JP3186228B2 - 保護ガム液処理方法 - Google Patents

保護ガム液処理方法

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JP3186228B2
JP3186228B2 JP18257392A JP18257392A JP3186228B2 JP 3186228 B2 JP3186228 B2 JP 3186228B2 JP 18257392 A JP18257392 A JP 18257392A JP 18257392 A JP18257392 A JP 18257392A JP 3186228 B2 JP3186228 B2 JP 3186228B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ性処理液によ
り非画像部を溶解除去し、続いてリンス液により版面を
リンスした平版印刷版をロ−ル搬送しながら保護ガム液
を塗布して処理する処理装置に於ける保護ガム処理後の
ロ−ルに残存する保護ガム液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非画像部アルカリ溶解除去型平版印刷版
には、親水性支持体上に少なくとも活性線による化学構
造変化を伴う活性線誘起処理液可溶化物質或は活性線硬
化性物質を含有する感光層を設けてなる感光性平版印刷
版(所謂PS版)が知られており、高耐刷性が要求され
る重印刷に広く利用されている。これらは、走査露光の
光源(例えば半導体レ−ザ等)域に画像形成出来る感度
を有し、かつ明室での取扱いが容易な印刷版は未だ一般
化しておらず、予め画像記録された銀塩写真フィルム原
版を印刷版感光面に密着させて露光するが、これにより
最終印刷物に於ける画像部に対応する硬化部分或は非画
像部に対応する処理液可溶化部分を形成させ、非画像部
感光層はアルカリ性処理液によって溶解除去する。
【0003】また、電子写真技術を利用して画像形成す
る電子写真平版印刷版も知られており、走査露光対応の
印刷版も製造されている。電子写真技術を利用した非画
像部アルカリ除去型平版印刷版は、親水性支持体上に一
般に有機光導電性物質を樹脂中に分散させたインク受理
性の光導電層を設けてなり、支持体との接着が強固であ
ればPS版よりインク受理層が厚いためにPS版と同等
以上の耐刷性を有している。これらは、電子写真法によ
り光導電層上にトナ−画像を形成した後、アルカリ剤か
らなる溶出液で非画像部を溶出処理して印刷版として使
用される。
【0004】通常これら非画像部アルカリ溶解除去型平
版印刷版は製版処理の最終工程として、版面保護剤(所
謂保護ガム液)が塗設される。この目的は、版面保護剤
によって版面全体を被覆することにより、非画像部支持
体表面の親水性を保持させるのみならず、製版後印刷に
供するまでまたは再使用するまでの期間の保存、印刷機
に装着するまでの取扱いに於て被る指紋、油脂、塵芥等
の付着により誘引される汚染の防止、及び耐傷強度の向
上等にあり、製版後の印刷版の取扱いを容易にすると同
時に印刷地汚れの発生を防止することにある。
【0005】従来、平版印刷版に保護ガム液を塗布する
装置(構造)としては、シャワ−パイプより搬入ロ−ル
対上部ロ−ル及び/または印刷版に直接液供給して、過
剰量の保護ガム液を搬出ロ−ルで計量する装置や、印刷
版搬送方向と直角に渡されたパイプにベロ−ズポンプ等
から保護ガム液を間欠的に供給し、パイプ軸方向に複数
個設けられた貫通孔から平版印刷版上に滴下した後にロ
−ルで延展して、より少量の液供給で塗布を実施する装
置が知られている。
【0006】また、実開昭59−30141号公報に記
載の、保護ガム液塗布部の搬送ロ−ル対の上部ロ−ルを
高液保持性材料で構成して、下部ロ−ルに付着した液を
上部ロ−ルに移行させて、印刷版両面の保護ガム液の均
一塗布の向上を図った装置、実開昭62−185065
号公報に記載の、搬送方向後方に上部ロ−ルの軸中心を
ずらしたロ−ル対に対し、搬送ロ−ル噛込み側(搬送方
向手前)ウエッジ部に保護ガム液を供給して、特に先後
端部の塗布不良を改善した装置、特開昭63−1673
65号公報に記載の、版搬送水平方向に対し下方に搬送
し、下流側に一対の絞りロ−ルのみを配して、構造の簡
略化やコンパクト化を図った装置が開示されている。
【0007】これら従来の保護ガム液塗布処理装置に於
ては、保護ガム液は処理余剰分を循環再使用し、保護ガ
ム液貯液槽からの液供給はポンプによりシャワ−パイプ
からロ−ル及び/または印刷版に吐出する方式が一般的
であって、上記の様に保護ガム液塗布の均一化は搬送や
保護ガム液の塗布・延展・絞液等を司る給液ロ−ルの配
置や材質のみが考案され、ロ−ル及び/または直接印刷
版へ供給する手段や供給条件、特に保護ガム液の経時変
化を主因とする液性の変動がもたらす実処理上の問題に
はあまり配慮がなされていなかった。
【0008】その結果、処理に必要な時だけ液吐出を行
なうと、シャワ−パイプの吐出孔に残存した保護ガム液
が乾燥して目詰まりを誘発し、給液不良の原因となっ
た。また、従来多くの保護ガム液塗布処理装置では保護
ガム液の塗布量を最終的にロ−ル対加圧絞液により制御
する方式が採用されているが、その場合少なくともその
ロ−ル対の接触部に処理後も保護ガム液が残存したまま
濃縮され、ロ−ル同士が接着して回転不良やロ−ル駆動
系の破損及びロ−ル表面の劣化、塗布ムラや絞液不良を
もたらすことも多かった。
【0009】そこで、上記問題を防止するため、平版印
刷版処理後にロ−ルの加圧を解放してロ−ル間を非接触
状態で保持したり、保護ガム液濃縮前にロ−ル表面を人
為的に払拭清掃することも行なわれている。しかしなが
ら、ロ−ル接触状態よりは少なくなるものの、非接触状
態に於てもやはり保護ガム液は両ロ−ル最下部に残留す
るし、また従来保護ガム液は循環再使用されるため、往
々にして洗浄液や固形化した保護ガム液或は払拭清掃具
の摩耗屑等が循環する保護ガム液に混入し、固形分濃度
の低下による保護ガム能の低下或は循環系の送液不良や
液供給手段の目詰まりを招く恐れがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカリ性
処理液により非画像部を溶解除去し、続いてリンス液に
より版面をリンスした平版印刷版をロ−ル搬送しながら
保護ガム液を塗布して処理する処理装置に於ける保護ガ
ム処理後のロ−ルに残存する保護ガム液の処理方法に関
し、保護ガム液処理に於ける経時的変動、より詳しくは
保護ガム液の濃縮乾燥、によるロ−ルへの固着とロ−ル
同士の接着がもたらす種々の問題を防止して、長期間安
定な保護ガム液の均一供給と塗布処理を可能にする保護
ガム液処理方法を提供することにある。更に詳しくは、
ロ−ルに付着した保護ガム液を洗浄液によって除去する
と共にその混合液をリンス液に補充することで、液交換
以外に実質的に廃液を出さない保護ガム液処理方法を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
検討した結果、アルカリ性処理液により非画像部を溶解
除去し、続いてリンス液により版面をリンスした平版印
刷版をロ−ル搬送しながら保護ガム液を塗布して処理す
る処理装置であって、平版印刷版を搬送すると共に版面
に保護ガム液を塗布延展する保護ガム液塗布ロ−ルと、
該ロ−ルの版搬送方向手前にあってその外周の一部に当
接して平版印刷版へ付与される保護ガム液量を制限する
液計量ロ−ルと、保護ガム液塗布ロ−ルと液計量ロ−ル
との当接部に保護ガム液を供給する保護ガム液供給手段
と、該当接部に洗浄液を供給して洗浄する洗浄液供給手
段と、を有する保護ガム液処理装置により平版印刷版を
保護ガム液処理した後に、洗浄液供給手段により該ロ−
ル群に洗浄液を供給してロ−ルに残存する保護ガム液を
除去して廃棄し、ロール洗浄により廃棄された保護ガム
液を含む洗浄液をリンス液に補充することにより達成さ
れた。
【0012】以下、本発明の処理方法を詳細に説明す
る。本発明に係わる処理装置は、アルカリ性処理液によ
り非画像部が溶解除去された平版印刷版を搬送しながら
版面にリンス液を供給してリンスした後に、保護ガム液
塗布部に於て保護ガム液を塗布処理する装置であって、
少なくとも保護ガム液塗布部は保護ガム液を塗布延展す
る保護ガム液塗布ロ−ルと、該ロ−ルの版搬送方向手前
にあってその外周の一部に当接して平版印刷版へ付与さ
れる保護ガム液量を制限する液計量ロ−ルと、両ロ−ル
当接部位に保護ガム液を供給する保護ガム液供給手段と
を有し、更に両ロ−ル当接部に洗浄液を供給する洗浄液
供給手段を有するものである。
【0013】本装置に於て、保護ガム液は保護ガム液供
給手段により保護ガム液塗布ロ−ルと液計量ロ−ルの両
ロ−ル当接部が形成する保護ガム液貯留部であるロ−ル
軸方向(版幅方向)の溝に供給されて一旦貯留された
後、ロ−ル軸方向全幅にわたって両ロ−ル当接部の間隙
から計量されて保護ガム液塗布ロ−ルを伝って連続的に
流れ落ちる。保護ガム液塗布部に搬入された平版印刷版
は、保護ガム液塗布ロ−ルと保護ガム液塗布ロ−ルの下
方に配置されて平版印刷版の搬送を助勢するバックアッ
プロ−ルとにより挟持されて搬送されると同時に、当接
部から平版印刷版流下した保護ガム液はこのロ−ル対に
よって延展されると共に絞液される。
【0014】従って、平版印刷版通過中以外は保護ガム
液は保護ガム液供給手段から保護ガム液塗布ロ−ル及び
液計量ロ−ルを経てバックアップロ−ルより流下するこ
とになるが、少なくとも保護ガム液塗布ロ−ル・液計量
ロ−ル対及び保護ガム液塗布ロ−ル・バックアップロ−
ル対の両接触部には平版印刷版通過後も保護ガム液が幾
らかは残存することになる。そのため、平版印刷版処理
後に各ロ−ルを接触させたままにしておけば、保護ガム
液は特にロ−ル接触部に残留したまま乾燥して濃縮し、
ロ−ル同士が強く接着して回転し難く、起動時に異常な
トルクを要してロ−ル駆動系の摩滅ややがては破損をも
たらす。そこで本発明に於ては、平版印刷版を保護ガム
液塗布ロ−ル・バックアップロ−ル対で挟持搬送しなが
ら保護ガム液で処理し、保護ガム液塗布部から搬出され
た後に洗浄液供給手段によりこれらロ−ル群に洗浄液を
供給してロ−ルに残存する保護ガム液成分を除去する。
【0015】本発明に係わる洗浄液は、少なくとも使用
する保護ガム液、特に皮膜形成性成分と液状時に素早く
混和して粘性を低下させて流動性を向上させると共に、
ロ−ル等の被洗浄表面で保護ガム液と容易に置換する特
性を有することが望ましい。保護ガム液に最も一般的に
用いられている溶媒は水であり、洗浄液として水は上記
条件とも合致するから、洗浄液の成分は水だけでも良い
が、より洗浄効果を高めるために洗浄液には保護ガム液
成分と凝集を起こさない種類の界面活性剤を含有させて
おくことが好ましい。
【0016】本発明に用いられる界面活性剤としては、
例えばポリオキシエチレンアルキルエ−テル類、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエ−テル類、ポリオキシ
エチレンポリスチリルフェニルエ−テル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペ
ンタエリスリト−ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ペンタエリスリト−ル脂肪酸エステル、アルキンジ
オ−ル、ポリオキシエチレン付加アルキンジオ−ル等の
非イオン系界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩
類、アルカンスルホン酸塩類、ヒドロキシアルカンスル
ホン酸塩類、ジアルキルスルホこはく酸塩類、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン
酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピ
ルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホ
フェニルエ−テル塩類、N−アルキルスルホこはく酸モ
ノアミド塩類、石油スルホン酸塩類、脂肪酸アルキルエ
ステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ−テル硫
酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩
類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエ−テルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエ−テルリン酸エステル塩類、ス
チレン/無水マレイン酸共重合体部分ケン化物類、オレ
フィン/無水マレイン酸共重合体部分ケン化物類、ナフ
タレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等のアニオン系
界面活性剤、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、
アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類等の両性界面活
性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中でポリオ
キシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリ
オキシプロピレン、ポリオキシブチレン等のポリオキシ
アルキレンに差替えることも出来、それらの界面活性剤
もまた包含される。これらの界面活性剤は単独で用いて
も良いし2種以上を組合わせて使用することも出来、洗
浄液中に0.001〜5重量%、より好ましくは0.01
〜1重量%の範囲で混合されて使用される。
【0017】本発明に係わる洗浄液には、所望により更
に公知の水溶性有機溶剤、酸性緩衝剤、防腐剤、防錆
剤、キレ−ト剤、及びpH調整剤等を適量範囲で含有さ
せることが出来る。洗浄に供した洗浄液は一定条件内で
循環再使用しても良いし、循環する保護ガム液と混合し
て使用しても良いが、保護ガム液処理に先立って処理さ
れるリンス液に補充することがより良い。リンス液に使
用済み洗浄液を添加することにより、リンス液のpH上
昇が抑制されるばかりでなく、液の蒸発及び保護ガム液
塗布部への持ち出し等のリンス液量の低下を防止するこ
とが出来る。この場合特に保護ガム液洗浄効果を損なわ
ない範囲でリンス液及びリンス補充液成分を洗浄液に含
有させても良い。
【0018】本発明に係わる洗浄液は、本発明で使用さ
れる処理装置に配置されている洗浄液供給手段により供
給される。洗浄液供給手段としては、シャワ−やスプレ
−の他に従来から知られる塗布手段を用いても良く、ま
た特に吐出圧を必要としないので送液管先端をそのまま
供給位置に配置しても良い。洗浄液の供給位置は保護ガ
ム液と同様に保護ガム液塗布ロ−ル・液計量ロ−ル当接
部だけでも良いが、保護ガム液塗布ロ−ル・バックアッ
プロ−ル当接部搬送方向手前側にも供給することで洗浄
効果が一層向上する。また、保護ガム液供給手段と洗浄
液供給手段を兼用しても良い。保護ガム液の保護ガム液
供給手段での液留が少なければ、これにより保護ガム液
供給手段内側も洗浄出来る。洗浄液は専用の貯液槽を設
けて、送液ポンプにて送液する。洗浄液が水であれば、
貯液槽を経ずに水道から洗浄液供給手段に供給しても良
い。
【0019】洗浄に際し、予めブラシロ−ル等のロ−ル
群と接触させて機械的な洗浄を実施する手段を設けても
良いが、保護ガム液が粘着性を呈する前に保護ガム液と
接触したロ−ル群等に洗浄液を供給すれば、ロ−ル群か
ら容易に除去されるため、特に機械的接触洗浄手段を設
ける必要はない。しかしながら、一旦乾燥固着した保護
ガムは洗浄液供給だけでは容易に再溶解しないから、洗
浄液供給は保護ガム液が乾燥する前、より好ましくは粘
着性を呈する前に洗浄を開始する必要がある。洗浄のタ
イミングは、保護ガム液成分中特に蒸発成分(溶媒)の
種類及びその濃度により規定されるため一概に特定され
ないが、30分以内に洗浄を開始する方が良く、より好
ましくは版搬出後15分以内である。最も望ましい洗浄
開始時間は、保護ガム液塗布ロ−ル・液計量ロ−ル当接
部に貯留した保護ガム液が落ち切るまでの間である。
【0020】また一回に供給する洗浄液の量は、廃液を
考慮しなければ多い程良いが、実質的には保護ガム液が
付着したロ−ル群上の保護ガム液と洗浄液が置換する最
低量で充分であり、具体的には保護ガム液塗布ロ−ル・
液計量ロ−ル当接部が充満する量で良い。洗浄液が充満
した状態でロ−ルを回転させておけば、洗浄液は保護ガ
ム液塗布ロ−ル及び液計量ロ−ル外周の保護ガム液を希
釈し置換しながら漸次計量されてバックアップロ−ルを
も洗浄出来る。特に、洗浄に使用した洗浄液とを循環リ
ンス液等の補充液の一部として利用するのであれば、所
望の範囲内で洗浄液量を増量しても差し支えない。保護
ガム液は循環せずに使捨てにしてこれも別の処理液に補
充すれば基本的に保護ガム液の疲労交換の必要もなく、
保護ガム液塗布ゾ−ンからの廃液を実質的に出さずにす
む。
【0021】殊に、多数枚製版に於てはアルカリ処理さ
れた平版印刷版と共に持込まれるアルカリ性処理液のた
めに循環リンス液のpHは漸次上昇し、一定pHを上回
るとリンス処理工程に於て画像部光導電層が溶解して画
像細りや画像剥離を誘発することになり、逆に循環リン
ス液のpHを低下させるために不用意に酸性物質を添加
すると混入している塩基性物質と凝集やゲル化を起こす
場合があるが、保護ガム液及び洗浄液が弱酸性であれ
ば、少量づつ補充されるから凝集やゲル化を起こす可能
性は殆どなく、循環リンス液のpH上昇は緩慢となるか
ら、処理系全体として好ましい。
【0022】本発明に係わる保護ガム液には、少なくと
も乾燥時に自己皮膜性を有する親水性高分子化合物を含
み、所望により更に親油性物質、pH調整剤、防腐剤、
界面活性剤、及び水等を含んでなる。また、保護ガム液
の形態は含有させる界面活性剤や親油性物質等を適宜選
択することによって、エマルション型、サスペンジョン
型、非エマルション非サスペンジョン型等如何様にも製
造可能であるが、エマルション型及びサスペンジョン型
保護ガム液は洗浄時の除去性が良好なばかりでなく、平
版印刷版の画像部の感脂性の低下を抑制するため好適に
用いられる。
【0023】保護ガム液に用いられる親水性高分子化合
物中天然高分子としては、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦
澱粉、タピオカ澱粉、及びコ−ンスタ−チ等の澱粉類、
カラ−ギ−ナン、ラミナラン、海藻マンナン、ふのり、
アイリッシュモス、寒天、及びアルギン酸塩等の藻類抽
出物、とろろあおい、やまいも、グルコマンナン、クイ
ンスシ−ド、ペクチン、アラビアガム、カラヤガム、キ
サンチンガム、キャロブガム、グア−ガム、ロ−カスト
ビ−ンガム、タマリンドシ−ドガム、トラガントガム、
及びベンゾインガム等の植物性粘質物、デキストラン、
グルカン、キサンタンガム、及びレバン等のホモ多糖
類、並びにサクシノグルカン、プルラン、カ−ドラン、
及びザンタンガム等のヘテロ多糖類等の微生物粘質物、
にかわ、ゼラチン、カゼイン、及びコラ−ゲン等のタン
パク質等が挙げられる。
【0024】半天然物(半合成品)としては、アルギン
酸プロピレングリコ−ルエステルの他に、ビスコ−ス、
メチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス、メチルエチルセ
ルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、カルボキシメ
チルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピル
エチルセルロ−ス、カルボキシメチルヒドロキシエチル
セルロ−ス、及びヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス
フタレ−ト等の繊維素誘導体、変性ガム、並びに加工澱
粉等が挙げられる。変性ガムにはカルボキシメチルグア
−ガム、ヒドロキシプロピルグア−ガム、及びヒドロキ
シエチルグア−ガム等が挙げられる。加工澱粉には白色
デキストリン、黄色デキストリン、及びブリディシュガ
ム等の培焼澱粉、酵素デキストリン及びシャ−ディンガ
−デキストリン等の酵素変性デキストリン、ジアルデヒ
ドスタ−チの様な酸化澱粉、変性及び無変性アルファ−
化澱粉等のアルファ−化澱粉、リン酸澱粉、脂肪酸澱
粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉、及びカ
ルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、ヒドロキシアルキ
ル澱粉、カルボキシアルキル澱粉、スルホアルキル澱
粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カ
ルバミルエチル澱粉、及びジアルキルアミノ澱粉等のエ
−テル化澱粉、メチロ−ル架橋澱粉、ヒドロキシアルキ
ル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、及びジカルボン酸架橋澱
粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリルアミド共重合体、澱
粉ポリアクリロニトリル共重合体、カチオン性澱粉ポリ
アクリル酸エステル共重合体、カチオン性澱粉ビニルポ
リマ共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、
及び澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体等の澱粉グラ
フト共重合体等が挙げられる。
【0025】合成品としては、ポリビニルアルコ−ルの
他部分アセタ−ル化ポリビニルアルコ−ル、アリル変性
ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルメチルエ−テル、ポ
リビニルエチルエ−テル、ポリビニルイソブチルエ−テ
ル等の変性ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリル酸塩、
ポリアクリル酸エステル部分けん化物、ポリメタクリル
酸塩、及びポリアクリルアマイド等のポリアクリル酸及
びポリメタクリル酸誘導体、ポリエチレングリコ−ル、
ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ビニ
ルピロリドン/酢酸ビニル共重合物、カルボキシビニル
重合物、スチレン/マレイン酸共重合物、スチレン/ク
ロトン酸共重合物等が挙げられる。これらの内、藻類か
ら得られるもの、植物性粘質物、繊維素誘導体、加工澱
粉、アルギン酸プロピレングリコ−ルエステル、及び合
成品は印刷版上の皮膜形成性が良好なため好適に用いら
れる。
【0026】保護ガム液に用いられる親油性物質として
は、可塑剤、脂肪酸、脂肪油、一価のアルコ−ル、ワッ
クスの他に印刷用インクのビヒクルとして使用される親
油性樹脂がある。親油性樹脂としては、フェノ−ルホル
ムアルデヒド樹脂、t-ブチルフェノ−ルホルムアルデヒ
ド樹脂等のノボラック型フェノ−ル樹脂、フェノ−ルと
キシレンとをホルムアルデヒドで縮合させたキシレン樹
脂、フェノ−ルとメシチレンとをホルムアルデヒドで縮
合させた樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ブロム化ポリ
ヒドロキシスチレン、カシュ−樹脂、スチレン/無水マ
レイン酸共重合体の部分エステル化物、メラミン樹脂、
アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ロ
ジン、水添ロジン、及びロジンエステル等の変性ロジ
ン、ギルソナイト等の石油樹脂等を挙げられる。
【0027】可塑剤としては、ジブチルフタレ−ト、ジ
オクチルフタレ−ト、ジ-(2-エチルヘキシル)フタレ
−ト、ジノニルフタレ−ト、ジデシルフタレ−ト、ジラ
ウリルフタレ−ト、ブチルベンジルフタレ−ト等のフタ
ル酸ジエステル類、ジオクチルアゼレ−ト、ジオクチル
アジペ−ト、ジブチルセバケ−ト、ジ-(2-エチルヘキ
シル)セバケ−ト、ジオクチルセバケ−ト等の脂肪族二
塩基酸エステル類、エポキシ化大豆油等のエポキシ化ト
リグリセリド類、トリクレジルホスフェ−ト、トリスク
ロルエチルホスフェ−ト等のリン酸エステル類、安息香
酸ベンジル等の安息香酸エステル類等の凝固点が15℃
以下で、沸点(常圧)が300℃以上の化合物が挙げら
れる。
【0028】脂肪酸としては、カプロン酸、エナント
酸、カプリル酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシ
ル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、
ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキ
ン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタ
コサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、イソ
吉草酸等の飽和脂肪酸、及びアクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシレン酸、オ
レイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、ソルビン酸、
エルカ酸、ブラシジン酸、リノ−ル酸、リノレン酸、ア
ラキドン酸、プロピオ−ル酸、ステアロ−ル酸、イワシ
酸、タリリン酸、リカン酸等の不飽和脂肪酸が挙げられ
る。これらは、好ましくは50℃に於て液体であって炭
素数が5〜25であり、更に好ましくは炭素数が8〜2
1である。
【0029】また、保護ガム液のpHを調整するため、
保護ガム液には種々のpH調整剤を添加出来る。特に、
絞液された余剰の保護ガム液を循環再使用して多数枚の
平版印刷版をより安定的に処理するためには、液pHが
変動しないことが望ましいから、酸及び緩衝剤としての
水溶性塩の少なくとも何れかを含有させておくことが望
ましい。好適な酸及び水溶性塩としては、塩酸、硝酸、
硫酸、リン酸、及びポリリン酸等の無機酸、酢酸、安息
香酸、グリコ−ル酸、乳酸、プロピオン酸、しゅう酸、
酒石酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、
フタル酸、りんご酸、グルタル酸、ピメリン酸、アジピ
ン酸、くえん酸、トリメリット酸、トリメシン酸、p-ト
ルエンスルホン酸等の水溶性有機酸等の酸及びその塩が
挙げられる。塩形態では水溶性アルカリ金属塩及びアン
モニウム塩が好ましい。これらの内、より好ましい酸及
び/または水溶性塩は、リン酸、ポリリン酸、しゅう
酸、酒石酸、こはく酸、マレイン酸、フマル酸、マロン
酸、フタル酸、りんご酸、グルタル酸、ピメリン酸、ア
ジピン酸、くえん酸等の多塩基酸及びそのアルカリ金属
或はアンモニウム塩で、更に好ましくは上記酸のうち少
なくとも4.5〜6.0に酸解離定数(pKa)を有するも
のが本発明に係わる保護ガム液に好適に利用出来る。少
なくとも4.5〜6.0に酸解離定数を有する多塩基酸の
例としては、アジピン酸、クエン酸、グルタル酸、こは
く酸、ピメリン酸、マレイン酸、マロン酸、りんご酸等
が挙げられる。かかる酸及び/または水溶性塩は夫々単
独または二種以上を組合わせて使用出来るし、所望によ
り適当な酸またはアルカリ剤を添加して液pHを調整す
ることが出来る。
【0030】保護ガム液は、経時で空気中の細菌等が混
入して繁殖すると保護ガム効果を低下させるばかりか異
臭等を発して好ましくない。そこで、本発明に係わる保
護ガム液には更に防腐剤及び/または殺菌剤を含有させ
ることが望ましい。防腐剤及び殺菌剤としては、フェノ
−ル、クレゾ−ル、o-フェニルフェノ−ル、p-クロロ-m
-キシレノ−ル、2',4',5-トリクロロ-2-フェノキシ
フェノ−ル等のフェノ−ル系化合物、アルキルビス(ア
ミノエチル)グリシン、ビス(アルキルアミノエチル)
グリシン等のグリシン系化合物、ポリヘキサメチレンビ
グアニジン等のグアニジン系化合物、デヒドロ酢酸、安
息香酸エステル等のカルボン酸、エステル、及びその
塩、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエ
チル)-S-トリアジン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリエ
チル-S-トリアジン等のトリアジン系化合物、ベンズイ
ソチアゾロン、イソチアゾロン等、及びその誘導体等の
イソチアゾロン系化合物、2-(チオシアノメチルチ
オ)ベンズイミダゾ−ル、4,5,6,7-テトラクロロ-
2-トリフルオロメチルベンズイミダゾ−ル、パ−ベン
タゾ−ル等のイミダゾ−ル系化合物、2,3,5,6-テト
ラクロロ-4-メチルスルホニルピリジン等のピリジン系
化合物、ジチオビス(ベンズメチルアミド)等のアミド
系化合物、その他N,N-ジメチル-N'-フェニル-N'-
(フルオロジクロロメチルチオ)-スルファミド等が挙
げられる。特にイソチアゾロン系、酸エステル系、及び
フェノ−ル系化合物が好適である。これらの防腐・殺菌
剤は1種でも、また2種以上を併用して使用出来る。水
洗液への添加に際しては、水及び適当な有機溶剤に予め
溶解させておくことが好ましい。水洗液への添加量は、
使用する化合物の種類(殺菌力)や保護ガム液に混入す
る菌種及びその量により調整する必要があるが、通常1
0〜30000ppmの範囲で、より好ましくは50〜
10000ppmの範囲で使用するのが良い。
【0031】その他、本発明に係わる保護ガム液には更
に、エチレングリコ−ル、グリセリン、及びトリエチレ
ングリコ−ル等の低級ポリオ−ル等の湿潤剤、コロイダ
ルアルミナ及びコロイダルシリカ等のコロイド状含水金
属酸化物、ラポナイト、スメクタイト、及び雲母等の天
然及び合成粘土鉱物、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミ
ン四酢酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、
及びトリメチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン
酸)及びそれらの塩等のキレ−ト剤、及び本発明に係わ
る洗浄剤に用いられる界面活性剤等を添加しても良い。
【0032】保護ガム液供給手段は、従来から最も一般
的に採用されているシャワ−パイプにより版面に直接供
給するかロ−ルや整流手段を介して供給する方式や、特
願平4−35223号記載の様な圧搾空気により液吐出
孔の閉開栓を制御する保護ガム液供給具による液供給方
式等、所望の供給手段を用いることが出来る。後者は断
続供給する場合に液供給孔の目詰まりによる液供給不良
の危険性を低下させることが出来るためより好ましい。
保護ガム液の吐出量は、過剰量を版面に供給しても良い
し、予め液供給手段によって当接部供給時点で計量して
から供給しても良い。液供給手段計量方式により液供給
するのであれば、保護ガム液は余剰分を再循環せず使捨
てとしても良い。本発明に係わる保護ガム液の印刷版へ
の液供給量は、本発明に使用される処理装置に於ては保
護ガム液塗布ロール及び液計量ロ−ルの両ロ−ルの表面
粗度により優位に規定されるロ−ル間平均ギャップによ
り制御出来る。この方式により、一定量の保護ガム液が
印刷版幅方向へほぼ均一に供給出来、保護ガム液塗布ロ
−ルにより印刷版上で更に保護ガム液は延展されるた
め、より均一に印刷版表面に塗布される。
【0033】印刷版への実質的な液塗布量は、保護ガム
液塗布ロ−ル表面粗度及び保護ガム液塗布ロ−ルの下方
にあって印刷版の搬送を助勢するバックアップロ−ルへ
の保護ガム液塗布ロ−ルの押付け圧等によって規定され
る。固形分塗布量は保護ガム液の不揮発分濃度と液塗布
量とによって表現されるが、それは塗布された保護ガム
皮膜の特性によって規定される範囲の最低量が良い。揮
発分塗布量は乾燥負担からは少ない程良く、保護ガム液
の不揮発分濃度は保護ガム液の形態(エマルション型、
サスペンジョン型、非エマルション非サスペンジョン
型)や動的粘度により異なるものの洗浄効率からは低い
程良いから、少なくとも液塗布量が少なくなる様装置側
で設定することが望ましい。
【0034】本発明に係わる保護ガム液は種々の平版印
刷版に対して使用出来るが、殊に表面親水化処理を施し
たアルミニウム基体を支持体とし、その表面処理面に感
光層を有する感光性平版印刷版(PS版)を画像露光及
びアルカリ現像して得られた平版印刷版や、同様の支持
体上に光導電層を有する電子写真平版印刷版を画像露
光、トナ−現像、及び溶出処理して得られた平版印刷版
が好適に使用出来る。
【0035】本発明に用いることの出来るPS版として
は、英国特許第1,350,521号明細書等に記載の様
なジアゾ樹脂(p-ジアゾフェニルアミンとパラホルムア
ルデヒドとの縮合物の塩)とシェラックとの混合物から
なる感光層、また英国特許第1,460,978号及び同
第1,505,739号明細書等に記載のジアゾ樹脂とヒ
ドロキシエチルメタクリレ−ト単位またはヒドロキシエ
チルアクリレ−ト単位を主なる繰返し単位として有する
ポリマとの混合物からなる感光層を有するネガ型PS
版、及び特開昭50−125806号公報等に記載の様
なo-キノンジアジド感光性物質とノボラック型フェノ−
ル樹脂との混合物からなる感光層を有するポジ型PS版
が挙げられる。
【0036】更に、米国特許第3,860,426号明細
書等に記載の様な光架橋性フォトポリマからなる感光層
を有するPS版や、米国特許第4,072,527号及び
同第4,072,528号明細書等に記載の様な光重合型
フォトポリマからなる感光層を有するPS版、英国特許
第1,235,281号及び同第1,495,861号明細
書等に記載の様なアジドと水溶性ポリマとの混合物から
なる感光層を有するPS版も知られており、これらにも
使用出来る。
【0037】また、電子写真平版印刷版としては、特公
昭37−17162号公報記載の有機光導体及びアルカ
リ可溶性基(酸または酸無水物基)含有高分子物質から
なる光導電層を有する印刷版、特公昭38−6961号
公報記載の低分子アルカリ可溶性有機光伝導体を含有す
る光導電層を有する印刷版、特公昭41−2426号公
報記載の酢酸ビニルとアルカリ可溶基含有ビニル化合物
との共重合体を含有する光導電層を有する印刷版、特公
昭41−39405号公報記載の光重合性光導伝性化合
物を含有する光導電層を有する印刷版、特公昭47−3
6778号公報記載のキナクリドン顔料とフェノ−ル樹
脂等の有機樹脂結着剤とを含有する光導電層を有する印
刷版、特開昭54−89801号公報記載のフタロシア
ニン顔料と親水性樹脂とを含有する光導電層を有する印
刷版、特公平2−43181号公報記載のビニル基含有
カルボン酸と(メタ)アクリル酸エステルとの特定比共
重合体を含有する光導電層を有する印刷版、特公平2−
44065号公報記載のスチレン/マレイン酸モノエス
テル共重合体を含有する光導電層を有する印刷版が挙げ
られる。
【0038】これらの感光性平版印刷版及び電子写真平
版印刷版は、本発明に係わる保護ガム液処理に先立ち、
公知の操作によって画像形成させることが出来る。則
ち、前者は露光後非画像部をアルカリ現像し、後者は帯
電、露光、トナ−現像後非画像部を溶出する。露光方法
としては、キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光
灯等を光源として反射画像露光、透明陽画フィルムを通
した密着露光や、特に高感度型の感光層や光導電層を有
する平版印刷版の場合は、レ−ザ光、発光ダイオ−ド等
による走査露光が挙げられる。走査露光を行なう場合
は、He−Neレ−ザ、He−Cdレ−ザ、アルゴンイ
オンレ−ザ、クリプトンイオンレ−ザ、ルビ−レ−ザ、
YAGレ−ザ、窒素レ−ザ、色素レ−ザ、エキサイマ−
レ−ザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsPの様
な半導体レ−ザ、アレキサンドライトレ−ザ、銅蒸気レ
−ザ等のレ−ザ光源による走査露光、或は発光ダイオ−
ド、液晶シャッタを利用した走査露光(発光ダイオ−ド
アレイ、液晶シャッタアレイ等を用いたラインプリンタ
型の光源も含む)によって露光することが出来る。
【0039】電子写真平版印刷版の場合は、次にトナ−
現像する。トナ−現像方法には、乾式現像法(カスケ−
ド現像、磁気ブラシ現像、パウダクラウド現像)及び液
体現像法が知られており、何れも使用出来る。殊に液体
現像法はトナ−微細な画像を形成出来、再現性良い印刷
版を作製するのに好適である。更に、正現像によるポジ
/ポジ現像や、適当なバイアス電圧の印加の下反転現像
によるネガ/ポジ現像も可能である。形成されたトナ−
画像は公知の定着法、例えば加熱定着、圧力定着、溶剤
定着等により定着出来る。トナ−成分は、下記のアルカ
リ性処理液にレジスト性を有する公知の組成物が利用出
来る。
【0040】画像形成された印刷版は、アルカリ性処理
液で処理して非画像部を除去する。本発明に用いること
の出来るアルカリ性処理液は、アルカリ剤を含有し緩衝
能を有するものが望ましい。従来、感光性平版印刷版現
像液及び電子写真平版印刷版溶出液に用いられているア
ルカリ剤としては、一般式Si02/M20(M=Li、N
a、K)で表現される珪酸塩、アルカリ金属水酸化物、
リン酸及び炭酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩等の
無機アルカリ剤、エタノ−ルアミン類、エチレンジアミ
ン、プロパンジアミン類、トリエチレンテトラミン、モ
ルホリン等の有機アルカリ剤、及びこれらの混合物が挙
げられる。また、非画像部へのアルカリ剤の浸透を促進
させ、アルカリ処理時間を短縮するために、エタノ−
ル、2-プロパノ−ル、ベンジルアルコ−ル、及びアル
キルセロソルブ等の有機溶剤や、亜硫酸塩等を併用して
も良い。
【0041】アルカリ性処理液には更に、特開昭55−
25100号公報記載のイオン性化合物、特開昭55−
95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマ、特
開昭56−142528号公報記載の水溶性両性高分子
電解質、特開昭58−75152号公報記載の中性塩、
特開昭58−190952号公報記載のキレ−ト剤、特
開平1−177541号公報記載の液粘度調整剤、特開
昭63−226657号公報記載の防腐剤や殺菌剤、及
び各種界面活性剤、天然及び合成水溶性ポリマ等の公知
の成分を必要に応じ含有させることが出来る。
【0042】上記の様なアルカリ性処理液によって画像
が形成された印刷版を処理する方法としては、従来公知
の種々の方法が採れる。具体的には、印刷版をアルカリ
性処理液中に浸漬する方法、印刷版面に対し多数のノズ
ルからアルカリ性処理液を吐出供給する方法、アルカリ
性処理液を含ませたスポンジやタンポン等で印刷版面を
拭う方法、印刷版面にアルカリ性処理液を供給した後に
ロ−ルにて延展塗布する方法等が挙げられる。処理する
印刷版毎の変動を抑制するため、何れの方法に於ても一
定液温に保持して自動機にて処理することが好ましい。
【0043】これにより非画像部が処理された印刷版
は、次にリンス液にて印刷版面をリンスする。リンス液
としては、少なくとも非画像部に残存する溶解成分と不
溶物を形成せず、迅速に印刷版面から除去出来れば良
く、公知の組成からなる液が利用出来るが、本発明に係
わる洗浄液をリンス液として用いても良い。リンスが終
了した印刷版は、ロ−ル搬送しながら本発明に係わる処
理装置にて保護ガム液を塗布して処理した後、保護ガム
液を必要に応じ熱風等で乾燥させて印刷に供する。
【0044】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に
限定されるものではない。
【0045】実施例1 JIS1050アルミニウムシ−トをパミス/水懸濁液
を研磨剤として回転ナイロンブラシで表面を砂目立てし
た。水洗後、60℃、10%水酸化ナトリウム水溶液に
浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬し
て中和し、充分水洗した。続いて3%塩酸水溶液中で電
解粗面化を行ない、50℃、20%硫酸水溶液中に浸漬
して表面を洗浄した後、水洗した。更に、20%硫酸水
溶液中で陽極酸化処理を施して、表面にアルミニウム酸
化物皮膜を形成させ、水洗後乾燥して支持体とした。こ
の支持体表面処理面に、ダイノミルにて1時間分散させ
た表1記載の光導電層形成用塗液を固形分塗布量が4.
4g/m2となる様塗布後、90℃で30秒間乾燥させ
て電子写真平版印刷版とした。
【0046】
【表1】
【0047】遮光して50℃で2時間加温した後に室温
で放置した電子写真平版印刷版(印刷版 NO.1)を、暗
所にて光導電層の表面電位が約+280Vになる様帯電
させた後、半導体レ−ザ(780nm)を用いて走査画
像露光し、直ちに正電荷トナ−(三菱製紙(株)製、LO
M-ED III)を用いて反転現像(バイアス電圧:+12
0V)を行ない、冷風乾燥してトナ−分散媒を除去後、
更に熱定着して光導電層上にトナ−画像を形成させた。
得られたトナ−現像済みの印刷版について、下記に示す
様な平版印刷版処理装置を用いて製版した。
【0048】図1に本実施例で用いた保護ガム液処理装
置を付帯する平版印刷版処理装置を示す。本処理装置の
基本構成は、アルカリ性処理液塗布ゾ−ンA、可溶化非
画像部除去廃棄ゾ−ンB、リンス処理ゾ−ンC、及び保
護ガム液供給部を洗浄する洗浄液供給手段を含む保護ガ
ム液塗布ゾ−ンDの4ゾ−ンからなり、平版印刷版は矢
印の方向から印刷版搬送ライン1に挿入することによ
り、ロ−ル挟持されて自動搬送される様になっている。
【0049】アルカリ性処理液塗布ゾ−ンAは更に、ア
ルカリ性処理液供給管27、整流板28、及び給液ロ−
ル11aからなるアルカリ性処理液供給部と、液計量具
47及びそのガイドロ−ル13からなるアルカリ性処理
液計量部とで構成される。搬入された平版印刷版はアル
カリ性処理液供給部に於てアルカリ性処理液が供給さ
れ、アルカリ性処理液計量部で一定計量される様になっ
ている。計量されたアルカリ性処理液は、循環アルカリ
性処理液貯液槽3上方に設置された液誘導板75上を流
動して液落下孔78より循環アルカリ性処理液貯液槽3
に回収される。また、液計量部でのアルカリ性処理液の
持出し量に相当分は、補充液貯液槽7に貯液されている
補充液19を補充ポンプ94、配管122、及び補充液
供給管54を経て液計量具47上から補充し、液計量具
47を湿潤させ洗浄させると共に循環アルカリ性処理液
に混入される。
【0050】また可溶化非画像部除去廃棄ゾ−ンBは、
掻取りブレ−ド22、ガイドロ−ル20、及びガイドロ
−ル清浄ブレ−ド23からなる可溶化非画像部除去部、
使用中の循環リンス液36を掻取りブレ−ド22の掻取
り部位に沿って走査しながら供給する給液ノズル52及
びノズル走査手段55を含む洗浄除去液供給手段、及び
除去廃液一次貯留槽4で構成される。掻取りブレ−ド2
2への循環リンス液36の供給は、図示しない洗浄除去
液供給制御手段により送液ポンプ95を作動、電磁バル
ブ101を解放すると同時にノズル走査手段55が作動
する様になっている。掻取りブレ−ド22によって掻落
とされた液状物及び掻取りブレ−ド22の洗浄に使用さ
れた洗浄廃液は、除去廃液一次貯留槽4に一時的に貯留
された後に、配管114を経て除去廃液二次貯留槽21
に排棄される様になっている。
【0051】リンス処理ゾ−ンCは、リンス液貯液槽5
に貯留された循環リンス液36を2本のリンス液供給管
37及び38に夫々単独にポンプアップして、直接印刷
版面に供給する循環リンス液供給部と、搬送ロ−ル対3
1及び32に並列して配置され、圧搾空気と共に図示し
ない未使用リンス液を高圧スプレ−ガン33から供給す
る未使用リンス液供給部とからなる。循環リンス液36
はロ−ル回転中は給液される様になっており、未使用リ
ンス液は図示しない未使用リンス液供給制御手段によ
り、平版印刷版先頭部が搬送ロ−ル対31に挟持させて
から平版印刷版後端部が搬送ロ−ル対32から搬出され
る間だけ供給される様になっている。
【0052】保護ガム液塗布ゾ−ンDは、保護ガム液供
給手段45、液計量ロ−ル43、保護ガム液塗布ロ−ル
40、及びバックアップロ−ル41からなる保護ガム液
供給部、保護ガム液供給部を洗浄する洗浄液供給手段6
0、保護ガム液46を貯留する保護ガム液貯液槽8と、
余剰の保護ガム液を受液する保護ガム液一次貯留槽6と
からなる。洗浄液貯液槽9に貯液された洗浄液49は、
図示しない洗浄液供給制御手段により送液ポンプ99の
作動及び電磁バルブ131が解放させて、配管130を
経て保護ガム液供給部に供給される。保護ガム液一次貯
留槽6に貯留された使用済み保護ガム液及び洗浄液49
は、バルブ107及び108の開閉により除去廃液二次
貯留槽21へ排出することも、逆止め弁126を経てリ
ンス液貯液槽5に供給することも、また保護ガム液貯液
槽8へと循環することも出来る様になっている。
【0053】また、上記平版印刷版処理装置による製版
処理に於ては、以下の処理液(処理液 NO.1〜4)を用
いた。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】以上の処理液に加え、循環アルカリ性処理
液貯液槽3への補充液19としては未使用のアルカリ性
処理液を用い、未使用リンス液としては未使用の循環リ
ンス液を用いて、保護ガム液塗布ロ−ル・液計量ロ−ル
当接部に保護ガム液46が充満してから複版速度1分/
版で50版連続製版した。また、バルブ108は閉栓し
バルブ107は解放して、余剰の保護ガム液は循環再使
用せずに除去廃液二次貯留槽21へ排出される様にし
た。
【0059】保護ガム液処理装置保護ガム液塗布ゾ−ン
Dの洗浄は、最終版が保護ガム液塗布ロ−ル40・バッ
クアップロ−ル41対を通過後各処理液の供給を止め、
ロ−ル群は回転させたまま5分後に8ml/秒で5秒間
洗浄液49を供給し、更に1分後再度洗浄液を供給し
た。また、可溶化した光導電層成分が付着した掻取りブ
レ−ド22の洗浄は、各処理液の供給を止めると同時に
循環リンス液36を15秒間走査しながら給液して掻取
りブレ−ドを洗浄した。
【0060】連続製版及び洗浄液洗浄後処理装置を停機
し、保護ガム液塗布ロ−ル、液計量ロ−ル、及びバック
アップロ−ルの3ロ−ルが乾燥するのを待ってロ−ル表
面を観たところ、保護ガム液は固着しておらず、再び起
動させたが全く問題なくロ−ルは回転して、円滑な保護
ガム液処理が行なえた。更に上記条件で1ヶ月間連続製
版洗浄したが、1回たりともロ−ル同士の固着による起
動時の回転不良勿論、液計量ロ−ルに乾燥固着した保護
ガム液成分のロ−ル間間隙の不均化がもたらす保護ガム
液給液不良も起こらなかった。
【0061】また、1日目、5日目、10日目、20日
目、及び30日目の起動後第1版目(ロ−ルに固形物が
付着していれば、最も悪影響が発現すると予想される)
の製版保護ガム液塗布済みの平版印刷版について、オフ
セット印刷機(リョ−ビ3200MCD)にて印刷した
ところ、5版共保護ガム液被覆不良による印刷地汚れは
勿論、印刷初期に非画像部に付着した印刷インキが取れ
て鮮明な印刷物を得るまでの不良印刷枚数はどの版に於
ても10枚程度で差が観られず、多数枚製版に於ても保
護ガム液が平版印刷版全面を均一に被覆出来、優れた画
像部の感脂性及び非画像部の不感脂性を与え、実質的に
処理変動のない製版が行なえた。
【0062】比較例1 実施例1と同様の平版印刷版処理装置及び処理液を用
い、50版連続製版後に保護ガム液塗布ゾ−ンDに於て
洗浄液49を供給しないまま実施例1でロ−ル洗浄に要
した時間だけロ−ルを回転させてから停機した。1時間
後に再び起動させたところロ−ルは直ちに回転したもの
の、保護ガム液塗布ゾ−ンのロ−ル全てに筋状に保護ガ
ム液成分が固着して、円滑な回転に戻るまでには保護ガ
ム液供給後数分を要した。また、一夜放置して翌日起動
させたところ、それらロ−ル同士が固着して起動直後に
はロ−ルは回転しなかった。更に、液計量ロ−ルに不均
一に付着した保護ガム液成分により保護ガム液塗布ロ−
ル・液計量ロ−ル間間隙が変わってしまい、保護ガム液
の計量量が回転周期で変動すると共に平版印刷版幅方向
(搬送方向と直角方向)も振れて、目視に於ても平版印
刷版表面の保護ガム皮膜ムラが発生していた。
【0063】実施例1と同様に、製版した平版印刷版を
隔日で抽出して印刷したところ、少なくとも5日目以降
に製版処理した平版印刷版は、保護ガム液被覆不良によ
るものか部分によって印刷地汚れが発生した。また、逆
に部分によっては保護ガムがかなり厚く覆っているた
め、印刷初期に非画像部に付着した印刷インキが完全に
取れて鮮明な印刷物を得るまでの不良印刷枚数は100
枚を越える場合があり、画像部の感脂性及び非画像部の
不感脂性に劣り、処理変動が大きすぎて多数枚製版には
適さないものであった。
【0064】実施例2 実施例1で用いた処理液中洗浄液(処理液 NO.4)だけ
を表6記載の液(処理液 NO.5)に替え、更に実施例1
で用いた平版印刷版処理装置に於てバルブ107を閉栓
した(これにより、余剰の保護ガム液及び洗浄液は一旦
は保護ガム液一次貯留槽6に貯留されるが、配管124
及び逆止弁126を経て循環リンス液中に一定量が流入
する様になる)他は、実施例1と同様に製版処理を行な
った。
【0065】
【表6】
【0066】その結果、実施例1と同様にロ−ル同士の
固着による起動時の回転不良勿論保護ガム液給液不良も
発生しなかったし、これらの平版印刷版の印刷に於ても
保護ガム液被覆不良による印刷地汚れは勿論、鮮明な印
刷物を得るまでの不良印刷枚数は10枚程度あって、多
数枚製版に於ても保護ガム液が平版印刷版全面を均一に
被覆出来、優れた画像部の感脂性及び非画像部の不感脂
性を与えて、実質的に処理変動のない製版が行なえた。
また、保護ガム液及び洗浄液は弱酸性であるので、これ
らを混入させた循環リンス液のpH上昇は緩慢となり、
保護ガム液塗布ゾ−ンからの廃液を有効利用出来た。
【0067】実施例3 JIS1050アルミニウムシ−トをパミス/水懸濁液
を研磨剤として回転ナイロンブラシで表面を砂目立てし
た。水洗後、60℃、10%水酸化ナトリウム水溶液に
浸漬し、アルミニウム溶解量が6g/m2になる様にエッ
チングした。水洗後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬し
て中和し、充分水洗した。続いて1%硝酸水溶液中で電
解粗面化を行ない、50℃、30%硫酸水溶液中に浸漬
して表面を洗浄した後、水洗した。更に、7%硫酸水溶
液中で陽極酸化処理を施して、表面にアルミニウム酸化
物皮膜を形成させ、水洗後70℃、3%の珪酸ソ−ダ3
号水溶液に1分間浸漬して親水化処理し、水洗、乾燥し
て支持体とした。この支持体表面処理面に、表7記載の
感光層形成用塗液を固形分塗布量が1.7g/m2となる
様塗布後、90℃で30秒間乾燥させて感光性平版印刷
版を得た。
【0068】
【表7】
【0069】この平版印刷版をNuArc FT 26V
UDNS ULTRA-PLUS FLIP-TOP PL
ATE MAKERを用いて画像露光し、続いて実施例
1で用いた平版印刷版処理装置及び以下に記載の処理液
(処理液 NO.6〜9)を用いて製版した。尚、製版処理
の適性から、平版印刷版処理装置アルカリ性処理液塗布
ゾ−ンAガイドロ−ル13上に配置した液計量具47を
搬送ロ−ル17上に移動させて製版した。
【0070】
【表8】
【0071】
【表9】
【0072】
【表10】
【0073】
【表11】
【0074】以上の処理液に加え、循環アルカリ性処理
液貯液槽3への補充液19としては未使用のアルカリ性
処理液を用い、未使用リンス液としてはイオン交換水を
用いた他は、実施例1と同条件で製版した(余剰の保護
ガム液は循環再使用せず、洗浄済み洗浄液と共に洗浄除
去廃液二次貯留槽21へ排出される)。
【0075】保護ガム液処理装置保護ガム液塗布ゾ−ン
Dの洗浄は、最終版が保護ガム液塗布ロ−ル40・バッ
クアップロ−ル41対を通過後各処理液の供給を止め、
ロ−ル群は回転させたまま2分後に8ml/秒で5秒間
洗浄液49を供給し、更に1分後再度洗浄液を供給し
た。また、可溶化した感光層成分が付着した掻取りブレ
−ド22の洗浄は、各処理液の供給を止めると同時に循
環リンス液36を10秒間走査しながら給液して掻取り
ブレ−ドを洗浄した。
【0076】連続製版及び洗浄液洗浄後処理装置を停機
し、保護ガム液塗布ロ−ル、液計量ロ−ル、及びバック
アップロ−ルの3ロ−ルが乾燥するのを待ってロ−ル表
面を観たところ、保護ガム液は固着しておらず、再び起
動させたが全く問題なくロ−ルは回転して、円滑な保護
ガム液処理が行なえた。更に同条件で1ヶ月間連続製版
洗浄したが、実施例1と同様ロ−ル同士の固着による起
動時の回転不良勿論、液計量ロ−ルに乾燥固着した保護
ガム液成分のロ−ル間間隙の不均化がもたらす保護ガム
液給液不良も起こらなかった。
【0077】また、1日目、5日目、10日目、20日
目、及び30日目の起動後第1版目の製版保護ガム液塗
布済みの平版印刷版について印刷したところ、5版共保
護ガム液被覆不良による印刷地汚れは勿論、印刷初期に
非画像部に付着した印刷インキが取れて鮮明な印刷物を
得るまでの不良印刷枚数はどの版に於ても15枚程度で
差が観られず、多数枚製版に於ても保護ガム液が平版印
刷版全面を均一に被覆出来、優れた画像部の感脂性及び
非画像部の不感脂性を与え、実質的に処理変動のない製
版が行なえた。
【0078】比較例2 実施例1で用いた平版印刷版処理装置於て、バルブ10
7を閉栓しバルブ108を解放して、余剰の保護ガム液
及び洗浄済み洗浄液を保護ガム液貯液槽8に流入させて
循環再使用し、除去廃液二次貯留槽21へは排出されな
い様にした他は実施例1と同条件で製版した。
【0079】その結果、実施例1と同様ロ−ル同士の固
着による起動時の回転不良勿論、液計量ロ−ルに乾燥固
着した保護ガム液成分のロ−ル間間隙の不均化がもたら
す保護ガム液給液不良も起こらなかったが、少なくとも
20日目以降の製版保護ガム液塗布済みの平版印刷版を
印刷したところ、印刷初期に非画像部に付着した印刷イ
ンキが取れて鮮明な印刷物を得るまでの不良印刷枚数は
どの版に於ても10枚程度で、多数枚製版に於ても保護
ガム液が平版印刷版全面を均一に被覆出来、優れた画像
部の感脂性を示したものの、循環使用の保護ガム液が洗
浄液と混合して希釈されたためか非画像部に印刷地汚れ
が発生して、保護ガム液を交換しなければならなかっ
た。
【0080】
【発明の効果】以上説明した様に本発明の保護ガム液処
理方法によれば、保護ガム液の濃縮乾燥等の経時的変動
によるロ−ルへの固着とロ−ル同士の接着がもたらす種
々の問題を防止して、長期間安定な保護ガム液の均一供
給と塗布処理が可能となる。また、余剰保護ガム液及び
洗浄液をリンス液に補充することで、保護ガム液処理工
程に於て実質的に廃液を出さず、これらの液を再使用出
来るばかりでなくリンス液の効果を長引かせる秀逸なる
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された保護ガム液塗布処理装置を
含む平版印刷版処理装置を示す縦断面概略構成図。
【符号の説明】
A アルカリ性処理液塗布ゾ−ン B 可溶化非画像部除去廃棄ゾ−ン C リンス処理ゾ−ン D 保護ガム液塗布ゾ−ン 1 平版印刷版 8 保護ガム液貯液槽 9 洗浄液貯液槽 40 保護ガム液塗布ロ−ル 41 バックアップロ−ル 43 液計量ロ−ル 45 保護ガム液供給手段 46 保護ガム液 49 洗浄液 60 洗浄液供給手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性処理液により非画像部を溶解
    除去し、続いてリンス液により版面をリンスした平版印
    刷版をロ−ル搬送しながら保護ガム液を塗布して処理す
    る処理装置であって、平版印刷版を搬送すると共に版面
    に保護ガム液を塗布延展する保護ガム液塗布ロ−ルと、
    該ロ−ルの版搬送方向手前にあってその外周の一部に当
    接して平版印刷版へ付与される保護ガム液量を制限する
    液計量ロ−ルと、保護ガム液塗布ロ−ルと液計量ロ−ル
    との当接部に保護ガム液を供給する保護ガム液供給手段
    と、該当接部に洗浄液を供給して洗浄する洗浄液供給手
    段と、を有する保護ガム液処理装置により平版印刷版を
    保護ガム液処理した後に、洗浄液供給手段により該ロ−
    ル群に洗浄液を供給してロ−ルに残存する保護ガム液を
    除去して廃棄し、ロール洗浄により廃棄された保護ガム
    液を含む洗浄液をリンス液に補充することを特徴とする
    保護ガム液処理方法。
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