JP2899069B2 - 電子写真平版印刷版の製版方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版の製版方法

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JP2899069B2 JP14840790A JP14840790A JP2899069B2 JP 2899069 B2 JP2899069 B2 JP 2899069B2 JP 14840790 A JP14840790 A JP 14840790A JP 14840790 A JP14840790 A JP 14840790A JP 2899069 B2 JP2899069 B2 JP 2899069B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (A)産業上の利用分野 本発明は、導電性支持体上に光導電層を設けた印刷版
であって、電子写真方式によりトナー画像を形成後、ト
ナー画像部以外の非画像部光導電層の除去を行なって印
刷版を作製するための電子写真平版印刷版の製版方法に
関し、画像の解像性等の良好な印刷版が得られ、地汚れ
の発生がなく、高耐刷力を有する電子写真平版印刷版の
製版方法に関する。
(B)従来技術及びその問題点 近年、機械的画像処理技術や大容量データの保存及び
送信技術の確立により、文字や図形等の画像入力・補正
・編集・割付け及び頁組み等を全てコンピュータ制御
し、高速通信網や衛星通信により瞬時に遠隔地の末端プ
ロッタに出力出来る電子編集システムが稼働してる。特
に、即時性を信条とする新聞印刷分野に於て、この電子
編集システムの要求度は高い。
しかしながら、従来より新聞印刷分野に於ても用いら
れているPS版と知られる平版オフセット印刷版は、画像
形成が少なくとも感光剤の活性線による化学構造変化を
伴うため総じて低感度であり、予め画像記録された銀塩
写真フィルム原版を密着露光して製版を行なっている。
従って、電子編集システムの稼働している所でも画像出
力は一旦銀塩写真フィルムに行なわれ、これをもとに間
接的にPS版ヘ密着露光により印刷版が作製されているの
が実状である。これは、出力プロッタの光源(例えば、
He−Neレーザ、半導体レーザ等)により実用的な時間内
に印刷版を作製出来るだけの高い感度を有する直接型印
刷版の開発が困難であることによる。
そこで、直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有す
る感光材料として電子写真感光体が考えられる。従来、
電子写真を利用した印刷版材料(印刷用原版)として、
例えば特公昭47−47610号、同48−18325号、同48−4000
2号、同51−15766号公報等に記載の光導電性酸化亜鉛・
樹脂分散系オフセット印刷版材料及び特公昭37−17162
号、同38−7758号、同41−2426号、同46−39405号、特
開昭50−19509号、同52−2437号、同54−134632号、同5
4−145538号、同55−153948号、同57−147656号、同57
−161863号公報等に記載されている様な有機光導電性化
合物・結着樹脂系印刷版材料が知られている。
前者の光導電性酸化亜鉛・樹脂分散系オフセット印刷
版材料は、耐水性と導電性を付与した紙を基体として酸
化亜鉛リッチな光導電層を有し、電子写真法によるトナ
ー画像形成後、その非画像部を不感脂性にするために不
感脂化処理液(例えば、ヘキサシアノ鉄塩やイノシット
ヘキサリン酸塩を含有する酸性水溶液)で湿潤させた
後、印刷に供される。この様な処理をしたオフセット印
刷版は、良好な印刷画像再現性の点から耐刷枚数が多く
とも1万枚程度であり、不感脂化を強化した組成にする
と画質が悪化するなどの欠点を有する。
また、光導電性酸化亜鉛の感光域が短波長よりである
ので、通常ローズベンガル、ブロモフェノールブルー等
の染料増感剤併用して感度を高めているが、これらは半
導体レーザの波長(780nm)に実用的感光域を持たず、
現時点では半導体レーザで描画出来るまでには実用上到
っていない。
一方、後者の有機光導電性化合物・結着樹脂系印刷版
材料は、これらの電子写真感光体が総じてアルミニウム
基板上に設けられているため、アルミニウム基板と光導
電層とが強固に接着していれば、本質的にPS版と同等以
上の耐刷性を有している。また、既に800nm以上に実用
感度を有する有機光導電性化合物が知られており、これ
らの化合物を用いた上記印刷版の実用化も進められてい
る。
これらの電子写真平版印刷版に於ける一般的な製版方
法は、光導電性化合物を用いた電子写真印刷原版を公知
の電子写真画像形成法によってトナー画像を形成した
後、トナー画像部以外の非画像部をアルカリ剤等を含有
する溶液で処理することにより、版上より非画像部光導
電層を溶解除去(所謂溶出)し、続いて余分の溶出液と
可溶化した光導電層とを中性以上の液pHを有する水洗液
にて版上から除去し、必要に応じ版面保護液(保護ガム
液)を塗布して製版される。特に溶出はPS版に於けるア
ルカリ現像と異なり、トナーのアルカリ溶解性と光導電
層のそれとの差を利用したものであって、トナー付着部
光導電層(画像部)はトナーによるレジスト性のため溶
出が阻碍されるが、本質的にトナー付着部の光導電層自
体がアルカリ不(或は難)溶性になる訳ではないので、
溶出が過度に促進されれば、サイドエッチと呼称される
光導電層側面からの溶出液の回込みによって画像部光導
電層をも浸蝕し、良好な細線再現性が得られない。一方
溶出をアンダー気味に行なうと、見掛け上は非画像部支
持体上に光導電性顔料が残存せず溶出されている様に観
えてさえも、残膜により印刷経時によって地汚れが発生
する場合がある。従って、アルカリ溶出型電子写真平版
印刷版に於ける溶出は、PS版に於けるアルカリ現像より
も厳格な処理が要求される。また、アルカリ溶出型電子
写真平版印刷版に於ける光導電層は、初期帯電電位、感
度、及び暗減衰等の電子写真特性及び耐刷性等の印刷特
性等から、一般的にPS版のそれ(〜3μm)よりも厚く
(4〜5μm)、かつ結着樹脂は高分子であるため、サ
イドエッチを抑制しつつ印刷汚れをもたらす残膜を防止
し、忠実なトナー画像再現性を得るためには、トナー組
成やその現像方式、溶出液処方の選定、溶出処理機構や
電子写真平版印刷版光導電層と溶出液とのマッチング及
び処理時間等の製版処理条件等に留意を払うことが非常
に重要である。
更に溶出性について研究を行なった結果、平版印刷版
の導電性支持体の表面粗さが大き過ぎると、非画像部の
溶出が完全には行なわれず所謂顔料残りと呼称される溶
出不良を生じ、印刷版として用いた時に印刷地汚れが発
生すると云った印刷適性上好ましくない悪影響を及ぼす
ことが判明した。
また、平版印刷版導電性支持体の表面粗さが逆に小さ
過ぎると、光導電層のこの支持体に対する接着性が不充
分となり、その結果耐刷力が不充分となることも判明し
た。
(C)発明の目的 本発明の目的は、少なくとも光導電性フタロシアニン
及び結着樹脂からなる光導電層を導電性支持体上に設け
た電子写真平版印刷版に於て、画像の解像性及び鮮鋭度
が良好になる様な印刷版が得られ、高耐刷力を有し、印
刷物の地汚れがなく、保水性の良い印刷版が得られる様
な電子写真平版印刷版の製版方法を提供することにあ
る。
(D)目的を達成するための手段 本発明の上記目的は、印刷性及び光導電層接着性等か
ら中心線平均粗さ(Ra)が0.3〜0.8μmなる導電性支持
体上に、少なくとも光導電性フタロシアニンと結着樹脂
とからなる光導電層を設けた平版印刷版に、電子写真方
式によりトナー画像を形成させ、次いでアルカリ性溶出
液と接触させてトナー画像部以外の非画像部光導電層を
溶出除去した後水洗処理して印刷版とする電子写真平版
印刷版の製版方法に於て、該溶出液が少なくとも一般式
SiO2/M2O(M=Li、Na、K)で表現される珪酸アルカ
リ金属塩を含有し、かつグラム原子換算でSi/M=0.6〜
1.6なる溶出液を用い、液供給管から吐出した溶出液を
液整流部材を介して、複数回に渡って印刷版に供給する
ことにより達成される。
以下に本発明に係わる製版処理液及び処理方法等につ
いて記載する。
本発明に係わる非画像部光導電層を除去するための溶
出液は、アルカリ剤を含有し緩衝能を有するもので、少
なくとも一般式SiO2/M2O(M=Li、Na、K)で表現さ
れる珪酸アルカリ金属塩を含有し、かつ液中の珪酸源と
アルカリ金属源との比がグラム原子換算でSi/M=0.6〜
1.6なる溶出液である。
本発明の溶出液には更にアルカリ剤として、アルカリ
金属水酸化物、リン酸及び炭酸のアルカリ金属及びアン
モニウム塩等の無機アルカリ剤、エタノールアミン、プ
ロパンジアミン等のアミン類を代表とする有機アルカリ
剤、及びこれらの混合物を混合しても良い。珪酸アルカ
リ金属塩は高pH域に於て強い緩衝能を有し、溶出の寛容
性を向上させるが、それに伴い溶出速度が緩慢となるた
め、処方上はこれにアルカリ金属水酸化物等のアルカリ
剤を添加して溶出液のpHを調整することが望ましい。
本発明に係わる溶出液には、溶出液の光導電層表面へ
の湿潤性の向上と、それに伴う溶出能の向上、溶出処理
条件の拡大化のため、界面活性剤を含有するのが好まし
い。好ましい界面活性剤の例としては、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩類(該アルキル基の炭素数は8〜18、よ
り好ましくは12〜16)、アルキルナフタレンスルホン酸
塩類(該アルキル基の炭素数は3〜10)ナフタレンスル
ホン酸のホルマリン縮合物、ジアルキルスルホこはく酸
塩類(該アルキル基の炭素数は2〜18)、ジアルキルア
ミドスルホン酸塩類(該アルキル基の炭素数は11〜17)
等のアニオン系界面活性剤、イミダゾリン誘導体、カル
ボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイ
ン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類等の両性
界面活性剤が挙げられる。
溶出液には更に特開昭55−25100号公報記載のイオン
性化合物、特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオ
ニックポリマ、特開昭56−142528号公報記載の水溶性両
性高分子電解質、特開昭58−75152号公報記載の中性
塩、特開昭58−190952号公報記載のキレート剤、特開平
1−177541号公報記載の液粘度調整剤、特開昭63−2266
57号公報記載の防腐剤や殺菌剤、米国特許第3250727
号、同3545970号、英国特許第1382901号、同1387713号
明細書等に記載の消泡剤、及び天然及び合成水溶性ポリ
マ等の公知の成分を必要に応じ含有させることが出来
る。
溶出液に於ける溶媒は、上記成分を安定して分散溶解
し得るものであれば特に限定されないが、水が、更に好
ましくはイオン交換した水が有利に用いられる。また、
上記成分をより安定化するため、或は溶出速度の調整の
ために適当量の有機溶剤を含有しても良い。
本発明の溶出液に用いる珪酸アルカリ金属塩源として
は、SiO2/M2O=0.5〜8.5(モル換算)が好ましい。溶
出液のpHは11.5〜14.0が、より好ましくは12.0〜13.5が
良く、多数枚通版や液経時に於けるpH変動に際しては、
所望の補充液を適時添加して溶出活性度の向上を図るこ
とが望ましい。
本発明に係わる電子写真平版印刷版を製版するには自
動溶出機が好ましく、更に少なくとも溶出部及び水洗部
を有し、更に版面保護剤塗布部を有する構造のものが好
ましいが、平版印刷版を自動搬送して少なくとも溶出及
び水洗(リンス)処理出来れば良く、各部仕様について
は特に限定されない。しかしながら、溶出液の経時劣化
を考慮した場合、光導電層面への溶出液の供給は方法に
よっては可溶化した光導電層が溶出部にて多量に版上か
ら溶出液へと流入して劣化を促進する可能性があるの
で、溶出液は出来るだけソフトに供給することが望まし
い。本発明に於ては、溶出部をソフトに供給する方法と
して、溶出液供給管から吐出した液を別の部材、例えば
整流板、版搬送上ロール等を通じて溶出液を整流し、光
導電層に均一に供給する方式を採用する。更に、溶出の
促進、特に顔料残りを防止し、かつサイドエッチを抑制
するために、溶出工程に於ては溶出液を複数回版面に供
給する。夫々の供給方法は、上記要件を満足していれば
異なった方式を採用しても良い。
溶出液の吐出量は、印刷版に一様に供給し得る最低量
で良いが、水洗部へ搬送される時に印刷版が持出す液量
の1.5〜100倍、より好ましくは5.0〜50倍が良い。ま
た、溶出液持出し量は出来るけ少ない方が良く、10g/m2
以下になる様機械的に調整することが望ましい。
溶出を終了した印刷版は、サイドエッチの進行を停止
するため、水洗液を用いて直ちに余剰の溶出液と可溶化
した光導電層とを版上より除去する。水洗液は更にそれ
らを速やかに液中に拡散溶解出来る性能を有するもので
ある。
本発明に用いられる水洗液には、少なくとも7.0〜10.
5に酸解離指数(pKa)を有する化合物を最終的に含有さ
せて、そのpHを10.5以下に保持することが望ましい。こ
の化合物(以下、特に断わらない限り、水洗液に添加す
る、少なくとも7.0〜10.5に酸解離指数(pKa)を有する
化合物を単に化合物と記載する。)は、少なくとも化合
物を含有しない水であっても最初のうちは充分に水洗処
理が行なえるため、水洗液として最初は化合物を含有し
ない液を用い、後添加して「最終的に」水洗液に含有さ
せても良いし、製版に先立って水洗液に添加しておいて
も良い。前者(後添加)の場合、添加開始は水洗液のpH
が8.5〜10.5、より好ましくは9.5〜10.0の範囲が望まし
い。また、特に版サイズが一定であれば、非画像部(被
溶出部)面積が大きく異ならないかぎり、水洗液のpH上
昇は通版量(枚数)にほぼ比例するため、一定枚数毎に
本発明に係わる化合物を添加することが出来る。後者
(先添加)の場合に於ても、多数枚通版中に水洗液のpH
上昇に応じて更に添加出来る。また、製版に先だって化
合物を添加しておく時は、化合物単独で添加しても良い
し、予め水に分散或は溶解させたものを用いても良い。
水溶液とする際には、少量の有機溶剤をもって溶解を促
進させても良い。特に化合物が水溶性の固体であればそ
れを水洗槽中に浸漬させておき、通版中の液流動やpH変
動によって漸次溶解する様にしておいても良い。水洗液
のpHは、常に10.5以下にしておく必要があるが、少なく
とも化合物含有水洗液に於ては7.5〜10.5の範囲、より
好ましくは8.0〜10.0の範囲に保持することが望まし
い。
水洗液に添加する化合物は7.0〜10.5に酸解離指数(p
Ka)を有するもので、化合物により複数の解離段を有す
るものに於ては、少なくとも酸解離指数(pKa)の一つ
が7.0〜10.5に有れば良い。7.0〜10.5に酸解離指数(pK
a)を有する化合物の例としては、例えば「化学便覧.
基礎編II」日本化学会編、昭和59年改訂3版、丸善株式
会社発行、II−339〜II−342頁に記載されており、これ
らのうち本発明に規定されるpKaを有する化合物は全て
使用出来る。これらのうち特にアスパラギン酸、アラニ
ン、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸及びそれらの
塩が好適である。これらの化合物は2種以上を混合して
添加しても良いし、先添加と後添加で異なる化合物を用
いても良い。また、これらの化合物は適当な酸或は塩基
性化合物との混合物(塩)を用いても良いし、pH調整や
溶解促進のため、水溶液(水分散液)にするに当たっ
て、適当な酸或は塩基性化合物を併用しても良い。特に
化合物含有溶液を後添加する場合は、そのpHを6.0〜9.
5、より好ましくは7.0〜8.0に調整して添加することが
望ましい。
化合物の水洗液への添加量は、0.040〜10重量%が、
より好ましくは0.10〜5.0重量%が好適である。
水洗液を循環再使用して水洗に供す場合は、経時で空
気中の細菌等か混入し、水洗効果を低下させるばかりか
異臭等を発して好ましくないので、水洗液には更に防腐
剤及び/または殺菌剤を含有させることが望ましい。
水洗部では、水洗液を版上に供給して速やかに可溶化
した光導電層と余剰の溶出液とを完全に除去し得る機構
でなければならない。液は飛散が抑制出来る機構であれ
ば可溶化した光導電層に直接供給しても良いし、特開昭
60−76395号公報記載の溶出促進部材を水洗機構に応用
しても良い。また、水洗部に於ては、回転するブラシを
直接光導電層に接触させて可溶化した光導電層を掻落と
すことも出来るが、通常可溶化した光導電層は機械的掻
落しなしに容易に除去出来ること、及びサイドエッチの
悪化を促進することがあるこ等から、その使用は望まし
くない。
水洗処理された電子写真平版印刷版は、必要に応じ酸
性物質を含有するリンス液で処理する。
本発明に用いることの出来るリンス液は、製版処理さ
れる電子写真平版印刷版光導電層中の結着樹脂が再凝集
しない様に液pHが調整されたものが望ましい。則ち、リ
ンス液の初期pHが最低限結着樹脂の不溶化を促進しなけ
れば、少なくとも液循環通版中には中性以上の液pHを有
する水洗液と共に流入する結着樹脂は可溶化状態を保持
し、従って結着樹脂の再不溶化による上記トラブルを防
止出来る。しかしながら、リンス液は僅かながらでもこ
の後通常行なわれる版面保護処理用の保護ガム液に流入
するため、リンス液のpHが高ければ、保護ガム液のpHも
必然的に早期に上昇し、版面保護効果も減衰するため、
リンス液のpHは7以下に保持することが望ましい。
このリンス液には、液pHを調整するために種々の試材
を添加することが出来る。特に自動溶出機等で多数枚の
電子写真平版印刷版をより安定的に処理するためには、
少なくともリンス液に於ても多数枚製版中に液pHが変動
しないことが望ましいから、酸及び緩衝剤としての水溶
性塩の少なくとも何れかを含有させておくことが望まし
い。これにより、本発明に係わるリンス液を電子写真平
版印刷版に施した場合に、版上に残留する溶出液等に起
因する塩基性成分が中和され、非画像部がより親水性と
なる。
非画像部光導電層を除去した電子写真平版印刷版は、
版面の耐傷強度の向上及び非画像部不感脂化等の目的
で、保護ガム処理される。
本発明に用いることの出来る保護ガム液には、高分子
化合物、親油性物質、及び界面活性剤等を含み、これら
の試剤は全て公知のものが利用出来る。
次に、本発明に係わる電子写真平版印刷版について詳
細に説明する。
本発明に係わる電子写真平版印刷版は、中心線平均粗
さ(Ra)が0.3〜0.8μmなる表面粗さを有する導電性支
持体上に、少なくとも光導電性フタロシアニン及び結着
樹脂からなる光導電層を有し、通常の電子写真現像方式
によりトナー画像を形成し得るものである。
表面粗さは三次元的な凹凸の一断面形状を特定の観点
から代数表現するために用いられ、表面粗さの測定法に
は、種々の測定法により求められる。
本発明に係わる導電性支持体光導電層側表面の表面形
状は、触針式の接触型装置により測定した場合の数値を
採用するものとする。
中心線平均粗さRaとは、抽出曲線より、その中心線の
方向に測定長さLの部分を抜取り、その抜取り部分の中
心線をX軸、縦倍率の方向をZ軸とし、抽出曲線をZ=
f(x)で表した時、以下の式で与えられ、μm単位で
表示される。
則ち、Raは抽出曲線と中心線とにより囲まれる部分の
面積を測定長さで割った標準偏差を表す。
本発明に於ける中心線平均粗さRaは上記の式の如くJI
S B 0601で定義されるもので、本発明ではカットオフ値
0.08mm、測定長さが0.5mm、走査速度が0.06mm/秒なる条
件で測定した際の値を採用する。
本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表
面を有するプラスチックシート、不透過性及び導電性に
した紙、またはアルミニウム、亜鉛、銅−アルミニウム
等の金属板等の親水性処理表面を有する導電性支持体が
挙げられる。それらの厚みは0.07〜1.5mm、更には0.1〜
0.5mmが好ましい。これらの支持体の中でもアルミニウ
ム板が好適に使用される。このアルミニウム板は、アル
ミニウムを主成分とし微量の異元素を含有しても良く、
従来公知・公用の素材を適宜使用することが出来る。
本発明に係わる導電性支持体は、必要により少なくと
も光導電層を設ける面を表面加工して、最終的に支持体
の光導電層側表面の中心線平均粗さ(Ra)を0.3〜0.8μ
mにしたものである。
表面加工の方法は、公知の方法、例えば砂目立て、陽
極酸化法を用いることが出来る。砂目立て処理に先立っ
て、所望により界面活性剤またはアルカリ水溶液による
脱脂処理する。砂目立て処理方法には、機械的粗面化
法、電気化学的粗面化法、化学的表面選択溶解法等があ
る。機械的粗面化法には、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用い
ることが出来る。また電気化学的粗面化法には、塩酸或
は硝酸電解液中で、交流か直流により行なう方法があ
る。また、特開昭54−63902号公報に開示の如く、両者
を組合わせた方法等も利用出来る。
本発明に於ては、支持体表面の保水性を向上させ、あ
る程度以上に深くち密で均一な砂目を作る方法である、
特に鉱酸を主体とした電解液による電気化学的粗面化法
が好ましい。
砂目の深さは、例えば特公昭55−34240号公報に開示
の様に電解条件等の制御により特定の範囲内で任意に設
定出来る。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じ
てアルカリエッチング処理及び中和処理して用いる。
上記処理を施されたアルミニウム板は、陽極酸化処理
される。陽極酸化処理に用いられる電解質としては、硫
酸、リン酸、しゅう酸等、或はそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質やその濃度は電解質の種類によって
適宜決定される。陽極酸化皮膜量は0.10〜10g/m2が良
く、更には1.0〜6.0g/m2の範囲が好適である。
更に、特公昭47−5125号公報に記載の如く、陽極酸化
処理後にアルカリ金属珪酸塩水溶液で処理したものも好
適である。また、米国特許第3658662号明細書に記載の
シリケート電着も有効である。
この様にして得られた0.3〜0.8μmなる中心線平均粗
さ(Ra)を有する導電性支持体の表面形状として更に好
ましくは、ISO 4287/1に規定されるベアリングレングス
(Rtp)が70〜85%なる粗面であることが望ましい。
導電性支持体と光導電層との間には、密着性や電子写
真特性等の向上のため、必要に応じ中間層を設けても良
い。
この様にして得られた導電性支持体上に電子写真光導
電層を設けて、電子写真感光体が得られる。
本発明に係わる光導電層に用いる光導電性化合物とし
ては、光導電層フタロシアニンを用いる。フタロシアニ
ンは、特公昭40−2780号、同45−8102号、同45−11021
号、同46−42511号、同46−42512号、同48−163号、同4
9−17535号、同50−5059号、及び特開昭64−569号、同6
4−17066号、同64−45474号、特開平1−144057号、同
1−153757号、同1−217362号、同1−221459号、同1
−252967号、同1−285952号、同1−312551号、同2−
8256号、同2−16570号公報等に記載の光導電性フタロ
シアニン系顔料であって、一般式(C8H4N24Rnで示さ
れ、Rは水素、リシウム、ナトリウム、カリウム、銅、
銀、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、カ
ドミウム、バリウム、水銀、アルミニウム、インジウ
ム、ルテチウム、チタン、錫、ハフニウム、鉛、バナジ
ウム、アンチモン、クロム、モリブエン、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、及び白金であり、nは0〜2であある。
これらのうちでα、β、γ、π、τ、χ、及びε型無
金属フタロシアニン、または銅、マグネシウム、コバル
ト、鉛、亜鉛、チタニル(TiO)等の金属フタロシアニ
ンが好ましく、更にHe−Neレーザ、半導体レーザ等の光
源の対応して長波長領域に於いても光感度を有するχ型
無金属フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、及びチ
タニルフタロシアニンが好適である。
本発明に係わる電子写真平版印刷版用光導電層は、最
終的に非画像部光導電層を除去する必要があり、この工
程は光導電層の溶出液に対する溶解性とトナー画像の溶
出液に対するレジスト性との相対的関係によって決定さ
れ、一概に表現出来ないが、少なくとも結着樹脂として
は、前述の溶出液に可溶或は分散可能な高分子化合物が
好ましい。
具体例としては、スチレン/無水マレイン酸共重合
体、スチレン/マレイン酸モノエステル共重合体、メタ
クリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/
メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリ
ル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/アク
リル酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/
クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタク
リル酸エステル共重合体等のスチレン、メタクリル酸エ
スエル、アクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビ
ニル等とアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等のカ
ルボン酸含有モノマ或は酸無水物基含有モノマとの共重
合体やメタクリル酸アミド、ビニルピロリドン、アクリ
ロイルモルフォリン、フェノール性水酸基、スルホン酸
基、スルホンアミド基、スルホンイミド基を有するモノ
マを含有する共重合体、フェノール樹脂、部分ケン化酢
酸ビニル樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール等
のビニルアセタール樹脂を挙げることが出来る。
酸無水物基或はカルボン酸基を有するモノマ含有共重
合体及びフェノール樹脂は、電子写真印刷版用感光体と
した場合の電荷保持力が高く、従って有利に使用するこ
とが出来る。
酸無水物基を有するモノマ含有共重合体としては、ス
チレンと無水マレイン酸との共重合体が好ましい。カル
ボン酸基を有するモノマ含有共重合体としては、スチレ
ンとマレイン酸モノエステルとの共重合体、アクリル酸
或はメタクリル酸とそれらのアルキルエステル、アリー
ルエステルまたはアラルキルエステルとの二元以上の共
重合体が好ましい。また、酢酸ビニルとクロトン酸も良
い。フェノール樹脂中特に好ましいものとしては、フェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、或はp−ク
レゾールとメタナールまたはエタナールとを酸性条件下
で縮合させたノボラック樹脂を挙げることが出来る。結
着樹脂は単独でも、或は2種上を混合して用いても良
い。
フタロシアニンと結着樹脂とのみを用いる場合には、
フタロシアニンの含有量が少ないと低感度となるため、
結着樹脂(B)に対してフタロシアニン(P)がP/B
(重量換算)で1/20以上、より好ましくは1/6以上を混
合して使用することが好適である。しかしながら、結着
樹脂に対してフタロシアニンの含有量が多すぎても、含
有量増加に比して感度向上が期待出来ないばかりか、他
の電子写真特性等とのバランスがとれなくなるので、結
着樹脂とフタロシアニンとの混合比(P/B)は1/6〜1/3
の範囲が望ましい。また光導電層膜厚は、薄すぎるとト
ナー現像に必要な電荷が帯電出来ず、逆に厚すぎると溶
出液の劣化を促進するばかりか溶出の際にサイドエッチ
を誘引して良好な画像が得られないため、0.1〜30μm
が、より好ましくは0.5〜10μmが良い。
本発明に係わる電子写真平版印刷版は、常法に従って
光導電層を導電性支持体上に塗布して得られる。光導電
層の作製に当たっては、光導電層を構成する成分を同一
層中に含有させる方法、或は二層以上の層に分離して含
有させる方法、例えば電荷担体発生物質と電荷担体輸送
物質を異なる層に分離して用いる方法等が知られてお
り、何れの方法にても作製することが出来る。塗布液
は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解して
作製するが、顔料等の溶媒に不溶な成分を用いる時は、
ボールミル、ペイントシェィカー、ダイノミル、アトラ
イター等の分散機を用いて平均粒径0.01〜5μm、より
好ましくは0.05〜0.2μmに分散して用いる。光導電層
に使用する結着樹脂、その他の添加剤は顔料等の分散時
或は分散後に添加することが出来る。この様にして作製
した塗布液を回転塗布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リ
バースロール塗布、ディップ塗布、ロッドバー塗布、ス
プレー塗布、エクストルージョン塗布の様な公知の方法
で支持体上に塗布乾燥して電子写真平版印刷版を得るこ
とが出来る。
本発明に係わる光導電層には必要に応じ、光導電性化
合物及び結着樹脂の他に光導電層の柔軟性、塗布面状等
の膜物性を改良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その
他の添加物を添加できる。
本発明に於ては、電子写真特性、印刷性、及び光導電
層と印刷版裏面との耐接着性等から、光導電層の表面粗
さは0.05〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.3μmの範
囲となる様塗液粘度(固形分濃度、溶媒等)・塗布方法
等を選択することが望ましい。
本発明に於て使用する電子写真平版印刷版は、前述の
電子写真感光体を用いて公知の操作によって作製するこ
とが出来る。則ち、暗所で実質的に一様に帯電し、画像
露光により静電潜像を形成する。露光方法としては、キ
セノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源と
して反射画像露光、透明陽画フィルムを通した密着露光
や、レーザ光、発光ダイオード等による走査露光が挙げ
られる。走査露光を行なう場合は、He−Neレーザ、He−
Cdレーザ、アルゴンイオンレーザ、クリプトンイオンレ
ーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レ
ーザ、エキサイマーレーザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsPの様
な半導体レーザ、アレキサンドライトレーザ、銅蒸気レ
ーザ等のレーザ光源による走査露光、或は発光ダイオー
ド、液晶シャッタを利用した走査露光(発光ダイオード
アレイ、液晶シャッタアレイ等を用いたラインプリンタ
型の光源も含む)によって露光することが出来る。
次に、上記静電潜像をトナーによって現像する。現像
方法としては、乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラ
シ現像、パウダクラウド現像)、液体現像の何れも使用
出来る。殊に液体現像法は微細なトナー画像を形成出
来、再現性良い印刷版を作製するのに好適である。更
に、正現像によるポジ/ポジ現像や、適当なバイアス電
圧の印加の下反転現像によるネガ/ポジ現像も可能であ
る。形成されたトナー画像は公知の定着法、例えば加熱
定着、圧力定着、溶剤定着等により定着出来る。この様
に形成したトナー画像をレジストとして、非画像部光導
電層を溶出液により除去して印刷版が作製出来る。
本発明に係わるトナーは、前記溶出液に対してレジス
ト性を有する樹脂成分を含有していることが必要であ
る。樹脂成分としては、例えばメタクリル酸、メタクリ
ル酸エステル等から成るアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等との共重
合体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニ
ルブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンとブタジエン、メタクリル酸エステル等と
の共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩
化物、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソ
フタレート、及びビスフェノールAのポリカーボナート
等のポリエステル樹脂、ポリカプラミド等のポリアミド
樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹
脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラチン、カルボキシ
メチルセルロース等のセルロースエステル誘導体、ワッ
クス等が挙げられる。また、トナーには現像・定着等に
悪影響を及ぼさない範囲で、色素や電荷制御剤を含有さ
せることも出来る。
トナー現像を終えた電子写真平版印刷版は、トナー画
像をレジストとして作用させ、非画像部の光導電層を製
版処理液によって処理して印刷版が作製出来る。
(E)実施例 本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発
明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に限定され
るものではない。
実施例1 *導電性支持体の作成 JIS1050アルミニウムシートを60℃、10%NaOH水溶液
に浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して
中和し、充分水洗した。その後、2.0%硝酸水溶液中
で、時間を変えて電解粗面化を行ない、50℃、20%硫酸
水溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。更
に、20%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、水洗、
乾燥することにより、印刷版用支持体を作製した。電解
祖面化時間を変えて得られた印刷版支持体の表面処理面
の中心線平均粗さ(Ra)を第1表に示す。
第1表 支持体 中心線平均粗さ No. Ra(μm) 1 0.26 2 0.38 3 0.46 4 0.53 5 0.64 6 0.73 7 0.89 *光導電層塗液の調製及び塗布 これらの支持体表面処理面に、ペイントシェィカーに
て1時間分散させた下記の光導電層組成物をエクストル
ージョンコーターで塗布量4.5g/m2になる様に塗布後、9
0℃5分間乾燥して電子写真平版印刷版(印刷版No.1〜
7)を作製した。
光導電層塗液1組成 ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (メタリル酸25重量%) 5重量部 χ型無金属フタロシアニン 1重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−エトキシエチルアセテート 16重量部 2−プロパノール 18重量部 *トナー現像 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、半導
体レーザ(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、LOM−ED III)で液体
反転現像を行ないトナーを熱定着した。
印刷版No.1〜6は光導電層上に解像力50本/mmのトナ
ー画像が再現性良く得られ、また画像の鮮鋭度も良好で
あったが、印刷版No.7は若干鮮鋭度に劣っていた。
*製版処理 次に、下記に示す様な自動溶出機、溶出液、水洗液、
及びリンス液により製版処理を行なった。
1)自動溶出機 溶出槽とそれに続く水洗槽、リンス槽とを有し、トナ
ー現像済みの電子写真平版印刷版を回転する上下ロール
に挟持させて搬送する駆動装置と、各処理槽の処理液を
貯溜槽→ポンプ→スプレーノズル→貯溜槽のサイクルで
循環させる装置、及び各処理槽への補充装置を有する自
動機を用いた。版上への溶出液の供給は、スプレーノズ
ルより上部挟持搬送ロールを介して液を整流して行なっ
た。また、溶出部に於ける液供給管は3本で、液供給間
隔(距離)は一定とし、溶出時間は搬送速度により変更
出来る。
2)溶出液1組成 珪酸ナトリウム水溶液(SiO2分30重量%、SiO2/Na2Oモ
ル比2.5) 20重量部 水酸化カリウム 1重量部 純水 79重量部 註)Si/M=1.0 3)水洗液1組成(20dm3) ジオクチルスルホこはく酸Na 0.1重量部 炭酸水素アンモニウム 0.2重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量部 純水 99.69重量部 4)リンス液1組成(20dm3) こはく酸 0.5重量部 リン酸(85%水溶液) 0.5重量部 デカグリセリルモノラウレート 0.05重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量部 これに水酸化ナトリウムを添加して液pHを4.7とした
後、純水で100重量部とした。
以上の処理液を用いて、第2表の溶出(液供給)条件
で製版した(溶出時間は8秒に設定)。
次に、上記印刷版を用いて印刷を行なった。
溶出性及び印刷性の結果を第2表に示す。
第2表より、支持体の中心線平均粗さ(Ra)が小さす
ぎる(印刷版No.1、製版処理No.1;本発明外)と、耐刷
性に劣り印刷途中に画像飛び(光導電層剥がれ)が発生
した。逆に支持体中心線平均粗さが大きすぎる(印刷版
No.7、製版処理No.9;本発明外)と、光導電層表面のそ
れも大きくなってトナー画像解像力が悪化し、また溶出
に於ては支持体表面谷部に光導電層が溶出仕切れずに残
存してしまい、印刷で地汚れが発生した。
また、支持体の中心線平均粗さが適当であっても溶出
液供給が1回の場合(製版処理No.6;本発明外、溶出時
間は製版処理No.5及び7と同等)、見掛け上溶出が完了
していても印刷では地汚れが発生した。
一方、支持体の中心線平均粗さが0.3〜0.8μm内の印
刷版を用いて、溶出液を複数回に渡って版上に供給した
場合は、溶出に於ける顔料残りや印刷に於ける地汚れ及
び画像飛び等の問題が発生しなかった。
実施例2 JIS1050アルミニウムシートを60℃、10%NaOH水溶液
に浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して
中和し、充分水洗した。その後、3.0%塩酸水溶液中
で、35A/dm250秒間電解粗面化を行ない、50℃、20%硫
酸水溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。更
に、20%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、水洗、
乾燥することにより、印刷版用支持体を作製した。この
時、支持体表面処理面の中心線平均粗さは0.55μmであ
った。
この支持体表面処理面に、ペイントシェィカーにて1
時間分散させた下記の光導電層組成物をエクストルージ
ョンコーターで塗布後、90℃5分間乾燥して電子写真平
版印刷版を作製した。
光導電層塗液2組成 ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート/メタクリ
ル酸共重合体 (メタクリル酸30重量%) 5重量部 χ型無金属フタロシアニン 1重量部 2−メトキシエチルアセテート 76重量部 2−プロパノール 12重量部 2−フランメタナール 6重量部 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、半導
体レーザ(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、LOM−ED III)で液体
反転現像を行ないトナーを熱定着したところ、光導電層
上に解像力50本/mmのトナー画像が再現性良く得られ
た。また、画像の鮮鋭度も良好であった。
次に、第3表記載の溶出液及び下記に示す様な水洗液
及びリンス液により製版処理を行なった。版上への溶出
液の供給は、3本のスプレー管を用い、ノズルから吐出
した液を特開昭60−76395号公報記載の整流板に一旦当
てて、液を整流して行なった。
水洗液2組成(20dm3) ジオクチルスルホこはく酸Na 0.1重量部 p−ヒドロキシ安息香酸ブチル 0.01重量部 グリシン 0.5重量部 イオン交換水 99.39重量部 リンス液2組成(20dm3) こはく酸 0.2重量部 くえん酸 0.3重量部 ソルビタンモノラウレート 0.05重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量部 これに水酸化ナトリウムを添加して液pHを4.7とした
後、純水で100重量部とした。
以上の処理液を用いて、サイドエッチの平均が片側約
4μmになる様に溶出時間を設定して製版を行なった。
その結果、Si/Mが0.53なる溶出液(溶出液No.10;本発
明外)を用いると、溶出速度が速すぎてしまい、サイド
エッチを抑制しつつ溶出を行なおうとすると溶出ムラが
発生して好ましくない。一方、Si/Mが大きく1.7なる溶
出液(溶出液No.2;本発明外)を用いると、溶出は見掛
け上完了しているものの、印刷では地汚れが発生した。
また、サイドエッチの位置による変動も大きかった。
溶出液中のSi/Mが本発明の範囲にある溶出液を用いて
製版を行なうと、溶出速度に差が生ずるものの、SiO2
度やアルカリ剤の種類に関係なく良好な溶出性を示し
た。
実施例3 実施例2で作製した印刷版用支持体表面処理面に、下
記の光導電層組成物を実施例2と同条件で調液及び塗布
して電子写真平版印刷版を作製した。
光導電層塗液3組成 ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (メタクリル酸30モル%) 5重量部 チタニルフタロシアニン 1重量部 1,4−ジオキサン 70重量部 2−メトキシエチルアセテート 14重量部 2−プロパノール 10重量部 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+450Vとなる様に帯電させた後、半導
体レーザ(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(リコー(株)製、リコーMRP)で液体反転
現像を行ないトナーを熱定着したところ、光導電層上に
解像力50本/mmのトナー画像が再現性良く得られた。ま
た、画像の鮮鋭度も良好であった。
次に、下記に示す様な溶出液、水洗液、及びリンス液
により製版処理を行なった。
版上への溶出液の供給は、実施例1と同様3本のスプ
レーノズルより上部の挟持搬送ロールを介して液を整流
して行なった。
溶出液12組成 珪酸カリウム水溶液(SiO2分28重量%、SiO2/K2Oモル
比2.8) 5重量部 エタノール 10重量部 水酸化カリウム 1重量部 純水 85重量部 註)Si/M=0.9 水洗液3組成(20dm3) ジオクチルスルホこはく酸Na 0.15重量部 ベンズイソチアゾロン 0.01重量部 炭酸水素ナトリウム 0.2重量部 β−アラニン 0.2重量部 純水 99.44重量部 リンス液4組成(20dm3) くえん酸 0.8重量部 リン酸二水素アンモニウム 0.5重量部 ソルビタンモノラウレート 0.05重量部 これに水酸化カリウムを添加して液pHを5.0とした後、
純水で100重量部とした。
以上の処理液を用いて製版したところ、非画像部の溶
出遅れ(顔料残り)等の故障は観られなかった。
次に、この印刷版を用いてオフセット印刷機(ハマダ
スター 600 CD)にて印刷を行なったところ、少なくと
も10万枚までは印刷物に汚れの発生もなく良好な印刷物
が得られた。
(F)発明の効果 本発明の電子写真平版印刷版の製版方法を用いること
により、画像の解像性等の良好な印刷版が得られ、地汚
れや版飛びの発生がなく、高品位な印刷画像が得られ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−22972(JP,A) 特開 平2−192997(JP,A) 特開 平2−23367(JP,A) 特開 平1−223473(JP,A) 特開 昭61−264040(JP,A) 特開 昭61−63497(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 13/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心線平均粗さ(Ra)が0.3〜0.8μmなる
    導電性支持体上に少なくとも光導電性フタロシアニンと
    結着樹脂とからなる光導電層を設けた平版印刷版に、電
    子写真方式によりトナー画像を形成させ、次いでアルカ
    リ性溶出液と接触させてトナー画像部以外の非画像部光
    導電層を溶出除去した後水洗処理して印刷版とする電子
    写真平版印刷版の製版方法に於て、該溶出液が少なくと
    も一般式SiO2/M2O(M=Li、Na、K)で表現される珪
    酸アルカリ金属塩を含有し、かつグラム原子換算でSi/M
    =0.6〜1.6なる溶出液を用い、液供給管から吐出した溶
    出液を液整流部材を介して、複数回に渡って印刷版に供
    給することを特徴とする電子写真平版印刷版の製版方
    法。
  2. 【請求項2】溶出液が単独で光導電層を溶解或は分散し
    得る有機溶剤を含有せず、SiO2換算で珪酸を6重量%以
    上含有する請求項1記載の電子写真平版印刷版の製版方
    法。
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