JP3219328B2 - 電子写真製版用現像剤 - Google Patents

電子写真製版用現像剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真製版用液体現像
剤に関し、詳しくは、導電性基体上に電子写真感光層を
有する印刷原版を電子写真方式により現象・定着した
後、非画像部をエッチング液により溶出して製版される
印刷版の作製に用いられるものであって、特に地肌汚れ
の改良と耐エッチンク性にすぐれた液体現像剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、平板オフセット印刷原版として
は、ジアゾ化合物とフェノール樹脂を主成分とするポジ
型感光剤やアクリル系モノマーやプレポリマーを主成分
とするネガ型感光剤を用いるPS版などが実用化されて
いるが、これらはいずれも低感度のため、あらかじめ画
像記録された銀塩写真フィルム密着露光して製版を行っ
ているのが実情である。
【0003】一方、コンピューター画像処理と大容量デ
ータの保存およびデータ通信技術の進歩によって、近年
では、原稿入力、補正、編集、割り付けから頁組まで一
貫してコンピューター操作され、高速通信網や衛星通信
により即時に遠隔地の末端プロッターに出力できる電子
編集システムが実用化している。特に、即時性の要求さ
れる新聞印刷分野において電子編集システムの要求度は
高い。また、オリジナルが原版フィルムの形で保存さ
れ、これをもとに必要に応じて印刷版が複製されている
分野においても、光ディスクなどの超大容量記録メディ
アの発達に伴いオリジナルがこれらの記録メディアにデ
ジタルデータとして保存されるようになると考えられ
る。
【0004】しかしながら、末端プロッターの出力から
直接印刷版を作成する製版手段はほとんど実用化されて
おらず、電子編集システムの稼動しているところでも出
力は銀塩写真フィルムにおこなわれ、これをもとに間接
的にPS版への密着露光により印刷版が作成されている
のが実状である。これは、出力プロッターの光源(例え
ば、He−Neレーザー、半導体レーザーなど)により
実用的な時間内に印刷版を作成できるたけの高い感度を
有する直接型印刷原版の開発が困難であることに起因し
ている。
【0005】そこで、直接印刷版が得られる高い光感度
を有する原版として電子写真感光体が思いつく。従来、
電子写真法を利用した印刷版材料(印刷原版)として
は、例えば、特公昭47−47610号、特公昭48−
40002号、特公昭48−18325号、特公昭51
−15766号、特公昭51−25761号などの公報
に記載の酸化亜鉛−樹脂分散系オフセット印刷版材料が
知られており、これは、電子写真法によりトナー画像形
成後その非画像部を不感脂性とするため不感脂化溶液
(例えば、フエロシアン塩又はフェリシアン塩を有する
酸性水溶液)で湿潤させた後使用されるというものであ
る。だが、このような処理により得られた電子写真オフ
セット印刷版は耐刷力が5千枚〜1万枚程度であり、こ
れ以上の印刷には適さなく、また、ZnO−樹脂分散系
からなる光誘導層(感光層)を極力不感脂化に適した組
成にすると静電特性が劣化し、かつ、画質が悪化するな
どの不都合を生じるようになる。また、不感脂化処理に
有害なシアン化合物を使用するといった欠点をもち併せ
ている。
【0006】特公昭37−17162号、特公昭38−
7758号、特公報46−39405号、特公昭52−
2437号などの公報に記載される有機光導電体−樹脂
系印刷版材料では、たとえばオキサゾールあるいはオキ
サジアゾール系化合物をスチレン−無水マレイン酸共重
合体で結着した光導電性絶縁層を砂目立したアルミニウ
ム板上に設けた電子写真感光体が用いられており、この
感光体上に電子写真法によりトナー画像形成後アルカリ
性有機溶剤で非画像部を溶解除去して印刷版が形成され
る。
【0007】これらの方式の代表的なものとしてカレ社
からSifasolシステムが発売されている。だが、
これは乾式現像剤を用いるため解像力が劣り高画質のも
のが得られない。その反面、乾式現像剤は一般に着色剤
及び樹脂を主成分とした10μmから数10μmの大き
さの粒子を用いるため、形成された非画像部のトナー層
が厚く、エッチング液に対するレジスト性が優れている
といわれている。液体現像剤では、周知の様に、乾式現
像剤に比べ画像を形成するトナーの粒径を小さくするこ
とが可能で(0.1〜2μm)それを用いた場合、解像
力に優れた高画質の画像を与えることが知られている。
しかしながら、液体現像剤をこれらの方式に用いた場合
は、往々にして、非画像部に地肌汚れが発生したり、非
画像部をアルカリ性のエッチング液で除去する際、解像
性に優れているが故に画像部までエッチングされてしま
うという問題点がある。その為、液体現像剤を用いたの
にもかかわらず結果として解像力の優れたものは得られ
にくいのが実情である。また、耐エッチング性に優れた
材料を液体現像剤に用いようとすると一般にその分散が
困難で液体現像剤の特徴である高解像力を与えないほど
の問題点があった。更に別の問題として、前記の分散性
も耐エッチング性も優れているにもかかわらず、感光材
料との密着性が悪いため、エッチングの操作中にトナー
画像が感光材料表面より膜状となってはがれてしまい、
画像部のレジストとして用をなさないことも認められて
いた。また特公平4−17432号、特公平4−174
30号、特公平4−45456号に提案されているトナ
ーはその電荷量が低く、画像流れや、地肌汚れが生じ易
く実用的でなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、地肌汚れの少ない電子写真製版用の液体現像液を提
供することであり、第二の目的はアルカリエッチング液
に対してレジスト性のよい電子写真製版用の液体現像剤
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は導電性基体上に
光導電層(感光層)を設けた印刷原版の表面に静電潜像
を形成し、現像し、定着した後、非画像部をアルカリ液
で溶出して印刷版を作製するのに用いられる液体現像剤
(着色剤及び樹脂を主成分としたトナー粒子を担体液中
に分散させた液体現像剤)において、その液体現像剤が
少なくとも第3級ホスフィン化合物を含有したものであ
ることを特徴としている。
【0010】本発明者らは、前記目的を達成するため電
子写真製版用の液体現像剤について多くの検討を行なっ
た結果、第3級ホスフィン化合物の使用が好結果をもた
らすことを見出した。本発明はそれに基づいてなされた
ものである。即ち、本発明者らの検討によれば、第3級
ホスフィン化合物を用いた現像剤は現像液での劣化が少
なく、高電荷量を経時保持しているため、地肌汚れがし
にくくアルカリ溶出にも適していることが見出された。
【0011】本発明で用いる第3級ホスフィン化合物は
一般式R3P(Rはハロゲン原子、置換もしくは未置換
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラル
キル基を表わす。)で示されるものであり、その代表例
としては次のようなものが挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】着色剤に使用される無機顔料の例には、カ
ーボンブラックとしてファーネスブラック、アセチレン
ブラック、チャンネルブラックなどがあり、これの市販
品としてはプリンテックスG、プリンデックスV、スペ
シャルブラック15、スペシャルブラック4、スペシャ
ルブラック4−B(以上デグサ社製)、三菱#44、#
30、MA−11、MA−100(以上三菱カーボン社
製)、ラーベン30、ラーベン40、コンダクテックス
SC(以上コロンビアカーボン社製)、リーガル40
0、リーガル660、リーガル800、ブラックパール
L(以上キャボット社製)などが挙げられる。また、カ
ーボンブラック以外の無機顔料としては、酸化チタン、
酸化ケイ素などの無機白色顔料や、酸化亜鉛、四三酸化
鉄のような磁性粉、金属粉、金属酸化物なども例示でき
る。有機顔料としてはフタロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン、ローダミンレーキ、マラカイトグリー
ンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブル
ーレーキ、ナットールグリーンB、パーマネントレッド
4R、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、チオイン
ジゴレット、アルカリブルーなどが挙げられる。または
着色剤を含まない樹脂粒子そのものを用いることも可能
である。
【0014】キャリアー液体としては一般に脂肪族炭化
水素が用いられる。具体例としては、n−ヘキサン、n
−デカン、イソドテカンなどがあり、その市販品とし
て、シェル石油社製のシェルゾール71、エクソン社製
のアイソパーG、アイソパーL_、アイソパーK、アイ
ソパーM、アイソパーVなどを挙げることができ、また
シリコーンオイルや脂肪酸エステル等も用いることが可
能である。これらは分散剤としても使用し得るものであ
る。
【0015】液体現像剤の調製は、一般に、着色剤1重
量部に対し樹脂0.3〜3重量部を第3級ホスフィン化
合物0.002〜10重量部と混合し、これを脂肪族炭
化水素キャリア液10〜20重量部の存在下にアトライ
ダー、ボールミル、ケディミル等の分散機で充分分散し
て濃縮トナーとし、必要に応じて、これを同様な溶媒で
5〜10倍に希釈すればよい。
【0016】着色剤としては、前記のように、通常の無
機又は有機顔料が用いられてもよいが、好ましくは、特
に顔料粒子を一次粒子にまで分散し、階調性、解像力、
画像濃度などを一層向上せしめるためフランシング法に
より製造される着色剤の使用が有効である。フラッシン
グ法とは、顔料又は顔料の含水ペーストを樹脂溶液又は
樹脂とともにフラッシャーと呼ばれるニーダーに入れよ
く混合し(この過程で顔料の囲りに存在する水が樹脂溶
液又は樹脂により置換される)、これをニーダーより取
り出し水相を捨て、樹脂溶液中又は樹脂中に顔料が加熱
又は常温で混練分散されたものを乾燥し溶剤を除去した
後、得られた塊状物を粉砕するというものである。この
ものを本発明においては「フラッシング着色剤」と称す
ることにする。なお、ニーダーで混練しながら減圧によ
り水、溶剤を除去するような手当が採られてもかまわな
い。
【0017】フラッシング処理にあっては、顔料のみな
らず染料も水とともに泥状に練り使用することで顔料と
ほぼ同等に結果が得られることから、本発明ではフラッ
シング処理される染料もトナー成分として採用すること
が可能である。フラッシングする際の染顔料と樹脂との
割合は樹脂100重量部に対して染顔料10〜60重量
部が適当である。また、フラッシング処理はフミン酸、
フミン酸塩(Na塩、NH4塩など)又はフミン酸誘導
体の存在下に行なうのがとくに有利である。これら添加
されるフミン酸等の量は染顔料含水液の0.1〜30重
量%くらいが適当である。
【0018】フラッシングするのに用いられる樹脂とし
てはロジン変性マレイン酸樹脂、シェラック、蜜ろう、
ポリスチレン、ポリアセタール、ポリアミド樹脂、ポリ
オレフィン、又はその共重合体など従来から湿式トナー
用結着樹脂とされるものでも適用できるが、本発明では
第3級ホスフィン化合物等を添加して混練又はフラッシ
ングした着色剤も好適なものである。このフラッシング
処理された着色剤の製造例を幾つか挙げれば以下の通り
である。
【0019】着色剤製造例1 ニーダーにトルエン200重量部、トリブチルホスフィ
ン5重量部を採り、よく溶解した中にカーボン三菱#4
4(三菱カーボン社製)500重量部を入れニーダー中
に分散した。これに、ベッコゾールJ820(大日本イ
ンキ製)メラミン樹脂500重量部を加え、約80℃で
1時間混練した。その後、溶媒を分離した。更に150
℃で4時間混練後、真空乾燥して着色剤を得た。
【0020】着色剤製造例2〜10 製造例1と同様にして表1に示す処方で着色剤を得た。
なお、表1中の部は重量部である。
【0021】
【表1】
【0022】第3級ホスフィン化合物で顔料表面が処理
されたフラッシング着色剤を用いた液体現像剤はトナー
粒子径の分布が狭く均一な粒径になる。また、微粒子の
存在が少ないため物理的に非画像部にトナーが付着しに
くいため地肌汚れが生じにくいものと考えられる。更
に、第3級ホスフィン化合物を用いて顔料表面が処理さ
れたフラッシング着色剤を用いた液体現像剤で印刷原版
を現像後、加熱定着された画像部は均一に現像されてい
るためピンホールがなく、アルカリ水溶液による耐エッ
チング性が優れたものであると考えられる。
【0023】次に本発明に用いる印刷原版、エッチング
法等について公知の方法を説明する。
【0024】本発明に用いられる印刷原版は光導電層
(感光層)を導電性基板上に塗工することによって得ら
れる。塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶
媒に溶解又は分解することにより得られる。顔料などの
溶媒に不溶な成分を用いるときは、ボールミル、ペイン
トシェーカー、ダイノミル、アトライター等の分散機に
より粒径0.1〜5μmに分散して用いることが出来
る。光導電層に使用する結合樹脂、その他の添加剤は顔
料などの分散時、あるいは分散後に添加することが出来
る。この様にして調製した塗布液を回転塗布、ブレード
塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、ディップ塗
布、ロッドバー塗布、スプレー塗布の様な公知の方法で
導電性基体上に塗布して乾燥して電子写真製版用印刷原
版を得ることが出来る。
【0025】前記塗布液を作成する溶液としては、ジク
ロロメタン、ジクロロエタン、クロロフォルム等のハロ
ゲン化炭化水素類:メタノール、エタノール等のアルコ
ール類:アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類:エチレングリコールモノメチルエー
テル、2−メトキシエチルアセテート等のグリコールエ
ーテル類:テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類:酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げ
られる。
【0026】本発明での印刷版は一般に公知のプロセス
によって製版することが出来る。即ち、印刷原版の感光
層面を暗所で実質的に一様に帯電し、画像露光により静
電潜像を形成する。露光方法としては半導体レーザ、H
e−Neレーザ等による走査露光あるいはキセノンラン
プ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源として反射画
像露光、透明陽画フィルムを通した密着露光などが挙げ
られる。次に、前記静電潜像を本発明の液体現像剤によ
って現像する。形成されたトナー画像は必要により公知
の定着法(加熱定着、溶剤定着など)による定着するこ
とが出来る。この様に形成したトナー画像をレジストと
して作用させ、非画像部の電子写真感光層をエッチング
液により除去することにより印刷版が作成できる。
【0027】本発明の製版用エッチング液としては有機
・無機の酸、塩基あるいはその塩の水溶液またはこれと
混和する有機溶剤との混合物を使用することが望まし
い。エッチング液の成分は感光層の溶解性の他にトナー
層のレジスト性も考慮して決定されるものであるが、一
般的なものとしては次のものが挙げられる。水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナト
リウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタ
ケイ酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
アンモニア、およびモノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール
類等が良く知られている。前記水溶液と混和する有機溶
剤としては、アルコール類、ケトン類、エステル類、エ
ーテル類等が挙げられる。アルコール類としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベン
ジルアルコール、フェネチルアルコール等の低級アルコ
ールおよび芳香族アルコールあるいは、エチレングリコ
ール、ジエチレングルコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等のセルソルブ類、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン等のアミノアルコール類等が挙げられる。ケトン
類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等が挙げられる。エステル類としては、
エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n−プロ
ピルアセテート、sec−ブチルアセテート、イソブチ
ルアセテート、n−ブチルアセテート、1−アセトキシ
−2−メトキシエタン、エチレングリコールジアセテー
ト等が挙げられる。エーテル類としては、エチルエーテ
ル、テトラヒドロラン、ジオキサン、2−メトキシエタ
ノール、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げ
られる。これら有機溶剤は前記水溶液と任意の割合で混
合して使用できるが、好ましくは混合した溶液の90重
量%以下の範囲で用いられる。このエッチング液には必
要に応じて、界面活性剤、消泡剤、着色剤などを添加し
ても良い。
【0028】エッチング液組成は感材の結合樹脂および
トナー用樹脂の種類によって決定されるべきものである
が、代表的なものとして次のものが挙げられる。 エッチング液組成(部は重量部を示す) (1)ケイ酸カリウム 30部 水酸化カリウム 10部 ベンジルアルコール 20部 エタノール 90部 水 300部 (2)ケイ酸カリウム 30部 フェネチルアルコール 10部 ベンジルアルコール 30部 水 900部
【0029】次に実施例に本発明をさらに具体的に説明
する。
【0030】実施例1 着色剤(製造例1のもの) 100部 アイソパーL 500部 からなる混合物をアトライダーで6時間分散し濃縮トナ
ーを作成した。この濃縮トナー100gをアイソパーH
1000mlに分散し現像液を調製した。一方、下記の
ようにして印刷原版を作製した。先ず、JIS 105
0アルミニウムシートの表面を、パミスー水懸濁液を研
磨剤として、回転ナイロンブラシで砂目立てした。この
時の表面粗さ(中心線平均粗さ)は約0.5μmであっ
た。水洗後、70℃の10%苛性ソーダ水溶液に浸漬し
アルミニウムの溶解量が約6g/m2になるようにエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬す
ることにより中和し、陰極時電圧6ボルトの短形波交番
波形を用いて(特公昭55−19151号公報に記載)
20秒間電界粗面化を行ない、続いて、20%硝酸の5
0℃溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。更
に、20%硝酸水溶液中で陽極酸化皮膜重量が約3.0
g/m2となるように陽極酸化処理を施してから水洗、
乾燥して導電性基体を作成した。この導電性基体上に銅
フタロシアニン顔料をフェノール樹脂に分散した感光層
を約5μm厚に形成して印刷原版とした。次に、ここで
得られた印刷原版を暗所でコロナ帯電器により+200
Vに帯電した後、タングステン光で画像露光した。続い
て、前記の液体現像剤を用いて常法に従い現像し、得ら
れた画像を140℃で5分間加熱し定着させた。これを
ケイ酸カリウム45部、水酸化カリウム10部、ベンジ
ルアルコール15部及びエタノール100部を水1,0
00部に希釈したエッチング液に浸漬し(1分間)非画
像部を除去し、十分水洗して印刷版を得た。このものの
画像部のレジスト性、その他の評価した結果をまとめて
表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例2〜8 下記表3の材料を用い実施例1と同様にして液体現像剤
を調製した。
【表3】 続いて、前記の液体現像剤を用い製版により得られた印
刷版を市販の印刷機(リコー社製)にとりつけ印刷に供
したところ、表4に示したような良好な結果がもたらさ
れた。
【表4】
【0033】
【発明の効果】請求項1及び2の液体現像剤を用いた製
版された印刷版は、地肌汚れが少なく耐レジスト性にす
ぐれたものである。請求項3の液体現像剤を用いて製版
された印刷版は地肌汚れや耐レジスト性に特にすぐれた
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植松 ひでみ 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭61−284776(JP,A) 特開 昭61−278868(JP,A) 特開 昭63−257765(JP,A) 特開 昭63−257767(JP,A) 特開 昭61−120167(JP,A) 特開 昭58−121047(JP,A) 特開 平2−77069(JP,A) 特開 平3−33759(JP,A) 特開 昭63−125949(JP,A) 特公 平4−17430(JP,B2) 特公 平4−17432(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に光導電導層を設けた印刷
    原版の表面に静電潜像を形成し、現像、定着後、非画像
    部をアルカリ液で溶出して印刷版を作成するのに用いら
    れる担体液、着色剤及び樹脂を主成分とする現象剤にお
    いて、第3級ホスフィン化合物を含有することを特徴と
    する電子写真製版用現像剤。
  2. 【請求項2】 着色剤又は樹脂が担体液に不溶又は難溶
    であることを特徴とした請求項1記載の電子写真製版現
    象剤。
  3. 【請求項3】 第3級ホスフィン化合物が着色剤又は樹
    脂粒子に混練処理されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の電子写真製版用現像剤。
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