JPH02117395A - 菌体内からのヒトインターロイキン3様ポリペプチドの回収法 - Google Patents

菌体内からのヒトインターロイキン3様ポリペプチドの回収法

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JPH02117395A
JPH02117395A JP26869388A JP26869388A JPH02117395A JP H02117395 A JPH02117395 A JP H02117395A JP 26869388 A JP26869388 A JP 26869388A JP 26869388 A JP26869388 A JP 26869388A JP H02117395 A JPH02117395 A JP H02117395A
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human interleukin
polypeptide
cells
protein
insoluble
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JP26869388A
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Akihiko Ishida
昭彦 石田
Yukio Tamai
幸夫 玉井
Toshiyuki Isoe
敏幸 磯江
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Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、形質転換体により産生されたヒトインターロ
イキン3様ポリペプチドを回収する方法に関する。更に
詳しくは、本発明は、ヒトインタ−ロイキン3様ポリペ
プチドを蓄積している形質転換微生物菌体内から、生物
学的に活性な純度の高いヒトインターロイキン3様ポリ
ペプチドを迅速且つ効率的に回収する方法に関する。
従来の技術 ヒトインターロイキン3は、造血細胞の共通幹細胞や各
種白血球(顆粒球、好酸球など)、マクロファージ、肥
満細胞ならびに血小板の前駆細胞に分化及び増殖を促す
生理活性物質であり、152個のアミノ酸残基から成る
ポリペプチドを含む糖蛋白と考えられている(Y、C,
Y’angら:Ce1l。
47、p3〜10(198B))。ヒトインダーロイキ
ン3の遺伝子組換えによる産生については、既に報告(
Y、C,Yangら: Ce1l  、47.p3〜1
0(1986)、L、Dor−sserら: Gene
、 55.pH5〜124.(1987)ならび1こP
CT/US87101702 (公開日1988年1月
28日))がある。大腸菌で産生されたヒトインターロ
イキン3の回収については、PCT/US871017
02 (公開日1988年1月28日)にその記載があ
る。
〔発明の概要〕
発明が解決すべき課題 遺伝子組換技術を真核細胞蛋白の大規模な製造に応用す
ることにより、所望の分子を大量に得る可能性が実質的
に増し、場合によっては簡便な回収手順で生物学的に活
性な物質を得る事ができるようになる。
形質転換微生物によって産生される真核細胞蛋白は、こ
の蛋白が本来は糖蛋白として存在するものであっても、
遺伝子工学的に菌体内で産生された場合、グリコジル化
されていない、すなわち糖鎖を持たない、ものである。
形質転換体により産生される所望の蛋白が生物活性を得
るためにグリコジル化を必要としない場合には、多くの
場合、蛋白性汚染物質及びプロテアーゼ等の共存蛋白を
ほとんど含まない不溶性「封入体」の形態で形質転換体
宿主中に大量の蛋白を産生させることができる。宿主細
胞破砕物は、簡単に分離しがたい程(所望の蛋白に)類
似した分子量、電荷、極性及び溶解度特性を有する蛋白
をしばしば含んでいる。
前述したように形質転換微生物によって菌体内に産生さ
れる蛋白はポリペプチドであり、従って形質転換微生物
によって産生されるヒトインターロイキン3はヒトイン
ターロイキン3様ポリペプチドと称することができる。
このポリペプチドが本来は糖蛋白であるヒトインターロ
イキン3と同じ生理活性を持つことは、本出願人による
先の出願において明らかにされたところであるー(特願
昭62−328885号明細書参照)。
前述したように、PCT/US871 01702の実施例4に、大腸菌形質転換体で産生され
たヒトインターロイキン3、すなわちヒトインターロイ
キン3様ポリペプチド、の回収方法が記載されている。
この方法は、ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを
産生じた大腸菌菌体の破砕物からこのポリペプチドを不
溶性「封入体」としてショ糖密度勾配超遠心分離操作に
て分離し、尿素及びジチオスレイトール中で可溶化の後
、還元型グルタチオン存在下で酸化型グルタチオンにて
酸化し、変性剤及び還元剤を中性緩衝液中での透析によ
って除去した後、透析によって得られた液を更に陰イオ
ン交換樹脂クロマトグラフィー(DEAEセファロース
)、陽イオン交換樹脂クロマトグラフィー(SPセファ
ロース)の2段階の精製工程を経て精製標品を得るもの
である。しかしながら、このようなショ糖密度勾配超遠
心分離操作を工業的規模で実施することは難しいと考え
られる。
大腸菌形質転換体によるヒトインターロイキン3様ポリ
ペプチドの産生および菌体からのその回収方法に関して
は、本出願人による特許出願(前記特願昭62−328
885号)の明細書にその記載があり、そこに例示され
た回収法は、培養した大腸菌形質転換体を破砕した後の
工程において、適当な洗浄液を用いた通常の遠心分離・
洗浄、ゲルか過、あるは透析などの操作を組み合わせる
ことによって、ショ糖密度勾配超遠心分離のような煩雑
な操作を必要としない方法であるが、菌体からのヒトイ
ンターロイキン3様ポリペプチドの回投法については、
更に生物学的活性の高いヒトインターロイキン3様ポリ
ペプチドが得られる方法があれば神益することが大きい
ことはいうまでもない。
発明の要旨 本発明は、上記問題点を解決すること、および上記希求
に応えること、を目的とするもので、形質転換体を破砕
した後の工程において、ヒトインターロイキン3様ポリ
ペプチドを、夾雑物を含む不溶性物質のままの状態で操
作して可溶化すると共に、酸化工程後の溶液について、
所望ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを溶液中に
保持したまま、不要の夾雑物を不溶化することにより、
上記目的を達成しようとするものである。
すなわち、本発明による菌体内からのヒトインターロイ
キン3様ポリペプチドの回収法は、下記の工程1)〜5
)を実施すること、を特徴とするものである。
1) ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを菌体内
に蓄積しているヒトインターロイキン3様ポリペプチド
産生微生物を用意し、該微生物を破砕した後、ヒトイン
ターロイキン3様ポリペプチドを含有する不溶性物質を
可溶性物質から分離する工程。
2) ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを含有す
る不溶性物質を、そのまま、または必要に応じて洗浄し
てから、可溶化する工程。
3)可溶化されたヒトインターロイキン3様ポリペプチ
ドを、還元剤の存在下で酸化して分子内のジスルフィド
結合を生成させる工程。
4)酸化工程から得られた溶液相のpHを4゜5〜6.
0の範囲に調整して、不溶化するヒトインターロイキン
3様ポリペプチド画分およびその他夾雑物を生成させ、
これによりこの調整溶液相に保持されたままのヒトイン
ターロイキン3様ポリペプチドを、該調整溶液相に不溶
性のヒトインターロイキン3様ポリペプチドおよびその
他夾雑物から分離する工程。
5)分離工程4)より得られる溶液から、必要に応じて
、ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを精製して回
収する工程。
発明の効果 本発明によれば、ヒトインターロイキン3様ポリペプチ
ドを菌体内に蓄積しているヒトインターロイキン3様ポ
リペプチド産生微生物を破砕した後の工程において、菌
体内に存在していたヒトインターロイキン3様ポリペプ
チドを、夾雑物が含まれたままの状態で可溶性蛋白など
の可溶性物質から分離する工程、ならびに酸化工程後の
pH調整によって不溶化された夾雑物および不要のヒト
インターロイキン3様ポリペプチドと溶液相に保持され
たままの目的とするヒトインターロイキン3様ポリペプ
チドとを分離する工程は、単に不溶物と溶解物とを分離
するだけの工程であるため、沈降係数の差を利用するシ
ョ糖密度勾配超遠心分離のような煩雑な操作を必要とせ
ずに、通常の遠心分離などの容易な分離操作で実施でき
る。
従って、本発明による菌体内からのヒトインターロイキ
ン3様ポリペプチドの回収法は工業的規模で迅速かつ効
率的に実施可能なものである。
また、酸化工程後のpH調整によると、夾雑物だけでな
く、同時に生物学的活性の低いまたは該活性を有しない
ヒトインターロイキン3様ポリペプチドをも不溶化して
除去することができるため、より生物学的活性の高いヒ
トインターロイキン3様ポリペプチドのみを回収するこ
とができる。
菌体内からヒトインターロイキン3様ポリペプチドを分
離・回収するにあたり、酸化工程の段階まで夾雑物を含
んだままの状態で各操作を行なっても、酸化工程後のp
H調整によって、夾雑物が不溶化されて分離されると共
に、生物学的活性の低いまたは該活性を有しないヒトイ
ンターロイキン3様ポリペプチドも不溶化されて分離さ
れるという本発明による回収法の特性は、思いがけなか
ったことといえよう。
〔発明の詳細な説明〕
概要 本発明による菌体内からのヒトインターロイキン3様ポ
リペプチドの回収法は、前記したように工程1)〜5)
を実施することを特徴とする特許であるが、本発明の好
ましい態様は下記の(1)〜(10)である。
(1)  工程2)においてカオトロピック剤を使用し
てヒトインターロイキン3様ポリペプチドを含有する不
溶性物質を可溶化することを特徴とする、本発明による
方法。
(2)  工程3)において還元型グルタチオンの存在
下で酸化型グルタチオンを使用してヒトインターロイキ
ン3様ポリペプチドを酸化することを特徴とする、態様
(1)に記載の方法。
(3)  工程4)においてpHを5.0〜5.5の範
囲に調整することを特徴とする、本発明による方法。
(4)  工程5)において陽イオン交換クロマトグラ
フィーにより、精製したヒトインターロイキン3様ポリ
ペプチドを回収することを特徴とする、態様(3)に記
載の方法。
(5)  カオトロピック剤として塩酸グアニジウムを
使用することを特徴とする、態様(1)に記載の方法。
(8)  工程4)において酢酸を使用してpHを調整
することを特徴とする、態様(5)に記載の方法。
(7)  塩基性pHで工程2)を実施することを特徴
とする、態様(5)に記載の方法。
(8)8.5〜9.5のpH及び4〜6Mの塩酸グアニ
ジウム濃度で工程2)を実施することを特徴とする、態
様(7)に記載の方法。
(9)  工程4)においてpHを約5.0〜5.5の
範囲に調整することを特徴とする、態様(8)に記載の
方法。
(10)  ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを
菌体内に蓄積している微生物が大腸菌であることを特徴
とする、本発明による方法。
なお、工程2)における可溶化の手段として可溶化剤を
用いる場合は、工程4)においてpH調整と共に、可溶
化剤の除去操作が必要となる。
ヒトインターロイキン3様ポリペプチド本発明において
、[ヒトインターロイキン3様ポリペプチド」とは、(
1)天然のヒトインターロイキン3におけるポリペプチ
ド部分のアミノ酸配列と少なくとも実質的に同一のアミ
ノ酸配列及び(2)天然のヒトインターロイキン3と共
通の生物学的活性を有する蛋白、をコードするヒトイン
ターロイキン3遺伝子又はその修飾遺伝子で形質転換さ
れた微生物により産生される蛋白質(すなわちポリペプ
チド)を意味する。ここで、「実質的に同一のアミノ酸
配列」とは、配列が同一であるか、又は天然ヒトインタ
ーロイキン3のポリペプチド部分と合成ヒトインターロ
イキン3様ポリペプチドとの間に、有害な機能的非類似
性を生じさせないような1以上のアミノ酸変化(即ち、
欠失、付加、挿入、置換)を含むことを意味する。
また、ヒトインターロイキン3様ポリペプチドの「生物
学的活性」とは、天然のヒトインターロイキン3の治療
活性を含むものである。
本発明において、対象となる「菌体内からのヒトインタ
ーロイキン3様ポリペプチド」とは、菌体の内部に蓄積
しているヒトインターロイキン3様ポリペプチドの他に
、大腸菌においては菌体のペリプラズムにまで透過して
いるヒトインターロイキン3様ポリペプチドあるいはこ
の外膜表面に付着しているヒトインターロイキン3様ポ
リペプチドをも包含するものとする。
ヒトインターロイキン3様ポリペプチドとしては、例え
ば、前記特願昭62−328885号明細書(文献A)
中の第1図に示されているようなアミノ酸配列を有する
ポリペプチド(公知のヒトインターロイキン3 (Ma
ture部分)のポリペプチドである)が挙げられる。
このポリペプチドをコードするDNA鎖の塩基配列(特
に大腸菌で高発現させるのに適した塩基配列)、および
このような塩基配列を含むDNA鎖の製造に関する詳細
は、上記文献Aに記載されている。
ヒトインターロイキン3様ポリペプチドの例としては、
上述したポリペプチドのアミノ酸配列において、前記ア
ミノ酸変化したポリペプチドも等価物として同様に挙げ
られる。
ヒトインターロイキン3様ポリペプチド産生微生物 本発明において、「ヒトインターロイキン3様ポリペプ
チド産生微生物」とは、ヒトインターロイキン3に関連
する生物学的活性を有するポリペプチドを産生ずるよう
に、遺伝子工学的に形質転換された微生物を意味する。
この形質転換に用いるのに適した微生物の種類としては
、大腸菌、酵母(サツカロミセス属酵母など)などが挙
げられるが、大腸菌が特に好ましい。
ヒトインターロイキン3様ポリペプチド産生微生物の作
成、すなわち形質転換体の作成、は分子生物学、生物工
学ないし遺伝子工学の分野における慣用技術に準じた方
法により、ヒトインターロイキン3様ポリペプチドをコ
ードするDNA鎖を、クローニングベクターから適当な
発現ベクターにつなぎかえ、このベクターを微生物に導
入して形質転換することによって実施される。
形質転換体作成法の一例として、文献Aに示された前記
ヒトインターロイキン3様ポリペプチドをコードするD
NA鎖を発現ベクターにつなぎかえ、このベクターを用
いて大腸菌形質転換体を作成する方法の詳細がこの文献
Aに記載されている。
作成された形質転換体を培養することにより、ヒトイン
ターロイキン3様ポリペプチドを産生させることができ
る。
本発明において、対象となるヒトインターロイキン3様
ポリペプチド産生微生物は、培養によって産生じた全ヒ
トインターロイキン3様の少なくとも一部分、好ましく
は全部または大部分、が菌体内に蓄積するように形質転
換されたものである。
菌体内からのヒトインターロイキン3様ポリペプチドの
回収法 本発明による菌体内(すなわち形質転換体内)からのヒ
トインターロイキン3様ポリペプチドの回収法は、前記
工程])〜5)を実施することを特徴とするもの、であ
ることは前記した通りである。
(1)工程1) 本発明におけるヒトインターロイキン3様ポリペプチド
を菌体内に蓄積しているヒトインターロイキン3様ポリ
ペプチド産生微生物は、前記のようにして形質転換した
微生物を好適な増殖培地で培養することによって用意す
ることができる。目的とする微生物をこの増殖培地から
収集する場合、必要に応じてか過、遠心分離、あるいは
他の従来方法により濃縮することができる。
本発明において、微生物の細胞膜を破砕する方法として
、ホモジネート化、音波処理又は圧力サイクルのような
従来技術など合目的的な任意の方法を使用することがで
きる。好適な方法としては、音波処理又はフレンチプレ
ス、Wanton−Gaullnホモジナイザー等を用
いる方法が挙げられる。細胞の破砕後、ヒトインターロ
イキン3様ポリペプチドを含有する不溶性物質を遠心分
離などによって溶解物の液相(可溶性蛋白などの可溶性
物質を含む)から分離し、水に再懸濁させる。
(2)工程2) 工程1)で得られた不溶性物質は、必要に応じて水に再
懸濁させ、遠心分離などによって該不溶性物質を洗浄し
て、水溶性の残存大腸菌蛋白などを除去してもよい。然
る後、好ましくは塩基性pH条件の可溶化剤の存在下で
、不溶性物質中のヒトインターロイキン3様ポリペプチ
ドを可溶化する。可溶化剤は一般に、カオトロピック剤
(すなわち、水素結合を解離し、蛋白質の三次構造に影
響を与える蛋白変性剤)の水溶液である。代表的なカオ
トロピック剤には尿素及び塩酸グアニジウムがあり、特
に塩酸グアニジムラが好適である。
カオトロピック剤の濃度は、使用する特定の接剤及び存
在する細胞物質量に依存する。好ましくは、4〜8M、
より好ましくは4〜6Mの濃度を有する塩酸グアニジウ
ムを使用し、最も好ましくは6M程度の塩酸グアニジウ
ム溶液を使用する。このpHは好適な緩衝液を加えるこ
とにより調製され得るが、好ましくは約8.0〜9.5
、より好ましくは8.0〜9.0である。
(3)工程3) ヒトインターロイキン3様ポリペプチドの可溶化後、不
溶性物質を分離及び廃棄する。この可溶化されたヒトイ
ンターロイキン3様ポリペプチドを還元剤の存在下で酸
化する。この酸化工程にはグルタチオン酸化還元緩衝液
(還元型グルタチオンおよび酸化型グルタチオン)の使
用がより好ましく、この酸化工程によって、正しく折り
畳まれた、すなわち天然のヒトインターロイキン3の正
しいコンフォメーシジンを維持した状態でのジスルフィ
ド結合を有する、あるいは正しい架橋位置におけるジス
ルフィド結合を有する、生物学的活性の高い酸化型ヒト
インターロイキン3様ポリペプチドが高収率で得られる
。この酸化工程において、不正に折り畳まれた、すなわ
ちペプチド同士がジスルフィド結合によって分子間結合
した、あるいは正しくない架橋位置におけるジスルフィ
ド結合を有する、あるいは天然のヒトインターロイキン
3と異なるコンフォメーション状態でのジスルフィド結
合を有する、生物学的活性の低い(もしくは無い)ヒト
インターロイキン3様ポリペプチドの形成を実質的に減
少させることができる。
酸化還元緩衝液中の還元型グルタチオン二酸化型グルタ
チオンの比は当業者により容易に確定されよう。好まし
くは過剰の還元型グルタチオンを使用し、より好ましく
は2:1〜10:1の還元型グルタチオン二酸化型グル
タチオン重量比を用いる。
この工程3)における還元剤−酸化剤の組合せとしては
、上記の還元型グルタチオン−酸化型グルタチオンの他
に、システィン−シスチンあるいはシステアミン−酸化
型システアミンなどが可能である。
(4)工程4) 工程3)から得られた溶液より、残留している不溶性物
質を除去する。好ましくは、該溶液を緩衝液と交換し、
残留塩酸グアニジウム及びグルタチオンを除去する。そ
の後酢酸のような適当な酸を使用してpHを約4.5〜
6.0、好ましくは5.0〜5.5、のpH範囲に調整
することにより、pH調整溶液相に保持されたままのヒ
トインターロイキン3様ポリペプチドを該溶液相に不溶
性のヒトインターロイキン3様ポリペプチド及びその他
夾雑物から選択的に分離することができる。
pH調整によるこのpH範囲(すなわち4.5〜6.0
)では不正に折り畳まれた(すなわち生物学的活性の低
いまたは無い)ヒトインターロイキン3様ポリペプチド
及びその他夾雑物は沈降し、正しく折り畳まれた(すな
わち生物学的活性の高い)ヒトインターロイキン3様ポ
リペプチドは溶液中に溶解して残る。得られた混合物を
遠心分離し、不溶性物質を除去し、可溶性の正しく折り
畳まれたヒトインターロイキン3様ポリペプチドを残留
物から分離する。
(5)工程5) 分離工程4)から得られた溶液を適当な精製手段、好ま
しくは、クロマトグラフィー操作、に付すことにより、
精製ヒトインターロイキン3様ポリペプチド(すなわち
正しく折り畳まれた生物学的活性の高いヒトインターロ
イキン3様ポリペプチド)を残留汚染物から単離する。
好適には、遠心分離後の溶液をイオン交換クロマトグラ
フィーに付して精製ヒトインターロイキン3様ポリペプ
チドを回収する。さらにゲル濾過によるクロマトグラフ
ィー等公知の精製手法を組み合わせてもよい。本発明の
好適実施態様によると、遠心分離後の溶液をCM−セフ
ァロースイオン交換カラムに通した後、セファクリル5
200ゲルン濾過クロマトグラフイーを使用して分離操
作を行なうことにより、生物学的活性の高い精製ヒトイ
ンターロイキン3様ポリペプチドを高収率で回収できる
。こうして回収したヒトインターロイキン3様ポリペプ
チドを医学上許容可能な希“釈剤、等張化剤、pH調整
剤等、好ましくはリン酸緩衝生理食塩溶液(pH6,5
)と調合すると、患者に投与可能な最終製品が得られる
実験例 以下の実験は、本発明の態様をさらに詳しく説明するた
めのものである。
実験例1:菌体からのヒトインターロイキン3様ポリペ
プチドの回収 既に提案されているヒ(インターロイキン3の製造法(
前記文献A実施例5)に従い、ヒトインターロイキン3
様ポリペプチドを蓄積している形質転換大腸菌細胞のペ
ースト約5g(湿重量)を得た。すなわち、まずヒトイ
ンターロイキン3様ポリペプチドをコードする遺伝子に
よって形質転換された形質転換大腸菌psT11/RR
I (詳細な内容は文献Aに記載されている。)をアン
ピシリン含有し培地にて37℃で一晩振とう培養した。
この培養液20m1を1000■1のM9培地(0,8
%グルコース、0.4%カザミノ酸、10℃g/Ial
チアミン、50.czg/mlアンピシリンを含む)に
加え、37℃にて3時間振とうした。
インドールアクリル酸を最終濃度20μg/atになる
ように添加した。このまま更に5時間振とう培養した。
得られた大腸菌の一部をサンプル緩衝液中で煮沸(5分
)し、煮沸液についてSDS −ポリアクリルアミド電
気泳動(SDS−PAGE)を行って、ヒトインターロ
イキン3様ポリペプチドの含有量を調べた。この条件に
おいては、大腸菌細胞蛋白質の30%以上であった。こ
の培養液を遠心分離することにより、ヒトインターロイ
キン3様ポリペプチドを蓄積している上記形質転換大腸
菌細胞のペースト約5gを得た。
このペーストを、約4℃の温度で、201の20wM 
  Tr  i  5−HCI  (pH8,0)  
、 1n+Mジチオスレイトール(DTT)に均一に懸
濁させた。懸濁液をフレンチプレスに3回かけて、菌体
を破砕した。この懸濁液を5000Gで10分間遠心分
離後、上澄液をデカンテーションし残渣を得た。この残
渣を、20 m lの冷水に再懸濁させて、4℃、50
00Gで10分間遠心分離後、上澄液をデカンテーショ
ンし残渣を得た。この残渣を再度201の冷水に再懸濁
させて、同様の条件で遠心分離後残渣を得た。残渣を9
.21の冷水に再懸濁させた後、0.81のIMTri
s−HC1(pH9,2) 、30i1の8M 塩酸グ
アニジウムを加え、室温にて1時間おだやかに撹拌した
。次に、1201の2CLmM  Tr i s −H
Cl (pH9,2)をゆっくり撹拌しながら加えた後
、更に30分撹拌した。これに98. 3n+gの還元
型グルタチオン及び19.6mgの酸化型グルタチオン
を加えた後、約4℃にて約20時間静置した。この液に
つき約4℃にて20a+MTris−HCI  (pH
8,0)に対して5回透析を行った。透析の際に析出し
てきた沈澱物は、前述の条件での遠心分離により除去し
た。次いで、上澄液に対し1150容量の1M酢酸ナト
リウムを加え、IN酢酸にてpHを5.4に調整した。
pn調整の際に析出してきた沈澱物は、前述の条件での
遠心分離により除去した。この上澄液を、予め0.2N
  NaOHを通して脱パイロジエン化した後に201
M  酢酸ナトリウム緩衝液(pH5,4)にて平衡化
しておいたCMセファロースFFカラム(ファルマシア
社)に充填し、20IIMNaC1を含む20mM  
酢酸ナトリウム緩衝液(pH5,4)を数カラム容量通
した後、50mMNaC1を含む20IIIM  酢酸
ナトリウム緩衝液(pH5,4)で溶離した。溶離液を
限外i濾過(分子ff15000カツト、ミリポア社)
により約10倍に濃縮した。この濃縮液を、予め0,2
NNaOHを通して脱パイロジエン化した後にリン酸緩
衝生理食塩水(但しpH6,5)にて平衡化しておいた
セファクリル8200カラム(ファルマシア社)にかけ
、ピーク画分を分取し約150ffigの最終精製品を
得た。
実験例2:ヒトインターロイキン3様ポリペプチドの活
性測定 ヒトインターロイキン3様ポリペプチドの活性は、メチ
ルセルロースを用いた半固形培地中のヒト骨髄細胞由来
のコロニーの成長を促進する能力により確認した。まず
ヒトの骨髄細胞をリン酸緩衝生理食塩水(P B S)
で希釈し、Ficol I−Paque(ファルマシア
社)溶液上に重層した。これを室温で30分間400G
で遠心分離し、中間層を集めて20倍量のPBSで洗浄
した。次に、懸濁液を室温で10分間250Gで遠心分
離し、洗浄した。次に、細胞を10%ウシ胎児血清を含
むα培地(ギブコ社)に懸濁させ、プラスチックシャー
レ中で2時間37℃、5%二酸化炭素の状態で培養した
。培 養後、非付着細胞を集め、2 x 108eel Is
/elの細胞懸濁液を調製した。
検定において、3511mプラスチックシャーレ中に、
1×105個の上記骨髄細胞、1.2%メチルセルロー
ス(和光)、30%ヒト血清(Flov社)1%ウシ血
清アルブミン(BSA)  C3Igma社)、60μ
Mメルカプトエタノール(和光)、2Uエリスロポイエ
チン(EPO)、及び、実験例1で精製したヒトインタ
ーロイキン3様ポリペプチド溶液を含むα培地を11加
え、5%二酸化炭素存在下で湿潤空気中37℃にて保温
した。14日間の培養後、コロニーの形成を確認した。
形成されたコロニーは、赤芽球系、混合系、顆粒球系、
マクロファージ系などであり、実験例1で精製したヒト
インターロイキン3様ポリペプチドは多官能性であるこ
とが示された。
比活性は最大コロニー数の50%のコロニー形成を刺激
する濃度を50ユニツト/1として計算した(Mete
aRら: BLOOD、67、p37〜.(198B)
)。その結果、実験例1で精製したヒトインターロイキ
ン3様ポリペプチドは8X107ユニツト/+agの比
活性を有することが判った(第1図参照)。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ヒトインターロイキン3様ポリペプチドの用
量とヒト骨髄細胞由来のコロニーの成長促進作用との関
係を表わすヒトインターロイキン3様ポリペプチドの用
量・作用曲線を示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 下記の工程1)〜5)を実施することを特徴とする、菌
    体内からのヒトインターロイキン3様ポリペプチドの回
    収法。 1)ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを菌体内に
    蓄積しているヒトインターロイキン3様ポリペプチド産
    生微生物を用意し、該微生物を破砕した後、ヒトインタ
    ーロイキン3様ポリペプチドを含有する不溶性物質を可
    溶性物質から分離する工程。 2)ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを含有する
    不溶性物質を、そのまま、または必要に応じて洗浄して
    から、可溶化する工程。 3)可溶化されたヒトインターロイキン3様ポリペプチ
    ドを、還元剤の存在下で酸化して分子内のジスルフィド
    結合を生成させる工程。 4)酸化工程から得られた溶液相のpHを 4.5〜6.0の範囲に調整して、不溶化するヒトイン
    ターロイキン3様ポリペプチド画分およびその他夾雑物
    を生成させ、これによりこの調整溶液相に保持されたま
    まのヒトインターロイキン3様ポリペプチドを、該調整
    溶液相に不溶性のヒトインターロイキン3様ポリペプチ
    ドおよびその他夾雑物から分離する工程。 5)分離工程4)より得られる溶液から、必要に応じて
    、ヒトインターロイキン3様ポリペプチドを精製して回
    収する工程。
JP26869388A 1988-10-25 1988-10-25 菌体内からのヒトインターロイキン3様ポリペプチドの回収法 Pending JPH02117395A (ja)

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