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義する。
【0096】本発明のカラー写真感光材料の現像液中で
の膨潤率は、現像主薬の拡散を早める意味から2.3以
上であることが好ましい。更に好ましくは2.4以上4
以下である。特に好ましくは2.4以上3以下である。
あまり大きくし過ぎると拡散距離が長くなり現像は遅れ
る場合がある。本発明において、現像液中での膨潤率と
は、現像液中での膨潤後の膜厚(支持体に関して感光層
を有する側の写真層の膜厚)を乾燥膜厚で割った値を言
う。現像液中での膨潤膜厚の測定は、A.Green and G.I.
P. Levenso氏、J.Phot.Sci.,20、205(1972)
に記載の方法で行うことができる。即ち38℃.保温し
た現像液中における膨潤膜厚の平衡値から求めることが
できる。現像液としては、例えば実施例に記載した処方
を用いることができる。本発明で定義する膨潤率の測定
には、現像液Aを用いるものとする。膜膨潤速度T1/2
及び膨潤率は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を
加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることに
よって調整することができる。
【0097】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有
させることが好ましい。このバック層の膨潤率は2.5
〜6.0が好ましい。本発明のハロゲン化銀カラー写真
感光材料は、特公平2−32615号、実公平3−39
784号などに記載されているレンズ付きフイルムユニ
ットに適用した場合に、より効果を発現しやすく有効で
ある。
【0098】又、本発明は、バック層に透明磁気記録層
を有するハロゲン化銀写真感光材料についても適応でき
る。従来、ハロゲン化銀写真感光材料においては、撮影
時やプリント時に画像情報を提供するのみであったが、
特開平4−68336や、特開平4−73737に開示
されているように、感材に透明磁気記録層を全面に付与
することにより、画像以外に、撮影の日時、天候、縮小
/拡大比などの撮影条件、再プリント枚数、ズームした
い箇所、メッセージ、および、現像、プリント条件など
を感材に入力でき、またテレビ/ビデオなどの映像機器
への入力も可能となる。その際には帯電によるほこりの
影響を取り除いたり、フィルムの滑り性を良くしたり、
支持体を含むカールの影響をなくすことが望まれる。
【0099】本発明で用いられる透明磁気記録層につい
て記す。本発明で用いられる磁性粒子は、γFe2 3
などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2 3 、Co被着
マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化ク
ロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェラ
イト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライ
トなどを使用できる。Co被着γFe2 3 などのCo
被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒
状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積
ではSBET で20m2/g以上が好ましく、30m2/g以
上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好
ましくは400〜3000 Oe であり、特に好ましくは
600〜3000 Oe である。強磁性体粒子を、シリカ
および/またはアルミナや有機の素材による表面処理を
施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161
032号に記載された如くその表面にシランカップリン
グ剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。又
特開平4−259911号、同5−81652号記載の
表面に無機、有機物を被覆した磁気材料も使用できる。
【0100】次に磁性粒子に用いられるバインダーは、
特開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカ
リ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘
導体、糖誘導体など)および混合物を使用することがで
きる。上記樹脂のTgは−40℃〜300℃、重量平均
分子量は0.2万〜100万である。例えばビニル系共
重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセ
テート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルローストリプロピオネ
ートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ま
しい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好まし
い。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシ
アネート系の架橋剤を添加して硬化処理することができ
る。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、などのイソシアネート類、これらの
イソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例
えば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチロー
ルプロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイソシ
アネート類の縮合により生成したポリイソシアネートな
どがあげられ、例えば特開平6−59357号に記載さ
れている。
【0101】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−08828
3記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μ〜10μ、好ましくは
0.2μ〜5μ、より好ましくは0.3μ〜3μであ
る。磁気粒子とバインダーの重量比は好ましくは0.
5:100〜60:100からなり、より好ましくは
1:100〜30:100である。磁性体としての塗布
量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g
/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2であ
る。本発明に用いられる磁気記録層は、写真用支持体の
裏面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に
設けることができる。磁気記録層を塗布する方法として
はエアードクター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、
含浸、リバースロール、トランスファーロール、グラビ
ヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エク
ストリュージョン等が利用でき、特開平5−34143
6号記載の塗布液などは好ましい。
【0102】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤またはチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に
添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート
(例えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使
用するバインダーは前述マグネ層バインダーで記述した
ものが使用でき、好ましくはマグネ層のバインダーと同
じ物がよい。磁気記録層を有する感材については、米国
特許第5,336,589号、同5,250,404
号、同5,229,259号、同5,215,874
号、EP466130号に記載されている。
【0103】次に本発明に用いられるポリエステル支持
体について記す。後述する感材、処理、カートリッジ及
び実施例などもふくめ詳細については、発明協会公開技
報、公技番号94−6023(1994.3.15)に
記載されており、参照されたい。本発明に用いられるポ
リエステルは、ジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成
分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−
ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、ジオールとして(ポリ)エチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ
ールA、ビフェノールが挙げられる。この重合ポリマー
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフ
タレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に
好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を0.1
〜1.0含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平均
分子量の範囲は約5000ないし200000である。
本発明のポリエステルはそのTgが50℃以上である。
さらにTgが90℃以上が好ましい。
【0104】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2 やSb2 5 等の導電性無機微粒子を塗布す
る)、面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを
付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写り
を防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの
熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後
(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階
で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後であ
る。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも
良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDi
aresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として
市販されている染料を混合することにより目的を達成す
ることが可能である。
【0105】次に本発明では支持体と感材構成層を接着
させるために、表面処理が好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上の
重層でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ば
れた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポ
リエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチ
ン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体
を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェ
ノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロ
ム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート
類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒド
ロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹
脂、活性ビニルスルフォン化合物などを挙げることがで
きる。SiO2 、TiO2 、マット剤の如き無機物微粒
子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.
01〜10μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0106】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 の中か
ら選ばれた少なくとも1種の体積抵抗率が107 Ω−cm
以下、より好ましくは105Ω−cm以下である粒子サイ
ズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,
Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量と
しては、5〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは1
0〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はそ
の複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜10
0/1が好ましく、より好ましくは1/100〜100
/5である。
【0107】本発明の感材には滑り性が有る事が好まし
い。滑り性は感光層面、バック面ともに用いることが好
ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25
以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmのス
テンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表わ
す(25℃、60%RH)。この評価において相手材と
して感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロ
キサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂
肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガ
ノシロキサンとしては、一般的に知られているポリジメ
チルシロキサンポリジエチルシロキサン、ポリスチリル
メチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を
用いることができる。添加層としては乳剤層の最外層や
バック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長
鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0108】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。
マット剤は処理で溶ける化合物でも処理可溶性マット剤
でもよく、好ましくは同時に使用することである。例え
ばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレ
ート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、
ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8
〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭いほうが好ま
しく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の9
0%以上が含有されることが好ましい。又マット性を高
めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添加するこ
とも好ましく例えばポリメチルメタクリレート(0.2
μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=
9/1(モル比)、0.3μm))、ポリスチレン粒子
(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。
【0109】次に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネについて記す。本発明で使用されるパトローネは金属
でも合成プラスチックを主材料としてもよい。好ましい
プラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本
発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよ
くカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニ
オン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー
等を好ましく用いることができる。これらの帯電防止さ
れたパトローネとして特開平1−312537号、同1
−312538号、に記載されている。特に25℃、2
5%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常パト
ローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや
顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作され
る。パトローネのサイズは現在のままでもよいし、現在
の25m/mのカートリッジの径を22m/m以下とす
るとカメラの小型化に有効である。パトローネのケース
の容積は、30cm3 以下好ましくは25cm3 以下とする
ことが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに
使用されるプラスチックの重量は5g〜15gが好まし
い。
【0110】更に本発明で用いられる、スプールを回転
してフィルムを送り出すパトローネでもよい。またフィ
ルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸を
フィルム送り出し方向に回転させることによってフィル
ム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造
でもよい。これらは米国特許第4834306号(特開
平1−306845号に対応)、特開平4−11525
1号(米国特許5226613号)に開示されている。
本発明に用いられる写真フィルムは現像前のいわゆる生
フィルムでもよいし、現像処理された写真フィルムでも
よい。又、生フィルムと現像済みの写真フィルムが同じ
新パトローネに収納されていてもよいし、異なるパトロ
ーネでもよい。
【0111】次に、本発明の現像処理Bに使用するハロ
ゲン化銀溶剤について詳しく説明する。本発明のハロゲ
ン化銀溶剤とは、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウ
ム、チオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、メタン
チオスルフォン酸ナトリウム、メタンチオスルフォン酸
カリウム、メタンチオスルフォン酸アンモニウムのよう
なメタンチオスルフォン酸塩、チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アンモニウム
のようなチオシアン酸塩(ロダン塩)及び一般式(I)
〜 (V)で表わされる化合物のいずれかである。
【0112】以下に一般式(I)について詳細に説明す
る。L1 及びL3 は置換もしくは無置換の炭素数1〜1
0のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ヘキシル基、イソプロピル基、カルボキシエチル
基)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール
基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−
メトキシフェニル基)、置換もしくは無置換の炭素数7
〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチ
ル基)または置換もしくは無置換の炭素数2〜10のア
ルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル基、1−メ
チルビニル基)または置換もしくは無置換の炭素数1〜
10のヘテロ環基(例えば、ピリジル基、フリル基、チ
エニル基、イミダゾリル基)を表わし、L2 は置換もし
くは無置換の炭素数1〜10のアルキレン基(例えば、
メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチ
レン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メ
チルエチレン基、1−ヒドロキシトリメチレン基)、置
換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリーレン基(例
えば、フェニレン基、ナフチレン基)、置換もしくは無
置換の炭素数7〜12のアラルキレン基(例えば1,2
−キシリレン基)、置換もしくは無置換の炭素数1〜1
0のヘテロ環連結基(例えば、
【0113】
【化11】
【0114】A及びBは−S−、−O−、−NR−、−
CO−、−CS−、−SO2 −またはそれらを任意に組
合せた基を表わし、任意に組合せた基としては例えば−
CONR1 −、−N(R2 )CO−、−N(R3 )CO
N(R4 )−、−COO−、−OCO−、−SO2 NR
5 −、−N(R6 )SO2 −、−CSNR7 、−N(R
3 )CS−、−N(R9 )CSN(R10)−等が挙げら
れる。nは1〜10の整数を表わす。ただし、L1 及び
3 の少なくとも1つは−COOM基、−OM基、−S
3 M基で置換されているものとする。Mは水素原子ま
たは対カチオン(例えば、ナトリウム原子、カリウム原
子のようなアルカリ金属原子、マグネシウム原子、カル
シウム原子のようなアルカリ土類金属原子、アンモニウ
ム、トリエチルアンモニウムのようなアンモニウム基、
等)を表わす。
【0115】R及びR1 〜R10は水素原子、置換もしく
は無置換の炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、イソプロピ
ル基)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリー
ル基(例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、3
−メトキシフェニル基)、置換もしくは無置換の炭素数
7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネ
チル基)または置換もしくは無置換の炭素数2〜10の
アルケニル基(例えば、ビニル基、プロペニル基、1−
メチルビニル基)を表わす。L1 、L2 、L3 、R、R
1 〜R10の各基が置換基を有する場合、その置換基とし
ては炭素数1〜4の低級アルキル基(例えばメチル基、
エチル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フ
ェニル、4−メチルフェニル基)、炭素数7〜10のア
ラルキル基(例えばベンジル基)、炭素数2〜4のアル
ケニル基(例えば、プロペニル基)、炭素数1〜4のア
ルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、ハロ
ゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、シアノ基、
ニトロ基、カルボン酸基(塩の形でもよい)、ヒドロキ
シ基、スルホン酸基、アミノ基(例えば無置換アミノ
基、ジメチルアミノ基)、アンモニウム基(例えばトリ
メチルアンモニウム基)、等があげられる。ただしnが
2以上の時は、A及びL2 は先にあげた基の任意の組合
せでよい。また、A、Bの少なくとも1つは−S−を表
わす。
【0116】一般式(I)中好ましくは、L1 及びL3
は−COOM基、−OM基、−SO3 M基で置換された
炭素数1〜6のアルキル基を表わし、L2 は炭素数1〜
6のアルキレン基を表わす。A及びBは−S−、−O−
または−NR−を表わし、Rは水素原子または炭素数1
〜6のアルキル基を表わし、nは1〜6の整数を表わ
す。一般式(I)中、より好ましくはA及びBは−S−
を表わし、nは1〜3の整数を表わす。以下に本発明の
一般式(I)の化合物の具体例を示すが本発明の化合物
はこれに限定されるものではない。
【0117】
【化12】
【0118】
【化13】
【0119】
【化14】
【0120】
【化15】
【0121】上記に例示した化合物の中でも、(I−
1)、(I−2)、(I−7)、(I−11)、(I−
13)、(I−17)が好ましく、(I−1)、(I−
17)が特に好ましい。
【0122】本発明の前記一般式(I)で表わされる化
合物はジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(J. Org. Chem.) 30、2867(1965)、同2
7、2846(1962)、ジャーナル・オブ・アメリ
カン・ケミカル・ソサイアティ(J. Am. Chem. Soc.) 6
9、2330(1947)等を参考にして容易に合成で
きる。
【0123】以下に、一般式(II)について詳細に説明
する。一般式(II)において、R11、R12、R13および
14は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアルケ
ニル基を表わす。アルキル基としては、ヒドロキシ基、
カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、ニトロ基等の置
換基を有するものであってもよく、炭素数は1〜5であ
ることが好ましく、特に1〜2であることが好ましい。
【0124】アルケニル基としては、上記の置換基を有
するものであってもよく、炭素数は2〜5であることが
好ましく、特に2〜3であることが好ましい。
【0125】上記の中でも、本発明においては、R11
14が水素原子または炭素数1〜2の置換もしくは無置
換のアルキル基であることが好ましく、特にR11が置換
アルキル基であることが好ましい。置換基としては、ヒ
ドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基が好ましく、カ
ルボキシル基、スルホ基が特に好ましい。以下に、一般
式(II)で表わされる化合物の具体例を挙げるが、これ
らに限定されるわけではない。
【0126】(II−1) イミダゾール (II−2) 1−メチルイミダゾール (II−3) 2−メチルイミダゾール (II−4) 4−メチルイミダゾール (II−5) 4−ヒドロキシメチルイミダゾール (II−6) 1−エチルイミダゾール (II−7) 1−ビニルイミダゾール (II−8) 4−アミノメチルイミダゾール (II−9) 2,4−ジメチルイミダゾール (II−10) 2,4,5−トリメチルイミダゾール (II−11) 2−アミノエチルイミダゾール (II−12) 2−ニトロエチルイミダゾール
【0127】(II−13) 1−カルボキシメチル−2−
メチル−イミダゾール (II−14) 1−カルボキシメチル−2,4−ジメチル
−イミダゾール (II−15) 1−カルボキシエチル−2−メチル−4−
β−ヒドロキシエチル−イミダゾール (II−16) 1−スルホエチル−2−メチル−イミダゾ
ール (II−17) 1−スルホエチル−2,4−ジメチル−イ
ミダゾール (II−18) 1−スルホメチル−4,5−ジメチル−イ
ミダゾール (II−19) 1−スルホメチル−2,5−ジメチル−イ
ミダゾール (II−20) 1−スルホエチル−イミダゾール
【0128】上記に例示した化合物の中でも、(II−
1)、(II−13)〜(II−20)が好ましく、特に
(II−13)、(II−14)、(II−16)、(II−1
7)、(II−20)が好ましい。
【0129】以下に、一般式 (III)について詳細に説明
する。式中、R21、R22、は置換もしくは無置換のアル
キル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
t−ブチル基、メトキシエチル基、メチルチオエチル
基、ジメチルアミノエチル基、モルホリノエチル基、ジ
メチルアミノエチルチオエチル基、ジエチルアミノエチ
ル基、アミノエチル基、メチルチオメチル基、トリメチ
ルアンモニオエチル基、カルボキシメチル基、カルボキ
シエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、
スルホメチル基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル
基)、置換もしくは無置換のシクロアルキル基(例え
ば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−メチル
シクロヘキシル基)、置換もしくは無置換のアルケニル
基(例えばアリル基、2−メチルアリル基)、置換もし
くは無置換のアルキニル基(例えばプロパルギル基)、
置換もしくは無置換のアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、4−メトキシベンジル基)、アリー
ル基(例えばフェニル基、ナフチル基、4−メチルフェ
ニル基、4−メトキシフェニル基、4−カルボキシフェ
ニル基、4−スルホフェニル基)、または置換もしくは
無置換のヘテロ環基(例えば、2−ピリジル基、3−ピ
リジル基、4−ピリジル基、2−チエニル基、1−ピラ
ゾリル基、1−イミダゾリル基、2−テトラヒドロフリ
ル基)を表わす。
【0130】ただし、R22は水素原子であってもよい。
Yは−O−、−S−、−N(R23)−を表わし、R23
置換もしくは無置換のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、t−ブチル基、メトキシエチ
ル基、メチルチオエチル基、ジメチルアミノエチル基、
モルホリノエチル基、ジメチルアミノエチルチオエチル
基、ジエチルアミノエチル基、アミノエチル基、メチル
チオメチル基、トリメチルアンモニオエチル基、カルボ
キシメチル基、カルボキシエチル基、カルボキシプロピ
ル基、スルホエチル基、スルホメチル基、ホスホノメチ
ル基、ホスホノエチル基)、置換もしくは無置換のシク
ロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロペン
チル基、2−メチルシクロヘキシル基)、置換もしくは
無置換のアルケニル基(例えばアリル基、2−メチルア
リル基)、置換もしくは無置換のアルキニル基(例えば
プロパルギル基)、置換もしくは無置換のアラルキル基
(例えば、ベンジル基、フェネチル基、4−メトキシベ
ンジル基)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル
基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、
4−カルボキシフェニル基、4−スルホフェニル基、
等)、または置換もしくは無置換のヘテロ環基(例え
ば、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル
基、2−チエニル基、1−ピラゾリル基、1−イミダゾ
リル基、2−テトラヒドロフリル基)、置換もしくは無
置換のアミノ基(例えば無置換アミノ基、ジメチルアミ
ノ基、メチルアミノ基)、アシルアミノ基(例えばアセ
チルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、メトキシプロピオ
ニルアミノ基)、スルホンアミド基(例えばメタンスル
ホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、4−トルエ
ンスルホンアミド基)、ウレイド基(例えば、無置換ウ
レイド基、3−メチルウレイド基)、スルファモイルア
ミノ基(例えば無置換スルファモイルアミノ基、3−メ
チルスルファモイルアミノ基)であってもよい。
【0131】一般式(III) 中、好ましくはYは−N(R
23)−を表わしR21、R23は置換もしくは無置換のアル
キル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もし
くは無置換のアルキニル基または置換もしくは無置換の
ヘテロ環基を表わす。R22は水素原子、置換もしくは無
置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル
基、置換もしくは無置換のアルキニル基または置換もし
くは無置換のヘテロ環基が好ましい。
【0132】R21、R22、R23のいずれか1つは、カル
ボキシル基またはスルホ基で置換されたアルキル基であ
ることが特に好ましい。以下に本発明の化合物の具体例
を示すが本発明の化合物はこれに限定されるものではな
い。
【0133】
【化16】
【0134】
【化17】
【0135】
【化18】
【0136】
【化19】
【0137】
【化20】
【0138】
【化21】
【0139】
【化22】
【0140】
【化23】
【0141】
【化24】
【0142】
【化25】
【0143】
【化26】
【0144】上記に例示した化合物の中でも、(III−
3)、(III−8)、(III−11)、(III−15)、(III
−59)、(III−60)、(III−62)が好ましく、特
に(III−3)、(III−8)が好ましい。本発明の前記一
般式(III) で表わされる化合物はジャーナル・オブ・ヘ
テロサイクリック・ケミストリー(J. Heterocyclic Che
m.) 2、105(1965)、ジャーナル・オブ・オー
ガニック・ケミストリー(J. Org. Chem.) 32、224
5(1967)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイ
アティ(J. Chem. Soc.)3799(1969)、ジャー
ナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.
Am. Chem. Soc.) 80、1895(1958)、ケミカ
ル・コミュニケーション(Chem. Commun.) 1222(1
971)、テトラヘドロン・レタース(Tetrahedron Let
t.) 2939(1972)、特開昭60−87322
号、ベリヒテ・デア・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲ
ゼルシャフト(Berichte der Deutschen Chemischen Ges
ellschaft)38、4049(1905)、ジャーナル・
オブ・ケミカル・ソサイアティ・ケミカル・コミュニケ
ーション(J. Chem. Soc. Chem.Commun.) 1224(1
971)、特開昭60−122936号、特開昭60−
117240号、アドバンジイズ・イン・ヘテロサイク
リック・ケミストリー(Advances in Heterocyclic Chem
istry)19、1(1976)、テトラヘドロン・レター
ズ(Tetrahedron Letters) 5881(1968)、ジャ
ーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.
Heterocyclic Chem.) 5、277(1968)、ジャー
ナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・ト
ランザクションI(J. Chem. Soc. Perkin Trans. I) 6
27(1974)、テトラヘドロン・レタース(Tetrahe
dron Letters) 1809(1967)、同1578(1
971)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ
(J. Chem. Soc.) 899(1935)、同2865(1
959)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミスト
リー(J. Org. Chem.) 30 567(1965)等に記
載の方法で合成できる。
【0145】以下に一般式(IV)で表される化合物につ
いて詳細に説明する。一般式(IV)中、Q41は好ましく
は炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子及びセレン
原子の少なくとも一種の原子から構成される5又は6員
の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。
尚、この複素環は炭素芳香環または複素芳香環で縮合し
ていてもよい。複素環としては例えばテトラゾール環、
トリアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、
オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキサゾー
ル環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチ
アゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン環、ト
リアザインデン環、テトラアザインデン環、ペンタアザ
インデン環等があげられる。R41はカルボン酸またはそ
の塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩、カルシウム塩)、スルホン酸またはその塩(例えば
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシ
ウム塩、カルシウム塩)、ホスホン酸またはその塩(例
えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)、置
換もしくは無置換のアミノ基(例えば無置換アミノ、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルアミノ、ビスメ
トキシエチルアミノ)、置換もしくは無置換のアンモニ
ウム基(例えばトリメチルアンモニウム、トリエチルア
ンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム)を表わ
す。L41は単結合、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化
水素基、二価の複素環基又はこれらの組合せた連結基を
表わす。L41は好ましくは炭素数1〜10のアルキレン
基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソプロピレン、2−ヒドロキシプロピレン、ヘキ
シレン、オクチレン)、炭素数2〜10のアルケニレン
基(例えばビニレン、プロペニレン、ブテニレン)、炭
素数7〜12のアラルキレン基(例えばフェネチレ
ン)、炭素数6〜12のアリーレン基(例えばフェニレ
ン、2−クロロフェニレン、3−メトキシフェニレン、
ナフチレン)、炭素数1〜10の複素環基(例えばピリ
ジル、チエニル、フリル、トリアゾリル、イミダゾリ
ル)の二価のもの、単結合およびこれらの基を任意に組
合せた基であってもよいし、−CO−、−SO2 −、−
NR202−、−O−または−S−を任意に組合せたもの
でもよい。ここでR202 は水素原子、炭素数1〜6のア
ルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ヘキシ
ル)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えばベンジ
ル、フェネチル)、炭素数6〜10のアリール基(例え
ばフェニル、4−メチルフェニル)を表わす。
【0146】M41は水素原子またはカチオン(例えば、
ナトリウム原子、カリウム原子のようなアルカリ金属原
子、マグネシウム原子、カルシウム原子のようなアルカ
リ土類金属原子、アンモニウム基、トリエチルアンモニ
ウム基のようなアンモニウム基)を表わす。また一般式
(IV)で表わされる複素環およびR41はニトロ基、ハロ
ゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、メルカプト
基、シアノ基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル
基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、
シアノエチル)、アリール基(例えばフェニル、4−メ
タンスルホンアミドフェニル、4−メチルフェニル、
3,4−ジクロルフェニル、ナフチル)、アルケニル基
(例えばアリル)、アラルキル基(例えばベンジル、4
−メチルベンジル、フェネチル)、スルホニル基(例え
ばメタンスルホニル、エタンスルホニル、p−トルエン
スルホニル)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモ
イル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、
スルファモイル基(例えば無置換スルファモイル、メチ
ルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、カルボ
ンアミド基(例えばアセトアミド、ベンズアミド)、ス
ルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、ア
シルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、スルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオ
キシ)、ウレイド基(例えば無置換ウレイド、メチルウ
レイド、エチルウレイド、フェニルウレイド)、アシル
基(例えばアセチル、ベンゾイル)、オキシカルボニル
基(例えばメチキシカルボニル、フェノキシカルボニ
ル)、オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカル
ボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2−エチ
ルヘキシルオキシカルボニルアミノ)、ヒドロキシル基
などで置換されていてもよい。
【0147】qは1〜3の整数を表わすが、qが2また
は3を表わすときは各々のR41は同じであっても異って
いてもよい。一般式(IV)中、好ましくはQ41はテトラ
ゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジ
アゾール環、トリアザインデン環、テトラアザインデン
環、ペンタアザインデン環を表わし、R41はカルボン酸
またはその塩、スルホン酸またはその塩から選ばれる基
の1つまたは2つで置換された炭素数1〜6のアルキル
基を表わし、qは1または2を表わす。一般式(IV)で
表わされる化合物の中で、より好ましい化合物としては
一般式(IV−a)で表わされる化合物があげられる。 一般式(IV−a)
【0148】
【化27】
【0149】式中、M41及びR41は前記一般式(IV)の
それぞれと同義である。T及びUはC−R42またはNを
表わし、R42は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、ウレイド基又はR42を表わす。ただしR42がR41
表わすときは一般式(IV)のR41と同じであっても異っ
ていてもよい。次に一般式(IV−a)について詳細に説
明する。T及びUはC−R42またはNを表わし、R42
水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子)、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルキル基(例えばメ
チル、エチル、メトキシエチル、n−ブチル、2−エチ
ルヘキシル)、アルケニル基(例えばアリル)、アラル
キル基(例えば、ベンジル、4−メチルベンジル、フェ
ネチル、4−メトキシベンジル)、アリール基(例え
ば、フェニル、ナフチル、4−メタンスルホンアミドフ
ェニル、4−メチルフェニル)、カルボンアミド基(例
えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メトキシプ
ロピオニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタ
ンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トル
エンスルホンアミド)、ウレイド基(例えば、無置換の
ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド)、また
はR41を表わす。ただしR42がR41を表わすときは、一
般式(IV)のR41と同じであっても異っていてもよい。
一般式(IV−a)中、好ましくはT=U=NまたはT=
U=C−R42を表わし、R42は水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基を表わし、R41はカルボン酸またはその
塩、スルホン酸またはその塩から選ばれる基の1つまた
は2つで置換された炭素数1〜4のアルキル基を表わ
す。以下に本発明の一般式(IV)の化合物の具体例を示
すが本発明はこれに限定されるものではない。
【0150】
【化28】
【0151】
【化29】
【0152】上記化合物の中でも(IV−1)、(IV−
2)、(IV−3)、(IV−4)、(IV−9)、(IV−1
0)、(IV−12)が好ましく、特に(IV−1)、(IV−
2)、(IV−3)、(IV−4)が好ましい。
【0153】本発明で用いられる一般式(IV)の化合物
は、ベリヒテ・デア・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲ
ゼルシャフト(Berichte der Deutschen Chemischen Ge
sellschaft) 28、77(1895)、特開昭60−6
1749号、同60−147735号、ベリヒテ・デア
・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲゼルシャフト(Beri
chte der Deutschen Chemischen Gesellschaft) 22、
568(1889)、同29、2483(1896)、
ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Che
m.Soc.)1932、1806、ジャーナル・オブ・ジ・
アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.So
c.) 71、4000(1949)、アドバンシイズ・イ
ン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Advances in H
eterocyclic Chemistry)9、165(1968)、オー
ガニック・シンセシス(Organic Synthesis)IV、569
(1963)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.) 45、23
90(1923)、ヘミシェ・ベリヒテ(Chemische Be
richte) 9、465(1876)に記載されている方法
に準じて合成できる。
【0154】次に一般式(V)について詳細に説明す
る。一般式(V)中、X51、Y51、R51、R52、R53
54、R55、R56及びR57で表される脂肪族基、芳香族
基及び複素環基としてはそれぞれ以下の例があげられ
る。すなわち、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の
アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ヘキ
シル、イソプロピル、カルボキシエチル、スルホエチ
ル、アミノエチル、ジメチルアミノエチル、ホスホノプ
ロピル、カルボキシメチル、ヒドロキシエチル)、置換
もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニル基(例え
ば、ビニル、プロペニル、1−メチルビニル)、置換も
しくは無置換の炭素数7〜12のアラルキル基(例え
ば、ベンジル、フェネチル、3−カルボキシフェニルメ
チル、4−スルホフェニルエチル)、置換もしくは無置
換の炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル、
ナフチル、4−カルボキシフェニル、3−スルホフェニ
ル)、置換もしくは無置換の炭素数1〜10の複素環基
(例えば、ピリジル、フリル、チエニル、イミダゾリ
ル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジニル、キノリル、
ピペリジル、ピロリジルのような5ないし6員環が好ま
しい)を表す。
【0155】また、このアルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基、アリール基及び複素環基は置換されていて
もよい。置換基として例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド
基、ウレタン基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、
アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基等が挙げられる。これらの基はさらに置
換されていてもよい。置換基が2つ以上あるときは同じ
であっても異なっていてもよい。一般式(V)におい
て、X51とY51は環を形成してもよいが、エノール化す
ることはない。X51とY51とで形成される環としては、
例えば4−イミダゾリン−2−チオン環、イミダゾリジ
ン−2−チオン環、チアゾリン−2−チオン環、4−チ
アゾリジン−2−チオン環、4−オキサゾリン−2−チ
オン環、オキサゾリジン−2−チオン環、ピロリジン−
2−チオン環、またはそれぞれのベンゾ縮環体が挙げら
れる。
【0156】ただし、一般式(V)においてX51及びY
51のうち少なくとも一つはカルボン酸もしくはその塩
(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、スルホ
ン酸もしくはその塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩)、ホスホン酸もしくはその塩(例えば、アル
カリ金属塩、アンモニウム塩)、アミノ基(例えば、無
置換アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、ジメチル
アミノの塩酸塩)またはアンモニウム(例えば、トリメ
チルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム)、
水酸基の少なくとも1つで置換されているものとする。
一般式(V)中、R56及びR57で表されるカチオンは、
水素原子、アルカリ金属、アンモニウム等を表す。一般
式(V)中、X51及びY51は、好ましくはカルボン酸ま
たはその塩、スルホン酸またはその塩、ホスホン酸もし
くはその塩、アミノ基またはアンモニウム基、水酸基か
ら選ばれる基の少なくとも一つまたは二つで置換された
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の複素環
基、炭素数0〜10の−N(R51)R52、炭素数0〜1
0の−N(R53) N(R54) R55、炭素数0〜10の−
OR56を表す。R51、R52、R53、R54、R55及びR56
は水素原子、アルキル基を表す。一般式(V)中、より
好ましくはX51及びY51はカルボン酸またはその塩、ス
ルホン酸またはその塩から選ばれる基の少なくとも一つ
または二つで置換された炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数0〜6の−N(R51) R52、炭素数0〜6の−N
(R53) N(R54) R55、炭素数0〜6の−ORd6を表
す。R51、R52、R53、R54、R55及びR56は水素原
子、アルキル基を表す。以下に本発明の一般式(V)の
化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0157】
【化30】
【0158】
【化31】
【0159】
【化32】
【0160】
【化33】
【0161】上記、例示化合物の中でも(V−2)、
(V−3)が好ましく、特に(V−3)が好ましい。
【0162】本発明の一般式(V)で表される化合物は
公知の方法、例えばジャーナル・オブ・オーガニック・
ケミストリー(J.Org.Chem.)24,470
−473(1959)、ジャーナル・オブ・ヘテロサイ
クリック・ケミストリー(J.Heterocycl.
Chem.)4,605−609(1967)、「薬
誌」82,36−45(1962)、特公昭39−26
203号、特開昭63−229449号、OLS−2,
043,944号を参考にして合成できる。
【0163】本発明のハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウムのようなチオ硫酸
塩、メタンチオスルフォン酸ナトリウム、メタンチオス
ルフォン酸カリウムのようなメタンチオスルフォン酸
塩、(I−1)、(I−17)、(II−13)、(II−
14)、(II−16)、(II−17)、(II−20)、
(III−3)、(III−8)、(III−11)、(III−1
5)、(III−59)、(III−60)、(III−62)、
(IV−1)、(IV−2)、(IV−3)、(IV−4)、
(IV−9)、(IV−10)、(IV−12)、(V−
2)、(V−3)が好ましく、特に、チオ硫酸塩、メタ
ンチオスルフォン酸塩、(III−3)、(III−8)、(IV
−1)、(IV−2)、(IV−3)、(IV−4)、(V−
3)が好ましく、(III−3)、(III−8)、(IV−1)
が最も好ましい。
【0164】発色現像処理Bに用いる本発明のハロゲン
化銀溶剤の添加量は、処理液1リットル当たり、0.1
ミリモル以上10ミリモル以下が好ましく、より好まし
くは0.3ミリモル以上5.0ミリモル以下最も好まし
くは、0.8ミリモル以上3.0ミリモル以下である。
【0165】ハロゲン化銀溶剤の添加量が0.1ミリモ
ル未満であると本発明の効果が小さくなり赤感性乳剤層
の現像遅れが生じ、10ミリモルより多く添加すると青
感性及び緑感性乳剤層への影響が大きくなりかつ、未露
光部の銀現像が増大する。
【0166】本発明のハロゲン化銀溶剤は、目的に応じ
て2種類以外併用して用いることもできる。
【0167】現像液中のハロゲン化銀溶剤が現像(溶解
物理現像)速度を速めることは従来よりよく知られてい
るが(The Theory of the Photographic Process, T.H.
James 著,第4版,p.421〜422に記載)、本発明
のように下層の現像のみを促進することは驚くべきこと
である。これは、上層程発色現像主薬の酸化還元反応に
よる化学現像速度が速いと考えられ、化学現像速度の速
い上層では溶解物理現像の影響を受けにくいためではな
いかと推察している。
【0168】以下に本発明の発色現像処理Aについて説
明する。本発明の発色現像処理Aの発色現像時間は15
0秒以上200秒以下であり、好ましくは165秒以上
195秒以下である。該発色現像時間は、処理液中の現
像主薬の種類及び濃度、ハロゲンイオン(特にBr-
濃度、処理液の温度、pH等によって変更することがで
きる。
【0169】本発明の発色現像処理Aの現像主薬は、2
−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエ
チル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチ
ル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリ
ン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(4−ヒドロ
キシブチル)アミノ〕アニリンから選ばれ、好ましくは
2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシ
エチル)アミノ〕アニリンであり、現像主薬濃度は処理
液1リットル当たり10ミリモル以上20ミリモル以下
であり、好ましくは14ミリモル以上18ミリモル以下
である。
【0170】臭化物イオン濃度は、ハロゲン化銀カラー
写真感光材料からのBr- 溶出量と、発色現像液に補充
されるBr- 量によって決定されるが、連続処理時の写
真性を安定に保つため、処理液1リットル当たり、9ミ
リモル以上14ミリモル以下であり、好ましくは、10
ミリモル以上13ミリモル以下である。
【0171】発色現像液の補充液は、補充量低減の観点
から臭化物イオン濃度を0.004モル/リットル以下
に低減したものが好ましく、特には臭化物イオン濃度が
0.002モル/リットル以下のものが好ましい。補充
量は、感光材料1m2当たり700ミリリットル以下であ
り、好ましくは200ミリリットル以上600ミリリッ
トル以下である。
【0172】処理液の温度は35℃以上40℃以下であ
り、好ましくは36℃以上39℃以下である。
【0173】処理液のpHは、9.9以上10.3以下
であり、好ましくは10.0以上10.2以下である。
【0174】更に、発色現像処理Aは、本発明のハロゲ
ン化銀溶剤を実質的に含有しない。実質的に含有しない
とは、本発明のハロゲン化銀溶剤の効果を示さない濃度
以下のことであり、後工程からの混入等による微量の含
有はあってもよく、具体的には、0.05ミリモル/リ
ットル以下であり、好ましくは0〜0.01ミリモル/
リットルであり、全く含有しないことが最も好ましい。
【0175】また、特開平3−158849号公報や同
3−174152号公報に記載の置換基を有するヒドロ
キルアミンを保恒剤として含有してもよく、特に置換基
としてスルホアルキル基を有するヒドロキシルアミンを
含有するものが好ましい。またキレート剤としてジエチ
レントリアミン五酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、4,5−ジヒドロシベンゼン−
1,3−ジスルホン酸を含有するものが好ましい。
【0176】具体的には、富士写真フイルム株式会社製
のカラーネガフィルム用処理剤、CN−16やCN−1
6X、CN−16Q、CN−16FAの発色現像液及び
発色現像補充液、或いは、イーストマン・コダック社製
のカラーネガフィルム用処理剤、C−41、C−41
B、C−41RAの発色現像液が好ましく使用できる。
【0177】以下に本発明の発色現像処理Bについて説
明する。本発明の発色現像処理Bの発色現像時間は、2
5秒以上90秒以下であり、好ましくは、35秒以上7
5秒以下、最も好ましくは45秒以上65秒以下であ
る。
【0178】本発明の発色現像時間は、クロスオーバー
時間(発色現像液を出て、次の工程の処理液に入るまで
の時間)を含む時間であり、クロスオーバー時間は短か
い程好ましいが処理機器の性能上2秒以上10秒以下が
好ましく、3秒以上7秒以下がより好ましい。
【0179】該発色現像時間も、発色現像処理Aと同様
に処理液中の現像主薬の種類及び濃度、ハロゲンイオン
(特Br)濃度、処理液の温度、pH等によって変更す
ることができる。
【0180】本発明の発色現像処理Bの現像主薬は、p
−フェニレンジアミン誘導体であり、好ましい代表例を
以下に示す。 (D−1) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β
−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン (D−2) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(3
−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン (D−3) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(4
−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリン (D−4) 2−メチル−N,N−ジエチル−p−フェ
ニレンジアミン (D−5) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β
−メタンスルホンアミドエチル)アミノ〕アニリン (D−6) 2−メトキシ−4−〔N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン (D−7) 4−アミノ−3−メトキシ−N,N−ビス
(3−ヒドロキシプロピル)アニリン (D−8) 4−アミノ−3−イソプロピオキシ−N,
N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン (D−9) 1−(β−ヒドロキシエチル)−5−アミ
ノ−6−メチル−インドリン (D−10) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(3,4−ジヒドロキシブチル)−2,2,4,7−テ
トラメチル−6−アミノ−キノリン (D−11) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(β
−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−6−ア
ミノ−7−メチル−キノリン
【0181】本発明の発色現像処理Bにおいて、D−
1、D−2、D−3、D−6、D−7、D−8、D−1
0、D−11が特に好ましく、D−1、D−2、D−3
がより好ましく、D−1が最も好ましい。
【0182】現像主薬の濃度は、処理液1リットル当た
り、25ミリモル以上80ミリモル以下であり、好まし
くは25ミリモル以上60ミリモル以下、より好ましく
は27ミリモル以上50ミリモル以下、特に好ましくは
30ミリモル以上45ミリモル以下である。
【0183】該現像主薬濃度範囲内において、上記現像
主薬を2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0184】本発明の発色現像処理Bにおいて臭化物イ
オン(Br- )はカブリ防止剤として特に重要であり、
Br- 濃度は、処理液1リットル当たり、15ミリモル
以上60ミリモル以下、好ましくは16ミリモル以上4
2ミリモル以下であり、特に好ましくは16ミリモル以
上35ミリモル以下である。
【0185】Br- 以外のハロゲンイオンとしてI-
るいはCl- を必要に応じて含有することもできる。発
色現像液の補充液は、補充量低減の観点から臭化物イオ
ン濃度を0.004モル/リットル以下に低減したもの
が好ましく、特には臭化物イオン濃度が0.002モル
/リットル以下のものが好ましい。補充量は、感光材料
1m2当たり、600ミリリットル以下であり、好ましく
は100ミリリットル以上500ミリリットル以下であ
り、特に好ましくは130ミリリットル以上400ミリ
リットル以下である。
【0186】処理液の温度は40℃以上60℃以下であ
り、好ましくは42℃以上55℃以下であり、特に好ま
しくは43℃以上50℃以下である。
【0187】処理液のpHは、9.9以上11.0以下
であり、好ましくは10.0以上10.5以下である。
【0188】更に、先に述べた如く、本発明の発色現像
処理Bには、本発明のハロゲン化銀溶剤を少なくとも1
種含有する。
【0189】本発明のカラー現像液には、前記芳香族第
一級アミンカラー現像主薬を直接保恒する化合物とし
て、特開昭63−5341号、同63−106655号
あるいは特開平4−144446号に記載の各種ヒドロ
キシルアミン類、特開昭63−43138号に記載のヒ
ドロキサム酸類、同63−146041号に記載のヒド
ラジン類やヒドラジド類、同63−44657および同
63−58443号に記載のフエノール類、同63−4
4656号に記載のα−ヒドロキシケトン類やα−アミ
ノケトン類、同63−36244号記載の各種糖類など
を含有することができる。また、上記化合物と併用し
て、特開昭63−4235号、同63−24254号、
同63−21647号、同63−146040号、同6
3−27841号および同63−25654号等に記載
のモノアミン類、同63−30845号、同63−14
640号、同63−43139号等に記載のジアミン
類、同63−21647号、同63−26655号およ
び同63−44655号に記載のポリアミン類、同63
−53551号に記載のニトロキシラジカル類、同63
−43140号及び同63−53549号に記載のアル
コール類、同63−56654号に記載のオキシム類お
よび同63−239447号に記載の3級アミン類を使
用することができる。その他保恒剤として、特開昭57
−44148号および同57−53749号に記載の各
種金属類、同59−180588号に記載のサリチル酸
類、同54−3582号に記載のアルカノールアミン
類、同56−94349号に記載のポリエチレンイミン
類、米国特許第3,746,544号に記載の芳香族ポ
リヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。
特に好ましい保恒剤としては、特開平3−144446
号の一般式(I)で表されるヒドロキシルアミン類であ
り、中でもスルホ基やカルボキシ基を有する化合物が好
ましい。
【0190】その他本発明のカラー現像液には、上記特
開平3−144446号公報に記載の各種添加剤を使用
できる。例えば、pHを保持するための緩衝剤としては
同公報(9)頁右上欄6行〜左下欄1行目の炭酸類、リ
ン酸類、ホウ酸類、ヒドロキシ安息香酸類などが挙げら
れる。キレート剤としては同頁左下欄2行〜右下欄18
行目の各種アミノポリカルボン酸類、ホスホン酸類、ス
ルホン酸類で好ましくはエチレンジアミン四酢酸、トリ
エチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノプロパノ
ール四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジ
アミン−N,N,N’,N’−テトラキス(メチレンホ
スホン酸)、カテコール−3,5−ジスルホン酸が良
い。現像促進剤としては同公報(9)頁左下欄19行目
から同公報(10)頁右上欄7行目に記載の各種添加剤
が挙げられる。カブリ防止剤としては同公報(10)頁
右上欄8行〜左下欄5行目に記載のハロゲン化イオン、
有機カブリ防止剤が挙げられる。また、必要に応じてア
ルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボ
ン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加して
もよい。
【0191】また本発明のカラー現像液を用いて自動現
像機で処理を行う際、カラー現像液が空気と接触する面
積(開口面積)はできるだけ小さい方が好ましい。例え
ば、開口面積(cm2)を現像液の体積(cm3)で割った値を
開口率とすると、開口率は0.01cm-1以下が好ましく、0.
005 cm-1以下がより好ましい。カラー現像液は再生して
使用することができる。カラー現像液の再生とは、使用
済みの現像液をアニオン交換樹脂や電気透析を行った
り、あるいは再生剤と呼ばれる処理薬品を加えることに
よりカラー現像液の活性を上げ、再びカラー現像液とし
て使用することである。この場合、再生率(補充液中の
オーバーフロー液の割合)は、50%以上が好ましく、
特に70%以上が好ましい。カラー現像液再生を用いた
処理としては、カラー現像液のオーバーフロー液を再生
後、補充液とする。カラー現像液の再生の方法として
は、アニオン交換樹脂を用いるの好ましい。特に好まし
いアニオン交換樹脂の組成及び樹脂の再生方法に関して
は、三菱化成工業(株)発行のダイアイオン・マニュア
ル(I)(1986年第14版)に記載のものをあげる
ことができる。また、アニオン交換樹脂のなかでは特開
平2−952号や特開平1−281152号に記載され
た組成の樹脂が好ましい。
【0192】本発明の現像処理A及び現像処理Bは、そ
れぞれ発色現像工程、脱銀工程、乾燥工程から成ってい
る。以下に好ましい具体例を挙げるが、これらに限定さ
れるものではない。 発色現像−漂白−定着−水洗−安定−乾燥 発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−安定−乾
燥 発色現像−漂白定着−水洗−安定−乾燥 発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定−乾燥 発色現像−漂白定着−定着−水洗−安定−乾燥 発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定−乾燥 上記の処理工程において、安定の前の工程の水洗は省略
することができた。また最終の安定も省略することが可
能である。本発明の現像処理A及び現像処理Bにおい
て、発色現像以降の脱銀工程は同じでも異なっていても
良い。
【0193】以下に、本発明の脱銀工程について詳細に
説明する。漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤と
しては、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過硫酸
塩、臭素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いられる
が、アミノポリカルボン酸(III)錯体を最も好ましく用
いることができる。本発明で使用される第二鉄錯塩は、
予め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよ
く、また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二
鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III) 、硫酸鉄(I
II) アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有する
液中で錯塩を形成させてもよい。錯形成化合物は、第二
鉄イオンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰にし
てもよく、過剰に添加するときには通常0.01〜10
%の範囲で過剰にすることが好ましい。
【0194】なお、本発明において、漂白能を有する液
中の第二鉄錯塩を形成する化合物としては、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン
四酢酸(1,3−PDTA)、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ
二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミ
ド)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボ
キシエチル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチ
ル)イミノジプロピオン酸、β−アラニンジ酢酸、1,
4−ジアミノブタン四酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、N−(2−カルボキシフェニル)イミノジ酢
酸、エチレンジアミン−N−(2−カルボキシフェニ
ル)−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジアミン−
N,N’−ジコハク酸、1,3−ジアミノプロパン−
N,N’−ジコハク酸、エチレンジアミン−N,N’−
ジマロン酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N’−ジ
マロン酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるも
のではない。
【0195】本発明の漂白能を有する処理液における第
二鉄錯塩の濃度としては、0.005〜1.0モル/リ
ットルの範囲が適当であり、0.01〜0.50モル/
リットルの範囲が好ましく、より好ましくは、0.02
〜0.30モル/リットルの範囲である。また漂白能を
有する処理液の補充液中の第2鉄錯塩の濃度としては、
好ましくは、0.005〜2モル/リットル、より好ま
しくは0.01〜1.0モル/リットルである。
【0196】漂白能を有する浴またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ドイツ特
許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公報、リサ
ーチ・ディスクロージャー第17129 号(1978年7月号)
に記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する
化合物や、特公昭45-8506 号、特開昭52-20832号、同53
-32735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチオ尿素系
化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲン化物が
漂白力に優れる点で好ましい。
【0197】その他、本発明に適用されうる漂白能を有
する浴には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナト
リウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)また
は沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン
化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナ
トリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、マロン酸、コハク
酸、グルタール酸などのpH緩衝能を有する1種類以上
の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属またはア
ンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニジンな
どの腐蝕防止剤などを添加することができる。また漂白
能を有する浴には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤あ
るいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール
等の有機溶媒を含有させることができる。
【0198】本発明において、漂白能を有する処理液で
処理された感光材料は、定着または漂白定着処理され
る。このような、定着液または漂白定着液には同じく特
開平3−33847号公報第6頁右下欄第16行〜第8
頁左上欄代15行に記載のものが好ましい。漂白、漂白
定着と定着を含む脱銀工程としては、具体的に次のもの
が挙げられる。 漂白−定着 漂白−水洗−定着 漂白−漂白定着 漂白−水洗−漂白定着 漂白−漂白定着−定着 漂白定着 定着、漂白定着液に含まれる定着剤としては、チオ硫酸
ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸アンモニ
ウムナトリウム、チオ硫酸カリウムのようなチオ硫酸
塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウ
ム、チオシアン酸カリウムのようなチオシアン酸塩(ロ
ダン塩)チオ尿素、チオエーテル等を用いることが出来
る。
【0199】定着剤としてチオ硫酸塩を単独で使用する
場合は定着液、漂白定着液1リットル当たり、0.3〜
3モル、好ましくは0.5〜2モル程度であり、チオシ
アン酸塩を単独で使用する場合には1〜4モル程度であ
る。一般に併用する場合も含めて、定着剤の量は、定着
液または漂白定着液1リットル当たり、0.3〜5モ
ル、好ましくは0.5〜3.5モルとすればよい。但し
併用する場合は合計量で上記範囲とすればよい。その
他、チオ硫酸塩と併用することが出来るチオシアン酸塩
以外の化合物としては、チオ尿素、チオエーテル(例え
ば3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)等を挙
げることが出来る。また、漂白定着液に定着剤として一
般に使用されているチオ硫酸アンモニウムの場合にも、
同様であるが、公知の他の定着剤、例えば、メソイオン
系化合物、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の
沃化物、ハイポ等に置き換えてもよい。
【0200】定着液または漂白定着液には、保恒剤とし
ての亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸アンモニウム)及び、ヒドロキシルアミン、
ヒドラジン、アセトアルデヒド化合物の重亜硫酸塩付加
物(例えばアセトアルデヒド重亜硫酸ナトリウム)など
を含有させることが出来る。さらに、各種の蛍光増白剤
や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、
メタノール等の有機溶剤を含有させることが出来るが、
特に保恒剤としては特開昭60−283881号公報に
記載のスルフィン酸化合物を用いることが望ましい。
【0201】さらに定着液及び/又は漂白定着液には処
理液の安定化の目的で各種アミノポリカルボン酸類や、
有機ホスホン酸類等のキレート剤の添加が好ましい。好
ましいキレート剤としては、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,
N’,N’−テトラキス(メチレンホスホン酸)、ニト
リロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジア
ミン四酢酸、1,2−プロピレンジアミン四酢酸をあげ
ることができる。この中でも、1−ヒドロキシエチリデ
ン−1,1−ジホスホン酸及びエチレンジアミン四酢酸
が特に好ましい。
【0202】定着液または漂白定着液のpHとしては、
5〜9が好ましく、さらには5.5〜8が好ましい。定
着液及び/又は漂白定着液はpH調節するため、または
緩衝剤としてpKaが6.0〜9.0の範囲の化合物を
含有させることが好ましい。これらの化合物としてはイ
ミダゾール化合物が好ましい。イミダゾール化合物と
は、イミダゾール及びその誘導体を表し、イミダゾール
の好ましい置換基としては、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子
等を挙げることができる。また、アルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基は、更にアミノ基、ニトロ基、ハロ
ゲン原子等で置換されていてもよい。イミダゾールの置
換基の好ましい総炭素数は1〜6であり、最も好ましい
置換基はメチル基である。
【0203】以下に、イミダゾール化合物の具体例とし
ては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メ
チルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−(2
−ヒドロキシエチル)−イミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−ビニルイミダゾール、4−プロピルイミ
ダゾール、4−(2−アミノエチル)イミダゾール、
2,4−ジメチルイミダゾール、2−クロロイミダゾー
ルが挙げられる。これらの内、好ましい化合物はイミダ
ゾール、2−メチル−イミダゾール、4−メチル−イミ
ダゾールであり、最も好ましい化合物はイミダゾールで
ある。これらイミダゾール化合物は0.01モル/リッ
トル以上含有させることが好ましく、より好ましくは
0.1〜10モル/リットルであり、特に好ましくは
0.2〜3モル/リットルである。
【0204】本発明の処理において補充方式を採用する
場合の定着液または漂白定着液の補充量としては感光材
料1m2 あたり30〜3000mlが好ましいが、より
好ましくは40〜1800mlである。漂白定着液の補
充は漂白定着補充液として補充してもよいし、特開昭6
1−143755号や特開平3−213853号記載の
ように漂白液と定着液のオーバーフロー液を使用して行
ってもよい。本発明において漂白能を有する処理液は、
処理に際し、エアレーションを実施することが好まし
い。エアレーションには当業界で公知の手段が使用で
き、漂白液中への空気の吹き込みやエゼクターを利用し
た空気の吸収などが実施できる。空気の吹き込みに際し
ては、微細なポアを有する散気管を通じて、液中に空気
を放出させることが好ましい。このような散気管は、活
性汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されている。
エアレーションに関してはイーストマン・コダック社発
行のZ−121、ユージング・プロセス・C−41第3
版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項
を利用できる。
【0205】定着工程において、漂白、漂白定着と同時
に攪拌が強化されていることが好ましく、具体的には前
記のジェット攪拌方式が最も好ましい。本発明において
定着液及び/又は漂白定着液は公知の方法で銀回収を行
うことができ、このような銀回収を施した再生液を使用
することができる。銀回収法としては、電気分解法(仏
国特許第2299667号記載)、沈澱法(特開昭52
−73037号、独国特許第2331220号記載)、
イオン交換法(特開昭51−17114号、独国特許第
2548237号記載)及び金属置換法(英国特許第1
353805号記載)等が有効である。これらの銀回収
法はタンク液中からインラインで行うと迅速処理適性が
更に良好となるため好ましい。本発明の漂白液及び/又
は漂白定着液での処理に於いては、攪拌が強化されてい
ることが好ましく、その実施には特開平3−33847
号公報の第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記
載の内容が、そのまま利用できる。その中でも特に感光
材料の乳剤面に漂白液を吹き付けるジェット攪拌方式が
好ましい。本発明において漂白、漂白定着、定着の組合
せよりなる脱銀工程の全処理時間の合計は、好ましくは
20秒〜3分、さらに好ましくは30秒〜2分である。ま
た、処理温度は30〜60℃、好ましくは35〜55℃
である。
【0206】定着液及び/又は漂白定着液での処理工程
の後には、通常、水洗処理工程を行う。定着能を有する
処理液で処理後、実質的な水洗を行わず、安定液を用い
た安定化処理を行う簡便な処理方法を用いることもでき
る。水洗工程に用いられる水洗水及び安定化工程に用い
られる安定液には処理後の感光材料の乾燥時の水滴ムラ
を防止するため、種々の界面活性剤を含有することがで
きる。中でもノニオン性界面活性剤を用いるのが好まし
く、特にアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物
が好ましい。アルキルフェノールとしては特にオクチ
ル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノールが好まし
く、またエチレンオキサイドの付加モル数としては特に
8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高いシリコン系
界面活性剤を用いることも好ましい。
【0207】水洗水及び安定液中には、水アカの発生や
処理後の感光材料に発生するカビの防止のために、種々
の防バクテリア剤、防カビ剤を含有させることもでき
る。また水洗水及び安定液中には、各種キレート剤を含
有させることが好ましい。好ましいキレート剤として
は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’−テト
ラメチレンホスホン酸などの有機ホスホン酸、あるい
は、欧州特許345172A1に記載の無水マレイン酸
ポリマーの加水分解物などをあげることができる。ま
た、前記の定着液や漂白定着液に含有することができる
保恒剤を水洗水及び安定液に含有させることも好まし
い。
【0208】安定化工程で用いる安定液としては、色素
画像を安定化させる処理液、例えば、有機酸やpH3〜
6の緩衝能を有する液、アルデヒド(例えば、ホルマリ
ンやグルタルアルデヒド)を含有した液などを用いるこ
とができる。安定液には、水洗水に添加できる化合物を
全て含有することができ、その他に必要に応じて塩化ア
ンモニウムや亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合
物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜
剤、米国特許4786583号に記載のアルカノールア
ミンなどを用いることができる。
【0209】本発明においては、安定液には上述の色素
画像の安定化剤としてのホルムアルデヒドを実質的に含
有しないことが好ましい。実質的にホルムアルデヒドを
含有しないとは、遊離のホルムアルデヒド及びその水和
物の合計が安定液1リットル当り0.003モル以下を
表す。この様な安定液を用いることにより、処理時のホ
ルムアルデヒド蒸気の飛散を抑制できる。この場合、マ
ゼンタ色素の安定化の目的で、ホルムアルデヒド代替化
合物を安定液もしくは、漂白液あるいはその前浴(例え
ば調製浴)に存在させることが好ましい。
【0210】ホルムアルデヒド代替化合物として好まし
い化合物はヘキサメチレンテトラミンおよびその誘導
体、ホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、N−メチロール
化合物及びアゾリルメチルアミン化合物などである。こ
れらの好ましい化合物は、マゼンタ色素の安定化の他
に、経時によるイエローステインの発生を抑止する。
【0211】ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体
としては「バイルシュタインズ・ハンドブック・デア・
オルガニッシェン・ヘミー」(Beilsteins Handbuch der
Organishen Chemie) の第II増補編26巻P.200−P.
212に記載されている化合物が使用できるが、特に、
ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。また、ホルムア
ルデヒド重亜硫酸付加物としてはホルムアルデヒド重亜
硫酸ナトリウムが好ましい。
【0212】N−メチロール化合物としては、特にピラ
ゾールおよびその誘導体のN−メチロール化合物、トリ
アゾールおよびその誘導体のN−メチロール化合物、ウ
ラゾールおよびその誘導体のN−メチロール化合物が好
ましい。これらのN−メチロール化合物の具体例として
は、1−ヒドロキシメチルピラゾール、1−ヒドロキシ
メチル−2−メチルピラゾール、1−ヒドロキシメチル
−2、4−ジメチルピラゾール、1−ヒドロキシメチル
−1,2,4−トリアゾール、1−ヒドロキシメチルウ
ラゾール等が挙げられる。これらの内、特に好ましいの
は、1−ヒドロキシメチルピラゾール及び1−ヒドロキ
シメチル−1,2,4−トリアゾールである。上記のN
−メチロール化合物は、メチロール基のついていないア
ミン化合物とホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒ
ドとを反応させることによって、容易に合成できる。上
記のN−メチロール化合物を用いる場合、処理液中にメ
チロール基のついていないアミン化合物を共存させるこ
とが好ましく、N−メチロール化合物の0.2〜10倍
モル濃度の共存が好ましい。
【0213】アゾリルメチルアミン化合物としては、
1、4ービス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメ
チル)ピペラジンや1、4−ビス(ピラゾール−1−イ
ルメチル)ピペラジンが挙げられ、1,2,4−トリア
ゾールやピラゾールの如きアゾールとの併用(特願平3
−159918号に記載)が、画像安定性が高く、且つ
ホルムアルデヒド蒸気圧が少なく、特に好ましい。上記
ホルムアルデヒド代替化合物の好ましい添加量は処理液
1リットル当り0.003〜0.2モル、好ましくは
0.005〜0.05モルである。これらのホルムアル
デヒド代替化合物は、浴中で2種以上を併用して用いて
もよい。
【0214】安定液のpHとしては、3〜9が好まし
く、4〜7が更に好ましい。水洗工程や安定化工程は、
多段向流方式が好ましく、段数としては2〜4段が好ま
しい。補充量としては単位面積当り前浴からの持込量の
1〜50倍、好ましくは1〜30倍、より好ましくは1
〜10倍である。本発明において実施される水洗及び安
定工程に関しては、同じく特開平3−33847号公報
第11頁右下欄第9行〜第12頁右上欄第19行に記載
の内容を好ましく実施することが出来る。
【0215】これらの水洗工程や安定化工程に用いられ
る水としては、水道水が使用できるが、イオン交換樹脂
などによつてCa、Mgイオン濃度を5mg/リットル以
下に脱イオン処理した水、ハロゲン、紫外線殺菌灯等よ
り殺菌された水を使用するのが好ましい。また、水洗工
程または安定化工程のオーバーフロー液は前浴である定
着能を有する浴に流入させる方法を用いることにより、
廃液量を低減させることができるので好ましい。
【0216】本発明の処理においては、蒸発による濃縮
を補正するために、適当量の水または補正液ないし処理
補充液を補充することが好ましい。水補充を行う具体的
方法としては、特に制限はないが、中でも特開平1−2
54959号、同1−254960号公報記載の、漂白
槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水槽内の水
の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽における水
の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白槽に水を
補充する方法や特願平2−46743号、同2−477
77号、同2−47778号、同2−47779号、同
2−117972号明細書記載の液レベルセンサーやオ
ーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好まし
い。また、各処理液の蒸発分を補正するための水は、水
道水を用いてもよいが、上記の水洗工程に好ましく使用
される脱イオン処理した水、殺菌された水とするのがよ
い。
【0217】
【実施例】以下に、本発明を実施例により、さらに詳細
に説明するが、本発明は、これらに限定されるものでは
無い。 実施例1 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。市販のポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマ
ー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326
(チバ・ガイギー Ciba-Geigy 社製)2重量部とを常法
により乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから
押し出し140℃で3.0倍の縦延伸を行い、続いて1
30℃で3.0倍の横延伸を行い、さらに250℃で6
秒間熱固定して厚さ90μmのPENフィルムを得た。
さらに、その一部を直径20cmのステンレス巻き芯に巻
付けて、110℃、48時間の熱履歴を与えた。 2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理、および火焔処理をした後、
それぞれの面に下記組成の下塗液を塗布して、下塗層を
延伸時高温面側に設けた。コロナ放電処理はピラー Pil
lar 社製ソリッドステーテコロナ処理機6KVAモデル
を用い、30cm幅支持体を20m/分で処理する。この
とき、電流・電圧の読み取り値より、被処理物は0.3
75KV・A・分/m2の処理がなされた。処理時の放電
周波数は、9.6KHz、電極と誘電体ロールのギャッ
プクリアランスは、1.6mmであった。又UV放電処理
は、75℃で加熱しながら放電処理した。さらにグロー
放電処理は、円柱電極で3000Wで30秒間照射し
た。 ゼラチン 3g 蒸留水 25ml ソジウム α−スルホ−ジ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g サリチル酸 0.1g ジアセチルセルロース 0.5g p−クロロフェノール 0.5g レゾルシン 0.5g クレゾール 0.5g (CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2 CH2 0.2g トリメチロールプロパンのアジリジン3倍モル付加物 0.2g トリメチロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル付加物 0.2g メタノール 15ml アセトン 85ml ホルムアルデヒド 0.01g 酢酸 0.01g 濃塩酸 0.01g
【0218】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面に、バック層として下記
組成の帯電防止層、磁気記録層、および滑り層を塗設し
た。 3−1)帯電防止層の塗設 3−1−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アン
チモン複合物分散液)の調製 塩化第二スズ水和物230重量部と三塩化アンチモン2
3重量部をエタノール3000重量部に溶解し、均一溶
液を得た。この溶液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液
を前記溶液のpHが3になるまで滴下し、コロイド状酸
化第二スズと酸化アンチモンの共沈澱を得た。得られた
共沈澱を50℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状
沈澱を得た。
【0219】赤褐色コロイド状沈澱を遠心分離により分
離した。過剰なイオンを除くため、沈澱に水を加え遠心
分離によって水洗した。この操作を3回繰り返し、過剰
イオンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈
澱200重量部を水1500重量部に再分散し、650
℃に加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径
0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微
粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は5Ω・cmで
あった。上記の微粒子粉末40重量部と水60重量部の
混合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の後、横
型サンドミル(商品名ダイノミル; WILLYA. BACHOFENA
G 製) で滞留時間が30分になるまで分散して調製し
た。この時の二次凝集体の平均粒径は約0.04μmで
あった。
【0220】3−1−2)導電性層の塗設 下記の処方による導電性層を乾燥膜厚が0.2μmにな
るように塗布し、115℃で60秒間乾燥した。 3−1−1)で作製の導電性微粒子分散液 20重量部 ゼラチン 2重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 p−クロロフェノール 0.5重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレン ノニルフェニルエーテル 0.01重量部 得られた導電性膜の抵抗は、108.0 (100V)であ
り、優れた帯電防止性能を有するものであった。 3−2)磁気記録層の塗設 磁性体Co−被着γ−Fe2 3 (長軸0.14μm、
単軸0.03μmの針状、比表面積41m2/g、飽和磁
化89emu/g 、表面は酸化アルミと酸化珪素でそれぞれ
Fe2 3 の2重量%で表面処理されている、保磁力9
30Oe、Fe+2/Fe+3比は6/94)1100gを
水220g及びポリ(重合度16)オキシエチレンプロ
ピル トリメトキシシランのシランカップリング剤を1
50g添加して、オープンニーダーで3時間良く混練し
た。この粗分散した粘性のある液を70℃で1昼夜乾燥
し、水を除去した後、110℃、1時間加熱して表面処
理をした磁気粒子を作製した。さらに以下の処方で、再
びオープンニーダーにて混練した。
【0221】 上記表面処理済み磁気粒子 1000g ジアセチルセルロース 17g メチルエチルケトン 100g シクロヘキサノン 100g さらに、以下の処方でサンドミル(1/4G)で200
rpm 、4時間微細分散した。 上記混練品 100g ジアセチルセルロース 60g メチルエチルケトン 300g シクロヘキサノン 300g さらにジアセチルセルロースと、硬化剤としてトリメチ
ロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル
付加物をバインダーに対して20wt%添加した。得ら
れた液の粘度が約80cpとなるように、等量のメチルエ
チルケトンとシクロヘキサノンで希釈した。又、塗布
は、上記の導電性層の上にバーコーターで膜厚が1.2
μmとなるように行った。磁性体の量は0.6g/m2
なるように塗布した。またマット剤としてシリカ粒子
(0.3μm)と研磨剤の酸化アルミ(0.5μm)を
それぞれ10mg/m2となるように添加した。乾燥は11
5℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置
はすべて115℃となっている)。X−ライトのステー
タスMでブルーフィルターを用いた時の、磁気記録層の
B の色濃度の増加分は、約0.1であった。また、磁
気記録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/m2、保磁力
923Oe、角形比は65%であった。
【0222】3−3)滑り層の調製 下記処方液を化合物の固形分塗布量が下記のようになる
ように塗布し、110℃で5分乾燥させて滑り層を得
た。 ジアセチルセルロース 25mg/m26 13CH(OH)C1020COOC4081(化合物a) 6mg/m250101 O(CH2 CH2 O)16H (化合物b) 9mg/m2 なお、化合物a/化合物b(6:9)は、キシレンとプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル(容量比1:
1)溶媒中で105℃に加熱、溶解し、この液を10倍
量のプロピレングリコールモノメチルエーテル(25
℃)に注加して微細分散液とした。さらに5倍量のアセ
トン中で希釈した後、高圧ホモジナイザー(200気
圧)で再分散し、分散物(平均粒径0.01μm)にし
てから添加して用いた。得られた滑り層の性能は、動摩
擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100
g、スピード6cm/minute)、静摩擦係数0.07(ク
リップ法)であり、優れた特性を有する。また後述する
乳剤面との滑り特性も動摩擦係数0.12であった。
【0223】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作成した。
これを試料101とする。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を
示し、ハロゲン化銀については、銀換算の塗布量を示
す。ただし増感色素については、同一層のハロゲン化銀
1モルに対する塗布量をモル単位で示す。
【0224】(試料101) 第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.12 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.11 ExF−1 3.4×10-3 ExF−2(固体分散染料) 0.03 ExF−3(固体分散染料) 0.04 HBS−1 0.16
【0225】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤L 銀 0.040 ExC−2 0.055 UV−1 0.011 UV−2 0.030 UV−3 0.053 HBS−1 0.05 HBS−2 0.02 ポリエチルアクリレートラテックス 0.13 ゼラチン 1.35
【0226】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.40 ExS−1 5.0×10-4 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 5.0×10-4 ExC−1 0.12 ExC−3 0.040 ExC−4 0.07 ExC−5 0.0050 ExC−7 0.001 ExC−8 0.010 Cpd−2 0.005 HBS−1 0.090 ゼラチン 0.87
【0227】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤B 銀 0.75 ExS−1 3.0×10-4 ExS−2 1.2×10-5 ExS−3 4.0×10-4 ExC−1 0.12 ExC−2 0.055 ExC−4 0.085 ExC−5 0.007 ExC−8 0.009 Cpd−2 0.036 HBS−1 0.11 ゼラチン 0.70
【0228】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 1.50 ExS−1 2.0×10-4 ExS−2 1.0×10-5 ExS−3 3.0×10-4 ExC−1 0.09 ExC−3 0.040 ExC−8 0.014 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.10 ゼラチン 1.60
【0229】第6層(中間層) Cpd−1 0.07 ExF−4(固体分散染料) 0.03 HBS−1 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.19 ゼラチン 1.30
【0230】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 0.15 沃臭化銀乳剤E 銀 0.10 沃臭化銀乳剤F 銀 0.14 ExS−4 4.0×10-5 ExS−5 1.8×10-4 ExS−6 6.5×10-4 ExM−1 0.005 ExM−2 0.30 ExM−3 0.09 ExY−1 0.015 HBS−1 0.26 HBS−3 0.006 ゼラチン 0.80
【0231】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 銀 0.85 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExM−2 0.12 ExM−3 0.030 ExY−1 0.008 ExY−5 0.030 HBS−1 0.14 HBS−3 8.0×10-3 ゼラチン 0.90
【0232】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 1.29 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.011 ExM−1 0.016 ExM−4 0.031 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.050 HBS−1 0.20 HBS−2 0.08 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.57
【0233】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.014 Cpd−1 0.15 ExF−5(固体分散染料) 0.06 ExF−6(固体分散染料) 0.06 ExF−7(油溶性染料) 0.01 HBS−1 0.055 ゼラチン 0.70
【0234】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 0.08 沃臭化銀乳剤J 銀 0.12 ExS−7 8.0×10-4 ExY−1 0.02 ExY−2 0.25 ExY−3 0.45 ExY−4 0.006 ExY−6 0.075 ExC−7 0.040 HBS−1 0.25 ゼラチン 1.30
【0235】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤K 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.008 Cpd−2 0.10 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.80
【0236】第13層(第1保護層) UV−2 0.08 UV−3 0.11 UV−5 0.26 HBS−1 0.09 ゼラチン 1.70
【0237】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤L 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.10 B−3 0.10 S−1 0.20 ゼラチン 1.75
【0238】さらに、各層に適宜、保存性、処理性、圧
力耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくす
るために、W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、
F−1ないしF−17及び鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
イリジウム塩、パラジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0239】
【表1】
【0240】表1において、 (1)乳剤I〜Kは特開平2-191938号の実施例に従い、
二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時
に還元増感されている。 (2)乳剤A〜Hは特開平3-237450号の実施例に従い、
各感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウ
ムの存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されて
いる。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426号の実施例
に従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450号に記載されてい
るような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Kは特開昭60−143331号に記載され
ている内部高ヨードコアーを含有する二重構造粒子であ
る。
【0241】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水2
1.7mlおよび5%水溶液のp−オクチルフェノキシエ
トキシエタンスルホン酸ソーダ3ml並びに5%水溶液の
p−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエーテル
(重合度10)0.5gとを700mlのポットミルに入
れ、染料ExF−2を5.0gと酸化ジリコニウムビー
ズ(直径1mm)500mlを添加して、内容物を2時間分
散した。この分散には、中央工機製のBO型振動ボート
ミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%
ゼラチン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、
染料のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は
0.44μm であった。
【0242】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
は、それぞれ0.24μm 、0.45μm 、0.52μ
m であった。ExF−5は、欧州特許出願公開(EP)
第0,549,489A号明細書の実施例1に記載の微
小析出(Microprecipitation) 分散方法により分散し
た。平均粒径は0.06μm であった。
【0243】
【化34】
【0244】
【化35】
【0245】
【化36】
【0246】
【化37】
【0247】
【化38】
【0248】
【化39】
【0249】
【化40】
【0250】
【化41】
【0251】
【化42】
【0252】
【化43】
【0253】
【化44】
【0254】
【化45】
【0255】
【化46】
【0256】
【化47】
【0257】
【化48】
【0258】
【化49】
【0259】
【化50】
【0260】
【化51】
【0261】
【化52】
【0262】次に、試料101の第4層の沃臭化銀乳剤
Bの平均ヨウ化銀(AgI)含率を表2に示すように変
更した以外は全く同様にして、試料102〜108を作
成した。得られた試料について、白色光によりウェッジ
露光し、以下に示す現像処理A−1及び現像処理B−1
を行った。
【0263】
【0264】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5 mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕−2−メチルアニリン硫酸塩 4.5(15.4ミリモル) 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05
【0265】 (漂白液) タンク液、補充液共通(単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 100.0 硝酸アンモニウム 10.0 漂白促進剤 0.005 モル (CH3)2N-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-N(CH3)2 ・2HCl アンモニア水(27%) 15.0 ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 6.3
【0266】 (漂白定着液) タンク液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 50.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 5.0 亜硫酸ナトリウム 12.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700 g/リットル) 240.0 ミリリットル アンモニア水(27%) 6.0 ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 7.2
【0267】 (安定液) タンク液、補充液共通 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.10 水を加えて 1.0リットル pH 8.5
【0268】現像処理B−1の工程および処理液組成 処理工程 温度 時間 発色現像 45℃ 60秒 漂白定着 40℃ 60秒 水洗 (1) 40℃ 15秒 水洗 (2) 40℃ 15秒 水洗 (3) 40℃ 15秒 安 定 40℃ 15秒 乾 燥 80℃ 60秒 (水洗は(3) から(1) への3タンク向流方式とした。)
【0269】 液組成 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1ジホスホン酸 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 炭酸カリウム 37.5 臭化カリウム 4.0 沃化カリウム 1.3 mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 1.5 ジナトリウム N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 10.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシ エチル)アミノ〕アニリン硫酸塩 18.0(61.6ミリモル) 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調製) 10.05 (漂白定着液) (単位モル) エチレンジアミン−(2−カルボキシフェニル)− N,N′,N′−三酢酸 0.17 硝酸第二鉄九水和物 0.15 チオ硫酸アンモニウム 1.25 亜硫酸アンモニウム 0.10 メタカルボキシベンゼンスルフィン酸 0.05 水を加えて 1.0 リットル pH(酢酸とアンモニアで調製) 5.8 (水洗水安定液)処理A−1に記載のものと同じ組成
【0270】処理後、各試料についてシアン、マゼンタ
及びイエローの吸収濃度を測定し、特性曲線を求めた。
得られた特性曲線から、現像処理A−1を実施した後の
シアン、マゼンタ、イエローの階調度γA (C)、γA
(M)、γA (Y)と現像処理B−1を実施した後のシ
アン、マゼンタ、イエローの階調度γB (C)、γ
B(M)、γB (Y)を求め、γB (C)/γ
A (C)、γB (M)/γA (M)、γB (Y)/γA
(Y)の値を計算した。
【0271】更に、現像処理B−1の発色現像液に、本
発明の化合物(III −3)を1.0ミリモル/リットル
添加した以外は全く同様にして現像処理B−2を実施
し、同様にして現像処理A−1後の階調度との比を計算
した。得られた結果を表2に示す。
【0272】
【表2】
【0273】表2の結果から、本発明のハロゲン化銀溶
剤を添加することにより、(γB (C)/γA (C))
の値が0.8〜1.2となり、下層の現像遅れが改良さ
れ色再現性の良好な画像が得られることがわかる。
【0274】一方、本発明のハロゲン化銀溶剤は、(γ
B (M)/γA (M))及び(γB(Y)/γ
A (Y))の値については、ほとんど影響しない。
【0275】また、平均AgI含率が0.5〜5.0モ
ル%のとき、(γB (C)/γA (C))の値が0.9
〜1.1となり、より好ましいことがわかる。
【0276】実施例2 実施例1の現像処理B−2の本発明の化合物(III −
3)を表3に示すハロゲン化銀溶剤と等モル量(1.0
ミリモル/リットル)置き換えた以外は全く同様にして
現像処理B−3〜B−22を試料104について実施
し、実施例1と同様にしてγB (C)/γA (C)を求
めた。得られた結果を表3及び表4に示す。
【0277】
【表3】
【0278】
【表4】
【0279】実施例3 実施例1の実験A12について、現像処理B−2の本発
明の化合物(III −3)の添加量を表5に示すように変
更した以外は全く同様にして実験C01〜C08を実施
し、得られた結果を表5に示す。
【0280】
【表5】
【0281】表5の結果から、本発明の化合物(III −
3)の添加量が0.3〜5.0ミリモル/リットルのと
き、(γB (C)/γA (C))の値が0.90〜1.
10となりより好ましいことがわかる。また、該添加量
が20ミリモル/リットル以上のとき、未露光部のカブ
リ濃度が著しく増大した。
【0282】実施例4 実施例1の実験A12の現像処理B−2において、発色
現像時間及び発色現像液の温度を表6に示すように変更
した以外は全く同様にして実験を実施した。得られた結
果を表6に示す。
【0283】
【表6】
【0284】この結果から明らかなように、発色現像時
間が25秒〜90秒という短い時間で階調度の比が0.
8以上1.2以下の画像が得られ、すなわち迅速処理に
て色再現性の良好な画像が得られた。
【0285】実施例5 実施例1の試料105において、直径/厚み比(平均ア
スペクト比)のみを表7に示すように変更した以外は全
く同様にして試料501〜507を作成し、実験例1の
現像処理A−1、B−1、B−2を実施し、シアン濃度
の階調度の比(γB (C)/γA (C))をそれぞれ求
めた。得られた結果を表7に示す。
【0286】
【表7】
【0287】この結果から、平均アスペクト比が、5以
上10以下で最も本発明の効果が大きいことがわかる。
【0288】実施例6 実施例1の試料101の第3層、第4層、第5層の沃臭
化銀乳剤A、B、Cの平均沃化銀(AgI)含率を表8
に示すように変更した以外は全く同様にして試料601
〜610を作成し、実施例1の現像処理A−1、B−
1、B−2を実施し、シアン濃度の階調度の比(γ
B (C)/γA (C))をそれぞれ求めた。得られた結
果を表8及び表9に示す。
【0289】
【表8】
【0290】
【表9】
【0291】この結果から、本発明の沃臭化銀はどの赤
感性乳剤層に用いてもよいが、特に中感度赤感性乳剤層
に用いた方がより好ましいことがわかる。
【0292】実施例7 実施例1の試料101及び104を24mm幅、160cm
に裁断し、さらにそれぞれの試料の長さ方向の片側幅方
向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーションを
5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを32mm
間隔で設けたものを作成し、米国特許第5,296,8
87号のFIG.1〜FIG.7に説明されているプラ
スチック製のフィルムカートリッジに収納した。
【0293】これらの試料に磁気記録層の塗布面側から
ヘッドギャップ5μm、ターン数2000の入出力可能
なヘッドを用いて、上記パーフォレーションの間に10
0mm/sの送り速度でFM信号を記録した。
【0294】FM信号記録後、感光層側から白色光によ
りウェッジ露光した後、下記の現像処理A−2及びB−
30を実施した。各現像処理はシネ式自動現像機でラン
ニング処理(発色現像液の累積補充量がそのタンク容量
の3倍になるまで)をした。
【0295】処理後、各試料について現像処理A−2を
実施した後のシアン、マゼンタ、イエローの階調度γA
(C)、γA (M)、γA (Y)と、現像処理B−30
を実施した後のそれらγB (C)、γB (M)、γ
B (Y)を求め、γB (C)/γA (C)、γB (M)
/γA (M)、γB (Y)/γA (Y)の値を計算し
た。
【0296】次に、現像処理B−30を実施した後の試
料において、上記のヘッドで信号を記録した時と同一速
度で信号を読み出し、入力ビット数に対し、エラーを発
生したビット数の比率(エラー率)を求めた。このエラ
ー率が0.1%以上であればNGであり、0.05%以
下、好ましくは0.01%以下である。このように低く
すると実用上の問題はなくなってくる。
【0297】更に、現像処理B−30の発色現像液のタ
ンク液と補充液の両方に表10に示すハロゲン化銀溶剤
を、1.0ミリモル/リットル添加した以外は全く同様
にして現像処理B−31、B−32を実施し、γ
B (C)/γA (C)、γB (M)/γA (M)、γB
(Y)/γA (Y)、及びエラー率を求めた。得られた
結果を表10に示す。
【0298】
【表10】
【0299】表10の結果より、本発明はランニング処
理においても色再現性の良好な画像を得ることができ
た。又、本発明により磁気記録の読み取りエラーが著し
く減少することがわかった。
【0300】 (現像処理A−2の処理工程および液組成) (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 3分 5秒 38.0℃ 23ミリリットル 17リットル 漂 白 50秒 38.0℃ 5ミリリットル 5リットル 漂白定着 50秒 38.0℃ − 5リットル 定 着 50秒 38.0℃ 16ミリリットル 5リットル 水 洗 30秒 38.0℃ 34ミリリットル 3.5リットル 安 定(1) 20秒 38.0℃ − 3リットル 安 定(2) 20秒 38.0℃ 20ミリリットル 3リットル 乾 燥 1分30秒 60 ℃ *補充量は感光材料35mm巾1.1m当たり(24Ex.1本相当) 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着浴へ導入した。漂白定着
浴への補充は、自動現像機の漂白槽の上部並びに定着槽
の上部に切りかきを設け、漂白槽、定着槽への補充液の
供給により発生するオーバーフロー液の全てが漂白定着
浴に流入されるようにした。尚、現像液の漂白工程への
持ち込み量、漂白液の漂白定着工程への持ち込み量、漂
白定着液の定着工程への持ち込み量及び定着液の水洗工
程への持ち込み量は感光材料35mm巾1.1m当たりそ
れぞれ2.5ミリリットル、2.0ミリリットル、2.
0ミリリットル、2.0ミリリットルであった。また、
クロスオーバーの時間はいずれも6秒であり、この時間
は前工程の処理時間に包含される。
【0301】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 2.0 1−ヒドロキシエチリデン− 1,1−ジホスホン酸 2.0 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 5.1 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 1.4 0.4 沃化カリウム 1.3 mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 3.3 ジナトリウム N,N−ビス(スルホ ナートエチル)ヒドロキシルアミン 1.5 2.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 4.8(16.4mmol) 6.5(22.2mmol) 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調製) 10.05 10.15
【0302】 (漂白液) タンク液(g) 補充液(g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄アンモニウム一水塩 130 195 臭化アンモニウム 70 105 硝酸アンモニウム 14 21 ヒドロキシ酢酸 50 75 酢酸 40 60 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.4 4.4
【0303】(漂白定着タンク液)上記漂白タンク液と
下記定着タンク液の15対85(容量比)混合液。(p
H7.0)
【0304】 (定着液) タンク液(g) 補充液(g) 亜硫酸アンモニウム 19 57 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (700 g/リットル) 280ミリリットル 840ミリリットル イミダゾール 15 45 エチレンジアミン四酢酸 15 45 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 7.4 7.45
【0305】(水洗水)本願実施例1と同様の組成を使
用した。
【0306】(安定液)本願実施例1と同様の組成を使
用した。 (現像処理B−30の処理工程および液組成) (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 60秒 45.0℃ 260ミリリットル 5リットル 漂 白 20秒 45.0℃ 130ミリリットル 3リットル 定 着 40秒 45.0℃ 100ミリリットル 5リットル 水 洗(1) 15秒 45.0℃ − 1リットル 水 洗(2) 15秒 45.0℃ − 1リットル 水 洗(3) 15秒 45.0℃ 400ミリリットル 1リットル 乾 燥 45秒 80 ℃ * 補充量は感光材料1m2当たり (水洗は(3) から定着までは4タンク向流多段カスケード)
【0307】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− ジホスホン酸 3.3 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 6.5 炭酸カリウム 37.5 39.0 臭化カリウム 2.0 − 沃化カリウム 1.3 mg − ジナトリウム N,N−ビス(スルホ ナートエチル)ヒドロキシルアミン 12.0 17.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ〕 アニリン硫酸塩 11.5(39.3mmol) 15.0(51.3mmol) 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調製) 10.05 10.25
【0308】 (漂白液) タンク液(モル)補充液(モル) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄 塩アンモニウム一水塩 0.33 0.50 硝酸第二鉄九水和物 0.30 4.5 臭化アンモニウム 0.80 1.20 硝酸アンモニウム 0.20 0.30 酢酸 0.67 1.0 水を加えて 1.0 リットル 1.0 リットル pH〔アンモニア水で調製〕 4.5 4.0
【0309】 (定着液) タンク液、補充液共通(g) 亜硫酸アンモニウム 28 チオ硫酸アンモニウム水溶液( 700g/リットル) 280ミリリットル イミダゾール 15 エチレンジアミン四酢酸 15 水を加えて 1.0 リットル pH〔アンモニア水、酢酸で調製〕 5.8
【0310】(水洗水)本願実施例1記載の水洗水と同
じ組成のものを使用した。
【0311】(安定液)本願実施例1記載の安定液と同
じ組成のものを使用した。
【0312】実施例8 実施例1の発色現像主薬2−メチル−4−〔N−エチル
−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン硫酸
塩をD−3、D−7、D−10に等モル量変更して、実
施例1と同様な評価を行ったところ、実施例1と同様に
本発明の効果が確認された。
【0313】実施例9 実施例1の現像処理B−2の本発明の化合物(III −
3)を表11に示すハロゲン化銀溶剤と等モル量(1.
0ミリモル/リットル)置き換えた以外は全く同様にし
て現像処理B−40〜B−52を試料105について実
施し、実施例1と同様にしてγB (C)/γA (C)を
求めた。得られた結果を表11に示す。
【0314】
【表11】
【0315】実施例10 実施例7の現像処理A−2及びB−32について補充せ
ずにバッチ処理した以外は実施例7と全く同様にして現
像処理A′−2及びB′−32を試料105について実
施した。更に現像処理A′−2及びB′−32の現像主
薬濃度、発色現像液の温度、発色現像時間と現像処理
B′−32の III−3の濃度を表12に示したように変
更して実験を実施した。得られた結果を表12に示す。
【0316】
【表12】
【0317】表中の備考に記した〇は、本発明の好まし
い範囲にあることを、◎は本発明の最も好ましい範囲に
あることを意味している。
【0318】実施例11 本願実施例1の現像処理B−2において、本発明の化合
物(III−3)の添加量を0.5ミリモル/リットルに
し、更に本発明の化合物(III−8)、(III−12)、
(IV−1)、(V−3)をそれぞれ0.5ミリモル/リ
ットルずつ添加した以外は、実施例1と全く同様にして
実験を実施したところ、それぞれ同様に本発明の効果が
得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03C 7/413 G03C 7/413 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/20 G03C 1/00 G03C 1/035 G03C 7/00 510 G03C 7/407 G03C 7/413

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にそれぞれ少なくとも1層の、
    赤感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層
    及び青感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料において、発色現像時間の異なる下記
    2種類の現像処理A及び現像処理Bを実施したとき、該
    2種類の現像処理によって得られるイエロー、マゼンタ
    及びシアンの階調度が下記条件式を満足することを特徴
    とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 0.8≦γB (C)/γA (C)≦1.2 0.8≦γB (M)/γA (M)≦1.2 0.8≦γB (Y)/γA (Y)≦1.2 (γA (Y)、γA (M)、γA (C)はそれぞれ現像
    処理Aを実施したときのイエロー、マゼンタ、シアンの
    階調度を表わし、γB (Y)、γB (M)、γB (C)
    はそれぞれ現像処理Bを実施したときのイエロー、マゼ
    ンタ、シアンの階調度を表わす。) (現像処理A)発色現像時間が150〜200秒であ
    り、発色現像液の温度が35〜40℃であり、発色現像
    主薬を10〜20ミリモル/リットル含有しかつ、ハロ
    ゲン化銀溶剤を実質的に含有しない発色現像液を使用し
    発色現像処理する現像処理。 (現像処理B)発色現像時間が25〜90秒であり、発
    色現像液の温度が40〜60℃であり、発色現像主薬を
    25〜80ミリモル/リットル含有しかつ、チオ硫酸
    塩、メタンチオスルフォン酸塩、チオシアン酸塩、下記
    一般式(I)〜 (V)から選ばれるハロゲン化銀溶剤を
    少なくとも1種含有する発色現像液を使用し発色現像処
    理する現像処理。 一般式(I) L1 −(A−L2 n −B−L3 式中、L1 及びL3 は同一でも異なっていてもよく各々
    アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
    基、またはヘテロ環基を表し、L2 はアルキレン基、ア
    リーレン基、アラルキレン基、ヘテロ環連結基またはそ
    れらを組み合わせた連結基を表す。A及びBは同一でも
    異なっていてもよく各々−S−、−O−、−NR−、−
    CO−、−CS−、−SO2 −またはそれらを任意に組
    み合わせた基を表す。nは1〜10の整数を表す。ただ
    し、L1 及びL3 の少なくとも一つは−COOM基、−
    OM基、−SO3 M基で置換されているものとする。M
    は水素原子または対カチオンを表し、Rは水素原子、ア
    ルキル基、アリール基、アラルキル基またはアルケニル
    基を表す。ただし、A及びBの少なくとも一つは−S−
    を表す。 一般式(II) 【化1】 上記一般式(II)において、R11、R12、R13およびR
    14は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアルケニ
    ル基を表わす。 一般式(III) 【化2】 式中、R21、R22はアルキル基、シクロアルキル基、ア
    ルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基
    またはヘテロ環基を表わす。ただしR22は水素原子であ
    ってもよい。Yは−O−、−S−、−N(R23)−を表
    わし、R23はアルキル基、シクロアルキニル基、アルケ
    ニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アミ
    ノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基
    またはスルファモイルアミノ基を表わす。R21とR22
    22とR23はそれぞれ互いに結合して環を形成してもよ
    い。 一般式(IV) 【化3】 式中、Q41は5または6員の複素環を形成するのに必要
    な非金属原子群を表わす。尚、この複素環は炭素芳香環
    または複素芳香環と縮合していてもよい。L41は、単結
    合、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の
    複素環基又はこれらの組合せた連結基を表わす。R41
    カルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその
    塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基またはアンモ
    ニウム塩を表わす。qは1〜3の整数を表わし、M41
    水素原子またはカチオンを表わす。 一般式(V) 【化4】 式中、X51及びY51は脂肪族基、芳香族炭化水素基、複
    素環基、−N(R51)R52、−N(R53) N(R54) R
    55、−OR56、又は−SR57を表わす。尚、X51とY51
    は環を形成してもよいが、エノール化することはない。
    ただし、X51及びY51のうち少なくとも一つはカルボン
    酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、ホスホ
    ン酸もしくはその塩、アミノ基またはアンモニウム基、
    水酸基の少なくとも1つで置換されているものとする。
    51、R52、R53、R54及びR55は水素原子、脂肪族
    基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、R56及びR
    57は水素原子、カチオン、脂肪族基、芳香族炭化水素基
    又は複素環基を表わす。
  2. 【請求項2】 該赤感性ハロゲン化銀乳剤層の平均沃化
    銀含有率が0.1〜10モル%であるハロゲン化銀乳剤
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン
    化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 該ハロゲン化銀乳剤の平均沃化銀含有率
    が0.5〜5.0モル%であることを特徴とする請求項
    2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 該ハロゲン化銀乳剤の平均アスペクト比
    が5〜10であることを特徴とする請求項2に記載のハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 赤感性ハロゲン化銀乳剤層が高感度、中
    感度及び低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層の3層から成
    り、該中感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層が該ハロゲン化
    銀乳剤を含有することを特徴とする請求項2〜請求項4
    のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  6. 【請求項6】 該支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤層の
    反対側に透明磁気記録層を有することを特徴とする請求
    項1〜請求項5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カ
    ラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】 該2種類の現像処理A及びBが各々下記
    現像処理A′及びB′であることを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真感
    光材料。 (現像処理A′)発色現像時間が3分〜3分15秒であ
    り、発色現像液の温度が37〜39℃であり、発色現像
    主薬として2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−
    ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリンを15〜20ミリ
    モル/リットル含有しかつ、ハロゲン化銀溶剤を実質的
    に含有しない発色現像液を使用し発色現像処理する現像
    処理。 (現像処理B′)発色現像時間が50〜70秒であり、
    発色現像液の温度が43〜47℃であり、発色現像主薬
    として2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒド
    ロキシエチル)アミノ〕アニリンを35〜40ミリモル
    /リットル含有しかつ、下記ハロゲン化銀溶剤(III−
    3)を0.8〜3ミリモル/リットル含有する発色現像
    液を使用し発色現像処理する現像処理。 【化5】
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料について、請求項
    1に記載の現像処理Aまたは該現像処理Bを実施するこ
    とによりカラー画像を形成することを特徴とするカラー
    画像形成方法。
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