JP2557697B2 - 電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真式製版用印刷原版

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JP2557697B2
JP2557697B2 JP63282320A JP28232088A JP2557697B2 JP 2557697 B2 JP2557697 B2 JP 2557697B2 JP 63282320 A JP63282320 A JP 63282320A JP 28232088 A JP28232088 A JP 28232088A JP 2557697 B2 JP2557697 B2 JP 2557697B2
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    • GPHYSICS
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
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    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、有機光導電性化合物を含有する光導電層を
有し、電子写真法により、トナー画像を形成した後、ト
ナー画像部以外の非画像部の光導電層を除去することに
より印刷版とする電子写真式製版用印刷原版、特に、露
光終了からトナー現像開始までの時間が短縮されること
により製版時間を短縮することが可能な、光応答性の改
良された電子写真式製版用印刷原版に関する。
[従来の技術] 今日、平版オフセット印刷版としては、ジアゾ化合物
とフェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤やアクリ
ル系モノマーやプレポリマーを主成分とするネガ型感光
剤を用いるPS版などが実用化されているが、これらはす
べて低感度のため、あらかじめ画像記録されたフィルム
原版を密着露光して製版を行っている。一方、コンピュ
ーター画像処理と大容量データの保存およびデータ通信
技術の進歩によって、近年では、原稿入力、補正、編
集、割り付けから頁組まで一貫してコンピューター操作
され、高速通信網や衛生通信により即時遠隔地の末端プ
ロッターに出力できる電子編集システムが実用化してい
る。特に、即時性の要求される新聞印刷分野において電
子編集システムの要求度は高い。また、オリジナルが原
版フィルムの形で保存されこれをもとに必要に応じて印
刷版が複製されている分野においても、光ディスクなど
の超大容量記録メディアの発達に伴いオリジナルがこれ
らの記録メディアにデジタルデータとして保存されるよ
うになると考えられる。
しかしながら、末端プロッターの出力から直接印刷版
を作成する直接型印刷版はほとんど実用化されておら
ず、電子編集システムの稼動しているところでも出力は
銀塩写真フィルムにおこなわれ、これをもとに間接的に
PS版へ密着露光により印刷版が作成されているのが実状
である。これは、出力プロッターの光源(例えば、He-N
eレーザー、半導体レーザーなど)により実用的な時間
内に印刷版を作成できるだけの高い感度を有する直接型
印刷版の開発が困難であることも1つの原因であった。
直接型印刷版を提供し得る高い光感度を有する感光体
として電子写真感光体が考えられる。トナー画像形成
後、非画像部の光導電層の除去を行う型の電子写真式製
版用印刷原版はすでに多く知られている。例えば、特公
昭37-17162号、同38-6961号、同38-7758号、同41-2426
号、同46-39405号、特開昭50-19509号、同50-19510号、
同52-2437号、同54-145538号、同54-134632号、同55-10
5254号、同55-153948号、同55-161250号、同57-147656
号、同57-161863号等に記載の電子写真式製版用印刷原
版があげられる。
電子写真感光体を印刷版として使用するには、非画像
部をエッチングで除去し親水性の面を露出させる必要が
あるため、結合樹脂としてアルカリ性溶剤に溶解するか
もしくは膨潤して脱離する結合樹脂を用いることが多
い。通常、電子写真感光体の結合樹脂として広く用いら
れているポリカーボネート樹脂等にくらべて、これらの
親水性の高い樹脂は、無機光導電性化合物との相互作用
が著しく強く、均一な分散物が形成できず、感光体を作
成することができず、また親水性を低くするとエッチン
グによる非画像部の除去が不可能となり、印刷原版とし
て画像部と非画像部(即ち親水性部)の判別ができず、
印刷原版としての使用に供されなくなってしまう。アル
カリ性溶剤に溶解または分散する樹脂は有機光導電性化
合物との相溶性が悪く、このため有機光導電性化合物の
電子写真感光層への導入量が制限される。光導電層中で
表面電位を打ち消すのに充分なキャリアーが発生してい
ても、有機光導電性化合物の光導電層中での含有量が低
いと、光導電層中でのキャリアーの移動速度が低下し表
面電位の減衰速度すなわち応答速度が低下する。このた
め、露光終了後、表面電位がかぶりを与えない程度まで
充分減衰しトナー現像を開始できるまでの時間がなくな
る。プロセス時間をできるだけ短くするために、露光照
度をあげて露光時間を短くしていくほどこの応答時間は
長くなる。したがって応答速度の遅さは、全プロセス時
間の短縮の大きな妨げになっている。また、レーザー光
源などの高照度光源によって走査露光を行う場合には別
の問題を生ずる。すなわち、応答速度が遅いと、書き込
み開始部と、書き込み終了部では表面電位の減衰率が異
なってくるため、書き込み開始部ではかぶりはないが、
書き込み終了部ではかぶりの多い画像ができあがり、印
刷版の作成に不都合を生じる現象が発生するのである。
有機光導電性化合物を使用した電子写真式製版用印刷
原版に用いられている従来公知の結合樹脂として、特公
昭41-2426号、同37-17162号、同38-6961号、特開昭52-2
437号、同54-19803号、同54-134632号、同55-105254
号、同50-19509号、同19510号などに記載の、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共
重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、フェノ
ール樹脂等が知られている。しかしながらこれらを電子
写真式製版用印刷原版に用いたときは種々の問題点を有
していることがすでに知られている。すなわち、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体を結合樹脂とした場合は形
成皮膜が硬く印刷版を湾曲させたときにひび割れを生ず
ることがある。また、膜の接着性に乏しく多数枚の印刷
に耐えられない。フェノール樹脂を結合樹脂として用い
た場合は、形成皮膜が脆弱で、耐刷性が悪い。酢酸ビニ
ル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体はやはり耐刷性に問題があった。
以上のような主として耐刷性不足に起因する種々の問
題を解決したとして特開昭57-161863号、同58-76843号
には、アクリル酸エステルモノマーもしくはメタクリル
酸エステルモノマーとカルボン酸含有モノマーとの共重
合体が開示されている。これらの結合樹脂を用いれば電
子写真式製版用印刷原版として使用することは可能であ
る。しかしながら、前述した通り、応答速度の遅さに起
因する近年指摘され始めた問題点は今だ未解決のままで
あった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の第一の目的は、良好な感度を有し、かつ、応
答速度の速い電子写真式製版用印刷原版を提供すること
である。
本発明の第二の目的は、レーザーなどの走査露光によ
る画像形成に適した電子写真式製版用印刷原版を提供す
ることである。
本発明の第三の目的は、耐刷性に優れた電子写真式製
版用印刷原版を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上記目的は導電性支持体上に、少なくとも、有機光導
電性化合物および結合樹脂を含有する光導電層を有し、
画像露光しトナー画像を形成した後、トナー画像部以外
の非画像部の光導電層を除去することにより印刷版とす
る電子写真式製版用印刷原版において、前記光導電層の
結合樹脂に含有される少なくとも1つの重合体に含有さ
れる1以上の官能基が、分解により少なくとも1つのヒ
ドロキシル基と少なくとも1つのカルボキシル基を生成
するものであることを特徴とする電子写真式製版用印刷
原版によって、達成することができる。
本発明の重合体(樹脂)としては例えば以下のものを
挙げることができる。
1)分解によりヒドロキシル基を生成する官能基と分解
によりカルボキシル基を生成する官能基とを共重合成分
中に各々少なくとも1種ずつ含有する二元又は多元共重
合体。
2)分解によりヒドロキシル基を生成する置換基と分解
によりカルボキシル基を生成する置換基とを重合体成分
の側鎖中に同時に含有するホモ重合体又は該重合体成分
と共重合可能な他の共重合成分と該重合体成分との2元
又は多元共重合体。
3)分解によりヒドロキシル基とカルボキシル基を同時
に生成する官能基(例えばラクトン環基)を重合体成分
中に含有するホモ重合体、又は該重合体成分と共重合可
能な他の共重合成分と該重合体成分との2元又は多元共
重合体。
該分解により少なくとも1つのヒドロキシル基を生成
する官能基としては例えば一般式(I)、(II)又は
(III)で示される置換基を挙げることができる。
−CO−X1−Y2、−CH=CH−CH3を表わす。
但し、R1、R2及びR3は、互いに同じでも異なっていて
もよく、水素原子、炭化水素基又は−O−R4(R4は炭化
水素基を示す)を表わし、Y1及びY2は炭化水素基を表わ
し、X1はイオウ原子、酸素原子又は−NH−基を表わし、
X2はイオウ原子又は酸素原子を表わす。
式(II)中、M1は炭素原子又はケイ素原子を表わし、
R5及びR6は互いに同じでも異なっていてもよく、式
(I)中のR1、R2及びR3と同義である。Z1はヘテロ原子
を介してもよい炭素−炭素結合を表わす(但し、酸素原
子間の原子数は5個以内である)。
式(III)中、Z2は式(II)中のZ1と同義である。
一方、該分解により少なくとも1つのカルボキシル基
を生成する官能基としては、例えば一般式(IV)、
(V)又は(VI)で示される置換基を挙げることができ
る。
一般式(IV) −COO−L2 式(IV)中、L2は、 を表わす。
但し、R7及びR8は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子又は脂肪族基を表わし、Wは2価の芳香族
基を表わし、Q1は水素原子、ハロゲン原子、トリハロメ
チル基、アルキル基、−CN、−NO2、−SO2R15、−COOR
16、−COR17又は−O−R18(但し、R15、R16、R17及びR
18はそれぞれ炭化水素基を示す)を表わし、n及びmは
各々0、1又は2を表わす。
R9、R10及びR11は互いに同じでも異なっていてもよ
く、炭化水素基又は−O−R19(但し、R19は炭化水素基
を示す)を表わし、M2はSi、Sn又はTiを表わす。
Y3及びY4は各々炭化水素基を表わす。
X3は酸素原子又はイオウ原子を表わし、R12、R13及び
R14は同じでも異なってもよく、各々水素原子、炭化水
素基又は−O−R20(但し、R20は炭化水素基を示す)を
表わし、pは3または4の整数を表わす。
Uは環状イミド基を形成する有機残基を表わす。
一般式(V) −CO−L3 式(V)中、L3を表わす。但しR21、R22、R23、R24及びR25は、各々水
素原子又は脂肪族基を表わし、又R22とR23、あるいはR
24とR25は、連結して縮結して縮結環を形成する有機残
基を表わしてもよい。
式(VI)中、R26及びR27は互いに同じでも異なってい
てもよく、水素原子又は炭化水素基を表わすか又はR26
とR27とが連結して環を形成してもよい。
更に分解により少なくとも1つのヒドロキシル基と少
なくとも1つのカルボキシル基を同時に生成する官能基
として、例えばラクトン環基が挙げられる。
以下一般式(I)で示される置換基〔−O−L1〕につ
いて更に詳しく説明する。
を表わす場合においては、R1、R2及びR3は互いに同じで
も異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基又は−O
−R4(R4は炭化水素基を示す)を表わす。R1、R2、R3
表わされる炭化水素基は好ましくは置換されていてもよ
い炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル
基、クロロエチル基、メトキシエチル基、メトキシプロ
ピル基等)、置換されていてもよい脂環式基(例えばシ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等)、置換されてい
てもよい炭素数7〜12のアラルキル基(例えばベンジル
基、フェネチル基、クロロベンジル基、メトキシベンジ
ル基、3−フェニルプロピル基等)、置換されていても
よい芳香族基(例えばフェニル基、ナフチル基、クロロ
フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、ジクロロフェニル基等)を表わ
す。R4で表わされる炭化水素基は上記R1、R2、R3で表わ
される炭化水素と同義である。
L1が−CO−Y1を表わす場合においては、Y1で表わされ
る炭化水素基は好ましくは置換されていてもよい炭素数
1〜6の直鎖状又は分岐状アルキル基(例えばメチル
基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、メト
キシメチル基、フェノキシメチル基、2,2,2−トリフル
オロエチル、t−ブチル基、ヘキサフルオロ−i−プロ
ピル基等)、置換されていてもよい炭素数7〜9のアラ
ルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、メチルベ
ンジル基、トリメチルベンジル基、ヘプタメチルベンジ
ル基、メトキシベンジル基等)、置換されていてもよい
炭素数6〜12のアリール基(例えばフェニル基、ニトロ
フェニル基、シアノフェニル基、メタンスルホニルフェ
ニル基、メトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、ク
ロロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリフルオロメ
チルフェニル基等)を表わす。
L1が−CO−X1−Y2を表わす場合においては、X1は酸素
原子、イオウ原子又は−NH−結合基を表わし、Y2は上記
したY1と同義であある。
更にL1を表わす場合においては、X2は酸素原子又はイオウ原子
を表わす。
一般式(II)で示される置換基においては、M1は炭素
原子又はケイ素原子を表わし、R5及びR6は互いに同じで
も異なっていてもよく、各々上記のR1及びR2と同義であ
る。Z1はヘテロ原子を介してもよい炭素−炭素結合を表
わす(但し、酸素原子間の原子数は5個以内を示す)。
一般式(III)中のZ2は上記Z1と同義である。
一方、一般式(IV)で示される置換基〔−COO−L2
について説明する。
L2を表わす場合において、R7及びR8は互いに同じでも異な
っていてもよく、水素原子又は脂肪族基を表わす。R7
R8で表わされる脂肪族基としては好ましくは置換されて
いてもよい炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチ
ル基、ジクロメチル基、トリクロロメチル基、トリフル
オロメチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デ
シル基、ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル基
等)が挙げられる。Wは2価の芳香族基を表わし、好ま
しくは置換されていてもよい、フェニレン基又はナフチ
レン基(例えばフェニレン基、メチルフェニレン基、ク
ロロフェニレン基、ジメチルフェニレン基、クロロメチ
ルフェニレン基、ナフチレン基等)が挙げられる。Q1
好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、
フッ素原子等)、トリハロメチル基(例えばトリクロロ
メチル基、トリフルオロメチル基等)、炭素数1〜12の
置換されていてもよい直鎖状又は分岐状アルキル基(例
えばメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、テトラフ
ルオロエチル基、オクチル基、シアノエチル基、クロロ
エチル基等)、−CN−、−NO2、−SO2R15、−COOR16
−COR17又は−OR18〔R15〜R18は各々炭化水素基を示
し、好ましくは脂肪族基(例えば炭素数1〜12の置換さ
れていてもよいアルキル基:具体的には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、クロロエチル基、ペン
チル基、オクチル基等、炭素数7〜12の置換されていて
もよいアラルキル基:具体的にはベンジル基、フェネチ
ル基、クロロベンジル基、メトキシベンジル基、クロロ
フェネチル基、メチルフェネチル基等)又は芳香族基
(例えば置換基を含有してもよい、フェニル基又はナフ
チル基:具体的にはフェニル基、クロロフェニル基、ジ
クロロフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニ
ル基、アセチルフェニル基、アセトアミドフェニル基、
メトキシカルボニルフェニル基、ナフチル基等)を表わ
す〕を表わす。
n及びmは各々0、1又は2を表わす。
以上記述した についてより具体的に説明すると、以下の様な置換基例
が挙げられる。
例えば、t−ブチル基、β,β,β−トリクロロエチ
ル基、β,β,β−トリフルオロエチル基、ヘキサフル
オロ−i−プロピル基、 −CH2CF2CF2n′H基(n′は1〜5を示す)、2
−シアノエチル基、2−ニトロエチル基、2−メタンス
ルホニルエチル基、2−エタンスルホニルエチル基、2
−ブタンスルホニルエチル基、ベンゼンスルホニルエチ
ル基、4−ニトロベンゼンスルホニルエチル基、4−シ
アノベンゼンスルホニルエチル基、4−メチルベンゼン
スルホニルエチル基、置換基を含有していてもよいベン
ジル基(例えばベンジル基、メトキシベンジル基、トリ
メチルベンジル基、ペンタメチルベンジル基、ニトロベ
ンジル基等)、置換基を含有してもよいフェナシル基
(例えばフェナシル基、ブロモフェナシル基等)、置換
基を含有してもよいフェニル基(例えばフェニル基、ニ
トロフェニル基、シアノフェニル基、メタンスルホニル
フェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ジニトロ
フェニル基等)等を表わす。
L2を表わす場合においては、R9、R10及びR11は互いに同じ
でも異なっていてもよく、各々炭化水素基又は−O−R
19(但し、R19は炭化水素基を示す)を表わす。R9
R10、R11で表わされる炭化水素基としては好ましくは炭
素数1〜18の置換されていてもよい脂肪族基〔脂肪族基
としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基又
は脂環式基を示し、置換基としては例えばハロゲン原
子、−CN基、−OH基、−O−R28(R28はアルキル基、ア
ラルキル基、脂環式基、アリール基を示す)等が挙げら
れる〕、炭素数6〜18の置換されていてもよい芳香族基
(例えばフェニル基、トリル基、クロロフェニル基、メ
トキシフェニル基、アセトアミドフェニル基、ナフチル
基等)が挙げられる。R19で表わされる炭化水素基とし
ては、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル
基、置換されていてもよい炭素数2〜12のアルケニル
基、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル
基、炭素数5〜18の置換されていてもよい脂環式基、炭
素数6〜18の置換されていてもよいアリール基を示すが
挙げられる。
M2はSi、Ti又はSnの各原子を表わし、より好ましくは
Si原子を表わす。
L2が−N=CH−Y3又は を表わす場合においては、Y3及びY4は各々好ましくは炭
素数1〜18の置換されていてもよい脂肪族基〔脂肪族基
としては、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、
脂環式基を示し、置換基としては例えばハロゲン原子、
CN基、アルコキシ基等のいづれでもよい〕又は炭素数6
〜18の置換されていてもよいアリール基(例えばフェニ
ル基、メトキシフェニル基、トリル基、クロロフェニル
基、ナフチル基等)を表わす。
L2が、 を表わす場合において、X3は酸素原子又はイオウ原子を
表わす。R12、R13、R14は互いに同じでも異なっていて
もよく、各々水素原子、炭化水素基又は−O−R20(但
し、R20は炭化水素基を示す)を表わす。R12、R13、R14
で表わされる炭化水素基としては、好ましくは置換され
てもよい炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、ブロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オク
タデシル基、クロロエチル基、メトキシエチル基、メト
キシプロピル基等)、置換されてもよい脂環式基(例え
ばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、置換され
てもよい炭素数7〜12のアラルキル基(例えばベンジル
基、フェネチル基、フロロベンジル基、クロロベンジル
基、メチルベンジル基、メトキシベンジル基、3−フェ
ニルプロピル基等)、置換されてもよい芳香族基(例え
ばフェニル基、ナフチル基、クロフェニル基、トリル
基、メトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル
基、ジクロロフェニル基等)を挙げることができる。R
20で表わされる炭化水素基としては、具体的には、上記
R12、R13、R14で表わされる炭化水素基と同一の炭化水
素基を挙げることができる。
pは3又は4の整数を表わす。
L2が、 を表わす場合において、Uは、環状イミド基を形成する
有機残基を表わす。好ましくは、一般式(VII)又は(V
III)で示される有機残基を表わす。
式(VII)中、R29、R30は各々同じでも異なってもよ
く、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭
素原子等)、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル
基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル
基、2−メトキシエチル基、2−シアノエチル基、3−
クロロプロピル基、2−(メタンスルホニル)エチル
基、2−(エトキシオキシ)エチル基等)、炭素数7〜
12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、メチルベ
ンジル基、ジメチルベンジル基、メトキシベンジル基、
クロロベンジル基、ブロモベンジル基等)、炭素数3〜
18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、アリル
基、3−メチル−2−プロペニル基、2−ヘキセニル
基、4−プロピル−2−ペンテニル基、12−オクタデセ
ニル基等)、−S−R33(R33は前記R29又はR30のアルキ
ル基、アラルキル基、アルケニル基と同一の内容を表わ
す置換基、又は置換されてもよいアリール基(例えばフ
ェニル基、トリル基、クロロフェニル基、ブロモフェニ
ル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、エト
キシカルボニルフェニル基等)を表わす。〕、又は−NH
R34(R34は前記R33と同一の内容を表わす)を表わす。
又、R29とR30で環を形成する残基を表わしてもよい〔例
えば5〜6員環の単環(例えばシクロペンチル環、シク
ロヘキシル環)、又は5〜6員環のビシクロ環(例え
ば、ビシクロヘプタン環、ビシクロヘプテン環、ビシク
ロオクタン環、ビシクロオクテン環等)〕、これらR29
とR30で縮環された環は更に置換されていてもよく、置
換基としては、R29、R30で前記した内容のうち水素原子
以外の基、即ちハロゲン原子、アルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、−S−R33及び−NHR34が挙げられ、
特にアルキル基及びアラルキル基が好ましい。
qは2又は3の整数を表わす。
式(VIII)中、R31、R32は、同一でも異なってもよ
く、前記R29、R30と同一の内容のものを表わす。更に
は、R31とR32は、連続して芳香族環を形成する有機残基
を表わしてもよい(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環
等)。
L2はより好ましくは から選ばれた原子団基を示す。
一般式(V)〔−CO−L3〕において、L3を表わす。但し、R21、R22、R23、R24、R25は、各々水
素原子又は脂肪族基を表わし、又R22とR23、あるいはR
24とR25は、連結して縮合環を形成する有機残基を表わ
してもよい。
R21〜R25で表わされる脂肪族基としては、好ましくは
前記R12〜R14で表わされる炭化水素基の内の脂肪族基と
同一の内容を表わす。
又、R22とR23、あるいはR24とR25が、連結して縮合環
を形成する有機残基を表わす場合、縮合環としては、好
ましくは5〜6員環の単環(例えばシクロペンチル環、
シクロヘキシル環等)、5員〜12員環の芳香族環(例え
ば、ベンゼン環、ナフタレン環、チオフェン環、ピロー
ル環、ピラン環、キノリン環等)等が挙げられる。
更に、一般式(VI)で示される置換基R26及びR27は上
記R7及びR8と同義であるかまたはR26とR27が連結して環
(例えばテトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサ
メチレン基等)を形成してもよい。
本発明に用いられる樹脂は、重合体中に含有されるヒ
ドロキシル基及びカルボキシル基を高分子反応によって
変換する方法又は予め一般式(I)、(II)、(II
I)、(IV)、(V)、(VI)あるいはラクトン環基を
適宜含有する単量体又は該単量体及びこれと共重合し得
る適当な他の単量体との重合反応により重合する方法に
より製造される。
高分子反応による製造法として、一般式(I)で示さ
れる置換基に変換する方法としては例えば岩倉義男、栗
田恵輔著「反応性高分子」第158頁(講談社刊)等の総
説引例の公知文献等に詳細に記載されている。
更に、一般式(II)又は(III)で示される置換基に
変換する方法としては、例えば下記に具体例として挙げ
られる様なヒドロキシル基を近接して有する重合体成分
を含む重合体(i)〜(ix) を、カルボニル化合物、オルトエステル化合物、ハロゲ
ン置換ギ酸エステル類、ジハロゲン置換シリル化合物等
と反応させることにより、二つのヒドロキシル基を一つ
の保護基で同時に保護した官能基とすることができる。
具体的には、日本化学会編「新実験化学講座、第14巻、
有機化合物の合成と反応〔V〕」第2505頁(丸善株式会
社刊)、J.F.W.McOmie,「Protectivegroups in Organic
Chemistry」第3章及び第4章(Plenum Press刊)等の
総説引例の公知文献記載の方法によって製造することが
できる。
更に一般式(IV)又は(V)で示される置換基に変換
する方法としては、例えば日本化学会編「新実験化学講
座、第14巻、有機化合物の合成と反応〔V〕」第2535頁
(丸善株式会社刊)、岩倉義男、栗田恵輔著、「反応性
高分子」第170頁(講談社刊)等の総説引例の公知文献
等に詳細に記載されている方法に従って製造することが
できる。
一方、単量体中のヒドロキシル基及び/又はカルボキ
シル基を一般式(I)〜(V)の官能基に各々変換(例
えば前記した公知例等に従って相当する単量体を合成
し、あるいは一般式(II)で示される官能基を含む単量
体は例えばY.Iwakura,F.Toda,Y.Torii,J.Polymer Sci.A
−1、4、2649(1966)、同6 2681(1968)等に記載の
方法により合成する)するか、あるいはラクトン環基含
有の単量体の場合には、R.Liepins,C.S.Marvel,J.Polym
er Sci.A−1、5、1489(1967)等に記載の方法により
合成し、次いで必要ならば該単量体と共重合する他の単
量体を共存させて通常の重合方法で重合することにより
ホモ重合体又は多元共重合体を製造することができる。
重合体中の一般式(I)〜(VI)及びラクトン環基の
官能基を任意に調整し得ることあるいは不純物を重合体
中に混入しないこと等の理由から予め本官能基を含有す
る単量体から重合反応により製造する方法が好ましい。
本発明の樹脂は、前記した如く、ホモ重合体でも多元
共重合体でも良く、更に前記した共重合成分を例えば、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、酢酸ア
リル、プロピオン酸アリル等の如き脂肪族カルボン酸ビ
ニルあるいはアリルエステル類、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸等の如き不飽和カルボン酸のエステル類又はアミド
類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチスチレンの如
きスチレン誘導体、α−オレフイン類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、N−ビニルピロリドンの如
き、ビニル基置換のヘテロ環化合物等の如き成分と共重
合させることもできる。
一般式(I)、(II)、(III)の置換基含有の重合
体成分と一般式(IV)、(V)、(VI)の置換基含有の
重合体成分両方を含む場合のその比率は、99.5〜0.5:0.
5〜99.5重量比、好ましくは80〜20:20〜80重量比であ
る。
前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法
において用いられる一般式(I)〜(VI)の官能基を含
有する単量体について更に具体的に述べると、例えば一
般式(X)の如き化合物が挙げられる。但しこれらの化
合物例に限定されるものではない。
式(II)中、X10は、−O−、−CO−、−COO−、−OC
O−、 −SO2−、 −CH2OCO−、 2価の芳香族基、又は2価のヘテロ環基を示す。但し、
d1、d2、d3、d4は、各々水素原子、炭化水素基、又は式
(X)中のY10−Z10)を表わし、b1、b2は同じでも異
なっていてもよく、水素原子、炭化水素基又は式(X)
中のY10−Z10)を表わし、lは0〜18の整数を示す。
d1〜d4で表わされる炭化水素基は式(I)のR12〜R14
表わされる炭化水素基と同義であり、b1、b2で表わされ
る炭化水素基は式(I)のR12〜R14で表わされる炭化水
素基と同義である。
Y10は、結合基X10とZ10を連結する。ヘテロ原子を介
していてもよい2価の連結基を表わし(ヘテロ原子とし
ては、酸素原子、イオウ原子、又は窒素原子を示す)、
例えば CH=CH−、−O−、−S−、 −COO−、−CONH−、−SO2−、−SO2NH−、−NHCOO−、
−NHCONH−、等の結合単位の単独又は組合せの構成より
成るものである(但しb3、b4は、各々前記b1、b2と同義
であり、d5は、前記d1〜d4と同義である。) Z10は一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、
(V)又は(VI)で表わされる置換基を表わす。
a1、a2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭
化水素基(例えば−COOHなどで置換されていてもよい炭
素数1〜12のアルキル基、アリール基など)、−COOH又
は−COO−Q2(Q2はZ10を含む置換基で置換されていても
よい、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、アラ
ルキル基、脂環式基、芳香族基を示す)を表わす。
以下に本発明の一般式(I)〜(V)及びラクトン環
を置換基として含有する重合体成分の具体例を挙げる
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられる樹脂において、少なくとも以下に例
示する化合物具体例A群とB群とは共重合体成分として
各々1種以上の組合わせで用いられる。一方化合物具体
例C群の官能基は単独で少なくとも1種重合体成分とし
て含まれていればよい。
具体例A群:分解により少なくとも1つのヒドロキシル
基を生成する官能基を含有する例 具体例B群:分解により少なくとも1つのカルボキシル
基を生成する官能基を含有する例 具体例C群:分解により少なくとも1つのヒドロキシル
基と少なくとも1つのカルボキシル基を生成する官能基
を含有する例 更に、本発明の樹脂中に酸性官能基を有するビニル重
合可能な単量体を共重合させてもよく、その酸性官能基
としては、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、フェ
ノール性水酸基、スルホン酸基、スルホンアミド基また
はスルホンイミド基を例示することができる。酸性官能
基を有するビニル重合可能な単量体の具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−カルボキ
シエチルアクリレート、2−スルホエチルメタクリレー
ト、3−スルホプロピルメタクリレート、4−スルホブ
チルメタクリレート、2−ホスホエチルメタクリレー
ト、2−(2′−カルボキシベンゾイルオキシ)エチル
メタクリレート、マレイン酸、フタル酸、無水マレイン
酸、p−カルボキシルスチレン、p−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロ
ピルレメタクリレート、3,4−ジヒドロキシブチルメタ
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、p−
ビニルベンゼンスルホン酸、などをあげることができ
る。
本発明の樹脂におけるヒドロキシル基及びカルボキシ
ル基生成官能基を含有する重合体成分は、樹脂が共重合
体である場合には、全重合体中の1〜99重量%、特に5
〜95重量%、であることが好ましい。また、上記の如き
酸性官能基を含有する重合体成分は、全共重合体中の0.
1〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは60
重量%以下である。
これらの結合樹脂はラジカル重合開始剤をもちいて塊
状重合、溶液重合又は懸濁重合で容易に合成でき、合成
方法は一般によく知られている。結合樹脂の分子量は、
1×103〜5×105の範囲で使用可能であるが、形成皮膜
の強度、光導電層除去速度の上から8×103〜1.5×105
の範囲が好適である。
また、本発明における結合樹脂は、2種以上混合して
使用することができる。結合樹脂を2種以上混合して使
用する場合は、結合樹脂の少なくとも1種が本発明にお
ける特定の樹脂であればよく、混合使用される他の樹脂
は前述した従来公知の樹脂でもかまわない。
本発明において用いられる有機光導電性化合物として
は、従来公知の化合物のいずれでもよく、具体的に電子
写真式製版用印刷原版としてはつぎの二種が従来公知の
例として知られている。第一は、特公昭37-17162号、同
62-51462号、特開昭52-2437号、同54-19803号、同56-10
7246号、同57-161863号などのような、有機光導電性化
合物、増感染料、結合樹脂を主体とする光導電層を有す
るものであり、第二は、特開昭56-146145号、同60-1775
1号、同60-17752号、同60-17760号、同60-254142号、同
62-54266号などのような電荷発生剤、電荷輸送剤、結合
樹脂を主体とする光導電層を有するものである。第二の
例の特別な場合として特開昭60-230147号、同60-230148
号、同60-238853号などのような電荷発生剤と電荷輸送
剤とをそれぞれ別の層に含有した二層構成の光導電層も
知られている。本発明の電子写真式製版用印刷原版は上
記の二種の光導電層のいずれの形態をとってもよい。第
二の例の場合には、本発明でいう有機光導電性化合物が
電荷輸送剤としての機能をはたす。
本発明における、有機光導電性化合物としては、 (a)米国特許第3,112,197号明細書などに記載されて
いるトリアゾール誘導体、 (b)米国特許第3,189,447号明細書などに記載されて
いるオキサジアゾール誘導体、 (c)特公昭37-16,096号公報などに記載されているイ
ミダゾール誘導体、 (d)米国特許第3,615,402号、同3,820,989号、同3,54
2,544号、特公昭45-555号、同51-10,983号、特開昭51-9
3,224号、同55-108、667号、同55-156953号、同56-36,6
56号明細書、公報などに記載のポリアリールアルカン誘
導体、 (e)米国特許第3,180,729号、同4,278,746号、特開昭
55-88,064号、同55-88,065号、同49-105,537号、同55-5
1,086号,同56-80,051号、同56-88,141号、同57-45,545
号、同54-112,637号、同55-74、546号明細書、公報など
に記載されているピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導
体、 (f)米国特許第3,615,404号、特公昭51-10,105号、同
46-3,712号、同47-28,336号、特開昭54-83,435号、同54
-110,836号、同54-119,925号明細書、公報などに記載さ
れているフェニレンジアミン誘導体、 (g)米国特許第3,567,450号、同3,180,703号、同3,24
0,597号、同3,658,520号、同4,232,103号、同4,175,961
号、同4,012,376号,西独国特許(DAS)1,110,518号、
特公昭49-35,702号、同39-27,577号、特開昭55-144,250
号、同56-119,132号、同56-22,437号明細書、公報など
に記載されているアリールアミン誘導体、 (h)米国特許第3,526,501号明細書記載のアミノ置換
カルコン誘導体、 (i)米国特許第3,542,546号明細書などに記載のN,N−
ビカルバジル誘導体、 (j)米国特許第3,257,203号明細書などに記載のオキ
サゾール誘導体、 (k)特開昭56-46,234号公報などに記載のスチリルア
ントラセン誘導体、 (l)特開昭54-110,837号公報等に記載されているフル
オレノン誘導体、 (m)米国特許第3,717,462号、特開昭54-59,143号(米
国特許第4,150,987号に対応)、同55-52,063号、同55-5
2,064号、同55-46,760号、同55-85,495号、同57-11,350
号、同57-148,749号、同57-104,144号明細書、公報など
に記載されているヒドラゾン誘導体、 (n)米国特許第4,047,948号、同4,047,949号、同4,26
5,990号、同4,273,846号、同4,299,897号、同4,306,008
号明細書などに記載のベンジジン誘導体、 (o)特開昭58-190,953号、同59-95,540号、同59-97,1
48号、同59-195,658号、同62-36,674号公報などに記載
されているスチルベン誘導体、 (p)特公昭34-10,966号公報記載のポリビニルカルバ
ゾール及びその誘導体、 (q)特公昭43-18,674号、同43-19,192号公報記載のポ
リビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2−
ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5−
フェニルオキサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチル
カルバゾール等のビニル重合体、 (s)特公昭43-19,193号公報記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの共重合
体等の重合体、 (t)特公昭56-13,940号公報などに記載のピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド
樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の
縮合樹脂、 (u)特開昭56-90,883号、同56-161,550号公報に記載
された各種のトリフェニルメタンポリマー、 などがある。
なお本発明において、有機光導電性化合物は、(a)
〜(u)にあげられた化合物に限定されず、これまで公
知の全ての有機光導電性化合物を用いることができる。
これらの有機光導電性化合物は場合により2種類以上を
併用することが可能である。
第一の例の光導電層に含有される増感色素としては、
電子写真感光体に使用される従来公知の増感色素が使用
可能である。これらは、「電子写真」12 9,(1973)、
「有機合成化学」24(11),1010,(1966)等に記載され
ている。例えば、米国特許第3,141,770号、同4,283、47
5号、特公昭48-25658号、特開昭62-71965号等に記載の
ピリリウム系染料、Applied Optics Supplement 3 50
(1969)、特開昭50-39548号等に記載のトリアリールメ
タン系染料、米国特許第3,597,196号等に記載のシアニ
ン系染料、特開昭60-163047号、同59-164588号、同60-2
52517号等に記載のスチリル系染料などが有利に使用さ
れる。
第二の例の光導電層に含有される電荷発生剤として
は、電子写真感光体において従来公知の有機及び無機の
各種の電荷発生剤が使用できる。例えば、セレン、セレ
ン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、および、以下
(1)〜(9)に示す有機顔料を使用することができ
る。
(1)米国特許第4,436,800号、同4,439,506号、特開昭
47-37543号、同58-123,541号、同58-192,042号、同58-2
19,263号、同59-78,356号、同60-179,746号、同61-148,
453号、同61-238,063号、特公昭60-5941号、同60-45,66
4号等に記載されたモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ顔
料などのアゾ顔料、 (2)米国特許第3,397,086号、同4,666,802号、特開昭
51-90827号、同52-55643号等に記載の無金属あるいは金
属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、 (3)米国特許第3,371,884号、特開昭47-30330号等に
記載のペリレン系顔料、 (4)英国特許第2,237,680号、特開昭47-30331号等に
記載のインジゴ、チオインジゴ誘導体、 (5)英国特許第2,237,679号、特開昭49-30332号等に
記載のキナクリドン系顔料、 (6)英国特許第2,237,678号、特開昭59-184,348号、
同62-28,738号、同47-18544号等に記載の多環キノン系
顔料、 (7)特開昭47-30,331号、特開昭47-18543号等に記載
のビスベンズイミダゾール系顔料、 (8)米国特許第4,396,610号、同4,644,082号等に記載
のスクアリウム塩系顔料 (9)特開昭59-53,850号、同61-212,542号等に記載の
アズレニウム塩系顔料、などである。これらは単独もし
くは2種以上を併用して用いることもできる。
また、有機光導電性化合物と結合樹脂の混合比は、有
機光導電性化合物と結合樹脂との相溶性によって有機光
導電性化合物の含有率の上限が決まり、これを上回る量
を添加すると有機光導電性化合物の結晶化がおこり好ま
しくない。有機光導電性化合物の含有量が少ないほど電
子写真感度は低下するので、有機光導電性化合物の結晶
化が起こらない範囲内でできるだけ多くの有機光導電性
化合物を含有させるのが好ましい。有機光導電性化合物
の含有率としては、結合樹脂100重量部に対し、有機光
導電性化合物5〜120重量部、好ましくは、有機光導電
性化合物10〜100重量部である。また、有機光導電性化
合物は、単独であるいは2種以上混合して使用してもよ
い。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視,武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁,C.J.Young等,RCA
Review15,469(1954)、清田航平等,電気通信学会論
文誌J 63-C(No.2),97(1980)、原埼勇次等,工業化
学雑誌66 78及び188(1963)、谷忠昭,日本写真学会
35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系色素、
ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサ
ンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン色素(例
えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン
色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、フタロシ
アニン色素(金属含有してもよい)等が挙げられる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51-452号、特開昭50-9
0334号、特開昭50-114227号、特開昭53-39130号、特開
昭53-82353号、米国特許第3,052,540号、米国特許第4,0
54,450号、特開昭57-16456号等に記載のものが挙げられ
る。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Hamer「The Cyanine Dyes and Related Compounds」
等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的には、
米国特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、米国
特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国特許
第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許第3,
622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,309,
274号、英国特許第1,405,898号、特公昭48-7814号、特
公昭55-18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47-840号、特開
昭47-44180号、特公昭51-41061号、特開昭49-5034号、
特開昭49-45122号、特開昭57-46245号、特開昭56-35141
号、特開昭57-157254号、特開昭61-26044号、特開昭61-
27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許第4,175,95
6号、「Research Disclosure」1982年、216、第117〜11
8頁等に記載のものが挙げられる。
本発明の電子写真式製版用印刷原版の光導電層には、
電子写真感光体に従来使用されてきた種々の公知の添加
剤を含有させることができる。これらの添加剤として
は、電子写真感度を改良するための化学増感剤、皮膜性
を改良するための各種の可塑剤、界面活性剤などが含ま
れる。化学増感剤としては、例えば、p−ベンゾキノ
ン、クロラニル、フルオラニル、ブロマニル、ジニトロ
ベンゼン、アントラキノン、2,5−ジクロルベンゾキノ
ン、ニトロフェノール、無水テトラクロルフタル酸、2,
3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、ジニトロフ
ルオレノン、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエ
チレン等の電子吸引性化合物、特開昭58-65439号、同58
-102239号、同58-129439号、同62-71965号等に記載の化
合物等を挙げることができる。
可塑剤としては、たとえば、ジメチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニ
ルフォスフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチル
セバケート、ジブチルセバケート、ラウリン酸ブチル、
メチルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコ
ールフタレートなどを光導電層の可撓性を向上するため
に添加できる。これらの可塑剤は光導電層の静電特性、
エッチング性を劣化させない範囲で含有させることがで
きる。
本発明の結合樹脂は、エッチング処理によりヒドロキ
シル基及びカルボキシル基を生成する官能基を含有する
事を特徴とする。従って、非画像部において、エッチン
グ処理で該官能基が分解してヒドロキシル基及びカルボ
キシル基を生成する事により、樹脂自体の水溶性が向上
し、非画像部の溶出除去がより容易となる。公知の結合
樹脂と有機光導電性化合物とから成る従来公知の感光体
においては、電子写真特性とエッチング処理適性(即
ち、容易に非画像部を除去する)とを両立するには、種
々の問題があった。即ち、光導電性化合物を結合樹脂と
均一に分散することは、結合樹脂中の親水基含有成分に
左右され、エッチング適性を向上させるために、親水性
基含有成分を多くすると、分散性が損なわれてしまい、
結果として、感光体を形成しても、電子写真特性(例え
ば初期電位、光感度、暗減衰等)に満足すべき特性が得
られなくなってしまう。逆に、親水性基成分を少なくす
ると、電子写真特性は満足できてもエッチング処理によ
る非画像部の除去が、結合樹脂の水溶性不足のために、
不充分となり、結果として、印刷物の非画像部に地カブ
リが発生してしまう。
本発明の結合樹脂は、これらの矛盾する問題を、解決
することができるものである。即ち、予めヒドロキシル
基及びカルボキシル基生成官能基を含有しておき、電子
写真特性を満足させ、且つ、エッチング処理でトナー画
像でレジストされていない非画像部の親水化を向上させ
て溶出除去させることで、印刷物の画質(特に地カブ
リ)を向上させることが可能となるものである。
また、本発明の光導電層の膜厚は、薄すぎると現像に
必要な表面電位を帯電することができず、逆に、厚すぎ
ると光導電層を除去する際にサイドエッチと呼ばれる平
面方向のエッチングを起こし、良好な印刷版が得られな
い。光導電層の膜厚としては、0.1〜30μm、好ましく
は、0.5〜10μmである。
本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表
面を有するプラスチックシートまたは特に溶剤不透過性
および導電性にした紙、アルミニウム板、亜鉛板、また
は銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−銅
板等のバイメタル板、またはクロム−銅−アルミニウム
板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等の
トライメタル板等の親水性表面を有する導電性支持体が
用いられ、その厚さは、0.1〜3mmが好ましく、特に0.1
〜0.5mmが好ましい。これらの支持体の中でもアルミニ
ウム板が好適に使用される。本発明において用いられる
アルミニウム板はアルミニウムを主成分とする純アルミ
ニウムや微量の異原子を含むアルミニウム合金などの板
状体であり、その組成が特定されるものではなく従来公
知、公用の素材を適宜使用することが出来る。
このアルミニウム板は従来公知の方法で砂目立て、陽
極酸化して用いることが出来る。砂目立て処理に先立っ
てアルミニウム板表面の圧延脂を除去するために、所望
により界面活性剤またはアルカリ性水溶液による脱脂処
理が施され、砂目立て処理が行われる。砂目立て処理方
法には、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に
表面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させる
方法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、
ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研
磨法等と称せられる公知の方法を用いることか出来る。
また電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解
液中で交流または直流によりおこなう方法がある。ま
た、特開昭54-63902号に開示されている様に両者を組み
合わせた方法も利用できる。
この様に粗面化されたアルミニウム板は必要に応じて
アルカリエッチング処理及び中和処理される。
この様に処理されたアルミニウム板は陽極酸化処理さ
れる。陽極酸化処理に用いられる電解質としては硫酸、
燐酸、蓚酸、クロム酸、あるいはそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質やその濃度は電解質の種類によって
適宜決められる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質に
より種々変わるので、いちがいに特定し得ないが、一般
的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は、5〜
70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間1
0秒〜50分の範囲に有れば好適である。陽極酸化皮膜量
は0.1〜10g/m2が好適であるが、より好ましくは1〜6g
/m2の範囲である。
さらに、特公昭47-5125号公報に記載されているよう
にアルミニウム板を陽極酸化処理した後に、アルカリ金
属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用さ
れる。また、米国特許第3658662号明細書に記載されて
いるようなシリケート電着も有効である。西独公開特許
第1621478号公報に記載のポリビニルスルホン酸による
処理も適当である。
また、本発明においては、導電性支持体と光導電層と
の間に、密着性や電子写真式製版用印刷原版の静電特性
を改良するなどの目的のため、必要によりカゼイン、ポ
リビニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹
脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル
酸などからなるアルカリ可溶性の中間層を設けることが
できる。
また、本発明においては、光導電層上に必要により、
静電特性、トナー現像時の現像特性、あるいは画像特
性、印刷特性などを改良する目的で光導電層除去時に、
同時に除去することが可能なオーバーコート層を設ける
ことができる。このオーバーコート層は、機械的にマッ
ト化されたもの、あるいは、マット剤が含有される樹脂
層であってもよい。この場合、マット剤としては二酸化
珪素、ガラス粒子、アルミナ、デンプン、酸化チタン、
酸化亜鉛、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、
フェノール樹脂などの重合体の粒子、および米国特許第
2701245号、同第2992101号明細書に記されているマット
剤が含まれる。これらは、2種以上併用することができ
る。オーバーコート層に使用される樹脂としては、光導
電層を除去するエッチング液との組合せにより適宜選択
される。具体的には、例えば、アラビアゴム、ニカワ、
セルロース類、でん粉類、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルア
ミド、ポリビニルメチルエーテル、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラールなどが
ある。これらは2種以上併用することができる。
本発明に使用されるトナーは、非画像部を除去するエ
ッチング液に対する耐性を有し、このエッチング液から
トナー画像部の光導電層の溶出を防ぐ機能を有するもの
なら乾式現像剤、液体現像剤など電子写真のトナーとし
て使用されるものであればいずれも使用可能であるが、
高解像度の画像を得るためには液体現像剤を使用するの
が好ましい。さらには、疎水性でインク受容性のトナー
画像を与えるものが望ましい。たとえばトナー粒子の成
分としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリルエステルのホモポリマー及び共重合体、メ
タクリルエステルのホモポリマー及び共重合体、エチレ
ン共重合体、環化ゴム、酢酸ビニルのホモポリマー及び
共重合体、塩化ビニルなどの高分子物質が使用される。
またトナーの定着性や分散性および耐エッチング性に悪
影響を及ぼさない範囲内で着色剤、たとえば、カーボン
ブラック、ニグロシン系顔料、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン、ベンジジンイエロー、アルカ
リブルー、カーミン6Bなどのような顔料および染料を含
有することもできる。さらに、各種の荷電調節剤、その
他の添加剤を含有していてもよい。
トナー画像形成後のトナー非画像部の光導電性絶縁層
を除去するエッチング液としては、光導電性絶縁層を除
去できるものなら任意の溶剤が使用可能であり、特に限
定されるものではないが、好ましくは、アルカリ性溶剤
が使用される。ここで言う、アルカリ性溶剤とは、アル
カリ性化合物を含有する水溶液もしくは、アルカリ性化
合物を含有する有機溶剤もしくは、アルカリ性化合物を
含有する水溶液と有機溶剤との混合物である。アルカリ
性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、リン
酸ナトリウム、リン酸カリウム、アンモニア、およびモ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等のアミノアルコール類等などの有機および
無機の任意のアルカリ性の化合物を挙げることが出来
る。エッチング液の溶媒としては前述のように、水もし
くは多くの有機溶剤を使用することが出来るが、臭気、
公害性の点から水を主体としたエッチング液が好ましく
使用される。水を主体としたエッチング液には、必要に
応じて、各種の有機溶剤を添加することも出来る。好ま
しい有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェネチ
ルアルコール等の低級アルコールや芳香族アルコールお
よびエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、セルソ
ルブ類、およびモノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール類等
を挙げることが出来る。また、エッチング液には界面活
性剤、消泡剤、その他必要に応じて各種の添加剤を含有
したものが使用される。
つぎに、本発明の電子写真式製版用印刷原版から印刷
版を作成する方法について説明する。本発明の電子写真
式製版用印刷原版は従来公知の電子写真プロセスにより
画像形成される。すなわち、暗所で実質的に一様に帯電
し、画像露光により静電潜像を形成する。露光方法とし
ては、キセノンランプ、タングステンランプ、螢光灯な
どを光源として反射画像露光、透明陽画フィルムを通し
た密着露光や、レーザー光、発光ダイオードなどによる
走査露光があげられる。走査露光を行う場合は、ヘリウ
ム−ネオンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザー、
アルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、
YAGレーザー、ルピーレーザー、窒素レーザー、色素レ
ーザー、エキサイマーレーザー、GaAs/GaAlAs,InGaAsP
のような半導体レーザー、アレキサンドライトレーザ
ー、銅蒸気レーザー、エルビウムレーザーなどのレーザ
ー光源による走査露光、あるいは発光ダイオードや液晶
シャッターを利用した走査露光(発光ダイオードアレ
イ、液晶シャッターアレイなどをもちいたラインプリン
ター型の光源を含む)によって露光することができる。
つぎに、上記静電潜像をトナーによって現像する、現
像方法としては乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラ
シ現像、パウダークラウド現像)、液体現像法のいずれ
も使用できる。なかでも液体現像法は微細な画像を形成
することができ印刷版を作成するために好適である。さ
らに、正現像によるポジ−ポジ現像や、適当なバイアス
電圧の印加による反転現像によるネガ−ポジ現像も可能
である。形成されたトナー画像は公知の定着法、例え
ば、加熱定着、圧力定着、溶剤定着などにより定着する
ことができる。このように形成したトナー画像をレジス
トとして作用させ、非画像部の光導電層をエッチング液
により除去することにより印刷版が作成できる。
[実施例] 本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、
本発明はその主旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例において部はすべて重
量部を示す。
実施例1及び比較例A〜C ベンジルメタクリレート55g、下記構造の単量体
〔A〕25g、アクリル酸30g及びテトラヒドロフラン250g
の混合溶液を窒素気流下70℃の温度に加温した後、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1.0gを加え8時間反
応した。得られた共重合体〔I〕の重量平均分子量は4.
8×104であった。
本発明の共重体成分相当の単量体〔A〕 電荷発生剤として、下記のトリスアゾ化合物・・・・1.
0部、 有機光導電性化合物として、下記に示すヒドラゾン化
合物 ・・・・2.0部 上記共重合体(I) ・・・・10.0部 (固形分量として) テトラヒドロフラン ・・・・100部 を500mlのガラス製容器にガラスビーズと共にいれ、ペ
イントシェーカー(東洋精機製作所(株))で60分間分
散したのち、ガラスビーズをろ別して光導電層用分散液
とした。
つぎに、この光導電層用分散液を、砂目立てした厚さ
0.25mmのアルミニウム板上に塗布、乾燥し乾燥膜厚5.1
μmの光導電層を有する電子写真式製版用印刷原版を調
製した。
次に、作成した電子写真式製版用印刷原版の応答速度
を測定した。作成した電子写真式製版用印刷原版を、暗
所でコロナ帯電機により、表面電位+400Vに帯電したの
ち、発光時間35μ秒のフラッシュランプによって26erg/
cm2の露光を行ない表面電位の減衰を時間を追って測定
した。露光直後の表面電位と、露光後60秒の表面電位と
の間を表面電位が時間と共に減衰する様子を第1図に示
した。露光直後を100%とし、露光後60秒目を0%とし
て示してある。表面電位がはじめの1/10すなわち10%に
なるのに要する時間は3.7秒であった。
次に得られた電子写真式製版用印刷原版をペーパーア
ナライザーEPA-8100(川口電気(株)製)を用いて、ス
タチック方式により+7.5kVでコロナ帯電し、ハロゲン
ランプで露光し電子写真特性を調べた。
帯電直後の表面電位(V0)、また感度として、露光前
の表面電位が光減衰して1/2になる露光量(E50)と1/10
になる露光量(E90)を求めたところ V0 +460V E50 3.6 lux・sec E90 9.3 lux・sec であった。
次にこの試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させたの
ちHe-Neレーザーを用いて633nmの光で版面での露光量が
30erg/cm2になるように露光し、これをアイソパーH
(エッソスタンダード社)1中にポリメチルメタクリ
レート粒子(粒子サイズ0.3μm)5gをトナー粒子とし
て分散し、荷電調節剤として大豆油レシチン0.01gを添
加して作製した液体現像剤を用い30Vのバイアス電圧を
対抗電極に印加して現像することにより、鮮明なポジの
トナー画像を得ることができた。書き込み開始部も、書
き込み終了部もかぶりのない画像が得られた。
さらに、100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た。この電子写真式製版用印刷原版の非画像部を、ケイ
酸カリウム40部、水酸化カリウム10部及びエタノール10
0部を水800部に希釈したエッチング液によって除去し、
十分水洗した後、ガム引きし、オフセット用印刷版を作
成することが出来た。
このようにして作製した印刷版をハマダスター600CD
オフセット印刷機を用いて常法により印刷したところ非
画像部の汚れのない非常に鮮明な印刷物を5万枚印刷す
ることができた。
比較例A 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに次
に示す共重合体(A)を用いるほかは、実施例1と全く
同様にして電子写真式製版用印刷原版を作成した。
共重合体(A): スチレン−無水マレイン酸共重合体 (無水マレイン酸含有率:33モル%) 作成した電子写真式製版用印刷原版の応答速度を、実施
例1と同様に測定した結果を第2図に示す。表面電位が
はじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間は29秒
であった。
次にこの試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させたの
ちHe-Neレーザーを用いて633nmの光で版面での露光量が
30erg/cm2になるように露光し、これを実施例1とおな
じ液体現像剤を用いて全く同様に現像したが、画像書き
込み開始部はかぶりのない画像が得られたものの、書き
込み終了部にはかぶりが生じ均一な画像が得られなかっ
た。
さらに、100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た。この電子写真式製版用印刷原版の非画像部を、ケイ
酸カリウム40部、水酸化カリウム10部及びエタノール10
0部を水800部に希釈したエッチング液によって除去し、
十分水洗した後、ガム引きし、オフセット用印刷版を作
成した。作製した印刷版をハマダスター600CDオフセッ
ト印刷機を用いて常法により印刷したところかぶりの残
っていた部分には印刷インキが付着したため印刷物に地
汚れが発生し鮮明な印刷物を得ることができなかった。
書き込み終了部でもかぶりのない均一な画像を得るた
めには、書き込み終了からトナー現像開始までの間に35
〜70秒の待ち時間を必要とした。
比較例B 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに次
に示す共重合体(B)を用いるほかは、実施例1と全く
同様にして電子写真式製版用印刷原版を作成した。
共重合体(B): 酢酸ビニル−クロトン酸共重合体(カネボウNSC社製:
Resyn-28-1310) 作成した電子写真式製版用印刷原版の応答速度を、実施
例1と同様に測定した結果を第3図に示す。表面電位が
はじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間は30秒
であった。
比較例C 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに次
に示す共重合体(C)を用いるほかは、実施例1と全く
同様にして電子写真式製版用印刷原版を作成した。
共重合体(C): エチルメタクリレート−メタクリル酸 (55:45) 作成した電子写真式製版用印刷原版の応答速度を、実施
例1と同様に測定した結果を第4図に示す。表面電位が
はじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間は17秒
であった。
実施例2〜8 結合樹脂として、共重合体(I)を用いる代わりに表
1の共重合体を用いた他は、実施例1と同様にして電子
写真式製版用印刷原版を作製した。各重合体ともその重
量平均分子量(Mw)は3万〜4万の範囲であった。
作製した電子写真式製版用印刷原版の応答速度を、実
施例1と同様に測定して、表面電位がはじめの1/10すな
わち10%になるのに要する時間を求めた。結果を、表1
にまとめた。
実施例9 有機光導電性化合物として、実施例1で用いたヒドラ
ゾン化合物の代わりに、下記のオキサジアゾール化合物
を用いるほかは、実施例1と同様にして電子写真式製版
用印刷原版を作成した。作成した電子写真式製版用印刷
原版の応答速度を、実施例1と同様に測定して、表面電
位がはじめの1/10すなわち10%になるのに要する時間を
求めたところ2.6秒であった。
実施例10 有機光導電性化合物として、下記に示すヒドララゾン
化合物 ・・・・25部 結合樹脂として、共重合体(VI) ・・・・75部、 増感色素として下記チオピリリウム塩化合物・・・・
1.18部、 をメチレンクロライド510部、メチルセルソルブアセテ
ート150部の混合溶媒に溶解した。
この溶液を砂目立てした厚さ0.25mmのアルミニウム板
上に塗布、乾燥し乾燥膜厚5.3μmの光導電層を有する
電子写真式製版用印刷原版を作製した。
次に、この試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させた
のちHe-Neレーザーを用いて632nmの光で露光し、これを
アイソパーH(エッソスタンダード社)1中にポリメ
チルメタクリレート粒子(粒子サイズ 0.3μm)5gを
トナー粒子として分散し、荷電調節剤として大豆油レシ
チン0.01gを添加して作製した液体現像剤で現像して、
書き込み開始部も、書き込み終了部もかぶりのない鮮明
なポジのトナー画像を得ることができた。
さらに、100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た。この電子写真製版印刷版をメタケイ酸ナトリウム水
和物70gをグリセリン140ml、エチレングリコール550ml
およびエタノール150mlに溶解したエッチング液に約1
分間浸漬し、水流で軽くブラッシングしながら洗うこと
により、トナーの付着していない非画像部の光導電層を
完全に除去することができた。
このようにして作製した印刷版をハマダスター600CD
オフセット印刷機を用いて常法により印刷したところ非
画像部の汚れのない非常に鮮明な印刷物を5万枚印刷す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は、それぞれ実施例1及び比較例A〜C
の露光後の経時時間(秒)と表面電位の減衰率(%)と
の関係を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも、有機光導
    電性化合物および結合樹脂を含有する光導電層を有し、
    画像露光しトナー画像を形成した後、トナー画像部以外
    の比画像部の光導電層を除去することにより印刷版とす
    る電子写真式製版用印刷原版において、前記光導電層の
    結合樹脂に含有されるすくなくとも1つの重合体に含有
    される1以上の官能基が、分解により少なくとも1つの
    ヒドロキシル基と少なくとも1つのカルボキシル基を生
    成するものであることを特徴とする電子写真式製版用印
    刷原版。
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