JPH095960A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JPH095960A
JPH095960A JP17296895A JP17296895A JPH095960A JP H095960 A JPH095960 A JP H095960A JP 17296895 A JP17296895 A JP 17296895A JP 17296895 A JP17296895 A JP 17296895A JP H095960 A JPH095960 A JP H095960A
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JP
Japan
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group
silver halide
hydrogen atom
formula
atom
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JP17296895A
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English (en)
Inventor
Akimitsu Haijima
章光 配島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】処理時間を短縮しても高感度で脱銀性にすぐ
れ、処理後のステインの小さい処理法を提供。 【構成】ハロゲン化銀カラー写真感光材料を、発色現像
液を用いて、25〜90秒の時間で発色現像処理した
後、漂白能を有する液によって脱銀処理する方法にい
て、該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子
の全投影面積の50%以上がアスペクト比2以上の平板
状沃臭化銀粒子で占められ、該発色現像液がチオ硫酸
塩、メタンチオスルフォン酸塩、チオシアン酸塩及びA
−1等から選ばれるハロゲン化銀溶剤を含有し、該漂白
能を有する液が、下記IV−3等の第2鉄錯塩である漂白
剤を含有。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀カラー写真
感光材料の処理方法に関するものであり、更に詳しくは
処理時間を短縮しても高感度でしかも脱銀性に優れるハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
の高感度化、小フォーマット化が進み、更なる高感度化
及び高画質化が望まれている。この要請に対し、リサー
チディスクロージャー22534に平板状沃臭化銀粒子
を用い画質を損なわず、感度を向上し得る技術が開示さ
れ、現在高感度カラーネガフィルムに広く実用されてい
る。
【0003】一方顧客に、より迅速な現像処理サービス
を提供するために処理時間の短縮化が望まれ、種々検討
されている。一般にカラー感光材料の処理工程は発色現
像工程と脱銀工程から成る。発色現像工程では発色現像
主薬により露光されたハロゲン化銀が還元されて銀を生
じるとともに、酸化された発色現像主薬が発色剤(カプ
ラー)と反応して色素画像を形成する。次の脱銀工程に
おいて、漂白剤と称される酸化剤により発色現像工程で
生じた銀が酸化された銀イオンとなり、しかる後に定着
剤と称される銀イオン錯化剤により溶解され感光材料中
から取り除かれ、最終的に色素画像のみが感光材料中に
残る。
【0004】上記の平板状沃臭化銀粒子は高感度である
が増感色素が多量に付着しており、この増感色素が立体
的に漂白剤の接近を阻害するため、漂白剤が銀を酸化す
る反応を抑制し脱銀性が著しく悪化する。平板状沃臭化
銀粒子を用いた感光材料について脱銀性を改良する方法
が、特開平2−46448号及び特開平5−30725
1号に開示されている。しかしながら、いずれの方法に
おいても、発色現像液の現像活性を高めて発色現像時間
を90秒以下に短縮化して迅速処理すると脱銀不良やス
テインの増大が発生した。
【0005】ハロゲン化銀表面に付着した増感色素は、
アルカリ性の発色現像液中で溶解しハロゲン化銀表面か
らはがれてゆくと推定されるが、発色現像時間を著しく
短縮化するとハロゲン化銀表面に付着したままの増感色
素の量が増大し脱銀不良を起こし、また増感色素が最終
的に感光材料中に残りステインの要因となると考えられ
る。更に発色現像工程において、ハロゲン化銀表面に付
着した増感色素は発色現像主薬がハロゲン化銀表面に接
近するのを阻害し現像抑制を起こすことが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、発色現像時間を短縮化しても高感度でかつ脱銀性に
優れ、更に処理後のステインの小さいハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の方法により達成されることを見い出した。 (1)透明支持体上に、少なくとも1層のハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を、発
色現像液を用いて、25〜90秒の時間で発色現像処理
した後、漂白能を有する液によって、脱銀処理する方法
において、該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化
銀粒子の全投影面積の50%以上がアスペクト比2以上
の平板状沃臭化銀粒子で占められ、該発色現像液がチオ
硫酸塩、メタンチオスルフォン酸塩、チオシアン酸塩及
び下記一般式(A)〜(E)から選ばれるハロゲン化銀
溶剤の少なくとも1種を含有しかつ、漂白能を有する液
が下記一般式(I)〜(V)で表される化合物の第二鉄
錯塩である漂白剤の少なくとも1種を含有することを特
徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。 一般式(A)
【0008】
【化10】
【0009】式中、Qa1は5または6員の複素環を形成
するのに必要な非金属原子群を表わす。尚、この複素環
は炭素芳香環または複素芳香環と縮合していてもよい。
a1は、単結合、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水
素基、二価の複素環基又はこれらの組合せた連結基を表
わす。Ra1はカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸も
しくはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基ま
たはアンモニウム塩を表わす。qは1〜3の整数を表わ
し、Ma1は水素原子またはカチオンを表わす。 一般式(B)
【0010】
【化11】
【0011】式中Qb1は、炭素原子、窒素原子、酸素原
子、硫黄原子またはセレン原子により構成される5また
は6員のメソイオン環を表わし、Xb1 -は−O- 、−S
- または−N- b1を表わす。Rb1は脂肪族基、芳香族
炭化水素基または複素環基を表わす。 一般式(C) LC1−(AC1−LC2r −AC2−LC3 式中、LC1及びLC3は同一でも異なっていてもよく各々
脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環基を表し、LC2
二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の複素
環連結基またはそれらを組み合わせた連結基を表す。A
C1及びAC2はそれぞれ−S−、−O−、−NRC20 −、
−CO−、−SO2 −またはそれらを組み合わせた基を
表す。rは1〜10の整数を表す。ただし、LC1及びL
C3の少なくとも1つは−SO3 C1、−PO3
C2C3、−NRC1(RC2)、−N+ C3(RC4
(RC5)・XC1 -、−SO2 NRC6(RC7)、−NRC8
SO2 C9、−CONRC10 (RC11 )、−NRC12
ORC13 、−SO2 C14 、−PO(−NRC15 (R
C16 ))2 、−NRC17 CONRC18 (RC19 )、−C
OOMC4または複素環基で置換されているものとする。
C1、MC2、MC3及びMC4は同一でも異なっていてもよ
く各々水素原子または対カチオンを表す。MC1〜MC20
は同一でも異なってもよく各々水素原子、脂肪族基また
は芳香族炭化水素基を表し、XC1 -は対アニオンを表
す。ただしAC1及びAC2の少なくとも1つは−S−を表
す。 一般式(D)
【0012】
【化12】
【0013】式中、Xd 及びYd は脂肪族基、芳香族炭
化水素基、複素環基、−N(Rd1)Rd2、−N(Rd3)
N(Rd4) Rd5、−ORd6、又は−SRd7を表わす。
尚、Xd とYd は環を形成してもよいが、エノール化す
ることはない。ただし、Xd 及びYd のうち少なくとも
一つはカルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくは
その塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基またはア
ンモニウム基、水酸基の少なくとも1つで置換されてい
るものとする。Rd1、Rd2、Rd3、Rd4及びRd5は水素
原子、脂肪族基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表
し、Rd6及びRd7は水素原子、カチオン、脂肪族基、芳
香族炭化水素基又は複素環基を表わす。 一般式(E)
【0014】
【化13】
【0015】上記一般式(E)において、Re1、Re2
e3およびRe4は、それぞれ、水素原子、アルキル基ま
たはアルケニル基を表わす。 一般式(I)
【0016】
【化14】
【0017】(式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれ
ぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基又はヒドロキシ基を
表す。W1は炭素原子を含む二価の連結基を表す。M1
M2、M3及びM4はそれぞれ水素原子又はカチオンを表
す。) 一般式(II)
【0018】
【化15】
【0019】(式中、R7はアルキル基を表し、M5及びM6
は、それぞれ水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(III)
【0020】
【化16】
【0021】(式中、M8、M9、M10 及びM11 はそれ
ぞれ水素原子又はカチオンを表す。n は3又は4の整数
を表す。) 一般式(IV)
【0022】
【化17】
【0023】(式中、M12 、M13 、M14 及びM
15 はそれぞれ水素原子又はカチオンを表す。W2は炭
素原子を含む二価の連結基を表す。Xは水素原子または
置換基を表す。mは0、1〜4の整数を表わす。m=2
〜4の場合、Xは互いに異った置換基でもよい。) 一般式(V)
【0024】
【化18】
【0025】(式中、R8 は脂肪族炭化水素基、アリー
ル基またはヘテロ環基を表す。R9は水素原子、脂肪族
炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
1 、L2 、L3 、L4 およびL5 は、それぞれアルキ
レン基を表す。mおよびnは、それぞれ0または1を表
す。W1 およびW2 は、それぞれアルキレン基、アリー
レン基、アラルキレン基または二価の含窒素ヘテロ環基
を表す。Dは単結合、−O−、−S−または−N(Rw
)−を表す。Rw は水素原子、脂肪族炭化水素基また
はアリール基を表す。vは0〜3の整数を表し、wは1
〜3の整数を表す。M16、M17、M18およびM19は、そ
れぞれ水素原子またはカチオンを表す。)
【0026】本願明細書において、脂肪族基、芳香族炭
化水素基、複素環基は、別段の断りがないかぎり、以下
の通りである。脂肪族基とは、置換もしくは無置換の、
直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換もしくは無
置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル
基を表わす。二価の脂肪族基とは、これらの脂肪族基の
二価のもので、置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしく
は環状のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニ
レン基、置換もしくは無置換のアルキニレン基を表わ
す。脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、イソプロピル基、2−ヒドロキシプロピ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、ビニル基、プロペニル
基、ブテニル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げら
れる。芳香族炭化水素基とは、置換もしくは無置換の、
単環であっても更に芳香環や複素環と縮環していてもよ
いアリール基を表わす。二価の芳香族炭化水素基とは、
置換もしくは無置換の、単環であっても更に芳香環や複
素環と縮環していてもよいアリーレン基を表わす。芳香
族炭化水素基としては、フェニル基、2−クロロフェニ
ル基、3−メトキシフェニル基、ナフチル基などが挙げ
られる。複素環基とは、ヘテロ原子として、窒素原子、
酸素原子または硫黄原子を少なくとも一つ有する、3〜
10員環の、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは無置
換の、単環であっても更に芳香環や複素環と縮環してい
てもよい、複素環基を表わす。複素環としては、ピロー
ル環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピ
ラジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、チアジアゾ
ール環、オキサジアゾール環、キノキサリン環、テトラ
ゾール環、チアゾール環、オキサゾール環等が挙げられ
る。
【0027】また、本明細書における各基は別段の断り
の無いかぎり置換されていてもよく、それらが有しても
よい置換基としては、例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリ
ール基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、アシル
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ニ
トロ基、ヒドロキサム酸基、複素環基等が挙げられる。 (2) 該漂白能有する液による処理時間が25〜90
秒であることを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀
カラー写真感光材料の処理方法。 (3) 該漂白能を有する液が定着能も有する漂白定着
液であることを特徴とする(1)1又は(2)に記載の
ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。 (4) 該透明支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤層の反
対側に磁性体粒子を含有する磁気記録層を有することを
特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
【0028】本発明者は、露光されたハロゲン化銀表面
に形成される潜像を破壊することなく、短時間に効率的
に増感色素をハロゲン化銀表面からはがす技術を鋭意検
討した結果、本発明に至った。
【0029】次に本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤につ
いて詳細に説明する。本発明に使用する平板状ハロゲン
化銀乳剤において、アスペクト比とはハロゲン化銀粒子
における厚みに対する直径の比を意味する。ここで直径
とは、ハロゲン化銀乳剤を顕微鏡又は電子顕微鏡で観察
したとき、粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直
径を指すものとす。従って、アスペクト比が2以上であ
るとは、この円の直径が粒子の厚みに対して2倍以上で
あることを意味する。
【0030】本発明のハロゲン化銀乳剤に用いられる平
板状ハロゲン化銀粒子において、粒子径は粒子厚さの2
倍以上であるが、好ましくは3〜20倍、より好ましく
は4〜15倍、特に好ましくは5〜10倍である。ま
た、全ハロゲン化銀粒子の投影面積におけるアスペクト
比2以上の平板状ハロゲン化銀粒子の占める割合は50
%以上であるが、好ましくは70%以上、特に好ましく
は85%以上である。
【0031】また、平板状ハロゲン化銀粒子の径として
は、0.02〜20μm 、好ましくは0.3〜10.0
μm であり、特に好ましくは0.4〜5.0μm であ
る。粒子の厚みとしては、好ましくは0.5μm 以下で
ある。ここで平板状ハロゲン化銀粒子径とは、粒子の投
影面積に等しい面積の円の直径をいう。また、粒子の厚
みとは、平板状ハロゲン化銀粒子を構成する二つの平行
な面の間の距離で表わされる。
【0032】本発明において、より好ましい平板状ハロ
ゲン化銀粒子は、粒子直径が0.3μm 以上10.0μ
m 以下で、粒子厚さが0.3μm 以下であり、且つ平均
(直径/厚さ)が5以上10以下である。これ以上にな
ると感光材料を折り曲げたり、固く巻き込んだり、ある
いは鋭利な物に触れた時に写真性能に異常が出ることが
あり好ましくない。さらに好ましくは粒子直径が0.4
μm 以上5.0μm 以下で、平均(直径/厚さ)が5以
上の粒子が全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の85%以
上を占めるハロゲン化銀乳剤の場合である。
【0033】本発明で使用する平板状ハロゲン化銀粒子
は、沃化銀を1〜30モル%含有する沃臭化銀であり、
好ましくは沃化銀を2〜10モル%、より好ましくは3
〜6モル%含有する沃臭化銀である。
【0034】本発明で使用する平板状のハロゲン化銀乳
剤は、Cugnac, Chatean の報告や、Duffin著 "Photogra
phic Emulsion Chemistry"(Focal Press刊、New York 1
966年) 66頁〜72頁、及び A.P.H.Trivelli, W.F.Smith
編 "Phot. Journal" 80(1940年)285頁に記載されている
が、特開昭58−113927号、同58−11392
8号、同58−127921号に記載された方法等を参
照すれば容易に調製することができる。
【0035】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、必要
により化学増感することができる。化学増感のために例
えば、H.Frieser 編 "Die Grundlagen der Photographi
schen Prozesse mit Silberhalogeniden" (Akademische
Verlagsgesellschaft. 1968年)675頁〜 735頁に記載の
方法を用いることができる。
【0036】すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る
カルコゲンを含む化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素
類、メルカプト化合物類、ローダニン類、セレノ尿素
類、フォスフィンセレニド類、フォスフィンテルリド類
など)を用いるカルコゲン増感法;還元性物質(例えば
第一錫塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジ
ンスルフィン酸、シラン化合物)を用いる還元増感法;
貴金属化合物(例えば金錯塩の他、Pt、Ir、Pd等
の周期律表第VIII族の金属の錯塩)を用いる貴金属増感
法などを単独又は組み合わせて用いることができる。
【0037】これらの具体例はカルコゲン増感法につい
ては米国特許第1,574,944号、同第2,27
8,947号、同第2,410,689号、同第2,7
28,668号、同第3,656,955号等、還元増
感法については、米国特許第2,419,974号、同
第2,983,609号、同第4,054,458号
等、貴金属増感法については米国特許第2,399,0
83号、同第2,448,060号、英国特許第61
8,061号等の各明細書に記載されている。本発明の
平板状ハロゲン化銀粒子は金増感又はカルコゲン増感、
或いはこれらの併用が好ましく、金増感、硫黄増感、セ
レン増感の3者併用が特に好ましい。
【0038】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、メチ
ン色素類その他によって分光増感することができる。ま
た、前述した鮮鋭度の向上の他に分光速度が高いことも
本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の特長である。用いら
れる色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合
シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシ
アニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミ
オキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シ
アニン色素、メロシアニン色素、及び複合メロシアニン
色素に属する色素である。
【0039】有用な増感色素としては例えば、ドイツ特
許第929,080号、米国特許第2,493,748
号、同第2,503,776号、同第2,519,00
1号、同第2,912,329号、同第3,656,9
59号、同第3,672,897号、同第4,025,
349号、英国特許第1,242,588号、特公昭4
4−14030号に記載されたものを挙げることができ
る。
【0040】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代
表例は米国特許第2,688,545号、同第2,97
7,229号、同第3,397,060号、同第3,5
22,052号、同第3,527,641号、同第3,
617,293号、同第3,628,964号、同第
3,666,480号、同第3,672,898号、同
第3,679,428号、同第3,814,609号、
同第4,026,707号、英国特許第1,344,2
81号、特公昭43−4936号、同53−12375
号、特開昭52−109925号、同52−11061
8号に記載されている。
【0041】本発明の特に有用な増感色素は、特開平2
−46448号公報の第5頁左下欄の一般式(I)で表
わされる。具体例についても同公報第6頁〜7頁の化合
物I〜1にI〜26に記載されている。
【0042】本発明で使用する写真乳剤には、感光材料
の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止
し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の化
合物を含有させることができる。すなわちアゾール類、
例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、
トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダ
ゾール類(特に、ニトロ−又はハロゲン置換体);ヘテ
ロ環メルカプト化合物、例えば、メルカプトチアゾール
類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズ
イミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカ
プトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾール)、メルカプトピリミジン類;カルボキ
シル基やスルホン基等の水溶性基を有する上記のヘテロ
環メルカプト化合物類;例えばオキサドリンチオンのよ
うなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリアザ
インデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキ
シ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類);
ベンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸;等
のようなカブリ防止剤または安定剤として知られた、多
くの化合物を加えることができる。これらのさらに詳し
い具体例及びその使用方法については、例えば米国特許
第3,954,474号、同第3,982,947号、
同第4,021,248号の各明細書、又は特公昭52
−28660号公報の記載を参考にすることができる。
【0043】本発明の前記乳剤は単分散乳剤であること
が好ましい。本発明に関わる単分散乳剤とは、ハロゲン
化銀粒子の粒径に関する変動係数が0.25以下の粒径
分布を有する乳剤である。ここで変動係数とは粒径に関
する標準偏差を平均粒径で除した値である。すなわち、
個々の乳剤粒子の粒径がriであり、その数がniであると
き、平均粒径は、
【0044】
【数1】
【0045】で定義され、その標準偏差は
【0046】
【数2】
【0047】と定義される。本発明でいう個々の粒子径
とはハロゲン化銀乳剤をティ・エイチ・ジェームス(T.
H.James)ら著「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフ
ィック・プロセス」(The Theory of the Photographic
Process) 第3版36〜43頁、マクミラン社発行(1
966年)に記載されているような当業界でよく知られ
た方法(通常は電子顕微鏡撮影)で微小撮影した場合に
投影された面積に相当した投影面積相当直径である。こ
こでハロゲン化銀粒子の投影相当直径とは上述の著書に
示されているようにハロゲン化銀粒子の投影面積と等し
い円の直径で定義される。従ってハロゲン化銀粒子の形
状が球状以外(たとえば立方体、八面体、十四面体、平
板状、ジャガイモ状など)の場合も上述のように平均粒
径rおよびその偏差Sを求めることが可能である。
【0048】ハロゲン化銀粒子の粒径にかかわる変動係
数は0.25以下であるが、好ましくは0.20以下、
より好ましくは0.15以下である。
【0049】本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤は、特開
昭63−151618号等に記載されている単分散六角
平板状ハロゲン化銀乳剤であることが特に好ましい。こ
こで六角平板状ハロゲン化銀粒子とは、その{1,1,
1}面の形状が六角形であり、隣辺比率が、2以下であ
ることを特徴としている。ここで隣辺比率とは、六角形
を形成する最小の長さを有する辺の長さに対する最大の
長さを有する辺の長さの比である。本発明の六角平板状
ハロゲン化銀粒子は、隣辺比率が2以下であれば、その
角が幾分丸みをおびていてもよい。角が丸みをおびてい
る場合の辺の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣接
する辺の直線部分を延長した線との交点の間の距離で表
わされる。本発明の六角平板状粒子の六角形を形成する
各辺は、その1/2以上が実質的に直線からなることが
好ましく、特に4/5以上が実質的に直線からなること
が好ましい。本発明において、隣辺比率は1〜1.5で
あることが好ましい。
【0050】本発明の六角平板状ハロゲン化銀乳剤は、
分散媒とハロゲン化銀粒子とからなり該ハロゲン化銀粒
子の全投影面積の50%以上、好ましくは70%以上よ
り好ましくは、90%以上が上記六角平板状ハロゲン化
銀粒子によって占められている。
【0051】本発明において、六角平板状ハロゲン化銀
粒子は沃臭化銀であり、沃化銀含量は0〜30モル%で
あり、好ましくは2〜10モル%、より好ましくは3〜
6モル%である。沃化銀の粒子内分布は、粒子全体に均
一であってもよいし、粒子内部と表面層とで沃化銀含量
が異なってもよいし、また、粒子内部に異なった沃化銀
含量の層がいくつもある、いわゆる多重構造であっても
よいが、粒子内部よりも粒子表面の方が沃化銀含量が少
ない、いわゆる内部ヨード型粒子が好ましい。
【0052】六角平板状ハロゲン化銀乳剤の製造法は、
米国特許第4,797,354号を参考にすることがで
きる。単分散六角平板状ハロゲン化銀乳剤の作り方とし
ては、製造工程を核形成、オストワルド熟成及び粒子成
長の過程に分ける。核形成時には、pBrを1.0〜
2.5に保ち、できるだけ平行な双晶面をもつ核(平板
粒子核)を多くつくるような過飽和条件(温度、ゼラチ
ン濃度、銀塩水溶液と、ハロゲン化アルカリ水溶液の添
加速度、pBr、ヨードイオン含量、攪拌回転数、p
H、ハロゲン化銀溶剤量、塩濃度など)で核形成を行
う。オストワルド熟成時には、核形成時に形成された平
板粒子核以外の粒子を消滅せしめ、平板粒子核のみを成
長させかつ単分散性の良い核にするために温度、pB
r、pH、ゼラチン濃度、ハロゲン化銀溶剤量などを調
節する。粒子成長時にはpBr及び添加する銀イオン量
とハロゲンイオン量を調節することによって所望のアス
ペクト比と粒子サイズをもつ六角平板状ハロゲン化銀粒
子を得ることができる。粒子成長時は、銀イオン及びハ
ロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長速度の30〜1
00%にすることが好ましい。
【0053】本発明の前記乳剤は、ハロゲン化銀粒子の
個数の50%が1粒子当たり10本以上の転位を含むこ
とが好ましい。平均粒子の転位は、たとえば J.F.Hamil
ton, Phot.Sci.Eng., 11, 57(1967)やT.Shiozawa, J.So
c.Phot.Sci Japan, 35, 213(1972) に記載の、低温での
透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察する
ことができる。すなわち、乳剤から粒子に転位が発生す
るほどの圧力をかけないよう注意して取り出したハロゲ
ン化銀粒子を、電子顕微鏡観察用のメッシュにのせ、電
子線による損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料
を冷却した状態で透過法により観察を行う。このとき、
粒子の厚みが厚いほど、電子線が透過しにくくなるの
で、高圧型(0.25μm の厚さの粒子に対して200
KV)の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察すること
ができる。このような方法によって得られた粒子の写真
から、主平面に対して垂直方向から見た場合の各粒子に
ついての転位の位置及び数を用いることができる。
【0054】本発明の平板粒子の転位の位置は、平板粒
子の長軸方向の中心から辺までの長さのx%の距離から
辺にかけて発生している。このxの値は、好ましくは1
0≦x<100であり、より好ましくは30≦x<98
であり、さらに好ましくは50≦x<95である。この
とき、この転位の開始する位置を結んで作られる形状
は、粒子形と相似に近いが、完全な相似形でなくゆがむ
ことがある。転移線の方向は、略中心から辺に向かう方
向であるが、しばしば蛇行している。本発明の平板粒子
の転位の数については、10本以上の転位を含む粒子が
50個数%以上存在することが好ましい。さらに好まし
くは、10本以上の転位を含む粒子が80個数%以上、
特に、20本以上の転位を含む粒子が80個数%以上存
在するものが好ましい。
【0055】さらに、本発明の平板状ハロゲン化銀粒子
で好ましく用いられるハロゲン化銀粒子の50個数%以
上が1粒子当たり10本以上の転位を含むハロゲン化銀
粒子においては、ハロゲン化銀粒子の個々の沃化銀含有
率の相対標準偏差が30%以下であることが特に好まし
く、さらに好ましくは20%以下が好ましい。個々の乳
剤粒子の沃化銀含有率は、例えばX線マイクロ・アナラ
イザーを用いて、一個一個の粒子の組成を分析すること
によって測定できる。ここで「個々の粒子の沃化銀含有
率の相対標準偏差」とは、例えばX線マイクロ・アナラ
イザーにより少なくとも100個の乳剤粒子の沃化銀含
有率を測定した際の沃化銀含有率の標準偏差を平均沃化
銀含有率で除した値に100を乗じて得られる値であ
る。個々の乳剤粒子の沃化銀含有率測定の具体的方法
は、例えば、欧州特許第147,868A号に記載され
ている。
【0056】個々の粒子の沃化銀含有率の相対標準偏差
が大きいと、個々の粒子の化学増感の適点が異なり、す
べての乳剤粒子の性能を引き出すことが不可能になり、
また転位の数の粒子間の相対標準偏差も大きくなる傾向
にある。個々の粒子の沃化銀含有率Yi(モル%)と各
粒子の球相当直径Xi(ミクロン)の間には、相関があ
る場合とない場合があるが、相関がないことが望まし
い。
【0057】平板粒子のハロゲン組成に関する構造につ
いては、X線回折、EPMA(XMAという名称もあ
る)法(電子線でハロゲン化銀粒子を走査して、ハロゲ
ン化銀組成を検出する方法)、ESCA(XPSという
名称もある)法(X線を照射し粒子表面から出てくる光
電子を分光する方法)などを組み合わせることにより確
認できる。本発明において粒子表面とは、表面より50
Å程度の深さまでの領域をいう。このような領域のハロ
ゲン組成は、通常ESCA法により測定することができ
る。粒子内部とは、上記の表面領域以外の領域をいう。
【0058】前記の転位線を有する平板状粒子よりなる
乳剤は、特開昭63−220238号、特開平4−18
1939号に記載されている方法に基づいて調製するこ
とができる。また本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子サ
イズ分布が狭いことが好ましく、核形成−オストワルド
熟成及び粒子成長の段階を経て調製する特開平1−15
8426号に記載されている方法を好ましく用いること
ができる。しかしながら、乳剤の個々の粒子の沃化銀含
有率は、特に緻密な制御をしないと不均一になりがちで
あった。
【0059】乳剤の個々の粒子の沃化銀含有率を均一に
するために、まず、オストワルド熟成後の粒子のサイズ
と形状をできるだけ均一にすることが肝要である。さら
に成長段階において、硝酸銀水溶液とアルカリ・ハライ
ド水溶液を、pAgを6.0から10.0の範囲で一定
に保ちつつ、ダブル・ジェット法で添加し、特に均一な
被覆を行うためには、添加中の溶液の過飽和度は高い方
が好ましい。例えば米国特許第4,242,445号に
記載されているような方法で、結晶の成長速度が結晶臨
界成長速度の30〜100%になるような比較的高い過
飽和度で添加を行うことが望ましい。
【0060】本発明の平板粒子の転位は粒子の内部に特
定の高ヨード相を設けることによってコントロールする
ことができる。具体的には基板粒子を調製し、次に高ヨ
ード相を設け、その外側を高ヨード相よりヨード含有率
の低い相でカバーすることによって得られる。ここで、
個々の粒子の沃化銀含有率を均一にするために、上記高
ヨード相の形成条件を適切に選択することが重要であ
る。内部の高ヨード相とは、ヨードを含むハロゲン化銀
固溶体をいう。この場合のハロゲン化銀としては、沃化
銀または沃臭化銀(ヨード含有率10〜40モル%)で
あることが好ましく、特に沃化銀であることが好まし
い。
【0061】この内部高ヨード相は、基板の平板粒子の
平面に均一に沈着したものではなく、むしろ局在的に存
在させることが重要である。このような局在化は、平板
の主平面上、側面上、辺上、角上のいずれの場所で起っ
てもよい。さらに、内部高ヨード相を、そのような部位
に選択的にエピタキシャルに配位していても良い。この
ための方法として、沃化物塩を単独に添加する、いわゆ
るコンバージョン法や例えば特開昭59−133540
号、特開昭58−108526号、特開昭59−162
540号に記載されているようなエピタキシャル接合法
を用いることができる。その時に以下のような条件を選
択することが、個々の粒子の沃化銀含有率を均一にする
ために有効である。すなわち、沃化物塩添加時のpAg
は8.5〜10.5の範囲が好ましく、9.0〜10.
5の範囲が特に好ましい。温度は、50℃〜30℃の範
囲に保つことが好ましい。沃化物塩の添加は、十分に攪
拌された条件下で全銀量に対し1モル%以上の沃化物塩
を30秒から5分間にわたって添加することが好まし
い。
【0062】基板の平板粒子のヨード含有率は、高ヨー
ド相よりも低く、好ましくは0〜12モル%、さらに好
ましくは0〜10モル%である。高ヨード相をカバーす
る外側の相は、高ヨード相のヨード含有率よりも低く、
好ましくは0〜12モル%、さらに好ましくは0〜10
モル%であり、最も好ましくは0〜3モル%である。こ
の内部高ヨード相は、平均粒子の長軸方向に関して粒子
中心から粒子全体の銀量で5モル%〜80モル%の範囲
にある、粒子中心を中心とする環状領域内に存在するこ
とが好ましく、さらに好ましくは10モル%〜70モル
%、特に20モル%〜60モル%の範囲の環状領域内に
存在することが好ましい。ここで、粒子の長軸方向とは
平板粒子の直径方向をいい、短軸方向とは平板粒子の厚
さ方向をいう。
【0063】内部高ヨード相のヨード含有率は、粒子表
面に存在する沃化銀、沃臭化銀または塩沃臭化銀におけ
る平均ヨード含有率よりも高く、好ましくは5倍以上、
特に好ましくは20倍以上である。さらに内部高ヨード
相を形成するハロゲン化銀の量は、銀量にして粒子全体
の銀量50モル%以下であり、さらに好ましくは10モ
ル%以下であり、特に5モル%以下であることが好まし
い。
【0064】種々の化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程
で存在せしめることによって、ハロゲン化銀粒子の性質
をコントロールできる。このような化合物は、反応器中
に最初に存在せしめても良い。また、常法に従って、1
もしくは2以上の塩を加えると共に添加することもでき
る。米国特許第2,448,060号、同2,628,
167号、同3,737,313号、同3,772,0
31号、並びにリサーチ・ディスクロージャー、134
巻、1975年6月、13452に記載されるように、
銅、イリジウム、鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛(例
えば、硫黄、セレン及びテルルのカルコゲン化合物)、
金および第VII 属貴金属の化合物のような化合物をハロ
ゲン化銀沈殿生成過程で存在せしめることによって、ハ
ロゲン化銀の特性をコントロールできる。特公昭58−
1410号、モイザー(Moisar)ら著、ジャーナル・オ
ブ・フォトグラフィック・サイエンス、25巻、197
7、19−27頁に記載されるように、ハロゲン化銀乳
剤は沈殿生成過程において粒子の内部を還元増感するこ
とができる。
【0065】本発明に用いられる平板粒子においては、
エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀
が接合されていてもよく、また、例えばロダン銀、酸化
鉛のハロゲン化銀以外の化合物と接合されていても良
い。これらの乳剤粒子は、例えば、米国特許第4,09
4,684号、同4,142,900号、同4,45
9,353号、英国特許第2,038,792号、米国
特許第4,349,622号、同4,395,478
号、同4,433,501号、同4,463,087
号、同3,656,962号、同3,852,067
号、特開昭59−162540号に開示されている。
【0066】また、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤
は、分光増感色素の存在下で化学増感されることが好ま
しい。分光増感色素の存在下で化学増感する方法は、例
えば米国特許第4,425,426号、同4,442,
201号、特開昭59−9658号、同61−1031
49号、同61−133941号などに記載されてい
る。用いられる分光増感色素としては通常ハロゲン化銀
写真感光材料に用いられる分光増感色素であればいかな
るものでもよく、その分光増感色素は、リサーチ・ディ
スクロージャー、No. 17643の23〜24頁及びN
o. 18716の648頁右欄〜649頁右欄に記載さ
れている。分光増感色素は一種類でも数種類混ぜて使用
してもよい。
【0067】分光増感色素を添加する時期は、化学増感
の開始前(粒子形成時、粒子形成終了時、水洗後)、化
学増感の途中及び化学増感終了時のいずれの時期でもよ
いが粒子形成終了後化学増感の開始前又は化学増感の終
了時が好ましい。添加される分光増感色素の量は、任意
であるが飽和吸着量の30〜100%が好ましく、より
好ましくは50〜90%である。
【0068】本発明の乳剤は感光性乳剤層に単独で用い
てもよいし、平均粒子サイズの異なる2種以上の乳剤を
併用するようにしてもよい。2種以上の乳剤を用いる場
合、異なる層に用いてもよいが、同一感光層に混合して
用いるのが好ましい。また、2種以上の乳剤を用いる場
合、本発明で規定する平均アスペクト比の乳剤とそうで
ないものとを用いてもよい。上記のように、乳剤を混合
して用いることは、階調コントロール、低露光量領域か
ら高露光量領域すべてにわたる粒状性のコントロール、
及び発色現像依存性(時間及び発色現像主薬・亜硫酸ナ
トリウム塩等の現像液内組成依存性、pH(依存性)の
コントロールなどの観点から好ましい。また本発明の乳
剤は特開昭60−143332号、同60−25403
2号に記載されている、粒子間の沃化銀含有率の相対標
準偏差が20%以下であることが特に好ましい。
【0069】次に本発明の一般式(A)で表される化合
物について詳細に説明する。一般式(A)中、Qa1は好
ましくは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子及び
セレン原子の少なくとも一種の原子から構成される5又
は6員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表
わす。尚、この複素環は炭素芳香環または複素芳香環で
縮合していてもよい。複素環としては例えばテトラゾー
ル環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾー
ル環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキ
サゾール環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベ
ンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン
環、トリアザインデン環、テトラアザインデン環、ペン
タアザインデン環等があげられる。Ra1はカルボン酸ま
たはその塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモ
ニウム塩、カルシウム塩)、スルホン酸またはその塩
(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩)、ホスホン酸またはそ
の塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム
塩)、置換もしくは無置換のアミノ基(例えば無置換ア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルアミ
ノ、ビスメトキシエチルアミノ)、置換もしくは無置換
のアンモニウム基(例えばトリメチルアンモニウム、ト
リエチルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウ
ム)を表わす。La1は単結合、二価の脂肪族基、二価の
芳香族炭化水素基、二価の複素環基又はこれらの組合せ
た連結基を表わす。La1は好ましくは炭素数1〜10の
アルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソプロピレン、2−ヒドロキシプロピ
レン、ヘキシレン、オクチレン)、炭素数2〜10のア
ルケニレン基(例えばビニレン、プロペニレン、ブテニ
レン)、炭素数7〜12のアラルキレン基(例えばフェ
ネチレン)、炭素数6〜12のアリーレン基(例えばフ
ェニレン、2−クロロフェニレン、3−メトキシフェニ
レン、ナフチレン)、炭素数1〜10の複素環基(例え
ばピリジル、チエニル、フリル、トリアゾリル、イミダ
ゾリル)の二価のもの、単結合およびこれらの基を任意
に組合せた基であってもよいし、−CO−、−SO
2 −、−NR202−、−O−または−S−を任意に組合
せたものでもよい。ここでR202 は水素原子、炭素数1
〜6のアルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ヘ
キシル)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えばベン
ジル、フェネチル)、炭素数6〜10のアリール基(例
えばフェニル、4−メチルフェニル)を表わす。
【0070】Ma1は水素原子またはカチオン(例えば、
ナトリウム原子、カリウム原子のようなアルカリ金属原
子、マグネシウム原子、カルシウム原子のようなアルカ
リ土類金属原子、アンモニウム基、トリエチルアンモニ
ウム基のようなアンモニウム基)を表わす。また一般式
(A)で表わされる複素環およびRa1はニトロ基、ハロ
ゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子)、メルカプト
基、シアノ基、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル
基(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチル、
シアノエチル)、アリール基(例えばフェニル、4−メ
タンスルホンアミドフェニル、4−メチルフェニル、
3,4−ジクロルフェニル、ナフチル)、アルケニル基
(例えばアリル)、アラルキル基(例えばベンジル、4
−メチルベンジル、フェネチル)、スルホニル基(例え
ばメタンスルホニル、エタンスルホニル、p−トルエン
スルホニル)、カルバモイル基(例えば無置換カルバモ
イル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル)、
スルファモイル基(例えば無置換スルファモイル、メチ
ルスルファモイル、フェニルスルファモイル)、カルボ
ンアミド基(例えばアセトアミド、ベンズアミド)、ス
ルホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、ベンゼ
ンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド)、ア
シルオキシ基(例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ)、スルホニルオキシ基(例えばメタンスルホニルオ
キシ)、ウレイド基(例えば無置換ウレイド、メチルウ
レイド、エチルウレイド、フェニルウレイド)、アシル
基(例えばアセチル、ベンゾイル)、オキシカルボニル
基(例えばメチキシカルボニル、フェノキシカルボニ
ル)、オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカル
ボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、2−エチ
ルヘキシルオキシカルボニルアミノ)、ヒドロキシル基
などで置換されていてもよい。
【0071】qは1〜3の整数を表わすが、qが2また
は3を表わすときは各々のRa1は同じであっても異って
いてもよい。一般式(A)中、好ましくはQa1はテトラ
ゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジ
アゾール環、トリアザインデン環、テトラアザインデン
環、ペンタアザインデン環を表わし、Ra1はカルボン酸
またはその塩、スルホン酸またはその塩から選ばれる基
の1つまたは2つで置換された炭素数1〜6のアルキル
基を表わし、qは1または2を表わす。一般式(A)で
表わされる化合物の中で、より好ましい化合物としては
一般式(A−1)で表わされる化合物があげられる。 一般式(A−1)
【0072】
【化19】
【0073】式中、Ma1及びRa1は前記一般式(A)の
それぞれと同義である。T及びUはC−Ra2またはNを
表わし、Ra2は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリール基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、ウレイド基又はRa1を表わす。ただしRa2がRa1
表わすときは一般式(A)のRa1と同じであっても異っ
ていてもよい。次に一般式(A−1)について詳細に説
明する。T及びUはC−Ra2またはNを表わし、Ra2
水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子)、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルキル基(例えばメ
チル、エチル、メトキシエチル、n−ブチル、2−エチ
ルヘキシル)、アルケニル基(例えばアリル)、アラル
キル基(例えば、ベンジル、4−メチルベンジル、フェ
ネチル、4−メトキシベンジル)、アリール基(例え
ば、フェニル、ナフチル、4−メタンスルホンアミドフ
ェニル、4−メチルフェニル)、カルボンアミド基(例
えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メトキシプ
ロピオニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタ
ンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トル
エンスルホンアミド)、ウレイド基(例えば、無置換の
ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド)、また
はRa1を表わす。ただしRa2がRa1を表わすときは、一
般式(A)のRa1と同じであっても異っていてもよい。
一般式(A−1)中、好ましくはT=U=Nであり、R
a1はカルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩
から選ばれる基の1つまたは2つで置換された炭素数1
〜4のアルキル基を表わす。以下に本発明の一般式
(A)の化合物の具体例を示すが本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0074】
【化20】
【0075】
【化21】
【0076】本発明で用いられる一般式(A)の化合物
は、ベリヒテ・デア・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲ
ゼルシャフト(Berichte der Deutschen Chemischen Ge
sellschaft) 28、77(1895)、特開昭60−6
1749号、同60−147735号、ベリヒテ・デア
・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲゼルシャフト(Beri
chte der Deutschen Chemischen Gesellschaft) 22、
568(1889)、同29、2483(1896)、
ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Che
m.Soc.)1932、1806、ジャーナル・オブ・ジ・
アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.So
c.) 71、4000(1949)、アドバンシイズ・イ
ン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Advances in H
eterocyclic Chemistry)9、165(1968)、オー
ガニック・シンセシス(Organic Synthesis)IV、569
(1963)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケ
ミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.) 45、23
90(1923)、ヘミシェ・ベリヒテ(Chemische Be
richte) 9、465(1876)に記載されている方法
に準じて合成できる。
【0077】次に一般式(B)について詳細に説明す
る。一般式(B)中、Qb1は、炭素原子、窒素原子、酸
素原子、硫黄原子またはセレン原子により構成される5
または6員のメソイオン環を表わし、Xb1 -は−O-
−S- または−N- b1を表わす。Rb1は脂肪族基、芳
香族炭化水素基、または複素環基を表わす。本発明の一
般式(B)で表わされるメソイオン化合物とはW.Bake
r とW.D.Ollis がクオータリー・レビュー(Ouart.R
ev.)11、15(1957)、アドバンシイズ・イン・
ヘテロサイクリック・ケミストリー(Advances in Heter
ocyclic Chemistry)19、1(1976)で定義してい
る化合物群であり「5または6員の複素環状化合物で、
一つの共有結合構造式または極性構造式では満足に表示
することができず、また環を構成するすべての原子に関
連したπ電子の六偶子を有する化合物で環は部分的正電
荷を帯び、環外原子または原子団上の等しい負電荷とつ
り合いをたもっている」ものを表わす。Qb1で表わされ
るメソイオン環としては、イミダゾリウム環、ピラゾリ
ウム環、オキサゾリウム環、チアゾリウム環、トリアゾ
リウム環、テトラゾリウム環、チアジアゾリウム環、オ
キサジアゾリウム環、チアトリアゾリウム環、オキサト
リアゾリウム環などがあげられる。
【0078】Rb1は置換もしくは無置換の脂肪族基(例
えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソ
プロピル、n−オクチル、カルボキシメチル、ジメチル
アミノエチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキ
シル、シクロペンチル、プロペニル、2−メチルプロペ
ニル、プロパルギル、ブチニル、1−メチルプロパルギ
ル、ベンジル、4−メトキシベンジル)、置換もしくは
無置換の芳香族基(例えばフェニル、ナフチル、4−メ
チルフェニル、3−メトキシフェニル、4−エトキシカ
ルボニルフェニル)、置換又は無置換の複素環基(例え
ばピリジル、イミダゾリル、モルホリノ、トリアゾリ
ル、テトラゾリル、チエニル)を表わす。また、Mで表
わされるメソイオン環は一般式(A)で説明した置換基
で置換されていてもよい。さらに一般式(B)で表わさ
れる化合物は、塩(例えば酢酸塩、硝酸塩、サリチル酸
塩、塩酸塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩)を形成してもよ
い。一般式(B)中好ましくはXb1 -は−S- を表わ
す。本発明で用いられる一般式(B)のメソイオン化合
物の中でより好ましくは以下の一般式(B−1)があげ
られる。 一般式(B−1)
【0079】
【化22】
【0080】式中、Xb2はNまたはC−Rb3を表わし、
b1はO、S、NまたはN−Rb4を表わし、Zb1はN、
N−Rb5またはC−Rb6を表わす。Rb2、Rb3、Rb4
b5およびRb6は脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミ
ノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アシル基またはカルバモ
イル基を表わす。ただし、Rb3およびRb6は水素原子で
あってもよい。また、Rb2とRb3、Rb2とRb5、Rb2
b6、Rb4とRb5およびRb4とRb6は環を形成してもよ
い。上記一般式(B−1)で示される化合物について詳
細に説明する。Rb2、Rb3、Rb4、Rb5およびRb6の脂
肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アシル基及びカルバモイル基は置換されていて
もよい。一般式(B−1)中好ましくはXb2はN、C−
b3を表わし、Yb1はN−Rb4またはS、Oを表わし、
b1はNまたはC−Rb6を表わし、Rb2、Rb3またはR
b6は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無
置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル
基または置換もしくは無置換の複素環基を表わす。ただ
しRb3およびRb6は、水素原子であってもよい。R
b4は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニ
ル基、置換もしくは無置換の複素環基、置換もしくは無
置換のアミノ基が好ましい。一般式(B−1)中、より
好ましくはXb2はNを表わし、Yb1はN−Rb4を表わ
し、Zb1はC−Rb6を表わす。Rb2およびRb4は炭素数
1〜6、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を表
わし、Rb6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
を、より好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアル
キル基を表わす。ただしRb2、Rb4およびRb6のうち少
なくとも1つのアルキル基は少なくとも1つのカルボン
酸基、スルホン酸基、アミノ基、ホスホノ基で置換され
ているものがより好ましく、特にカルボン酸基、スルホ
ン酸基で置換されているものが好ましい。
【0081】また、一般式(B−1)の類似化合物とし
て以下の一般式(B−2)があげられる。 一般式(B−2)
【0082】
【化23】
【0083】式中、Xb2、Yb1、Zb1は前記一般式(B
−1)と全く同様である。以下に本発明の一般式(B)
の化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0084】
【化24】
【0085】
【化25】
【0086】
【化26】
【0087】
【化27】
【0088】
【化28】
【0089】
【化29】
【0090】本発明の前記一般式(B)で表わされる化
合物は、特開平1−201659号、同4−14375
5号等に記載の方法で合成できる。次に一般式(C)に
ついて詳細に説明する。LC1及びLC3は置換もしくは無
置換の炭素数1〜10の脂肪族基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ヘキシル、イソプロピル、カルボキシ
エチル、ベンジル、フェネチル、ビニル、プロペニル、
1−メチルビニル)、置換もしくは無置換の炭素数6〜
12の芳香族基(例えば、フェニル、4−メチルフェニ
ル、3−メトキシフェニル)、または置換もしくは無置
換の炭素数1〜10の複素環基(例えば、ピリジル、フ
リル、チエニル、イミダゾリル)を表わし、LC2は置換
もしくは無置換の炭素数1〜12の二価の脂肪族基(例
えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチ
レン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルエ
チレン、1−ヒドロキシトリメチレン、1,2−キシリ
レン)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の二価の
芳香族基(例えば、フェニレン、ナフチレン)、置換も
しくは無置換の炭素数1〜10の二価の複素環連結基
(例えば
【0091】
【化30】
【0092】AC1及びBC1は−S−、−O−、−NR
C20 −、−CO−、−CS−、−SO2 −またはそれら
を任意に組合せた基を表わし、任意に組合せた基として
は例えば−CONRC21 −、−NRC22 CO−、−NR
C23 CONRC24 −、−COO−、−OCO−、−SO
2 NRC25 −、−NRC26 SO2 −、−NRC27 CON
C28 −等があげられる。rは1〜10の整数を表わ
す。ただし、LC1及びLC3の少なくとも1つは−SO3
C1、−PO3 C2C3、−NRC1(RC2)(塩酸塩、
酢酸塩などの塩の形でもよく、例えば無置換アミノ、メ
チルアミノ、ジメチルアミノ、N−メチル−N−ヒドロ
キシエチルアミノ、N−エチル−N−カルボキシエチル
アミノ)、−N+ C3(RC4)(RC5)・XC1 -(例え
ば、トリメチルアンモニオクロリド)、−SO2 NRC6
(RC7)(例えば、無置換スルファモイル、ジメチルス
ルファモイル)、−NRC8SO2 C9(例えば、メタン
スルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド)、−CON
C10(RC11 )(例えば、無置換カルバモイル、N−
メチルカルバモイル、N,N−ビス(ヒドロキシエチ
ル)カルバモイル)、−NRC12 CORC13 (例えば、
ホルムアミド、アセトアミド、4−メチルベンゾイルア
ミノ)、−SO2 14(例えば、メタンスルホニル、4
−クロルフェニルスルホニル)、−PO(−NR
C15 (RC16 2 (例えば、無置換ホスホンアミド、テ
トラメチルホスホンアミド)、−NRC17 CONRC18
(RC19 )(例えば、無置換ウレイド、N,N−ジメチ
ルウレイド)、複素環基(例えば、ピリジル、イミダゾ
リル、チエニル、テトラヒドロフラニル)−COOMC4
で置換されているものとする。
【0093】MC1、MC2、MC3及びMC4は水素原子また
は対カチオン(例えば、ナトリウム原子、カリウム原子
のようなアルカリ金属原子、マグネシウム原子、カルシ
ウム原子のようなアルカリ土類金属原子、アンモニウ
ム、トリエチルアンモニウムのようなアンモニウム基)
を表わす。RC1〜RC28 は水素原子、置換もしくは無置
換の炭素数1〜12の脂肪族基(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ヘキシル、イソプロピル、ベンジル、フ
ェネチル、ビニル、プロペニル、1−メチルビニル)、
置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基(例え
ば、フェニル、4−メチルフェニル、3−メトキシフェ
ニル)を表わし、X- は対アニオン(例えば、塩素イオ
ン、臭素イオンのようなハロゲンイオン、硝酸イオン、
硫酸イオン、酢酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオ
ン)を表わす。LC1、LC2、LC3、RC1〜RC28 の各基
が置換基を有する場合、その置換基としては炭素数1〜
4の低級アルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数
6〜10のアリール基(例えば、フェニル、4−メチル
フェニル)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えばベ
ンジル)、炭素数2〜4のアルケニル基(例えば、プロ
ペニル)、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メト
キシ基、エトキシ基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子)、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基
(塩の形でもよい)、ヒドロキシ基等があげられる。
尚、rが2以上の時は、AC1及びLC2は先にあげた基の
任意の組合せでよい。また、AC1、BC1の少なくとも1
つは−S−を表わす。
【0094】一般式(C)中好ましくはLC1及びLC3
少なくとも一方は−SO3 C1、−PO3 C2C3、−
NRC1(RC2)、−N+ C3(RC4)(RC5)・
C1 -、複素環基−COOMC4で置換された炭素数1〜
6のアルキル基を表わし、LC2は炭素数1〜6のアルキ
レン基を表わす。AC1及びBC1は−S−、−O−または
−NRC20 −を表わし、RC1、RC2、RC3、RC4、RC5
及びRC20 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
を表わし、rは1〜6の整数を表わす。一般式(C)
中、より好ましくはLC1及びLC3は−SO3 C1、−P
3 C2C3、−COOMC4で置換された炭素数1〜4
のアルキル基であり、AC1及びBC1は−S−を表わし、
rは1〜3の整数を表わす。以下に本発明の一般式
(C)の化合物の具体例を示すが本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0095】
【化31】
【0096】
【化32】
【0097】本発明の前記一般式(C)で表わされる化
合物は、特開平2−44355号、欧州特許公開458
277号等に記載の方法で合成できる。次に一般式
(D)について詳細に説明する。一般式(D)中、
d 、Yd 、Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Rd5、Rd6及び
d7で表される脂肪族基、芳香族基及び複素環基として
はそれぞれ以下の例があげられる。すなわち、置換もし
くは無置換の炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、プロピル、ヘキシル、イソプロピル、カ
ルボキシエチル、スルホエチル、アミノエチル、ジメチ
ルアミノエチル、ホスホノプロピル、カルボキシメチ
ル、ヒドロキシエチル)、置換もしくは無置換の炭素数
2〜10のアルケニル基(例えば、ビニル、プロペニ
ル、1−メチルビニル)、置換もしくは無置換の炭素数
7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチ
ル、3−カルボキシフェニルメチル、4−スルホフェニ
ルエチル)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12のア
リール基(例えば、フェニル、ナフチル、4−カルボキ
シフェニル、3−スルホフェニル)、置換もしくは無置
換の炭素数1〜10の複素環基(例えば、ピリジル、フ
リル、チエニル、イミダゾリル、ピロリル、ピラゾリ
ル、ピリミジニル、キノリル、ピペリジル、ピロリジル
のような5ないし6員環が好ましい)を表す。
【0098】また、このアルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基、アリール基及び複素環基は置換されていて
もよい。置換基として例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド
基、ウレタン基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、
アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基等が挙げられる。これらの基はさらに置
換されていてもよい。置換基が2つ以上あるときは同じ
であっても異なっていてもよい。一般式(D)におい
て、Xd とYd は環を形成してもよいが、エノール化す
ることはない。Xd とYd とで形成される環としては、
例えば4−イミダゾリン−2−チオン環、イミダゾリジ
ン−2−チオン環、チアゾリン−2−チオン環、4−チ
アゾリジン−2−チオン環、4−オキサゾリン−2−チ
オン環、オキサゾリジン−2−チオン環、ピロリジン−
2−チオン環、またはそれぞれのベンゾ縮環体が挙げら
れる。
【0099】ただし、一般式(D)においてXd 及びY
d のうち少なくとも一つはカルボン酸もしくはその塩
(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、スルホ
ン酸もしくはその塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩)、ホスホン酸もしくはその塩(例えば、アル
カリ金属塩、アンモニウム塩)、アミノ基(例えば、無
置換アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、ジメチル
アミノの塩酸塩)またはアンモニウム(例えば、トリメ
チルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム)、
水酸基の少なくとも1つで置換されているものとする。
一般式(D)中、Rd6及びRd7で表されるカチオンは、
水素原子、アルカリ金属、アンモニウム等を表す。一般
式(D)中、好ましくは本発明においてXd 及びY
d は、好ましくはカルボン酸またはその塩、スルホン酸
またはその塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基ま
たはアンモニウム基、水酸基から選ばれる基の少なくと
も一つまたは二つで置換された炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数1〜10の複素環基、炭素数0〜10の−
N(Rd1) Rd2、炭素数0〜10の−N(Rd3) N(R
d4) Rd5、炭素数0〜10の−ORd6を表す。Rd1、R
d2、Rd3、Rd4、Rd5及びRd6は水素原子、アルキル基
を表す。一般式(D)中、より好ましくはXd 及びYd
はカルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩か
ら選ばれる基の少なくとも一つまたは二つで置換された
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数0〜6の−N
(Rd1) Rd2、炭素数0〜6の−N(Rd3) N(Rd4)
d5、炭素数0〜6の−ORd6を表す。Rd1、Rd2、R
d3、Rd4、Rd5及びRd6は水素原子、アルキル基を表
す。以下に本発明の一般式(D)の化合物の具体例を示
すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0100】
【化33】
【0101】
【化34】
【0102】
【化35】
【0103】
【化36】
【0104】本発明の一般式(D)で表される化合物は
公知の方法、例えばジャーナル・オブ・オーガニック・
ケミストリー(J.Org.Chem.)24,470
−473(1959)、ジャーナル・オブ・ヘテロサイ
クリック・ケミストリー(J.Heterocycl.
Chem.)4,605−609(1967)、「薬
誌」82,36−45(1962)、特公昭39−26
203号、特開昭63−229449号、OLS−2,
043,944号を参考にして合成できる。
【0105】以下に、一般式(E)について詳細に説明
する。一般式(E)において、Re1、Re2、Re3および
e4は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアルケ
ニル基を表わす。アルキル基としては、ヒドロキシ基、
カルボキシル基、スルホ基、アミノ基、ニトロ基等の置
換基を有するものであってもよく、炭素数は1〜5であ
ることが好ましく、特に1〜2であることが好ましい。
【0106】アルケニル基としては、上記の置換基を有
するものであってもよく、炭素数は2〜5であることが
好ましく、特に2〜3であることが好ましい。
【0107】上記の中でも、本発明においては、Re1
e4が水素原子または炭素数1〜2の置換もしくは無置
換のアルキル基であることが好ましく、特にRe1が置換
アルキル基であることが好ましい。置換基としては、ヒ
ドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基が好ましく、カ
ルボキシル基、スルホ基が特に好ましい。以下に、一般
式(E)で表わされる化合物の具体例を挙げるが、これ
らに限定されるわけではない。
【0108】(E−1) イミダゾール (E−2) 1−メチルイミダゾール (E−3) 2−メチルイミダゾール (E−4) 4−メチルイミダゾール (E−5) 4−ヒドロキシメチルイミダゾール (E−6) 1−エチルイミダゾール (E−7) 1−ビニルイミダゾール (E−8) 4−アミノメチルイミダゾール (E−9) 2,4−ジメチルイミダゾール (E−10) 2,4,5−トリメチルイミダゾール (E−11) 2−アミノエチルイミダゾール (E−12) 2−ニトロエチルイミダゾール
【0109】(E−13) 1−カルボキシメチル−2−
メチル−イミダゾール (E−14) 1−カルボキシメチル−2,4−ジメチル
−イミダゾール (E−15) 1−カルボキシエチル−2−メチル−4−
β−ヒドロキシエチル−イミダゾール (E−16) 1−スルホエチル−2−メチル−イミダゾ
ール (E−17) 1−スルホエチル−2,4−ジメチル−イ
ミダゾール (E−18) 1−スルホメチル−4,5−ジメチル−イ
ミダゾール (E−19) 1−スルホメチル−2,5−ジメチル−イ
ミダゾール (E−20) 1−スルホエチル−イミダゾール
【0110】本発明のハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ
硫酸ナトリウム、メタンチオスルフォン酸ナトリウム、
A−1、A−2、A−3、A−4、A−9、A−10、
B−3、B−8、B−9、B−11、B−12、D−
2、D−3が好ましく、特にA−1、A−2、A−3、
A−4、B−3、B−8、B−9、B−11、B−12
が好ましく、B−3、B−8、B−11、B−12が最
も好ましい。
【0111】本発明のハロゲン化銀溶剤の添加量は、発
色現像液1リットル当たり0.1〜50ミリモルが好ま
しく、0.1〜10ミリモルがより好ましく、0.5〜
5.0ミリモルが最も好ましい。0.1ミリモル/リッ
トル未満であると本発明の効果が非常に小さくなり、5
0ミリモルを越えると未露光部のカブリ濃度が著しく増
大する。また、本発明のハロゲン化銀溶剤は、目的に応
じて2種以上併用することもできる。
【0112】次に、一般式(I)〜(V)の詳細につい
て説明する。一般式(I)〜(V)の鉄(III)錯体は漂
白剤として使用される化合物で、漂白液や漂白定着液に
使用するのが一般的である。以下に、一般式(I)の詳
細を説明する。
【0113】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6
表される脂肪族基としては、直鎖、分岐または環状のア
ルキル基、アルケニル基またはアルキニル基であり、炭
素数1ないし10のものが好ましい。好ましくはアルキ
ル基であり、炭素数1ないし4のアルキル基がより好ま
しく、特にメチル基、エチル基が好ましい。R1 、R
2 、R3 、R4 、R5 及びR6 で表される芳香族基とし
ては、単環または2環のアリール基であり、例えばフェ
ニル基、ナフチル基が挙げられ、フェニル基がより好ま
しい。
【0114】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 及びR6
表される脂肪族基、芳香族基としては、置換基を有して
いてもよく、例えばアルキル基(例えばメチル、エチ
ル)、アラルキル基(例えばフェニルメチル)、アルケ
ニル基(例えばアリル)、アルキニル基、アルコキシ基
(例えばメトキシ、エトキシ)、アリール基(例えばフ
ェニル、p−メチルフェニル)、アミノ基(例えばジメ
チルアミノ)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミ
ノ)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルア
ミノ)、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基
(例えばフェニルオキシ)、スルファモイル(例えばメ
チルスルファモイル)、カルバモイル基(例えばカルバ
モイル、メチルカルバモイル)、アルキルチオ基(メチ
ルチオ)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ)、ス
ルホニル基(例えばメタンスルホニル)、スルフィニル
基(例えばメタンスルフィニル)、ヒドロキシ基、ハロ
ゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリ
ールオキシカルボニル基(例えばフェニルオキシカルボ
ニル)、アシル基(例えばアセチル、ベンゾイル)、ア
ルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル)、
アシルオキシ基(例えばアセトキシ)、カルボンアミド
基、スルホンアミド基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基な
どが挙げられ、可能な場合にはその解離体又は塩であっ
てもよい。
【0115】上記置換基で炭素原子を有する場合、好ま
しくは炭素数1ないし4のものである。R1 、R2 、R
3 、R4 、R5 及びR6 として、好ましくは水素原子又
はヒドロキシ基であり、水素原子がより好ましい。W1
表される二価の連結基としては、好ましくは下記一般式
(W)で表すことができる。
【0116】一般式(W) −(W1 −D) m −(W2)n − 式中、W1 及びW2 は同じであっても異なっていてもよ
く、炭素数1から8の直鎖又は分岐のアルキレン基(例
えばエチレン、プロピレン)、炭素数5から10のシク
ロアルキレン基(例えば1,2-シクロヘキシル)、炭素数
6から10のアリーレン基(例えばo-フェニレン)、炭
素数7から10のアラルキレン基(例えばo-キシレニ
ル)、二価の含窒素ヘテロ環基又はカルボニル基を表
す。Dは−O−、−S−、−N(RW )−または二価の
含窒素ヘテロ環基を表す。RW は水素原子又は−COO
a 、−PO3b c 、−OHもしくは−SO3d
で置換されてもよい炭素数1から8のアルキル基(例え
ばメチル)もしくは炭素数6から10のアリール基(例
えばフェニル)を表す。Ma 、Mb 、Mc 及びMd はそ
れぞれ水素原子又はカチオンを表す。カチオンとして
は、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カ
リウム)、アンモニウム(例えば、アンモニウム、テト
ラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを挙げるこ
とができる。Wで表される連結基は置換基を有していて
もよく、置換基としては例えばR1 からR6の置換基と
して挙げたものが適用できる。
【0117】二価の含窒素ヘテロ環基としてはヘテロ原
子が窒素である5又は6員環のものが好ましく、イミダ
ゾリル基の如きとなりあった炭素原子にてW1 及びW2
と連結しているものが更に好ましい。W1 及びW2 とし
ては炭素数2から4のアルキレン基が好ましい。mは0
または1から3の整数を表し、mが2又は3の時にはW
1 −Dは同じであっても異なっていてもよい。mは0、
1または2が好ましく、0又は1が更に好ましく、0が
特に好ましい。nは1から3の整数を表し、nが2又は
3のときにはW2 は同じでも異なってもよい。nは好ま
しくは1又は2である。Wの具体例としては例えば以下
のものが挙げられる。
【0118】
【化37】
【0119】
【化38】
【0120】M1 、M2 、M3 及びM4 で表されるカチ
オンとしては、アルカリ金属(例えは、リチウム、ナト
リウム、カリウム)アンモニウム(例えば、アンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを
挙げることができる。
【0121】本発明において、上述した一般式(I)で
表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれ
らに限定されるものではない。
【0122】
【化39】
【0123】
【化40】
【0124】
【化41】
【0125】
【化42】
【0126】
【化43】
【0127】
【化44】
【0128】一般式(I)で表わされる化合物は、いか
なる光学異性体であってもよい。〔S,S〕体、〔S,
R〕体、〔R,S〕体、〔R,R〕体であってもよい
し、これらの異性体の混合物であってもよい。例えば、
例示化合物(I−1)の異性体は、下記の文献にも記載
の如き、〔S,S〕体でも、〔S,R〕体でも〔R,
R〕体でも、更にはこれらの異性体の混合物であっても
よい。
【0129】更に、本発明の目的である.部材の耐久性
の向上には、光学異性体のなかでも〔S,S〕体を選択
的に用いるのが好ましく、例示化合物(I−1)のよう
に、L体のアミノ酸を原料として合成される化合物が好
ましい。また、〔S,S〕体は、生分解がし易いという
点でも好ましい。ここで、“選択的”という意味は、光
学異性体の混合物のうちの70%以上が〔S,S〕体で
あることであり、更に好ましくは、90%以上が〔S,
S〕体で占める。
【0130】本発明の一般式(I)で表される化合物
は、特開昭63−199295号公報、特開平3−17
3857号公報等の記載に準じて合成することが出来
る。これらの文献は、本発明の一般式(I)で表される
化合物をキレート剤として用いた洗剤組成物に関するも
のであって、そのFe(III)錯塩がハロゲン化銀カラー写
真感光材料用の漂白剤等として有効であることは何ら記
述されていない。また、〔S,S〕体の選択合成方法
は、UMEZAWA らにより THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS ,
Vol, XXXVII, No.4, pp426(APR. 1984) 等に記載の方法
にて容易に合成することができる。次に、本発明に用い
られるFe(III)錯塩の具体例を以下に示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。
【0131】
【化45】
【0132】
【化46】
【0133】次に、一般式(II)で表される化合物の詳
細を説明する。式中、R7 はアルキル基をあらわすが、
特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。該アルキル
基は置換されていてもよく、好ましい置換基としては、
カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、スルホ
ン酸基、ニトロ基、アミノ基等を挙げることができ、必
要に応じて2種以上の置換基を有しても良い。特にカル
ボキシル基及びヒドロキシ基が好ましい。M5 及びM6
はそれぞれ水素原子又はカチオンを表す。カチオンとし
ては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、
カリウム)、アンモニウム(例えば、アンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム)やピリジニウムなどを挙げる
ことができる。以下に、一般式(II)で表される化合物
の具体例を示すがこれらに限定されるものではない。
【0134】
【化47】
【0135】
【化48】
【0136】一般式(II)の化合物は市販品にて入手可
能である。
【0137】次に一般式(III)で表される化合物につい
て詳細を説明する。式中、M8、M9、M10 及びM11
表されるカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム)アンモニウム(例え
ば、アンモニウム、テトラエチルアンモニウム)やピリ
ジニウムなどを挙げることができる。nは3〜5の整数
を表すが、特に3の場合が好ましい。以下に、一般式(I
II) で表される化合物の具体例を示すがこれらに限定さ
れるものではない。
【0138】
【化49】
【0139】一般式(III)の化合物は市販品にて入手可
能である。
【0140】次に一般式(IV)で表される化合物につい
て詳細を説明する。式中、M12、M13、M14及びM15
表されるカチオンとしては、アルカリ金属(例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム)アンモニウム(例え
ば、アンモニウム、テトラエチルアンモニウム)やピリ
ジニウムなどを挙げることができる。また、W2 は一般
式(I)のW1 と同じ意味を表す。Xはベンゼン環の置
換基を表す。例えば、水素原子、アルキル基、アラルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ア
リール基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、アシル
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ニ
トロ基、ヒドロキサム酸基、複素環基等が挙げられる。
置換基としては、炭素原子を有する場合、総炭素数1〜
5のものが好ましい。また、Xは複数個あってもよくこ
のとき、各々のXは相互に異なっていてもよい。以下
に、一般式(IV)で表される化合物の具体例を示すがこ
れらに限定されるものではない。
【0141】
【化50】
【0142】
【化51】
【0143】
【化52】
【0144】前記一般式(IV)で表される化合物は、ジ
ャーナル オブ ザ アメリカンケミカル ソサエティ
ー、第80巻、800頁(1958)や、上野景平「キ
レート化学」第5巻、第1章(南江堂、1975年刊)
等の記載の方法を参照して合成することができる。
【0145】以下、一般式(V)で表される化合物につ
いて詳細に説明する。R8 およびR9 で表される脂肪族
炭化水素基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基(好ま
しくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜7、
特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、例え
ばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、
n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−
ヘプチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げら
れる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜12、
より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭素数2
〜4のアルケニル基であり、例えばビニル、アリルなど
が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2
〜12、より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは
炭素数2〜4のアルキニル基であり、例えばプロパルギ
ルなどが挙げられる。)である。
【0146】また、R8 およびR9 で表される脂肪族炭
化水素基は置換基を有してもよく、置換基としては、例
えばアリール基(好ましくは炭素数6〜12、より好ま
しくは炭素6〜10、特に好ましくは炭素数6〜8のア
リール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル
などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0
〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましく
は炭素数0〜6のアミノ基であり、例えばアミノ、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが挙げ
られる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜8、
より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1
〜4のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ
などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは
炭素数6〜12、より好ましくは炭素数6〜10、特に
好ましくは炭素数6〜8のアリールオキシ基であり、例
えばフェニルオキシなどが挙げられる。)、アシル基
(好ましくは炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2
〜10、特に好ましくは炭素数2〜8のアシル基であ
り、例えばアセチルなどが挙げられる。)、アルコキシ
カルボニル基(好ましくは炭素数2〜12、より好まし
くは炭素数2〜10、特に好ましくは炭素数2〜8のア
ルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニ
ルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基
(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7
〜15、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキ
シカルボニル基であり、例えばフェニルオキシカルボニ
ルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは
炭素数2〜12、より好ましくは炭素数2〜10、特に
好ましくは炭素数2〜8のアシルオキシ基であり、例え
ばアセトキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基
(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素2〜
6、特に好ましくは炭素数2〜4のアシルアミノ基であ
り、例えばアセチルアミノなどが挙げられる。)、アル
コキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜1
2、より好ましくは炭素数2〜10、特に好ましくは炭
素数2〜8のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例
えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数
7〜20、より好ましくは炭素数7〜12、特に好まし
くは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニルアミノ
基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなど
が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭
素数1〜10、より好ましくは炭素1〜6、特に好まし
くは炭素数1〜4のスルホニルアミノ基であり、例えば
メタンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルフ
ァモイル基(好ましくは炭素数0〜10、より好ましく
は炭素0〜6、特に好ましくは炭素数0〜4のスルファ
モイル基であり、例えばスルファモイル、メチルスルフ
ァモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ま
しくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素1〜6、特
に好ましくは炭素数1〜4のカルバモイル基であり、例
えばカルバモイル、メチルカルバモイルなどが挙げられ
る。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜8、よ
り好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜
4のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチル
チオ、カルボキシメチルチオなどが挙げられる。)、ア
リールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好まし
くは炭素6〜10、特に好ましくは炭素数6〜8のアリ
ールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられ
る。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜8、より
好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4
のスルホニル基であり、例えばメタンスルホニルなどが
挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1
〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭
素数1〜4のスルフィニル基であり、例えばメタンスル
フィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましく
は炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、特に好
ましくは炭素数1〜4のウレイド基であり、例えばウレ
イド、メチルウレイドなどが挙げられる。)、ヒドロキ
シ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸
基、ヘテロ環基(例えばイミダゾリル、ピリジル)など
が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよ
い。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異な
ってもよい。置換基として好ましくは、アミノ基、アル
コキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基であり、より好ましくは、アル
コキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原
子であり、更に好ましくは、アミノ基、カルボキシル
基、ヒドロキシ基であり、特に好ましくは、ヒドロキシ
基、カルボキシル基である。
【0147】R8 およびR9 で表される脂肪族炭化水素
基として好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であ
り、より好ましくは炭素数1〜7のアルキル基であり、
更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。具体
的には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロ
ピル、n−ブチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カル
ボキシメチル、5−イミダゾリルメチルが好ましく、特
にメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、
n−ブチルが好ましい。R8 およびR9 で表されるアリ
ール基は、単環であっても更に他の環と縮環を形成して
いてもよく、好ましくは炭素数6〜20、より好ましく
は炭素数6〜16、更に好ましくは炭素数6〜12のア
リール基である。
【0148】R8 およびR9 で表されるアリール基とし
ては、好ましくは単環または二環であり、例えばフェニ
ル、ナフチル等が挙げられ、より好ましくはフェニルで
ある。R8 およびR9 で表されるアリール基は置換基を
有してもよく、置換基としては、R8 、R9 で表される
脂肪族炭化水素の置換基として挙げたものの他、アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
【0149】R8 およびR9 で表されるヘテロ環基は、
N、OまたはS原子の少なくとも一つを含む3ないし1
0員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環であり、これらは
単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成して
もよい。
【0150】ヘテロ環として好ましくは、5ないし6員
の芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは窒素原子を含
む5ないし6員の芳香族ヘテロ環であり、更に好ましく
は窒素原子を1ないし2原子含む5ないし6員の芳香族
ヘテロ環である。
【0151】ヘテロ環の具体例としては、例えばピロリ
ジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオフ
ェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、
ピリジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリ
アジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジア
ゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナ
フチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジ
ン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾールなどが挙
げられる。ヘテロ環として好ましくは、ピロール、イミ
ダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジ
ン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾ
ール、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、
フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、
テトラゾール、チアゾール、オキサゾールであり、より
好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピ
ラジン、インドール、インダゾール、チアジアゾール、
オキサジアゾール、キノリン、チアゾール、オキサゾー
ルであり、更に好ましくは、イミダゾール、ピリジン、
キノリンであり、特に好ましくは、イミダゾール、ピリ
ジンである。
【0152】R8 およびR9 で表されるヘテロ環基は置
換基を有してもよく、置換基としては、R8 、R9 で表
される脂肪族炭化水素の置換基として挙げたものの他、
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ
る。
【0153】R8 としては炭素数1〜7のアルキル基ま
たはフェニル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基
またはフェニル基が更に好ましい。R9 としては水素原
子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、より好
ましくは水素原子である。
【0154】L1 〜L5 で表されるアルキレン基は、直
鎖、分岐もしくは環状でもよく、好ましくは直鎖または
分岐状のアルキレン基である。アルキレン基を形成する
炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6
であり、特に好ましくは1〜4である。
【0155】L1 、L5 として好ましくはメチレンであ
り、より好ましくは無置換メチレンである。L2
3 、L4 として好ましくは、メチレン、エチレンであ
り、より好ましくはメチレンである。また、L1 〜L5
で表されるアルキレン基は置換基を有してもよく、置換
基としては、R1 、R2 で表される脂肪族炭化水素の置
換基として挙げたものの他、アルケニル基、アルキニル
基等が挙げられる。
【0156】mおよびnは、0または1を表し、好まし
くは(m,n)=(1,0)、(m,n)=(0,
1)、(m,n)=(0,0)、であり、より好ましく
は(m,n)=(1,0)、(m,n)=(0,0)、
であり、特に好ましくは(m,n)=(0,0)であ
る。
【0157】W1 、W2 で表されるアルキレン基は、直
鎖、分岐もしくは環状でもよく、好ましくは直鎖または
分岐状のアルキレン基である。アルキレン基を形成する
炭素数は、好ましくは2〜8、より好ましくは2〜6で
あり、特に好ましくは2〜4である。W1 、W2 で表さ
れるアルキレン基としては、例えばエチレン、プロピレ
ン、トリメチレン、1,2−シクロヘキシレンなどが挙
げられ、好ましくはエチレン、プロピレン、トリメチレ
ン、テトラメチレンであり、より好ましくはエチレン、
トリメチレンである。W1 、W2 で表されるアリーレン
基は、単環であっても更に他の環と縮環を形成していて
もよく、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭
素数6〜16、更に好ましくは炭素数6〜12のアリー
レン基である。
【0158】W1 、W2 で表されるアリーレン基として
は、好ましくは単環または二環であり、例えばフェニレ
ン、ナフチレン等が挙げられ、より好ましくはフェニレ
ンである。W1 、W2 で表されるアラルキレン基は、好
ましくは炭素数7〜21、より好ましくは炭素数7〜1
7、更に好ましくは炭素数7〜13のアラルキレン基で
あり、例えばo−キシレニルなどが挙げられる。W1
2 で表される二価の含窒素ヘテロ環基としては、ヘテ
ロ原子が窒素である5または6員のものが好ましく、例
えばイミダゾリルなどが挙げられる。また、W1 、W2
は置換基を有してもよく、置換基としては、R1 、R2
で表される脂肪族炭化水素の置換基として挙げたものの
他、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
【0159】Dは、単結合、−O−、−S−、−N(R
w ) −を表す。Rw で表される脂肪族炭化水素基および
アリール基は、R1 、R2 で表される脂肪族炭化水素基
およびアリール基と同義である。Rw で表される脂肪族
炭化水素基およびアリール基は置換基を有してもよく、
置換基としてはR1 、R2 で表される脂肪族炭化水素の
置換基として挙げたものの他、アルケニル基、アルキニ
ル基等が挙げられる。
【0160】Rw の置換基として好ましくは、カルボキ
シル基、ホスホノ基、ヒドロキシ基、スルホ基であり、
より好ましくはカルボキシル基である。Rw として好ま
しくは、置換されてもよい炭素数1〜8のアルキル基
(例えばメチル、カルボキシメチル))もしくは炭素数
6〜10のアリール基(例えばフェニル)である。
【0161】vは0〜3の整数を表し、vが2または3
のときにはW1 −Dは同じであっても異なっていてもよ
い。vは0〜2が好ましく、0または1が更に好まし
く、0が特に好ましい。wは1〜3の整数を表し、wが
2または3のときにはW2 は同じでも異なってもよい。
wは好ましくは1または2である。(W1 −D)v −
(W2 )w −としては、例えば以下のものが挙げられ
る。
【0162】
【化53】
【0163】
【化54】
【0164】(W1 −D)v −(W2 )w −としてより
好ましくは、エチレン、プロピレン、トリメチレン、
2,2−ジメチルトリメチレンであり、エチレン、トリ
メチレンが特に好ましい。
【0165】M16、M17、M18およびM19で表されるカ
チオンとしては、有機性のカチオンでも無機性のカチオ
ンでもよい。またカチオンが同一分子中に2個以上ある
場合には、それぞれ異なるカチオンでもよい。カチオン
としては、例えばアルカリ金属(例えばLi+ 、N
+ 、K+ 、Cs+ など)、アルカリ土類金属(例えば
Ca2+、Mg2+など)、アンモニウム(例えばアンモニ
ウム、テトラエチルアンモニウムなど)、ピリジニウ
ム、ホスホニウム(例えばテトラブチルホスホニウム、
テトラフェニルホスホニウムなど)などが挙げられる。
好ましくは、無機性のカチオンであり、より好ましくは
アルカリ金属イオンである。一般式(V)で表される化
合物のうち、好ましくは下記一般式(VI)または(VII)
で表される化合物である。 一般式(VI)
【0166】
【化55】
【0167】(式中、R8 ' は脂肪族炭化水素基を表
す。R8 ' で表される脂肪族炭化水素基は、一般式
(V)におけるR8 で表される脂肪族炭化水素基と同義
であり、好ましい範囲も同様である。L1 、L3
4 、L5 、m、n、W1 、W2 、D、v、w、M16
17、M18およびM19は、それぞれ一般式(V)におけ
るそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様であ
る。) 一般式(VII)
【0168】
【化56】
【0169】(式中、R8 ''はアリール基を表す。R8
''で表されるアリール基は、一般式(V)におけるR1
で表されるアリール基と同義であり、好ましい範囲も同
様である。L1 、L2 、L3 、L4 、L5 、m、n、W
1 、W2 、D、v、w、M16、M17、M18およびM
19は、それぞれ一般式(V)におけるそれらと同義であ
り、また好ましい範囲も同様である。)
【0170】一般式(VI)で表される化合物のうち、よ
り好ましくは下記一般式(VIII) で表される化合物であ
る。 一般式(VIII)
【0171】
【化57】
【0172】(式中、R8 ' は一般式(VI)におけるR
9 ' と同義であり、好ましい範囲も同様である。L3
4 、m、W1 、W2 、D、v、w、M16、M17、M18
およびM19は、それぞれ一般式(V)のそれらと同義で
あり、また好ましい範囲も同様である。)
【0173】一般式(VII)で表される化合物のうち、よ
り好ましくは下記一般式(IX)で表される化合物であ
る。 一般式(IX)
【0174】
【化58】
【0175】(式中、R8 ''は一般式(VIII) における
8 ''と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2 、L3 、L4 、m、W1 、W2 、D、v、w、
16、M17、M18およびM19は、それぞれ一般式(V)
におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様
である。)
【0176】一般式(VIII)で表される化合物のうち、
更に好ましくは下記一般式(X)で表される化合物であ
る。 一般式(X)
【0177】
【化59】
【0178】(式中、R8 ' は一般式(VI)におけるR
8 ' と同義であり、好ましい範囲も同様である。W21
一般式(V)におけるW2 での炭素数2〜8のアルキレ
ン基であり、好ましい範囲も同様である。L3 、L4
16、M17、M18およびM19は、それぞれ一般式(V)
のそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様であ
る。) 一般式(IX)で表される化合物のうち、より好ましくは
下記一般式(XI) で表される化合物である。 一般式(XI)
【0179】
【化60】
【0180】(式中、R8 ''は一般式(VII)におけるR
8 ''と同義であり、好ましい範囲も同様である。W21
一般式(V)におけるW2 での炭素数2〜8のアルキレ
ン基であり、好ましい範囲も同様である。L2 、L3
4 、M16、M17、M18およびM19は、それぞれ一般式
(V)におけるそれらと同義であり、また好ましい範囲
も同様である。)
【0181】以下に一般式(V)で表される化合物の具
体例を挙げるが本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0182】
【化61】
【0183】
【化62】
【0184】
【化63】
【0185】
【化64】
【0186】
【化65】
【0187】
【化66】
【0188】
【化67】
【0189】
【化68】
【0190】上記化合物は塩の形で使用してもよい。本
発明の一般式(V)で表される化合物は、例えばインオ
ーガニック ケミストリー 第8巻(第6号)1374
頁(1969年)(Inorganic Chemis
try,8(6),1374(1969).)記載の方
法に準じて合成できる。
【0191】本発明で好ましく使用される第二鉄錯塩
は、予め錯形成された鉄錯塩として添加して溶解しても
よく、また、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第
二鉄、塩化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄
(III)アンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有す
る液中で錯塩を形成させてもよい。錯形成化合物は、第
二鉄イオンとの錯形成に必要とする量よりもやや過剰に
してもよく、過剰に添加するときには通常0.01〜1
0%の範囲で過剰にすることが好ましい。
【0192】本発明の漂白能を有する液(例、漂白液、
漂白定着液)中の第二鉄錯塩を形成する化合物として
は、好ましくはその50モル%以上が前記した一般式
(I)〜一般式(V)で表される化合物であり、より好
ましくは、80モル%以上を占めると良い。なお、本発
明において、漂白能を有する液中の第二鉄錯塩を形成す
る化合物としては、上述した一般式(I)〜一般式
(V)で表される化合物を、単独で使用しても、二種類
以上併用してもよい。また、本発明の効果を奏する範囲
内であれば、漂白能を有する液中の第二鉄錯塩を形成す
る化合物としては、前記した一般式(I)〜一般式
(V)で表される化合物以外の化合物を併用しても構わ
ない。このような化合物としては、EDTA、ジエチレ
ントリアミン五酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン
四酢酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。
【0193】本発明において、漂白能を有する液の漂白
剤としては、本発明の効果をそこなわない限りにおいて
上述した第二鉄錯塩に加え、無機酸化剤を漂白剤として
併用してもよい。このような無機酸化剤としては過酸化
水素や過硫酸塩、臭素酸塩などが挙げられるが、特にこ
れらに限定されるものではない。本発明の漂白能を有す
る処理液における第二鉄錯塩の濃度としては、0.00
5〜1.0モル/リットルの範囲が適当であり、0.0
1〜0.50モル/リットルの範囲が好ましく、より好
ましくは、0.02〜0.30モル/リットルの範囲で
ある。また漂白能を有する処理液の補充液中の第2鉄錯
塩の濃度としては、好ましくは、0.005〜2モル/
リットル、より好ましくは0.01〜1.0モル/リッ
トルである。
【0194】以下に本発明の発色現像処理について説明
する。本発明の発色現像処理の発色現像時間は、25秒
以上90秒以下であり、好ましくは、45秒以上75秒
以下であり、本発明の発色現像液は本発明のハロゲン化
銀溶剤を少なくとも1種含有する。
【0195】本発明の発色現像時間は、クロスオーバー
時間(発色現像液を出て、次の工程の処理液に入るまで
の時間)を含む時間であり、クロスオーバー時間は短か
い程好ましいが処理機器の性能上2秒以上10秒以下が
好ましく、3秒以上7秒以下がより好ましい。
【0196】該発色現像時間は、処理液中の現像主薬の
種類及び濃度、ハロゲンイオン(特Br)濃度、処理液
の温度、pH等によって変更することができる。
【0197】本発明の発色現像処理の現像主薬は、p−
フェニレンジアミン誘導体であり、好ましい代表例を以
下に示す。 (DA−1) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β
−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン (DA−2) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(3
−ヒドロキシプロピル)アミノ〕アニリン (DA−3) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(4
−ヒドロキシブチル)アミノ〕アニリン (DA−4) 2−メチル−N,N−ジエチル−p−フェ
ニレンジアミン (DA−5) 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β
−メタンスルホンアミドエチル)アミノ〕アニリン (DA−6) 2−メトキシ−4−〔N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン (DA−7) 4−アミノ−3−メトキシ−N,N−ビス
(3−ヒドロキシプロピル)アニリン (DA−8) 4−アミノ−3−イソプロピオキシ−N,
N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン (DA−9) 1−(β−ヒドロキシエチル)−5−アミ
ノ−6−メチル−インドリン (DA−10) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(3,4−ジヒドロキシブチル)−2,2,4,7−テ
トラメチル−6−アミノ−キノリン (DA−11) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(β
−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−6−ア
ミノ−7−メチル−キノリン
【0198】本発明の発色現像処理において、DA−
1、DA−2、DA−3、DA−6、DA−7、DA−
8、DA−10、DA−11が特に好ましく、DA−
1、DA−2、DA−3がより好ましく、DA−1が最
も好ましい。
【0199】現像主薬の濃度は、処理液1リットル当た
り、25ミリモル以上80ミリモル以下であり、好まし
くは25ミリモル以上60ミリモル以下、より好ましく
は27ミリモル以上50ミリモル以下、特に好ましくは
30ミリモル以上45ミリモル以下である。該現像主薬
濃度範囲内において、上記現像主薬を2種以上組み合わ
せて用いることもできる。
【0200】本発明の発色現像処理において臭化物イオ
ン(Br- )はカブリ防止剤として特に重要であり、B
- 濃度は、処理液1リットル当たり、13ミリモル以
上60ミリモル以下、好ましくは15ミリモル以上42
ミリモル以下であり、特に好ましくは16ミリモル以上
35ミリモル以下である。
【0201】Br- 以外のハロゲンイオンとしてI-
るいはCl- を必要に応じて含有することもできる。
【0202】発色現像液の温度は40℃以上60℃以下
であり、好ましくは42℃以上55℃以下であり、特に
好ましくは43℃以上50℃以下である。発色現像液の
pHは、9.9以上11.0以下であり、好ましくは1
0.0以上10.5以下である。本発明の発色現像液に
は、前記芳香族第一級アミンカラー現像主薬を直接保恒
する化合物として、特開昭63−5341号、同63−
106655号あるいは特開平4−144446号に記
載の各種ヒドロキシルアミン類、特開昭63−4313
8号に記載のヒドロキサム酸類、同63−146041
号に記載のヒドラジン類やヒドラジド類、同63−44
657および同63−58443号に記載のフエノール
類、同63−44656号に記載のα−ヒドロキシケト
ン類やα−アミノケトン類、同63−36244号記載
の各種糖類などを含有することができる。また、上記化
合物と併用して、特開昭63−4235号、同63−2
4254号、同63−21647号、同63−1460
40号、同63−27841号および同63−2565
4号等に記載のモノアミン類、同63−30845号、
同63−14640号、同63−43139号等に記載
のジアミン類、同63−21647号、同63−266
55号および同63−44655号に記載のポリアミン
類、同63−53551号に記載のニトロキシラジカル
類、同63−43140号及び同63−53549号に
記載のアルコール類、同63−56654号に記載のオ
キシム類および同63−239447号に記載の3級ア
ミン類を使用することができる。その他保恒剤として、
特開昭57−44148号および同57−53749号
に記載の各種金属類、同59−180588号に記載の
サリチル酸類、同54−3582号に記載のアルカノー
ルアミン類、同56−94349号に記載のポリエチレ
ンイミン類、米国特許第3,746,544号に記載の
芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必要に応じて含有して
も良い。特に好ましい保恒剤としては、特開平3−14
4446号の一般式(I)で表されるヒドロキシルアミ
ン類であり、中でもスルホ基やカルボキシ基を有する化
合物が好ましい。最も好ましい例として、N,N−ビス
(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン、モノスル
ホナートエチルヒドロキシルアミンがあげられる。
【0203】その他本発明の発色現像液には、上記特開
平3−144446号公報に記載の各種添加剤を使用で
きる。例えば、pHを保持するための緩衝剤としては同
公報(9)頁右上欄6行〜左下欄1行目の炭酸類、リン
酸類、ホウ酸類、ヒドロキシ安息香酸類などが挙げられ
る。キレート剤としては同頁左下欄2行〜右下欄18行
目の各種アミノポリカルボン酸類、ホスホン酸類、スル
ホン酸類で好ましくはエチレンジアミン四酢酸、トリエ
チレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノプロパノー
ル四酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸、4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジス
ルホン酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジア
ミン−N,N,N’,N’−テトラキス(メチレンホス
ホン酸)、カテコール−3,5−ジスルホン酸が良い。
現像促進剤としては同公報(9)頁左下欄19行目から
同公報(10)頁右上欄7行目に記載の各種添加剤が挙
げられる。カブリ防止剤としては同公報(10)頁右上
欄8行〜左下欄5行目に記載のハロゲン化イオン、有機
カブリ防止剤が挙げられる。また、必要に応じてアルキ
ルスルホン酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン
酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を添加しても
よい。
【0204】また本発明の発色現像液を用いて自動現像
機で処理を行う際、発色現像液が空気と接触する面積
(開口面積)はできるだけ小さい方が好ましい。例え
ば、開口面積(cm2)を現像液の体積(cm3)で割った値を
開口率とすると、開口率は0.01cm -1以下が好ましく、0.
005 cm-1以下がより好ましい。発色現像液は再生して使
用することができる。発色現像液の再生とは、使用済み
の発色現像液をアニオン交換樹脂や電気透析を行った
り、あるいは再生剤と呼ばれる処理薬品を加えることに
より発色現像液の活性を上げ、再び発色現像液として使
用することである。この場合、再生率(補充液中のオー
バーフロー液の割合)は、50%以上が好ましく、特に
70%以上が好ましい。発色現像液再生を用いた処理と
しては、発色現像液のオーバーフロー液を再生後、補充
液とする。発色現像液の再生の方法としては、アニオン
交換樹脂を用いるの好ましい。特に好ましいアニオン交
換樹脂の組成及び樹脂の再生方法に関しては、三菱化成
工業(株)発行のダイアイオン・マニュアル(I)(1
986年第14版)に記載のものをあげることができ
る。また、アニオン交換樹脂のなかでは特開平2−95
2号や特開平1−281152号に記載された組成の樹
脂が好ましい。
【0205】発色現像液の補充タンクや処理槽中の処理
液は高沸点有機溶剤などの液剤でシールドし、空気との
接触面積を減少させることが好ましい。この液体シール
ド剤としては流動パラフィンが最も好ましい。また、補
充液に用いるのが特に好ましい。また、補充量は感材1
平方メートル当たり30〜800ml好ましくは50〜5
00ml程度である。
【0206】本発明において、感光材料は発色現像処理
した後、本発明の漂白剤を少なくとも1種含有する液に
よって脱銀処理される。脱銀処理としては、具体的に次
のものが挙げられる。 漂白−定着 漂白−水洗−定着 漂白−漂白定着 漂白−水洗−漂白定着 漂白−漂白定着−定着 漂白定着 処理の迅速化、簡易化の観点から、発色現像処理後漂白
定着液によって脱銀処理されることが好ましい。
【0207】漂白液、漂白定着液及び/またはこれらの
前浴には、漂白促進剤として種々の化合物を用いること
ができる。例えば、米国特許第3,893,858 号明細書、ド
イツ特許第1,290,812 号明細書、特開昭53-95630号公
報、リサーチディスクロージャー第17129 号( 1978年7
月号)に記載のメルカプト基またはジスルフィド結合を
有する化合物や、特公昭45−8506号、特開昭52-20832
号、同53-32735号、米国特許3,706,561 号等に記載のチ
オ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等のハロゲ
ン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
【0208】その他、本発明に適用されうる漂白液又は
漂白定着液には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化
ナトリウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例え
ば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウ
ム)または沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再
ハロゲン化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メ
タ硼酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能
を有する1種類以上の無機酸、有機酸およびこれらのア
ルカリ金属またはアンモニウム塩または、硝酸アンモニ
ウム、グアニジンなどの腐蝕防止剤などを添加すること
ができる。また漂白液や漂白定着液には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0209】漂白定着液又は定着液に使用される定着剤
は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
アンモニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;
エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,
8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物および
チオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、
これらを1種あるいは2種以上混合して使用することが
できる。また、特開昭55−155354号に記載された定着剤
と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合
わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることができ
る。本発明においては、チオ硫酸塩、特にチオ硫酸アン
モニウム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着
剤の量は、0.3〜2モルが好ましく、更に好ましくは 0.
5〜1.0 モルの範囲である。
【0210】漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫
酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜
硫酸アンモニウム)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸ア
ンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウ
ム)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウ
ム)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有するのが好まし
い。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算して約0.02〜
0.05モル/リットル含有させることが好ましく、更に好
ましくは0.04〜0.40モル/リットルである。
【0211】漂白定着液や定着液には保恒剤としては、
亜硫酸塩の添加が一般的であるが、その他、アスコルビ
ン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、或いはカルボニル化
合物等を添加しても良く、またベンゼンスルフィン酸類
も有効である。更には漂白定着液や定着液には緩衝剤、
蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必要に
応じて添加しても良い。
【0212】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液に
おいて、使用されるpH領域は、3〜6であり、更には
4〜5.5が最も好ましい。ここで、pHが3より低い
場合や逆に6より高い場合、磁気情報のN/S比の改良
の効果が少なくなる。また、定着液においてはpH3〜
9が好ましい。本発明に用いられる漂白液、漂白定着
浴、定着浴への補充量は感光材料1m2当たり、20〜3
00ミリリットルである。特に好ましくは25〜200
ミリリットルであり、更に好ましくは30〜150ミリ
リットルである。本発明に適用されうる漂白液、漂白定
着液、定着液の処理温度はそれぞれ20〜50℃であ
り、好ましくは30〜45℃である。また、脱銀工程の
処理時間は25秒〜90秒が好ましく特に45秒〜75
秒が最も本発明の効果を顕著に発揮することができる。
【0213】本発明に用いられる漂白能を有する処理液
は、処理に際し、エアレーションを実施することが写真
性能をきわめて安定に保持するので特に好ましい。エア
レーションには当業界で公知の手段が使用でき、漂白能
を有する処理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを
利用した空気の吸収などが実施できる。空気の吹き込み
に際しては、微細なポアを有する散気管を通じて、液中
に空気を放出させることが好ましい。このような散気管
は、活性汚泥処理における曝気槽等に、広く使用されて
いる。エアレーションに関しては、イーストマン・コダ
ック社発行のZ−121、ユージング・プロセス・C−
41第3版(1982年)、BL−1〜BL−2頁に記
載の事項を利用できる。本発明の漂白能を有する処理液
を用いた処理に於いては、攪拌が強化されていることが
好ましく、その実施には特開平3−33847号公報の
第8頁、右上欄、第6行〜左下欄、第2行に記載の内容
が、そのまま利用できる。
【0214】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭 62-183460号に記載の感光材料の乳剤
面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭 62-1834
61号の回転手段を用いて攪拌効果を上げる方法、更には
液中に設けられたワイパーブレードと乳剤面を接触させ
ながら感光材料を移動させ、乳剤表面を乱流化すること
によってより攪拌効果を向上させる方法、処理液全体の
循環流量を増加させる方法が挙げられる。このような攪
拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、定着液のいずれに
おいても有効である。攪拌の向上は乳剤膜中への漂白
剤、定着剤の供給を速め、結果として脱銀速度を高める
ものと考えられる。また、前記の攪拌向上手段は、漂白
促進剤を使用した場合により有効であり、促進効果を著
しく増加させたり漂白促進剤による定着阻害作用を解消
させることができる。
【0215】本発明に用いられる自動現像機は、特開昭
60-191257号、同 60-191258号、同60-191259号に記載
の感光材料搬送手段を有していることが好ましい。前記
の特開昭 60-191257号に記載のとおり、このような搬送
手段は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減で
き、処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このよう
な効果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充
量の低減に特に有効である。
【0216】また、本発明の漂白能を有する処理液は、
処理に使用後のオーバーフロー液を回収し、成分を添加
して組成を修正した後、再利用することが出来る。この
ような使用方法は、通常、再生と呼ばれるが、本発明は
このような再生も好ましくできる。再生の詳細に関して
は、富士写真フイルム株式会社発行の富士フイルム・プ
ロセシングマニュアル、フジカラーネガティブフィル
ム、CN−16処理(1990年8月改訂)第39頁〜
40頁に記載の事項が適用できる。本発明の漂白能を有
する処理液を調整するためのキットは、液体でも粉体で
も良いが、アンモニウム塩を排除した場合、ほとんどの
原料が粉体で供給され、また吸湿性も少ないことから、
粉体を作るのが容易になる。上記再生用のキットは、廃
液量削減の観点から、余分な水を用いず、直接添加でき
ることから、粉体が好ましい。
【0217】漂白能を有する処理液の再生に関しては、
前述のエアレーションの他、「写真工学の基礎−銀塩写
真編−」(日本写真学会編、コロナ社発行、1979
年)等に記載の方法が使用できる。具体的には電界再生
の他、臭素酸や亜鉛素酸、臭素、臭素プレカーサー、過
硫酸塩、過酸化水素、触媒を利用した過酸化水素、亜臭
素酸、オゾン等による漂白液の再生方法が挙げられる。
電解による再生においては、陰極及び陽極を同一漂白浴
に入れたり、或いは隔膜を用いて陽極槽と陰極槽を別浴
にして再生したりするほか、やはり隔膜を用いて漂白液
と現像液及び/又は定着液を同時に再生処理したりする
ことができる。定着液、漂白定着液の再生は、蓄積する
銀イオンを電解還元することでおこなわれる。その他、
蓄積するハロゲンイオンを陰イオン交換樹脂により除去
することも、定着性能を保つ上で好ましい。本発明に従
った感光材料は、前述のRD.No. 17643 の28〜29頁、
同No. 18716 の 651左欄〜右欄、および同No. 307105の
880 〜881 頁に記載された通常の方法によって現像処理
することができる。
【0218】本発明の処理装置において、脱銀処理後、
水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的である。水洗
工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えばカプラー
等使用素材による)、用途、更には水洗水温、水洗タン
クの数(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々
の条件によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向
流方式における水洗タンク数と水量の関係は、Journal
of the Society of Motion Picture and Television En
gineers 第64巻、P. 248〜253 (1955 年5月号)に記載
の方法で、求めることができる。前記文献に記載の多段
向流方式によれば、水洗水量を大幅に減少し得るが、タ
ンク内における水の滞留時間の増加により、バクテリア
が繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問
題が生じる。本発明のカラー感光材料の処理において、
このような問題が解決策として、特開昭62-288,838号に
記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減さ
せる方法を極めて有効に用いることができる。また、特
開昭57-8,542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイア
ベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等
の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博
著「防菌防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術
会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業
技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986
年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0219】本発明の感光材料の処理における水洗水の
pHは、4〜9であり、好ましくは5〜8である。水洗水
温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々設定し
得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは
25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選択される。更に、本発
明の感光材料は、上記水洗に代り、直接安定液によって
処理することもできる。このような安定化処理において
は、特開昭57-8543 号、同58-14834号、同60-220345 号
に記載の公知の方法はすべて用いることができる。
【0220】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、N−メチロールピラゾ
ールなどの特開平4−270344号記載のN−メチロ
ールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリア
ゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−3
13753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0221】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0222】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′
−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許345,172A
1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物など
をあげることができる。
【0223】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。本発明の処理機について、駆動以外の
部分について記述する。カラー現像液、カラー現像補充
液は、処理槽及び補充液槽で、液が空気と接触する面積
(開口面積)はできるだけ小さい方が好ましい。例え
ば、開口面積(cm2)を槽中の液体槽(cm3)で割った値を
開口率とすると、開口率は0.01(cm-1)以下が好ま
しく、0.005以下がより好ましく、特に0.001
以下が最も好ましい。
【0224】本発明においては、迅速に処理を行うため
に、各処理液間を感光材料が移動する際の空中時間、即
ちクロスオーバー時間は短い程良く、好ましくは20秒
以下、より好ましくは10秒以下、更に好ましくは5秒
以下である。上記の様な短時のクロスオーバーを達成す
るため、本発明はシネ型の自動現像機を用いるのが好ま
しく、特にリーダー搬送方式やローラー搬送方式が好ま
しい。このような方式は、富士写真フイルム(株)製自
動現像機FP−560Bや同PP1820Vに用いられ
ている。また、搬送の線速度は大きい方が好ましいが、
毎分30cm〜30mが一般的であり、好ましくは50cm
〜10mである。リーダーや感光材料の搬送手段として
は、特開昭60−191257号、同60−19125
8号、同60−191259号に記載のベルト搬送方式
が好ましく、特に、搬送機構としては、特願平1−26
5794号、同1−266915号、同1−26691
6号に記載の各方式を採用することが好ましい。また、
クロスオーバー時間を短縮し、かつ処理液の混入を防止
するため、クロスオーバーラックの構造は特願平1−2
65795号に記載された混入防止板を有するものが好
ましい。
【0225】本発明における各処理液には、処理液の蒸
発分に相当する水を供給する、いわゆる蒸発補正を行う
ことが好ましい。特に、発色現像液や漂白液あるいは漂
白定着液において好ましい。このような水の補充を行う
具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特開平
1−254959号や同1−254960号公報記載の
漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水槽内
の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽におけ
る水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白槽に
水を補充する方法や特願平2−46743号、同2−4
7777号、同2−47778号、同2−47779
号、同2−117972号明細書記載の液レベルセンサ
ーやオーバーフローセンサーを用いた蒸発補正方法が好
ましい。最も好ましい蒸発補正方式は、蒸発分に相当す
る水を予想して加えるもので、特願平2−103894
号に記載されているように自動現像機の運転時間、停止
時間及び温調時間の情報に基づいて予め求められた係数
により計算された加水量を添加するものである。
【0226】また、蒸発量を減少させる工夫も必要であ
り、開口面積を少なくしたり、排気ファンの風量を調節
することが要求される。例えば、発色現像液の好ましい
開口率は前記した通りであるが、他の処理液においても
同様に開口面積を低下させることが好ましい。排気ファ
ンは、温調時の結露防止のために取付けられているが、
好ましい排気量としては、毎分0.1m3〜1m3であり、
特に好ましい排気量としては、0.2m3〜0.4m3であ
る。また、感光材料の乾燥条件も処理液の蒸発に影響す
る。乾燥方式としては、セラミック温風ヒーターを用い
るのが好ましく、供給風量としては毎分4m3〜20m3
好ましく、特に6m3〜10m3が好ましい。セラミック温
風ヒーターの加熱防止用サーモスタットは、伝熱によっ
て動作させる方式が好ましく、取付け位置は、放熱フィ
ンや伝熱部を通じて風下または風上に取りつけるのが好
ましい。乾燥温度は、処理される感光材料の含水量によ
って調整することが好ましく、35mm幅のフィルムでは
45〜55℃、ブローニーフィルムでは55〜65℃、
プリント材料では60〜90℃が最適である。処理液の
補充に際しては補充ポンプが用いられるが、ベローズ式
の補充ポンプが好ましい。また、補充精度を向上させる
方法としては、ポンプ停止時の逆流を防止するため、補
充ノズルへの送液チューブの径を細くしておくことが有
効である。好ましい内径としては1〜8mm、特に好まし
い内径としては2から5mmである。
【0227】本発明の感光材料は、支持体上に少なくと
も1層の感光性層が設けられていればよい。典型的な例
としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが
感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光
性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料
である。該感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の
何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多層ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に単位感
光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色
性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じ
て上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異
なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上
記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層に
は非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプ
ラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよ
い。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤
層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されてい
るように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体
に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ま
しい。また、特開昭57-112751 、同62- 200350、同62-2
06541 、62-206543に記載されているように支持体より
離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤
層を設置してもよい。具体例として支持体から最も遠い
側から、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層
(BH)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL) /高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性層
(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH/RLの順、また
はBH/BL/GH/GL/RL/RHの順等に設置することができ
る。また特公昭 55-34932 公報に記載されているよう
に、支持体から最も遠い側から青感光性層/GH/RH/GL
/RLの順に配列することもできる。また特開昭56-2573
8、同62-63936に記載されているように、支持体から最
も遠い側から青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列す
ることもできる。また特公昭49-15495に記載されている
ように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中
層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層
を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配
置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度
の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このよ
うな感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開
昭59-202464 に記載されているように、同一感色性層中
において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度
乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。その
他、高感度乳剤層/低感度乳剤層/中感度乳剤層、ある
いは低感度乳剤層/中感度乳剤層/高感度乳剤層の順に
配置されていてもよい。 また、4層以上の場合にも、
上記の如く配列を変えてよい。色再現性を改良するため
に、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開
昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,
RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のド
ナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。
【0228】本発明の平板状沃臭化銀を併用して用いら
れる好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨウ化銀
を含む、ヨウ臭化銀、ヨウ塩化銀、もしくはヨウ塩臭化
銀である。特に好ましいのは約2モル%から約10モル%
までのヨウ化銀を含むヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀
である。写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八
面体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面
などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形
でもよい。ハロゲン化銀の粒径は、約 0.2μm以下の微
粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ
粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよい。本
発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサ
ーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No.176
43 (1978年12月), 22 〜23頁, “I. 乳剤製造(Emulsi
on preparation and types)”、および同No.18716 (19
79年11月),648 頁、同No.307105(1989年11月),863 〜8
65 頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」,ポ
ールモンテル社刊(P.Glafkides, Chemie et Phisique
Photographique, Paul Montel, 1967)、ダフィン著「写
真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin, P
hotographic Emulsion Chemistry,Focal Press, 196
6)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォー
カルプレス社刊(V. L. Zelikman, et al., Making and
Coating Photographic Emulsion, Focal Press, 1964)
などに記載された方法を用いて調製することができる。
【0229】本発明には、非感光性微粒子ハロゲン化銀
を使用することが好ましい。非感光性微粒子ハロゲン化
銀とは、色素画像を得るための像様露光時においては感
光せずに、その現像処理において実質的に現像されない
ハロゲン化銀微粒子であり、あらかじめカブラされてい
ないほうが好ましい。微粒子ハロゲン化銀は、臭化銀の
含有率が 0〜 100モル%であり、必要に応じて塩化銀お
よび/または沃化銀を含有してもよい。好ましくは沃化
銀を 0.5〜10モル%含有するものである。微粒子ハロゲ
ン化銀は、平均粒径(投影面積の円相当直径の平均値)
が0.01〜 0.5μm が好ましく、0.02〜 0.2μm がより好
ましい。微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロゲン
化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子の表
面は、光学的に増感される必要はなく、また分光増感も
不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先立
ち、あらかじめトリアゾール系、アザインデン系、ベン
ゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化合物または
亜鉛化合物などの公知の安定剤を添加しておくことが好
ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有層に、コロイ
ド銀を含有させることができる。本発明の感光材料の塗
布銀量は、3.0 〜8.0g/ m2が好ましく、4.0 〜6.0g/ m2
が最も好ましい。
【0230】本発明に使用できる写真用添加剤もRDに
記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示し
た。 添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3. 分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁 強色増感剤 〜649 頁右欄 4. 増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁 5. 光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁 フィルター 〜650 頁左欄 染料、紫外 線吸収剤 6. バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁 7. 可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁 潤滑剤 8. 塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁 表面活性剤 9. スタチツク 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁 防止剤 10. マツト剤 878 〜879 頁
【0231】本発明の感光材料には種々の色素形成カプ
ラーを使用することができるが、以下のカプラーが特に
好ましい。 イエローカプラー: EP 502,424A の式(I),(II)で表わさ
れるカプラー; EP 513,496A の式(1),(2) で表わされる
カプラー (特に18頁のY-28); EP 568,037Aのクレーム1
の式(I) で表わされるカプラー; US 5,066,576のカラム
1の45〜55行の一般式(I) で表わされるカプラー; 特開
平4-274425の段落0008の一般式(I) で表わされるカプラ
ー; EP 498,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー
(特に18頁のD-35); EP 447,969A1 の4頁の式(Y) で表
わされるカプラー(特にY-1(17頁),Y-54(41 頁)); US
4,476,219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表わ
されるカプラー(特にII-17,19( カラム17),II-24(カラ
ム19))。 マゼンタカプラー; 特開平3-39737(L-57(11 頁右下),L-
68(12 頁右下),L-77(13頁右下); EP 456,257 の A-4 -6
3(134頁), A-4 -73,-75(139頁); EP 486,965 のM-4,-6
(26 頁),M-7(27頁); EP 571,959AのM-45(19 頁);特開平
5-204106の(M-1)(6 頁);特開平4-362631の段落0237のM-
22。 シアンカプラー: 特開平4-204843のCX-1,3,4,5,11,12,1
4,15(14 〜16頁); 特開平4-43345 のC-7,10(35 頁),3
4,35(37頁),(I-1),(I-17)(42 〜43頁); 特開平6-67385
の請求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカプ
ラー。 ポリマーカプラー: 特開平2-44345 のP-1,P-5(11頁) 。
【0232】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US 4,366,237、GB 2,125,570、EP 96,873B、
DE 3,234,533に記載のものが好ましい。発色色素の不要
吸収を補正するためのカプラーは、EP 456,257A1の5 頁
に記載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV) で表わされるイエ
ローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC-86)、該EP
に記載のイエローカラードマゼンタカプラーExM-7(202
頁) 、 EX-1(249 頁) 、 EX-7(251 頁) 、US 4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC-9 (カラム
8)、CC-13(カラム10) 、US 4,837,136の(2)(カラム8)、
WO92/11575のクレーム1の式(A) で表わされる無色のマ
スキングカプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ま
しい。現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な化合物
残基を放出する化合物(カプラーを含む)としては、以
下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:EP 37
8,236A1の11頁に記載の式(I),(II),(III),(IV) で表わ
される化合物(特にT-101(30頁),T-104(31頁),T-113(36
頁),T-131(45頁),T-144(51頁),T-158(58頁)), EP436,93
8A2の 7頁に記載の式(I) で表わされる化合物(特にD-4
9(51 頁))、EP 568,037A の式(1) で表わされる化合物
(特に(23)(11 頁))、EP 440,195A2の5 〜6 頁に記載の
式(I),(II),(III)で表わされる化合物(特に29頁のI-
(1) );漂白促進剤放出化合物:EP 310,125A2の5 頁の
式(I),(I')で表わされる化合物(特に61頁の(60),(6
1)) 及び特開平6-59411 の請求項1の式(I) で表わされ
る化合物(特に(7)(7 頁); リガンド放出化合物:US
4,555,478のクレーム1に記載のLIG-X で表わされる化
合物(特にカラム12の21〜41行目の化合物) ;ロイコ色
素放出化合物:US 4,749,641のカラム3〜8の化合物1
〜6;蛍光色素放出化合物:US4,774,181のクレーム1のC
OUP-DYEで表わされる化合物(特にカラム7〜10の化合
物1〜11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US
4,656,123のカラム3の式(1) 、(2) 、(3) で表わされ
る化合物(特にカラム25の(I-22)) 及びEP 450,637A2の
75頁36〜38行目のExZK-2; 離脱して初めて色素となる基
を放出する化合物: US 4,857,447のクレーム1の式(I)
で表わされる化合物(特にカラム25〜36のY-1 〜Y-19)
【0233】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒: 特開昭62-215272 のP-3,5,
16,19,25,30,42,49,54,55,66,81,85,86,93(140〜144
頁); 油溶性有機化合物の含浸用ラテックス: US4,199,
363に記載のラテックス; 現像主薬酸化体スカベンジャ
ー: US 4,978,606のカラム2の54〜62行の式(I) で表わ
される化合物(特にI-,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US 4,923,787のカラム2の5〜10行の式(特に化
合物1(カラム3); ステイン防止剤: EP 298321Aの4
頁30〜33行の式(I) 〜(III),特にI-47,72,III-1,27(24
〜48頁); 褪色防止剤: EP 298321AのA-6,7,20,21,23,2
4,25,26,30,37,40,42,48,63,90,92,94,164(69 〜118
頁), US5,122,444のカラム25〜38のII-1〜III-23, 特に
III-10, EP 471347Aの8 〜12頁のI-1 〜III-4,特にII-
2, US 5,139,931のカラム32〜40のA-1 〜48, 特にA-39,
42; 発色増強剤または混色防止剤の使用量を低減させ
る素材: EP 411324Aの5 〜24頁のI-1 〜II-15,特にI-4
6; ホルマリンスカベンジャー: EP 477932Aの24〜29頁
のSCV-1 〜28, 特にSCV-8; 硬膜剤: 特開平1-214845の
17頁のH-1,4,6,8,14, US 4,618,573のカラム13〜23の式
(VII) 〜(XII) で表わされる化合物(H-1〜54),特開平2-
214852の8頁右下の式(6) で表わされる化合物(H-1〜7
6),特にH-14, US 3,325,287のクレーム1に記載の化合
物; 現像抑制剤プレカーサー: 特開昭62-168139 のP-2
4,37,39(6〜7 頁); US 5,019,492 のクレーム1に記載
の化合物,特にカラム7の28,29; 防腐剤、防黴剤: US
4,923,790のカラム3 〜15のI-1 〜III-43, 特にII-1,
9,10,18,III-25; 安定剤、かぶり防止剤: US 4,923,79
3のカラム6 〜16のI-1 〜(14),特にI-1,60,(2),(13), U
S 4,952,483 のカラム25〜32の化合物1〜65, 特に36:
化学増感剤: トリフェニルホスフィン セレニド, 特開
平5-40324 の化合物50;染料: 特開平3-156450の15〜18
頁のa-1 〜b-20, 特にa-1,12,18,27,35,36,b-5,27 〜29
頁のV-1 〜23, 特にV-1, EP 445627A の33〜55頁のF-I-
1 〜F-II-43,特にF-I-11,F-II-8, EP 457153A の17〜28
頁のIII-1 〜36, 特にIII-1,3, WO 88/04794の8〜26の
Dye-1 〜124 の微結晶分散体, EP 319999Aの6〜11頁の
化合物1〜22, 特に化合物1, EP 519306A の式(1) ない
し(3) で表わされる化合物D-1 〜87(3〜28頁),US 4,26
8,622の式(I) で表わされる化合物1〜22 (カラム3〜1
0), US 4,923,788 の式(I) で表わされる化合物(1) 〜
(31) (カラム2〜9); UV吸収剤: 特開昭46-3335 の式
(1) で表わされる化合物(18b) 〜(18r),101 〜427(6〜
9頁),EP 520938Aの式(I) で表わされる化合物(3) 〜(6
6)(10 〜44頁) 及び式(III) で表わされる化合物HBT-1
〜10(14 頁), EP 521823A の式(1) で表わされる化合物
(1) 〜(31) (カラム2〜9)。
【0234】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に
適用することができる。また、特公平2-32615 、実公平
3-39784 に記載されているレンズ付きフイルムユニット
用に好適である。本発明に使用できる適当な支持体は、
例えば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.18716の 6
47頁右欄から 648頁左欄、および同No.307105 の 879頁
に記載されている。本発明の感光材料は、乳剤層を有す
る側の全親水性コロイド層の膜厚の総和が28μm 以下で
あることが好ましく、23μm 以下がより好ましく、18μ
m 以下が更に好ましく、16μm 以下が特に好ましい。ま
た膜膨潤速度T1/2 は30秒以下が好ましく、20秒以下が
より好ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3 分15秒
処理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
したとき、膜厚そのが1/2 に到達するまでの時間と定義
する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で測
定した膜厚を意味し、T1/2 は、エー・グリーン(A.Gr
een)らのフォトグラフィック・サイエンス・アンド・エ
ンジニアリング (Photogr.Sci.Eng.),19卷、2,124 〜
129 頁に記載の型のスエロメーター(膨潤計)を使用す
ることにより測定できる。T1/2 は、バインダーとして
のゼラチンに硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経
時条件を変えることによって調整することができる。ま
た、膨潤率は 150〜400 %が好ましい。膨潤率とは、さ
きに述べた条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨
潤膜厚−膜厚)/膜厚 により計算できる。本発明の感
光材料は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総
和が2 μm〜20μm の親水性コロイド層(バック層と称
す)を設けることが好ましい。このバック層には、前述
の光吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチッ
ク防止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布
助剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバ
ック層の膨潤率は150 〜500 %が好ましい。
【0235】次に、本発明に用いられる磁気記録層につ
いて説明する。本発明に用いられる磁気記録層とは、磁
性体粒子をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶
媒系塗布液を支持体上に塗設したものである。本発明で
用いられる磁性体粒子は、γFe2O3 などの強磁性酸化
鉄、Co被着γFe2O3 、Co被着マグネタイト、、Co含有マ
グネタイト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性
合金、六方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェ
ライト、Caフェライトなどを使用できる。Co被着γFe2O
3 などのCo被着強磁性酸化鉄が好ましい。形状としては
針状、米粒状、球状、立方体状、板状等いずれでもよ
い。比表面積では SBET で20m2/g以上が好ましく、30m2
/g以上が特に好ましい。強磁性体の飽和磁化(σs)は、
好ましくは 3.0×104 〜 3.0×105A/mであり、特に好ま
しくは4.0 ×104 〜2.5 ×105A/mである。強磁性体粒子
を、シリカおよび/またはアルミナや有機素材による表
面処理を施してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6-
161032に記載された如くその表面にシランカップリング
剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。又特
開平4-259911、同5-81652 号に記載の表面に無機、有機
物を被覆した磁性体粒子も使用できる。
【0236】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4-219569に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放
射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ又は生分解
性ポリマー、天然物重合体(セルロース誘導体,糖誘導
体など)およびそれらの混合物を使用することができ
る。上記の樹脂のTgは -40℃〜 300℃、重量平均分子量
は 0.2万〜 100万である。例えばビニル系共重合体、セ
ルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セ
ルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテ
ートブチレート、セルローストリプロピオネートなどの
セルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂を挙げることができ、ゼラチンも好ましい。特に
セルロースジ(トリ)アセテートが好ましい。バインダ
ーは、エポキシ系、アジリジン系、イソシアネート系の
架橋剤を添加して硬化処理することができる。イソシア
ネート系の架橋剤としては、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、などのイソシアネート類、これらのイソシアネ
ート類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリ
レンジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1m
olの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類の縮
合により生成したポリイソシアネートなどがあげられ、
例えば特開平6-59357 に記載されている。
【0237】前述の磁性体を上記バインダ−中に分散す
る方法は、特開平6-35092 に記載されている方法のよう
に、ニーダー、ピン型ミル、アニュラー型ミルなどが好
ましく併用も好ましい。特開平5-088283に記載の分散剤
や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の
厚みは 0.1μm〜10μm、好ましくは 0.2μm〜 5μ
m、より好ましくは 0.3μm〜 3μmである。磁性体粒
子とバインダーの重量比は好ましくは 0.5:100〜60:100
からなり、より好ましくは1:100 〜30:100である。磁性
体粒子の塗布量は 0.005〜 3g/m2、好ましくは0.01〜 2
g/m2、さらに好ましくは0.02〜 0.5g/m2である。磁気記
録層の透過イエロー濃度は、0.01〜0.50が好ましく、0.
03〜0.20がより好ましく、0.04〜0.15が特に好ましい。
磁気記録層は、写真用支持体の裏面に塗布又は印刷によ
って全面またはストライプ状に設けることができる。磁
気記録層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレ
ード、エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、
トランスファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、ス
プレイ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利
用でき、特開平5-341436等に記載の塗布液が好ましい。
【0238】磁気記録層に、潤滑性向上、カール調節、
帯電防止、接着防止、ヘッド研磨などの機能を合せ持た
せてもよいし、別の機能性層を設けて、これらの機能を
付与させてもよく、粒子の少なくとも1種以上がモース
硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が好ましい。非
球形無機粒子の組成としては、酸化アルミニウム、酸化
クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリコンカーバイ
ト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の炭化物、ダイ
アモンド等の微粉末が好ましい。これらの研磨剤は、そ
の表面をシランカップリング剤又はチタンカップリング
剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁気記録層に添
加してもよく、また磁気記録層上にオーバーコート(例
えば保護層,潤滑剤層など)しても良い。この時使用す
るバインダーは前述のものが使用でき、好ましくは磁気
記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記録層を有
する感材については、US 5,336,589、同 5,250,404、同
5,229,259、同 5,215,874、EP 466,130に記載されてい
る。
【0239】次に本発明に用いられるポリエステル支持
体について記すが、後述する感材、処理、カートリッジ
及び実施例なども含め詳細については、公開技報、公技
番号94-6023(発明協会;1994.3.15.)に記載されている。
本発明に用いられるポリエステルはジオールと芳香族ジ
カルボン酸を必須成分として形成され、芳香族ジカルボ
ン酸として2,6−、1,5−、1,4−、及び2,7
−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ジオールとしてジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールが挙げられる。
この重合ポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジ
メタノールテレフタレート等のホモポリマーを挙げるこ
とができる。特に好ましいのは2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸を50モル%〜 100モル%含むポリエステルであ
る。中でも特に好ましいのはポリエチレン 2,6−ナ
フタレートである。平均分子量の範囲は約 5,000ないし
200,000である。本発明のポリエステルのTgは50℃以上
であり、さらに90℃以上が好ましい。
【0240】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために熱処理温度は40℃以上Tg未満、より好
ましくはTg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理は
この温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しな
がら熱処理してもよい。この熱処理時間は、 0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは 0.5時間以上 200時
間以下である。支持体の熱処理は、ロ−ル状で実施して
もよく、またウェブ状で搬送しながら実施してもよい。
表面に凹凸を付与し(例えばSnO2や Sb2O5等の導電性無
機微粒子を塗布する)、面状改良を図ってもよい。又端
部にロ−レットを付与し端部のみ少し高くすることで巻
芯部の切り口写りを防止するなどの工夫を行うことが望
ましい。これらの熱処理は支持体製膜後、表面処理後、
バック層塗布後(帯電防止剤、滑り剤等)、下塗り塗布
後のどこの段階で実施してもよい。好ましいのは帯電防
止剤塗布後である。このポリエステルには紫外線吸収剤
を練り込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、
三菱化成製のDiaresin、日本化薬製のKayaset 等ポリエ
ステル用として市販されている染料または顔料を練り込
むことにより目的を達成することが可能である。
【0241】次に、本発明では支持体と感材構成層を接
着させるために、表面処理することが好ましい。薬品処
理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処
理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、
レーザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理、などの表面
活性化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいの
は、紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処
理である。次に下塗法について述べると、単層でもよく
2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、
アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの中から
選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始めとし
て、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト化ゼ
ラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられる。支
持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−クロル
フェノールがある。下塗層にはゼラチン硬化剤としては
クロム塩(クロム明ばんなど)、アルデヒド類(ホルム
アルデヒド、グルタールアルデヒドなど)、イソシアネ
ート類、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、エピクロルヒドリ
ン樹脂、活性ビニルスルホン化合物などを挙げることが
できる。SiO2、TiO2、無機物微粒子又はポリメチルメタ
クリレート共重合体微粒子(0.01〜10μm)をマット剤
として含有させてもよい。
【0242】また本発明においては、帯電防止剤が好ま
しく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボ
ン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カ
チオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げるこ
とができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、 Z
nO、TiO2、SnO2、Al2O3 、In2O3 、SiO2、 MgO、 BaO、
MoO3、V2O5の中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率
が107 Ω・cm以下、より好ましくは105 Ω・cm以下であ
る粒子サイズ 0.001〜 1.0μm結晶性の金属酸化物ある
いはこれらの複合酸化物(Sb,P,B,In,S,Si,C など)の微
粒子、更にはゾル状の金属酸化物あるいはこれらの複合
酸化物の微粒子である。感材への含有量としては、 5〜
500mg/m2が好ましく特に好ましくは10〜350mg/m2であ
る。導電性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバイン
ダーの量の比は1/300 〜 100/1が好ましく、より好まし
くは 1/100〜 100/5である。
【0243】本発明の感材には滑り性がある事が好まし
い。滑り剤含有層は感光層面、バック面ともに用いるこ
とが好ましい。好ましい滑り性としては動摩擦係数で0.
25以下0.01以上である。この時の測定は直径 5mmのステ
ンレス球に対し、 60cm/分で搬送した時の値を表す(25
℃、60%RH)。この評価において相手材として感光層面
に置き換えてももほぼ同レベルの値となる。本発明に使
用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高
級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級
アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサ
ンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシ
ロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン等を用いることができる。添加層と
しては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリ
ジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステル
が好ましい。
【0244】本発明の感材にはマット剤が有る事が好ま
しい。マット剤としては乳剤面、バック面とどちらでも
よいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。
マット剤は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好
ましくは両者を併用することである。例えばポリメチル
メタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタク
リル酸= 9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子など
が好ましい。粒径としては 0.8〜10μmが好ましく、そ
の粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜 1.
1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されることが好ま
しい。又 マット性を高めるために 0.8μm以下の微粒
子を同時に添加することも好ましく例えばポリメチルメ
タクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート
/メタクリル酸= 9/1(モル比)、 0.3μm))、ポリス
チレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)
が挙げられる。
【0245】次に本発明で用いられるフィルムパトロー
ネについて記す。本発明で使用されるパトローネの主材
料は金属でも合成プラスチックでもよい。好ましいプラ
スチック材料はポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリフェニルエーテルなどである。更に本発明
のパトローネは、各種の帯電防止剤を含有してもよくカ
ーボンブラック、金属酸化物粒子、ノニオン、アニオ
ン、カチオン及びベタイン系界面活性剤又はポリマー等
を好ましく用いることが出来る。これらの帯電防止され
たパトローネは特開平1-312537、同1-312538に記載され
ている。特に25℃、25%RHでの抵抗が1012Ω以下が好ま
しい。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与す
るためにカーボンブラックや顔料などを練り込んだプラ
スチックを使って製作される。パトローネのサイズは現
在 135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、
現在の 135サイズの25mmのカートリッジの径を22mm以下
とすることも有効である。パトローネのケースの容積
は、30cm3以下好ましくは 25cm3以下とすることが好ま
しい。パトローネおよびパトローネケースに使用される
プラスチックの重量は5g〜15g が好ましい。
【0246】更に本発明で用いられる、スプールを回転
してフイルムを送り出すパトローネでもよい。またフイ
ルム先端がパトローネ本体内に収納され、スプール軸を
フイルム送り出し方向に回転させることによってフイル
ム先端をパトローネのポート部から外部に送り出す構造
でもよい。これらはUS 4,834,306、同 5,226,613に開示
されている。本発明に用いられる写真フイルムは現像前
のいわゆる生フイルムでもよいし、現像処理された写真
フイルムでもよい。又、生フイルムと現像済みの写真フ
ィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよいし、
異なるパトローネでもよい。
【0247】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の趣旨を越えない限り、実施例に限定
されるものではない。 (実施例1) 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマー 100
重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin P.326(チバ・ガイ
ギーCiba-Geigy社製)2重量部とを乾燥した後、300℃
にて溶融後、T型ダイから押し出し、 140℃で 3.3倍の
縦延伸を行ない、続いて 130℃で 3.3倍の横延伸を行
い、さらに 250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmの PEN
フイルムを得た。なおこの PENフィルムにはブルー染
料,マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報: 公技番
号 94-6023号記載のI-1,I-4,I-6,I-24,I-26,I-27,II-5)
を適当量添加した。さらに、直径20cmのステンレス巻き
芯に巻付けて、 110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖
のつきにくい支持体とした。
【0248】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン 0.1g/m2、ソジウムα−スルホジ−2−エチルヘ
キシルサクシネート0.01g/m2、サリチル酸0.04g/m2、p
−クロロフェノール 0.2g/m2、(CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒドリン重縮
合物0.02g/m2の下塗液を塗布して(10cc/m2、バーコータ
ー使用)、下塗層を延伸時高温面側に設けた。乾燥は 1
15℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置
はすべて 115℃となっている)。 3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0249】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径 0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物
の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次凝集粒
子径 約0.08μm)を0.2g/m2、ゼラチン0.05g/m2、(C
H2 =CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合度1
0)オキシエチレン−p−ノニルフェノール 0.005g/m2
及びレゾルシンと塗布した。 3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15) オキシエチレン−プロピルオキシ
トリメトキシシラン(15 重量%)で被覆処理されたコバ
ルト−γ−酸化鉄 (比表面積43m2/g、長軸0.14μm、単
軸0.03μm、飽和磁化 89emu/g、Fe+2/Fe +3=6/94 、表
面は酸化アルミ酸化珪素で酸化鉄の2重量%で処理され
ている)0.06g/m2をジアセチルセルロース1.2g/m2(酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2H5C(CH2OCONH-C6H3(CH3)NCO)3
0.3g/m2を、溶媒としてアセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンを用いてバーコーターで塗布し、
膜厚 1.2μmの磁気記録層の得た。マット剤としてシリ
カ粒子(0.3μm)と3−ポリ(重合度15) オキシエチレン
−プロピルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処
理被覆された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2となるように添加した。乾燥は 115℃、6分実
施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて 115
℃)。X−ライト(ブルーフィルター)での磁気記録層
のDB の色濃度増加分は約 0.1、また磁気記録層の飽和
磁化モーメントは4.2emu/g、保磁力 7.3×104A/m、角形
比は65%であった。
【0250】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2)、C6H13CH(OH)C10H20C
OOC40H81 (化合物a,6mg/m2) /C50H101O(CH2CH2O)16H
(化合物b,9mg/m2)混合物を塗布した。なお、この混合
物は、キシレン/プロピレンモノメチルエーテル (1/1)
中で 105℃で溶融し、常温のプロピレンモノメチルエー
テル(10倍量)に注加分散して作製した後、アセトン中
で分散物(平均粒径0.01μm)にしてから添加した。マッ
ト剤としてシリカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重
合度15) オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシ
シラン(15重量%で被覆された酸化アルミ(0.15μm)を
それぞれ 15mg/m2となるように添加した。乾燥は 115
℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて 115℃)。滑り層は、動摩擦係数0.06(5mmφのス
テンレス硬球、荷重100g、スピード6cm/分)、静摩擦係
数0.07(クリップ法)、また後述する乳剤面と滑り層の
動摩擦係数も0.12と優れた特性であった。
【0251】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の反対側に、下記の組成
の各層を重層塗布し、カラーネガフィルムを作成した。
これを試料101とする。
【0252】(感光層組成) 各層に使用する素材の主なものは下記のように分類され
ている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 各成分に対応する数字は、g/m2単位で表した塗布量を示
し、ハロゲン化銀については銀換算の塗布量を示す。た
だし、増感色素については同一層のハロゲン化銀1モル
に対する塗布量をモル単位で示す。
【0253】第1層(ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.60 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02
【0254】第2層(中間層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.065 ExC−2 0.04 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 1.04
【0255】第3層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.25 沃臭化銀乳剤B 銀 0.25 ExS−1 6.9×10-5 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 3.1×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.87
【0256】第4層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.75 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.6×10-5 ExS−3 5.1×10-4 ExC−1 0.10 ExC−2 0.060 ExC−3 0.0070 ExC−4 0.090 ExC−5 0.015 ExC−6 0.0070 Cpd−2 0.023 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.75
【0257】第5層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤D 銀 1.40 ExS−1 2.4×10-4 ExS−2 1.0×10-4 ExS−3 3.4×10-4 ExC−1 0.10 ExC−3 0.045 ExC−6 0.020 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.050 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.12
【0258】第6層(中間層) Cpd−1 0.090 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.050 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10
【0259】第7層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.15 沃臭化銀乳剤F 銀 0.10 沃臭化銀乳剤G 銀 0.10 ExS−4 3.0×10-5 ExS−5 2.1×10-4 ExS−6 8.0×10-4 ExM−2 0.33 ExM−3 0.086 ExY−1 0.015 HBS−1 0.30 HBS−3 0.010 ゼラチン 0.73
【0260】第8層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤H 銀 0.82 ExS−4 3.2×10-5 ExS−5 2.2×10-4 ExS−6 8.4×10-4 ExC−8 0.010 ExM−2 0.10 ExM−3 0.025 ExY−1 0.018 ExY−4 0.010 ExY−5 0.040 HBS−1 0.13 HBS−3 4.0×10-3 ゼラチン 0.80
【0261】第9層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.25 ExS−4 3.7×10-5 ExS−5 8.1×10-5 ExS−6 3.2×10-4 ExC−1 0.010 ExM−1 0.020 ExM−4 0.025 ExM−5 0.040 Cpd−3 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33
【0262】第10層(イエローフィルター層) 黄色コロイド銀 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60
【0263】第11層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.09 沃臭化銀乳剤K 銀 0.09 ExS−7 8.6×10-4 ExC−8 7.0×10-3 ExY−1 0.050 ExY−2 0.22 ExY−3 0.50 ExY−4 0.020 Cpd−2 0.10 Cpd−3 4.0×10-3 HBS−1 0.28 ゼラチン 1.20
【0264】第12層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤L 銀 1.00 ExS−7 4.0×10-4 ExY−2 0.10 ExY−3 0.10 ExY−4 0.010 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 HBS−1 0.070 ゼラチン 0.70
【0265】第13層(第1保護層) UV−1 0.19 UV−2 0.075 UV−3 0.065 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8
【0266】第14層(第2保護層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.10 H−1 0.40 B−1(直径 1.7 μm) 5.0×10-2 B−2(直径 1.7 μm) 0.15 B−3 0.05 S−1 0.20 ゼラチン 0.70
【0267】更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力
耐性、防黴・防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくする
ために W−1ないしW−3、B−4ないしB−6、F
−1ないしF−17及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、
パラジウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されて
いる。
【0268】
【表1】
【0269】表1において、 (1)乳剤J〜Lは特開平2-191938の実施例に従い、二
酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒子調製時に
還元増感されている。 (2)乳剤A〜Iは特開平3-237450の実施例に従い、各
感光層に記載の分光増感色素とチオシアン酸ナトリウム
の存在下に金増感、硫黄増感とセレン増感が施されてい
る。 (3)平板状粒子の調製には特開平1-158426の実施例に
従い、低分子量ゼラチンを使用している。 (4)平板状粒子には特開平3-237450に記載されている
ような転位線が高圧電子顕微鏡を用いて観察されてい
る。 (5)乳剤Lは特開昭60-143331 に記載されている内部
高ヨードコアーを含有する二重構造粒子である。
【0270】有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水21.7
ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェノキシエトキ
シエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリリットル並びに5%
水溶液のp−オクチルフェノキシポリオキシエチレンエ
−テル(重合度10) 0.5gとを 700ミリリットルのポットミル
に入れ、染料ExF−2を 5.0gと酸化ジルコニウムビ
ーズ(直径1mm) 500ミリリットルを添加して内容物を2時間
分散した。この分散には中央工機製のBO型振動ボール
ミルを用いた。分散後、内容物を取り出し、12.5%ゼラ
チン水溶液8gに添加し、ビーズを濾過して除き、染料
のゼラチン分散物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44
μmであった。
【0271】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μmであった。
ExF−5はEP549,489Aの実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法により分散した。平均
粒径は0.06μmであった。
【0272】
【化69】
【0273】
【化70】
【0274】
【化71】
【0275】
【化72】
【0276】
【化73】
【0277】
【化74】
【0278】
【化75】
【0279】
【化76】
【0280】
【化77】
【0281】
【化78】
【0282】
【化79】
【0283】
【化80】
【0284】
【化81】
【0285】
【化82】
【0286】
【化83】
【0287】
【化84】
【0288】試料101の乳剤A〜Lの平均AgI含量
は変えないようにして、アスペクト比2以上の割合が表
2のようになるように新たに乳剤を作成し、試料101
と乳剤をそれぞれ等銀量変更した以外は全く同様にして
試料102〜105を作成した。但し、各乳剤の増感色
素の量は、1/100秒露光時の感度が最高になるよう
に調節した。試料104の乳剤A〜Dは試料103に用
いたものと、試料104の乳剤E〜Lは試料105に用
いたものと同じものを使用した。
【0289】
【表2】
【0290】各試料に対し感光層側から以下に示す性能
評価に応じて露光を与え、以下に示す現像処理を実施し
各評価を行った。 (脱銀性評価)色温度が4800Kの白色光により10
00cmsの全面均一露光を与え、現像処理を実施した
後、蛍光X線分析法により感光材料中に残留する銀量
(μg/cm2)を測定した。残留する銀量が少ないほど脱
銀性に優れ好ましい。 (迅速性評価)色温度が4800Kの白色光によりウエ
ッジ露光を与え、現像処理を実施した後、シアンの吸収
濃度を特性曲線を求め、未露光部のシアン濃度+0.3
のシアン濃度を与える露光量の逆数の対数値(感度)を
求め、以下に示す実験01での値を100としてその相
対値で評価した。この値が大きいほど高感度の画像が得
られることを示し、迅速性に優れる。 現像処理の工程および処理液組成 処理工程 温度 時間 発色現像 45℃ 50秒 漂白定着 45℃ 60秒 安定(1) 40℃ 15秒 安定(2) 40℃ 15秒 安定(3) 40℃ 15秒 安 定 40℃ 15秒 乾 燥 80℃ 60秒 (安定は(3) から(1) への3タンク向流方式とした。)
【0291】 液組成 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.3 亜硫酸ナトリウム 4.2 炭酸カリウム 37.5 臭化カリウム 2.2 沃化カリウム 1.3 mg 本発明のハロゲン化銀溶剤 0.8 ミリモル ジナトリウム N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 15.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシ エチル)アミノ〕アニリン硫酸塩 11.5 水を加えて 1.0 リットル pHを(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 (漂白定着液) (単位モル) 本発明の漂白剤 0.15 チオ硫酸アンモニウム 1.25 亜硫酸アンモニウム 0.10 メタカルボキシベンゼンスルフィン酸 0.05 水を加えて 1.0リットル pH(酢酸とアンモニアで調製) 5.8
【0292】 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 コハク酸 5.0 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02 水を加えて 1000ミリリットル pH(アンモニア/硫酸にて) 6.0
【0293】上記の現像処理において、発色現像液中の
本発明のハロゲン化銀(AgX)溶剤及び、漂白定着液
中の本発明の漂白剤をそれぞれ表3、4に示すように変
更した以外は全く同様にして、先に示した試料101〜
105について現像処理を実施し、脱銀性及び迅速性を
上記の評価法により評価した。得られた結果をまとめて
表3、4に示す。
【0294】
【表3】
【0295】
【表4】
【0296】実験01〜03より、本発明の平板状ハロ
ゲン化銀乳剤から成る試料101に対し、本発明の漂白
剤を用いても残留する銀量が10μg/cm2 を超え、迅速
処理時の脱銀性が悪い。また実験04、05より、平板
状でないハロゲン化銀乳剤を用いた試料では脱銀性に優
れるが、迅速性については著しく悪化することが解る。
これに対し、本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤から成る
試料101を、発色現像液に本発明のハロゲン化銀溶剤
を添加しかつ、本発明の漂白剤を用いて現像処理する
と、脱銀性及び迅速性が著しく改良されることが解る
(実験10〜40)。
【0297】(実施例2)本願実施例1の実験06につ
いて、発色現像時間及び漂白定着時間を表5に示すよう
に変更した以外は全く同様にして実験を行った。得られ
た結果は表5に示す。
【0298】
【表5】
【0299】(実施例3)本願実施例1の試料101に
ついて、以下に示す現像処理において本発明のハロゲン
化銀溶剤として、B−3、A−3を選び、本発明の漂白
剤としてIV−3、V−16、V−35を選び、現像処理
を実施した以外は実施例1と同様にして実験を行った。
処理工程及び処理液組成を以下に示す。
【0300】(処理工程) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 50秒 48.0℃ 漂 白 40秒 38.0℃ 定 着(1) 50秒 38.0℃ 定 着(2) 50秒 38.0℃ 水 洗 30秒 38.0℃ 安 定(1) 20秒 38.0℃ 安 定(2) 20秒 38.0℃ 乾 燥 1分30秒 60℃ 安定液は(2)から(1)への向流方式であり、水洗水
のオーバーフロー液は全て定着(2)へ導入した。ま
た、定着液も(2)から(1)へ向流配管で接続されて
いる。
【0301】以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 亜硫酸ナトリウム 3.9 炭酸カリウム 37.5 臭化カリウム 2.4 沃化カリウム 1.3 mg ジナトリウム N,N−ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 17.0 本発明のハロゲン化銀溶剤 1.5ミリモル 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 13.0 水を加えて 1.0リットル pH(水酸化ナトリウムと硫酸にて調整) 10.05
【0302】 (漂白液) タンク液(g) 本発明の漂白剤 0.3モル 臭化アンモニウム 80 硝酸アンモニウム 14 コハク酸 40 マレイン酸 33 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水で調製) 4.4
【0303】 (定着液) タンク液(g) メタンスルフィン酸アンモニウム 10 メタンチオスルホン酸アンモニウム 4 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 280 ミリリットル イミダゾール 7 エチレンジアミン四酢酸 15 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水、酢酸で調製) 7.4
【0304】(水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交
換樹脂(ロームアンドハース社製アンバーライトIR-120
B)と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライ
トIR-400) を充填した混床式カラムに通水してカルシウ
ム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リットル以下に
処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリウム20mg
/リットルと硫酸ナトリウム150mg /リットルを添加し
た。この液のpHは6.5〜7.5の範囲にあった。
【0305】 (安定液) タンク液 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル) ピペラジン 0.75 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.10 水を加えて 1.0 リットル pH 8.5
【0306】その結果、実施例1と同様に、漂白工程と
定着工程を分けた処理においても本発明の効果が顕著に
現れた。但し、漂白工程と定着工程の処理時間の合計
と、実施例1の漂白定着工程の処理時間を比較すると、
同じ時間では明らかに漂白定着の1工程で処理した方が
脱銀性に優れていた。
【0307】(実施例4)実施例1の試料101を24
mm幅、160cmに裁断し、さらにそれぞれの試料の長さ
方向の片側幅方向から0.7mmの所に2mm四方のパーフ
ォレーションを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセ
ットを32mm間隔で設けたものを作成し、米国特許第
5,296,887号のFIG.1〜FIG.7に説明
されているプラスチック製のフィルムカートリッジに収
納した。これらの試料に磁気記録層の塗布面側からヘッ
ドギャップ5μm、ターン数2000の入出力可能なヘ
ッドを用いて、上記パーフォレーションの間に100mm
/sの送り速度でFM信号を記録した。
【0308】FM信号記録後、感光層側から白色光によ
りウェッジ露光した後、下記の現像処理を実施した。現
像処理はシネ式自動現像機でランニング処理(発色現像
液の累積補充量がそのタンク容量の3倍になるまで)を
した。但し、発色現像液中の本発明のハロゲン化銀溶剤
及び漂白定着液中の本発明の漂白剤は、表6のように変
更しそれぞれランニング処理を実施した。
【0309】 (処理工程) 処理工程 温度 時間 補充量* 発色現像 45℃ 55秒 10ミリリットル 漂白定着 45℃ 55秒 10ミリリットル 安 定(1) 45℃ 13秒 − 安 定(2) 45℃ 13秒 − 安 定(3) 45℃ 13秒 10ミリリットル 乾 燥 75℃ 30秒 (安定は(3) から(1) への3タンク向流方式とした。) *24mm×160cm 1本当たり
【0310】各処理液の組成は以下の通りである。 (発色現像液) (単位g) タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸 4.0 4.0 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3− ジスルホン酸2ナトリウム塩 0.5 0.5 亜硫酸ナトリウム 4.0 8.0 炭酸カリウム 38.0 38.0 臭化カリウム 2.0 − ヨウ化カリウム 1.3mg − 本発明のハロゲン化銀溶剤 1.5ミリモル 20.0ミリモル ジナトリウム N,N−(ジスルフォナートエチル)ヒドロキシルアミン 15.0 20.0 2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシルエチル) アミノ〕アニリン硫酸塩 11.0 14.5 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウムと硫酸にて調整) 10.05 10.40
【0311】 (漂白定着液) (単位g) タンク液 補充液 本発明の漂白剤 0.10モル 0.12 モル エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム二水塩 0.10モル 0.12 モル チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル ) 300ミリリットル 350ミリリットル ヨウ化アンモニウム 1.0 − 亜硫酸アンモニウム 20.0 50.0 メタンチオスルフィン酸アンモニウム 5.0 7.0 コハク酸 12.0 12.0 水を加えて 1.0リットル 1.0リットル pH(硝酸とアンモニア水で調整) 6.0 5.5
【0312】 (安定液) タンク液と補充液は同じ処方 (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.05 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.2 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02 水を加えて 1000ミリリットル pH 7.5
【0313】処理後、以下のようにしてステイン及び磁
気情報読み出しのエラー率を求めた。 (ステイン評価)色温度が4800Kの白色光によりウ
エッジ露光を与え、各現像処理を実施した後、シアンの
吸収濃度を測定し特性曲線を求め、未露光部におけるシ
アン濃度を求めステインを評価した。ステインが小さい
ほど好ましい。 (エラー率評価)処理前にヘッドで信号を記録した時と
同一速度で信号を読み出し、入力ビット数に対し、エラ
ーを発生したビット数の比率(エラー率)を求めた。エ
ラー率もまた小さいほど好ましい。
【0314】
【表6】
【0315】本発明の効果は、ランニング処理時でも顕
著に見られ、ステイン及びエラー率が著しく低減した。
【0316】(実施例5)本願実施例1において、発色
現像主薬である2−メチル−4−〔N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン硫酸塩をD
A−3、DA−7、DA−10とそれぞれ等モル量変更
した以外は全く同様にして実験を行ったところ、実施例
1と同様に本発明の効果が顕著に見られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/00 530 G03C 7/00 530 7/42 7/42

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に、少なくとも1層のハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材
    料を、発色現像液を用いて、25〜90秒の時間で発色
    現像処理した後、漂白能を有する液によって、脱銀処理
    する方法において、該ハロゲン化銀乳剤層に含まれるハ
    ロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以上がアスペクト
    比2以上の平板状沃臭化銀粒子で占められ、該発色現像
    液がチオ硫酸塩、メタンチオスルフォン酸塩、チオシア
    ン酸塩及び下記一般式(A)〜(E)から選ばれるハロ
    ゲン化銀溶剤の少なくとも1種を含有しかつ、漂白能を
    有する液が下記一般式(I)〜(V)で表される化合物
    の第二鉄錯塩である漂白剤の少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処
    理方法。 一般式(A) 【化1】 式中、Qa1は5または6員の複素環を形成するのに必要
    な非金属原子群を表わす。尚、この複素環は炭素芳香環
    または複素芳香環と縮合していてもよい。La1は、単結
    合、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の
    複素環基又はこれらの組合せた連結基を表わす。Ra1
    カルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその
    塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基またはアンモ
    ニウム塩を表わす。qは1〜3の整数を表わし、Ma1
    水素原子またはカチオンを表わす。 一般式(B) 【化2】 式中Qb1は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子
    またはセレン原子により構成される5または6員のメソ
    イオン環を表わし、Xb1 -は−O- 、−S- または−N
    - b1を表わす。Rb1は脂肪族基、芳香族炭化水素基ま
    たは複素環基を表わす。 一般式(C) LC1−(AC1−LC2r −AC2−LC3 式中、LC1及びLC3は同一でも異なっていてもよく各々
    脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環基を表し、LC2
    二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の複素
    環連結基またはそれらを組み合わせた連結基を表す。A
    C1及びAC2はそれぞれ−S−、−O−、−NRC20 −、
    −CO−、−SO2 −またはそれらを組み合わせた基を
    表す。rは1〜10の整数を表す。ただし、LC1及びL
    C3の少なくとも1つは−SO3 C1、−PO3
    C2C3、−NRC1(RC2)、−N+ C3(RC4
    (RC5)・XC1 -、−SO2 NRC6(RC7)、−NRC8
    SO2 C9、−CONRC10 (RC11 )、−NRC12
    ORC13 、−SO2 C14 、−PO(−NRC15 (R
    C16 ))2 、−NRC17 CONRC18 (RC19 )、−C
    OOMC4または複素環基で置換されているものとする。
    C1、MC2、MC3及びMC4は同一でも異なっていてもよ
    く各々水素原子または対カチオンを表す。MC1〜MC20
    は同一でも異なってもよく各々水素原子、脂肪族基また
    は芳香族炭化水素基を表し、XC1 -は対アニオンを表
    す。ただしAC1及びAC2の少なくとも1つは−S−を表
    す。 一般式(D) 【化3】 式中、Xd 及びYd は脂肪族基、芳香族炭化水素基、複
    素環基、−N(Rd1)Rd2、−N(Rd3) N(Rd4) R
    d5、−ORd6、又は−SRd7を表わす。尚、Xd とYd
    は環を形成してもよいが、エノール化することはない。
    ただし、Xd 及びYd のうち少なくとも一つはカルボン
    酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、ホスホ
    ン酸もしくはその塩、アミノ基またはアンモニウム基、
    水酸基の少なくとも1つで置換されているものとする。
    d1、Rd2、Rd3、Rd4及びRd5は水素原子、脂肪族
    基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、Rd6及びR
    d7は水素原子、カチオン、脂肪族基、芳香族炭化水素基
    又は複素環基を表わす。 一般式(E) 【化4】 上記一般式(E)において、Re1、Re2、Re3およびR
    e4は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアルケニ
    ル基を表わす。 一般式(I) 【化5】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ水素原
    子、脂肪族基、芳香族基又はヒドロキシ基を表す。W1
    炭素原子を含む二価の連結基を表す。M1、M2、M3及びM4
    はそれぞれ水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(II) 【化6】 (式中、R7はアルキル基を表し、M5及びM6は、それぞれ
    水素原子又はカチオンを表す。) 一般式(III) 【化7】 (式中、M8、M9、M10 及びM11 はそれぞれ水素原子
    又はカチオンを表す。n は3又は4の整数を表す。) 一般式(IV) 【化8】 (式中、M12 、M13 、M14 及びM15 はそれぞれ
    水素原子又はカチオンを表す。W2は炭素原子を含む二価
    の連結基を表す。Xは水素原子または置換基を表す。m
    は0、1〜4の整数を表わす。m=2〜4の場合、Xは
    互いに異った置換基でもよい。) 一般式(V) 【化9】 (式中、R8 は脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘ
    テロ環基を表す。R9は水素原子、脂肪族炭化水素基、
    アリール基またはヘテロ環基を表す。L1 、L2
    3 、L4 およびL5 は、それぞれアルキレン基を表
    す。mおよびnは、それぞれ0または1を表す。W1
    よびW2 は、それぞれアルキレン基、アリーレン基、ア
    ラルキレン基または二価の含窒素ヘテロ環基を表す。D
    は単結合、−O−、−S−または−N(Rw )−を表
    す。Rw は水素原子、脂肪族炭化水素基またはアリール
    基を表す。vは0〜3の整数を表し、wは1〜3の整数
    を表す。M16、M17、M18およびM19は、それぞれ水素
    原子またはカチオンを表す。)
  2. 【請求項2】 該漂白能有する液による処理時間が25
    〜90秒であることを特徴とする請求項1に記載のハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 該漂白能を有する液が定着能も有する漂
    白定着液であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 該透明支持体を挟んでハロゲン化銀乳剤
    層の反対側に磁性体粒子を含有する磁気記録層を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載のハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8882100B2 (en) 2012-04-25 2014-11-11 Fuji Xerox Co., Ltd. Post-processing device, post-processing method, and image forming apparatus

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