JP2640127B2 - 電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真式製版用印刷原版

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JP2640127B2
JP2640127B2 JP63186917A JP18691788A JP2640127B2 JP 2640127 B2 JP2640127 B2 JP 2640127B2 JP 63186917 A JP63186917 A JP 63186917A JP 18691788 A JP18691788 A JP 18691788A JP 2640127 B2 JP2640127 B2 JP 2640127B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、有機光導電性化合物を含有する光導電層を
有し、電子写真法により、トナー画像を形成した後、ト
ナー画像部以外の非画像部の光導電層を除去することに
より印刷版とする電子写真式製版用印刷原版、特に、露
光終了からトナー現像開始までの時間が短縮されること
により製版時間を短縮することが可能な、光応答性の改
良された電子写真式製版用印刷原版に関する。
[従来の技術] 今日、平版オフセット印刷版としては、ジアゾ化合物
とフェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤やアクリ
ル系モノマーやプレポマーを主成分とするネガ型感光剤
を用いるPS版などが実用化されているが、これらはすべ
て低感度のため、あらかじめ画像記録されたフィルム原
版を密着露光して製版を行っている。一方、コンピュー
ター画像処理と大容量データの保存およびデータ通信技
術の進歩によって、近年では、原稿入力、補正、編集、
割り付けから頁組まで一貫してコンピューター操作さ
れ、高速通信網や衛生通信により即時遠隔地の末端プロ
ッターに出力できる電子編集システムが実用化してい
る。特に、即時性の要求される新聞印刷分野において電
子編集システムの要求度は高い。また、オリジナルが原
版フィルムの形で保存されこれをもとに必要に応じて印
刷版が複製されている分野においても、光ディスクなど
の超大容量記録メディアの発達に伴いオリジナルがこれ
らの記録メディアにデジタルデータとして保存されるよ
うになると考えられる。
しかしながら、末端プロッターの出力から直接印刷版
を作成する直接型印刷版はほとんど実用化されておら
ず、電子編集システムの稼動しているところでも出力は
銀塩写真フィルムにおこなわれ、これをもとに間接的に
PS版へ密着露光により印刷版が作成されているのが実状
である。これは、出力プロッターの光源(例えば、He−
Heレーザー、半導体レーザーなど)により実用的な時間
内に印刷版を作成できるだけの高い感度を有する直接型
印刷版の開発が困難であることも1つの原因であった。
直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有する感光体
として電子写真感光体が考えられる。トナー画像形成
後、非画像部の光導電層の除去を行う型の電子写真式製
版用印刷原版はすでに多く知られている。例えば、特公
昭37−17162号、同38−6961号、同38−7758号、同41−2
426号、同46−39405号、特開昭50−19509号、同50−195
10号、同52−2437号、同54−145538号、同54−134632
号、同55−105254号、同55−161250号、同57−147656
号、同57−161863号等に記載の電子写真式製版用印刷原
版があげられる。
電子写真感光体を印刷版とて使用するには、非画像部
をエッチングで除去し親水性の面を露出させる必要があ
るため、結合樹脂としてアルカリ性溶剤に溶解するかも
しくは膨潤して脱離する結合樹脂を用いることが多い。
通常、電子写真感光体の結合樹脂として広く用いられて
いるポリカーボネート樹脂等にくらべて、これらの親水
性の高い樹脂は、無機光導電性化合物との相互作用が著
しく強く、均一な分散物が形成できず、感光体を作成す
ることができず、また親水性を低くするとエッチングに
よる非画像部の除去が不可能となり、印刷原版として画
像部と非画像部(即ち親水性部)の判別ができず、印刷
原版としての使用に供されなくなってしまう。アルカリ
性溶剤に溶解または分散する樹脂は有機光導電性化合物
との相溶性が悪く、このため有機光導電性化合物の電子
写真感光層への導入量が制限される。光導電層中で表面
電位を打ち消すのに充分なキャリアーが発生していて
も、有機光導電性化合物の光導電層中での含有量が低い
と、光導電層中でのキャリアーの移動速度が低下し表面
電位の減衰速度すなわち応答速度が低下する。このた
め、露光終了後、表面電位がかぶりを与えない程度まで
充分減衰しトナー現像を開始できるまでの時間がなくな
る。プロセス時間をできるだけ短くするために、露光照
度をあげて露光時間を短くしていくぼどこの応答時間は
長くなる。したがって応答速度の遅さは、全プロセス時
間の短縮の大きな妨げになっている。また、レーザー光
源などの高照度光源によって走査露光を行う場合には別
の問題を生ずる。すなわち、応答速度が遅いと、書き込
み開始部と、書き込み終了部では表面電位の減衰率が異
なってくるため、書き込み開始部ではかぶりはないが、
書き込み終了部ではかぶりの多い画像ができあがり、印
刷版の作成に不都合が生じる現象が発生するのである。
有機光導電性化合物を使用した電子写真式製版用印刷
原版に用いられている従来公知の結合樹脂として、特公
昭41−2426号、同37−17162号、同38−6961号、特開昭5
2−2437号、同54−19803号、同54−134632号、同55−10
5254号、同50−19509号、同19509号などに記載の、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン
酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、フ
ェノール樹脂等が知られている。しかしながらこれらを
電子写真式製版用印刷原版に用いたときは種々の問題点
を有していることがすでに知られている。すなわち、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体を結合樹脂とした場合
は形成皮膜が硬く印刷版を湾曲させたときにひび割れを
生ずることがある。また、膜の接着性に乏しく多数枚の
印刷に耐えられない。フェノール樹脂を結合樹脂として
用いた場合は、形成皮膜が脆弱で、耐刷性が悪い。酢酸
ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体はやはり耐刷性に問題があった。
以上のような主として耐刷性不足に起因する種々の問
題を解決したとして特開昭57−161863号、同58−76843
号には、アクリル酸エステルモノマーもしくはメタクリ
ル酸エステルモノマーとカルボン酸含有モノマーとの共
重合体が開示されている。これらの結合樹脂を用いれば
電子写真式製版用印刷原版として使用することは可能で
ある。しかしながら、前述した通り、応答速度の遅さに
起因する近年指摘され始めた問題点は今だ未解決のまま
であった。更に、これらの結合剤を無機光導体に用いる
ことはできなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の第一の目的は、良好な感度を有し、かつ、応
答速度の速い電子写真式製版用印刷原版を提供すること
である。
本発明の第二の目的は、レーザーなどの走査露光によ
る画像形成に適した電子写真式製版用印刷原版を提供す
ることである。
本発明の第三の目的は、耐刷性に優れた電子写真式製
版用印刷原版を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、導電性支持体上に、少なくとも、光導電
性化合物および結合樹脂を含有する光導電層を有し、画
像露光しトナー画像を形成した後、トナー画像部以外の
非画像部の光導電層を前記導電性支持体上より除去する
ことにより印刷版とする電子写真式製版印刷原版におい
て、前記光導電層の結合樹脂が、下記一般式(A)で表
される官能基を少なくとも一種含有する共重合成分およ
びスルホ基、ホスホ基、カルボキシル基から選ばれる少
なくとも一種の酸性基を含有する共重合成分を少なくと
も一種含有してなるメタクリレート共重合体を含有して
成る事を特徴とする電子写真式製版用印刷原版によって
達成することができる。
一般式(A): ここで、 X′:−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON
(d1)−、芳香族基またはヘテロ環基(但し、d1は、水
素原子、炭化水素基または式(A)中の−(Y′−W)
を表す)、 Y′:結合基X′と結合基Wとを連結する、ヘテロ原子
を介してもよい炭素−炭素結合(但し、ヘテロ原子とし
ては酸素原子、イオウ原子または窒素原子である)、 W:分解してカルボキシル基を生成する官能基、 a1、a2:同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロ
ゲン原子、シアノ基または置換されてもよい炭素数1〜
7の炭化水素基、 である。
以下に、本発明において用いられる分解によりカルボ
キシル基を生成する官能基W(以下単に、カルボキシル
基性官能基と称することもある)について詳しく説明す
る。
本発明のカルボキシル基生成官能基は分解によってカ
ルボキシル基を生成するが、1つの官能基から生成する
カルボキシル基は1個でも2個以上でもよい。
本発明の1つの好ましい態様によれば、カルボキシル
基生成官能基含有樹脂は、一般式(I)〔−COO−L1
で示される官能基を少なくとも1種含有する樹脂であ
る。
一般式(I)〔−COO−L1〕において、 L1は、 −N=CH−Q1−NH−OH、 表わす。但し、R1、R2は互いに同じでも異なっていても
よく、水素原子又は脂肪族基を表わし、Xは、芳香族基
を表わし、Zは、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメ
チル基、アルキル基、−CN、−NO2、−SO2R1′(但し、
R1′は炭化水素基を示す)、−COOR2′(但しR2′は炭
化水素基を示す)又は−O−R3′(但し、R3′は炭化水
素基を示す)を表わし、n、mは、0、1又は2を表わ
す。
R3、R4、R5は、互いに同じでも異なっていてもよく、
炭化水素基又は−O−R4′(但し、R4′は炭化水素基を
示す)を表わし、Mは、Si、Sn又はTiを表わす。
Q1、Q2は、各々、炭化水素基を表わす。
Y1は酸素原子又はイオウ原子を表わし、R6、R7及びR8
は同じでも異なってもよく、各々水素原子、炭化水素基
又は−OR5′(但し、R5′は炭化水素基を示す)を表わ
し、pは3または4の整数を表わす。Y2は環状イミド基
を形成する有機残基を表わす。
一般式〔−COO−L1〕の官能基は、分解によってカル
ボキシル基を生成するものであり、以下更に詳しく説明
する。
L1を表わす場合において、R1、R2は互いに同じでも異なっ
ていてもよく好ましくは水素原子、又は置換されてもよ
い炭素数1〜12の直鎖状又は分枝状アルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、クロメチル基、ジク
ロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル基等)を表わ
し、Xは好ましくは置換されてもよいフェニル基又はナ
フチル基(例えばフェニル基、メチルフェニル基、クロ
ロフェニル基、ジメチルフェニル基、クロロメチルフェ
ニル基、ナフチル基等)を表わし、Zは好ましくは水素
原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、フッ素原子
等)、トリハロメチル基(例えばトリクロロメチル基、
トリフルオロメチル基等)、炭素数1〜12の置換されて
もよい直鎖状又は分枝状アルキル基(例えば、メチル
基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、テトラフルオロエチ
ル基、オクチル基、シアノエチル基、クロロエチル基
等)、−CN、−NO2、−SO2R1′〔R1′は好ましくは脂肪
族基(例えば炭素数1〜12の置換されてもよいアルキル
基:具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、クロロエチル基、ペンチル基、オクチル基等、炭
素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基:具体的に
はベンジル基、フェネチル基、クロロベンジル基、メト
キシベンジル基、クロロフェネチル基、メチルフェネチ
ル基等)又は芳香族基(例えば置換基を含有してもよい
フェニル基又はナフチル基:具体的には、フェニル基、
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、メチルフェニ
ル基、メトキシフェニル基、アセチルフェニル基、アセ
トアミドフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、
ナフチル基等)を表わす〕、−COOR2′(R2′は上記
R1′と同義である)又は−O−R3′(R3′は上記R1′と
同義である)を表わす。n、mはそれぞれ0、又は2を
表わす。
以上記述したL1を表わす場合について、より具体的に説明すると、以下
の様な置換基例を挙げることができる。
例えば、β,β,β−トリクロロエチル基、β,β,
β−トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロ−i−プロ
ピル基、−CH2CF2CF2 nH基(n′は1〜5を示
す)、2−シアノエチル基、2−ニトロエチル基、2−
メタンスルホニルエチル基、2−エタンスルホニルエチ
ル基、2−ブタンスルホニルエチル基、ベンゼンスルホ
ニルエチル基、4−ニトロベンゼンスルホニルエチル
基、4−シアノベンゼンスルホニルエチル基、4−メチ
ルベンゼンスルホニルエチル基、置換基を含有してもよ
いベンジル基(例えばベンジル基、メトキシベンジル
基、トリメチルベンジル基、ペンタメチルベンジル基、
ニトロベンジル基等)、置換基を含有してもよいフェナ
シル基(例えばフェナシル基、ブロモフェナシル基
等)、置換基を含有してもよいフェニル基(例えばフェ
ニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、メタン
スルホニルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル
基、ジニトロフェニル基等)を表わす。
L1を表わす場合において、R3、R4、R5は、互いに同じでも
異なっていてもよく、好ましくは炭素数1〜18の置換さ
れてもよい脂肪族基〔脂肪族基はアルキル基、アルケニ
ル基、アラルキル基又は脂環式基を示し、置換基として
は例えばハロゲン原子、−CN基、−OH基、−O−Q′
(Q′はアルキル基、アラルキル基、脂環式基、アリー
ル基を示す)等が挙げられる〕、炭素数6〜18の置換さ
れてもよい芳香族基(例えばフェニル基、トリル基、ク
ロロフェニル基、メトキシフェニル基、アセトアミドフ
ェニル基、ナフチル基等)、又は−O−R4′〔R4′は置
換されてもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換されて
もよい炭素数2〜12のアルケニル基、置換されてもよい
炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数5〜18の置換され
てもよい脂環式基、炭素数6〜18の置換されてもよいア
リール基を示す〕を表わす。
MはSi、Ti又はSnの各原子を表わし、より好ましくは
Si原子を表わす。
L1が−N=CH−Q1又は を表わす場合においては、Q1、Q2は好ましくは各々炭素
数1〜18の置換されてもよい脂肪族基(脂肪族基として
は、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式
基を示す。置換基としては例えば、ハロゲン原子、CN
基、アルコキシ基等を挙げることができる)又は炭素数
6〜18の置換されてもよいアリール基(例えばフェニル
基、メトキシフェニル基、トリル基、クロロフェニル
基、ナフチル基等)を表わす。
L1が、 を表わす場合において、Y1は酸素原子又はイオウ原子を
表わす。R6、R7、R8は互いに同じでも異なっていてもよ
く、好ましくは水素原子、置換されてもよい炭素数1〜
18の直鎖状又は分枝状アルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、クロロエ
チル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基等)、
置換されてもよい脂環式基(例えばシクロペンチル基、
シクロヘキシル基等)、置換されてもよい炭素数7〜12
のアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、ク
ロロベンジル基、メトキシベンジル基、等)又は、置換
されてもよい芳香族基(例えばフェニル基、ナフチル
基、クロロフェニル基、トリル基、メトキシフェニル
基、メトキシカルボニルフェニル基、ジクロロフェニル
基等)又は−O−R5′(R5′は、炭化水素基を表わし、
具体的には、上記R6、R7、R8の炭化水素基と同一の置換
基類を示す)を表わす。
pは3又は4の整数を表わす。
L1が、 を表わす場合において、Y2は、環状イミド基を形成する
有機残基を表わす。好ましくは、一般式(II)又は(II
I)で示される有機残基を表わす。
一般式(II) 一般式(III) 式(II)中、R9、R10は各々同じでも異なってもよ
く、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭
素原子等)、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル
基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル
基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、3−
クロロプロピル基、2−(メタンスルホニル)エチル
基、2−(エトキシオキシ)エチル基等)、炭素数7〜
12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、メチルベ
ンジル基、ジメチルベンジル基、メトキシベンジル基、
クロロベンジル基、ブロモベンジル基等)、炭素数3〜
18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、アリル
基、3−メチル−2−プロペニル基、2−ヘキセニル
基、4−プロピル−2−ペンテニル基、12−オクタデセ
ニル基等)、−S−R6′(R6′は前記又はR10のアル
キル基、アラルキル基、アルケニル基と同一の内容を表
わす置換基、又は置換されてもよいアリール基(例えば
フェニル基、トリル基、クロロフェニル基、プロモフェ
ニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、エ
トキシカルボニルフェニル基等)、又は−NHR7′(R7
は前記R6′と同一の内容を表わす)を表わす。又、R9
R10で環を形成する残基を表わしてもよい〔例えば5〜
6員環の単環(例えばシクロペンチル環、シクロヘキシ
ル環)、又は5〜6員環のビシクロ環(例えば、ビシク
ロヘプタン環、ビシクロヘプテン環、ビシクロオクタン
環、ビシクロオクテン環等)、更には、これらの環は、
置換されていてもよく、置換基としては、R9、R10で前
記した内容と同一のものを含む。) qは2又は3の整数を表わす。
式(III)中、R11とR12は、同一でも異なってもよ
く、前記R9、R10と同一の内容のものを表わす。更に
は、R11とR12は、連続して芳香族環を形成する有機残基
を表わしてもよい(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環
等)。
本発明の好ましい他の1つの態様として、一般式(I
V)〔−CO−L2〕で示される官能基を少なくとも1種含
有する樹脂を挙げることができる。
一般式(IV)は〔−CO−L2〕において、 L2は、 を表わす。但し、R13、R14、R15、R16及びR17は、各々
水素原子又は脂肪族基を表わす。
脂肪族基としては、好ましくは前記R6、R7、R8の置換
基と同一の内容を表わす。又はR14とR15及びR16とR17
連結して、縮合環を形成してもよい有機残基を表わす。
好ましくは5〜6員環の単環(例えばシクロペンチル
環、シクロヘキシル環等)、5員〜12員環の芳香族環
(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、
ピロール環、ピラン環、キノリン環等)等を表わす。更
に、本発明の好ましい他の1つの態様として、下記一般
式(V)で示されるオキサゾロン環を少なくとも1種含
有する樹脂を挙げることができる。
一般式(V) 一般式(V)において、R18、R19は、互いに同じでも
異なっていてもよく各々水素原子、炭化水素基を表わす
か又は、R18、R19とが一緒に環を形成してもよい。
好ましくは、R18、R19は、互いに同じでも異なっても
よく、各々水素原子、置換さてれいてもよい炭素数1〜
12の直鎖状又は分岐状アルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、2−クロ
ロエチル基、2−メトキシエチル基、2−メトキシカル
ボニルエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等)、置換
されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基(例えば
ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−アセトアミド
ベンジル基、フェネチル基、4−メトキシベンジル基
等)、置換されていてもよい炭素数2〜12のアルケニル
基(例えばエチレン基、アリル基、イソプロペニル基、
ブテニル基、ヘキセニル基等)、置換されていてもよい
5〜7員環の脂環式環(例えばシクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、クロロシクロヘキシル基等)、置換され
てもよい芳香族基(例えばフェニル基、クロロフェニル
基、メトキシフェニル基、アセトアミドフェニル基、メ
チルフェニル基、ジクロロフェニル基、ニトロフェニル
基、ナフチル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル
基等)を表わすか又は、R18とR19とが一緒に環(例え
ば、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基等)を形成してもよい。
本発明に用いられる一般式(I)〜(V)で示される
官能基の群から選択される官能基を少なくとも1種含有
する単量体を少なくとも1種含む共重合体は、重合体に
含有されるカルボキシル基を反応によって一般式〔−CO
O−L1〕あるいは〔−COO−L2〕の官能基に変換する、い
わゆ高分子反応による方法、又は、一般式〔−COO−
L1〕あるいは〔−COO−L2〕の官能基を1種又はそれ以
上含有する1種又はそれ以上の単量体の又は、慨単量体
及びこれと共に重合し得る他の単量体の重合反応により
重合体とする方法により得られる。これらの方法は、例
えば、日本化学会編、「新実験化学講座第14巻、有機化
合物の合成と反応〔V〕」第2535頁(丸善株式会社
刊)、岩倉義男:栗田恵輔著、「反応性高分子」第170
頁(講談社刊)等の総説引例の公知文献等に詳細に記載
されている。
重合体中の一般式〔−COO−L1〕あるいは〔−COO−
L2〕の官能基を任意に調整し得ることあるいは、不純物
を混入しないこと等の理由から、一般式〔−COO−L1
あるいは〔−CO−L2〕の官能基を1種又はそれ以上含有
する単量体から重合反応により製造する方法が好まし
い。具体的には重合性の二重結合を含むカルボン酸類あ
るいはその酸ハライド類を、例えば前記した公知文献等
に記載された方法に従って、そのカルボキシル基を一般
式〔−COO−L1〕あるいは〔−CO−L2〕の官能基に変換
した後、重合反応を行ない製造することができる。
また、一般式(V)で示されるオキサゾロン環を含有
する樹脂は、該オキサゾロン環を含有する1種又はそれ
以上の単量体又は該単量体及びこれと共重合し得る他の
単量体の重合反応により重合体とする方法により得られ
る。
このオキサゾロン環を含有する単量体は、重合性不飽
和結合を含有するN−アシロイル−α−アミノ酸類の脱
水閉環反応により製造することができる。具体的には、
岩倉義男.栗田恵輔著、「反応性高分子」第3章(講談
社刊)の総説引例の文献記載の方法によって製造するこ
とができる。
前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法
において用いられる一般式(I)〜(V)の官能基を含
有する共重合体成分について更に具体的に述べると、下
記一般式(A)の如き成分が挙げられる。
一般式(A): 式(A)中、X′は、−O−、−CO−、−COO−、−O
CO−、−CON(d1)−、芳香族基またはヘテロ環基(但
し、d1は、水素原子、炭化水素基または式(A)中の−
(Y′−W)を表す)。
Y′は、結合基X′と結合基Wとを連結する、ヘテロ
原子を介してもよい炭素−炭素結合(但し、ヘテロ原子
としては酸素原子、イオウ原子または窒素原子である)
を表し、例えば、 CH=CH、−O−、−S−、 −COO−、−CONH−、−SO2−、−SO2NH−、−NHCOO−、
−NHCONH−等の結合単位の単独又は組合せの構成より成
るものである(但し、b3、b4、b5は、各々水素原子、炭
化水素基または式(A)中の−(Y′−W)を表す)。
Wは分解してカルボキシル基を生成する官能基であ
り、前記一般式(I)〜(V)で表される官能基を表
す。
a1、a2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、シアノ基
または置換されてもよい炭素数1〜7の炭化水素基(例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキ
シカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキ
シカルボニル基、メトキシカルボニルメチル基、エトキ
シカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基等
の置換されてもよい炭素数1〜7のアルキル基、ベンジ
ル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、クロロフェニル基等のアリール基
等)を表す。
又、式(VI)中の〔−X′−Y′−〕結合残基は 部と−Wと直接連結させてもよい。
本発明の一般式(I)〜(V)で表わされる官能基
〔式(VI)中のW基〕について具体的例を以下に述べ
る。但し、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。
(12) −COOCH2CF3 (48) −COOCH2OCH3 (50) −COO(C6H5 (51) −COOCH(C6H5 これらの単量体と共重合しうる他の単量体としては、
例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニ
ル、酢酸アリル、プロピオン酸アリル等の如き脂肪族カ
ルボン酸ビニルあるいはアリルエステル類、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸等の如き不飽和カルボン酸のエステル類
又はアミド類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレンの如きスチレン誘導体、α−オレフィン類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、N−ビニルピロ
リドンの如きビニル基置換のヘテロ環化合物等が挙げら
れる。
更に、本発明の樹脂は酸性官能基を有するビニル重合
可能な成分を含有し、その酸性官能基としては、スチホ
基、ホスホ基およびカルボキシル基の少なくとも一種で
ある。酸性官能基を有するビニル重合可能な単量体の具
体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、2−カルボキシエチルアクリレート、2−スルホエ
チルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレー
ト、4−スルホブチルメタクリレート、2−ホスホエチ
ルメタクリレート、2−(2′−カルボキシベンゾイル
オキシ)エチルメタクリレート、マレイン酸、フタル
酸、無水マレイン酸、p−カルボキシルスチレン、p−
ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシフェニルアクリル
アミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2,3−
ジヒドロキシプロピルメタクリレート、3,4−ジヒドロ
キシブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
ルアミド、p−ビニルベンゼンスルホン酸、などをあげ
ることができる。
本発明の樹脂におけるカルボキシル基生成官能基を含
有する重合体成分は、樹脂が共重合体である場合には、
全重合体中の1〜99重量%、特に5〜95重量%、である
ことが好ましい。また、上記の如き酸性官能基を含有す
る重合体成分は、全共重合体中の0.1〜70重量%である
事が好ましい。更に具体的には、光導電体してと無機光
導電体を用いる場合には、酸性官能基を含有する重合体
成分は好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜
8重量%である。
一方、有機光導電体を用いる場合には、酸性官能基含
有重合体成分は好ましくは70重量%以下、より好ましく
は60重量%以下である。
これらの結合樹脂はラジカル重合開始剤をもちいて塊
状重合、溶液重合又は懸濁重合で容易に合成でき、合成
方法は一般によく知られている。結合樹脂の分子量は、
1×103〜5×105の範囲で使用可能であるが、形成皮膜
の強度、光導電層除去速度の上から8×103〜1.5×105
の範囲が好適である。
また、本発明における結合樹脂は、2種以上混合して
使用することができる。結合樹脂を2種以上混合して使
用する場合は、結合樹脂の少なくとも1種が本発明にお
ける特定の樹脂であればよく、混合使用される他の樹脂
は前述した従来公知の樹脂でもかまわない。
本発明において用いられる光導電性化合物は無機化合
物あるいは有機化合物のいずれでもよい。
無機化合物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン、セレン−テル
ル、硫化鉛等従来公知の無機光導電性化合物が挙げられ
る。
公害性の観点から、酸化亜鉛、酸化チタンが好まし
い。
一方、有機化合物としては、従来公知の化合物のいず
れでもよく、具体的に電子写真式製版用印刷原版として
はつぎの二種が従来公知の例として知られている。第一
は、特公昭37−17162号、同62−51462号、特開昭52−24
37号、同54−19803号、同56−107246号、同57−161863
号などのような、有機光導電性化合物、増感染料、結合
樹脂を主体とする光導電層を有するものであり、第二
は、特開昭56−146145号、同60−17751号、同60−17752
号、同60−17760号、同60−254142号、同62−54266号な
どのような電荷発生剤、電荷輸送剤、結合樹脂を主体と
する光導電層を有するものである。第二の例は特別な場
合として特開昭60−230147号、同60−230148号、同60−
238853号などのような電荷発生剤と電荷輸送剤とをそれ
ぞれ別の層に含有した二層構造の光導電層も知られてい
る。本発明の電子写真式製版用印刷原版は上記の二種の
光導電層のいずれの形態をとっていてもよい、第二の例
の場合には、本発明でいう有機光導電性化合物が電荷輸
送剤としての機能をはたす。
本発明における、有機光導電性化合物としては、 (a)米国特許第3,112,197号明細書などに記載されて
いるトリアゾール誘導体、 (b)米国特許第3,189,447号明細書などに記載されて
いるオキサジアゾール誘導体、 (c)特公昭37−16,096号公報などに記載されているイ
ミダゾール誘導体、 (d)米国特許第3,615,402号、同3,820,989号、同3,54
2,544号、特公昭45−555号、同51−10,983号、特開昭51
−93,224号、同55−108、667号、同55−156953号、同56
−36,656号明細書、公報などに記載のポリアリールアル
カン誘導体、 (e)米国特許第3,180,729号、同4,278,746号、特開昭
55−88,064号、同55−88,065号、同49−105,537号、同5
5−51,086号、同56−80,051号、同56−88,141号、同57
−45,545号、同54−112,637号、同55−、74、546号明細
書、公報などに記載されているピラゾリン誘導体及びピ
ラゾロン誘導体、 (f)米国特許第3,615,404号、特公昭51−10,105号、
同46−3,712号、同47−28,336号、特開昭54−83,435、
同54−110,836号、同54−119,925号明細書、公報などに
記載されているフェニレンジアミン誘導体、 (g)米国特許第3,567,450号、同3,180,703号、同3,24
0,597号、同3,658,520号、同4,232,103号、同4,175,961
号、同4,012,376号、西独国特許(DAS)1,110,518号、
特公昭49−35,702号、同39−27,577号、特開昭55−144,
250号、同56−119,132号、同56−22,437号明細書、公報
などに記載されているアリールアミン誘導体、 (h)米国特許第3,526,501号明細書記載のアミノ置換
カルコン誘導体、 (i)米国特許第3,542,546号明細書などに記載のN,N−
ビカルバジル誘導体、 (j)米国特許第3,257,203号明細書などに記載のオキ
シゾール誘導体、 (k)特開昭56−46,234号公報などに記載のスチリルア
ントラセン誘導体、 (l)特開昭54−110,837号公報等に記載されているフ
ルオレノン誘導体、 (m)米国特許第3,717,462号、特開昭54−59,143号
(米国特許第4,150,987号に対応)、同55−52,063号、
同55−52,064号、同55−46,760号、同55−85,495号、同
57−11,350号、同57−148,749号、同57−104,144号明細
書、公報などに記載されているヒドラゾン誘導体、 (n)米国特許第4,047,948号、同4,047,949号、同4,26
5,990号、同4,273,846号、同4,299,897号、同4,306,008
号明細書などに記載のベンジジン誘導体、 (o)特開昭58−190,953号、同59−95,540号、同59−9
7,148号、同59−195,658号、同62−36,674号公報などに
記載されているスチルベン誘導体、 (p)特公昭34−10,966号公報記載のポリビニルカルバ
ゾール及びその誘導体、 (q)特公昭43−18,674号、同43−19,192号公報記載の
ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2
−ビニル−4−(4′−ジメルアミノフェニル)−5−
フェニルオキサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチル
カルバゾール等のビニル重合体、 (s)特公昭43−19,193号公報記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの共重合
体の重合体、 (t)特公昭56−13,940号公報などに記載のピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド
樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の
縮合樹脂、 (u)特開昭56−90,883号、同56−161,550号公報に記
載された各種のトリフェニルメタンポリマー、 などがある。
なお本発明においては、有機光導電性化合物は、
(a)〜(u)にあげられた化合物に限定されず、これ
まで公知の全ての有機光導電性化合物を用いることがで
きる。これらの有機光導電性化合物は場合により2種類
以上を併用することが可能である。
第一の例の光導電層に含有される増感色素としては、
電子写真感光体に使用される従来公知の増感色素が使用
可能である。これらは、「電子写真」129,(1973)、
「有機合成化学」24(11),1010,(1966)等に記載され
ている。例えば、米国特許第3,141,770号、同4,283、47
5号、特公昭48−25658号、特開昭62−71965号等に記載
のピリリウム系染料、Applied Optics Supplement50
(1969)、特開昭50−39548号等に記載のトリアリール
メタン系染料、米国特許第3,597,196号等に記載のシア
ニン系染料、特開昭60−163047号、同59−164588号、同
60−252517号等に記載のスチル系染料などが遊離に使用
される。
第二の例の光導電層に含有される電荷発生剤として
は、電子写真感光体において従来公知の有機及び無機の
各種の電荷発生剤が使用できる。例えば、セレン、セレ
ン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、および、以下
(1)〜(9)に示す有機顔料を使用することができ
る。
(1)米国特許第4,436,800号、同4,439,506号、特開昭
47−37543号、同58−123,541号、同58−192,042号、同5
8−219,263号、同59−78,356号、同60−179,746号、同6
1−148,453号、同61−238,063号、特公昭60−5941号、
同60−45,646号等に記載されたモノアゾ、ビスアゾ、ト
リスアゾ顔料などのアゾ顔料、 (2)米国特許第3,397,086号、同4,666,802号、特開昭
51−90827号、同52−55643号等に記載の無金属あるいは
金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、 (3)米国特許第3,371,884号、特開昭47−30330号等に
記載のペリレン系顔料、 (4)英国特許第2,237,680号、特開昭47−30331号等に
記載のインジゴ、チオインジゴ誘導体、 (5)米国特許第2,237,679号、特開昭49−30332号等に
記載のキナクリドン系顔料、 (6)英国特許第2,237,678号、特開昭59−184,348号、
同62−28,738号、同47−18544号等に記載の多環キノン
系顔料、 (7)特開昭47−30,331号、特開昭47−18543号等に記
載のビスベンズイミダゾール系顔料、 (8)米国特許第4,396,610号、同4,644,082号等に記載
のスクアリウム塩系顔料 (9)特開昭59−53,850号、同61−212,542号等に記載
のアズレニウム塩系顔料、などである。これらは単独も
しくは2種以上を併用して用いることもできる。
また、有機光導電性化合物と結合樹脂の混合比は、有
機光導電性化合物と結合樹脂との相溶性によって有機光
導電性化合物の含有率の上限が決まり、これを上回る量
を添加すると有機光導電性化合物の結晶化がおこり好ま
しくない。有機光導電性化合物の含有量が少ないほど電
子写真感度は低下するので、有機光導電性化合物の結晶
化が起こらない範囲内ででるだけ多くの有機光導電性化
合物を含有させるのが好ましい。有機光導電性化合物の
含有率としては、結合樹脂100重量部に対し、有機光導
電性化合物5〜120重量部、好ましくは、有機光導電性
化合物10〜100重量部である。また、有機光導電性化合
物は、単独であるいは2種以上混合して使用してもよ
い。
光導電性化合物として、酸化亜鉛、酸化チタン等の無
機光導電性化合物を用いる場合は、無機光導電性化合物
100重量部に対して上記した結合樹脂を10〜60重量部な
る割合、好ましくは15〜40重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
て併用することができる。例えば、宮本晴視,武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁,C.J.Young等,RCA
Review15,469(1954)、清田航平等,電気通信学会論
文誌J 63−C(No.2),97(1980)、原崎勇次等,工
業化学雑誌66 78 及び188(1963)、谷忠昭,日本写
真学会誌35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム色素、トリフェニルメ
タン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中心
に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50−9
0334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130号、特
開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許第
4,054,450号、特開昭57−16456号公報に記載のものが挙
げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Harmmer「The Cyanine Dyes and Related Chmpound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、
米国特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国
特許第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許
第3,622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,
309,274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814
号、特公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の斤赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特
開昭47−44180号、特公51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭56
−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、
特開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許
第4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、21
6、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。
本発明の電子写真式製版用印刷原版の光導電層には、
電子写真感光体に従来使用されてきた種々の公知の添加
剤を含有させることができる。これらの添加剤として
は、電子写真感度を改良するための化学増感剤、皮膜性
を改良するための各種の可塑剤、界面活性剤などが含ま
れる。化学増感剤としては、例えば、p−ベンゾキノ
ン、クロラニル、フルオラニル、ブロマニル、ジニトロ
ベンゼン、アントラキノン、2,5−ジクロルベンゾキノ
ン、ニトロフェノール、無水テトラクロルフタル酸、2,
3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、ジニトロフ
ルオレノン、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエ
チレン等の電子吸引性化合物、特開昭58−65439号、同5
8−102239号、同58−129439号、同62−71965号等に記載
の化合物を挙げることができる。
可塑剤としては、たとえば、ジメチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニ
ルフォスフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチル
セバケート、ジブチルセバケート、ラウリン酸ブチル、
メチルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコ
ールフタレートなどを光導電層の可撓性を向上するため
に添加できる。これらの可塑剤は光導電層の静電特性、
エッチング性を劣化させない範囲で含有させることがで
きる。
本発明の結合樹脂は、エッチング処理によりカルボキ
シル基を生成する官能基を含有する事を特徴とする。従
って、非画像部において、エッチング処理で該官能基が
分解してカルボキシル基を生成する事により、樹脂自体
の水溶性が向上し、非画像部の溶出除去がより容易とな
る。公知の結合樹脂と有機光導電性化合物とから成る従
来公知の感光体においては、電子写真特性とエッチング
処理適性(即ち、容易に非画像部を除去する)とを両立
するには、種々の問題があった。即ち、光導電性化合物
を結合樹脂と均一に分散することは、結合樹脂中の酸性
基含有成分に左右され、エッチング適性を向上させるた
めに、酸性基含有成分を多くすると、分散性が損なわれ
てしまい、結果として、感光体を形成しても、電子写真
特性(例えば初期電位、光感度、明減衰等)に満足すべ
き特性が得られなくなってしまう。逆に、酸性基成分を
少なくすると、電子写真特性は満足できてもエッチング
処理による非画像部の除去が、結合樹脂の水溶性不足の
ために、不充分となり、結果として、印刷物の非画像部
に地カブリが発生してしまう。
本発明の結合樹脂は、これらの矛盾する問題を、解決
することができるものである。即ち、予めカルボキシル
基生成官能基を含有しておき、電子写真特性を満足さ
せ、且つ、エッチング処理でトナー画像でレジストされ
ていない非画像部の親水化を向上させて溶出除去される
ことで、印刷物の画質(特に地カブリ)を向上させるこ
とが可能となるものである。
更には、無機光導電性化合物を用いた場合、結合樹脂
として、従来公知のエッチング処理で除去される親水性
の高い樹脂を用いると、無機光導電性化合物との相互作
用が著しく強く、均一な分散物が形成できず感光体を作
製することができなかった。しかし、本発明の樹脂を用
いることにより、上記の様な問題も発生せず、良好な電
子写真特性を示す感光体を得ることができる。更には、
前述と同様に、エッチング処理で非画像部の結合樹脂を
親水化することで非画像部を溶出・除去することができ
る。
これら酸化亜鉛、酸化チタン等の無機光導電性化合物
は、公害上の問題もなく、且つ有機光導電性化合物に比
べ著しく低価格のものである。
また、本発明の光導電層の膜厚は、薄すぎると現像に
必要な表面電位を帯電することができず、逆に、厚すぎ
ると光導電層を除去する際にサイドエッチと呼ばれる平
面方向のエッチングを起こし、良好な印刷版が得られな
い。光導電層の膜厚としては、0.1〜30μ、好ましく
は、0.5〜10μである。
本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表
面に有するプラスチックシートまたは特に溶剤不透過性
および導電性にした紙、アルミニウム板、亜鉛板、また
は銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−銅
板等のバイメタル板、またはクロム−銅−アルミニウム
板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等の
トライメタル板等の親水性表面を有する導電性支持体が
用いられ、その厚さは、0.1〜3mmが好ましく、特に0.1
〜0.5mmが好ましい。これらの支持体の中でもアルミニ
ウム板か好適に使用される。本発明において用いられる
アルミニウム板はアルミニウムを主成分とする純アルミ
ニウムや微量の異原子を含むアルミニウム合金などの板
状体であり、その組成が特定されるものではなく従来公
知、公用の素材を適宜使用することが出来る。
このアルミニウム板は従来公知の方法で砂目立て、陽
極酸化して用いることが出来る。砂目立て処理に先立っ
てアルミニウム板表面の圧延脂を除去するために、所望
により界面活性剤またはアルカリ性水溶液による脱脂処
理が施され、砂目立て処理が行われる。砂目立て処理方
法には、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に
表面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させる
方法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、
ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研
磨法等と称せられる公知の方法を用いることか出来る。
また電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解
液中で交流または直流によりおこなう方法がある。ま
た、特開昭54−63902号に開示されている様に両者を組
み合わせた方法も利用できる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて
アルカリエッチング処理及び中和処理される。
この様に処理されたアルミニウム板は陽極酸化処理さ
れる。陽極酸化処理に用いられる電解質としては硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸、あるいはそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質やその濃度は電解質の種類によって
適宜決められる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質に
より種々変わるので、いちがいに特定し得ないが、一般
的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は、5〜
70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間1
0秒〜50分の範囲に有れば好適である。陽極酸化皮膜量
は0.1〜10g/m2が好適であるが、より好ましくは1〜6g/
m2の範囲である。
さらに、特公昭47−51525号公報に記載されているよ
うにアルミニウム板を陽極酸化処理した後に、アルカリ
金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用
される。また、米国特許第3658662号明細書に記載され
ているようなシリケート電着も有効である。西独公開特
許第1621478号公報に記載のポリビニルスルホン酸によ
る処理も適当である。
また、本発明においては、導電性支持体と光導電層と
の間に、密着性や電子写真式製版用印刷原版の静電特性
を改良するなどの目的のため、必要によりカゼイン、ポ
リビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹
脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル
酸などからなるアルカリ可溶性の中間層を設けることが
できる。
また、本発明においては、光導電層上に必要により、
静電特性、トナー現像時の現像特性、あるいは画像特
性、印刷特性などを改良する目的で光導電層除去時に、
同時に除去することが可能なオーバーコート層を設ける
ことができる。このオーバーコート層は、機械的にマッ
ト化されたもの、あるいは、マット剤が含有される樹脂
層であってもよい。この場合、マット剤としては二酸化
珪素、ガラス粒子、アルミナ、デンプン、酸化チタン、
酸化亜鉛、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
フェノール樹脂などの重合体の粒子、および米国特許第
2701245号、同第2992101号明細書に記されているマット
剤が含まれる。これらは、2種以上併用することができ
る。オーバーコート層に使用される樹脂としては、光導
電層を除去するエッチング液との組合せにより適宜選択
される。具体的には、例えば、アラビアゴム、ニカワ、
セルロース類、でん粉類、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルメチルエーテル、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラールなどが
ある。これらは2種以上併用することができる。
本発明に使用されるトナーは、非画像部を除去するエ
ッチング液に対する耐性を有し、このエッチング液から
トナー画像部の光導電層の溶出を防ぐ機能を有するもの
なら乾式現像剤、液体現像剤など電子写真のトナーとし
て使用されるものであればいずれも使用可能であるが、
高解像度の画像を得るためには液体現像剤を使用するの
が好ましい。さらには、疎水性でインク受容性のトナー
画像を与えるものが望ましい。たとえばトナー粒子の成
分としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリルエステルのホモポリマー及び共重合体、メ
タクリルエステルのホモポリマー及び共重合体、エチレ
ン共重合体、環化ゴム、酢酸ビニルのホモポリマー及び
共重合体、塩化ビニルなどの高分子物質が使用される。
またトナーの定着性や分散性および耐エッチング性に悪
影響を及ぼさない範囲内で着色剤、たとえば、カーボン
ブラック、ニグロシン系顔料、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン。ベンジジンイエロー、アルカ
リブルー、カーミン6Bなどのような顔料および染料を含
有することもできる。さらに、各種の電荷調節剤、その
他の添加剤を含有していてもよい。
トナー画像形成後のトナー非画像部の光導電性絶縁層
を除去するエッチング液としては、光導電性絶縁層を除
去できるものなら任意の溶剤が使用可能であり、特に限
定されるものではないが、好ましくは、アルカリ性溶剤
が使用される。ここで言う、アルカリ性溶剤とは、アル
カリ性化合物を含有する水溶液もしくは、アルカリ性化
合物を含有する有機溶剤もしくは、アルカリ性化合物を
含有する水溶液と有機溶剤との混合物である。アルカリ
性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、リン
酸ナトリウム、リン酸カリウム、アンモニア、およびモ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアミノアルコール類等などの有機および
無機の任意のアルカリ性の化合物を挙げることが出来
る。エッチング液の溶媒としては前述のように、水もし
くは多くの有機溶剤を使用することが出来るが、臭気、
公害性の点から水を主体としたエッチング液が好ましく
使用される。水を主体としたエッチング液には、必要に
応じて、各種の有機溶剤を添加することも出来る。好ま
しい有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチ
ルアルコール等の低級アルコールや芳香族アルコールお
よびエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、セルソ
ルブ類、およびモノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類等
を挙げることが出来る。また、エッチング液には界面活
性剤、消泡剤、その他必要に応じて各種の添加剤を含有
したものが使用される。
つぎに、本発明の電子写真式製版用印刷原版から印刷
版を作成する方法について説明する。本発明の電子写真
式製版用印刷原版は従来公知の電子写真プロセスにより
画像形成される。すなわち、暗所で実質的に一様に帯電
し、画像露光により静電潜像を形成する。露光方法とし
ては、キセノンランプ、タングステンランプ、螢光灯な
どを光源として反射画像露光、透明陽画フィルムを通し
た密着露光や、レーザー光、発光ダイオードなどにより
走査露光があげられる。走査露光を行う場合は、ヘリウ
ム−ネオンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザー、
アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、
YAGレーザー、ルピーレーザー、窒素レーザー、色素レ
ーザー、エキサイマーレーザー、GaAs/GaAlAs,InGaAsP
のような半導体レーザー、アレキサンドライトレーザ
ー、銅蒸気レーザー、エルビウムレーザーなどのレイザ
ー光源による走査露光、あるいは発光ダイオードや液晶
シャッターを利用した走査露光(発光ダイオードアレ
イ、液晶シャッターアレイなどをもちいたラインプリン
ター型の光源を含む)によって露光することができる。
つぎに、上記静電潜像をトナーによって現像する、現
像方法としては乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラ
シ現像、パウダークラウド現像)、液体現像法のいずれ
も使用できる。なかでも液体現像法は微細な画像を形成
することができ印刷版を作成するために好適である。さ
らに、正現像によるポジ−ポジ現象や、適当なバイアス
電圧の印加による反転現像によるネガ−ポジ現像も可能
である。形成されたトナー画像は公知の定着法、例えば
加熱定着、圧力定着、溶剤定着などにより定着すること
ができる。このように形成したトナー画像をレジストと
して作用させ、非画像部の光導電層をエッチング液によ
り除去することにより印刷版が作成できる。
[実施例] 本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、
本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例において部はすべて重
量部を示す。
実施例1及び比較例A〜C エチルメタクリレート5g、下記構造の単量体〔A〕25
g、アクリル酸30g及びテトラヒドロフラン250gの混合溶
液を窒素気流下70℃の温度に加熱した後、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル1.0gを加え8時間反応した。得
られた共重合体〔I〕の重量平均分子量は4.8×104であ
った。
本発明の共重体成分相当の単量体〔A〕 電荷発生剤として、下記のトリスアゾ化合物・・・・1.
0部、 有機光導電性化合物として、下記に示すヒドラゾン化合
物 ・・・・2.0部 上記重合体(I) ・・・・・・・10.0部 (固形分量として) テトラヒドロフラン ・・・・・・・・100 部 を500mlのガラス製容器にガラスビーズと共にいれ、ペ
イントシェーカー(東洋精機製作所(株))で60分間分
散したのち、ガラスビーズをろ別して光導電層用分散液
とした。
つぎに、この光導電層用分散液を、砂目立てした厚さ
0.2mmのアルミニウム板上に塗布、乾燥し乾燥膜圧5.1μ
の光導電層を有する電子写真式製版用印刷原版を調製し
た。
次に、作成した電子写真式製版用印刷原版の応答速度
を測定した。作成した電子写真式製版用印刷原版を、暗
所でコロナ帯電機により、表面電位+400Vに帯電したの
ち、発光時間35μ秒のフラッシュランプによって26erg/
cm2の露光を行ない表面電位の減衰を時間を追って測定
した。露光直後の表面電位と、露光後60秒の表面電位と
の間を表面電位が時間と共に減衰する様子を第1図に示
した。露光直後を1200%とし、露光後60秒目を0%とし
て示してある。表面電位がはじめの1/10すなわち10%に
なるのに要する時間は3.7秒であった。
次に得られた電子写真式製版用印刷原版をペーパーア
ナライザーEPA−8100(川口電気(株)製)を用いて、
スタチック方式により+7.5kVでコロナ帯電し、ハロゲ
ンランプで露光し電子写真特性を調べた。
帯電直後の表面電位(V0)、また感度として、露光前
の表面電位が光減衰して1/2になる露光量(E50)と1/10
になる露光量(E90)を求めたところ V0 +460V E50 3.6lux・sec E90 9.3lux・sec であった。
次にこの試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させたの
ちHe−Neレーザーを用いて633nmの光で版面での露光量
が30erg/cm2になるように露光し、これをアイソパーH
(エッソスタンダード社)1中にポリメチルメタクリ
レート粒子(粒子サイズ0.3μ)5gをトナー粒子として
分散し、荷電調節剤として大豆油レシチン0.01gを添加
して作製した液体現像剤を用い30Vのバイアス電圧を対
抗電極に印加して現像することにより、鮮明なポジのト
ナー画像を得ることができた。書き込み開始部も、書き
込み終了部もかぶりのない画像が得られた。
さらに、100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た。この電子写真式製版用印刷原版の非画像部を、ケイ
酸カリウム40部、水酸化カリウム10部及びエタノール10
0部を水800部に希釈したエッチング液によって除去し、
十分水洗した後、ガム引きし、オフセット用印刷版を作
成することが出来た。
このようにして作製した印刷版をハマダスター600CD
オフセット印刷機を用いて常法により印刷したところ非
画像部の汚れのない非常に鮮明な印刷物を5万枚印刷す
ることができた。
比較例A 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに次
に示す共重合体(A)を用いるほかは、実施例1と全く
同様にして電子写真式製版用印刷原版を作成した。
共重合体(A): スチレン−無水マレイン酸共重合体(無水マレイン酸含
有率:33モル%) 作成した電子写真式製版用印刷原版応答速度を、実施
例1と同様に測定した結果を第2図に示す。表面電位が
はじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間は20秒
であった。
次にこの試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させたの
ちHe−Neレーザーを用いて633nmの光で版面での露光量
が30erg/Cm2になるように露光し、これを実施例1とお
なじ液体現像剤を用いて全く同様に現像したが、画像書
き込み開始部はかぶりのない画像が得られたものの、書
き込み終了部にはかぶりが生じ均一な画像が得られなか
った。
さらに、100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た。この電子写真式製版用印刷原版の非画像部を、ケイ
酸カリウム40部、水酸化カリウム10部及びエタノール10
0部を水800部に希釈したエッチング液によって除去し、
十分水洗した後、ガム引きし、オフセット用印刷版を作
成した。作成した印刷版をハマダスター600CDオフセッ
ト印刷機を用いて常法により印刷したところかぶりの残
っていた部分には印刷インキが付着したため印刷物に地
汚れが発生し鮮明な印刷物を得ることができなかった。
書き込み終了部でもかぶりのない均一な画像を得るた
めには、書き込み終了からトナー現像開始までの間に35
〜70秒の待ち時間を必要とした。
比較例B 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに次
に示す共重合体(B)を用いるほかは、実施例1と全く
同様にして電子写真式製版用印刷原版を作成した。
共重合体(B): 酢酸ビニル−クロトン酸共重合体(カネボウNSC社製:Re
syn−28−1310) 作成した電子写真式製版用印刷原版の応答速度を、実
施例1と同様に測定した結果を第3図に示す。表面電位
がはじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間は30
秒であった。
比較例C 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに次
に示す共重合体(C)を用いるほかは、実施例1と全く
同様にしてで電子写真式製版用印刷原版を作成した。
共重合体(C): エチルメタクリレート−メタクリル酸(55:45) 作成した電子写真式製版用印刷原版の応答速度を、実
施例1と同様に測定した結果を第4図に示す。表面電位
がはじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間は17
秒であった。
実施例2〜8 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに表
1の共重合体を用いた他は、実施例1と同様にして電子
写真式製版用印刷原版を作製した。各重合体ともその重
量平均分子量(M)は3万〜4万の範囲であった。
作製した電子写真式製版用印刷原版の応答速度を、実
施例1と同様に測定して、表面電位がはじめの1/10すな
わち10%になるのに要する時間を求めた。結果を、表1
にまとめた。
実施例9 有機光導電性化合物として、実施例1で用いたヒドラ
ゾン化合物の代わりに、下記のオキサジアゾール化合物
を用いるほかは、実施例1と同様にして電子写真式製版
用印刷原版を作成した。作成した電子写真式製版用印刷
原版の応答速度を、実施例1と同様に測定して、表面電
位がはじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間を
求めたところ2.6秒であった。
オキサジアゾール化合物 実施例10 有機光導電性化合物として、下記に示すヒドラゾン化合
物 ・・・・25部 結合樹脂として、共重合体(VI) ・・・・・75 部、 増感色素として下記チオピリリウム塩化合物・・・1.18
部、 を、メチレンクロライド510部、メチルセルソルブアセ
テート150部の混合溶媒に溶解した。
この溶液を砂目立てした厚さ0.25mmのアルミニウム板
上に塗布、乾燥し乾燥膜圧5.3μの光導電層を有する電
子写真式製版用印刷原版を作製した。
次に、この試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させた
のちHe−Neレーザーを用いて632nmの光で露光し、これ
をアイソパー(エッソスタンダード社)1中にポリメ
チルメタクリレート粒子(粒子サイズ0.3μ)5gをトナ
ー粒子として分散し、荷電調節剤として大豆油レシチン
0.01gを添加して作製した液体現像剤で現像して、書き
込み開始部も、書き込み終了部もかぶりのない鮮明なポ
ジのトナー画像を得ることができた。
さらに、100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た。この電子写真製版印刷版をメタケイ酸ナトリウム水
和物70gをグリセリン140ml、エチレングリコール550ml
およびエタノール150mlに溶解したエッチング液に約1
分間浸漬し、水流で軽くブラッシングしながら洗うこと
により、トナーの定着していない非画像部を光導電層を
完全に除去することができた。
このようにして作製した印刷版をハマダスター600CD
オフセット印刷機を用いて常法により印刷したところ非
画像部の汚れのない非常に鮮明な印刷物を5万枚印刷す
ることができた。
実施例11 エチルメタクリレート44g、下記の化学構造の単量体5
5g、アクリル酸1g及び、トルエン300gの混合溶液とし、
温度70℃で、AIBNを0.8gの条件として以下は、実施例1
と同様にして、重量平均分子老56,000の共重合体(IX)
を得た。
単量体: 続いて、この共重合物40g(固形分量として)、酸化
亜鉛200g、ローズベンガル0.05g、無水フタル酸0.01g及
びトルエン300gの混合物をボールミル中で2時間分散し
て感光層形成物を調整し、これをストレート・マスター
(三菱製紙(株)製)上に、乾燥付着量が25g/cm2とな
るようにワイヤーバーで塗布し、110℃で1分間乾燥
し、ついで暗所で20℃、65%RHの条件下で24時間放置す
ることにより電子写真感光材料を作製した。
次に得られた感光材料を温度20℃、65%RHの暗室中
で、ペーパーアナライザー(川口電機(株)製ペーパー
アナライザーSP−428型)を用いて−6KVで20秒間コロナ
放電をさせた後10秒間放置し、この時の表面電位V10
測定し、ついで光導電層表面を照度2.0ルックスの可視
光で照射し、表面電位V0が1/10に減衰するまでの時間を
求め、これから露光量E90(ルックス・秒)を算出し
た。
一方、V10を測定した後、暗中で60秒間放置し、この
時の表面電位V70を測定し、帯電後70秒間暗中放置した
時の暗中電荷保持率(D.R.R)を次式により算出した。
V10:−530V E90:10.2〔lux.sec〕 D.R.R:85% 次にこの感光材料を、製版機として全自動製版機ELP4
04V(富士写真フィルム(株)製)を、液体現像剤とし
てELP−T(富士写真フィルム(株)製)を各々用いて
露光・現像・定着処理して画像を形成した。得られた複
写画像は鮮明な画質であった。
この原版を、まず1モル/濃度のホウ酸水溶液中に
浸漬した後水洗し、次に実施例1で用いたエッチング10
液中に浸漬することで非画像部を除去し、十分水洗し、
印刷用原版を作成した。
この様にして、作製した印刷用原版を、ハマダスター
800SX型オフセット印刷機(ハマダスター(株)製)を
用いて、常法により印刷した所、非画像の汚れのない非
常に鮮明な印刷物を5千枚印刷することができた。
比較例D 結合樹脂として、共重合体(IX)を用いる代わりに下
記の共重合体(D)を用いて、実施例11と同様にして光
導電層成形用分散物の調整を試みた。
共重合体(D):エチルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体 (重量組成比(93/7),重量平均分子量4.3×104)得ら
れた分散物は、凝集し、塗布が不可能となった。以上の
如く、酸化亜鉛を光導電性化合物とした時に用いる結合
樹脂中に、メタクリル酸が7重量%程度含有されると、
光導電層は形成できなくなってしまった。
比較例E 結合樹脂として共重合体(IX)を用いる代わりに、下
記共重合体(E)を用いて、実施例11と同様にして、感
光材料を作製した。
共重合体(E):エチルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体 (重量組成比(99/1),重量平均分子量4.5×) 得られた感光材料を、実施例11と同様にして、製版、
エッチング処理し、印刷機で印刷を行なった。
印刷物は刷り出しから、全面インクが付着し、画像部
と非画像部の判別が不可能であった。この事は、非画像
部がエッチング処理で、除去されず残存しているためと
考えられる。またE90は10.8(lux・sec)であった。
実施例12〜18 結合樹脂として、共重合体(IX)を用いる代わりに、
表2の共重合体を用いた他は、実施例11と同様にして、
電子写真式製版用印刷原版を作製した。
これを実施例1と同様に全自動製版機ELP404で製版し
た所、得られたオフセット印刷用マスタープレートの濃
度は1.2以上で画質は鮮明であった。更に、エッチング
処理をして印刷機で印刷した所、5千枚印刷後の印刷物
は非画像部のカブリもなく、画質も鮮明であった。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は、それぞれ実施例1及び比較例A〜C
の露光後の経時時間(秒)と表面電位の減衰率(%)と
の関係を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも、光導電性
    化合物および結合樹脂を含有する光導電層を有し、画像
    露光しトナー画像を形成した後、トナー画像部以外の非
    画像部の光導電層を前記導電性支持体上より除去するこ
    とにより印刷版とする電子写真式製版印刷原版におい
    て、前記光導電層の結合樹脂が、下記一般式(A)で表
    される官能基を少なくとも一種含有する共重合成分およ
    びスルホ基、ホスホ基、カルボキシル基から選ばれる少
    なくとも一種の酸性基を含有する共重合成分を少なくと
    も一種含有してなるメタクリレート共重合体を含有して
    成る事を特徴とする電子写真式製版用印刷原版。 一般式(A): ここで、 X′:−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON
    (d1)−、芳香族基またはヘテロ環基(但し、d1は、水
    素原子、炭化水素基または式(A)中の−(Y′−W)
    を表す)、 Y′:結合基X′と結合基Wとを連結する、ヘテロ原子
    を介してもよい炭素−炭素結合(但し、ヘテロ原子とし
    ては酸素原子、イオウ原子または窒素原子である)、 W:分解してカルボキシル基を生成する官能基、 a1、a2:同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロ
    ゲン原子、シアノ基または置換されてもよい炭素数1〜
    7の炭化水素基、 である。
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