JPH1039468A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法

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JPH1039468A
JPH1039468A JP21050096A JP21050096A JPH1039468A JP H1039468 A JPH1039468 A JP H1039468A JP 21050096 A JP21050096 A JP 21050096A JP 21050096 A JP21050096 A JP 21050096A JP H1039468 A JPH1039468 A JP H1039468A
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carbon atoms
layer
color
silver halide
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JP21050096A
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English (en)
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Hajime Nakagawa
肇 中川
Takeshi Nakamine
猛 中峯
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー感材を迅速な発色現像処理を行っても
下層の色再現性および鮮鋭性の劣化の小さいハロゲン化
銀カラー写真感光材料の処理方法を提供すること。 【解決手段】 青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロ
ゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有す
るカラー感材の少なくとも一層に一般式(I)で表され
る特定のDIR化合物を含有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料を、発色現像時間45〜150秒で現像処理
するハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。 一般式(I) A−O−C(=O)−N(X1 )−C
(X2 )(X3 )−DI

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー感材を迅速
な発色現像処理を行っても下層(支持体に近い側に設け
られた感光性層)の色再現性および鮮鋭性の劣化の小さ
いハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】カラー感材の現像処理は、その処理時間
の短縮の努力がなされてきている。カラーネガ感材の全
現像処理時間については、近年、ミニラボ市場向けに導
入された富士写真フイルム(株)の迅速処理CN−16
Lでは、ウェット処理時間で8分15秒まで短縮されて
い。
【0003】しかし、これまでの現像処理工程の時間短
縮は、主に脱銀工程の短縮によってなされてきたもの
で、発色現像時間は全処理時間の約40%を占め、その
割合は高いので発色現像処理時間の短縮が強く望まれて
いる。
【0004】発色現像時間を短縮させるには、発色現像
液の処理温度や発色現像主薬の濃度を高めることにより
可能であるが、このような方法で単に発色現像の活性だ
けを上げてもカラーネガの層構成で下層に位置する感光
性層の現像が相対的に遅れる。それ故、従来の公知のD
IR化合物の使用では十分な重層効果が得られず色再現
性が不満足であること、さらには満足できる鮮鋭性が得
られない等画質に問題点が生じてくることが解ってき
た。
【0005】一方、DIR化合物を含む感材を120秒
以下の発色現像時間で処理することにより粒状性を改良
することが、例えば特公平5−84891号公報に記載
されている。確かに記載の方法を用いることにより粒状
性は改良されるが、上記の色再現性や鮮鋭性の劣化とい
った問題点はほとんど改良されない。
【0006】また、特開平5−313322号公報に開
示されている具体的な化合物では、現像液温度を高く
し、発色現像時間を短縮した迅速処理では、色再現性や
鮮鋭性が未だ満足できるものでなく、さらなる改良が望
まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、迅速化した発色現像処理を実施しても色再現性、鮮
鋭性の画質に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料の
処理方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下のカラ
ー感材の処理方法によって達成できた。
【0009】(1)支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤
層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化
銀乳剤層を有し、少なくとも1層に一般式(I)で表さ
れる化合物を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料
を発色現像時間が45〜150秒で現像処理することを
特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方
法。
【0010】一般式(I) A−O−C(=O)−N(X1 )−C(X2 )(X3
−DI 式中、Aはカプラー残基を表し、X1 は複素環基または
−C(X4 )(X5 )−Y基を表し、Yは−SO
2 1 ,−SO2 NR1 2 ,−CONR1 2 ,−C
2 Z,−CN,−CF3 ,−CCl3 ,−NO2 基を
表し、R1 ,R2 は互いに独立して水素原子、それぞれ
置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表し、Zは
水素原子、それぞれ置換もしくは無置換のシクロアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表し、X
2 ,X3 ,X4 ,X5 は水素原子または置換基を表し、
DIは−C(X2 )(X3 )−とヘテロ原子で結合する
現像抑制剤残基を表す。
【0011】(2)発色現像液の温度が40〜60℃で
あることを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料の処理方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について順次詳細に
説明する。
【0013】まず一般式(I)で表される化合物について
以下に詳しく説明する。
【0014】以下に本発明の一般式(I) で表される化
合物について以下に詳しく説明する。
【0015】一般式(I) において、Aはカプラー残基
を表し、詳しくは、イエロー画像形成カプラー残基、マ
ゼンタ画像形成カプラー残基、シアン画像形成カプラー
残基、無呈色カプラー残基、または色素流出型カプラー
残基を表し、リサーチディスクロージャーNo.370
38(1995年2月)の80頁から85頁、および8
7頁から89頁に詳しく記載されている。
【0016】Aがイエロー色画像形成カプラー残基を表
すとき、例えば、ピバロイルアセトアニリド型、ベンゾ
イルアセトアニリド型、マロンジエステル型、マロンジ
アミド型、ジベンゾイルメタン型、ベンゾチアゾリルア
セトアミド型、マロンエステルモノアミド型、ベンゾオ
キサゾリルアセトアミド型、ベンゾイミダゾリルアセト
アミド型、ベンゾチアゾリルアセトアミド型、シクロア
ルカノイルアセトアミド型、インドリン−2−イルアセ
トアミド型、米国特許5,021,332号に記載され
たキナゾリン−4−オン−2−イルアセトアミド型、同
第5,021,330号に記載されたベンゾ−1,2,
4−チアジアジン−1,1−ジオキシド−3−イルアセ
トアミド型のカプラー残基、欧州特許421221A号
に記載されたカプラー残基、米国特許5,455,14
9号に記載されたカプラー残基、および欧州公開特許0
622673号に記載されたカプラー残基が挙げられ
る。Aがマゼンタ色画像形成カプラー残基を表すとき、
例えば5−ピラゾロン型、1H−ピラゾロ[1,5−
a]ベンズイミダゾール型、1H−ピラゾロ[5,1−
c][1,2,4]トリアゾール型、1H−ピラゾロ
[1,5−b][1,2,4]トリアゾール型、1H−
イミダゾ[1,2−b]ピラゾール型、シアノアセトフ
ェノン型、WO93/01523に記載された活性プロ
ペン型、WO93/07534に記載されたエナミン
型、1H−イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリ
アゾール型のカプラー残基、および米国特許第4,87
1,652号に記載されたカプラー残基が挙げられる。
【0017】Aがシアン色画像形成カプラー残基を表す
とき、例えばフェノール型、ナフトール型、欧州特許公
開第249453号に記載された2,5−ジフェニルイ
ミダゾール型、1H−ピロロ[1,2−b][1,2,
4]トリアゾール型、1H−ピロロ[2,1−c]
[1,2,4]トリアゾール型、特開平4−18813
7号、同4−190347号に記載されたピロール型、
特開平1−315736号に記載された3−ヒドロキシ
ピリジン型、米国特許第5,164,289号に記載さ
れたピロロピラゾール型、特開平4−174429号に
記載されたピロロイミダゾール型、米国特許第4,95
0,585号に記載されたピラゾロピリミジン型、特開
平4−204730号に記載されたピロロトリアジン型
カプラー残基、米国特許4746602号に記載された
カプラー残基、米国特許第5,104,783号に記載
されたカプラー残基、同第5,162,196号に記載
されたカプラー残基、および欧州特許第0556700
号に記載されたカプラー残基が挙げられる。
【0018】さらにAは実質的に色画像を残さないカプ
ラー残基であってもよい。この型のカプラー残基として
は、例えばインダノン型、アセトフェノン型などのカプ
ラー残基、欧州特許443530A号、同444501
A号、特開平6−138612号、同6−82995、
同6−82996号、または同6−82998号に記載
の溶出型のカプラー残基が挙げられる。
【0019】一般式(I)においてAで表されるカプラ
ー残基の好ましい例は下記一般式(Cp−1)、(Cp
−2)、(Cp−3)、(Cp−4)、(Cp−5)、
(Cp−6)、(Cp−7)、(Cp−8)、(Cp−
9)、(Cp−10)、(Cp−11)、または(Cp
−12)で表されるカプラー残基であるときである。こ
れらのカプラーはカップリング速度が大きく好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】 上式においてカップリング位より派生している自由結合
手は、一般式(I)における−O−C(=O)−N(X
1 )−C(X2 )(X3 )−DIの結合位置を表す。
【0022】上式において、R51、R52、R53、R54
55、R56、R57、R58、R59、R60、R61、R62、R
63、R64、R65、またはR66がバラスト基を含む場合、
それは炭素数の総数が8ないし40、好ましくは10な
いし30になるように選択され、それ以外の場合、炭素
数の総数は15以下が好ましい。ビス型、テロマー型ま
たはポリマー型のカプラーの場合には上記の置換基のい
ずれかが二価基を表わし、繰り返し単位などを連結す
る。この場合には炭素数の範囲は規定外であってもよ
い。
【0023】以下にR51〜R66、a、b、d、e、およ
びfについて詳しく説明する。本発明において、「置換
基群」とは、以下の基を包含する。その「置換基群」と
しては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4
0のもので、直鎖、分岐鎖で、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、1
−オクチル、トリデシル)、シクロアルキル基(好まし
くは炭素数3〜40のもので、例えば、シクロプロピ
ル、1−エチルシクロプロピル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマンチル)、
アルケニル基(好ましくは炭素数2〜40のもので、例
えば、ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル)、アリ
ール基(好ましくは炭素数6から32のアリール基で、
例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル)、複
素環基(好ましくは炭素数1から32のもので、5から
8員環で、例えば、2−チエニル、4−ピリジル、2−
フリル、2−ピリミジニル、1−ピリジル、2−ベンゾ
チアゾリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、ベン
ゾトリアゾール−2−イル)、シアノ基、シリル基(好
ましくは炭素数3〜40のもので、例えば、トリメチル
シリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、t−ブ
チルジメチルシリル、t−ヘキシルジメチルシリル)、
ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、アルコキ
シ基(好ましくは炭素数1〜40のもので、例えば、メ
トキシ、エトキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、イソ
プロポキシ、t−ブトキシ、ドデシルオキシ)、シクロ
アルキルオキシ基(好ましくは炭素数3から8のもの
で、例えば、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオ
キシ)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜40
のもので、例えば、フェノキシ、2−ナフトキシ)、複
素環オキシ基(好ましくは炭素数1〜40のもので、例
えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テ
トラヒドロピラニルオキシ、2−フリルオキシ)、シリ
ルオキシ基(好ましくは炭素数1〜40で、例えば、ト
リメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキ
シ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数2〜40のもので、例えば、アセト
キシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ドデカノ
イルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好まし
くは炭素数2〜40のもので、例えば、エトキシカルボ
ニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ)、シクロ
アルキルオキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数
4〜40で、例えば、シクロヘキシルオキシカルボニル
オキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好まし
くは炭素数7〜40のもので、例えば、フェノキシカル
ボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは炭
素数1〜40のもので、例えば、N,N−ジメチルカル
バモイルオキシ、N−ブチルカルバモイルオキシ)、ス
ルファモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜40のも
ので、例えば、N,N−ジエチルスルファモイルオキ
シ、N−プロピルスルファモイルオキシ)、アルカンス
ルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜40のもの
で、例えば、メタンスルホニルオキシ、ヘキサデカンス
ルホニルオキシ)、アレーンスルホニルオキシ基(好ま
しくは炭素数6〜40のもので、例えば、ベンゼンスル
ホニルオキシ)、アシル基(好ましくは炭素数1〜40
のもので、例えば、ホルミル、アセチル、ピバロイル、
ベンゾイル、テトラデカノイル)、アルコキシカルボニ
ル基(好ましくは炭素数2〜40のもので、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシル
オキシカルボニル)、シクロアルキルオキシカルボニル
基(好ましくは炭素数4〜40のもので、例えば、シク
ロヘキシルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボ
ニル基(好ましくは炭素数7〜40のもので、例えば、
フェノキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは
炭素数1〜40のもので、例えば、カルバモイル、N,
N−ジブチルカルバモイル、N−エチル−N−オクチル
カルバモイル、N−プロピルカルバモイル)、アミノ基
(好ましくは炭素数32以下のもので、例えば、アミ
ノ、メチルアミノ、N,N−ジオクチルアミノ、テトラ
デシルアミノ、オクタデシルアミノ)、アニリノ基(好
ましくは炭素数6〜40のもので、例えば、アニリノ、
N−メチルアニリノ)、複素環アミノ基(好ましくは炭
素数1〜40のもので、例えば、4−ピリジルアミ
ノ)、カルボンアミド基(好ましくは炭素数2〜40の
もので、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、テトラ
デカンアミド)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜4
0のもので、例えば、ウレイド、N,N−ジメチルウレ
イド、N−フェニルウレイド)、イミド基(好ましくは
炭素数10以下のもので、例えば、N−スクシンイミ
ド、N−フタルイミド)、アルコキシカルボニルアミノ
基(好ましくは炭素数2〜40のもので、例えば、メト
キシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t
−ブトキシカルボニルアミノ、オクタデシルオキシカル
ボニルアミノ)、シクロアルキルオキシカルボニルアミ
ノ基(好ましくは炭素数4〜40のもので、例えば、シ
クロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリールオキ
シカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜40のも
ので、例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、スルホ
ンアミド基(好ましくは炭素数1〜40のもので、例え
ば、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、ベ
ンゼンスルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミ
ド)、スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜
40のもので、例えば、N,N−ジプロピルスルファモ
イルアミノ、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル
アミノ)、アゾ基(好ましくは炭素数1〜40のもの
で、例えば、フェニルアゾ)、アルキルチオ基(好まし
くは炭素数1〜40のもので、例えば、エチルチオ、オ
クチルチオ)、シクロアルキルチオ基(好ましくは炭素
数3〜40のもので、例えば、シクロヘキシルチオ)、
アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜40のもので、
例えば、フェニルチオ)、複素環チオ(好ましくは炭素
数1〜40のもので、例えば、2−ベンゾチアゾリルチ
オ、2−ピリジルチオ、1−フェニルテトラゾリルチ
オ)、アルキルスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜
40のもので、例えば、ドデカンスルフィニル)、アレ
ーンスルフィニル基(好ましくは炭素数6〜40のもの
で、例えば、ベンゼンスルフィニル)、アルカンスルホ
ニル基(好ましくは炭素数1〜40のもので、例えば、
メタンスルホニル、オクタンスルホニル)、アレーンス
ルホニル基(好ましくは炭素数6〜40のもので、例え
ば、ベンゼンスルホニル、1−ナフタレンスルホニ
ル)、アルコキシスルホニル基(好ましくは炭素数1〜
40のもので、例えば、メトキシスルホニル、エトキシ
スルホニル)、シクロアルキルオキシスルホニル基(好
ましくは炭素数3〜40のもので、例えば、シクロプロ
ピルオキシスルホニル)、アリールオキシスルホニル基
(好ましくは炭素数6〜40のもので、例えば、フェノ
キシスルホニル、p−メチルフェノキシスルホニル)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数32以下のもの
で、例えば、スルファモイル、N,N−ジプロピルスル
ファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイ
ル)、スルホ基、ホスホニル基(好ましくは炭素数1〜
40のもので、例えば、フェノキシホスホニル、オクチ
ルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、ホスフィ
ノイルアミノ基(ジエトキシホスフィノイルアミノ、ジ
オクチルオキシホスフィノイルアミノ)を挙げることが
できる。
【0024】以下に一般式(Cp−1)〜(Cp−1
2)の置換基R51〜R66、a、b、d、e及びfについ
てさらに詳細に説明する。
【0025】一般式(Cp−1)において、R51はアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基
を表す。aは0または1を表す。R52は水素原子、アル
キル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基
を表す。
【0026】一般式(Cp−2)において、R51はアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環基
を表し、R52およびR53は互いに独立して水素原子、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基または複素環
基を表し、bは0または1を表す。
【0027】一般式(Cp−3)において、R54はアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、カ
ルボンアミド基、スルホンアミド基、アミノ基、アニリ
ノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ
基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ウレ
イド基、アルコキシカルボニルアミノ基を表す。R55
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、または複
素環基を表す。
【0028】一般式(Cp−4)および(Cp−5)に
おいて、R56およびR57は互いに独立して、水素原子、
アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、アミノ基、
アニリノ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、
アリールチオ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ
基、アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボ
ニルアミノ基、またはシクロアルキルオキシカルボニル
アミノ基を表す。
【0029】一般式(Cp−6)および(Cp−7)に
おいて、R58およびR60は互いに独立して、アルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、または複素環基を
表し、R59はアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、複素環基、シリル基、カルボンアミド基、スルホン
アミド基、アミノ基、アニリノ基、アルキルチオ基、シ
クロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、
シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、ウレイド
基、アルコキシカルボニルアミノ基、シクロアルキルオ
キシカルボニルアミノ基またはハロゲン原子を表し、d
は0ないし3の整数を表す。dが複数のとき複数個のR
59は同じ置換基または異なる置換基を表す。
【0030】一般式(Cp−8)において、R61はアル
キル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、カ
ルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキ
ルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、
シアノ基、スルファモイル基、カルボンアミド基、ウレ
イド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シクロアルキ
ルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニ
ルアミノ基、またはスルホンアミド基を表し、R62はア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、
カルボンアミド基、スルホンアミド基、アミノ基、アニ
リノ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリ
ールチオ基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、
アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボニル
アミノ基、シクロアルキルオキシカルボニルアミノ基ま
たはハロゲン原子を表し、eは0ないし4の整数を表
す。eが複数のとき、複数個のR62は同じものまたは異
なるものを表す。
【0031】一般式(Cp−9)および(Cp−10)
において、R63はアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、複素環基、カルボンアミド基、スルホンアミド
基、アミノ基、アニリノ基、アルキルチオ基、シクロア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、シクロ
アルキルオキシ基、アリールオキシ基、ウレイド基、ア
ルコキシカルボニルアミノ基、シクロアルキルオキシカ
ルボニルアミノ基、またはハロゲン原子を表し、eは0
ないし4の整数を表し、fは0ないし2の整数を表す。
eまたはfが複数のとき、複数個のR63は同じものまた
は異なるものを表す。
【0032】一般式(Cp−11)および(Cp−1
2)において、R64およびR65は互いに独立してカルバ
モイル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シア
ノ基、スルファモイル基、アルカンスルホニル基、アレ
ーンスルホニル基、またはニトロ基を表し、R66は水素
原子、アルキル、シクロアルキル、アリール、または複
素環基を表す。
【0033】置換基R51〜R66の説明で挙げた基の炭素
数および具体例は、上記「置換基群」として示したもの
と同義である。R51〜R66で表される基はさらに置換基
を有していてもよく、好ましい置換基としてはハロゲン
原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、
アリール基、複素環基、シアノ基、シリル基、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、シ
クロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、複素環オキ
シ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカ
ルボニルオキシ基、シクロアルキルオキシカルボニルオ
キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、カルバモ
イルオキシ基、スルファモイルオキシ基、アルカンスル
ホニルオキシ基、アレーンスルホニルオキシ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイ
ル基、アミノ基、アニリノ基、複素環アミノ基、カルボ
ンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シクロア
ルキルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカル
ボニルアミノ基、ウレイド基、スルホンアミド基、スル
ファモイルアミノ基、イミド基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、複素環チオ基、スルフィニル基、スルホ
基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基、ス
ルファモイル基、ホスホニル基、およびホスフィノイル
アミノ基を挙げることができ、これらの基の好ましい炭
素数及び具体例は、上記「置換基群」として示したもの
と同義である。R51〜R66で表される基のさらに好まし
い置換基はハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、シリル基、ヒドロキシル基、カルボキ
シル基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリ
ールオキシ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキ
ルオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボンアミ
ド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シクロアルキル
オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニル
アミノ基、ウレイド基、スルホンアミド基、イミド基、
アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ
基、アルカンスルホニル基、アレーンスルホニル基、ホ
スホニル基、ホスフィノイルアミノ基である。これらの
基の好ましい炭素数及び具体例は、上記「置換基群」と
して示したものと同義である。
【0034】次にR51〜R66、a、b、d、e、および
fの好ましい範囲について説明する。
【0035】一般式(Cp−1)において、aが0のと
き、R51はアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、または複素環基が好ましく、R52はアリール基が好
ましい。aが1のとき、R51はアルキル基、シクロアル
キル基、またはアリール基が好ましく、R52はアリール
基が好ましい。
【0036】一般式(Cp−2)において、bが0のと
き、R53は複素環基が好ましく、R51はアリール基が好
ましく、R52は水素原子が好ましい。bが1のとき、R
53はアリール基が好ましく、R51はアリール基が好まし
く、R52はアルキル基、シクロアルキル基、または水素
原子が好ましく、R51がアリール基であり、かつR52
アルキル基の場合には、R51とR52が結合して窒素原子
とともに5員の複素環を形成し、さらにベンゼン環が縮
環することが好ましい。
【0037】一般式(Cp−3)において、R54がアル
キル基、カルボンアミド基、またはアニリノ基であり、
かつR55が置換フェニル基であることが好ましく、R54
がカルボンアミド基またはアニリノ基であり、かつR55
が2,4,6−トリクロロフェニル基,2,5−ジクロ
ロフェニル、またはペンタクロロフェニルであることが
さらに好ましい。
【0038】一般式(Cp−4)および(Cp−5)に
おいてR56がアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、またはア
リールオキシ基であり、R57がアルキル基、シクロアル
キル基、またはアリール基である場合が好ましく、R56
がアルキル基またはシクロアルキル基であり、R57がア
ルキル基、シクロアルキル基、またはアリール基である
場合がさらに好ましい。
【0039】一般式(Cp−6)において、R58はアル
キル基、シクロアルキル基、またはアリール基が好まし
く、R59はアルキル基、シクロアルキル基、カルボンア
ミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、アルコキシカ
ルボニルアミノ基、シクロアルキルオキシカルボニルア
ミノ基、またはハロゲン原子が好ましく、dは1または
2が好ましい。
【0040】一般式(Cp−7)において、R60は置換
フェニル基が好ましく、R59はアルキル基、シクロアル
キル基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイ
ド基、アルコキシカルボニルアミノ基、またはハロゲン
原子が好ましく、dは1または2が好ましい。R60が少
なくとも1個のシアノ基もしくは塩素原子が置換したフ
ェニル基であり、R59がカルボンアミド基、スルホンア
ミド基、ウレイド基、またはアルコキシカルボニルアミ
ノ基であり、dが1である場合がさらに好ましい。
【0041】一般式(Cp−8)において、R61は複素
環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シク
ロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、シアノ基、スルファモイル基、カルボンアミド
基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、シク
ロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニルアミノ基、またはスルホンアミド基が好ましく、R
62はカルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド
基、アルコキシカルボニルアミノ基、シクロアルキルオ
キシカルボニルアミノ基、またはハロゲン原子が好まし
く、eは0ないし2の整数が好ましく、R61がカルバモ
イル基またはスルファモイル基であり、R62がカルボン
アミド基、ウレイド基、またはアルコキシカルボニルア
ミノ基であり、eが0または1である場合がさらに好ま
しい。
【0042】一般式(Cp−9)および(Cp−10)
において、R63はアルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、アルキ
ルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、ア
ルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ
基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、また
はシクロアルキルオキシカルボニルアミノ基が好まし
く、eは1ないし2の整数が好ましく、fは1または2
が好ましい。
【0043】一般式(Cp−11)および(Cp−1
2)において、R64はシアノ基、カルバモイル基、アル
コキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル
基、またはアリールオキシカルボニル基が好ましく、R
65はカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、シクロ
アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、またはシアノ基が好ましく、R66はアルキル基、
シクロアルキル基、またはアリール基が好ましく、R64
がシアノ基であり、R65がアルコキシカルボニル基、シ
クロアルキルオキシカルボニル基、またはアリールオキ
シカルボニル基であり、R66がアルキル基、シクロアル
キル基、またはアリール基である場合がさらに好まし
い。
【0044】R51〜R66、a、b、d、eおよびfの好
ましい範囲についても、好ましい炭素数および具体例
は、上記「置換基群」として示したものと同義である。
【0045】一般式(I)において、X1 は複素環基
(上記「置換基群」として示したものと同義である)、
または−C(X4 )(X5 )−Y基を表す。
【0046】Yは−SO2 1 、−SO2 NR1 2
−CONR1 2 、−CO2 Z、−CN、−CF3 、−
CCl3 、または−NO2 基を表す。
【0047】R1 、R2 はそれぞれ独立に水素原子、置
換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル基、
アルケニル基、アリール基、または複素環基を表し、い
ずれも上記「置換基群」として示したものと同義であ
る。R1 、R2 が置換基をもつ場合の置換基は、上記
「置換基群」として示したものと同義である。R1 、R
2は互いに結合して含窒素環を形成してもよい。
【0048】好ましいR1 、R2 は互いに独立して水素
原子、または置換もしくは無置換のアルキル基であり、
より好ましくは水素原子、もしくはヒドロキシル基およ
び/またはカルボキシル基を置換基として有する炭素数
10以下のアルキル基である。
【0049】R1 、R2 の好ましい範囲についても、好
ましい炭素数および具体例は、上記「置換基群」として
示したものと同義である。
【0050】Zは水素原子、置換もしくは無置換の、シ
クロアルキル基、アルケニル基、アリール基、または複
素環基を表し、それぞれR40の説明の中で定義したもの
と同義である。Zが置換基をもつ場合の置換基は、R40
として挙げた基である。
【0051】好ましいZは水素原子、置換または無置換
のアリール基であり、より好ましくは水素原子、または
炭素数10以下の置換アリール基であり、好ましい置換
基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基
である。
【0052】Yは−CONR1 2 、−CO2 Z、−C
N、−CF3 である場合が好ましく、−CNである場合
が最も好ましい。
【0053】X2 、X3 、X4 、およびX5 は互いに独
立して水素原子または置換基を表す。この場合の置換基
とは上記「置換基群」として示したものと同義である
が、上記「置換基群」として示した基によってさらに置
換されていてもよい。
【0054】好ましいX2 、X3 、X4 、およびX5
互いに独立して水素原子、置換もしくは無置換の、アル
キル基、またはアリール基であり、最も好ましくはいず
れも水素原子である場合である。
【0055】X2 、X3 、X4 、およびX5 の好ましい
範囲についても、好ましい炭素数および具体例は、上記
「置換基群」として示したものと同義である。
【0056】本発明の一般式(I)で表される化合物
は、特に好ましくは下記一般式(II)で表される場合で
ある。
【0057】一般式(II) A−O−C(=0)−N(−CH2 −Y)−CH2 −D
I 式中、A、Y、DIは、一般式(I)の説明の中で定義
したものと同義である。
【0058】以下に一般式(I)中、−N(X1 )−C
(X2 )(X3 )−で表される部分構造の好ましい具体
例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0059】
【化3】
【0060】
【化4】
【0061】
【化5】 次に一般式(I) においてDIで表される現像抑制剤基
について説明する。
【0062】DIで表される現像抑制剤としては例えば
リサーチディスクロージャー(Research Di
sclosure)No.37038(1995年2
月)の86頁〜88頁に記載された現像抑制剤もしくは
DIRカプラーから放出されることができる現像抑制剤
が挙げられ、さらに詳しくはリサーチディスクロージャ
ーNo.17643(1978年12月)、米国特許
4,477,563号、同5,021,332号、同
5,026,628号、同3,227,554号、同
3,384,657号、同3,615,506号、同
3,617,291号、同3,733,201号、同
3,933,500号、同3,958,993号、同
3,961,959号、同4,149,886号、同
4,259,437号、同4,095,984号、同
4,782,012号、英国特許第1450479号、
特公昭63−49216号、または米国特許第5,03
4,311号に記載されている現像抑制剤が含まれる。
好ましくは複素環チオ基、複素環セレノ基またはトリア
ゾリル基(単環もしくは縮合環の1,2,3−トリアゾ
リルもしくは1,2,4−トリアゾリル)であり、特に
好ましくはテトラゾリルチオ、テトラゾリルセレノ、
1,3,4−オキサジアゾリルチオ、1,3,4−チア
ジアゾリルチオ、1−(または2−)ベンゾトリアゾリ
ル、1,2,4−トリアゾール−1−(または4−)イ
ル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、2−ベンゾ
チアゾリルチオ、2−ベンゾオキサゾリルチオ、2−ベ
ンゾイミダゾリルチオおよびこれらの誘導体が含まれ
る。好ましい現像抑制剤として作用する基は下記一般式
DI−1〜DI−6で示される。
【0063】
【化6】 式中、R91はハロゲン原子(例えばブロム原子、クロル
原子)、それぞれ置換もしくは無置換の、アルキル基
(炭素数1〜20、好ましくは1〜10の、直鎖もしく
は分岐のもので、例えばメチル、エチル、ブチル、t−
ブチル、ネオペンチル、t−アミル、プロピルオキシカ
ルボニルメチル、ブトキシカルボニルエチル、4−メト
キシベンジル、ベンジル)、シクロアルキル基(炭素数
3から20、好ましくは3〜10のもので、例えば、シ
クロプロピル、1−エチルシクロプロピル、シクロペン
チル、シクロヘキシル、1−ノルボルニル、1−アダマ
ンチル)、アリール基(炭素数6〜20、好ましくは6
〜15のもので、例えばフェニル、ナフチル、4−ヒド
ロキシフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、4
−エトキシカルボニルフェニル)、複素環基(炭素数1
〜20、好ましくは1〜12のもので、ヘテロ原子とし
て例えば窒素原子、酸素原子または硫黄原子を少なくと
も一個含み、好ましくは5もしくは6員環の、単環もし
くは縮合環の複素環で、例えば2−ピリジル、2−フリ
ル、1−ピロリル、モルホリノ、1−インドリニル、ア
ルコキシ基(炭素数1〜20、好ましくは1〜10のも
ので、例えばメトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ)、
シクロアルキルオキシ基(炭素数3〜20、好ましくは
3〜10のもので、例えば、シクロプロピルオキシ、1
−エチルシクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキ
シ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(炭素
数6〜20、好ましくは6〜10のもので、例えばフェ
ノキシ、4−メトキシフェノキシ、ナフトキシ)、複素
環オキシ基(好ましくは炭素数1〜10のもので、例え
ば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テト
ラヒドロピラニルオキシ、2−フリルオキシ)、シリル
オキシ基(好ましくは炭素数1〜12のもので、例え
ば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ、ジフェニルメチルシリルオキシ)、アシルオ
キシ基(好ましくは炭素数2〜10のもので、例えば、
アセトキシ、ピバロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、ド
デカノイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基
(好ましくは炭素数2〜10のもので、例えば、エトキ
シカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキ
シ)、シクロアルキルオキシカルボニルオキシ基(好ま
しくは炭素数4〜10のもので、例えば、シクロヘキシ
ルオキシカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニ
ルオキシ基(好ましくは炭素数7〜12のもので、例え
ば、フェノキシカルボニルオキシ)、カルバモイルオキ
シ基(好ましくは炭素数1〜10のもので、例えば、
N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N−ブチルカル
バモイルオキシ)、スルファモイルオキシ基(好ましく
は炭素数1〜10のもので、例えば、N,N−ジエチル
スルファモイルオキシ、N−プロピルスルファモイルオ
キシ)、アルカンスルホニルオキシ基(好ましくは炭素
数1〜10のもので、例えばメタンスルホニルオキシ、
ブタンスルホニルオキシ)、アレーンスルホニルオキシ
基(好ましくは炭素数6〜12のもので、例えば、ベン
ゼンスルホニルオキシ)、アミド基(炭素数2〜20、
好ましくは2〜10のもので、例えばアセトアミド、ペ
ンタンアミド、ヘキサンアミド、ヘプタンアミド、ベン
ズアミド)、アルカンスルホンアミド基(炭素数1〜2
0、好ましくは1〜10のもので、例えばメタンスルホ
ンアミド、ブタンスルホンアミド)、アレーンスルホン
アミド基(炭素数6〜20、好ましくは6〜15のもの
で、例えばベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスル
ホンアミド)、アルコキシカルボニルアミノ基(炭素数
1〜20、好ましくは1〜10のもので、例えばエトキ
シカルボニルアミノ)、シクロアルキルオキシカルボニ
ルアミノ基(好ましくは炭素数4〜10のもので、例え
ば、シクロヘキシルオキシカルボニルアミノ)、アリー
ルオキシカルボニルアミノ基(炭素数7〜20、好まし
くは7〜15のもので、例えばフェノキシカルボニルア
ミノ)、ウレイド基(炭素数1〜20、好ましくは1〜
10のもので、例えばN−フェニルウレイド)、ニトロ
基、アシル基(炭素数1〜20、好ましくは2〜10の
もので、例えばアセチル、ベンゾイル)、アルコキシカ
ルボニル基(炭素数2〜20、好ましくは2〜10のも
ので、例えばメトキシカルボニル、ブトキシカルボニル
メトキシカルボニル、イソアミルオキシカルボニルメト
キシカルボニル)、シクロアルキルオキシカルボニル基
(好ましくは炭素数4〜10のもので、例えば、シクロ
プロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカル
ボニル)、アリールオキシカルボニル基(炭素数7〜2
1、好ましくは7〜11のもので、例えばフェノキシカ
ルボニル)、カルバモイル基(炭素数1〜20、好まし
くは1〜10のもので、例えばN−ブチルカルバモイ
ル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−メチルカルバ
モイル)、シアノ、アルキルチオ基(炭素数1〜20、
好ましくは1〜10のもので、例えばメチルチオ、ブチ
ルチオ、ヘキシルチオ)、アリールチオ基(炭素数6〜
20、好ましくは6〜15のもので、例えばフェニルチ
オ、ナフチルチオ)、アルカンスルホニル基(炭素数1
〜20、好ましくは1〜10のもので、例えばメタンス
ルホニル、ブタンスルホニル)、アレーンスルホニル基
(炭素数6〜20、好ましくは6〜15のもので、例え
ばベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル)、ア
ルコキシスルホニル基(好ましくは炭素数1〜10のも
ので、例えば、メトキシスルホニル、エトキシスルホニ
ル)、シクロアルキルオキシスルホニル基(好ましくは
炭素数3〜10のもので、例えば、シクロプロピルオキ
シスルホニル)、アリールオキシスルホニル基(好まし
くは炭素数6〜12のもので、例えば、フェノキシスル
ホニル、p−メチルフェノキシスルホニル)、またはス
ルファモイル基(炭素数1〜20、好ましくは1〜10
のもので、例えばN−ブチルスルファモイル、N,N−
ジメチルスルファモイル)が挙げられる。R91はさらに
置換基を有してもよく、好ましい置換基はR91として挙
げた基である。
【0064】式中、R92はアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、または複素環基を表し、これらの基の
好ましい具体例はR91の説明で挙げたものと同じであ
る。Vは酸素原子、硫黄原子、または−N(R93)−を
表し、R93はR92と同じ意味の基を表す。kは0〜4の
整数、gは0または1を表す。以下に好ましい現像抑制
剤の具体例を示すが、本発明はこれらによって限定され
ない。
【0065】
【化7】
【0066】
【化8】 一般式(I)で表される化合物は一般式(II)で表され
る場合が好ましいのは前述した通りであるが、さらに一
般式(II)において、AとDIの好ましい組み合わせに
ついて述べる。
【0067】一般式(II)で表される化合物において、
Aで表される基が一般式(Cp−1)、(Cp−2)、
(Cp−6)、(Cp−7)、(Cp−8)、または
(Cp−11)であり、DIが一般式(DI−1)、
(DI−2)、(DI−3)または(DI−6)である
場合が好ましく、Aで表される基が一般式(Cp−1)
または(Cp−8)であり、DIが一般式(DI−
1)、(DI−2)または(DI−6)である場合がさ
らに好ましい。
【0068】以下に本発明の一般式(I)で表されるカ
プラーの具体例を示すが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0069】
【化9】
【0070】
【化10】
【0071】
【化11】
【0072】
【化12】
【0073】
【化13】
【0074】
【化14】
【0075】
【化15】
【0076】
【化16】
【0077】
【化17】
【0078】
【化18】
【0079】
【化19】
【0080】
【化20】
【0081】
【化21】
【0082】
【化22】
【0083】
【化23】
【0084】
【化24】 本発明の一般式(I)で表される化合物は特開平5−3
13322号、同5−331145号に記載された方法
に準じて合成することができる。
【0085】以下に、本発明の一般式(I)で表される
化合物の具体的な合成例を示す。
【0086】合成例1(例示化合物(1)の合成) 例示化合物(1)は、下記反応式により合成された。
【0087】
【化25】 中間体(I−3)の合成 (I−1)40.0gと(I−2)17.5gを酢酸エ
チル300mlに溶かした混合物中に、トリエチルアミ
ン23mlを添加した。この混合物を80℃で3時間撹
拌した。その後、反応混合物を氷冷し、1N塩酸200
ml、ヘキサン300mlを順次添加した。析出した結
晶をろ取し、ヘキサンで洗浄後、乾燥することにより中
間体(I−3)を18.0g(収率37%)得た。
【0088】中間体(I−4)の合成 (I−3)18.0g、パラホルムアルデヒド10.0
g、酢酸30ml、1,2−ジクロロエタン100ml
の混合物を加熱還流下、10時間反応させた。室温に冷
却後、反応液を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶
媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製することにより中間体(I−4)を7.0g
(収率37%)得た。化合物の構造は 1HNMRおよび
マススペクトル(MS M/z 603(M))によ
って確認した。 1HNMR(CDCl3 ) δ0.90
(3H,t)、1.0〜1.6(22H,m)、1.9
0(2H,m)、4.07(2H,brt)、4.4
0,4.52(合わせて2H,s、立体異性体混合物の
ため)、5.05,5.28(合わせて2H,s)、
6.79(1H,d)、6.97(1H,t)、7.0
8(1H,t)、7.28(1H,s)、7.50−
7.80(3H,m)、8.33(1H,d)、8.4
5,(1H,br)、8.63(1H,br)、13.
64(1H,br) 例示化合物(1)の合成 (I−4)6.5g、(I−5)3.4g、ジクロロエ
タン100mlの混合物中に室温でヨウ化亜鉛14.4
gを加え15時間反応させた。1N塩酸を50ml添加
後、有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒留去した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによ
り例示化合物(1)を3.8g(収率48%)得た。融
点100〜102℃。化合物の構造は 1HNMRおよび
マススペクトル(MS M/z743(M))によっ
て確認した。 1HNMR(CDCl3 ) δ0.90
(3H,t)、1.02(3H,t)、1.1〜1.6
(24H,m)、1.93(4H,m)、4.10(2
H,m)、4.31(2H,m)、4.70,4.93
(合わせて2H,s、立体異性体混合物のため)、6.
05,6.22(合わせて2H,s)、6.98(1
H,d)、7.05(1H,t)、7.12(1H,
t)、7.38,7.40(合わせて1H,s)、7.
62(1H,t)、7.70(1H,t)、7.85,
7.92(合わせて1H,d)、8.40(1H,
d)、8.53(1H,d)、8.70(1H,s)、
13.65(1H,s) 合成例2(例示化合物(18)の合成) 例示(18)化合物は、下記反応式により合成された。
【0089】
【化26】 中間体(II−3)の合成 (II−1)100mlと(II−2)200gの混合物を
アスピレーターで減圧下、130℃で8時間撹拌した。
反応混合物を60℃まで冷却し、メタノール800m
l、水40mlを加えて再び加熱溶解した。放冷後、析
出した結晶をろ取し、メタノールで洗浄、乾燥すること
により中間体(II−3)を176g(収率71%)得
た。
【0090】中間体(II−4)の合成 (II−3)120gをジクロロメタン600mlに溶か
した溶液に、室温にて塩化スルフリル12.8mlを添
加した。室温で1時間撹拌後、反応液を水、飽和食塩水
で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を留去した。残渣にN,N−ジメチルアセトア
ミド130ml、酢酸70mlを加えて溶解した溶液に
無水酢酸カリウム60gを加え、55℃で1時間撹拌し
た。放冷後反応混合物に酢酸エチルを800ml加え、
水、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナト
リウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をメタノール3
00mlに溶解し、窒素気流下30%アンモニア水90
mlを添加した。混合物を40℃に加熱し2時間反応さ
せた。反応液を氷冷し、6N塩酸120mlを添加し
た。反応液を酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で順
次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒
を留去することによって中間体(II−4)の粗生成物を
122g得た。このものは精製することなく、次の反応
に用いた。
【0091】中間体(II−6)の合成 (II−5)60g、パラホルムアルデヒド8.6g、
(I−5)42.9g、無水臭化銅(II)30.3g、
1,2−ジクロロエタン500mlの混合物を45℃で
10時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷後、1N
塩酸300mlを添加した。有機層を水、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製することによって、中間体(II−6)を53g(収率
50%)得た。
【0092】例示化合物(18)の合成 (II−4)26.7g、(II−6)11.1gをN,N
−ジメチルホルムアミド80mlに溶かした溶液に、窒
素気流下、無水炭酸カリウム18.8gを添加した。室
温で3時間反応後酢酸エチル600ml、水300ml
を添加した。有機層を炭酸カリウム水溶液、0.5N塩
酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより、例示化合物
(18)を14.7g(収率50%)得た。アモルファ
ス。化合物の構造は 1HNMRおよびマススペクトル
(MSm/z 1034(M+1))によって確認し
た。 1HNMR(CDCl3)δ0.95(3H,
t)、1.00(3H,t)、1.1〜1.5(30
H,m)、1.92(2H,m)、2.90(2H,
m)、4.30(2H,t)、4.80(2H,m)、
5.09(1H,t)、6.02(2H,m)、6.5
2,6.63(合わせて1H,s、立体異性体混合物の
ため)、7.25−7.77(8H,m)、8.0−
8.2(3H,m)、8.57,8.70(合わせて1
H,s)、8.83,9.15(合わせて1H,s) 本発明の一般式(I)で表される化合物は、感光材料中
の重層効果付与層に充分な重層効果を与え色再現性を改
良するため、あるいは鮮鋭性を向上するために使用され
るが、その添加量は感光材料1m2 当り1×10-6〜1
×10-2モルの範囲である。好ましくは5×10-5〜1
×10-3モルの範囲である。
【0093】一般式(I)で表される化合物を使用する
層は青感性乳剤層、緑感性乳剤層赤感性乳剤層あるいは
非感光性層(例えば中間層、アンチハレーション層、保
護層など)のいずれの層にも使用することができる。特
に本発明の発色現像時間を迅速化した場合の現像処理に
好ましい。
【0094】一般式(I)の化合物は、同一化合物を複
数の層に、あるいは異なる化合物を同一層に、また目的
に応じてそれぞれ各層に使い分けることができる。さら
に、公知のDIR化合物(例えば、RD307105等
に記載のDIR化合物)と併用することもできる。
【0095】なお、本発明の一般式(I)で表される化
合物は、前記特開平5−313322号公報に記載の具
体的な化合物に対して、式(I)のX1 に特徴を有する
ものであって、X1 を特定することによって本発明の課
題を見事に達成するものである。
【0096】次に、本発明の現像処理について詳細に述
べる。
【0097】本発明の現像処理は、それぞれ発色現像工
程、脱銀工程、乾燥工程を包含する。以下に好ましい具
体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0098】 (1) 発色現像−漂白−定着−水洗−安定−乾燥 (2) 発色現像−漂白−漂白定着−定着−水洗−安定−乾
燥 (3) 発色現像−漂白定着−水洗−安定−乾燥 (4) 発色現像−漂白−漂白定着−水洗−安定−乾燥 (5) 発色現像−漂白定着−定着−水洗−安定−乾燥 (6) 発色現像−漂白−水洗−定着−水洗−安定−乾燥 上記の処理工程において、安定の前の工程の水洗は省略
することができる。また最終の安定も省略することが可
能である。
【0099】以下に本発明の現像処理における発色現像
処理について説明する。
【0100】本発明の処理方法における発色現像処理の
発色現像時間は、45秒以上150秒以下であり、好ま
しくは50秒以上135秒以下、最も好ましくは50秒
以上120秒以下である。
【0101】本発明の処理方法における「発色現像時
間」とは、処理されるべき感光材料が、発色現像液に入
ってから出るまでの時間と、クロスオーバー時間(発色
現像液を出て、次の工程の処理液に入るまでの時間)と
の和をいう。クロスオーバー時間は短かい程好ましい
が、処理機器の性能上2秒以上10秒以下が好ましく、
3秒以上7秒以下がより好ましい。
【0102】該発色現像時間は、発色現像処理液中の現
像主薬の種類及び濃度、ハロゲンイオン(特にBr-
濃度、処理液の温度、pH等によって変更することがで
きる。
【0103】本発明の発色現像処理の現像主薬は、p−
フェニレンジアミン誘導体であり、好ましい代表例を以
下に示す。
【0104】(D−1) 2−メチル−4−[N−エチ
ル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ]アニリン (D−2) 2−メチル−4−[N−エチル−N−(3
−ヒドロキシプロピル)アミノ]アニリン (D−3) 2−メチル−4−[N−エチル−N−(4
−ヒドロキシブチル)アミノ]アニリン (D−4) 2−メチル−N,N−ジエチル−p−フェ
ニレンジアミン (D−5) 2−メチル−4−[N−エチル−N−(β
−メタンスルホンアミドエチル)アミノ]アニリン (D−6) 2−メトキシ−4−[N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ]アニリン (D−7) 4−メチル−3−メトキシ−N,N−ビス
(3−ヒドロキシプロピル)アニリン (D−8) 4−アミノ−3−イソプロピオキシ−N,
N−ビス(β−ヒドロキシエチル)アニリン (D−9) 1−(β−ヒドロキシエチル)−5−アミ
ノ−6−メチル−インドリン (D−10) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−
(3,4−ジヒドロキシブチル)−2,2,4,7−テ
トラメチル−6−アミノ−キノリン (D−11) 1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(β
−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−6−ア
ミノ−7−メチル−キノリン 本発明の発色現像処理において、D−1、D−2、D−
3、D−6、D−7、D−8、D−10、D−11が特
に好ましく、D−1、D−2、D−3がより好ましく、
D−1が最も好ましい。
【0105】現像主薬の濃度は、処理液1リットル当た
り、10ミリモル以上80ミリモル以下であり、好まし
くは15ミリモル以上60ミリモル以下、より好ましく
は20ミリモル以上50ミリモル以下、特に好ましくは
25ミリモル以上45ミリモル以下である。
【0106】該現像主薬濃度範囲内において、上記現像
主薬を2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0107】本発明の処理方法における発色現像処理に
おいて臭化物イオンはカブリ防止剤として特に重要であ
り、Br- 濃度は処理液1リットル当たり、15ミリモ
ル以上60ミリモル以下、好ましくは16ミリモル以上
42ミリモル以下であり、特に好ましくは16ミリモル
以上35ミリモル以下である。
【0108】本発明では処理液の温度は40℃以上60
℃以下であり、好ましくは42℃以上55℃以下であ
り、特に好ましくは43℃以上50℃以下である。
【0109】処理液のpHは、9.9以上11.0以下
であり、好ましくは10.0以上10.5以下である。
【0110】本発明の方法における発色現像処理液には
以下の化合物を含有することができる。
【0111】例えば、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒ
ドロキシルアミンの他、特開平3−144446号の一
般式(I)で表されるヒドロキシルアミン類、亜硫酸
塩、N,N−ビスカルボキシメチルヒドラジンの如きヒ
ドラジン類、フェニルセミカルバジド類、トリエタノー
ルアミン、カテコールスルホン酸類の如き各種保恒剤、
エチレングリコール、ジエチレングリコールのような有
機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコー
ル、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促進
剤、色素形成カプラー、競争カプラー、1−フェニル−
3−ピラゾリドンのような補助現像主薬、粘性付与剤、
アミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキ
ルホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような
各種キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニ
トリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘ
キサンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢
酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン
酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸、
エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラメチレンホ
スホン酸、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェ
ニル酢酸)及びそれらの塩を代表例として挙げることが
できる。
【0112】上記の内、保恒剤としては置換ヒドロキシ
ルアミンが最も好ましく、中でもジエチルヒドロキシル
アミン、モノメチルヒドロキシルアミン或いはスルホ基
やカルボキシ基、水酸基などの水溶性基で置換されたア
ルキル基を置換基として有するものが好ましい。最も好
ましい例としては、N,N−ビス(2−スルホエチル)
ヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、
ジエチルヒドロキシルアミン等があげられる。
【0113】また、任意のカブリ防止剤を添加できる。
カブリ防止剤としては、塩化ナトリウム、臭化カリウ
ム、沃化カリウムの如きアルカリ金属ハロゲン化物及び
有機カブリ防止剤が使用できる。有機カブリ防止剤とし
ては、例えばベンゾトリアゾール、6−ニトロベンズイ
ミダゾール、5−ニトロイソインダゾール、5−メチル
ベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、
5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−チアゾリル−ベ
ンズイミダゾール、2−チアゾリルメチル−ベンズイミ
ダゾール、インダゾール、ヒドロキシアザインドリジ
ン、アデニンの如き含窒素複素環化合物を代表例として
挙げることができる。
【0114】本発明の処理方法の発色現像液のpHを保
持するためには、各種緩衝剤を用いるのが好ましい。緩
衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸
塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメ
チルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニ
ン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラ
ニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,
3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリ
スヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いるこ
とができる。特に炭酸塩の使用が好ましい。
【0115】該緩衝剤の現像液への添加量は、0.1モ
ル/リットル以上であることが好ましく、0.1モル/
リットル〜0.4モル/リットルであることが特に好ま
しい。
【0116】また、キレート剤としては生分解性を有す
る化合物が好ましい。この例としては、特開昭63−1
46998号、特開昭63−199295号、特開昭6
3−267750号、特開昭63−267751号、特
開平2−229146号、特開平3−186841号、
独国特許第3,739,610号、欧州特許第468,
325号等に記載のキレート剤を挙げることができる。
【0117】発色現像液の補充タンクや処理槽中の処理
液は高沸点有機溶剤などの液剤でシールドし、空気との
接触面積を減少させることが好ましい。この液体シール
ド剤としては流動パラフィンが最も好ましい。また、補
充液に用いるのが特に好ましい。
【0118】また、補充量は感材1平方メートル当た
り、30〜800ml、好ましくは50〜500ml程
度である。
【0119】本発明の方法における現像処理の発色現像
液には、必要により任意の現像促進剤を添加できる。
【0120】現像促進剤としては、特公昭37−160
88号、同37−5987号、同38−7826号、同
44−12380号、同45−9019号及び米国特許
第3,813,247号等に表わされるチオエーテル系
化合物、特開昭52−49829号及び同50−155
54号に表わされるp−フェニレンジアミン系化合物、
特開昭50−137726号、特公昭44−30074
号、特開昭56−156826号及び同52−4342
9号等に表わされる4級アンモニウム塩類、米国特許第
2,494,903号、同3,128,182号、同
4,230,796号、同3,253,919号、特公
昭41−11431号、米国特許第2,482,546
号、同2,596,926号及び同3,582,346
号等に記載のアミン系化合物、特公昭37−16088
号、同42−25201号、米国特許第3,128,1
83号、特公昭41−11431号、同42−2388
3号及び米国特許第3,532,501号等に表わされ
るポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3
−ピラゾリドン類、イミダゾール類、等を必要に応じて
添加することができる。
【0121】本発明の現像処理液にはハロゲン化銀溶剤
を使用することが好ましい。
【0122】本発明で用いるハロゲン化銀溶剤は、チオ
硫酸塩、メタンスルフォン酸塩、チオシアン酸塩およ
び、下記一般式A〜Eで表わされる化合物である。
【0123】一般式(A)
【0124】
【化27】 式中、Qa1は5または6員の複素環を形成するのに必要
な非金属原子群を表す。尚、この複素環は炭素芳香環ま
たは複素芳香環と縮合していてもよい。La1は、単結
合、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価の
複素環基またはこれらの組合わせた連結基を表す。Ra1
は、カルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはそ
の塩、ホスホン酸もしくはその塩、アミノ基またはアン
モニウム塩を表す。qは1〜3の整数を表し、Ma1は水
素原子またはカチオンを表す。
【0125】一般式(B)
【0126】
【化28】 式中Qb1は、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子
またはセレン原子により構成される5または6員のメソ
イオン環を表し、Xb1 - は、−O- 、−S- 、または−
- b1を表す。Rb1は脂肪族基、芳香族炭化水素基ま
たは複素環基を表す。
【0127】一般式(C) Lc1−(Ac1−Lc2r −Ac2−Lc3 式中、Lc1及びLc3は同一でも異なっていてもよく各々
脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環基を表し、L
c2は、二価の脂肪族基、二価の芳香族炭化水素基、二価
の複素環連結基またはそれらを組合わせた連結基を表
す。Ac1及びAc2はそれぞれ−S−、−O−、−NR
c20 −、−CO−、−SO2 −またはこれらを組合わせ
た基を表す。rは1〜10の整数を表す。ただし、Lc1
及びLc3の少なくとも1つは、−SO3 c1、−PO3
c2c3、−NRc1(Rc2) 、−N+ c3(Rc4)(R
c5) ・Xc1 - 、−SO2 NRc8(Rc7)、−NRc8SO
2 c9、−CONRc10 (Rc11 )、−NRc12 COR
c13 、−SO2 c14 、−PO(−NR
c15 (Rc16 ))2 、−NRc17 CONR
c18 (Rc19 )、−COOMc4または複素環基で置換さ
れているものとする。Mc1、Mc2、Mc3及びMc4は同一
でも異なっていてもよく各々水素原子または対カチオン
を表す。Mc1〜Mc20 は同一でも異なっていてもよく各
々水素原子、脂肪族基または芳香族炭化水素基を表し、
c1 - は対アニオンを表す。ただしAc1及びAc2の少な
くとも1つは−S−を表す。
【0128】一般式(D)
【0129】
【化29】 式中、Xd 及びYd は脂肪族基、芳香族炭化水素基、複
素環基、−N(Rd1)Rd2、−N(Rd3)N(Rd4)R
d5、−ORd6、または−SRd7を表す。尚、Xd とYd
は環を形成してもよいが、エノール化することはない。
ただし、Xd 及びYd のうち少なくとも1つはカルボン
酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、ホスホ
ン酸もしくはその塩、アミノ基またはアンモニウム基、
水酸基の少なくとも1つで置換されているものとする。
d1、Rd2、Rd3、Rd4及びRd5は水素原子、脂肪族
基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、Rd6及び
d7は水素原子、カチオン、脂肪族基、芳香族炭化水素
基または複素環基を表す。
【0130】一般式(E)
【0131】
【化30】 上記一般式(E)において、Re1、Re2、Re3およびR
e4は、それぞれ、水素原子、アルキル基またはアルケニ
ル基を表す。
【0132】以下に一般式A〜Eで表わされる銀溶剤に
ついて詳細に述べる。
【0133】なお、以下の説明において、脂肪族基、芳
香族炭化水素基、複素環基は、別段の断りがないかぎ
り、以下の通りである。
【0134】脂肪族基とは、置換もしくは無置換の、直
鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、置換もしくは無置
換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基
を表わす。二価の脂肪族基とは、これらの脂肪族基の二
価のもので、置換もしくは無置換の直鎖、分岐もしくは
環状のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルケニレ
ン基、置換もしくは無置換のアルキニレン基を表わす。
脂肪族基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、イソプロピル基、2−ヒドロキシプロピル
基、ヘキシル基、オクチル基、ビニル基、プロペニル
基、ブテニル基、ベンジル基、フェネチル基等が挙げら
れる。
【0135】芳香族炭化水素基とは、置換もしくは無置
換の、単環であっても更に芳香環や複素環と縮環してい
てもよいアリール基を表わす。二価の芳香族炭化水素基
とは、置換もしくは無置換の、単環であっても更に芳香
環や複素環と縮環していてもよいアリーレン基を表わ
す。芳香族炭化水素基としては、フェニル基、2−クロ
ロフェニル基、3−メトキシフェニル基、ナフチル基な
どが挙げられる。
【0136】複素環基とは、ヘテロ原子として、窒素原
子、酸素原子または硫黄原子を少なくとも一つ有する、
3〜10員環の、飽和もしくは不飽和の、置換もしくは
無置換の、単環であっても更に芳香環や複素環と縮環し
ていてもよい、複素環基を表わす。複素環としては、ピ
ロール環、アミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン
環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアゾール環、チア
ジアゾール環、オキサジアゾール環、キノキサリン環、
テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環等が挙
げられる。
【0137】また、本明細書における各基は別段の断り
の無いかぎり置換されていてもよく、それらが有しても
よい置換基としては、例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリ
ール基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド
基、ウレイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スル
ファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、アシル
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシ基、ホスホノ基、アリールオキシカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ニ
トロ基、ヒドロキサム酸基、複素環基等が挙げられる。
【0138】次に本発明の一般式(A)で表される化合
物について詳細に説明する。
【0139】一般式(A)中、Qa1は好ましくは炭素原
子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子及びセレン原子の少
なくとも一種の原子から構成される5又は6員の複素環
を形成するのに必要な非金属原子群を表わす。尚、この
複素環は炭素芳香環または複素芳香環で縮合していても
よい。
【0140】複素環としては例えばテトラゾール環、ト
リアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オ
キサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキサゾール
環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチア
ゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン環、トリ
アザインデン環、テトラアザインデン環、ペンタアザイ
ンデン環等があげられる。
【0141】Ra1はカルボン酸またはその塩(例えばナ
トリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム
塩)、スルホン酸またはその塩(例えばナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシ
ウム塩)、ホスホン酸またはその塩(例えばナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩)、置換もしくは無置
換のアミノ基(例えば無置換アミノ、ジメチルアミノ、
ジエチルアミノ、メチルアミノ、ビスメトキシエチルア
ミノ)、置換もしくは無置換のアンモニウム基(例えば
トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジ
メチルベンジルアンモニウム)を表わす。
【0142】La1は単結合、二価の脂肪族基、二価の芳
香族炭化水素基、二価の複素環基又はこれらの組合せた
連結基を表わす。La1は好ましくは炭素数1〜10のア
ルキレン基(例えばメチレン、エチレン、プロピレン、
ブチレン、イソプロピレン、2−ヒドロキシプロピレ
ン、ヘキシレン、オクチレン)、炭素数2〜10のアル
ケニレン基(例えばビニレン、プロペニレン、ブテニレ
ン)、炭素数7〜12のアラルキレン基(例えばフェネ
チレン)、炭素数6〜12のアリーレン基(例えばフェ
ニレン、2−クロロフェニレン、3−メトキシフェニレ
ン、ナフチレン)、炭素数1〜10の複素環基(例えば
ピリジル、チエニル、フリル、トリアゾリル、イミダゾ
リル)の二価のもの、単結合およびこれらの基を任意に
組合せた基であってもよいし、−CO−、−SO2 −、
−NR202 −、−O−または−S−を任意に組合せたも
のでもよい。ここでR202 は水素原子、炭素数1〜6の
アルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ヘキシ
ル)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えばベンジ
ル、フェネチル)、炭素数6〜10のアリール基(例え
ばフェニル、4−メチルフェニル)を表わす。
【0143】Ma1は水素原子またはカチオン(例えば、
ナトリウムイオン、カリウムイオンのようなアルカリ金
属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンのよ
うなアルカリ土類金属イオン、アンモニウム基、トリエ
チルアンモニウム基のようなアンモニウム基)を表わ
す。
【0144】また一般式(A)で表わされる複素環およ
びRa1はニトロ基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭
素原子)、メルカプト基、シアノ基、それぞれ置換もし
くは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、t−ブチル、シアノエチル)、アリール基(例
えばフェニル、4−メタンスルホンアミドフェニル、4
−メチルフェニル、3,4−ジクロルフェニル、ナフチ
ル)、アルケニル基(例えばアリル)、アラルキル基
(例えばベンジル、4−メチルベンジル、フェネチ
ル)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル、エタン
スルホニル、p−トルエンスルホニル)、カルバモイル
基(例えば無置換カルバモイル、メチルカルバモイル、
フェニルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば無
置換スルファモイル、メチルスルファモイル、フェニル
スルファモイル)、カルボンアミド基(例えばアセトア
ミド、ベンズアミド)、スルホンアミド基(例えばメタ
ンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トル
エンスルホンアミド)、アシルオキシ基(例えばアセチ
ルオキシ、ベンゾイルオキシ)、スルホニルオキシ基
(例えばメタンスルホニルオキシ)、ウレイド基(例え
ば無置換ウレイド、メチルウレイド、エチルウレイド、
フェニルウレイド)、アシル基(例えばアセチル、ベン
ゾイル)、オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボ
ニル、フェノキシカルボニル)、オキシカルボニルアミ
ノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ、フェノキシカ
ルボニルアミノ、2−エチルヘキシルオキシカルボニル
アミノ)、ヒドロキシル基などで置換されていてもよ
い。
【0145】qは1〜3の整数を表わすが、qが2また
は3を表わすときは各々のLa1およびRa1は同じであっ
ても異なっていてもよい。
【0146】一般式(A)中、好ましくはQa1はテトラ
ゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジ
アゾール環、トリアザインデン環、テトラアザインデン
環、ペンタアザインデン環を表わし、Ra1はカルボン酸
またはその塩、スルホン酸またはその塩から選ばれる基
の1つまたは2つで置換された炭素数1〜6のアルキル
基を表わし、qは1または2を表わす。
【0147】一般式(A)で表わされる化合物の中で、
より好ましい化合物としては一般式(A−I)で表わさ
れる化合物があげられる。
【0148】一般式(A−I)
【0149】
【化31】 式中、Ma1及びRa1は前記一般式(A)のそれぞれと同
義である。T及びUはC−Ra2またはNを表わし、Ra2
は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基
又はRa1を表わす。ただしRa2がRa1を表わすときは一
般式(A)のRa1と同じであっても異っていてもよい。
【0150】次に一般式(A−I)について詳細に説明
する。
【0151】T及びUはC−Ra2またはNを表わし、R
a2は水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子)、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルキル基(例えばメ
チル、エチル、メトキシエチル、n−ブチル、2−エチ
ルヘキシル)、アルケニル基(例えばアリル)、アラル
キル基(例えば、ベンジル、4−メチルベンジル、フェ
ネチル、4−メトキシベンジル)、アリール基(例え
ば、フェニル、ナフチル、4−メタンスルホンアミドフ
ェニル、4−メチルフェニル)、カルボンアミド基(例
えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メトキシプ
ロピオニルアミノ)、スルホンアミド基(例えば、メタ
ンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トル
エンスルホンアミド)、ウレイド基(例えば、無置換の
ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド)、また
はRa1を表わす。ただしRa2がRa1を表わすときは、一
般式(A)のRa1と同じであっても異っていてもよい。
【0152】一般式(A−I)中、好ましくはT=U=
Nであり、Ra1はカルボン酸またはその塩、スルホン酸
またはその塩から選ばれる基の1つまたは2つで置換さ
れた炭素数1〜4のアルキル基を表わす。
【0153】以下に本発明の一般式(A)の化合物の具
体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
【0154】
【化32】
【0155】
【化33】
【0156】
【化34】
【0157】
【化35】 本発明で用いられる一般式(A)の化合物は、ベリヒテ
・デア・ドイツチェン・ヘミツシェン・ゲゼルシャフト
(Berichte der Deutschen C
hemischen Gesellschaft)2
8、77(1895)、特開昭60−61749号、同
60−147735号、ベリヒテ・デア・ドイツチェン
・ヘミツシェン・ゲゼルシャフト(Berichte
der Deutschen Chemischen
Gesellschaft)22、568(188
9)、同29、2483(1896)、ジャーナル・オ
ブ・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.So
c.)1932、1806、ジャーナル・オブ・ジ・ア
メリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Che
m.Soc.)71、4000(1949)、アドバン
シイズ・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(A
dvances in Heterocyclic C
hemistry)9、165(1968)、オーガニ
ック・シンセシス(Organic Synthesi
s)IV、569(1963)、ジャーナル・オブ・ジ・
アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Ch
em.Soc.)45、2390(1923)、ヘミシ
ェ・ベリヒテ(Chemische Bericht
e)9、465(1876)に記載されている方法に準
じて合成できる。
【0158】次に一般式(B)について詳細に説明す
る。
【0159】一般式(B)中、Qb1は、炭素原子、窒素
原子、酸素原子、硫黄原子またはセレン原子により構成
される5または6員のメソイオン環を表わし、Xb1 -
−O- 、−S- または−N- b1を表わす。Rb1は脂肪
族基、芳香族炭化水素基、または複素環基を表わす。
【0160】本発明の一般式(B)で表わされるメソイ
オン化合物とはW.BakerとW.D.Ollisが
クオータリー・レビュー(Ouart.Rev.)1
1、15(1957)、アドバンシイズ・イン・ヘテロ
サイクリック・ケミストリー(Advances in
Heterocyclic Chemistry)1
9、1(1976)で定義している化合物群であり「5
または6員の複素環状化合物で、一つの共有結合構造式
または極性構造式では満足に表示することができず、ま
た環を構成するすべての原子に関連したπ電子の六偶子
を有する化合物で環は部分的正電荷を帯び、環外原子ま
たは原子団上の等しい負電荷とつり合いをたもってい
る」ものを表わす。
【0161】Qb1で表わされるメソイオン環としては、
イミダゾリウム環、ピラゾリウム環、オキサゾリウム
環、チアゾリウム環、トリアゾリウム環、テトラゾリウ
ム環、チアジアゾリウム環、オキサジアゾリウム環、チ
アトリアゾリウム環、オキサトリアゾリウム環などがあ
げられる。
【0162】Rb1は置換もしくは無置換の脂肪族基(例
えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソ
プロピル、n−オクチル、カルボキシメチル、ジメチル
アミノエチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキ
シル、シクロペンチル、プロペニル、2−メチルプロペ
ニル、プロパルギル、ブチニル、1−メチルプロパルギ
ル、ベンジル、4−メトキシベンジル)、置換もしくは
無置換の芳香族基(例えばフェニル、ナフチル、4−メ
チルフェニル、3−メトキシフェニル、4−エトキシカ
ルボニルフェニル)、置換又は無置換の複素環基(例え
ばピリジル、イミダゾリル、モルホリノ、トリアゾリ
ル、テトラゾリル、チエニル)を表わす。また、Mで表
わされるメソイオン環は一般式(A)で説明した置換基
で置換されていてもよい。
【0163】さらに一般式(B)で表わされる化合物
は、塩(例えば酢酸塩、硝酸塩、サリチル酸塩、塩酸
塩、ヨウ素酸塩、臭素酸塩)を形成してもよい。
【0164】一般式(B)中好ましくはXb1 - は−S-
を表わす。
【0165】本発明で用いられる一般式(B)のメソイ
オン化合物の中でより好ましくは以下の一般式(B−
I)があげられる。
【0166】一般式(B−I)
【0167】
【化36】 式中、Xb2はNまたはC−Rb3を表わし、Yb1はO、
S、NまたはN−Rb4を表わし、Zb1はN、N−Rb5
たはC−Rb6を表わす。
【0168】Rb2、Rb3、Rb4、Rb5およびRb6は互い
に独立して脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、
アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、スル
ファモイルアミノ基、アシル基またはカルバモイル基を
表わす。ただし、Rb3およびRb6は互いに独立して水素
原子であってもよい。また、Rb2とRb3、Rb2とRb5
b2とRb6、Rb4とRb5およびRb4とRb6は環を形成し
てもよい。
【0169】上記一般式(B−I)で示される化合物に
ついて詳細に説明する。
【0170】Rb2、Rb3、Rb4、Rb5およびRb6の脂肪
族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、アシルアミノ
基、スルホンアミド基、ウレイド基、スルファモイルア
ミノ基、アシル基及びカルバモイル基は置換されていて
もよい。
【0171】一般式(B−I)中好ましくはXb2はN、
C−Rb3を表わし、Yb1はN−Rb4またはS、Oを表わ
し、Zb1はNまたはC−Rb6を表わし、Rb2、Rb3およ
びRb6は互いに独立して置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは
無置換のアルキニル基または置換もしくは無置換の複素
環基を表わす。ただしRb3およびRb6は、互いに独立し
て水素原子であってもよい。Rb4は、置換もしくは無置
換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、
置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置
換の複素環基、置換もしくは無置換のアミノ基が好まし
い。
【0172】一般式(B−I)中、より好ましくはXb2
はNを表わし、Yb1はN−Rb4を表わし、Zb1はC−R
b6を表わす。Rb2およびRb4は互いに独立して炭素数1
〜6、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を表わ
し、Rb6は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
を、より好ましくは水素原子または炭素数1〜3のアル
キル基を表わす。ただしRb2、Rb4およびRb6のうち少
なくとも1つのアルキル基は少なくとも1つのカルボン
酸基、スルホン酸基、アミノ基、ホスホノ基で置換され
ているものがより好ましく、特にカルボン酸基、スルホ
ン酸基で置換されているものが好ましい。
【0173】また、一般式(B−I)の類似化合物とし
て以下の一般式(B−II)が挙げられる。
【0174】一般式(B−II)
【0175】
【化37】 式中、Xb2、Yb1、Zb1およびRb2は前記一般式(B−
I)と全く同様である。以下に本発明の一般式(B)の化
合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0176】
【化38】
【0177】
【化39】
【0178】
【化40】
【0179】
【化41】
【0180】
【化42】
【0181】
【化43】 本発明の前記一般式(B)で表わされる化合物は、特開
平1−201659号、同4−143755号等に記載
の方法で合成できる。
【0182】次に一般式(C)について詳細に説明す
る。
【0183】Lc1及びLc3は置換もしくは無置換の炭素
数1〜10の脂肪族基(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ヘキシル、イソプロピル、カルボキシエチル、ベ
ンジル、フェネチル、ビニル、プロペニル、1−メチル
ビニル)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香
族基(例えば、フェニル、4−メチルフェニル、3−メ
トキシフェニル)、または置換もしくは無置換の炭素数
1〜10の複素環基(例えば、ピリジル、フリル、チエ
ニル、イミダゾリル)を表わし、Lc2は置換もしくは無
置換の炭素数1〜12の二価の脂肪族基(例えば、メチ
レン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペン
タメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルエチレン、1
−ヒドロキシトリメチレン、1,2−キシリレン)、置
換もしくは無置換の炭素数6〜12の二価の芳香族基
(例えば、フェニレン、ナフチレン)、置換もしくは無
置換の炭素数1〜10の二価の複素環連結基(例えば
【0184】
【化44】 c1及びBc1は−S−、−O−、−NRc20 −、−CO
−、−CS−、−SO2 −またはそれらを任意に組合せ
た基を表わし、任意に組合せた基としては例えば−CO
NRc21 −、−NRc22 CO−、−NRc23 CONR
c24 −、−COO−、−OCO−、−SO2 NR
c25 −、−NRc26 SO2 −、−NRc27 CONRc28
−等があげられる。
【0185】rは1〜10の整数を表わす。
【0186】ただし、Lc1及びLc3の少なくとも1つは
−SO3 c1、−PO3 c2c3、−NRc1(Rc2
(塩酸塩、酢酸塩などの塩の形でもよく、例えば無置換
アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、N−メチル−
N−ヒドロキシエチルアミノ、N−エチル−N−カルボ
キシエチルアミノ)、−N+ c3(Rc4)(Rc5)・X
c1 - (例えば、トリメチルアンモニオクロリド)、−S
2 NRc6(Rc7)(例えば、無置換スルファモイル、
ジメチルスルファモイル)、−NRc8SO2 c9(例え
ば、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミ
ド)、−CONRc10(Rc11 )(例えば、無置換カル
バモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ビス(ヒ
ドロキシエチル)カルバモイル)、−NRc12 COR
c13 (例えば、ホルムアミド、アセトアミド、4−メチ
ルベンゾイルアミノ)、−SO2 c14 (例えば、メタ
ンスルホニル、4−クロルフェニルスルホニル)、−P
O(−NRc15 (Rc16 2 (例えば、無置換ホスホン
アミド、テトラメチルホスホンアミド)、−NRc17
ONRc18 (Rc19 )(例えば、無置換ウレイド、N,
N−ジメチルウレイド)、複素環基(例えば、ピリジ
ル、イミダゾリル、チエニル、テトラヒドロフラニ
ル)、−COOMc4で置換されているものとする。
【0187】Mc1、Mc2、Mc3及びMc4は互いに独立し
て水素原子または対カチオン(例えば、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオンのようなアルカリ金属イオン、マグ
ネシウムイオン、カルシウムイオンのようなアルカリ土
類金属イオン、アンモニウム、トリエチルアンモニウム
のようなアンモニウム基)を表わす。
【0188】Rc1〜Rc28 は水素原子、置換もしくは無
置換の炭素数1〜12の脂肪族基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、ヘキシル、イソプロピル、ベンジル、
フェネチル、ビニル、プロペニル、1−メチルビニ
ル)、置換もしくは無置換の炭素数6〜12の芳香族基
(例えば、フェニル、4−メチルフェニル、3−メトキ
シフェニル)を表わし、X- は対アニオン(例えば、塩
素イオン、臭素イオンのようなハロゲンイオン、硝酸イ
オン、硫酸イオン、酢酸イオン、p−トルエンスルホン
酸イオン)を表わす。
【0189】Lc1、Lc2、Lc3、Rc1〜Rc28 の各基が
置換基を有する場合、その置換基としては炭素数1〜4
の低級アルキル基(例えばメチル、エチル)、炭素数6
〜10のアリール基(例えば、フェニル、4−メチルフ
ェニル)、炭素数7〜10のアラルキル基(例えばベン
ジル)、炭素数2〜4のアルケニル基(例えば、プロペ
ニル)、炭素数1〜4のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ基、エトキシ基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原
子、臭素原子)、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基
(塩の形でもよい)、ヒドロキシ基等があげられる。
【0190】尚、rが2以上の時は、Ac1及びLc2は先
にあげた基の任意の組合せでよい。また、Ac1、Bc1
少なくとも1つは−S−を表わす。
【0191】一般式(C)中好ましくはLc1及びLc3
少なくとも一方は−SO3 c1、−PO3 c2c3、−
NRc1(Rc2)、−N+ c3(Rc4)(Rc5)・
c1 - 、複素環基、−COOMc4で置換された炭素数1
〜6のアルキル基を表わし、Lc2は炭素数1〜6のアル
キレン基を表わす。Ac1及びBc1は互いに独立して−S
−、−O−または−NRc20 −を表わし、Rc1、Rc2
c3、Rc4、Rc5及びRc20は互いに独立して水素原子
または炭素数1〜6のアルキル基を表わし、rは1〜6
の整数を表わす。
【0192】一般式(C)中、より好ましくはLc1及び
c3は−SO3 c1、−PO3 c2c3、−COOMc4
で置換された炭素数1〜4のアルキル基であり、Ac1
びBc1は−S−を表わし、rは1〜3の整数を表わす。
【0193】以下に本発明の一般式(C)の化合物の具
体例を示すが本発明はこれに限定されるものではない。
【0194】
【化45】
【0195】
【化46】 本発明の前記一般式(C)で表わされる化合物は、特開
平2−44355号、欧州特許公開458277号等に
記載の方法で合成できる。
【0196】次に一般式(D)について詳細に説明す
る。
【0197】一般式(D)中、Xd 、Yd 、Rd1
d2、Rd3、Rd4、Rd5、Rd6及びRd7で表される脂肪
族基、芳香族基及び複素環基としてはそれぞれ以下の例
があげられる。すなわち、置換もしくは無置換の炭素数
1〜10のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ヘキシル、イソプロピル、カルボキシエチル、ス
ルホエチル、アミノエチル、ジメチルアミノエチル、ホ
スホノプロピル、カルボキシメチル、ヒドロキシエチ
ル)、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルケニ
ル基(例えば、ビニル、プロペニル、1−メチルビニ
ル)、置換もしくは無置換の炭素数7〜12のアラルキ
ル基(例えば、ベンジル、フェネチル、3−カルボキシ
フェニルメチル、4−スルホフェニルエチル)、置換も
しくは無置換の炭素数6〜12のアリール基(例えば、
フェニル、ナフチル、4−カルボキシフェニル、3−ス
ルホフェニル)、置換もしくは無置換の炭素数1〜10
の複素環基(例えば、ピリジル、フリル、チエニル、イ
ミダゾリル、ピロリル、ビラゾリル、ピリミジニル、キ
ノリル、ピペリジル、ピロリジルのような5ないし6員
環が好ましい)を表す。
【0198】また、このアルキル基、アルケニル基、ア
ラルキル基、アリール基及び複素環基は置換されていて
もよい。置換基として例えば、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、ウレイド
基、ウレタン基、スルホニルアミノ基、スルファモイル
基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、
アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基等が挙げられる。これらの基はさらに置
換されていてもよい。置換基が2つ以上あるときは同じ
であっても異なっていてもよい。
【0199】一般式(D)において、Xd とYd は環を
形成してもよいが、エノール化することはない。Xd
d とで形成される環としては、例えば4−イミダゾリ
ン−2−チオン環、イミダゾリジン−2−チオン環、チ
アゾリン−2−チオン環、4−チアゾリジン−2−チオ
ン環、4−オキサゾリン−2−チオン環、オキサゾリジ
ン−2−チオン環、ピロリジン−2−チオン環、または
それぞれのベンゾ縮環体が挙げられる。
【0200】ただし、一般式(D)においてXd 及びY
d のうち少なくとも一つはカルボン酸もしくはその塩
(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩)、スルホ
ン酸もしくはその塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩)、ホスホン酸もしくはその塩(例えば、アル
カリ金属塩、アンモニウム塩)、アミノ基(例えば、無
置換アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、ジメチル
アミノの塩酸塩)またはアンモニウム(例えば、トリメ
チルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム)、
水酸基の少なくとも1つで置換されているものとする。
【0201】一般式(D)中、Rd6及びRd7で表される
カチオンは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモ
ニウム等を表す。
【0202】一般式(D)中、好ましくは本発明におい
てXd 及びYd は、好ましくはカルボン酸またはその
塩、スルホン酸またはその塩、ホスホン酸もしくはその
塩、アミノ基またはアンモニウム基、水酸基から選ばれ
る基の少なくとも一つまたは二つで置換された炭素数1
〜10のアルキル基、炭素数1〜10の複素環基、炭素
数0〜10の−N(Rd1)Rd2、炭素数0〜10の−N
(Rd3)N(Rd4)Rd5、炭素数0〜10の−ORd6
表す。Rd1、Rd2、Rd3、Rd4、Rd5及びRd6は互いに
独立して水素原子、アルキル基を表す。
【0203】一般式(D)中、より好ましくはXd 及び
d はカルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその
塩から選ばれる基の少なくとも一つまたは二つで置換さ
れた炭素数1〜6のアルキル基、炭素数0〜6の−N
(Rd1)Rd2、炭素数0〜6の−N(Rd3)N(Rd4
d5、炭素数0〜6の−ORd6を表す。Rd1、Rd2、R
d3、Rd4、Rd5及びRd6は互いに独立して水素原子、ア
ルキル基を表す。
【0204】以下に本発明の一般式(D)の化合物の具
体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0205】
【化47】
【0206】
【化48】
【0207】
【化49】
【0208】
【化50】 本発明の一般式(D)で表される化合物は公知の方法、
例えばジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(J.Org.Chem.)24,470−473(1
959)、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケ
ミストリー(J.Heterocycl.Chem.)
4,605−609(1967)、「薬誌」82,36
−45(1962)、特公昭39−26203号、特開
昭63−229449号、OLS−2,043,944
号を参考にして合成できる。
【0209】以下に、一般式(E)について詳細に説明
する。
【0210】一般式(E)において、Re1、Re2、Re3
およびRe4は、それぞれ互いに独立して、水素原子、ア
ルキル基またはアルケニル基を表わす。
【0211】アルキル基としては、ヒドロキシ基、カル
ボキシル基、スルホ基、アミノ基、ニトロ基等の置換基
を有するものであってもよく、炭素数は1〜5であるこ
とが好ましく、特に1〜2であることが好ましい。
【0212】アルケニル基としては、上記の置換基を有
するものであってもよく、炭素数は2〜5であることが
好ましく、特に2〜3であることが好ましい。
【0213】上記の中でも、本発明においては、Re1
e4が水素原子または炭素数1〜2の置換もしくは無置
換のアルキル基であることが好ましく、特にRe1が置換
アルキル基であることが好ましい。置換基としては、ヒ
ドロキシ基、カルボキシル基、スルホ基が好ましく、カ
ルボキシル基、スルホ基が特に好ましい。
【0214】以下に、一般式(E)で表わされる化合物
の具体例を挙げるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0215】(E−1) イミダゾール (E−2) 1−メチルイミダゾール (E−3) 2−メチルイミダゾール (E−4) 4−メチルイミダゾール (E−5) 4−ヒドロキシメチルイミダゾール (E−6) 1−エチルイミダゾール (E−7) 1−ビニルイミダゾール (E−8) 4−アミノメチルイミダゾール (E−9) 2,4−ジメチルイミダゾール (E−10) 2,4,5−トリメチルイミダゾール (E−11) 2−アミノエチルイミダゾール (E−12) 2−ニトロエチルイミダゾール (E−13) 1−カルボキシメチル−2−メチル−イミ
ダゾール (E−14) 1−カルボキシメチル−2,4−ジメチル
−イミダゾール (E−15) 1−カルボキシエチル−2−メチル−4−
β−ヒドロキシエチル−イミダゾール (E−16) 1−スルホエチル−2−メチル−イミダゾ
ール (E−17) 1−スルホエチル−2,4−ジメチル−イ
ミダゾール (E−18) 1−スルホメチル−4,5−ジメチル−イ
ミダゾール (E−19) 1−スルホメチル−2,5−ジメチル−イ
ミダゾール (E−20) 1−スルホエチル−イミダゾール 本発明のハロゲン化銀溶剤の中でも、チオ硫酸ナトリウ
ム、メタンチオスルフォン酸ナトリウム、A−1、A−
2、A−3、A−4、A−9、A−10、B−3、B−
8、B−9、B−11、B−12、D−2、D−3が好
ましく、特にA−1、A−2、A−3、A−4、B−
3、B−8、B−9、B−11、B−12が好ましい。
【0216】本発明のハロゲン化銀溶剤の添加量は、発
色現像液1リットル当たり0.1〜50ミリモルが好ま
しく、0.1〜10ミリモルがより好ましく、0.5〜
5.0ミリモルが最も好ましい。0.1ミリモル/リッ
トル未満であると本発明の効果が非常に小さくなり、5
0ミリモルを超えると未露光部のカブリ濃度が著しく増
大する。
【0217】次に、本発明の処理方法で用いることので
きる方法の脱銀工程について詳細に説明する。
【0218】漂白能を有する処理液に用いられる漂白剤
としては、アミノポリカルボン酸鉄(III)錯体、過硫酸
塩、臭素酸塩、過酸化水素、及び赤血塩等が用いられる
が、アミノポリカルボン酸(III)錯体を最も好ましく用
いることができる。
【0219】本発明で使用される第二鉄錯塩は、予め錯
形成された鉄錯塩として添加して溶解してもよく、ま
た、錯形成化合物と第二鉄塩(例えば、硫酸第二鉄、塩
化第二鉄、臭化第二鉄、硝酸鉄(III)、硫酸鉄(III)ア
ンモニウムなど)とを共存させて漂白能を有する液中で
錯塩を形成させてもよい。
【0220】錯形成化合物は、第二鉄イオンとの錯形成
に必要とする量よりもやや過剰にしてもよく、過剰に添
加するときには通常0.01〜10%の範囲で過剰にす
ることが好ましい。
【0221】なお、本発明において、漂白能を有する液
中の第二鉄錯塩を形成する化合物としては、エチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、1,3−プロパンジアミン
四酢酸(1,3−PDTA)、ジエチレントリアミン五
酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ
二酢酸、メチルイミノ二酢酸、N−(2−アセトアミ
ド)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(2−カルボ
キシエチル)イミノ二酢酸、N−(2−カルボキシメチ
ル)イミノジプロピオン酸、β−アラニンジ酢酸、1,
4−ジアミノブタン四酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、N−(2−カルボキシフェニル)イミノジ酢
酸、エチレンジアミン−N−(2−カルボキシフェニ
ル)−N,N′,N′−三酢酸、エチレンジアミン−
N,N′−ジコハク酸、1,3−ジアミノプロパン−
N,N′−ジコハク酸、エチレンジアミン−N,N′−
ジマロン酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N′−ジ
マロン酸等が挙げられるが、特にこれらに限定されるも
のではない。
【0222】本発明の方法で用いることのできる漂白能
を有する処理液における第二鉄錯塩の濃度としては、
0.005〜1.0モル/リットルの範囲が適当であ
り、0.01〜0.50モル/リットルの範囲が好まし
く、より好ましくは0.02〜0.30モル/リットル
の範囲である。
【0223】また漂白能を有する処理液の補充液中の第
二鉄錯塩の濃度としては、好ましくは0.005〜2モ
ル/リットル、より好ましくは0.01〜1.0モル/
リットルである。
【0224】漂白能を有する浴またはこれらの前浴に
は、漂白促進剤として種々の化合物を用いることができ
る。例えば、米国特許第3,893,858号明細書、
ドイツ特許第1,290,812号明細書、特開昭53
−95630号公報、リサーチ・ディスクロージャー第
17129号(1978年7月号)に記載のメルカプト
基またはジスルフィド結合を有する化合物や、特公昭4
5−8506号、特開昭52−20832号、同53−
32735号、米国特許第3,706,561号等に記
載のチオ尿素系化合物、あるいは沃素、臭素イオン等の
ハロゲン化物が漂白力に優れる点で好ましい。
【0225】その他、本発明に適用されうる漂白能を有
する浴には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナト
リウム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩
化カリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)また
は沃化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン
化剤を含むことができる。必要に応じ硼砂、メタ硼酸ナ
トリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン
酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、マロン酸、コハク
酸、グルタール酸などのpH緩衝能を有する1種類以上
の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属またはア
ンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グアニジンな
どの腐蝕防止剤などを添加することができる。
【0226】また漂白能を有する浴には、その他各種の
蛍光増白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピ
ロリドン、メタノール等の有機溶媒を含有させることが
できる。
【0227】漂白定着液中や定着液中の定着剤成分は、
公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アン
モニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;エチ
レンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−
オクタンジオールなどのチオエーテル化合物、メソイオ
ン化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀
溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して
使用することができる。また、特開昭55−15535
4号に記載された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハ
ロゲン化物などの組み合わせからなる特殊な漂白定着液
等も用いることができる。本発明においては、チオ硫酸
塩、特にチオ硫酸アンモニウム塩及びチオ硫酸ナトリウ
ム塩の使用が好ましい。1リットルあたりの定着剤の量
は、0.3〜2モルが好ましく、更に好ましくは0.5
〜1.0モルの範囲である。
【0228】本発明で用いることのできる漂白定着液や
定着液には保恒剤として、亜硫酸塩(或いは重亜硫酸塩
やメタ重亜硫酸塩類)を含有するのが望ましいが、とり
わけ0.08〜0.4モル/リットル、更に好ましくは
0.1〜0.3モル/リットル含有することが好まし
い。本濃度域を使用し、更に本発明の最終浴を用いるこ
とで、後述する磁気記録層の磁気記録性能が著しく向上
するばかりか、画像保存性上も望ましい結果を示した。
【0229】本発明で用いることのできる漂白定着液や
定着液は、保恒剤として前述した亜硫酸塩(例えば、亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウ
ム)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重
亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム)、メタ重亜硫酸
塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウム、メタ重亜硫酸アンモニウム)等の亜硫酸イオン
放出化合物を含有する以外に、アルデヒド類(ベンズア
ルデヒド、アセトアルデヒド等)、ケトン類(アセトン
等)、アスコルビン酸類、ヒドロキシルアミン類等を必
要に応じて添加することができる。
【0230】更には漂白液、漂白定着液、定着液は緩衝
剤、蛍光増白剤、キレート剤、消泡剤、防カビ剤等を必
要に応じて添加しても良い。
【0231】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液に
おいて、好ましいpH領域は、4.5〜6.2であり、
更には5〜6が好ましい。本pHより高くても低くても
磁気記録性能が十分に発揮できない場合が生じることが
ある。また、定着液の場合はpH5〜8程度が望まし
い。
【0232】本発明に用いられる漂白液、漂白定着液、
定着液への補充量は感光材料1m2当たり、50〜20
00ミリリットルである。特に好ましくは100〜10
00ミリリットルである。また、後浴である水洗水や安
定浴のオーバーフロー液を、必要に応じて補充しても良
い。
【0233】漂白液、漂白定着液、定着液の処理温度は
20〜50℃であり、好ましくは30〜45℃である。
処理時間は10秒〜3分、好ましくは20秒〜2分であ
る。本発明で用いることのできる漂白能を有する処理液
は、処理に際し、エアレーションを実施することが写真
性能をきわめて安定に保持するので特に好ましい。エア
レーションには当業界で公知の手段が使用でき、漂白能
を有する処理液中への、空気の吹き込みやエゼクターを
利用した空気の吸収などが実施できる。
【0234】空気の吹き込みに際しては、微細なポアを
有する散気管を通じて、液中に空気を放出させることが
好ましい。このような散気管は、活性汚泥処理における
曝気槽等に、広く使用されている。エアレーションに関
しては、イーストマン・コダック社発行のZ−121、
ユージング・プロセス・C−41第3版(1982
年)、BL−1〜BL−2頁に記載の事項を利用でき
る。本発明の漂白能を有する処理液を用いた処理に於い
ては、攪拌が強化されていることが好ましく、その実施
には特開平3−33847号公報の第8頁、右上欄、第
6行〜左下欄、第2行に記載の内容が、そのまま利用で
きる。
【0235】脱銀工程においては、攪拌ができるだけ強
化されていることが好ましい。攪拌強化の具体的な方法
としては、特開昭62−183460号に記載の感光材
料の乳剤面に処理液の噴流を衝突させる方法や、特開昭
62−183461号の回転手段を用いて攪拌効果を上
げる方法、更には液中に設けられたワイパーブレードと
乳剤面を接触させながら感光材料を移動させ、乳剤表面
を乱流化することによってより攪拌効果を向上させる方
法、処理液全体の循環流量を増加させる方法が挙げられ
る。このような攪拌向上手段は、漂白液、漂白定着液、
定着液のいずれにおいても有効である。攪拌の向上は乳
剤膜中への漂白剤、定着剤の供給を速め、結果として脱
銀速度を高めるものと考えられる。また、前記の攪拌向
上手段は、漂白促進剤を使用した場合により有効であ
り、促進効果を著しく増加させたり漂白促進剤による定
着阻害作用を解消させることができる。
【0236】本発明の方法の実施に用いられ得る自動現
像機は、特開昭60−191257号、同60−191
258号、同60−191259号に記載の感光材料搬
送手段を有していることが好ましい。前記の特開昭60
−191257号に記載のとおり、このような搬送手段
は前浴から後浴への処理液の持込みを著しく削減でき、
処理液の性能劣化を防止する効果が高い。このような効
果は各工程における処理時間の短縮や、処理液補充量の
低減に特に有効である。
【0237】本発明の現像処理で用いられる水洗工程で
の水洗水量は感光材料の特性(例えばカプラー等使用素
材による)、用途、更には水洗水温、水洗タンクの数
(段数)、向流、順流等の補充方式、その他種々の条件
によって広範囲に設定し得る。このうち、多段向流方式
における水洗タンク数と水量の関係は、Journal
of the Society of Motion
Picture and Television En
gineers 第64巻、P.248〜253(19
55年5月号)に記載の方法で、求めることができる。
前記文献に記載の多段向流方式によれば、水洗水量を大
幅に減少し得るが、タンク内における水の滞留時間の増
加により、バクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光
材料に付着する等の問題が生じる。本発明のカラー感光
材料の処理方法において、このような問題の解決策とし
て、特開昭62−288,838号に記載のカルシウム
イオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を極めて
有効に用いることができる。また、特開昭57−8,5
42号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾ
ール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系
殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌
防黴剤の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編
「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業
技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(19
86年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0238】本発明の感光材料の処理方法における水洗
水のpHは、3〜9であり、好ましくは4〜8である。
水洗水温、水洗時間も、感光材料の特性、用途等で種々
設定し得るが、一般には、15〜45℃で20秒〜10
分、好ましくは25〜40℃で30秒〜5分の範囲が選
択される。更に、本発明の感光材料は、上記水洗に代
り、直接安定液によって処理することもできる。このよ
うな安定化処理においては、特開昭57−8543号、
同58−14834号、同60−220345号に記載
の公知の方法はすべて用いることができる。
【0239】また、安定液には色素画像を安定化させる
化合物、例えば、ホルマリン、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒド等のベンズアルデヒド類、ホルムアルデヒド重
亜硫酸付加物、ヘキサメチレンテトラミン及びその誘導
体、ヘキサヒドロトリアジン及びその誘導体、ジメチロ
ール尿素、N−メチロールピラゾールなどのN−メチロ
ール化合物、有機酸やpH緩衝剤等が含まれる。これら
の化合物の好ましい添加量は安定液1リットルあたり
0.001〜0.02モルであるが、安定液中の遊離ホ
ルムアルデヒド濃度は低い方がホルムアルデヒドガスの
飛散が少なくなるため好ましい。このような点から色素
画像安定化剤としては、m−ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラアミン、N−メチロールピラ
ゾールなどの特開平4−270344号記載のN−メチ
ロールアゾール類、N,N′−ビス(1,2,4−トリ
アゾール−1−イルメチル)ピペラジン等の特開平4−
313753号記載のアゾリルメチルアミン類が好まし
い。特に特開平4−359249号(対応、欧州特許公
開第519190A2号)に記載の1,2,4−トリア
ゾールの如きアゾール類と、1,4−ビス(1,2,4
−トリアゾール−1−イルメチル)ピペラジンの如きア
ゾリルメチルアミン及びその誘導体の併用が、画像安定
性が高く、且つホルムアルデヒド蒸気圧が少なく好まし
い。また、その他必要に応じて塩化アンモニウムや亜硫
酸アンモニウム等のアンモニウム化合物、Bi、Alな
どの金属化合物、蛍光増白剤、硬膜剤、米国特許4,7
86,583号に記載のアルカノールアミンや、前記の
定着液や漂白定着液に含有することができる保恒剤、例
えば、特開平1−231051号公報に記載のスルフィ
ン酸化合物を含有させることも好ましい。
【0240】水洗水及び/又は安定液には処理後の感光
材料の乾燥時の水滴ムラを防止するため、種々の界面活
性剤を含有することができる。中でもノニオン性界面活
性剤を用いるのが好ましく、特にアルキルフェノールエ
チレンオキサイド付加物が好ましい。アルキルフェノー
ルとしては特にオクチル、ノニル、ドデシル、ジノニル
フェノールが好ましく、またエチレンオキサイドの付加
モル数としては特に8〜14が好ましい。さらに消泡効
果の高いシリコン系界面活性剤を用いることも好まし
い。
【0241】水洗水及び/又は安定液中には、各種キレ
ート剤を含有させることが好ましい。好ましいキレート
剤としては、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリ
アミン五酢酸などのアミノポリカルボン酸や1−ヒドロ
キシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N,N′
−トリメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン−
N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、あるいは、欧州特許第345,172
A1号に記載の無水マレイン酸ポリマーの加水分解物な
どを挙げることができる。
【0242】上記水洗及び/又は安定液の補充に伴うオ
ーバーフロー液は脱銀工程等他の工程において再利用す
ることもできる。
【0243】自動現像機などを用いた処理において、上
記の各処理液が蒸発により濃縮化する場合には、蒸発に
よる濃縮を補正するために、適当量の水または補正液な
いし処理補充液を補充することが好ましい。水補充を行
う具体的方法としては、特に制限はないが、中でも特開
平1−254959号、同1−254960号公報記載
の、漂白槽とは別のモニター水槽を設置し、モニター水
槽内の水の蒸発量を求め、この水の蒸発量から漂白槽に
おける水の蒸発量を算出し、この蒸発量に比例して漂白
槽に水を補充する方法や特開平3−248155号、同
3−249644号、同3−249645号、同3−2
49646号公報記載の液レベルセンサーやオーバーフ
ローセンサーを用いた蒸発補正方法が好ましい。各処理
液の蒸発分を補正するための水は、水道水を用いてもよ
いが上記の水洗工程に好ましく使用される脱イオン処理
した水、殺菌された水とするのがよい。
【0244】本発明の方法において用いることのできる
感光材料は、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性
層、青赤色性の順に設置される。しかし、目的に応じて
上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異な
る感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記
のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には
非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラ
ー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよ
い。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤
層は、DE1,121,470あるいはGB923,0
45に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤
層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様
に配列するのが好ましい。また、特開昭57−1127
51、同62−200350、同62−206541、
同62−206543に記載されているように支持体よ
り離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳
剤層を設置してもよい。
【0245】具体例として、支持体から最も遠い側か
ら、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(B
H)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性
層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH
/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/R
Hの順等に設置することができる。
【0246】また、特公昭55−34932号に記載さ
れているように、支持体から最も遠い側から赤感光性層
/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号に記載されているように、支持体から最も遠い側か
ら青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列する
こともでき、好ましくは、BH/BL/GH/GL/R
H/RLの順に配列することができる。
【0247】また、特公昭49−15495号に記載さ
れているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳
剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤
層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳
剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められ
た感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられ
る。このような感光度の異なる3層から構成される場合
でも、特開昭59−202464号に記載されているよ
うに、同一感色性層中において支持体より離れた側から
中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置
されてもよい。
【0248】その他、例えば、高感度乳剤層/低感度乳
剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳
剤層/高感度乳剤層のような順に配置されていてもよ
い。また、4層以上の場合にも、上記のごとく配列を変
えてよい。
【0249】色再現性を改良するために、米国特許第
4,663,271号、同第4,705,744号、同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89850号に記載の、BL,GL,RL
などの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナ
ー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。
【0250】本発明に用いられる写真感光材料の写真乳
剤層に含有される好ましいハロゲン化銀は0.1モル%
以上約30モル%以下の沃化銀を含む、沃臭化銀、沃塩
化銀、もしくは沃塩臭化銀である。特に好ましいのは、
約2モル%から約10モル%までの沃化銀を含む沃臭化
銀もしくは沃塩臭化銀である。
【0251】写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方
体、八面体、十四面体のような規則的な結晶形を有する
もの、球状、板状のような変則的な結晶形を有するも
の、双晶面のような結晶欠陥を有するもの、あるいはそ
れらの複合形でもよい。
【0252】ハロゲン化銀の粒径は、約0.2μm以下
の微粒子でも投影面積直径が約10μmに至るまでの大
サイズ粒子でもよく、多分散乳剤でも単分散乳剤でもよ
い。本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例え
ば、リサーチ・ディスクロージャー(RD)No.17
643(1978年12月)、22〜23頁、“I.乳
剤製造(Emulsion preparation
and types)”、および同No.18716
(1979年11月)、648頁、同No.30710
5(1989年11月)、863〜865頁、およびグ
ラフキデ著「写真の物理と化学」、ポールモンテル社刊
(P.Glafkides,Chemie et Ph
isique Photographique,Pau
l Montel,1967)、ダフィン著「写真乳剤
化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.Duffi
n,Photographic Emulsion C
hemistry(Focal Press,196
6)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォ
ーカルプレス社刊(V.L.Zelikman eta
l.,Making and Coating Pho
tographicEmulsion(Focal P
ress,1964)に記載された方法を用いて調製す
ることができる。
【0253】米国特許第3,574,628号、同第
3,655,394号および英国特許第1,413,7
48号などに記載された単分散乳剤も好ましい。
【0254】また、アスペクト比が約3以上であるよう
な平板状粒子も本発明に使用できる。平板状粒子は、例
えば、ガトフ著、フォトグラフィック・サイエンス・ア
ンド・エンジニアリング(Gutoff,Photog
raphic Science and Engine
ering)、第14巻、248〜257頁(1970
年);米国特許第4,434,226号、同第4,41
4,310号、同第4,433,048号、同第4,4
39,520号および英国特許第2,112,157号
に記載の方法により簡単に調製することができる。
【0255】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい。また、エピタキシャル接合によっ
て組成の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、
また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の
化合物と接合されていてもよい。また、種々の結晶形の
粒子の混合物を用いてもよい。
【0256】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型で
も、或いは表面と内部の両方に潜像を有する型のいずれ
でもよいが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内
部潜像型の場合、特開昭63−264740号に記載の
コア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコ
ア/シェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59
−133542号に記載されている。この乳剤のシェル
の厚みは、現像処理等によって異なるが、3〜40nm
が好ましく、5〜20nmが特に好ましい。
【0257】ハロゲン化銀乳剤としては、通常、物理熟
成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。
このような工程で使用される添加剤はリサーチ・ディス
クロージャーNo.17643、同No.18716お
よび同No.307105に記載されており、その該当
箇所を後掲の表にまとめた。
【0258】本発明で用いる感光材料では、感光性ハロ
ゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン
組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性が異な
る2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用するこ
とができる。
【0259】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号に
記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コロイ
ド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層および/または実質的
に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部および露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号、特
開昭59−214852号に記載されている。粒子内部
がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部
核を形成するハロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をも
つものでも異なるハロゲン組成をもつものでもよい。粒
子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、
塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも
用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化
銀粒子の粒子サイズには特別な限定はないが、平均粒子
サイズとしては0.01〜0.75μm、特に0.05
〜0.6μmが好ましい。また、粒子形状については特
に限定はなく、規則的な粒子でもよい。また、多分散乳
剤でもよいが、単分散乳剤(ハロゲン化銀粒子の重量ま
たは粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%
以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0260】本発明で用いる感光材料には、非感光性微
粒子ハロゲン化銀を使用することが好ましい。非感光性
微粒子ハロゲン化銀とは、色素画像を得るための像様露
光時においては感光せずに、その現像処理において実質
的に現像されないハロゲン化銀微粒子であり、あらかじ
めかぶらされていない方が好ましい。微粒子ハロゲン化
銀は、臭化銀の含有率が0〜100モル%であり、必要
に応じて塩化銀および/または沃化銀を含有してもよ
い、好ましくは沃化銀を0.5〜10モル%含有するも
のである。微粒子ハロゲン化銀は、平均粒径(投影面積
の円相当直径の平均値)が0.01〜0.5μmが好ま
しく、0.02〜0.2μmがより好ましい。
【0261】微粒子ハロゲン化銀は、通常の感光性ハロ
ゲン化銀と同様の方法で調製できる。ハロゲン化銀粒子
の表面は光学的に増感される必要はなく、また分光増感
も不要である。ただし、これを塗布液に添加するのに先
立ち、あらかじめ、例えばトリアゾール系、アザインデ
ン系、ベンゾチアゾリウム系、もしくはメルカプト系化
合物または亜鉛化合物のような公知の安定剤を添加して
おくことが好ましい。この微粒子ハロゲン化銀粒子含有
層に、コロイド銀を好ましく含有させることができる。
【0262】本発明で使用することのできる感光材料の
塗布銀量は、1.5g/m2 以上6.0g/m2 以下が
好ましく、2.0g/m2 以上4.5g/m2 以下が最
も好ましい。
【0263】本発明で用いるハロゲン化銀カラー写真感
光材料に使用できる公知の写真用添加剤は、上記3つの
リサーチ・ディスクロージャーに記載されており、下記
の表に関連する記載箇所を示した。
【0264】 添加剤種類 RD17643 RD18716 RD307105 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 866頁 2.感度上昇剤 648頁右欄 3.分光増感剤、 23〜24頁 648頁右欄〜 866〜868頁 強色増感剤 649頁右欄 4.増 白 剤 24頁 647頁右欄 868頁 5.光吸収剤、フ 25〜26頁 649頁右欄〜 873頁 ィルター染料、 650頁左欄 紫外線吸収剤 6.バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁 7.可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁 8.塗布助剤、 26〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 表面活性剤 9.スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁 10.マット剤 878〜879頁 本発明の感光材料には種々の色素形成カプラーを使用す
ることができるが、以下のカプラーが特に好ましい。
【0265】イエローカプラー:EP502,424A
の式(I)、(II)で表わされるカプラー;EP51
3,496Aの式(1)、(2)で表わされるカプラー
(特に18頁のY−28);EP568,037Aのク
レーム1の式(I)で表わされるカプラー;US5,0
66,576のカラム1の45〜55行の一般式(I)
で表わされるカプラー;特開平4−274425の段落
0008の一般式(I)で表わされるカプラー;EP4
98,381A1の40頁のクレーム1に記載のカプラ
ー(特に18頁のD−35);EP447,969A1
の4頁の式(Y)で表わされるカプラー(特にY−1
(17頁)、Y−54(41頁));US4,476,
219のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で
表わされるカプラー(特にII−17,19(カラム1
7)、II−24(カラム19))。
【0266】マゼンタカプラー;特開平3−39737
(L−57(11頁右下)、L−68(12頁右下)、
L−77(13頁右下);EP456,257の[A−
4]−63(134頁)、[A−4]−73,−75
(139頁);EP486,965のM−4,−6(2
6頁)、M−7(27頁);EP571,959AのM
−45(19頁);特開平5−204106の(M−
1)(6頁);特開平4−362631の段落0237
のM−22。
【0267】シアンカプラー:特開平4−204843
のCX−1,3,4,5,11,12,14,15(1
4〜16頁);特開平4−43345のC−7,10
(35頁)、34,35(37頁)、(I−1)、(I
−17)(42〜43頁);特開平6−67385の請
求項1の一般式(Ia)または(Ib)で表わされるカ
プラー。
【0268】ポリマーカプラー:特開平2−44345
のP−1,P−5(11頁)。
【0269】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237、GB2,125,
570、EP96,873B、DE3,234,533
に記載のものが好ましい。
【0270】発色色素の不要吸収を補正するためのカプ
ラーは、EP456,257A1の5頁に記載の式(C
I)、(CII)、(CIII)、(CIV)で表わされるイエ
ローカラードシアンカプラー(特に84頁のYC−8
6)、該EPに記載のイエローカラードマゼンタカプラ
ーExM−7(202頁)、EX−1(249頁)、E
X−7(251頁)、US4,833,069に記載の
マゼンタカラードシアンカプラーCC−9(カラム
8)、CC−13(カラム10)、US4,837,1
36の(2)(カラム8)、WO92/11575のク
レーム1の式(A)で表わされる無色のマスキングカプ
ラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好ましい。
【0271】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
EP378,236A1の11頁に記載の式(I)、
(II)、(III)、(IV)で表わされる化合物(特にT−
101(30頁)、T−104(31頁)、T−113
(36頁)、T−131(45頁)、T−144(51
頁)、T−158(58頁))、EP436,938A
2の7頁に記載の式(I)で表わされる化合物(特にD
−49(51頁))、EP568,037Aの式(1)
で表わされる化合物(特に(23)(11頁))、EP
440,195A2の5〜6頁に記載の式(I)、(I
I)、(III)で表わされる化合物;漂白促進剤放出化合
物:EP310,125A2の5頁の式(I)、
(I′)で表わされる化合物(特に61頁の(60)、
(61))及び特開平6−59411の請求項1の式
(I)で表わされる化合物(特に(7)(7頁);リガ
ンド放出化合物:US4,555,478のクレーム1
に記載のLIG−Xで表わされる化合物(特にカラム1
2の21〜41行目の化合物);ロイコ色素放出化合
物:US4,749,641のカラム3〜8の化合物1
〜6;蛍光色素放出化合物:US4,774,181の
クレーム1のCOUP−DYEで表わされる化合物(特
にカラム7〜10の化合物1〜11);現像促進剤又は
カブラセ剤放出化合物:US4,656,123のカラ
ム3の式(1)、(2)、(3)で表わされる化合物
(特にカラム25の(I−22))及びEP450,6
37A2の75頁36〜38行目のExZK−2;離脱
して初めて色素となる基を放出する化合物:US4,8
57,447のクレーム1の式(I)で表わされる化合
物(特にカラム25〜36のY−1〜Y19)。
【0272】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。
【0273】油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62−
215272のP−3,5,16,19,25,30,
42,49,54,55,66,81,85,86,9
3(140〜144頁);油溶性有機化合物の含浸用ラ
テックス:US4,199,363に記載のラテック
ス;現像主薬酸化体スカベンジャー:US4,978,
606のカラム2の54〜62行の式(I)で表わされ
る化合物(特にI−(1)、(2)、(6)、(12)
(カラム4〜5)、US4,923,787のカラム2
の5〜10行の式(特に化合物1(カラム3);ステイ
ン防止剤:EP298321Aの4頁30〜33行の式
(I)〜(III)、特にI−47,72、III −1,27
(24〜48頁);褪色防止剤:EP298321Aの
A−6,7,20,21.23,24,25,26,3
0,37,40,42,48,63,90,92,9
4,164(69〜118頁)、US5,122,44
4のカラム25〜38のII−1〜III −23、特にIII
−10、EP471347Aの8〜12頁のI−1〜II
I −4、特にII−2、US5,139,931のカラム
32〜40のA−1〜48、特にA−39,42;発色
増強剤または混色防止剤の使用量を低減させる素材:E
P411324Aの5〜24頁のI−1〜II−15、特
にI−46;ホルマリンスカベンジャー:EP4779
32Aの24〜29頁のSCV−1〜28、特にSCV
−8;硬膜剤:特開平1−214845の17頁のH−
1,4,6,8,14、US4,618,573のカラ
ム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物
(H−1〜54)、特開平2−214852の8頁右下
の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76)、特に
H−14、US3,325,287のクレーム1に記載
の化合物;現像抑制剤プレカーサー:特開昭62−16
8139のP−24,37,39(6〜7頁);US
5,019,492のクレーム1に記載の化合物、特に
カラム7の28,29;防腐剤、防黴剤:US4,92
3,790のカラム3〜15のI−1〜III −43、特
にII−1,9,10,18、III −25;安定剤、かぶ
り防止剤:US4,923,793のカラム6〜16の
I−1〜(14)、特にI−1,60、(2)、(1
3)、US4,952,483のカラム25〜32の化
合物1〜65、特に36:化学増感剤:トリフェニルホ
スフィン セレニド、特開平5−40324の化合物5
0;染料:特開平3−156450の15〜18頁のa
−1〜b−20、特にa−1,12,18,27,3
5,36、b−5、27〜29頁のV−1〜23、特に
V−1、EP445627Aの33〜35頁のF−I−
1〜F−II−43、特にF−I−11、F−II−8、E
P457153Aの17〜28頁のIII −1〜36、特
にIII −1,3、WO88/04794の8〜26のD
ye−1〜124の微結晶分散体、EP319999A
の6〜11頁の化合物1〜22、特に化合物1、EP5
19306Aの式(1)ないし(3)で表わされる化合
物D−1〜87(3〜28頁)、US4,268,62
2の式(I)で表わされる化合物1〜22(カラム3〜
10)、US4,923,788の式(I)で表わされ
る化合物(1)〜(31)(カラム2〜9);UV吸収
剤:特開昭46−3335の式(1)で表わされる化合
物(18b)〜(18r)、101〜427(6〜9
頁)、EP520938Aの式(I)で表わされる化合
物(3)〜(66)(10〜44頁)及び式(III)で表
わされる化合物HBT−1〜10(14頁)、EP52
1823Aの式(1)で表わされる化合物(1)〜(3
1)(カラム2〜9)。
【0274】本発明は、一般用もしくは映画用のカラー
ネガフィルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反
転フィルム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよ
びカラー反転ペーパーのような種々のカラー感光材料に
適用することができる。特に一般用もしくは映画用カラ
ーネガフィルムが好ましい。また、特公平2−3261
5、実公平3−39784に記載されているレンズ付き
フィルムユニット用に好適である。
【0275】本発明に使用できる適当な支持体は、例え
ば、前述のRD.No.17643の28頁、同No.
18716の647頁右欄から648頁左欄、および同
No.307105の879頁に記載されている。
【0276】本発明で使用することのできる感光材料
は、乳剤層を有する側の全親水コロイド層の膜厚の総和
が10μm以上28μm以下であることが好ましく、1
2μm以上23μm以下がより好ましく、15μm以上
18μm以下が更に好ましく、16μm以上18μm以
下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1/2 は10秒以上
30秒以下が好ましく、15秒以上20秒以下がより好
ましい。T1/2 は、発色現像液で30℃、3分15秒処
理した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚と
したとき、膜厚がその1/2に到達するまでの時間と定
義する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)
で測定した膜厚を意味し、T1/2 は、エー・グリーン
(A.Green)らのフォトグラフィック・サイエン
ス・アンド・エンジニアリング(Photogr.Sc
i.Eng.),19巻、2,124〜129頁に記載
の型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより
測定できる。T1/2 は、バインダーとしてのゼラチンに
硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変え
ることによって調整することができる。また、膨潤率は
150〜400%が好ましい。膨潤率とは、さきに述べ
た条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−
膜厚)/膜厚により計算できる。
【0277】本発明で使用することのできる感光材料
は、乳剤層を有する側の反対側に、乾燥膜厚の総和が2
μm〜20μmの親水性コロイド層(バック層と称す)
を設けることが好ましい。このバック層には、前述の光
吸収剤、フィルター染料、紫外線吸収剤、スタチック防
止剤、硬膜剤、バインダー、可塑剤、潤滑剤、塗布助
剤、表面活性剤を含有させることが好ましい。このバッ
ク層の膨潤率は150〜500%が好ましい。
【0278】次に、本発明の方法で使用することのでき
る感光材料において用いられ得る磁気記録層について説
明する。
【0279】本発明の方法で使用することのできる感光
材料において用いられ得る磁気記録層とは、磁性体粒子
をバインダー中に分散した水性もしくは有機溶媒系塗布
液を支持体上に塗設して形成したものである。
【0280】本発明で用いられる磁性体粒子は、例え
ば、γFe2 3 のような強磁性酸化鉄、Co被着γF
2 3 、Co被着マグネタイト、Co含有マグネタイ
ト、強磁性二酸化クロム、強磁性金属、強磁性合金、六
方晶系のBaフェライト、Srフェライト、Pbフェラ
イト、Caフェライトを使用できる。例えば、Co被着
γFe2 3 のようなCo被着強磁性酸化鉄が好まし
い。形状としては針状、米粒状、球状、立方体状、板状
等いずれでもよい。比表面積ではSBET で20m2/g
以上400m2 /g以下が好ましく、30m2 /g以上
200m2 /g以下が特に好ましい。強磁性体の飽和磁
化(σs)は、好ましくは3.0×104 〜3.0×1
5 A/mであり、特に好ましくは4.0×104
2.5×105A/mである。強磁性体粒子を、シリカ
および/またはアルミナや有機素材による表面処理を施
してもよい。さらに、磁性体粒子は特開平6−1610
32号に記載された如くその表面にシランカップリング
剤又はチタンカップリング剤で処理されてもよい。また
特開平4−259911号、同5−81652号に記載
の表面に無機、有機物を被覆した磁性体粒子も使用でき
る。
【0281】磁性体粒子に用いられるバインダーは、特
開平4−219569号に記載の熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、放射線硬化性樹脂、反応型樹脂、酸、アルカリ
又は生分解性ポリマー、天然物重合体(例えば、セルロ
ース誘導体、糖誘導体)およびそれらの混合物を使用す
ることができる。上記樹脂のTgは−40℃〜300
℃、重量平均分子量は0.2万〜100万である。例え
ばビニル系共重合体、例えば、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースアセテート
プロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セ
ルローストリプロピオネートのようなセルロース誘導
体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を挙げる
ことができ、ゼラチンも好ましい。特にセルロースジ
(トリ)アセテートが好ましい。バインダーは、エポキ
シ系、アジリジン系、イソシアネート系の架橋剤を添加
して硬化処理することができる。イソシアネート系の架
橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
トのようなイソシアネート類、これらのイソシアネート
類とポリアルコールとの反応生成物(例えば、トリレン
ジイソシアナート3molとトリメチロールプロパン1
molの反応生成物)、及びこれらのイソシアネート類
の縮合により生成したポリイソシアネートなどがあげら
れ、例えば特開平6−59357号に記載されている。
【0282】前述の磁性体を上記バインダー中に分散す
る方法は、特開平6−35092号に記載されている方
法のように、例えば、ニーダー、ピン型ミル、アニュラ
ー型ミルを用いる方法が好ましく、これらを併用するこ
とも好ましい。特開平5−88283号に記載の分散剤
や、その他の公知の分散剤が使用できる。磁気記録層の
厚みは0.1μm〜10μm、好ましくは0.2μm〜
5μm、より好ましくは0.3μm〜3μmである。磁
性体粒子とバインダーの重量比は好ましくは0.5:1
00〜60:100からなり、より好ましくは1:10
0〜30:100である。磁性体粒子の塗布量は0.0
05〜3g/m2 、好ましくは0.01〜2g/m2
らに好ましくは0.02〜0.5g/m2 である。本発
明に用いられ得る磁気記録層は、写真用支持体のハロゲ
ン化銀乳剤層に対して反対側に塗布又は印刷によって全
面またはストライプ状に設けることができる。磁気記録
層を塗布する方法としてはエアードクター、ブレード、
エアナイフ、スクイズ、含浸、リバースロール、トラン
スファーロール、グラビヤ、キス、キャスト、スプレ
イ、ディップ、バー、エクストリュージョン等が利用で
き、特開平5−341436号等に記載の塗布液が好ま
しい。
【0283】磁気記録層に、例えば、潤滑性向上、カー
ル調節、帯電防止、接着防止、ヘッド研磨のような機能
を合わせ持たせてもよいし、別の機能性層を設けて、こ
れらの機能を付与させてもよく、粒子の少なくとも1種
以上がモース硬度が5以上の非球形無機粒子の研磨剤が
好ましい。非球形無機粒子の組成としては、酸化アルミ
ニウム、酸化クロム、二酸化珪素、二酸化チタン、シリ
コンカーバイト等の酸化物、炭化珪素、炭化チタン等の
炭化物、ダイアモンド等の微粉末が好ましい。これらの
研磨剤は、その表面をシランカップリング剤又はチタン
カップリング剤で処理されてもよい。これらの粒子は磁
気記録層に添加してもよく、また磁気記録層上にオーバ
ーコート(例えば保護層、潤滑剤層)しても良い。この
時使用するバインダーは前述のものが使用でき、好まし
くは磁気記録層のバインダーと同じものがよい。磁気記
録層を有する感光材料については、米国特許5,33
6,589、同5,250,404、同5,229,2
59、同5,215,874、EP466,130に記
載されている。
【0284】次に本発明の方法で使用することのできる
感光材料において用いられ得るポリエステル支持体につ
いて記すが、例えば、後述する感光材料、処理、カート
リッジ及び実施例も含め詳細については、公開技報、公
技番号94−6023(発明協会;1994.3.1
5)に記載されている。支持体に用いられるポリエステ
ルはジオールと芳香族ジカルボン酸を必須成分として形
成され、芳香族ジカルボン酸として2,6−、1,5
−、1,4−、及び2,7−ナフタレンジカルボン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジオールとし
てジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフ
ェノールが挙げられる。この重合ポリマーとしては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート等
のホモポリマーを挙げることができる。特に好ましいの
は2,6−ナフタレンジカルボン酸を50モル%〜10
0モル%含むポリエステルである。中でも特に好ましい
のはポリエチレン−2,6−ナフタレートである。平均
分子量の範囲は約5,000ないし200,000であ
る。ポリエステルのTgは50℃以上であり、さらに9
0℃以上が好ましい。
【0285】次にポリエステル支持体は、巻き癖をつき
にくくするために40℃以上Tg未満、より好ましくは
Tg−20℃以上Tg未満で熱処理を行う。熱処理はこ
の温度範囲内の一定温度で実施してもよく、冷却しなが
ら熱処理してもよい。この熱処理時間は、0.1時間以
上1500時間以下、さらに好ましくは0.5時間以上
200時間以下である。支持体の熱処理は、ロール状で
実施してもよく、またウェブ状で搬送しながら実施して
もよい。表面に凹凸を付与し(例えばSnO2やSb2
5 の導電性無機微粒子を塗布する)、面状改良を図っ
てもよい。又、例えば、端部にローレットを付与し端部
のみ少し高くすることで巻芯部の切り口写りを防止する
ような工夫を行うことが望ましい。これらの熱処理は支
持体製膜後、表面処理後、バック層塗布後(帯電防止
剤、滑り剤等)、下塗り塗布後のどこの段階で実施して
もよい。好ましいのは帯電防止剤塗布後である。
【0286】このポリエステルには紫外線吸収剤を練り
込んでも良い。又ライトパイピング防止のため、三菱化
学製のDiaresin、日本化薬製のKayaset
等ポリエステル用として市販されている染料または顔料
を練り込むことにより目的を達成することが可能であ
る。
【0287】次に、本発明の方法で使用され得る感光材
料では支持体と感光材料の構成層とを接着させるため
に、表面処理することが好ましい。例えば、薬品処理、
機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、
高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レー
ザー処理、混酸処理、オゾン酸化処理のような表面活性
化処理が挙げられる。表面処理の中でも好ましいのは、
紫外線照射処理、火焔処理、コロナ処理、グロー処理で
ある。
【0288】次に下塗法について述べると、単層でもよ
く2層以上でもよい。下塗層用バインダーとしては、例
えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタ
クリル酸、アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸の
中から選ばれた単量体を出発原料とする共重合体を始め
として、ポリエチレンイミン、エポキシ樹脂、グラフト
化ゼラチン、ニトロセルロース、ゼラチンが挙げられ
る。支持体を膨潤させる化合物としてレゾルシンとp−
クロルフェノールがある。下塗層のゼラチン硬化剤とし
てはクロム塩(例えば、クロム明ばん)、アルデヒド類
(例えば、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒ
ド)、イソシアネート類、活性ハロゲン化合物(例え
ば、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジ
ン)、エピクロルヒドリン樹脂、活性ビニルスルホン化
合物などを挙げることができる。SiO2、TiO2
無機物微粒子又はポリメチルメタクリレート共重合体微
粒子(0.01〜10μm)をマット剤として含有させ
てもよい。
【0289】また、本発明の方法で使用され得る感光材
料では、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯
電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スル
ホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界
面活性剤化合物を挙げることができる。
【0290】帯電防止剤として最も好ましいものは、Z
nO、TiO2 、SnO2 、Al23 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO3 、V2 5 の中か
ら選ばれた少なくとも1種の体積抵抗率が107 Ω・c
m以下、より好ましくは105 Ω・cm以下である粒子
サイズ0.001〜1.0μm結晶性の金属酸化物ある
いはこれらの複合酸化物(例えば、Sb,P,B,I
n,S,Si,C)の微粒子、更にはゾル状の金属酸化
物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。感光材
料への含有量としては、5〜500mg/m2 が好まし
く特に好ましくは10〜350mg/m2 である。導電
性の結晶性酸化物又はその複合酸化物とバインダーの量
の比は1/300〜100/1が好ましく、より好まし
くは1/100〜100/5である。
【0291】本発明の方法で用いられ得る感光材料には
滑り性がある事が望ましい。滑り剤含有層は感光層面、
バック面ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性
としては動摩擦係数で0.25以下0.01以上であ
る。この時の測定は直径5mmのステンレス球に対し、
60cm/分で搬送した時の値を表す(25℃、60%
RH)。この評価において相手材として感光層面に置き
換えても、ほぼ同レベルの値となる。
【0292】本発明の方法で用いられ得る感光材料に使
用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高
級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級
アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサ
ンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシ
ロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサン等を用いることができる。添加層と
しては乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特にポリ
ジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステル
が好ましい。
【0293】本発明の方法で用いられ得る感光材料には
マット剤が有る事が接着故障防止等のため好ましい。マ
ット剤としては乳剤面、バック面とどちらでもよいが、
乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤
は処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは
両者を併用することである。例えばポリメチルメタクリ
レート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=
9/1又は5/5(モル比))、ポリスチレン粒子が好
ましい。粒径としては0.8〜10μmが好ましく、そ
の粒径分布も狭いほうが好ましく、平均粒径の0.9〜
1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有されること
が好ましい。また、マット性を高めるために0.8μm
以下の微粒子を同時に添加することも好ましく、例えば
ポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチ
ルメタクリレート/メタクリル酸=9/1(モル比)、
0.3μm))、ポリスチレン粒子(0.25μm)、
コロイダルシリカ(0.03μm)が挙げられる。
【0294】次に本発明で用いられ得るフィルムパトロ
ーネについて記す。本発明で使用され得るパトローネの
主材料は金属でも合成プラスチックでもよい。
【0295】好ましいプラスチック材料は、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニルエー
テル等である。更にパトローネは、各種の帯電防止剤を
含有してもよくカーボンブラック、金属酸化物粒子、ノ
ニオン、アニオン、カチオン及びベタイン系界面活性剤
又はポリマー等を好ましく用いることができる。これら
の帯電防止されたパトローネは特開平1−312537
号、同1−312538号に記載されている。特に25
℃、25%RHでの抵抗が1012オーム以下が好まし
い。通常プラスチックパトローネは、遮光性を付与する
ためにカーボンブラックや顔料を練り込んだプラスチッ
クを使って製作される。パトローネのサイズは、現在の
135サイズのままでもよいし、カメラの小型化には、
現在の135サイズの25mmのカートリッジの径を2
2mm以下とすることも有効である。パトローネのケー
スの容積は、30cm3 以下、好ましくは25cm3
下である。パトローネ及びパトローネケースに使用され
るプラスチックの重量は5g〜15gが好ましい。
【0296】更に、本発明で用いられ得るフィルムパト
ローネは、スプールを回転してフィルムを送り出すパト
ローネでもよい。また、フィルム先端がパトローネ本体
内に収納され、スプール軸をフィルム送り出し方向に回
転させることによってフィルム先端をパトローネのポー
ト部から外部に送り出す構造でもよい。これらは、米国
特許第4,834,306、同5,226,613に開
示されている。本発明に用いられる写真のフィルムは、
現像前のいわゆる生フィルムでもよいし、現像処理され
た写真フィルムでもよい。また、生フィルムと現像済の
写真フィルムが同じ新パトローネに収納されていてもよ
いし、異なるパトローネに収納されてもよい。
【0297】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の趣旨を越えない限り、実施例に限定
されるものではない。
【0298】実施例1 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作成し
た。
【0299】ポリエチレン−2,6−ナフタレートポリ
マー100重量部と紫外線吸収剤としてTinuvin
P.326(チバ・ガイギーCiba−Geigy社
製)2重量部とを乾燥した後、300℃にて溶融後、T
型ダイから押し出し、140℃で3.3倍の縦延伸を行
ない、続いて130℃で3.3倍の横延伸を行い、さら
に250℃で6秒間熱固定して厚さ90μmのPENフ
ィルムを得た。なおこのPENフィルムにはブルー染
料、マゼンタ染料及びイエロー染料(公開技報:公技番
号94−6023号記載のI−1,I−4,I−6,I
−24,I−26,I−27,II−5)を適当量添加し
た。さらに、直径20cmのステンレス巻き芯に巻付け
て、110℃、48時間の熱履歴を与え、巻き癖のつき
にくい支持体とした。
【0300】2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV照射処
理、さらにグロー放電処理をした後、それぞれの面にゼ
ラチン0.1g/m2 、ソジウムα−スルホジ−2−エ
チルヘキシルサクシネート0.01g/m2 、サリチル
酸0.04g/m2 、p−クロロフェノール0.2g/
2 、(CH2 =CHSO2 CH2 CH2 NHCO)2
CH2 0.012g/m2 、ポリアミド−エピクロルヒ
ドリン重縮合物0.02g/m2 の下塗液を塗布して
(10cc/m2 、バーコーター使用)、下塗層を延伸
時高温面側に設けた。乾燥は115℃、6分実施した
(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置はすべて115℃と
なっている)。
【0301】3)バック層の塗設 下塗後の上記支持体の片方の面にバック層として下記組
成の帯電防止層、磁気記録層さらに滑り層を塗設した。
【0302】3−1)帯電防止層の塗設 平均粒径0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複
合物の比抵抗は5Ω・cmの微粒子粉末の分散物(2次
凝集粒子径 約0.08μm)を0.2g/m2 、ゼラ
チン0.05g/m2 、(CH2 =CHSO2 CH2
2 NHCO)2 CH2 0.02g/m2 、ポリ(重合
度10)オキシエチレン−p−ノニルフェノール0.0
05g/m2 及びレゾルシンと塗布した。
【0303】3−2)磁気記録層の塗設 3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピルオキ
シトリメトキシシラン(15重量%)で被覆処理された
コバルト−γ−酸化鉄(比表面積43m2 /g、長軸
0.14μm、単軸0.03μm、飽和磁化89emu
/g、Fe+2/Fe+3=6/94、表面は酸化アルミ酸
化珪素で酸化鉄の2重量%で処理されている)0.06
g/m2 をジアセチルセルロース1.2g/m2 (酸化
鉄の分散はオープンニーダーとサンドミルで実施し
た)、硬化剤としてC2 5 C(CH2OCONH−C
6 3 (CH3 )NCO)3 0.3g/m2 を、溶媒と
してアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
を用いてバーコーターで塗布し、膜厚1.2μmの磁気
記録層を得た。マット剤としてシリカ粒子(0.3μ
m)と3−ポリ(重合度15)オキシエチレン−プロピ
ルオキシトリメトキシシラン(15重量%)で処理被覆
された研磨剤の酸化アルミ(0.15μm)をそれぞれ
10mg/m2 となるように添加した。乾燥は115
℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装置は
すべて115℃)。X−ライト(ブルーフィルター)で
の磁気記録層のDB の色濃度増加分は約0.1、また磁
気記録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/g、保
磁力7.3×104 A/m、角形比は65%であった。
【0304】3−3)滑り層の調製 ジアセチルセルロース(25mg/m2 )、C6 13
H(OH)C102 OCOOC4081(化合物a,6m
g/m2 )/C50101 O(CH2 CH2 O)16H(化
合物b,9mg/m2 )混合物を塗布した。なお、この
混合物は、キシレン/プロピレングリコールモノメチル
エーテル(1/1)中で105℃で溶融し、常温のプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル(10倍量)に注
加分散して作製した後、アセトン中で分散物(平均粒径
0.01μm)にしてから添加した。マット剤としてシ
リカ粒子(0.3μm)と研磨剤の3−ポリ(重合度1
5)オキシエチレン−プロピルオキシトリメトキシシラ
ン(15重量%で被覆された酸化アルミ(0.15μ
m)をそれぞれ15mg/m2 となるように添加した。
乾燥は115℃、6分行なった(乾燥ゾーンのローラー
や搬送装置はすべて115℃)。滑り層は、動摩擦係数
0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100g、
スピード6cm/分)、静摩擦係数0.07(クリップ
法)、また後述する乳剤面と滑り層の動摩擦係数も0.
12と優れた特性であった。
【0305】4)感光層の塗設 次に、前記で得られたバック層の支持体に対して反対側
に、下記の組成の各層を同時多重層塗布し、カラーネガ
フィルムを作成した。これを試料101とする。 (感光層組成)各層に使用する素材の主なものは下記の
ように分類されている; ExC:シアンカプラー UV :紫外線吸収剤 ExM:マゼンタカプラー HBS:高沸点有機溶剤 ExY:イエローカプラー H :ゼラチン硬化剤 ExS:増感色素 これら化合物の化学式は、後掲の化51〜化68に、ま
た用いた乳剤の特性は、後掲の表1に示す。
【0306】各成分に対応する数字は、g/m2 単位で
表した塗布量を示し、ハロゲン化銀については、銀換算
の塗布量を示す。ただし増感色素については、同一層の
ハロゲン化銀1モルに対する塗布量をモル単位で示す。 (試料101) 第1層(第1ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.08 ゼラチン 0.70 第2層(第2ハレーション防止層) 黒色コロイド銀 銀 0.09 ゼラチン 1.00 ExM−1 0.12 ExF−1 2.0×10-3 固体分散染料ExF−2 0.030 固体分散染料ExF−3 0.040 HBS−1 0.15 HBS−2 0.02 第3層(中間層) 沃臭化銀乳剤N 銀 0.06 ExC−2 0.05 ポリエチルアクリレートラテックス 0.20 ゼラチン 0.70 第4層(低感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤A 銀 0.07 沃臭化銀乳剤B 銀 0.28 ExS−1 3.3×10-4 ExS−2 1.4×10-5 ExS−3 4.6×10-4 ExC−1 0.17 ExC−3 0.030 ExC−4 0.10 ExC−5 0.020 ExC−6 0.010 Cpd−2 0.025 HBS−1 0.10 ゼラチン 1.10 第5層(中感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤C 銀 0.70 ExS−1 4.2×10-4 ExS−2 1.8×10-5 ExS−3 5.9×10-4 ExC−1 0.12 ExC−2 0.04 ExC−3 0.05 ExC−4 0.08 ExC−5 0.02 ExC−6 0.030 Cpd−4 0.02 Cpd−2 0.02 HBS−1 0.10 ゼラチン 0.80 第6層(高感度赤感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.90 ExS−1 3.5×10-4 ExS−2 1.5×10-5 ExS−3 4.9×10-4 ExC−1 0.05 ExC−3 0.03 ExC−6 0.030 ExC−7 0.010 Cpd−2 0.040 Cpd−4 0.040 HBS−1 0.22 HBS−2 0.050 ゼラチン 1.10 第7層(中間層) Cpd−1 0.060 固体分散染料ExF−4 0.030 HBS−1 0.040 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.10 第8層(低感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤E 銀 0.27 沃臭化銀乳剤F 銀 0.22 沃臭化銀乳剤G 銀 0.16 ExS−7 7.5×10-4 ExS−8 3.4×10-4 ExS−4 2.5×10-5 ExS−5 9.0×10-5 ExS−6 4.3×10-4 ExC−6 0.007 ExM−3 0.22 ExM−4 0.07 ExY−1 0.01 ExY−6 0.0020 HBS−1 0.30 HBS−3 0.015 Cpd−4 0.010 ゼラチン 0.95 第9層(中感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤G 銀 0.45 沃臭化銀乳剤H 銀 0.35 ExS−4 3.6×10-5 ExS−7 1.7×10-4 ExS−8 8.0×10-4 ExC−6 0.011 ExM−3 0.155 ExM−4 0.03 ExM−7 0.05 ExM−8 0.02 ExY−1 0.015 ExY−4 0.005 ExY−6 0.002 Cpd−4 0.015 HBS−1 0.13 HBS−3 4.4×10-3 ゼラチン 0.80 第10層(高感度緑感乳剤層) 沃臭化銀乳剤I 銀 1.40 ExS−4 6.3×10-5 ExS−7 1.7×10-4 ExS−8 7.8×10-4 ExC−6 0.01 ExM−4 0.003 ExM−2 0.020 ExM−5 0.001 ExM−6 0.001 ExM−3 0.01 ExM−7 0.013 ExM−8 0.002 Cpd−3 0.001 Cpd−4 0.040 HBS−1 0.25 ポリエチルアクリレートラテックス 0.15 ゼラチン 1.33 第11層(イエローフィルター層) 黄色コロイド層 銀 0.015 Cpd−1 0.16 固体分散染料ExF−5 0.060 固体分散染料ExF−6 0.060 油溶性染料ExF−7 0.010 HBS−1 0.60 ゼラチン 0.60 第12層(低感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤J 銀 0.07 沃臭化銀乳剤K 銀 0.13 沃臭化銀乳剤L 銀 0.19 ExS−9 8.4×10-4 ExC−1 0.03 ExC−6 0.015 ExY−1 0.060 ExY−2 0.65 ExY−3 0.35 ExY−4 0.040 ExY−5 0.15 Cpd−2 0.005 Cpd−4 0.005 Cpd−3 0.004 HBS−1 0.28 ゼラチン 2.60 13層(高感度青感乳剤層) 沃臭化銀乳剤M 銀 0.37 ExS−9 6.0×10-4 ExY−2 0.060 ExY−3 0.015 ExY−4 0.0050 ExY−5 0.015 Cpd−2 0.10 Cpd−3 1.0×10-3 Cpd−4 5.0×10-3 HBS−1 0.075 ゼラチン 0.55 14層(第1保護層) 沃臭化銀乳剤N 銀 0.10 UV−1 0.13 UV−2 0.10 UV−3 0.16 UV−4 0.025 ExF−8 0.03 ExF−9 0.005 ExF−10 0.005 ExF−11 0.02 HBS−1 5.0×10-2 HBS−4 5.0×10-2 ゼラチン 1.8 15層(第2保護層) H−1 0.40 B−1(直径 1.7μm) 0.04 B−2(直径 1.7μm) 0.09 B−3 0.13 ES−1 0.20 ゼラチン 0.70 更に、各層に適宜、保存性、処理性、圧力耐性、防黴・
防菌性、帯電防止性及び塗布性をよくするために、W−
1ないしW−4、B−4ないしB−6、F−1ないしF
−18及び、鉄塩、鉛塩、金塩、白金塩、パラジウム
塩、イリジウム塩、ロジウム塩が含有されている。
【0307】
【表1】 表1において、 (1)乳剤J〜Mは特開平2−191938号の実施例
に従い、二酸化チオ尿素とチオスルフォン酸を用いて粒
子調製時に還元増感されている。
【0308】(2)乳剤C〜E、G〜I、Mは特開平3
−237450号の実施例に従い、各感光層に記載の分
光増感色素とチオシアン酸ナトリウムの存在下に金増
感、硫黄増感とセレン増感が施されている。
【0309】(3)平板状粒子(乳剤A〜M)の調製に
は特開平1−158426号の実施例に従い、低分子量
ゼラチンを使用している。
【0310】(4)平板状粒子には、高圧電子顕微鏡を
用いると、特開平3−237450号に記載されている
ような転位線が観察される。
【0311】(5)乳剤A〜E、G、H、J〜MはR
h、Ir、Feを最適量含んでいる。また、平板度は、
平板粒子の投影面積における平均円相当径をDc、平板
状粒子の平均厚さをtとしたときに、Dc/t2 で定義
されるものをいう。 有機固体分散染料の分散物の調製 下記、ExF−2を次の方法で分散した。即ち、水2
1.7ミリリットル及び5%水溶液のp−オクチルフェ
ノキシエトキシエトキシエタンスルホン酸ソーダ3ミリ
リットル並びに5%水溶液のp−オクチルフェノキシエ
チレンエーテル(重合度10)0.5gとを700ミリ
リットルのポットミルに入れ、染料ExF−2を5.0
gと酸化ジルコニウムビーズ(直径1mm)500ミリ
リットルを添加して内容物を2時間分散した。この分散
には中央工機製のBO型振動ボールミルを用いた。分散
後、内容物を取り出し、12.5%ゼラチン水溶液8g
に添加し、ビーズを濾過して除き、染料のゼラチン分散
物を得た。染料微粒子の平均粒径は0.44μmであっ
た。
【0312】同様にして、ExF−3、ExF−4及び
ExF−6の固体分散物を得た。染料微粒子の平均粒径
はそれぞれ、0.24μm、0.45μm、0.52μ
mであった。ExF−5は欧州特許出願公開(EP)第
549,489A号明細書の実施例1に記載の微小析出
(Microprecipitation)分散方法に
より分散した。平均粒径は0.06μmであった。
【0313】
【化51】
【0314】
【化52】
【0315】
【化53】
【0316】
【化54】
【0317】
【化55】
【0318】
【化56】
【0319】
【化57】
【0320】
【化58】
【0321】
【化59】
【0322】
【化60】
【0323】
【化61】
【0324】
【化62】
【0325】
【化63】
【0326】
【化64】
【0327】
【化65】
【0328】
【化66】
【0329】
【化67】
【0330】
【化68】 続いて、試料101の第4層〜第6層赤感性乳剤層に使
用したDIR化合物、ExC−6を表2に示すように他
の比較化合物(2)〜(4)および本発明の一般式
(I)で表される化合物に置き換えて試料102〜11
2までを作製した。添加量は後述の現像処理における発
色現像時間が150秒のとき得られるシアン色像の階調
が同じになるように調整して添加した。その添加量は、
ほぼ等モル置換であった。比較化合物(2)〜(4)は
化69に示す。
【0331】
【化69】
【0332】
【表2】 作製した試料は、白光のウエッジ露光を与え、下記の現
像処理を実施したとき得られるイエロー色像の階調が、
発色現像時間が3分15秒(発色現像液の温度38℃)
の処理で得られるイエロー色像の階調とほぼ同階調にな
るように、下記現像処理の発色現像時間、発色現像液の
温度および発色現像主薬の量を決めて現像処理を行い、
このとき得られたシアン色像の鮮鋭性を慣用のMTF
(Modulation Transfer Func
tion)を測定することにより評価した。
【0333】MTFの測定法は、“ジャーナル・オブ・
アプライド・フォトグラフィック・エンジニアリング”
6巻(1)1〜8(1980)に記載される方法により
行った。MTFの値は試料101の発色現像時間3分1
5秒のRフィルターにより濃度1.5を与えるところの
10サイクル/mmで測定したMTF値を100とした
ときの相対値として算出した。結果および上記発色現像
条件等は表3に示す。
【0334】
【表3】 現像処理を以下に示す。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 表3参照 表3参照 漂 白 20秒 45.0℃ 定 着 40秒 45.0℃ 水 洗(1) 15秒 45.0℃ 水 洗(2) 15秒 45.0℃ 水 洗(3) 15秒 45.0℃ 乾 燥 45秒 80℃ (水洗は(3)から(1)への向流方式である。) 以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) (g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.3 亜硫酸ナトリウム 5.5 炭酸カリウム 39.0 臭化カリウム 2.0 沃化カリウム 1.3mg ジナトリウム N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 10.0 2−メチル−4−{N−エチル−N−(β−ヒドロ キシエチル)アミノ}アニリン硫酸塩 表3参照 銀溶剤 0.27 水を加えて 1.0リットル pH(水酸化カリウム又は硫酸にて調製) 10.25 (漂白液) (g) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄 塩アンモニウム−水塩 0.33 硝酸第二鉄九水和物 0.30 臭化アンモニウム 0.80 硝酸アンモニウム 0.20 酢酸 0.67 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水で調整) 4.5 (g) (定着液) 亜硫酸アンモニウム 28 チオ硫酸アンモニウム水溶液 280ミリリットル (700g/リットル) イミダゾール 15 エチレンジアミン四酢酸 15 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水又は酢酸で調整) 5.8 (水洗水)水道水をH型強酸性カチオン交換樹脂(ロー
ムアンドハース社製アンバーライトIR−120B)
と、OH型強塩基性アニオン交換樹脂(同アンバーライ
トIR−400)を充填した混床式カラムに通水してカ
ルシウム及びマグネシウムイオン濃度を3mg/リット
ル以下に処理し、続いて二塩化イソシアヌール酸ナトリ
ウム20mg/リットルと硫酸ナトリウム150mg/
リットルを添加した。この液のpHは6.5〜7.5の
範囲にあった。
【0335】表3から、本発明の構成要件を満たす試料
105〜112の発色現像時間150秒以下の処理は、
比較試料101〜104に対し本発明の解決すべき課題
の1つである鮮鋭性が明らかに優れていることがわか
る。特に、発色現像時間が120〜50秒において顕著
である。
【0336】従って、本発明の一般式(I)で表される
化合物を含有するカラー感材は、現行のカラーネガ感材
の発色現像時間が、例えば、富士写真フイルム(株)の
CN−16Lでは3分5秒、イーストマン・コダック社
のC−41RAでは3分15秒であるのに対し、短い時
間で実施しても鮮鋭性を損ねることなく処理できること
がわかる。
【0337】実施例2 実施例1で作製した試料101〜112を用い、各試料
に次の2重露光を与えた。
【0338】(1)第一露光 Rフィルターを前面に付
してウエッジ露光を与える。
【0339】(2)第二露光 次にGフィルターを付
し、Rフィルターを付して露光を与えた部分の未発色部
分(最小濃度部)のマゼンタ濃度が各試料それぞれ1.
8になるような露光量で均一露光を与える。
【0340】上記の露光を与えた試料を実施例1と同様
の現像処理を実施し、処理済の各試料について、ウエッ
ジ露光を与えて得られたシアン色像の濃度2.0を与え
る点のマゼンタ濃度から、シアンの最小濃度(カブリ)
部でのマゼンタ濃度を減じた値を求め、この値を色濁り
として重層効果の大きさの尺度とした。数値が小さい
程、色濁りが小さく、いわゆる重層効果の大きいことを
示し好ましいものである。結果は表4に示す。
【0341】
【表4】 上表から、本発明の構成を満す試料105〜112の発
色現像時間150秒以下の現像時間の処理試料は、比較
試料101〜104の発色現像時間150秒以下の現像
時間の処理に対して、本発明の目的の1つである色濁り
が小さく、色再現性に優れていることが明らかである。
【0342】実施例3 実施例1、試料101の緑感乳剤層第8層〜第10層に
使用のExC−6および青感乳剤層の第12層に使用の
ExC−6を表5に示すように比較化合物(5)又は本
発明の一般式(I)で表される化合物に置き換えて試料
301〜307を作製した。
【0343】さらに、試料111を基本にして上記と同
様表5に示すようにそれぞれ置き換えて試料308〜3
12を作製した。
【0344】なお、化合物の置き換えは、実施例1に準
じてマゼンタ色像およびイエロー色像の階調が試料10
1の発色現像時間60秒での階調と同じになるように添
加量を調整した。比較化合物(5)は化70に示す。
【0345】
【化70】
【0346】
【表5】 作製した試料301〜312および試料101を用い
て、実施例2に準じてマゼンタ色像の色濁りを次の方法
で調べた。
【0347】(1)第一露光 Gフィルターを前面に付
してウエッジ露光を与える。
【0348】(2)第二露光 次にRフィルターを付
し、Gフィルターを付して露光を与えた部分の未発色部
分のシアン濃度が各試料それぞれ1.8になるような均
一露光を与える。
【0349】上記の二重露光を与えた試料を以下に示す
現像処理を実施し、処理済みの各試料についてウエッジ
露光を与えて得られたマゼンタ色像の濃度2.0を与え
る点でのシアン濃度からマゼンタの最小濃度(カブリ)
部のシアン濃度を減じた値を求めた。マイナス符号を除
いた値が大きい程、色濁りが小さく、色再現性に優れて
いることを示す。
【0350】次に、実施例1に記載の方法に準じて白光
のウエッジ露光を与えてG濃度で測定して濃度1.5の
ところの10サイクル/mmでのMTF値を求めた。試
料101の値を基準(100)にとりその相対値を算出
した。数値が100より大きい程、優れた鮮鋭性を示
す。
【0351】結果を表5に示す。また、現像処理を以下
に示す。なお、現像処理は試料101に像様露光を与
え、10m2 相当連続処理した後実施した。 (処理工程) 工程 処理時間 処理温度 補充量* タンク容量 発色現像 60秒 45.0℃ 280 ミリリットル 1リットル 漂 白 20秒 45.0℃ 130 ミリリットル 1リットル 定 着 40秒 45.0℃ 100 ミリリットル 1リットル 水 洗(1) 15秒 45.0℃ − 1リットル 水 洗(2) 15秒 45.0℃ − 1リットル 水 洗(3) 15秒 45.0℃ 400 ミリリットル 1リットル 乾 燥 45秒 80 ℃ *補充量は感光材料1m2 当たり (水洗は(3)から定着までは4タンク向流多段カスケ
ード) 以下に処理液の組成を示す。 (発色現像液) タンク液(g) 補充液(g) ジエチレントリアミン五酢酸 2.0 4.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1− ジホスホン酸 3.3 3.3 亜硫酸ナトリウム 5.5 7.5 炭酸カリウム 39.0 39.0 臭化カリウム 2.0 − 沃化カリウム 1.3mg − ジナトリウム N,N−ビス(スルホナート エチル)ヒドロキシルアミン 10.0 12.0 2−メチル−4−{N−エチル−N− (β−ヒドロキシエチル)アミノ} アニリン硫酸塩 9.0 15.0 銀溶剤 0.27 0.44 水を加えて 1.0 リットル 1.0リットル pH(水酸化カリウム又は硫酸にて調整) 10.25 10.60 (漂白液) 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第二鉄 塩アンモニウム一水塩 0.33 0.50 硝酸第二鉄九水和物 0.30 4.5 臭化アンモニウム 0.80 1.20 硝酸アンモニウム 0.20 0.30 酢酸 0.67 1.0 水を加えて 1.0 リットル 1.0リットル pH(アンモニア水で調整) 4.5 4.0 (定着液) タンク液、補充液共通(g) 亜硫酸アンモニウム 28 チオ硫酸アンモニウム水溶液 (700g/リットル) 280 ミリリットル イミダゾール 15 エチレンジアミン四酢酸 15 水を加えて 1.0リットル pH(アンモニア水、酢酸で調整) 5.8 (水洗水)実施例1記載の水洗水と同じ組成のものを使
用した。
【0352】表5から、本発明の一般式(I)で表され
る化合物を緑感乳剤層および青感乳剤層に使用して、発
色現像時間を60秒に短縮した現像処理を実施してもマ
ゼンタ色像の色濁りおよび鮮鋭性ともに比較試料に比べ
顕著に良化していることが明らかである。
【0353】なお、表5には示さなかったがイエロー色
像における色濁りおよび鮮鋭性についても良化している
ことが確認できた。
【0354】
【発明の効果】青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロ
ゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤層を有す
るカラー感材の少なくとも一層に一般式(I)で表され
る特定のDIR化合物を用いることにより、発色現像時
間を150〜45秒に短縮した現像処理を実施しても、
色再現性および鮮鋭性に優れたハロゲン化銀カラー写真
感光材料の処理方法を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、
    緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳
    剤層を有し、少なくとも1層に一般式(I)で表される
    化合物を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を発
    色現像時間が45〜150秒で現像処理することを特徴
    とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理方法。 一般式(I) A−O−C(=O)−N(X1 )−C(X2 )(X3
    −DI 式中、Aはカプラー残基を表し、X1 は複素環基または
    −C(X4 )(X5 )−Y基を表し、Yは−SO
    2 1 ,−SO2 NR1 2 ,−CONR1 2 ,−C
    2 Z,−CN,−CF3 ,−CCl3 ,−NO2 基を
    表し、R1 ,R2 は互いに独立して水素原子、それぞれ
    置換もしくは無置換の、アルキル基、シクロアルキル
    基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表し、Zは
    水素原子、それぞれ置換もしくは無置換のシクロアルキ
    ル基、アルケニル基、アリール基、複素環基を表し、X
    2 ,X3 ,X4 ,X5 は水素原子または置換基を表し、
    DIは−C(X2 )(X3 )−とヘテロ原子で結合する
    現像抑制剤残基を表す。
  2. 【請求項2】 発色現像液の温度が40〜60℃である
    ことを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー
    写真感光材料の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6555299B2 (en) 2000-06-09 2003-04-29 Fuji Photo Film Co., Ltd. Method of processing silver halide color photographic light-sensitive material

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