JP2793014B2 - 電子写真平版印刷版 - Google Patents

電子写真平版印刷版

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JP2793014B2
JP2793014B2 JP14840890A JP14840890A JP2793014B2 JP 2793014 B2 JP2793014 B2 JP 2793014B2 JP 14840890 A JP14840890 A JP 14840890A JP 14840890 A JP14840890 A JP 14840890A JP 2793014 B2 JP2793014 B2 JP 2793014B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (A)産業上の利用分野 本発明は、導電性支持体上に光導電層を設けた印刷版
であって、電子写真方式により走査露光部に反転現像に
てトナー画像を形成後、トナー画像部以外の非画像部光
導電層の除去を行なって印刷版を作製するための電子写
真平版印刷版に関し、長波長光源に対しても高い光応答
性を有し、画像の解像性等の良好な印刷版が得られ、溶
出による画線細りを抑制しつつ地汚れの発生がなく、高
耐刷力を有する電子写真平版印刷版に関する。
(B)従来技術及びその問題点 平版印刷版の作製方法は既に数多く知られている。例
えば、印刷用原版に銀塩フィルム原稿を密着してその原
版画像形成層に直接活性線を露光し、これにより画像形
成層に画像部と非画像部に対応した硬化部と未硬化部を
形成させ、非画像部未硬化部分をアルカリ剤等の溶液で
版上より除去して、硬化部分をインキ受理性とする製版
方法がある。この方法を用いた所謂PS版は現在、広範に
使用されている。
しかしながら、PS版の感度は一般的に遅く、紫外線等
の強いエネルギー光源を用いなければならないし、また
780nmの半導体レーザに実用感度を有するPS版は未だ上
市されていない。
一方、電子写真技術を利用した平版印刷版は、光感度
が速い材料が選択出来るため、白色光による反射画像露
光やフィルム原稿を通した密着露光に加えて、レーザ光
による走査露光等所望により光源や露光方式を選択出来
るために、既に広く利用されきている。
近年、機械的画像処理技術や大容量データのメモリ開
発及び送信技術等の確立により、文字や図形、写真の画
像入力・補正・編集等を全てコンピューター制御で行な
い、高速通信網或は衛星通信により瞬時に遠隔地の末端
プロッタにフィルム出力出来る様にした電子編集システ
ムが、特に新聞印刷分野等において採用され稼動されて
いる。
この様な電子編集システムを用いる印刷分野に於て
は、更に短時間内に印刷版を作製することが重要な課題
であり、その要請に対応すべく、出力プロッタの光源か
ら発せられる画像情報変調光をフィルム出力ではなく、
高感度の光導電性電子写真感光体上に直接的に書込む様
にした電子写真平板印刷版の製造方法の開発が行われて
いる。
上記光導電性の高感度感光材料としては、特に耐刷
性、実用感度の上から有機光導電性化合物・結着樹脂系
材料が優れており、この電子写真感光材料としての有機
光導電性化合物・結着樹脂系材料をアルミニウム等の導
電性基板上に被着してなる有機感光体(OPC)が注目さ
れている。画像形成工程においては、上記有機感光体に
対し、まず所定の帯電工程が施されて一様な電荷がのせ
られ、露光によって像対応の静電潜像が形成される。こ
の静電潜像は、電子写真用現像剤を用いて現像されトナ
ー可視画像が形成される。このとき上記トナー可視画像
以外の非画像部は、アルカリ剤等を含有する溶液で距離
されることによって溶解・除去(溶出)され、これによ
り最終的な刷版が得られる。
溶出はPS版に於けるアルカリ現像と異なり、トナーの
アルカリ溶解性と光導電層のそれとの差を利用したもの
であって、トナー付着部光導電層(画像部)はトナーに
よるレジスト性のため溶出が阻碍されるが、本質的にト
ナー付着部の光導電層自体がアルカリ不(或は難)溶性
になる訳ではないので、溶出が過度に促進されれば、サ
イドエッチと呼称される光導電層側面からの溶出液の回
込みによって画像部光導電層をも浸蝕し、良好な細線再
現性が得られない。一方溶出をアンダー気味に行なう
と、見掛け上は非画像部支持体上に光導電性顔料が残存
せず溶出されている様に観えていても、残膜により印刷
経時によって地汚れが発生する場合がある。従って、ア
ルカリ溶出型電子写真平版印刷版に於ける溶出は、PS版
に於けるアルカリ現像よりも厳格な処理が要求される。
また、アルカリ溶出型電子写真平版印刷版に於ける光導
電層は、初期帯電電位、感度、及び暗減衰等の電子写真
特性及び耐刷性等の印刷特性等から、一般的にPS版のそ
れ(〜3μm)よりも厚く(4〜5μm)、かつ結着樹
脂は高分子であるため、サイドエッチを抑制しつつ印刷
汚れをもたらす残膜を防止し、忠実なトナー画像再現性
を得るためには、トナー組成やその現像方式、溶出液処
理の選定、溶出処理機構や電子写真平版印刷版光導電層
と溶出液とのマッチング及び処理時間等の製版処理条件
等に留意を払うことも肝要であるが、溶出に与える原子
団(例えば、カルボン酸基、酸無水物基、ホスホン酸
基、スルホンアミド基、スルホンイミド基)の選定及び
結着樹脂中のそれらアルカリ可溶性原子団の含有率(換
言すればアルカリ可溶性原子団を含有する単量体の含有
率)、及び結着樹脂分子量の設定も非常に重要である。
特に結着樹脂に於ける分子量は、低分子であれば皮膜
強度(耐刷性)に劣り、高分子であれば溶出速度が緩慢
になると同時に、処理液に流入した可溶化結着樹脂が処
理液の粘性を上昇させ、特に自動機にて処理液を循環再
使用して多数枚の電子写真平版印刷版を断続的に処理す
るのであれば、溶出液の非画像部光導電層への滲透速度
が緩慢になるばかりか停機中の液供給系及びロール間で
の液固着等の欠点が発現し易くなる。
また、溶出の均質化を図るには、アルカリ可溶な光導
電層を設ける導電性支持体の表面形状(表面粗さ)にも
留意する必要がある。導電性支持体表面の粗さが粗く不
均一であれば、局部的に光導電層の厚みが変動するため
にサイドエッチの幅が変動するし、逆に導電性支持体表
面の粗さが高平滑であれば、支持体光導電層間の接着性
が低下することもあるが、溶出液と親水性支持体表面と
の親和性から支持体光導電層界面に溶出液が滲透し易く
なって、画像部光導電層が界面から剥離してしまう場合
があった。
(C)発明の目的 本発明の目的は、導電性支持体上に光導電層を設けた
印刷版であって、電子写真方式により走査露光部に反転
現像にてトナー画像を形成後、トナー画像部以外の非画
像部光導電層のアルカリ溶出除去を行なって印刷版を作
製するための電子写真平版印刷版に関し、 a)光源に限定されず、例えば半導体レーザによる走査
露光に於ても実用的感度を有し、 b)画像の解像性等の良好な印刷版が得られ、 c)溶出ムラを抑制し、保水性を高くして印刷物地汚れ
の発生がなく、 d)従来のPS版同等以上の高耐刷力を有する、 電子写真平版印刷版を提供することである。
(D)目的に到達するための手段 本発明の諸目的は、光導電層接着性、溶出均一性、及
び保水性を確保するために中心線平均粗さ(Ra)が0.3
〜0.8μmなる酸化アルミニウム表面を有する導電性支
持体を印刷版基体として用い、長波長感光性、電子写真
特性、及び溶出時顔料残り等から、結着樹脂溶液に平均
粒径0.4μm以下に分散させた有機光導電性化合物であ
るフタロシアニンを含有する光導電層形成用分散液を塗
布してなる印刷版に、電子写真法により走査露光部に反
転現像にてトナー画像を形成させ、トナー画像部以外の
非画像部光導電層をアルカリ性溶出液によって溶出除去
して得られる電子写真平版印刷版に於て、光導電層結着
樹脂がカルボキシル機を有するビニル重合可能な単量体
を少なくとも樹脂単量体成分として有し、電子写真特
性、溶出速度、耐刷性(皮膜強度)、及び可溶後の光導
電層の処理液や処理装置への影響を考慮して、結着樹脂
中のカルボキシル基を有するビニル重合可能な単量体の
重量分率F(重量%)と結着樹脂の分子量Mの平方根と
の比F/M0.5が0.1〜0.8であることを特徴とする電子写真
平版印刷版により達成されることが判明した。
本発明に用いられる導電性支持体は、アルミニウム板
を基体とし、少なくとも光導電層を設ける面は中心線平
均粗さ(Ra)が0.3〜0.8μmなる酸化アルミニウム表面
を有する支持体である。その厚みは0.07〜2.0mm、より
好ましくは0.1〜0.5mmが良い。このアルミニウム板は、
アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含有しても良
く、従来公知・公用の素材を適宜使用することが出来
る。
上記中心線平均粗さRaとは、抽出曲線よりその中心線
の方向に測定長さLの部分を抜取り、その抜取り部分の
中心線をX軸、縦倍率の方向をZ軸とし、抽出曲線をZ
=f(x)で表した時に以下の式で与えられ、μm単位
で表示される。
即ち、Raは抽出曲線と中心線とにより囲まれる部分の
面積を測定長さで割った標準偏差を表す。
本発明に係わる中心線平均粗さRaは上記の式に準拠
し、カットオフ値0.8mm、測定長さが0.5mm、走査速度が
0.06mm/秒の条件で測定されたものであり、本発明に係
わる酸化アルミニウム表面を有する導電性支持体表面の
Raは、0.3〜0.8μmなる範囲の表面形状を有する。Raが
0.3μmより小さいと、光導電層との接着が脆弱となる
し、前記溶出剥離を誘引し易くなる。またRaが0.8μm
より大きいと、均質な光導電層の形成が困難となり、電
子写真特性及び溶出性にムラが発生し易くなる。本発明
に係わるより好ましい導電性支持体表面形状は、Ra=0.
40〜0.75μm、粗面ピット間隔30〜100μm、ISO 4287
/1に規定されるベアリングレングス(Rtp)が70〜85%
なる粗面を有していることである。
これら所望の表面形状を光導電層を設ける支持体面に
形成させるため、公知の方法で砂目立て、陽極酸化して
用いることが出来る。砂目立て処理に先立って、所望に
より界面活性剤またはアルカリ水溶液による脱脂処理す
る。砂目立て処理方法には、機械的粗面化法、電気化学
的粗面化法、化学的表面選択溶解法等がある。機械的粗
面化法には、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研
磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることが出来
る。また電気化学的粗面化法には、塩酸或は硝酸電解液
中で、交流か直流により行なう方法がある。また、特開
昭54−63902号公報に開示の如く、両者を組合わせた方
法等も利用出来る。
この様に粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じ
てアルカリエッチング処理及び中和処理して用いる。
上記処理を施されたアルミニウム板は、その表面に酸
化皮膜を形成させるため陽極酸化処理される。陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、硫酸、リン酸、しゅ
う酸等の、或はそれらの混酸が用いられ、それらの電解
質やその濃度は電解質の種類によって適宜決定される。
陽極酸化皮膜量は0.10〜10g/m2が良く、更には1.0〜6.0
g/m2の範囲が好適である。
導電性支持体と光導電層との間には、密着性や電子写
真特性等の向上のため、必要に応じ中間層を設けても良
い。
この様にして得られた導電性支持体上に所望の電子写
真光導電層を設けて、電子写真感光体を得ることが出来
る。
本発明に係わる光導電層に用いる光導電性化合物とし
ては、フタロシアニンを用いる。フタロシアニンは、特
公昭40−2780号、同45−8102号、同45−11021号、同46
−42511号、同46−42512号、同48−163号、同49−17535
号、同50−5059号、及び特開昭64−569号、同64−17066
号、同64−45474号、特開平1−144057号、同1−15375
7号、同1−217362号、同1−221459号、同1−252967
号、同1−285952号、同1−312551号、同2−8256号、
同2−16570号公報等に記載の光導電性フタロシアニン
系顔料であって、一般式(C8H4N24Rnで示され、Rは
水素、リシウム、ナトリウム、カリウム、銅、銀、ベリ
リウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、カドミウ
ム、バリウム、水銀、アルミニウム、インジウム、ルテ
ニウム、チタン、錫、ハフニウム、鉛、バナジウム、ア
ンチモン、クロム、モリブデン、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、オスミウム、及
び白金であり、nは0〜2である。
これらのうちでα、β、γ、π、τ、χ、及びε型無
金属フタロシアニン、または銅、マグネシウム、コバル
ト、鉛、亜鉛、チタニル(TiO)等の金属フタロシアニ
ンが好ましく、更にHe−Neレーザ、半導体レーザ等の光
源の対応して長波長領域に於いても光感度を有するχ型
無金属フタロシアニン、β型銅フタロシアニン、及びチ
タニルフタロシアニンが好適である。
また、少なくとも光導電層塗液中に於けるこれらの平
均粒径は、光導電層形成後の電子写真特性、溶出顔料残
り等の諸特性から、0.4μm以下に分散させることが肝
要であり、より好ましくは0.2μm以下なることが良
い。
本発明に係わる光導電性化合物は上記のフタロシアニ
ンだけに限定されず、所望によりこれまで公知の光導電
性化合物を併用しても良い。
本発明に係わる電子写真印刷版用光導電層には、上記
フタロシアニンの他に少なくとも結着樹脂を含有する。
本発明に係わる電子写真光導電層は、最終的に非画像部
光導電層を除去する必要があるが、この工程は光導電層
の溶出液に対する溶解性とトナー画像の溶出液に対する
レジスト性との相対的関係によって決定され、一概に表
現出来ないが、本発明に於ては結着樹脂を構成する単量
体に少なくともカルボキシル基を有するビニル重合可能
な単量体を含む結着樹脂を少なくとも1種含有し、後述
の溶出液に可溶或は分散可能な高分子化合物が好まし
い。
本発明に係わるカルボキシル基を有する単量体を含む
結着樹脂の具体例としては、スチレン/マレイン酸モノ
エステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステ
ル共重合体、メタクリル酸/アクリル酸エステル/メタ
クリル酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/
メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタク
リル酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重
合体、安息香酸ビニル/クロトン酸、酢酸ビニル/クロ
トン酸/メタクリル酸エステル共重合体等のスチレン、
メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニル等とアクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等のカル
ボン酸含有単量体或は二塩基酸モノエステル含有単量体
との共重合体や、更にメタクリル酸アミド、ビニルピロ
リドン、アクリロイルモルホリン、フェノール性水酸
基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド
基を有する単量体を含有する共重合体を挙げることが出
来る。
これらの内、特に好ましいカルボキシル基有する単量
体含有共重合体としては、スチレンとマレイン酸モノエ
ステルとの共重合体、アクリル酸或はメタクリル酸とそ
れらのアルキルエステル、アリールエステルまたはアラ
ルキルエステルとの二元以上の共重合体が好ましい。ま
た、酢酸ビニルとクロトン酸も良い。本発明に係わる結
着樹脂は、その構成単位に少なくともカルボキシル基含
有単量体を含有していれば、単独でも或は2種以上を混
合して用いても良い。2種以上の結着樹脂を混合して用
いる場合には、構成単量体が全てカルボキシル基を含有
しないタイプの結着樹脂とカルボキシル基含有結着樹脂
とを混合しても良い。
上記カルボキシル基を含有しないタイプの結着樹脂と
しては、スチレン/無水マレイン酸共重合体、メタクリ
ル酸アミド、ビニルピロリドン、フェノール性水酸基、
スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基を
有する単量体とカルボキシル基を含有しない単量体とお
共重合体、フェノール樹脂、部分ケン化酢酸ビニル樹
脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール等のビニルア
セタール樹脂等を挙げることが出来る。
本発明に係わる光導電層に用いる結着樹脂に於ては、
低分子であれば皮膜強度(耐刷性)に劣り、高分子であ
れば溶出速度が緩慢になると同時に、処理液を流入した
可溶化結着樹脂が処理液の粘性を上昇させ、特に自動機
にて処理液を循環再使用して多数枚の電子写真平版印刷
版を断続的に処理するのであれば、溶出液の非画像部光
導電層への滲透速度が緩慢になるばかりか、停機中の液
供給系及びロール間での液固着等の欠点が発現し易くな
るためその分子量は特に重要であり、用いる結着樹脂に
於て所望する特性を有利に発現させるため適誼特定する
必要があるが、一般に4000〜150000が好ましく、更には
5000〜80000が好適である。分子量の測定は従来から行
なわれている種々の方法が利用出来るが、本発明に於て
はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を
用い、ポリスチレン換算による値を採用する。
また、諸電子写真特性及び溶出性の観点から、結着樹
脂の構成単量体であるカルボキシル基を有する単量体の
結着樹脂全体に対する重量分率は、結着樹脂を構成する
単量体の種類にもよるが、総じて5〜60重量%が好まし
く、更には20〜50重量%が好適である。カルボキシル基
を有する単量体の結着樹脂全体に対する重量分率が高い
と、電子写真特性中特に暗減衰に悪影響を及ぼすので、
特に本発明の様に潜像形成を走査露光で行なう場合は、
カルボキシル基を有する単量体の結着樹脂全体に対する
重量分率は低めに設定するのが肝要である。
上記の如く、溶出性は用いる結着樹脂の分子量と結着
樹脂の構成単量体であるカルボキシル基を有する単量体
の結着樹脂全体に対する重量分率との双方に影響され、
特に前者の変動に対しては緩慢であるが後者は相応に影
響を及ぼし、前後者の関係の詳細なる検討の結果、これ
らの関係は結着樹脂中のカルボキシル基を有する単量体
の重量分率F(重量%)と結着樹脂の分子量Mの平方根
との比F/M0.5によって整理され、それが0.1〜0.8なる範
囲が良い。より好適なF/M0.5の範囲は、0.15〜0.50であ
る。
フタロシアニンと結着樹脂と混合比は、フタロシアニ
ンの含有量が少ないと低感度となるため、結着樹脂100
重量部に対してそれが5重量部以上、より好ましくは15
重量部以上を混合して使用することが好適である。また
光導電層膜厚は、薄いとトナー現像に必要な電荷が帯電
出来ず、逆に厚いと溶出液の劣化を促進するばかりか溶
出の際にサイドエッチを誘引して良好な画像が得られな
いため、0.10〜30μmが、より好ましくは0.50〜10μm
が良い。
本発明に係わる電子写真平版印刷版は、常法に従って
光導電層を導電性支持体上に塗布して得られる。光導電
層の作製に当たっては、光導電層を構成する成分を同一
層中に含有させる方法、或は二層以上の層に分離して含
有させる方法、例えば下層(支持体側)に易溶出性、強
接着性の結着樹脂を配置し、上層にフタロシアニン含量
を増加させる等、異なる層に分離して用いる方法等が知
られており、何れの方法にても作製することが出来る。
塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒に溶
解分散して作製するが、フタロシアニン等溶媒に不要な
成分を用いるため、ボールミル、ペイントシェィカー、
ダイノミル、アトライター等の分散機により平均粒径0.
4μm以下、より好ましくは0.2μm以下に分散して用い
る。光導電層に使用する結着樹脂、その他の添加剤はフ
タロシアニン等の分散時或は分散後に添加することが出
来る。この様にして作製した塗布液を回転塗布、ブレー
ド塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、ディップ塗
布、ロッドバー塗布、スプレー塗布、エクストルージョ
ン塗布等公知の方法で支持体上に塗布乾燥して電子写真
平版印刷版を得ることができる。
光導電層には必要に応じ、フタロシアニン及び結着樹
脂の他に光導電層の柔軟性、塗布面状等の膜物性を改良
する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添加物を添
加できる。
本発明に於て使用する電子写真平版印刷版は、前述の
電子写真感光体を用いて公知の操作によって作製するこ
とが出来る。即ち、暗所で実質的に一様に帯電し、画像
露光により静電潜像を形成する。従来から知られる露光
方法としては、キセノンランプ、タングステンランプ、
蛍光灯等を光源として反射画像露光、透明陽画フィルム
を通した密着露光や、レーザ光、発光ダイオード等によ
る走査露光が挙げられるが、本発明に於ては走査露光を
行ない、その光源及び露光方法は、He−Neレーザ、アル
ゴンイオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、ルビーレ
ーザ、YAGレーザ、窒素レーザ、色素レーザ、エキサイ
マーレーザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsPの様な半導体レーザ
等のレーザ光源による走査露光、或は発光ダイオード、
液晶シャッタを利用した走査露光(発光ダイオードアレ
イ、液晶シャッタアレイ等を用いたラインプリンタ型の
光源も含む)によって露光することが出来る。
次に、上記静電潜像をトナーによって現像する。現像
方法としては、乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラ
シ現像、パウダクラウド現像)、液体現像の何れも使用
出来る。殊に液体現像法はトナー微細な画像を形成出
来、再現性良い印刷版を作製するのに好適である。更
に、正現像によるポジ/ポジ現像や、適当なバイアス電
圧の印加の下反転現像によるネガ/ポジ現像も可能であ
るが、本発明に於ては走査露光の利点を活かすため、画
像露光部に反転現象にてトナー現像を行なう。形成され
たトナー画像は公知の定着法、例えば加熱定着、圧力定
着、溶剤定着等により定着出来る。この様に形成したト
ナー画像をレジストとして、非画像部光導電層を溶出液
により除去して印刷版が作製出来る。
本発明に係わるトナーは、前記溶出液に対してレジス
ト性を有する樹脂成分を含有していることが必要であ
る。樹脂成分としては、例えばメタクリル酸、メタクリ
ル酸エステル等をから成るアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとエチレンまたは塩化ビニル等と共重合
体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニル
ブチラールの様なビニルアセタール樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンとブタジエン、メタクリル酸エステル等と
の共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩
化物、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンイソ
フタレート等のポリエステル樹脂、ポリカプラミド等の
ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が
挙げられる。
また、トナーには現像或は定着等に悪影響を及ぼさな
い範囲で、色素や電荷制御剤を含有させることも出来
る。
トナー現像を完了した電子写真平版印刷版は、次にア
ルカリ溶出液等の処理液によって処理する。
本発明に係わる溶出液としては、アルカリ剤を含有し
液調製pH付近に緩衝能を有する水溶液が望ましい。含有
させるアルカリ剤としては、一般式SiO2/A2O(Aはアル
カリ金属原子を表わす)で表現される珪酸塩、アルカリ
金属水酸化物、リン酸や炭酸のアルカリ金属及びアンモ
ニウム塩等の無機アルカリ剤、エタノールアミン類、エ
チレンジアミン、プロパンジアミン類、モルホリン等の
有機アルカリ剤、及びこれらの混合物を用いることが出
来るが、特に上記珪酸塩は適当なアルカリ強度と高pHで
強い緩衝能とを示すため、本発明に係わる溶出液には珪
酸塩が有利に使用される。
本発明に係わる溶出液には更に、特開昭55−25100号
公報記載のイオン性化合物、特開昭55−95946号公報記
載の水溶液カチオニックポリマ、特開昭56−142528号公
報記載の水溶性両性高分子電解質、特開昭58−75152号
公報記載の中性塩、特開昭58−190952号公報記載のキレ
ート剤、特開平1−177541号公報記載の液粘度調整剤、
特開昭63−226657号公報記載の防腐剤や殺菌剤、及び各
種界面活性剤、天然及び合成水溶性ポリマ等の公知の成
分を必要に応じ含有させることが出来る。
溶出液に於ける溶媒は、上記成分を安定して分散溶解
し得るものであれば特に限定されないが、軟水が更に好
ましくはイオン交換した水が有利に用いられる。また、
上記アルカリ剤を除いた溶出液組成を含有する溶液に於
て、実質的に溶出が起こらない量で、上記成分をより安
定的に混合分散するため、溶出液有効成分と共に最小限
度の有機溶剤を添加含有しても良い。
本発明の溶出液に係わる珪酸塩の好ましい性状は、Si
O2/A2O=0.5〜8.5(モル換算)が良く、更には1.2〜4.0
の範囲が好ましい。溶出液とする場合には、更にアルカ
リ金属水酸化物を適量添加することが好ましい。その
際、アルカリ金属酸化物(A2O)のトータル量に対する
珪酸(SiO2)のモル比が、SiO2/A2O=1.2〜3.6の範囲が
好適である。また、溶出液中のアルカリ剤濃度は溶出速
度を決定する主要因の一つであるが、本発明に於ては0.
5〜50重量%、より好ましくは2〜40重量%が良い。溶
出液のpHは、11.5〜14.0、より好ましくは12.0〜13.5が
良く、多数枚通版や液経時に於けるpH変動に際しては、
所望の補充液を適時添加して溶出活性度の向上を図るこ
とが望ましい。
溶出時間、即ち溶出液が印刷版に接触してから更に水
洗液と接触するまでの時間は、短かければ溶出不良や印
刷経時に於ける地汚れを招き、長ければ画線細りや溶出
液中への光導電層の過度の流入を招く。本発明に係わる
溶出時間は溶出液処方によって特定されるが、2〜20秒
の範囲、より好ましくは4〜15秒の範囲で実施される。
本発明の実施に当たって溶出液の処方と時間とを決定
する際には、溶出すべき平版印刷版光導電層の被溶出特
性に合わせることが肝要である。本発明に於ては、溶出
液中のアルカリ金属酸化物A2O(A=Li、Na、K)の総
濃度(重量%)と溶出時間(秒)との積(重量%・秒)
が4〜25、より好ましくは6〜20なる範囲が良い。更に
適性溶出時間は電子写真平版印刷版に於ける光導電層を
含む塗布層中の単位面積当たりの被溶出成分重量(溶出
成分量;g/m2)のに対応して変動するから、上記溶出力
積と溶出成分量との比〔溶出力積〕/〔溶出成分量〕が
0.8〜6.0なる範囲、より好ましくは1.0〜5.0で製版する
ことが望ましい。
本発明に係わる自動溶出機は、少なくとも溶出部及び
水洗部を有し、更に版面保護剤塗布部を有する構造のも
のが好ましいが、平版印刷版を自動搬送して少なくとも
溶出及びリンス(水洗)処理出来れば良く、各部仕様に
ついては特に限定されないが、溶出液の経時劣化を考慮
した場合、光導電層面への溶出液の供給は方法によって
は可溶化した光導電層が溶出部にて多量に版上から溶出
液へと流入して劣化を促進する可能性があるので、溶出
液は出来るだけソフトに供給することが望ましい。溶出
部をソフトに供給する方法としては、溶出液供給管から
吐出した液を別の部材、例えば整流板、版搬送上ロール
等、を通じて光導電層に均一に供給する方式が好適であ
る。その際の溶出液の吐出量は、印刷版に一様に供給し
得る最低量で良いが、水洗部へ搬送される時に印刷版が
持出す液量の1.5〜100倍、より好ましくは5.0〜50倍が
良い。また、溶出液持出し量は出来るだけ少ない方が良
く、10g/m2以下になる様機械的に調整することが望まし
い。
水洗部では、水洗液を版上に供給して速やかに可溶化
した光導電層と余剰の溶出液とを完全に除去し得る機構
でなければならない。液は飛散が抑制出来る機構であれ
ば可溶化した光導電層に直接供給しても良いし、特開昭
60−76395号公報記載の溶出促進部材を水洗機構に応用
しても良い。また、本発明に係る水洗部に於ては、回転
するブラシを直接光導電層に接触させて可溶化した光導
電層を掻落とすことも出来るが、通常可溶化した光導電
層は機械的掻落しなしに容易に除去出来ること、及びサ
イドエッチの悪化を促進することがあるこ等から、その
使用は望ましくない。本発明に係わる水洗液は使い捨て
方式でも循環再使用方式でも良く、或は所望によりその
他の方式も利用出来る。
本発明に用いることの出来る水洗液は、余剰の溶出液
と可溶化した光導電層とが速やかに液中に拡散溶解出来
る性能を有するものである。その水洗液には、少なくと
も7.0〜10.5に酸解離指数(pKa)を有する化合物を最終
的に含有させて、そのpHを10.5以下に保持することが望
ましい。この化合物(以下、水洗液に添加する少なくと
も7.0〜10.5に酸解離指数(pKa)を有する化合物を単に
化合物と記載する。)は、少なくとも化合物を含有しな
い水であっても最初のうちは充分に水洗処理が行なえる
ため、水洗液として最初は化合物を含有しない液を用
い、後添加して「最終的に」水洗液に含有させても良い
し、製版に先立って水洗液に添加しておいても良い。前
者(後添加)の場合、添加開始は水洗液のpHが8.5〜10.
5、より好ましくは9.5〜10.0の範囲が望ましい。また、
特に版サイズが一定であれば、非画像部(被溶出部)面
積が大きく異ならないかぎり、水洗液のpH上昇は通版量
(枚数)にほぼ比例するため、一定枚数毎に本発明に係
わる化合物を添加することが出来る。後者(先添加)の
場合に於ても、多数枚通版中に水洗液のpH上昇に応じて
更に添加出来る。また、製版に先だって化合物を添加し
ておく時は、化合物単独で添加しても良いし、予め水に
分散或は溶解させたものを用いても良い。水溶液とする
際には、少量の有機溶剤をもって溶解を促進させて良
い。特に化合物が水溶性の固体であればそれを水洗槽中
に浸漬させておき、通版中の液流動やpH変動によって漸
次溶解する様にしておいても良い。水戦液のpHは、常に
10.5以下にしておく必要があるが、少なくとも化合物含
有水洗液に於ては7.5〜10.5の範囲、より好ましくは8.0
〜10.0の範囲に保持することが望ましい。
水洗液に添加する化合物は7.0〜10.5に酸解離指数(p
Ka)を有するもので、化合物により複数の解離段を有す
るものに於ては、少なくとも酸解離指数(pKa)の一つ
が7.0〜10.5に有れば良い。7.0〜10.5に酸解離指数(pK
a)を有する化合物の例としては、例えば「化学便覧.
基礎編II」日本化学会編、昭和59年改訂3版、丸善株式
会社発行、II−339〜II−342頁に記載されており、これ
らのうち本発明に規定されるpKaを有する化合物は全て
使用出来る。これらのうち特にアスパラギン酸、アラニ
ン、グリシン、グルタミン酸等のアミン酸及びそれらの
塩が好適である。これらの化合物は2種以上を混合して
添加しても良いし、先添加と後添加で異なる化合物を用
いても良い。また、これらの化合物は適当な酸或は塩基
性化合物との混合物(塩)を用いても良いし、pH調整や
溶解促進のため、水溶液(水分散液)にするに当たっ
て、適当な酸或は塩基性化合物を併用しても良い。特に
化合物含有溶液を後添加する場合は、そのpHを6.0〜9.
5、より好ましくは7.0〜8.0に調整して添加することが
望ましい。化合物の水洗液への添加量は、0.040〜10重
量%が、より好まくは0.10〜5.0重量%が好適である。
水洗後を循環再使用して水洗に供す場合は、経時で空
気中の細菌等か混入し、水洗効果を低下させるばかりか
異臭等を発して好ましくないので、水洗液には更に防腐
剤及び/または殺菌剤を含有させることが望ましい。
本発明の電子写真平版印刷版を製版するには自動溶出
機が好ましく、更に少なくとも溶出部及び水洗部を有
し、更に版面保護剤塗布部を有する構造のものが好まし
いが、平版印刷版を自動搬送して少なくとも溶出及びリ
ンス(水洗)処理出来れば良く、各部仕様については特
に限定されない。しかしながら、溶出液の経時劣化を考
慮した場合、光導電層面への溶出液の供給は方法によっ
ては可溶化した光導電層が溶出部にて多量に版上から溶
出液への流入して劣化を促進する可能性があるので、溶
出液は出来るだけソフトに供給することが望ましい。溶
出部をソフトに供給する方法としては、溶出液供給管か
ら吐出した液を別の部材、例えば整流板、版搬送上ロー
ル等、を通じて光導電層に均一に供給する方式が好適で
ある。その際の溶出液の吐出量は、印刷版に一様に供給
し得る最低量で良いが、水洗部へ搬送される時に印刷版
が持出す液量の1.5〜100倍、より好ましくは5.0〜50倍
が良い。また、溶出液持出し量は出来るだけ少ない方が
良く、10g/m2以下になる様機械的に調整することが望ま
しい。
水洗処理された電子写真平版印刷版は、必要に応じ酸
性物質を含有するリンス液で処理する。
本発明に用いることの出来るリンス液は、製版処理さ
れる電子写真平版印刷光導電層中の結着樹脂が再凝集し
ない様に液pHが調整されたものが望ましい。即ち、リン
ス液の初期pHが最低限結着樹脂の不溶化を促進しなれ
ば、少なくとも液循環通版中には中性以上の液pHを有す
る水洗液と共に流入する結着樹脂は可溶化状態を保持
し、従って結着樹脂の再不溶化による上記トラブルを防
止出来る。しかしながら、リンス液は僅かながらでもこ
の後通常行なわれる版面保護処理用の保護ガム液に流入
するため、リンス液のpHが高ければ、保護ゴム液のpHも
必然的に早期に上昇し、版面保護効果も減衰するため、
リンス液のpHは7以下に保持することが望ましい。
このリンス液には、液pHを調整するために種々の試材
を添加することが出来る。特に自動溶出機等で多数枚の
電子写真平版印刷版をより安定的に処理するためには、
少なくともリンス液に於ても多数枚製版中に液pHが変動
しないことが望ましいから、酸及び緩衝剤としての水溶
性塩の少なくとも何れかを含有させておくことが望まし
い。これにより、本発明に係わるリンス液を電子写真平
版印刷版に施した場合に、版上に残留する溶出液等に起
因する塩基性成分が中和され、非画像部がより親水性と
なる。
非画像部光導電層を除去した電子写真平版印刷版は、
版面の耐傷強度の向上及び非画像部不感脂化等の目的
で、保護ガム処理される。
本発明に用いることの出来る保護ガム液には、高分子
化合物、親油性物質、及び界面活性剤等を含み、これら
の試剤は全て公知のものが利用出来る。
(E)実施例 本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発
明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に限定され
るものではない。
また、結着樹脂中のカルボキシル基を有するビニル重
合可能な単量体の重量分率F(重量%)と結着樹脂の分
子量Mの平方根との比は、以降F/M0.5として記載する。
実施例1 JIS1050アルミニウムシートを60℃、10%NaOH水溶液
に浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して
中和し、充分水洗した。その後、3.0%塩酸水溶液中
で、35A/dm2、50秒間電解粗面化を行ない、50℃、20%
硫酸水溶液中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。
更に、20%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、表面
に酸化アルミニウム皮膜を形成させ、水洗、乾燥するこ
とにより、印刷版用支持体を作製した。この時、支持体
酸化アルミニウム表面の中心線平均粗さRaは、0.55μm
であった。
この支持体表面処理面に、ペイントシェィカーにてχ
型無金属フタロシアニンの平均粒径が0.2μm程度に分
散させた下記の光導電性組成物を、バーコーターで固型
分塗布量が4.5g/m2となる様塗布後、90℃5分間乾燥し
て電子写真平版印刷版(印刷版NO.1)を作製した。
光導電層塗液1組成 ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(メタク
リル酸40重量%、分子量3万) 18重量部 χ型無金属フタロシアニン 4重量部 酢酸ブチル 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.23 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、半導
体レーザ(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、LOM−ED III)で液体
反転現像を行ない、トナーを熱定着して光導電層上にト
ナー画像を得た。
次に、下記に示す様な自動溶出機、溶出液、水溶液、
及びリンス液により製版処理を行なった。
1)自動溶出機 溶出槽とそれに続く水洗槽、リンス槽とを有し、トナ
ー現像済みの電子写真平版印刷版を搬送する駆動装置
と、各処理槽の処理液を貯溜槽→ポンプ→スプレーノズ
ル→貯溜槽のサイクルで循環させる装置、及び各処理槽
への補充装置を有する自動機を用いた。
2)溶出液1組成(20dm3) 珪酸ナトリウム水溶液(SiO2分30重量%、SiO2/Na2O
モル比2.5) 25重量部 水酸化カリウム 1重量部 純水 74重量部 3)水洗液1組成(20dm3) ジオクチルスルホこはく酸Na 0.1重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量部 を純水に分散溶解して100重量部とした液を水洗槽に仕
込み、100版(A2サイズ)製版後から印刷版10版処理す
る毎に5重量%β−アラニン水溶液15mlを添加した。
4)リンス液1組成(20dm3) こはく酸 0.5 重量部 リン酸(85%水溶液) 0.5 重量部 デカグリセリルモノラウレート 0.05重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量部 これに水酸化ナトリウムを添加して液pHを4.7とした
後、純水で100重量部とした。
以上の処理液を用いて製版した(溶出時間は8秒に設
定)ところ、サイドエッチは片側約3μmでその変動も
僅かであり、製版した全ての印刷版に於て比画像部の溶
出遅れ(顔料残り)等の故障は観られなかった。
次に、この印刷版を用いてオフセット印刷機(ハマダ
スター 600 CD)にて印刷を行なったところ、少なく
とも10万枚までは印刷物に汚れの発生もなく良好な印刷
物が得られた。
実施例2 実施例1で作製した導電性支持体の表面処理工程中、
電解粗面化時間を変更して新たに第1表記載の表面形状
を有する印刷版支持体を作製した。これに上記光導電層
塗液1を塗布して、電子写真平版印刷版を得た。これら
の印刷版を用いてオフセット印刷機(ハマダスター 60
0 CD)にて印刷を行なった。
印刷結果も併せて第1表に記載する。
第1表より明らかな様に、印刷版NO.2(本発明外)は
耐刷性に劣り、印刷途中に光導電層剥がれが発生した。
また、印刷版NO.7(本発明外)は、光導電層表面の中心
線平均粗さも大きくなる関係上、トナー画像解像力が悪
化し、また溶出に於ては支持体表面谷部に光導電層が溶
出仕切れずに残存することが原因とみられる印刷地汚れ
が発生した。また、サイドエッチが大きく変動して一部
にトナー細線飛びが発生した。
一方、印刷版NO.3〜6は耐刷性及び印刷地汚れに優
れ、印刷最後まで良好な印刷物が得られた。
実施例3 実施例1で作製した印刷版用支持体表面処理面に、下
記の光導電層組成物(塗液2〜8)を実施例1と同条件
で塗布して、電子写真平版印刷版を作製した。尚、これ
ら光導電層塗液中のχ型無金属フタロシアニンの平均粒
径は、何れも0.3μm以下であった。
光導電層塗液2組成(印刷版NO.8) ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート /アクリル酸共重合体 18重量部 (アクリル酸35重量%、分子量1.5万) χ型無金属フタロシアニン 4重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.29 光導電層塗液3組成(刷版NO.9) 2−エチルヘキシルアクリレート /メタクリル酸共重合体 18重量部 (メタクリル酸35重量%、分子量3.5万) χ型無金属フタロシアニン 4重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.19 光導電層塗液4組成(印刷版NO.10) スチレン/ブチルアクリレート /アクリル酸共重合体 18重量部 (重量比45:20:35、分子量1.2万) χ型無金属フタロシアニン 4重量部 キシレン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.32 光導電層塗液5組成(印刷版NO.11) スチレン/マレイン酸モノオクチルエステル共重合体 18重量部 (重量比60:40、分子量3万) χ型無金属フタロシアニン 4重量部 キシレン 40重量部 オキソラン 20重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.23 光導電層塗液6組成(印刷版NO.12) スチレン/アクリル酸共重合体 18重量部 (重量比50:50、分子量0.5万) χ型無金属フタロシアニン 4重量部 キシレン 40重量部 オキソラン 20重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.71 光導電層塗液7組成(印刷版NO.13) 安息香酸ビニル/クロトン酸 18重量部 (重量比75:25、分子量2.5万) χ型無金属フタロシアニン 4重量部 オキソラン 78重量部 註)F/M0.5=0.16 光導電層塗液8組成(印刷版NO.14) ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (重量比70:30、分子量1万) 18重量部 χ型無金属フタロシアニン 4重量部 メチルセロソルブアセテート 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.30 得られた各電子写真平版印刷版(印刷版NO.8〜14)を
実施例1と同様にトナー現像したところ、全てが実施例
1の印刷版現像物と同等の解像力及び画質を有してい
た。
次に、以上のトナー現像済み印刷版について処理液を
用いて製版した(溶出時間はサイドエッチが片側約3μ
m程度に溶出される様設定)ところ、製版した全ての印
刷版に於て非画像部の溶出遅れ(顔料残り)等の溶出故
障は観られなかった。
また、これらの印刷版を用いてオフセット印刷機(ハ
マダスター 600 CD)にて印刷を行なったところ、印
刷した全ての印刷版に付き、少なくとも10万枚までは印
刷物に汚れの発生や画像剥離もなく良好な印刷物が得ら
れた。
実施例4 JIS1050アルミニウムシートを60℃、10%NaOH水溶液
に浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して
中和し、充分水洗した。その後、2.0%硝酸水溶液中
で、25秒間電解粗面化を行ない、50℃、20%硫酸水溶液
中に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。更に、20%
硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、水洗、乾燥する
ことにより、印刷版用支持体を作製した。この他、支持
体表面処理面の中心線平均粗さ(Ra)は0.52μmであっ
た。
この支持体表面処理面に、ペイントシェィカーにてχ
型無金属フタロシアニンの平均粒径が0.2μm程度に分
散させた下記の光導電性組成物を、バーコーターで固型
分塗布量が4.5g/m2となる様塗布後、90℃5分間乾燥し
て電子写真平版印刷版(印刷版NO.15)を作製した。
光導電層塗液9組成 ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (重量比70:30、分子量2万) 18重量部 チタニルフタロシアニン 3重量部 メチルセロソルブアセテート 66重量部 2−プロパノール 12重量部 註)F/M0.5=0.21 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、半導
体レーザ(780nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電圧トナー(三菱製紙(株)製、LOM−ED III)で液体
反転現像を行ないトナーを熱定着したところ、光導電層
上に解像力50本/mmのトナー画像が再現性良く得られ
た。また、画像の鮮鋭度も良好であった。
次に、下記に示す様な溶出液、水洗液、及びリンス液
により製版処理を行なった。
溶出液2組成 珪酸カリウム水溶液(SiO2分20重量%、SiO2/K2Oモル比
3.5) 30重量部 水酸化ナトリウム 1重量部 純水 69重量部 水洗液2組成(20dm3) ジオクチルスホこはく酸Na 0.1 重量部 p−ヒドロキシ安息香酸ブチル 0.01重量部 を純水に分散溶解して100重量部とした液を水洗槽に仕
込み、100版製版後から印刷版(A2サイズ)10版処理す
る毎に5重量%グリシン水溶液15mlを添加した。
リンス液2組成(20dm3) こはく酸 0.2 重量部 くえん酸 0.3 重量部 ソルビタンモノラウレート 0.05重量部 2−メチル−3−イソチアゾロン 0.01重量部 これに水酸化ナトリウムを添加して液pHを4.7とした
後、純水で100重量部とした。
以上の処理液を用いて製版した(溶出時間は8秒に設
定)ところ、サイドエッチは片側約3μm程度でその変
動も僅かであり、製版した全ての印刷版に於て非画像部
の溶出遅れ(顔料残り)等の故障は観られなかった。
次に、この印刷版を用いて印刷を行なったところ、少
なくとも10万枚までは印刷物に汚れの発生もなく、良好
な印刷物が得られた。
実施例5 実施例1、光導電層塗液1組成に用いたブチルメタク
リレート/メタクリル酸共重合体結着樹脂に換えて、両
単量体の共重合比(重量比)とその分子量を変更した樹
脂(性状は第2表に記載)を用い、同重量組成で新たに
作製した光導電層塗液組成(塗液10〜20;χ型無金属フ
タロシアニンの分散粒径は光導電層塗液1のそれと殆ど
同等)につき、実施例で作製した支持体に塗布し、しか
る後にトナー画像を形成させた。電子写真特性、特に帯
電性及び暗減衰特性は、結着樹脂分子量が同等であれば
カルボキシル基の含有率が増加するにつれ悪化する傾向
であった。これらトナー現像済みの印刷版を、続いてサ
イドエッチ基準(片側2μm)で溶出処理し、次いでこ
れらの印刷版(印刷版NO.16〜26)を用いて印刷を行な
った。得られた結果も第2表に記す。
第2表より、結着樹脂中のカルボキシル基を有するビ
ニル重合可能な単量体の重量分率Fと結着樹脂の分子量
Mの平方根との比F/M0.5が小さいと総じて溶出速度が緩
慢で、印刷版NO.19(本発明外)はサイドエッチを抑制
(片側〜3μm)した溶出条件では、非画像部支持体表
面凹部に溶出不良(顔料残り)が発生し、印刷中に全面
が地汚れが発生した。また、印刷版NO.18は溶出液が新
しければ問題なかったが、多数枚製版で溶出液が劣化す
ると、見掛け上非画像部支持体上に顔料残りは観られな
かったものの、印刷中に淡く地汚れが発生した。他の印
刷版においては、溶出遅れや印刷地汚れは多数枚製版で
も発生しなかった。
一方、F/M0.5が大きいと溶出は総じて迅速に完了し、
顔料残りや印刷地汚れは問題ないが、溶出寛容性が低下
して同印刷版間のサイドエッチのバラツキが大きかっ
た。特に印刷版NO.25(本発明外)では、耐刷の比較的
初期段階に細線部分に画像飛びが発生した。
印刷版NO.16、17、20〜24、及び26は、溶出及び印刷
共何等問題なかった。
実施例6 実施例4で作製した印刷版用支持体表面処理面に、下
記の光導電層組成物をペイントシェィカーにて分散時間
を変更して調液した。この分散時間変更液をバーコータ
ーで塗布後、90℃5分間乾燥して電子写真平版印刷版を
作製した。また、塗布中に塗液を分取し、フタロシアニ
ンの粒度分布を計測してその平均粒径を求めた。
光導電層塗液21組成 ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート /メタアクリル酸共重合体 18重量部 (アクリル酸35重量%、分子量1.5万) χ型無金属フタロシアニン 4重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.29 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、He−
Neレーザ(633nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、LOM−ED III)で液体
反転現像を行ない、トナーを熱定着して得られたトナー
画像の画質を官能的に評価した。
得られた結果を第3表に示す。
第3表からも明から様に、分散時間が短かく調液時の
分散性に劣る、則ち平均粒径の大きなフタロシアニンの
存在する塗液を用いた場合、得られた印刷版(印刷版N
O.27)は他に比して光導電層表面光沢が低下し、形成さ
れた画像は鮮鋭性に欠け、更には溶出時に顔料残りが発
生する。
一方、分散性を向上させフタロシアニン分散平均粒径
が少なくとも0.4μm以下(印刷版NO.28〜30)であれ
ば、画像は鮮鋭となり、溶出時にも顔料残りが発生しな
い。
実施例7 実施例4で作製した支持体表面処理面に、ペイントシ
ェィカーにてフタロシアニンの平均粒径が0.4μm以下
に分散させた下記の光導電性組成物を、バーコーターで
固型分塗布量が4.5g/m2となる様塗布後、90℃5分間乾
燥して電子写真平版印刷版(印刷版NO.31〜37)を作製
した。光導電層塗液22組成(印刷版NO.31) ブチルメタクリレート/ブチルアクリレート /アクリル酸共重合体 18重量部 (アクリル酸30重量%、分子量1.5万) β型銅フタロシアニン 4重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.24 光導電層塗液23組成(印刷版NO.32) 2−エチルヘキシルアクリレート /メタクリル酸共重合体 18重量部 (メタクリル酸35重量%、分子量3万) β型銅フタロシアニン 4重量部 1,4−ジオキサン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.20 光導電層塗液24組成(印刷版NO.33) スチレン/ブチルアクリレート /アクリル酸共重合体 18重量部 (重量比40:25:35、分子量1.5万) β型銅フタロシアニン 4重量部 キシレン 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.29 光導電層塗液25組成(印刷版NO.34) スチレン/マレイン酸モノオクチルエステル共重合体 18重量部 (重量比60:40、分子量3万) β型銅フタロシアニン 4重量部 キシレン 40重量部 オキソラン 20重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.23 光導電層塗液26組成(印刷版NO.35) 安息香酸ビニル/クロトン酸 18重量部 (重量比75:25、分子量2.5万) チタニルフタロシアニン 4重量部 オキソラン 72重量部 2−フランメタナール 6重量部 註)F/M0.5=0.16 光導電層塗液27組成(印刷版NO.36) ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (重量比70:30、分子量2万) 18重量部 チタニルフタロシアニン 4重量部 メチルセルソルブアセテート 60重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.21 光導電層塗液28組成(印刷版NO.37) スチレン/アクリル酸共重合体 18重量部 (重量比50:50、分子量0.5万) β型銅フタロシアニン 4重量部 キシレン 40重量部 オキソラン 20重量部 2−プロパノール 18重量部 註)F/M0.5=0.71 得られた印刷版原版を暗所にてコロナ放電を与えて表
面電位(V0)が約+300Vとなる様に帯電させた後、He−
Neレーザ(633nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正
電荷トナー(三菱製紙(株)製、LOM−ED III)で液体
反転現像を行ないトナーを熱定着したところ、印刷版N
O.30〜35全ての光導電層上に解像力50本/mmのトナー画
像が再現性良く得られた。また、画像の鮮鋭度も良好で
あった。
(F)発明の効果 本発明の電子写真平版印刷版を用いることより、He−
Neレーザや半導体レーザによる走査露光に於ても実用的
感度を有し、画像解像性の良好な印刷版が得られ、保水
性が高く印刷物地汚れの発生がなく、従来の感光性平版
印刷版同等以上の高耐刷力を有する電子写真平版印刷版
を提供出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/05 G03G 13/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心線平均粗さ(Ra)が0.3〜0.8μmなる
    酸化アルミニウム表面を有する導電性支持体上に、結着
    樹脂溶液にフタロシアニンを平均粒径0.4μm以下に分
    散させた光導電層形成用分散液を塗布してなる印刷版
    に、電子写真法により走査露光部に反転現像にてトナー
    画像を形成させ、トナー画像部以外の非画像部光導電層
    をアルカリ性溶出液によって溶出除去した後に水洗処理
    して得られるアルカリ溶出型電子写真平版印刷版に於
    て、該結着樹脂がカルボキシル基を有するビニル重合可
    能な単量体を少なくとも樹脂単量体成分として含有し、
    かつ結着樹脂中のカルボキシル基を有するビニル重合可
    能な単量体の重量分率F(重量%)と結着樹脂の分子量
    Mの平方根との比F/M0.5が0.1〜0.8であることを特徴と
    する電子写真平版印刷版。
  2. 【請求項2】結着樹脂を構成する成分として更に、分子
    中にビニル基を有するカルボン酸エステル及びスチレン
    の少なくとも何れかを含有する請求項1記載の電子写真
    平版印刷版。
  3. 【請求項3】フタロシアニンが、χ型無金属フタロシア
    ニン、β型銅フタロシアニン、及びチタニルフタロシア
    ニンの少なくとも何れかである請求項1または2記載の
    電子写真平版印刷版。
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