JP2588779B2 - 電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真式製版用印刷原版

Info

Publication number
JP2588779B2
JP2588779B2 JP24096489A JP24096489A JP2588779B2 JP 2588779 B2 JP2588779 B2 JP 2588779B2 JP 24096489 A JP24096489 A JP 24096489A JP 24096489 A JP24096489 A JP 24096489A JP 2588779 B2 JP2588779 B2 JP 2588779B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
electrophotographic
printing plate
plate
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24096489A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03102358A (ja
Inventor
弘明 横家
博道 立川
脩 渡会
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP24096489A priority Critical patent/JP2588779B2/ja
Priority to US07/584,027 priority patent/US5102760A/en
Priority to DE4029565A priority patent/DE4029565B9/de
Publication of JPH03102358A publication Critical patent/JPH03102358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2588779B2 publication Critical patent/JP2588779B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光導電性顔料としてフタロシアニン顔料を
含有する光導電層を有し、電子写真法により、トナー画
像を形成した後、トナー画像部以外の非画像部の光導電
層を除去すること(以下、エッチングという)により印
刷版とする電子写真式製版用印刷原版において、電子写
真感度の改善された新規な電子写真式製版用印刷原版に
関するものである。
(従来の技術) 今日、平版オフセット印刷版としては、ジアゾ化合物
とフェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤やアクリ
ル系モノマーやプレポリマーを主成分とするネガ型感光
剤を用いるPS版などが実用化されているが、これらはす
べて低感度のため、あらかじめ画像記録されたフイルム
原版を密着露光して製版を行っている。一方、コンピュ
ーター画像処理と大容量データの保存およびデータ通信
技術の進歩によって、近年では、原稿入力、補正、編
集、割り付けから頁組まで一貫してコンピューター操作
され、高速通信網や衛星通信により即時遠隔地の末端プ
ロッターに出力できる電子編集システムが実用化してい
る。特に、即時性の要求される新聞印刷分野において電
子編集システムの要求度は高い。また、オリジナルが原
版フイルムの形で保存されこれをもとに必要に応じて印
刷版が複製されている分野においても、光ディスクなど
の超大容量記録メディアの発達に伴いオリジナルがこれ
らの記録メディアにデジタルデータとして保存されるよ
うになると考えられる。
しかしながら、末端プロッターの出力から直接印刷版
を作成する直接型印刷版はほとんど実用化されておら
ず、電子編集システムの稼働しているところでも出力は
銀塩写真フイルムにおこなわれ、これをもとに間接的に
PS版へ密着露光により印刷版が作成されているのが実状
である。これは、出力プロッターの光源(例えば、He−
Neレーザー、半導体レーザーなど)により実用的な時間
内に印刷版を作成できるだけの高い感度を有する直接型
印刷版の開発が困難であることも1つの原因であった。
直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有する感光体
として電子写真感光体が考えられる。トナー画像形成
後、非画像部の光導電層の除去を行う型の電子写真式製
版用印刷原版はすでに多く知られている。例えば、特公
昭37−17162号、同38−6961号、同38−7758号、同41−2
426号、同46−39405号、特開昭50−19509号、同50−195
10号、同52−2437号、同54−145538号、同54−134632
号、同55−105254号、同55−153948号、同55−161250
号、同56−107246、同57−147656号、同57−161863号、
等に記載の電子写真式製版用印刷原版があげられる。
特開昭56−107246号にはアルカリないしアルコール水
溶液に可溶性の結合樹脂にオキサゾール化合物を有機光
導電性化合物として添加し、これに増感染料を加えた光
導電層をアルミ板に塗布した電子写真式製版用印刷原版
が開示されている。また、特開昭56−146145号には有機
光導電性化合物としてオキサジアゾール化合物を含有
し、これに電荷発生剤として縮合多環キノン顔料、アル
カリ可溶性のカルボキシル基含有重合体からなる電子写
真式製版用印刷原版が開示されている。さらに、特開昭
62−54266号には有機光導電性化合物としてヒドラゾン
化合物を含有し、これに電化発生剤としてフタロシアニ
ン顔料、キナクリドン顔料などの顔料もしくは染料およ
び水性もしくはアルコール性溶剤に可溶の結合樹脂から
なる電子写真式製版用印刷原版が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) このように、電子写真感光体を印刷版として使用する
には、通常、非画像部をアルカリ性エッチング液で除去
し親水性の面を露出させる必要があるため、結合樹脂と
してアルカリ性溶剤に溶解するかもしくは膨潤して脱離
する結合樹脂を用いることが多い。しかし、電子写真感
光体の結合樹脂として広く用いられているポリカーボネ
ート樹脂等にくらべて、これらのアルカリ性溶剤に溶解
または膨潤する樹脂は、一般に、オキサゾール、ヒドラ
ゾン、オキサジアゾール、ピラゾリンをはじめとするほ
とんどの有機光導電性化合物との相溶性が悪い。このた
め、これらの有機光導電性化合物を印刷版に溶解して含
有させた場合、有機光導電性化合物が経時により分離析
出してくるという問題点があった。また、これらの有機
光導電性化合物はエッチング液に対する溶解性が悪いた
め非画像部のエッチング液に対する溶出性が不足し、印
刷した場合に白地部に地汚れを生ずるという欠点を有し
ていた。
さらに、上記の例に示したような結合樹脂に溶解する
有機光導電性化合物を含有しない電子写真式製版用印刷
原版も公知である。これは、フタロシアニン顔料のよう
な有機光導電性顔料をアルカリないしアルコール水溶液
に可溶性の結合樹脂に分散させて光導電層とする電子写
真式製版用印刷原版である。例えば、特開昭55−105254
号、特開昭55−161250号にはフェノール樹脂にフタロシ
アニン顔料を分散させた光導電層をアルミ板の上に設け
た電子写真式製版用印刷原版が開示されているが、この
電子写真式製版用印刷原版は感度の不足が問題であっ
た。このようにフタロシアニン顔料を結合樹脂中に分散
し、ヒドラゾン化合物やオキサゾール化合物のような有
機光導電性化合物を含有しない電子写真感光体はインダ
クション効果を示しこのため感度が低下することが知ら
れている。(Weigl“Current Problems in Electrophot
ography P278",Walter de Gruyter,1972)また、感光体
中にテトラニトロフルオレノンやトリニトロフルオレノ
ンなどの電子吸引性化合物を添加することにより、この
インダクション効果を軽減し感度を向上することが可能
であることも知られている。(電子写真学会誌60,116、
20,(1982))しかしながらこれらの電子吸引性化合物
は有毒であるため実用に供することは問題がある化合物
である。
以上に述べたことで解るように、高感度でしかも経時
変化の無い、またエッチング液に対する溶出性の良い電
子写真式製版用印刷原版の開発が望まれていたのであ
る。
(発明の目的) 本発明の目的は上記の従来の欠点を改良し、高感度
で、経時安定性の良い、溶出性の良好な印刷汚れの少な
い電子写真式製版用印刷原版を提供することである。
(課題を解決するための手段) 即ち、本発明者らは鋭意研究の結果、導電性支持体上
に、少なくとも光導電性顔料、および結合樹脂を含有す
る光導電層を有し、これを電子写真法によりトナー画像
を形成した後、トナー画像部以外の非画像部の光導電層
を除去することにより印刷版とする電子写真式製版用印
刷原版において、前記光導電性顔料がフタロシアニン顔
料であり、光導電層中にさらに下記一般式〔I〕もしく
は下記一般式〔II〕で表される化合物を含有することを
特徴とする電子写真式製版用印刷原版によつて前記項目
を達成した。
一般式〔I〕 一般式〔II〕 一般式〔I〕ないし〔II〕において、Zは硫黄原子ま
たは酸素原子を表す。R1およびR2は水素原子、アルキル
基、アリール基、もしくはアラルキル基を表し、アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基は更に他の置換基によ
つて置換されていてもよい。またR1とR2とは同一であつ
ても互いに異なつた基であつても良い。
一般式〔I〕において、Aはアルキル基、アリール
基、アラルキル基、または1価の複素環基を表し、アル
キル基、アリール基、アラルラル基、複素環基は更に他
の置換基によつて置換されていてもよい。
一般式〔II〕において、Bはアルキレン基、アリーレ
ン基、ポリメチレン基、もしくはアラルキレン基を表
し、アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基は更
に他の置換基によつて置換されていてもよい。
(本発明の具体的構成および効果) 即ち、本発明の電子写真式製版用印刷原版の光導電層
を構成する第一の成分は光導電性顔料であるフタロシア
ニン顔料である。フタロシアニン顔料には、中心金属の
異なるもの、結晶形の異なるもの、ベンゼン環に置換基
を有するものなど多種多様な顔料がある。中心金属とし
ては、銅、ニツケル、鉄、バナジウム、アルミニウム、
ガリウム、インジウム、ケイ素、チタニウム、マグネシ
ウム、コバルト、白金、ゲルマニウムなどの金属、さら
に無金属のフタロシアニンなど種々のものが知られてい
る。結晶形は、それぞれの金属フタロシアニン、無金属
フタロシアニンについてX線結晶回析によつて確認され
る種々の異なつた結晶形のフタロシアニンが知られてい
る。例えば、銅フタロシアニンでは、α型、β型、γ
型、δ型、ε型、η型、ρ型などの多形が、また無金属
フタロシアニンでは、α型、β型、χ型、τ型その他の
多形が、チタニルフタロシアニンでは、α型、β型、m
型その他の多形がそれぞれ知られている。さらに、フタ
ロシアニンのベンゼン環がフツ素、塩素、臭素のような
ハロゲン原子や、アルキル基、カルボキシル基、アミド
基、スルホニル基その他の置換基で置換された置換フタ
ロシアニンも知られている。これらは、それぞれ吸収波
長が異なり用途によつて使い分けられるが、電子写真用
としては、780nm〜830nmの半導体レーザーに適合する波
長に吸収を有するフタロシアニン顔料を中心に検討され
ている。本発明においては、これらすべての公知のフタ
ロシアニン顔料が使用可能である。
このようなフタロシアニン顔料としては下記のような
ものを例示することができる。ただし、本発明は下記の
例示したフタロシアニン顔料に限定されるものではな
い。
(1) 特公昭44−14106号、同45−30469号、同46−42
512号、同48−34189号、特開昭58−182639号、同62−47
054号、同63−55554号、同63−154688号、同63−180962
号、同60−243089号、J.Chem.Phys.,Vol−55,3178(197
1)などに記載のX型、τ型、α型などの無金属フタロ
シアニン顔料およびその誘導体 (2) 特開昭50−38543号、同51−23738号、同51−10
9841号、同55−59648号、同57−54943号、同57−185044
号、同62−121459号、同56−46235号、同62−141563号
などに記載のα型、β型、ε型などの銅フタロシアニン
顔料およびその誘導体 (3) 特開昭59−49544号、同59−166959号、同63−1
16158号、同63−198067号、同62−275272号、同61−678
66号、同61−217050号、同61−217050号、同59−214034
号、同63−364号、同63−365号、同63−37163号などに
記載の各種チタニルフタロシアニン顔料およびその誘導
体 (4) 特開昭63−18361号、同57−146255号、同57−1
47641号、同61−28557号、Appl.Phys.Lett.,Vol−38,44
5(1981)などに記載のバナジルフタロシアニン顔料お
よびその誘導体 (5) 特開昭59−204839号、同57−211149号、同62−
163060号、同62−177069号、同63−43155号、同59−214
034号、同57−90058号、Appl.Phys.Lett.,Vol−40,279
(1982)などに記載のアルミニウムフタロシアニン顔料
およびその誘導体 (6) 特開昭61−84655号、同59−44054号、59−1285
44号、同60−59355号、同63−261265号、同59−155851
号、同63−27562号、同63−56564号などに記載のインジ
ユウムフタロシアニン顔料およびその誘導体 (7) 特開昭59−44053号、同59−133551号、同60−5
9354号、同60−260054号などに記載のガリウムフタロシ
アニン顔料およびその誘導体 (8) 特開昭62−220958号、同62−229254号などに記
載の鉛フタロシアニン顔料およびその誘導体 (9) 特開昭62−223761号などに記載のマグネシウム
フタロシアニン顔料およびその誘導体 電子写真式製版用印刷原版においては複写機用電子写
真感光体や光プリンター用感光体に比べてより高い電荷
保持性を求められることが多いので、電荷保持性(暗中
での表面電位の保持能力)の高いフタロシアニ顔料を用
いるのが好ましい。
フタロシアニン顔料の光導電層中の含有量は光導電層
中の固形分に対して3〜50重量%、好ましくは5〜30重
量%である。
次に、本発明の第二の成分は結合樹脂である。結合樹
脂は、トナー画像部を溶出せず、非画像部(即ち、光導
電層)を溶出する溶媒に溶解または膨潤する樹脂であれ
ば使用可能であるが、好ましくはアルコールおよび/ま
たはアルカリ性水溶液に可溶もしくは膨潤する樹脂であ
る。これらの樹脂としては、フエノール樹脂、スチレン
・無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル、クロトン酸共
重合体、酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合体、アルコ
ール可溶性ナイロン、あるいはアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸もしくはイタコン酸のような酸性基含有
モノマーとメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル
もしくはスチレン等のモノマーとの2元以上の共重合体
があげられるが、酸性基を含有した共重合体ならいずれ
のものも使用可能である。
酸性基を含有した共重合体としては、以下に例示する
化合物があげられるが、これに限定されるものではな
い。
(1)ベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体
(モル比 60:40) (2)ベンジルメタクリレート−メタクリル酸−ヒドロ
キシメチルメタクリレート共重合体(モル比 60:20:2
0) (3)メチルメタクリレート−メタクリル酸−ヒドロキ
シメチルメタクリレート共重合体(モル比 70:10:20) (4)メチルメタクリレート−エチルメタクリレート−
アクリル酸共重合体(モル比 50:20:30) (5)ベンジルメタクリレート−メチルメタクリレート
−アクリル酸共重合体(モル比 50:20:30) (6)メチルメタクリレート−ヒドロキシエチルメタク
リレート−アクリロニトリル−アクリル酸(モル比 4
0:20:30:10) (7)ベンジルメタクリレート−ヒドロキシエチルメタ
クリレート−アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体 (モル比 20:20:50:10) (8)酢酸ビニル−クロトン酸共重合体(モル比 90:1
0) (9)酢酸ビニル−ヘキサン酸ビニル−クロトン酸共重
合体(モル比 85:5:10) (10)酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体(モル比
80:20) (11)スチレン−無水マレイン酸共重合体(モル比 5
0:50) (12)スチレン−ヒドロキシエチルメタクリレート−メ
タクリル酸共重合体(モル比 50:20:30) (13)スチレン−メタクリル酸−メチルメタクリレート
共重合体(モル比 40:30:30) これらの樹脂は単独あるいは2種以上混合して使用す
ることができる。
本発明の光導電層を構成する第三の成分は前記フタロ
シアニン顔料と前記結合樹脂より構成される光導電層の
光導電性を向上させる増感剤として機能する。前述した
ように、第三の成分を含有しない光導電層を用いた場合
は、光照射直後の表面電位の減衰に遅れを生ずるインダ
クシヨン効果が現れ、感度低下の原因となつている。こ
の原因については明確になつていないが、フタロシアニ
ン粒子表面にキヤリアトラツプが存在し、光照射により
発生したキヤリアがこのキヤリアトラツプに補足されて
しまうために、この間表面電位の減衰が見られないと考
えられている。本発明の化合物はこのインダクシヨン効
果を軽減し、表面電位の減衰しない時間(誘導期)を短
かくし、結果として感度を向上させるための増感剤であ
ると考えられる。
本発明の一般式(I)の化合物について、更に詳細に
説明する。
一般式〔I〕ないし〔II〕において、R1およびR2は水
素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基
を有していても良いアリール基もしくは置換基を有して
いても良いアラルキル基を表す。これらの基が置換され
ている場合の置換基としては、シアノ基、ヒドロキシ
基、カルボキシル基、ニトロ基、塩素、フツ素、臭素な
どのハロゲン原子、アミノ基、アルコキシ基、アリール
基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシ
ルオキシ基、アルキル基もしくはアリール基もしくはア
ラルキル基により置換されたアミノ基、トリフルオロメ
チル基などをあげることができる。R1、R2の具体例とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシ
ル基、2−エチルヘキシル基、フルオロメチル基、クロ
ロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロアル
キル基、メトキシメチル基、シアノメチル基などの直鎖
状アルキル基、分岐状アルキル基、置換アルキル基およ
び、フエニル基、p−トリフルオロメチルフエニル基、
o−トリフルオロメチルフエニル基、p−シアノフエニ
ル基、o−シアノフエニル基、p−ニトロフエニル基、
o−ニトロフエニル基、p−ブロモフエニル基、o−ブ
ロモフエニル基、p−クロルフエニル基、o−クロルフ
エニル基、p−フルオロフエニル基、o−フルオロフエ
ニル基、p−カルボキシフエニル基、p−メトキシフエ
ニル基、o−メトキシフエニル基、N,N−ジエチルアミ
ノフエニル基、N,N−ジフエニルアミノフエニル基、N,N
−ジベンジルアミノフエニル基、N,N−ジメチルアミノ
フエニル基、ナフチル基、メトキシナフチル基、N,N−
シエチルアミノナフチル基、ベンジル基、p−ブロモベ
ンジル基、p−シアノベンジル基、p−ニトロベンジル
基、p−トリフルオロメチルベンジル基、o−ブロモベ
ンジル基、o−シアノベンジル基、o−ニトロベンジル
基、フエニルエチル基、ε−フエニルプロピル基、p−
クロルベンジル基、ナフチルメチル基などのアリール
基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基
をあげることができる。R1とR2とは同一であつても互い
に異なつた基でも良い。
一般式〔I〕において、Aは置換もしくは無置換のア
ルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もし
くは無置換のアラルキル基、または置換基を有していて
も良い1価の複素環基を表す。
このうちアルキル基、アリール基、アラルキル基もし
くは複素環基が置換されている場合の置換基としては、
R1およびR2の置換基としてあげた同じ基をあげることが
できる。
Aが置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは
無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル
基であつた場合の具体例としては、水素原子、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エ
チルヘキシル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、
トリフルオロメチル基、パーフルオロアルキル基、メト
キシメチル基、シアノメチル基などの直鎖状アルキル
基、分岐状アルキル基、置換アルキル基および、フエニ
ル基、p−トリフルオロメチルフエニル基、o−トリフ
ルオロメチルフエニル基、p−シアノフエニル基、o−
シアノフエニル基、p−ニトロフエニル基、o−ニトロ
フエニル基、p−ブロモフエニル基、o−ブロモフエニ
ル基、p−クロルフエニル基、o−クロルフエニル基、
p−フルオロフエニル基、o−フルオロフエニル基、p
−カルボキシフエニル基、p−メトキシフエニル基、o
−メトキシフエニル基、N,N−ジエチルアミノフニル
基、N,N−ジフエニルアミノフエニル基、N,N−ジベンジ
ルアミノフエニル基、N,N−ジメチルアミノフエニル
基、ナフチル基、メトキシナフチル基、シアノナフチル
基、ニトロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフ
チル基、フルオロナフチル基、トリフルオロメチルナフ
チル基、N,N−ジエチルアミノナフチル基、ベンジル
基、フエニルエチル基、3−フエニルプロピル基、p−
クロルベンジル基、p−ブロモベンジル基、p−シアノ
ベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−トリフルオロ
メチルベンジル基、o−ブロモベンジル基、o−シアノ
ベンジル基、o−ニトロベンジル基、ナフチルメチル基
などのアリール基、置換アリール基、アラルキル基、置
換アラルキル基をあげることができる。
Aが置換基を有していても良い1価の複素環基であつ
た場合の複素環基としては、フラン、ピロール、チオフ
エン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフラン、
オキサゾール、イミダゾール、チアゾール、イソオキサ
ゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピラジン、フタラジンおよびこれらの
誘導体、たとえば、2−チオ−4−チアゾリジノン、3
−ピラゾリジノン、5−イソオキサゾロン、2−オキサ
ゾリドン、2,4−チアゾリジンジオン、2−チオフエノ
ン、2−フラノン、4−ピリミドンなどがあげられる。
一般式〔II〕において、Bは置換基を有していても良
いアルキレン基、置換基を有していても良いアリーレン
基、ポリメチレン基、もしくは置換基を有していても良
いアラルキレン基を表す。
Bがアリーレン基の場合、炭素原子数6ないし22のア
リーレン基が使用される。その具体例としてはp−フエ
ニレン基、m−フエニレン基、o−フエニレン基、1,4
−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、4,4′−ビフエニ
レン基などが例示できる。Bがポリメチン基の場合は、
炭素原子数1ないし22のポリメチン基があげられる。ま
た、Bがアルキレン基の場合炭素原子数1ないし22のア
ルキレン基があげられる。例えば、メチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチリデン基、1,
2−ジメチルエチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン
基、1,4−ジメチルテトラメチレン基、1,5−ジメチルペ
ンタメチレン基、1,6−ジメチルヘキサメチレン基、1
−エチルエチレン基、1,2−ジエチルエチレン基などを
例示することが出来る。Bがアラルキレン基の場合、炭
素原子数7ないし22のアラルキレン基が使用される。た
とえば、 などがあげられる。
これらは、置換基によつて置換されていてもかまわな
い。これらの基が置換されている場合の置換基として
は、R1およびR2の置換基としてあげた同じ基をあげるこ
とができる。
次に、上記一般式〔I〕もしくは一般式〔II〕で示さ
れる化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらの
化合物に限定される物ではない。
例示化合物1 例示化合物2 例示化合物3 例示化合物4 例示化合物5 例示化合物6 例示化合物7 例示化合物8 例示化合物9 例示化合物10 例示化合物11 例示化合物12 例示化合物13 例示化合物14 例示化合物15 例示化合物16 例示化合物17 例示化合物18 例示化合物19 例示化合物20 例示化合物21 例示化合物22 例示化合物23 例示化合物24 例示化合物25 例示化合物26 例示化合物27 これらの化合物は、チオバルビツール酸もしくはバル
ビツール酸と対応する有機酸ハライドもしくは対応する
酸無水物とを、ピリジンやトリエチルアミンのようなア
ルカリ共存下で反応することにより容易に合成すること
が出来る。もしくは、J.Am.Chem.Soc.,Vol.76、6185(1
956)に記載の方法を用いて合成することができる。
本発明の第三成分である、一般式(I)ないし(II)
の化合物の添加量に制限はないが、フタロシアニン顔料
に対して1〜100重量%の範囲が好ましい。より好まし
くはフタロシアニン顔料に対し2〜40重量%の範囲が適
当である。
本発明の電子写真式製版用印刷原版の光導電層には、
本発明の化合物の他に電子写真感光体に従来使用されて
きた種々の公知の添加剤を含有させることができる。こ
れらの添加剤としては、電子写真感度を改良するための
化学増感剤、電荷輸送剤、皮膜性を改良するための各種
の可塑剤、界面活性剤などが含まれる。化学増感剤とし
ては、例えば、p−ベンゾキノン、クロラニル、フルオ
ラニル、ブロマニル、ジニトロベンゼン、アントラキノ
ン、2,5−ジクロルベンゾキノン、ニトロフエノール、
無水テトラクロルフタル酸、2,3−ジクロロ−5,6−ジシ
アノベンゾキノン、ジニトロフルオレノン、トリニトロ
フルオレノン、テトラシアノエチレン等の電子吸引性化
合物、特開昭58−65439号、同58−102239号、同58−129
439号、同62−71965号等に記載の化合物等を挙げること
ができる。
電荷輸送剤としては、例えば、 (a)米国特許第3,112,197号明細書などに記載されて
いるトリアゾール誘導体、 (b)米国特許第3,189,447号明細書などに記載されて
いるオキサジアゾール誘導体、 (c)特公昭37−16,096号公報などに記載されているイ
ミダゾール誘導体、 (d)米国特許第3,615,402号、同3,820,989号、同3,54
2,544号、特公昭45−555号、同51−10,983号、特開昭51
−93,224号、同55−108,667号、同55−156953号、同56
−36,656号明細書、公報などに記載のポリアリールアル
カン誘導体、 (e)米国特許第3,180,729号、同4,278,746号、特開昭
55−88,064号、同55−88,065号、同49−105,537号、同5
5−51,086号、同56−80,051号、同56−88,141号、同57
−45,545号、同54−112,637号、同55−74,546号明細
書、公報などに記載されているピラゾリン誘導体及びピ
ラゾロン誘導体、 (f)米国特許第3,615,404号、特公昭51−10,105号、
同46−3,712号、同47−28,336号、特開昭54−83,435
号、同54−110,836号、同54−119,925号明細書、公報な
どに記載されているフエニレンジアミン誘導体、 (g)米国特許第3,567,450号、同3,180,703号、同3,24
0,597号、同3,658,520号、同4,232,103号、同4,175,961
号、同4,012,376号、西独国特許(DAS)1,110,518号、
特公昭49−35,702号、同39−27,577号、特開昭55−144,
250号、同56−119,132号、同56−22,437号明細書、公報
などに記載されているアリールアミン誘導体、 (h)米国特許第3,526,501号明細書記載のアミノ置換
カルコン誘導体、 (i)米国特許第3,542,546号明細書などに記載のN,N−
ビカルバジル誘導体、 (j)米国特許第3,257,203号明細書などに記載のオキ
サゾール誘導体、 (k)特開昭56−46,234号公報などに記載のスチリルア
ントラセン誘導体、 (l)特開昭54−110,837号公報等に記載されているフ
ルオレノン誘導体、 (m)米国特許第3,717,462号、特開昭54−59,143号
(米国特許第4,150,987号に対応)、同55−52,063号、
同55−52,064号、同55−46,760号、同55−85,495号、同
57−11,350号、同57−148,749号、同57−104,144号明細
書、公報などに記載されているヒドラゾン誘導体、 (n)米国特許第4,047,948号、同4,047,949号、同4,26
5,990号、同4,273,846号、同4,299,897号、同4,306,008
号明細書などに記載のベンジジン誘導体、 (o)特開昭58−190,953号、同59−95,540号、同59−9
7,148号、同59−195,658号、同62−36,674号公報などに
記載されているスチルベン誘導体、 (p)特公昭34−10,966号公報記載のポリビニルカルバ
ゾール及びその誘導体、 (q)特公昭43−18,674号、同43−19,192号公報記載の
ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2
−ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフエニル)−5
−フエニルオキサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチ
ルカルバゾール等のビニル重合体、 (r)特公昭43−19,193号公報記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの共重合
体等の重合体、 (s)特公昭56−13,940号公報などに記載のピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド
樹脂、エチルアルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の
縮合樹脂、 (t)特開昭56−90,883、同56−161,550号公報に記載
された各種のトリフエニルメタンポリマーなどがある。
なお本発明において、電荷輸送剤は、(a)〜(t)
にあげられた化合物に限定されず、これまで公知の全て
の電荷輸送剤を用いることができる。これらの有機光導
電性化合物は場合により2種類以上を併用することが可
能である。
可塑剤としては、たとえば、ジメチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリフエニ
ルフオスフエート、ジイソブチルアジペート、ジメチル
セバケート、ジブチルセバケート、ラウリン酸ブチル、
メチルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコ
ールフタレートなど光導電層の可撓性を向上するために
添加できる。これらの可撓剤は光導電層の静電特性、エ
ツチング性を劣化させない範囲で含有させることができ また、本発明の光導電層の膜厚は、薄すぎると現像に
必要な表面電位を帯電することができず、逆に、厚すぎ
ると光導電層を除去する際にサイドエッチと呼ばれる平
面方向のエッチングを起こし、良好な印刷版が得られな
い。光導電層の膜厚としては、0.1〜30μ、好ましく
は、0.5〜10μである。
本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表
面を有するプラスチックシートまたは特に溶剤不透過性
および導電性にした紙、アルミニウム板、亜鉛板、また
は銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−銅
板等のバイメタル板、またはクロム−銅−アルミニウム
体、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等の
トライメタル板等の親水性表面を有する導電性支持体が
用いられ、その厚さは、0.1〜3mmが好ましく、特に0.1
〜0.5mmが好ましい。これらの支持体の中でもアルミニ
ウム板が好適に使用される。本発明において用いられる
アルミニウム板はアルミニウムを主成分とする純アルミ
ニウムや微量の異原子を含むアルミニウム合金などの板
状体であり、その組成が特定されるものではなく従来公
知、公用の素材を適宜使用することが出来る。
このアルミニウム版は従来公知の方法で砂目立て、陽
極酸化して用いることが出来る。砂目立て処理に先立っ
てアルミニウム板表面の圧延脂を除去するために、所望
により界面活性剤またはアルカリ性水溶液による脱脂処
理が施され、砂目立て処理が行われる。砂目立て処理方
法には、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に
表面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させる
方法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、
ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研
磨法等と称せられる公知の方法を用いることが出来る。
また電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解
液中で交流または直流によりおこなう方法がある。ま
た、特開昭54−63902号に開示されている様に両者を組
み合わせた方法も利用できる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて
アルカリエッチング処理及び中和処理される。
この様に処理されたアルミニウム板は陽極酸化処理さ
れる。陽極酸化処理に用いられる電解質としては硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸、あるいはそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質やその濃度は電解質の種類によって
適宜決められる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質に
より種々変わるので、いちがいに特定し得ないが、一般
的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は、5〜
70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間1
0秒〜50分の範囲に有れば好適である。陽極酸化皮膜量
は0.1〜10g/m2が好適であるが、より好ましくは1〜6g/
m2の範囲である。
さらに、特公昭47−5125号公報に記載されているよう
にアルミニューム板を陽極酸化処理した後に、アルカリ
金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用
される。また、米国特許第3658662号明細書に記載され
ているようなシリケート電着も有効である。西独公開特
許第1621478号公報に記載のボリビニルスルホン酸によ
る処理も適当である。
また、本発明においては、導電性支持体と光導電層と
の間に、密着性や電子写真式製版用印刷原版の静電特性
を改良するなどの目的のため、必要によりカゼイン、ポ
リビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹
脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル
酸などからなるアルカリ可溶性の中間層を設けることが
できる。
また、本発明においては、光導電層上に必要により、
静電特性、トナー現像時の現像特性、あるいは画像特
性、印刷特性などを改良する目的で光導電層除去時に、
同時に除去することが可能なオーバーコート層を設ける
ことができる。このオーバーコート層は、機械的にマッ
ト化されたもの、あるいは、マット剤が含有される樹脂
層であってもよい。この場合、マット剤としては二酸化
珪素、ガラス粒子、アルミナ、デンプン、酸化チタン、
酸化亜鉛、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
フェノール樹脂などの重合体の粒子、および米国特許第
2701245号、同第2992101号明細書に記されているマット
剤が含まれる。これらは、2種以上併用することができ
る。オーバーコート層に使用される樹脂としては、光導
電層を除去するエッチング液との組合せにより適宜選択
される。具体的には、例えば、アラビアゴム、ニカワ、
セルロース類、でん粉類、ボリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルメチルエーテル、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラールなどが
ある。これらは2種以上併用することができる。
本発明に使用されるトナーは、非画像部を除去するエ
ッチング液に対する耐性を有し、このエッチング液から
トナー画像部の光導電層の溶出を防ぐ機能を有するもの
なら乾式現像剤、液体現像剤など電子写真のトナーとし
て使用されるものであればいずれも使用可能であるが、
高解像度の画像を得るためには液体現像剤を使用するの
が好ましい。さらには、疎水性でインク受容性のトナー
画像を与えるものが望ましい。たとえばトナー粒子の成
分としては、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルトルエン
系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリルエステルのホモ
ポリマー及び共重合体、メタクリルエステルのホモポリ
マー及び共重合体、エチレン共重合体、環化ゴム、酢酸
ビニルのホモポリマー及び共重合体、塩化ビニルなどの
高分子物質が使用される。またトナーの定着性や分散性
および耐エッチング性に悪影響を及ぼさない範囲内で着
色剤、たとえば、カーボンブラック、ニグロシン系顔
料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ベンジジンイエロー、アルカリブルー、カーミン6Bなど
のような顔料および染料を含有することもできる。さら
に、各種の荷電調節剤、その他の添加剤を含有していて
もよい。
トナー画像形成後のトナー非画像部の光導電性絶縁層
を除去するエッチング液としては、光導電性絶縁層を除
去できるものなら任意の溶剤が使用可能であり、特に限
定されるものではないが、好ましくは、アルカリ性溶剤
が使用される。ここで言う、アルカリ性溶剤とは、アル
カリ性化合物を含有する水溶液もしくは、アルカリ性化
合物を含有する有機溶剤もしくは、アルカリ性化合物を
含有する水溶液と有機溶剤との混合物である。アルカリ
性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、リン
酸ナトリウム、リン酸カリウム、アンモニア、およびモ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアミノアルコール類等などの有機および
無機の任意のアルカリ性化合物を挙げることが出来る。
エッチング液の溶媒としては前述のように、水もしく
は多くの有機溶剤を使用することが出来るが、臭気、公
害性の点から水を主体としたエッチング液が好ましく使
用される。水を主体としたエッチング液には、必要に応
じて、各種の有機溶剤を添加することも出来る。好まし
い有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチル
アルコール等の低級アルコールや芳香族アルコールおよ
びエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール、セルソル
ブ類、およびモノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類等を
挙げることが出来る。また、エッチング液には界面活性
剤、消泡剤、その他必要に応じて各種の添加剤を含有し
たものが使用される。
つぎに、本発明の電子写真式製版用印刷原版から印刷
版を作成する方法について説明する。本発明の電子写真
式製版用印刷原版は従来公知の電子写真プロセスにより
画像形成される。すなわち、暗所で実質的に一様に帯電
し、画像露光により静電潜像を形成する。露光方法とし
ては、キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯な
どを光源として反射画像露光、透明陽画フイルムを通し
た密着露光や、レーザー光、発光ダイオードなどによる
走査露光があげられる。走査露光を行う場合は、ヘリウ
ム−ネオンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザー、
アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、
YAGレーザー、ルビーレーザー、窒素レーザー、色素レ
ーザー、エキサイマーレーザー、GaAs/GaAlAs、InGaAsP
のような半導体レーザー、アレキサンドライトレーザ
ー、銅蒸気レーザー、エルビウムレーザーなどのレイザ
ー光源による走査露光、あるいは発光ダイオードや液晶
シャッターを利用した走査露光(発光ダイオードアレ
イ、液晶シャッターアレイなどをもちいたラインプリン
ター型の光源も含む)によって露光することができる。
つぎに、上記静電潜像をトナーによって現像する、現
像方法としては乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラ
シ現像、パウダークラウド現像)、液体現像法のいずれ
も使用できる。なかでも液体現像法は微細な画像を形成
することができ印刷版を作成するために好適である。さ
らに、正現像によるポジーポジ現像や、適当なバイアス
電圧の印加による反応現像によるネガ−ポジ現像も可能
である。形成されたトナー画像は公知の定着法、例え
ば、加熱定着、圧力定着、溶剤定着などにより定着する
ことができる。このように形成したトナー画像をレジス
トとして作用させ、非画像部の光導電層をエッチング液
により除去することにより印刷版が作成できる。
合成例 例示化合物(3)の合成 N−(p−クロロフエニル)、N′−フエニルチオバ
ルビツール酸33.1g(0.1モル)とピリジン24.0g(0.3モ
ル)とをクロロフオルム1に溶解し、これに塩化アセ
チル12.1g(0.15モル)を水冷下で滴下し、室温にて2
時間撹拌する。その後、溶媒を減圧下にて留去した後エ
タノール500mlを加え撹拌・冷却すると淡黄色の固体が
析出する。ろ別により得られた淡黄色固体をエタノール
3から再結晶して23g(収率66%)で目的で例示化合
物(3)を得た。
元素分析: Calc Found H 3.52 3.49 C 57.99 57.95 N 7.51 7.61 Cl 9.51 9.67 S 8.60 8.68 NMR:δ 2.8 s 3H δ 7.1−7.7 m 9H δ 17.3 s 1H MASS:M+372 〔実施例〕 本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、
本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例において部はすべて重
量部を示す。
実施例1 ε型銅フタロシアニン(Lio photon ERPC、東洋イン
キ(株)製) 3.0部 例示化合物(1) ……0.3部 メタクリル酸ベンジル−メタクリル酸共重合体(モノマ
ー組成比 60:40(モル比)) ……15.0部 テトラヒドロフラン ……100 部 シクロヘキサノン ……20 部 を500mlのガラス製容器にガラスビーズと共にいれ、ペ
イントシエーカー(東洋精機製作所(株))で120分間
分散したのち、ガラスビーズをろ別して光導電層用分散
液とした。
つぎに、この光導電層用分散液を、砂目立てした厚さ
0.25mmのアルミニウム板上に塗布、乾燥し乾燥膜厚5.0
μの光導電層を有する電子写真式製版用印刷原版を調製
した。
次に、作成した電子写真式製版用印刷原版の電子写真
感度を測定した。作成した電子写真式製版用印刷原版
を、静電複写紙試験装置EPA−8100(川口電気(株)
製)を用いて、スタチツク方式により+8.0kVでコロナ
帯電し、780nmの単色光を10mW/m2の光強度により露光し
電子写真特性を調べた。
帯電直後の表面電位(V0)、帯電直後から30秒後の表
面電位のV0に対する比を電荷保持率(DD30)、また感度
として、露光前の表面電位が光減衰して1/2になる露光
量(E50)と1/5になる露光量(E80)を求めたところ V0: +454V E50: 4.9μJ/cm2 E80: 6.3μJ/cm2 DD30: 94% であつた。
次にこの試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させたの
ち半導体レーザーを用いて780nmの光で版面での露光量
が5.0μJ/cm2になるように露光し、これをアイソパーH
(エツソスタンダード社製)1中にポリメチルメタク
リレート粒子(粒子サイズ0.3μ)5gをトナー粒子とし
て分散し、荷電調節剤として大豆油レシチン0.01gを添
加して作製した液体現像剤を用い40Vのバイアス電圧を
対向電極に印加して現像することにより、鮮明なポジの
トナー画像を得ることができた。
さらに、120℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た。この電子写真式製版用印刷原版の非画像部をケイ酸
カリウム40部、水酸化カリウム10部、エタノール100部
を水800部に希釈したエツチング液によつて除去し、十
分水洗した後、ガム引きし、オフセツト用印刷版を作成
することが出来た。
このようにして作製した印刷版をハマダスター600CD
オフセツト印刷機を用いて常法により印刷したところ非
画像部の汚れのない非常に鮮明な印刷物を5万枚印刷す
ることができた。
また、35℃80%の環境下で3ケ月保存したところ特に
問題なく使用可能であつた。
比較例1 比較のため、上記実施例1で例示化合物(1)を含有
しない他は全く同様にして電子写真式製版用印刷原版を
作成し、全く同様にして電子写真特性を測定した。
V0: +445V E50: 8.8μJ/cm2 E80: 10.6μJ/cm2 DD30: 93% であり実施例1に比べインダクシヨン効果が大きく、感
度が悪かつた。
比較例2 上記実施例1で例示化合物(1)の代わりに、有機光
導電体として次のヒドラゾン化合物を5部添加した他は
全く同様にして電子写真式製版用印刷原版を作成し、全
く同様にして電子写真特性を測定した。
ヒドラゾン化合物 V0: +380V E50: 3.5μJ/cm2 E80: 12.6μJ/cm2 DD30: 75% であり実施例1に比べ帯電製が悪く、電荷保持性も悪か
つた。また、インダクシヨン効果は示さないが、表面電
位の減衰がゆるやかとなり、調子再現性が軟調となつ
た。このため実用的な感度の目安となる感度(E80)は
実施例1の電子写真式製版用印刷原版に比べ悪かつた。
次にこの試料を暗所で表面電位+390Vに帯電させたの
ち半導体レーザーを用いて780nmの光で版面での露光量
が10.0μJ/cm2になるように露光した。
このあと実施例1と同様に現像、エツチング、印刷を
行つたところ、ところどころに汚れを生じた印刷物が得
られた。
また、35℃80%の環境下で3カ月保存したところ、有
機光導電性化合物であるヒドラゾン化合物が電子写真式
製版用印刷原版表面に析出しているのが観察された。
実施例1および比較例1、比較例2の電子写真式製版
用印刷原版の電子写真特性を測定したものを第1図に示
した。(測定は上記実施例1に記載の方法により行つ
た。)図の(A)が実施例1の電子写真式製版用印刷原
版、(B)が比較例1の電子写真式製版用印刷原版、
(C)が比較例2の電子写真式製版用印刷原版の表面電
位減衰曲線である。
第1図の−30秒から0秒までを暗減衰を、0秒から30
秒までを光減衰の表面電位減衰曲線を示す。
実施例1の電子写真式製版用印刷原版は比較例1の電
子写真式製版用印刷原版に比べて、インダクシヨン効果
が少ない(減衰初期の表面電位減衰しにくい期間が短
い)ことがわかる。例示化合物(1)の添加による、帯
電性、電荷保持性の悪化は認められず、また硬調な特性
も損なわれていないことがわかる。
比較例2の電子写真式製版用印刷原版は、インダクシ
シヨン効果は見られないものの、光減衰が慣慢となり実
用感度は実施例1の電子写真式製版用印刷原版に比較し
て低下している。さらに、帯電性、電荷保持性も悪化し
ていることがわかる。
実施例2〜9 実施例1において、例示化合物(1)を用いる代わり
にそれぞれ表1に示した化合物を用いる他は全く同様に
して電子写真式製版用印刷原版を作成し、実施例1と全
く同様な方法で電子写真特性を測定した。結果を表1に
まとめた。
実施例10 実施例1において、フタロシアニン顔料としてε型銅
フタロシアニンを用いる代わりに、x型無金属フタロシ
アニンを用いる他は全く同様にして電子写真式製版用印
刷原版を作成し、実施例1と全く同様な方法で電子写真
特性を測定した結果、 V0 +430V E50 1.1μJ/cm2 E80 1.3μJ/cm2 DD30 92% であつた。
次のこの試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させたの
ち半導体レーザーを用いて780nmの光で版面での露光量
が2.0μJ/cm2になるように露光し、実施例1と同様に現
像、エツチング印刷したところ非画像部の汚れのない非
常に鮮明な印刷物を5万枚印刷することができた。
また、35℃80%の環境下で3カ月保存したところ特に
問題なく使用可能であつた。
実施例11 実施例1において、フタロシアニン顔料としてε型銅
フタロシアニンを用いる代わりに、x型無金属フタロシ
アニンを用い、結合樹脂としてメタクリル酸ベンジルエ
ステル−メタクリル酸共重合体を用いる代わりに、ビニ
ルベンゾエート−クロトン酸共重合体(モノマー組成比
60:40(モル比))を用いる他は全く同様にして電子写
真式製版用印刷原版を作成し、実施例1と全く同様な方
法で電子写真特性を測定した結果、 V0 +425V E50 1.2μJ/cm2 E80 1.4μJ/cm2 DD30 91% であつた。
次にこの試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させたの
ち半導体レーザーを用いて780nmの光で版面での露光量
が3.0μJ/cm2になるように露光し、実施例1と同様に現
像、エツチング印刷したところ非画像部の汚れのない非
常に鮮明な印刷物を5万枚印刷することができた。
また、35℃80%の環境下で3カ月保存したところ特に
問題なく使用可能であつた。
(発明の効果) 本発明により、高感度で、帯電性に優れ、暗所に於け
る電荷保持性も良好で、好調な調子再現特性を有し印刷
版用感光体として優れた電子写真式製版用印刷原版を得
ることができた。また、エツチング液による溶出性も良
好であり、経時安定性の優れた電子写真式製版用印刷原
版を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は電子写真式製版用印刷原版の表面電位減衰曲線
を示す。 第1図の(A)は実施例1の、(B)は比較例1の、
(C)は比較例2の原版の表面電位減衰曲線を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 401/06 C07D 401/06 405/06 405/06 407/06 407/06 409/06 409/06 (56)参考文献 特開 昭60−120362(JP,A) 特開 昭57−147656(JP,A) 特開 昭56−149462(JP,A) 特開 昭54−99440(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも光導電性顔
    料、および結合樹脂を含有する光導電層を有し、これを
    電子写真法によりトナー画像を形成した後、トナー画像
    部以外の非画像部の光導電層を除去することにより印刷
    版とする電子写真式製版用印刷原版において、前記光導
    電性顔料がフタロシアニン顔料であり、光導電層中にさ
    らに下記一般式〔I〕もしくは下記一般式〔II〕で表さ
    れる化合物を含有することを特徴とする電子写真式製版
    用印刷原版。 一般式〔I〕 一般式〔II〕 一般式〔I〕ないし〔II〕において、Zは硫黄原子また
    は酸素原子を表す。R1およびR2は水素原子、アルキル
    基、アリール基、もしくはアラルキル基を表し、R1とR2
    とは同一であつても互いに異なつた基であつても良い。 一般式〔I〕において、Aはアルキル基、アリール基、
    アラルキル基、または1価の複素環基を表す。 一般式〔II〕において、Bはアルキレン基、アリーレン
    基、ポリメチレン基、もしくはアラルキレン基を表す。
JP24096489A 1989-09-18 1989-09-18 電子写真式製版用印刷原版 Expired - Fee Related JP2588779B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24096489A JP2588779B2 (ja) 1989-09-18 1989-09-18 電子写真式製版用印刷原版
US07/584,027 US5102760A (en) 1989-09-18 1990-09-18 Electrophotographic photoreceptor and electrophotographic printing plate precursor comprising phthalocyanine pigment and thiobarbituric acid derivative
DE4029565A DE4029565B9 (de) 1989-09-18 1990-09-18 Elektrophotographisches Aufzeichnungsmaterial und elektrophotographischer Druckplattenvorläufer, die ein Phthalocyaninpigment und ein Thiobarbitursäurederivat enthalten

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24096489A JP2588779B2 (ja) 1989-09-18 1989-09-18 電子写真式製版用印刷原版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03102358A JPH03102358A (ja) 1991-04-26
JP2588779B2 true JP2588779B2 (ja) 1997-03-12

Family

ID=17067275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24096489A Expired - Fee Related JP2588779B2 (ja) 1989-09-18 1989-09-18 電子写真式製版用印刷原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2588779B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11279157A (ja) * 1998-03-27 1999-10-12 Hoechst Marion Roussel Kk バルビツール酸誘導体およびそれらからなる骨・軟骨疾患予防・治療薬

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03102358A (ja) 1991-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5063129A (en) Electrophotographic printing plate precursor
JP2588779B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2514838B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
US5102760A (en) Electrophotographic photoreceptor and electrophotographic printing plate precursor comprising phthalocyanine pigment and thiobarbituric acid derivative
JP2571430B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2514840B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2571431B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2640117B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2514837B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
US5006433A (en) Printing plate precursors for electrophotographic plate-making purposes
JP2557697B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
US4910109A (en) Electrophotographic printing plate containing thiopyrylium salt compound
JPH03157663A (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2640127B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2592298B2 (ja) 印刷版の製造方法
JP2638221B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JPH05249755A (ja) 電子写真式平版印刷用原版、及び印刷版の製造方法
JP2638230B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JP2665685B2 (ja) 電子写真感光体および電子写真式製版用印刷原版
JPH05119486A (ja) 電子写真式平版印刷版の製造方法
JPH07281457A (ja) 正帯電型積層平版印刷版
JP3219328B2 (ja) 電子写真製版用現像剤
JP2717584B2 (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JPH03168752A (ja) 電子写真式製版用印刷原版
JPH01163752A (ja) 電子写真式製版用印刷原版

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees