JPH06130734A - 電子写真平版印刷版の処理方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版の処理方法

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JPH06130734A
JPH06130734A JP28295392A JP28295392A JPH06130734A JP H06130734 A JPH06130734 A JP H06130734A JP 28295392 A JP28295392 A JP 28295392A JP 28295392 A JP28295392 A JP 28295392A JP H06130734 A JPH06130734 A JP H06130734A
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liquid
eluate
elution
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JP28295392A
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Yasuhiro Aizawa
泰洋 相澤
Yuji Takagami
裕二 高上
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶出活性度を一定域に保持して、長期に亙っ
て安定した溶出処理を可能にする電子写真平版印刷版の
処理方法を提供する。 【構成】 光導電層上にトナー画像が形成された電子写
真平版印刷版を搬送しながら、自動溶出機にて光導電層
面に循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化さ
せた後に液計量具により余剰の溶出液を一定量に計量
し、その搬送後方で版上に残存する溶出液と可溶化した
光導電層とを除去して廃棄する電子写真平版印刷版の処
理方法に於て、溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出補
充液を処理枚数に応じた液量で補充し、更に溶出液より
アルカリ活性度の低い溶出補充液を一定溶出液貯液量ま
で補充することを特徴とする電子写真平版印刷版の処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導電層上にトナー画
像が形成された一定寸法の電子写真平版印刷版光導電層
面に溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化除去し
て印刷版を作製するための電子写真平版印刷版の処理方
法に関し、より詳しくは一定量に貯液された溶出液の減
量分を溶出液とアルカリ活性度の異なる溶出補充液にて
補充する電子写真平版印刷版の処理方法に関し、溶出活
性度一定域に保持して長期に亙って安定した溶出処理が
行なえ、液交換の頻度を減少させる電子写真平版印刷版
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非画像部アルカリ溶出型電子写真平版印
刷版は、一般に有機光導電性化合物とアルカリ可溶性の
結着樹脂とからなる光導電層を導電性支持体上に設けて
なり、電子写真法によって光導電層上にトナー画像を形
成した後、溶出工程に於てトナー画像部以外の非画像部
をアルカリ剤等を含有する処理液で可溶化して溶出し、
続くリンス処理工程に於て洗液を供給して版面に残存す
る可溶化した光導電層成分と溶出液とを洗浄した後、通
常保護ガム処理されて印刷に供される。これらの処理は
通常自動機を用いて製版されるが、従来感光性平版印刷
版(所謂PS版)を含む非画像部アルカリ除去型平版印
刷版を製版処理する装置に採用されている処理方式とし
ては、以下に記載の液循環再利用方式、新液使捨て処理
方式、及び処理過程計量残存液廃棄方式に大別される。
【0003】最初の液循環再利用方式は、版面に過剰量
の処理液を接触させた後、処理済み液を版上から全て除
去して循環再利用する方式であり、処理済み液の除去は
スクイズロールによる絞液が一般的である。液供給方法
としては、ロール狭持して搬送する印刷版上にスプレー
或はシャワー等から処理液を直接或はロール及び/また
は整流板を介して供給する方法の他、特開平2−256
9号公報等に開示の様に処理液槽中を液中ガイドロール
等によって印刷版を湾曲浸漬(ディップ方式)させ、液
中シャワーによって処理液を対流循環させると共に版面
に供給する方法や、実開平1−160443号公報に開
示の様に対向面に多数の突起を有する斜傾保持された一
対のガイド板の間を印刷版を搬送し、ガイド板搬送方向
上方端面から液供給する方法等、多数枚製版による液性
劣化を防止抑制するための補充液補充方法と共に、従来
から種々の応用例が開示されている。
【0004】二番目の新液使捨て処理方式は、特開昭6
2−238564号公報等に開示の様に、液供給スリッ
トのギャップやワイヤバーのワイヤ径等の調整によっ
て、版面に処理液を供給する前に必要最低量を前計量し
て一版毎に新液を供給し、場合に応じて処理促進手段を
処理過程で施した後、処理済みの疲労処理液は可溶化し
た非画像部と共に除去廃棄する方式である。
【0005】最後の処理過程計量残存液廃棄方式は、特
開昭62−59957号公報等に開示の様に、版面に一
旦過剰量の処理液を供給した後に処理液を一定量に計量
して余剰液は循環再塗布、計量後の版上の処理液は現像
完了後に可溶化した非画像部と共に廃棄する方式で、特
開昭63−163353号公報には版先頭部の製版不良
を改善するため、液計量後更に版先頭部に液計量時に除
去した処理液を循環再供給する方式も開示されている。
また、特開平2−93474号公報には、特開昭62−
59957号公報及び特開昭63−163353号公報
に開示の技術を電子写真平版印刷版の処理に応用した方
法が開示されている。
【0006】これらの方式の内、液循環再利用方式は余
剰液を循環再使用するので、見掛け上廃液量を減少させ
ることが出来るが、従来非画像部は溶解除去工程中に殆
ど全てが版上より循環する処理液中に流入するため、例
え処理液に液補充等を行なってそれ自体は所期の処理特
性を保持していても、流入した非画像部成分を多く含有
する処理液では槽内や液循環系、処理部搬送部位等に液
固着が起こり、液供給量の低下や液供給方式としてスプ
レーを用いればその孔の目詰まり等種々の悪影響を及ぼ
すばかりか、非画像部インク受理性成分の印刷版支持体
上への再付着による印刷汚れを誘引する場合がある。
【0007】一方、新液使捨て処理方式では処理変動を
防止出来る反面、液循環再使用方式に比してより多量の
処理液を必要とするし、必然的に多量の廃液を出す結果
となる。また、必要最低量を供給しようとして液量を絞
ると、応々にして処理液が版全面を均一に被覆しないこ
とがあり、特にその傾向は版先頭部に強く発現し、結果
として処理欠陥となる。殊に電子写真平版印刷版の製版
処理に於ては、電子写真光導電層は一般的PS版感光層
に比して除去すべき層が厚く、しかもトナー画像部光導
電層と雖もアルカリ難溶性ではないために、処理を押す
とサイドエッチと呼称される画像細りが誘発する等、処
理条件に厳格さが要求されるため、この処理方式はあま
り適さない。
【0008】そこで、両者欠点を解消し長所を合せ持つ
処理方式が上記の処理過程計量残存液廃棄方式である。
この方式は、アルカリ現像液を版に供給してから現像処
理に必要な液量を残して計量するため、計量除去液には
非画像部光導電層成分の混入が殆どなく、計量後版上に
残存する疲労した現像液は可溶化した非画像部と共に廃
棄し、その廃棄現像液量に見合った補充液補充によっ
て、実質的に液使い捨て方式に準じてほぼ新液状態で製
版が出来、処理液循環再利用方式の様な経時的影響を受
け難い。また、例えアルカリ現像液が結果として版上に
供給されない部分が発生したとしても、現像開始前に液
計量具によって液の延展がなされるため、処理ムラが軽
減される。
【0009】この処理過程計量残存液廃棄方式を電子写
真平版印刷版の溶出方式に採用しても、基本的には比較
的長期に亙って安定した処理が行なえるが、計量除去液
を再使用する本方式に於ては、循環使用期間中に空気中
の二酸化炭素等の酸性気体の吸収溶解や溶出液構成成分
である水の蒸発の他に、僅かながら光導電層成分も計量
除去液に溶解するため、これら循環溶出液の成分変動特
にアルカリ活性度の低下に起因する経時疲労劣化を抑制
し、より液交換期間を長引かせるには、溶出補充液組成
及び溶出補充液補充方法が重要となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光導電層上
にトナー画像が形成された単一寸法の電子写真平版印刷
版光導電層面に溶出液を供給して非画像部光導電層を可
溶化除去して印刷版を作製するための電子写真平版印刷
版の処理方法に関し、より詳しくは一定量に貯液された
溶出液の減量分を溶出液とアルカリ活性度の異なる溶出
補充液にて補充する電子写真平版印刷版の処理方法に於
て、液循環再使用による二酸化炭素等の酸性気体の吸収
や可溶化した光導電層の混入等に起因する液性劣化を抑
制して溶出活性度一定域に保持し、長期に亙って安定し
た溶出処理が行なえ、もって液交換の頻度を減少させる
電子写真平版印刷版の処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、光導電層上にトナー画像が形成
された単一寸法の電子写真平版印刷版の光導電層面に溶
出液を供給して非画像部光導電層を可溶化させた後に液
計量具により余剰の溶出液を一定量に計量し、その搬送
後方で版上に残存する溶出液と可溶化した光導電層とを
除去して廃棄する電子写真平版印刷版の処理方法に於
て、溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出補充液を処理
枚数に応じた液量で補充し、更に溶出液よりアルカリ活
性度の低い溶出補充液を一定溶出液貯液量まで補充する
ことを特徴とする電子写真平版印刷版の処理方法により
達成された。
【0012】本発明に係わる溶出補充液及びその補充方
法について詳細に説明する。本発明に於ては、少なくと
も循環液量を確保し、更に溶出活性度を保持するため、
溶出補充液を補充する。溶出補充液補充方法としては、
少なくともセンサにより貯液された溶出液の上限を設定
しておき、単一寸法の電子写真平版印刷版の処理枚数に
応じた液量の溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出補充
液(以下、高活性度溶出補充液と記載)を補充し、更に
溶出液よりアルカリ活性度の低い溶出補充液(以下、低
活性度溶出補充液と記載)をセンサ上限まで補充する。
【0013】液の上限を検知するセンサとしては従来、
光学式、導通式、超音波式、及びフロート式等の各方式
が知られるが、本発明に係わる溶出液の設定された上限
の液量は、それを一定範囲内に特定出来れば充分であっ
て厳格な計測を必要とせず、所望により何れの方式を用
いても良い。溶出液貯液量は、液計量除去液である溶出
液が連続製版に於て循環に要する時間差から給液不良と
なることなく、更に溶出補充液補充前後で溶出性を左右
することのない最低量以上であれば良いが、10dm3
以上であることが好ましい。
【0014】溶出液は、循環再使用する期間に空気中の
二酸化炭素等の酸性気体を吸収し、またアルカリ可溶な
酸性の光導電層成分も混入することで実質的アルカリ活
性度が低下する。本発明に係わる高活性度溶出補充液
は、製版処理によって消費される溶出液量を補償するた
めばかりでなく、上記アルカリ活性度の低下を補充液補
充によって補償するため、未使用の溶出液のアルカリ活
性度より高い液である必要がある。本発明で云うアルカ
リ活性度とは、本発明に係わる酸性の光導電層を可溶化
する時間の度合と同義で、アルカリ活性度が高い液とは
可溶化時間がより短いことを意味し、基本的にはより高
pHなる液である。
【0015】本発明の処理方法に係わる高活性度溶出補
充液及び溶出液としては、少なくともアルカリ剤を含有
し、緩衝能を有す組成であることが望ましい。アルカリ
剤としては、一般式SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を
表す)で表現される珪酸塩、アルカリ金属水酸化物、リ
ン酸や炭酸のアルカリ金属やアンモニウム塩等の無機ア
ルカリ剤、エタノールアミン類、ジエチルアミン、エチ
レンジアミン、及びモルホリン等の有機アルカリ剤が挙
げられる。これらのアルカリ剤は、単独或は2種以上を
組合せて用いても良い。特に珪酸塩は高pH域で強い緩
衝能を示すために好適に使用されるが、更にこれにアル
カリ金属水酸化物等のその他のアルカリ剤を添加して用
いる。
【0016】本発明に係わる高活性度溶出補充液及び溶
出液には、特開昭55−25100号公報等に記載のイ
オン性化合物、特開昭55−95946号公報等に記載
の水溶性カチオニックポリマ、特開昭56−14252
8号公報等に記載の水溶性両性高分子電解質、特開昭5
8−75152号公報等に記載の中性塩、特開昭58−
190952号公報等に記載のキレート剤、特開平1−
177541号公報等に記載の液粘度調整剤、特開昭6
3−226657号公報等に記載の防腐剤や殺菌剤、特
開昭62−73270号公報等に記載の消泡剤、水溶性
有機溶剤、及び各種界面活性剤等の成分を必要に応じ更
に添加しても良い。溶媒は、上記成分を安定して分散或
は溶解し得るものであれば特に限定されないが、好まし
くは蒸留若しくはイオン交換した水が有利に用いられ
る。
【0017】本発明の処理方法に係わる高活性度溶出補
充液は、溶出液のアルカリ活性度の低下を補償出来れば
良いから、必ずしも溶出液の有効成分と同一の試剤で構
成されている必要はないが、液調製や補充・溶出能の制
御等の理由から、溶出液組成にアルカリ金属の酸化物、
水酸化物、或は炭酸塩を添加した液が好適である。未使
用の溶出液にアルカリ金属化合物を添加して調製する高
活性度溶出補充液の望ましい追添加アルカリ金属化合物
量は、製版条件等に応じ最適化する必要があるが、慨量
として水酸化ナトリウム換算で10〜100g/dm3
度であり、1日当たりの溶出液への水酸化ナトリウム換
算追添加量は溶出補充液補充量に強くは依存せず、5〜
30g程度である。
【0018】高活性度溶出補充液は、単一寸法の電子写
真平版印刷版の処理枚数に応じた補充量で補充するが、
補充開始は上記センサにより溶出液の下限を設定してお
き、設定された下限を下回った時から補充を開始して
も、または一定時間及び/または一定製版面積或は枚数
毎に補充しても良い。本発明の処理に於ては、単一寸法
の電子写真平版印刷版を溶出するから、一版当たりの液
計量残存液量は画像面積率の変動とは殆ど関係せず一定
になる。一版当たりの高活性度溶出補充液補充量は、低
活性度溶出補充液の補充との兼合いもあり、液計量後版
上に残存する溶出液量で良い。従って、一回の高活性度
溶出補充液補充量は、補充サイクル中に処理した製版枚
数に予め求めた一版当たりの液計量残存液量を乗じた量
である。
【0019】溶出液は製版処理によって消費されるだけ
でなく、循環中や停機中に水等が蒸発して減少する。そ
のため、処理枚数に応じた高活性度溶出補充液を補充し
た後に、低活性度溶出補充液を一定溶出液貯液量、則ち
溶出液貯液設定上限まで補充する。本発明に係わるアル
カリ活性度の低い溶出補充液は、水若しくは停機中に僅
かに吸収する酸性気体による溶出活性度の低下を補償す
る程度のアルカリ剤を含有する水性液である。低活性度
溶出補充液の補充開始は、高活性度溶出補充液補充直後
及び溶出機起動直後が望ましく、遅くとも次の高活性度
溶出補充液の補充開始前に補充を完了していなければな
らない。
【0020】本発明の処理方法に於ては、高及び低アル
カリ活性度の少なくとも2種類の溶出補充液を補充する
が、夫々の補充は補充が完了した時点で補充量に対応し
た有効成分量が溶出液に添加されていれば良いから、水
や希釈液と有効成分濃縮液とを自動溶出機内で予備混合
しても、或は予備混合せずに同時または別々に添加して
も良い。また、未使用の溶出液を溶出補充液成分の一部
として、アルカリ剤水性液及び水を同様の方法で添加し
ても良い。特に、水は専用貯液槽を設けず、上水道或は
イオン交換水製造機等から直接引水しても良い。高及び
低アルカリ活性度の専用溶出補充液を含め、これらの液
の補充は溶出液貯液槽に直接注液しても良いし、或は溶
出部の各ロール群や特に液計量具に給液して洗浄しなが
ら最終的に溶出液貯液槽に補充しても良い。後者の場
合、印刷版溶出処理中に高活性度補充液が版面に供給さ
れない様にすべきである。
【0021】以上の如く、本発明の溶出処理に於ては循
環溶出液の上下限を設定しておき、電子写真平版印刷版
溶出処理に於て循環して再使用する溶出液は、二酸化炭
素等の酸性気体や可溶化した光導電層成分が吸収混入し
て漸次アルカリ活性度が降落するから、製版処理消費分
は溶出液よりアルカリ活性度の高い溶出補充液で補充す
る。一方、製版処理とは別に溶出液中の水分等が蒸発す
るから、溶出液よりアルカリ活性度の低い溶出補充液を
一定溶出液貯液量まで補充する。この二系統の補充によ
り、種々の製版処理状況に対応して溶出液の活性度が保
持された電子写真平版印刷版の溶出処理が可能になる。
【0022】次に、本発明の処理方法に係わる処理工程
を工程順に説明する。本発明に係わる処理は、印刷版が
挿入されてから排出されるまでの各処理工程間を自動的
に搬送しながら少なくとも循環溶出液を版面に供給し、
更に二系統の溶出補充液を補充し得る自動溶出機にて実
施される。本発明に係わる自動溶出機に於ける処理工程
は、少なくとも溶出液供給工程、溶出液計量工程、及び
可溶化光導電層除去工程からなり、更に本発明に係わる
少なくとも二系統の溶出補充液の補充給液を制御する溶
出補充液補充制御機構を有する。
【0023】溶出液供給工程では、電子写真法によりト
ナー画像が形成された電子写真印刷版の光導電層面に溶
出液を供給する。溶出液供給方式は従来公知の機構、例
えば液吐出シャワー管、スライドホッパ、カーテンコー
タ、及びディップ方式等が使用出来るが、特にシャワー
管を用いる場合には管から吐出した溶出液を整流板やロ
ール等で一旦整流して版面に均一に供給することが望ま
しい。また、溶出液供給不良を防止すると共により溶出
時間を短縮するため、溶出液計量工程に到る間に溶出液
延展機構或は流動促進機構を設け、版上に供給された溶
出液の延展及び置換を図ることが望ましい。
【0024】本発明に係わる溶出液供給工程に於て溶出
液は過剰に供給する必要があり、その量は液計量工程通
過後に版上に残る溶出液量より多くすることは勿論、液
計量工程に到る搬送中版端部から溶出液が流下する量で
あることが肝要である。これにより、一部は非画像部光
導電層を膨潤可溶化させ、余剰分は版上を流動して被溶
出部分に既にある溶出液と一部置換しながら版端部より
流下する。従って、版端部では液の置換が頻繁に起こ
り、光導電層界面近傍の溶出液流動速度が上昇すること
によって、版部位による溶出度の変動が抑制される。よ
り具体的な溶出液供給量は、液計量工程通過後に版上に
残す溶出液量、則ち液計量残液量にもよるが、残液量の
2〜100倍が良く、より好ましくは5〜30倍が良
い。
【0025】過剰の溶出液が供給された印刷版は、溶出
液計量工程に於て液計量手段により少なくとも版上にあ
る溶出液を一定量残して余剰液を計量除去する。本発明
に係わる液計量に於ては、可溶化した光導電層の除去直
前に溶出が完了する様に溶出液を残すことが肝要であ
る。液計量残液量は、多いと必然的に溶出液消費量が増
加して溶出効率が低下する。逆に液計量残液量が少なす
ぎると、応々にして連続製版では可溶化光導電層除去手
段に除去液が蓄積して除去効果が低減するし、液計量部
で可溶化した光導電層が剥離する可能性が高くなって好
ましくない。本発明に於て好ましい液計量残液量は30
〜120g/m2であり、更には40〜100g/m2が好
適である。
【0026】本発明に係わる溶出液計量工程に於ける液
計量具としては、版搬送方向に対し何等かの駆動伝達に
より回転可能であって、少なくとも版表面に対して均一
に接触し、液計量時は可溶化した光導電層の剥離を抑制
防止する形状を有することが肝要である。本発明に用い
ることの出来る液計量具としては、軸回りに一定直径の
細いワイヤを螺旋状に巻付けたワイヤバー、溝付きロー
ル、プレーンバー、軽量のゴムロール等が挙げられる
が、計量液量の調整の簡便さや可溶化した光導電層成分
の剥離流失の抑制等の観点から、回転軸にワイヤを巻付
けたワイヤバーが本発明に好適に使用される。液計量具
は、回転軸をある周速で順方向或は逆方向に強制的に回
転させても、また少なくとも版通過時にのみ回転する様
にしても良い。本発明に於ける液計量後の版上の溶出液
量は30〜120g/m2が良く、更に好ましくは40〜
100g/m2が良い。
【0027】溶出液計量工程を経た印刷版は可溶化光導
電層除去工程に入り、除去手段により非画像部に残る可
溶化した光導電層と可溶化により疲労した版上の溶出液
を除去する。除去手段としては、エアナイフ、ブレー
ド、弾性ロール、回転及び非回転(摺動或は固定等)ブ
ラシ、及びモルトンロール等が挙げられる。本発明に係
わる除去手段としては、機構上の保守管理の軽減、廃液
量の低下、除去効率、及び溶出品質の低下防止等の総合
的理由から、ゴム製のブレードが好適に用いられる。ブ
レードを用いる場合は、搬送不良の誘発を防止する機構
を設けることが好ましい。可溶化光導電層除去工程に於
て除去された液状物中には溶出液成分も含まれている
が、光導電層可溶化により疲労して溶出能が相当低下し
ているため、可溶化した光導電層成分と共に廃棄する。
【0028】最後に本発明に於て処理する電子写真平版
印刷版の構成及びその製版工程を説明する。本発明に係
わる電子写真平版印刷版は、導電性支持体上に光導電層
を設けてなり、電子写真法によりトナー画像を形成し得
るものである。導電性支持体としては、導電性表面を有
するプラスチックシートや、アルミニウム、亜鉛、銅−
アルミニウム、銅−ステンレス、クロム−銅、クロム−
銅−アルミニウム、及びクロム−銅−ステンレス等の金
属板等で、少なくとも光導電層を設ける面は親水化処理
が施されたものでる。これらの厚みは0.07〜0.5m
mが良い。これらの内、アルミニウム板が好適に使用さ
れる。このアルミニウム板は、所望によりアルミニウム
を主成分とし微量の異元素を含有しても良い。
【0029】所望の表面性状を光導電層を設ける支持体
面に持たせるため、公知の方法で砂目立て、陽極酸化す
ることが好ましい。砂目立て処理に先立って、界面活性
剤またはアルカリ水溶液による脱脂処理しても良い。砂
目立て処理方法には、機械的粗面化法、電気化学的粗面
化法、及び化学的表面選択溶解法等があり、適宜選択し
て用いられる。粗面化された基体は、必要に応じてアル
カリエッチング処理及び中和処理して用いる。処理され
た基体は、その表面に酸化皮膜を形成させるために陽極
酸化処理する。陽極酸化皮膜量は1〜6g/m2が好適で
ある。
【0030】この様にして得られた支持体表面処理面に
所望の電子写真光導電層を設けて電子写真平版印刷版が
得られる。本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電
層には、公知の光導電性化合物を、単独または所望によ
り2種類以上混合して用いることが出来るが、本発明に
係わる電子写真平版印刷版の光導電層に於ては少量で所
望の電子写真特性が得られる光導電性フタロシアニン系
顔料が有利に用いられる。特に、レーザ等の光源の対応
して長波長領域に於いても優れた実用光感度を有する無
金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニンが好適
である。
【0031】本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導
電層には、更に少なくとも結着樹脂を併用する。結着樹
脂の具体例としては、スチレン/マレイン酸モノエステ
ル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重
合体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、ス
チレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステル共重合
体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、及び酢酸ビニル
/クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体等の、ス
チレン、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、及
び安息香酸ビニルモノマ等と(メタ)アクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸、マレイン酸等、若しくはマレイン
酸及びフマル酸のモノエステル等のカルボキシル基含有
モノマとの共重合体が挙げられる。結着樹脂のアルカリ
可溶化単量体構成比や分子量は、構成単量体組成により
適宜選択される。
【0032】電子写真平版印刷版の光導電層に於ける光
導電性化合物と結着樹脂との混合比は、一般的には光導
電性化合物の含有率が低いと低感度となり、逆に高いと
塗布性等の液特性が悪化する一方で電子写真特性の向上
が期待出来ないため、結着樹脂100重量部に対して光
導電性化合物は5〜40重量部の範囲が好ましい。ま
た、光導電層膜厚は、薄いと必要な電荷が帯電出来ず、
トナー画像が掠れたりリークによる被りを誘発し、逆に
厚いと溶出液の疲労を促進するばかりかサイドエッチに
より画像再現性が悪化するため、0.8〜6μmが良
い。
【0033】本発明に係わる電子写真平版印刷版は、常
法に従って光導電層を導電性支持体上に塗布して得られ
る。塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒
に溶解分散して調製するが、光導電性化合物がフタロシ
アニン等の様に溶媒に不溶である場合は、分散機により
平均粒径0.4μm以下、より好ましくは0.2μm以下
に分散して用いる。また、光導電層には必要に応じ、光
導電性化合物及び結着樹脂の他に光導電層の柔軟性や塗
布表面状態等の膜物性を改良する目的で、可塑剤、界面
活性剤、その他の添加物を併用しても良い。光導電層に
使用する添加剤は、光導電性化合物の分散時或は分散後
に添加することが出来る。
【0034】本発明に係わる電子写真平版印刷版は、公
知の操作によってトナー画像を形成させる。則ち、暗所
で実質的に一様に帯電させ、画像露光により静電潜像を
形成させ、しかる後にトナー現像する。露光方法として
は、キセノンランプ、タングステンランプ、及び蛍光灯
等を光源とした反射画像露光、透明陽画フィルムを通し
た密着露光や、レーザ光及び発光ダイオード等による走
査露光が利用出来る。次に静電潜像をトナーによって現
像する。現像方法としては、乾式現像法及び液体現像法
の何れも使用出来るが、微細なトナー画像が形成出来る
液体現像法が好適である。また、走査露光を行なうので
あれば、トナー被りの発生の少ない反転現像が有利であ
る。形成されたトナー画像は、公知の定着法により定着
する。
【0035】トナー現像を完了した電子写真平版印刷版
は、次に上記溶出液によりトナーをレジストとして画像
部以外の非画像部光導電層を溶出して除去し、続いてリ
ンス処理して版上に残存する可溶化した光導電層と溶出
液とを完全に除去する。可溶化した光導電層をリンスし
て除去した電子写真平版印刷版は、版面の耐傷強度の向
上及び非画像部不感脂化等の目的で通常保護ガム処理し
て印刷に供される。
【0036】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその目的を逸脱しない限り下記の実施例に
限定されるものではない。また、本発明の実施例に係わ
る溶出補充液に於て、溶出液よりアルカリ活性度の高い
溶出補充液を高活性度溶出補充液、アルカリ活性度の低
い溶出補充液を低活性度溶出補充液と略記する。
【0037】実施例1 JIS1050アルミニウム(0.3mm厚)を60℃、
10%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、アルミニウム
溶解量が6g/m2になる様にエッチングした。水洗後、
30%硝酸水溶液に1分間浸漬して中和し、充分水洗し
た。次に、3%塩酸水溶液中で35A/dm2、50秒間
電解粗面化を行ない、50℃、20%硫酸水溶液中に浸
漬して表面を洗浄した後、水洗した。更に、20%硫酸
水溶液中で陽極酸化処理を施して、表面に酸化皮膜を形
成させ、水洗後乾燥することにより印刷版用支持体を作
製した。この支持体表面処理面に、ペイントシェィカー
にて1時間分散させた表1記載の光導電層形成用塗液を
固形分塗布量4.2g/m2となる様塗布後、90℃で3
分間乾燥して電子写真平版印刷版を得た。
【0038】
【表1】
【0039】得られた電子写真平版印刷版を398mm
×560mmに裁断し、遮光して50℃で2時間加温後
室温まで放冷した。これを、暗所にて表面電位が約+2
80Vになる様帯電させ、半導体レーザ(780nm)
を用いて走査画像露光し、直ちに正電荷液体トナー(三
菱製紙(株)製、LOM-ED III)にて反転現像を行な
い、冷風乾燥してトナー分散媒を除去後、トナーを熱定
着して光導電層上にトナー画像を形成させた。得られた
トナー現像済み印刷版について、以下に示す様な自動溶
出機を用いて製版処理を行なった。
【0040】図1に本実施例で用いた電子写真平版印刷
版の自動溶出機を示す。本溶出機の基本構成は、液計量
部を含む溶出液塗布工程及び可溶化光導電層除去廃棄工
程からなり、更に図示しないリンス処理工程及び保護ガ
ム塗布工程が付帯する。印刷版は搬送ロール対10方向
から印刷版搬送ライン1に挿入することによりロール対
に挟持されて自動搬送されると共に製版処理に供される
様になっている。
【0041】溶出液塗布工程は、溶出液供給管27、整
流板28、及び給液ロール11aからなる溶出液供給部
と、液計量具47及びガイドロール13からなる液計量
部とで構成される。液計量具47は、回転軸に線径25
0μmのステンレスワイヤを螺旋状に稠密に巻付けたワ
イヤバーを使用した。ワイヤバーの回転軸への強制駆動
伝達は行なわず、液計量時には並進する印刷版との自重
による接触によって回転が伝達される様になっている。
溶出液16は溶出液供給管27及び整流板28を経て給
液ロール11aを介して版面に供給される様になってお
り、余剰分はバックアップロール11b及び下部ガイド
板76を経て溶出液貯液槽3に回収される様になってい
る。また、液計量部で計量された溶出液も、液誘導板7
5上を流動して液落下孔78より再び溶出液貯液槽3に
回収される様になっている。
【0042】溶出液貯液槽3内側には、外周が図示しな
い液面静止手段に隔絶された貯液溶出液量検知手段であ
るセンサ21が配置されており、溶出補充液は溶出液1
6が設定量減量した後に補充手段が作動する様にも、ま
た印刷版通過検知手段14により設定処理枚数毎に補充
手段が作動して、設定量若しくは溶出液上限まで補充す
る様に補充様式が選定出来る様になっている。また、溶
出補充液の補充は、図示しない溶出補充液補充制御機構
により、印刷版が印刷版通過検知手段14を通過直後か
ら任意の時間に補充が開始される様になっている。
【0043】溶出液貯液槽3への給液は三系統の経路で
行なえる様になっている。第一溶出補充液貯液槽19に
貯液された溶出補充液7は、補充ポンプ94及び電磁バ
ルブ100を経て溶出液貯液槽3に直接補充され、第二
溶出補充液貯液槽89に貯液された溶出補充液84は、
補充ポンプ99、電磁バルブ101、及び溶出補充液供
給管54を経て、液計量具47を介して溶出液貯液槽3
に補充される。これら二系統の補充路の他に、本実施例
に係わる処理装置に付帯しない液貯留源から、配管12
8、電磁バルブ125、及び溶出補充液供給管54を経
て、液計量具47を介して溶出液貯液槽3に補充される
様になっている。
【0044】可溶化光導電層除去廃棄工程は、可溶化光
導電層除去手段であるゴムブレード22及びバックアッ
プロール20からなる可溶化光導電層除去部、及び除去
廃液一次貯留槽4で構成される。ゴムブレード22の加
圧は、図示しないゴムブレード加圧機構により、可溶化
した光導電層の除去が最適に実施される範囲でバックア
ップロール20との接触幅が最低になる様に調整してあ
る。ゴムブレード22によって除去された液状物は、除
去廃液一次貯留槽4に一時貯留されて、最終的に除去廃
液二次貯留槽9に廃棄される様になっている。
【0045】製版処理には表2〜表4に記載の溶出液及
び溶出補充液を用いた。溶出補充液は、使用減量に応じ
て適宜溶出補充液貯液槽に補充した。また、溶出時間は
光導電層可溶化時間と搬送速度とにより調整した。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】以上の溶出機及び溶出液を用い、本製版に
先立ち一版当たりの溶出液計量残液量を求めたところ、
約12mlであった。溶出液貯液槽3にセンサ上限まで
溶出液を補充し、高活性度溶出補充液である溶出補充液
Aは第一溶出補充液貯液槽19に、低活性度溶出補充液
である溶出補充液Bは第二溶出補充液貯液槽89に投入
した。次に、先に作製したトナー現像済みの印刷版を1
分間隔で50版連続製版した後に2時間中断するサイク
ルで1日150版製版した。溶出補充液Aは、各連続5
0版目の印刷版が印刷版通過検知手段14を通過してか
ら30秒後に600ml補充した。また、溶出補充液B
は、各溶出補充液A補充完了後及び溶出機起動直後に各
ロールを回転させながら液計量具47を介してセンサ2
1により設定液面上限まで補充した。
【0050】以上の製版条件で6日間連続製版して1日
製版を休止し、計4週間製版した。その日の起動後第1
版目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、
評価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製
版物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製
版通算10版目、100版目、500版目、1500版
目、及び3500版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷
版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、全
ての印刷版に於て細線(トナー線幅20μm)再現性に
優れ印刷地汚れのない良好な印刷物が得られたことよ
り、製版期間中常に安定した品位で製版が実施出来た。
【0051】また、500版毎で高活性度溶出補充液A
及び低活性度溶出補充液B補充後に溶出液を少量採取
し、分取液のpHを同時に計測したところ、僅かに低下
する傾向にあったが、ほぼ未使用の溶出液と同等のpH
であった。JIS K 1408に従って更にこれらの溶
出液に含まれる二酸化珪素を定量したところ、全体とし
ては低下する傾向にあったが、ほぼ一定であった。
【0052】比較例 実施例1で用いた溶出補充液Bに換えて溶出補充液Aを
第二溶出補充液貯液槽89に投入し、溶出補充液は全て
高活性度溶出補充液とした。その他は、実施例1と同一
の溶出機及び溶出液を用い、同様の製版及び補充条件で
製版した。
【0053】実施例1と同様に、その日の起動後第1版
目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評
価した製版物全てに溶出不良は発生していなかったが、
サイドエッチは3週間目辺りから漸次悪化する傾向にあ
った。更に、製版通算10版目、100版目、500版
目、1500版目、及び3500版目の製版保護ガム液
塗布済みの印刷版について、オフセット印刷機にて印刷
したところ、全ての印刷版に於て印刷地汚れのない印刷
物が得られたものの、3500版目の製版印刷版に於て
は細線(トナー線幅20μm)が印刷出来ない部分があ
り、長期間安定な品位で製版が実施出来なかった。
【0054】また、実施例1と同様に循環溶出液を少量
採取し、分取液のpHを同時に計測したところ、製版経
時と共にやや上昇する傾向にあった。更に、JIS K
1408に従ってこれらの溶出液に含まれる二酸化珪素
を定量したところ、二酸化珪素濃度が漸次増加傾向にあ
って、少なくとも2500版目では4重量%以上に上昇
し、3500版目では約4.5重量%に達した。
【0055】実施例2 実施例1で用いた溶出機に於て、溶出補充液A及びBを
表5及び6記載の溶出補充液C及びDに交換した。溶出
補充液の補充は、10版目が液計量具47を通過後、直
ちに高活性度溶出補充液Cが60ml補充されると共
に、配管128からのイオン交換水が液計量具47を介
してセンサ21上限まで補充される様にした。更に、溶
出機起動直後に低活性度溶出補充液Dをセンサ21によ
る設定液面上限まで補充される様にした。その他、実施
例1と同一溶出液を用い、同様の製版条件で製版した。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】実施例1と同様に、その日の起動後第1版
目の溶出性及びサイドエッチを測定評価したところ、評
価した製版物全てに溶出不良は発生しておらず、各製版
物間でサイドエッチの変動も殆どなかった。更に、製版
通算10版目、100版目、500版目、1500版
目、及び3500版目の製版保護ガム液塗布済みの印刷
版について、オフセット印刷機にて印刷したところ、全
ての印刷版に於て細線再現性に優れ印刷地汚れのない良
好な印刷物が得られ、実施例1と全く同様に製版期間中
常に安定した品位で製版が実施出来た。
【0059】また、500版毎で溶出補充液C及びイオ
ン交換水補充後に溶出液を少量採取し、実施例1と同様
に分取液のpHを同時に計測したところ、ほぼ未使用の
溶出液と同等のpHであった。実施例1と同様にこれら
の溶出液に含まれる二酸化珪素を定量したところ、全体
としては3重量%前後で殆ど変動していなかった。
【0060】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の電子写真平
版印刷版の処理方法によって電子写真平版印刷版を処理
すれば、製版期間中常に安定した品位の製版が可能とな
る秀逸なる効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真平版印刷版の処理方法を実施
するために用いた溶出機の縦断面構成図。
【符号の説明】
1 印刷版搬送ライン 3 溶出液貯液槽 7、84 溶出補充液 16 溶出液 19 第一溶出補充液貯液槽 22 ゴムブレード 47 液計量具 54 溶出補充液供給管 89 第二溶出補充液貯液槽

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電層上にトナー画像が形成された単
    一寸法の電子写真平版印刷版光導電層面に溶出液を供給
    して非画像部光導電層を可溶化後、液計量具により余剰
    の溶出液を一定量に計量し、その搬送後方で版上に残存
    する溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄する
    電子写真平版印刷版の処理方法に於て、溶出液よりアル
    カリ活性度の高い溶出補充液を処理枚数に応じた液量で
    補充し、更に溶出液よりアルカリ活性度の低い溶出補充
    液を一定溶出液貯液量まで補充することを特徴とする電
    子写真平版印刷版の処理方法。
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