JPH09292678A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料及び画像形成方法

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JPH09292678A
JPH09292678A JP8127623A JP12762396A JPH09292678A JP H09292678 A JPH09292678 A JP H09292678A JP 8127623 A JP8127623 A JP 8127623A JP 12762396 A JP12762396 A JP 12762396A JP H09292678 A JPH09292678 A JP H09292678A
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JP
Japan
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group
silver halide
general formula
color
development
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Application number
JP8127623A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Shibata
美典 柴田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09292678A publication Critical patent/JPH09292678A/ja
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発色現像時間の短縮化による階調バランスの崩
れを改良し、現在広く普及している現像処理及び発色現
像時間を短縮化した超迅速処理のいずれにおいても実質
的に同等の階調、感度、ネガ濃度の画像を得ることが可
能なハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形
成方法を提供する。 【解決手段】支持体上に青感性層、緑感性層、及び赤感
性層を有し、粒子内部にカブリ核を有するハロゲン化銀
乳剤を含有し、かつ、発色現像時間の異なる2種類の現
像処理を実施したとき、それらの現像処理によって得ら
れるイエロー、マゼンタ及びシアンの階調度がほぼ等し
く、かつ、感度差がそれぞれ露光量の対数で、−0.2
以上+0.2以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は迅速処理に適するハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方
法に関するものであり、更に詳しくは発色現像時間の短
縮化による感度低下、階調変化を改良し、現在広く普及
している処理及び迅速処理のいずれにおいても実質的に
同等の感度、階調の画像が得られることが可能なハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料およびカラー画像形成方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーネガ感光材料の現像処理時間は、
1972年に導入されたコダック社のC−41処理によ
り著しく迅速化され、乾燥工程を含まないウエット処理
時間で17分20秒である。また、近年ミニラボ市場に
導入された富士写真フイルム(株)のCN−16FA処
理のウエット処理時間は、更に迅速化が進み8分15秒
である。
【0003】処理の迅速化が進んでいる現在において
も、ユーザーが撮影したネガ感光材料をプリント依頼し
た場合、最も仕上がりの早い店頭処理(いわゆるミニラ
ボ)でも仕上がるのに30分前後要し、大多数のユーザ
ーに写真店に2度足を運ぶことを強いているのが現状で
ある。カラーネガとカラーペーパーの現在のシステムに
おいて、写真店に足を運ぶのを1度にしたいというユー
ザーの要求に応えるため更なる現像処理時間の大幅な短
縮化が望まれている。
【0004】従来の現像処理時間の短縮化は、主に発色
現像処理工程以降の脱銀工程においてなされており、前
述のC−41処理とCN−16FA処理を例にとれば、
前者の発色現像時間は3分15秒で後者のそれは3分5
秒であり、発色現像時間に関してはほとんど変わってい
ない。そしてCN−16FA処理において、発色現像時
間は全現像処理時間の約40%を占めるに至っており、
更なる現像処理時間の大幅な短縮化を行うためには、発
色現像時間の短縮化を行わないと極めて困難な状況にあ
る。
【0005】一方、C−41処理及びそれと互換性を有
する現像処理(例えば、CN−16FA処理)は、現在
全世界的に広く普及しており、発色現像時間を短縮化し
た迅速処理を実際の市場に導入するためには、この迅速
処理もC−41処理と互換性を有することが求められ
る。通常カラーネガ感光材料は、いくつかの感色性ハロ
ゲン化銀乳剤層から成っており、現像処理した際各乳剤
層の階調バランスが最適になるよう設計されているが、
発色現像時間を短縮化した迅速処理を実施すると階調バ
ランスが崩れ色再現性が著しく悪化する、感度低下が生
じる、ネガ濃度が全体に低下し、プリント時に多大なカ
ラーキー補正を必要とする等の問題が生じる。
【0006】異なる発色現像時間において現像処理を実
施しても同様の階調を得る処理方法が、例えば特開平2
−2553号に開示されている。該処理方法によれば、
処理温度、発色現像液中の発色現像主薬の濃度及び発色
現像時間を変更することにより同等の階調が得られる。
具体的に該特許の実施例1において、処理温度38℃、
発色現像主薬濃度15ミリモル/リットル、発色現像時
間3分15秒(C−41処理同等の処理と考えられる)
で得られる階調(ガンマ値)と同等の階調が、処理温度
38℃、発色現像主薬濃度150ミリモル/リットル、
発色現像時間1分30秒にて得られることが示されてい
る。
【0007】しかしながら、該処理方法による発色現像
時間の短縮化は、発色現像主薬の濃度が100ミリモル
/リットルを越えるため、液中での発色現像主薬の自己
カップリング反応が著しく促進され、保存後の発色現像
主薬の濃度低下による写真性の変動が大きくなりまた、
該自己カップリング反応の生成物による感光材料への着
色が増大する。更に、現像処理後の感光材料中に残る発
色現像主薬が増大し、該感光材料を室内にて保存した時
に、特に未露光部の濃度(ステイン)が著しく上昇して
しまう。
【0008】上記問題を回避するため、発色現像主薬の
濃度を80ミリモル/リットル以下にして、処理温度を
40℃以上にすることにより発色現像処理時間を1分3
0秒以下に短縮化すると、発色現像主薬の拡散が律速に
なり、感光材料の上層(支持体から遠い側の乳剤層)の
現像に対し下層(支持体から近い側の乳剤層)の現像が
遅れ、上層と下層の階調バランスが崩れ色再現性が著し
く悪化し、また感度低下が起きてしまった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、発色現像時間の短縮化による階調バランスの崩れを
改良し、現在広く普及している現像処理及び発色現像時
間を短縮化した超迅速処理のいずれにおいても実質的に
同等の階調、感度、ネガ濃度の画像を得ることが可能な
ハロゲン化銀カラー写真感光材料及びカラー画像形成方
法に関するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の方法により達成された。 (1)支持体上にそれぞれ少なくとも1層の青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び赤感性
ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感
光材料において、粒子内部にカブリ核を有するハロゲン
化銀乳剤を含有し、かつ、発色現像時間の異なる下記2
種類の現像処理及び現像処理を実施したとき、該2
種類の現像処理によって得られるイエロー、マゼンタ及
びシアンの階調度が下記条件式を満足し、かつ、現像処
理によるイエロー、シアン、マゼンタの感度が現像処
理によるイエロー、シアン、マゼンタの感度に対しそ
れぞれ露光量の対数で、−0.2以上+0.2以下であ
ることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 0.8≦γ2 (Y)/γ1 (Y)≦1.2 0.8≦γ2 (M)/γ1 (M)≦1.2 0.8≦γ2 (C)/γ1 (C)≦1.2 但し、γ1 (Y)、γ1 (M)、γ1 (C)はそれぞれ
現像処理を実施したときのイエロー、マゼンタ、シア
ンの階調度を表し、γ2 (Y)、γ2 (M)、γ
2 (C)はそれぞれ現像処理を実施したときのイエロ
ー、マゼンタ、シアンの階調度を表す。 (現像処理)発色現像時間が2分45秒〜3分30秒
であり、発色現像液の温度が37〜39℃であり、発色
現像主薬として2−メチル−4−〔N−エチル−N(β
−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリンを15〜20ミ
リモル/リットル含有しかつ、ハロゲン化銀溶剤を実質
的に含有しない発色現像液を使用し発色現像処理するこ
とを特徴とする現像処理。 (現像処理)発色現像時間が40秒〜90秒であり、
発色現像液の温度が40〜50℃であり、発色現像主薬
として2−メチル−4−〔N−エチル−N(β−ヒドロ
キシエチル)アミノ〕アニリンを25〜60ミリモル/
リットル含有しかつ、下記一般式(I−1)〜(I−
5)から選ばれるハロゲン化銀溶剤をトータルで0.0
5〜50ミリモル/リットル含有する発色現像液を使用
し発色現像処理することを特徴とする現像処理。
【0011】
【化6】
【0012】一般式(I−1) (ハロゲン化銀溶剤A)式中、Qa1は5または6員の複
素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。尚、こ
の複素環は炭素芳香環または複素芳香環と縮合していて
もよい。La1は、単結合、二価の脂肪族基、二価の芳香
族炭化水素基、二価の複素環基またはこれらを組み合わ
せた連結基を表す。Ra1はカルボン酸もしくはその塩、
スルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその
塩、アミノ基またはアンモニウム塩を表す。qは1〜3
の整数を表し、Ma1は水素原子またはカチオンを表す。
【0013】
【化7】
【0014】一般式(I−2) (ハロゲン化銀溶剤B)式中Qb1は、炭素原子、窒素原
子、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子により構成さ
れる5または6員のメソイオン環を表し、Xb1 - は−O
- 、−S- または−N- b1を表す。Rb1は脂肪族基、
芳香族炭化水素基または複素環基を表す。 一般式(I−3) (ハロゲン化銀溶剤C) Lc1−(Ac1−Lc2)r −Ac2−Lc3 式中、Lc1およびLc3は同一でも異なっていてもよく各
々脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環を表し、Lc1は
二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の複素
環連結基またはそれらを組み合わせた連結基を表す。A
c1およびAc2はそれぞれ−S−、−O−、−NR
c20 −、−CO−、−SO2 −、またはそれらを組み合
わせた基を表す。rは1〜10の整数を表す。但し、L
c1およびLc3の少なくとも1つは−SO3 c1、−PO
3 c2c3、−NRc1(Rc2)、−N+c3(Rc4
(Rc5)・Xc1 - 、−SO2NRc6(Rc7)、−NRc8
SO2 c9、−CONRc10(Rc11)、−NRc12 COR
c13 、−SO2 c14 、−PO(−NRc15(Rc16)2
−NRc17 CONRc18(Rc19)、−COOMc4または複
素環基で置換されているものとする。Mc1、Mc2、Mc3
およびMc4は同一でも異なっていてもよく各々水素原子
または対カチオンを表す。Mc1〜Mc20 は同一でも異な
っていてもよく各々水素原子、脂肪族基または芳香族炭
化水素基を表し、Xc1 - は対アニオンを表す。但し、A
c1およびAc2の少なくとも1つは−S−を表す。
【0015】
【化8】
【0016】一般式(I−4) (ハロゲン化銀溶剤D)式中、Xd およびYd は脂肪族
基、芳香族炭化水素基、複素環基、−N(Rd1)Rd2
−N(Rd3)N(Rd4)Rd5、−ORd6、または−SR
d7を表す。尚、Xd とYd は環を形成していてもよい
が、エノール化することはない。但し、Xd およびYd
のうち少なくとも1つはカルボン酸もしくはその塩、ス
ルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、
アミノ基またはアンモニウム基、水酸基の少なくとも1
つで置換されているものとする。Rd1、Rd2、Rd3、R
d4およびRd5は水素原子、脂肪族基、芳香族炭化水素基
または複素環基を表し、Rd6およびRd7は水素原子、カ
チオン、脂肪族基、芳香族炭化水素基または複素環基を
表す。
【0017】
【化9】
【0018】一般式(I−5) (ハロゲン化銀溶剤E)上記一般式(I−5)におい
て、Re1、Re2、Re3およびRe4は、それぞれ、水素原
子、アルキル基またはアルケニル基を表す。 (2)下記一般式(II)の現像促進剤放出カプラーを含
有することを特徴とする前記(1)に記載のハロゲン化
銀カラー写真感光材料。 一般式(II) A−(TIME)n −ETA (現像促進剤放出カプラー)式中、Aは現像主薬酸化体
とのカップリング反応により(TIME)a −ETAを
離脱するカプラー残基を表し、TIMEはカップリング
反応によりAより離脱した後に(TIME)n-1 −ET
Aを開裂するタイミング基を表し、nは1、2、または
3を表す。nが2以上であるとき複数個のTIMEは同
じものまたは異なるものを表す。ETAは、TIMEと
の結合が開裂することにより、電子伝達剤となる基を表
す。 (3)下記一般式(III) で表される化合物を5×10-4
〜5×10-1g/m2含むことを特徴とする前記(1)ま
たは(2)に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0019】
【化10】
【0020】一般式(III) 一般式(III) においてR31、R32は水素原子、ハロゲン
原子、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、カル
バモイル基、スルファモイル基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ
カルボニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルチ
オ基、ウレイド基、アリール基、複素環基、アルキル
基、アシル基、アリールチオ基、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基を表す。R31とR32はそれぞれ同一であっ
ても異なっていてもよい。一般式(III) で表される化合
物は発色現像時に現像主薬の酸化体と反応して現像抑制
基を放出するいわゆるDIRカプラーとは異なる。 (4)粒子内部にカブリ核を有するハロゲン化銀乳剤
が、銀1モル当たり1×10-7〜1×10-1モルのS及
び/または銀1モル当たり1×10-7〜1×10-1モル
のAu及び/または銀1モル当たり1×10-5〜1×1
-1モルの前記(3)に記載の一般式(III) の化合物を
含有することを特徴とする前記(1)に記載のハロゲン
化銀カラー写真感光材料。 (5)該支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤層の反対側に
磁気記録層を塗設してあることを特徴とする前記(1)
ないし(4)のいずれかに記載のハロゲン化銀カラー写
真感光材料。 (6)前記の(1)ないし(5)のいずれかに記載のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を、前記(1)に記載の
現像処理によって処理することを特徴とするカラー画
像形成方法。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明の一般式(I-1) で表されるハロゲン
化銀溶剤(A)について詳細に説明する。一般式(I-1)
中、Qa1は好ましくは炭素原子、窒素原子、酸素原子、
硫黄原子及びセレン原子の少なくとも一種の原子から構
成される5又は6員の複素環を形成するのに必要な非金
属原子群を表わす。尚、この複素環は炭素芳香環または
複素芳香環で縮合していてもよい。複素環としては例え
ばテトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、
チアジアゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾ
ール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンズオキサ
ゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール
環、ピリミジン環、トリアザインデン環、テトラアザイ
ンデン環、ペンタアザインデン環等があげられる。Ra1
はカルボン酸またはその塩(例えばナトリウム塩、カリ
ウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩)、スルホン酸
またはその塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩)、ホスホ
ン酸またはその塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、
アンモニウム塩)、置換もしくは無置換のアミノ基(例
えば無置換アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
メチルアミノ、ビスメトキシエチルアミノ)、置換もし
くは無置換のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモ
ニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルベンジルア
ンモニウム)を表わす。La1は単結合、二価の脂肪族
基、二価の芳香族炭化水素基、二価の複素環基又はこれ
らの組合せた連結基を表わす。La1は好ましくは炭素数
1〜10のアルキレン基(例えばメチレン、エチレン、
プロピレン、ブチレン、イソプロピレン、2−ヒドロキ
シプロピレン、ヘキシレン、オクチレン)、炭素数2〜
10のアルケニレン基(例えばビニレン、プロペニレ
ン、ブテニレン)、炭素数7〜12のアラルキレン基
(例えばフェネチレン)、炭素数6〜12のアリーレン
基(例えばフェニレン、2−クロロフェニレン、3−メ
トキシフェニレン、ナフチレン)、炭素数1〜10の複
素環基(例えばピリジル、チエニル、フリル、トリアゾ
リル、イミダゾリル)の二価のもの、単結合およびこれ
らの基を任意に組合せた基であってもよいし、−CO
−、−SO2 −、−NR202−、−O−または−S−を
任意に組合せたものでもよい。ここでR202 は水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチル、エチ
ル、ブチル、ヘキシル)、炭素数7〜10のアラルキル
基(例えばベンジル、フェネチル)、炭素数6〜10の
アリール基(例えばフェニル、4−メチルフェニル)を
表わす。
【0022】Ma1は水素原子またはカチオン(例えば、
ナトリウム原子、カリウム原子のようなアルカリ金属原
子、マグネシウム原子、カルシウム原子のようなアルカ
リ土類金属原子、アンモニウム基、トリエチルアンモニ
ウム基のようなアンモニウム基)を表わす。また一般式
(I-1) で表わされる複素環およびRa1はニトロ基、ハロ
ゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、メルカプト
基、シアノ基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル
基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、
シアノエチル)、アリール基(例えばフェニル、4−メ
タンスルホンアミドフェニル、4−メチルフェニル、
3,4−ジクロルフェニル、ナフチル)、アルケニル基
(例えばアリル)、アラルキル基(例えばベンジル、4
−メチルベンジル、フェネチル)、スルホニル基(例え
ばメタンスルホニル、エタンスルホニル、p−トルエン
スルホニル)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモ
イル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、
スルファモイル基(例えば無置換スルファモイル、メチ
ルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、カルボ
ンアミド基(例えばアセトアミド、ベンズアミド)、ス
ルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、ア
シルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、スルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオ
キシ)、ウレイド基(例えば無置換ウレイド、メチルウ
レイド、エチルウレイド、フェニルウレイド)、アシル
基(例えばアセチル、ベンゾイル)、オキシカルボニル
基(例えばメチキシカルボニル、フェノキシカルボニ
ル)、オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカル
ボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2−エチ
ルヘキシルオキシカルボニルアミノ)、ヒドロキシル基
などで置換されていてもよい。
【0023】qは1〜3の整数を表わすが、qが2また
は3を表わすときは各々のRa1は同じであっても異って
いてもよい。一般式(I-1) 中、好ましくはQa1はテトラ
ゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジ
アゾール環、トリアザインデン環、テトラアザインデン
環、ペンタアザインデン環を表わし、Ra1はカルボン酸
またはその塩、スルホン酸またはその塩から選ばれる基
の1つまたは2つで置換された炭素数1〜6のアルキル
基を表わし、qは1または2を表わす。一般式(I-1) で
表わされる化合物の中で、より好ましい化合物としては
一般式(I-A-1) で表わされる化合物があげられる。 一般式(I-A-1)
【0024】
【化11】
【0025】式中、Ma1及びRa1は前記一般式(I-1) の
それぞれと同義である。T及びUはC−Ra2またはNを
表わし、Ra2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、ウレイド基又はRa1を表わす。ただしRa2がRa1
表わすときは一般式(I-1) のRa1と同じであっても異っ
ていてもよい。次に一般式(I-A-1) について詳細に説明
する。T及びUはC−Ra2またはNを表わし、Ra2は水
素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、
ヒドロキシ基、ニトロ基、アルキル基(例えばメチル、
エチル、メトキシエチル、n−ブチル、2−エチルヘキ
シル)、アルケニル基(例えばアリル)、アラルキル基
(例えば、ベンジル、4−メチルベンジル、フェネチ
ル、4−メトキシベンジル)、アリール基(例えば、フ
ェニル、ナフチル、4−メタンスルホンアミドフェニ
ル、4−メチルフェニル)、カルボンアミド基(例え
ば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メトキシプロ
ピオニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタン
スルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエ
ンスルホンアミド)、ウレイド基(例えば、無置換のウ
レイド、メチルウレイド、フェニルウレイド)、または
a1を表わす。ただしRa2がRa1を表わすときは、一般
式(I-1) のRa1と同じであっても異っていてもよい。一
般式(I-A-1) 中、好ましくはT=U=Nであり、Ra1
カルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩から
選ばれる基の1つまたは2つで置換された炭素数1〜4
のアルキル基を表わす。以下に本発明の一般式(I-1) の
化合物の具体例を示すが本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】本発明で用いられる一般式(I-1) の化合物
は、ベリヒテ・デア・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲ
ゼルシャフト(Berichte der Deutschen Chemischen Ge
sellschaft) 28、77(1895)、特開昭60−6
1749号、同60−147735号、ベリヒテ・デア
・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲゼルシャフト(Beri
chte der Deutschen Chemischen Gesellschaft) 22、
568(1889)、同29、2483(1896)、
ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Che
m.Soc.)1932、1806、ジャーナル・オブ・ジ・
アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.So
c.) 71、4000(1949)、アドバンシイズ・イ
ン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Advances in H
eterocyclic Chemistry)9、165(1968)、オー
ガニック・シンセシス(Organic Synthesis)IV、569
(1963)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.) 45、23
90(1923)、ヘミシェ・ベリヒテ(Chemische Be
richte) 9、465(1876)に記載されている方法
に準じて合成できる。
【0029】次に一般式(I-2) について詳細に説明す
る。一般式(I-2) 中、Qb1は、炭素原子、窒素原子、酸
素原子、硫黄原子またはセレン原子により構成される5
または6員のメソイオン環を表わし、Xb1 -は−O-
−S- または−N- b1を表わす。Rb1は脂肪族基、芳
香族炭化水素基、または複素環基を表わす。本発明の一
般式(I-2) で表わされるメソイオン化合物とはW.Bake
r とW.D.Ollis がクオータリー・レビュー(Ouart.R
ev.)11、15(1957)、アドバンシイズ・イン・
ヘテロサイクリック・ケミストリー(Advances in Heter
ocyclic Chemistry)19、1(1976)で定義してい
る化合物群であり「5または6員の複素環状化合物で、
一つの共有結合構造式または極性構造式では満足に表示
することができず、また環を構成するすべての原子に関
連したπ電子の六偶子を有する化合物で環は部分的正電
荷を帯び、環外原子または原子団上の等しい負電荷とつ
り合いをたもっている」ものを表わす。Qb1で表わされ
るメソイオン環としては、イミダゾリウム環、ピラゾリ
ウム環、オキサゾリウム環、チアゾリウム環、トリアゾ
リウム環、テトラゾリウム環、チアジアゾリウム環、オ
キサジアゾリウム環、チアトリアゾリウム環、オキサト
リアゾリウム環などがあげられる。
【0030】Rb1は置換もしくは無置換の脂肪族基(例
えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソ
プロピル、n−オクチル、カルボキシメチル、ジメチル
アミノエチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキ
シル、シクロペンチル、プロペニル、2−メチルプロペ
ニル、プロパルギル、ブチニル、1−メチルプロパルギ
ル、ベンジル、4−メトキシベンジル)、置換もしくは
無置換の芳香族基(例えばフェニル、ナフチル、4−メ
チルフェニル、3−メトキシフェニル、4−エトキシカ
ルボニルフェニル)、置換又は無置換の複素環基(例え
ばピリジル、イミダゾリル、モルホリノ、トリアゾリ
ル、テトラゾリル、チエニル)を表わす。また、Mで表
わされるメソイオン環は一般式(I-1) で説明した置換基
で置換されていてもよい。さらに一般式(I-2) で表わさ
れる化合物は、塩(例えば酢酸塩、硝酸塩、サリチル酸
塩、塩酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩)を形成してもよ
い。一般式(I-2) 中好ましくはXb1 - は−S- を表わ
す。本発明で用いられる一般式(I-2) のメソイオン化合
物の中でより好ましくは以下の一般式(I-B-1) があげら
れる。 一般式(I-B-1)
【0031】
【化14】
【0032】式中、Xb2はNまたはC−Rb3を表わし、
b1はO、S、NまたはN−Rb4を表わし、Zb1はN、
N−Rb5またはC−Rb6を表わす。Rb2、Rb3、Rb4
b5およびRb6は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミ
ノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アシル基またはカルバモ
イル基を表わす。ただし、Rb3およびRb6は水素原子で
あってもよい。また、Rb2とRb3、Rb2とRb5、Rb2
b6、Rb4とRb5およびRb4とRb6は環を形成してもよ
い。上記一般式(I-B-1) で示される化合物について詳細
に説明する。Rb2、Rb3、Rb4、Rb5およびRb6の脂肪
族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アシル基及びカルバモイル基は置換されていて
もよい。一般式(I-B-1) 中好ましくはXb2はN、C−R
b3を表わし、Yb1はN−Rb4またはS、Oを表わし、Z
b1はNまたはC−Rb6を表わし、Rb2、Rb3またはRb6
は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置
換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基
または置換もしくは無置換の複素環基を表わす。ただし
b3およびRb6は、水素原子であってもよい。Rb4は、
置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換
のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、
置換もしくは無置換の複素環基、置換もしくは無置換の
アミノ基が好ましい。一般式(I-B-1) 中、より好ましく
はXb2はNを表わし、Yb1はN−Rb4を表わし、Zb1
C−Rb6を表わす。Rb2およびRb4は炭素数1〜6、よ
り好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を表わし、Rb6
は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を、より好
ましくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表
わす。ただしRb2、Rb4およびRb6のうち少なくとも1
つのアルキル基は少なくとも1つのカルボン酸基、スル
ホン酸基、アミノ基、ホスホノ基で置換されているもの
がより好ましく、特にカルボン酸基、スルホン酸基で置
換されているものが好ましい。
【0033】また、一般式(I-B-1) の類似化合物として
以下の一般式(I-B-2) が挙げられる。 一般式(I-B-2)
【0034】
【化15】
【0035】式中、Xb2、Yb1、Zb1は前記一般式(I-B
-1) と全く同様である。以下に本発明の一般式(I-2) の
化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0036】
【化16】
【0037】
【化17】
【0038】
【化18】
【0039】
【化19】
【0040】
【化20】
【0041】
【化21】
【0042】本発明の前記一般式(I-2) で表わされる化
合物は、特開平1−201659号、同4−14375
5号等に記載の方法で合成できる。次に一般式(I-3) に
ついて詳細に説明する。LC1及びLC3は置換もしくは無
置換の炭素数1〜10の脂肪族基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ヘキシル、イソプロピル、カルボキシ
エチル、ベンジル、フェネチル、ビニル、プロペニル、
1−メチルビニル)、置換もしくは無置換の炭素数6〜
12の芳香族基(例えば、フェニル、4−メチルフェニ
ル、3−メトキシフェニル)、または置換もしくは無置
換の炭素数1〜10の複素環基(例えば、ピリジル、フ
リル、チエニル、イミダゾリル)を表わし、LC2は置換
もしくは無置換の炭素数1〜12の二価の脂肪族基(例
えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチ
レン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルエ
チレン、1−ヒドロキシトリメチレン、1,2−キシリ
レン)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の二価の
芳香族基(例えば、フェニレン、ナフチレン)、置換も
しくは無置換の炭素数1〜10の二価の複素環連結基
(例えば
【0043】
【化22】
【0044】AC1及びBC1は−S−、−O−、−NR
C20 −、−CO−、−CS−、−SO2 −またはそれら
を任意に組合せた基を表わし、任意に組合せた基として
は例えば−CONRC21 −、−NRC22 CO−、−NR
C23 CONRC24 −、−COO−、−OCO−、−SO
2 NRC25 −、−NRC26 SO2 −、−NRC27 CON
C28 −等があげられる。rは1〜10の整数を表わ
す。ただし、LC1及びLC3の少なくとも1つは−SO3
C1、−PO3 C2C3、−NRC1(RC2)(塩酸塩、
酢酸塩などの塩の形でもよく、例えば無置換アミノ、メ
チルアミノ、ジメチルアミノ、N−メチル−N−ヒドロ
キシエチルアミノ、N−エチル−N−カルボキシエチル
アミノ)、−N+ C3(RC4)(RC5)・XC1 -(例え
ば、トリメチルアンモニオクロリド)、−SO2 NRC6
(RC7)(例えば、無置換スルファモイル、ジメチルス
ルファモイル)、−NRC8SO2 C9(例えば、メタン
スルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、−CON
C10(RC11 )(例えば、無置換カルバモイル、N−
メチルカルバモイル、N,N−ビス(ヒドロキシエチ
ル)カルバモイル)、−NRC12 CORC13 (例えば、
ホルムアミド、アセトアミド、4−メチルベンゾイルア
ミノ)、−SO2 14(例えば、メタンスルホニル、4
−クロルフェニルスルホニル)、−PO(−NR
C15 (RC16 2 (例えば、無置換ホスホンアミド、テ
トラメチルホスホンアミド)、−NRC17 CONRC18
(RC19 )(例えば、無置換ウレイド、N,N−ジメチ
ルウレイド)、複素環基(例えば、ピリジル、イミダゾ
リル、チエニル、テトラヒドロフラニル)−COOMC4
で置換されているものとする。
【0045】MC1、MC2、MC3及びMC4は水素原子また
は対カチオン(例えば、ナトリウム原子、カリウム原子
のようなアルカリ金属原子、マグネシウム原子、カルシ
ウム原子のようなアルカリ土類金属原子、アンモニウ
ム、トリエチルアンモニウムのようなアンモニウム基)
を表わす。RC1〜RC28 は水素原子、置換もしくは無置
換の炭素数1〜12の脂肪族基(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ヘキシル、イソプロピル、ベンジル、フ
ェネチル、ビニル、プロペニル、1−メチルビニル)、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基(例え
ば、フェニル、4−メチルフェニル、3−メトキシフェ
ニル)を表わし、X- は対アニオン(例えば、塩素イオ
ン、臭素イオンのようなハロゲンイオン、硝酸イオン、
硫酸イオン、酢酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
ン)を表わす。LC1、LC2、LC3、RC1〜RC28 の各基
が置換基を有する場合、その置換基としては炭素数1〜
4の低級アルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数
6〜10のアリール基(例えば、フェニル、4−メチル
フェニル)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えばベ
ンジル)、炭素数2〜4のアルケニル基(例えば、プロ
ペニル)、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メト
キシ基、エトキシ基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子)、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基
(塩の形でもよい)、ヒドロキシ基等があげられる。
尚、rが2以上の時は、AC1及びLC2は先にあげた基の
任意の組合せでよい。また、AC1、BC1の少なくとも1
つは−S−を表わす。
【0046】一般式(I-3) 中好ましくはLC1及びLC3
少なくとも一方は−SO3 C1、−PO3 C2C3、−
NRC1(RC2)、−N+ C3(RC4)(RC5)・
C1 -、複素環基−COOMC4で置換された炭素数1〜
6のアルキル基を表わし、LC2は炭素数1〜6のアルキ
レン基を表わす。AC1及びBC1は−S−、−O−または
−NRC20 −を表わし、RC1、RC2、RC3、RC4、RC5
及びRC20 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
を表わし、rは1〜6の整数を表わす。一般式(I-3)
中、より好ましくはLC1及びLC3は−SO3 C1、−P
3 C2C3、−COOMC4で置換された炭素数1〜4
のアルキル基であり、AC1及びBC1は−S−を表わし、
rは1〜3の整数を表わす。以下に本発明の一般式(I-
3) の化合物の具体例を示すが本発明はこれに限定され
るものではない。
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】本発明の前記一般式(I-3) で表わされる化
合物は、特開平2−44355号、欧州特許公開458
277号等に記載の方法で合成できる。次に一般式(I-
4) について詳細に説明する。一般式(I-4) 中、Xd
d 、Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Rd5、Rd6及びRd7
表される脂肪族基、芳香族基及び複素環基としてはそれ
ぞれ以下の例があげられる。すなわち、置換もしくは無
置換の炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル、
エチル、プロピル、ヘキシル、イソプロピル、カルボキ
シエチル、スルホエチル、アミノエチル、ジメチルアミ
ノエチル、ホスホノプロピル、カルボキシメチル、ヒド
ロキシエチル)、置換もしくは無置換の炭素数2〜10
のアルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、1−メ
チルビニル)、置換もしくは無置換の炭素数7〜12の
アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、3−カ
ルボキシフェニルメチル、4−スルホフェニルエチ
ル)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のアリール
基(例えば、フェニル、ナフチル、4−カルボキシフェ
ニル、3−スルホフェニル)、置換もしくは無置換の炭
素数1〜10の複素環基(例えば、ピリジル、フリル、
チエニル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリル、ピリ
ミジニル、キノリル、ピペリジル、ピロリジルのような
5ないし6員環が好ましい)を表す。
【0050】また、このアルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基、アリール基及び複素環基は置換されていて
もよい。置換基として例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド
基、ウレタン基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、
アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基等が挙げられる。これらの基はさらに置
換されていてもよい。置換基が2つ以上あるときは同じ
であっても異なっていてもよい。一般式(I-4) におい
て、Xd とYd は環を形成してもよいが、エノール化す
ることはない。Xd とYd とで形成される環としては、
例えば4−イミダゾリン−2−チオン環、イミダゾリジ
ン−2−チオン環、チアゾリン−2−チオン環、4−チ
アゾリジン−2−チオン環、4−オキサゾリン−2−チ
オン環、オキサゾリジン−2−チオン環、ピロリジン−
2−チオン環、またはそれぞれのベンゾ縮環体が挙げら
れる。
【0051】ただし、一般式(I-4) においてXd 及びY
d のうち少なくとも一つはカルボン酸もしくはその塩
(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、スルホ
ン酸もしくはその塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩)、ホスホン酸もしくはその塩(例えば、アル
カリ金属塩、アンモニウム塩)、アミノ基(例えば、無
置換アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、ジメチル
アミノの塩酸塩)またはアンモニウム(例えば、トリメ
チルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム)、
水酸基の少なくとも1つで置換されているものとする。
一般式(I-4) 中、Rd6及びRd7で表されるカチオンは、
水素原子、アルカリ金属、アンモニウム等を表す。一般
式(I-4) 中、好ましくは本発明においてXd 及びY
d は、好ましくはカルボン酸またはその塩、スルホン酸
またはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基ま
たはアンモニウム基、水酸基から選ばれる基の少なくと
も一つまたは二つで置換された炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜10の複素環基、炭素数0〜10の−
N(Rd1) Rd2、炭素数0〜10の−N(Rd3) N(R
d4) Rd5、炭素数0〜10の−ORd6を表す。Rd1、R
d2、Rd3、Rd4、Rd5及びRd6は水素原子、アルキル基
を表す。一般式(I-4) 中、より好ましくはXd 及びYd
はカルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩か
ら選ばれる基の少なくとも一つまたは二つで置換された
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数0〜6の−N
(Rd1) Rd2、炭素数0〜6の−N(Rd3) N(Rd4)
d5、炭素数0〜6の−ORd6を表す。Rd1、Rd2、R
d3、Rd4、Rd5及びRd6は水素原子、アルキル基を表
す。以下に本発明の一般式(I-4) の化合物の具体例を示
すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
【化25】
【0053】
【化26】
【0054】
【化27】
【0055】
【化28】
【0056】本発明の一般式(I-4) で表される化合物は
公知の方法、例えばジャーナル・オブ・オーガニック・
ケミストリー(J.Org.Chem.)24,470
−473(1959)、ジャーナル・オブ・ヘテロサイ
クリック・ケミストリー(J.Heterocycl.
Chem.)4,605−609(1967)、「薬
誌」82,36−45(1962)、特公昭39−26
203号、特開昭63−229449号、OLS−2,
043,944号を参考にして合成できる。
【0057】以下に、一般式(I-5) について詳細に説明
する。一般式(I-5) において、Re1、Re2、Re3および
e4は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアルケ
ニル基を表わす。アルキル基としては、ヒドロキシ基、
カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、ニトロ基等の置
換基を有するものであってもよく、炭素数は1〜5であ
ることが好ましく、特に1〜2であることが好ましい。
【0058】アルケニル基としては、上記の置換基を有
するものであってもよく、炭素数は2〜5であることが
好ましく、特に2〜3であることが好ましい。
【0059】上記の中でも、本発明においては、Re1
e4が水素原子または炭素数1〜2の置換もしくは無置
換のアルキル基であることが好ましく、特にRe1が置換
アルキル基であることが好ましい。置換基としては、ヒ
ドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基が好ましく、カ
ルボキシル基、スルホ基が特に好ましい。以下に、一般
式(I-5) で表わされる化合物の具体例を挙げるが、これ
らに限定されるわけではない。
【0060】 (I-E- 1) イミダゾール (I-E- 2) 1−メチルイミダゾール (I-E- 3) 2−メチルイミダゾール (I-E- 4) 4−メチルイミダゾール (I-E- 5) 4−ヒドロキシメチルイミダゾール (I-E- 6) 1−エチルイミダゾール (I-E- 7) 1−ビニルイミダゾール (I-E- 8) 4−アミノメチルイミダゾール (I-E- 9) 2,4−ジメチルイミダゾール (I-E-10) 2,4,5−トリメチルイミダゾール (I-E-11) 2−アミノエチルイミダゾール (I-E-12) 2−ニトロエチルイミダゾール
【0061】(I-E-13) 1−カルボキシメチル−2−メ
チル−イミダゾール (I-E-14) 1−カルボキシメチル−2,4−ジメチル−
イミダゾール (I-E-15) 1−カルボキシエチル−2−メチル−4−β
−ヒドロキシエチル−イミダゾール (I-E-16) 1−スルホエチル−2−メチル−イミダゾー
ル (I-E-17) 1−スルホエチル−2,4−ジメチル−イミ
ダゾール (I-E-18) 1−スルホメチル−4,5−ジメチル−イミ
ダゾール (I-E-19) 1−スルホメチル−2,5−ジメチル−イミ
ダゾール (I-E-20) 1−スルホエチル−イミダゾール
【0062】本発明のハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸ナトリウム、メタンチオスルフォン酸ナトリウム、
I-A-1,I-A-2,I-A-3,I-A-4,I-A-9,I-A-10,I-B-3,I-B-8,I
-B-9,I-B-11,I-B-12,I-D-2,I-D-3が好ましく、特にI-A-
1,I-A-2,I-A-3,I-A-4,I-B-3,I-B-8,I-B-9,I-B-11,I-B-1
2 が好ましい。
【0063】本発明におけるハロゲン化銀溶剤の添加量
は、I-1 〜5 をトータルで発色現像液1リットル当たり
0.05〜50ミリモルであるが、0.1〜10ミリモルが
好ましく、0.5〜5.0ミリモルが最も好ましい。ま
た、本発明のハロゲン化銀溶剤は、目的に応じて2種以
上併用してもよい。
【0064】以下に本発明の発色現像処理(発色現像処
理)について説明する。本発明の発色現像処理の発色
現像時間は、25秒以上90秒以下であり、好ましく
は、35秒以上75秒以下、最も好ましくは45秒以上
65秒以下である。
【0065】本発明の発色現像時間は、クロスオーバー
時間(発色現像液を出て、次の工程の処理液に入るまで
の時間)を含む時間であり、クロスオーバー時間は短か
い程好ましいが処理機器の性能上2秒以上10秒以下が
好ましく、3秒以上7秒以下がより好ましい。
【0066】該発色現像時間は、処理液中の現像主薬の
種類及び濃度、ハロゲンイオン(特Br)濃度、処理液
の温度、pH等によって変更することができる。
【0067】本発明の発色現像処理の現像主薬は、p−
フェニレンジアミン誘導体であり、好ましい代表例を以
下に示す。 (DA−1) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン (DA−2) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−
(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン (DA−3) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−
(4−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリン (DA−4) 2−メチル−N,N−ジエチル−p−フ
ェニレンジアミン (DA−5) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−
(β−メタンスルホンアミドエチル)アミノ〕アニリン (DA−6) 2−メトキシ−4−〔N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン (DA−7) 4−アミノ−3−メトキシ−N,N−ビ
ス(3−ヒドロキシプロピル)アニリン (DA−8) 4−アミノ−3−イソプロピオキシ−
N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン (DA−9) 1−(β−ヒドロキシエチル)−5−ア
ミノ−6−メチル−インドリン (DA−10) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(3,4−ジヒドロキシブチル)−2,2,4,7−テ
トラメチル−6−アミノ−キノリン (DA−11) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(β−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−6
−アミノ−7−メチル−キノリン
【0068】本発明の発色現像処理において、DA−
1、DA−2、DA−3、DA−6、DA−7、DA−
8、DA−10、DA−11が特に好ましく、DA−
1、DA−2、DA−3がより好ましく、DA−1が最
も好ましい。
【0069】現像主薬の濃度は、処理液1リットル当た
り、25ミリモル以上80ミリモル以下であり、好まし
くは25ミリモル以上60ミリモル以下、より好ましく
は27ミリモル以上50ミリモル以下、特に好ましくは
30ミリモル以上45ミリモル以下である。該現像主薬
濃度範囲内において、上記現像主薬を2種以上組み合わ
せて用いることもできる。
【0070】本発明の発色現像処理において臭化物イオ
ン(Br- )はカブリ防止剤として特に重要であり、B
- 濃度は、処理液1リットル当たり、13ミリモル以
上60ミリモル以下、好ましくは15ミリモル以上42
ミリモル以下であり、特に好ましくは16ミリモル以上
35ミリモル以下である。
【0071】Br- 以外のハロゲンイオンとしてI-
るいはCl- を必要に応じて含有することもできる。
【0072】発色現像液の温度は40℃以上60℃以下
であり、好ましくは42℃以上55℃以下であり、特に
好ましくは43℃以上50℃以下である。発色現像液の
pHは、9.9以上11.0以下であり、好ましくは1
0.0以上10.5以下である。
【0073】本発明の発色現像液には、前記芳香族第一
級アミンカラー現像主薬を直接保恒する化合物として、
特開昭63−5341号、同63−106655号ある
いは特開平4−144446号に記載の各種ヒドロキシ
ルアミン類、特開昭63−43138号に記載のヒドロ
キサム酸類、同63−146041号に記載のヒドラジ
ン類やヒドラジド類、同63−44657および同63
−58443号に記載のフエノール類、同63−446
56号に記載のα−ヒドロキシケトン類やα−アミノケ
トン類、同63−36244号記載の各種糖類などを含
有することができる。また、上記化合物と併用して、特
開昭63−4235号、同63−24254号、同63
−21647号、同63−146040号、同63−2
7841号および同63−25654号等に記載のモノ
アミン類、同63−30845号、同63−14640
号、同63−43139号等に記載のジアミン類、同6
3−21647号、同63−26655号および同63
−44655号に記載のポリアミン類、同63−535
51号に記載のニトロキシラジカル類、同63−431
40号及び同63−53549号に記載のアルコール
類、同63−56654号に記載のオキシム類および同
63−239447号に記載の3級アミン類を使用する
ことができる。その他保恒剤として、特開昭57−44
148号および同57−53749号に記載の各種金属
類、同59−180588号に記載のサリチル酸類、同
54−3582号に記載のアルカノールアミン類、同5
6−94349号に記載のポリエチレンイミン類、米国
特許第3,746,544号に記載の芳香族ポリヒドロ
キシ化合物等を必要に応じて含有しても良い。特に好ま
しい保恒剤としては、特開平3−144446号の一般
式(I)で表されるヒドロキシルアミン類であり、中で
もスルホ基やカルボキシ基を有する化合物が好ましい。
最も好ましい例として、N,N−ビス(スルホナートエ
チル)ヒドロキシルアミン、モノスルホナートエチルヒ
ドロキシルアミンがあげられる。
【0074】その他本発明の発色現像液には、上記特開
平3−144446号公報に記載の各種添加剤を使用で
きる。例えば、pHを保持するための緩衝剤としては同
公報(9)頁右上欄6行〜左下欄1行目の炭酸類、リン
酸類、ホウ酸類、ヒドロキシ安息香酸類などが挙げられ
る。キレート剤としては同頁左下欄2行〜右下欄18行
目の各種アミノポリカルボン酸類、ホスホン酸類、スル
ホン酸類で好ましくはエチレンジアミン四酢酸、トリエ
チレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノプロパノー
ル四酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸、4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジス
ルホン酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジア
ミン−N,N,N’,N’−テトラキス(メチレンホス
ホン酸)、カテコール−3,5−ジスルホン酸が良い。
現像促進剤としては同公報(9)頁左下欄19行目から
同公報(10)頁右上欄7行目に記載の各種添加剤が挙
げられる。カブリ防止剤としては同公報(10)頁右上
欄8行〜左下欄5行目に記載のハロゲン化イオン、有機
カブリ防止剤が挙げられる。また、必要に応じてアルキ
ルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン
酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加しても
よい。
【0075】また本発明の発色現像液を用いて自動現像
機で処理を行う際、発色現像液が空気と接触する面積
(開口面積)はできるだけ小さい方が好ましい。例え
ば、開口面積(cm2)を現像液の体積(cm3)で割った値を
開口率とすると、開口率は0.01cm-1以下が好ましく、0.
005 cm-1以下がより好ましい。発色現像液は再生して使
用することができる。発色現像液の再生とは、使用済み
の発色現像液をアニオン交換樹脂や電気透析を行った
り、あるいは再生剤と呼ばれる処理薬品を加えることに
より発色現像液の活性を上げ、再び発色現像液として使
用することである。この場合、再生率(補充液中のオー
バーフロー液の割合)は、50%以上が好ましく、特に
70%以上が好ましい。発色現像液再生を用いた処理と
しては、発色現像液のオーバーフロー液を再生後、補充
液とする。発色現像液の再生の方法としては、アニオン
交換樹脂を用いるのが好ましい。特に好ましいアニオン
交換樹脂の組成及び樹脂の再生方法に関しては、三菱化
成工業(株)発行のダイアイオン・マニュアル(I)
(1986年第14版)に記載のものをあげることがで
きる。また、アニオン交換樹脂のなかでは特開平2−9
52号や特開平1−281152号に記載された組成の
樹脂が好ましい。
【0076】発色現像液の補充タンクや処理槽中の処理
液は高沸点有機溶剤などの液剤でシールドし、空気との
接触面積を減少させることが好ましい。この液体シール
ド剤としては流動パラフィンが最も好ましい。また、補
充液に用いるのが特に好ましい。また、補充量は感材1
平方メートル当たり、30〜800ml好ましくは50〜
500ml程度である。
【0077】本発明において、感光材料は発色現像処理
した後、脱銀処理される。脱銀処理としては、具体的に
次のものが挙げられる。 漂白−定着 漂白−水洗−定着 漂白−漂白定着 漂白−水洗−漂白定着 漂白−漂白定着−定着 漂白定着
【0078】漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤
としては、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過硫酸
塩、臭素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いられる
が、アミノポリカルボン酸(III) 錯体を最も好ましく用
いることができる。本発明で使用される第二鉄錯塩は、
予め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよ
く、また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二
鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III) 、硫酸鉄(I
II) アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有する
液中で錯塩を形成させてもよい。錯形成化合物は、第二
鉄イオンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰にし
てもよく、過剰に添加するときには通常0.01〜10
%の範囲で過剰にすることが好ましい。
【0079】なお、本発明において、漂白能を有する液
中の第二鉄錯塩を形成する化合物としては、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン
四酢酸(1,3−PDTA)、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ
二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミ
ド)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボ
キシエチル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチ
ル)イミノジプロピオン酸、β−アラニンジ酢酸、1,
4−ジアミノブタン四酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、N−(2−カルボキシフェニル)イミノジ酢
酸、エチレンジアミン−N−(2−カルボキシフェニ
ル)−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジアミン−
N,N’−ジコハク酸、1,3−ジアミノプロパン−
N,N’−ジコハク酸、エチレンジアミン−N,N’−
ジマロン酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N’−ジ
マロン酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるも
のではない。
【0080】漂白能を有する処理液における第二鉄錯塩
の濃度としては、0.005〜1.0モル/リットルの
範囲が適当であり、0.01〜0.50モル/リットル
の範囲が好ましく、より好ましくは、0.02〜0.3
0モル/リットルの範囲である。また漂白能を有する処
理液の補充液中の第2鉄錯塩の濃度としては、好ましく
は、0.005〜2モル/リットル、より好ましくは
0.01〜1.0モル/リットルである。
【0081】漂白能を有する浴またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858号明細書、
ドイツ特許第1,290,812号明細書、特開昭53
−95630号公報、リサーチディスクロージャー第1
7129号(1978年7月号)に記載のメルカプト基
またはジスルフィド結合を有する化合物や、特公昭45
−8506号、特開昭52−20832号、同53−3
2735号、米国特許3,706,561号等に記載の
チオ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロ
ゲン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
【0082】その他、本発明に適用されうる漂白能を有
する浴には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナト
リウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)また
は沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン
化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナ
トリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、マロン酸、コハク
酸、グルタール酸などのpH緩衝能を有する1種類以上
の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属またはア
ンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニジンな
どの腐蝕防止剤などを添加することができる。また漂白
能を有する浴には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤あ
るいは界面活性剤、ポリビニルピロリドン、メタノール
等の有機溶媒を含有させることができる。
【0083】漂白定着液中や定着液中の定着液成分は、
公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アン
モニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;エチ
レンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−
オクタンジオールなどのチオエーテル化合物、メソイオ
ン化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀
溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して
使用することができる。また、特開昭55−15535
4号に記載された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハ
ロゲン化物などの組み合わせからなる特殊な漂白定着液
等も用いることができる。本発明においては、チオ硫酸
塩、特にチオ硫酸アンモニウム塩及びチオ硫酸ナトリウ
ム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着剤の量
は、0.3〜2モルが好ましく、更に好ましくは0.5
〜1.0モルの範囲である。漂白定着液や定着液には保
恒剤として、亜硫酸塩(或いは重亜硫酸塩やメタ重亜硫
酸塩類)を含有するのが望ましいが、とりわけ0.08
〜0.4モル/リットル、更に好ましくは0.1〜0.
3モル/リットル含有することが好ましい。本濃度域を
使用し、更に本発明の最終浴を用いることで、磁気記録
性能が著しく向上するばかりか、画像保存性上も望まし
い結果を示した。漂白定着液や定着液は、保恒剤として
前述した亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸
カリウム、亜硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例え
ば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜
硫酸カリウム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫
酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ア
ンモニウム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有する以
外に、アルデヒド類(ベンズアルデヒド、アセトアルデ
ヒド等)、ケトン類(アセトン等)、アルコルビン酸
類、ヒドロキシルアミン類等を必要に応じて添加するこ
とができる。
【0084】更には漂白液、漂白定着液、定着液は緩衝
剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必
要に応じて添加してもよい。本発明に用いられる漂白
液、漂白定着液において、好ましいpH領域は、4.5
〜6.2であり、更には5〜6が好ましい。本pHより
高くても低くても磁気記録性能が十分に発揮できない場
合が生じることがある。また、定着液の場合はpH5〜
8程度が望ましい。
【0085】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液、
定着液への補充量は感光材料1m2当たり、50〜200
0ミリリットルである。特に好ましくは100〜100
0ミリリットルである。また、後浴である水洗水や安定
浴のオーバーフロー液を、必要に応じて補充してもよ
い。漂白液、漂白定着液、定着液の処理温度は20〜5
0℃であり、好ましくは30〜45℃である。処理時間
は10秒〜3分、好ましくは20秒〜2分である。ま
た、迅速化の点で、最も好ましくは20秒〜1分30秒
である。脱銀処理の時間が短い程、本発明の効果が顕著
に得られる。
【0086】漂白能を有する処理液は、処理に際し、エ
アレーションを実施することが写真性能をきわめて安定
に保持するので特に好ましい。エアレーションには当業
界で公知の手段が使用でき、漂白能を有する処理液中へ
の、空気の吹き込みやエゼクターを利用した空気の吸収
などが実施できる。空気の吹き込みに際しては、微細な
ポアを有する散気管を通じて、液中に空気を放出させる
ことが好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理に
おける曝気槽等に、広く使用されている。エアレーショ
ンに関しては、イーストマン・コダック社発行のZ−1
21、ユージング・プロセス・C−41第3版(198
2年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用でき
る。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処理に於い
ては、攪拌が強化されていることが好ましく、その実施
には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第
6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用で
きる。
【0087】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上
げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと
乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面
を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる方
法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられ
る。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、
定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳
剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱
銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向
上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定
着阻害作用を解消させることができる。
【0088】定着液及び/又は漂白定着液での処理工程
の後には、通常、水洗処理工程を行う。定着能を有する
処理液で処理後、実質的な水洗を行わず、安定液を用い
た安定化処理を行う簡便な処理方法を用いることもでき
る。水洗工程に用いられる水洗水及び安定化工程に用い
られる安定液には処理後の感光材料の乾燥時の水滴ムラ
を防止するため、種々の界面活性剤を含有することがで
きる。中でもノニオン性界面活性剤を用いるのが好まし
く、特にアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物
が好ましい。アルキルフェノールとしては特にオクチ
ル、ノニル、ドデシル、ジノニルフェノールが好まし
く、またエチレンオキサイドの付加モル数としては特に
8〜14が好ましい。さらに消泡効果の高いシリコン系
界面活性剤を用いることも好ましい。
【0089】水洗水及び安定液中には、水アカの発生や
処理後の感光材料に発生するカビの防止のために、種々
の防バクテリア剤、防カビ剤を含有させることもでき
る。また水洗水及び安定液中には、各種キレート剤を含
有させることが好ましい。好ましいキレート剤として
は、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五
酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミン
−N,N,N’,N’−テトラメチレンホスホン酸など
の有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345172A
1に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物などを
あげることができる。また、前記の定着液や漂白定着液
に含有することができる保恒剤を水洗水及び安定液に含
有させることも好ましい。
【0090】安定化工程で用いる安定液としては、色素
画像を安定化させる処理液、例えば、有機酸やpH3〜
6の緩衝能を有する液、アルデヒド(例えば、ホルマリ
ンやグルタルアルデヒド)を含有した液などを用いるこ
とができる。安定液には、水洗水に添加できる化合物を
全て含有することができ、その他に必要に応じて塩化ア
ンモニウムや亜硫酸アンモニウム等のアンモニウム化合
物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜
剤、米国特許第4786583号に記載のアルカノール
アミンなどを用いることができる。
【0091】本発明においては、安定液には上述の色素
画像の安定化剤としてのホルムアルデヒドを実質的に含
有しないことが好ましい。実質的にホルムアルデヒドを
含有しないとは、遊離のホルムアルデヒド及びその水和
物の合計が安定液1リットル当たり0.003モル以下
を表す。この様な安定液を用いることにより、処理時の
ホルムアルデヒド蒸気の飛散を抑制できる。この場合、
マゼンタ色素の安定化の目的で、ホルムアルデヒド代替
化合物を安定液もしくは、漂白液あるいはその前浴(例
えば調製浴)に存在させることが好ましい。
【0092】ホルムアルデヒド代替化合物として好まし
い化合物はヘキサメチレンテトラミンおよびその誘導
体、ホルムアルデヒド重亜硫酸付加物、N−メチロール
化合物及びアゾリルメチルアミン化合物などである。こ
れらの好ましい化合物は、マゼンタ色素の安定化の他
に、経時によるイエローステインの発生を抑止する。
【0093】ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導体
としては「バイルシュタインズ・ハンドブック・デア・
オルガニッシェン・ヘミー」(Beilsteins Handbuch der
Organishen Chemie) の第II増補編26巻P.200−
P.212に記載されている化合物が使用できるが、特
に、ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。また、ホル
ムアルデヒド重亜硫酸付加物としてはホルムアルデヒド
重亜硫酸ナトリウムが好ましい。
【0094】N−メチロール化合物としては、特にピラ
ゾールおよびその誘導体のN−メチロール化合物、トリ
アゾールおよびその誘導体のN−メチロール化合物、ウ
ラゾールおよびその誘導体のN−メチロール化合物が好
ましい。これらのN−メチロール化合物の具体例として
は、1−ヒドロキシメチルピラゾール、1−ヒドロキシ
メチル−2−メチルピラゾール、1−ヒドロキシメチル
−2,4−ジメチルピラゾール、1−ヒドロキシメチル
−1,2,4−トリアゾール、1−ヒドロキシメチルウ
ラゾール等が挙げられる。これらの内、特に好ましいの
は、1−ヒドロキシメチルピラゾール及び1−ヒドロキ
シメチル−1,2,4−トリアゾールである。上記のN
−メチロール化合物は、メチロール基のついていないア
ミン化合物とホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒ
ドとを反応させることによって、容易に合成できる。上
記のN−メチロール化合物を用いる場合、処理液中にメ
チロール基のついていないアミン化合物を共存させるこ
とが好ましく、N−メチロール化合物の0.2〜10倍
モル濃度の共存が好ましい。
【0095】アゾリルメチルアミン化合物としては、
1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメ
チル)ピペラジンや1,4−ビス(ピラゾール−1−イ
ルメチル)ピペラジンが挙げられ、1,2,4−トリア
ゾールやピラゾールの如きアゾールとの併用(特開平4
−359249号に記載)が、画像安定性が高く、且つ
ホルムアルデヒド蒸気圧が少なく、特に好ましい。上記
ホルムアルデヒド代替化合物の好ましい添加量は処理液
1リットル当たり0.003〜0.2モル、好ましくは
0.005〜0.05モルである。これらのホルムアル
デヒド代替化合物は、浴中で2種以上を併用して用いて
もよい。
【0096】安定液のpHとしては、3〜9が好まし
く、4〜7が更に好ましい。水洗工程や安定化工程は、
多段向流方式が好ましく、段数としては2〜4段が好ま
しい。補充量としては単位面積当り前浴からの持込量の
1〜50倍、好ましくは1〜30倍、より好ましくは1
〜10倍である。本発明において実施される水洗及び安
定工程に関しては、同じく特開平3−33847号公報
第11頁右下欄第9行〜第12頁右上欄第19行に記載
の内容を好ましく実施することが出来る。
【0097】これらの水洗工程や安定化工程に用いられ
る水としては、水道水が使用できるが、イオン交換樹脂
などによってCa、Mgイオン濃度を5mg/リットル以
下に脱イオン処理した水、ハロゲン、紫外線殺菌灯等よ
り殺菌された水を使用するのが好ましい。また、水洗工
程または安定化工程のオーバーフロー液は前浴である定
着能を有する浴に流入させる方法を用いることにより、
廃液量を低減させることができるので好ましい。
【0098】本発明の処理においては、蒸発による濃縮
を補正するために、適当量の水または補正液ないし処理
補充液を補充することが好ましい。水補充を行う具体的
方法としては、特に制限はないが、中でも特開平1−2
54959号、同1−254960号公報記載の、漂白
槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水槽内の水
の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽における水
の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白槽に水を
補充する方法や特開平3−248155号、同3−24
9644号、同3−249645号、同3−24864
6号、同4−14042号公報記載の液レベルセンサー
やオーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ま
しい。また、各処理液の蒸発分を補正するための水は、
水道水を用いてもよいが、上記の水洗工程に好ましく使
用される脱イオン処理した水、殺菌された水とするのが
よい。
【0099】本発明の感光材料に用いられる自動現像機
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載の感光材料搬送手
段を有していることが好ましい。前記の特開昭60−1
91257号に記載のとおり、このような搬送手段は前
浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、処理
液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効果は
各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の低減
に特に有効である。
【0100】本発明に使用される処理剤の供給形態は、
使用液状態の濃度または濃縮された形の液剤、あるいは
顆粒、粉末、錠剤、ペースト状、乳液など、いかなる形
態でもよい。このような処理剤の例として、特開昭63
−17453には低酸素透過性の容器に収納した液剤、
特開平4−19655、同4−230748には真空包
装した粉末あるいは顆粒、同4−221951には水溶
性ポリマーを含有させた顆粒、特開昭51−6183
7、特開平6−102628には錠剤、特表昭57−5
00485にはペースト状の処理剤が開示されており、
いずれも好ましく使用できるが、使用時の簡便性の面か
ら、予め使用状態の濃度で調製してある液体を使用する
ことが好ましい。これらの処理剤を収納する容器には、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポ
リエチレンテレフタレート、ナイロンなどが、単独ある
いは複合材料として使用される。これらは要求される酸
素透過性のレベルに合わせて選択される。発色現像液な
どの酸化されやすい液に対しては、低酸素透過性の素材
が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレートや
ポリエチレンとナイロンの複合材料が好ましい。これら
の材料は500〜1500μmの厚さで、容器に使用さ
れ、酸素透過性を20ミリリットル/m2、24hrs ・at
m 以下にすることが好ましい。
【0101】以下に本発明の一般式(II) で表される化
合物について詳しく説明する。Aはカプラー残基を表
し、詳しくは、イエロー画像形成カプラー残基、マゼン
タ画像形成カプラー残基、シアン画像形成カプラー残
基、無呈色カプラー残基、または色素流出型カプラー残
基を表す。Aがイエロー色画像形成カプラー残基を表す
とき、例えば、ピバロイルアセトアニリド型、ベンゾイ
ルアセトアニリド型、マロンジエステル型、マロンジア
ミド型、ジベンゾイルメタン型、ベンゾチアゾリルアセ
トアミド型、マロンエステルモノアミド型、ベンゾオキ
サゾリルアセトアミド型、ベンゾイミダゾリルアセトア
ミド型またはシクロアルカノイルアセトアミド型のカプ
ラー残基が挙げられる。さらに米国特許5021332
号、同5021330号または欧州特許421221A
号に記載のカプラー残基であってもよい。Aがマゼンタ
色画像形成カプラー残基を表すとき、例えば5−ピラゾ
ロン型、ピラゾロベンズイミダゾール型、ピラゾロトリ
アゾール型、ピラゾロイミダゾール型またはシアノアセ
トフェノン型のカプラー残基が挙げられる。Aがシアン
色画像形成カプラー残基を表すとき、例えばフェノール
型またはナフトール型が挙げられる。さらに米国特許4
746602号、欧州特許第249453A号に記載の
カプラー残基であってもよい。さらにAは実質的に色画
像を残さないカプラー残基であってもよい。この型のカ
プラー残基としては、例えばインダノン型、アセトフェ
ノン型などのカプラー残基、欧州特許443530A
号、同444501A号、特開平6−138612号、
同6−82995、同6−82996号、または同6−
82998号に記載の溶出型のカプラー残基が挙げられ
る。
【0102】一般式(II) においてAで表されるカプラ
ー残基の好ましい例は下記一般式(Cp−1)、(Cp
−2)、(Cp−3)、(Cp−4)、(Cp−5)、
(Cp−6)、(Cp−7)、(Cp−8)、(Cp−
9)、(Cp−10)、(Cp−11)、または(Cp
−12)で表されるカプラー残基であるときである。こ
れらのカプラーはカップリング速度が大きく好ましい。
【0103】
【化29】
【0104】
【化30】
【0105】上式においてカップリング位より派生して
いる自由結合手は、一般式(II) における(TIME)
n −ETAの結合位置を表す。
【0106】上式において、R51,R52,R53,R54
55,R56,R57,R58,R59,R60,R61,R62、
たはR63が耐拡散基を含む場合、それは炭素数の総数が
8ないし40、好ましくは10ないし30になるように
選択され、それ以外の場合、炭素数の総数は15以下が
好ましい。ビス型、テロマー型またはポリマー型のカプ
ラーの場合には上記の置換基のいずれかが二価基を表わ
し、繰り返し単位などを連結する。この場合には炭素数
の範囲は規定外であってもよい。
【0107】以下にR51〜R63、a、b、d、e、およ
びfについて詳しく説明する。以下でR41はアルキル
基、アリール基または複素環基を表し、R42はアリール
基または複素環基を表し、R43、R44およびR45は水素
原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表す。
51はR41と同じ意味を表す。aは0または1を表す。
52およびR53は各々R43と同じ意味を表す。bは0ま
たは1を表す。R54はR41と同じ意味の基、R41CON
(R43)−基、R41SO2 N(R43)−基、R41N(R
43)−基、R41S−基、R43O−基、またはR45N(R
43)CON(R44)−基を表す。
【0108】R55はR41と同じ意味の基を表す。R56
よびR57は各々R43基と同じ意味の基、R41S−基、R
43O−基、R41CON(R43)−基、またはR41SO2
N(R43)−基を表す。R58はR41と同じ意味の基を表
す。R59はR41と同じ意味の基、R41CON(R43)−
基、R41OCON(R43)−基、R41SO2 N(R43
−基、R43N(R44)CON(R45)−基、R41O−
基、R41S−基、ハロゲン原子、またはR41N(R43
−基を表す。dは0ないし3を表す。dが複数のとき複
数個のR59は同じ置換基または異なる置換基を表す。R
60はR41と同じ意味の基を表す。R61はR41と同じ意味
の基を表す。R62はR41と同じ意味の基、R41CONH
−基、R41OCONH−基、R41SO2 NH−基、R43
N(R44)CONH−基、R43N(R44)SO2 NH−
基、R43O−基、R41S−基、ハロゲン原子またはR41
NH−基を表す。R63はR41と同じ意味の基、R43CO
N(R44)−基、R43N(R44)CO−基、R41SO2
N(R43)−基、R41N(R43)SO2 −基、R41SO
2 −基、R43OCO−基、R43O−SO2 −基、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基またはR43CO−基を表
す。eは0ないし4の整数を表し、fは0ないし2の整
数を表す。複数個のR62またはR63があるとき各々同じ
ものまたは異なるものを表す。
【0109】上記においてアルキル基とは炭素数1〜3
2、好ましくは1〜22の飽和または不飽和、鎖状また
は環状、直鎖または分岐、置換または無置換のアルキル
基である。代表的な例としては、メチル、シクロプロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチ
ル、t−アミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−
エチルヘキシル、n−オクチル、1,1,3,3−テト
ラメチルブチル、n−デシル、n−ドデシル、n−ヘキ
サデシル、またはn−オクタデシルが挙げられる。アリ
ール基とは炭素数6〜20好ましくは置換もしくは無置
換のフェニル、または置換もしくは無置換のナフチルで
ある。複素環基とは炭素数1〜20、好ましくは1〜7
の複素原子として窒素原子、酸素原子もしくはイオウ原
子から選ばれる、好ましくは3員ないし8員環の置換も
しくは無置換の複素環基である。複素環基の代表的な例
としては2−ピリジル、2−ベンズオキサゾリル、2−
イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、1−インドリ
ル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,2,
4−トリアゾール−2−イル基または1−インドリニル
が挙げられる。
【0110】前記アルキル基、アリール基および複素環
基が置換基を有するとき代表的な置換基としては、ハロ
ゲン原子、R47O−基、R46S−基、R47CON
(R48)−基、R47N(R48)CO−基、R46OCON
(R47)−基、R46SO2 N(R47)−基、R47N(R
48)SO2 −基、R46SO2 −基、R47OCO−基、R
47NCON(R48)−基、R47CONHSO2 −基、R
47NHCONHSO2 −基、R46と同じ意味の基、R47
N(R48)−基、R46COO−基、R47OSO2 −基、
シアノ基またはニトロ基が挙げられる。ここでR46はア
ルキル基、アリール基、または複素環基を表わし、
47、R48およびR49は各々アルキル基、アリール基、
複素基または水素原子を表す。アルキル基、アリール基
または複素環基の意味は前に定義したのと同じ意味であ
る。
【0111】次にR51〜R63、a、b、d、e、および
fの好ましい範囲について説明する。aが0のとき、R
51はアルキル基、アリール基、または複素環基が好まし
く、aが1のとき、R51はアルキル基またはアリール基
が好ましい。R52およびR55はアリール基が好ましい。
53はbが1のときアリール基、bが0のとき複素環基
が好ましい。R54はR41CONH−基、またはR41
(R43)−基が好ましい。R56およびR57はアルキル
基、R41O−基、またはR41S−基が好ましい。R58
アルキル基またはアリール基が好ましい。一般式(Cp
−6)においてR59は塩素原子、アルキル基またはR41
CONH−基が好ましい。dは1または2が好ましい。
60はアリール基が好ましい。一般式(Cp−7)にお
いてR59はR41CONH−基が好ましい。一般式(Cp
−7)においてはdは1が好ましい。R61はアルキル基
またはアリール基が好ましい。一般式(Cp−8)にお
いてeは0または1が好ましい。R62としてはR41OC
ONH−基、R41CONH−基またはR41SO2 NH−
基が好ましくこれらの置換位置はナフトール環の5位が
好ましい。一般式(Cp−9)においてR63としてはR
41CONH−基、R41SO2 NH−基、R41N(R43
SO2−基、R41SO2−基、R41N(R43)CO−基、
ニトロ基またはシアノ基が好ましい。一般式(Cp−1
0)においてR63はR43NCO−基、R43OCO−基ま
たはR43CO−基が好ましい。(Cp−11)および
(Cp−12)において、R64およびR65は、R41
(R43)CO−基、R41OCO−基、またはシアノ基が
好ましく、R66はアルキル基またはアリール基が好まし
い。
【0112】次にTIMEで示される基について説明す
る。TIMEで示される基は、現像処理時Aより開裂し
た後、一般式(II) においてその右側に結合する基を開
裂することが可能なタイミング基であればいずれでもよ
い。例えば、米国特許第4146396号、同4652
516号または同4698297号に記載のあるヘミア
セタールの開裂反応を利用する基、米国特許第4248
962号、同4847185号、同4857440号、
またはヨーロッパ公開特許第0581384号に記載の
ある分子内求核置換反応を利用して開裂反応を起こさせ
るタイミング基、米国特許第4409323号もしくは
同4421845号に記載のある電子移動反応を利用し
て開裂反応を起こさせるタイミング基、米国特許第45
46073号に記載のあるイミノケタールの加水分解反
応を利用して開裂反応を起こさせる基、英国特許第15
31927号に記載のあるエステルの加水分解反応を利
用して開裂反応を起こさせる基、またはヨーロッパ公開
特許第0572084号、同0573099号、同06
84512号に記載された芳香族求核置換反応を利用す
る基が挙げられる。TIMEはそれに含まれるヘテロ原
子、好ましくは酸素原子、イオウ原子または窒素原子に
おいて、Aと結合する。一般式(II) においてnが2以
上であるとき複数個のTIMEは同じものまたは異なる
ものを表す。好ましいTIMEとしては下記一般式(T
−1)、(T−2)または(T−3)が挙げられる。
【0113】一般式(T−1) *−W−(X=Y)j
−C(R21)R22−** 一般式(T−2) *−W−CO−** 一般式(T−3) *−W−LINK−E−**
【0114】式中、*は一般式(II) においてAと結合
する位置を表し、**はETAまたはTIME(nが複
数の時)と結合する位置を表し、Wは酸素原子、イオウ
原子または>N−R23を表し、XおよびYは各々メチン
または窒素原子を表し、jは0、1または2を表し、R
21、R22およびR23は各々水素原子または置換基を表
す。ここで、XおよびYが置換メチンを表すときその置
換基、R21、R22およびR23の各々の任意の2つの置換
基が連結し環状構造(たとえばベンゼン環、ピラゾール
環)を形成する場合、もしくは形成しない場合のいずれ
であっても良い。一般式(T−3)においてEは求電子
基を表し、LINKはWとEとが分子内求核置換反応す
ることができるように立体的に関係づける連結基を表
す。一般式(T−1)で示されるTIMEの具体例とし
て例えば以下のものである。
【0115】
【化31】
【0116】一般式(T−2)で示されるTIMEの具
体例として例えば以下のものである。
【0117】
【化32】
【0118】一般式(T−3)で示されるTIMEの具
体例として例えば以下のものである。
【0119】
【化33】
【0120】一般式(II) においてnが2以上の時の
(TIME)nの具体例、およびその他のタイミング基
の例として以下のものが挙げられる。
【0121】
【化34】
【0122】次に、一般式(II) においてETAで表さ
れる基について説明する。ETAはTIMEとの結合が
開裂してはじめて電子伝達剤としての機能を発現する。
ここでいう電子伝達剤とは、酸化還元反応において還元
剤から酸化剤への電子伝達を媒介するものであって、そ
の結果酸化還元反応を円滑にするものである。ハロゲン
化銀感光材料の場合、ハイドロキノンやp−フェニレン
ジアミンに代表される現像主薬が還元剤に相当し、ハロ
ゲン化銀が酸化剤に相当する。すなわち、電子伝達剤が
現像処理時に放出されることによって現像が促進され
る。電子伝達剤としては、ハイドロキノン誘導体、カテ
コール誘導体、およびアシルヒドラジン誘導体が好まし
い。
【0123】電子伝達剤がハイドロキノン誘導体である
とき、ETAは下記一般式(ETA−1)で表される。
式中#は一般式(II) におけるTIMEとの結合位置を
表す。
【0124】
【化35】
【0125】電子伝達剤がカテコール誘導体であると
き、ETAは下記一般式(ETA−2)で表される。式
中#は一般式(II) におけるTIMEとの結合位置を表
す。
【0126】
【化36】
【0127】ETAが一般式(ETA−1)または(E
TA−2)で表されるとき、ETAは置換基を有しても
よく、置換基として好ましいものはハロゲン原子、アル
キル基、アリール基、複素環基、R47O−基、R46S−
基、R47CON(R48)−基、R47N(R48)CO−
基、R49OCON(R47)−基、R46SO2 N(R47
−基、R47N(R48)SO2 −基、R49SO2 −基、R
49OCO−基、R47NCON(R48)−基、R47CON
HSO2 −基、R47NHCONHSO2 −基、R47
(R48)−基、R49COO−基、R47OSO2 −基、シ
アノ基またはニトロ基が挙げられる。ここでR47および
48は水素原子、アルキル基、アリール基、または複素
基を表し、R49は各々アルキル基、アリール基、または
複素基を表わす。アルキル基、アリール基、および複素
環基の意味は前に定義したのと同じ意味である。
【0128】電子伝達剤がアシルヒドラジン誘導体であ
るとき、ETAは下記一般式(ETA−3)または(E
TA−4)で表される。式中#は一般式(II) における
TIMEとの結合位置を表す。
【0129】
【化37】
【0130】
【化38】
【0131】一般式(ETA−3)および(ETA−
4)において、R31、R32、およびR33は各々独立に水
素原子、アルキル基、アリール基、または複素基を表
し、R31とR32、R31とR33、 32とR33は互いに結合
して5〜8環を形成してもよい。アルキル基、アリール
基、および複素環基の意味は前に定義したのと同じ意味
である。
【0132】電子伝達剤として特に好ましいものは、ア
シルヒドラジン誘導体の内、1−アリールピラゾリン−
3−オン誘導体であり、下記一般式(ETA−5)また
は(ETA−6)で表される。
【0133】
【化39】
【0134】一般式(ETA−5)および(ETA−
6)において、R1 、R2 、R3 、およびR4 は各々独
立に水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、ま
たはR47O−基を表し、Arはアリール基を表し、#は
一般式(II) におけるTIMEとの結合位置を表し、R
47、アルキル基、アリール基、および複素環基の意味は
前に定義したのと同じ意味である。R1 、R2 、R3
4 およびArで表される基はさらに置換基を有しても
よく、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、複素環基、R47O−基、R46S−基、
47CON(R48)−基、R47N(R48)CO−基、R
49OCON(R47)−基、R46SO2 N(R47)−基、
47N(R48)SO2 −基、R49SO2 −基、R49OC
O−基、R47NCON(R48)−基、R47CONHSO
2 −基、R47NHCONHSO2 −基、R47N(R48
−基、R49COO−基、R47OSO2 −基、シアノ基ま
たはニトロ基が挙げられる。ここでR47、R48、R49
アルキル基、アリール基、および複素環基の意味は前に
定義したのと同じ意味である。以下に一般式(ETA−
5)および(ETA−6)で表されるETAの好ましい
具体例を示すが、本発明はこれらによって限定されな
い。
【0135】
【化40】
【0136】
【化41】
【0137】次に、一般式(II) で表される化合物の好
ましい範囲について説明する。一般式(II) で表される
化合物の内、Aで表される基が一般式(Cp−1)、
(Cp−2)、(Cp−6)、(Cp−7)、(Cp−
8)、または(Cp−11)であり、nが1または2で
あり、ETAが一般式(ETA−5)または(ETA−
6)である場合が好ましく、Aで表される基が一般式
(Cp−1)または(Cp−8)であり、TIMEが−
OCO−または一般式(T−3)で表される基であり、
nが1であり、ETAが一般式(ETA−5)または
(ETA−6)である場合がさらに好ましい。
【0138】以下に本発明の一般式(II) で表されるカ
プラーの具体的な代表例を示すが、本発明はこれらによ
って限定されない。
【0139】
【化42】
【0140】
【化43】
【0141】
【化44】
【0142】
【化45】
【0143】
【化46】
【0144】
【化47】
【0145】
【化48】
【0146】本発明の化合物の代表的な合成例を以下に
示す。他の化合物も同様にして合成することができる。 合成例〔例示化合物(1)の合成〕 下記スキームにしたがって合成した。
【0147】
【化49】
【0148】化合物(A−2)の合成 化合物(A−1)100gおよび無水酢酸19.7gを
N,N−ジメチルホルムアミド500ml中に溶解し、室
温下ピリジン16.5mlを40分間かけて滴下した。室
温で3時間攪拌後、反応混合物を水中へ注入し、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水洗、分離し、硫酸マグネシ
ウム上で乾燥した。乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧溜去し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製
し、目的の化合物(A−2)62.7gを無色粉末とし
て得た。
【0149】例示化合物(1)の合成 化合物(A−2)36.4gおよび化合物(A−3)2
7.5gをジメチルアセトアミド300ml中に溶解し、
室温下無水炭酸カリウム18.9gを添加した。室温で
5時間攪拌後、希塩酸中へ注入し、酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水洗、分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥
した。乾燥剤を濾去し、溶媒を減圧溜去した。シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー、次いでアセトニリトル−
酢酸エチル混合溶媒からの再結晶によって精製し、目的
の例示化合物PHRCP−(1)27.0gを融点10
4−106℃の無色結晶として得た。次に本発明の一般
式(III) で表される化合物について詳細な説明を行う。
【0150】本発明の一般式(III) で表される化合物は
発色現像時に現像主薬の酸化体と反応して現像抑制基を
放出するいわゆるDIR(Development Inhibiter Rele
asing)カプラーとは異なる。一般式(III) で表される化
合物は首記の現像処理においては現像抑制作用を有
し、現像処理においては現像促進効果を有する。
【0151】一般式(III) を更に詳しく説明する。式中
R31 、R32 は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ
カルボニル基(炭素数2〜20、好ましくは5〜15。
例えばメトキシカルボニル、イソアミルオキシカルボニ
ルメトキシ)、アシルアミノ基(炭素数2〜20、好ま
しくは5〜15。例えばヘキサンアミド、ベンズアミ
ド)、カルバモイル基(炭素数1〜20、好ましくは1
〜10。例えばN−ブチルカルバモイル、N,N−ジエ
チルカルバモイル、N−メシルカルバモイル)、スルフ
ァモイル基(炭素数1〜20、好ましくは3〜15。例
えばN−ブチルスルファモイル)、アルコキシ基(炭素
数1〜20、好ましくは3〜15。例えばメトキシ、ベ
ンジルオキシ)、アリールオキシ基(炭素数6〜10、
例えばフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキ
シ)、アリールオキシカルボニル基(炭素数7〜21、
好ましくは7〜14。例えばフェノキシカルボニル)、
アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数1〜20、好ま
しくは3〜15。例えばエトキシカルボニルアミノ)、
シアノ基、ニトロ基、アルキルチオ基(炭素数1〜2
0、好ましくは3〜14。例えばメチルチオ、ヘキシル
チオ)、ウレイド基(炭素数1〜20、好ましくは3〜
15。例えばN−フェニルウレイド)、アリール基(炭
素数6〜10。例えばフェニル、ナフチル、4−メトキ
シフェニル)、複素環基(炭素数1〜20、好ましくは
1〜15)、アルキル基(炭素数1〜20、好ましくは
1〜15の直鎖、分岐、環状、飽和、不飽和。例えばメ
チル、エチル、ブトキシカルボニルメチル、4−メトキ
シベンジル、ベンジル)アシル基(炭素数1〜20、好
ましくは6〜10。例えばフェニルチオ、ナフチルチ
オ)、アリールチオ基(炭素数6〜10、好ましくはフ
ェノキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基(炭素数7〜11。例えばフェノキシカルボ
ニルアミノ)を表す。上記の置換基は更に置換基を有し
ていてもよい。その置換基の例としてはここで挙げた置
換基が挙げられる。また、R31とR32はそれぞれ同一で
あっても異なっていてもよい。
【0152】以下に一般式(III) で好ましい化合物を例
示する。
【0153】
【化50】
【0154】
【化51】
【0155】
【化52】
【0156】
【化53】
【0157】
【化54】
【0158】
【化55】
【0159】一般式(III) の化合物は、塗布前の塗布液
調製時において添加するか、および/またはハロゲン化
銀乳剤調製時に添加する。前者の場合(塗布前の塗布液
調製時において添加)一般式(III) の化合物の塗布量は
5×10-4〜5×10-1g/m2であるが、1×10-3
1×10-2g/m2が好ましい。後者の場合(乳剤添
加)、ハロゲン化銀乳剤の粒子形成及び脱塩工程後一般
式(III) の化合物を添加するのが好ましい。ハロゲン化
銀乳剤を粒子形成および/または脱塩工程後化学増感を
行なう場合、化学増感工程の終了時に一般式(III) の化
合物を用いるのが好ましい。この場合、添加量は内部カ
ブラセ乳剤のトータル銀量1モル当たり1×10-5〜1
×10-1モルであるが、1×10-4〜5×10-3モルが
好ましい。一般式(III) の化合物は上記2種類の感材へ
の導入方法は単独添加法および併用も可能であるが、ハ
ロゲン化銀に添加する方法が特に好ましい。
【0160】次に内部カブラセ乳剤について詳しく説明
する。Cugnac, Chatean の報告や、Duffin著"Photograp
hic Emulsion Chemistry"(Focal Press 刊、New York 1
966年)66 頁〜72頁、及びA.P.H.Trivelli,W.F.Smith編"
Phot.Journal"80(1940 年)285頁等に記載されている内
容を参考にすれば本発明の内部カブラセ乳剤を調製する
ことができる。また、米国特許第4,626,498
号、特開昭59−214852号記載の粒子形成法も参
考にすることができる。本発明の内部カブラセ乳剤のハ
ロゲン組成は塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれ
であってもよいが、特に臭化銀含有率が95%以上の塩
沃臭化銀が好ましく、臭化銀含有率が97%以上の沃臭
化銀が特に好ましい。粒子サイズは特に規定はないが
0.05〜0.3μmが好ましく、0.06〜0.2μ
mが特に好ましい。ここにおいて粒子サイズとは、粒子
の投影面積の円相当径の平均値である。内部カブラセ前
(「コア」と呼ぶ)と内部カブラセ後(「シェル」と呼
ぶ)の銀量比は0.05〜3.5が好ましく、0.1〜
2.5が特に好ましい。本発明の内部カブラセ乳剤粒子
は前述の「コア」、「シェル」の概念が包含されていれ
ば構造に特に制約はなく3重以上の多重構造であっても
よい。本発明の内部カブラセ乳剤は現像処理および
の互換性を高めるために次のようなハロゲン化銀乳剤調
製における技術が付与されている。即ち、内部カブラセ
時のpAgは5.7以下が好ましい。内部カブラセ時の
pHは8以上が好ましい。更に内部カブラセの際、二酸
化チオ尿素、L−アスコルビン酸、ヒドラジン等の還元
性物質も好ましく用いることができるが、二酸化チオ尿
素が特に好ましい。更に内部カブラセの際、Auを用い
るのが好ましい。この場合Auの量は内部カブラセ乳剤
のトータルのAg1モルに対し1×10-7〜1×10-1
モルであるが1×10-6〜1×10-4モルが好ましい。
また、内部カブラセの後、粒子表面のカブリを下げるた
め、シェル形成時のpAgは7以上にすることが好まし
く、8以上にすることが特に好ましい。また、シェル形
成時のpHは5〜6にすることが好ましく、4〜5にす
ることが特に好ましい。更に粒子表面の銀核酸化のため
チオスルフォン酸、ハイポ等が好ましく用いられる。こ
の場合Sの量は内部カブラセ乳剤のトータルのAg1モ
ルに対し1×10-7〜1×10-1であるが1×10-6
1×10-4モルが好ましい。更に、本発明の内部カブラ
セ乳剤は上述のように一般式(III) の化合物を特に好ま
しく用いることができる。また、驚くべきことに本発明
の内部カブラセ乳剤は一般式(II)の現像促進剤放出カ
プラーとの併用により、現像処理との互換性を高
め、階調度の変化を小さくするのに特に有効であること
が分かった。
【0161】本発明における階調度は以下のように定義
する。まず、標準白色光源(黒体輻射の4800゜Kの
エネルギー分布を有する光源)で試験感光材料をウエッ
ジ露光し、指定した現像処理を行った後、青、緑、赤フ
ィルターを通して、それぞれイエロー、マゼンタ、シア
ンの透過濃度を測定し特性曲線を求める。得られた特性
曲線上でカブリプラス光学濃度(縦軸)+0.3の点を
P(xP ,yP )とする。点Pから露光量の対数(横
軸)で+1.2だけ高露光側にシフトした特性曲線上の
点をQ(xQ ,yQ )とする。このとき、例えば現像処
理に対しイエローの階調度γ1 (Y)を γ1 (Y)=〔yQ −yP 〕/1.2 として定義する。マゼンタ、シアン、および現像処理
に対しても階調度を同様に定義する。このようにして得
られた階調度はカラーネガにおいて通常よく用いられる
「主階調」を適切に記述する。このとき、現像処理と
現像処理が実質的に同じ色再現を行っている(処理互
換性がある)のは 0.8≦γ2 (Y)/γ1 (Y)≦1.2 0.8≦γ2 (M)/γ1 (M)≦1.2 0.8≦γ2 (C)/γ1 (C)≦1.2 の場合である。処理互換性上、更に好ましくは 0.85≦γ2 (Y)/γ1 (Y)≦1.15 0.85≦γ2 (M)/γ1 (M)≦1.15 0.85≦γ2 (C)/γ1 (C)≦1.15 であり、最も好ましいのは 0.9≦γ2 (Y)/γ1 (Y)≦1.1 0.9≦γ2 (M)/γ1 (M)≦1.1 0.9≦γ2 (C)/γ1 (C)≦1.1 である。また、本発明において感度とはイエロー、シア
ン、マゼンタのそれぞれの特性曲線上においてカブリプ
ラス光学濃度+0.1の点において、現像処理を基準
にしたときの(露光量の対数で±0)現像処理の露光
量の対数値である。本発明において、これを相対感度と
呼ぶ。また、本発明において相対カブリ濃度とは現像処
理を行ったときのY、M、Cそれぞれの特性曲線上で
カブリ濃度を±0としたときの現像処理によるカブリ
濃度の相対値である。
【0162】本発明におけるハロゲン化銀乳剤は感度、
粒状、シャープネスの観点から平板状乳剤が好ましい。
本発明における平板状ハロゲン化銀乳剤は特開昭58−
113927号、同58−113928号、同58−1
27921号に記載された方法等を参照すれば容易に調
製することができる。特に好ましいのは特開昭63−1
51618号に記載されている単分散六角平板状ハロゲ
ン化銀乳剤である。平板状ハロゲン化銀のアスペクト
(粒子直径/粒子厚み)比3以上が好ましく、5以上が
より好ましく、7以上が特に好ましい。ここにおいて、
粒子直径とは相対向する2つの主平面の投影面積と同一
面積の円の直径を意味し、粒子厚みとは該2主平面間の
距離を意味する。また、左記の値は実質的に乳剤粒子全
体を平均するの必要充分な個数の平均値である。本発明
のハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成はヨードがトータル
の銀に対して0.2モル%〜14モル%である塩沃臭化
銀が好ましくヨードがトータルの銀に対して0.8〜1
0モル%の塩沃臭化銀がより好ましく、0.8〜10モ
ル%の沃臭化銀が特に好ましい。また、感材全体のハロ
ゲン化銀乳剤のヨード構成はハロゲン化銀に由来する塗
布ヨード量(各ハロゲン化銀の塗布銀量でそれぞれのハ
ロゲン化銀乳剤の平均ヨード含有率をウェイト付けして
得た層別平均トータルヨード量)がヨード含有率の少な
い方から多い方に向かって、赤感性乳剤層<緑感性乳剤
層<青感性乳剤層の序列になっていることが現像処理
およびの互換性および現像処理の迅速処理適性上好
ましい。
【0163】本発明のハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀
の個数の50%以上が1粒子当たり10本以上の転位線
を含むことが好ましい。転位線は例えば、J.F.Hamilto
n, Phot.Sci.Eng.,11,57(1967) 、T.Shiozawa, J.Soc.P
hot.Sci.Japan,35,213(1972)に記載の低温での透過型電
子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察することがで
きる。
【0164】本発明のハロゲン化銀乳剤は、必要により
化学増感することができる。化学増感のために例えば、
H.Frieser 編 "Die Grundlagen der Photographischen
Prozesse mit Silberhalogeniden" (Akademische Verla
gsgesellschaft. 1968年)675頁〜 735頁に記載の方法を
用いることができる。
【0165】すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る
カルコゲンを含む化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素
類、メルカプト化合物類、ローダニン類、セレノ尿素
類、フォスフィンセレニド類、フォスフィンテルリド類
など)を用いるカルコゲン増感法;還元性物質(例えば
第一錫塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジ
ンスルフィン酸、シラン化合物)を用いる還元増感法;
貴金属化合物(例えば金錯塩の他、Pt、Ir、Pd等
の周期律表第VIII族の金属の錯塩)を用いる貴金属増感
法などを単独又は組み合わせて用いることができる。
【0166】これらの具体例はカルコゲン増感法につい
ては米国特許第1,574,944号、同第2,27
8,947号、同第2,410,689号、同第2,7
28,668号、同第3,656,955号等、還元増
感法については、米国特許第2,419,974号、同
第2,983,609号、同第4,054,458号
等、貴金属増感法については米国特許第2,399,0
83号、同第2,448,060号、英国特許第61
8,061号等の各明細書に記載されている。特に省銀
の観点から、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は金増感
又はカルコゲン増感が好ましい。特に好ましいのは金−
硫黄増感と金−硫黄−セレン増感である。
【0167】本発明のハロゲン化銀乳剤は、必要に応じ
てメチン色素類その他によって分光増感することができ
る。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン
色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロ
ポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色
素及びヘミオキソノール色素が包含される。特に有用な
色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、及び複合メ
ロシアニン色素に属する色素である。
【0168】有用な増感色素としては例えば、ドイツ特
許第929,080号、米国特許第2,493,748
号、同第2,503,776号、同第2,519,00
1号、同第2,912,329号、同第3,656,9
59号、同第3,672,897号、同第4,025,
349号、英国特許第1,242,588号、特公昭4
4−14030号に記載されたものを挙げることができ
る。
【0169】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、分光感度の調節および強色増感の目的でしばし
ば用いられる。その代表例は米国特許第2,688,5
45号、同第2,977,229号、同第3,397,
060号、同第3,522,052号、同第3,52
7,641号、同第3,617,293号、同第3,6
28,964号、同第3,666,480号、同第3,
672,898号、同第3,679,428号、同第
3,814,609号、同第4,026,707号、英
国特許第1,344,281号、特公昭43−4936
号、同53−12375号、特開昭52−109925
号、同52−110618号に記載されている。
【0170】本発明で使用する写真乳剤塗布液には、感
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリ
を防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種
々の化合物を含有させることができる。すなわちアゾー
ル類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾイ
ール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベン
ズイミダゾール類(特に、ニトロ−又はハロゲン置換
体);ヘテロ環メルカプト化合物、例えば、メルカプト
チアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカ
プトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5
−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリミジン
類;カルボキシル基やスルホン基等の水溶性基を有する
上記のヘテロ環メルカプト化合物類;例えばオキサドリ
ンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例
えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に
4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザイ
ンデン類);ベンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスル
フィン酸;等のようなカブリ防止剤または安定剤として
知られた、多くの化合物を加えることができる。これら
のさらに詳しい具体例及びその使用方法については、例
えば米国特許第3,954,474号、同第3,98
2,947号、同第4,021,248号の各明細書、
又は特公昭52−28660号公報の記載を参考にする
ことができる。
【0171】本発明には、本発明の内部カブラセ乳剤以
外に非感光性微粒子ハロゲン化銀を使用することが好ま
しい。非感光性微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得
るための像様露光時においては感光せずに、その現像処
理において実質的に現像されないハロゲン化銀微粒子で
あり、あらかじめカブラされていないほうが好ましい。
微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の含有率が0〜100モ
ル%であり、必要に応じて塩化銀および/または沃化銀
を含有してもよい。好ましくは沃化銀を0.5〜10モ
ル%含有するものである。微粒子ハロゲン化銀は、平均
粒径(投影面積の円相当直径の平均値)が0.01〜
0.5μmが好ましく、0.02〜2μmがより好まし
い。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン化銀
と同様の方法で調製できる。この場合、ハロゲン化銀粒
子の表面は、光学的に増感される必要はなく、また分光
増感も不要である。ただし、これを塗布液に添加するの
に先立ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン
系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合
物または亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておく
ことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層
に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。本
発明の感光材料の塗布銀量は、8.0g/m2 以下が好
ましく、7.0g/m2 以下が最も好ましい。
【0172】本発明に使用できる公知の写真用添加剤も
上記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載され
ており、下記の表に関連する記載箇所を示した。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866 頁 2.感度上昇剤 648 頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄〜 866 〜868 頁 強色増感剤 649 頁右欄 4.増白剤 24頁 647 頁右欄 868 頁 5.かぶり防止剤 24〜25頁 649 頁右欄 868 〜870 頁 安定剤 6.光吸収剤、 25〜26頁 649 頁右欄〜 873 頁 フィルター染料、 650 頁左欄 紫外線吸収剤 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650 頁左欄〜 872 頁 右欄 8.色素画像安定剤 25頁 650 頁左欄 872 頁 9.硬膜剤 26頁 651 頁左欄 874 〜875 頁 10.バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 11.可塑剤、潤滑剤 27頁 650 頁右欄 876 頁 12.塗布助剤、 26〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 13.スタチック 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 14.マット剤 878 〜879 頁
【0173】また、ホルムアルデヒドガスによる写真性
能の劣化を防止するために、米国特許4,411,98
7号や同第4,435,503号に記載されたホルムア
ルデヒドと反応して、固定化できる化合物を感光材料に
添加することが好ましい。本発明の感光材料に、米国特
許4,740,454号、同第4,788,132号、
特開昭62−18539号、特開平1−283551号
に記載のメルカプト化合物を含有させることが好まし
い。本発明の感光材料に、特開平1−106052号に
記載の、現像処理によって生成した現像銀量とは無関係
にかぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤またはそ
れらの前駆体を放出する化合物を含有させることが好ま
しい。本発明の感光材料に、国際公開WO88/047
94号、特表平1−502912号に記載された方法で
分散された染料またはEP317,308A号、米国特
許4,420,555号、特開平1−259358号に
記載の染料を含有させることが好ましい。本発明には種
々のカラーカプラーを使用することができ、その具体例
は前出のリサーチ・ディスクロージャーNo.1764
3、VII −C〜G、および同No.307105、VII −
C〜Gに記載された特許に記載されている。イエローカ
プラーとしては、例えば米国特許第3,933,501
号、同第4,022,620号、同第4,326,02
4号、同第4,401,752号、同第4,248,9
61号、特公昭58−10739号、英国特許第1,4
25,020号、同第1,476,760号、米国特許
第3,973,968号、同第4,314,023号、
同第4,511,649号、欧州特許第249,473
A号、等に記載のものが好ましい。
【0174】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特
許第4,310,619号、同第4,351,897
号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,06
1,432号、同第3,725,067号、リサーチ・
ディスクロージャーNo.24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、同61−72238号、同60−
35730号、同55−118034号、同60−18
5951号、米国特許第4,500,630号、同第
4,540,654号、同第4,556,630号、国
際公開WO88/04795号等に記載のものが特に好
ましい。本発明に使用できるシアンカプラーとしては、
フェノール系及びナフトール系カプラーが挙げられ、米
国特許第4,052,212号、同第4,146,39
6号、同第4,228,233号、同第4,296,2
00号、同第2,369,929号、同第2,801,
171号、同第2,772,162号、同第2,89
5,826号、同第3,772,002号、同第3,7
58,308号、同第4,334,011号、同第4,
327,173号、西独特許公開第3,329,729
号、欧州特許第121,365A号、同第249,45
3A号、米国特許第3,446,622号、同第4,3
33,999号、同第4,775,616号、同第4,
451,559号、同第4,427,767号、同第
4,690,889号、同第4,254,212号、同
第4,296,199号、特開昭61−42658号等
に記載のカプラーが好ましい。さらに、特開昭64−5
53号、同64−554号、同64−555号、同64
−556に記載のピラゾロアゾール系カプラーや、米国
特許第4,818,672号に記載のイミダゾール系カ
プラーも使用することができる。ポリマー化された色素
形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,82
0号、同第4,080,211号、同第4,367,2
82号、同第4,409,320号、同第4,576,
910号、英国特許2,102,137号、欧州特許第
341,188A号等に記載されている。
【0175】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、米国特許第4,366,237号、英国特許
第2,125,570号、欧州特許第96,570号、
西独特許(公開)第3,234,533号に記載のもの
が好ましい。発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.
17643のVII −G項、同No.307105のVII −
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−
39413号、米国特許第4,004,929号、同第
4,138,258号、英国特許第1,146,368
号に記載のものが好ましい。また、米国特許第4,77
4,181号に記載のカップリング時に放出された蛍光
色素により発色色素の不要吸収を補正するカプラーや、
米国特許第4,777,120号に記載の現像主薬と反
応して色素を形成しうる色素プレカーサー基を離脱基と
して有するカプラーを用いることも好ましい。カップリ
ングに伴って写真的に有用な残基を放出する化合物もま
た本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤を放出する
DIRカプラーは、前述のRD17643、VII −F項
及び同No.307105、VII −F項に記載された特
許、特開昭57−151944号、同57−15423
4号、同60−184248号、同63−37346
号、同63−37350号、米国特許4,248,96
2号、同4,782,012号に記載されたものが好ま
しい。現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放
出するカプラーとしては、英国特許第2,097,14
0号、同第2,131,188号、特開昭59−157
638号、同59−170840号に記載のものが好ま
しい。また、特開昭60−107029号、同60−2
52340号、特開平1−44940号、同1−456
87号に記載の現像主薬の酸化体との酸化還元反応によ
り、かぶらせ剤、現像促進剤、ハロゲン化銀溶剤等を放
出する化合物も好ましい。
【0176】その他、本発明の感光材料に用いることの
できる化合物としては、米国特許第4,130,427
号等に記載の競争カプラー、米国特許第4,283,4
72号、同第4,338,393号、同第4,310,
618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60−18
5950号、特開昭62−24252号等に記載のDI
Rレドックス化合物放出カプラー、DIRカプラー放出
カプラー、DIRカプラー放出レドックス化合物もしく
はDIRレドックス放出レドックス化合物、欧州特許第
173,302A号、同第313,308A号に記載の
離脱後復色する色素を放出するカプラー、米国特許第
4,555,477号等に記載のリガンド放出カプラ
ー、特開昭63−75747号に記載のロイコ色素を放
出するカプラー、米国特許第4,774,181号に記
載の蛍光色素を放出するカプラー等が挙げられる。
【0177】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第2,322,
027号などに記載されている。水中油滴分散法に用い
られる常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の
具体例としては、フタル酸エステル類(例えばジブチル
フタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス
(2,4−ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビス
(2,4−ジ−t−アミルフェニル)イソフタレート、
ビス(1,1−ジ−エチルプロピル)フタレート)、リ
ン酸またはホスホン酸のエステル類(例えばトリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチ
ルヘキシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシ
ルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェー
ト、トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホ
スフェート、トリクロロプロピルホスフェート、ジ−2
−エチルヘキシルフェニルホスホネート)、安息香酸エ
ステル類(例えば2−エチルヘキシルベンゾエート、ド
デシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロ
キシベンゾエート)、アミド類(例えばN,N−ジエチ
ルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、
N−テトラデシルピロリドン)、アルコール類またはフ
ェノール類(例えばイソステアリルアルコール、2,4
−ジ−tert−アミルフェノール)、脂肪族カルボン
酸エステル類(ビス(2−エチルヘキシル)セバケー
ト、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリブチレー
ト、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレー
ト)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキ
シ−5−tert−オクチルアニリン)、炭化水素類
(パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフ
タレン)などが挙げられる。また補助溶剤としては、沸
点が約30℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以
下の有機溶剤などが使用でき、典型例としては酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテー
ト、ジメチルホルムアミドどが挙げられる。ラテックス
分散法の工程、効果および含浸用のラテックスの具体例
は、米国特許第4,199,363号、西独特許出願
(OLS)第2,541,274号および同第2,54
1,230号などに記載されている。
【0178】本発明のカラー感光材料中には、フェネチ
ルアルコールや特開昭63−257747号、同62−
272248号、および特開平1−80941号に記載
の1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、n−ブチ
ル、p−ヒドロキシベンゾエート、フェノール、4−ク
ロル−3,5−ジメチルフェノール、2−フェノキシエ
タノール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
等の各種の防腐剤もしくは防黴剤を添加することが好ま
しい。本発明に使用できる適当な支持体は、例えば、前
述のRD.No.17643の28頁、同No.18716
の647頁右欄から648頁左欄、および同No.307
105の879頁、発明協会公開技報94−6023号
に記載されている。支持体としては、好ましくは、トリ
アセテート支持体(TAC)、ポリエステル支持体、ポ
リエチレンナフタレート支持体などを挙げることができ
る。本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の全親水性
コロイド層の膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好まし
く、20秒以下がより好ましい。膜厚は、25℃相対湿
度55%調湿下(2日)で測定した膜厚を意味し、10
〜25μmが好ましく、さらに好ましくは12〜22μ
m、特に好ましくは15〜20μmである。膜膨潤速度
1/2 は、当該技術分野において公知の手法に従って測
定することができる。例えばエー・グリーン(A.Gr
een)らによりフォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Photogr.Sci.E
ng.)、19巻、2号、124〜129頁に記載の型
のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測定
でき、T1/2 は発色現像液で30℃、3分15秒処理し
た時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし、
飽和膜厚の1/2に到達するまでの時間と定義する。
【0179】本発明のカラー写真感光材料の現像液中で
の膨潤率は、現像主薬の拡散を早める意味から2.3以
上であることが好ましい。更に好ましくは2.4以上4
以下である。特に好ましくは2.4以上3以下である。
あまり大きくし過ぎると拡散距離が長くなり現像は遅れ
る場合がある。本発明において、現像液中での膨潤率と
は、現像液中での膨潤後の膜厚(支持体に関して感光層
を有する側の写真層の膜厚)を乾燥膜厚で割った値を言
う。現像液中での膨潤膜厚の測定は、A.Green and G.I.
P. Levenso氏、J.Phot.Sci.,20、205(1972)
に記載の方法で行うことができる。即ち38℃.保温し
た現像液中における膨潤膜厚の平衡値から求めることが
できる。現像液としては、例えば実施例に記載した処方
を用いることができる。本発明で定義する膨潤率の測定
には、現像液Aを用いるものとする。膜膨潤速度T1/2
及び膨潤率は、バインダーとしてのゼラチンに硬膜剤を
加えること、あるいは塗布後の経時条件を変えることに
よって調整することができる。
【0180】本発明の感光材料は、乳剤層を有する側の
反対側に、乾燥膜厚の総和が2μm〜20μmの親水性
コロイド層(バック層と称す)を設けることが好まし
い。このバック層には、前述の光吸収剤、フィルター染
料、紫外線吸収剤、スタチック防止剤、硬膜剤、バイン
ダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助剤、表面活性剤等を含有
させることが好ましい。このバック層の膨潤率は2.5
〜6.0が好ましい。本発明のハロゲン化銀カラー写真
感光材料は、特公平2−32615号、実公平3−39
784号などに記載されているレンズ付きフイルムユニ
ットに適用した場合に、より効果を発現しやすく有効で
ある。
【0181】又、本発明は、バック層に透明磁気記録層
を有するハロゲン化銀写真感光材料についても適応でき
る。従来、ハロゲン化銀写真感光材料においては、撮影
時やプリント時に画像情報を提供するのみであったが、
特開平4−68336や、特開平4−73737に開示
されているように、感材に透明磁気記録層を全面に付与
することにより、画像以外に、撮影の日時、天候、縮小
/拡大比などの撮影条件、再プリント枚数、ズームした
い箇所、メッセージ、および、現像、プリント条件など
を感材に入力でき、またテレビ/ビデオなどの映像機器
への入力も可能となる。その際には帯電によるほこりの
影響を取り除いたり、フィルムの滑り性を良くしたり、
支持体を含むカールの影響をなくすことが望まれる。
【0182】本発明で用いられる透明磁気記録層につい
て記す。本発明で用いられる磁性粒子は、γFe2 3
などの強磁性酸化鉄、Co被着γFe2 3 、Co被着
マグネタイト、Co含有マグネタイト、強磁性二酸化ク
ロム、強磁性金属、強磁性合金、六方晶系のBaフェラ
イト、Srフェライト、Pbフェライト、Caフェライ
トなどを使用できる。Co被着γFe2 3 などのCo
被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては針状、米粒
状、球状、立方体状、板状等いずれでもよい。比表面積
ではSBET で20m2/g以上が好ましく、30m2/g以
上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、好
ましくは400〜3000 Oe であり、特に好ましくは
600〜3000 Oe である。強磁性体粒子を、シリカ
および/またはアルミナや有機の素材による表面処理を
施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−161
032号に記載された如くその表面にシランカップリン
グ剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。又
特開平4−259911号、同5−81652号記載の
表面に無機、有機物を被覆した磁気材料も使用できる。
【0183】次に磁性粒子に用いられるバインダーは、
特開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカ
リ又は生分解性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘
導体、糖誘導体など)および混合物を使用することがで
きる。上記樹脂のTgは−40℃〜300℃、重量平均
分子量は0.2万〜100万である。例えばビニル系共
重合体、セルロースジアセテート、セルローストリアセ
テート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロ
ースアセテートブチレート、セルローストリプロピオネ
ートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ま
しい。特にセルロースジ(トリ)アセテートが好まし
い。バインダーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシ
アネート系の架橋剤を添加して硬化処理することができ
る。イソシアネート系の架橋剤としては、トリレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、などのイソシアネート類、これらの
イソシアネート類とポリアルコールとの反応生成物(例
えば、トリレンジイソシアナート3mol とトリメチロー
ルプロパン1mol の反応生成物)、及びこれらのイソシ
アネート類の縮合により生成したポリイソシアネートな
どがあげられ、例えば特開平6−59357号に記載さ
れている。
【0184】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミル
などが好ましく併用も好ましい。特開平5−08828
3記載の分散剤や、その他の公知の分散剤が使用でき
る。磁気記録層の厚みは0.1μ〜10μ、好ましくは
0.2μ〜5μ、より好ましくは0.3μ〜3μであ
る。磁気粒子とバインダーの重量比は好ましくは0.
5:100〜60:100からなり、より好ましくは
1:100〜30:100である。磁性体としての塗布
量は0.005〜3g/m2、好ましくは0.01〜2g
/m2、さらに好ましくは0.02〜0.5g/m2であ
る。本発明に用いられる磁気記録層は、写真用支持体の
裏面に塗布又は印刷によって全面またはストライプ状に
設けることができる。磁気記録層を塗布する方法として
はエアードクター、ブレード、エアナイフ、スクイズ、
含浸、リバースロール、トランスファーロール、グラビ
ヤ、キス、キャスト、スプレイ、ディップ、バー、エク
ストリュージョン等が利用でき、特開平5−34143
6号記載の塗布液などは好ましい。
【0185】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤またはチタンカップリン
グ剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に
添加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート
(例えば保護層、潤滑剤層など)しても良い。この時使
用するバインダーは前述マグネ層バインダーで記述した
ものが使用でき、好ましくはマグネ層のバインダーと同
じ物がよい。磁気記録層を有する感材については、米国
特許第5,336,589号、同5,250,404
号、同5,229,259号、同5,215,874
号、EP466130号に記載されている。
【0186】次に本発明に用いられるポリエステル支持
体について記す。後述する感材、処理、カートリッジ及
び実施例などもふくめ詳細については、発明協会公開技
報、公技番号94−6023(1994.3.15)に
記載されており、参照されたい。本発明に用いられるポ
リエステルは、ジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成
分として形成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−
ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルトフタル酸、ジオールとして(ポリ)エチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノ
ールA、ビフェノールが挙げられる。この重合ポリマー
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフ
タレート等のホモポリマーを挙げることができる。特に
好ましいのは2,6−ナフタレンジカルボン酸を0.1
〜1.0含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン 2,6−ナフタレートである。平均
分子量の範囲は約5000ないし200000である。
本発明のポリエステルはそのTgが50℃以上である。
さらにTgが90℃以上が好ましい。
【0187】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、よ
り好ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行
う。熱処理はこの温度範囲内の一定温度で実施してもよ
く、冷却しながら熱処理してもよい。この熱処理時間
は、0.1時間以上1500時間以下、さらに好ましく
は0.5時間以上200時間以下である。支持体の熱処
理は、ロール状で実施してもよく、またウェブ状で搬送
しながら実施してもよい。表面に凹凸を付与し(例えば
SnO2 やSb2 5 等の導電性無機微粒子を塗布す
る)、面状改良を図ってもよい。又端部にローレットを
付与し端部のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写り
を防止するなどの工夫を行うことが望ましい。これらの
熱処理は支持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後
(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階
で実施してもよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後であ
る。このポリエステルには紫外線吸収剤を練り込んでも
良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化成製のDi
aresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエステル用として
市販されている染料を混合することにより目的を達成す
ることが可能である。
【0188】次に本発明では支持体と感材構成層を接着
させるために、表面処理が好ましい。薬品処理、機械的
処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処
理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面活性化処理
が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、紫外線
照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理である。
次に下塗法について述べると、単層でもよく2層以上の
重層でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から選ば
れた単量体を出発原料とする共重合体を始めとして、ポ
リエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼラチ
ン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支持体
を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロルフェ
ノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としてはクロ
ム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルムアル
デヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネート
類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−ヒド
ロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリン樹
脂、活性ビニルスルフォン化合物などを挙げることがで
きる。SiO2 、TiO2 、マット剤の如き無機物微粒
子又はポリメチルメタクリレート共重合体微粒子(0.
01〜10μm)をマット剤として含有させてもよい。
【0189】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 の中か
ら選ばれた少なくとも1種の体積抵抗率が107 Ω−cm
以下、より好ましくは105Ω−cm以下である粒子サイ
ズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,
Cなど)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいは
これらの複合酸化物の微粒子である。感材への含有量と
しては、5〜500mg/m2が好ましく特に好ましくは1
0〜350mg/m2である。導電性の結晶性酸化物又はそ
の複合酸化物とバインダーの量の比は1/300〜10
0/1が好ましく、より好ましくは1/100〜100
/5である。
【0190】本発明の感材には滑り性が有る事が好まし
い。滑り性は感光層面、バック面ともに用いることが好
ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.25
以下0.01以上である。この時の測定は直径5mmのス
テンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表わ
す(25℃、60%RH)。この評価において相手材と
して感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる。
本発明に使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロ
キサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂
肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガ
ノシロキサンとしては、一般的に知られているポリジメ
チルシロキサンポリジエチルシロキサン、ポリスチリル
メチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を
用いることができる。添加層としては乳剤層の最外層や
バック層が好ましい。特にポリジメチルシロキサンや長
鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0191】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。
マット剤は処理で溶ける化合物でも処理可溶性マット剤
でもよく、好ましくは同時に使用することである。例え
ばポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレ
ート/メタクリル酸=9/1又は5/5(モル比))、
ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8
〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭いほうが好ま
しく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の9
0%以上が含有されることが好ましい。又マット性を高
めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添加するこ
とも好ましく例えばポリメチルメタクリレート(0.2
μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=
9/1(モル比)、0.3μm))、ポリスチレン粒子
(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。
【0192】次に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネについて記す。本発明で使用されるパトローネは金属
でも合成プラスチックを主材料としてもよい。好ましい
プラスチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本
発明のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよ
くカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニ
オン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー
等を好ましく用いることができる。これらの帯電防止さ
れたパトローネとして特開平1−312537号、同1
−312538号、に記載されている。特に25℃、2
5%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ましい。通常パト
ローネは、遮光性を付与するためにカーボンブラックや
顔料などを練り込んだプラスチックを使って製作され
る。パトローネのサイズは現在のままでもよいし、現在
の25m/mのカートリッジの径を22m/m以下とす
るとカメラの小型化に有効である。パトローネのケース
の容積は、30cm3 以下好ましくは25cm3 以下とする
ことが好ましい。パトローネおよびパトローネケースに
使用されるプラスチックの重量は5g〜15gが好まし
い。
【0193】更に本発明で用いられる、スプールを回転
してフィルムを送り出すパトローネでもよい。またフィ
ルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸を
フィルム送り出し方向に回転させることによってフィル
ム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造
でもよい。これらは米国特許第4834306号(特開
平1−306845号に対応)、特開平4−11525
1号(米国特許5226613号)に開示されている。
本発明に用いられる写真フィルムは現像前のいわゆる生
フィルムでもよいし、現像処理された写真フィルムでも
よい。又、生フィルムと現像済みの写真フィルムが同じ
新パトローネに収納されていてもよいし、異なるパトロ
ーネでもよい。
【0194】以下に本発明の発色現像処理について説
明する。本発明の発色現像処理の発色現像時間は15
0秒以上200秒以下であり、好ましくは165秒以上
195秒以下である。該発色現像時間は、処理液中の現
像主薬の種類及び濃度、ハロゲンイオン(特にBr-
濃度、処理液の温度、pH等によって変更することがで
きる。
【0195】本発明の発色現像処理の現像主薬は、2
−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエ
チル)アミノ〕アニリン、2−メチル−4−〔N−エチ
ル−N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリ
ン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(4−ヒドロ
キシブチル)アミノ〕アニリンから選ばれ、好ましくは
2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシ
エチル)アミノ〕アニリンであり、現像主薬濃度は処理
液1リットル当たり15ミリモル以上20ミリモル以下
であり、好ましくは15ミリモル以上18ミリモル以下
である。
【0196】臭化物イオン濃度は、ハロゲン化銀カラー
写真感光材料からのBr- 溶出量と、発色現像液に補充
されるBr- 量によって決定されるが、連続処理時の写
真性を安定に保つため、処理液1リットル当たり、9ミ
リモル以上14ミリモル以下であり、好ましくは、10
ミリモル以上13ミリモル以下である。
【0197】発色現像液の補充液は、補充量低減の観点
から臭化物イオン濃度を0.004モル/リットル以下
に低減したものが好ましく、特には臭化物イオン濃度が
0.002モル/リットル以下のものが好ましい。補充
量は、感光材料1m2当たり700ミリリットル以下であ
り、好ましくは200ミリリットル以上600ミリリッ
トル以下である。
【0198】処理液の温度は37℃以上40℃以下であ
る。
【0199】処理液のpHは、9.9以上10.3以下
であり、好ましくは10.0以上10.2以下である。
【0200】更に、発色現像処理は、本発明のハロゲ
ン化銀溶剤を実質的に含有しない。実質的に含有しない
とは、本発明のハロゲン化銀溶剤の効果を示さない濃度
以下のことであり、後工程からの混入等による微量の含
有はあってもよく、具体的には、0.05ミリモル/リ
ットル以下であり、好ましくは0〜0.01ミリモル/
リットルであり、全く含有しないことが最も好ましい。
【0201】また、特開平3−158849号公報や同
3−174152号公報に記載の置換基を有するヒドロ
キルアミンを保恒剤として含有してもよく、特に置換基
としてスルホアルキル基を有するヒドロキシルアミンを
含有するものが好ましい。またキレート剤としてジエチ
レントリアミン五酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、4,5−ジヒドロシベンゼン−
1,3−ジスルホン酸を含有するものが好ましい。
【0202】具体的には、富士写真フイルム株式会社製
のカラーネガフィルム用処理剤、CN−16やCN−1
6X、CN−16Q、CN−16FAの発色現像液及び
発色現像補充液、或いは、イーストマン・コダック社製
のカラーネガフィルム用処理剤、C−41、C−41
B、C−41RAの発色現像液が好ましく使用できる。
【0203】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の趣旨を越えない限り、実施例に限定
されるものではない。 (実施例1)本実施例においては、一般式(I)の化合
物種の効果等について例示する。 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100
重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイ
ギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃
にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で 3.3倍の
縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延伸を行
い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmの PEN
フイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染
料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公技番
号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5)
を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き
芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖
のつきにくい支持体とした。
【0204】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン 0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘ
キシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p
−クロロフェノール 0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮
合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコータ
ー使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は 1
15℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置
はすべて 115℃となっている)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0205】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物
の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(C
H2 =CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度1
0)オキシエチレン−p−ノニルフェノール 0.005g/m2
及びレゾルシンと塗布した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシ
トリメトキシシラン(15 重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単
軸0.03μm、飽和磁化 89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94 、表
面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理され
ている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3
0.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、
膜厚 1.2μmの磁気記録層の得た。マット剤としてシリ
カ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15) オキシエチレン
−プロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処
理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2となるように添加した。乾燥は 115℃、6分実
施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDB の色濃度増加分は約 0.1、また磁気記録層の飽和
磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力 7.3×104A/m、角形
比は65%であった。
【0206】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20C
OOC40H81 (化合物a,6mg/m2) /C50H101O(CH2CH2O)16H
(化合物b,9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合
物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル (1/1)
中で 105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエー
テル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中
で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マッ
ト剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重
合度15) オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシ
シラン(15重量%で被覆された酸化アルミ(0.15μm)を
それぞれ 15mg/m2となるように添加した。乾燥は 115
℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて 115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのス
テンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係
数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の
動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0207】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作成した。
これを試料101とする。
【0208】(感光層組成)各層に使用する素材の主な
ものは下記のように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示
し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。た
だし、増感色素については同一層のハロゲン化銀1モル
に対する塗布量をモル単位で示す。
【0209】 (試料101) 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 0.17 ゼラチン 0.58
【0210】 第2層(中間層) 黒色コロイド銀 0.03 内部カブラセ乳剤INTEM−1 0.40 ゼラチン 0.64 ExM−2 0.28 ExC−3 0.24 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.020 第3層(中間層) ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 0.47
【0211】 第4層(低感度赤感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.23 沃臭化銀乳剤B 銀 0.26 沃臭化銀乳剤C 銀 0.15 ExS−1 4.3×10-4 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 5.9×10-4 ExC−1 0.33 ExC−2 0.050 ExC−3 0.060 ExC−4 0.014 ExC−5 0.021 ExC−6 0.0020 Cpd−2 0.033 HBS−1 0.13 ゼラチン 1.37
【0212】 第5層(中感度赤感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 0.65 ExS−1 4.0×10-4 ExS−2 2.1×10-5 ExS−3 5.7×10-4 ExC−1 0.23 ExC−2 0.040 ExC−3 0.030 ExC−4 0.017 ExC−5 0.020 ExC−6 0.001 Cpd−2 0.050 Cpd−4 0.030 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.93
【0213】 第6層(高感度赤感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 1.47 ExS−1 2.8×10-4 ExS−2 1.2×10-5 ExS−3 4.1×10-4 ExC−1 0.12 ExC−3 0.10 ExC−4 0.0037 ExC−6 0.0030 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.059 Cpd−4 0.020 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.40
【0214】 第7層(中間層) Cpd−1 0.060 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.040 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.1
【0215】 第8層(低感度緑感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤F 銀 0.30 沃臭化銀乳剤G 銀 0.35 ExS−7 6.2×10-4 ExS−8 1.4×10-4 ExS−4 2.7×10-5 ExS−5 7.0×10-5 ExS−6 2.7×10-4 ExM−3 0.38 ExM−4 0.084 ExC−4 0.0020 ExY−1 0.040 ExY−5 0.0030 Cpd−4 0.010 HBS−1 0.30 HBS−3 0.015 ゼラチン 1.07
【0216】 第9層(中感度緑感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 銀 0.56 沃臭化銀乳剤H 銀 0.56 ExS−4 5.6×10-5 ExS−7 9.09×10-4 ExS−8 2.5×10-4 ExC−4 0.0040 ExC−8 0.0020 ExM−3 0.126 ExM−4 0.035 ExY−1 0.0080 ExY−4 0.010 ExY−5 0.0050 Cpd−4 0.011 HBS−1 0.13 HBS−3 4.4×10-3 ゼラチン 1.02
【0217】 第10層(高感度緑感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.50 ExS−4 4.6×10-5 ExS−8 5.5×10-4 ExS−7 1.2×10-4 ExC−9 0.019 ExM−1 0.010 ExM−2 0.030 ExM−5 0.0070 ExM−6 0.0050 Cpd−3 0.015 Cpd−4 0.031 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.29
【0218】 第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.030 Cpd−1 0.10 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.69
【0219】 第12層(低感度青感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.090 沃臭化銀乳剤K 銀 0.10 沃臭化銀乳剤L 銀 0.25 ExS−9 8.4×10-4 ExC−9 0.010 ExC−8 7.0×10-3 ExC−6 0.024 ExY−1 0.050 ExY−2 0.75 ExY−3 0.40 ExY−4 0.040 Cpd−2 0.10 Cpd−4 0.010 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.23 ゼラチン 2.45
【0220】 第13層(高感度青感性乳剤層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.51 ExS−9 3.1×10-4 ExY−2 0.070 ExY−3 0.070 ExY−4 0.0050 Cpd−2 0.019 Cpd−3 1.0×10-3 Cpd−4 0.020 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.50
【0221】 第14層(第1保護層) UV−1 0.13 UV−2 0.10 UV−3 0.16 UV−4 0.025 ExF−8 0.0010 ExF−9 0.0020 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 2.20
【0222】 第15層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤N 銀 0.15 H−1 0.40 B−1(直径1.7μm) 0.060 B−2(直径1.7μm) 0.090 B−3 0.13 ES−1 0.20 ゼラチン 0.90
【0223】更に各層に適宜保存性、処理性、圧力耐
性、防黴性、防菌性、帯電防止性および塗布性をよくす
るためにW−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−18および鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0224】
【表1】
【0225】表1において、 (1)乳剤A〜Mは特開平2−191938号の実施例
に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて乳
剤調製時に還元増感されている。 (2)乳剤D、E、H、I、L、Mは特開平3−237
450号の実施例に従い各感光層に記載の分光増感色素
とチオシアン酸ナトリウムの存在下に金増感、硫黄増感
とセレン増感が施されている。 (3)平板状粒子の調製には特開平1−158426号
の実施例に従い低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3−237450号に記載
されているような転位線が高圧電子顕微鏡により観察さ
れている。 (5)乳剤A、B、C、D、F、G、HはIr、Rh、
Feを最適量含んでいる。 (6)乳剤J、KはRh、Feを最適量含んでいる。
【0226】(有機固体分散染料の分散物の調製)下
記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.
7ミリリットルおよび5%水溶液のp−オクチルフェノ
キシエトキシエタンスルフォン酸ソーダ3ミリリットル
ならびに5%水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキ
シエチレンエーテル(重合度10)0.5gとを700
ミリリットルのポットミルに入れ、染料ExF−2を
5.0gと酸化ジルコニウムビーズ(直径1mm)50
0ミリリットルを添加して内容物を2時間分散した。こ
の分散には中央工機製のBO型振動ボールミルを用い
た。分散後内容物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶
液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料のゼラチ
ン分散物を得た。染料微粒子の平均直径は0.44μm
であった。
【0227】同様にして、ExF−3、ExF−4およ
びExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均直
径はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52
μmであった。ExF−5は欧州特許出願公開(EP)
第549,489A号明細書の実施例1に記載の微小析
出(Microprecipitation)分散方法
により分散した。平均粒径は0.06μmであった。
【0228】(内部カブラセ乳剤INTEM−1の調
製) コア形成:72℃に保った4%ゼラチン水溶液を強く攪
拌し、硝酸銀11gの水溶液および等モルのKBr水溶
液を添加して0.04μmのAgBrコアを形成した。 内部カブラセ:次に、上記コア形成に引き続き、70℃
にてpHを9.0、pAgを4.5にした後、トータル
の銀1モルに対し、4×10-4モルの塩化金酸水溶液、
2×10-4モルの二酸化チオ尿素水溶液、3×10-3
ルの下記(B−5)の水溶液、1×10-3のチオスルフ
ォン酸水溶液を添加し、20分間熟成した。 シェル形成:次に、内部カブラセに引き続き、70℃に
てpHを4.0、pAgを9.5にした後、硝酸銀73
g水溶液の水溶液および等モルのKBr水溶液を添加し
てAgBrシェルを形成した。このシェル形成後半にお
いてトータルの銀1モルに対し1×10-3モルのチオス
ルフォン酸水溶液を添加した。このようにしてコア/シ
ェル比0.15、粒子サイズ0.08μmのAgBr微
粒子を形成した。 化合物(III) の添加:上記粒子形成後、脱塩工程を経
て、ゼラチン水溶液分散工程の最後に前記(III −1)
の化合物をトータルの銀1モルに対し1×10-3モル添
加し、50℃にて15分間熟成した。このような工程に
よって内部カブラセ乳剤INTEM−1を得た。
【0229】
【化56】
【0230】
【化57】
【0231】
【化58】
【0232】
【化59】
【0233】
【化60】
【0234】
【化61】
【0235】
【化62】
【0236】
【化63】
【0237】
【化64】
【0238】
【化65】
【0239】
【化66】
【0240】
【化67】
【0241】
【化68】
【0242】
【化69】
【0243】
【化70】
【0244】
【化71】
【0245】
【化72】
【0246】(試料102)(試料101)において第
2層中の内部カブラセ乳剤INTEM−1を除いた他は
(試料101)と同様に試料を作成した。これを(試料
102)とする。
【0247】表2、3より、本発明の一般式(I)のハ
ロゲン化銀溶剤並びに内部カブラセ乳剤が存在すると、
迅速処理(現像処理)と通常現行処理(現像処理)
とのカブリ濃度が実質的に一致し、プリント時のカラー
キー補正が殆ど不要であることが分かる。得られた試料
について、白色光によりウェッジ露光し、以下に示す現
像処理及び現像処理を行った。
【0248】(現像処理)
【0249】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5 mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕−2−メチルアニリン硫酸塩 4.6(15.7 ミリモル) 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05
【0250】 (漂白液) タンク液、補充液共通(単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 120.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 臭化アンモニウム 100.0 硝酸アンモニウム 10.0 漂白促進剤 0.005 モル (CH3)2N-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-N(CH3)2 ・2HCl アンモニア水(27%) 15.0 ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水と硝酸にて調整) 6.3
【0251】 (漂白定着液) タンク液(g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 50.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 5.0 亜硫酸ナトリウム 12.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700 g/リットル) 240.0 ミリリットル アンモニア水(27%) 6.0 ミリリットル 水を加えて 1.0 リットル pH(アンモニア水と酢酸にて調整) 7.2
【0252】(水洗液) タンク液、補充液共通 水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロームアンドハ
ース社製アンバーライトIR−120B)と、OH型ア
ニオン交換樹脂(同アンバーライトIR−400)を充
填した混床式カラムに通水してカルシウム及びマグネシ
ウムイオン濃度を3mg/リットル以下に処理し、続いて
二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg/リットルと
硫酸ナトリウム0.15g/リットルを添加した。この
液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0253】現像処理の工程および処理液組成(一般
式(I)の化合物の添加については後述する) 処理工程 温度 時間 発色現像 45℃ 60秒 漂白定着 40℃ 60秒 水洗 (1) 40℃ 20秒 水洗 (2) 40℃ 20秒 水洗 (3) 40℃ 20秒 乾 燥 80℃ 60秒 (水洗は(3) から(1) への3タンク向流方式とした。)
【0254】 液組成 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1ジホスホン酸 3.3 亜硫酸ナトリウム 3.9 炭酸カリウム 37.5 臭化カリウム 2.4 沃化カリウム 1.3 mg ジナトリウム N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 10.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシ エチル)アミノ〕アニリン硫酸塩 11.0(37.6ミリモル) 水を加えて 1.0 リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調製) 10.05 (漂白定着液) (単位モル) エチレンジアミン−(2−カルボキシフェニル)− N,N′,N′−三酢酸 0.17 硝酸第二鉄九水和物 0.15 チオ硫酸アンモニウム 1.25 亜硫酸アンモニウム 0.10 メタカルボキシベンゼンスルフィン酸 0.05 水を加えて 1.0 リットル pH(酢酸とアンモニアで調製) 5.8 (水洗水)処理に記載のものと同じ組成
【0255】処理後、各試料についてシアン、マゼンタ
及びイエローの吸収濃度を測定し、特性曲線を求めた。
得られた特性曲線から、現像処理を実施した後のシア
ン、マゼンタ、イエローの階調度γA (C)、γ
A (M)、γA (Y)と現像処理を実施した後のシア
ン、マゼンタ、イエローの階調度γB (C)、γ
B (M)、γB (Y)を求め、γB (C)/γ
A (C)、γB (M)/γA (M)、γB (Y)/γA
(Y)の値を計算した。
【0256】更に、現像処理の発色現像液に、本発明
の化合物(I−3)を1.0ミリモル/リットル添加し
た以外は全く同様にして現像処理B−2を実施し、同様
にして現像処理後の階調度との比を計算した。得られ
た結果を表2、3に示す。
【0257】
【表2】
【0258】
【表3】
【0259】*表2、3において相対カブリ濃度とはそ
れぞれの実験において現像処理を行ったときのY,
M,Cそれぞれの特性曲線上でカブリ濃度を±0とした
ときの現像処理によるカブリ濃度の相対値である。こ
の定義においては、例えば実験101のYのカブリ濃度
が-0.20 であるとは試料102を現像処理で処理した
場合、現像処理で処理した場合に対し、イエロー(青
感度)の特性曲線のカブリ濃度が0.20だけ低いことを表
している。表2、3より、本発明の一般式(I)のハロ
ゲン化銀溶剤並びに内部カブラセ乳剤が存在すると、迅
速処理(現像処理)と通常現行処理(現像処理)と
のカブリ濃度並びに平均ネガ濃度が実質的に一致し、プ
リント時のカラーキー補正が小さくて済むことがわか
る。
【0260】(実施例2)本実施例においては一般式
(II)の化合物種等について例示する。実施例1におい
て示した内部カブラセ乳剤INTEM−1の調製におい
て一般式(III) の化合物を(III −1)から(III −
2)に等モル置き換えた他はINTEM−1と全く同様
に調製した内部カブラセ乳剤をINTEM−2とする。
このINTEM−2を実施例1において示した試料10
1の第2層(中間層)に試料101のINTEM−1と
同じ塗布銀量で置き換え更に一般式(II)の化合物をこ
れと同一層に銀/カプラー比が10になるように導入し
た。このようにして試料201〜212を作成した。こ
こにおいて銀/カプラー比とは(INTEM−2の塗布
銀モル数)/(一般式(II)の塗布モル数)比である。
また、実施例1において示した現像処理の発色現像液
に添加する一般式(I)の化合物は(I−B−3)を
0.7ミリモル/リットルと(I−A−3)を0.5ミ
リモル/リットルを併用した。また、現像処理、サン
プルの露光等は実施例1と同様に行った。
【0261】
【表4】
【0262】
【表5】
【0263】*表4、5において相対感度とはそれぞれ
の実験において現像処理を行ったときのY,M,Cそ
れぞれの特性曲線上でカブリ+光学濃度+0.1の点の
露光量の対数値を±0(基準値)としたときの相対値で
ある。この定義においては、例えば実験201のYの相
対感度が-0.29 とは試料201を現像処理で処理した
場合、現像処理で処理した場合に対し、イエロー(青
感度)の特性曲線のカブリ+光学濃度+0.1の感度が
露光量の対数単位で0.29だけ低いことを意味する。表
4、5から一般式(III) を本発明の態様に従って一般式
(III) の現像促進剤放出カプラーを導入した試料は内部
カブラセ乳剤との併用によって著しい迅速処理適性(現
像処理と現像処理の互換性)の改良効果が見られる
ことが分かる。また、これらのサンプルをプリント上で
比較した場合、実験201(比較例)、実験202(比
較例)によるプリントは調子(色)再現性が、現像処理
に対し一致せず特に赤みに乏しいプリントとなった。
即ち、実験201、202の現像処理によるカラーネ
ガのプリントをノーマル露光(カラーネガ特性曲線の中
央部)でカラーキーを補正しプリント条件を決定すると
オーバー露光時(カラーネガ特性曲線の高濃度部)にプ
リントの色味が特に赤味の欠如が著しく、また、アンダ
ー露光時(カラーネガ特性曲線の低濃度部)にプリント
の赤味が強くなった。また、これらの比較例ではノーマ
ル(標準)露光時においても被写体のプリント上の色再
現が、高濃度のグレーや肌色で赤味に欠け、低濃度のグ
レーや肌色の赤味が強くなった。即ち、実験201、2
02の場合、迅速処理(現像処理)と通常処理(現像
処理)の互換性がないことが確認された。また、実験
201、202によるプリントは特にアンダー露光時に
現像処理に対し感度低下が起きたため画像自体が画像
情報に乏しいボケたものになった。一方、本発明の態様
に従った実験203(本発明)〜212(本発明)はカ
ラーネガの特性曲線上の破綻が実質的に起きないためこ
のようなノーマル、オーバー、アンダー露光時のいずれ
においてもプリント上良好な調子(色)再現性および感
度が得られ、迅速処理適性(通常処理との互換性)が充
分高いことが確認された。また、本実施例においてIN
TEM−2と一般式(II)の化合物の銀/カプラー比を
10以外に、1〜300の領域において調べたところ表
2、3で示したのと類似の効果があることが確認され
た。
【0264】(実施例3)本実施例においては内部カブ
ラセ乳剤の調製条件、一般式(III) の化合物の添加方法
等について例示する。実施例2の試料204の作成にお
いて、第2層中の内部カブラセ乳剤INTEM−2の調
製条件を次に示すように変え、現像処理の発色現像液
中の一般式(I)の化合物添加を(I−B−3)1ミリ
モル/リットルに統一した他は実施例2と同様に実験を
行った。INTEM−2の調製において塩化金酸水溶
液、チオスルフォン酸水溶液の添加位置を変えずに添加
量を変化させた。また、一般式(III) の化合物の添加方
法を、INTEM−2と同様にする(内部カブラセ乳剤
に添加する)および/または塗布液調製時に添加する場
合に分けて実験した。このようにして各種の内部カブラ
セ乳剤を調製し、試料204と同様に第2層中に一般式
(II)の化合物PHRCP−1と共に導入した。各試料
において内部カブラセ乳剤の塗布銀量は0.5g/m2
内部カブラセ乳剤とPHRCP−1の銀/カプラー比は
15に統一した。このようにして各種試料を作成し、実
験を行った。詳細は表6〜9に示した通りである。表6
〜9において第2層中の内部カブラセ乳剤の欄の高p
H、低pAgによる内部カブラセ有りとは前述のINT
EM−2の調製における内部カブラセの項のpH、pA
g条件と同一であり、内部カブラセ無しとはINTEM
−2の調製条件のうち内部カブラセの項のpHを5.
0、pAgを9.2にした場合の条件である。後者の条
件では該乳剤は実質的にはカブリを有しない。
【0265】
【表6】
【0266】
【表7】
【0267】
【表8】
【0268】
【表9】
【0269】*単位:モル/内部カブラセ乳剤の銀モル **単位:g/m2 ***それぞれの試料において現像処理のカブリ濃度
(シアン発色)をゼロとしたときの現像処理における
カブリ濃度(シアン発色)の増減 注)表6〜9において試料315と試料321の(III−
1)の塗布量は共に3.9×10-3g/m2であり塗布量として
等しい。表6〜9から内部カブラセの操作を行わないで
調製した乳剤を第2層中に導入した試料301(比較
例)のものは実質的に内部カブラセ乳剤を導入しないの
と同じであることが分かる。また、Au、S、(III −
1)の添加量は先述のような範囲に最適添加領域が存在
することが分かる。また、同じ塗布量であれば(III −
1)の添加は内部カブラセ乳剤に直接導入した方が塗布
液に添加するよりも効果が大きいことが分かる。
【0270】(実施例4)本実施例においては一般式(I
II) の化合物の種類等について例示する。実施例2の試
料204の作成条件において一般式(III) の化合物の導
入条件(種類)を変えた他は試料204と全く同様に試
料を作成し、評価した。但し、現像処理の発色現像液
中の一般式(I)の化合物は(I−B−3)を0.8ミ
リモル/リットルおよび(I−A−4)を0.5ミリモ
ル/リットルとした。
【0271】
【表10】
【0272】
【表11】
【0273】表10、11から本発明の態様による一般
式(III) の化合物は種類が異なっても類似の効果を発現
することが分かる。
【0274】(実施例5)本実施例においては本発明の
現像処理によるカラー画像形成法における一般式
(I)の化合物の添加量依存性等について例示する。実
施例2と類似の構成をとり同様の評価を行った。実施例
2において調製したINTEM−2の調製条件のうち、
一般式(III) の化合物の添加を(III −1)を2.0×
10-3モル/銀および(III −19)を0.5×10-3
モル/銀に代えた他はINTEM−2と同様に調製した
内部カブラセ乳剤をINTEM−3とする。感材構成の
変更点等は表12、13に示した。
【0275】
【表12】
【0276】
【表13】
【0277】表12、13から、一般式(I)の化合物
が少ない時は特にシアンの軟調化および感度低下が大き
く、多いときはイエローの軟調化および感度低下が起き
ることが分かる。後者の主原因はカブリの増大による。
これから一般式(I)の化合物には先述のような最適量
領域が存在することが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/00 510 G03C 7/00 510 550 550 7/305 7/305 7/407 7/407 7/413 7/413

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上にそれぞれ少なくとも1層の青感
    性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び
    赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー
    写真感光材料において、粒子内部にカブリ核を有するハ
    ロゲン化銀乳剤を含有し、かつ、発色現像時間の異なる
    下記2種類の現像処理及び現像処理を実施したと
    き、該2種類の現像処理によって得られるイエロー、マ
    ゼンタ及びシアンの階調度が下記条件式を満足し、か
    つ、現像処理によるイエロー、シアン、マゼンタの感
    度が現像処理によるイエロー、シアン、マゼンタの感
    度に対しそれぞれ露光量の対数で、−0.2以上+0.
    2以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。 0.8≦γ2 (Y)/γ1 (Y)≦1.2 0.8≦γ2 (M)/γ1 (M)≦1.2 0.8≦γ2 (C)/γ1 (C)≦1.2 但し、γ1 (Y)、γ1 (M)、γ1 (C)はそれぞれ
    現像処理を実施したときのイエロー、マゼンタ、シア
    ンの階調度を表し、γ2 (Y)、γ2 (M)、γ
    2 (C)はそれぞれ現像処理を実施したときのイエロ
    ー、マゼンタ、シアンの階調度を表す。 (現像処理)発色現像時間が2分45秒〜3分30秒
    であり、発色現像液の温度が37〜39℃であり、発色
    現像主薬として2−メチル−4−〔N−エチル−N(β
    −ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリンを15〜20ミ
    リモル/リットル含有しかつ、ハロゲン化銀溶剤を実質
    的に含有しない発色現像液を使用し発色現像処理するこ
    とを特徴とする現像処理。 (現像処理)発色現像時間が40秒〜90秒であり、
    発色現像液の温度が40〜50℃であり、発色現像主薬
    として2−メチル−4−〔N−エチル−N(β−ヒドロ
    キシエチル)アミノ〕アニリンを25〜60ミリモル/
    リットル含有しかつ、下記一般式(I−1)〜(I−
    5)から選ばれるハロゲン化銀溶剤をトータルで0.0
    5〜50ミリモル/リットル含有する発色現像液を使用
    し発色現像処理することを特徴とする現像処理。 【化1】 一般式(I−1) (ハロゲン化銀溶剤A)式中、Qa1は5または6員の複
    素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。尚、こ
    の複素環は炭素芳香環または複素芳香環と縮合していて
    もよい。La1は、単結合、二価の脂肪族基、二価の芳香
    族炭化水素基、二価の複素環基またはこれらを組み合わ
    せた連結基を表す。Ra1はカルボン酸もしくはその塩、
    スルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその
    塩、アミノ基またはアンモニウム塩を表す。qは1〜3
    の整数を表し、Ma1は水素原子またはカチオンを表す。 【化2】 一般式(I−2) (ハロゲン化銀溶剤B)式中Qb1は、炭素原子、窒素原
    子、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子により構成さ
    れる5または6員のメソイオン環を表し、Xb1 - は−O
    - 、−S- または−N- b1を表す。Rb1は脂肪族基、
    芳香族炭化水素基または複素環基を表す。 一般式(I−3) (ハロゲン化銀溶剤C) Lc1−(Ac1−Lc2)r −Ac2−Lc3 式中、Lc1およびLc3は同一でも異なっていてもよく各
    々脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環を表し、Lc1
    二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の複素
    環連結基またはそれらを組み合わせた連結基を表す。A
    c1およびAc2はそれぞれ−S−、−O−、−NR
    c20 −、−CO−、−SO2 −、またはそれらを組み合
    わせた基を表す。rは1〜10の整数を表す。但し、L
    c1およびLc3の少なくとも1つは−SO3 c1、−PO
    3 c2c3、−NRc1(Rc2)、−N+c3(Rc4
    (Rc5)・Xc1 - 、−SO2 NRc6(Rc7)、−NRc8
    SO2 c9、−CONRc10(Rc11)、−NRc12 COR
    c13 、−SO2 c14 、−PO(−NRc15(Rc16)2
    −NRc17 CONRc18(Rc19)、−COOMc4または複
    素環基で置換されているものとする。Mc1、Mc2、Mc3
    およびMc4は同一でも異なっていてもよく各々水素原子
    または対カチオンを表す。Mc1〜Mc20 は同一でも異な
    っていてもよく各々水素原子、脂肪族基または芳香族炭
    化水素基を表し、Xc1 - は対アニオンを表す。但し、A
    c1およびAc2の少なくとも1つは−S−を表す。 【化3】 一般式(I−4) (ハロゲン化銀溶剤D)式中、Xd およびYd は脂肪族
    基、芳香族炭化水素基、複素環基、−N(Rd1)Rd2
    −N(Rd3)N(Rd4)Rd5、−ORd6、または−SR
    d7を表す。尚、Xd とYd は環を形成していてもよい
    が、エノール化することはない。但し、Xd およびYd
    のうち少なくとも1つはカルボン酸もしくはその塩、ス
    ルホン酸もしくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、
    アミノ基またはアンモニウム基、水酸基の少なくとも1
    つで置換されているものとする。Rd1、Rd2、Rd3、R
    d4およびRd5は水素原子、脂肪族基、芳香族炭化水素基
    または複素環基を表し、Rd6およびRd7は水素原子、カ
    チオン、脂肪族基、芳香族炭化水素基または複素環基を
    表す。 【化4】 一般式(I−5) (ハロゲン化銀溶剤E)上記一般式(I−5)におい
    て、Re1、Re2、Re3およびRe4は、それぞれ、水素原
    子、アルキル基またはアルケニル基を表す。
  2. 【請求項2】下記一般式(II)の現像促進剤放出カプラ
    ーを含有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。 一般式(II) A−(TIME)n −ETA (現像促進剤放出カプラー)式中、Aは現像主薬酸化体
    とのカップリング反応により(TIME)a −ETAを
    離脱するカプラー残基を表し、TIMEはカップリング
    反応によりAより離脱した後に(TIME)n-1 −ET
    Aを開裂するタイミング基を表し、nは1、2、または
    3を表す。nが2以上であるとき複数個のTIMEは同
    じものまたは異なるものを表す。ETAは、TIMEと
    の結合が開裂することにより、電子伝達剤となる基を表
    す。
  3. 【請求項3】下記一般式(III) で表される化合物を5×
    10-4〜5×10-1g/m2含むことを特徴とする請求項
    1または2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化5】 一般式(III) 一般式(III) においてR31、R32は水素原子、ハロゲン
    原子、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、カル
    バモイル基、スルファモイル基、アルコキシ基、アリー
    ルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ
    カルボニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルチ
    オ基、ウレイド基、アリール基、複素環基、アルキル
    基、アシル基、アリールチオ基、アリールオキシカルボ
    ニルアミノ基を表す。R31とR32はそれぞれ同一であっ
    ても異なっていてもよい。
  4. 【請求項4】粒子内部にカブリ核を有するハロゲン化銀
    乳剤が、銀1モル当たり1×10-7〜1×10-1モルの
    S及び/または銀1モル当たり1×10-7〜1×10-1
    モルのAu及び/または銀1モル当たり1×10-5〜1
    ×10-1モルの請求項3に記載の一般式(III) の化合物
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン
    化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】前記の支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤層
    の反対側に磁気記録層を塗設してあることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載のハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載のハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料を、請求項1に記載の現像
    処理によって処理することを特徴とするカラー画像形
    成方法。
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