JP2577620B2 - 平版印刷版の製造方法 - Google Patents

平版印刷版の製造方法

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JP2577620B2
JP2577620B2 JP63230138A JP23013888A JP2577620B2 JP 2577620 B2 JP2577620 B2 JP 2577620B2 JP 63230138 A JP63230138 A JP 63230138A JP 23013888 A JP23013888 A JP 23013888A JP 2577620 B2 JP2577620 B2 JP 2577620B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平版印刷版の製造方法に関するものであ
る。更に詳しくは電子写真プロセスにより形成されたト
ナー像から成る平版印刷版を非画像部の除去処理後界面
活性剤と酸からなる酸性溶液で処理することによって、
印刷時の印刷インキ着肉性を改善した平版印刷版の製造
方法に関するものである。
〔従来の技術〕
今日、平版オフセット印刷版としては、ジアゾ化合物
とフェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤やアクリ
ル系モノマーやプレポリマーを主成分とするネガ型感光
剤を用いるPS版などが実用化されているが、これらはす
べて低感度のため、あらかじめ画像記録された銀塩写真
フィルム原版を密着露光して製版を行っている。一方、
コンピューター画像処理と大容量データの保存およびデ
ータ通信技術の進歩によって、近年では、原稿入力、補
正、編集、割り付けから頁組まで一貫してコンピュータ
操作され、高速通信網や衛星通信により即時遠隔地の末
端プロッターに出力できる電子編集システムが実用化し
ている。特に、即時性の要求される新聞印刷分野におい
て電子編集システムの要求度は高い。また、オリジナル
が原版フィルムの形で保存され、これをもとに必要に応
じて印刷版が複製されている分野においても、光ディス
クなどの超大容量記録メディアの発達に伴いオリジナル
がこれらの記録メディアにデジタルデータとして保存さ
れるようになると考えられる。
しかしながら、末端プロッターの出力から直接印刷版
を作成する直接型印刷版はほとんど実用化されておら
ず、電子編集システムの稼働しているところでも出力は
銀塩写真フィルムにおこなわれこれをもとに間接的にPS
版へ密着露光により印刷版が作成されているのが実状で
ある。これは、出力プロッターの光源(例えば、He−Ne
レーザー、半導体レーザーなど)により実用的な時間内
に印刷版を作成できるだけの高い感度を有する直接型印
刷版の開発が困難であることによる。
直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有する感光体
として電子写真感光体が考えられる。
従来、電子写真を利用した印刷版材料(印刷用原版)
としては例えば、特公昭47−47610号、特公昭48−40002
号、特公昭48−18325号、特公昭51−15766号、特公昭51
−25761号公報等に記載の酸化亜鉛−樹脂分散系オフセ
ット印刷版材料が知られており、これは、電子写真法に
よりトナー画像形成後その非画像部を不感脂性とするた
め不感脂化溶液(例えば、フェロシアン塩又はフェリシ
アン塩を有する酸性水溶液)で湿潤させた後使用され
る。このような処理をされたオフセット印刷版は耐刷力
が5千枚〜1万枚程度であり、これ以上の印刷には適さ
ず、又不感脂化に適した組成にすると静電特製が劣化
し、かつ画像が悪化するなどの欠点がある。また、不感
脂化溶液として有害なシアン化合物を使用する欠点を有
する。
特公昭37−17162号、特公昭38−7758号、特公昭46−3
9405号、特公昭52−2437号公報等に記載される有機光導
電体−樹脂系印刷版材料では、たとえばオキサゾールあ
るいはオキサジアゾール系化合物をスチレン−無水マレ
イン酸共重合体で結着した光導電性絶縁層を砂目立した
アルミニウム板上に設けた電子写真感光体が用いられて
おり、この感光体上に電子写真法によりトナー画像形成
後アルカリ性有機溶剤で非画像部を除去して印刷版が形
成される。
また、特開昭57−147656号にはヒドラゾン化合物およ
びバルビツール酸あるいはチオバルビツール酸を含有す
る電子写真感光体が開示されている。その他にも特開昭
59−147335号、特開昭59−152456号、特開昭59−168462
号、特開昭58−145495号等に記載の色素増感された電子
写真感光体が知られている。
これらの電子写真感光体を用いた平版印刷版を製版す
る際、電子写真プロセスによりトナー画像を形成し、非
画像部を除去した後に、通常流水や循環使用する水洗水
による水洗、更に版面保護剤(いわゆるガム液)の塗布
が行なわれる。
ガム液塗布の目的は非画像領域の親水性を保護するの
みならず、画像領域の加算又は消去等の画像修正、製版
後印刷するまでの期間の保存又は再使用までの保存、印
刷機に取付ける際や取扱い中の指紋、油脂、塵埃等の付
着によって引起される汚れの防止及び傷の発生等からの
保護であり、更に酸化汚れの発生を抑えることであり、
従来、平版印刷版用のガム液としては、一般的にアラビ
アガム、セルロースガム又は分子中にカルボキシル基を
有する水溶性高分子物質の水溶液が使用されていた。
しかしながら、製版時のアルカリ処理液によって画像
のトナーが一部膨潤し、その上に親水性のガム液を塗布
すると画像部のトナーにガムが固着するために、感脂性
が低下して印刷のスタート時にインキが転移しにくい、
いわゆる着肉不良という故障を生じてしまう。ガム液の
塗布の前に水洗をしても、膨潤状態は余り変化がないと
思われ、同じ様に着肉不良を発生しやすい。さらに何れ
の場合も一度除去された感光体成分が非画像部に再付着
する事によると見られる、印刷汚れの故障が発生する場
合が多々ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って本発明の目的は、電子写真式平版印刷版の非画
像部への除去物の付着を減少させ、また電子写真式平版
印刷版の印刷スタート時における印刷インキの着肉性を
改良することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、画像部が導電性基板上に設けられた光導
電体層上に、アルカリ性処理液からなる除去処理液によ
る処理で溶解しないトナー画像を電子写真プロセスによ
り形成した平版印刷版を、該除去処理液で処理する平版
印刷版の製造方法において、トナー画像のない非画像部
を除去した後アニオン界面活性剤および/又はノニオン
界面活性剤と酸とを含むpH2ないし6の水溶液で処理す
る事を特徴とする平版印刷版の製造方法により解決され
ることが見出された。
本発明では、後述の電子写真感光体を用いて通常のプ
ロセスにより、即ち、暗所で実質的に一様に帯電し、画
像露光により静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーに
よって現像、定着し、かかるトナー画像をレジストとし
て作用させ、非画像部の光導電層を処理液で除去するこ
とにより、印刷版が作成できる。本発明ではかかる処理
終了後、ローラーでニップして処理液を除去し又は除去
しないで、次の工程に移り、アニオン界面活性剤及び/
又はノニオン界面活性剤と酸とを含むpH2〜6の水溶液
で処理(リンス処理)される。本発明の方法によれば、
非画像部の除去処理後全く水洗処理を必要としないの
で、この処理工程と前記pH2〜6の水溶液リンス処理と
の間に何も設けないのがよい。しかしながら、極く短時
間内での少量水洗は必要に応じて任意に行うことができ
る。
本発明でのアニオン及び/又はノニオン界面活性剤と
酸からなるpH6〜2の水溶液としては特開昭55−115045
号明細書に記載されているものが含まれる。すなわち、
ポリオキシアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン界面活
性剤又は、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩類、ジアルキルスルホこはく酸エステル塩
類、アルキル燐酸エステル塩類、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物の塩類、アルキルジフェニルエーテル
スルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤としゅう酸、酒
石酸、安息香酸、モリブテン酸、硼酸、硝酸、硫酸、り
ん酸、ポリリン酸等の酸からなるpH6〜2の水溶液であ
る。
これらのうち、界面活性剤としては、炭素数8〜16の
アルキル硫酸エステル塩が好ましく、酸としては、リン
酸が好ましい。尚、これらの界面活性剤は単独もしくは
2種以上を組み合わせて使用することができ、水溶液中
に約0.1〜20%、より好ましくは0.5〜10%の範囲で使用
される。
この場合上記処理液に緩衝剤を含有させておくことが
好ましい。かかる緩衝剤の詳細は、例えば「化学便覧基
礎編II」日本化学会編、昭和47年2月20日第5刷、丸善
株式会社発行、1312〜1320頁に記載されており、これら
はそのまま本発明に使用することができる。好適な酸と
水溶性塩としては、モリブデン酸、硼酸、硝酸、硫酸、
燐酸、ポリ燐酸などの無機酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、安
息香酸、こはく酸、くえん酸、りんご酸、乳酸、p−ト
ルエンスルホン酸などの水溶性有機酸等の酸とその塩が
あげられる。より好ましい塩は水溶性アルカリ金属塩お
よびアンモニウム塩で、特に好ましいものはモリブデン
酸アンモニウムなどのモリブデン酸塩、燐酸ナトリウム
などの燐酸塩、テトラポリ燐酸カリウム、トリメタ燐酸
ナトリウムなどのポリ燐酸塩、蓚酸ナトリウムなどの蓚
酸塩、酒石酸カリウムなどの酒石酸塩、こはく酸ナトリ
ウムなどのこはく酸塩、くえん酸アンモニウムなどのく
えん酸塩である。これらの化合物はそれぞれ単独または
二種以上組み合わせて使用することができる。またその
添加量は特に限定されないが、該リンス液の総重量に対
し酸と塩の総量で約10重量%以下であることが好まし
く、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で使用され
る。
本発明に用いられすリンス液には更に親油性物質を含
有させておくことができる。これにより平版印刷版の画
像部がより高い感脂性を示すようになる。好ましい親油
性物質には、例えばオレイン酸、ラウリン酸、吉草酸、
ノニル酸、カプリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸な
どの炭素原子数が5〜25の有機カルボン酸、ひまし油な
どが含まれる。これらの親油性物質は単独もしくは2以
上を組み合わせて使用することができ、先に示した界面
活性剤により可溶化または乳化して含有させられる。こ
れらの親油性物質はリンス液に対し約0.005重量%から1
0重量%、より好ましくは0.05〜5重量%の範囲で含有
させられる。更に本発明に用いられるリンス液には有機
シラン化合物等の消泡剤を含有させておくこともでき
る。
前述の如く、本発明の電子写真製版印刷版は後述の電
子写真感光体を用いて公知のプロセスによって作成する
ことが出来る。即ち、暗所で実質的に一様に帯電し、画
像露光により静電潜像を形成する。露光方法としては、
半導体レーザ、He−Neレーザ等による走査露光あるいは
キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯等を光源
として反射画像露光、透明陽画フィルムを通した密着露
光などが挙げられる。次に上記静電潜像をトナーによっ
て現像する。現像法としては従来公知の方法、例えば、
カスケード現像、磁気ブラシ現像、パウダークラウド現
像、液体現像などの各種の方法を用いることが出来る。
なかでも液体現像は微細な画像を形成することが可能で
あり、印刷版を作成するために好適である。形成された
トナー画像は公知の定着法、例えば、加熱定着、圧力定
着、溶剤定着等により定着することが出来る。この様に
形成したトナー画像をレジストとして作用させ、非画像
部の光導電層を除去することにより印刷版が作成でき
る。
トナー画像形成後の非画像部の光導電性絶縁層を除去
する除去処理液としては、光導電性絶縁層を除去できる
ものなら任意の溶剤が使用可能であり、特に限定される
ものではないが、好ましくは、アルカリ性処理液が使用
される。ここで言う、アルカリ性処理液とは、アルカリ
性化合物を含有する水溶液もしくは、アルカリ性化合物
を含有する有機溶剤もしくは、アルカリ性化合物を含有
する水溶液と有機溶剤との混合物である。アルカリ性化
合物としては、水酸性ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メ
タケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、リン酸ナト
リウム、リン酸カリウム、アンモニア、およびモノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等のアミノアルコール類等などの有機および無機の
任意のアルカリ性の化合物を挙げることが出来る。除去
処理液の溶媒としては前述のように、水もしくは多くの
有機溶剤を使用することが出来るが、臭気、公害性の点
から水を主体とした除去処理液が好ましく使用される。
水を主体とした除去処理液には、必要に応じて、各種の
有機溶剤を添加することも出来る。好ましい有機溶剤と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等
の低級アルコールや芳香族アルコールおよびエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、セルソルブ類、および
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等のアミノアルコール類等を挙げることが
出来る。
本発明に使用される除去処理液には、更に界面活性剤
を含有させることができる。これにより除去処理液が電
子写真感光体の感光層の表面に良く濡れるようになり、
除去処理液の処理能力(単位容積の除去処理液が除去で
きる感光層の量)を向上させることができ、更に最適な
結果を与える処理条件(温度および処理時間など)の巾
を広げることができる。このような界面活性剤の好まし
いものには、アニオン界面活性剤と両性界面活性剤が含
まれる。アニオン界面活性剤の好ましい具体例には、例
えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなア
ルキルベンゼンスルホン酸塩類(該アルキル基の炭素原
子数は8〜18、より好ましくは12〜16)、例えば、イソ
プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムのようなアル
キルナフタレンスルホン酸塩類(該アルキル基の炭素数
は3〜10)、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合
物、ジアルキルスルホンこはく酸塩類(該アルキル基の
炭素数は2〜18)、ジアルキルアミドスルホン酸塩類
(該アルキル基の炭素数は11〜17)などが含まれる。両
性界面活性剤の好ましい具体例には、イミダゾリン誘導
体、例えばN−アルキル−N,N,N−トリス(カルボキシ
メチル)アンモニウム(該アルキル基の炭素数は12〜1
8)、N−アルキル−N−カルボキシメチル−N,N−ジヒ
ドロキシエチルアンモニウム(該アルキル基の数は12〜
18)などのベタイン型化合物が含まれる。かかる界面活
性剤の使用量は特に制限はないが、一般的には約0.003
〜約3重量%、より好ましくは0.006〜1重量%の濃度
でエッチング液中に含有させられる。
本発明に使用される除去処理液には、更に、消泡剤を
含有させることができる。好適な消泡剤には、米国特許
第3,250,727号、同第3,545,970号、英国特許第1,382,90
1号、同第1,387,713号などの各明細書に記されている化
合物がある。これらの内でも有機シラン化合物は好まし
い。
上記のような除去処理液で、トナー画像が形成された
電子写真感光体を除去処理する方法としては種々の方法
が可能である。具体的には、トナー画像の形成された感
光体を除去処理液中に浸漬する方法、当該感光体の感光
層に対して多数のノズルから除去処理液を噴射する方
法、除去処理液が湿潤されたスポンジで当該感光体の感
光層を拭う方法、当該感光体の感光層の表面に除去処理
液をローラー塗布する方法などが挙げられる。またこの
ようにして感光体の感光層に除去処理液が施された後、
感光層の表面をブラシなどで軽く擦ることもできる。処
理条件については、上記の方法に応じて、当業者が適宜
決定することができる。一例を示すと、例えば浸漬によ
る方法では、約15〜35℃の除去処理液に、約10〜80秒間
浸漬される。
上記のようにして得られた平版印刷版はスクイーズさ
れて、版面上の除去処理液の量が少なくなる様にするこ
とが好ましい。本発明においては、スクイーズされた後
に残存する平版印刷版の版面上の除去処理液の量は表裏
両面で20ml/m2以下であることが好ましく、この量はで
きるだけ少ない方が好ましい。従って、より好ましい除
去処理液の残存量は10ml/m2以下であり、最も好ましく
は5ml/m2以下である。スクイーズされた後の量が20ml/m
2よりも多くなると、本発明で用いるリンス液がより早
く劣化するので補充量を多くする必要があり、廃液処理
を含めてランニングコストアップとなり、好ましくな
い。
平版印刷版の版面をスクイーズする方法としては、例
えばゴムのような弾性部材をローラー表面に被覆した弾
性ローラー対の間に平版印刷版を通して、そのニップ圧
力によって版面の除去処理液を除去する方法、或いは表
面の滑らかな弾性プラスチック材を平版印刷版の搬送路
に沿わせた状態で配置し、その版面と摺接させることに
より版面の除去処理液を掻取る方法などを採用すること
ができる。
かくして得られた平版印刷版は、本発明の方法にした
がってリンス処理される。具体的な処理方法としては、
リンス液が満たされた浴に浸漬する方法、リンス液を版
画にスプレーで噴射する方法、リンス液をローラーで塗
布する方法などがある。その後、この液をニップして除
去し乾燥後ガム液を塗布して平版印刷版を得ることがで
きる。
本発明で用いることのできるガム液として、以下の如
き水溶性樹脂を例として挙げることができる。
例えば天然高分子には、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱
粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びコーンスターチ等の澱
粉類、カラジーナン、ラミナラン、海ソウマンナン、ふ
のり、アイリッシュモス、寒天及びアルギン酸ナトリウ
ム等の藻類から得られるもの、トロロアオイ、マンナ
ン、クインスシード、ベクチン、トラガカントガム、カ
ラヤガム、キサンチンガム、グァービンガム、ローカス
トビンガム、アラビアガム、キャロプガム及びベンゾイ
ンガム等の植物性粘物質、デキストラン、グルカン及び
レバンなどのホモ多糖並びにサクシノグルカン及びサシ
タンガムなどのヘテロ多糖等の微生物の発酵などを利用
して変成した粘物質、にかわ、ゼラチン、カゼイン及び
コラーゲン等のタンパク質などが挙げられる。半天然物
(半合成品)であるアルギン酸プロピレングリコールエ
ステルの他に、ビスコース、メチルセルロース、エチル
セルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエ
チルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート等の繊維素誘導体並びに加工澱粉等があげ
られる。加工澱粉には白色デキストリン、黄色デキスト
リン及びブリテイッシュガムなどの焙焼澱粉、酵素デキ
ストリン及びシャーディンガーデキストリンなどの酵素
変性デキストリン、可溶化澱粉に示される酸分解澱粉、
ジアルデヒドスターチに示される酸化澱粉、変性アルフ
ァー化澱粉及び無変性アルファー化澱粉等のアルファー
化澱粉、リン酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、
キサントゲン酸澱粉及びカルバミン酸澱粉などのエステ
ル化澱粉、カルボキシルアルキル澱粉、ヒドロキシアル
キル澱粉、スルフォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、
アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉及び
ジアルキルイマノ澱粉などのエーテル化澱粉、メチロー
ル架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、りん酸架橋
澱粉及びジカルボン酸架橋澱粉などの架橋澱粉、澱粉ポ
リアクリルアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合
体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニ
トリル共重合体、カチオン性澱粉ポリアクリル酸エステ
ル共重合体、カチオン性澱粉ビニルポリマー共重合体、
澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体及び澱粉ポリエチ
レンオキサイド共重合体などの澱粉グラフト共重合体な
どがあげられる。合成品にはポリビニルアルコールの
他、部分アセタール化ポリビニルアルコール、アリル変
性ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、
ポリビニルエチルエーテル及びポリビニルイソブチルエ
ーテルなどの変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル
酸ナトリウム、ポリアクリル酸エステル部分けん化物、
ポリアクリル酸エステル共重合体部分けん化物、ポリメ
タアクリル酸塩及びポリアクリルアマイドなどのポリア
クリル酸誘導体およびポリメタクリル酸誘導体、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニル
ピロリドン、ポリビニルピロリドンとビニルアセテート
の共重合物、カルボキシビニルポリマー、スチロールマ
レイン酸共重合物、スチロールクロトン酸共重合物など
である。
水溶性樹脂の含有率は1〜30重量%が好ましく、より
好ましくは3〜25重量%である。含有率が1重量%より
少なくなるつれて、それを使用したことによる効果が減
少していき、30重量%より多くなるにつれて画像部の感
脂性を低下させるようになり、印刷開始時に満足なイン
キ濃度を有する印刷物が得られるまでに、多数枚の印刷
物を刷らなければならなくなる。
これらの水溶性樹脂は単独で使用しても良く、又2種
以上組合せても使用できる。
本発明に使用するガム液には、水溶性樹脂のほか、必
要に応じて種々の公知の成分を含有させることができ
る。
例えば、界面活性剤を添加することにより塗布層の面
状等が良化する。使用出来る界面活性剤としてはアニオ
ン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、
カチオン界面活性剤がある。
アニオン界面活性剤としては脂肪酸塩類、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸塩類、アルキル硫酸塩類、α−オレフィンスルホン酸
塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ジアルキルスルホ
コハク酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル、硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、N−ラ
ウロイルサルコシン塩類、ナフタレンホルマリン縮合物
のスルホン酸類、ジフェニルエーテルジスルホン酸塩類
等がある。ノニオン界面活性剤としてはポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
フェノールエーテル類、ポリオキシエチレン、ポリオキ
シプロピレンブロックポリマー類、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリ
セリン脂肪酸アステル類、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン類、脂
肪酸モノグリセリド類、ソルビタン脂肪酸エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸
エステル類、アミンオキシド類等がある。
両性界面活性剤としてはアルキルカルボキシベタイン
型類、アルキルアミノカルボン酸型類、アルキルイミダ
ゾリン型類等がある。カチオン界面活性剤としてはテト
ラアルキルアンモニウム塩類、トリアルキルベンジルア
ンモニウム塩類、アルキルイミダゾリニウム塩類等があ
る。その他弗素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等
を挙げられる。
特に界面活性剤の中でアニオン界面活性剤及び/又は
ノニオン界面活性剤が有効である。これらの界面活性剤
は二種以上併用することもできる。使用量は特に限定す
る必要はないが好ましい範囲は不感脂化液の0.01〜10重
量%である。
水はガム液の溶媒として機能するものである。水とし
ては、蒸留水、脱イオン水、固型物を濾過除去した水、
上水道水等を用いることができる。水は他成分含有量の
残余の量を占めるものであってその含有量の範囲は特定
されるものではないが、一般に40〜95重量%の範囲で好
適に用いられる。
又、本発明では、pH=8〜14(特に9〜13)の範囲が
好ましい。
このようにして処理されて得られた平版印刷版は、現
像インク盛り、加筆または消去に代表される修正、ガム
引きなどの種々の工程に供することができ、しかもこれ
らのいずれの工程をも、何ら支障なく、効率的に行なう
ことができる。
また、本発明の方法によるとトナー画像部表面に界面
活性剤の層ができ、親水性の保護ガムとの直接の接触を
さけることによって、印刷スタート時の印刷インキの着
肉性が向上するものと推定される。
本発明について更に詳細に説明する。
電子写真感光体に用いられる導電性基板としては、導
電性表面を有するプラスチックシートまたは特に溶剤不
透過性および導電性にした紙、アルミニウム板、亜鉛
板、または銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、ク
ロム−銅板等のバイメタル板、またはクロム−銅−アル
ミニウム板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレ
ス板等のトライメタル板等の親水性表面を有する導電性
基板が用いられ、その厚さは、0.1〜3mmが好ましく、特
に0.1〜0.5mmが好ましい。これらの基板の中でもアルミ
ニウム板が好適に使用される。本発明において用いられ
るアルミニウム板はアルミニウムを主成分とする純アル
ミニウムや微量の異原子を含むアルミニウム合金などの
板状体であり、その組成が特定されるものではなく公
知、公用の素材を適宜使用することが出来る。
このアルミニウム板は公知の方法で砂目立て、陽極酸
化して用いることが出来る。砂目立て処理に先立ってア
ルミニウム板表面の圧延脂を除去するために、所望によ
り界面活性剤またはアルカリ性水溶液による脱脂処理が
施され、砂目立て処理が行われる。砂目立て処理方法に
は、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に表面
を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法
がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、ボー
ル研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法
等と称せられる公知の方法を用いることが出来る。また
電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解液中
で交流または直流により、行う方法がある。また、特開
昭64−63,902号に開示されている様に両者を組み合わせ
た方法も利用できる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて
アルカリエッチング処理及び中和処理される。
この様に処理されたアルミニウム板は陽極酸化処理さ
れる。陽極酸化処理に用いられる電解質としては硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸、あるいはそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質やその濃度は電解質の種類によって
適宜決められる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質に
より種々変わるので、一概に特定し得ないが、一般的に
は電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は、5〜70
℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10
秒〜50分の範囲に有れば好適である。陽極酸化皮膜量は
0.1〜10g/m2が好適であるが、より好ましくは1〜6g/m2
の範囲である。
このようにして得られた導電性基板の上に公知の電子
写真感光層(光導電層)を設けて、電子写真感光体を得
ることが出来る。
光導電層に用いる光導電性材料としては従来から知ら
れている数多くの有機または無機の化合物を用いること
が出来る。例えば、公知の分散可能な光導電性材料とし
ては、セレン、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化
亜鉛等の無機光導電材料を挙げることが出来る。また、
有機光導電性化合物としては、 1)米国特許第3,112,197号明細書などに記載されてい
るトリアゾール誘導体、 2)米国特許第3,189,447号明細書などに記載されてい
るオキサジアゾール誘導体、 3)特公昭37−16,096号公報などに記載されているイミ
ダゾール誘導体、 4)米国特許第3,615,402号、同3,820,989号、同3,542,
544号、特公昭45−555号、同51−10,983号、特開昭51−
93,224号、同55−108,667号、同55−156953号、同56−3
6,656号明細書、公報などに記載のポリアリールアルカ
ン誘導体、 5)米国特許第3,180,729号、同4,278,746号、特開昭55
−88,064号、同55−88,065号、同49−105,537号、同55
−51,086号、同56−80,051号、同56−88,141号、同57−
45,545号、同54−112,637号、同55−74,546号明細書、
公報などに記載されているピラゾリン誘導体及びピラゾ
ロン誘導体、 6)米国特許第3,615,404号、特公昭51−10,105号、同4
6−3,712号、同47−28,336号、特開昭54−83,435号、同
54−100,836号、同54−119,925号明細書、公報などに記
載されているフェニレンジアミン誘導体、 7)米国特許第3,567,450号、同3,180,703号、同3,240,
597号、同3,658,520号、同4,232,103号、同4,175,961
号、同4,012,376号、西独国特許(DAS)1,110,518号、
特公昭49−35,702号、同39−27,577号、特開昭55−144,
250号、同56−119,132号、同56−22,437号明細書、公報
などに記載されているアリールアミン誘導体、 8)米国特許第3,526,501号明細書記載のアミノ置換カ
ルコン誘導体、 9)米国特許第3,542,546号明細書などに記載のN,N−ビ
カルバジル誘導体、 10)米国特許第3,257,203号明細書などに記載のオキサ
ゾール誘導体、 11)特開昭56−46,234号今報などに記載のスチリルアン
トラセン誘導体、 12)特開昭54−110,837号公報等に記載されているフル
オレノン誘導体、 13)米国特許第3,717,462号、特開昭54−59,143号(米
国特許第4,150,987号に対応)、同55−52,063号、同55
−52,064号、同55−46,760号、同55−85,495号、同57−
11,350号、同57−148,749号、同57−104,144号明細書、
公報などに記載されているヒドラゾン誘導体、 14)米国特許第4,047,948号、同4,047,949号、同4,265,
990号、同4,273,846号、同4,299,897号、同4,306,008号
明細書などに記載のベンジジン誘導体、 15)特開昭58−190,953号、同59−95,540号、同59−97,
148号、同59−195,658号、同62−36,674号公報などに記
載されているスチルベン誘導体等がある。
また、上記のような低分子光導電性化合物の他に、次
のような高分子化合物も使用することが出来る。
16)特公昭34−10,966号公報記載のポリビニルカルバゾ
ール及びその誘導体、 17)特公昭43−18,674号、同43−19,192号公報記載のポ
リビニルビレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2−
ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5−
フェニルオキサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチル
カルバゾール等のビニル重合体、 18)特公昭49−19,193号公報記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの共重合
体等の重合体、 19)特公昭56−13,940号公報などに記載のピレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、プロムピレン−ホルムアルデヒド樹
脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の縮
合樹脂、 20)特開昭56−90,883号、同56−161,550号公報に記載
された各種のトリフェニルメタンポリマー、 また、光導電体の感度の向上、望みの感光波長域を持
たせるため等の目的のために、各種の顔料、染料等を使
用することが出来る。これらの例としては、 1)米国特許第4,436,800号、同4,439,506号、特開昭47
−37543号、同58−123,541号、同58−192,042号、同58
−219,263号、同59−78,356号、同60−179,746号、同61
−148,453号、同61−238,063号、特公昭60−5941号、同
60−45,664号等に記載されたモノアゾ、ビスアゾ、トリ
スアゾ顔料 2)米国特許第3,397,086号、同4,666,802号等に記載の
金属フタロシアニンあるいは無金属フタロシアニン等の
フタロシアニン顔料 3)米国特許第3,371,884号等に記載のベリレン系顔料 4)英国特許第2,237,680号等に記載のインジゴ、チオ
インジゴ誘導体 5)英国特許第2,237,679号等に記載のキナクリドン系
顔料 6)英国特許第2,237,678号、特開昭59−184,348号、同
62−28,738号等に記載の多環キノン系顔料 7)特開昭47−30,331号等に記載のビスベンズイミダゾ
ール系顔料 8)米国特許第4,396,610号、同4,644,082号等に記載の
スクアリウム塩系顔料 9)特開昭第59−53,850号、同61−212,542号等に記載
のアズレニウム塩系顔料 また、増感染料としては、「増感剤」125頁(講談社8
1987)、「電子写真」12 9(1973)「有機合成化学」24
No.111010(1966)等に記載の公知の化合物を使用する
ことが出来る。例えば、 10)米国特許第3,141,770号、同4,283,475号、特公昭第
48−25,658号、特開昭62−71,965号等に記載のピリリウ
ム系染料 11)Applied Optics Supplement 3 50(1969)、特開昭
50−39,548号等に記載のトリアリールメタン系染料 12)米国特許第3,597,196号等に記載のシアニン系染料 13)特開昭60−163,047号、同59−164,588号、同60−25
2,517号等に記載のスチリル系染料 これらの有機光導電性材料は1種または2種以上を併
用して用いても良い。
本発明の光導電層には、感度向上などの目的として、
例えば、トリニトロフルオレノン、クロラニル、テトラ
シアノエチレン等の電子吸引性化合物、特開昭58−65,4
39号、同58−102,239号、同58−129,439号、同62−71,9
65号等に記載の化合物等を挙げることが出来る。
電子写真製版用感光体においては、光導電性化合物自
体が皮膜性を有する場合があるが、光導電性化合物が皮
膜性を有さない場合は結合樹脂を用いることが出来る。
結合樹脂としては、電子写真の分野で公知の樹脂を使用
することが出来る。電子写真製版用感光体を用いて印刷
版を作成するには、最終的に非画像部の光導電性層を除
去する必要があるが、このプロセスは、光導電層の除去
処理液に対する溶解性、膨潤性、脱膜性、浸透性あるい
はトナー像の除去処理液に対するレジスト性などの相対
的な関係によって決まるため、一概に言うことは出来な
い。結合樹脂としては、前述の除去処理液に可溶または
膨潤・脱膜・分散可能な高分子化合物が好ましい。
具体的には、例えば、スチレンと無水マレイン酸の共
重合体、スチレンと無水マレイン酸モノアルキルエステ
ルの共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸エステル共
重合体、スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸エステ
ル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸エステル共重
合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/
クロトン酸/メタクリル酸エステル共重合体等のアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、酢酸
ビニルなどとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸な
どのカルボン酸含有モノマーあるいは酸無水物基含有モ
ノマーとの共重合体やメタクリル酸アミド、ビニルピロ
リドン、フェノール性水酸基、スルホン酸基、スルホン
アミド基、スルホンイミド基をもつ単量体を含有する共
重合体、フェノール樹脂、部分ケン化酢酸ビニル樹脂、
キシレン樹脂、ポリビニルブチラール等のビニルアセタ
ール樹脂をあげることができる。
酸無水物基またはカルボン酸基を有するモノマーを共
重合成分として含有する共重合体、およびフェノール樹
脂は、電子写真製版用感光体としたときの光導電層の電
荷保持力が高く、好結果をもって使用することができ
る。
酸無水物基を有するモノマーを共重合成分として含有
する共重合体としては、スチレンと無水マレイン酸の共
重合体が好ましい。また、この共重合体のハーフエステ
ルも使用することができる。カルボン酸基を有するモノ
マーを共重合成分として含有する共重合体としては、ア
クリル酸もしくはメタクリル酸と、アクリル酸もしくは
メタクリル酸のアルキルエステル、アリールエステルも
しくはアラルキルエステルとの2元以上の共重合体が好
ましい。また、酢酸ビニルとクロトン酸共重合体、酢酸
ビニルと炭素数2〜18のカルボン酸のビニルエステルと
クロトン酸との3元共重合体も好ましい例である。フェ
ノール樹脂の中で特に好ましいものとしては、フェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾールまたはp−クレゾ
ールとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとを酸
性条件下で縮合させて得られるノボラック樹脂をあげる
ことができる。結合樹脂は単独で、あるいは2種以上混
合して用いても良い。
光導電性化合物と結合樹脂を用いる場合は、光導電性
化合物の含有量が少ないと感度が低下するため、結合樹
脂1重量部に対して光導電性化合物は、0.05重量部以
上、より好ましくは0.1重量部以上の範囲で使用するこ
とが出来る。また光導電層の膜厚は、薄すぎると現像に
必要な電荷が帯電できず、厚すぎると除去処理の際にサ
イドエッチと称する平面方向のエッチングを起こして良
好な画像を得られず、0.1〜30μ、より好ましくは0.5〜
10μで使用できる。
本発明の電子写真製版用印刷版は常法に従って光導電
層を導電性基板上に塗布することによって得られる。光
導電層の作成に当たっては、光導電層を構成する成分を
同一層中に含有させる方法、あるいは二層以上の層に分
離して含有させる方法、例えば電荷担体発生物質と電荷
担体輸送物質を異なる層に分離して用いる方法等が知ら
れており、いずれの方法にても作成することが出来る。
塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒に溶
解し、作成するが、顔料などの溶媒に不溶な成分を用い
るときは、ボールミル、ペイントシェーカー、ダイノミ
ル、アトライター等の分散機により粒径5μ〜0.1μに
分散して用いる。光導電層に使用する結合樹脂、その他
の添加剤は顔料などの分散時、あるいは分散後に添加す
ることが出来る。この様にして作成した塗布液を回転塗
布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、
ディップ塗布、ロッドバー塗布、スプレー塗布の様な公
知の方法で基体上に塗布乾燥して電子写真製版用印刷版
を得ることが出来る。塗布液を作成する溶媒としては、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロフォルム等の
ハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチル
エーテル、2−メトキシエチルアセテート等のグリコー
ルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が
挙げられる。
光導電層には光導電性化合物、結合樹脂の他に光導電
層の柔軟性、塗布面状などの膜物性を改良する目的で、
必要に応じて、可塑剤、界面活性剤、その他の添加剤を
加えることが出来る。可塑剤としては、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−テルフェニル、p−テルフェニル、
ジブチルフタレート、ジメチルグリコールフタレート、
ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸等が挙げられ
る。
画像部を形成するトナーは前記除去処理液に対してレ
ジスト性を有する樹脂成分を含有していることが好まし
い。樹脂成分としては例えば、メタクリル酸、メタクリ
ル酸エステルなどを用いたアクリル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、酢酸ビニルとエチレン又は塩化ビニルなどの共重合
体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニル
ブチラールのようなビニルアセタール樹脂、ポリスチレ
ン、スチレンとブタジエン、メタクリル酸エステルなど
の共重合物、ポリエチレン、ポリプロピレン及びその塩
素化物、ポリエステル樹脂(例、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンイソフタレート、ビスフェノール
Aのポリカルボネート)、ポリアミド樹脂(例、ポリカ
プラミド、ポリヘキサメチレンアジポアミド、ポリヘキ
サメチレンセバカミド)、フェノール樹脂、キシレン樹
脂、アルキッド樹脂、ビニル変性アルキッド樹脂、ゼラ
チン、カルボキシメチルセルロースなどのセルロースエ
ステル誘導体、ワックス、ポリオレフイン、ろうなどが
ある。
本発明に使用する電子写真製版用感光体においては、
前記導電性基板と光導電層の間に必要によりカゼイン、
ポリビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール
樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリ
ル酸、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リメタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリエ
タノールアミン及びそれらの塩酸塩、蓚酸塩、燐酸塩、
アミノ酢酸、アラニン等のモノアミノモノカルボン酸;
例えばセリン、スレオニン、ジヒドロキシエチルグリシ
ン等のオキシアミノ酸;例えばシステイン、シスチン等
の硫黄を含むアミノ酸;例えばアスパラギン酸、グルタ
ミン酸等のモノアミノジカルボン酸;例えばリシン等の
ジアミノモノカルボン酸;例えばp−ヒドロキシフェニ
ルグリシン、フェニルアラニン、アントラニル酸等の芳
香族核をもつアミノ酸;例えばトリプトフアン、プロリ
ン等の複素環をもつアミノ酸;例えばスルフアミン酸、
シクロヘキシルスルフアミン酸等の脂肪族アミノスルホ
ン酸;例えばエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジア
ミン二酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレ
ントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢
酸等の(ポリ)アミノポリ酢酸;およびこれらの化合物
の酸基の1部又は全部がナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩などからなる中間層を前記基板と光導電層
との接着性、光導電層の静電特性、除去性および/又は
印刷特性を改良する目的で設けることができる。
また、光導電層上に必要により光導電層の静電特性、
トナー現像時の現像特性、あるいは画像特性を改良する
目的で光導電層除去時に除去し得るオーバーコート層を
設けることができる。このオーバーコート層は、機械的
にマット化されたもの、あるいはマット剤が含有される
樹脂層であってもよい。マット剤としては二酸化珪素、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ガラス粒
子、アルミナ、澱粉、重合体粒子(たとえばポリメチル
メタアクリレート、ポリスチレン、フェノール樹脂など
の粒子)及び米国特許第2,710,245号明細書、米国特許
第2,992,101号明細書に記載されているマット剤が含ま
れる。これらは二種以上併用することができる。マット
剤を含有する樹脂層に使用される樹脂は使用される除去
処理液との組み合わせにより、適宜選択される。具体的
には例えばアラビアゴム、ニカワ、ゼラチン、カゼイ
ン、セルローズ類(たとえばビスコース、メチルセルロ
ーズ、エチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルロー
ズ,ヒドロキシプロピルメチルセルローズ、カルボキシ
メチルセルローズ等)、澱粉類(例えば可溶性澱粉、変
性澱粉等)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキ
シド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルメチルエーテル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂(特
にノボラック型フェノール樹脂が好ましい)、ポリアミ
ド、ポリビニルブチラール等がある。これらは二種以上
併用することができる。
(実施例) 本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発
明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定される
ものではない。なお、実施例において部又は%はすべて
重量部又は重量%を示す。
実施例1 JIS1050アルミニウムシートをパミス−水懸濁液を研
磨剤として、回転ナイロンブラシで表面を砂目立てし
た。この時の表面粗さ(中心線平均粗さ)は0.5μであ
った。水洗後、70℃の10%苛性ソーダ水溶液に浸漬しア
ルミニウムの溶解量が6g/m2になるようにエッチングし
た。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬することによ
り中和し、十分水洗した。その後、0.7%硝酸水溶液中
で、陽極時電圧13ボルト、陰極時電圧6ボルトの矩形波
交番波形を用いて(特公昭55−19,191号に記載)20秒間
電解粗面化を行い、20%硫酸の50℃溶液中に浸漬して表
面を洗浄した後、水洗した。更に、20%硫酸水溶液中で
陽極酸化皮膜重量が3.0g/m2となるように陽極酸化処理
を施して、水洗、乾燥したのち更にβ−アラニンを28mg
/m2となるよう塗布、乾燥することにより、基板を作成
した。
この基板上に下記の光導電層用塗布液をバーコーター
で塗布、120℃、10分間乾燥し電子写真製版用感光体を
作成した。
光導電層用塗布液 下記に示すヒドラゾン 化合物 25部 ベンジルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体 (メタクリル酸30モル%) 75部 下記のチオピリリウム塩化合物 1.18部 メチレンクロライド 510部 メチルセルソルブアセテート 150部 このようにして作成した電子写真製版用感光体の乾燥
膜厚は4μであった。
次に、この試料を暗所でコロナ帯電機により表面電位
+400Vに帯電した後タングステン光で露光し、液体現像
剤リコーMRP(リコー(株))で現像することにより、
鮮明なポジ画像を得る事が出来た。更に、作成した画像
を120℃で2分間加熱し、トナー画像を定着した。
これを次の組成の除去処理液(25℃)で処理した。
尚、下記の除去処理液は純水により6〜10倍に希釈して
使用し、スプレーにて除去処理液を供給後、未露光部を
ブラシロールによって除去した。
・除去処理液 1Kケイ酸カリウム 300g 水酸化カリウム 150g アモーゲンK(第一工業製薬製) 1g 水 1000g 下記の組成の処理液(リンス処理液A)を調製し、5
倍に希釈して使用した。この時のpHは3.5であった。
・リンス処理液A リン酸(85%) 5g ヘキサメタリン酸ソーダ 0.5g サンデットBL〔アルキル(C12)ジフェニルエーテルジ
スルホン酸ソーダ〕 (三洋化成(株)製) 4g 水酸化ナトリウム 2g 純水 100g すなわち、電子写真現像処理済みの平版印刷版を除去
処理液後直ちに、上記界面活性剤を含む酸性水溶液をロ
ーラ塗布した。一方比較のために、上記処理液Aでの処
理を行わず除去処理液後水洗処理した比較例1、及び処
理液Aの代りにリン酸水溶液(4重量%)を用いた比較
例2も同時に実施例1と同様にしてそれぞれ処理を行な
った。
得られた各平版の非画像部への除去物の付着を調べ
た。次に、市販のCu−7(富士写真フィルム製)ガム液
でガム引きしたのち、通常の手順で印刷を行い刷り始め
てから十分な印刷インク濃度を有する印刷物が得られる
までの枚数(着肉枚数という)を調べた。これらの結果
をまとめて表1に示す。
表1から明らかなように、本発明による処理を施すと
印刷インキ着肉性が改良され、かつ除去物のプレートへ
の付着が防止できることが判る。
実施例2 表2に示す組成の処理液を調製し、実施例1と同様に
して平版印刷版を得た。結果をまとめて表3に示す。
表3より本発明によればすぐれた効果が得られること
がわかる。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によれば、印刷スタート時の印刷イ
ンキ着肉性の改良が得られる利点に加えて、発生した除
去物が印刷版へ付着して印刷汚れとなるのを防止でき、
かつ水洗水不用による公害防止、経済性の向上という効
果が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像部が導電性基板上に設けられた光導電
    体層上に、アルカリ性処理液からなる除去処理液による
    処理で溶解しないトナー画像を電子写真プロセスにより
    形成した平版印刷版を、該除去処理液で処理する平版印
    刷版の製造方法において、トナー画像のない非画像部を
    除去した後アニオン界面活性剤および/又はノニオン界
    面活性剤と酸とを含むpH2ないし6の水溶液で処理する
    事を特徴とする平版印刷版の製造方法。
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