JP3277290B2 - 平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版用原版

Info

Publication number
JP3277290B2
JP3277290B2 JP08224692A JP8224692A JP3277290B2 JP 3277290 B2 JP3277290 B2 JP 3277290B2 JP 08224692 A JP08224692 A JP 08224692A JP 8224692 A JP8224692 A JP 8224692A JP 3277290 B2 JP3277290 B2 JP 3277290B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cresol
photosensitive layer
lithographic printing
printing plate
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08224692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05281792A (ja
Inventor
桂 平井
康生 児島
聖 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP08224692A priority Critical patent/JP3277290B2/ja
Priority to US08/022,918 priority patent/US5437952A/en
Publication of JPH05281792A publication Critical patent/JPH05281792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3277290B2 publication Critical patent/JP3277290B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性支持体上に光導
電性物質及びキノンジアジド化合物を含有する感光性層
を有し、該感光性層上に電子写真方式でトナー像を形成
した後全面露光し、溶出現像して平版印刷版を作成する
平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式による平版印刷版の
製造方法として、支持体上に光導電性層を有する平版印
刷版用原版の該光導電性層上にトナー画像を形成した
後、溶出現像によりトナー層の無い部分の光導電性層を
除去して平版印刷版を作製する技術が知られている。
【0003】しかしながら、上記技術には、溶出現像の
際に、非画像部光導電性層より画像部すなわちトナー画
像形成部の下部に位置する光導電性層に溶出液が浸透
し、その部分が除去されてしまういわゆるサイドエッチ
が発生し、画像再現性及び安定性に劣る欠点があった。
即ち、サイドエッチの進行により、文字や細線が細り、
網点写真原稿においては階調再現性が低下し、ハライト
とシャドーで要求される微妙な再現が困難であった。ま
た、カラー印刷では色再現能力に欠けるものであった。
また、溶出液の活性度のふれを主因とする溶出工程での
変動がサイドエッチに影響を与え、一定の品質の印刷版
の製造が困難であった。さらに、上記の画像再現性を上
げるためにサイドエッチを抑制したときには、非画像部
に感光性層の成分が残存する溶出不良が発生しやすく、
印刷で汚れが発生しやすい問題があった。
【0004】一方、キノンジアジド化合物を含有する光
導電性層を有する平版印刷版用原版が英国特許第996,31
5号、特開昭57-90648号、同58-150953号、同60-194467
号等で知られている。これらの平版印刷版用原版は、光
導電性物質及びキノンジアジド化合物を含有する感光性
層上に電子写真方式でトナー画像を形成し、該トナー画
像を介して該感光性層を露光し、次いで溶出現像して平
版印刷版を得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、これ
らキノンジアジド化合物を光導電性層に含有させた公知
の技術は、サイドエッチ防止効果が十分でなく、前記し
たサイドエッチの問題が残されていた。特に高品位の印
刷を行うためには階調再現や色再現の能力が不十分であ
った。さらに、安定した品質の印刷版を得ることも困難
であり、サイドエッチを抑制する場合には汚れが発生し
やすくなる問題が残されていた。また、光感度をはじめ
とする電子写真特性が十分でない問題があり、また、電
子写真感度向上のため光導電性物質の含有量を増すとキ
ノンジアジド化合物に対する活性光の照射時間が長くな
り、製版時間の延長を招く欠点、あるいは光画像部の感
光性層成分が残存し印刷での汚れを発生させる欠点があ
る。
【0006】そこで、本発明の目的は、導電性支持体上
に光導電性物質及びキノンジアジド化合物を含有する感
光性層を有する平版印刷版用原版において、第1に、サ
イドエッチ防止効果が改善され高品位の印刷が可能な階
調再現及び色再現に優れた平版印刷版を安定して作成で
きる平版印刷版用原版を提供することであり、第2に、
電子写真特性が向上した平版印刷版用原版を提供するこ
とであり、第3に、得られる平版印刷版の印刷汚れが防
止され、印刷汚れとサイドエッチ防止効果とが共に優れ
た平版印刷版用原版を提供することであり、第4に、製
版時間が短縮される平版印刷版用原版を提供することで
ある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上記本発明の目的は下
記(1)又は(2)によって達成される。
【0008】(1)導電性支持体上に光導電性物質及び
o-ナフトキノンジアジドスルホン酸のフェノール樹脂と
のエステル化合物を含有する感光性層が設けられた平版
印刷版用原版であって、前記フェノール樹脂が一価フェ
ノール類とアルデヒド又はケトンとの重縮合体であり、
かつ前記エステル化合物のスルホン酸残基の感光性層1
g当たりの含有量が0.4×10-3モル〜3×10 -3 モルであ
ることを特徴とする平版印刷版用原版。
【0009】(2)導電性支持体上に光導電性物質、o-
ナフトキノンジアジドスルホン酸のフェノール樹脂との
エステル化合物、及びフェノール樹脂を含有する感光性
層が設けられた平版印刷版用原版であって、前記エステ
ル化合物のフェノール樹脂が一価フェノール類とアルデ
ヒド又はケトンとの重縮合体であり、かつ前記エステル
化合物のスルホン酸残基の感光性層1g当たりの含有量
が0.4×10-3モル〜3×10 -3 モルであることを特徴とす
る平版印刷版用原版。
【0010】以下、本発明について詳述する。
【0011】本発明の感光性層に用いる光導電性物質と
して有機光導電性顔料及び顔料型以外の有機光導電性化
合物が挙げられる。
【0012】有機光導電性顔料としては、例えば特公昭
40-2780号、同44-12671号、同46-30035号、同44-16474
号、同48-30513号、同50-7434号、特開昭47-18543号、
同47-18544号、同47-30330号、同47-37543号、同49-111
36号、同49-99142号、同51-109841号、同54-134632号、
同55-11715号、同55-105254号、同55-153948号、同55-1
61250号、同56-1944号、同56-2352号、同56-9752号、同
56-19063号、同56-29250号、同56-69644号、同56-50050
号、同59-12575号、同59-170862号、同59-176756号、同
59-224846号、同60-17751号、同60-17752号、同60-1775
3号、同60-17754号、同60-17755号、同60-17756号、同6
0-17757号、同60-17758号、同60-177599号、同60-17760
号、同60-17761号、同60-17762号、同60-35750号、同60
-194467号、同61-67869号、同61-67870号、同62-64266
号、同62-198864号、同62-217256号、同63-97965号、同
63-97966号、同63-226667号、同63-226668号、特開平1-
257862号、同1-260464号、同1-269944号、同2-7058号、
同2-188758号、同2-188759号、同2-125265号、同2-1252
66号、同3-102358号等に記載のペリレン顔料、キナクリ
ドン顔料、ビスベンズイミダゾール顔料、芳香族多縮合
環化合物、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔
料、金属又は無金属フタロシアニン顔料、酸化亜鉛等の
光導電性顔料が挙げられる。
【0013】顔料型以外の有機光導電性化合物として
は、例えば特開昭57-161863号、同58-76843号、同58-10
0862号、同58-172649号、同58-207049号、同59-44060
号、同59-121058号、同59-128559号、同60-178886号、
特開平1-222263号、同1-161354号、同1-163752号、同1-
163753号、同1-186967号、同1-186968号、同1-188865
号、同1-216362号各公報に記載の有機光導電性化合物が
挙げられる。
【0014】本発明において、光導電性物質として、光
感度、セーフライト性及び熱安定性の点から顔料系の有
機光半導体が好ましく、その中でフタロシアニン顔料、
特にε型フタロシアニン顔料が好ましい。
【0015】光導電性物質の含有量は、好ましくは3〜
50%、より好ましくは5〜20%である。電子写真感度の
向上及び残留電位の抑制のためには含有量を増した方が
好ましいが、逆に溶出後、非画像部支持体上に感光層成
分の残留が発生しやすくなり、印刷で汚れが発生する。
また、溶出時間及び後露光時間を短くするには含有量は
抑制する方が良い。本発明で規定された量のキノンジア
ジド化合物を添加することにより、電子写真感度向上の
効果が得られるため、結果として、光導電性物質の含有
量を抑制し、印刷での汚れを防止し、溶出時間及び後露
光時間を短くする効果を得ることができる。
【0016】本発明の感光性層には、必要に応じて光導
電性物質に増感剤、電荷輸送剤等を併用することができ
る。
【0017】本発明の感光性層に含有させるキノンジア
ジド化合物は、o-ナフトキノンジアジドスルホン酸の一
価フェノール類とアルデヒド類との重縮合体とのエステ
ル化合物であって、かつ該o-ナフトキノンアジドスル
ホン酸のスルホン酸残基の感光性層1g当たりの含有量
0.4×10-3モル〜3×10 -3 モルとする(以下、「本発
明のキノンジアジド化合物」という)。
【0018】感光性層1g当たりのスルホン酸残基の含
有量が0.4×10-3モル未満ではサイドエッチ特性が劣化
し、一方、3×10-3モルを越えると暗減衰及びかぶりが
悪化し、製版が困難となる。
【0019】本発明のキノンジアジド化合物におけるス
ルホン酸の置換位置は電子写真特性及び熱安定性の点か
ら4位又は5位が好ましく、4位が特に好ましい。
【0020】本発明のキノンジアジド化合物の製造に使
用する前記一価フェノール類としては、例えばフェノー
ル、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、3,5-
キシレノール、カルバクロール、チモール等が挙げられ
る。前記一価フェノール類としては、電子写真感度及び
サイドエッジ防止効果からメタクレゾール及びパラクレ
ゾールが好ましく、パラクレゾールが特に好ましい。
【0021】本発明のキノンジアジド化合物の製造に用
いられる前記アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、
ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデ
ヒド、フルフラール等が挙げられる。これらのうち好ま
しいものはホルムアルデヒドおよびベンズアルデビドで
ある。前記ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチル
ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミル
ケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。
【0022】前記一価フェノール類とアルデヒド類との
重縮合体はノボラック型が好ましく、具体例としては、
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、o-クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、p-クレゾール・ホルムアルデヒド
樹脂、m-クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、m-,p-混
合クレゾール・ホルムアルデヒド、フェノール・ベンズ
アルデヒド樹脂、m-クレゾール・ベンズアルデヒド樹
脂、p-クレゾール・ベンズアルデヒド樹脂等が挙げられ
る。
【0023】本発明のキノンジアジド化合物における一
価フェノール類のヒドロキシ基に対するo-ナフトキノン
ジアジドスルホン酸の縮合率(-OH基1個に対する反応
率)は15〜80%が好ましく、より好ましくは20〜60%で
ある。
【0024】本発明の感光性層にはバインダー樹脂とし
てアルカリ可溶性樹脂を含有させることが好ましい。印
刷汚れを防止するためアルカリ可溶性樹脂中にノボラッ
ク樹脂を10%以上含有させるのが好ましい。
【0025】ノボラック樹脂は、フェノール類と活性カ
ルボニル化合物の共重縮合体であり、該フェノール類と
しては、芳香族性の環に結合する水素原子の少なくとも
1つが水酸基で置換された化合物すべてが含まれ、具体
的には例えばフェノール、o-クレゾール、m-クレゾー
ル、p-クレゾール、3,5-キシレノール、2,4-キシレノー
ル、2,5-キシレノール、カルバクロール、チモール、カ
テコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、
フロログルシン、またはアルキル基(炭素原子数1〜8
個)置換フェノール等が挙げられ、好ましくはフェノー
ル、o-クレゾール、m-クレゾール及びp-クレゾールであ
る。
【0026】前記活性カルボニル化合物には、例えばア
ルデヒド、ケトン等が含まれ、具体的には例えばホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ア
クロレイン、フルフラール、アセトン等が挙げられる。
【0027】ノボラック樹脂の具体例としては例えば、
フェノール/m-クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合
体樹脂、o-クレゾール/m-クレゾール・ホルムアルデヒ
ド共重縮合体樹脂、m-クレゾール/p-クレゾール・ホル
ムアルデヒド共重縮合体樹脂、o-クレゾール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド共重縮合体樹
脂、フェノール/m-クレゾール/p-クレゾール・ホルム
アルデヒド共重縮合体樹脂等が好ましい。
【0028】上記共重縮合体樹脂のうちでフェノール/
m-クレゾール/p-クレゾールホルムアルデヒド樹脂が特
に好ましい。また、該樹脂におけるフェノールの比率
(仕込み混合比)は好ましくは0〜50重量%、より好ま
しくは5〜30重量%であり、m-クレゾール、p-クレゾー
ルの比率は3:7〜7:3(仕込み重量比)の範囲が好
ましい。
【0029】上記のノボラック樹脂は単独で用いてもよ
いし、又2種以上を混合して用いてもよい。
【0030】ノボラック樹脂の分子量(ポリスチレン標
準)は、好ましくは数平均分子量(Mn)が3.00×102
〜7.50×103、重量平均分子量(Mw)が1.00×103〜3.
00×104、より好ましくはMnが5.00×102〜4.00×1
03、Mwが3.00×103〜2.00×104の範囲内の値である。
【0031】このようなノボラック樹脂の分子量の測定
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
法)によって行う。数平均分子量Mn及び重量平均分子
量Mwの算出は、柘植盛雄、宮林達也、田中誠之著「日
本化学会誌」800頁〜805頁(1972年)に記載の方法によ
り、オリゴマー領域のピークを均す(ピークの山と谷の
中心を結ぶ)方法にて行うものとする。
【0032】また、ノボラック樹脂の合成に用いられた
フェノール類の量比を確認する方法としては、熱分解ガ
スクロマトグラフィー(Pyrolysis-gaschromatograph
y,PGC)を用いる。熱分解ガスクロマトグラフィー
については、その原理、装置及び実験条件は、例えば、
日本化学会編、柘植 新著「新実験化学講座」第19巻高
分子化学〔I〕474頁〜485頁(丸善1978年発行)等に記
載されており、熱分解ガスクロマトグラフィーによるノ
ボラック樹脂の定性分析法は、柘植盛男、田中隆、田中
誠之著「分析化学」第18巻47頁〜52頁(1969年)に記載
された方法に準じるものとする。
【0033】また本発明の感光性層中のノボラック樹脂
の含有量は5〜70重量%が好ましく、より好ましくは20
〜50重量%である。
【0034】バインダー樹脂として、上記の他に、例え
ば、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、スチレンと
無水マレイン酸モノアルキルエステルの共重合体、メタ
クリル酸/メタクリル酸エステル共重合体、スチレン/
メタクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタ
クリル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸
エステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル
酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合
体、酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共
重合体等のアクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、スチレン、酢酸ビニルなどのアクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸などのカルボン酸含有モノマーあるい
は酸無水物基含有モノマーとの共重合体やメタクリルア
ミド、ビニルピロリドン、フェノール性水酸基、スルホ
ン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基をもつ単
量体を含有する共重合体、フェノール樹脂、部分ケン化
酢酸ビニル樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール
等のビニルアセタール樹脂を用いることができる。
【0035】酸無水物基またはカルボン酸基を有するモ
ノマーを共重合成分として含有する共重合体及びフェノ
ール樹脂は、光導電層の電荷保持力及びその他の電子写
真特性が良好である点から好ましい。
【0036】酸無水物基を有するモノマーを共重合成分
として含有する共重重合体としては、スチレンと無水マ
レイン酸の共重合体が好ましい。また、この共重合体の
ハーフエステルも使用することができる。カルボン酸基
を有するモノマーを共重合成分として含有する共重合体
としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸と、アクリ
ル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル、アリー
ルエステルもしくはアラルキルエステルとの2元以上の
共重合体が好ましい。また、酢酸ビニルとクロトン酸共
重合体、酢酸ビニルと炭素数2〜18のカルボン酸のビニ
ルエステルとクロトン酸との3元共重合体も好ましい例
である。
【0037】本発明の平版印刷版用原版の導電性支持体
としては、アルミニウム板、樹脂にアルミニウムラミネ
ートしたもの、もしくは亜鉛板、銅-アルミニウム板、
銅-ステンレス板、クロム-銅板等のバイメタル板、また
はクロム-銅-アルミニウム板、クロム-鉛-鉄板、クロム
-銅-ステンレス板等のトライメタル板等の親水性表面を
有する導電性支持体が用いられる。
【0038】また、特にアルミニウムの表面を有する支
持体の場合には、脱脂処理、砂目立て処理、陽極酸化処
理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩
等の水溶液への浸漬処理などの表面処理がなされている
ことが好ましい。
【0039】砂目立て処理には、ボール研磨、ブラシ研
磨、ブラスト研磨等の機械的に粗面化する方法、塩酸や
硝酸電解液中で交流あるいは直流電界により電気化学的
に粗面化する方法を適用することができる。
【0040】上記陽極酸化処理は、例えばリン酸、クロ
ム酸、硫酸、硝酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファ
アミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶液又は非水
溶液の単独又は二種以上を組合せた電解液中でアルミニ
ウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
陽極酸化皮膜量は0.1〜10、好ましくは1〜5g/m2であ
る。
【0041】また、陽極酸化の後に、有機酸、無機酸あ
るいはそれらの塩の水溶液による浸漬処理を施すのが好
ましい。有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
オレイン酸、コハク酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、安息
香酸、グルタミン酸、スルファミン酸、スルフィン酸、
バルビツール酸等が挙げられ、無機酸としては、硫酸、
硝酸、亜硝酸、ケイ酸、シュウ酸等が挙げられる。塩と
しては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩やア
ンモニウム塩が好適に用いられる。前記浸漬処理は、0.
001〜10重量%、好ましくは、0.1〜1重量%の濃度の水
溶液中において50〜200℃好ましくは80〜150℃の温度環
境下で5秒〜3分の処理をもって行う。
【0042】また、米国特許第3658662号明細書に記載
されているようなシリケート電着も有効である。西独特
許公開公報第1621478号に記載のポリビニルスルホン酸
による処理も適当である。
【0043】これらの親水性処理は、支持体の表面を親
水性とするために施される以外は、その上に設けられる
光導電層との有害な反応を防ぐため及び溶出後に光導電
性層の成分の残存を防止するため、また光導電層との密
着性の向上の為に施されるものである。
【0044】また本発明においては、前記導電性支持体
と光導電層の間に必要によりカゼイン、ポリビニルアル
コール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、フェノール樹脂、スチレン-無水マレイン酸共重合
体、ポリアクリル酸などからなるアルカリ可溶性の中間
層を前記支持体と光導電層の接着性等を改良する目的で
設けることができる。
【0045】その他、本発明の平版印刷版用原版には、
導電性支持体上に光導電性物質とキノンジアジド化合物
を含有する感光性層を有する平版印刷版用原版の公知技
術を適用することができる。そのような公知技術とし
て、例えば、特開昭59-170862号公報に記載の色素増感
剤、化学増感剤、可塑剤、オーバーコート層等が挙げら
れる。
【0046】本発明の平版印刷版用原版を製造するに
は、光導電性物質、キノンジアジド化合物及びバインダ
ー樹脂を主とする感光層成分を有機溶剤中で混合した
後、ボールミル、超音波分散機等により均一に分散す
る。
【0047】本発明において、感光性層を塗設する塗布
液の作成に用いる溶剤あるいは分散媒として、たとえば
以下の有機溶剤を用いる。
【0048】プロパノール、ブタノール、アミルアルコ
ール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコー
ル類;メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノ
ン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類;乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレンジグリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、エチレンジグリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレ
ングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価ア
ルコールとそのエーテルまたはアセテートを含む誘導
体;テトラヒドロフラン、ジオキサン。
【0049】得られた光導電性組成物(感光液)を導電
性支持体上に、好ましくは1〜10μm厚、より好ましく
は1〜5μm厚に塗布乾燥し、必要があれば、加熱処理
して得られる。塗布方法としては、例えば、ワイヤーバ
ー、ディップ、ブレード、リバースロール、エヤーナイ
フ、押し出しなど公知の各方法が可能である。
【0050】本発明の平版印刷版用原版を用いて平版印
刷版を作製するには、前記の平版印刷版用原版に電子写
真方式によりトナー画像を形成した後、キノンジアジド
化合物の活性光を照射し、非画像部の感光性層をアルカ
リ性のエッチング液を用いて除去する。
【0051】電子写真法に用いられる現像剤(トナー)
は、疎水性でかつインク受容性であることが望ましく、
例えばポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂(アミ
ノ基含有アクリルエステル、長鎖アクリルエステルな
ど)、アクリル系樹脂(フェノール性水酸基やスルホ基
を有する樹脂など)エポキシ樹脂、植物油変性アルキ
ド、環化ゴム、アスファルト、塩化ビニル等の高分子物
質が含まれる。またトナーの造粒性等に悪影響を及ぼさ
ない範囲で着色剤、例えばカーボンブラック、ニグロシ
ン系顔料、カーミン6B、フタロシアニンブルー、ベン
ジジンイエロー、フタロシアニングリーンあるいは紫外
線吸収剤を含有することができ、さらに荷電制御剤、例
えば脂肪酸やナフテン酸の金属塩、含金属顔料、スルホ
ン酸塩等を含有することができる。
【0052】製版に使用されるトナーは、解像力の点か
ら、絶縁性のキャリア液体中に分散された液体トナーを
用いることが一般的である。また、トナー画像部のキノ
ンジアジド活性光に対する透過濃度は0.5以上、好まし
くは0.8以上とする。
【0053】液体トナーについては、特開昭57-210345
号、同57-210346号、同57-210346号、同58-194040号、
同58-194041号、同60-6954号、同61-36759号、同62-353
70号等に開示されているトナーを用いることができる。
【0054】また本発明には、一般のPPC(普通紙複
写機)に用いられている乾式トナーついても有効に作用
する。
【0055】以上のようにして、トナー画像を形成した
後、ハロゲンランプ、キセノンランプ、水銀灯などか
ら、キノンジアジド化合物の活性光による全面露光を行
い、非画像部のエッチング液への溶解性を高めた後、エ
ッチング処理を行う。
【0056】エッチング処理方法は、特に限定されるわ
けではなく、例えば、特願平1-168641号等に記載の所謂
新液供給方法、特開昭58-25477号に記載のようなシャワ
ー循環供給方法、あるいは特願平2-32010号、特願平2-9
6773号に記載のような浸漬処理方法を適用することがで
きる。
【0057】用いられるエッチング液は、特に限定され
ず、アルカリ剤、有機溶剤、界面活性剤、キレート剤等
を含有することができ、例えば特願平2-32010号、同3-2
03374号等に記載されるエッチング液を用いることがで
きる。
【0058】エッチング処理が完了した後、水洗または
リンス処理を行い、さらにガム引き処理を行ってもよ
い。
【0059】キノンジアジド化合物の活性光による全面
露光の後であれば画像部のトナーは除去してもよい。溶
出前、溶出後あるいはエッチング、水洗、リンス、ガム
引き等の各工程が含まれる溶出工程中の任意の工程間で
トナーの除去工程を設けることができる。
【0060】トナーの除去方法としては、特願平3-2451
05号、特開昭56-66863号、同56-130766号に記載の方法
を用いることができる。
【0061】リンス処理、ガム引き処理については特開
昭63-271256号、特願平1-215314号等を参照できる。ま
たポジ、ネガPS版の処理において開示されているリン
ス処理、ガム引き処理の技術をそのまま使用することが
できる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例でより具体的に説明す
る。
【0063】実施例1 厚さ0.30mmのアルミニウム板(JIS1100)をカセイソー
ダ水溶液にて脱脂処理した後、0.3モル/lの塩酸水溶
液中(30℃)で、電流密度50A/dm2の交流による電解
研磨粗面化処理を30秒間行った。次に、5%カセイソー
ダ水溶液中で60℃、10秒間デスマット処理を行い、さら
に、20%硫酸溶液中で20℃、電流密度3A/dm2で、1
分間陽極酸化処理をし、水洗した。処理後、熱水(80
℃)に30秒間浸漬し、温風で乾燥し、平版印刷用原版用
のアルミニウム支持体を得た。
【0064】続いて、次に示す組成の感光性層用塗布液
を、サンドグラインダーで3時間分散後、ワイヤーバー
にて前記支持体に塗布し、90℃で3分,55℃で48時間の
乾燥を行って、実施例1の平版印刷用原版を得た。塗設
された感光性層の膜厚は40g/dm2、o-ナフトキノンジア
ジドスルホン酸のフェノール樹脂とのエステル化合物の
スルホン酸残基の感光性層1g当たりの含有量は0.48×1
0-3モルであった。
【0065】 感光性層用塗布液 ε型銅フタロシアニン(東洋インキ(株)製“Liophoton-EK") 15重量部 p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフト キノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物(エステル化率33%)22.5重量部 フェノール/m-クレゾール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ ク樹脂(仕込み混合比=10:50:40(重量比)) 62.5重量部 エチルセロソルブ 400重量部 実施例2、3、比較例1,2 実施例1の感光性層用塗布液中のp-クレゾール・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂の(Mw2000)のo-ナ
フトキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物の含
有量を変えてスルホン酸残基の感光性層1g当たりの含
有率を表1に記載のとおりに変えたほかは実施例1と同
様の実験を行った。このとき、キノンジアジド化合物の
含有量変更分はノボラック樹脂の含有量の増減で補償
し、光導電性物質の含有量は変更していない。
【0066】実施例4〜7、比較例3、4 実施例1の感光性層用塗布液中のp-クレゾール・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフ
トキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物のスル
ホン酸残基の感光性層1g当たりの含有量及びε型銅フ
タロシアニンの量を表1に記載のとおりに変え、かつ、
ε型銅フタロシアニンとノボラック樹脂とキノンジアジ
ド化合物の合計が実施例1に等しくなるようにフェノー
ル/m-クレゾール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重
縮合ノボラック樹脂の量を変えたほかは実施例1と同様
の実験を行った。
【0067】実施例8 実施例1の感光性層用塗布液中のp-クレゾール・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフ
トキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物をp-ク
レゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラック樹脂(M
w2000)のo-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エス
テル化合物に変えたほかは実施例1と同様の実験を行っ
た。
【0068】実施例9 実施例1の感光性層用塗布液中のp-クレゾール・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフ
トキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物をm-ク
レゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラック樹脂(M
w2000)のo-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エス
テル化合物に変えたほかは実施例1と同様の実験を行っ
た。
【0069】実施例10 実施例1の感光性層用塗布液中のp-クレゾール・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフ
トキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物をm-ク
レゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラック樹脂(M
w2000)のo-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エス
テル化合物に変えたほかは実施例1と同様の実験を行っ
た。
【0070】実施例11 実施例1の感光性層用塗布液中のp-クレゾール・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフ
トキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物をp-ク
レゾール・ベンズアルデヒド重縮合ノボラック樹脂(M
w2000)のo-ナフトキノンジアジド-4-スルホン酸エス
テル化合物に変えたほかは実施例1と同様の実験を行っ
た。
【0071】実施例12 実施例1の感光性層用塗布液中のp-クレゾール・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフ
トキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物をフェ
ノール/p-クレゾール(仕込み混合比1:1)・ホルム
アルデヒド重縮合ノボラック樹脂(Mw2000)のo-ナフ
トキノンジアジド-4-スルホン酸エステル化合物に変え
たほかは実施例1と同様の実験を行った。
【0072】実施例13 実施例1の感光性層用塗布液組成を下記に変えたほかは
実施例1と同様の実験を行った。
【0073】
【化1】
【0074】実施例14 実施例1の感光性層用塗布液の組成を下記に変え、かつ
溶出現像に下記組成の溶出液を用いたほかは実施例1と
同様の実験を行った。(SDR−1での溶出は不可能で
あった。) 感光性層塗布液の組成 2,5-ビス(4′-ジエチルアミノフェニル)オキサジアゾール 50重量部 フェノール/m-クレゾール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド ノボラック樹脂(仕込み混合比=10:50:40(重量比)) 27.2重量部 実施例1のキノンジアジド化合物 22.5重量部 ローダミンB 0.3重量部 エチルセロソルブ 200重量部 テトラヒドロフラン 200重量部 溶出液の組成 ベンジルアルコール 5重量部 トリエタノールアミン 5重量部 イソプロパノール 30重量部 Aケイ酸カリ(日本化学製、SiO2濃度26重量%) 5重量部 KOH50% 5重量部 水 50重量部 実施例15 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂をベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合
体(仕込み混合比=7:3(重量比)重量平均分子量M
w約2万)に変えたほかは実施例1と同様の実験を行っ
た。
【0075】実施例16 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂をスチレン/メタクリル酸共重合体(仕込み混合
比=7:3(重量比)Mw2万)に変えたほかは実施例
1と同様の実験を行った。
【0076】実施例17 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂をメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(仕込み混合比=7:3(重量比)Mw2万)に変えた
ほかは実施例1と同様の実験を行った。
【0077】実施例18 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂をヒドロキシフェニルメタクリルアミド/アクリ
ルニトリル/メチルメタクリレート/エチルアクリレー
ト共重合体(仕込み混合比=30:30:35:5(重量比)
Mw2万)に変えたほかは実施例1と同様の実験を行っ
た。
【0078】実施例19 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂をヒドロキシフェニルメタクリルアミド/アクリ
ルニトリル/メチルメタクリレート/エチルアクリレー
ト共重合体(仕込み混合比=30:30:35:5(重量比)
Mw2万)とノボラック樹脂(混合比=7:3(重量
比))に変えたほかは実施例1と同様の実験を行った。
【0079】実施例20 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂をポリ-p-ヒドロキシスチレン(Mw2万)に変
えたほかは実施例1と同様の実験を行った。
【0080】実施例21 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂をスチレン/無水マレイン酸共重合体(Mw2
万)に変えたほかは実施例1と同様の実験を行った。
【0081】実施例22 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂を酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(Mw2万)
に変えたほかは実施例1と同様の実験を行った。
【0082】実施例23 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂の80%をベンジルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体(仕込み混合比=7:3(重量比)重量平均分
子量Mw約2万)に変えたほかは実施例1と同様の実験
を行った。
【0083】実施例24 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂の80%をベンジルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体(仕込み混合比=7:3(重量比)重量平均分
子量Mw約2万)に変えたほかは実施例1と同様の実験
を行った。
【0084】実施例25 実施例1の感光性層用塗布液中のフェノール/m-クレゾ
ール/p-クレゾール・ホルムアルデヒド重縮合ノボラッ
ク樹脂の80%をベンジルメタクリレート/メタクリル酸
共重合体(仕込み混合比=7:3(重量比)重量平均分
子量Mw約2万)に変えたほかは実施例1と同様の実験
を行った。
【0085】以上の実施例1〜25及び比較例1〜4の平
版印刷版用原版について下記の評価を行った。
【0086】電子写真特性:感度、暗減衰及び残留電位
を(株)川口電機製作所製SP−428を用いて測定し
た。その結果を表1〜表2に示す。これらの表中、感度
は初期電位200Vからの光減衰の半減露光量(lux・se
c)で、暗減衰は初期電位200Vからの暗中での減衰を最
小二乗法でexp(−kt)曲線に近似し、kで、残留電位
は初期電位200Vから120lux・sec照射した時の電位で示
してある。いずれも値の小さい方が好ましい。
【0087】印刷特性:前記各平版印刷用原版に対し、
以下の方法で製版を行なった。スコロトロンを用いて、
版面電位+200Vに帯電させた後、出力3mWの半導体
レーザーで走査速度250m/secの露光を行ない、静
電潜像を形成した。その直後に特公平2-19952号に示さ
れる液体現像装置を用いて現像し、乾燥させた後、130
℃,10秒の熱定着を行なった。
【0088】液体現像剤は以下のように製造した。
【0089】 オクタデシルメタクリレート/メタクリル酸コポリマー (共重合比90:10) 1重量部 アイソパーG(エクソン社) 5重量部 MA−100(カーボンブラック,三菱化成) 1重量部 をガラスビーズで5時間分散した後、 ポリエチレン(平均分子量2000,三洋化成サンワックス151P) 1重量部 アイソパーG 4重量部 の溶液を添加し、さらに、10時間分散した。この液を固
形分濃度0.3重量%となるようアイソパーGで希釈して
用いた。このようにして平版印刷用原版上にトナー像を
形成した後、水銀灯より総量3J/cm2の紫外線を照射
し、特開昭58-74566号に示される装置を用いて、非画像
部感光層の溶出を行なった。溶出液にはコニカ(株)ポ
ジPS版用現像液SDR−1を水で6倍に希釈した液を
用いた。液温は27℃、供給量は15l/m2とした。溶出
の後、第1水洗、第2水洗、ガム引きを経て平版印刷版
を得た。
【0090】得られた平版印刷版について下記のとおり
平版印刷版特性を評価した。
【0091】サイドエッチ:上記現像液による溶出時間
を15秒、30秒、45秒及び60秒について、サイドエッチ進
行幅(トナー画像に対する感光性層の縮小幅)を測定
し、測定値のプロットを一次式で近似したときの傾きの
1秒当たりのサイドエッチ進行幅(μm)で示す。
【0092】感光層成分の砂目への付着:目視により下
記3段階に評価した ○ 付着が全く無い △ 付着がやや発生 × 付着が発生 印刷汚れ:印刷物を作製し印刷汚れの発生を目視判定し
た ○ 印刷汚れが全く無い △ 印刷汚れがやや発生 × 印刷汚れが発生 以上の結果を表1〜表2に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】表1〜表2に示す結果から、本発明による
平版印刷版用原版は、電子写真特性、サイドエッチ特
性、顔料残り及び印刷汚れが総合的に優れていることが
分かる。なお、実施例7及び比較例3は3.5J/cm2、比
較例4は4J/cm2の露光により感光層成分の砂目への付
着及び印刷汚れが解消した。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、導電性支持体上に光導
電性物質及びキノンジアジド化合物を含有する感光性層
を有する平版印刷版用原版において、サイドエッチ防止
効果が改善され高品位の印刷が可能な階調再現及び色再
現に優れた平板印刷版が安定して得られ、電子写真特性
が向上し、得られる平版印刷版の印刷汚れが防止され、
印刷汚れとサイドエッジ防止効果とが共に優れ、製版時
間が短縮される平版印刷版用原版が得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−170862(JP,A) 特開 昭60−194467(JP,A) 特開 昭62−143056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/05 101 G03G 13/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に光導電性物質及びo-ナ
    フトキノンジアジドスルホン酸のフェノール樹脂とのエ
    ステル化合物を含有する感光性層が設けられた平版印刷
    版用原版であって、前記フェノール樹脂が一価フェノー
    ル類とアルデヒド又はケトンとの重縮合体であり、かつ
    前記エステル化合物のスルホン酸残基の感光性層1g当
    たりの含有量が0.4×10-3モル〜3×10 -3 モルであるこ
    とを特徴とする平版印刷版用原版。
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に光導電性物質、o-ナフ
    トキノンジアジドスルホン酸のフェノール樹脂とのエス
    テル化合物、及びフェノール樹脂を含有する感光性層が
    設けられた平版印刷版用原版であって、前記エステル化
    合物のフェノール樹脂が一価フェノール類とアルデヒド
    又はケトンとの重縮合体であり、かつ前記エステル化合
    物のスルホン酸残基の感光性層1g当たりの含有量が0.
    4×10-3モル〜3×10 -3 モルであることを特徴とする平
    版印刷版用原版。
JP08224692A 1992-03-06 1992-04-03 平版印刷版用原版 Expired - Fee Related JP3277290B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08224692A JP3277290B2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 平版印刷版用原版
US08/022,918 US5437952A (en) 1992-03-06 1993-02-26 Lithographic photosensitive printing plate comprising a photoconductor and a naphtho-quinone diazide sulfonic acid ester of a phenol resin

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08224692A JP3277290B2 (ja) 1992-04-03 1992-04-03 平版印刷版用原版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05281792A JPH05281792A (ja) 1993-10-29
JP3277290B2 true JP3277290B2 (ja) 2002-04-22

Family

ID=13769077

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08224692A Expired - Fee Related JP3277290B2 (ja) 1992-03-06 1992-04-03 平版印刷版用原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3277290B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05281792A (ja) 1993-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5437952A (en) Lithographic photosensitive printing plate comprising a photoconductor and a naphtho-quinone diazide sulfonic acid ester of a phenol resin
US4933248A (en) Electrophotographic recording material
JPH0228145B2 (ja)
US5380612A (en) Process for manufacturing planographic printing plate
JP3277290B2 (ja) 平版印刷版用原版
JP2793020B2 (ja) 電子写真平版印刷版の製造方法
JPH05249763A (ja) 平版印刷用原版の製造方法
JPH05289420A (ja) 平版印刷版用原版
JPH0659520A (ja) 平版印刷用原版
JPH10254188A (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法
JPH06250448A (ja) 感光性平版印刷版
JPH06342229A (ja) 平版印刷版用原版の製造方法
JP2786498B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JP2918267B2 (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH0124304B2 (ja)
JP2977680B2 (ja) 電子写真式平版印刷版用修正剤
JP2899069B2 (ja) 電子写真平版印刷版の製版方法
JP2793014B2 (ja) 電子写真平版印刷版
JP3084752B2 (ja) 電子写真平版印刷版
JPH05289419A (ja) 電子写真印刷原版
JPH05273798A (ja) 平版印刷版の製版方法
JPH06210977A (ja) 電子写真式平版印刷版用修正剤および修正処理方法
JPS59168462A (ja) 電子写真製版用印刷版
JPH05289414A (ja) 印刷用原版の製造方法
JPH04338978A (ja) 平版印刷版材の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees