JP2575604B2 - 沈澱異種蛋白質の精製及び活性化法 - Google Patents

沈澱異種蛋白質の精製及び活性化法

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Description

【発明の詳細な説明】 組換DNA技術により、外因性もしくは外来(異種)蛋
白質を細菌及びその他の宿主細胞中で発現することが可
能になった。或る条件下において且つ或る蛋白質の場
合、これらの異種蛋白質は細胞内で「屈折体(refracti
le body)」として沈澱する。本発明は、これら異種蛋
白質を回収し且つ必要に応じこれらの活性型を回復する
方法に関するものである。
例えば、ヒト成長ホルモン(hGH)、ウシ成長ホルモ
ン(bGH)及び多数のインターフェロンを含めて多くの
ヒト,哺乳動物及びその他の蛋白質が、これら蛋白質を
コードしているDNAで宿主細胞をトランスフェクトし且
つ得られた細胞を新規な異種蛋白質の発現に好適な条件
下で増殖させることにより、宿主細胞内で産生されてい
る。同様に適当な組換DNAで処理された宿主内で産生さ
れた異種蛋白質の他の例としては、ウィルス外殻蛋白質
例えば口蹄疫(FMD)ウィルスのカプシド蛋白質及びB
型肝炎ウィルス表面抗原(HBsAg)蛋白質がある。異種
蛋白質はしばしば細胞内部で沈澱して全細胞蛋白質の相
当な部分を構成する。
多くの重要なケースの場合、例えばhGH,ブタ成長ホル
モン(pGH),bGH,FMD及び繊維芽細胞インターフェロン
(FIF)等の場合、産生された異種蛋白質は多量に存在
するだけでなく、「屈折体」として細胞内で沈澱するこ
とが観察されている。「屈折」という用語を使用する理
由は、これらが位相差顕微鏡を用いると実際に目視し得
るからである。1000倍程度の倍率で、これらの沈澱蛋白
質(precipitated protein)は細胞の囲いに包囲されて
明るい斑点として見える。
所望の蛋白質がこの種の屈折体の形態である場合、こ
れらの回収には多くの問題が伴う。第1に、当然のこと
であるが、細胞内に包封されている屈折蛋白質を、これ
を隠蔽している細胞物質及び細胞蛋白質から分離する必
要がある。第2に、多くの場合、屈折体はほとんどが所
望の異種蛋白質で極く少量の不要な蛋白質とを含んでい
るが、或る場合には、多量の夾雑蛋白質が存在し、この
ため所望のポリペプチド配列を単離するにはこれらを除
去しなければならないであろう。第3に、恐らく最も面
倒なことであるが、屈折体蛋白質はしばしば、所望の蛋
白質としては同定され得るが生物学的には不活性な形態
である。所望の蛋白質が不活性になるのは、細胞内沈澱
の前又は後、或いは単離工程の際に異種蛋白質が誤って
折り畳まれ(incorrect folding)または誤った立体配
座(conformation)で構成されるためと考えられる。
本発明者等は、これらの問題が、種々の面で、宿主細
胞夾雑蛋白質を除去し、沈澱した屈折蛋白質を可溶化
し、異種蛋白質の生物学的検定において活性な形態を回
復し得る方法を使用することにより、克服し得ることを
知見した。
本発明は一般化してきた問題に対する全体的解決の種
々の面に係る。即ち、宿主細胞で産生され、宿主細胞に
対し異種であり、且つ、屈折体即ち不溶性蛋白質凝集塊
として細胞内部に少なくとも部分的に析出(depositio
n)している蛋白質を活性型で回収する方法に係る。本
発明により、屈折体が形成されている細胞培養物(cell
culture)から異種蛋白質を回収するための有効な手段
が提供される。この方法を種々の可能な経路を含めて第
1図に模式的に示す。
簡単に説明すれば、第1図の方法は幾つかの工程を有
する。先ず、細胞が充分に破砕されれば宿主細胞蛋白質
が可溶化されるか或いは少なくとも低速遠心分離で沈降
しなくなるような充分なイオン強度と適性なpHの条件下
で、細胞外壁/膜を破砕する手段を用いることにより、
沈澱した不溶性蛋白質を細胞から遊離させる。これによ
り、遠心分離の際、所望の屈折蛋白質がペレットとして
蓄積され、夾雑蛋白質の大部分は上清中に残存する。し
かしながら、このペレットは幾つかの理由で夾雑蛋白質
を含有する。第1に、元々の屈折体が完全には所望の蛋
白質のみで構成されていない。第2に、細胞壁又は膜の
断片が充分に破砕されていないと、それらはペレットと
共に残留しペレットの顕微鏡検査においても検出されな
い。とはいうものの、生成するペレットは主として所望
の蛋白質であり、酵素学的研究で使用される標準的な蛋
白質精製法に於ける状況とは異なり、問題は複合混合物
の少量成分を単離することではなく、基本的に純粋な生
成物から夾雑物を除去する問題となる。
(或る場合には、特にヒト成長ホルモンの場合、細菌
又はその他の宿主生物により産生される異種蛋白質は、
細胞が増殖し且つ蛋白質に対する遺伝子が発現される
際、部分的にのみ屈折型となる。このような場合には、
破砕する前の細胞を、組換DNAで形質転換された細胞に
関する安全措置に応じて細胞を死滅させるように従来設
計された方法で処理することにより、ペレット中に含有
される所望蛋白質の量が増大することが見出された。即
ち、例えば酸,熱又は非極性溶剤処理のような技術によ
り、一部可溶な蛋白質が完全に不溶化されるであろ
う。) 主として所望の蛋白質である調製物が得られた後に残
存する問題は、蛋白質を、場合によっては更に精製し、
生物学的活性が利用できるような形態で回収せねばなら
ないことである。
蛋白質は生体内(in vivo)細胞質条件下において沈
澱したのであるから、従来の可溶化技術ではうまくいか
ないことが明らかである。従って、この蛋白質を溶解さ
せてこれを使用し得るようにするには、より苛酷な手段
が必要である。このためには強力変性溶液が有効である
と判明した。しかしながら、得られる溶液からは、生物
学的に活性な調製物が得られることもあるが得られない
こともある。
強力変性剤(strong denaturant)と可溶化した屈折
蛋白質との両者を含有するこの溶液を使用して、適当な
検定法により示される生物学的活性を回収するという問
題を扱う際、最も「明白」な方法は成功を収めることが
できない。即ち、必要に応じて多量の同じ「溶剤」、つ
まり強力変性溶液で再び希釈して生物学的試験に対する
適切な濃度を得ることは明らかに望ましくない。何故な
ら、強力変性剤自身が生物学的活性を阻害するからであ
る。又、希釈用緩衝液又は水による溶液の希釈も、屈折
蛋白質が殆んど常に再沈澱してしまうので行なうことが
できない。更に、希釈によって沈澱が生じない場合で
も、予想される活性レベルが示されないこともしばしば
である。
生物学的に活性な産物を回収するために本明細書中に
記載した一般的精製方法に合致する有効な方法の数は限
られている。これらの1つは強力な変性剤をより弱い変
性剤と交換し、次いでこの弱い変性剤の濃度を減少させ
ることである。この方法によれば、屈折蛋白質の溶解度
が保持されると共に、生物学的活性を阻害しないような
媒体が得られるであろう。或る場合にはこの方法のみで
は正の生物学的活性が得られないことが見出されたが、
他の場合には活性が得られることもある。口蹄疫(FM
D)ウィルス外殻蛋白質を包含して生成された融合蛋白
質はこの例の1つである。これは、動物成長ホルモンに
関する場合もそうであると思われる。これらの状況が生
ずる場合には、ペレットを強力変性剤に溶解させ、緩衝
液を弱い変性剤に交換するか又は限界希釈(limited di
lution)によりカオトロピズム(chaotropism)を弱
め、更に所望により慣用技術を用いてこれを精製し、最
後により稀薄な溶液に徐々に緩衝液を交換(buffer exc
hange)すれば充分である。
然しながら、現在知られているデータによれば、この
方法で生物学的に活性な蛋白質を回収し得るのはむしろ
例外であると思われる。多くの場合、溶解している蛋白
質を「再生する(renature)」には、明らかに、より積
極的な工程が必要とされる。変性(denaturation)が生
じたのは、細菌内での元々の誤った折り畳み又は単離条
件又はその両者によるものである。いずれにせよ、ジス
ルフィド結合の再形成の前に弱い変性剤まで緩衝液交換
する(ある場合にはこれだけで充分である)ことを必要
とする下記の3つの方法の1つを用いて、得られた蛋白
質の折り畳みを解き(unfolding)且つ再び折り畳む(r
efolding)のが賢明であると思われる。第1の方法にお
いては、単に、ジスルフィド結合からスルフヒドリル基
への変換を保証する還元条件下で蛋白質を更に精製する
と、蛋白質自身がこの精製条件下で再び折り畳まれ、次
いで蛋白質が適切に折り畳まれた後、空気又は他の酸化
剤によりジスルフィド結合を再形成する。第2の方法で
は、誤って形成されている可能性があるジスルフィド結
合を蛋白質のスルホン化により切断し、この蛋白質を再
びより好適な条件下で折り畳み、次いで還元型及び酸化
型(ジスルフィド)の両形態のスルフヒドリル試薬を用
いてスルホネート基を除去してジスルフィド結合を再形
成する。第3の方法では、単に適切な溶液環境の存在下
且つスルフヒドリル−ジスルフィドの組合せの存在下で
再び折り畳み、スルフヒドリル及びジスルフィドを一定
に形成し且つ再形成する。
いずれの場合にも、この「再生法(renaturation pro
cess)」は、蛋白質を更に精製する工程、即ちペレット
から単に溶解させた後に含有する少量の夾雑物を除去す
る工程と共に行なうと最良である。
本発明は、種々の面において、異種蛋白質の製造に対
する好適な手段を提供する。
一面において、本発明は、宿主細胞の懸濁物を溶解
し、次いで低速遠心分離により屈折体を回収することに
よって、背景宿主細胞夾雑蛋白質から屈折蛋白質を単離
する方法に関するものである。この精製工程に続いて、
細菌細胞壁断片,断片細胞又は全細胞が存在するか否か
を決定するため調製物を顕微鏡下で検査することができ
こうすると有利である。
他の面において、本発明は、屈折体の単離前に、屈折
型で沈澱する異種蛋白質の量を増大させる方法に関する
ものである。この方法は、宿主細胞培養物の懸濁物を、
例えば高濃度の酸,熱又は低濃度の非極性有機溶媒のよ
うな殺菌手段で処理することを含む。この「殺菌(死
滅)」処理により異種蛋白質が更に沈澱し、次いで本発
明の他の面で説明する方法により増大した量の沈澱蛋白
質を回収する。
第3の面において、本発明は、強力変性溶液中に可溶
化させることにより屈折蛋白質を使用可能な形態で回収
する方法に関するものである。この方法は、所望の屈折
蛋白質を回収する前に、宿主細胞の懸濁物を適当なイオ
ン強度の緩衝液中で処理して宿主細胞蛋白質を可溶化さ
せるという付加工程を含んでいる。
第4の面において、本発明は強力変性溶液中に予め可
溶化された屈折蛋白質を、好ましくは還元剤の存在下
で、更に精製する方法に関し、この方法は、分子篩又は
高速遠心分離のいずれかを用いて大分子量夾雑物を分離
除去することから成っている。
更に他の面において、本発明は、強力変性溶液に既に
溶解された異種蛋白質を利用し或いは更に精製する工程
に関し、この工程では、希釈により或いは弱い変性剤と
の交換により、場合によっては還元剤の存在下で、変性
用媒体を弱めることにより溶液を改変する。弱い変性条
件の影響下で、或る場合には還元剤により促進されて、
再度折り畳みが行なわれ得る。弱い変性剤で置換するこ
とは、強力変性環境では行なえないような精製及び/又
は再生工程が行なえるようになるという意味でも有利で
ある。
この種の置換は、カオトロピック特性が本質的により
弱い変性剤の対応する濃度に対して緩衝液を交換する
(例えばグアニジンを尿素で交換する)ことにより、或
いは(当該蛋白質の溶解度特性に応じて可能ならば)同
じ強力変性剤を減少濃度まで希釈することにより、行な
うことができる。
本発明の更に他の面は、弱い変性用媒体の存在下で行
なわれる特定の再賦活法に関するものである。この方法
においては、強力変性溶液中に可溶化された屈折蛋白質
を亜硫酸イオンの存在下で緩和(温和)な酸化剤により
処理する。これにより、システイン及びシスチンを含有
する蛋白質が蛋白質−S−スルホネートに変換される。
次いで強力変性溶液を弱めると再び折り畳みが起こり、
例えばβ−メルカプトエタノール又は還元型グルタチオ
ンのようなスルフヒドリル化合物を用い、対応するジス
ルフィド(酸化)型の存在下でジスルフィド結合を再形
成する。
他の面において、強力変性剤に溶解(可溶化)した蛋
白質は、更に、強力変性剤を弱い変性剤で交換し且つ主
としてスルフヒドリル化合物と少量のジスルフィド型と
の混合物で処理することからなる再折り畳み、即ち、
「酸化還元緩衝液(redox buffer)」中での一工程再折
り畳み法により処理される。
更に他の面において本発明は、例えばβ−メルカプト
エタノールのような還元剤の存在下で処理し、次いでこ
の変性還元剤を透析又はその他の適当な手段により除去
する精製方法に係る。空気を排除するのに問題がなけれ
ば、空気を使用して蛋白質を再酸化しジスルフィド結合
を再形成することができるが、この結合再形成は還元剤
が存在する場合には抑制されている。
更に、本発明は、宿主細胞培養物中に沈澱した異種蛋
白質の「標準的」多段階精製法にも関するものであり、
この方法は、可溶性の背景(夾雑)宿主蛋白質を適切な
塩濃度及びpHの溶液中で除去し、次いで還元剤を含有す
る変性溶液中に異種沈澱蛋白質を可溶化させ、そして所
望蛋白質を再生型(renatured form)として変性溶液か
ら回収するという多段階の工程からなっている。所望蛋
白質を更に精製するための付加工程は任意であり、多数
の慣用技術から選択し得るが、還元剤の存在下で行なわ
れる。これらの工程は、例えばゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーによるサイズ分画及びイオン交換樹脂
示差吸着(differential adsorption)により所望でな
い蛋白質の除去からなっているのが好ましい。
本発明のこの面は、生物学的性質とは無関係に宿主細
胞培養物中の沈澱異種蛋白質に適用され、従って、所望
生産物に対する装置要件(equipment requirements)の
一様性(uniformity)が得られるという利点を有する一
般的方法を提供する。この方法は、一般に、特定蛋白質
に応じて要求される僅かの修正又は調整を行なうだけで
適用することができる。
最後に、本発明の種々の局面を適当に組合せ且つ選択
することにより、屈折体蛋白質に関する問題が解決でき
る。
A.定義 「異種」蛋白質という用語では、宿主細胞では通常全
く産生されないか或いは通常極く少量しか産生されない
ような蛋白質を指す。組換DNA技術及びその他の例えば
点突然変異のような標準的遺伝子操作の出現により、ト
ランスフェクトした宿主細胞培養物から異種蛋白質を著
量に産生することが可能になった。実際、これらの異種
蛋白質は、しばしば、宿主細胞蛋白質の溶解度を維持す
る条件下で沈澱するような量で産生される。
或る場合には、発現蛋白質の非溶解性により、これら
蛋白質は、宿主細胞中で所謂「屈折体」、即ち光を屈折
し、位相差顕微鏡で見た場合に明るい斑点として見える
ような物体として存在する。このため、これら蛋白質は
しばしば「屈折蛋白質」又は「屈折体蛋白質」と呼ばれ
る。
本発明は、宿主細胞中に「屈折体」として出現した蛋
白質を単離し、精製し、且つ必要に応じ再賦活するのに
有用な方法に係る。本発明の一部は、この種の屈折体生
成に好適な方法に関するが、本明細書に記載する蛋白質
の回収及び活性化方法は、この種の屈折蛋白質に特定的
に適用し得るように行なわれる。
本明細書において、「屈折」、「所望」及び「異種」
という用語は互換的に使用されており、外来宿主におい
て発現され、参照される時点における蛋白質の物理的状
態とは無関係に、発現又は精製の或る段階で位相差顕微
鏡により沈澱物として観察される蛋白質を意味する。例
えば、「屈折」蛋白質という用語は、或る場合には、本
発明の方法により屈折型から可溶型に変換された後のこ
の蛋白質を意味するためにも使用される。
細菌宿主細胞で発現される各種の異種蛋白質、例えば
pGH,hGH並びにウィルス外殻蛋白質、例えばFMDウィルス
蛋白質との融合蛋白質及びHBsAgは、一般的な培養条件
下で多かれ少なかれ屈折体を形成する。例えば、免疫イ
ンターフェロン(IIF)及び白血球インターフェロン(L
eIF)のような他の或る種の蛋白質は、細胞質中でより
可溶性である。(しかしながら、繊維芽細胞インターフ
ェロン(FIF)は宿主培養物中で屈折性である。) 「宿主細胞」は、異種蛋白質の単離に関する方法の説
明において出発物質の意味で使用する場合、そのような
方法に細胞を使用し得る任意の形態を包含する。例え
ば、収穫した細胞ペーストの他に、全細胞培養物、ペー
ストの凍結試料又はペーストの凍結及び解凍試料を包含
する。従って、「緩衝溶液中で宿主細胞を処理する」と
いう表現は、例えば全培養ブロスの操作、或いは回転沈
降(spin down)した細胞を用いる調製を意味する。
本明細書で使用する「再賦活(reactivation)」とい
う用語は、「再折畳み(refolding)」という用語とほ
ぼ同意語であり、即ち、立体配座上活性型にすることに
より蛋白質調製物に対する生物学的活性を確保すること
を意味する。「再賦活」は、本明細書中に記載するよう
に、アミノ酸配列は変化せず、即ち、例えばペプチド先
駆体がその活性型まで開裂するような「活性化(activa
tion)」、例えばトリプシノーゲンからトリプシンへの
変換又はプロレンニンからレンニンへの変換は包含しな
い。
「生物学的活性」という用語は、生体内(in vivo
における蛋白質の活性、その機能を試験するよう設計し
た慣用の試験管内(in vitro)及びin vivoの生物学的
検定における活性、免疫反応を示すその能力、又は天然
蛋白質(native protein)に対する抗体と反応する蛋白
質の能力を意味する。蛋白質は或る場合には、例えば適
当な抗体との反応性につき試験した場合には「生物学的
に活性」であるが、機能検定においては活性でないこと
に注目すべきである。しかしながら、抗体反応は一般に
最も簡潔且つ容易に行なわれる検定法であるため、時に
「活性」の便利な尺度として使用される。
「イオン強度」という用語は、水溶液中のイオン濃度
の慣用の尺度を意味する。これは、各イオンの濃度とイ
オン電荷数(イオン価)の平方との積の和(溶液中の全
イオンにつき)の1/2と定義される。
「変性溶液(denaturing solution)」という用語
は、「変性剤(denaturant)」を含有する溶液を意味す
る。本発明で使用する「変性剤」とはカオトロピック性
の化合物又は物質を意味し、水溶液中適当な濃度で、蛋
白質表面での変化により、例えば水和状態,溶媒環境の
変化により、或いは溶媒−表面相互作用の変化により、
蛋白質の空間配置即ち立体配座(conformation)を変化
させることができるものである。この種の変性剤の例は
尿素,グアニジン塩酸塩,チオシアン酸ナトリウム並び
に例えばSDS及びトリトン(Triton)のような洗浄剤を
包含する。然しながら、高温及び強酸度のような苛酷且
つ不可逆的な変性工程は包含しない。
上記した試薬の幾つかは強力な変性剤であり他のもの
はより弱い変性剤であること、並びに、勿論これらの濃
度はその強度及び効果に直接影響を与えることが特記さ
れる。「強力」と「弱い」との間の特に正確な境界線は
存在しないが、強力変性条件では、連鎖に沿って親水性
と疎水性との領域を有するアミノ酸配列が生理的条件下
で自発的にとるいかなる立体配座からでもより完全に蛋
白質の「折り畳みが解かれる(unfold)」。屈折蛋白質
を溶解させるのに有用な最も一般的に使用される強力変
性環境は、かなり高い濃度(4〜9M)のイオン性変性
剤、即ちグアニジン塩酸塩である。尿素は最もよく使用
される弱い変性剤の例であって、かなり高濃度(例えば
7M)でも或る種の蛋白質二次構造を保持することがで
き、「天然(native)」立体配座まで再折り畳みするこ
とができる。又、例えばイオン交換技術を同時に使用す
る本発明のこれら局面での使用に有意義な非イオン性の
ものもある。
したがって、「強力変性」溶液という用語は、同様に
溶液中に溶解された蛋白質の「折り畳みを効果的に解
く」溶液を意味する。折り畳みの解除(unfolding)は
比較的広範囲に亘るが、可逆的である。この程度まで折
り畳み解除を行なうのに有効な溶質の例は、通常約4〜
9Mの範囲の比較的高濃度で使用されるグアニジン塩酸塩
及びチオシアン酸ナトリウム並びに0.01〜2%程度の濃
度で供給される洗浄剤である。
「弱い変性溶液」という用語は、蛋白質を、その活性
型で内生的もしくは同種の生理的条件下で操作する際、
又、強力変性溶液中で見られるような「変性(denature
d)」型と適切に折り畳まれた立体配座との間の中間形
態を可溶化させる際に、出現するような空間立体配座に
少なくとも部分的に折り畳み得るような溶液を意味す
る。この種の弱い変性溶液の例は、通常4〜9Mの範囲の
高濃度の尿素、並びに高濃度では強力変性剤である上記
した変性剤の低濃度溶液である。後者の「低濃度」は、
一般に0.5〜約2Mの範囲である。しかしながら、場合に
より、「弱い変性溶液」の機能状態は、例えば0.1Mもし
くはそれ以下の程度の低い緩衝液濃度及び生理的pHのよ
うなかなり標準的な酵素検定(enzyme assay)条件下で
も観察することができる。本発明において使用する「弱
い変性溶液」とは機能的定義であり、何らかの理由によ
り蛋白質が有するいずれの歪んだ立体配座からも、恐ら
くこの溶液に可溶性の中間体を介して、生物学的活性を
示し得る立体配座に再折り畳みし得るような溶液を意味
する。
本発明で使用する特定技術に関し通常使用される略号
及び記述があり、便宜上これらをここに簡単に説明す
る。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー又はゲル
過は、サイズによって分子を分別する一般的に使用され
る精製技術である。これは、しばしば「分子篩(molecu
lar sieve)」とも呼ばれる。適当なゲルの選択によ
り、殆んど全ての範囲のサイズを選択することができ
る。ゲルの孔から排除されるのに十分大きい分子はゲル
を含有するカラムを遅滞なく通過し、それより小さい分
子はカラムによって分画される。
SDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動)は、おおよその分子量と純度とを
測定し得る慣用的に使用される技術である。この技術に
よると、蛋白質調製物は、洗浄剤の存在下還元条件下に
おいて電気泳動にかけられる。特定分子の移動度は、ジ
スルフィド結合の不存在下(還元条件による)で決定さ
れる分子量のみに依存する。従って、調製物中に存在す
る特定蛋白質の量は、蛋白質の分子量に相当する位置に
現れる染色バンドの密度測定(densitometry measureme
nt)によって評価することができる。この技術について
の詳細な説明は、U.K.Laemmli等,Nature,227巻,680(19
70)に見られ、これを参考のためにここに引用する。
「ウエスタン・ブロット(Western Blot)」という用
語は、抗体特異的結合技術を意味し、測定すべき蛋白質
を含有する溶液または懸濁物をニトロセルロースフィル
ターに露呈し、このフィルターを次いで所望蛋白質に対
する標識抗血清で浸漬する。所望蛋白質の存在は、特異
蛋白質との反応による抗体の不溶化に基づくフィルター
上の標識の保持によって確認される。詳細な説明は、H.
Towbin等,Proc.Nat.Acad.Sci.(USA),76巻,4350(197
9)に見られ、これを参考のためここに引用する。
「クロマトグラフ・イオン交換蛋白質精製技術」とい
う用語は、物質をイオン交換カラムとの相互作用に基づ
くクロマトグラフ分離にかける一連の工程を意味する。
しばしば使用されるカラムは、例えばしばしば単にDEAE
と呼ばれ、或いは一般的商品名としてDE−52又はDE−53
と呼ばれるDEAEセルロース又はカルボキシメチルセルロ
ース(CMC)である。適当なpH値において、DEAEを含有
するカラムは陰イオン交換体として作用し、負に帯電し
た粒子がカラムに結合する。カラムからの溶出は、溶出
溶剤の成分を変化させることにより、例えばpH、イオン
強度又は溶液の誘電率を変化させて、或いは温度の調整
によって達成することができる。
「緩衝液交換(buffer exchange)」という用語は、
効果的な「溶媒」、即ち巨大分子の液体環境を変化させ
る技術を意味する。即ち、この意味において、「溶媒」
は、所望の巨大分子が存在する媒体におけるミクロ分子
の溶質(例えば塩)を現実に包含する。この溶質は、実
際所望の巨大分子の溶解度に関係する。例えば、本発明
の方法において、所望の蛋白質は、例えば7Mのグアニジ
ン塩酸塩と交換する適当な緩衝液中の8Mの尿素から成る
溶媒を使用することにより、イオン交換クロマトグラフ
ィーに適するように調製することができ、この溶媒は一
好適具体例において変性剤として使用される。この「緩
衝液交換」を行なうための1つの適する技術は、蛋白質
を含有する7Mのグアニジン塩酸塩溶液を相当多量の尿素
緩衝液に対して透析することである。しかしながら、例
えばゲルパーミエーション及び透析過(diafiltratio
n)のような他の緩衝液交換技術も使用することができ
る。
B.一般的説明 第1図は、活性所望蛋白質を宿主細胞から単離すると
いう問題を解決する一般的方法を示し、ここでこの蛋白
質は屈折体として産生され且つ析出したものである。
C.屈折体の回収 第1図に示したように、屈折体は細胞内に包封されて
いるので、先ずこれら細胞を破砕して屈折体を遊離させ
且つこれらを例えば遠心分離により回収し得るようにす
るのが望ましい。本発明の一面においては、単に、細胞
残骸を十分破砕してこれが低速遠心分離でペレット中に
入って来ないように確保するだけで屈折蛋白質が精製さ
れる。本発明のこの面においては、細胞を0.01〜2M、好
ましくは0.1〜0.2M程度のイオン強度を用いて、pH5〜
9、好ましくは約6〜8の緩衝液に懸濁させる。NaClを
含め、任意の適当な塩を使用して適正なイオン強度レベ
ルを維持することができる。本発明ではこのイオン強度
範囲が適することが判明しているが、許容し得るイオン
強度の正確な限界は明確には理解されておらず、また知
られてもいない。しかしながら、ほぼゼロのイオン強度
を使用するのは明らかに望ましくない。前記の緩衝液に
懸濁させた細胞を、次いで一般的に使用される技術、例
えばマントン−ガウリンプレス(Manton−Gaulin pres
s)、フレンチプレス(French press)もしくは超音波
発信器を使用するような機械的方法或いは例えばリゾチ
ームによる処理のような化学的もしくは酵素的方法によ
って溶菌する。
回転沈降してしまう程のサイズの細胞断片が最少にな
るか又は全然存在しないように細胞を充分に破砕した
ら、この懸濁物を重力(g)の約500〜5000倍、好まし
くは約1000gの低速度で標準的遠心分離機により、容積
に依って適当な時間、通常約10分〜0.5時間に亘って遠
心分離する。得られるペレットはほぼ全部の屈折蛋白質
を含有するが、細胞破砕工程が完全でないと破砕細胞断
片も含有するであろう。破砕が完全かどうか検査するに
は、ペレットを少量の同じ緩衝溶液に再懸濁し且つこの
懸濁物を位相差顕微鏡で検査する。破砕細胞断片が存在
するときは、これら断片に関連する蛋白質を除去するた
め更に超音波処理又はその他の破砕手段が必要とされ
る。このように更に破砕した後、必要に応じ懸濁物を再
び遠心分離し、ペレットを回収し、再懸濁し且つ再検査
する。この過程を、ペレット化物質中に非屈折蛋白質が
存在しないことが視覚検査でわかるようになるまで反復
する。適切な調製物の場合、特定蛋白質に対する条件
は、本発明の方法を実施する際僅か1回の前記懸濁,破
砕及び遠心分離を行なえば充分であると明らかに規定さ
れる。しかしながら、この場合にも数回以上の前記工程
を実施するのが好ましく、特に全部で3回行なうのが好
ましい。何故なら、これにより必要容量の水性緩衝液が
好適に減少し(即ち、ペレットを再懸濁させるのに使用
する量が最初の調製物に使用する容量よりも実質的に少
なくなる)、且つ調製物の品質が視覚検査によって確認
されるからである。
このように調製されたペレット中の蛋白質は、宿主細
胞により産生される特定蛋白質に応じて、調製物が含有
する全蛋白質に対し約40〜90%以上の所望の異種蛋白質
を含有する。
例えば、後記実施例1〜8で用いる特定方法で調製し
た場合、ヒト成長ホルモンについては実際に90%以上の
屈折蛋白質が所望の蛋白質であり(ここに示した方法で
測定)、一方ヒトインターフェロン及びウィルス抗原蛋
白質の場合には約50%のみが所望の蛋白質であった。組
織プラスミノーゲン活性化因子及びウシレンニンについ
ては、その中間量が得られた。この段階において、これ
らの純度は所望蛋白質を幾つかの用途に使用するのに充
分である。
ペレットは変性剤の溶液中に溶解することができ、こ
の得られた溶液はそれ自体活性型の蛋白質を含有したり
しなかったりする。屈折蛋白質を単離するためにこの方
法だけを使用した場合の結果を、後記実施例1〜8に例
示する。この方法は、細菌培養物、特に好ましくはE.co
liで産生される異種蛋白質、更にhGH.bGH,pGH,ヒト繊維
芽細胞インターフェロン(FIF),ヒト免疫インターフ
ェロン(IIF),ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
(tPA),ウシプロレンニン及びFMD外殻蛋白質より成る
群から選択される蛋白質の単離に適用すると最も有利で
ある。ペレット化蛋白質を変性剤中に溶解させ且つ活性
を回収する技術は、本発明の他の局面から借用するが、
この局面については以下に説明する。
D.屈折体の生産向上 第2の局面において、本発明は、外来宿主細胞で発現
され且つ屈折型として不溶化される蛋白質の量を、精製
に先立って増大させる方法に関するものである。後記実
施例に示すように増殖且つ発現する多くの蛋白質の場合
にはほぼ全ての所望蛋白質がこれらの屈折体の形態で得
られるので、このような処理は不必要である。この種の
蛋白質の例は、動物成長ホルモン及び繊維芽細胞インタ
ーフェロンである。しかしながら、ヒト成長ホルモンの
場合、見掛け上E.coliで発現される蛋白質の約50%のみ
が屈折体として得られ、これら向上工程に従わない限り
相当な収量損失が生じるであろう。同様に、免疫インタ
ーフェロンも主として非屈折型で産生され、屈折体に対
する方法を用いてその単離を行なうには、本発明のこの
面に於いて示した方法により向上処理を行なわねばなら
ない。
この方法に於いては、組換細胞の増殖及び収穫におけ
る安全性に関する政府基準にこの種の細胞を合致させ得
るような所望の「殺菌」工程を利用する。多くの殺菌技
術が使用でき、これらは安全性の目的でのみ行なわれて
いたものであるが、上記のような場合には、これらは屈
折蛋白質の量を増大させるという付加的な望ましい効果
をも有する。この局面の本発明の方法において、宿主細
胞は、それらが培養され且つ成育している培地中で、或
いは最初の培地の初期遠心分離又はその他の方法による
細胞の濃縮、細胞ペーストの回収及び水溶液中への再懸
濁により調製された懸濁物中で、死滅させることができ
る。適切な殺菌法は、低濃度の酸の投与及び熱処理であ
り、特に好ましくは少割合の非極性有機溶剤による処理
である。
更に好適な方法に於いては、培地をフェノール0.25%
且つトルエン0.25%とし、室温乃至45℃、好ましくは約
37℃に15分間乃至数時間、特に好ましくは0.5時間イン
キュベートする。或いは、封じ込めの設備が利用できれ
ば、細胞を先ず封じ込めの下で収穫し、例えば0.01〜2
M、好ましくは0.1〜0.2Mのイオン強度、pH5〜9、好ま
しくは6〜8の緩衝液中に再懸濁させる。次いで、懸濁
物を低濃度の有機溶剤、例えばそれぞれ0.25%のフェノ
ール及びトルエンで処理する。
他の具体例においては、上記のような細胞培地又は懸
濁物を約60〜80℃まで約15〜45分間加熱して殺菌を行な
うか或いは例えば約0.5〜1.5のpHにすることもできる。
これらの工程により、まだ充分に沈澱されていない発
現異種蛋白質が更に相当量沈澱する。後記の実施例9
は、この方法が有利である特定の場合を示している。
この局面の本発明の方法は、次いで、活性異種蛋白質
の回収について本明細書中に記載した他の技術と組合わ
せることができる。
E.強力変性溶液中への異種蛋白質の溶解 第3の面において、本発明は、強力変性溶液を用いて
不溶性もしくはペレット化形態から屈折蛋白質を溶解さ
せる方法に関するものである。屈折体としての蛋白質
は、一般に細胞質内と同様な条件下(及び例えば比較的
弱いイオン強度の緩衝液中)では不溶性であるが、かな
り高い濃度、典型的には4〜9Mの濃度の或る種の変性剤
には可溶性であると思われる。本発明の方法において
は、明らかに、強力なしばしばイオン性の変性剤が最も
実用的である。特に好適な変性剤はグアニジン塩である
が、例えばTriton及びSDS並びにチオシアン酸イオンの
ような洗浄剤も有利に使用される。グアニジン塩又はチ
オシアン酸ナトリウムについては4〜9Mの濃度範囲を使
用することができ、6〜8Mが特に好適である。これら洗
浄剤は0.01〜2%の範囲の溶液で使用される。溶液のpH
は、不可逆な変性もしくは蛋白質加水分解が生じないよ
うに、特定蛋白質の特性に合致せねばならない。又、変
性剤の最適濃度は可溶化させるべき蛋白質及び使用する
pHに依存する。
しばしば、可溶化した異種蛋白質をより弱い変性媒体
中に交換しても一旦得られた溶解度が維持されるが、こ
の同じ弱い変性媒体中に初めから溶解するのは実用的で
ない。即ち、熱力学的理由又は動力学的理由のいずれか
により、蛋白質はこれらの比較的弱い条件下では合理的
時間内に溶解しない。
他の成分を溶液へ追加して所望pHレベルを維持するこ
とができ、特定の場合には他の付加的成分、例えばEDTA
のようなキレート化剤が望ましい。実施例1〜8,10及び
11において屈折体としての蛋白質の挙動により示される
ように、強力に変性しない溶液は典型的にはこれらの屈
折蛋白質を溶解しない(宿主細胞蛋白質は溶解される)
が、強力な変性溶液はこれらを溶解する。従って、これ
らの弱い変性緩衝液を、宿主細胞蛋白質を可溶化除去す
るために使用することができる。
この面に於ける本発明の方法に於いては、宿主細胞
を、先ず、多くの宿主細胞蛋白質を可溶化するのに丁度
よいイオン強度、即ち0.01〜2Mのイオン強度、好ましく
は約0.4〜0.6Mのイオン強度且つ約5〜9、好ましくは
約6〜8のpHの媒体中に懸濁させる。勿論正確なpH及び
イオン強度の範囲は示すことができないが、使用し得る
範囲をここに示した。
上記の溶液の存在下で細胞を破砕し、そして懸濁物を
遠心分離してペレットを形成する。このペレットは主と
して屈折型の所望蛋白質を含有しており、上記の強力変
性媒体を使用してこれを可溶化する。可溶化した蛋白質
を次いでその再生を可能にする手段を用いて回収するこ
とができる。
F.高分子量夾雑物の除去 第4の面において、本発明は、可溶化した所望の屈折
蛋白質から高分子量成分を除去する方法に係り、この場
合、変性剤がイオン性である場合にも、分子篩又は高速
遠心分離のいずれかを用いて強力変性溶液から直接に除
去する。この工程は、第1図において「所望蛋白質含有
上清」から最も左の矢印で表わされ、強力変性剤でペレ
ットから抽出した上清を例えばセファクリル(sephacry
l)のようなサイズ分画用のゲルパーミエーション分子
篩(モレキュラーシーブ)のカラムに通すか、或いは高
速遠心分離で高分子量成分を沈降させる。これら分離工
程のいずれも溶液からのイオンの除去を必要とせず、従
って、この抽出物がイオン性である場合にも、ペレット
からの抽出物に対して直接この工程を実施することがで
きる(実施例10及び11参照)。
ゲル過によって高分子量不純物の除去を行なう際、
例えばSephacryl S−300のような分子篩を含有するカ
ラムを適当な緩衝液(好ましくは還元剤を含有する)で
平衡化し、その後異種蛋白質を含有する溶液をカラムに
通す。流過した高分子量の溶液を捨て、次いで異種蛋白
質を更に緩衝液を流して溶出する。溶出した蛋白質は、
例えば280nmにおける光学密度の測定によりモニターす
ることができ、非イオン性溶剤に対する透析により所望
蛋白質の存在を確認し続いてSDS−PAGEによって正確な
分子量の蛋白質を確認することができる。
他の方法においては、蛋白質を25,000〜40,000×g、
好ましくは35,000×gにて10分間乃至3時間に亘り高速
遠心分離(spinning)し、上清を回収して更に精製す
る。
蛋白質に対する一般的な精製法では、最初のクロマト
グラフ工程としてゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーを使用すること、即ち、例えばイオン交換クロマト
グラフィーに先立ってゲルパーミエーションを行なうこ
とは一般的でない。しかしながら、本発明の方法におい
ては、蛋白質は、溶菌及び/又は変性剤抽出工程の直後
に高レベルの純度(ほぼ常に50%以上)を有する。従っ
て、従来の蛋白質単離方法と比較して、所望蛋白質はゲ
ル過工程にかける前に既にかなりの高純度を有する。
従って、この場合通常の欠点、即ちイオン交換に比較し
てゲル過の効力が低いということは問題とならない。
不純物の量が少ないので、少量の特定蛋白質を多量の不
純物から単離する場合とは異なり、全体として高い能力
を必要としない。
必要に応じ更に精製を行なうことも本発明のこの面に
含まれる。溶解用変性剤がイオン性である場合、この種
の追加工程がイオン交換を含むならば、非イオン性変性
剤への交換により溶液の脱塩(desalting)が必要とさ
れる。実際、例えば尿素のような弱い変性溶液を使用す
るのが好ましい。単に、例えば標準型の緩衝液に対する
透析によって変性剤を除去することも原理的にはできる
が、これはしばしば蛋白質の再沈澱をもたらす。合理的
な濃度の変性剤を含有する溶液中に蛋白質を維持すれ
ば、蛋白質の早期沈澱が防止される。これらイオンを除
去し且つ非イオン性物質で交換すると、イオン交換又は
中性吸着担体を含む種々のクロマトグラフ技術を用いて
更に精製することができる。これらのうち有利に選択さ
れるものはDEAEセルロースクロマトグラフィーであっ
て、これは所望蛋白質がカラムに粘着しないで流過液中
に出現するようなpHで行なわれる。即ち、カラムは陰イ
オン性蛋白質不純物を捕獲し、これらを所望蛋白質から
除去する。所望蛋白質を吸着しその後溶出させる逆の方
法と比べ、この方法は簡単であり且つ樹脂の必要量が少
ないという明らかな利点を有する。主として所望蛋白質
が多量に存在するため、少量の夾雑物を吸着するのに充
分な樹脂のみが必要とされる。しかしながら、この面に
おける本発明の方法は特定例のみに限定されず、追加精
製法として各種の分離技術を使用することも可能であ
る。
G.強力変性剤不在下の溶解性の維持 本発明の更に他の面は、後の精製或いは生物学的試験
に先立つ精製の際に、所望蛋白質の強力変性溶液を弱い
変性溶液で交換することによる溶解度の維持に係る。或
る場合には、例えばE.coliで発現されるhGHの場合に
は、再折り畳みを行なうのにこの処理だけで充分である
が、これは必ずしも全ての場合にあてはまらない。更に
或る場合、(例えば後にイオン交換処理をしないよう
な)或る用途については、或る種の蛋白質につき溶解度
を維持するには強力変性溶液の限定希釈だけで充分であ
ろう。しかしながら、強力変性溶液をより弱い変性溶液
で交換する緩衝液交換法は、溶解度を維持すると共に更
に精製し且つ或る場合には生物学的活性を回復(restor
ation)するのに有用である。これは特にイオン性の強
力変性剤の場合に望ましい。何故なら、例えば部分的に
精製された屈折蛋白質を更に精製するには、イオン交換
技術を使用することがしばしば必要であるからである。
イオン性変性剤はイオン交換を妨害するため、屈折蛋白
質を可溶化して得られたままの溶液を直接利用すること
はできない。しかしながら、この変性剤を全部除去する
としばしば所望蛋白質が沈澱してしまう。これらの問題
は、例えばグアニジンのようなイオン性の強力変性剤
を、例えば尿素のようなより弱い非イオン性の変性剤で
緩衝液交換することにより回避することができる。特
に、抽出された形態或いは本発明の他の局面で示すよう
なS−スルホン化型で供給された蛋白質をほぼその天然
状態に再折り畳み且つ(恐らくこれにより)溶解性を維
持するには、尿素を適当な濃度、即ち約1〜9Mで存在さ
せる。
「緩衝液交換」は、緩衝液交換再生工程の前に生成さ
れているかも知れない不適切なジスルフィド結合の還元
を維持するようにβ−メルカプトエタノール又は他の適
当な還元剤の存在下で、或いはS−スルホネートの形態
の蛋白質を用いて行なうことができる。
従って、この面に於ける本発明の方法においては、所
望蛋白質又はそのS−スルホネート形と例えば4〜9Mの
グアニジン塩酸塩とを含有する強力変性溶液を、必要に
応じ適当な濃度の還元剤を含有する尿素もしくはその他
の弱い変性剤の溶液に対し透析又は透析過(diafiltr
ation)して緩衝液交換した後、引続き任意の精製を行
なう。(本発明の他の面で示すように、最初の強力変性
溶液を先ず亜硫酸塩及び温和な酸化剤で処理して亜硫酸
分解(sulfitolysis)を行なった後に弱い変性媒体に対
し緩衝液交換することもできる。この亜硫酸分解法は本
発明のこの面の範囲内には入らない)。いずれにせよ、
弱い変性溶液は生物学的活性蛋白質に対応する形態に一
層近似するように折り畳まれた蛋白質(S−スルホン化
型であってもそうでなくてもよい)を含有し、得られる
溶液を、例えばDEAEセルロースのような陰イオンカラム
又は例えばCMCのような陽イオンカラムでのイオン交換
のような充分な精製技術にかけることができる。いずれ
の場合も、その後の精製法を、常法に従って、単離すべ
き特定蛋白質及び使用すべき特定技術に応じて、適当な
pH及び塩濃度にて行なう。この種の精製法は当業界で周
知であり、その使用は当業者に熟知されている。
H.再折り畳み 本発明の他の3つの面は、(恐らく誤って折り畳まれ
ているために)非活性型になっている所望蛋白質を再賦
活するための代替法を示している。
第1のこの種の局面において、例えばグアニジン塩酸
塩のような強力変性剤に溶解されている屈折蛋白質を、
強力変性溶液中での予備亜硫酸分解と、それに続く、弱
い変性媒体中、少割合の対応ジスルフィド型を含有する
スルフヒドリル化合物の存在下での再折り畳み、スルホ
ネート除去及びジスルフィド形成によって、再賦活化す
る。このジスルフィド型は直接に供給してもよく、或い
は空気を排除する注意をせずにスルフヒドリル化合物を
単独で使用することもできる。こうすると幾分かのジス
ルフィドの存在を確保するのに充分な適当な酸化雰囲気
をもたらす。
典型的には亜硫酸分解を行なうには、例えば4〜9Mの
グアニジン塩酸塩のような強力変性媒体中に可溶化した
屈折蛋白質を、亜硫酸ナトリウムの濃度に関し、約5〜
200mg/ml、好ましくは約15〜30mg/ml、又は対応するモ
ル量の他の亜硫酸塩濃度とし、同時に、反応によって生
ずるスルフヒドリル基からジスルフィドを再生するのに
充分な温和な酸化剤を存在させる。適する酸化剤は例え
ば分子状酸素であって、金属陽イオン又はテトラチオン
酸ナトリウム(好ましくはテトラチオン酸ナトリウム)
による触媒反応を伴う。テトラチオン酸ナトリウムは約
1〜20mg/ml、好ましくは約10mg/mlの量で加えられ、或
いは対応するモル量の他の試薬を使用することもでき
る。次いで、この溶液を15〜35℃、好ましくはほぼ室温
にて4〜24時間、好ましくは1晩静置する。適当な範囲
の濃度及び温度などを記載したが、最も有利である正確
な条件は、勿論亜硫酸分解すべき蛋白質の性質に依存す
る。
更に、「部分的」のみの亜硫酸分解も時には有用であ
る。この場合、ずっと少量の亜硫酸塩及び酸化剤を使用
することができる(例えば、実施例13参照)。前記の量
は単に使用し得る指針であり、広範囲の限界は溶液中の
蛋白質の量及び所望の亜硫酸分解程度を含む種々のパラ
メータにより規定される。
上記の亜硫酸分解反応に於いて、ジスルフィド結合は
切断され、一方のスルフィドが1個のスルホネートで置
換される。この反応のメカニズムはジスルフィド結合を
切断する亜硫酸イオンによる親核性攻撃を含むものと思
われる。いずれにせよ、生ずる結合は蛋白質−S−S
O3、即ち蛋白質−S−スルホネートである。
次いで、得られる蛋白質−S−スルホネート溶液を希
釈或いは緩衝液交換のいずれかにより、例えば尿素のよ
うな弱い変性剤を含有する溶液に対し透析することによ
り、弱い変性溶液中に移す。
イオン交換クロマトグラフィー又はその他の標準的蛋
白質精製技術を用い、蛋白質がまだS−スルホン化型で
あるうちに使用して更に精製し得ることに注目すべきで
ある。
弱い変性媒体により適切な再折り畳みのルートが得ら
れ、この場合蛋白質はもはや不正確なジスルフィド結合
により誤って折り畳まれることはない。尿素を弱い変性
溶液として使用する場合、適当な濃度範囲は1〜9M、好
ましくは6〜8Mである。pHは適当な緩衝液により且つ必
要に応じEDTA又は他のキレート化剤を追加して約5〜
9、好ましくは約6〜8に保たれる。希釈を行なう場
合、適する濃度は最初に用いた強力変性剤の約0.5〜2M
の濃度にするのが適切である。このような弱い変性媒体
に、スルフヒドリル化合物(RSH)及びその対応するジ
スルフィド(RSSR)を含有する系、例えばβ−メルカプ
トエタノール,還元グルタチオン,システアミン又はシ
ステイン及びその対応する酸化型を含有する系、好まし
くは還元型グルタチオン(GSH)及び酸化型グルタチオ
ン(GSSG)を含有する系を添加する。pHを、スルフヒド
リル化合物(RSH)が少なくとも部分的にイオン化型(R
S)となってスルホネートの親核性置換が促進されるよ
うな値に調整する。或いは空気の存在下で還元型のみを
使用することもできる。何故なら、充分な量のジスルフ
ィドがこの環境で生成するからである。典型的には、RS
H対RSSRのモル比は約20:1〜5:1、好ましくは約10:1であ
り、全グルタチオン又は他の試薬の濃度は0.05〜5mMの
範囲である。この混合物を所望蛋白質に応じて、約0〜
37℃で4〜24時間、好ましくは1晩インキュベートす
る。
蛋白質−S−スルホネートを対応するジスルフィドま
で変換し、或いは少なくともスルフヒドリル化合物自身
とのジスルフィド結合を生成するにはスルフヒドリル化
合物だけで充分であるが、適当なジスルフィド結合がそ
のまま完全に維持されるようにするためには酸化型の存
在が必要である。酸化が起こらない条件で純粋なスルフ
ヒドリル化合物を加えると、蛋白質は最終的にジスルフ
ィドとしてではなく、スルフヒドリル型で生成される。
これを防止するには、囲りの緩衝液の酸化電位を、少量
のジスツフィドを直接に供給するか或いは還元型スルフ
ヒドリルが空気酸化され得るように維持する。
恐らく正確なジスルフィド結合により固定され適切に
再び折り畳まれた所望蛋白質を含有する得られた溶液
は、次いで必要に応じ、pH5〜9で必要に応じ少量の還
元型グルタチオン又は約1mM濃度の程度の他のスルフヒ
ドリル化合物を含有する適当な緩衝溶液に対し透析し
て、変性剤を除去することができる。この蛋白質をその
後、変性剤の存在下でも使用し得る場合は、この工程を
必要としない。
上記方法に於いて、蛋白質濃度はかなり低いレベル、
好ましくは1mg/ml未満に保たれる。何故なら、或る場合
(全ての場合ではない)には高濃度だと反応の進行に対
し悪影響があるからである。
更に、亜硫酸分解反応は、尿素もしくは他の弱い変性
剤中、或いは強力変性溶液中で任意に行なうことができ
るが、このことは溶解の際に使用する変性剤濃度が特に
高い場合には有利でさえある。このような場合、弱い変
性剤への緩衝液交換又は希釈は亜硫酸分解反応の後より
はむしろその前に行なう。
異種蛋白質を「再折り畳み」するよう設計した本発明
の他の局面においては、所望蛋白質もしくはペプチドを
スルフヒドリル/ジスルフィド含有緩衝液中に入れて同
じ溶液中で折り畳みの解放及び再折畳みを生ぜしめ、こ
の緩衝液は中間に生じた立体配座の全てが折畳み解放及
び再折畳みの過程で可溶性に維持されるような充分な変
性能力を有する。適する媒体は、例えば1〜9M、好まし
くは約7Mの尿素であり、これは正確な立体配座に近い配
座を与え得るのに充分な弱い変性剤であると思われ且つ
再折畳み鎖の可動性及び中間体の溶解が可能である程充
分に強力である。この具体例は「酸化還元緩衝液におけ
る再折畳み」を特徴とする。還元型(RSH)及び酸化型
(RSSR)の両者のスルフヒドリル化合物、例えばβ−メ
ルカプトエタノール,グルタチオン,システアミン又は
システイン、好ましくはグルタチオンを適当な交換媒体
中に存在させる。
この酸化還元緩衝液再折畳みでは、RSH対RSSRのモル
比は約20:1〜5:1、好ましくは約10:1であり、全試薬濃
度は0.05〜5mMの範囲である。ここでもpHを充分高くし
てRSHの少なくとも一部は確実にイオン化せねばならな
いが、蛋白質を変性させる程高いものであってはならな
い。この混合物を0〜37℃、好ましくは約5℃にて約4
〜24時間、好ましくは1晩培養する。この場合も、上記
したようにスルフヒドリル化合物の酸化型及び還元型の
両者を直接に導入するか、又はスルフヒドリルの空気酸
化によって存在させることができる。所望蛋白質が完全
には還元されないよう、適切な酸化電位を維持するには
両形態を存在させる必要がある。
本発明の他の再折畳み方法の場合と同様に、蛋白質は
溶液のまま例えばゲル過又はイオン交換のような蛋白
質精製用標準技術にかけることができる。例えばDEAEセ
ルロースのようなイオン交換技術を使用するのが特に好
適である。
本発明の更に他の局面において、精製工程の意味で行
なわれる天然型への再折畳み及び再生(回復)は、いず
れの精製工程でもその間ずっと蛋白質を還元型に維持
し、且つ空気の存在下で再酸化して変性剤の最終的除去
の際に適当なジスルフィド結合を形成することによって
行なわれる。この方法では、還元剤は、強力変性剤中の
屈折蛋白質の最初の溶液中に及びその後の全精製工程を
通じて供給される。適する還元剤は、例えばβ−メルカ
プトエタノール,ジチオスレイトール及び還元グルタチ
オン、好ましくはβ−メルカプトエタノールである。工
程の最後に、変性剤のほとんど又は全部を除去するがこ
のとき反応混合物中には還元剤は含まれず、充分な空気
の存在下、今や適切に折畳まれている蛋白質のスルフヒ
ドリル基をジスルフィド結合に再酸化することにより、
適正な天然型を確保する。この工程の使用を後記実施例
10及び11に例示する。
I.標準的多段階法 本発明の他の局面を構成する一般的多段階精製法並び
に従来使用されているものから選択された2つの任意付
加ステップを第2図に略式に示す。
第2図に示すように、この方法は基本的面で、約0.05
〜2.0M、好ましくは0.4〜0.6Mのイオン強度を有する緩
衝液中に細胞ペーストを分散させ、異種蛋白質の沈澱を
完結もしくは維持し且つ宿主蛋白質の大部分を溶解させ
又はその溶解を維持することから成っている。宿主蛋白
質から分離した後、異種蛋白質を還元剤を含有する強力
変性溶液中に溶解させる。この方法は、緩衝液交換によ
り生物学的活性型で異種蛋白質を回収して完結する。ゲ
ル過及びイオン交換ステップ(ステップ3及び4)
は、必要に応じて行なわれる追加精製ステップの好適具
体例であって、個々の場合に応じて行なうことができ
る。
出発物質として使用する細胞物質は、全培養物、又は
例えば細胞ペーストのように変形処理した形態とするこ
ともできる。宿主細胞として特にE.coliを用いた細菌培
養物が好適である。一般に、安全基準として規定された
現行の規制に従って使用される殺菌ステップを経て作成
された細菌ペーストを使用するのが好適である。(本発
明は、殺菌ステップを予め使用するかしないかに拘らず
宿主細胞から蛋白質を回収する場合に適用される)。好
適な手順では、550nmで約30〜50O.D.単位まで増殖した
培養ブロスをフェノール及びトルエン濃度それぞれ約0.
25%とし、次いで約0.5時間静置させる。これにより、
細胞蛋白質を不当に変性することなく細胞を殺菌でき
る。熱及び酸殺菌は有効であるが、あまり好ましくな
い。しかしながら、これらやその他の殺菌法も本発明の
以下の工程と共に使用することができる。次いで本発明
の方法にかける殺菌材料は、全培養物又は遠心分離細胞
のどちらでもよい。しかしながら、容量を最少化すると
いう実用的観点から、遠心分離された細胞ペーストを使
用するのが好適である。この培養物又はペーストを精製
工程に先立って凍結保存することもできるが、これは単
に便宜上である。
初期抽出(第2図のステップ1)を行なうに際し、pH
約4〜10、好ましくは約6〜9に緩衝され且つ約0.05〜
2.0Mのイオン強度、好ましくは約0.4〜0.6Mのイオン強
度のレベルでイオン種を含有する溶液中に、細胞を充分
に分散させる。任意の適当な緩衝系を使用することがで
きる。イオン強度は、緩衝用に使用される物質(種)を
含め任意の塩により与えられるが、経済的理由で好まし
くは塩化ナトリウムである。更に、緩衝液はキレート化
剤、例えばEDTA及び還元剤例えば2−メルカプトエタノ
ール(BME)を含有することが望ましい。
上記ステップを行なう際、均一な懸濁物を得ることが
極めて望ましい。細胞ペーストを使用する場合、機械的
分散が好適である。この目的には分散器が市販されてお
り、好適なものはDispax(Tekmar Inc.)Model SD45で
ある。しかしながら、ブロス培養物を使用する場合、機
械的分散は不必要である。
沈澱した(屈折)異種蛋白質は一般に細胞内に含有さ
れるので、ステップ1で得られる細胞懸濁物を細胞の一
体性を事実上破壊する種類のホモゲナイザー又はプレス
を用いてホモゲナイズする必要もある。例えばFrench p
ress,ビードミル(bead mill)又は超音波処理のような
多数の装置もしくは技術を使用し得るが、Manton Gauli
n type15Mホモゲナイザーが好適である。細胞を上記し
たように緩衝液中に分散させ且つホモゲナイズした後、
不溶性物質を好ましくは遠心分離によって可溶性蛋白質
から分離し、上清を除去する。この上清は主として宿主
蛋白質を含有しており捨てる。
好適手順においては、ペレットを同じ緩衝液に再分散
して洗浄し、更にペレット中に存在する宿主物質を不溶
性蛋白質から除去する。この洗浄は、ペレットを新鮮な
同じ緩衝液で処理し、再分散させ且つ洗浄ペレットを遠
心分離する標準的方法で行なわれる。
次いで、ペレットをステップ2に示したように抽出し
て所望の異種蛋白質を回収する。ペレットをステップ1
に記載したのと同様な方法で処理して強力変性溶液中に
分散させる。好ましくはこのステップで使用される溶液
は、例えばグアニジン塩のような強力変性剤1〜9M、特
に好ましくは6〜8M、約4〜10好ましくは約6〜9、特
に好ましくは約7のpHを与えるのに充分な燐酸塩又はそ
の他の適当な緩衝剤、好ましくは更に少量の例えばEDTA
のようなキレート化剤を含有する。全てのジスルフィド
結合を遊離のスルフヒドリル基へ確実に交換するには、
例えばβ−メルカプトエタノールのような還元剤を存在
させることが必要である。勿論、他の変性剤を使用する
こともできる。分散させるには、ペレットを変性溶液と
共に24時間まで、好ましくは1晩攪拌する。
次いで、懸濁物を遠心分離し、そして溶解せずに沈澱
した宿主蛋白質及び残骸を含有するペレットを捨てる。
時には、この点までの精製で充分であり、得られた蛋
白質を希釈又は緩衝液交換により変性剤の効果を単に弱
めた後に使用することができる。この場合、ステップ3
及び4は省略することができ、ステップ5を下記するよ
うに直接に行なうことができる。
次いで、ステップ5において、変性剤を適当な溶媒で
交換することにより、所望蛋白質を生物学的活性型で回
収する。或る種の蛋白質については、元の変性剤を希釈
してその濃度を低くすれば充分である。他の蛋白質につ
いては、例えば尿素のようなカオトロピック性のより低
い他の変性剤に緩衝液交換することが必要である。回収
の最終ステップは還元剤の不存在下で行なわれ、より弱
い変性剤中で蛋白質の折畳みを解かせる際に、ジスルフ
ィド結合を再生することができる。
しかしながら、更に精製が望まれる場合、必要に応
じ、その後のステップを還元剤の存在下で行なって、再
生前に純度を増大させることができる。このステップは
種々多数のこの種のステップから選択することができ
る。これらのうち好適な例は次の通りである。
この種の第1の好適ステップ(ステップ3)において
は、変性剤と還元剤と所望蛋白質とを含有する溶液をゲ
ル過工程によるサイズ分画クロマトグラフにかける。
このサイズ依存性のため、適するゲルの孔径(pore siz
e)の選択は精製すべき蛋白質の性質に依存する。口蹄
疫病(FMD)蛋白質について、適当な物質は例えばSepha
cryl S−300(Pharmacia社)である。
ゲル過ステップは、所望蛋白質を可溶化させるため
に使用した高濃度のイオン性変性剤の存在下で行なうこ
とができる。しかしながら、例えばステップ4に例示す
るようなイオン交換クロマトグラフステップは不可能で
あることが明らかである。従って、イオン交換に基づく
精製が更に望ましい場合、イオン例えばグアニジンを含
有するならば変性溶液自身、或いはゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにかけてもこれらを含有するなら
ば溶出液を、先ずイオン除去にかけねばならない。これ
は、異種蛋白質の溶解を維持するために、例えば約8Mの
尿素のような高濃度の中性変性剤を用いて、好ましくは
還元剤を含有するアルカリ性緩衝液に対して透析して行
なうことができる。
脱塩を行なった後、透析液中に残留する物質を例えば
DEAEセルロースのような適当なイオン交換カラムクロマ
トグラフィーにかける。好ましくは、これらの条件は所
望蛋白質がカラム中のボイド(空間)容積を流過し得る
ように選択される。これは、樹脂上への吸着により除去
されるのは、精製工程のこの段階で所望生成物である多
量の蛋白質でなく、微量の不純物である場合、少量のイ
オン交換樹脂しか必要とされないので有利である。
精製された蛋白質(及び中性)変性剤を含有する流過
液は、適当な場合にはそのまま使用することができ、或
いはより稀薄な溶液に対し透析して変性剤を除去するこ
ともできる。或る場合には、蛋白質の沈澱を防止するた
め、最終的に水又は緩衝液まで緩衝液交換する前に、低
濃度の尿素まで予備的に緩衝液交換することが必要であ
ると判明した。全ステップを最後まで行なう間、還元剤
を存在させねばならない。適する還元剤は上記したもの
であり、その使用割合は本発明の上記局面に関連して上
記した通りである。
得られる溶液は、通常所望蛋白質に関し95〜99%程度
の純度である。典型的には少なくとも50%〜98%までの
程度の異種蛋白質が回収される。
上記方法は、特にhGH,pGH,bGH,ウシインターフェロ
ン,tPA及びFMDウィルス外殻蛋白質に対して有利に使用
することができる。
J.実施例 以下の実施例により本発明を説明するが、これらのみ
に限定されない。
実施例1〜8は、宿主細胞蛋白質の可溶化及び低速遠
心分離による屈折体の回収から成る本発明の局面に関す
るものである。
実施例9は、「殺菌」工程を用いる屈折体回収の向上
を示すものである。
実施例10及び11は、予備的溶菌及び細胞蛋白質の除去
と得られる屈折蛋白質及び不可避の或る種の夾雑物に強
力変性剤中への可溶化とを組合せた多段階法と、それに
続くゲル過又は高速遠心分離及び活性蛋白質の回収を
主要工程として含む任意の精製工程とからなる本発明の
局面に関するものである。これらの実施例は更に、蛋白
質を還元剤の存在下で再折畳みした後のジスルフィド生
成剤としての空気の使用、屈折体を溶解させるための強
力変性溶液である溶剤の能力及び弱い変性剤への交換に
よる溶解性の維持を示す本発明の局面にも関するもので
もある。
実施例12,13及び15は、亜硫酸分解に続く酸化還元緩
衝液での処理による少なくとも部分的に不活性な蛋白質
の再折り畳みを示し、実施例14は「酸化還元緩衝液再折
畳み」工程を示している。
実施例16は、特に強力変性溶液中への溶解に続く、弱
い変性剤への緩衝液交換の効果を示している。
これら実施例に示した全ての文献を参考のためここに
引用し包含する。
全ての実施例は、本発明の方法により精製された特定
の異種蛋白質に関するものである。勿論、精製の詳細は
使用する特定蛋白質に応じて変化する。本発明の方法は
全ての場合に同様であるが、例えば所望蛋白質を可溶化
させる変性剤の選択、適当なサイズのゲル又はイオン交
換樹脂の選択並びに各工程において適するイオン強度及
びpH条件のような詳細は、蛋白質の性質に依存する。し
かしながら、これら屈折蛋白質は、僅かの改変でこの方
法を特定蛋白質に適合させるのに充分な共通の性質を有
する。
実施例1 異種蛋白質の産生及び単離方法 A.細胞増殖 E.coli trpプロモーター−オペレーター制御下の異種
遺伝子を担持する組換プラスミドpBR322によって形質転
換されたE.coliK12細胞を、10g/の酵母抽出物と5g/
のトリプトンとを含有するブロス中で約2〜4×108
胞/mlの細胞濃度まで増殖させた。この培養物の3〜5
容量%をM9培地(J.H.Millar,Experiments in Molecula
r Genetics,pp.431,Cold Spring Harbor Laboratory,19
72)又は40〜120mg/のトリプトファンを含有する同様
な無機塩培地に接種した。培養物を1回の細胞分裂当り
60〜90分の増殖速度を達成するのに充分な攪拌及び通気
によって、ベンチ発酵装置(bench fermenter)で増殖
させた。グルコースを培養物に供給して増殖を維持した
が、発酵中50g/を超えないようにした。培養物のpHを
NaOH又はNH4OHにより6.8〜.2に調節した。乾燥重量で5
〜10g/の細胞濃度にて、インドールアクリル酸(IA
A)又はインドールプロピオン酸(IPA)を培養物へ25〜
50mg/の濃度で加えた。IAA又はIPAを加えてから2〜
5時間後、E.coli細胞は細長くなり、細胞1個当り1個
もしくはそれ以上の屈折体を1000倍の倍率の位相差顕微
鏡で見ることができた。
B.異種蛋白質の単離 連続遠心分離により培養物を収穫し、細胞ペーストを
−10〜−20℃で凍結させた。(収穫前に、必要に応じ、
細胞を0.25%のフェノールと0.25%のトルエンとを培地
へ加え且つ37℃で0.5時間インキュベートすることによ
り殺菌することができる(実施例9参照))。新たに収
穫又は凍結した細胞ペーストを10mMのTrisと1mMのEDTA
とを含有するpH7.4の緩衝液中に細胞ペースト1g当り10
〜40ml緩衝液の比率で再懸濁させ、そして細胞を超音波
処理又は高温下でのホモゲナイズによって破砕した。
位相差顕微鏡で細胞残骸にまじって屈折粒子が見られ
た。第3図は、1982年4月15日付出願の米国特許出願第
368,773号(欧州特許出願公開第92182号)明細書に記載
されたウロキナーゼ(UK)を含有する融合蛋白質を発現
するプラスミドpUK33 trpLE2で形質転換されたE.coliK1
2菌株3110(ATCC27325)に対する懸濁物を示している。
屈折体は、細胞外被内で明るい斑点として現われた。こ
の懸濁物を1000×gでの遠心分離(Sorvall SS−34,3,0
00r.p.m.)に3〜10分間かけた。遠心分離後、上清を捨
て、ペレットを最初の容量の1/5の同じ緩衝液に再懸濁
させた。この懸濁物を位相差顕微鏡下で検査し、完全な
細胞又は目に見える細胞断片が残存する場合は再懸濁ペ
レットの視覚検査で屈折粒子のみが見えるようになるま
で上記工程を反復した。第4図は、第3図のUK蛋白質に
対する再懸濁ペレットを示している。調製物は殆んど屈
折性であり、幾分かの細胞及び細胞断片が含まれること
が判る。細胞又は細胞断片が存在する場合は、懸濁物を
破砕工程に再びかける。屈折粒子の単離は、典型的には
3〜4サイクル後に行なった。次いで、屈折粒子調製物
をペレットとして凍結保存するか、或いは懸濁物として
保存することができるが、これは95%程度の屈折蛋白質
を含んでいた。
同定するため、屈折粒子調製物をSDS−PAGE,Western
blot法及び/又は放射免疫検査法(RIA)にかけた。第
5図はpGH,狂状病及びウロキナーゼについて得られる精
製結果を要約している。狂犬病及びpGHはペレット中に
単一の蛋白質バンドを生ずると思われるが、ウロキナー
ゼはその幾つかの同族型(allotropic forms)のためよ
り複雑である。
実施例2 ヒト成長ホルモン 米国特許第4,342,832号公報に記載されたようなヒト
成長ホルモン遺伝子を担持する組換DNAE.coliK12細胞
(菌株W3110/p107)を、実施例1に記載した方法により
ファーメンターで増殖させ、収穫し、屈折粒子を単離し
た。
これら粒子は、2−メルカプトエタノールSDS−PAGE
において22,000ダルトンの標準分子量に相当する蛋白質
バンドを示した。ゲルの濃度計走査(densitometer sca
n)によると、この蛋白質の量が屈折粒子調製物中の全
蛋白質の90%以上であり、ヒト成長ホルモンとしてのこ
の蛋白質はWestern blotで同定した。屈折粒子の収量
は、湿潤細胞ペースト1g当り約10〜20mgであった。
第6A図は、最初の遠心分離で得られたペレット懸濁物
中のhGH含有屈折体を示している。
第6B図は、この調製物から得られた酸により殺菌され
た細胞及び殺菌されない細胞についてSDS−PAGEの結果
を示している。殺菌された細胞からのペレットにおける
hGHに相当するバンドは増大されている。
実施例3 ウシ成長ホルモン(bGH) 1981年9月18日付で出願された米国特許出願第303,68
7号(欧州特許出願公開第75444号及び英国特許出願公開
第2106119号)明細書に記載されたようなウシ成長ホル
モン遺伝子を担持する組換DNAE.coliK12(菌株W3110/pB
GH−1)を、実施例1に記載したと同様にファーメンタ
ーで増殖させて収穫した(細胞を収穫前にファーメンタ
ーで0.25%のフェノールと0.25%のトルエンとで処理し
た)。屈折粒子を単離したが、これらはSDS−PAGEにお
いて22,000ダルトンの分子量の標準に相当する単一の蛋
白質バンドを示した。ゲルの濃度計走査により、このバ
ンドが粒子中の全蛋白質の90%以上であることが示され
た。この粒子を7Mのグアニジンに溶解させ且つ7Mの尿素
中に透析した後、bGHの存在を放射免疫検定法(RIA)に
より証明した。屈折粒子の収量は、湿潤細胞ペースト1g
当り約20mgであった。
実施例4 ブタ成長ホルモン(pGH) 1982年11月8日付で出願された米国徳子出願第439,97
7号(欧州特許出願公開第111389号)明細書に記載され
たようなブタ成長ホルモン遺伝子を担持する組換DNAE.c
oliK12(菌株W3110/pGH−exl)を、実施例1に記載した
と同様にファーメンターで増殖させ、収穫した(細胞を
収穫する前に発酵装置中で0.25%のフェノールと0.25%
のトルエンとで処理した)。屈折粒子を単離したが、こ
れらは22,000ダルトンの分子量の標準に相当するSDS−P
AGEにおいて単一の蛋白質バンドを示した。ゲルの濃度
計走査により、このバンドがゲル上に負荷された全蛋白
質の90%以上であることが示された。これら粒子を7Mの
グアニジンに溶解させ且つ7Mの尿素で透析した後、pGH
の存在を放射免疫検定法(RIA)で証明した。屈折粒子
の収量は、湿潤細胞ペースト1g当り約20mgであった。第
7A図は緩衝液中に懸濁された細胞ペースト中のpGHを含
有する屈折体の純度及び濃度を示し、第7B図は超音波処
理後のペーストを示し、第7C図は低速遠心分離の後のペ
ーストを示している。
実施例5 ヒト繊維芽細胞インターフェロン(FIF) M.Shepard等、DNA,第1巻,第125頁(1982)に記載
されたようなヒト繊維芽細胞インターフェロン遺伝子を
有する組換DNAE.coliK12(菌株W3110/pFIF347)を、実
施例1に記載した方法によりファーメンターで増殖さ
せ、収穫し、屈折粒子を単離した。得られた屈折粒子調
製物の2−メルカプトエタノールSDS−PAGEは17,000ダ
ルトンの分子量に相当する主バンドを示し、これは屈折
粒子調製物中の全蛋白質の50%を示した。Western blot
により、屈折蛋白質が純粋なヒト繊維芽細胞インターフ
ェロンに対する抗体に特異的に反応することが示され
た。屈折粒子の収量は、湿潤細胞ペースト1g当り約10〜
20mgであった。
実施例6 ヒト免疫インターフェロン(IIF) 1981年10月19日付で出願された米国特許出願第312,48
9号(欧州特許出願公開第77670号及び英国特許出願公開
第2107718号)明細書に記載されたようなヒト免疫イン
ターフェロン遺伝子を有する組換DNA E.coliK12(菌株
W3110/pIFN−γ trp48)を、実施例1に記載した方法で
ファーメンターで増殖させ、収穫し、屈折粒子を単離し
た。得られた屈折粒子調製物の2−メルカプトエタノー
ルSDS−PAGEにより、17,000ダルトンの分子量に相当す
る主バンドが示され、これは屈折粒子調製物中の全蛋白
質の50%を示した。Western blotにより、屈折蛋白質が
純粋なヒト免疫インターフェロンに対する抗体に特異的
に反応することが示された。屈折粒子の収量は、潤滑細
胞ペースト1g当り約10〜20mgであった。
実施例7 組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA) 1982年7月14日付で出願された米国特許出願第398,00
3号(欧州特許出願公開第93619号及び英国特許出願公開
第2119804号)明細書に記載されたようなヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子遺伝子を有する組換DNAE.coliK
12(菌株W3110/pEPAtrp12)を、実施例1に記載した方
法に従ってファーメンターで増殖させ、細胞を収穫し、
屈折粒子を細胞ペーストから単離した。
2−メルカプトエタノールSDS−PAGEの濃度測定及びW
estern blotによって測定すると、屈折粒子調製物中に
存在する蛋白質の80〜90%がTPAであった。TPA屈折粒子
の収量は、湿潤細胞ペースト1g当り約10〜20mgであっ
た。
実施例8 FMD外殻蛋白質 1982年5月4日付で出願された米国特許出願第374,85
5号(欧州特許出願公開第68693号及び英国特許出願公開
第2103622号)明細書に記載されたような口蹄疫ウィル
ス抗原を有する組換DNAE.coliK12の種々の菌株(W3110/
pFMG[01],W3110/pFMB[A24],W3110/FMD[C3],W3110
/FMC[A27])を、実施例1に記載した方法で増殖さ
せ、収穫し、屈折粒子を単離した。
それぞれの場合、2−メルカプトエタノールSDS−PAG
Eの濃度測定及びWestern blotで測定すると、屈折粒子
調製物中に存在する蛋白質の約50%は、クローン化FMD
外殻蛋白質遺伝子産生物であった。
実施例9 細胞殺菌工程による屈折蛋白質の増加 細胞質中のヒト成長ホルモン(hGH)の量対屈折体中
のhGHの量の比を、殺菌された細胞と未殺菌の細胞とに
つき比較試験して決定した。hGHを発現し得るE.coliK12
細胞(菌株W3110/p107,実施例2参照)を、実施例1Aに
記載したように増殖させ、遠心分離により収穫した。遠
心分離する前に、培地を2つに分け、一方を0.25%のフ
ェノールと0.25%のトルエンとで処理し、37℃にて4時
間インキュベートした。殺菌処理した細胞を「PT」細胞
と名付け、殺菌しないものを「NPT」細胞と呼ぶ。
A.SDSによる全細胞蛋白質の抽出 PT及びNPT細胞の等量の試料を10mMのEDTAを含有する5
0mMTris5mlと20%SDS250μとから成る溶液中での超音
波処理により細胞試料のそれぞれを破砕するという同一
の処理にかけた。これら懸濁物を0.5分間ボルテックス
にかけ、次いで遠心分離した。上清を放射免疫検定法
(RIA)及びSDS−PAGEによりhGHにつき検定した。PT及
びNPT細胞の両者はRIA法においてほぼ同一の活性を示
し、特にそれぞれ1mlあたり8.3×106及び8.7×106単位
であった。恐らく、SDS抽出法によれば、最初に可溶性
のヒト成長ホルモンを最初に不溶性であるヒト成長ホル
モンも回収できると思われる。得られたSDS−PAGEの結
果を第8図に示し、更に次の項に説明するように処理し
た試料について行なったSDS−PAGEの結果をも第8図に
示す。
B.実験的抽出物 PT及びNPT細胞の更に2つの当量の試料を、10mMのEDT
Aを含有する50mMTris5ml中へ夫々抽出し、0.5分間ボル
テックス処理して同様に処理した。次いで、これら懸濁
物を約10,000×gにて10分間、即ち低速回転で遠心分離
(low speed spin,LSS)し、上清及びペレットを別々に
分析した。恐らく、ペレット蛋白質はSDSの不存在下で
不溶性である。NPT細胞は上清中で1ml当り4.6×106単位
のレベルの活性を示した(SDS抽出物のそれの約1/2)
が、ペレット中では著しく低下した活性を示した(1ml
当り0.42×104単位)。他方、PT細胞はSDS抽出物に比較
して、上清中ではhGHの活性が著しく減少し(RIAで測定
して1ml当り0.26×104単位)、更にペレットの可溶化を
行なった際ペレット中の活性が低かった。試料を同様に
処理し且つ高速遠心分離(higher speed centrifugatio
n,HSS)即ち35,000×gにて30分間処理した場合にも同
様な結果が得られた。
C.結果の比較 第8図は、SDS−PAGEを用いた結果を要約している。S
DS抽出した細胞は、勿論、hGHに相当するバンドにおい
て同等な強度を示した。NPT細胞は、高速遠心分離及び
低速遠心分離の両者につき上清とペレットとの両者にお
いてhGHに相当する相当量のバンドを示した。他方、PT
細胞は、上清におけるhGHの量の低速及び高速処理の両
者において低下を示したが、ペレットにおいては増加を
示した。
実施例10 FMDウィルスのカプシド蛋白質多段階工程 FMDウィルスA24型をコードする遺伝子を有するE.coli
K12(菌株W3110/pFMB[A24],1982年5月4日付で出願
された米国特許出願第374,855号(欧州特許出願公開第6
8693号及び英国特許出願公開第2103622号)明細書に記
載)を、550nmで約30〜50O.D.単位に相当する細胞密度
まで増殖させ、或いはM9もしくは同様な塩培地+約40〜
120mg/のトリプトファンと約5%W/V以下のグルコー
スとの培地における全ブロス1当り湿潤細胞ペースト
40gとなるまで増殖させた。[Ex−periments in Molecu
lar Genetics,J.H.Miller,Cold Spring Harbor Laborat
ory,N.Y.(1972)参照]。培養物(10)を少なくとも
0.5時間それぞれ0.25%のフェノール及びトルエンで処
理し、次いで遠心分離した。細胞ペーストを蛋白質精製
の前に保存に便利なように凍結した。この実施例で行な
った精製を第9図に示す。
使用直前に細胞ペーストを冷凍機中で解凍した。解凍
したペースト500gを5の緩衝液A(燐酸塩50mM,EDTA5
mM,NaCl500mM,β−メルカプトエタノール(BME)15mM,p
H7)に分散させた。G−450ジェネレータを備えたTekma
r Dispax model SD−45(全速力で3分間)を使用して
均一懸濁物を得た。
次いで、この懸濁物を6,000psiで操作するManton Gau
linホモゲナイザー(Type15M)に2回通過させ、そのサ
イクルの間冷却しながらホモゲナイズし、ホモゲナイズ
した均一物をBeckmanRC3で5,000r.p.m.,4℃で30分間遠
心分離した。SDS−PAGEにより、上清が未遠心分離のMan
ton Gaulinホモゲナイズ物とほぼ同じ蛋白質混合物を含
有することが示されたが、FMD蛋白質に相当するバンド
は著しく低下していた。
ペレットは最初の細胞ペースト物の約1/2を含有し
た。上清をデカントして捨てた。ペレットを新鮮な緩衝
液A(2/200gペレット)中Dispax SD−45を用いて分
散させることにより洗浄し、懸濁物を再びRC3により5,0
00r.p.m.4℃で30分間遠心分離した。上清をデカントし
捨てた。ペレット(137g)は、SDS−PAGEにおいてFMD蛋
白質に相当するバンドの増大を示し、これはペレット中
の蛋白質の約50%を示した。
次いでペレットを、Dispax SD−45を用いて、1の
緩衝液B(燐酸塩50mM,EDTA1mM,BME15mMグアニジン塩酸
塩(GuHCl)7M,pH7.0)中に懸濁させることによりFMD蛋
白質を抽出した。この懸濁物を1晩攪拌し、SorvallSS
−34ロータにおいて19,000r.p.m.にて4℃で3時間遠心
分離することにより清燈させた。
ペレットを捨て、FMD蛋白質溶液をSephacryl S−300
(Pharmacia)クロマトグラフにかけた。先ずゲルを緩
衝液Bで平衡化させ、これを5×50cmのカラムに充填し
た。ボイド空隙画分(最初は270ml)は、カラムに加え
た溶液が濁っていないにも拘らず濁っていた。FMD蛋白
質を含有する画分は450〜650mlであり透明であった。FM
D蛋白質含量はカラム画分の1部を8Mの尿素に対し透析
しSDS−PAGEにより分析して測定した(グアニジンはSDS
により沈澱し、除去せねばならない)。
FMD蛋白質を含有する画分をプールし、20倍過剰の緩
衝液C(Tris14mM,BME15mM,尿素8M,pH8.3)を4回取替
えて4℃で透析した(GuHClの代りに8Mの尿素を使用し
てFMD蛋白質を溶液中に保った)。
滞留物の1部をNaOHにてpH10とし、NaOHによりpH10に
調整された緩衝液Cにより平衡化したDE52カラム(1.0c
m×19cm)に通した。FMD蛋白質は樹脂により保持されな
かったが、E.coli夾雑物の大部分は吸着された。流過容
量中の蛋白質はSDS−PAGEにより測定して96%のFMD蛋白
質であり、これは使用した細胞ペースト1kg当り30gの収
量、即ち約90%を示した。活性物質の投与の際尿素が存
在してもよい場合、この物質を最終生成物として使用す
ることができる。
この製造においては、FMD蛋白質の沈澱を行なわず
に、4mg/mlの蛋白質を用いて、250倍容量の過剰の尿素1
M,Tris14mM、BME0.1%,pH7に対し4℃で透析し、次いで
滞留物を水に対し透析して、尿素を除去した。僅かの濁
りが生じ、これを遠心分離により除去した。水又は緩衝
液中のFMD蛋白質の沈澱は、尿素濃度を徐々に減少する
ことで実際上防止された。得られたFMD蛋白質は、FMD抗
血清との反応性、Western blot及び免疫反応に基づくウ
シのin vivo分析により、生物学的に活性であることが
示された。
実施例11 ブタ成長ホルモン(pGH)の精製多段階法 E.coliK12(W3110/pPGH−ex1.実施例4)を実施例1
と同様に550nmにて30〜50O.D.単位まで増殖させ、即ち
1当り湿潤細胞ペースト40gとした。この培養物をフ
ェノールとトルエンとの両者につき0.25%にし0.5時間
維持した。次いで、このブロスを遠心分離し、細胞ペー
ストを凍結保存した。
使用直前に細胞ペースト384gを冷蔵機中で解凍し、3.
9の冷緩衝液A(燐酸塩50mM,EDTA5mM,NaCl500mM,pH
7)中に分散させたG−450ジェネレータを備えたTekmar
Dispax model SD−45(設定値60にて3分間)を用いて
均一懸濁物を得、この懸濁物を6,500psiにて走査するMa
nton Gaulinホモゲナイザー(Type15M)を2回通過さ
せ、そのサイクルの間冷却しながらホモゲナイズした。
このホモゲナイズ物(4.3)をSorvall RC3中で5,00
0r.p.m.,4℃で35分間遠心分離した。上清をデカントし
たところ、SDS−PAGEによると、遠心分離前のホモゲナ
イズ物とほぼ同じ蛋白質の混合物を含有することが示さ
れたが、pGHに相当するバンドは著しく減少していた。
上清を捨て、ペレットを新たな緩衝液A(1.5/150g
ペレット)中にGispax SDS−45を用いて分散させた。こ
の懸濁物を再びRC3により5,000r.p.m.で4℃にて35分間
遠心分離した。上清をデカントし捨てた。
ペレット(106g)を、0.750の緩衝液B(Tris50mM,
EDTA1mM,BME100mM,グアニジン塩酸塩7M,pH8.8)中に、D
ispax SD−45を用いて溶解させ、次いで1晩攪拌した。
この濁った溶液をSorvallSS−34ロータにおいて19,000
r.p.m.で4℃にて6.0時間遠心分離することにより清澄
させ、ペレットを捨てた。
690mlの上清(全容量740ml)を室温で10×85cmのSeph
acrylS−300(Pharmacia)カラムにおいて2つの部分
(350ml及び345ml)につきクロマトグラフにかけた。カ
ラムをグアニジン塩酸塩7M,Tris50mM,EDTA1mM,BME50mM
(pH8.9)で平衡化してから使用した。カラム画分の一
部を尿素8M,BME0.1%,Tris25mM(pH7)に対して透析
し、SDS−PAGEにより分析してpGHの存在を確認した。
pGH含有画分をプールし、約20倍過剰のTris塩酸塩15m
M,BME50mM,尿素7M(pH9.0)を4回取替えて4℃で透析
した。滞留物(3,900ml)をHClにてpH7.0となし、これ
をTris15mM,尿素7.5M,BME50mM(pH7.0)で平衡化された
DE52カラム(10cm×11.5cm)に室温で通した。このカラ
ムをカラム容量の平衡化緩衝液で洗浄してpGHを洗い出
した。
DE52プール(4,000ml)をNaOHでpH10まで滴定し、ス
ペクトレーバ(Spectrapor)1中でTris25mM,マンニト
ール1%(pH10)をそれぞれ100ずつ3回取替えて4
℃で透析した。滞留物をプールし、透析液により10.4
まで希釈し、無菌過し、凍結乾燥した。pGHの純度98
%である生物学的に活性な蛋白質(Western blotによ
る)10gが得られた。
実施例12 亜硫酸分解を用いるプロレニンの再折畳み E.coliK12(係属中の本出願人の米国特許出願Docket
number 100/130(欧州特許出願公開第114507号及び第11
6778号(特開昭59−156285号及び59−162879号))に記
載されたプロレンニンをコードする遺伝子を担持する菌
株W3110/pRIAX)からの細胞ペースト432gを、50mMTris
塩酸塩及び5mMのEDTA(pH7.5)より成る緩衝液3中に
懸濁させた。この懸濁物をManton Gaulin pressにより
6,000psiで4回通過させて細胞破砕にかけた。破壊され
た懸濁物を次いで4000×gにて30分間遠心分離し、上清
を除去して捨てた。ペレットを最初の懸濁物に使用した
と同じ緩衝液2中に再懸濁させ、再び4000×gにて30
分間遠心分離した。上清を再び捨て、ペレットをTris50
mMを含有するpH8のグアニジン塩酸塩6Mに溶解させた。
次いで、可溶化した屈折蛋白質を、グアニジン溶液を亜
硫酸ナトリウム20mg/ml且つテトラチオン酸ナトリウム1
0mg/mlとすることによりスルホン化し、その際これらの
成分は新たに調製した透明な貯蔵溶液の一部を加えた。
スルホン化を室温にて、4時間進行させた。
次いで、この溶液をTris50mM塩酸塩を含有するpH7.5
の5M尿素中に5時間透析過した。透析過された溶液
を、次いで予め同じ「結合(binding)」緩衝溶液(尿
素5M,Tris50mM塩酸塩,pH7.5)にて洗浄した10×35cmのD
E52カラム上に入れた。この溶液を毎時750mlで加え、結
合用緩衝液で1晩洗浄した。
次いで、DE52カラムをNaCl0〜0.15M勾配を用いて毎時
1の流速で16時間に亘って溶出させた。大部分の蛋白
質がnaCl0.070Mで溶出した。プロレンニンを含有する画
分を再び尿素5M,Tris塩酸塩50mM(pH8.5)に対し透析
過し、この溶液をGSH1mM且つGSSG0.1mMとなし、室温1
晩インキュベートした。尿素を除去するための付加的な
透析過を、GSHを0.1mM含有するTris50mM(pH8.0)に
対して行なった。得られた溶液は変性剤を含有せず、5.
5gの蛋白質を含有し、即ち全収率は約1%であった。こ
の蛋白質は、プロレニン抗血清に対する反応及び標準凝
乳分析(standard milk clotting assay)における活性
(自触媒活性化後)により測定すると生物学的活性を示
した。
実施例13 部分亜硫酸分解による活性ウロキナーゼの製
造 ウロキナーゼ含有の屈折体を、1982年4月15日付で出
願された米国特許出願第368,773号(欧州特許出願公開
第92182号)に記載されたようなE.coliK12(菌株W3110/
pUK33 trpLEL)から、実施例1に記載した方法により単
離した。この屈折体を、50mMTrisを含有するpH8.0の5M
グアニジン塩酸塩に溶解させた。この溶液を、亜硫酸ナ
トリウム0.2mg/ml且つテトラチオン酸ナトリウム0.1mg/
mlとし、室温で1晩インキュベートした。
次いで、この溶液をTris緩衝液50mM,pH9.0にてグアニ
ジンHCl1.5Mのレベルまで希釈し且つGSH10mM対GSSG1mM
とした。溶解した蛋白質を含有する希釈グアニジン溶液
を再び室温にて1晩インキュベートし、水溶液に対し透
析した。屈折体はウロキナーゼに対する標準生物検定に
おいて0.25PU/mgの活性を示したのに対し、上記で示し
た手順で得られるウロキナーゼは150PU/mgの活性を示し
た。
実施例14 酸化還元緩衝液再折畳みによるウロキナーゼ
の再賦活 実施例13に示したように調製した屈折体をTris50mM
(pH8.0)中のグアニジン塩酸塩5M中に溶解させ、次い
でこの溶液を尿素2M,Tris塩酸塩50mM(pH7)に対し透析
した。次いで、溶液をGSH10mM対GSSG1mMとし、室温で1
晩インキュベートした。再折畳み蛋白質を含有する得ら
れた溶液を水性媒体に対し透析した。得られた溶液は、
30PU/mgの活性を示すウロキナーゼを含有した。
実施例15 肉腫蛋白質の再折畳み J.P.Mc Grath及びA.D.Lebinson,Nature,295巻,423頁
(1982年)に記載された方法に従って調製された形質転
換細胞に実施例1の手順を適用することにより、肉腫、
即ち元々肉腫腫瘍から単離した蛋白質を得た。天然の緩
衝条件下で不活性であったこと蛋白質3mgに対し、グア
ニジン7M3mlと、pH8のTris1M300μと、EDTA0.5M20μ
と、200mg/mlの亜硫酸ナトリウム及び100mg/mlのテト
ラチオン酸ナトリウムを含有する溶液400μとを加え
た。この溶液を室温で1晩静置し濁った懸濁物を得た。
この懸濁物をTris5mM(pH8)を含有する尿素7Mに対し
透析した。この溶液の半量ヘグリシン0.1M(pH9.5)300
μとβ−メルカプトエタノール10mM,90μとを加
え、1晩静置した。Tris50mM(pH8.5)に対し透析した
後、この同じ蛋白質は可溶性となり、マウスに注射した
際、標準肉腫蛋白質に対して沈澱し得る抗体を誘発する
ことができた。
実施例16 グアニジンへの溶解及び尿素への抽出 実施例1Aに記載したように、E.coliK12(W3110/pFMB
[A24])(実施例8)を増殖させ、遠心分離により収
穫した。細胞ペースト(湿潤重量281g)を10倍容量の燐
酸塩抽出緩衝液(PEB:NaH2PO450mM,EDTA5mM,NaCl0.5M,B
ME0.1%,pH7.0)中にウルトラトレックス(ultratore
x)を用いて懸濁させた。得られた懸濁物を予備冷却さ
れたManton Gaulinに600psiにて1/minの速度で2回
通した。RC5B型遠心分離機にて5,000r.p.m.で0.5時間遠
心分離した後、ペレットをウルトラトレックスにより10
倍容量のPEB中に再懸濁させた(10min.)。この懸濁物
をRC5B型遠心分離機にて5,000r.p.m.で0.5時間遠心分離
し、得られたペレットを20倍容量の尿素−Tris緩衝液
[UTB:尿素8M(新たに調製し且つ脱イオンしたもの]、
Tris0.14M,BME0.1%,pH8.3)中に入れ、沸騰水浴中で0.
5時間加熱した。室温まで冷却した後、4倍量のアセト
ンを加え、溶液を約6℃にて1.5時間攪拌した。懸濁物
を次いでRC3B型遠心分離機にて5,000r.p.m.で遠心分離
し、得られたペレットを10倍容量のPEBに移した。懸濁
物を沸騰水浴上で0.5時間加熱した後、この材料をRC5B
型遠心分離機にて5,000r.p.m.で再度遠心分離し、得ら
れたペレットを2.2の7M GuHCl,0.1%BME中に48時間再
懸濁させた。
次いでこの試料を、UTBを3回取替えてpH8.0で透析
し、次いでUTB(pH8.0)で平衡化されたDE−52セルロー
スカラム(5×8cm)でクロマトグラフにかけた。カラ
ムの洗浄液を2つの画分、即ち、透明画分と濁った画分
として集めた。透明な画分(98%以上のVP3)を約1.3mg
/mlまで濃縮し、生物学的活性につき試験した。
上記のように増殖させ、収穫し且つ処理したが、ペレ
ットを処理する際にGuHClの代りにUTBを使用して、E.co
liK12(W3110/pFMB[A24])からコントロール抗原バッ
チを調製した。
この試料をモルモットに注射し且つ28日後に抗血清を
得ることにより試験した。次いで、この抗血清のFMDウ
ィルスからマウス胎仔を保護する能力により抗体タイタ
ーを試験した。それらの結果をネズミの50%に対し免疫
を付与し得る抗血清の希釈の負対数として示す(−log
PD50)。
上記調製物の蛋白質100μgを注射して得られる抗血
清は3.2〜3.4の−log PD50値を示したが、コントロール
から得られた抽出物の蛋白質100μgを注射して得られ
る抗血清は0.3未満の−log PD50値を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の工程を模式的に示す略図であ
り、 第2図は、本発明方法の他の面、即ち多段階精製法の工
程を模式的に示す略図であり、 第3図は、ウロキナーゼ(UK)含有融合蛋白質を発現す
る細胞ペーストの位相差顕微鏡写真であり、E.coliK12
(W3110/pUK33trpLEL)は長融合(long−fusion)33Kウ
ロキナーゼを発現し、 第4図は、第3図の破砕細胞の低速遠心分離により得ら
れたペレット懸濁物の位相差顕微鏡写真であり、 第5図は、pGH,狂犬病抗原及びウロキナーゼの調製物に
対するSDS−PAGEクロマトグラムの結果を示し、細胞の
粗製超音波処理物中の所望蛋白質に対する不純物の含量
を、本発明の方法により製造した単離屈折体のそれと対
比して示し、レーン2,4,6は全細胞の超音波処理後SDS−
PAGEの結果を示し、レーン3,5,7は、夫々、pGH,狂犬病
抗原及びウロキナーゼ(UK)の屈折体を産生する細菌培
養物を実施例1に従って処理したペレットの超音波処理
後SDS−PAGEの結果を示し、全細菌では混合物を示すの
に対し各ペレットはほぼ所望蛋白質のみを含有してお
り、レーン1は「ブランク」プラスミドpBR322で形質転
換したE.coliK12W3110から得た超音波処理物を示し、 第6A図は、E.coliから単離したヒト成長ホルモンの部分
単離屈折体の写真であり、実施例2に記載したように回
収された、E.coliK12(W3110/p107)から得た懸濁ペレ
ット化屈折体の位相差顕微鏡写真であり、 第6B図は、全細胞溶菌物を、生細胞及び殺菌細胞の両者
に対する屈折体蛋白質含量と対比した、SDS−PAGEゲル
の写真であり、レーン1及び3は、夫々、殺菌及び非殺
菌細胞の全細胞溶解物であり、混合蛋白質及びほぼ等量
のhGHを示しており、レーン2及び4は、夫々、殺菌及
び非殺菌細胞の屈折体(ペレット)から得た抽出物であ
り、殺菌細胞ではhGHバンドが増大しており、 第7A図は、pGHの屈折体を含有するE.coli全細胞の写真
であり、E.coliK12(W3110/pGH−ex1)から得た細胞ペ
ースト懸濁物を示し、第7B図は、第7A図の調製物の超音
波処理物の写真であり、 第7C図は、第7B図の超音波処理懸濁物を低速遠心分離し
た際の遠心分離ペレットの写真であり、 第8図は、hGHを発現するE.coliK12(W3110/p107)の殺
菌細胞及び未殺菌細胞の上清及びペレットフラクション
におけるSDS−PAGEの結果を示す写真であり、レーン12
はhGHの純粋な試料であり、レーン9及び10は、夫々、
非殺菌(NPT)及び殺菌(PT)全細胞のSDS抽出物を示
し、各々混合蛋白質を示しており、hGHに相当する強い
バンドが見られ、レーン1及び5は、夫々、NPT細胞のL
SS及びHSS上清を示し、レーン3及び7は、夫々、PT細
胞のLSS及びHSS上清を示し、レーン3及び7(PT)のhG
Hバンド強度は著しく低下しており、レーン2及び6
は、夫々、NPT細胞のLSS及びHSSペレットを示し、レー
ン4及び8は、PT細胞のペレットを示し、PT細胞のhGH
バンドは増大しており、 第9図は、実施例10にに記載した精製処理工程を模式的
に示す略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 452252 (32)優先日 1982年12月22日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 452253 (32)優先日 1982年12月22日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 452357 (32)優先日 1982年12月22日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 452356 (32)優先日 1982年12月22日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 452355 (32)優先日 1982年12月22日 (33)優先権主張国 米国(US) 審判番号 平6−3499 (72)発明者 アンドリユ−・ジユリアン・スチユア− ト・ジヨ−ンズ アメリカ合衆国カリフオルニア94402サ ン・マテオ・タリ−タウン1416 (72)発明者 ノ−ム・スイン・シヤング・リン アメリカ合衆国カリフオルニア94404フ オスタ−・シテイ・クレイン・アヴエニ ユ−698 (72)発明者 ジヨン・ロバ−ト・オ−ゲズ アメリカ合衆国カリフオルニア94401サ ン・マテオ・ノ−ス・ハンボルト・スト リ−ト833アパ−トメント401 (72)発明者 ケニス・チヤ−ルズ・オルソン アメリカ合衆国カリフオルニア94010バ −リンゲイム・ヒルサイド・ドライヴ 3036 (72)発明者 ロング−チヤング・パイ アメリカ合衆国カリフオルニア94404フ オスタ−・シテイ・ブライス・ストリ− ト1136 (72)発明者 ステイ−ブン・ヤコブ・シア アメリカ合衆国カリフオルニア94403サ ン・マテオ・ベレスフオ−ド・ストリ− ト4341アパ−トメント1 (72)発明者 ロナルド・バ−ネル・ウエツゼル アメリカ合衆国カリフオルニア94127サ ン・フランシスコ・ア−バノ・ドライヴ 455 (56)参考文献 特開 昭56−158799(JP,A) 特開 昭55−58095(JP,A) 特開 昭54−145289(JP,A) 特開 昭59−500996(JP,A) J.Biol,Chem,253[10 ](1978)P.3453−3458 Biochemistry,9[25 ]P.5015−50223 J.Biol,Chem,250[21 ]P.8477−8482

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異種蛋白質発現産物を含有する屈折体を宿
    主細胞培養物から分離する方法であって、 宿主細胞を緩衝溶液に懸濁するステップ、 宿主細胞を破砕して屈折体を遊離させるステップ、及
    び 顕微鏡により、細胞壁フラグメントを実質的に含んで
    いない屈折体のペレットが得られたことを確認できるま
    で低速遠心分離を1回またはそれ以上行うステップ、 を含む屈折体の分離方法。
  2. 【請求項2】ステップの低速遠心分離を2回またはそ
    れ以上繰り返す特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】ステップの前に宿主細胞を細胞死滅処理
    にかけることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】細胞死滅処理が、宿主細胞を酸、熱、また
    は非極性有機溶媒と接触させることからなる特許請求の
    範囲第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】緩衝溶液が5〜9のpHを有することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】緩衝溶液が0.01〜2Mのイオン強度を有する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】宿主細胞培養中の屈折体に含まれている異
    種蛋白質発現産物を賦活化する方法であって、 宿主細胞を緩衝溶液に懸濁するステップ、 宿主細胞を破砕して屈折体を遊離させるステップ、及
    び 顕微鏡により、細胞壁フラグメントを実質的に含んで
    いない屈折体のペレットが得られたことを確認できるま
    で低速遠心分離を1回またはそれ以上行うステップ、 からなる方法により該屈折体を宿主細胞培養物から分離
    し、分離した屈折体を変性溶液と接触させることを特徴
    とする方法。
  8. 【請求項8】分離した屈折体を強力変性溶液に溶解する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第7項に記載の方法。
  9. 【請求項9】分離した屈折体を強力変性溶液に溶解し、
    得られた溶液をサイズ分画分子篩と接触させて該溶液中
    の異種蛋白質発現産物を分離することを特徴とする特許
    請求の範囲第7項に記載の方法。
  10. 【請求項10】屈折体を強力変性溶液に溶解した後、異
    種蛋白質発現産物を溶液中に維持しつつ変性溶液の強度
    を低下させることを特徴とする特許請求の範囲第8項に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】強力変性溶液を弱い変性溶液で置換する
    ことにより変性溶液の強度を低下させる特許請求の範囲
    第10項に記載の方法。
  12. 【請求項12】屈折体を強力変性溶液に溶解した後、還
    元試薬を該溶液に加えて該異種蛋白質発現産物中に存在
    するジスルフィド結合を還元することを特徴とする特許
    請求の範囲第8項に記載の方法。
  13. 【請求項13】還元試薬がスルフヒドリル化合物である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第12項に記載の方法。
  14. 【請求項14】スルフヒドリル化合物が少量の対応する
    ジスルフィドを含有しているものである特許請求の範囲
    第13項に記載の方法。
  15. 【請求項15】還元試薬が2−メルカプトエタノール、
    ジチオトレイトール及び還元グルタチオンからなる群か
    ら選択される特許請求の範囲第12項に記載の方法。
  16. 【請求項16】還元試薬を加え後、酸化剤を加えて異種
    蛋白質発現産物中のジスルフィド結合を再形成させるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第12項に記載の方法。
  17. 【請求項17】強力変性溶液が、4〜9Mのグアニジン塩
    若しくはチオシアン酸塩を含むものであるか又は0.01〜
    2重量%の洗浄剤を含むものであることを特徴とする特
    許請求の範囲第8項に記載の方法。
  18. 【請求項18】強力変性溶液中のグアニジン塩の濃度が
    6〜8Mであることを特徴とする特許請求の範囲第17項に
    記載の方法。
  19. 【請求項19】弱い変性溶液が1〜9Mの尿素又は0.5〜2
    Mのグアニジン塩を含有するものである特許請求の範囲
    第11項に記載の方法。
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