JPH06161161A - 電子写真平版印刷版の処理方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版の処理方法

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JPH06161161A
JPH06161161A JP31359592A JP31359592A JPH06161161A JP H06161161 A JPH06161161 A JP H06161161A JP 31359592 A JP31359592 A JP 31359592A JP 31359592 A JP31359592 A JP 31359592A JP H06161161 A JPH06161161 A JP H06161161A
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JP
Japan
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eluate
plate
liquid
circulating
photoconductive layer
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Application number
JP31359592A
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English (en)
Inventor
Hiromi Eguchi
博美 江口
Yasuhiro Aizawa
泰洋 相澤
Yuji Takagami
裕二 高上
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06161161A publication Critical patent/JPH06161161A/ja
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶出活性度を一定域に保持して、長期に亙っ
て安定した溶出処理を可能にする電子写真平版印刷版の
処理方法を提供する。 【構成】 光導電層上にトナー画像が形成された電子写
真平版印刷版を搬送しながら、自動溶出機にて光導電層
面に循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化さ
せた後に液計量具により余剰の溶出液を一定量に計量
し、その搬送後方で版上に残存する溶出液と可溶化した
光導電層とを除去して廃棄する電子写真平版印刷版の処
理方法に於て、センサにより循環溶出液貯液量の上下限
を設定しておき、自動溶出機起動中の循環溶出液減量分
は循環溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出補充液で補
充し、自動溶出機停機中の循環溶出液減量分は循環溶出
液よりアルカリ活性度の低い溶出補充液を前記貯液量上
限まで補充することを特徴とする電子写真平版印刷版の
処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導電層上にトナー画
像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、自
動溶出機にて光導電層面に循環溶出液を供給して非画像
部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製するための電
子写真平版印刷版の処理方法に関し、より詳しくは循環
溶出液使用減量分を循環溶出液とアルカリ活性度の異な
る溶出補充液にて補充する電子写真平版印刷版の処理方
法に関し、溶出活性度一定域に保持して長期に亙って安
定した溶出処理が行なえ、液交換の頻度を減少させる電
子写真平版印刷版の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非画像部アルカリ溶出型電子写真平版印
刷版は、一般に有機光導電性化合物とアルカリ可溶性の
結着樹脂とからなる光導電層を導電性支持体上に設けて
なり、電子写真法によって光導電層上にトナー画像を形
成した後、溶出工程に於てトナー画像部以外の非画像部
をアルカリ剤等を含有する処理液で可溶化して溶出し、
続くリンス処理工程に於て洗液を供給して版面に残存す
る可溶化した光導電層成分と溶出液とを洗浄した後、通
常保護ガム処理されて印刷に供される。これらの処理は
通常自動機を用いて製版されるが、従来感光性平版印刷
版(所謂PS版)を含む非画像部アルカリ除去型平版印
刷版を製版処理する装置に採用されている処理方式とし
ては、以下に記載の液循環再利用方式、新液使捨て処理
方式、及び処理過程計量残存液廃棄方式に大別される。
【0003】最初の液循環再利用方式は、版面に過剰量
の処理液を接触させた後、処理済み液を版上から全て除
去して循環再利用する方式であり、処理済み液の除去は
スクイズロールによる絞液が一般的である。液供給方法
としては、ロール狭持して搬送する印刷版上にスプレー
或はシャワー等から処理液を直接或はロール及び/また
は整流板を介して供給する方法の他、特開平2−256
9号公報等に開示の様に処理液槽中を液中ガイドロール
等によって印刷版を湾曲浸漬(ディップ方式)させ、液
中シャワーによって処理液を対流循環させると共に版面
に供給する方法や、実開平1−160443号公報に開
示の様に対向面に多数の突起を有する斜傾保持された一
対のガイド板の間を印刷版を搬送し、ガイド板搬送方向
上方端面から液供給する方法等、多数枚製版による液性
劣化を防止抑制するための補充液補充方法と共に、従来
から種々の応用例が開示されている。
【0004】二番目の新液使捨て処理方式は、特開昭6
2−238564号公報等に開示の様に、液供給スリッ
トのギャップやワイヤバーのワイヤ径等の調整によっ
て、版面に処理液を供給する前に必要最低量を前計量し
て一版毎に新液を供給し、場合に応じて処理促進手段を
処理過程で施した後、処理済みの疲労処理液は可溶化し
た非画像部と共に除去廃棄する方式である。
【0005】最後の処理過程計量残存液廃棄方式は、特
開昭62−59957号公報等に開示の様に、版面に一
旦過剰量の処理液を供給した後に処理液を一定量に計量
して余剰液は循環再塗布、計量後の版上の処理液は現像
完了後に可溶化した非画像部と共に廃棄する方式で、特
開昭63−163353号公報には版先頭部の製版不良
を改善するため、液計量後更に版先頭部に液計量時に除
去した処理液を循環再供給する方式も開示されている。
また、特開平2−93474号公報には、特開昭62−
59957号公報及び特開昭63−163353号公報
に開示の技術を電子写真平版印刷版の処理に応用した方
法が開示されている。
【0006】これらの方式の内、液循環再利用方式は余
剰液を循環再使用するので、見掛け上廃液量を減少させ
ることが出来るが、従来非画像部は溶解除去工程中に殆
ど全てが版上より循環する処理液中に流入するため、例
え処理液に液補充等を行なってそれ自体は所期の処理特
性を保持していても、流入した非画像部成分を多く含有
する処理液では槽内や液循環系、処理部搬送部位等に液
固着が起こり、液供給量の低下や液供給方式としてスプ
レーを用いればその孔の目詰まり等種々の悪影響を及ぼ
すばかりか、非画像部インク受理性成分の印刷版支持体
上への再付着による印刷汚れを誘引する場合がある。
【0007】一方、新液使捨て処理方式では処理変動を
防止出来る反面、液循環再使用方式に比してより多量の
処理液を必要とするし、必然的に多量の廃液を出す結果
となる。また、必要最低量を供給しようとして液量を絞
ると、応々にして処理液が版全面を均一に被覆しないこ
とがあり、特にその傾向は版先頭部に強く発現し、結果
として処理欠陥となる。殊に電子写真平版印刷版の製版
処理に於ては、電子写真光導電層は一般的PS版感光層
に比して除去すべき層が厚く、しかもトナー画像部光導
電層と雖もアルカリ難溶性ではないために、処理を押す
とサイドエッチと呼称される画像細りが誘発する等、処
理条件に厳格さが要求されるため、この処理方式はあま
り適さない。
【0008】そこで、両者欠点を解消し長所を合せ持つ
処理方式が上記の処理過程計量残存液廃棄方式である。
この方式は、アルカリ現像液を版に供給してから現像処
理に必要な液量を残して計量するため、計量除去液には
非画像部光導電層成分の混入が殆どなく、計量後版上に
残存する疲労した現像液は可溶化した非画像部と共に廃
棄し、その廃棄現像液量に見合った補充液補充によっ
て、実質的に液使い捨て方式に準じてほぼ新液状態で製
版が出来、処理液循環再利用方式の様な経時的影響を受
け難い。また、例えアルカリ現像液が結果として版上に
供給されない部分が発生したとしても、現像開始前に液
計量具によって液の延展がなされるため、処理ムラが軽
減される。
【0009】この処理過程計量残存液廃棄方式を電子写
真平版印刷版の溶出方式に採用しても、基本的には比較
的長期に亙って安定した処理が行なえるが、計量除去液
を再使用する本方式に於ては、循環使用期間中に空気中
の二酸化炭素等の酸性気体の吸収溶解や溶出液構成成分
特に水の蒸発の他に、僅かながら光導電層成分も計量除
去液に溶解するため、これら循環溶出液の成分変動特に
アルカリ活性度の低下に起因する経時疲労劣化を抑制
し、より液交換期間を長引かせるには、溶出補充液組成
及び溶出補充液補充方法が重要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光導電層上
にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送し
ながら、自動溶出機にて光導電層面に循環溶出液を供給
して非画像部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製す
るための電子写真平版印刷版の処理方法に関し、より詳
しくは循環溶出液使用減量分を循環溶出液とアルカリ活
性度の異なる溶出補充液にて補充する電子写真平版印刷
版の処理方法に於て、液循環再使用による二酸化炭素等
の酸性気体の吸収や可溶化した光導電層の混入等に起因
する液性劣化を抑制して溶出活性度一定域に保持し、長
期に亙って安定した溶出処理が行なえ、もって液交換の
頻度を減少させる電子写真平版印刷版の処理方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、光導電層上にトナー画像が形成
された電子写真平版印刷版を搬送しながら、自動溶出機
にて光導電層面に循環溶出液を供給して非画像部光導電
層を可溶化させた後に液計量具により余剰の溶出液を一
定量に計量し、その搬送後方で版上に残存する溶出液と
可溶化した光導電層とを除去して廃棄する電子写真平版
印刷版の処理方法に於て、センサにより循環溶出液貯液
量の上下限を設定しておき、自動溶出機起動中の循環溶
出液減量分は循環溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出
補充液で補充し、自動溶出機停機中の循環溶出液減量分
は循環溶出液よりアルカリ活性度の低い溶出補充液を前
記貯液量上限まで補充する電子写真平版印刷版の処理方
法により達成された。
【0012】本発明に係わる溶出補充液及びその補充方
法について詳細に説明する。本発明に於ては、少なくと
も循環液量を確保し、更に溶出活性度を保持するため、
溶出補充液を補充する。溶出補充液補充方法としては、
センサにより貯液された循環溶出液量の上下限を設定し
ておき、自動溶出機起動中の循環溶出液減量分は循環溶
出液よりアルカリ活性度の高い溶出補充液(以下、高活
性度溶出補充液と記載)で補充し、自動溶出機停機中の
循環溶出液減量分は循環溶出液よりアルカリ活性度の低
い溶出補充液(以下、低活性度溶出補充液と記載)を補
充する。本発明で云う自動溶出機に於ける起動中とは、
液温調整等の製版準備から製版待機、製版実施、及び装
置自動洗浄等の停機前の後処理までの間であって、自動
溶出機を構成する少なくとも一部分が作動していること
を意味し、同様に停機中とはそれ以外の場合を指す。
【0013】液量の上下限を検知するセンサとしては従
来、光学式、導通式、超音波式、及びフロート式等の各
方式が知られるが、本発明に係わる循環溶出液の設定さ
れた上下限の液量は、それを一定範囲内に特定出来れば
充分であって厳格な計測を必要とせず、所望により何れ
の方式を用いても良い。循環溶出液量は、液計量除去液
である循環溶出液が連続製版に於て循環時間から給液不
良となることなく、更に溶出補充液補充前後で溶出性を
左右することのない最低量以上であれば良く、10〜3
0dm3が好ましいが、循環溶出液量の上下限は全量の
10%以下が好ましい。溶出補充液の添加時期は、少な
くとも製版使用消費分につては製版処理中若しくは溶出
補充液を補充して停機する様に停機直前に添加する。
【0014】溶出液は、循環再使用する期間に空気中の
二酸化炭素等の酸性気体を吸収し、また酸性の光導電層
成分も可溶化して混入することで実質的アルカリ活性度
が低下する。本発明に係わる製版処理中若しくは停機直
前に補充する溶出補充液は、少なくともこのアルカリ活
性度の低下を補充液補充によって補償するため、未使用
の循環溶出液のアルカリ活性度より高い液である必要が
ある。本発明で云うアルカリ活性度とは、本発明に係わ
る酸性の光導電層を可溶化する時間の度合と同義で、ア
ルカリ活性度が高い液とは可溶化時間がより短いことを
意味し、基本的にはより高pHなる液である。
【0015】本発明の処理方法に係わる高活性度溶出補
充液及び循環溶出液としては、少なくともアルカリ剤を
含有し、緩衝能を有す組成であることが望ましい。アル
カリ剤としては、一般式SiO2/M2O(Mはアルカリ金
属を表す)で表現される珪酸塩、アルカリ金属水酸化
物、リン酸や炭酸のアルカリ金属やアンモニウム塩等の
無機アルカリ剤、エタノールアミン類、エチレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン、及びモルホリン等の有機
アルカリ剤が挙げられる。特に珪酸塩は高pH域で強い
緩衝能を示すため、珪酸塩が好適である。更にこれにア
ルカリ金属水酸化物等のその他のアルカリ剤を添加して
も良い。
【0016】本発明に係わる高活性度溶出補充液及び循
環溶出液には、特開昭55−25100号公報等に記載
のイオン性化合物、特開昭55−95946号公報等に
記載の水溶性カチオニックポリマ、特開昭56−142
528号公報等に記載の水溶性両性高分子電解質、特開
昭58−75152号公報等に記載の中性塩、特開昭5
8−190952号公報等に記載のキレート剤、特開平
1−177541号公報等に記載の液粘度調整剤、特開
昭63−226657号公報等に記載の防腐剤や殺菌
剤、特開昭62−73270号公報等に記載の消泡剤、
水溶性有機溶剤、及び各種界面活性剤等の成分を必要に
応じ更に添加しても良い。溶媒は、上記成分を安定して
分散或は溶解し得るものであれば特に限定されないが、
好ましくは蒸留若しくはイオン交換した水が有利に用い
られる。
【0017】本発明の処理方法に係わる製版処理中若し
くは停機直前に補充する高活性度溶出補充液は、循環溶
出液のアルカリ活性度の低下を補償出来れば良いから、
必ずしも循環溶出液の有効成分と同一の試剤で構成され
ている必要はないが、液調製や補充・溶出能の制御等か
ら上記循環溶出液組成にナトリウムやカリウム等のアル
カリ金属の酸化物、水酸化物、或は炭酸塩を添加した液
が好適である。未使用の循環補充液にアルカリ金属化合
物を添加した溶出補充液の望ましい追添加アルカリ金属
化合物量は、自動溶出機及び循環溶出液の使用状況に応
じ最適化する必要があるが、慨量として水酸化ナトリウ
ム換算で10〜100g/dm3程度であり、1日当たり
の循環溶出液への水酸化ナトリウム換算追添加量は溶出
補充液補充量に強くは依存せず、5〜30g程度であ
る。
【0018】製版処理中に補充する溶出補充液と停機直
前に補充するそれとは所望により同一組成であっても、
或は異なった組成で構成されていても良い。またその添
加量は、少なくとも停機直前は循環溶出液量上限まで補
充することが望ましいが、製版処理中に補充する場合は
設定された下限を下回った時から補充を開始しても、ま
たは一定時間及び/または一定製版面積或は枚数毎に補
充しても良い。製版処理中は必ずしも上限まで補充する
必要はなく、また処理及び装置各部に支障を来さない範
囲に於て少々上限を越えても差し支えない。
【0019】一方、自動溶出機停機中は循環溶出液の循
環もないし、製版に付帯する光導電層成分の可溶化に対
応した有効成分の消費もないから、循環溶出液が減少す
る場合はその殆どが水分である。従って、自動溶出機停
機中の循環溶出液減量分は、低活性度溶出補充液を循環
溶出液量上限まで補充する。本発明に係わるアルカリ活
性度の低い溶出補充液は、水若しくは停機中に僅かに吸
収する酸性気体による溶出活性度の低下を補償する程度
のアルカリ剤を含有する水性液である。低活性度溶出補
充液の補充は、自動溶出機起動直後から遅くとも高活性
度溶出補充液の補充開始前までの間に補充が完了してい
れば良い。
【0020】本発明の処理方法に於ては、高及び低アル
カリ活性度の少なくとも2種類の溶出補充液を補充する
が、夫々の補充は補充が完了した時点で補充量に対応し
た有効成分量が循環溶出液に添加されていれば良いか
ら、水や希釈液と有効成分濃縮液とを自動溶出機内で予
備混合しても、或は予備混合せずに同時及び/または別
々に添加しても良い。また、未使用循環溶出液を補充液
成分の一部として、アルカリ剤水性液及び水を同様の方
法で添加しても良い。特に水は専用貯液槽を設けず、上
水道或はイオン交換水製造機等から直接引水しても良
い。高及び低アルカリ活性度の専用溶出補充液を含め、
これらの液の補充は循環溶出液貯液槽に直接注液しても
良いし、或は溶出部の各ロール群や特に液計量具に給液
して洗浄しながら最終的に循環溶出液貯液槽に補充して
も良い。後者の場合、印刷版溶出処理中に高活性度補充
液が版面に供給されない様にすべきである。
【0021】以上の如く、本発明の溶出処理に於ては、
循環溶出液量の上下限を設定しておき、電子写真平版印
刷版溶出処理に於て循環して再使用する循環溶出液は、
二酸化炭素等の酸性気体や可溶化した光導電層成分が吸
収混入して漸次アルカリ活性度が降落するから、起動中
の循環溶出液減量相当分を循環溶出液よりアルカリ活性
度の高い溶出補充液で補充する。一方、停機中は循環も
しないし光導電層可溶化による有効成分も消費しないか
ら、循環溶出液が減少すればその殆どが水であって酸性
気体の吸収も抑制されるため、循環溶出液よりアルカリ
活性度の低い溶出補充液を循環溶出液量上限まで補充す
る。この二系統の補充により、循環溶出液の活性度が保
持された電子写真平版印刷版の溶出処理が可能になる。
【0022】次に、本発明の処理方法に係わる処理工程
を工程順に説明する。本発明に係わる処理は、印刷版が
挿入されてから排出されるまでの各処理工程間を自動的
に搬送しながら少なくとも循環溶出液を版面に供給し、
更に二系統の溶出補充液を補充し得る自動溶出機にて実
施される。本発明に係わる自動溶出機に於ける処理工程
は、少なくとも溶出液供給工程、溶出液計量工程、及び
可溶化光導電層除去工程からなり、更に本発明に係わる
少なくとも二系統の溶出補充液の補充給液を制御する溶
出補充液補充制御機構を有する。
【0023】溶出液供給工程では、電子写真法によりト
ナー画像が形成された印刷版の光導電層面に貯液された
循環溶出液を供給する。溶出液供給方式は従来公知の機
構、例えば液吐出シャワー管、スライドホッパ、カーテ
ンコータ、ディップ方式等が使用出来るが、特にシャワ
ー管を用いる場合には管から吐出した溶出液(以下、溶
出液とは循環して再使用する循環溶出液と同義に用い
る)を例えば整流板やロール等で一旦整流して版面に均
一に供給することが望ましい。また、液供給不良を防止
すると共により溶出時間を短縮するため、全ての方式に
於て液計量工程に到る間に溶出液延展機構或は流動促進
機構を設けて版上に供給された溶出液の置換を図ること
が望ましい。
【0024】本発明に係わる溶出液供給工程に於て溶出
液は過剰に供給する必要があり、その量は液計量工程通
過後に版上に残る溶出液量より多くすることは勿論、液
計量工程に到る搬送中版端部から溶出液が流下する量で
あることが肝要である。これにより、一部は非画像部光
導電層を膨潤可溶化させ、余剰分は版上を流動して被溶
出部に於て既にある溶出液と一部置換しながら版端部よ
り流下する。従って、版端部では液置換が頻繁に起こ
り、光導電層界面近傍の溶出液流動速度が上昇すること
によって、版部位による溶出度の変動が抑制される。よ
り具体的な溶出液供給量は、液計量工程通過後に版上に
残す溶出液量、則ち液計量残液量にもよるが、残液量の
2〜100倍が良く、より好ましくは5〜30倍が良
い。
【0025】溶出液計量工程搬入直前では非画像部光導
電層をほぼ可溶化させて、次に溶出液計量工程にて液計
量手段により少なくとも版上にある溶出液を一定量残し
て余剰液を計量除去する。本発明に係わる液計量に於て
は、可溶化した光導電層を除去する直前に溶出が完了す
る様に溶出液を残す。液計量残液量は、多いと必然的に
溶出液消費量が増加して溶出効率が低下するし、液計量
後にも可溶化が進行してサイドエッチの悪化を招く。逆
に液計量残液量が少なすぎると、結果として除去液の粘
性が著しく上昇し、応々にして連続製版では可溶化光導
電層除去手段に除去液が蓄積して除去効果が低減する
し、液計量部で可溶化した光導電層が剥離する可能性が
高くなって好ましくない。好ましい液計量残液量は30
〜120g/m2が良く、更には40〜100g/m2が好
適である。
【0026】本発明に係わる液計量工程に於ける液計量
具としては、版搬送方向に対し何等かの駆動伝達により
回転可能であって、少なくとも版表面に対し回転方向全
てに計量幅方向に対し均一に接触し、液計量時は可溶化
した光導電層の剥離を抑制防止する形状を有することが
肝要である。本発明に用いることの出来る液計量具とし
ては、軸回りに一定直径の細いワイヤを螺旋状に巻付け
たワイヤバー、溝付きロール、プレーンバー、軽量のゴ
ムロール等が挙げられるが、計量液量の調整の簡便さや
可溶化した光導電層成分の剥離流失の抑制等の観点か
ら、回転軸にワイヤを巻付けたワイヤバーが本発明に好
適に使用される。液計量具は、回転軸をある周速で順方
向或は逆方向に強制的に回転させても、また少なくとも
版通過時にのみ回転する様にしても良い。
【0027】液計量工程を経た印刷版は可溶化光導電層
除去工程に入り、除去手段により非画像部に残る可溶化
した光導電層と版上の可溶化により疲労した循環溶出液
を除去し、更に次工程へ搬送される。除去手段として
は、エアナイフ、ブレード、弾性ロール、回転及び非回
転(摺動或は固定等)ブラシ、及びモルトンロール等が
使用可能であるが、本発明に係わる除去手段としては、
機構上の保守管理負担の軽減、廃液量の低下、除去効
率、及び溶出品質の低下防止等の総合的理由から、ゴム
製のブレードが好適に用いられる。ゴムブレードを設置
する際には、その下に搬送速度以上の周速で回転するバ
ックアップロールを設けたり、版先頭部がゴムブレード
を通過した直後に加圧する様、搬送不良の誘発を防止す
る何等かの機構を設けることが望ましい。
【0028】液計量工程で液計量が理想的に行われれ
ば、更なる可溶化の進行はかなり抑制されるが、サイド
エッチの悪化や除去効率の低下を抑制防止するため、液
計量してから除去工程に於て可溶化した光導電層成分等
を除去するまでの時間はより短い方が良く、好ましくは
1秒以下が望ましい。この可溶化光導電層除去工程に於
て除去された液状物中には溶出液成分も含まれるが、光
導電層可溶化により疲労して溶出能が相当低下している
ため、可溶化した光導電層成分と共に廃棄することが望
ましい。
【0029】最後に本発明に於て処理する電子写真平版
印刷版の構成及びその製版工程を説明する。本発明に於
て処理する電子写真平版印刷版は、導電性支持体上に光
導電層を設けてなり、通常の電子写真現像方式によりト
ナー画像を形成し得るものである。電子写真平版印刷版
に用いられる導電性支持体としては、導電性表面を有す
るプラスチックシート、またはアルミニウム、亜鉛、銅
−アルミニウム、銅−ステンレス、クロム−銅、クロム
−銅−アルミニウム、及びクロム−銅−ステンレス等の
金属板等を基体とし、少なくとも光導電層を設ける面は
親水化処理が施された導電性支持体が挙げられる。ま
た、それらの厚みは0.07〜2.0mm、より好ましく
は0.1〜0.5mmが良い。これらの基体中でもアルミ
ニウム板が好適に使用される。このアルミニウム板は、
アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含有しても良
く、従来公知・公用の素材を適宜使用することが出来
る。
【0030】所望の表面性状を光導電層を設ける支持体
面に持たせるため、公知の方法で砂目立て、陽極酸化す
ることが好ましい。砂目立て処理に先立って、界面活性
剤またはアルカリ水溶液による脱脂処理しても良い。砂
目立て処理方法には、機械的粗面化法、電気化学的粗面
化法、化学的表面選択溶解法等がある。粗面化された基
体は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処
理して用いる。処理された基体は、その表面に酸化皮膜
を形成させるために陽極酸化処理する。陽極酸化皮膜量
は0.1〜10g/m2が良く、更には1〜6g/m2が好
適である。
【0031】この様にして得られた支持体表面処理面に
所望の電子写真光導電層を設けて電子写真平版印刷版が
得られる。本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電
層には、公知の光導電性化合物を、単独または所望によ
り2種類以上混合して用いることが出来るが、本発明に
係わる電子写真平版印刷版の光導電層に於ては少量で所
望の電子写真特性が得られる光導電性フタロシアニン系
顔料が有利に用いられる。特に、レーザ等の光源の対応
して長波長領域に於いても優れた実用光感度を有するχ
型無金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニンが
好適である。
【0032】本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導
電層には、更に少なくとも結着樹脂を併用する。本発明
に係わる結着樹脂の具体例としては、スチレン/マレイ
ン酸モノエステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル
酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸
エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、
及び酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共
重合体等の、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、
酢酸ビニル、及び安息香酸ビニルモノマ等と(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸等、若
しくは無水マレイン酸及びフマル酸のモノエステル等の
カルボキシル基含有モノマとの共重合体が挙げられる。
【0033】本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導
電層に於ける光導電性化合物と結着樹脂との混合比は、
所望の電子写真特性及び製版特性等の諸特性を満足する
様に決定すれば良い。一般的には光導電性化合物の含有
量が少ないと低感度となり、逆に多いと塗布性等の液特
性及びより一層の電子写真特性の向上を期待出来ないこ
となどから、結着樹脂100重量部に対して光導電性化
合物は5〜40重量部の範囲で使用することが望まし
い。また、光導電層膜厚は、薄いとトナー現像に必要な
電荷が帯電出来ず、トナー画像が掠れたりリークによる
被りを誘発し、逆に厚いと溶出液の劣化を促進するばか
りか溶出の際にサイドエッチを誘引して良好な画像再現
性が得られないため、好ましくは0.8〜6μmが良
い。
【0034】本発明に係わる電子写真平版印刷版は、常
法に従って光導電層を導電性支持体上に塗布して得られ
る。塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒
に溶解分散して調製するが、光導電性化合物がフタロシ
アニン等の様に溶媒に不溶な成分である場合は、ボール
ミル、ダイノミル、或はペイントシェィカー等の分散機
により平均粒径0.4μm以下、より好ましくは0.2μ
m以下に分散して用いる。また、光導電層には必要に応
じ、光導電性化合物及び結着樹脂の他に光導電層の柔軟
性、塗布表面状態等の膜物性を改良する目的で、可塑
剤、界面活性剤、その他の添加物を添加することが出来
る。光導電層に使用する添加剤は、光導電性化合物の分
散時或は分散後に添加することが出来る。
【0035】本発明に係わる電子写真平版印刷版は、公
知の操作によってトナー画像を形成させる。則ち、暗所
で実質的に一様に帯電させ、画像露光により静電潜像を
形成させ、しかる後にトナー現像する。露光方法として
は、キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を
光源とした反射画像露光、透明陽画フィルムを通した密
着露光や、レーザ光、発光ダイオード等による走査露光
が挙げられる。次に静電潜像をトナーによって現像す
る。現像方法としては、乾式現像法及び液体現像法の何
れも使用出来るが、微細なトナー画像が形成出来る液体
現像法が好適である。本発明に於ては、トナー被りの発
生の少ない反転現像にてトナー現像を行なう。形成され
たトナー画像は公知の定着法により定着する。
【0036】トナー現像を完了した電子写真平版印刷版
は、次に上記循環溶出液により非画像部光導電層を溶出
し、続いてリンス液で処理して版面を洗浄する。リンス
処理は、リンス液と共に速やかに版上に残存する可溶化
した光導電層と溶出液とを完全に除去し得なければなら
ない。可溶化した光導電層をリンスして除去した電子写
真平版印刷版は、版面の耐傷強度の向上及び非画像部不
感脂化等の目的で保護ガム処理して印刷に供される。
【0037】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその目的を逸脱しない限り下記の実施例に
限定されるものではない。また、本発明の実施例に係わ
る溶出補充液に於て、自動溶出機起動中に補充する循環
溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出補充液を高活性度
溶出補充液、自動溶出機停機中に補充するアルカリ活性
度の低い溶出補充液を低活性度溶出補充液と記載する。
【0038】実施例1 JIS1050アルミニウム(0.3mm厚)を60℃、
10%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、アルミニウム
溶解量が6g/m2になる様にエッチングした。水洗後、
30%硝酸水溶液に1分間浸漬して中和し、充分水洗し
た。次に、3.0%塩酸水溶液中で35A/dm2、50秒
間電解粗面化を行ない、50℃、20%硫酸水溶液中に
浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。更に、20%硫
酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、表面にアルミニウ
ム酸化物皮膜を形成させ、水洗後乾燥することにより印
刷版用支持体を作製した。この支持体表面処理面に、ペ
イントシェィカーにて1時間分散させた表1記載の組成
の光導電層形成用塗液を固形分塗布量4.2g/m2とな
る様塗布後、90℃、3分間乾燥して電子写真平版印刷
原版を作製した。
【0039】
【表1】
【0040】得られた電子写真平版印刷原版を398m
m×560mmに裁断し、遮光して50℃で2時間加温
後室温まで放冷した。この印刷原版を、暗所にて表面電
位が約+280Vになる様帯電させ、半導体レーザ(7
80nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正電荷液体
トナー(三菱製紙(株)製、LOM-ED III)にて反転現
像を行ない、冷風乾燥してトナー分散媒を除去後、トナ
ーを熱定着して光導電層上にトナー画像を形成させた。
得られたトナー現像済み印刷版について、下記に示す様
な自動溶出機を用いて製版処理を行なった。
【0041】図1に本実施例で用いた電子写真平版印刷
版の自動溶出機を示す。本溶出機の基本構成は、溶出液
塗布工程及び可溶化光導電層除去廃棄工程からなり、更
に図示しないリンス処理工程及び保護ガム塗布工程が付
帯する。印刷版は搬送ロール対10方向から印刷版搬送
ライン1に挿入することによりロール対に挟持されて自
動搬送されると共に製版処理に供される様になってい
る。
【0042】溶出液塗布工程は、溶出液供給管27、整
流板28、及び給液ロール11aからなる溶出液供給部
と、液計量具47及びガイドロール13からなる溶出液
計量部とで構成される。液計量具47は、回転軸に線径
250μmのステンレスワイヤを螺旋状に稠密に巻付け
たワイヤバーを使用した。ワイヤバーの回転軸への強制
駆動伝達は行なわず、液計量時には並進する印刷版との
自重による接触によって回転が伝達される様になってい
る。溶出液16は溶出液供給管27より吐出され、整流
板28で整流されて、給液ロール11aを介して版面に
供給される様になっており、余剰分はバックアップロー
ル11b及び下部ガイド板76を経て循環溶出液貯液槽
3に回収される様になっている。また、溶出液計量部で
計量された溶出液も、循環溶出液貯液槽3上方に設置さ
れた液誘導板75上を流動して液落下孔78より再び循
環溶出液貯液槽3に回収される様になっている。
【0043】溶出補充液は、貯液溶出液量検知手段であ
るセンサ21により、溶出液16が設定量減量した後に
補充手段が作動する様にも、また印刷版通過検知手段1
4により設定処理枚数毎に補充手段が作動して、設定量
若しくは溶出液上限まで補充する様に補充様式が選定出
来る様になっている。また、溶出補充液の補充は、図示
しない溶出補充液供給制御機構により、印刷版が印刷版
通過検知手段14を通過直後から任意の時間に補充が開
始される様になっている。
【0044】循環溶出液貯液槽3への給液は三系統の経
路で行なえ、溶出補充液貯液槽19に貯液された溶出補
充液7は補充ポンプ94及び電磁バルブ100を経て循
環溶出液貯液槽3に直接補充され、溶出補充液貯液槽8
9に貯液された溶出補充液84は補充ポンプ99、電磁
バルブ101、及び溶出補充液供給管54を経て、液計
量具47を介して循環溶出液貯液槽3に補充される。こ
れら二系統の補充路の他に、本実施例に係わる処理装置
に付帯しない液貯留源から配管128、電磁バルブ12
5、及び溶出補充液供給管54を経て、液計量具47を
介して循環溶出液貯液槽3に補充される様になってい
る。
【0045】可溶化光導電層除去廃棄工程は、可溶化光
導電層除去手段であるゴムブレード22及びバックアッ
プロール20からなる可溶化光導電層除去部、及び除去
廃液一次貯留槽4で構成される。ゴムブレード22の加
圧は、図示しないゴムブレード加圧機構により、可溶化
した光導電層の除去が最適に実施される範囲でバックア
ップロール20との接触幅が最低になる様に調整してあ
る。ゴムブレード22によって除去された液状物は、除
去廃液一次貯留槽4、バルブ104、及び配管114を
経て除去廃液二次貯留槽9に廃棄される様になってい
る。
【0046】製版処理には表2から表4に記載の組成を
有する溶出液及び溶出補充液を用いた。溶出補充液は、
使用減量に応じて適宜夫々の貯液槽に補充した。また、
溶出時間は版搬送速度と可溶化光導電層除去部搬入直前
の光導電層の可溶化との関係から調整した。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】以上の自動溶出機を用い、循環溶出液貯液
槽3にセンサ上限まで溶出液Aを投入し、先に作製した
トナー現像済みの印刷版を1分間隔で50版連続製版し
た後に2時間休止するサイクルで1日150版製版し、
最終版が製版終了し高活性度溶出補充液が補充された後
に停機した。高活性度溶出補充液である溶出補充液Aの
補充は、連続50版目の印刷版が印刷版通過検知手段1
4を通過してから30秒後に、溶出補充液貯液槽19か
らセンサ上限まで液面補充した。また、低活性度溶出補
充液である溶出補充液Bの補充は、処理装置起動と同時
に各ロールを回転させながら溶出補充液貯液槽89から
液計量具47を介してセンサ上限まで液面補充した。
【0051】以上の製版条件で6日間連続製版して1日
製版を休止し、計4週間製版した。その日の起動後第1
版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、
評価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製
版物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製
版通算10版目、100版目、500版目、1500版
目、及び3500版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷
版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、全
ての印刷版に於て細線(トナー線幅20μm)再現性に
優れ印刷地汚れのない良好な印刷物が得られたことよ
り、製版期間中常に安定した品位で製版が実施出来た。
【0052】また、500版毎で高活性度溶出補充液A
補充後に循環溶出液を少量採取し、分取液のpHを同時
に計測したところ、僅かに低下する傾向にあったが、ほ
ぼ未使用の溶出液と同等のpHであった。JIS K 1
408に従って更にこれらの溶出液に含まれる二酸化珪
素を定量したところ、全体としては3重量%前後で殆ど
変動していなかった。
【0053】比較例 実施例1で用いた自動溶出機を用い、自動溶出機起動中
の溶出液減量分は溶出補充液貯液槽19から、停機中の
減量分は起動直後に溶出補充液貯液槽89から夫々高活
性度溶出補充液Aをセンサ上限まで補充した他は、実施
例1と同一の処理装置及び溶出液を用い、同様の製版及
び補充条件で製版した。
【0054】実施例1と同様に、その日の起動後第1版
目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評
価した製版物全てに溶出不良は発生していなかったが、
サイドエッチは3週間目辺りから漸次悪化する傾向にあ
った。更に、製版通算10版目、100版目、500版
目、1500版目、及び3500版目の製版保護ガム液
塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷
したところ、全ての印刷版に於て印刷地汚れのない印刷
物が得られたものの、3500版目の製版印刷版に於て
は細線(トナー線幅20μm)が印刷出来ない部分があ
り、長期間安定な品位で製版が実施出来なかった。
【0055】また、実施例1と同様に循環溶出液を少量
採取し、分取液のpHを同時に計測したところ、製版経
時と共にやや上昇する傾向にあった。更に、JIS K
1408に従ってこれらの溶出液に含まれる二酸化珪素
を定量したところ、二酸化珪素濃度が漸次増加傾向にあ
って、少なくとも2500版目では4重量%以上に上昇
し、3500版目では約4.5重量%に達した。
【0056】実施例2 実施例1で用いた処理装置に於て、溶出補充液貯液槽1
9の高活性度溶出補充液Aを表5記載の高活性度溶出補
充液C(濃縮液)に交換した。溶出補充液の補充は、循
環液面で溶出液が下限(約600mlの減量に相当する
様設定)を下回った後の第1版目が液計量具47を通過
後、直ちに高活性度溶出補充液Cを300ml補充され
ると共に配管128からのイオン交換水を液計量具47
を介して300ml補充される様にした。更に150版
製版後処理装置停機前に高活性度溶出補充液Cとイオン
交換水とを等量液面補充した。その他は実施例1と同一
溶出液及び低活性度溶出補充液Bを用い、同様の製版及
び低活性度溶出補充液補充条件で製版した。
【0057】
【表5】
【0058】実施例1と同様に、その日の起動後第1版
目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評
価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製版
物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製版
通算10版目、100版目、500版目、1500版
目、及び3500版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷
版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、全
ての印刷版に於て細線再現性に優れ印刷地汚れのない良
好な印刷物が得られ、実施例1と全く同様に製版期間中
常に安定した品位で製版が実施出来た。
【0059】また、500版毎で高活性度溶出補充液A
補充後に循環溶出液を少量採取し、実施例1と同様に分
取液のpHを同時に計測したところ、ほぼ未使用の溶出
液と同等のpHであった。実施例1と同様にこれらの溶
出液に含まれる二酸化珪素を定量したところ、全体とし
ては3重量%前後で殆ど変動していなかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の電子写真平
版印刷版の処理方法によって電子写真平版印刷版を処理
すれば、製版期間中常に安定した品位の製版が可能とな
る秀逸なる効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真平版印刷版の処理方法を実施
するために用いた自動溶出機の縦断面構成図。
【符号の説明】
1 印刷版搬送ライン 3 循環溶出液貯液槽 7、84 溶出補充液 16 溶出液 19、89 溶出補充液貯液槽 22 ゴムブレード 47 液計量具 54 溶出補充液供給管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電層上にトナー画像が形成された電
    子写真平版印刷版を搬送しながら、自動溶出機にて光導
    電層面に循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶
    化させた後に液計量具により余剰の溶出液を一定量に計
    量し、その搬送後方で版上に残存する溶出液と可溶化し
    た光導電層とを除去して廃棄する電子写真平版印刷版の
    処理方法に於て、センサにより循環溶出液貯液量の上下
    限を設定しておき、自動溶出機起動中の循環溶出液減量
    分は循環溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出補充液で
    補充し、自動溶出機停機中の循環溶出液減量分は循環溶
    出液よりアルカリ活性度の低い溶出補充液を前記貯液量
    上限まで補充することを特徴とする電子写真平版印刷版
    の処理方法。
JP31359592A 1992-11-24 1992-11-24 電子写真平版印刷版の処理方法 Pending JPH06161161A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106557851A (zh) * 2015-09-24 2017-04-05 上海合印包装服务有限公司 一种支持生产进度查询的客户管理系统

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106557851A (zh) * 2015-09-24 2017-04-05 上海合印包装服务有限公司 一种支持生产进度查询的客户管理系统

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