JP3628369B2 - 電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、溶出装置にて光導電層面に循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製するための電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関し、より詳しくは停機後再起動時に一定量循環溶出液を減量し溶出補充液にて補充する電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関し、不定期な作動環境下に於ても溶出活性度一定域に保持して長期に亙って安定した溶出処理が行なえ、液交換の頻度を減少させる電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非画像部アルカリ溶出型電子写真平版印刷版は、一般に有機光導電性化合物とアルカリ可溶性の結着樹脂とからなる光導電層を導電性支持体上に設けてなり、電子写真法によって光導電層上にトナー画像を形成した後、溶出工程に於てトナー画像部以外の非画像部をアルカリ剤等を含有する溶出液で可溶化して溶出し、続くリンス処理工程に於て洗液を供給して版面に残存する可溶化した光導電層成分と溶出液とを洗浄した後、通常保護ガム処理されて印刷に供される。これらの処理は通常自動機を用いて製版されるが、従来感光性平版印刷版(所謂PS版)を含む非画像部アルカリ除去型平版印刷版を製版処理する装置に採用されている処理方式としては、以下に記載の液循環再利用方式、新液使捨て処理方式、及び処理過程計量残存液廃棄方式に大別される。
【0003】
最初の液循環再利用方式は、版面に過剰量の処理液を接触させた後、処理済み液を版上から全て除去して循環再利用する方式であり、処理済み液の除去はスクイズロールによる絞液が一般的である。液供給方法としては、ロール狭持して搬送する印刷版上にスプレー或はシャワー等から処理液を直接或はロール及び/または整流板を介して供給する方法の他、特開平2−2569号公報等に開示の様に処理液槽中を液中ガイドロール等によって印刷版を湾曲浸漬(ディップ方式)させ、液中シャワーによって処理液を対流循環させると共に版面に供給する方法や、実開平1−160443号公報に開示の様に対向面に多数の突起を有する斜傾保持された一対のガイド板の間を印刷版を搬送し、ガイド板搬送方向上方端面から液供給する方法等、多数枚製版による液性劣化を防止抑制するための補充液補充方法と共に、従来から種々の応用例が開示されている。
【0004】
二番目の新液使捨て処理方式は、特開昭62−238564号公報等に開示の様に、液供給スリットのギャップやワイヤバーのワイヤ径等の調整によって、版面に処理液を供給する前に必要最低量を前計量して一版毎に新液を供給し、場合に応じて処理促進手段を処理過程で施した後、処理済みの疲労処理液は可溶化した非画像部と共に除去廃棄する方式である。
【0005】
最後の処理過程計量残存液廃棄方式は、特開昭62−59957号公報等に開示の様に、版面に一旦過剰量の処理液を供給した後に処理液を一定量に計量して余剰液は循環再塗布、計量後の版上の処理液は現像完了後に可溶化した非画像部と共に廃棄する方式で、特開昭63−163353号公報には版先頭部の製版不良を改善するため、液計量後更に版先頭部に液計量時に除去した処理液を循環再供給する方式も開示されている。また、特開平2−93474号公報には、特開昭62−59957号公報及び特開昭63−163353号公報に開示の技術を電子写真平版印刷版の処理に応用した方法が開示されている。
【0006】
これらの方式の内、液循環再利用方式は余剰液を循環再使用するので、見掛け上廃液量を減少させることが出来るが、溶解した非画像部は殆ど全てが処理液中に流入するため、処理経時により槽内や液循環系、処理部搬送部位等に液固着の発生が見られ、吐出孔の目詰まり等による液供給量の低下や供給ムラ等の悪影響を誘引する場合がある。
【0007】
一方、新液使捨て処理方式では処理変動を防止出来る反面、液循環再使用方式に比してより多量の処理液を必要とし、多量の廃液を出す結果となる。また、必要最低量を供給しようとして液量を絞ると、応々にして処理液が版全面を均一に被覆しないことがあり、処理ムラとなる場合がある。殊に電子写真平版印刷版の製版処理に於ては、電子写真光導電層は一般的PS版感光層に比して除去すべき層が厚く、しかもトナー画像部下の光導電層はアルカリ難溶性ではないために、処理を押すとサイドエッチと呼称される画像細りが発生する等、処理条件に厳格さが要求されるため、この処理方式はあまり適さない。
【0008】
そこで、両者欠点を解消し長所を合せ持つ処理方式が上記の処理過程計量残存液廃棄方式である。この方式は、アルカリ現像液を版に供給してから現像処理に必要な液量を残して計量するため、計量除去液には非画像部感光層成分の混入が殆どなく、計量後版上に残存する疲労した現像液は可溶化した非画像部と共に廃棄し、その廃棄現像液量に見合った補充液補充によって、実質的に液使捨て方式に準じてほぼ新液状態で製版が出来、処理液循環再利用方式の様な経時的影響を受け難い。また、例えアルカリ現像液が結果として版上に供給されない部分が発生したとしても、現像開始前に液計量具によって液の延展がなされるため、処理ムラが軽減される。
【0009】
この処理過程計量残存液廃棄方式を電子写真平版印刷版の溶出方式に採用しても、基本的には比較的長期に亙って安定した処理が行なえるが、計量除去液を再使用する本方式に於ては、循環使用期間中に空気中の二酸化炭素等の酸性気体の吸収溶解や溶出液構成成分特に水の蒸発の他に、僅かながら光導電層成分も計量除去液に溶解するため、これら循環溶出液の成分変動特にアルカリ活性度の低下に起因する経時疲労劣化となることがある。また、電子写真平版印刷版の場合その膜厚がPS版に比べ一般に2〜3倍厚いことや、溶出にかかる時間を短縮するためにその溶出液は高pHである場合が多いため、溶出装置停機中の場合でも二酸化炭素等の酸性気体の吸収による溶出液のアルカリ活性度低下の悪影響が大きく、特に不定期に作動させる溶出装置に於てその停機期間が長ければ、再起動直後の循環溶出液の溶出活性度が低下している場合があり、溶出処理初版から数版程度にかけて満足ゆく溶出処理が行われないことがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、溶出装置にて光導電層面に循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製するための電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関し、より詳しくは停機後再起動時に一定量循環溶出液を減量し溶出補充液にて補充する電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に於て、特に溶出装置停機中の二酸化炭素等の酸性気体の吸収等に起因する液性劣化を抑制して溶出活性度一定域に保持し、長期に亙って安定した溶出処理が行なえ、もって液交換の頻度を減少させる電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、以下の発明によって達成された。第1の発明は、光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、溶出装置の循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を光導電層面に供給して非画像部光導電層を可溶化させた後に液計量具により余剰の循環溶出液を一定量に計量すると共に計量余剰分は循環溶出液貯液槽に回収し、その搬送後方で版上に残存する循環溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄する電子写真平版印刷版の処理方法に於て、センサにより検出される循環溶出液貯液量の上下限を設定しておき、溶出装置運転中は該センサ検出による循環溶出液減量分について溶出補充液を補充し、溶出装置が停機した後の再起動時には循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を前記貯液量上限まで補充する電子写真平版印刷版の処理方法であり、第2の発明はその処理を実現する溶出装置である。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の溶出装置に於て、前記再起動時に減量させる循環溶出液量が、該溶出装置の再起動までの停機時間に応じて可変となる電子写真平版印刷版の溶出装置である。
【0013】
本発明の電子写真平版印刷版の処理方法あるいは溶出装置に係わる補充方法について詳細に説明する。本発明に於ては、少なくとも循環液量を確保し、更に溶出活性度を保持するため、溶出補充液を補充する。溶出補充液補充方法としては、貯液された循環溶出液量の上下限をセンサにより設定しておき、溶出装置運転中の循環溶出液減量分はセンサ検出により溶出補充液を補充し、溶出装置が停機した後の再起動時には循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を前記貯液量上限まで補充する。
【0014】
本発明で言う溶出装置に於ける「運転中」とは、液温調整等の製版準備から製版待機、製版実施、及び装置自動洗浄等の停機前の後処理までの間であって、溶出装置を構成する少なくとも一部分が作動していることを意味し、「停機」とはそれ以外の場合を指し、「再起動」とは電源不通電状態及び停機状態の溶出装置を「運転中」状態へ移行させることを意味する。
【0015】
本発明の処理方法及び溶出装置に於て、再起動時に減量させる循環溶出液の量としては、その量が多ければ多いほど活性度の高い循環溶出液となるから好ましいが、その分廃液量が増加する訳であるから、停機時間1日当り循環溶出液の貯液量(センサ上限検出量)の40%以下とするのが適当である。
【0016】
また、停機時間の増加に伴って循環溶出液の活性度の低下が進行するために、停機時間に応じて再起動時に循環溶出液を減量する量を増加させることが好ましい。
【0017】
液量の上下限を検知するセンサとしては従来、光学式、導通式、超音波式、及びフロート式等の各方式が知られるが、本発明に係わる循環溶出液の設定された上下限の液量は、それを一定範囲内に特定出来れば充分であって厳格な計測を必要とせず、所望により何れの方式を用いても良い。循環溶出液量は、液計量除去液である循環溶出液が連続製版に於て循環時間から給液不良となることなく、更に溶出補充液補充前後で溶出性を左右することのない最低量以上であれば良く、10〜30dm3が好ましいが、循環溶出液量の上下限は全量の10%以下が好 ましい。溶出補充液の添加時期は、少なくとも製版使用消費分につては製版処理中若しくは溶出補充液を補充して停機する様に停機直前に添加する。
【0018】
本発明の処理方法及び溶出装置に係わる溶出補充液及び循環溶出液としては、少なくともアルカリ剤を含有し、緩衝能を有す組成であることが望ましい。アルカリ剤としては、一般式SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)で表現される珪酸塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸や炭酸のアルカリ金属やアンモニウム塩等の無機アルカリ剤、エタノールアミン類、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、及びモルホリン等の有機アルカリ剤が挙げられる。特に珪酸塩は高pH域で強い緩衝能を示すため、珪酸塩が好適である。更にこれにアルカリ金属水酸化物等のその他のアルカリ剤を添加しても良い。
【0019】
本発明の処理方法及び溶出装置に係わる溶出補充液は、循環溶出液のアルカリ活性度の低下を補償出来れば良いから、必ずしも循環溶出液の有効成分と同一の試剤で構成されている必要はないが、液調製や補充・溶出能の制御等から上記循環溶出液組成にナトリウムやカリウム等のアルカリ金属の酸化物、水酸化物、或は炭酸塩を添加した液が好適である。未使用の循環補充液にアルカリ金属化合物を添加した溶出補充液の望ましい追添加アルカリ金属化合物量は、溶出装置及び循環溶出液の使用状況に応じ最適化する必要があるが、慨量として水酸化ナトリウム換算で10〜100g/dm3程度であり、1日当たりの循環溶出液への水酸化ナトリウム換算追添加量は溶出補充液補充量に強くは依存せず、5〜30g程度である。
【0020】
製版処理中に補充する溶出補充液の添加量は、設定された下限を下回った時から補充を開始しても、または一定時間及び/または一定製版面積或は枚数毎に補充しても良い。製版処理中は必ずしも上限まで補充する必要はなく、また処理及び装置各部に支障を来さない範囲に於て少々上限を越えても差し支えない。
【0021】
本発明の処理方法及び溶出装置に於ては、補充は補充が完了した時点で補充量に対応した有効成分量が循環溶出液に添加されていれば良いから、水や希釈液と有効成分濃縮液とを溶出装置内で予備混合しても、或は予備混合せずに同時及び/または別々に添加しても良い。また、未使用循環溶出液あるいは再起動時に減量する循環補充液を補充液成分の一部として、アルカリ剤水性液及び水を同様の方法で添加しても良い。特に水は専用貯液槽を設けず、上水道或はイオン交換水製造機等から直接引水しても良い。溶出補充液の補充は循環溶出液貯液槽に直接注液しても良いし、或は溶出部の各ロール群や特に液計量具に給液して洗浄しながら最終的に循環溶出液貯液槽に補充しても良い。但し、後者の場合には印刷版溶出処理中に補充液が版面に直接供給されない様にすべきである。
【0022】
以上の如く、本発明の溶出処理に於ては、循環溶出液量の上下限を設定しておき、電子写真平版印刷版溶出処理に於て循環して再使用する循環溶出液が、電子写真平版印刷版の搬送に伴って持ち出されることや、水分の蒸発等によって循環溶出液が減量する相当分を溶出補充液で補充する。また更に、停機中は酸性気体の吸収による溶出活性度が低下するため、停機後の再起動時には一旦一定量循環溶出液を減量させた後に溶出補充液を循環溶出液量上限まで補充する。この二系統の補充により、循環溶出液の活性度が保持された電子写真平版印刷版の溶出処理が可能になる。
【0023】
次に、本発明の処理方法に係わる処理工程を工程順に説明する。本発明に係わる処理は、電子写真平版印刷版を搬送しながら、循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を光導電層面に供給する溶出液供給工程、非画像部光導電層を可溶化させた後に液計量具により余剰の循環溶出液を一定量に計量する溶出液計量工程を有する溶出部、その搬送後方で版上に残存する循環溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄する可溶化光導電層除去工程を有する除去部を有し、また循環溶出液貯液量の上下限を検出するためのセンサ、該センサから信号により溶出補充液の補充量を制御する制御部、該制御部からの信号により動作を行う溶出補充液供給ポンプ、循環溶出液槽から除去部に循環溶出液を送液する廃液ポンプを有し、溶出装置運転中は該センサ検出による循環溶出液減量分を制御部が判定し溶出補充液供給ポンプを作動させて補充を行い、溶出装置が停機した後の再起動時には制御部からの信号により該廃液ポンプを作動させ循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を該溶出補充液供給ポンプにより循環溶出液貯液量上限まで補充することが可能な溶出装置により行われる。
【0024】
溶出液供給工程では、電子写真法によりトナー画像が形成された印刷版の光導電層面に貯液された循環溶出液を供給する。溶出液供給方式としては従来公知の機構、例えば液吐出シャワー管、スライドホッパ、カーテンコータ、ディップ方式等が使用出来、版面に均一に供給することが望ましい。
【0025】
本発明に係わる溶出液供給工程に於て循環溶出液は過剰に供給する必要があり、その量は液計量工程通過後に版上に残る循環溶出液量より多くすることは勿論、液計量工程に到る搬送中版端部から循環溶出液が流下する量であることが肝要である。これにより、一部は非画像部光導電層を膨潤可溶化させ、余剰分は版上を流動して被溶出部に於て既にある循環溶出液と一部置換しながら版端部より流下する。従って、版端部では液置換が頻繁に起こり、光導電層界面近傍の溶出液流動速度が上昇することによって、版部位による溶出度の変動が抑制される。
【0026】
溶出液計量工程搬入直前では非画像部光導電層をほぼ可溶化させて、次に溶出液計量工程にて液計量手段により少なくとも版上にある循環溶出液を一定量残して余剰液を計量除去する。本発明に係わる液計量に於ては、可溶化した光導電層を除去する直前に溶出が完了する様に循環溶出液を残す。好ましい液計量残液量は30〜120g/m2が良く、更には40〜100g/m2が好適である。溶出液計量工程前に流下した循環溶出液及びこの計量除去液は循環溶出液貯液槽に回収して再使用に供する。
【0027】
本発明に係わる液計量工程に於ける液計量具としては、版搬送方向に対し何等かの駆動伝達により回転可能であって、少なくとも版表面に対し回転方向全てに計量幅方向に対し均一に接触し、液計量時は可溶化した光導電層の剥離を抑制防止する形状を有することが肝要である。例えば、軸回りに一定直径の細いワイヤを螺旋状に巻付けたワイヤバー、溝付きロール、プレーンバー、軽量のゴムロール等が挙げられるが、計量液量の調整の簡便さや可溶化した光導電層成分の剥離流失の抑制等の観点から、回転軸にワイヤを巻付けたワイヤバーが本発明に好適に使用される。液計量具は、回転軸をある周速で順方向或は逆方向に強制的に回転させても、また少なくとも版通過時にのみ回転する様にしても良い。
【0028】
液計量工程を経た印刷版は可溶化光導電層除去工程に入り、除去手段により非画像部に残る可溶化した光導電層と版上の可溶化により疲労した循環溶出液を除去し、更に次工程へ搬送される。除去手段としては、エアナイフ、ブレード、弾性ロール、回転及び非回転(摺動或は固定等)ブラシ、及びモルトンロール等が使用可能であるが、本発明に係わる除去手段としては、機構上の保守管理負担の軽減、廃液量の低下、除去効率、及び溶出品質の低下防止等の総合的理由から、ゴム製のブレードが好適に用いられる。ゴムブレードを設置する際には、その下に搬送速度以上の周速で回転するバックアップロールを設けたり、版先頭部がゴムブレードを通過した直後に加圧する様、搬送不良の誘発を防止する何等かの機構を設けることが望ましい。
【0029】
液計量工程で液計量が理想的に行われれば、更なる可溶化の進行はかなり抑制されるが、サイドエッチの悪化や除去効率の低下を抑制防止するため、液計量してから除去工程に於て可溶化した光導電層成分等を除去するまでの時間はより短い方が良く、好ましくは1秒以下が望ましい。この可溶化光導電層除去工程に於て除去された液状物中には循環溶出液成分も含まれるが、光導電層可溶化により疲労して溶出能が相当低下しているため、可溶化した光導電層成分と共に廃棄することが望ましい。
【0030】
最後に本発明に於て処理する電子写真平版印刷版の構成及びその製版工程を説明する。本発明に於て処理する電子写真平版印刷版は、導電性支持体上に光導電層を設けてなり、通常の電子写真現像方式によりトナー画像を形成し得るものである。電子写真平版印刷版に用いられる導電性支持体としては、導電性表面を有するプラスチックシート、またはアルミニウム等の金属板等を基体とし、少なくとも光導電層を設ける面は親水化処理が施された導電性支持体が挙げられる。また、それらの厚みは0.1〜0.5mmが良い。特に好ましいのはアルミニウム板で、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含有しても良く、従来公知・公用の素材を適宜使用することが出来る。また所望の表面性状を光導電層を設ける支持体面に持たせるため、公知の方法で砂目立て、陽極酸化することが好ましい。
【0031】
この様にして得られた支持体表面処理面に所望の電子写真光導電層を設けて電子写真平版印刷版が得られる。本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層には、公知の光導電性化合物を、単独または所望により2種類以上混合して用いることが出来るが、本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層に於ては少量で所望の電子写真特性が得られる光導電性フタロシアニン系顔料が有利に用いられる。特に、レーザ等の光源の対応して長波長領域に於いても優れた実用光感度を有するχ型無金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニンが好適である。
【0032】
本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層には、更に少なくとも結着樹脂を併用する。本発明に係わる結着樹脂の具体例としては、スチレン/マレイン酸モノエステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、及び酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層に於ける光導電性化合物と結着樹脂との混合比は、所望の電子写真特性及び製版特性等の諸特性を満足する様に決定すれば良いが、結着樹脂の1/2〜1/20重量部の範囲で使用することが望ましい。
【0033】
本発明に係わる電子写真平版印刷版は、常法に従って光導電層を導電性支持体上に塗布して得られる。塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解分散して調製するか、溶媒に不溶な成分である場合は、ボールミル、ダイノミル、或はペイントシェィカー等の分散機により分散して用いる。また、光導電層には必要に応じ、光導電性化合物及び結着樹脂の他に光導電層の柔軟性、塗布表面状態等の膜物性を改良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添加物を添加することが出来る。光導電層に使用する添加剤は、光導電性化合物の分散時或は分散後に添加することが出来る。
【0034】
本発明に係わる電子写真平版印刷版は、公知の操作によってトナー画像を形成させる。則ち、暗所でコロナ帯電器等により実質的に一様に帯電させ、レーザ光による走査画像露光等により静電潜像を形成させ、しかる後に液体反転現像法等によりトナー現像する。形成されたトナー画像は公知の定着法により定着する。
【0035】
トナー現像を完了した電子写真平版印刷版は、次に上記循環溶出液により非画像部光導電層を溶出し、続いてリンス液で処理して版面を洗浄する。リンス処理は、リンス液と共に速やかに版上に残存する可溶化した光導電層と循環溶出液とを完全に除去し得なければならない。可溶化した光導電層をリンスして除去した電子写真平版印刷版は、版面の耐傷強度の向上及び非画像部不感脂化等の目的で保護ガム処理して印刷に供される。
【0036】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその目的を逸脱しない限り下記の実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
〔電子写真平版印刷版の作製〕
JIS1050アルミニウム(0.3mm厚)を水酸化ナトリウム水溶液により エッチングし、塩酸水溶液中で電解粗面化を行ない、更に硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、表面にアルミニウム酸化物皮膜を形成させ、水洗後乾燥することにより印刷版用支持体を作製した。この支持体表面処理面に、ダイノミルにて分散させた表1記載の組成の光導電層形成用塗液を固形分塗布量4.0g/m2となる様塗布後、乾燥して電子写真平版印刷原版を作製した。
【0038】
【表1】
【0039】
得られた電子写真平版印刷原版を398mm×560mmに裁断し、遮光して50℃で2時間加温後室温まで放冷した。この印刷原版を、暗所にて表面電位が約+230Vになる様帯電させ、半導体レーザー(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正電荷液体トナー(三菱製紙(株)製、ODP−TW)にてバイアス電圧を180Vで反転現像を行ない、冷風乾燥してトナー分散媒を除去後、トナーを熱定着(80℃)して光導電層上にトナー画像を形成させた。
【0040】
図1に本実施例で用いた電子写真平版印刷版の溶出装置を示す。本溶出装置の基本構成は、溶出液塗布工程及び可溶化光導電層除去廃棄工程からなり、更に図示しないリンス処理工程及び保護ガム塗布工程が付帯する。印刷版は給液ロール11方向から印刷版搬送ライン100に挿入することにより給液ロール11、バックアップロール12で構成されるロール対に挟持されて自動搬送されると共に製版処理に供される様になっている。
【0041】
溶出液塗布工程は、溶出液供給管22、23、整流板24、25、及び給液ロール11、13からなる溶出液供給部と、液計量具19及びガイドロール15からなる溶出液計量部とで構成される。液計量具19は、回転軸に線径250μmのステンレスワイヤを螺旋状に稠密に巻付けたワイヤバーを使用した。ワイヤバーの回転軸への強制駆動伝達は行なわず、液計量時には並進する電子写真平版印刷版との自重による接触によって回転が伝達される様になっている。循環溶出液110は循環溶出液槽1からポンプ31により揚水され、バルブ41、42の開閉により2系統に分岐させることが可能で、それぞれ溶出液供給管22、23から吐出され、整流板24、25で整流されて、給液ロール11、13を介して版面に供給される様になっている。版面に塗布した循環溶出液の余剰分はバックアップロール12、14及び打ち抜き板からなる下部ガイド板6を経て循環溶出液貯液槽1に回収される様になっている。また、溶出液計量部で計量された循環溶出液も、下部ガイド板6上を流動して再び循環溶出液貯液槽1に回収される様になっている。
【0042】
循環溶出液貯液槽1への給液は、溶出補充液貯液槽4に貯液された溶出補充液111は補充ポンプ32及び電磁バルブ43を経て循環溶出液貯液槽1に直接補充される。溶出補充液111は、貯液溶出液量検知手段である液量センサ62により、循環溶出液110が設定量減量した後に制御部7からの信号により補充ポンプ32及び電磁バルブ43が作動し供給する様にも、また制御部7における設定により、印刷版通過検知手段61からの信号を基に処理枚数をカウントし、設定枚数毎に補充手段が作動して、設定量若しくは循環溶出液上限まで補充する様にも補充様式が選定出来る様になっている。また、溶出補充液111の補充は、制御部7により、印刷版が印刷版通過検知手段61を通過直後から任意の時間に補充が開始される様になっている。
【0043】
停機後、再び電源を投入して起動させる時には、循環溶出液貯留槽1のドレイン口51を経て電磁バルブ44及び廃液ポンプ34が図示しない制御部からの指令によって一定時間動作し、循環溶出液110を排出溶出液貯留槽5へ一旦排出し、送液ポンプ35及び電磁バルブ48あるいは49の動作によって洗浄ノズル21あるいは除去廃液二次貯留槽3へ排出するようになっている。また、溶出補充液111は電磁バルブ44及び廃液ポンプ34の動作終了後に循環溶出液貯留槽1へ、循環溶出液上限まで補充される様になっている。
【0044】
制御部7では、その一部機能は図示しないバックアップ電源により溶出装置電源が遮断されても動作するようになっており、溶出装置の電源断から再起動までの停機時間を計測するようになっている。また制御部7は、計測された停機時間の長短を電磁バルブ44及び廃液ポンプ34の動作時間に応じて停機時間が長ければ排出量を多く、短ければ少なく、循環溶出液110の排出量の増減を設定することが可能となっている。
【0045】
可溶化光導電層除去廃棄工程は、可溶化光導電層除去手段であるゴムブレード20及びバックアップロール16からなる可溶化光導電層除去部、及び除去廃液一次貯留槽2で構成される。ゴムブレード20の加圧は、図示しないゴムブレード加圧機構により、可溶化した光導電層の除去が最適に実施される範囲でバックアップロール16との接触幅が最低になる様に調整してある。ゴムブレード20によって除去された液状物は、除去廃液一次貯留槽2、バルブ47を経て除去廃液二次貯留槽3に廃棄される様になっている。
【0046】
ゴムブレード20の裏面には、除去した光導電層成分の固着の発生を防止する為に、電子写真平版印刷版進行方向に直交する向きに走査する洗浄ノズル21が配置されている。制御部7からの指令により、洗浄ノズル21には送液ポンプ35及び電磁バルブ48の動作により排出溶出液一時貯留槽5から排出された循環溶出液が送出されると共に洗浄ノズル21が走査洗浄をする様になっている。また、この洗浄動作は電子写真平版印刷版が可溶化光導電層除去廃棄工程を通過後に、一往復行うようになっている。
【0047】
ゴムブレード20の材質は耐アルカリ性を有する、例えばニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム等のゴム類やポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂類などを用いることが出来る。またその裏面の洗浄性を考慮すれば自身が撥水、撥油性であれば好適であるがそうでなくても裏面にフッ素樹脂等を貼付しても良い。さらに洗浄ノズル21の先端は、ある程度勢いよくゴムブレード裏面に対して液を吹き付けるために配管に比べ細くすることが好ましい。また、先端部にナイロン樹脂、フッ素樹脂等のブラシを設置することは洗浄効果をより高めるのでさらに好ましい。
【0048】
また、排出溶出液貯留槽5は図示しない液量検知手段を有しており、貯流量が設定された量になれば送液ポンプ35及び電磁バルブ49を動作させて除去廃液二次貯留槽3へ送液するようになっている。
【0049】
製版処理には表2及び表3に記載の組成を有する循環溶出液及び溶出補充液を用いた。循環溶出液は初期投入量として20L装填し、溶出装置起動中の循環溶出液減量分は溶出補充液貯液槽から溶出補充液をセンサ上限まで補充し、また再起動時の循環溶出液槽から排出する循環溶出液量はその間の停機時間に係わらず500CC排出するように設定した。また、溶出補充液は使用減量に応じて適宜貯液槽に補充した。電子写真平版印刷版の溶出時間は版搬送速度と可溶化光導電層除去部搬入直前の光導電層の可溶化との関係から調整した。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
以上の溶出装置を用いて、前記の方法に従って作製したトナー現像済みの印刷版を30秒間隔で50版連続製版した後に1時間電源を切らないで休止するサイクルで1日150版製版した後停機(電源断)した。
【0053】
以上の製版条件で、1日(連続24時間)停機する期間を2回、2日(連続48時間)停機する期間を3回入れ、他は12時間以内の停機時間として計1カ月間製版した。その日の起動後第1版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製版物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製版通算10版目、100版目、500版目、1000版目、1500版目、及び3000版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、良好な細線再現性を示すと共に印刷地汚れのない良好な印刷物が得られ、製版期間全般に渡り安定した品質の製版が実施出来た。
【0054】
上記の製版後電源を切り、5日間(連続120時間)停機した。その次の日起動させ製版を開始したところ、第1版目から数版に渡りサイドエッチ量が減少しており、第1版目に製版した印刷版を印刷したところ細線の線幅が製版通算3000版目印刷版のものに比べ太めであった。
【0055】
実施例2
実施例1で用いた溶出装置を用い、補充液の補充に関して制御部の設定を、溶出装置起動中の循環溶出液減量分は溶出補充液貯液槽4から溶出補充液をセンサ上限まで補充し、また再起動時の循環溶出液槽から排出する循環溶出液量は、停機時間が12時間以内の場合は500CC排出し、さらに停機時間が6時間増加する毎に250CC加算して排出するよう設定した。また、加算された総排出量の上限を8Lと設定した。溶出補充液は使用減量に応じて適宜貯液槽に補充した。前記の他は、実施例1と同一の循環溶出液及び溶出補充液を用いて同様な製版条件で製版した。
【0056】
1カ月間製版した後の起動後第1版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製版物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製版通算10版目、100版目、500版目、1000版目、1500版目、及び3000版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、良好な細線再現性を示すと共に印刷地汚れのない良好な印刷物が得られ、製版期間全般に渡り安定した品質の製版が実施出来た。
【0057】
上記の製版後電源を切り、5日間(連続120時間)停機した。その次の日起動させ製版を開始したところ、第1版目からサイドエッチ量には殆ど変動は見られず、第1版目に製版した印刷版を印刷したところ良好な細線再現性を示し印刷汚れのない良好な印刷物が得られた。
【0058】
比較例
実施例1で用いた溶出装置を用い、補充液の補充に関して制御部の設定を、溶出装置起動中の循環溶出液減量分は溶出補充液貯液槽から溶出補充液をセンサ上限まで補充するのみとした他は、実施例と同一の循環溶出液及び溶出補充液を用いて同様な製版条件で製版した。
【0059】
実施例と同様に、その日の起動後第1版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評価した製版物全てに溶出不良は発生していなかったが、サイドエッチは5日停機後再起動時から悪化し、暫時更に悪化する傾向にあった。更に、製版通算10版目、100版目、500版目、1000版目、1500版目及び3000版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、1000版目以降の印刷版に於て部分的に印刷地汚れが発生した印刷物が得られ、3000版目の製版印刷版に於てはほぼ全面印刷汚れが見られ、長期間安定な品位で製版が実施出来なかった。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置によって電子写真平版印刷版を処理すれば、製版期間全般に渡って安定した品質で製版が可能となる秀逸なる効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真平版印刷版の溶出装置の縦断面構成図。
【符号の説明】
5 排出溶出液貯留槽
7 制御部
17、18 搬送ガイド
34 廃液ポンプ
35 送液ポンプ
45、46 バルブ
61 印刷版通過検知手段
62 液量センサ
100 印刷版搬送ライン
110 循環溶出液
111 溶出補充液
【産業上の利用分野】
本発明は、光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、溶出装置にて光導電層面に循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製するための電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関し、より詳しくは停機後再起動時に一定量循環溶出液を減量し溶出補充液にて補充する電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関し、不定期な作動環境下に於ても溶出活性度一定域に保持して長期に亙って安定した溶出処理が行なえ、液交換の頻度を減少させる電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非画像部アルカリ溶出型電子写真平版印刷版は、一般に有機光導電性化合物とアルカリ可溶性の結着樹脂とからなる光導電層を導電性支持体上に設けてなり、電子写真法によって光導電層上にトナー画像を形成した後、溶出工程に於てトナー画像部以外の非画像部をアルカリ剤等を含有する溶出液で可溶化して溶出し、続くリンス処理工程に於て洗液を供給して版面に残存する可溶化した光導電層成分と溶出液とを洗浄した後、通常保護ガム処理されて印刷に供される。これらの処理は通常自動機を用いて製版されるが、従来感光性平版印刷版(所謂PS版)を含む非画像部アルカリ除去型平版印刷版を製版処理する装置に採用されている処理方式としては、以下に記載の液循環再利用方式、新液使捨て処理方式、及び処理過程計量残存液廃棄方式に大別される。
【0003】
最初の液循環再利用方式は、版面に過剰量の処理液を接触させた後、処理済み液を版上から全て除去して循環再利用する方式であり、処理済み液の除去はスクイズロールによる絞液が一般的である。液供給方法としては、ロール狭持して搬送する印刷版上にスプレー或はシャワー等から処理液を直接或はロール及び/または整流板を介して供給する方法の他、特開平2−2569号公報等に開示の様に処理液槽中を液中ガイドロール等によって印刷版を湾曲浸漬(ディップ方式)させ、液中シャワーによって処理液を対流循環させると共に版面に供給する方法や、実開平1−160443号公報に開示の様に対向面に多数の突起を有する斜傾保持された一対のガイド板の間を印刷版を搬送し、ガイド板搬送方向上方端面から液供給する方法等、多数枚製版による液性劣化を防止抑制するための補充液補充方法と共に、従来から種々の応用例が開示されている。
【0004】
二番目の新液使捨て処理方式は、特開昭62−238564号公報等に開示の様に、液供給スリットのギャップやワイヤバーのワイヤ径等の調整によって、版面に処理液を供給する前に必要最低量を前計量して一版毎に新液を供給し、場合に応じて処理促進手段を処理過程で施した後、処理済みの疲労処理液は可溶化した非画像部と共に除去廃棄する方式である。
【0005】
最後の処理過程計量残存液廃棄方式は、特開昭62−59957号公報等に開示の様に、版面に一旦過剰量の処理液を供給した後に処理液を一定量に計量して余剰液は循環再塗布、計量後の版上の処理液は現像完了後に可溶化した非画像部と共に廃棄する方式で、特開昭63−163353号公報には版先頭部の製版不良を改善するため、液計量後更に版先頭部に液計量時に除去した処理液を循環再供給する方式も開示されている。また、特開平2−93474号公報には、特開昭62−59957号公報及び特開昭63−163353号公報に開示の技術を電子写真平版印刷版の処理に応用した方法が開示されている。
【0006】
これらの方式の内、液循環再利用方式は余剰液を循環再使用するので、見掛け上廃液量を減少させることが出来るが、溶解した非画像部は殆ど全てが処理液中に流入するため、処理経時により槽内や液循環系、処理部搬送部位等に液固着の発生が見られ、吐出孔の目詰まり等による液供給量の低下や供給ムラ等の悪影響を誘引する場合がある。
【0007】
一方、新液使捨て処理方式では処理変動を防止出来る反面、液循環再使用方式に比してより多量の処理液を必要とし、多量の廃液を出す結果となる。また、必要最低量を供給しようとして液量を絞ると、応々にして処理液が版全面を均一に被覆しないことがあり、処理ムラとなる場合がある。殊に電子写真平版印刷版の製版処理に於ては、電子写真光導電層は一般的PS版感光層に比して除去すべき層が厚く、しかもトナー画像部下の光導電層はアルカリ難溶性ではないために、処理を押すとサイドエッチと呼称される画像細りが発生する等、処理条件に厳格さが要求されるため、この処理方式はあまり適さない。
【0008】
そこで、両者欠点を解消し長所を合せ持つ処理方式が上記の処理過程計量残存液廃棄方式である。この方式は、アルカリ現像液を版に供給してから現像処理に必要な液量を残して計量するため、計量除去液には非画像部感光層成分の混入が殆どなく、計量後版上に残存する疲労した現像液は可溶化した非画像部と共に廃棄し、その廃棄現像液量に見合った補充液補充によって、実質的に液使捨て方式に準じてほぼ新液状態で製版が出来、処理液循環再利用方式の様な経時的影響を受け難い。また、例えアルカリ現像液が結果として版上に供給されない部分が発生したとしても、現像開始前に液計量具によって液の延展がなされるため、処理ムラが軽減される。
【0009】
この処理過程計量残存液廃棄方式を電子写真平版印刷版の溶出方式に採用しても、基本的には比較的長期に亙って安定した処理が行なえるが、計量除去液を再使用する本方式に於ては、循環使用期間中に空気中の二酸化炭素等の酸性気体の吸収溶解や溶出液構成成分特に水の蒸発の他に、僅かながら光導電層成分も計量除去液に溶解するため、これら循環溶出液の成分変動特にアルカリ活性度の低下に起因する経時疲労劣化となることがある。また、電子写真平版印刷版の場合その膜厚がPS版に比べ一般に2〜3倍厚いことや、溶出にかかる時間を短縮するためにその溶出液は高pHである場合が多いため、溶出装置停機中の場合でも二酸化炭素等の酸性気体の吸収による溶出液のアルカリ活性度低下の悪影響が大きく、特に不定期に作動させる溶出装置に於てその停機期間が長ければ、再起動直後の循環溶出液の溶出活性度が低下している場合があり、溶出処理初版から数版程度にかけて満足ゆく溶出処理が行われないことがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、溶出装置にて光導電層面に循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製するための電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に関し、より詳しくは停機後再起動時に一定量循環溶出液を減量し溶出補充液にて補充する電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置に於て、特に溶出装置停機中の二酸化炭素等の酸性気体の吸収等に起因する液性劣化を抑制して溶出活性度一定域に保持し、長期に亙って安定した溶出処理が行なえ、もって液交換の頻度を減少させる電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、以下の発明によって達成された。第1の発明は、光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、溶出装置の循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を光導電層面に供給して非画像部光導電層を可溶化させた後に液計量具により余剰の循環溶出液を一定量に計量すると共に計量余剰分は循環溶出液貯液槽に回収し、その搬送後方で版上に残存する循環溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄する電子写真平版印刷版の処理方法に於て、センサにより検出される循環溶出液貯液量の上下限を設定しておき、溶出装置運転中は該センサ検出による循環溶出液減量分について溶出補充液を補充し、溶出装置が停機した後の再起動時には循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を前記貯液量上限まで補充する電子写真平版印刷版の処理方法であり、第2の発明はその処理を実現する溶出装置である。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の溶出装置に於て、前記再起動時に減量させる循環溶出液量が、該溶出装置の再起動までの停機時間に応じて可変となる電子写真平版印刷版の溶出装置である。
【0013】
本発明の電子写真平版印刷版の処理方法あるいは溶出装置に係わる補充方法について詳細に説明する。本発明に於ては、少なくとも循環液量を確保し、更に溶出活性度を保持するため、溶出補充液を補充する。溶出補充液補充方法としては、貯液された循環溶出液量の上下限をセンサにより設定しておき、溶出装置運転中の循環溶出液減量分はセンサ検出により溶出補充液を補充し、溶出装置が停機した後の再起動時には循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を前記貯液量上限まで補充する。
【0014】
本発明で言う溶出装置に於ける「運転中」とは、液温調整等の製版準備から製版待機、製版実施、及び装置自動洗浄等の停機前の後処理までの間であって、溶出装置を構成する少なくとも一部分が作動していることを意味し、「停機」とはそれ以外の場合を指し、「再起動」とは電源不通電状態及び停機状態の溶出装置を「運転中」状態へ移行させることを意味する。
【0015】
本発明の処理方法及び溶出装置に於て、再起動時に減量させる循環溶出液の量としては、その量が多ければ多いほど活性度の高い循環溶出液となるから好ましいが、その分廃液量が増加する訳であるから、停機時間1日当り循環溶出液の貯液量(センサ上限検出量)の40%以下とするのが適当である。
【0016】
また、停機時間の増加に伴って循環溶出液の活性度の低下が進行するために、停機時間に応じて再起動時に循環溶出液を減量する量を増加させることが好ましい。
【0017】
液量の上下限を検知するセンサとしては従来、光学式、導通式、超音波式、及びフロート式等の各方式が知られるが、本発明に係わる循環溶出液の設定された上下限の液量は、それを一定範囲内に特定出来れば充分であって厳格な計測を必要とせず、所望により何れの方式を用いても良い。循環溶出液量は、液計量除去液である循環溶出液が連続製版に於て循環時間から給液不良となることなく、更に溶出補充液補充前後で溶出性を左右することのない最低量以上であれば良く、10〜30dm3が好ましいが、循環溶出液量の上下限は全量の10%以下が好 ましい。溶出補充液の添加時期は、少なくとも製版使用消費分につては製版処理中若しくは溶出補充液を補充して停機する様に停機直前に添加する。
【0018】
本発明の処理方法及び溶出装置に係わる溶出補充液及び循環溶出液としては、少なくともアルカリ剤を含有し、緩衝能を有す組成であることが望ましい。アルカリ剤としては、一般式SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)で表現される珪酸塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸や炭酸のアルカリ金属やアンモニウム塩等の無機アルカリ剤、エタノールアミン類、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、及びモルホリン等の有機アルカリ剤が挙げられる。特に珪酸塩は高pH域で強い緩衝能を示すため、珪酸塩が好適である。更にこれにアルカリ金属水酸化物等のその他のアルカリ剤を添加しても良い。
【0019】
本発明の処理方法及び溶出装置に係わる溶出補充液は、循環溶出液のアルカリ活性度の低下を補償出来れば良いから、必ずしも循環溶出液の有効成分と同一の試剤で構成されている必要はないが、液調製や補充・溶出能の制御等から上記循環溶出液組成にナトリウムやカリウム等のアルカリ金属の酸化物、水酸化物、或は炭酸塩を添加した液が好適である。未使用の循環補充液にアルカリ金属化合物を添加した溶出補充液の望ましい追添加アルカリ金属化合物量は、溶出装置及び循環溶出液の使用状況に応じ最適化する必要があるが、慨量として水酸化ナトリウム換算で10〜100g/dm3程度であり、1日当たりの循環溶出液への水酸化ナトリウム換算追添加量は溶出補充液補充量に強くは依存せず、5〜30g程度である。
【0020】
製版処理中に補充する溶出補充液の添加量は、設定された下限を下回った時から補充を開始しても、または一定時間及び/または一定製版面積或は枚数毎に補充しても良い。製版処理中は必ずしも上限まで補充する必要はなく、また処理及び装置各部に支障を来さない範囲に於て少々上限を越えても差し支えない。
【0021】
本発明の処理方法及び溶出装置に於ては、補充は補充が完了した時点で補充量に対応した有効成分量が循環溶出液に添加されていれば良いから、水や希釈液と有効成分濃縮液とを溶出装置内で予備混合しても、或は予備混合せずに同時及び/または別々に添加しても良い。また、未使用循環溶出液あるいは再起動時に減量する循環補充液を補充液成分の一部として、アルカリ剤水性液及び水を同様の方法で添加しても良い。特に水は専用貯液槽を設けず、上水道或はイオン交換水製造機等から直接引水しても良い。溶出補充液の補充は循環溶出液貯液槽に直接注液しても良いし、或は溶出部の各ロール群や特に液計量具に給液して洗浄しながら最終的に循環溶出液貯液槽に補充しても良い。但し、後者の場合には印刷版溶出処理中に補充液が版面に直接供給されない様にすべきである。
【0022】
以上の如く、本発明の溶出処理に於ては、循環溶出液量の上下限を設定しておき、電子写真平版印刷版溶出処理に於て循環して再使用する循環溶出液が、電子写真平版印刷版の搬送に伴って持ち出されることや、水分の蒸発等によって循環溶出液が減量する相当分を溶出補充液で補充する。また更に、停機中は酸性気体の吸収による溶出活性度が低下するため、停機後の再起動時には一旦一定量循環溶出液を減量させた後に溶出補充液を循環溶出液量上限まで補充する。この二系統の補充により、循環溶出液の活性度が保持された電子写真平版印刷版の溶出処理が可能になる。
【0023】
次に、本発明の処理方法に係わる処理工程を工程順に説明する。本発明に係わる処理は、電子写真平版印刷版を搬送しながら、循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を光導電層面に供給する溶出液供給工程、非画像部光導電層を可溶化させた後に液計量具により余剰の循環溶出液を一定量に計量する溶出液計量工程を有する溶出部、その搬送後方で版上に残存する循環溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄する可溶化光導電層除去工程を有する除去部を有し、また循環溶出液貯液量の上下限を検出するためのセンサ、該センサから信号により溶出補充液の補充量を制御する制御部、該制御部からの信号により動作を行う溶出補充液供給ポンプ、循環溶出液槽から除去部に循環溶出液を送液する廃液ポンプを有し、溶出装置運転中は該センサ検出による循環溶出液減量分を制御部が判定し溶出補充液供給ポンプを作動させて補充を行い、溶出装置が停機した後の再起動時には制御部からの信号により該廃液ポンプを作動させ循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を該溶出補充液供給ポンプにより循環溶出液貯液量上限まで補充することが可能な溶出装置により行われる。
【0024】
溶出液供給工程では、電子写真法によりトナー画像が形成された印刷版の光導電層面に貯液された循環溶出液を供給する。溶出液供給方式としては従来公知の機構、例えば液吐出シャワー管、スライドホッパ、カーテンコータ、ディップ方式等が使用出来、版面に均一に供給することが望ましい。
【0025】
本発明に係わる溶出液供給工程に於て循環溶出液は過剰に供給する必要があり、その量は液計量工程通過後に版上に残る循環溶出液量より多くすることは勿論、液計量工程に到る搬送中版端部から循環溶出液が流下する量であることが肝要である。これにより、一部は非画像部光導電層を膨潤可溶化させ、余剰分は版上を流動して被溶出部に於て既にある循環溶出液と一部置換しながら版端部より流下する。従って、版端部では液置換が頻繁に起こり、光導電層界面近傍の溶出液流動速度が上昇することによって、版部位による溶出度の変動が抑制される。
【0026】
溶出液計量工程搬入直前では非画像部光導電層をほぼ可溶化させて、次に溶出液計量工程にて液計量手段により少なくとも版上にある循環溶出液を一定量残して余剰液を計量除去する。本発明に係わる液計量に於ては、可溶化した光導電層を除去する直前に溶出が完了する様に循環溶出液を残す。好ましい液計量残液量は30〜120g/m2が良く、更には40〜100g/m2が好適である。溶出液計量工程前に流下した循環溶出液及びこの計量除去液は循環溶出液貯液槽に回収して再使用に供する。
【0027】
本発明に係わる液計量工程に於ける液計量具としては、版搬送方向に対し何等かの駆動伝達により回転可能であって、少なくとも版表面に対し回転方向全てに計量幅方向に対し均一に接触し、液計量時は可溶化した光導電層の剥離を抑制防止する形状を有することが肝要である。例えば、軸回りに一定直径の細いワイヤを螺旋状に巻付けたワイヤバー、溝付きロール、プレーンバー、軽量のゴムロール等が挙げられるが、計量液量の調整の簡便さや可溶化した光導電層成分の剥離流失の抑制等の観点から、回転軸にワイヤを巻付けたワイヤバーが本発明に好適に使用される。液計量具は、回転軸をある周速で順方向或は逆方向に強制的に回転させても、また少なくとも版通過時にのみ回転する様にしても良い。
【0028】
液計量工程を経た印刷版は可溶化光導電層除去工程に入り、除去手段により非画像部に残る可溶化した光導電層と版上の可溶化により疲労した循環溶出液を除去し、更に次工程へ搬送される。除去手段としては、エアナイフ、ブレード、弾性ロール、回転及び非回転(摺動或は固定等)ブラシ、及びモルトンロール等が使用可能であるが、本発明に係わる除去手段としては、機構上の保守管理負担の軽減、廃液量の低下、除去効率、及び溶出品質の低下防止等の総合的理由から、ゴム製のブレードが好適に用いられる。ゴムブレードを設置する際には、その下に搬送速度以上の周速で回転するバックアップロールを設けたり、版先頭部がゴムブレードを通過した直後に加圧する様、搬送不良の誘発を防止する何等かの機構を設けることが望ましい。
【0029】
液計量工程で液計量が理想的に行われれば、更なる可溶化の進行はかなり抑制されるが、サイドエッチの悪化や除去効率の低下を抑制防止するため、液計量してから除去工程に於て可溶化した光導電層成分等を除去するまでの時間はより短い方が良く、好ましくは1秒以下が望ましい。この可溶化光導電層除去工程に於て除去された液状物中には循環溶出液成分も含まれるが、光導電層可溶化により疲労して溶出能が相当低下しているため、可溶化した光導電層成分と共に廃棄することが望ましい。
【0030】
最後に本発明に於て処理する電子写真平版印刷版の構成及びその製版工程を説明する。本発明に於て処理する電子写真平版印刷版は、導電性支持体上に光導電層を設けてなり、通常の電子写真現像方式によりトナー画像を形成し得るものである。電子写真平版印刷版に用いられる導電性支持体としては、導電性表面を有するプラスチックシート、またはアルミニウム等の金属板等を基体とし、少なくとも光導電層を設ける面は親水化処理が施された導電性支持体が挙げられる。また、それらの厚みは0.1〜0.5mmが良い。特に好ましいのはアルミニウム板で、アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含有しても良く、従来公知・公用の素材を適宜使用することが出来る。また所望の表面性状を光導電層を設ける支持体面に持たせるため、公知の方法で砂目立て、陽極酸化することが好ましい。
【0031】
この様にして得られた支持体表面処理面に所望の電子写真光導電層を設けて電子写真平版印刷版が得られる。本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層には、公知の光導電性化合物を、単独または所望により2種類以上混合して用いることが出来るが、本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層に於ては少量で所望の電子写真特性が得られる光導電性フタロシアニン系顔料が有利に用いられる。特に、レーザ等の光源の対応して長波長領域に於いても優れた実用光感度を有するχ型無金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニンが好適である。
【0032】
本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層には、更に少なくとも結着樹脂を併用する。本発明に係わる結着樹脂の具体例としては、スチレン/マレイン酸モノエステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、及び酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電層に於ける光導電性化合物と結着樹脂との混合比は、所望の電子写真特性及び製版特性等の諸特性を満足する様に決定すれば良いが、結着樹脂の1/2〜1/20重量部の範囲で使用することが望ましい。
【0033】
本発明に係わる電子写真平版印刷版は、常法に従って光導電層を導電性支持体上に塗布して得られる。塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒に溶解分散して調製するか、溶媒に不溶な成分である場合は、ボールミル、ダイノミル、或はペイントシェィカー等の分散機により分散して用いる。また、光導電層には必要に応じ、光導電性化合物及び結着樹脂の他に光導電層の柔軟性、塗布表面状態等の膜物性を改良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添加物を添加することが出来る。光導電層に使用する添加剤は、光導電性化合物の分散時或は分散後に添加することが出来る。
【0034】
本発明に係わる電子写真平版印刷版は、公知の操作によってトナー画像を形成させる。則ち、暗所でコロナ帯電器等により実質的に一様に帯電させ、レーザ光による走査画像露光等により静電潜像を形成させ、しかる後に液体反転現像法等によりトナー現像する。形成されたトナー画像は公知の定着法により定着する。
【0035】
トナー現像を完了した電子写真平版印刷版は、次に上記循環溶出液により非画像部光導電層を溶出し、続いてリンス液で処理して版面を洗浄する。リンス処理は、リンス液と共に速やかに版上に残存する可溶化した光導電層と循環溶出液とを完全に除去し得なければならない。可溶化した光導電層をリンスして除去した電子写真平版印刷版は、版面の耐傷強度の向上及び非画像部不感脂化等の目的で保護ガム処理して印刷に供される。
【0036】
【実施例】
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその目的を逸脱しない限り下記の実施例に限定されるものではない。
【0037】
実施例1
〔電子写真平版印刷版の作製〕
JIS1050アルミニウム(0.3mm厚)を水酸化ナトリウム水溶液により エッチングし、塩酸水溶液中で電解粗面化を行ない、更に硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、表面にアルミニウム酸化物皮膜を形成させ、水洗後乾燥することにより印刷版用支持体を作製した。この支持体表面処理面に、ダイノミルにて分散させた表1記載の組成の光導電層形成用塗液を固形分塗布量4.0g/m2となる様塗布後、乾燥して電子写真平版印刷原版を作製した。
【0038】
【表1】
【0039】
得られた電子写真平版印刷原版を398mm×560mmに裁断し、遮光して50℃で2時間加温後室温まで放冷した。この印刷原版を、暗所にて表面電位が約+230Vになる様帯電させ、半導体レーザー(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正電荷液体トナー(三菱製紙(株)製、ODP−TW)にてバイアス電圧を180Vで反転現像を行ない、冷風乾燥してトナー分散媒を除去後、トナーを熱定着(80℃)して光導電層上にトナー画像を形成させた。
【0040】
図1に本実施例で用いた電子写真平版印刷版の溶出装置を示す。本溶出装置の基本構成は、溶出液塗布工程及び可溶化光導電層除去廃棄工程からなり、更に図示しないリンス処理工程及び保護ガム塗布工程が付帯する。印刷版は給液ロール11方向から印刷版搬送ライン100に挿入することにより給液ロール11、バックアップロール12で構成されるロール対に挟持されて自動搬送されると共に製版処理に供される様になっている。
【0041】
溶出液塗布工程は、溶出液供給管22、23、整流板24、25、及び給液ロール11、13からなる溶出液供給部と、液計量具19及びガイドロール15からなる溶出液計量部とで構成される。液計量具19は、回転軸に線径250μmのステンレスワイヤを螺旋状に稠密に巻付けたワイヤバーを使用した。ワイヤバーの回転軸への強制駆動伝達は行なわず、液計量時には並進する電子写真平版印刷版との自重による接触によって回転が伝達される様になっている。循環溶出液110は循環溶出液槽1からポンプ31により揚水され、バルブ41、42の開閉により2系統に分岐させることが可能で、それぞれ溶出液供給管22、23から吐出され、整流板24、25で整流されて、給液ロール11、13を介して版面に供給される様になっている。版面に塗布した循環溶出液の余剰分はバックアップロール12、14及び打ち抜き板からなる下部ガイド板6を経て循環溶出液貯液槽1に回収される様になっている。また、溶出液計量部で計量された循環溶出液も、下部ガイド板6上を流動して再び循環溶出液貯液槽1に回収される様になっている。
【0042】
循環溶出液貯液槽1への給液は、溶出補充液貯液槽4に貯液された溶出補充液111は補充ポンプ32及び電磁バルブ43を経て循環溶出液貯液槽1に直接補充される。溶出補充液111は、貯液溶出液量検知手段である液量センサ62により、循環溶出液110が設定量減量した後に制御部7からの信号により補充ポンプ32及び電磁バルブ43が作動し供給する様にも、また制御部7における設定により、印刷版通過検知手段61からの信号を基に処理枚数をカウントし、設定枚数毎に補充手段が作動して、設定量若しくは循環溶出液上限まで補充する様にも補充様式が選定出来る様になっている。また、溶出補充液111の補充は、制御部7により、印刷版が印刷版通過検知手段61を通過直後から任意の時間に補充が開始される様になっている。
【0043】
停機後、再び電源を投入して起動させる時には、循環溶出液貯留槽1のドレイン口51を経て電磁バルブ44及び廃液ポンプ34が図示しない制御部からの指令によって一定時間動作し、循環溶出液110を排出溶出液貯留槽5へ一旦排出し、送液ポンプ35及び電磁バルブ48あるいは49の動作によって洗浄ノズル21あるいは除去廃液二次貯留槽3へ排出するようになっている。また、溶出補充液111は電磁バルブ44及び廃液ポンプ34の動作終了後に循環溶出液貯留槽1へ、循環溶出液上限まで補充される様になっている。
【0044】
制御部7では、その一部機能は図示しないバックアップ電源により溶出装置電源が遮断されても動作するようになっており、溶出装置の電源断から再起動までの停機時間を計測するようになっている。また制御部7は、計測された停機時間の長短を電磁バルブ44及び廃液ポンプ34の動作時間に応じて停機時間が長ければ排出量を多く、短ければ少なく、循環溶出液110の排出量の増減を設定することが可能となっている。
【0045】
可溶化光導電層除去廃棄工程は、可溶化光導電層除去手段であるゴムブレード20及びバックアップロール16からなる可溶化光導電層除去部、及び除去廃液一次貯留槽2で構成される。ゴムブレード20の加圧は、図示しないゴムブレード加圧機構により、可溶化した光導電層の除去が最適に実施される範囲でバックアップロール16との接触幅が最低になる様に調整してある。ゴムブレード20によって除去された液状物は、除去廃液一次貯留槽2、バルブ47を経て除去廃液二次貯留槽3に廃棄される様になっている。
【0046】
ゴムブレード20の裏面には、除去した光導電層成分の固着の発生を防止する為に、電子写真平版印刷版進行方向に直交する向きに走査する洗浄ノズル21が配置されている。制御部7からの指令により、洗浄ノズル21には送液ポンプ35及び電磁バルブ48の動作により排出溶出液一時貯留槽5から排出された循環溶出液が送出されると共に洗浄ノズル21が走査洗浄をする様になっている。また、この洗浄動作は電子写真平版印刷版が可溶化光導電層除去廃棄工程を通過後に、一往復行うようになっている。
【0047】
ゴムブレード20の材質は耐アルカリ性を有する、例えばニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム等のゴム類やポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂類などを用いることが出来る。またその裏面の洗浄性を考慮すれば自身が撥水、撥油性であれば好適であるがそうでなくても裏面にフッ素樹脂等を貼付しても良い。さらに洗浄ノズル21の先端は、ある程度勢いよくゴムブレード裏面に対して液を吹き付けるために配管に比べ細くすることが好ましい。また、先端部にナイロン樹脂、フッ素樹脂等のブラシを設置することは洗浄効果をより高めるのでさらに好ましい。
【0048】
また、排出溶出液貯留槽5は図示しない液量検知手段を有しており、貯流量が設定された量になれば送液ポンプ35及び電磁バルブ49を動作させて除去廃液二次貯留槽3へ送液するようになっている。
【0049】
製版処理には表2及び表3に記載の組成を有する循環溶出液及び溶出補充液を用いた。循環溶出液は初期投入量として20L装填し、溶出装置起動中の循環溶出液減量分は溶出補充液貯液槽から溶出補充液をセンサ上限まで補充し、また再起動時の循環溶出液槽から排出する循環溶出液量はその間の停機時間に係わらず500CC排出するように設定した。また、溶出補充液は使用減量に応じて適宜貯液槽に補充した。電子写真平版印刷版の溶出時間は版搬送速度と可溶化光導電層除去部搬入直前の光導電層の可溶化との関係から調整した。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
以上の溶出装置を用いて、前記の方法に従って作製したトナー現像済みの印刷版を30秒間隔で50版連続製版した後に1時間電源を切らないで休止するサイクルで1日150版製版した後停機(電源断)した。
【0053】
以上の製版条件で、1日(連続24時間)停機する期間を2回、2日(連続48時間)停機する期間を3回入れ、他は12時間以内の停機時間として計1カ月間製版した。その日の起動後第1版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製版物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製版通算10版目、100版目、500版目、1000版目、1500版目、及び3000版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、良好な細線再現性を示すと共に印刷地汚れのない良好な印刷物が得られ、製版期間全般に渡り安定した品質の製版が実施出来た。
【0054】
上記の製版後電源を切り、5日間(連続120時間)停機した。その次の日起動させ製版を開始したところ、第1版目から数版に渡りサイドエッチ量が減少しており、第1版目に製版した印刷版を印刷したところ細線の線幅が製版通算3000版目印刷版のものに比べ太めであった。
【0055】
実施例2
実施例1で用いた溶出装置を用い、補充液の補充に関して制御部の設定を、溶出装置起動中の循環溶出液減量分は溶出補充液貯液槽4から溶出補充液をセンサ上限まで補充し、また再起動時の循環溶出液槽から排出する循環溶出液量は、停機時間が12時間以内の場合は500CC排出し、さらに停機時間が6時間増加する毎に250CC加算して排出するよう設定した。また、加算された総排出量の上限を8Lと設定した。溶出補充液は使用減量に応じて適宜貯液槽に補充した。前記の他は、実施例1と同一の循環溶出液及び溶出補充液を用いて同様な製版条件で製版した。
【0056】
1カ月間製版した後の起動後第1版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製版物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製版通算10版目、100版目、500版目、1000版目、1500版目、及び3000版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、良好な細線再現性を示すと共に印刷地汚れのない良好な印刷物が得られ、製版期間全般に渡り安定した品質の製版が実施出来た。
【0057】
上記の製版後電源を切り、5日間(連続120時間)停機した。その次の日起動させ製版を開始したところ、第1版目からサイドエッチ量には殆ど変動は見られず、第1版目に製版した印刷版を印刷したところ良好な細線再現性を示し印刷汚れのない良好な印刷物が得られた。
【0058】
比較例
実施例1で用いた溶出装置を用い、補充液の補充に関して制御部の設定を、溶出装置起動中の循環溶出液減量分は溶出補充液貯液槽から溶出補充液をセンサ上限まで補充するのみとした他は、実施例と同一の循環溶出液及び溶出補充液を用いて同様な製版条件で製版した。
【0059】
実施例と同様に、その日の起動後第1版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評価した製版物全てに溶出不良は発生していなかったが、サイドエッチは5日停機後再起動時から悪化し、暫時更に悪化する傾向にあった。更に、製版通算10版目、100版目、500版目、1000版目、1500版目及び3000版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、1000版目以降の印刷版に於て部分的に印刷地汚れが発生した印刷物が得られ、3000版目の製版印刷版に於てはほぼ全面印刷汚れが見られ、長期間安定な品位で製版が実施出来なかった。
【0060】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の電子写真平版印刷版の処理方法及び溶出装置によって電子写真平版印刷版を処理すれば、製版期間全般に渡って安定した品質で製版が可能となる秀逸なる効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真平版印刷版の溶出装置の縦断面構成図。
【符号の説明】
5 排出溶出液貯留槽
7 制御部
17、18 搬送ガイド
34 廃液ポンプ
35 送液ポンプ
45、46 バルブ
61 印刷版通過検知手段
62 液量センサ
100 印刷版搬送ライン
110 循環溶出液
111 溶出補充液
Claims (3)
- 光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、溶出装置の循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を光導電層面に供給して非画像部光導電層を可溶化させた後に液計量具により余剰の循環溶出液を一定量に計量すると共に計量余剰分は循環溶出液貯液槽に回収し、その搬送後方で版上に残存する循環溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄する電子写真平版印刷版の処理方法に於て、センサにより検出される循環溶出液貯液量の上下限を設定しておき、溶出装置運転中は該センサ検出による循環溶出液減量分について溶出補充液を補充し、溶出装置が停機した後の再起動時には循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を前記貯液量上限まで補充することを特徴とする電子写真平版印刷版の処理方法。
- 光導電層上にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を光導電層面に供給して非画像部光導電層を可溶化させた後に液計量具により余剰の循環溶出液を一定量に計量すると共に計量余剰分は循環溶出液貯液槽に回収する溶出部、その搬送後方で版上に残存する循環溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄する除去部を有する電子写真平版印刷版の溶出装置に於て、少なくとも循環溶出液貯液量の上下限を検出するためのセンサ、循環溶出液槽から除去部に溶出液を送液する廃液ポンプを有し、更に溶出装置運転中は該センサ検出による循環溶出液減量分を溶出補充液供給ポンプを作動させて補充を行い、溶出装置が停機した後の再起動時には該廃液ポンプを作動させ、循環溶出液貯液槽に貯液された循環溶出液を一定量減量させた後に、溶出補充液を該溶出補充液供給ポンプにより前記貯液量上限まで補充する制御を行う制御部を有することを特徴とする電子写真平版印刷版の溶出装置。
- 前記再起動時に減量させる循環溶出液量が、該溶出装置の再起動までの停機時間に応じて可変となる請求項2記載の電子写真平版印刷版の溶出装置。
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