JPH09314795A - 電子写真平版印刷版の溶出装置 - Google Patents

電子写真平版印刷版の溶出装置

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JPH09314795A
JPH09314795A JP12943496A JP12943496A JPH09314795A JP H09314795 A JPH09314795 A JP H09314795A JP 12943496 A JP12943496 A JP 12943496A JP 12943496 A JP12943496 A JP 12943496A JP H09314795 A JPH09314795 A JP H09314795A
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JP
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liquid
roll
eluate
plate
elution
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JP12943496A
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Yuji Takagami
裕二 高上
Hiromi Eguchi
博美 江口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶出装置起動直後の溶出処理初版から処理能
力を一定域に保持し、安定した溶出処理を可能にする電
子写真平版印刷版の溶出装置を提供する。 【解決手段】 トナー画像が形成された電子写真平版印
刷版を搬送しながら、版面に循環溶出液を供給して非画
像部光導電層を可溶化後、余剰の溶出液を一定量に計量
する溶出部と、その搬送後方で版上に残る溶出液と可溶
化光導電層とを除去して廃棄する除去部を有する電子写
真平版印刷版の溶出装置に於いて、少なくとも、電子写
真平版印刷版の搬送を兼ねたロール対の搬送面より上部
のロールを介して、幅方向均一に循環溶出液を供給する
溶出液供給手段、及びロール表面温度測定手段を有し、
該溶出装置の起動時に溶出液供給手段を一定時間動作さ
せ、該ロールの表面温度を設定された循環溶出液温の±
2℃の温度範囲となった後に製版開始させる制御手段
と、を有することを特徴とする電子写真平版印刷版の溶
出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導電層上にトナ
ー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しなが
ら、光導電層面に加温された循環溶出液を供給して非画
像部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製するための
電子写真平版印刷版の溶出装置に関し、起動直後の溶出
処理初版から溶出処理能力を一定域に保持して長期に亙
って安定した溶出処理が行なえ、液交換の頻度を減少さ
せる電子写真平版印刷版の溶出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非画像部アルカリ除去型平版印刷版は、
親水性支持体上にインク受理性の画像形成層を設けてな
り、画像露光等の操作により最終印刷物に於ける画像部
に対応する部分より非画像部に対応する部分の相対的ア
ルカリ溶解性を高め、これにより非画像部画像形成層を
アルカリ性処理液によって溶解し、清浄液(リンス液)
を供給して版面を清浄した後、通常保護ガム処理され
る。これらの処理は通常自動機を用いて行われるが、従
来これらの平版印刷版を製版処理する装置に採用されて
いる処理方式としては、液循環再利用方式、新液使い捨
て処理方式、及び処理過程計量残存液廃棄方式に大別さ
れる。
【0003】最初の液循環再利用方式は、版面に過剰量
の処理液を接触させた後、溶解した非画像部を含む処理
液を版上から全て除去して循環再利用する方式であり、
液供給方法としてはロール挟持して搬送する印刷版上に
スプレー及びシャワー等から処理液を直接に、或いはロ
ールや整流板等を介して供給する方法の他、特開平2−
2569号公報等に開示の様に液中シャワーやブラシに
より処理液を対流させた処理液槽中を液中ガイドロール
等によって印刷版を湾曲浸漬(ディップ方式)させて処
理する方法、実開平1−160443号公報に開示の様
に印刷版を対向面に多数の突起を有する斜傾保持された
一対のガイド板間を搬送し、ガイド板搬送方向上方端面
から液供給する方法等、多数枚製版による液性劣化を抑
制するための補充液補充方法と共に、従来から種々の応
用例が開示されている。
【0004】二番目の新液使い捨て処理方式は、特開昭
62−238564号公報等に開示の様に、液供給スリ
ットのギャップやワイヤバーのワイヤ径等の調整によっ
て、版面に処理液を供給する前に必要最低量を前計量し
て一版毎に新液を供給し、場合に応じて処理促進手段を
処理過程で施した後、処理済みの疲労処理液は可溶化し
た非画像部と共に除去廃棄する方式である。
【0005】最後の処理過程計量残存液廃棄方式は、特
開昭62−59957号公報等に開示の様に、版面に一
旦過剰量の処理液を供給した後に処理液を一定量に計量
して余剰液は循環再塗布、計量後の版上の処理液は現像
完了後に可溶化した非画像部と共に廃棄する方式で、特
開昭63−163353号公報には版先頭部の製版不良
を改善するため、液計量後更に版先頭部に液計量時に除
去した処理液を循環再供給する方式も開示されている。
また、特開平2−93474号公報には、特開昭62−
59957号公報及び特開昭63−163353号公報
に開示の技術を電子写真平版印刷版の処理に応用した方
法が開示されている。
【0006】これらの方式の内、液循環再利用方式では
余剰液を循環再使用するので、見掛けの廃液量は少ない
が、製版に従って循環処理液への非画像部成分の蓄積に
より処理液は漸次疲労し、やがては処理不良を誘発す
る。また、循環処理液に液補充等を行なうことで循環液
自体は所期の処理特性を保持していても、流入した画像
形成層成分を多く含有する処理液では液循環系や槽内搬
送系等に液固着が起こり易くなり、液供給量の低下や液
供給スプレーの液吐出孔の目詰まり等種々の悪影響を及
ぼすばかりか、画像形成層成分の印刷版支持体上への再
付着による印刷汚れを誘引する残膜をもたらす場合があ
る。
【0007】一方、新液使い捨て処理方式では処理液の
繰返し使用による処理変動を防止できる反面、液循環再
使用方式に比してより多量の処理液を必要とするし、必
然的に多量の廃液を出す結果となる。また、必要最低量
を供給しようとして液量を絞ると、応々にして処理液が
版全面を均一に被覆しない給液ムラが誘発し、特にその
傾向は版先頭部に強く発現して結果として処理欠陥とな
る。
【0008】例えば、所謂PS版等の感光性平版印刷版
1版毎に必要量供給する少量現像処理方法に於いても、
感光性平版印刷版の搬送中の蒸発潜熱により現像液の温
度が低下する。また、外気温度が現像液温よりも低下し
た場合、感光性平版印刷版が冷却され現像液と接触した
際、現像液の温度も低下し、現像不足による印刷物の汚
れ等が生じる問題がある。
【0009】この様な問題を解決する手段として、現像
前に感光性平版印刷版を加熱する方法として、例えば特
開平1−80962号公報、同1−81958号公報、
及び実開平1−152345号公報等に開示されてい
る。また、少量現像液供給部を温調する方法として、例
えば実開平1−152343号公報及び同1−1523
44号公報等に開示されている。
【0010】しかしながら、前記の方法等による少量現
像液で現像する場合には、現像前に感光性平版印刷版を
加熱すれば現像液の温度低下を防止できるが、液循環方
式では版面に過剰量の処理液を接触させるため、感光性
平版印刷版を加熱しても循環配管経路で低下した液温を
回復できない。また、少量現像液供給部を温調する場合
に於いても温調する液量が少量であるため、現像処理性
能に影響のない一定温度にコントロールする事は困難で
ある。更に、少量現像液供給部を加熱するため液蒸発に
よる固着などにより、液供給不良などのトラブルを招く
可能性がある。
【0011】液循環再利用方式及び新液使い捨て処理方
式の両者欠点を解消し長所を合せ持つ処理方式が、上記
の処理過程計量残存液廃棄方式である。この方式では、
計量により除去したアルカリ性処理液は非画像部の溶解
に関与していないので循環再使用し、更にこの循環液に
補充液を補充することで、実質的に液使い捨て方式と同
様に常にほぼ新液状態で製版ができ、処理液循環再利用
方式の様な経時的影響を受け難い。また、処理液は過剰
に版上に供給し、しかも液計量により少なくとも1回は
版上で処理液の攪乱が起こるから、新液使い捨て処理方
式よりも給液ムラによる処理欠陥がない。
【0012】しかし、本方式では循環槽中で液温度を制
御して、配管及び供給部材を経由して版面上へ供給され
るため、制御された液温と実際の版面上の液温とに差異
が生じる場合がある。
【0013】即ち、処理工程に於いて処理液の温度は循
環槽内で制御し、一定となるよう保持しているが、配管
系統、処理液供給手段、電子写真平版印刷版と接触する
ロールには温度維持する機能が特に用いられていなかっ
たため、循環槽中の液温と配管系統や搬送を兼ねたロー
ルなどの表面温度に差異があった場合には、処理液温度
の降落を招き、電子写真平版印刷版の溶出処理の進行に
悪影響を及ぼすことがあった。これは、特に装置設置場
所の雰囲気温度が低い場合など、起動直後の溶出処理初
版から数版程度にかけて満足いく処理が行われないこと
があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光導電層上
にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送し
ながら、光導電層面に加温された循環溶出液を供給して
非画像部光導電層を可溶化除去して印刷版を作製するた
めの電子写真平版印刷版の溶出装置に関し、起動直後の
溶出処理初版から溶出処理能力を一定域に保持して長期
に亙って安定した溶出処理が行なえ、もって液交換の頻
度を減少させる電子写真平版印刷版の溶出装置を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
検討を重ねた結果、以下の発明により達成されることを
見出した。則ち、第1の発明は、光導電層上にトナー画
像が形成された電子写真平版印刷版を搬送しながら、光
導電層面に加温された循環溶出液を供給して非画像部光
導電層を可溶化させた後に、液計量具により余剰の溶出
液を一定量に計量する溶出部と、その搬送後方で版上に
残存する溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃棄
する除去部を有する電子写真平版印刷版の溶出装置に於
いて、少なくとも、電子写真平版印刷版の搬送を兼ねた
ロール対の搬送面より上部のロールを介して、幅方向均
一に循環溶出液を供給する溶出液供給手段、及びロール
表面温度測定手段を有し、該溶出装置の起動時に溶出液
供給手段を一定時間動作させ、該ロールの表面温度を設
定された循環溶出液温の±2℃の温度範囲となった後に
製版開始させる制御手段を有することを特徴とする電子
写真平版印刷版の溶出装置である。
【0016】これにより、溶出装置起動後短時間に溶出
処理初版から溶出液の版面上での液温を常に一定にする
事が可能であり、溶出液温の変化における電子写真平版
印刷版の溶出処理への悪影響が防止される。
【0017】また、第2の発明は、電子写真平版印刷版
の搬送及び溶出液供給手段を兼ねたロール対の少なくと
も一方を加熱する、加熱手段を有する電子写真平版印刷
版の溶出装置である。これにより、溶出液供給手段を一
定時間動作させる時間も短縮されるため、溶出液循環中
の空気中の二酸化炭素等の酸性気体の吸収溶解を必要最
小限にする事ができ、溶出能の低下をもたらすpHの降
落も押さえることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の溶出装置は、光導電層上
にトナー画像が形成された電子写真平版印刷版を搬送し
ながら、光導電層面に加温された循環溶出液を供給して
非画像部光導電層を可溶化させた後に、液計量具により
余剰の溶出液を一定量に計量する溶出部と、その搬送後
方で版上に残存する溶出液と可溶化した光導電層とを除
去して廃棄する除去部を有する電子写真平版印刷版の溶
出装置であって、電子写真平版印刷版の搬送及び溶出液
供給手段を兼ねたロール対のロール表面温度測定手段を
有し、溶出装置の起動時に溶出液供給手段を一定時間動
作させ、配管系やロールなどを溶出液温度に馴染ませる
ようにする。
【0019】この溶出液供給手段を動作させる時間は、
溶出装置設置環境や季節変動に伴う雰囲気温度(室温)
の変化に左右されるため、一概に決定する場合には、最
も室温が低下する場合を想定してロールの表面温度が、
設定された循環溶出液温の±2℃の温度範囲となるよう
にしなければならず、起動から溶出開始可能となる時間
も長時間化せざるを得ない。本発明では、このことを考
慮してロールの表面温度測定手段により、この温度範囲
になったことを確認して直ちに製版が開始されるように
制御される。従って、溶出装置起動後短時間に溶出処理
初版から溶出液の版面上での液温を常に一定にする事が
可能であり、溶出液温の変化における電子写真平版印刷
版の溶出処理への悪影響が防止される。
【0020】また、電子写真平版印刷版の搬送及び溶出
液供給手段を兼ねたロール対の少なくとも一方を加熱手
段で循環溶出液温と略同温度に加熱することにより、さ
らに溶出装置の起動から溶出開始可能となる時間が短縮
される。これにより、溶出液供給手段を一定時間動作さ
せる時間も短縮されるため、溶出液循環中の空気中の二
酸化炭素等の酸性気体の吸収溶解を必要最小限にする事
ができ、溶出能の低下をもたらすpHの降落も押さえる
ことが可能となる。
【0021】さらに、本発明の具有する手段に関して例
を挙げて説明する。本発明の溶出装置のロール表面温度
測定手段としては、一般に市販されている温度測定方式
を用いた装置が使用できる。例えば、ロール表面に熱電
対を接触させて測定する方式(例えばオムロン社製E5
LDや測温体E52シリーズと電子温度調節器との組合
せ、キーエンス社製TFシリーズ)やロール表面から放
出される赤外線測定による方式のもの(例えばオムロン
社製非接触センサES1、キーエンス社製赤外放射温度
計IT2シリーズ、オプテックス社製非接触温度センサ
サーモハンターシリーズ)がある。これらは分解能が
0.1〜0.5℃程度と高く、また特に赤外線測定のも
のであればロールに非接触であり取り付け場所が比較的
自由になるため、溶出装置のメンテナンス時に邪魔にな
らないため有利に使用できる。
【0022】次に、本発明の溶出装置のロール加熱手段
としては、例えばロール軸内にヒータを内蔵したもの
や、温風発生装置からの温風をロールに吹き付けるよう
にしても良い。ロールの加熱は、ロール全体を行うこと
が好ましいが、処理する電子写真平版印刷版の幅程度を
行うようにしても差し支えない。
【0023】本発明の溶出装置に係わる溶出補充液及び
循環溶出液としては、少なくともアルカリ剤を含有し、
緩衝能を有す組成であることが望ましい。アルカリ剤と
しては、一般式SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表
す)で表現される珪酸塩、アルカリ金属水酸化物、リン
酸や炭酸のアルカリ金属やアンモニウム塩等の無機アル
カリ剤、エタノールアミン類、エチレンジアミン、トリ
エチレンテトラミン、及びモルホリン等の有機アルカリ
剤が挙げられる。特に珪酸塩は高pH域で強い緩衝能を
示すため、珪酸塩が好適である。更にこれにアルカリ金
属水酸化物等のその他のアルカリ剤を添加しても良い。
【0024】本発明の溶出装置に係わる溶出補充液は、
循環溶出液のアルカリ活性度の低下を補償できれば良い
から、必ずしも循環溶出液の有効成分と同一の試剤で構
成されている必要はないが、液調製や補充・溶出能の制
御等から上記循環溶出液組成にナトリウムやカリウム等
のアルカリ金属の酸化物、水酸化物、或いは炭酸塩を添
加した液が好適である。未使用の循環補充液にアルカリ
金属化合物を添加した溶出補充液の望ましい追添加アル
カリ金属化合物量は、溶出装置及び循環溶出液の使用状
況に応じ最適化する必要があるが、慨量として水酸化ナ
トリウム換算で10〜100g/dm3程度であり、1日
当たりの循環溶出液への水酸化ナトリウム換算追添加量
は溶出補充液補充量に強くは依存せず、5〜30g程度
である。
【0025】次に、本発明の処理装置に係わる処理工程
を工程順に説明する。本発明に係わる処理は、電子写真
平版印刷版を搬送しながら、光導電層面に循環溶出液を
供給する溶出液供給工程、非画像部光導電層を可溶化さ
せた後に液計量具により余剰の溶出液を一定量に計量す
る溶出液計量工程を有する溶出部、その搬送後方で版上
に残存する溶出液と可溶化した光導電層とを除去して廃
棄する可溶化光導電層除去工程を有する除去部を有す
る。
【0026】溶出液供給工程では、電子写真法によりト
ナー画像が形成された印刷版の光導電層面に貯液された
循環溶出液を供給する。溶出液供給方式としては、従来
公知の機構、例えば液吐出シャワー管、スライドホッ
パ、カーテンコータ等が使用でき、版面に均一に供給す
ることが望ましい。
【0027】本発明に係わる溶出液供給工程に於いて溶
出液は過剰に供給する必要があり、その量は液計量工程
通過後に版上に残る溶出液量より多くすることは勿論、
液計量工程に到る搬送中版端部から溶出液が流下する量
であることが肝要である。これにより、一部は非画像部
光導電層を膨潤可溶化させ、余剰分は版上を流動して被
溶出部に於いて既にある溶出液と一部置換しながら版端
部より流下する。従って、版端部では液置換が頻繁に起
こり、光導電層界面近傍の溶出液流動速度が上昇するこ
とによって、版部位による溶出度の変動が抑制される。
【0028】溶出液計量工程搬入直前では非画像部光導
電層をほぼ可溶化させて、次に溶出液計量工程にて液計
量手段により少なくとも版上にある溶出液を一定量残し
て余剰液を計量除去する。本発明に係わる液計量に於い
ては、可溶化した光導電層を除去する直前に溶出が完了
する様に溶出液を残す。好ましい液計量残液量は30〜
120g/m2が良く、更には40〜100g/m2が好適
である。
【0029】本発明に係わる液計量工程に於ける液計量
具としては、版搬送方向に対し何等かの駆動伝達により
回転可能であって、少なくとも版表面に対し回転方向全
てに計量幅方向に対し均一に接触し、液計量時は可溶化
した光導電層の剥離を抑制防止する形状を有することが
肝要である。例えば、軸回りに一定直径の細いワイヤを
螺旋状に巻付けたワイヤバー、溝付きロール、プレーン
バー、軽量のゴムロール等が挙げられるが、計量液量の
調整の簡便さや可溶化した光導電層成分の剥離流失の抑
制等の観点から、回転軸にワイヤを巻付けたワイヤバー
が本発明に好適に使用される。液計量具は、回転軸をあ
る周速で順方向或いは逆方向に強制的に回転させても、
また少なくとも版通過時にのみ回転する様にしても良
い。
【0030】液計量工程を経た印刷版は可溶化光導電層
除去工程に入り、除去手段により非画像部に残る可溶化
した光導電層と版上の可溶化により疲労した循環溶出液
を除去し、更に次工程へ搬送される。除去手段として
は、エアナイフ、ブレード、弾性ロール、回転及び非回
転(摺動或いは固定等)ブラシ、及びモルトンロール等
が使用可能であるが、本発明に係わる除去手段としては
機構上の保守管理負担の軽減、廃液量の低下、除去効
率、及び溶出品質の低下防止等の総合的理由から、ゴム
製のブレードが好適に用いられる。ゴムブレードを設置
する際には、その下に搬送速度以上の周速で回転するバ
ックアップロールを設けたり、版先頭部がゴムブレード
を通過した直後に加圧する様、搬送不良の誘発を防止す
る何等かのゴムブレード脱着機構を設けることが望まし
い。
【0031】液計量工程で液計量が理想的に行われれ
ば、更なる可溶化の進行はかなり抑制されるが、サイド
エッチの悪化や除去効率の低下を抑制防止するため、液
計量してから除去工程に於いて可溶化した光導電層成分
等を除去するまでの時間はより短い方が良く、好ましく
は1秒以下が望ましい。この可溶化光導電層除去工程に
於いて除去された液状物中には溶出液成分も含まれる
が、光導電層可溶化により疲労して溶出能が相当低下し
ているため、可溶化した光導電層成分と共に廃棄するこ
とが望ましい。
【0032】最後に、本発明に於いて処理する電子写真
平版印刷版の構成及びその製版工程を説明する。本発明
に於いて処理する電子写真平版印刷版は、導電性支持体
上に光導電層を設けてなり、通常の電子写真現像方式に
よりトナー画像を形成し得るものである。電子写真平版
印刷版に用いられる導電性支持体としては、導電性表面
を有するプラスチックシート、またはアルミニウム等の
金属板等を基体とし、少なくとも光導電層を設ける面は
親水化処理が施された導電性支持体が挙げられる。ま
た、それらの厚みは0.1〜0.5mmが良い。特に好ま
しいのはアルミニウム板で、アルミニウムを主成分とし
微量の異元素を含有しても良く、従来公知・公用の素材
を適宜使用することができる。また所望の表面性状を光
導電層を設ける支持体面に持たせるため、公知の方法で
砂目立て、陽極酸化することが好ましい。
【0033】この様にして得られた支持体表面処理面に
所望の電子写真光導電層を設けて電子写真平版印刷版が
得られる。本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導電
層には、公知の光導電性化合物を、単独または所望によ
り2種類以上混合して用いることができるが、本発明に
係わる電子写真平版印刷版の光導電層に於いては少量で
所望の電子写真特性が得られる光導電性フタロシアニン
系顔料が有利に用いられる。特に、レーザ等の光源に対
応して長波長領域に於いても優れた実用光感度を有する
χ型無金属フタロシアニン及びチタニルフタロシアニン
が好適である。
【0034】本発明に係わる電子写真平版印刷版の光導
電層には、更に少なくとも結着樹脂を併用する。本発明
に係わる結着樹脂の具体例としては、スチレン/マレイ
ン酸モノエステル共重合体、メタクリル酸/メタクリル
酸エステル共重合体、スチレン/メタクリル酸/メタク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸/メタクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸
エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、
及び酢酸ビニル/クロトン酸/メタクリル酸エステル共
重合体等が挙げられる。本発明に係わる電子写真平版印
刷版の光導電層に於ける光導電性化合物と結着樹脂との
混合比は、所望の電子写真特性及び製版特性等の諸特性
を満足する様に決定すれば良いが、結着樹脂の1/2〜
1/20重量部の範囲で使用することが望ましい。
【0035】本発明に係わる電子写真平版印刷版は、常
法に従って光導電層を導電性支持体上に塗布して得られ
る。塗布液は、光導電層を構成する各成分を適当な溶媒
に溶解分散して調製するか、溶媒に不溶な成分である場
合は、ボールミル、ダイノミル、或いはペイントコンデ
ィショナー等の分散機により分散して用いる。また、光
導電層には必要に応じ、光導電性化合物及び結着樹脂の
他に、光導電層の柔軟性、塗布表面状態等の膜物性を改
良する目的で、可塑剤、界面活性剤、その他の添加物を
添加することができる。光導電層に使用する添加剤は、
光導電性化合物の分散時或いは分散後に添加することが
出来る。
【0036】本発明に係わる電子写真平版印刷版は、公
知の操作によってトナー画像を形成させる。則ち、暗所
でコロトロンまたはスコロトロン等のコロナ帯電器等に
より実質的に一様に帯電させ、レーザ光による走査画像
露光等により静電潜像を形成させ、しかる後に液体反転
現像法等によりトナー現像する。形成されたトナー画像
は公知の定着法により定着する。
【0037】トナー現像を完了した電子写真平版印刷版
は、次に上記循環溶出液により非画像部光導電層を溶出
し、続いてリンス液で処理して版面を洗浄する。リンス
処理は、リンス液と共に速やかに版上に残存する可溶化
した光導電層と溶出液とを完全に除去し得なければなら
ない。可溶化した光導電層をリンスして除去した電子写
真平版印刷版は、版面の耐傷強度の向上及び非画像部不
感脂化等の目的で保護ガム処理して印刷に供される。
【0038】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその目的を逸脱しない限り下記の実施例に
限定されるものではない。
【0039】実施例1 〔電子写真平版印刷版の作製〕JIS1050アルミニ
ウム(0.3mm厚)を水酸化ナトリウム水溶液により
エッチングし、塩酸水溶液中で電解粗面化を行ない、更
に硫酸水溶液中で陽極酸化処理を施して、表面にアルミ
ニウム酸化物皮膜を形成させ、水洗後乾燥することによ
り印刷版用支持体を作製した。この支持体表面処理面
に、ダイノミルにて分散させた表1記載の組成の光導電
層形成用塗液を固形分塗布量4.0g/m2となる様塗布
後、乾燥して電子写真平版印刷原版を作製した。
【0040】
【表1】
【0041】得られた電子写真平版印刷原版を398m
m×1110mmに裁断し、遮光して50℃で2時間加
温後室温まで放冷した。この印刷原版を、暗所にて表面
電位が約230Vになる様帯電させ、半導体レーザ(7
80nm)を用いて走査画像露光し、直ちに正電荷液体
トナー(三菱製紙(株)製、ODP−TW)にてバイアス
電圧を180Vで反転現像を行ない、冷風乾燥してトナ
ー分散媒を除去後、トナーを熱定着(80℃)して光導
電層上にトナー画像を形成させた。
【0042】図1に本実施例で用いた電子写真平版印刷
版(以下、印刷版と略記)の溶出装置を示す。本溶出装
置の基本構成は、溶出液供給工程及び可溶化光導電層除
去廃棄工程からなり、更に図示しないリンス処理工程及
び保護ガム塗布工程が付帯する。印刷版1は、搬送手段
によって矢印方向に搬送され、搬送及び給液を兼ねたロ
ール対10a、10bに挟持されて自動搬送されると共
に製版処理に供される様になっている。
【0043】本溶出装置を起動させると、直ちに配管系
や搬送及び給液を兼ねたロール対10a、10bの温度
を溶出液6の設定温度と略同温度に合わすため、ウオー
ミングアップ動作を行うようになっている。そのウオー
ミングアップ動作としては、まず循環溶出液貯留槽3の
循環ポンプ71、温度センサ19及び図示しない温度調
節器と連動したヒータ47を作動させて溶出液を設定温
度まで上昇を行う。同時に、図示しない駆動手段により
各ロールを回転させた状態で、溶出液6を送液ポンプ7
0の動作により、配管82、バルブ50、及びシャワー
パイプ30を経てスリーブ41内部に供給され、整流さ
れて搬送及び給液を兼ねたロール対10a、10bに幅
方向均一に供給される様になっている。
【0044】更に、搬送を兼ねた給液ロール10aの搬
送前方斜め上方にロール表面温度測定手段17(オプテ
ックス社製非接触温度センササーモハンターBA−04
T)が配置されており、給液ロール10aの表面温度を
起動直後から連続的に測定し制御手段18に信号を送っ
ている。前記ロール表面温度が溶出液6の設定温度±2
℃の範囲に入ると、制御手段18は循環ポンプ71及び
ヒータ47の動作を除きウオーミングアップ動作を終了
させるようになっており、同時に製版可能となることを
示すため、図示しない製版準備ランプを点灯させるよう
になっている。
【0045】溶出液供給工程は、シャワーパイプ30、
スリーブ41、及び給液ロール10aからなる溶出液供
給部と、液計量具25及びガイドロール12からなる溶
出液計量部とで構成される。液計量具25は、回転軸に
線径175μmのステンレスワイヤを螺旋状に稠密に巻
付けたワイヤバーを使用した。ワイヤバーの回転軸への
強制駆動伝達は行なわず、液計量時には並進する印刷版
との自重による接触によって回転が伝達される様になっ
ている。
【0046】溶出液6はシャワーパイプ30より吐出さ
れ、スリーブ41で整流されて、給液ロール10aを介
して版面に供給される様になっており、余剰分は下部ガ
イドロール10bを経て循環溶出液貯液槽3に回収され
る様になっている。また、溶出液計量部で計量された溶
出液も、ガイドロール12を経て循環溶出液貯液槽3に
回収される様になっている。液計量前に流下した余剰液
及び計量除去液は殆ど疲労しておらず、貯液されている
溶出液6と混合されて、循環して使用される。
【0047】循環溶出液貯液槽3に貯留されている溶出
液6の製版使用減量分は循環溶出液貯液槽3内に装着さ
れたレベルセンサ46により感知して、図示しない補充
液補充制御機構の制御により補充液貯液槽7に貯液され
た溶出補充液8が補充ポンプ72、バルブ52、及び配
管87を経て循環溶出液貯液槽3に補充される様になっ
ており、混合されて溶出液として循環再使用に供され
る。
【0048】循環溶出液貯液槽3に貯留されている溶出
液6は、循環ポンプ71の作動により循環溶出液貯液槽
3底部から管路80及び配管83を経て貯留液面より下
方に配置した吐出口に吐出して、循環溶出液貯液槽3内
を循環させながらヒータ47によって特定温度に加温さ
れる様になっている。循環溶出液貯液槽3底部には管路
88から分岐した管路81に連結されたバルブ53が配
置されており、循環溶出液貯液槽3の液交換清掃等で槽
内の溶出液6等を排出する場合には、バルブ53の開放
によって除去廃液二次貯留槽9に廃棄される様になって
いる。
【0049】溶出液計量部から搬出された印刷版1は可
溶化光導電層除去廃棄工程に搬送され、可溶化光導電層
除去手段により可溶化光導電層が除去される。可溶化光
導電層除去廃棄工程は、印刷版搬送上流から順に、処理
液供給ノズル32、液計量ロール26、及び給液ロール
13aからなる除去前処理液供給部、除去手段であるブ
レード44、バックアップロール14、及びバックアッ
プロール清浄ブレード45からなる可溶化光導電層除去
部、ブレード44を洗浄するための洗浄除去液供給ノズ
ル43を含む洗浄除去液供給手段、処理液供給ノズル3
3、液計量ロール27、及び給液ロール15aからなる
除去後処理液供給部、及び除去廃液一次貯留槽4で構成
される。
【0050】ブレード44による掻き取り除去に先立っ
て、版面に処理液を供給する除去前処理液供給部は、図
示しない処理液貯液源から管路100、バルブ54、管
路84、処理液供給ノズル32、及び液計量ロール26
を経て供給され、給液ロール13aを介して印刷版1に
供給される様になっている。給液ロール13aにて処理
液を供給された印刷版1は図示しない駆動手段により駆
動力を伝達された下部ガイドロール13bを経て可溶化
光導電層除去部に搬送される様になっている。
【0051】同様に、除去後処理液供給部は、図示しな
い処理液貯液源から管路101、バルブ55、及び管路
85、処理液供給ノズル33、及び液計量ロール27を
経て処理液が供給され、給液ロール15aを介して、非
画像部が除去された印刷版1に供給される様になってい
る。給液ロール15aにて処理液を供給された印刷版1
は、図示しない駆動手段により駆動力を伝達された下部
ガイドロール15bを経て、図示しないリンス処理工程
に搬送される様になっている。
【0052】可溶化光導電層除去部は、溶解した非画像
部を除去するブレード44、ブレード44を保持するブ
レード保持具64、図示しない駆動手段により駆動力を
伝達されたバックアップロール14、及びバックアップ
ロール清浄ブレード45で構成されている。ブレード4
4は、ブレード保持具64によって挟持固定されてい
る。ブレード44は、弾性材で構成されており、バック
アップロール14周面に接触させ搬送される版面とブレ
ード44とを摺接させることにより、可溶化した光導電
層が除去される様になっている。バックアップロール1
4は、ブレード44の接触押圧で変形しない滑らかな金
属ロールであって、交換洗浄等の作業性の向上等のため
中空ロールになっている。
【0053】バックアップロール14周面に付着した、
可溶化した光導電層を清浄するために、バックアップロ
ール14周面とバックアップロール清浄ブレード45と
を摺接させる様になっている。バックアップロール14
を駆動させる図示しない駆動力発生体は、版搬送速度以
上の周速でバックアップロール14を単独駆動させる様
になっている。
【0054】ブレード44を洗浄するための洗浄除去液
供給ノズル43を含む洗浄除去液供給手段は、ブレード
44の直前方には図示しない保持機構によってブレード
44に平行に固定されたノズル走査手段65が配置され
ており、その可動部分に洗浄除去液供給ノズル43が固
定されている。ブレード44の掻き取り部位の洗浄はノ
ズル走査手段65によって洗浄除去液供給ノズル43を
ブレード44に平行に走査しながら、図示しない貯液源
から管路102、バルブ56、及び管路86を経て洗浄
除去液供給ノズル43先端からブレード44とバックア
ップロール14との接触部に処理液を供給し、ブレード
44及びバックアップロール14が洗浄される様になっ
ている。
【0055】可溶化光導電層除去廃棄工程は、可溶化光
導電層除去手段であるブレード44及びバックアップロ
ール14からなる可溶化光導電層除去部、及び除去廃液
一次貯留槽4で構成される。ブレード44の加圧は、図
示しないブレード加圧機構により、可溶化した光導電層
の除去が最適に実施される範囲でバックアップロール1
4との接触幅が最低になる様に調整してある。ブレード
44によって除去された液状物は、除去廃液一次貯留槽
4、バルブ57、及び配管89を経て除去廃液二次貯留
槽9に廃棄される様になっている。
【0056】製版処理には表2及び表3に記載の組成を
有する溶出液及び溶出補充液を用いた。また、溶出補充
液は使用減量に応じて適宜貯液槽に補充した。電子写真
平版印刷版の溶出時間は版搬送速度と可溶化光導電層除
去部搬入直前の光導電層の可溶化との関係から調整し
た。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】以上の溶出装置を用いて、室温10±2℃
の設置環境下で約12時間電源の投入無く放置した後に
溶出装置の起動を行った。起動したときの室温は10℃
であった。循環溶出液温の温度設定は30℃とした。起
動を行ってから、給液ロール10aの表面温度が28℃
に昇温し、製版準備ランプ点灯となるまでの時間を測定
したところ、5分であった。
【0060】次に、上述の印刷版を本溶出装置にて製版
を行った。その起動後、第1版目の溶出性を測定評価し
たところ、評価した製版済みの印刷版には溶出不良は発
生していなかった。更に、製版を継続して行い通算10
版目、100版目、200版目、500版目の製版済み
の印刷版について、溶出性を測定評価したところ、1版
目と何ら変化するところは見られなかった。またオフセ
ット印刷機にてそれらの印刷版について印刷を行った
が、良好な細線再現性を示すと共に印刷地汚れのない良
好な印刷物が得られた。
【0061】実施例2 実施例1で用いた溶出装置に、図2に示したように温風
吐出装置39(竹綱製作所製:熱風発生機TSK−1)
を搬送及び給液を兼ねたロール対10a、10bに向け
て設置し、温風吐出装置39は制御手段18からの信号
により制御されて動作を行い、約50℃の温風を回転状
態の搬送及び給液を兼ねたロール対10a、10bに吐
出するようにした他は実施例1と同様の溶出装置を用い
た。尚、本実施例でのウオーミングアップ動作には、実
施例1の動作の他に温風吐出装置の動作も加わるように
なっており、制御手段18の信号により製版準備ランプ
点灯まで動作するようになっている。
【0062】実施例1と同様にして、室温10±2℃の
設置環境下で約12時間電源の投入無く放置した後に溶
出装置の起動を行った。起動したときの室温は10℃で
あった。循環溶出液温の温度設定は30℃とした。起動
を行ってから、給液ロール10aの表面温度が28℃に
昇温し、起動を行ってから製版準備ランプ点灯となるま
での時間を測定したところ、2分であった。
【0063】次に、上述の印刷版を本溶出装置にて製版
を行った。その起動後、第1版目の溶出性を測定評価し
たところ、評価した製版済みの印刷版には溶出不良は発
生していなかった。更に、製版を継続して行い通算10
版目、100版目、200版目、500版目の製版済み
の印刷版について、溶出性を測定評価したところ、1版
目と何ら変化するところは見られなかった。またオフセ
ット印刷機にてそれらの印刷版について印刷を行った
が、良好な細線再現性を示すと共に印刷地汚れのない良
好な印刷物が得られた。
【0064】比較例 実施例1で用いた溶出装置を用い、ウオーミングアップ
に関する制御手段の動作を止めた他は、実施例1と同一
の製版条件で製版した。起動したときの室温は10℃で
あった。ウオーミングアップ動作は行わなかったが、循
環溶出液貯留槽3の循環ポンプ71、温度センサ19及
び図示しない温度調節器と連動したヒータ47を作動さ
せて、溶出液を設定温度の30℃まで上昇を行った。起
動5分後までに、溶出液は設定温度まで昇温していた
が、起動5分後でも、給液ロール10aの表面温度は室
温と略同温度であった。
【0065】起動後第1版目の溶出性を測定評価したと
ころ、処理進行方向先頭部から後端部にかけて溶出不良
の発生が見られ、特に先頭部の幅方向両端部付近は目視
でも確認できるほど悪い状況であった。
【0066】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の電子写真平
版印刷版の溶出装置によって電子写真平版印刷版を処理
すれば、溶出装置起動後の初版に於いても安定した品質
で製版が可能となる秀逸なる効果をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された電子写真平版印刷版の溶出
装置の縦断面概略構成図。
【図2】実施例2で用いた温風吐出装置を含む溶出液供
給部の縦断面概略構成図。
【符号の説明】
1 電子写真平版印刷版 3 溶出液貯液槽 4 除去廃液一次貯留槽 6 溶出液 8 溶出補充液 10a 搬送を兼ねた給液ロール 17 ロール表面温度測定手段 18 制御手段 19 温度センサ 25 液計量具 30 シャワーパイプ 39 温風吐出装置 41 スリーブ 47 ヒータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導電層上にトナー画像が形成された電
    子写真平版印刷版を搬送しながら、光導電層面に加温さ
    れた循環溶出液を供給して非画像部光導電層を可溶化さ
    せた後に、液計量具により余剰の溶出液を一定量に計量
    する溶出部と、その搬送後方で版上に残存する溶出液と
    可溶化した光導電層とを除去して廃棄する除去部を有す
    る電子写真平版印刷版の溶出装置に於いて、少なくと
    も、電子写真平版印刷版の搬送を兼ねたロール対の搬送
    面より上部のロールを介して、幅方向均一に循環溶出液
    を供給する溶出液供給手段、及びロール表面温度測定手
    段を有し、該溶出装置の起動時に溶出液供給手段を一定
    時間動作させ、該ロールの表面温度を設定された循環溶
    出液温の±2℃の温度範囲となった後に製版開始させる
    制御手段と、を有することを特徴とする電子写真平版印
    刷版の溶出装置。
  2. 【請求項2】 前記ロール対の少なくとも一方を加熱す
    る、加熱手段を有することを特徴とする請求項1記載の
    電子写真平版印刷版の溶出装置。
JP12943496A 1996-05-24 1996-05-24 電子写真平版印刷版の溶出装置 Pending JPH09314795A (ja)

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