JPH06210977A - 電子写真式平版印刷版用修正剤および修正処理方法 - Google Patents

電子写真式平版印刷版用修正剤および修正処理方法

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JPH06210977A
JPH06210977A JP491793A JP491793A JPH06210977A JP H06210977 A JPH06210977 A JP H06210977A JP 491793 A JP491793 A JP 491793A JP 491793 A JP491793 A JP 491793A JP H06210977 A JPH06210977 A JP H06210977A
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JP
Japan
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acid
printing plate
photoconductive layer
toner
plate
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Application number
JP491793A
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English (en)
Inventor
Hiromichi Tachikawa
博道 立川
Junji Nakano
順二 中野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子写真製版した平版印刷版の修正の処理方
法を提供する。 【構成】 導電性基板上に光導電層を設けた電子写真式
平版印刷原版において、少なくともトナー画像を形成す
る工程、トナー画像を定着する工程およびトナー画像以
外の光導電層を除去する工程を含む工程により得られた
平版印刷版の画像部の一部を修正剤により修正処理する
に際して、該修正剤がトナーを膨潤または溶解する有
機溶剤、光導電層を溶解または膨潤する有機溶剤及び
酸性化合物を含有し、さらに必要に応じて水、増
粘剤を含有することを特徴とする電子写真式平版印刷版
の修正処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光導電層上に、トナー画
像を形成した後、トナー画像部以外の非画像部を除去
(以下エッチングと言う)することにより印刷版とする
電子写真式平版印刷版の修正処理方法及び修正剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、平版オフセット印刷版としては、
キノンジアジド化合物とフェノール樹脂を主成分とする
ポジ型感光剤やアクリル系モノマーやプレポリマーを主
成分とするネガ型感光剤を用いるPS版などが実用化さ
れている。これらはすべて低感度のため、あらかじめ画
像記録されたフイルム原版を密着露光して製版を行って
いる。 一方、コンピュータ画像処理と大容量データの
保存およびデータ通信技術の進歩によって、近年では、
原稿入力、補正、編集、割り付けから頁組まで一貫して
コンピュータ操作され、高速通信網や衛星通信により即
時遠隔地の末端プロッタに出力できる電子編集システム
が実用化しており、特に、即時性の要求される新聞印刷
分野においてこのようなシステムの要求度は高い。ま
た、現在はオリジナル原稿がフイルムの形で保存され、
これをもとに必要に応じて印刷版が複製されている分野
においても、光ディスクなどの大容量記録メディアが発
達するのにともなって、オリジナルがこれらの記録メデ
ィアにデジタルデータとして保存されるようになると考
えられる。しかしながら、末端プロッターの出力から直
接に印刷版を作成する直接型印刷版はほとんど実用化さ
れていない。すなわち電子編集システムの稼働している
ところでも出力は銀塩写真フイルムにおこなわれ、これ
をPS版へ密着露光することにより印刷版が作成されて
いるのが実状である。これは、出力プロッタの光源(例
えば、He−Neレーザ、半導体レーザなど)により実
用的な時間内に印刷版を作成できるだけの高い感度を有
する直接型印刷版の開発が困難であることも1つの原因
であった。
【0003】直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有
する感光体として電子写真感光体が考えられる。電子写
真を用いた印刷版の作成方法としては、トナー画像形成
後、非画像部の光導電層を除去する方法が既に知られて
いる。例えば、特公昭37−17162号、同38−6
961号、同38−7758号、同41−2426号、
同46−39405号、特開昭50−19509号、同
50−19510号、同52−2437号、同54−1
45538号、同54−134632号、同55−10
5254号、同55−153948号、同55−161
250号、同57−147656号、同57−1618
63号公報等に記載の電子写真式製版用印刷原版があげ
られる。上記方法では、電子写真感光体の結合樹脂とし
てアルカリ性溶剤に溶解するかもしくは膨潤して脱離す
る結合樹脂を用い、トナー画像をレジストとしてトナー
画像部以外を除去することにより親水性面を露出させ、
平版印刷版とする。
【0004】しかし、電子写真を用いて直接型印刷版を
製造するに当たっては大きな問題点があった。すなわ
ち、製版作業において削除訂正の必要な画像部が生じる
場合がある。例えば、PS版と同様に面露光する場合に
はオリジナルフイルムの汚れ、傷、切口、張り込み跡等
による露光ムラ、また、レーザ露光等においても版面上
に存在する傷、ゴミ等あるいはデータの誤り等によって
不要画像部が生じることがある。これまで電子写真式平
版印刷版においては、不要画像部を修正するために特開
平1−134468号公報記載の発明が提案されてい
る。すなわち、同公報ではトナー画像を作成する工程と
非画像部の光導電体層の除去を行う工程の間に、版面上
の不要なトナー画像の除去を行うことにより不要な画像
部を消去することが示されている。しかしながら、電子
写真式製版の場合、帯電からエッチング工程まで一貫し
て処理する場合が多いため、上記方法では製版中の感材
を途中でプロセッサーから取り出さねばならず、実用上
問題があった。また、トナー定着以前の刷版はわずかに
触れるだけで傷となり、使用に耐えないものになる点も
問題であった。更に、一般に電子写真式製版では画像部
と光導電体層のコントラストが小さい場合が多く、修正
すべき画像を見いだすのは非常に困難であった。従っ
て、実用的には製版終了後の画像を修正することが望ま
れるが、電子写真式平版印刷版用として有用な修正剤が
ないのが現状であった。例えば、既存のフォトポリマー
を用いたPS版用修正剤は単一の感光層からなる画像を
修正するためには有用であるが、異なる性質のトナーお
よび感光層からなる電子写真式平版印刷版の画像を修正
するには不適当であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は導電性
基板上に光導電層を設けた電子写真式平版印刷原版にお
いて、少なくともトナー画像を形成する工程、トナー画
像を定着する工程、およびトナー画像以外の光導電層を
除去する工程を含む工程により得られた平版印刷版の画
像部の一部を修正剤により修正処理する方法および該修
正剤を提供することにある。本発明の他の目的は製版中
に感材をプロセッサーから取り出すことなく、迅速に不
要部を修正できる修正剤の提供にある。本発明の更に他
の目的は優れた印刷品質の電子写真式平版印刷版を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、導電性基板上に光導電層を設けた電子写真式平
版印刷原版において、少なくともトナー画像を形成する
工程、トナー画像を定着する工程、およびトナー画像以
外の光導電層を除去する工程を含む工程により得られた
平版印刷版の画像部の一部を修正剤により修正処理する
に際して、該修正剤が(1)トナーを膨潤または溶解す
る有機溶剤、(2)光導電層を溶解または膨潤する有機
溶剤及び(3)酸性化合物を含有し、さらに必要に応じ
て水、増粘剤を含有することを特徴とする電子写真式平
版印刷版の修正処理方法及び該修正剤により上記目的を
達成することができた。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明の電
子写真式平版印刷版は従来公知の方法によりトナー画像
を形成、定着、非画像部の光導電層を除去することによ
り作成することが出来る。即ち、暗所で実質的に一様に
帯電し、画像露光により静電潜像を形成する。露光方法
としては、半導体レーザ、He−Neレーザ等による走
査露光あるいはキセノンランプ、タングステンランプ、
蛍光灯等を光源として反射画像露光、透明陽画フィルム
を通した密着露光などが挙げられる。次に上記静電潜像
をトナーによって現像する。現像法としては従来公知の
方法、例えば、カスケード現像、磁気ブラシ現像、パウ
ダークラウド現像、液体現像などの各種の方法を用いる
ことが出来る。なかでも液体現像は微細な画像を形成す
ることが可能であり、印刷版を作成するために好適であ
る。また、非露光部にトナーを付着させる正規像あるい
は露光部にトナーを付着させる反転現像の何れの方式も
用いることが可能である。形成されたトナー画像は従来
公知の定着法、例えば、加熱定着、圧力定着、溶剤定着
等により定着することが出来る。この様に形成したトナ
ー画像をレジストとして作用させ、非画像部の電子写真
感光層をエッチング液により除去することにより平版印
刷版が作成できる。エッチングの後工程として必要によ
り水洗工程、ガム引き工程、乾燥工程、CCDセンサ等
を備えたパターン認識のできる検版工程、印刷版を所定
の形状に加工するベンダーおよびパンチ工程、版集積工
程等を設けることができる。
【0008】本発明に用いられる光導電性材料としては
従来から知られている数多くの化合物を用いることが出
来る。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘
導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレ
ンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換
カルコン誘導体、N,N−ビカルバジル誘導体、オキサ
ゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレ
ノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ベンジジン誘導体、ス
チルベン誘導体等がある。また、上記のような低分子光
導電性化合物の他に、次のような高分子化合物も使用す
ることが出来る。例えば、ポリビニルカルバゾール及び
その誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセ
ン、ポリ−2−ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフ
ェニル)−5−フェニルオキサゾール、ポリ−3−ビニ
ル−N−エチルカンバゾール等のビニル重合体、ポリア
セナフチレン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレ
ンの共重合体等の重合体、ピレン−ホルムアルデヒド樹
脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカル
バゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の縮合樹脂等があ
る。
【0009】また、光導電体の感度の向上、望みの感光
波長域を持たせるため等の目的のために、各種の電荷発
生剤、増感染料等を使用することが出来る。これらの例
としては、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ顔料、金属
フタロシアニンあるいは無金属フタロシアニン、ナフタ
ロシアニン等のフタロシアニン顔料、ペリレン系顔料、
インジゴ、チオインジゴ誘導体、キナクリドン系顔料、
多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、ス
クアリウム塩系顔料、アズレニウム塩系顔料などであ
る。また、増感染料としては、「増感剤」125頁 講
談社(1987)、「電子写真」 第12巻 9頁
(1973)「有機合成化学」 第24巻 No.11
1010頁(1966)等に記載の公知の化合物を使
用することが出来る。例えば、ピリリウム系染料、トリ
アリールメタン系染料、シアニン系染料、スチリル系染
料等がある。本発明の光導電層には、感度向上などの目
的として、例えば、トリニトロフルオレノン、クロラニ
ル、テトラシアノエチレン等の電子吸引性化合物を使用
することができる。以上の材料は単独もしくは2種以上
を併用して用いることができる。また、電荷発生剤は、
電荷発生能のみならず、電荷輸送能を持つ場合には、基
本材料としてバインダー中に該電荷発生剤を分散して塗
布することにより感光体を作成することができる。即
ち、電荷輸送剤として知られる有機光導電性化合物の併
用を必ずしも必要としなくても良い。また、光導電層は
必要に応じて単層または複数層を積層することも可能で
ある。
【0010】本発明の電子写真製版様印刷原板において
使用する結合樹脂はトナー現像後非画像部をエッチング
液で除去できればよく、特に限定されない。エッチング
液としては後記のアルカリ性液体が好ましく、これを用
いる場合は以下の樹脂を例示することができる。例え
ば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニ
ル等のモノマーと(メタ)アクリル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン
酸モノアルキルエステル、フマル酸等のカルボン酸含有
モノマーあるいは酸無水物基含有モノマーとの共重合体
を挙げることができる。更に具体的にはスチレン/無水
マレイン酸の共重合体、スチレン/無水マレイン酸モノ
アルキルエステルの共重合体、(メタ)アクリル酸/
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン/(メ
タ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重体、
酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロト
ン酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニ
ル/C2〜18のカルボン酸のビニルエステル/クロト
ン酸共重合体等が例示される。また、(メタ)アクリル
酸アミド、ビニルピロリドン、フェノール性水酸基、ス
ルフォン酸基、スルフォンアミド基、スルフォンイミド
基等を持つモノマーを含有する共重合体、フェノール、
o−クレゾール、m−クレゾールまたはp−クレゾール
とホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを縮合さ
せて得られるノボラック樹脂、部分ケン化酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹
脂、カルボン酸を有するポリウレタン樹脂等も好ましく
使用することができる。
【0011】さらに好ましくは(メタ)アクリル酸エス
テル、スチレン、酢酸ビニル等とカルボン酸含有モノマ
ーとの共重合体が、電子写真性、エッチング性、印刷適
性等に優れており、好ましく使用することができる。更
により好ましくはメチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−アミ
ルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、フェ
ネチルアルコール等の脂肪族あるいは芳香族アルコール
の(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸の
共重合体を使用することができる。
【0012】本発明の電子写真式印刷原版の導電性基板
としては、各種の支持体を使用することができる。例え
ば、導電性表面を有するプラスチックシートまたは特に
溶剤不透過性および導電性にした紙、アルミニウム板、
亜鉛板、または銅−アルミニウム板、銅−ステンレス
板、クロム−銅板等のバイメタル板、またはクロム−銅
−アルミニウム板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ス
テンレス板等のトライメタル板等の親水性表面を有する
導電性基板が用いられ、その厚さは、0.1〜3mmが
好ましく、特に0.1〜0.5mmが好ましい。これら
の基板の中でもアルミニウム板が好適に使用される。本
発明の電子写真式印刷原版に用いられるアルミニウム板
はアルミニウムを主成分とする純アルミニウムや微量の
異原子を含むアルミニウム合金などの板状体であり、そ
の組成が特定されるものではなく従来公知、公用の素材
を適宜使用することが出来る。このアルミニウム板は従
来公知の方法で砂目立て、陽極酸化して用いることが出
来る。砂目立て処理に先立ってアルミニウム板表面の圧
延脂を除去するために、所望により界面活性剤またはア
ルカリ性水溶液による脱脂処理が施され、次に砂目立て
処理が行われる。砂目立て処理方法には、機械的に表面
を粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解する方法及
び化学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的に
表面を粗面化する方法としては、ボール研磨法、ブラシ
研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等と称せられる公
知の方法を用いることが出来る。また電気化学的な粗面
化法としては塩酸または硝酸電解液中で交流または直流
により行う方法がある。また、特開昭54−63,90
2号公報に開示されている様に両者を組み合わせた方法
も利用できる。
【0013】粗面化されたアルミニウム板は必要に応じ
てアルカリエッチング処理及び中和処理される。この様
に処理されたアルミニウム板は陽極酸化処理される。陽
極酸化処理に用いられる電解質としては硫酸、燐酸、蓚
酸、クロム酸、あるいはそれらの混酸が用いられ、それ
らの電解質やその濃度は電解質の種類によって適宜決め
られる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々
変わるので、一概に特定し得ないが、一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温と、5〜70℃、電
流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時
間10秒〜50分の範囲に有れば好適である。陽極酸化
皮膜量は0.1〜10g/m2 が好適であるが、より好
ましくは1〜6g/m2 の範囲である。これらアルミニ
ウム板の厚さは、0.1〜3mmが好ましく、特に0.
1〜0.5mmが好ましい。更に、特公昭47−512
5号公報に記載されているようなアルミニウム板を陽極
酸化処理した後にアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬
処理したものも好適に使用される。また、米国特許第3
658662号明細書記載されているようなシリケート
電着も有効である。西独特許第1621478号明細書
に記載のポリビニルスルホン酸による処理も適当であ
る。
【0014】本発明の電子写真製版用印刷版は常法に従
って前述の光導電層をアルミニウム基板上に塗布するこ
とによって得られる。光導電層の作成に当たっては、光
導電層を構成する成分を同一層中に含有させる方法ある
いは電荷担体発生物質と電荷担体輸送物質を異なる層に
分離して用いる方法等が知られており、いづれの方法に
ても作成することが出来る。塗布液は光導電層を構成す
る各成分を適当な溶媒に溶解し、作成する。顔料などの
溶剤に不溶な成分を用いるときは、ボールミル、ペイン
トシェーカー、ダイノミル、アトライター等の分散機に
より粒径5μm以下に分散して用いる。光導電層に使用
する結合樹脂、その他の添加剤は顔料などの分散時、あ
るいは分散後に添加することが出来る。この様にして作
成した塗布液を回転塗布、ブレード塗布、ナイフ塗布、
リバースロール塗布、ディップ塗布、ロッドバー塗布、
スプレー塗布の様な公知の方法で基体上に塗布乾燥して
電子写真製版用印刷原版を得ることが出来る。塗布液を
作成する溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、クロロフォルム等のハロゲン化炭化水素類、メタノ
ール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチル
エチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、2−メトキシエチル
アセテート等のグリコールエーテル類、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル類等が挙げられる。本発明の光導電層
には光導電性化合物、結合樹脂の他に光導電層の柔軟
性、塗布面状の改良等のために、必要により可塑剤、界
面活性剤、マット剤その他の各種の添加剤を加えること
ができる。これらの添加剤は光導電層の静電特性、エッ
チング性を劣化させない範囲で含有させることができ
る。また、本発明の光導電層の膜厚は、薄すぎると現像
に必要な表面電位を帯電することができず、逆に、厚す
ぎるとサイドエッチを起こし易く、良好な印刷版が得ら
れない。光導電層の膜厚としては、0.1〜30μm、
好ましくは、0.5〜10μmである。本発明の光導電
層の結合樹脂と光導電性化合物の含有量は、光導電性化
合物の含有量が少ないと感度が低下するため、結合樹脂
1重量部当り光導電性化合物は、0.02重量部から
1.2重量部、より好ましくは0.05重量部から1.
0重量部の範囲で使用するのが好ましい。
【0015】本発明の電子写真式製版用印刷原版におい
ては、必要により前記アルミニウム基板と光導電層の接
着性、光導電層の電気特性、エッチング性、印刷特性等
を改良する目的で中間層を設けることができる。また、
光導電層上に必要により光導電層の電気特性、トナー現
像時の画像特性、トナーとの接着性等を改良する目的
で、光導電層エッチング時に除去できるオーバーコート
層を設けることができる。このオーバーコート層は機械
的にマット化されたものあるいはマット剤が含有される
樹脂層であっても良い。具体的には特開平4−3044
64号公報等に記載の各種の材料を使用することができ
る。
【0016】本発明において画像部を形成するトナーの
樹脂成分としては後記のエッチング液に対してレジスト
性を有していればよく、特に限定されるものではない
が、以下の樹脂を例示することができる。例えば、メタ
クリル酸、アクリル酸およびこれらのエステルを用いた
アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとエチレン
または塩化ビニル等の共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラールの様なビニル
アセタール樹脂、ポリスチレン、スチレンとブタジエ
ン、メタクリル酸エステル等の共重合樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンおよびその塩素化物、ポリエステル
樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レンイソフタレート、ビスフェノールAのポリエーボネ
ート等)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、アルキッド
樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキ
シメチルセルロース等のセルロースエステル誘導体、ワ
ックス、ポリオレフィン、蝋等が挙げられる。より好ま
しくは分散性あるいは耐エッチング性の点から特に、メ
タクリル酸、アクリル酸の各種エステルを用いたアクリ
ル樹脂、メタクリル酸、アクリル酸の各種エステルとス
チレンとの共重合樹脂、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系
樹脂等を使用することができる。
【0017】トナー画像形成後のトナー非画像部の光導
電性絶縁層を除去するエッチング液としては、光導電性
絶縁層を除去できるものなら任意の溶剤が使用可能であ
り、特に限定されるものではないが、好ましくは、アル
カリ性溶剤が使用される。ここで言うアルカリ性溶剤と
は、アルカリ性化合物を含有する水溶液、アルカリ性化
合物を含有する有機溶剤もしくは、アルカリ性化合物を
含有する水溶液と有機溶剤との混合物である。アルカリ
性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、ケイ酸リチウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ
酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、アン
モニアおよびモノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、ジエチルアミノエタ
ノール、2−アミノ−2−メチルプロパノール等の有機
および無機の任意のアルカリ性の化合物を挙げることが
出来る。この中でも特に、一般式mSiO2 /nM2
(M:アルカリ金属原子、m/n=0.5〜8.5)で
表される珪酸塩をエッチング液中に含有させることによ
り、より良好なエッチング性と印刷特性を得ることがで
きる。水を主体としたエッチング液には、必要に応じ
て、各種の有機溶剤を添加することも出来る。好ましい
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルア
ルコール等の低級アルコールや芳香族アルコールおよび
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アル
コール類、エーテルアルコール類、エーテルエステル
類、エーテル類、ケトン類、エステル類等の有機溶剤あ
るいは界面活性剤、消泡剤、その他各種の添加剤を含有
させることができる。
【0018】本発明に使用される修正剤は(1)トナー
を膨潤または溶解する有機溶剤及び(2)光導電層を溶
解または膨潤する有機溶剤及び(3)酸性化合物及び必
要に応じて水、増粘剤から基本的に構成される。トナー
を膨潤または溶解する有機溶剤は、光導電層を除去する
成分を速やかに浸透させることにり、速やかな修正作業
を可能とする。該有機溶剤はトナー成分によって適宜選
択されるが、トナーとして一般に用いられている、メタ
クリル酸またはアクリル酸の各種エステルを用いたアク
リル樹脂、メタクリル酸またはアクリル酸の各種エステ
ルとスチレンとの共重合樹脂、スチレン系樹脂または酢
酸ビニル系樹脂等の樹脂が使用される場合には、例え
ば、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、アルコール
類、炭化水素系溶媒等の有機溶剤が使用される。上記ラ
クトン類としてはブチロラクトン、バレロラクトン、ヘ
キサノラクトン等が有る。エーテル類としてはグリコー
ルエーテル類があり、例えば、2−メトキシエタノー
ル、2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタ
ノール、2−ブチルグリコール等のグリコールモノアル
キルエーテル類、例えば、2−フェニルエタノール等の
グリコールモノアリールエーテル類、例えば、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソ
プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル
等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、例
えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノブチルエーテル等のトリエチレングリ
コールモノアルキルエーテル類、例えば、エチレングリ
コールジメチルエーテル等のエチレングリコールジアル
キルエーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等
のジエチレングリコールジアルキルエーテル類等が含ま
れる。
【0019】ケトン類には例えば、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルブ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケ
トン、ブチロン、メチルアミルケトン、メチルヘキシル
ケトン、バレロン、メシチルオキシド、ジアセトンアル
コール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、
アセトフェノン、イソフォロン、アセチルアセトン、ア
セトニルアセトン等が含まれる。アルコール類としては
エタノール、ブタノール、オクチルアルコール、ベンジ
ルアルコール等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては
例えばトルエン、キシレン、テレピン油、n−ヘプタ
ン、ソルベントナフサ、ケロシン、ミネラルスピリット
等の石油留分で沸点が120から250℃付近の炭化水
素系溶媒が挙げられる。これらの他に、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N
−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等も挙げら
れる。上記の溶剤のうち、特に好ましいのは、ブチロラ
クトン、2−メトキシエタノール、2−フェニルエタノ
ール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロ
ヘキサノン、ベンジルアルコールである。上記の溶剤は
単独もしくは2種以上組み合わせて用いることができ
る。本発明の光導電層を溶解または膨潤する有機溶剤と
しては前記光導電層をを塗布する溶剤あるいは上記の有
機溶剤等を使用することができる。
【0020】本発明では修正液の非修正部分への侵食を
防止し、さらに修正用筆からの液たれを防止するため
に、必要に応じて増粘剤を用いる。増粘剤としては例え
ば、珪酸微粉末等の無機増粘剤、例えば、メチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の
改質セルロース、アラビアガム、ポリビニルピロリド
ン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ビニルメチルエーテル
/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン
酸共重合体等の高分子化合物が挙げられる。中でも、珪
酸微粉末、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース等の改質セルロース、ポリビニ
ルピロリドンを好ましく使用することができる。これら
増粘剤は単独もしくは2種以上混合して用いることもで
きる。
【0021】本発明に用いる酸性化合物は画像修正跡を
親水化し、印刷時の汚れをより効果的に除去するために
使用する。具体的な酸性化合物としてはフッ化水素酸、
塩酸、硫酸、過硫酸、硝酸、過マンガン酸、リン酸、硼
フッ化水素酸、珪フッ化水素酸等の無機酸、酢酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、乳酸、蓚酸、トリクロル酢酸、タンニ
ン酸、フィチン酸、p−トルエンスルホン酸、有機ホス
ホン酸等の有機酸、およびそれらの塩類が挙げられる。
有機ホスホン酸としては、1−ヒドロキシエチリデン−
1,2−ジホスホン酸、1,2−ジホスホノ−1,2−
ジカルボキシエタン、1,2,2,3−テトラホスホノ
プロパン、フェニルホスホン酸、2(2′−ホスホノエ
チル)ピリジン、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、
ビニルホスホン酸、ポリビニルホスホン酸、2−ホスホ
ノエタン−1−スルホン酸、ビニルホスホン酸とアクリ
ル酸および/または酢酸ビニルとの水溶性ポリマーを挙
げることができる。これら酸性化合物の内でも、フッ化
水素酸、リン酸、有機ホスホン酸、およびそれらの塩類
が好ましく使用できる。なお、フッ化水素酸の代わりに
フッ化ジルコン酸等のフッ化水素を発生させる化合物も
用いることができる。修正剤の酸性度が高すぎると、ア
ルミニウム支持体表面の陽極酸化皮膜等の表面の親水化
皮膜等が破壊されて、長時間の浸漬により修正剤の付着
した周辺部にフリンジ状の汚れが発生する恐れがある。
従って、修正剤の好ましいpHとしては2から6程度ま
でであり、更に好ましくは2.5から5の範囲である。
【0022】本発明の修正剤には必要に応じて界面活性
剤を添加することができる。界面活性剤は画像部へより
良好に浸透するのを促進し、更に、修正剤中に含まれる
各成分を良好に混合し、安定な溶液あるいは分散液とす
るために有効である。具体的には非イオン性界面活性剤
としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキ
シエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリ
セリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エ
ステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル
類、プロピレングリコールモノグリセリン脂肪酸部分エ
ステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、オキシエチレ
ンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエ
チレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレ
ングリコール脂肪酸部分エステル類、ポリグリセリン脂
肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油
類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル
類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−
ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステ
ル、トリアルキルアミンオキシド等を例示できる。
【0023】アニオン性界面活性剤としては脂肪酸塩
類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸
塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホこは
く酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐
鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチ
レンプロピレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルスルフォフェニルエーテル塩類、N−メチル−N
−オレイルタウリンナトリウム類、N−スルホこはく酸
モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫
酸化ひまし油、硫酸化牛脚油、脂肪酸アルキルエステル
の硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂
肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチ
レンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニル硫酸エステル塩類、ア
ルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水
マレイン酸共重合物の部分けん化物、ナフタレンスルホ
ン酸塩ホルマリン縮合物類等を挙げることができる。
【0024】また、アルキルアミン塩類、第4級アンモ
ニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、
ポリオキシエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性
界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸
類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダ
ゾリン類等の両面活性剤等も使用することができる。以
上挙げられた界面活性剤の中で、ポリオキシエチレンと
あるものはポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシブチレン等のポリオキシアルキレンに読
み替えることもできる。これらのうち、非イオン界面活
性剤および陰イオン界面活性剤が好ましく、湿潤性の高
いHLBが8以上の界面活性剤が有利である。これらの
界面活性剤は単独もしくは2種以上混合して用いること
もできる。本発明の修正剤には必要に応じて各種着色剤
を含有することができる。着色剤を含有させることによ
り視覚的コントラストを与え、修正をより容易にする。
本発明の修正剤は必要に応じて親水性ポリマーを含有し
ても良い。親水性ポリマーはアルミ面の親水化および汚
れの再付着防止等に効果がある。親水性ポリマーとして
は各種のものを使用することができるが、米国特許5,
051,327号明細書に記載のポリマーを好ましく使
用できる。
【0025】本発明に使用される修正剤の各成分の含有
量は、修正剤組成に基いて、トナーを膨潤または溶解す
る有機溶剤が5重量%から85重量%、好ましくは10
重量%から70重量%、光導電層を溶解または膨潤する
有機溶剤が5重量%から85重量%、好ましくは10重
量%から70重量%、水が1重量%から30重量%、好
ましくは3重量%から20重量%、酸性化合物が0.5
重量%から20重量%、好ましくは2重量%から15重
量%である。さらに、増粘剤が0.5重量%から25重
量%、好ましくは1重量%から5重量%、界面活性剤が
1重量%から40重量%、好ましくは3重量%から25
重量%、着色剤が0.0001重量%から0.005重
量%、好ましくは0.001重量%から0.01重量
%、水溶性樹脂が0.5重量%から10重量%、好まし
くは1重量%から5重量%含有される。
【0026】電子写真式平版印刷版の製版は、通常、帯
電からエッチング工程まで一貫して処理する場合が多
い。従って、光導電層溶出後あるいはガム引き後に修正
するのが最も良いが、トナー現像からエッチングまでの
工程で修正することも可能である。修正に際しては、本
発明の修正液を筆等に適量取り、修正部分に塗布するこ
とによって修正できる。また、棒状の石、竹、水、プラ
スチック等に取り、トナー面を機械的に摩擦し、部分的
に傷をつけることにより、より速く修正することができ
る。修正後は、そのままでも使用することができるが、
必要に応じて水洗、親水化、ガム引き等を行うことによ
り良好な結果を得ることができる。
【0027】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限
定されるものでない。 実施例1 JIS1050アルミニウムシートをパミス−水懸濁液
を研磨剤として、回転ナイロンブラシで表面を砂目立て
した。この時の表面粗さ(中心線平均粗さ)は0.5μ
mであった。水洗後、70℃の10%苛性ソーダ水溶液
に浸漬しアルミニウムの溶解量が6g/m2 になるよう
にエッチングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間
浸漬することにより中和し、十分水洗した。その後、
0.7%硝酸水溶液中で、陽極時電圧13ボルト、陰極
時電圧6ボルトの短形波交番波形を用いて(特公昭55
−19191号公報に記載)20秒間電解粗面化を行
い、次に、20%硫酸の50℃溶液中に浸漬して表面を
洗浄した後、水洗した。更に、20%硫酸水溶液中で陽
極酸化皮膜重量が3.0g/m2 となるように陽極酸化
処理を施して、水洗、乾燥することにより、基板を作成
した。次に、x型無金属フタロシアニンFastoge
n Blue 8120(商品名、大日本インキ(株)
製)1.0g、ブチルメタクリレート/ブチルアクリレ
ート/アクリル酸の共重合体(35/35/30モル
%)5.0g、1,4−ジオキサン76g、2−プロパ
ノール18gをペイントシェーカー(東洋精機製作所
(株))で60分間分散し、光導電層用分散液を作成し
た。この光導電層用塗布液をバーコーターで上記基板上
に塗布、120℃10分間乾燥し、乾燥膜厚4μmの電
子写真製版用印刷版を作成した。
【0028】上記感材を暗所でコロナ帯電機により表面
電位を+300Vに帯電した後、タングステン光でネガ
画像を露光し、静電荷トナーELP−TX(富士写真フ
イルム(株)製−商品名−)を用い、+200Vのバイ
アス電圧を対向電極に印加することにより、鮮明なポジ
のトナー画像を得る事が出来た。このようにして作成し
た印刷原版を100℃にて熱定着した後、珪酸ナトリウ
ム溶液(SiO2 分30重量%、SiO2 /Na2 Oモ
ル比3.0)28.0g、水酸化カリウム1.5g、水
70.5gよりなるエッチング液にて非画像部を除去し
た。これを水洗し、ガム引き(水/GU−7−商品名−
(1/1) 富士写真フイルム(株)製)、乾燥させ
て、オフセット印刷版を作成した。次に、この画像の一
部の修正必要箇所に下記組成からなる修正剤(1)を筆
で塗布し、10秒後に水洗、ガム引きした。これをオフ
セット印刷機で印刷したところ、修正した部分にインク
は全くつかず、修正部はもちろん修正剤の付着した周辺
部の汚れもなく非常に良好な印刷物を得ることができ
た。
【0029】 修正剤(1) シクロヘキサノン 30.0g ベンジルアルコール 20.0g 水 20.0g ポリエチレングリコール#1000 14.0g フッ化水素酸(55%) 10.0g ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ 1.5g 65SH50−商品名−信越化学(株)) クリスタルバイオレット 0.003g 粉末二酸化珪素(アエロジル#380−商品名− 4.0g 日本アエロジル(株)) アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.5g
【0030】実施例2、3 実施例1の修正剤(1)に代えて下記修正剤(2)また
は(3)を用いる他は全く同様の操作によりオフセット
印刷版を作成した。これをオフセット印刷機で印刷した
ところ、実施例1と同様に修正した部分の汚れはもちろ
ん修正剤の付着した周辺部の汚れもなく非常に良好な印
刷物を得ることができた。
【0031】修正剤(2) 修正剤(1)のフッ化水素酸に代えて燐酸(85%)を
用いる他は全く同様に修正剤(2)を作成した。
【0032】修正剤(3) 修正剤(2)のシクロヘキサノンに代えてブチロラクト
ンを用いる他は全く同様に修正剤(3)を作成した。
【0033】実施例4 実施例1のアルミニウム基板上にε型銅フタロシアニン
Liophoton−ERPC(−商品名−東洋インキ
(株)製)1.0g、酢酸ビニルとクロトン酸共重合体
(RESYN 28−2930−商品名−カネボウ・エ
ヌエスシー(株)製)10.0g、テトラヒドロフラン
60g、シクロヘキサノン40gを500mlのガラス
製容器にガラスビーズと共にいれ、ペイントシェーカー
(東洋精機製作所(株))で60分間分散し、光導電層
用分散液を作成した。この光導電層用塗布液をバーコー
ターで上記基板上に塗布、100℃10分間乾燥し、乾
燥膜厚4μmの電子写真製版用印刷原版を作成した。こ
のように作成した印刷原版をコロナ帯電により表面電位
を+300Vに帯電した後、タングステン光によりネガ
像を露光、トナー現像、定着、エッチング、水洗、ガム
引き等の一連の工程により印刷版を作成した。
【0034】トナーはアイソバーH(商品名、エッソス
タンダード社)1000ml中にポリ酢酸ビニル粒子
(粒子サイズ 0.2μm)6gをトナー粒子として分
散し、荷電調節剤としてナフテン酸ジルコニウムを0.
01gを添加して作製し、+200Vのバイアス電圧を
対向電極に印加し反転現像した。エッチング液には富士
写真フイルム(株)製PS版用現像液DP−4を1:2
0に希釈し、ガムは富士写真フイルム(株)製ガム液G
U−7(商品名)を水で1:1に希釈、使用した。
【0035】この画像の一部に下記組成からなる修正剤
(4)を筆で塗布し、10秒後に水洗、ガム引きした。
これをオフセット印刷機で印刷したところ、修正した部
分は完全に非画像部となり、さらに修正剤の付着した周
辺部の汚れもなく非常に良好な印刷物を得ることができ
た。
【0036】 修正剤(4) γ−ブチロラクトン 40.0g エチレングリコールモノメチルエーテル 20.0g ベンジルアルコール 16.0g 水 10.0g 燐酸(85%) 4.0g ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ 1.5g 65SH50−商品名−信越化学(株)) オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー 5.0g (ブルロニックP−85−商品名−旭電化工業(株)) 粉末二酸化珪素(アエロジル#380−商品名− 3.5g 日本アエロジル(株))
【0037】実施例5 富士写真フイルム(株)製PS版FNN−商品名−の感
光層をメチルエチルケトンで溶出したアルミニウム版上
に下記の式1で示されるトリスアゾ化合物1.0g、下
記の式2で示されるオキサゾール化合物2.5g、ベン
ジルメタクリレートとメタクリル酸(メタクリル酸35
モル%)10.0g、テトラヒドロフラン60g、シク
ロヘキサノン40gを500mlのガラス製容器にガラ
スビーズと共にいれ、ペイントシェーカー(東洋精機製
作所(株))で60分間分散し、光導電層用分散液を作
成した。この光導電層用塗布液をバーコーターで上記基
板上に塗布、100℃10分間乾燥し、乾燥膜厚4μm
の電子写真製版用印刷原版を作成した。このように作成
した印刷原版をコロナ帯電により表面電位を+300V
に帯電した後、ネガ像を露光、トナー現像、定着、エッ
チング、水洗、ガム引き等の一連の工程により印刷版を
作成した。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】トナーはアイソバーH(商品名、エッソス
タンダード社)1000ml中にポリメチルメタクリレ
ート粒子(粒子サイズ 0.3μm)5gをトナー粒子
として分散し、荷電調節剤としてナフテン酸ジルコニウ
ムを0.01gを添加して用い、+200Vのバイアス
電圧を対向電極に印加することにより、鮮明なポジのト
ナー画像を得る事が出来た。また、エッチング部にはケ
イ酸カリウム35g、水酸化カリウム15g、モノエタ
ノールアミン10gを水690mlに希釈し、ガムは富
士写真フイルム(株)製ガム液GU−7(商品名)を水
で1:1に希釈した液を用いた。
【0041】この画像の一部に下記組成からなる修正剤
(5)を筆で塗布し、10秒後に水洗、ガム引きした。
これをオフセット印刷機で印刷したところ、修正した部
分の汚れはもちろん修正液の付着した周辺部の汚れもな
く非常に良好な印刷物を得ることができた。 修正剤(5) エチレングリコールモノメチルエーテル 35.0g ベンジルアルコール 35.0g 水 12.0g フッ化ジルコン酸 8.0g ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ 1.5g 65SH50−商品名−信越化学(株)) オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー 5.0g (ブルロニックP−85−商品名−旭電化工業(株)) 粉末二酸化珪素(アエロジル#380−商品名− 3.5g 日本アエロジル(株))
【0042】実施例6、7 実施例5の修正剤(5)に替えて下記修正剤(6)また
は(7)を用いる他は全く同様の操作によりオフセット
印刷版を作製した。これをオフセット印刷機で印刷した
ところ、実施例5と同様に修正した部分および修正剤の
付着した周辺部共に汚れがなく、非常に良好な印刷物を
得ることができた。
【0043】修正剤(6) 修正剤(5)のフッ化ジルコン酸に変えて燐酸(85
%)を用いる他は全く同様に修正剤(6)を作成した。
【0044】修正剤(7) 修正剤(5)のヒドロキシプロピルメチルセルロースに
替えて、ヒドロキシメチルセルロースを用いて、修正剤
(7)を作成した。
【0045】
【発明の効果】以上のように、電子写真式製版におい
て、印刷版の画像部の一部を修正処理するに際して、
トナーを膨潤または溶解する有機溶剤、光導電層を溶
解または膨潤する有機溶剤、酸性化合物を必須的に含
有し、かつ必要に応じて水、増粘剤を含有する修正
剤を用いることにより不溶部分を迅速且つ確実に修正す
ることが可能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)トナーを膨潤もしくは溶解する有
    機溶剤、(2)光導電層を溶解もしくは膨潤する有機溶
    剤および(3)酸性化合物を含有することを特徴とする
    電子写真式平版印刷版用修正剤。
  2. 【請求項2】 水、増粘剤、界面活性剤および/または
    着色剤をさらに含有する請求項1に記載の電子写真式平
    版印刷版用修正剤。
  3. 【請求項3】 導電性基板上に光導電層を設けた電子写
    真式平版印刷原版において、少なくともトナー画像を形
    成する工程、トナー画像を定着する工程およびトナー画
    像以外の光導電層を除去する工程を含む工程により得ら
    れた平版印刷版の画像部の一部を修正剤により修正処理
    するに際して、該修正剤が(1)トナーを膨潤または溶
    解する有機溶剤、(2)光導電層を溶解または膨潤する
    有機溶剤および(3)酸性化合物を含有することを特徴
    とする電子写真式平版印刷版の修正処理方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6237493B1 (en) * 1998-09-21 2001-05-29 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Printer and restoration method for printing plates

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