JP2638230B2 - 電子写真式製版用印刷原版 - Google Patents

電子写真式製版用印刷原版

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JP2638230B2
JP2638230B2 JP31148489A JP31148489A JP2638230B2 JP 2638230 B2 JP2638230 B2 JP 2638230B2 JP 31148489 A JP31148489 A JP 31148489A JP 31148489 A JP31148489 A JP 31148489A JP 2638230 B2 JP2638230 B2 JP 2638230B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機光導電性化合物を含有する光導電層を
有し、電子写真法によりトナー画像を形成した後にトナ
ー画像部以外の非画像部の光導電層を除去することによ
り印刷版とする電子写真式製版用印刷原版、特に光応答
性及び印刷性の改良された電子写真式製版用印刷原版に
関する。
〔従来の技術〕
今日、平版オフセット印刷版としては、ジアゾ化合物
とフェノール樹脂を主成分とするポジ型感光剤や、アク
リル系モノマーやプレポリマーを主成分とするネガ型感
光剤を用いるPS版などが実用化されているが、これらは
すべて低感度のため予め画像記録されたフィルム原版を
密着露光して製版を行っている。
一方、コンピューター画像処理と大容量データの保存
およびデータ通信技術の進歩によって、近年では原稿入
力、補正、編集、割り付けから頁組まで一貫してコンピ
ューター操作され、高速通信網や衛星通信により即時遠
隔地の末端プロッターに出力できる電子編集システムが
実用化している。特に、即時性の要求される新聞印刷分
野において電子編集システムの要求度は高い。またオリ
ジナルが原版フィルムの形で保存され、これをもとに必
要に応じて印刷版が複製されている分野においても光デ
ィスクなどの超大容量記録メディアの発達に伴い、オリ
ジナルがこれら記録メディアにデジタルデータとして保
存されるようになると考えられる。
しかしながら、末端プロッターの出力から直接印刷版
を作成する直接型印刷版はほとんど実用化されておら
ず、電子編集システムの稼動しているところで出力は銀
塩写真フィルムにおこなわれ、これをもとに間接的にPS
版へ密着露光により印刷版が作成されているのが実状で
ある。これは、出力プロッターの光源(例えば、He−Ne
レーザー、半導体レーザーなど)により実用的な時間内
に印刷版を作成できるだけ高い感度を有する直接型印刷
版の開発が困難であることも1つの原因であった。
直接型印刷版を提供し得る高い高感度を有する感光体
としては電子写真感光体が考えられる。トナー画像形成
後、非画像部の光導電層の除去を行う型の電子写真式製
版用印刷原版はすでに多く知られている。例えば特公昭
37−17162号、同38−6961号、同38−7758号、同41−242
6号、同46−39405号、特開昭50−19509号、同50−19510
号、同52−2437号、同54−145538号、同54−134632号、
同55−105254号、同55−153948号、同55−161250号、同
57−147656号、同57−161863号等に記載の電子写真式製
版用印刷原版があげられる。
電子写真感光体を印刷版として使用するには、非画像
部をエッチングで除去し親水性の面を露出させる必要が
あるため、結合樹脂としてアルカリ性溶剤に溶解するか
もしくは膨潤して脱離する結合樹脂を用いることが多
い。通常、電子写真感光体の結合樹脂として広く用いら
れているポリカーボネート樹脂等にくらべて、これらの
アルカリ性溶剤に溶解または分散する樹脂は有機光導電
性化合物との相溶性が悪く、このため有機光導電性化合
物の電子写真感光層への導入量が制限される。光導電層
中で表面電位を打ち消すのに充分なキャリアーが発生し
ていても、有機光導電性化合物の光導電層中での含有量
が低いと、光導電層中でのキャリアーの移動速度が低下
し、表面電位の減衰速度すなわち応答速度が低下する。
このため、露光終了後表面電位がかぶりを与えない程度
まで充分減衰しトナー現像を開始できるまでの時間が長
くなる。プロセス時間をできるだけ短くするために、露
光照度をあげて露光時間を短くしていくほどこの応答時
間は長くなる。したがって応答速度の遅さは、全プロセ
ス時間の短縮の大きな妨げになっている。
また、レーザー光源などの高照度光源によって走査露
光を行う場合には別の問題を生ずる。すなわち、応答速
度が遅いと、書き込み開始部と、書き込み終了部では表
面電位の減衰率が異なってくるため、書き込み開始部で
はかぶりはないが、書き込み終了部ではかぶりの多い画
像ができあがり、印刷版の作成に不都合を生じる現像が
発生するのである。
電子写真式製版用印刷版に用いられている従来公知の
結合樹脂としては、特公昭41−2426号、同37−17162
号、同38−6961号、特開昭52−2437号、同54−19803
号、同54−134632号、同55−105254号、同50−19509
号、同19510号などに記載の、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、フェノール樹脂、等が
知られている。
しかしながらこれらを有機光導電性化合物を使用した
電子写真式製版用印刷原版に用いたときは種々の問題点
を有していることがすでに知られている。すなわち、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体を結合樹脂とした場合
は、形成被膜が硬く、印刷版を湾曲させたときにひび割
れを生ずることがある。また、膜の接着性に乏しく多数
枚の印刷に耐えられない。フェノール樹脂を結合樹脂と
して用いた場合は、形成被膜が脆弱で、耐刷性が悪い。
酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−無水マ
レイン酸共重合体はやはり耐刷性に問題があった。更に
これらの樹脂では、電子写真特性(特に暗中電荷保持
性、光感度)の性能が不充分であった。
以上のような問題等を解決したとして特開昭57−1618
63号、同58−76843号には、アクリル酸エステルモノマ
ーともしくはメタクリル酸エステルモノマーカルボン酸
含有モノマーとの共重合体が開示されている。これらの
結合樹脂を用いれば電子写真式製版用印刷原版として使
用することは可能である。しかしながら、前述した通
り、応答速度の遅さに起因する近年指摘され始めた問題
点(即ち、光感度不足)は未だ未解決のままであった。
更には、耐刷性及び光感度を向上したとする、特公平
1−209458号等には、結合樹脂として、芳香族環含有の
アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルと、
例えばカルボン酸の如き酸性基含有の単量体との共重体
が開示されている。これらの結合樹脂を用いれば上記し
た性能は向上するが、トナー画像部以外の非画像部の光
導電層の除去性が速やかに進行しにくい所に問題があ
り、除去のための条件の厳格な管理が必要であることが
わかった。
即ち、微小面積のトナー画像部でも溶出することな
く、非画像部のみが完全に除去された複写画像の忠実な
再現が行われ、且つ印刷地汚れの生じない印刷版を作成
するための条件が狭いという問題が未解決であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の第1の目的は、電子写真特性及び非画像部の
溶出性が良好な電子写真式製版用印刷原版を提供するこ
とである。
本発明の第2の目的は、レーザなどの走査露光による
画像形成に適した電子写真式製版用印刷原版を提供する
ことである。
本発明の第3の目的は、耐刷性に優れた電子写真式製
版用印刷原版を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の電子写真式製版用印刷原版は、導電性支持体
上に、少なくとも光導電性化合物および結合樹脂を含有
する光導電層を有し、画像露光しトナー画像を形成した
後にトナー画像部以外の非画像部の光導電層を除去する
ことにより印刷原版とする電子写真式製版用印刷原版に
おいて、前記光導電層の結合樹脂が化学的活性光線の照
射を受けて重合体主鎖の切断を生ずる重合体成分及び酸
性官能基を含有する重合体成分を、それぞれ少なくとも
1種含有する共重合体である事を特徴とするものであ
る。
また上記化学的活性光線の照射を受けて重合体主鎖の
切断を生ずる重合体成分が、下記一般式(I)、(II)
又は(III)で示される成分であることを特徴とするも
のである。
一般式(I) 一般式(II) 一般式(III) 式(I)中、R1,R2は互いに同じでも異なってもよ
く、炭化水素基表す。a1,a2は互いに同じでも異なって
もよく、水素原子又は炭化水素基を表す。
式(II)中、R3,R4,a3,a4は各々式(I)中のR1,R2,a
1,a2と同一の内容を表す。
式(III)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭化水
素基を表す。
本発明における結合樹脂について、更に詳細に説明す
る。
一般式(I)におけるR1,R2は互いに同じでも異なっ
てもよく、好ましくは炭素数1〜18の置換されてもよい
脂肪族基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、
ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ト
リデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、トリフフロロ
メチル、クロロメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメ
チル、2−ヒドロキシエチル、2−クロロエチル等のア
ルキル基、アリル、ブテニル、ヘキセニル、オクテニ
ル、デセニル等のアルケニル基、ベンジル、フェネチ
ル、3−フェニルプロピル、ナフチルメチル、2−ナフ
チルエチル、ヒドロキシベンジル、クロロベンジル、ジ
クロロベンジル、ブロモベンジル、メトキシベンジル、
メチルベンジル等のアラルキル基、シクロペンチル、シ
クロヘキシル等の脂環式基等が挙げられる)、又は置換
されてもよい芳香族基(例えばフェニル、ナフチル、ア
ントラニル、トリル、キシリル、メトキシェニル、クロ
ロフェニル、ブロモフェニル、ジクロロフェニル、ジブ
ロモフェニル、クロロフェニル、トリフロロメチルフェ
ニル、ヒドロキシフェニル、カルボキシフェニル、スル
ホフェニル、クロロナフチル、カルボキシナフチル、ビ
フェニル、クロロ−メチル−フェニル、クロロ−メトキ
シ−フェニル、ホスホノフェニル、メタンスルホニルフ
ェニル、メチルカルバモイルフェニル、エチルカルバモ
イルフェニル等が挙げられる。) a1,a2は互いに同じでも異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子(例えば塩素、臭素、フッ素等)、炭素数
1〜6のアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)が挙げられる。よ
り好ましくはa1,a2は水素原子又はメチル基を表す。
式(II)において、R3,R4及びa3、a4は、式(I)に
おけるR1,R2及びa1,a2と各々同一の内容を表す。
式(III)において、Xは水素原子、ハロゲン原子
(例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素)、炭素数1〜18
の置換されてもよい脂肪族基又は置換されてもよい芳香
族基を表す。これら炭化水素基の具体的内容は、式
(I)中のR1,R2で表される炭化水素基と同様のものが
挙げられる。
以下に、本発明の「化学的活性光線の照射により重合
体主鎖の切断を生ずる重合体成分」の具体例について記
載するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。
次に、本発明の結合樹脂中に上記した「化学的活性光
線の照射により重合体主鎖の切断を生ずる重合体成分」
とともに含有される酸性基含有の重合体成分について説
明する。
本発明における酸性官能基としては、−PO3H2基、−S
O3H基、−COOH基、−P(R)O2H基、フェノール性OH
基、環状酸無水物含有基を挙げるこができる。より好ま
しくは−PO3H2基、−SO3H基、−COOH基、環状酸無水基
が挙げられる。
−P(R)O2H基において、Rは炭化水素基、又はO
R′基(R′は炭化水素基を表す)を表し、R及びR′
は好ましくは炭素数1〜7の脂肪族基(例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、2−クロロエチ
ル、2−メトキシエチル、3−エトキシプロピル、アリ
ル、クロトニル、ブテニル、ベンジル、クロロベンジ
ル、フロロベンジル、メトキシベンジル等)、又は置換
されてもよいアリール基(例えばフェニル、トリル、エ
チルフェニル、プロピルフェニル、クロロフェニル、フ
ロロフェニル、ブロモフェニル、クロロ−メチル−フェ
ニル、ジクロロフェンル、メトキシフェニル、シアノフ
ェニル、アセトアミドフェニル、アセチルフェニル、ブ
トキシフェニル等)等を表す。
また、環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環
状酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水
物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2,2,
2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これ
らの環は、例えば塩素、臭素等のハロゲン原子、メチ
ル、エチル、ブチル、ヘキシル等のアルキル基等で置換
されていてもよい。
又、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタル
酸無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無水物、ピリジ
ン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボン酸
無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば塩素、臭
素等のハロゲン原子、またメチル、エチル、プロピル、
ブチル等のアルキル基、更にヒドロキシル基、シアノ
基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基(アルコキシ基
としては、例えばメトキシ、エトキシ等)等で置換され
ていてもよい。
本発明の「酸性基を含有する共重合成分」としては、
例えば上記一般式(I)、(II)又は(III)で示され
る重合体成分に相当する単量体と共重合し得る酸性基を
含有するビニル系化合物であればいずれでもよく、例え
ば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック〔基礎
編〕培風館(1986年)等に記載されている。具体的には
アクリル酸、α及び/又はβ置換アクリル酸(例えばα
−アセトキシ体、α−アセトキシメチル体、α−(2−
アミノ)メチル体、α−クロロ体、α−ブロモ体、α−
フロロ体、α−トリブチルシリル体、α−シアノ体、β
−クロロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−β−メトキシ
体、α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、イタコン
酸、イタコン酸半エステル類、イタコン酸半アミド類、
クロトン酸、2−アルケニルカルボン酸類(例えば2−
ベンテン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−オクテ
ン酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチル−2−
オクテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エステル
類、マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボン
酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビ
ニルホスホン酸、ジカルボン酸類のビニル基又はアリル
基の半エステル誘導体、及びこれらのカルボン酸又はス
ルホン酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換基中に
該酸性基を含有する化合物等が挙げられる。
以下、「酸性基含有」について例示するが、本発明の
範囲はこれに限定されるものではない。
又、本発明の結合樹脂においては、第3の共重合成分
を含有し、前記した一般式(I)〜(III)で示される
重合体成分に相当する単量体と共重合する単量体であれ
ばいずれでもよい。例えば、スチレン、ビニルトルエ
ン、クロロスチレン、ブチルスチレンの様なスチレン誘
導体、あるいは下記一般式(IV)で示される単量体が好
ましい例として挙げられる。
式(IV) 式(IV)中、Xは−COO,−OCO−,(CH2−COO
−,−(CH2−OCO−,−O−,又は−CO−を表す
(但しl、mは各々1〜4の整数を表す。
R0は炭化水素基を表し、具体的には式(I)中のR1,R
2の内容と同一のものを表す。
b1,b2は、お互いに同じも異なってもよく、式(I)
中のa1,a2と同一の内容を表す。
第3の共重合成分としてより好ましくは、式(IV)に
おいて、Xが−COO−を、b1,b2か水素原子又はメチル基
を各々表すアクリル酸、メタクリル酸又はクロトン酸の
エステル誘導体類が挙げられる。
より好ましいR0は、炭素数1〜6のアルキル基(例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキ
シル)、炭素数7〜13の置換されてもよいアラルキル基
(例えばベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピ
ル、ナフチルメチル、2−ナフチルエチル、2−メチル
ベンジル、2,6−ジメチルベンジル、2−クロロベンジ
ル、2,6−ジクロロベンジル、2−ブロモベンジル、2,6
−ジブロモベンジル、2−クロロ−6−メチルベンジル
等)、置換されてもよいアリール基(例えばフェニル、
ナフチル、2−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニ
ル、2−エチルフェニル、2−プロピルフェニル、2−
ブチルフェニル、2−クロロフェニル、2−ブロモフェ
ニル、2,6−ジクロロフェニル、2,6−ジブロモフェニ
ル、2−ヨードフェニル、2−ブロモ−6−クロロフェ
ニル、2−クロロ−6−メチルフェニル、o−ビフェニ
ル、2−アセチルフェニル、2−プロピオニルフェニ
ル、2−ベンゾイルフェニル、2−メトキシカルボニル
フェニル、2−エトキシカルボニルフェニル、2−ベン
ゾイルオキシカルボニルフェニル、2−シアノフェニル
等)が挙げられる。
本発明の結合樹脂において含有される第2の重合成分
の具体例について以下に挙げるが、本発明の範囲はこれ
に限定されるものではない。
a′:−H、−CH3(以下、同じ) R1:−CnH2H+1(n:1〜5の整数)、CH2mC6H5(m:0.1
〜3の整数) m、n以下、同じ R1以下同じ X1:−Cl、−Br、−I (以下同じ) X2:−Cl、−Br、−I R2:−CnH2n+1、CH2mC6H5 (以下、同じ) 本発明の結合樹脂において、各重合生物の存在割合
は、各々以下の様である。
即ち全重合体成分100重量部中「化学的活性光線の照
射により重合体主鎖の切断を生ずる重合体成分」は1〜
50重量部で、好ましくは5〜30重量部、「酸性基含有の
重合体成分」は2〜50重量部で、好ましくは5〜40重量
部、「第3の重合体成分」は30〜90重量部で、好ましく
は40〜80重量部である。
これらの重合体成分以外に他の成分を含有してもよ
が、全重合体中の20重量部を越えない範囲で用いられの
が好ましい。
これら他の重合体成分に相当する単量体としては、上
記のものと共重合するものであればいずれでもよい。例
えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレ
イン、塩化ビニリデン、塩化ビニル、アクリル酸アミド
誘導体、メタアクリル酸アミド誘導体、クロトン酸アミ
ド誘導体等の二重結合基含有のカルボン酸アミド誘導
体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルチオ
フェン、ビニルピロリドン等の二重結合基置換の複素環
化合物等が挙げられる。
本発明の結合樹脂において、「化学的活性光線の照射
により重合体主鎖の切断を生ずる重合体成分」の存在割
合が1重量部以下になると、本発明の目的である非画像
部の迅速な溶出が不充分となってしまう。一方、50重量
部を越えると電子写真特性が低下し、複写画像の忠実な
再現が得られなくなってしまう。
又、「酸性基含有の重合体成分」の場合は、組み合わ
せて用いられる光導電体の種類によって異なり、特に無
機光導電体と組み合わせて用いる場合は、その存在割合
の上限が特に制約され、10重量を越えると、光導電層形
成用分散物の分散が均一でなくなり塗布しても均質な光
導電層が得られなくなってしまう。
有機光導電体と組み合わせて用いる場合の存在割合は
より好ましくは、10〜50重量部であり、10重量部以下に
なると、本発明の結合樹脂であっても、非画像部の溶出
性が不充分となってしまう。一方、50重量部を越えると
電子写真特性が低下傾向となり、特に環境条件が低温低
湿あるいは高温高湿となると、その傾向が著しくなって
しまい、安定した複写画像の再現が不充分となってしま
う。
更に「第3の重合体成分」の存在割合が30重量部以下
になると電子写真特性(特に光感度)が不満足となり、
一方90重量部を越えると、前記2成分の存在割合が制約
されてしまい、非画像部の溶出が阻害されてしまう。
本発明の結合樹脂はラジカル重合開始剤をもちいて塊
状重合、溶液重合、懸濁重合で容易に合成でき、合成方
法は一般によく知られている。
例えば、K.H.Song etal,Makromal Chem,Rapid,Commu
n,519(1988)、K.H.Song etal,J.Polym.Sci.Part−
C,25 417(1987)、角岡正弘等、高分子論文集、45,303
(1988)、B.Reichmanis et.al,Org.Coat.Plast.Chem.4
2,772(1980)、R.L.Hartless et.al,J.VAC.Sci Techna
l.19,1333(1981)等に記載の方法が挙げられる。
結合樹脂の分子量は、1×103〜5×105の範囲で使用
可能であるが、形成皮膜の強度等の上から1×104〜2
×105がより好ましい。
また、本発明における結合樹脂は、2種以上混合して
使用することができる。結合樹脂を2種以上混合して使
用する場合は、結合樹脂の少なくとも1種が本発明にお
ける特定の樹脂であればよく、混合使用される他の樹脂
は前述した従来公知の樹脂でもかまわない。しかし、全
結合樹脂中の30重量部以下の範囲で用いることが好まし
い。
本発明において用いられる光導電性化合物は無機化合
物あるいは有機化合物のいずれでもよい。
無機化合物としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、
硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン、セレン−テルル、
硫化鉛等従来公知の無機光導電性化合物が挙げられる。
公害性の観点から、酸化亜鉛、酸化チタンが好ましい。
一方、有機化合物としては、従来公知の化合物のいず
れでもよく、具体的に電子写真式製版用印刷原版として
はつぎの2種が従来公知の例として知られている。第1
は特公昭37−17162号、同62−51462号、特開昭52−2437
号、同54−19803号、同56−107246号、同57−161863号
記載のような、有機光導電性化合物、増感染料、結合樹
脂を主体とする光導電層を有するものであり、第2は特
開昭56−146145号、同60−17751号、同60−17752号、同
60−17760号、同60−254145号、同62−54266号記載のよ
うな電荷発生剤、電荷輸送剤、結合樹脂を主体とする光
導電層を有するものである。
第2の例の特別な場合として、特開昭60−230147号、
同60−230148号、同60−238853号記載のような電荷発生
剤と電荷輸送剤とそれぞれ別の層に含有した2層構成の
光導電層も知られている。本発明の電子写真式製版用印
刷原版は上記の2種の光導電層のいずれの形態をとって
いてもよい。第2の例の場合には、本発明でいう有機光
導電性化合物が電荷輸送剤としての機能をはたす。
本発明における、有機光導電性化合物としては、 (a)米国特許第3,112,197号記載のトリアゾール誘導
体、 (b)米国特許第3,189,447号記載のオキサジアゾール
誘導体、 (c)特公昭37−16,096号公報記載のイミダゾール誘導
体、 (d)米国特許第3,615,402号、同3,820,989号、同3,54
2,544号、特公昭45−555号、同51−10.983号、特開昭51
−93,224号、同55−108,667号、同55−156953号、同56
−36,656号記載のポリアリールアルエン誘導体、 (e)米国特許第3,180,729号、同4,278,746号、特開昭
55−88,064号、同55−88,065号、同49−105,537号、同5
5−51,086号、同56−80,051号、同56−88,141号、同57
−45,545号、同54−112,637号、同55−74,546号記載の
ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、 (f)米国特許第3,615,404号、特公昭51−10,105号、
同46−3,712号、同47−28,336号、特開昭54−83,435
号、同54−110,836号、同54−119,925号記載のフェニレ
ンジアミン誘導体、 (g)米国特許第3,567,450号、同3,180,703号、同3,24
0,597号、同3,658,520号、同4,232,103号、同4,175,961
号、同4,012,376号、西独国特許(DAS)1,110,518号、
特公昭49−35,702号、同39−27,577号、特開昭55−144,
250号、同56−119,132号、同56−22,437号記載のアリー
ルアミン誘導体、 (h)米国特許第3,526,501号明細書記載のアミノ置換
カルコン誘導体、 (i)米国特許第3,542,546号明細書記載のN,N−ビカル
バジル誘導体、 (j)米国特許第3,257,203号明細書記載のオキサゾー
ル誘導体、 (k)特開昭56−46,234号公報記載のスチリルアントラ
セン誘導体、 (l)特開昭54−110,837号公報記載のフルオレノン誘
導体、 (m)米国特許第3,717,462号、特開昭54−59,143号
(米国特許第1,450,987号に対応)、同55−52,063号、
同55−52,064号、同55−46,760号、同55−85,495号、同
57−11,350号、同57−148,749号、同57−104,144号記載
のヒドラゾン誘導体、 (n)米国特許第4,047,948号、同4,047,949号、同4,26
5,990号、同4,273,846号、同4,299,897号、同4,306,008
号明細書記載のベンジジン誘導体、 (o)特開昭58−190,953号、同59−95,540号、同59−9
7,148号、同59−195,658号、同62−36,674号公報記載の
スチルベン誘導体、 (p)特公昭34−10,966号公報記載のポリビニルカルバ
ゾール及びその誘導体、 (q)特公昭43−18,674号、同43−19,192号公報記載の
ポリビニルピレン、ポリビニルアントラサン、ポリ−2
−ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5
−フェニルオキサゾール、ポリ−3−ビニル−N−エチ
ルカルバゾール等のビニル重合体、 (s)特公昭43−19,193号公報記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの共重合
体等の重合体 (t)特公昭56−13,940号公報などに記載のピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド
樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の
縮合樹脂、 (u)特開昭56−90,883号、同56−161,550号公報に記
載された各種のトリフェニルメタンポリマーなどがあ
る。
なお本発明において、有機光導電性化学物は、(a)
〜(u)にあげられた化合物に限定されず、これまで公
知の全ての有機光導電性化合物を用いることができる。
これらの有機光導電性化合物は場合により2種類以上を
併用することが可能である。
第1の例の光導電層に含有される増感色素としては、
電子写真感光体に使用される従来公知の増感色素が使用
可能である。これらは、「電子写真」12 9,(1973),
「有機合成化学」24(11),1010,(1966)等に記載され
ている。例えば米国特許第3,141,770号、同4,283,475
号、特公昭48−25658号、特開昭62−71965号等に記載の
ピリリウム系染料、Applied Optica Supplement 50
(1969)、特開昭50−39548号等の記載のトリアリール
メタン系染料、米国特許第3,597,196号等に記載のシア
ニン系染料、特開昭60−163047号、同59−164588号、同
60−252517号等に記載のスチリル系染料などが有利に使
用される。
第2の例の光導電層に含有される電荷発生剤として
は、電子写真感光体において従来公知の有機及び無機の
各種の電荷発生剤が使用できる。例えばセレン、セレン
−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、および以下
(1)〜(9)に示す有機顔料を使用することができ
る。
(1)米国特許第4,436,800号、同4,439,506号、特開昭
47−37543号、同58−123,541号、同58−192,042号、同5
8−219,263号、同59−78,356号、同60−179,746号、同6
1−148,453号、同61−238,063号、特公昭60−5941号、
同60−45,664号等に記載されたモノアゾ、ビスアゾ、ト
リスアゾ顔料などのアゾ顔料、 (2)米国特許第3,397,086号、同4,666,802号、特開昭
51−90827号、同52−55643号等に記載の無金属あるいは
金属フタロシアニン等にフタロシアニン顔料、 (3)米国特許第3,371,884号、特開昭47−30330号等に
記載のベリレン系顔料、 (4)米国特許第2,237,680号、特開昭47−30331号等に
記載のインジゴ、チオインジゴ誘導体、 (5)米国特許第2,237,679号、特開昭49−30332号等に
記載のキナクリドン系顔料、 (6)米国特許第2,237,678号、特開昭59−184,348号、
同62−28,738号、同47−18544号等に記載の多環キノン
系顔料、 (7)特開昭47−30,331号、特開昭47−18543号等に記
載のビスベンズイミダゾール系顔料、 (8)米国特許第4,396,610号、同4,644,082号等に記載
のスクアリウム塩系顔料、 (9)特開昭59−53,850号、同61−212,542号等に記載
のアズレニウム塩系顔料、などである。これらは単独も
しくは2種以上を併用して用いることもできる。
また、有機光導電性化合物と結合樹脂の混合比は、有
機光導電性化合物と結合樹脂との相溶性によって有機光
導電性化合物の含有率の上限が決まり、これを上回る量
を添加すると有機光導電性化合物の結晶化がおこり好ま
しくない。有機光導電性化合物の含有量が少ないほど電
子写真感度は低下するので、有機光導電性化合物の結晶
化が起こらない範囲内でできるだけ多くの有機光導電性
化合物を含有させるのが好ましい。有機光導電性化合物
の含有率としては、結合樹脂100重量部に対し5〜120重
量部、好ましくは10〜100重量部である。また、有機光
導電性化合物は、単独であるいは2種以上混合して使用
してもよい。
光導電性化合物として、酸化亜鉛、酸化チタン等の無
機光導電性化合物を用いる場合は、無機光導電性化合物
100重量部に対して上記した結合樹脂を10〜60重量部な
る割合、好ましくは15〜40重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば宮本晴視、武井秀
彦、イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等、R
CA Review 15,469(1954),清田航平等、電気通信学会
論文誌J 63−C(No.2),97(1980),原埼勇次等、工
業化学雑誌66 78及び188(1963),谷忠昭、日本写真学
会誌35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系色
素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、
ケサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメタン色素
(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、シア
ニン色素、ロダシアニン色素、スチレリル色素等)、フ
タロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げられ
る。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン系色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を
中心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭5
0−90334号、特開昭50−114227号、特開昭53−39130
号、特開昭53−82353号、米国特許第3,052,540号、米国
特許第4054,450号、特開昭57−16456号等に記載のもの
が挙げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Harmmer「The Cyanine Dyes and Related Compound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、米特許第3,047,384号、米国特許第3,110,591号、米
国特許第3,121,008号、米国特許第3,125,447号、米国特
許第3,128,179号、米国特許第3,132,942号、米国特許第
3,622,317号、英国特許第1,226,892号、英国特許第1,30
9,274号,英国特許第1,405,898号、特公昭48−7814号、
特公昭55−18892号等に記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、特
開昭47−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034
号、特開昭49−45122号、特開昭57−46245号、特開昭56
−35141号、特開昭57−157254号、特開昭61−26044号、
特開昭61−27551号、米国特許第3,619,154号、米国特許
第4,175,956号、「Research Disclosure」1982年、216,
第117〜118ページ等に記載のものが挙げられる。
本発明の電子写真式製版用印刷原版の光導電層には、
電子写真感光体に従来使用されてきた種々の公知の添加
剤を含有させることができる。これらの添加剤として
は、電子写真感度を改良するための化学増感剤、皮膜性
を改良するための各種の可塑剤、界面活性剤などが含ま
れる。化学増感剤としては、例えばp−ベンゾキノン、
クロラニル、フルオラニル、ブロマニル、ジニトロベン
ゼン、アントラキノン、2,5−ジクロルベンゾキノン、
ニトロフェノール、無水テトラクロルフタル酸、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、ジニトロフル
オレノン、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチ
レン等の電子吸引性化合物、特開昭58−65439号、同58
−102239号、同58−129439号、同62−71965号等に記載
の化合物等を挙げることができる。
可塑剤としては、例えばジメチルフタレート、ジブチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート、トリフェニルフ
ォスフェート、ジイソブチルアジペート、ジメチルセバ
ケート、ジブチルセバケート、ラウリン酸ブチル、メタ
ルフタリールエチルグリコレート、ジメチルグリコール
フタレートなどを光導電層の可撓性を向上するために添
加できる。これらの可塑剤は光導電層の静電特性、エッ
チング性を劣化させない範囲で含有させることができ
る。
以上の如き光導電体層に、光照射により本発明の結合
樹脂の光分解反応が促進されるように、更に光増感剤を
添加することができる。その添加量は、本発明の結合樹
脂100重量部あたり0.1重量部〜20重量部が適当である。
光増感剤としては、感光性高分子で用いられる従来公
知の化合物のいずれをも用いることができ、例えば、角
田隆弘「感光性樹脂」、印刷学会出版部(1972年刊)、
永松元太郎、乾英夫「感光性高分子」講談社(1977年
刊)等の総説引例の化合物が挙げられる。
具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、ビ
フェニル、アントラキノン、メチル−β−ナフチルケト
ン、ブチル安息香酸、チオ安息香酸エステル等が挙げら
れる。
また、本発明の光導電層の膜厚は、薄すぎると現像に
必要な表面電位を帯電することができず、逆に、厚すぎ
ると光導電層を除去する際にサイドエッチと呼ばれる平
面方向のエッチングを起こし、良好な印刷版が得られな
い。光導電層の膜厚としては0.1μm〜30μm、好まし
くは0.5μm〜10μmである。
本発明に用いられる導電性支持体としては、導電性表
面を有するプラスチックシートまたは特に溶剤不透過性
および導電性にした紙、アルミニウム板、亜鉛板、また
は銅−アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−銅
板等のバイメタル板、またはクロム−銅−アルミニウム
板、クロム−鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等の
トライメタル板等の親水性表面を有する導電性支持体が
用いられ、その厚さは、0.1mm〜3mmが好ましく、特に0.
1mm〜0.5mmが好ましい。これらの支持体の中でもアルミ
ニウム板が好適に使用される。本発明において用いられ
るアルミニウム板は、アルミニウムを主成分とする純ア
ルミニウムや微量の異原子を含むアルミニウム合金など
の板状体であり、その組成が特定されるものではなく従
来公知、公用の素材を適宜使用することが出来る。
このアルミニウム版は従来公知の方法で砂目立て、陽
極酸化して用いることが出来る。砂目立て処理に先立っ
てアルミニウム板表面の圧延脂を除去するために、所望
により界面活性剤またはアルカリ性水溶液による脱脂処
理が施され、砂目立て処理が行われる。砂目立て処理方
法には、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に
表面を溶解する方法及び化学的に表面に選択溶解させる
方法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、
ポール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研
磨法等と称せられる公知の方法を用いることが出来る。
また電気化学的な粗面化法としては塩酸または硝酸電解
液中で交流または直流によりおこなう方法がある。ま
た、特開昭54−63902号に開示されている様に両者を組
み合わせた方法も利用できる。この様に粗面化されたア
ルミニウム板は必要に応じてアルカリエッチング処理及
び中和処理される。
次に、このアルミニウム板は陽極酸化処理される。陽
極酸化処理に用いられる電解質としては硫酸、燐酸、蓚
酸、クロム酸、あるいはそれらの混酸が用いられ、それ
らの電解室やその濃度は電解質の種類によって適宜決め
られる。陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々
変わるので、一概に特定し得ないが、一般的には電解質
の濃度が1重量%〜80重量%溶液、液温は、5℃〜70
℃、電流密度5A/cm2〜60A/cm2、電圧1V〜100V、電解時
間10秒〜50分の範囲に有れば好適である。陽極酸化皮膜
量は、0.1g/m2〜10g/m2が好適であるが、より好ましく
は1〜6g/m2の範囲である。
さらに、特公昭47−5125号公報に記載されているよう
にアルミニューム板を陽極酸化処理した後に、アルカリ
金属ケイ酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用
される。また、米国特許第3658662号明細書に記載され
ているようなシリケート電着も有効である。西独公開特
許第1621478号公報に記載のポリビニルスルホン酸によ
る処理も適当である。
また、本発明においては導電性支持体と光導電層との
間に、密着性や電子写真式製版用印刷原版の静電特性を
改良するなどの目的のため、必要によりカゼイン、ポリ
ビニルアルコール、エチルセルロール、フェノール樹
脂、スチレン、無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル
酸などからなるアルカリ可溶性の中間層を設けることが
できる。
また、本発明においては光導電層上に必要により、静
電特性、トナー現像時の現像特性、あるいは画像特性、
印刷特性などを改良する目的で、光導電層除去時に同時
に除去することが可能なオーバーコート層を設けること
ができる。このオーバーコート層は機械的にマット化さ
れるもの、あるいはマット剤が含有される樹脂層であっ
てもよい。この場合マット剤としては、二酸化珪素、ガ
ラス粒子、アルミナ、デンプン、酸化チタン、酸化亜
鉛、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、フェノ
ール樹脂などの重合体の粒子および米国特許第2701245
号、同第2992101号明細書に記されているマット剤が含
まれる。これらは、2種以上併用することができる。オ
ーバーコート層に使用される樹脂としては、光導電層を
除去するエッチング液との組み合わせにより適宜選択さ
れる。具体的には、例えばアラビアゴム、ニカワ、セル
ロース類、でん粉類、ポリビニルアルコール、ポリエチ
レンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルメチルエーテル、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラールなどがあ
る。これらは2種以上併用することができる。
本発明に使用されるトナーは、非画像部を除去するエ
ッチング液に対する耐性を有し、このエッチング液から
トナー画像部の光導電層の溶出を防ぐ機能を有し、乾式
現像剤、液体現像剤など電子写真のトナーとして使用さ
れるものであればいずれも使用可能であるが、高解像度
の画像を得るためには液体現像剤を使用するのが好まし
い。さらには、疎水性でインク受容性のトナー画像を与
えるものが望ましい。例えばトナー粒子の成分として
は、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリ
ルエステルのホモポリマー及び共重合体、メタクリルエ
ステルのホモポリマー及び共重合体、エチレン共重合
体、環化ゴム、酢酸ビニルのホモポリマー及び共重合
体、塩化ビニルなどの高分子物質が使用される。またト
ナーの定着性や分散性および耐エッチング性に悪影響を
及ぼさない範囲内で着色剤、例えばカーボンブラック、
ニグロシン系顔料、フタロシアニンブルー、フタロシア
ニングリーン、ベンジジンイエロー、アルカリブルー、
カーミン6Bなどのような顔料および染料を含有すること
もできる。更に各種の荷電調節剤、その他の添加剤を含
有していてもよい。
トナー画像形成後のトナー非画像部の光導電性絶縁層
を除去するエッチング液としては、光導電性絶縁層を除
去できるものなら任意の溶剤が使用可能であり特に限定
されるものではないが、好ましくはアルカリ性溶剤が使
用される。ここでいうアルカリ性溶剤とは、アルカリ性
化合物を含有する水溶液、またはアルカリ性化合物を含
有する有機溶剤、もしくはアルカリ性化合物を含有する
水溶液と有機溶剤との混合物である。アルカリ性化合物
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナ
トリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケ
イ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、アンモニア、およびモノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
等のアミノアルコール類等などの有機および無機の任意
のアルカリ性の化合物を挙げることが出来る。エッチン
グ液の溶媒としては前述のように、水もしくは多くの有
機溶剤を使用することが出来るが、臭気、公害性の点か
ら水を主体としたエッチング液が好ましく使用される。
水を主体としたエッチング液には、必要に応じて各種の
有機溶剤を添加することも出来る。好ましい有機溶剤と
しては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等
の低級アルコールや芳香族アルコールおよびエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、セルソルブ類、および
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミン等のアミノアルコール類等を挙げることが
出来る。また、エッチング液には界面活性剤、消泡剤、
その他必要に応じて各種の添加剤を含有したものが使用
される。
つぎに、本発明の電子写真式製版用印刷原版から印刷
版を作成する方法について説明する。本発明の電子写真
式製版用原版は従来公知の電子写真プロセスにより画像
形成される。すなわち、暗所で実質的に一様に帯電し、
画像露光により静電潜像を形成する。露光方法として
は、キセノンランプ、タングステンランプ、蛍光灯など
を光源として反射画像露光、透明陽画フイルムを通した
密着露光や、レーザー光、発光ダイオードなどによる走
査露光があげられる。走査露光を行う場合は、ヘリウム
−ネオンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザー、ア
ルゴンイオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、YA
Gレーザー、ルビーレーザー、窒素レーザー、色素レー
ザー、エキサイマーレーザー、GaAa/GaAlAs、InGaAsPの
ような半導体レーザー、アレキサイドライトレーザー、
銅蒸気レーザー、エルビウムレーザーなどのレーザー光
源による走査露光、あるいは発光ダイオードや液晶シャ
ッターを利用した走査露光(発光ダイオードアレイ、液
晶シャソターアレイなどをもちいたラインプリンター型
の光源も含む)によって露光することができる。
次に、蒸気静電潜像をトナーによって現像する現像方
法としては、乾式現像法(カスケード現像、磁気ブラシ
現像、パウダークラウド現像)、液体現像法のいずれも
使用できる。なかでも液体現像法は微細な画像を形成す
ることができ印刷版を作成するために好適である。更に
正規像によるポジ−ポジ現像や、適当なバイアス電圧の
印加による反転現像によるネガ−ポジ現像も可能であ
る。形成されたトナー画像を、定着しこのように形成し
たトナー画像をレジストとして作用させ、非画像部の光
導電層をエッチング液により除去することにより印刷版
が作成できる。
本発明の電子写真式製版用印刷原版の製造にあたって
は、上記行程においてトナー画像を得た後、エッチング
液で処理するまでの間に、「化学的活性光線」で光照射
する行程を入れる事を特徴とする。即ち、電子写真現像
後、トナー画像の定着時に定着を兼ねて光照射を行って
もよいし、或いは従来公知の他の定着法、例えば加熱定
着、圧力定着、溶剤定着などにより定着した後、光照射
を行うものである。
本発明に用いられる「化学的活性光線」としては、可
視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、γ線、α線
などいずれでもよいが、好ましくは紫外線が挙げられ
る。より好ましくは波長310nmから波長500nmの範囲での
光線を発しうるものが好ましく、一般には高圧あるいは
超高圧の水銀ランプ等が用いられる。光照射の処理は通
常5cm〜50cmの距離から30秒〜10分間の照射で充分に行
うことができる。
〔作用〕
電子写真方式で画像を形成後、エッチング処理(即
ち、非画像部を除去すること)して、印刷版を作成する
方法においては、公知の結合樹脂と有機光導電性化合物
とから成る従来公知の感光体においては、電子写真特性
とエッチング処理適性(即ち、容易に非画像部を除去す
る)とを両立するには、種々の問題があった。即ち、光
導電性化合物を結合樹脂と均一に分散することは、結合
樹脂中の親水基含有成分に左右され、エッチング適性を
向上させるために、親水性基含有成分を多くすると分散
性が損なわれてしまい、結果として感光体を形成しても
電子写真特性(例えば初期電位、光感度、暗減衰等)に
満足すべき特性が得られなくなってしまう。逆に親水性
基成分を少なくすると、電子写真特性は満足できてもエ
ッチング処理による非画像部の除去が結合樹脂の水溶性
不足のために不充分となり、結果として印刷物の非画像
部に地カブリが発生してしまう。或いはアルカリエッチ
ング処理適性が良好な結合樹脂類(例えば、無水マレイ
ン酸共重合体、脂肪族カルボン酸ビニルエステル−クロ
トン酸共重合体等)では電子写真特性が不満足で、特に
レーザー光源を用いたスキャニング露光方式では、複写
画像の画質が低下してしまう。
本発明の結合樹脂は、これらの矛盾する問題を解決す
ることができるものである。即ち、スキャニング露光方
式でも著しく電子写真特性が良好であるが、エッチング
処理適性が難点のあった前記「第3の重合体成分」と
「酸性基含有の重合体成分」とから構成される共重合体
「光分解を行う重合成分」を共重合させ、エッチング処
理前に全面光照射することにより、トナーでマスクされ
ていない、非画像部分の本発明結合樹脂における重合体
主鎖の光切断反応を生じ、樹脂の分子量がトナー画像部
分に比べ著しく低下してしまう。
これによりトナー画像部と非画像部とをトナー層の溶
出へのレジスト効果のみでエッチング処理を行っていた
従来の方法に比べ、トナー画像部と非画像部の結合樹脂
の分子量に差をつけることができ、両者の溶出性の不均
化を顕著なものとすることができるものであり、エッチ
ング処理が著しく容易になり、非画像部における光導層
成分の残存がなくなり、且つ容易に非画像が溶出するこ
とから、トナー画像部がエッチング処理時に破損するこ
ともなくなる。
更にトナー画像部の結合樹脂として、分子量が大きな
樹脂を用いることができることから、皮膜強度が向上
し、印刷においてトナー画像部の破損がなくなり、高耐
刷(印刷枚数の向上)を得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はの主旨を越えない限り以下の実施例に限定
されるものではない。なお、実施例において部はすべて
重量部を示す。
〔実施例1〕 電荷発生剤として下記の、トリスアゾ化合物 ……1.0部、 有機光導電性化合物として、下記に示すヒドラゾン化合
物 ……2.0部 共重合体:P−1 ……10.0部 ベンゾフェノン ……1.0部 テトラヒドロフラン ……100 部 を、500mlのガラス製容器にガラスビーズと共にいれ、
ペイントシェーカー(東洋精機製作所(株))で60分間
分散した後、ガラスビーズを濾別して光導電層用分散液
とした。
次に、この光導電層用分散液を、砂目立てした厚さ0.
25mmのアルミニウム板上に塗布、乾燥し、乾燥膜厚5.1
μmの光導電層を有する電子写真式製版用印刷原版を調
製した。
次にこの実施例1において、共重合体P−1の代わり
に、下記樹脂を各々用いた他は実施例1と同様にして下
記比較例としての電子写真感光体を作製した。
〔比較例A〕
共重合体(A) スチレン−無水マレイン酸共重合体 (無水マレイン酸含有率:33モル%) 〔比較例B〕 共重合体(B) 酢酸ビニル−クロトン酸共重合体 (カネボウNSC社製:Resyn−28−1310) 〔比較例C〕 共重合体(C) ヘンジルメタクリレート−メタクリル酸 (75/25重量比) MW4.0×104 このようにして作製した印刷版を、ハマダスター600C
Dオプセット印刷機を用いて常法により印刷して印刷性
(耐刷性等)を調べた。
以上の結果をまとめて、下記表に示す。
上記表に示した評価項目の実施態様は以下の通りであ
る。
注1)静電特性: 温度20℃、65%RHおよび(30℃、80%RH)の暗室中
で、各感光材料にペーパーアナライザー(川口電機
(株)製品ペーパーアナライザーSP−428型)を用いて
+7kVで20秒間コロナ放電をさせた後、10秒間放置し、
この時の表面電位V10を測定した。次いでそのまま暗中
で180秒間静置した後の電位V190を測定し、180秒間減衰
させた後の電位の保持性、即ち、暗減衰保持率〔DRR
(%)〕を、(V190/V10)×100(%)で求めた。又、
コロナ放電により光導電層表面を+400Vに帯電させた
後、該光導電層表面を照度2.0ルックスの可視光で照射
し、表面電位(V10)が1/2が減衰するまでの時間を求
め、これから露光量B1/2(ルックス・秒)を算出す
る。
又、同様にV10が1/10に減衰するまでの時間を求め、
これから露光量B1/10(ルックス・秒)を算出する。
注2)撮像性 各感光材料を(20℃、65%RH)と(30℃、80%RH)の
それぞれの環境条件で1昼夜放置した。
次に+7kVで帯電し、光源として、2.8mW出力のガリウ
ム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780n
m)を用いて、感光材料表面上で、64erg/cm2の照射量
下、ピッチ25μm及びスキャング速度300m/secのスピー
ドで露光後、前記した液体現像剤を用いこれらの感光材
料の静電特性について各々測定した。
更に、これらの感光材料を、暗所で表面電位+450Vに
帯電させた後、He−Neレーザーを用いて、633nmの光で
版面での露光量が30erg/cm2になるように露光し、これ
をアイソパーH(エッソスタンダード社)1中に、ポ
リメチルメタクリレート粒子(粒子サイズ0.3μm)5g
をトナー粒子として分散し、荷重調節剤として大豆油レ
シチン0.01gを添加して作製した液体現像剤を用い、30V
のバイアス電圧を対抗電極に印加して現像することによ
りトナー画像を得た。
更に100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着した。
次に100W高圧水銀ランプを用いて7cm離した距離からフ
ィルターを介して取り出した波長310nm以上の光を3分
間照射した。
この電子写真式製版用印刷原版の非画像部をケイ酸カ
リウム40部、水銀化カリウム10部、エタノール100部を
水800部に希釈したエッチング液中に5秒間浸漬するこ
とによって除去し、十分水洗いした後ガム引きし、オフ
セット用印刷版を作成して、現像し、定着することで得
られた複写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価し
た。撮像時の環境条件は、20℃65%RHと30℃80%RHで実
施した。
静電特性において、本発明及び比較例Cは良好であっ
たが、比較例A及びBは、D.R.R.および光感度(E)が
不充分であり、又、環境条件が変わった時にその値が更
に劣化してしまった。
実際にこれらの感光体の撮像性を調べて見ると、上記
の静電特性に対応し、環境が変わっても良好な複写画像
を示すものは、本発明と比較例Cであった。
次に、印刷版とするためにエッチング処理をしたとこ
ろ、本発明、比較例A及びBは非画像部が5秒という短
時間で完全に溶出したが、比較例Cは残膜が顕著で溶出
が不充分であった。
更に、オフセットマスター原版として印刷したとこ
ろ、本発明のもののみが5万枚印刷しても、印刷物の画
質は地汚れのない鮮明な画像のものであった。比較例C
は、溶出が不充分なため刷りだしから非画像部の地汚れ
が著しかった。又比較例A,Bは、非画像部の溶出は十分
で、地汚れは全く認められなかったが、複写画像の画質
が不満足であり、得られた印刷物の画像部の欠落が刷り
出しから生じていた。
以上のように、本発明の印刷原版のみが電子写真特性
と印刷特性を満足した。
〔実施例2〜実施例8〕 実施例1において、共重合体P−1の代わりに、下記
表の共重合体を用いた他は、実施例1と同様にして電子
写真式製版用印刷原版を作成した。
実施例1と同様にして静電特性、撮像性、印刷性を調
べた。上記表に苛酷条件の(30℃,80%RH)下での静電
特性を示した。各感光体ともいずれも、実施例1と同様
に良好な結果を示した。又、撮像性、印刷性(耐刷性5
万枚)についても、いずれも実施例1の感光体と同等の
結果を示した。
〔実施例9〕 有機光導電性化合物として、実施例1で用いたヒドラ
ゾン化合物の代わりに、下記のオキサジアゾール化合物
を用いるほかは、実施例1と同様にして電子写真式製版
用印刷原版を作成した。
オキサジアゾール化合物 実施例1と同様にその静電特性、撮像性、印刷性を測
定した所、いずれの特性についても実施例1と同様の結
果を示した。
〔実施例10〕 有機光導電性化合物として、下記に示すヒドラゾン化合
物 ……25部 結合樹脂として、共重合体:P−9 ……75部 増感色素として下記チオピリリウム塩化合物……1.18部 を、メチレンクロライド510部、メチルセルソルブアセ
テート150部の混合溶媒に溶解した。
この溶液を砂目立てした厚さ0.25mmのアルミニウム板
上に塗布、乾燥し乾燥膜厚5.3μの光導電層を有する電
子写真式製版用印刷原版を作成した。
次に、この試料を暗所で表面電位+450Vに帯電させた
後、He−Neレーザーを用いて632nmの光で露光し、これ
をアイソパーH(エッソスタンダード社)1中に、ポ
リメチルメタクリレート粒子(粒子サイズ0.3μm)5
g、及びカーボンブラック7.5gをトナー粒子として分散
し、荷電調節剤として大豆油レシチン0.01gを添加して
作成した液体現像剤で現像して、書き込み開始部も書き
込み終了部もかぶりのない鮮明なポジのトナー画像を得
ることができた。
さらに、100℃で30秒間加熱してトナー画像を定着し
た後、実施例1と同様にして光照射を行った。この電子
写真式製版用印刷原版を、メタケイ酸ナトリウム水和物
70gをグリセリン140ml、エチレングリコール550ml、お
よびエタノール150mlに溶解したエッチング液に約5秒
間浸漬して、水流で軽くブラッシングしながら洗うこと
により、トナーの付着していない非画像部の光導電層を
完全に除去することができた。
このようにして作製した印刷版をハマダスター600CD
オフセット印刷機を用いて常法により印刷したところ非
画像部の汚れのない非常に鮮明な印刷物を5万枚印刷す
ることができた。
〔実施例11〕 有機光導電性化合物として、X線無金属フタロシアニン
(大日本インキ(株)製) ……1.9 部 添加剤として、下記に示すチオバルビツール酸化合物 ……0.15部 共重合体:P−1 ……17部 テトラヒドロフラン/シクロヘキサン(8/2)重量比混
合溶液 ……100部 を、500mlのガラス製容器にガラスビーズと共に入れ、
ベイントシェーカーで60分間分散した後、ガラスピーズ
を濾別して光導電層様分散液とした。
次に、この光導電層用分散液を、砂目立てした厚さ0.
25mmのアルミニウム板上に塗布、乾燥し、乾燥膜厚6.0
μmの光導伝層を有する電子写真式製版用印刷原版を調
製した。
〔比較例D〕〜〔比較例F〕 実施例11において、共重合体P−1の代わりに、下記
樹脂を各々用いた他は、実施例11と同様に操作して各電
子写真感光体を作製した。
比較例D:共重合体(B) 比較例E:共重合体(C) 比較例F:共重合体(D) ベンジルメタクリレート−メタクリル酸(75/25)重
量比 ▲▼4×104 これらの感光材料の静電特性、撮像性について各々測
定した結果をまとめて下表に示す。
表に示した評価項目の実施態様は以下の通りである。
注3)静電特性: (温度20℃、65%RH)および(30℃、80%RH)の暗室
中で、各感光材料にペーパーアナライザー(川口電機
(株)製、ペーパーアナライザーSP−428型)を用いて
+6kVで20秒間コロナ放電をさせた後、10秒間放置し、
この時の表面電位V10を測定した。次いでそのまま暗中
で180秒間静置した後の電位V190を測定し、180秒間暗減
衰させた後の電位の保持性、即ち、暗減衰保持率〔DRR
(%)〕を、(V190/V10)×100(%)で求めた。
又、コロナ放電により光導電層表面を+400Vに帯電さ
せた後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V10
が1/2に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/2(erg/cm2)を算出する。
更にE1/2測定と同様にコロナ放電により+400Vに帯
電させた後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V
10)が1/2に減衰するまでの時間を求め、これから露光
量E1/2(erg/cm2)を算出する。
注4)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。次に
+5kVで帯電し、光源として、2.8mW出力のガリウム−ア
ルミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780nm)を
用いて、感光材料表面上で、60erg/cm2の照射量下、ピ
ッチ25μm及びスキャニング速度300m/secのスピードで
露光後、液体現像剤として実施例1で使用したものを用
いて現像、定着することで得られた複写画像(カブリ、
画像の画質)を目視評価した。
撮像時の環境条件は、20℃、65%RHと30℃、80%RHで
実施した。
各感光体の静電特性において、比較例Dは他の感光体
に比べ、いずれの値も劣っていた。一方、比較例Eは、
比較例Dに比べ、V10,D.R.R.,B1/2,B1/19のいずれも良
化し、環境が(30℃、80%RH)と苛酷になっても、その
変化は比較的小さくなったが充分とは言えなかった。こ
れらに対し本発明の感光体及び比較例Fは、いずれの静
電特性も著しく良化し、且つ環境変動してもその変化は
極めて小さくなった。
実際に、半導体レーザー光でスキャニングで露光して
撮像して各感光体の複写画像は、上記した静電特性と対
応し本発明及び比較例Fが良好であった。
更に、実施例1と同様にしてオフセット印刷用原版と
した後印刷したところ、本発明のもののみが5万枚印刷
することができた。
〔実施例12〕〜〔実施例20〕 実施例11において、共重合体P−1の代わりに、下記
表の共重合体を用いた他は、実施例11と同様にして電子
写真式製版用印刷原版を作成した。
これらを実施例11と同様にして、各特性を調べた。上
記表に(30℃、,80%RH)条件下の静電特性を示した
が、苛酷な条件にかかわらず良好な結果を示した。
更にオフセットマスター原版として、エッチング処理
したところ、いずれも非画像部はすみやかに溶出した。
実際に印刷したところ、5万枚印刷後の印刷物の画質は
地カブリのない鮮明な画像のものであった。
〔実施例21〕〜〔実施例28〕 実施例11において、共重合体P−1の代わりに、下記
表の共重合体を用いた他は、実施例11と同様にして電子
写真式製版用印刷原版を作成した。
これらについて、実施例11と同様にして各特性を調べ
た。
その結果、静電特性、撮像性、印刷性ともに良好で、
実施例11と同等の性能を示した。
〔発明の効果〕
本発明の電子写真式製版用印刷原版は、応答速度及び
エッチング性が改良された、優れた電子写真式製版用印
刷原版であり、原稿を忠実に再現した印刷物を多数枚印
刷することを実現することができた。また、本発明の電
子写真式製版用印刷原版により、レーザーなどの走査露
光方式による直接型印刷版において、応答速度の遅さに
起因する、書き込み終了部での残留電位の上昇のため発
生していたかぶりの発生の問題を解決することができ、
書き込み開始部、書き込み終了部ともにかぶりのない良
好な印刷版が作成できるようになった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも光導電性化
    合物および結合樹脂を含有する光導電層を有し、画像露
    光しトナー画像を形成した後にトナー画像部以外の非画
    像部の光導電層を除去することにより印刷原版とする電
    子写真式製版用印刷原版において、前記光導電層の結合
    樹脂が化学的活性光線の照射を受けて重合体主鎖の切断
    を生ずる重合体成分及び酸性官能基を含有する重合体成
    分を、それぞれ少なくとも1種含有する共重合体である
    事を特徴とする電子写真式製版用印刷原版。
  2. 【請求項2】上記化学的活性光線の照射を受けて重合体
    主鎖の切断を生ずる重合体成分が、下記一般式(I)、
    (II)又は(III)で示される成分であることを特徴と
    する請求項1記載の電子写真式製版用印刷原版。 一般式(I) 一般式(II) 一般式(III) 式(I)中、R1,R2は互いに同じでも異なってもよく、
    炭化水素基を表す。a1,a2は互いに同じでも異なっても
    よく、水素原子又は炭化水素基を表す。 式(II)中、R3,R4,a3,a4は各々式(I)中のR1,R2,a1,
    a2と同一の内容を表す。 式(III)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
    基を表す。
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