JP3135734B2 - 電子写真平版印刷版の処理液処理方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版の処理液処理方法

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JP3135734B2
JP3135734B2 JP3301493A JP3301493A JP3135734B2 JP 3135734 B2 JP3135734 B2 JP 3135734B2 JP 3301493 A JP3301493 A JP 3301493A JP 3301493 A JP3301493 A JP 3301493A JP 3135734 B2 JP3135734 B2 JP 3135734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成された電子写
平版印刷版にアルカリ性処理液を供給して非画像部を
溶解した後、非画像部成分を印刷版上より除去して印刷
版を作製する際に付帯して発生する処理疲労アルカリ性
処理液の処理方法に関し、高アルカリ性の処理液を廃棄
するに当たって簡便に処理が行なえ、処理廃液処理の負
担を軽減させる電子写真平版印刷版の処理液処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】非画像部アルカリ溶解除去型平版印刷版
には、親水性支持体上に少なくとも活性線による化学構
造変化を伴う活性線誘起処理液可溶化物質或は活性線硬
化性物質を含有する感光層を設けてなる感光性平版印刷
版(所謂PS版)が知られており、高耐刷性が要求され
る重印刷に広く利用されている。これらは、予め画像記
録された銀塩写真フィルム原版を印刷版感光面に密着さ
せて露光し、これにより最終印刷物に於ける画像部に対
応する硬化部分或は非画像部に対応する処理液可溶化部
分を形成させ、非画像部はアルカリ性処理液によって溶
解除去する。
【0003】また、電子写真技術を利用して画像形成す
る電子写真平版印刷版も知られており、走査露光対応の
印刷版も製造されている。電子写真技術を利用した非画
像部アルカリ除去型平版印刷版は、親水性支持体上に一
般に有機光導電性物質を樹脂中に分散させたインク受理
性の光導電層を設けてなり、電子写真法により光導電層
上にトナー画像を形成した後、トナーをレジストとして
アルカリ剤からなる溶出液で非画像部を溶出処理して印
刷版として使用される。
【0004】これら非画像部アルカリ溶出型平版印刷版
の製版処理は、一般的に印刷版を自動的に搬送しながら
処理液を供給して処理する自動機を用いて製版される。
その自動機に採用されている処理方式としては、液循環
再利用方式、新液使捨て処理方式、及び処理過程計量残
存液廃棄方式等が知られている。
【0005】液循環再利用方式は、印刷版に過剰量の処
理液を接触させた後、処理済み液を版上から全て除去し
て循環再利用する方式で、処理液は水平搬送しながらス
プレー或はシャワー等から供給する他、印刷版を処理液
槽中に湾曲浸漬(ディップ方式)させる方法等がある。
新液使捨て処理方式は、液供給スリットのギャップやワ
イヤバーのワイヤ径等の調整によって、版面に処理液を
供給する前に必要最低量を前計量して一版毎に新液を供
給し、場合に応じて処理促進手段を処理過程で施した
後、処理済みの疲労処理液は可溶化した非画像部と共に
全て除去廃棄する方式である。処理過程計量残存液廃棄
方式は、版面に一旦過剰量の処理液を供給した後、処理
途中で処理液を一定量に計量して余剰液は循環再使用
し、計量後の版上の処理液は現像完了後に可溶化した非
画像部と共に廃棄する方式である。
【0006】これら処理方式全てに共通した課題は、製
版処理の安定化及び処理廃液発生の抑制・液交換周期の
長期化等の処理液及び装置の保守管理の軽減にある。特
に使用者の立場からは、装置に起因する製版処理の安定
化は大前提であり、処理液及び装置の保守管理の軽減が
処理装置に於ける実使用上の性能を決定付けている。則
ち、製版処理の安定化は端的には処理液活性度の安定化
であり、使捨て方式以外一般的には処理によって消費さ
れた成分を補充する一方、処理中に高濃度化する成分を
除去して処理液成分を一定に維持する手段が採られてお
り、補充液が補充され、高濃度化成分の除去のために処
理液の一部が廃棄されるし、処理液の処理性能が許容限
度外となった場合及び使捨てでは、使用済み処理液全部
が廃棄されるからである。
【0007】ところで、液交換や処理液槽の清掃は、通
常定期的に人為的に行なわれる作業工程であるから、処
理装置的にはより簡便かつ短時間に完了する構造や方式
であることが要求される。特に液交換等に付帯する処理
廃液の廃棄は、作業性ばかりでなく処理液交換期間の延
長をも図るために、製版処理により発生する疲労処理液
の少なくとも一部を製版に伴って廃棄して、装置に付帯
した廃液容器に直接貯留する方式が採られている。特に
上記非画像部の溶解除去に用いられるアルカリ性処理液
はかなり高pHであり、これに付随して処理廃液に於て
も相当の液pHとなるから、廃棄物処理法との兼合いで
例えこの処理廃液を廃液処理業者に処理依頼するにせ
よ、必ず液pHを特定範囲内に調整しなければならな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像が形成
された電子写真平版印刷版にアルカリ性処理液を供給し
て非画像部を溶解した後、印刷版上のアルカリ性処理液
と溶解した非画像部とを除去する電子写真平版印刷版の
製版処理に付帯してもたらされる処理疲労アルカリ性処
理液の処理方法に関し、処理廃液の処理負担が軽減され
電子写真平版印刷版の処理液処理方法を提供すること
にある。更に詳しくは、高アルカリ性の処理液を廃棄す
るに当たり、広範囲な液pHに対応して簡便に処理が行
なえ、液pH低下後も凝集の誘発が抑制された電子写真
平版印刷版の処理液処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に検討を重ねた結果、画像形成された電子写真平版印刷
版にアルカリ性処理液を供給して非画像部を溶解した
後、印刷版上のアルカリ性処理液と溶解した非画像部と
を除去する電子写真平版印刷版の製版処理に於ける処理
液処理方法であって、少なくとも処理によって疲労した
アルカリ性処理液を含む液中に、少なくとも9〜11に
酸解離指数(pKa)を有する有機化合物を添加して液
pHを11.0〜12.5に調整することを特徴とする
電子写真平版印刷版の処理液処理方法により達成され
た。
【0010】非画像部アルカリ溶解除去型平版印刷版の
非画像部溶解除去に用いられるアルカリ性処理液は一般
的にpH13前後であり、この疲労処理液を含む廃液に
於ても当然相当高pHとなる。一方、廃棄物処理法の改
正により、この様な高アルカリ性廃液は、排出するにせ
よ廃棄物処理業者に処理依頼するにせよ、必ず液pHを
基準値以下に調整しなければならない。
【0011】そこで、廃液のpHを低下させるため、強
酸を以て一挙に液pHを低下させると、急激な発熱を伴
う場合があり、廃液容器がポリエチレン製等であれば、
熱変形する可能性がある。特に、アルカリ性処理液に於
けるアルカリ剤として一般式SiO2/M2Oで表現される
珪酸アルカリ金属塩が含有されていると、急激なpH低
下によって廃液全体が凝集する可能性が高く、液全体の
pHを基準値以下に低下させる前に廃液中の酸注入部分
付近に凝集すれば、撹拌等の操作を加えなければならな
いし、廃液容器底部に沈降が発生する様であれば、酸の
添加量を増加させなければならないし、その廃液の最終
処理もより煩雑になる。
【0012】その点、少なくとも処理によって疲労した
アルカリ性処理液を含む液中に、少なくとも9〜11に
酸解離指数(pKa)を有する有機化合物を添加すれ
ば、処理廃液のpHは充分基準値以下に低下させること
が出来る。更に、アルカリ性処理液成分として珪酸アル
カリ金属塩が含有されていたとしても、凝集を起こす可
能性は明らかに低下する。則ち、一般的に緩衝能は酸解
離指数に於て最も強く、従って少なくとも9〜11に酸
解離指数(pKa)を有する有機化合物はこのpH付近
に緩衝能を有する。一方、アルカリ性処理液に用いられ
る珪酸アルカリ塩源のpHは11より高く、またその凝
集は中性付近が最も速く高アルカリ側に於ては比較的安
定である。従って、疲労アルカリ性処理液のpH域及び
これに含有される緩衝剤の種類と量、及び添加有機化合
物の酸解離指数に対応して、有機化合物添加後の液pH
は添加有機化合物の酸解離指数から疲労アルカリ性処理
液のpHまでの間に集束し、広範囲に亙って安定した混
合物が形成される。
【0013】本発明の処理方法に係わる少なくとも9〜
11に酸解離指数(pKa)を有する有機化合物及び廃
棄する疲労処理液への添加方法について説明する。本発
明に係わる少なくとも処理によって疲労したアルカリ性
処理液を含む液中に添加する有機化合物は、少なくとも
9〜11に酸解離指数(pKa)を有する有機化合物
(以下特に断わりのない限り、本発明の処理方法に係わ
る少なくとも9〜11に酸解離指数(pKa)を有する
有機化合物を単に有機化合物と記載する。)であり、有
機化合物により複数の解離段を有するものに於ては、少
なくとも酸解離指数の一つが9〜11にあれば、本発明
に係わる有機化合物と見做す。また、酸解離定数の定義
は通常25℃無限希釈溶液中の値をもって特定される
が、本発明に於てはその溶液濃度が0.2mol/dm
3以下で測定された値であれば良い。
【0014】少なくとも9〜11に酸解離指数を有する
有機化合物としては、アスパラギン酸、アデニン、2-
アミノエタノール、2-アミノエタンチオール、2-アミ
ノエチルスルホン酸、4-アミノピリジン、2-アミノフ
ェノール、4-アミノフェノール、3-アミノ-1-プロパ
ノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、4-ア
ミノ酪酸、β-アラニルグリシン、アラニン、β-アラニ
ン、β-アラニンアミド、アルギニン、イソロイシン、
ウラシル、エチルピロリジン、エチルアミン、エチレン
ジアミン、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン
二酢酸、エフェドリン、オルニチン、カテコール、カフ
ェイン、キサンチン、グアニン、グアノシン、グリシ
ン、グルタミン、グルタミン酸、クレゾール、サルコシ
ン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジエチレ
ントリアミン五酢酸、シクロヘキシルアミン、システイ
ン、シトルリン、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニ
ン、ジメチルアミン、N,N'-ジメチルエチレンジアミ
ン、ジメチルグリシン、セリン、チロシン、1,4,7,
11-テトラアザシクロテトラデカン、1,5,9,13-
テトラアザシクロヘキサデカン、トリエチルアミン、ト
リエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミン六酢
酸、トリプトファン、トリメチルアミン、1-ナフトー
ル、2-ナフトール、ニトリロ三酢酸、ノルロイシン、
バリン、ヒスチジン、m-ヒドロキシ安息香酸、p-ヒドロ
キシ安息香酸、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキノ
ン、ピペラジン、フェニルアラニン、フェノール、ブチ
ルアミン、1,2-プロパンジアミン、1,3-プロパンジ
アミン、プロピルアミン、プロリン、1,6-ヘキサンジ
アミン、ヘキシルアミン、ベンジルアミン、メチオニ
ン、メチルアミン、2-メルカプトエタノール、メルカ
プト酢酸、リシン、リボフラビン、レゾルシノール、ロ
イシン等が挙げられる。
【0015】本発明に係わる有機化合物の更なる例は、
例えば「化学便覧.基礎編II」日本化学会編、昭和59
年改訂3版、丸善株式会社発行、II-339〜II-342
頁に記載されており、これらのうち本発明に規定される
pKaを有する有機化合物は全て使用出来る。これらの
うち最高解離段が10以下であって、水溶液(1重量
%)のpHが8以下になる化合物が好ましく、分けても
アスパラギン酸、β-アラニン、グリシン、グルタミン
酸等のアミノ酸が好適である。これら本発明に係わる有
機化合物は2種以上を混合して添加しても良い。また、
有機化合物は有効成分のままそれら自体で添加しても良
いし、適当な酸との混合物(塩)の形態で用いても良い
し、特に有機化合物が固体であれば水溶液にて供給して
も良い。水溶液とする際には、少量の有機溶剤をもって
溶解を促進させても良い。
【0016】本発明の処理方法に係わる有機化合物の疲
労アルカリ性処理液への添加は、液交換等で疲労処理液
廃棄時に添加する場合は、処理液貯液槽に投入しても良
いし、貯液槽から別の廃棄用容器に移し代える前後で廃
棄用容器に投入しても良く、両者を併用しても良い。双
方に投入する場合は、夫々が異なった種類の有機化合物
であっても差し支えない。また、製版処理方式により製
版毎に廃液が発生する場合は、その廃液貯留槽に予め投
入しておいても良いし、製版期間中及び/または終了後
(定容到達後)に投入しても良い。製版中に投入する場
合は、廃液量に応じた量で投入することが最も良い。
【0017】本発明に係わる疲労アルカリ性処理液の有
機化合物混合後の最終的なpHは11.0〜12.5内
に保持する必要があり、従って有機化合物の添加量は後
述するアルカリ性処理液のアルカリ強度、有機化合物添
加前の液pH、及び有機化合物の種類等によって調整す
る。有機化合物の具体的添加量範囲は、未使用及び廃棄
時の疲労アルカリ性処理液の双方のpHが12.4以
下、より好ましくは12.2以下になる最少量が最適で
あり、珪酸等pH変動に伴って凝集体を形成する成分が
含有しているアルカリ性処理液に於ては、アルカリ性処
理液貯液槽の洗浄等によってもたらされる廃液に有機化
合物を添加した場合に、液pHが11以上になる最大量
の範囲である。本発明に係わる有機化合物の添加量の目
安は、0.1〜5重量%である。
【0018】次に、本発明の処理液処理方法に係わる平
版印刷版製版処理工程を順に詳細に説明する。本発明の
処理液処理方法に係わる製版処理工程は少なくとも、ア
ルカリ性処理液を平版印刷版に供給するアルカリ性処理
液供給工程、及びアルカリ性処理液により溶解した非画
像部を除去する非画像部除去廃棄工程からなる。
【0019】アルカリ性処理液供給工程では、画像が形
成された平版印刷版の画像形成面にアルカリ性処理液を
過剰に供給する。アルカリ性処理液供給方式は従来公知
の機構、例えばシャワー、スライドホッパ、カーテンコ
ータ、ディップ方式等が使用出来る。特にシャワーを用
いる場合には、管から吐出した液を別の部材、例えば整
流板や版搬送上ロール等を介して一旦整流した後に画像
形成面に供給する方式が好適である。また全ての方式に
於て、より処理時間を短縮し液供給不良を防止するため
に、流動促進機構を設けて版上に供給されたアルカリ性
処理液の置換を図ることや、アルカリ性処理液を複数回
に亙って供給することが望ましい。
【0020】アルカリ性処理液の最低供給量は、搬送中
に版端部からアルカリ性処理液が流下する量であること
が肝要である。則ち、一部は非画像部を溶解させ、余剰
分は版上を流動して被アルカリ性処理部に於て既にある
アルカリ性処理液と一部置換しながら版端部より流下す
る。これにより、版端部では液置換が頻繁に起こり、画
像形成層界面近傍のアルカリ性処理液流動速度が上昇す
ることによって、溶解度の版内変動が抑制される。
【0021】印刷版上に過剰に供給されたアルカリ性処
理液は、非画像部除去廃棄工程に搬送されるが、版上の
アルカリ性処理液はその全てが非画像部の溶解過程で消
費されず、しかも非画像部除去廃棄工程では版上の液状
物を全て除去して廃棄するため、非画像部画像形成層の
溶解が終了し非画像部除去廃棄工程に到る間に、処理液
供給工程を設けて液計量手段によって少なくとも版上に
あるアルカリ性処理液を一定量残して計量除去すること
が好ましい。
【0022】液計量を実施する場合は、液計量時に溶解
した非画像部の混入を抑制防止しながら、実質的に画像
形成層の溶解に関与しなかったアルカリ性処理液を最大
限印刷版上から除去することが重要である。従って、液
計量後の版上に残すアルカリ性処理液量(液計量残液
量)は、多いと必然的にアルカリ性処理液の消費量が増
加して単位アルカリ性処理液量当たりのアルカリ性処理
効率が低下するし、液計量後非画像部除去廃棄工程に到
る迄に更に溶解が進行して画線細りを招くため、アルカ
リ性処理液計量残液量は少ない方が望ましい。
【0023】しかしながら、アルカリ性処理液計量残液
量が少なすぎると、結果として除去液の粘性が著しく上
昇し、応々にして連続製版では非画像部除去廃棄部(部
材)に除去液が蓄積して除去効果が低減するし、液計量
部で溶解した画像形成層が剥離する可能性が高くなって
好ましくない。まして、液循環方式の様にアルカリ処理
工程で版上の液状物を全て除去すると、疲労アルカリ性
処理液及び画像形成層成分まで混入して好ましくない。
液計量後のアルカリ性処理液計量残液量は、如何なる液
計量手段を用いるかにもよるが、30〜120g/m2
良く、更に好ましくは40〜100g/m2が良い。
【0024】液計量工程で使用する液計量具としては、
版搬送方向に対し何等かの駆動伝達により回転可能であ
って、少なくとも版表面に対し回転方向全てに計量幅方
向に対し均一に接触し、液計量時は可溶化した光導電層
の剥離を抑制防止する形状を有することが肝要である。
液計量具としては、軸回りに一定直径の細いワイヤを螺
旋状に巻付けたワイヤバー、溝付きロール、プレーンバ
ー、軽量のゴムロール等が挙げられる。液計量具の回転
は、回転軸をある周速で順方向或は逆方向に強制的に回
転させても、また少なくとも版通過時にのみ回転する様
にしても良い。押付け重量は液計量具のみの重量で充分
にその範囲をカバー出来るが、所望により加圧ロール等
で液計量具全体を加圧しても、或はその両端にニップ圧
をかけて実質的な押付け重量を増加させても良い。
【0025】非画像部が溶解された印刷版は、非画像部
除去廃棄工程に入り除去手段により非画像部に残る溶解
した画像形成層成分を除去し、更に次工程へ搬送され
る。非画像部除去廃棄工程で除去された除去物は、その
殆どが溶解した画像形成層成分及び疲労アルカリ性処理
液なので、廃棄処分とする。また、少なくとも廃液に含
まれるアルカリ性処理液量分は循環液中に新液を補充し
て、循環液量の確保とアルカリ性処理活性度の保持に努
めることが必要である。
【0026】本発明に係わる非画像部除去工程に於ける
除去手段としては、エアナイフ、ゴムブレード、弾性ロ
ール、回転及び非回転(固定或は摺動等)ブラシ、及び
モルトンロール等を用いた方法等が挙げられる。弾性ロ
ールは、ロール対の間に印刷版を通してそのニップ圧に
よって版面のアルカリ性処理液を除去出来、ゴムブレー
ドは少なくとも版との接触面が滑らかな弾性材を印刷版
の搬送路に沿わせた状態で配置し、版面と摺接させるこ
とにより版面のアルカリ性処理液を取除くことが可能で
ある。これらに用いられる弾性材としては、シリコーン
ゴム、ネオプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレ
ンゴム、ニトリルブタジエンゴム、及びテフロンコート
ゴム等が挙げられる。
【0027】ゴムブレードの設置に当たっては、ゴムブ
レード下に搬送速度以上の周速で回転するガイドロール
を設けたり、版先頭部がゴムブレード通過した直後に加
圧する様、搬送不良の誘発を防止するための何等かの機
構を設けることが望ましい。また、モルトンロール及び
ブラシによる除去では、溶解した画像形成層成分の剥離
除去を促進するために、少なくとも除去時に少量の処理
液を供給しても良い。本発明に於ては、機構上の保守管
理負担の軽減、廃液量の低下、除去効率、及びアルカリ
性処理品質の低下防止等の総合的理由から、ゴムブレー
ドが好適に用いられる。加圧を向上させるために、ゴム
ブレードの版接触面と反対側に金属板等の加圧補助部材
及び手段を併用しても良い。
【0028】非画像部除去廃棄工程から搬出された印刷
版は、リンス処理工程に於てリンス液を供給して僅かな
がら残存する除去物を完全に版上から除去する。リンス
処理工程に於けるリンス液供給方は、アルカリ性処理液
のそれと同様に従来公知の液供給機構、例えばシャワ
ー、スプレー、ディップ方式等が使用出来るが、アルカ
リ性処理液に於ける処理と異なり、リンス処理はリンス
液で速やかに版上に残存する液上物を完全に除去し得な
ければならならない。従って、液供給は液の飛散が抑制
出来る機構であれば、特開平3−109575号公報記
載の方法により版面に直接供給しても良いし、特開平4
−261543号公報記載の方法により圧搾空気と共に
供給しても良い。リンス処理で用いる処理方式は、使捨
て方式でも循環再使用方式でも良く、或は所望によりそ
の他の方式も利用出来る。リンス処理が終了した印刷版
は、保護ガム液を塗布して処理した後、保護ガム液を必
要に応じ熱風等で乾燥させて印刷に供する。
【0029】本発明に於て処理する非画像部アルカリ溶
解除去型平版印刷版は、光導電層を有する電子写真平版
印刷版である。これらの印刷版に用いられる支持体とし
ては、アルミニウム、亜鉛、銅−アルミニウム、銅−ス
テンレス、クロム−銅、クロム−銅−アルミニウム、及
びクロム−銅−ステンレス等の金属板等を基体とし、少
なくとも画像形成層を設ける面は親水化処理が施された
支持体が挙げられる。また、それらの厚みは0.07〜
2.0mm、より好ましくは0.1〜0.5mmが良
い。これらの基体中でもアルミニウム板が好適に使用さ
れる。支持体に用いられるアルミニウム板は、アルミニ
ウムを主成分とし微量の異元素を含有しても良く、従来
公知・公用の素材を適宜使用することが出来る。
【0030】所望の表面性状を画像形成層を設ける支持
体面に持たせるため、公知の方法で砂目立て、陽極酸化
することが好ましい。砂目立て処理に先立って、界面活
性剤またはアルカリ水溶液による脱脂処理しても良い。
砂目立て処理方法には、機械的粗面化法、電気化学的粗
面化法、化学的表面選択溶解法等がある。粗面化された
基体は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和
処理して用いる。処理された基体は、その表面に酸化皮
膜を形成させるために陽極酸化処理する。陽極酸化皮膜
量は0.1〜10g/m2が良く、更には1〜6g/m2
好適である。
【0031】 この様にして得られた支持体上に所望の画
像形成層を設けて、電子写真平版印刷版が得られる。
子写真平版印刷版としては、特公昭37−17162号
公報記載の有機光導体及びアルカリ可溶性基(酸または
酸無水物基)含有高分子物質からなる光導電層を有する
印刷版、特公昭38−6961号公報記載の低分子アル
カリ可溶性有機光伝導体を含有する光導電層を有する印
刷版、特公昭41−2426号公報記載の酢酸ビニルと
アルカリ可溶基含有ビニル化合物との共重合体を含有す
る光導電層を有する印刷版、特公昭41−39405号
公報記載の光重合性光導伝性化合物を含有する光導電層
を有する印刷版、特公昭47−36778号公報記載の
キナクリドン顔料とフェノール樹脂等の有機樹脂結着剤
とを含有する光導電層を有する印刷版、特開昭54−8
9801号公報記載のフタロシアニン顔料と親水性樹脂
とを含有する光導電層を有する印刷版、特公平2−43
181号公報記載のビニル基含有カルボン酸とメタクリ
ル酸及び/またはアクリル酸のエステルとの特定比共重
合体を含有する光導電層を有する印刷版、特公平2−4
4065号公報記載のスチレン/マレイン酸モノエステ
ル共重合体を含有する光導電層を有する印刷版が挙げら
れる。
【0032】 これらの電子写真平版印刷版は、 本発明に
係わる保護ガム液処理に先立ち、公知の操作によって画
像形成させることが出来る。則ち、帯電、露光、トナー
現像後非画像部を溶出する。露光方法としては、キセノ
ンランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源として
反射画像露光、透明陽画フィルムを通した密着露光や、
特に高感度型の感光層や光導電層を有する平版印刷版の
場合は、レーザ光、発光ダイオード等による走査露光が
挙げられる。走査露光を行なう場合は、He−Neレー
ザ、He−Cdレーザ、アルゴンイオンレーザ、クリプ
トンイオンレーザ、ルビーレーザ、YAGレーザ、窒素
レーザ、色素レーザ、エキサイマーレーザ、GaAs/
GaAlAs、InGaAsPの様な半導体レーザ、ア
レキサンドライトレーザ、銅蒸気レーザ等のレーザ光源
による走査露光、或は発光ダイオード、液晶シャッタを
利用した走査露光(発光ダイオードアレイ、液晶シャッ
タアレイ等を用いたラインプリンタ型の光源も含む)に
よって露光することが出来る。
【0033】 電子写真平版印刷版は、次にトナー現像す
る。 トナー現像方法には、乾式現像法(カスケード現
像、磁気ブラシ現像、パウダクラウド現像)及び液体現
像法が知られており、何れも使用出来る。殊に液体現像
法はトナー微細な画像を形成出来、再現性良い印刷版を
作製するのに好適である。更に、正現像によるポジ/ポ
ジ現像や、適当なバイアス電圧の印加の下反転現像によ
るネガ/ポジ現像も可能である。形成されたトナー画像
は公知の定着法、例えば加熱定着、圧力定着、溶剤定着
等により定着出来る。トナー成分は、下記のアルカリ性
処理液にレジスト性を有する公知の組成物が利用出来
る。
【0034】 画像形成された印刷版は、本発明に係わる
処理方法によってアルカリ性処理液で処理して非画像部
を除去する。本発明に用いることの出来るアルカリ性処
理液は、アルカリ剤を含有し緩衝能を有するものが望ま
しい。従来、感光性平版印刷版現像液及び電子写真平版
印刷版溶出液に用いられているアルカリ剤としては、一
般式Si02/M20(M=Li、Na、K)で表現される
珪酸塩、アルカリ金属水酸化物、リン酸及び炭酸のアル
カリ金属及びアンモニウム塩等の無機アルカリ剤、エタ
ノールアミン類、エチレンジアミン、プロパンジアミン
類、トリエチレンテトラミン、モルホリン等の有機アル
カリ剤、及びこれらの混合物が挙げられる。また、非画
像部へのアルカリ剤の浸透を促進させ、アルカリ処理時
間を短縮するために、エタノール、2-プロパノール、
ベンジルアルコール、及び2-アルコキシエタノール等
の有機溶剤や、亜硫酸塩等を併用しても良い。
【0035】 アルカリ性処理液には更に、特開昭55−
25100号公報記載のイオン性化合物、特開昭55−
95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマ、特
開昭56−142528号公報記載の水溶性両性高分子
電解質、特開昭58−75152号公報記載の中性塩、
特開昭58−190952号公報記載のキレート剤、特
開平1−177541号公報記載の液粘度調整剤、特開
昭63−226657号公報記載の防腐剤や殺菌剤、及
び各種界面活性剤、天然及び合成水溶性ポリマ等の公知
の成分を必要に応じ含有させることが出来る。
【0036】 非画像部画像形成層を溶解除去した印刷版
は、リンス液により版面に残存する溶解成分とアルカリ
性処理液とを除去し、更に所望により版面の対傷強度の
向上及び非画像部不感脂化等の目的で保護ガム処理され
て印刷に供される。本発明に用いることの出来るリンス
液及び保護ガム液は全て公知のものが利用出来る。
【0037】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に
限定されるものではない。
【0038】 実施例1 JIS1050アルミニウムシートをパミス/水懸濁液
を研磨剤として回転ナイロンブラシで表面を砂目立てし
た。水洗後、60℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶
液に浸漬して、アルミニウム溶解量が6g/m2になる
様にエッチングした。水洗後、30重量%硝酸水溶液に
1分間浸漬して中和し、充分水洗した。続いて3重量%
塩酸水溶液中で電解粗面化を行ない、50℃の20重量
%硫酸水溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗し
た。更に、20重量%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施
して、表面にアルミニウム酸化物皮膜を形成させ、水洗
後乾燥して支持体とした。この支持体表面処理面に、ダ
イノミルにて1時間分散させた表1記載の光導電層形成
用塗液を固形分塗布量が4.4g/m2となる様塗布
後、90℃で30秒間乾燥させて電子写真平版印刷版
(印刷版A)とした。
【0039】
【表1】
【0040】この印刷版をA2サイズに裁断し、遮光し
て50℃で2時間加温した後に室温で放置した。次に、
暗所にて光導電層の表面電位が約+280Vになる様帯
電させた後、半導体レーザ(780nm)を用いて走査
画像露光し、直ちに正電荷トナー(三菱製紙(株)製、L
OM-ED III)を用いて反転現像(バイアス電圧:+1
20V)を行ない、冷風乾燥してトナー分散媒を除去
後、更に熱定着して光導電層上にトナー画像を形成させ
た。得られたトナー現像済みの印刷版について、下記に
示す様な平版印刷版処理装置を用いて製版した。
【0041】 図1に本実施例で使用した平版印刷版処理
装置を示す。本処理装置の基本構成は、アルカリ性処理
液塗布ゾーンA、非画像部除去廃棄ゾーンB、リンス処
理ゾーンC、及び保護ガム塗布ゾーンDの4ゾーンから
なり、印刷版は矢印の方向から印刷版搬送ライン1に挿
入することによりロール対に挟持されて自動搬送される
と共に製版処理に供される様になっている。
【0042】 アルカリ性処理液塗布ゾーンAは更に、処
理液供給管27、整流板28、及び給液ロール11aか
らなるアルカリ性処理液供給部と、液計量具47及びガ
イドロール13からなる液計量部とで構成される。液計
量具47としてはワイヤバーを使用し、ワイヤバーへ強
制駆動伝達は行なわず、液計量時には並進する版との接
触によって回転が伝達される様になっている。アルカリ
性処理液16は処理液供給管27より整流板28で整流
されて給液ロール11aを介して版面に供給され、液計
量部で計量されたアルカリ性処理液は、アルカリ性処理
液貯液槽3上方に設置された液誘導板75上を流動して
液落下孔78より再び処理液貯液槽3に回収される様に
なっている。
【0043】 また、処理液貯液槽3にはアルカリ性処理
液16の減量分が補充液にて補充される様になってい
る。補充液19は、50版目の印刷版が液計量具47を
通過直後、補充液貯液槽7から補充ポンプ94、配管1
22、及び補充液供給管54を経て液計量具47に供給
され、液計量具47を洗浄しながら図示しないレベルセ
ンサ上限まで補充され様に設定されている。
【0044】 非画像部除去廃棄ゾーンBは、アルカリ性
処理液によって溶解された非画像部画像形成層の除去手
段である掻取りブレード22、バックアップロール2
0、及びバックアップロール清浄ブレード23からなる
非画像部除去部、掻取りブレード22に循環リンス液を
供給する洗浄除去液供給管52を含む洗浄除去液供給手
段、及び除去廃液一次貯留槽4で構成される。掻取りブ
レード22の加圧は、溶解した非画像部画像形成層の除
去が最適に実施される範囲でバックアップロール20と
の接触幅が最低になる様調整した。掻取りブレード22
によって掻落とされた液は、除去廃液一次貯留槽4に一
時的に貯留された後、配管114を経て除去廃液二次貯
留槽9に廃棄される様になっている。
【0045】 リンス処理ゾーンCは、2本の循環リンス
液供給管37及び38から循環リンス液貯液槽5に貯留
された循環リンス液36を直接版面に供給する循環リン
ス液供給部、及び搬送ロール対31及び32に並列して
配置され、図示しない圧搾空気源からの圧搾空気と共に
未使用リンス液をスプレーガン33から吐出させて供給
する未使用リンス液供給部から構成されている。スプレ
ーガン33には、作動中に発生する可能性のあるミスト
等の飛散を防止するため、版面方向に開かれたシェイド
83が装着されている。
【0046】 また、スプレーガン33の上方には、図示
しない未使用リンス液貯液槽が配置されていて、スプレ
ーガン33に未使用リンス液が供給される様になってい
る。未使用リンス液の供給は、図示しない未使用処理液
供給制御手段により印刷版先頭部が搬送ロール対31に
到達してから、印刷版後端部が搬送ロール対32を通過
するまで吐出する様に設定されており、その供給量はス
プレーガン全部で約200ml/m2となる様調整し
た。
【0047】 保護ガム液塗布ゾーンDは、保護ガム液供
給管45、表面粗面化液計量ロール43、給液ロール4
0、及び下部ガイドロール41からなる保護ガム液供給
部、保護ガム液供給部を洗浄する洗浄液供給管60を含
む洗浄手段、保護ガム液46を貯留する保護ガム液貯液
槽8、及び余剰の保護ガム液を受液する保護ガム液一次
貯留槽6からなる。保護ガム液供給管45から供給され
た保護ガム液は表面粗面化液計量ロール43によって計
量されて印刷版に塗布され、ロール対40及び41によ
って延展され絞液される。
【0048】 製版処理には、表2から表5に記載の組成
を有する製版処理液を用いた。未使用リンス液にはリン
ス液と同組成の未使用液を充てた。また、補充液及び未
使用リンス液は、使用減量に応じて適宜夫々の貯液槽に
補充した。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】掻取りブレード22の洗浄は、連続製版最
後の印刷版後端部が掻取りブレード22を通過してから
2秒後に、送液ポンプ95の作動によりリンス液36を
実質的に15秒間掻取りブレードの除去物付着面に供給
して洗浄した。以上の処理条件で複版間隔50秒で50
版連続製版した後に掻取りブレードを洗浄し、また連続
製版する繰り返し条件で計4000版製版した。
【0054】 その結果、処理液貯留槽3に貯留されたア
ルカリ性処理液16は製版中にアルカリ溶解した光導電
層組成の流入混合により蒼染して、粘度も若干上昇して
いたが、4000版目の製版物には何ら製版処理不良は
観られず、また100版目及び1000版目の製版物と
の比較から、サイドエッチに関しても殆ど変動していな
かった。4000版製版後のアルカリ性処理液及び除去
廃液二次貯留槽9中の除去廃液のpHを測定したとこ
ろ、夫々12.77及び11.57であった。
【0055】 このアルカリ性処理液に、グリシン(pK
a 2.4、9.6)0.8重量%を少量の水に溶解分散
させて添加したところ、グリシンの溶解と共に漸次降下
して最終的にpHは12.40となった。この間殆ど液
温の上昇は観られず、またこのpH降下させた廃液を3
25メッシュの網で濾したところ、グリシン添加前に比
して特に不溶物の生成は観られなかった。
【0056】 比較例1 実施例1のアルカリ性処理液を用い、実施例1で用いた
グリシンの換わりに濃硝酸、L-アスコルビン酸(pK
a 4.0、11.3)、及びイミダゾール(pKa
7.0、14.4)夫々0.8重量%をこのアルカリ性
処理液Aに実施例1と同様の方法で添加した。
【0057】 その結果、濃塩酸は注液後直ちに発熱する
と共にアルカリ性処理液底部にかなり大きな凝集が発生
した。その後、撹拌により幾らかは凝集物は分散し再溶
解したものの、液pHは最終的に12.57までしか降
下しなかった。また、L-アスコルビン酸は発熱は少な
かったが、凝集が若干起こると共にアルカリ性処理液は
黒味を増し、液pHも12.52とあまり降下しなかっ
た。イミダゾールの場合は、凝集は殆ど観られなかった
が、アルカリ性処理液のpHは12.69までしか降下
せず、更に同量のイミダゾールを添加しても12.5を
下回らず、効果なかった。
【0058】 実施例2実施例1で用いたグリシンの換わ
りに、同量のβ-アラニン(pKa 3.5、10.1)
及びL-グルタミン酸(pKa 2.2、4.2、9.6)
のナトリウム塩を用いた他は、実施例1と同様に製版し
たアルカリ性処理液に同様な条件で添加したところ、双
方共最終的にアルカリ性処理液のpHは12.5未満と
なり、またこれらのpH降下液を325メッシュの網で
濾したところ、双方とも実施例1と同様にメッシュ残渣
は殆ど観られなかった。
【0059】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の電子写真
版印刷版の処理液処理方法によって製版処理で疲労した
アルカリ性処理液を処理すれば、高アルカリ性の処理液
の広範囲な液pHに対応して簡便に処理が行なえ、処理
廃液の処理負担が軽減される秀逸なる効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真平版印刷版の処理液処理方法
に係わる製版処理を実施するために用いた平版印刷版処
理装置の縦断面構成図。
【符号の説明】
A アルカリ性処理液塗布ゾーン B 非画像部除去廃棄ゾーン C リンス処理ゾーン D 保護ガム液塗布ゾーン 1 印刷版搬送ライン 3 アルカリ性処理液貯液槽 9 除去廃液二次貯留槽 16 アルカリ性処理液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/32 G03G 13/28 G03F 7/00 503 C02F 1/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成された電子写真平版印刷版にア
    ルカリ性処理液を供給して非画像部を溶解した後、印刷
    版上のアルカリ性処理液と溶解した非画像部とを除去す
    電子写真平版印刷版の製版処理に於ける処理液処理方
    法であって、少なくとも処理によって疲労したアルカリ
    性処理液を含む液中に、少なくとも9〜11に酸解離指
    数(pKa)を有する有機化合物を添加して液pHを1
    1.0〜12.5に調整することを特徴とする電子写真
    平版印刷版の処理液処理方法。
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