JP2559264B2 - ハロゲン化銀乳剤及びその製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は写真の分野において有用であるハロゲン化銀
乳剤に関し、特に少なくとも分散媒と平板状ハロゲン化
銀粒子を有するハロゲン化銀(以後、「AgX」と記す)
乳剤に関する。
(先行技術とその問題点) 平行双晶面を含む平板状ハロゲン化銀粒子(以下「平
板粒子」と言う)は、その写真特性として 1) 体積に対する表面積の比率(以下比表面積とい
う)が大きく、多量の増感色素を表面に吸着させること
ができる。その結果色増感感度が相対的に高い。
2) 平板状粒子を含む乳剤を塗布し、乾燥した場合、
その粒子が支持体表面に平行に配列するため塗布層の厚
さを薄くでき、シヤープネス、現像進行性、が良い。
3) レントゲン写真システムでは、平板状粒子に増感
色素を多量に吸着させた場合、ハロゲン化銀(AgX)の
間接遷移の吸光係数より色素の吸光係数の方が大きく、
かつ、(吸光係数×物質濃度×乳剤層の厚さ)が大きい
為に、クロスオーバー光を顕著に減少させることがで
き、画質の劣化を防止できる。
4) 光散乱が少なく、解像力の高い画像が得られる。
5) 互いに平行で平坦な表面を有する為、平行平板に
対する光の干渉効果があり、これを利用して、光の利用
効率を上げることができる。
6) カバリング パワーが高く、省銀化できる。
7) 放射線吸収は粒子の厚味に対し指数関数的に増加
するが、平板粒子は粒子の厚味がうすい為、放射線吸収
/粒子が少なく、保存中の自然放射線かぶりが少ない。
8) 現像銀が平準化され、モトル銀ができにくい為、
粒状性がよい。
9) 比表面積が大きい為、現像進行性がはやい。
このように多くの利点を有するために、従来から高感
度の市販感材に用いられてきている。
特開昭58-113926号、同58-113927号、同58-113928号
等にはアスペクト比が8以上の乳剤粒子が開示されてい
る。
ここで言うアスペクト比とは平板粒子の厚さに対する
直径の比で示される。さらに粒子の直径とは粒子を顕微
鏡または電子顕微鏡で観察した時、粒子の投影面積と等
しい面積を有する円の直径を指すものとする。また厚み
は平板粒子を構成する二つの平行な主表面間の距離で示
される。
しかしながら、前記特許の実施例にも見られるよう
に、既知の調製法による平板粒子は単分散性がよくな
い。これは、 平板粒子の投影粒径分布が広い 平板粒子以外に、棒状粒子、テトラポツト状粒子、
単一双晶粒子や非平行な双晶面を有する粒子が混つてい
る。
平板粒子として、六角形状平板AgX粒子(以後、六
角平板粒子という)と三角形状平板AgX粒子(以後、三
角平板粒子という)が混つていることを意味する。
このため 1) 特性曲線の硬調化(いわゆる高ガンマ)が期待で
きない。
2) 大粒子と小粒子が混在した乳剤を化学増感した場
合に、化学増感の最適条件が大粒子と小粒子とでは異な
るために、両者に対して最適化学増感を行なうことがむ
つかしい。
3) 大粒子と小粒子が混在した乳剤塗布層に較べ、単
分散大粒子層を上層に、単分散小粒子層を下層に塗布す
る重層系の方が光の利用効率の点で高感度となるが、こ
の重層効果を十分に利用できない などの欠点をもつ。
従って、これまで平板粒子の単分散化の試みが種々な
されてきており、いくつかの特許が開示されている。
特開昭52-153428号の単分散平板粒子は核にAgI晶を用
いるという制約があり、かつ、得られる粒子形状は本発
明の平板粒子比率が少ないものである。
特開昭55-142329号は平板粒子の単分散化の為の成長
条件を開示したものであるが、その実施例に用いた種晶
の核形成条件が不適切だつた為、生成した粒子は本発明
の平板粒子比率が少なかつた。
特開昭51-39027号の単分散双晶粒子は核形成後、AgX
溶剤を加えて熟成し、次に成長させる方式であるが、得
られる粒子は、本発明の平板粒子比率が低く、かつ、ア
スペクト比も低い。
粒子形成プロセスとして、この特許と同様の単分散双
晶粒子特許として、特開昭61-112142号がある。この特
許も、特に本発明の平板粒子比率を高めることを意図し
たものではなく、本発明の平板粒子比率は低く、かつ、
球状粒子を種晶として用いている為、アスペクト比は2.
2以下である。
フランス特許第2534036号記載の単分散平板粒子は、
核形成後、AgX溶剤を用いずに熟成する方法で形成する
ものであるが、その実施例に掲載されている粒子写真で
計測すると三角平板粒子の投影面積が50%以上であり、
本発明の粒子とは異なる。
この三角平板粒子はJ.E.Maskasky,J.Imaging Sci.,31
巻、1987年、pp.15〜26によると、主平面に平行な双晶
面を3枚有する粒子であり、平行双晶面を2枚有する六
角平板粒子に比べ、より多くの欠陥を有し、その相乗効
果により、内部感度が高くなるという欠点を有する。
また、三角平板粒子と六角平板粒子が混在している
と、その化学増感特性が異なる為に化学増感特性が不均
一になるというデメリツトをもつ。
また、同一投影面積の三角平板粒子と六角平板粒子を
比較した場合、前者の最大粒径部は後者の最大粒径部の
1.23倍となり、それだけ三角平板粒子の粒状性が悪化す
る。
また、一般的にイメージセンサーの各絵素の配列で、
理想的な絵素配列はハニカム構造であることが知られて
おり、正六角形絵素の二次元配列が好ましい。これにつ
いては、J.C.Dainty and R.Shaw,Image Science,Academ
ic Press,London,1974年、第1章の記載を参考にするこ
とができる。この点からも、個々の絵素に相当するAgX
粒子の形状は、正六角形状のものが好ましい。
本発明者による特願昭61-48950号、同61-299155号お
よび同62-203635号は単分散六角平板粒子および平行双
晶面を2枚有する円形平板粒子に関するものであるが、
該平板粒子の投影面積比率は95%を越えるものではなか
つた。即ち、三角平板粒子、単一双晶粒子、棒状粒子、
テトラポツト状粒子を投影面積の合計で5〜15%含む粒
子でありその除去が問題になつていた。
(発明の目的) 本発明の目的は、形状が揃っていて、かつ単分散性が
よく、かつ、感度、階調、粒状性、シヤープネス、解像
力、カバーリングパワー、画質および圧力性を改良する
ことが可能な平板状AgX乳剤を提供することにある。
(発明の開示) 本発明の目的は下記(1)〜(6)により達成され
た。
(1) 少なくとも分散媒と400個以上のハロゲン化銀
粒子を有するハロゲン化銀乳剤であって、該ハロゲン化
銀粒子の全投影面積の95%より多くが主平面に平行な双
晶面を2枚有し、非平行双晶面を有しない平板状ハロゲ
ン化銀粒子で占められており、かつ、該平板状粒子の平
均アスペクト比が2以上で、該平板状粒子のサイズ分布
の変動係数が30%以下であることを特徴とするハロゲン
化銀乳剤。
(2) 該平板状粒子の主平面の形状が最大隣接辺比率
が2以下の六角形であり、該粒子の厚さ分布の変動係数
が1〜30%であり、該粒子サイズ分布の変動係数が20%
以下であり、かつ、粒子全体のCl-含率が0〜40モル%
であることを特徴とする上記(1)記載のハロゲン化銀
乳剤。
(3) ハロゲン化銀粒子の全投影面積の95%より多く
が、主平面に平行な双晶面を2枚有し、非平行な双晶面
を有しない平板状ハロゲン化銀粒子で占められており、
かつ該平板状粒子の平均アスペクト比が2以上で、該平
板状ハロゲン化銀粒子400個以上のサイズ分布の変動係
数が30%以下であるハロゲン化銀乳剤の製造方法であっ
て、該乳剤が、核形成後の工程において、該平板粒子核
以外の核をオストワルド熟成により消滅させ、該平板粒
子の比率を高める方法によって製造されることを特徴と
するハロゲン化銀乳剤の製造方法。
(4) 該核形成過程の温度に対して、該オストワルド
熟成過程の温度を5℃以上昇温させることを特徴とする
上記(3)記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
(5) 該オストワルド熟成過程でハロゲン化銀溶剤を
10-4〜0.2モル/L用いることを特徴とする上記(3)記
載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
(6) 該核形成時に添加するAgNO3水溶液とハロゲン
化アルカリ水溶液の一方、もしくは両方の水溶液が分散
媒を0.05〜5重量%含むことを特徴とする上記(3)記
載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
本発明でいう平行な双晶面を2枚有する平板粒子は、
具体的な形状としては次の2つの形状を有する。
(1) 該平板粒子の主平面の形状が最大隣接辺比率が
2以下の六角形であり、かつ、該六角形の直線部比率が
4/5以上であり、更にアスペクト比が2.0以上である単分
散六角平板粒子、 (2) 該平板状粒子の主平面の形状が、直線部比率4/
5〜0の円形状であり、かつアスペクト比が2.0以上であ
る単分散円形平板粒子。
ここに最大隣接辺比率とは、1つの六角平板粒子にお
いて六角形を形成する辺の(最大辺長/最小辺長)を示
す。
本発明の単分散六角平板粒子はその角が幾分丸味を帯
びていてもよい。角が幾分丸味を帯びている場合の該辺
の長さは、その辺の直線部分を延長し、隣接する辺の直
線部分を延長した線との交点間の距離で表わされる。
本発明でいう直線部比率とは、(該円形平板の直線部
の長さ/該延長線の交点間の距離)を示す。
より具体的には第5図で表わされる。
本発明の平板粒子は、主平面に平行な双晶面を2枚有
することを特徴としているが、それは、乳剤塗布フイル
ムの断面の超薄層(〜0.1μm厚)切片を、低温(液体
窒素温度もしくは液体He温度)で透過型電子顕微鏡で観
測することにより確認することができる。
本発明の単分散六角平板粒子および単分散円形平板粒
子は単分散であることを特徴とするが、ここでいう単分
散性は、変動係数〔該平板粒子の投影面積の円換算直径
で表わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を、平
均粒子サイズで割った値〕で表わされる。本発明の平板
粒子の単分散性は、変動係数で30%以下、好ましくは20
%以下、より好ましくは15%以下である。
本発明の単分散六角平板粒子および単分散円形平板粒
子の平均アスペクト比は2以上、好ましくは2.5〜20、
より好ましくは4〜16である。ここで平均アスペクト比
とは、乳剤中に存在する0.2μm径以上のすべての平板
粒子のアスペクト比の平均値を言う。
本発明のAgX乳剤は、少なくとも分散媒とAgX粒子を有
し、該AgX粒子の全投影面積の95%より多く、好ましく
は98%以上、より好ましくは99%以上が平行な双晶面を
2枚有する平板粒子で占められている。
本発明の平板粒子の粒子サイズは0.2μm以上、好ま
しくは、0.2〜5μmである。
通常、立方体の如き無双晶粒子では、0.25〜0.75μm
径の粒子の可視光線に対する光散乱効率因子(Qsca)が
特に大きく、問題であるが、この粒径領域で本発明の粒
子を用いて、かつ、Qscaを小さくするという観点から
は、粒子径0.25〜0.75μm、アスペクト比3〜20のもの
が好ましい。
また、通常、平板粒子は表面/体積が大きい為、化学
増感該の生成数/粒子は多くなり、潜像分散を生じやす
いが、本発明の平板粒子では、潜像分散を防止する為に
化学増感核の生成数/粒子は制御されていることが好ま
しい。好ましい化学増感核の生成数/粒子は20個以下、
好ましくは10個以下である。
また、化学増感核の生成場所も制御されていることが
好ましい。その具体例は次の通りである。
エツジ部{100}面を有し、かつ、化学増感核が該
{100}面上に優先的に形成された平板粒子。
この場合の優先的とは(優先的に化学増感核が形成さ
れる結晶面上の化学増感核の数/cm2)/(優先的に化学
増感核が形成されない結晶面上の化学増感核の数/cm2
が2.5以上、好ましくは5以上を指す。
また、この場合、エツジ部の{100}面積の好ましい
範囲は ({100}面の表面積/該平板粒子の全表面積)=0.05
〜0.5である。
この{111}面と{100}面の面積比率は増感色素の
{111}面と{100}面の面選択吸着依存性を利用した測
定法(T.Tani,Journal of Imaging Science,29,165(19
85))を用いて測定することができる。
但しこの方法では、求めた{100}面積%から約7%
を差し引いた値が実際の{100}面積%になる。それは
該色素の吸着被覆率の低い所では、{111}面であつて
もJ−会合体形成が起り難い為である。
第1図に示す如く、core部とその横方向に付加部を
有し、core部と付加部のハロゲン組成が異なり、該core
部と付加部のハロゲン組成の違いによる吸着剤の選択吸
着特性を利用し、化学増感核をcore部上、もしくは付加
部上に優先的に形成した平板粒子。この場合の優先的の
定義は上記定義に従う。
また、core部と付加部の表面積比は1/20〜20が好まし
い。
本発明の平板粒子上に形成される化学増感核の数を直
接に観測することはむつかしい。しかし、AgX乳剤塗布
物を露光(1秒露光、露光量は最大濃度を与えはじめる
露光量〜その10倍量の露光量)し、その化学増感核(感
光核)に潜像を形成し、抑制現像し、その抑制現像核を
電子顕微鏡観察で見えるようにしてから、その抑制現像
核の数を数えるという方法で、化学増感核の数および上
記比率を求めることができる。
この手段に関してはD.C.Birchら、Journal of Photog
rphic Science,23巻,P.249〜256(1975年)に記載され
ている。
ここで化学増感核とはイオウ、セレン、テルル、金お
よび第8族貴金属化合物もしくはリン化合物の単独およ
びその組み合わせからなる化学増感核で、最も好ましく
は金−イオウ増感核である。通常、イオウ増感核、金増
感核、貴金属増感核およびその組み合わせで呼ばれ、詳
細は後述の文献の記載を参考にすることができる。
該平板粒子のハロゲン組成の好ましい範囲、より好ま
しい範囲は核形成時、結晶成長時、AgX粒子全体で異な
り、その範囲は表1で示される。AgX粒子のハロゲン組
成構造は一様なものでも、内部と外部が異質なハロゲン
組成から成るものでもよく、層状構造をなしていてもよ
い。その層間のハロゲン組成変化は漸増型、漸減型、急
峻型のいずれでもよく、それぞれの目的に応じて使いわ
けることができる。
また粒子中に還元増感銀核を含んでいることが好まし
い。この還元増感銀核を有しているかどうかは、露光
し、常法により内部現象し、H−D曲線を書かせた時、
存在する内部かぶりの反転像が観察されることから、容
易に判断することができる。詳細は特願昭62-223739号
の記載を参考にすることができる。
次に本発明のAgX乳剤の製法について述べる。
本発明のAgX乳剤は 核形成→熟成 核形成→熟成→成長 核形成→熟成→成長→第II熟成 のいずれかの方法で製造することができる。従つてその
基本過程である核形成、熟成、成長、第II熟成の各過程
について説明する。
1.核形成 核形成は低分子量ゼラチンを分散媒とし、pBr1.0〜2.
5の条件下で分散媒形成することが好ましい。
この場合の低分子量ゼラチンの分子量は1000〜7万、
好ましくは、3000〜4万である。
分子量が7万以上や1000以下では、本発明の効果(全
AgX粒子の投影面積の95%より多くが平行双晶面を2枚
有する平板状粒子となる)が少なくなる。
分散媒の35重量%以上、好ましくは50重量%以上、よ
り好ましくは70重量%以上が低分子量ゼラチンであるこ
とが好ましい。
分散媒の温度は0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜1.6
重量%がより好ましい。
ゼラチンの種類としては、通常アルカリ処理ゼラチン
が用いられるが、その他酸処理ゼラチン、フタル化ゼラ
チンの如き修飾ゼラチンも用いることができる。
その他、核形成時に添加するAgNO3水溶液とハロゲン
化アルカリ水溶液の一方、もしくは両方の水溶液がゼラ
チンを含むことがより好ましい。ここで用いるゼラチン
としては前述の低分子量ゼラチンが好ましい。その場合
も、分散媒の35重量%以上、好ましくは50重量%以上、
より好ましくは70重量%以上が低分子量ゼラチンである
ことが好ましい。
この場合の分散媒の濃度は0.05〜5重量%、好ましく
は0.1〜1.6重量%である。
この効果については、AgNO3水溶液とハロゲン化物塩
水溶液の添加口近辺でゼラチン濃度が不均一とならない
ようにし、多重双晶粒子の生成を防いでいることが考え
られる。
核形成時に双晶面が形成される頻度は、種々の過飽和
因子〔核形成時の温度、ゼラチン濃度、ゼラチンの種
類、ゼラチンの分子量、銀塩水溶液とハロゲン化アルカ
リ水溶液の添加速度、B濃度、攪拌回転数、添加する
ハロゲン化アルカリ水溶液中のI-含量、ハロゲン化銀
溶剤量、pH、無関係塩濃度(KNO3、NaNO3など)、(乳
剤安定剤、カブリ防止剤、増感色素)濃度など〕に依存
し、その依存性は本発明者らによる特願昭61-238808号
の図に示されている。
低温(25〜30℃)で核形成し、次いで熟成せずに新核
発生を生じさせずにそのまま低温で高過飽和成長させる
方式において、核形成時にこれらの過飽和因子を増して
いくと、生成される主な粒子は、a)八面体レギユラー
粒子→b)単一双晶面を有する粒子→c)平行な2枚の
双晶面を有する粒子(目的物)→d)非平行双晶面を有
する粒子およびe)3枚以上の双晶面を有する粒子のよ
うに変化する。
従って本発明ではd)やe)の粒子の生成比率が高く
ならない範囲でc)の生成確率ができるだけ高くなる条
件で核形成することが好ましい。
具体的には、前記の図の依存性を見ながら、本発明の
粒子形成法で最終的に得られるAgX乳剤においてc)の
存在比率が本特許請求範囲内になるようにこれらの種々
の過飽和因子を調節するのである。より具体的には、最
終的に生成したハロゲン化銀粒子のレプリカ像を透過型
電子顕微鏡により観察しながら、核形成時の前記飽和因
子の条件を調節すればよい。
なお、中心部の沃度含量が7モル%以上の高沃度含量
である平板粒子の核形成については特願昭61-238808
号、同63-88376号の記載を参考にすることができる。
これらの種々の因子を調節して、最終的に得られる平
板状粒子を観察すると、前記条件を用いて核形成して得
られた平板状粒子は通常の平均分子量10万の写真用ゼラ
チンを分散媒として用いた場合に比べて特に非平板状粒
子の混入比率が低いことがわかつた。また、形状として
特願昭61-299155号記載の六角平板粒子比率が高い。
フランス特許第2534036号の実施例の粒子は、三角形
状平板粒子(平行な双晶面を3枚もつ粒子)比率が高い
が、これは高い過飽和条件で核形成が行なわれた為であ
ると考えられる。
その他、本発明における核形成時の好ましい条件は次
の通りである。
温度は5〜60℃を用いることができるが、平板粒子が
0.5μm以下の微粒子平板粒子を作る場合は5〜48℃が
好ましい。予め投入しておく溶液中のI-含量は0.03モ
ル/l以下が好ましく、10-2M/l以下がより好ましい。
AgNO3の添加速度は1の反応水溶液あたり0.5g/分〜30
g/分が好ましい。
添加するハロゲン化アルカリ溶液の組成としては、Br
-に対するI-含量は生成するAgBrIの固溶限界以下、好
ましくは20モル%以下が好ましい。
反応溶液中の無関係塩濃度は0〜1mol/lが好ましい。
反応溶液のpHは2〜10を用いることができるが、還元増
感銀核を導入する場合は、8.0〜10が好ましい。反応溶
液中のAgX溶剤の濃度としては、0〜3×10-1mol/lが好
ましい。AgX溶剤の種類は後述のものを用いることがで
きる。
なお、平行双晶面間隔の狭い平行2重双晶粒子核を形
成する為には高過飽和の条件で、短時間の核形成をすれ
ばよく、平均平行双晶面間隔の広い平行2重双晶粒子核
を形成する為には、低過飽和の条件で、長時間の核形成
をすればよい。通常、この核形成期間は、30℃では5秒
〜10分である。適宜、目的に応じて使いわけることがで
きる。例えば、該平板粒子の厚さを該平行双晶面間隔以
下にすることはできないから、薄い該平板粒子を作る為
には、平行双晶面間隔の狭い平行2重双晶粒子核を作る
ことが好ましい。
ここで平行双晶面間隔が狭い核形成とは、該間隔が0.
0005〜0.015μm、好ましくは0.001〜0.12μmの核が個
数で60%以上、好ましくは80〜100%を占める核形成を
指し、平行双晶面間隔が広い核形成とは、該間隔が0.00
5〜0.06μm、好ましくは0.008〜0.05μmの核が個数で
60%以上、好ましくは80〜100%を占める核形成を指
す。表1の核形成温度、前記核形成期間の組み合せを選
ぶ事により容易に得られる。
2.熟成 1)に述べた核形成では微小な平板粒子核が形成され
るが、同時に多数のそれ以外の微粒子(特に八面体およ
び一重双晶粒子)が形成される。次に述べる成長過程に
入る前に平板粒子核以外の粒子〔即ち、八面体、一重双
晶粒子、非平行双晶面を有する粒子(棒状粒子等)〕を
消滅せしめ、平板状粒子となるべき形状でかつ単分散性
の良い核を得る必要がある。これを可能にする為に核形
成に続いてオストワルド熟成を行う。該熟成により、該
平板粒子核の比率が高められる。従って、該平板粒子は
非平行双晶面を有しない。
この熟成法としては、特願昭61-299155号の記載事項
を用いることができるが、それ以外に次の方法が特に有
効である。
核形成後、その乳剤の1部(該乳剤の1〜70重量%、
好ましくは3〜35重量%を指す)を種晶としてとりだ
し、ゼラチン水溶液を添加するか、もしくは単に核形成
後、ゼラチン水溶液および臭化物塩を添加し、pBr、ゼ
ラチン濃度を調節する。この場合の好ましいpBrは低pBr
(1.2〜1.7)であり、ゼラチン濃度は1〜10重量%が好
ましい。この場合に用いられるゼラチンは、通常、写真
業界でよく用いられている平均分子量8万〜30万、通常
は10万のゼラチンが好ましい。
次に温度を上昇させ(該温度上昇は5℃以上、好まし
くは10〜70℃、より好ましくは20〜60℃の上昇を指
す)、第1熟成すると、平板状粒子が成長し、非平板状
粒子が消失する。次にAgNO3水溶液を加えて溶解のpBrを
0.05以上、好ましくは0.1〜2.0だけ上昇させ、より高pB
r(1.7〜3.5)に調節した後、AgX溶剤を加え、第2熟成
する。この場合のAgX溶剤の濃度としては、0〜0.3M/l
が好ましく、10-4〜0.2mol/lがより好ましい。またAgX
溶剤としては後述のものを用いることができる。
直接反転用乳剤として用いる場合は、AgX溶剤とし
て、アルカリ性側で用いられるNH3より、中性、酸性側
で用いられるチオエーテル化合物等のAgX溶剤の方が好
ましい。
このように熟成して、ほぼ〜100%平板状粒子のみと
する。該2段熟成の他に、低pBrから高pBrに連続的に変
化させながら熟成を行なつてもよいし、3段以上で段階
的に順に変化させて熟成を行なつてもよい。しかし、該
熟成の基本的な考えは次の通りである。
即ち、この低pBrの第1熟成では、トラフをもつ双晶
粒子と、トラフを有しない粒子間のオストワルド熟成が
起こり、平板粒子が横方向に優先的に成長し、八面体粒
子が優先的に消失し、ついで一重双晶粒子が消失する。
そして残すべく平板粒子と消すべく非平板粒子間のサイ
ズ差を大きくしておく。次の高pBrでAgX溶剤を用いる第
2熟成では平板粒子の主平面と非平板粒子の球状表面間
でオストワルド熟成が起こり、平板粒子のみがほぼ100
%になる。
また、この第2熟成は、第1熟成で消失できなかつた
非平板粒子を消失させる効果と、平板粒子の種晶の厚味
を揃える効果を有する。低pAgでAgX溶剤を用いて熟成す
ると、平板粒子の厚味方向への成長が生じ、粒子は厚く
なる。この厚味が不揃いであると、次の結晶成長時に、
横方向への成長速度が不揃いになる。この現象は特に低
pBr(1.4〜1.8)領域の結晶成長時に著しく、その場合
に特に好ましくない。
従って該平板粒子は粒子間で厚さが揃っている。該手
法により、粒子間の厚さ分布の変動係数が好ましくは30
%以下、より好ましくは1〜15%の該平板粒子が得られ
る。
該平板粒子の厚さは前記アスペクト比(直径/厚さ)
規定と直径規定により規定される。該規定に従って(該
直径対厚さ)の関係のグラフを書けば、厚さ範囲がより
明確になる。直径0.2μmの粒子にアスペクト比=2〜2
0を適用すると、厚さは0.01〜0.1μmとなり、直径5μ
mの粒子にアスペクト比=2〜20を適用すると、厚さは
0.25〜2.5μmとなる。一方双晶面間隔は、前記核形成
条件のみで決まる。従って(厚さ/双晶面間隔)=a1
値の範囲は(小粒子<大粒子)となる。今、双晶面間隔
を0.01μmとすると、a1値は、直径0.2μmの粒子では
1〜10、直径5μmの粒子では25〜250となる。従っ
て、a1値は1〜250の値をとる事ができるが、好ましく
は1.2〜100、より好ましくは2〜50である。また、本発
明では粒子間で厚さが揃っている為に、また、双晶面間
隔を前記手法で制御する事ができる為に、該a1値も揃
う。該a1値のバラツキの変動係数(100×バラツキの標
準偏差/a1の平均値)は40%以下が好ましく、2〜30%
がより好ましい。
第2熟成のpBrは高くなるにつれ、熟成後の平板粒子
の厚さは厚くなり、pBr>2.6では立方体状粒子となる。
従って第2熟成のpBrは、高アスペクト比の粒子を作る
場合は低くし、低アスペクト比の粒子を作るときは高く
すればよい。第2熟成のpBrを低くすると、高アスペク
ト比の平板粒子が得られるサイズ分布は広くなり、高く
すると低アスペクト比になるがサイズ分布は狭くなる。
この熟成は低い温度では進行が遅い為、実用的観点か
らは40℃〜85℃、好ましくは50℃〜80℃で行う。
ゼラチン濃度は1.0〜10重量%が好ましい。この熟成
過程が終つた段階のAgX乳剤は該AgX粒子の全投影面積の
95%より多くが平行な双晶面を2枚有する平板状AgX粒
子であり、通常、該平板粒子は六角形の角部が少し丸味
を帯びた六角平板粒子もしくは円形平板粒子となつてい
る。
この熟成過程が終つた段階で、この乳剤を通常の水洗
法で水洗し、本発明の単分散六角平板粒子もしくは単分
散円形平板粒子として用いてもよい。
この熟成が終つた後、通常は更に結晶を所望のサイズ
に成長させる為に次の結晶成長過程に入る。
熟成が終つた後、次の成長過程でAgX溶剤が不要の場
合は次のようにしてAgX溶剤を除去する。その除去の割
合は、存在するAgX溶剤量の30重量%以上が好ましく、7
0〜100重量%がより好ましい。
乳剤を水洗する。
乳剤の水洗法として、従来から用いられている、
(i)ヌーデル水洗法、(ii)沈降剤を加えて沈降させ
る水洗法、(iii)フタル化ゼラチンの如き変性ゼラチ
ンを用いる沈降水洗法、(iv)限外濾過法、等(詳細は
G.F.Duffin,“Photographic Emulsion Chemistry,"Foca
l Press,London,1966年および後述の文献参照)を用い
ることができる。
NH3の如きアルカリ性AgX溶剤の場合は、HNO3の如き
Ag+との溶解度積の大きな酸を加えて中和して無効化す
る。
チオエーテル系AgX溶剤の場合は、特開昭60-136736
号に記載の如くH22等の酸化剤を添加して、無効化す
る。
3.成長 熟成過程に続く結晶成長期のpBrは1.4〜3.5に保つこ
とが好ましい。また、結晶成長期に於けるAg+、及びハ
ロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長速度の20〜100
%、好ましくは30〜100%の結晶成長速度になる添加速
度にすることが好ましい。
即ち、結晶成長期の成長雰囲気としては、高pBrの方
が、また、過飽和度は高くなる程平板粒子は成長ととも
により単分散化する。しかし高pBr側(pBr1.8〜3.5もし
くは後述の14面体晶もしくは立方体晶生成領域)では厚
味方向の成長を伴なう為、低アスペクト比の単分散平板
粒子が得られる。
低pBr側(pBr1.4〜1.8もしくは後述の八面体晶等の
{111}面結晶の生成領域)で、かつ、高過飽和成長さ
せると高アスペクト比の平板粒子が得られるが、単分散
性は少し悪くなる。
この場合、結晶成長とともに銀イオンおよびハロゲン
イオンの添加速度を増加させていくが、その増加させて
いく方法としては、特公昭48-36890号、同52-16364号に
記載のように、一定濃度の銀塩水溶液およびハロゲン塩
水溶液の添加速度(流速)を上昇させてもよく、また銀
塩水溶液およびハロゲン塩水溶液の濃度を増加させても
よい。また、あらかじめ0.10μm以下のサイズの超微粒
子乳剤(AgCl、AgBr、AgIおよび/またはそれらの混
晶)を調製しておいてこの超微粒子乳剤の添加速度を上
昇させてもよい。また、これらの重ね合せでもよい。銀
イオンおよびハロゲンイオンの添加速度は階段状に増加
させてもよくまた連続的に増加させてもよい。
その詳細および攪拌方法等については特開昭55-14232
9号、同58-113926〜113928号、特願昭61-299155号、同6
3-223739、米国特許3,650,757号、英国特許1,335,925号
の記載を参考にすることができる。
一般に、成長雰囲気を該低pBr側にする程、また過飽
和度を低くする程、得られる粒子の粒子サイズ分布は広
くなる。
平板粒子の単分散性とアスペクト比に関しては上記の
通りである。次に平板粒子のエツジ部の晶癖について説
明する。
この結晶成長時のpBrを、上述の低pBr領域にして結晶
成長させると、得られる平板粒子は、通常、主平面も殆
んどのエツジ部も{111}面である。一方、この結晶成
長時のpBrを前述の該高pBr領域のpBrにして結晶成長さ
せると粒子は厚味を増しながら成長し、主平面は{11
1}面であるが、エツジ部に{100}面があらわれる。こ
の場合、より高pBrで成長させると、より厚味方向に成
長し、かつ、{100}面積比率が増加する。これについ
ては特願昭62-251377号の参考例1の記載を参考にする
ことができる。
また、この成長時のpBrを立方晶生成領域のpBrにし、
かつ、低過飽和にした場合、六角の角部が少し丸くなつ
た六角平板もしくは円形平板となる。
これについては特願昭62-203635号の記載を参考にす
ることができる。
結晶成長のさせ方として、上記の方法の他、次の方法
も用いることができる。(1)はじめに該低pBrで高ア
スペクト比の平板粒子を形成し、次に該高pBr下で成長
させ、エツジ部に{100}面を形成する方法。熟成過程
後、いきなり該高pBr下で成長させると、エツジ部に{1
00}面を形成することはできるが、厚味方向にも成長す
る為、低アスペクト比の平板粒子しか得られない。従っ
て、はじめに該低pBr下で高アスペクト比の平板粒子を
形成し、次いで、エツジ部に所望の面積割合の{100}
面を形成する為に必要な量だけ、該高pBr下で結晶成長
させ、高アスペクト比でかつ、エツジ部に{100}面を
有する平板粒子を作るのである。
(2)はじめに該高pBr下で厚味方向に成長させ、厚
味の揃った平板粒子を形成した後、次に該低pBr下でエ
ツジ方向に成長させる方法。該低pBr下で成長させる
と、厚さの薄い平板の方が厚さの厚い平板より早くエツ
ジ方向に成長する為に単分散性が劣る。従って、先に厚
味を揃えてから、エツジ方向に成長させ、高アスペクト
比の単分散平板粒子を得る方法である。
該高pBr下で熟成し、粒子が立方体になつた場合、次
の該低pBr下の成長で該粒子は立方体→八面体→平板粒
子となつて成長する。
基本的には、本発明の平板粒子は上記の核形成、熟成
および成長過程を経ることによつて作ることができる
が、必要に応じて、下記の第II熟成を行うこともでき
る。
粒子内沃度分布を漸増または漸減型にする場合は、結
晶成長とともに加えるハロゲン化物中の沃化物の組成比
を漸増または漸減すればよく、急峻型にする場合は、結
晶成長とともに加えるハロゲン化物中の沃化物の組成比
を急増または急激すればよい。
また、この結晶成長期における沃度イオンの供給方法
として、予め調製した微粒子AgI(粒径0.1μm以下、好
ましくは0.06μm以下)乳剤を添加する方法を用いても
よいし、ハロゲン化アルカリ水溶液で供給する方法と併
用してもよい。この場合、微粒子AgIが溶けてI-が供給
される為に、均一にI-が供給され、特に好ましい。
本発明においては該ハロゲン化銀粒子内に還元増感核
を含むことが好ましいが、その観点からは、成長期の溶
液のpHは8.0〜9.8が好ましい。
結晶成長期に成長を促進する為に後述のAgX溶剤を用
いることができる。その場合のAgX溶剤の濃度として
は、0〜3.0×10-1mol/lが好ましい。温度は35〜85℃が
好ましい。
4.第II熟成 この第II熟成の主な目的は(1)六角平板粒子を円形
平板粒子化する、(2)平板粒子のエツジ部に{100}
面を形成する、(3)高アスペクト比でエツジ部に{10
0}面を有する平板粒子を形成する、である。
(1)の円形平板粒子のメリツトは、特願昭62-20363
5号に記した如く、AgX乳剤粒子の保存中の形状安定性が
よいこと、および円形化により、平板粒子のエツジ部に
{100}面が形成されることである。
また、第I熟成後、いきなり高pBr下で成長させる
と、エツジ部に{100}面を形成することはできるが、
厚味方向にも成長する為、低アスペクト比の平板粒子し
か得られない。従って、はじめに低pBr下で高アスペク
ト比の平板粒子を形成し、次いで、エツジ部に所望の面
積割合の{100}面を形成する為に必要な程度だけ、円
形化熟成を行えば、高アスペクト比で、かつ、エツジ部
に{100}面を有する平板粒子が形成される。
これらについておよび円形平板化の為の第II熟成条件
については特願昭62-203635号の記載およびその第7図
を参考にすることができる。簡単に説明すると、円形化
の程度は、主に熟成時の温度、pBr値、用いるAgX溶剤の
種類と濃度に依存し、具体的には上記特許の第7図の曲
線の斜線部側で円形平板粒子が得られる。
この熟成条件としては、次の条件で行うことが好まし
い。
即ち、温度40°〜85℃、好ましくは50°〜80℃、10〜
100分間、好ましくは10〜60分間、ゼラチン濃度は1.0〜
10重量%、ハロゲン化銀溶剤濃度は0〜0.3mol/l、好ま
しくは10-4〜0.2mol/l、ハロゲン化銀溶剤の種類として
は、後述のものを用いることができる。pBrは1.8〜3.5
が好ましい。
前述の立方晶、14面体晶もしくは八面体晶や{111}
面晶が生成するpBr(もしくはpAg)領域は、成長するハ
ロゲン組成、共存する溶剤の量、成長時の過飽和度に依
存し、具体的にはK.Murofushiら、International Congr
ess of Photographic Science,Tokyo(1967)、 J.Rodgers,Symposium Paper on Growth of Photosensit
ive Crystals,Cambridge(1978)、 T.G.Boggら、J.Phot.Sci.,24,81(1976) および特願昭62-219982号の参考例2の記載を参考にす
ることができる。例えば14面体が生成する領域は、AgBr
では、臨界成長速度の50〜80%の過飽和レベルでpAg7.8
5〜7.4の領域である。
本発明における核形成、オストワルド熟成、結晶成
長、第II熟成の製造条件の好ましい領域を表示すると、
表1の如くになる。
また、本発明のAgX乳剤の核形成時、結晶成長時、AgX
粒子全体の平均AgXハロゲン組成の好ましい領域を表示
すると、表2の如くになる。
このようにして、本発明の単分散六角平板粒子および
単分散円形平板粒子が形成される。
本発明のハロゲン化銀粒子は、上記のハロゲン化銀粒子
それ自体で乳剤として使用できるが、本発明の該平板粒
子をサブストレートとして、平板粒子の主平面に対して
垂直方向へ基板のハロゲン組成と異なるハロゲン組成の
AgX層を積層させてもよい。例えばAgBr平板上にAgBrCl
(Cl-含率は0〜100モル%)もしくはAgBrI(I-含率は
0モル%〜固溶限界)を積層させてもよい段階的にハロ
ゲン組成を変化させて積層させてもよいし、連続的にハ
ロゲン組成を変化させて積層させてもよい。これについ
ては特願昭61-253371号を参考にすることができる。
また、該平板粒子を用いて、1つのAgX粒子表面上に
少くとも{100}面と{111}の結晶表面を有し、該結晶
表面の表面層のハロゲン組成が互いに異なるAgX乳剤を
形成させてもよい。これについては特願昭62-251377号
の記載を参考にすることができる。
また、該平板粒子をcore粒子として用いて平板粒子の
横方向へ該平板粒子のハロゲン組成と異なるハロゲン組
成のAgXを付加成長させてもよい。例えばAgBrIの沃度含
量がcore部>付加部であつてもよいし、core部<付加部
であつてもよい。前述の該低pBr領域で、該平板粒子を
成長させると、pBr値が低くなるにつれ、横方向成長速
度/縦方向成長速度はより大きくなり、AgBrではpBr1.8
以下では縦方向へは殆んど成長しなくなる。この平板粒
子の成長特性を利用して調製することができる。この成
長時の結晶成長速度は臨界成長速度の5〜50%、好まし
くは10〜40%の成長速度にすることが好ましい。それ
は、過飽和を高くすると、縦方向の結晶成長速度が増加
する為である。
また該円形平板粒子をhost粒子とし、該host粒子と異
なるハロゲン組成のAgXを、第2図に示すように、該円
形平板粒子の角部のみに選択的に成長させてもよい。こ
の場合の成長条件も上記と同じ該低pBr領域および過飽
和領域が好ましい。
また該平板粒子をホスト粒子とし、エピタキシヤル粒
子を形成して用いてもよい。これについては、特開昭58
-108526号、同59-133540号、同62-32443号、同55-12413
9号、同62-7040、同59-162540号、EP0019917号を参考に
することができる。
また、該平板粒子をサズストレート粒子とし、ラツフ
ルド粒子を形成して用いてもよい。これについては、U.
S.4643966号を参考にすることができる。
また該平板粒子をコアとして、内部に転位線を有する
粒子を形成してもよい。これについては特願昭62-54640
号の記載を参考にすることができる。
このようにして、本発明の単分散六角平板粒子および
単分散円形平板粒子が形成されるが、通常は次に、該平
板粒子上に化学増感核を形成する。本発明の平板粒子上
に生成する化学増感核は、その位置と数が制御されてい
ることが好ましい。その制御法として、次に示す方法を
有効に利用することができる。
吸着剤(増感色素、かぶり防止剤、安定剤等の吸着
剤)の吸着あり、もしくはなしの状態でAgX粒子の角部
や、エツジ部に、ハロゲンコンバージヨン法もしくはAg
NO3とハロゲン化アルカリ液の添加により、エピタキシ
ヤル粒子を成長させ、吸着剤を吸着させて安定化した
後、化学増感し、潜像形成位置をエピタキシヤル部に限
定する方法。
これについては、特開昭58-108526号、同57-133540
号、同62-32443号の記載を参考にすることができる。
粒子形成中に増感色素等の吸着剤を加え、粒子に欠
陥部を導入し、その欠陥部にのみ優先的に化学増感核を
形成する方法。この方法については、米国特許2,735,76
6、同3,628,960、同4,183,756、同4,225,660、リサーチ
・デイスクロージヤー、アイテム19227、192巻、P.155
(1980年)の記載を参考にすることができる。
1つのAgX粒子上に少なくとも{111}面と{100}
面の結晶表面を有するAgX粒子を用い、それらの結晶面
に対する硫黄増感剤の反応性の違いを利用して、ある一
つの結晶面上のみに化学増感核を形成する方法。
これについてはJ.Phot.Sci.23巻、249(1975)、日本
写真学会誌、47巻、P.255(1984)の図3を参考にする
ことができる。また、この反応性の差を利用して、一方
の結晶面上にのみ金−イオウ増感核を形成する方法につ
いては特願昭62-219982号の記載を参考にすることがで
きる。
AgX粒子に吸着剤を吸着させておいてから、化学増
感剤を加えて化学増感する方法。この方法では、化学増
感核は吸着剤の吸着していない場所にのみ形成される
為、化学増感核の数/cm2は制御されるが、生成場所は制
御されない。この方法については、例えば特開昭58-113
926号、同58-113927号、同58-113928号、米国特許4,43
9,520号、同4,435,501号、Research Disclosure,Item.1
7643.Section III、特開昭62-6251、特開昭58-126526、
特開昭62-56949、特開昭62-43644に記載されている。
1つのAgX粒子表面上に二種以上の結晶面を有するA
gX粒子を用い、それらの結晶面に対する吸着に選択性を
もつ吸着剤(面選択性吸着剤)を加え、吸着剤が高密度
に吸着した結晶面と、吸着剤が疎に吸着した結晶面を形
成した後、化学増感剤を加えて化学増感し、吸着剤が疎
に吸着した結晶面上に化学増感核を形成する方法。
この方法は化学増感核の生成場所を制御しようとする
方法である。
これについては、特開昭58-113928号、特願昭62-2036
35号、同62-219982号、同62-197741号、同62-219983
号、同62-219984号、同62-231373号、同62-251377号の
記載を参考にすることができる。
1つのAgX粒子表面上に少なくとも{100}と{11
1}の結晶面を有し、かつ、該結晶表面の表面層のハロ
ゲン組成が互いに異なるAgX粒子を用い、それらの結晶
面の違いとハロゲン組成の違いに選択性をもつ吸着剤を
加え、吸着剤が高密度に吸着した結晶面と、吸着剤が疎
に吸着した結晶面を形成した後、化学増感剤を加えて化
学増感し、吸着剤が疎に吸着した結晶面上に優先的に化
学増感核を形成する方法。これについては特願昭62-251
377号の記載を参考にすることができる。
粒子表面が実質的に一種の結晶面からなるAgX粒子
において、該表面が互いに同一結晶系で、かつ、ハロゲ
ン組成が互いに異なるAgXからなるAgX粒子を用い、吸着
性が該ハロゲン組成の違いに選択的をもつ吸着剤を加
え、吸着剤が高密度に吸着した結晶面と、吸着剤が疎に
吸着した結晶面を形成した後、化学増感剤を加えて化学
増感し、吸着剤が疎に吸着した結晶面上に優先的に化学
増感核を形成する方法。ここで実質的とは、全表面の90
%以上、好ましくは95%以上を指す。具体的には、前述
の如く、core部とその横方向に付加部を有し、core部と
付加部のハロゲン組成の異なる平板粒子を用い、そのco
re部と付加部のハロゲン組成の違いによる吸着剤の選択
吸着特性を利用し、化学増感核をcore部もしくは付加部
に選択的に形成する化学増感法。ハロゲン組成の違いに
よる吸着剤の吸着特性の違いについては特願昭62-25137
7号の記載を参考にすることができる。特にこのcore部
に化学増感核を選択的に形成する方法は、潜像分散しや
すい平板粒子の潜像を中心部に集中させる方法として特
に好ましく用いることができる。この場合、core粒子と
して微粒子単分散平板を用いると、潜像をより中心部の
みに集中させることができて好ましい。具体例としてco
reがAgBrで付加部がAgBrI(沃度含量4〜30モル%)
の、第1図に示す平板粒子を挙げることができる。
また、他の形態として、第2図に示す如く、該円形平
板粒のhost粒子部と、該host部と異なるハロゲン組成を
有する六角形のコーナー部(付加部)を有する平板粒子
を用い、そのホスト部と付加部のハロゲン組成の違いに
よる吸着剤の選択吸着特性を利用し、化学増感核を付加
部に選択的に形成する化学増感法を用いることもでき
る。この場合、化学増感核の生成は該六角平板粒子の六
つの角部のみに限定される為、潜像の分散が防止され、
好ましい。
化学増感核の形成を制御する為に吸着させる吸着剤
が、従来、分光増感等の役割をも兼ねていたものを、吸
着剤の吸着→化学増感→吸着剤の水洗脱着除去→再分散
→添加剤の添加,の方法を用いることにより、機能分離
化した化学増感法。吸着剤はその写真性を無視して、化
学増感核の形成場所と数/cm2を制御する為に最も適した
吸着剤を選択できるというメリツトを有する。これにつ
いては特願昭63-26979号の記載を参考にすることができ
る。
化学増感核の生成場所と数/cm2の両方を同時に制御
する為に上記のとの方法の組み合わせた方法もしく
はとの方法の組み合わせた方法もしくはとを組
み合わせた方法を用いることができる。
この場合、文字通りに化学増感核の生成場所と数/cm2
が制御される為に更に好ましい。
このような〜の方法を用いてその化学増感核の生
成場所および、もしくは数/cm2が制御された本発明の平
板粒子が形成される。
上記方法で用いられる吸着剤のAgX粒子表面のハロゲ
ン組成や結晶面の違いによる吸着特性についてはT.H.Ja
mes,The Theory of the Photographic Process,Fourth
Edition,Macmillan,New York,1977,Chap.9,Chap.1,Cha
p.13。A.Herz and J.Helling,J.Colloid Interface Sc
i.,22,391(1966)。S.L.Scrutton,J.Phot.Sci.,22,69
(1974)。
J.Nys,Dye Sensitization,Bressanone Symposium,Focal
Press,London,1970,P.26〜43、57〜65。
T.Tani,Journal of Imaging Science,29、165(198
5)。特願昭62-197741、同62-219983、同62-219984、同
62-231373、同62-251377号、同63-26977号の記載を参考
にすることができる。
実用的には、立方体粒子や八面体粒子、ハロゲン組成
の異なる粒子に対する種々の吸着剤のLangmuir吸着等温
曲線を測定することにより調べることができ、これにつ
いては上記のT.H.James編の本の第9章の記載を参考に
することができる。
吸着剤の具体例としては、ハロゲン組成依存性を有す
る色素(吸着性がI->Br->Cl-である)は1,1′−diet
hyl-2,2′−cyaninechloride,1,1′,3,3′−tetramethy
l-2,2′−cyanine,アニオン性9−メチルチアカルボシ
アニン等のAgX粒子表面のハロゲンイオンサイトに吸着
するシアニン色素類であり、晶癖依性を有する色素とし
ては、3,3′−dimethyl-thiazolino-dicarbocyanine br
omide〔吸着性は(100)面<(111)面〕,3,3′−bis
(4−sulfobutyl)−9−methyl-thiacarbocyanine
〔吸着性は(100)面>(111)面〕等を挙げることがで
きる。
本発明の平板粒子は該平板粒子をコアとして、浅内潜
型乳剤を形成して用いてもよい。これについては、特開
昭59-133542号、米国特許第3,206,313号、同3,317,322
号を参考にすることができる。該平板粒子をコアとし穴
居型乳剤粒子を形成して用いてもよい。これについては
英国特許第7458764号を参考にすることができる。
該平板粒子をコアとしてコア/シエル型直接反転乳剤
を形成し、それを用いてもよい。これについては特願昭
61-299155の実施例13、および米国特許第3,761,276号、
同第4,269,927号、同第3,367,778号を参考にすることが
できる。
また、金増感熟成が終了するまでにH22、ペルオキ
シ酸等の酸化剤を添加し、その後、還元性物質を添加す
る方法や、金増感熟成後、感材中のフリーを金イオンを
少なくする方法を用いることができる。これについては
特開昭61-3134号、同61-3136号、特願昭60-96237号、特
開昭61-219948号、同61-219949号、特願昭61-184890
号、同61-183949号を参考にすることができる。該平板
粒子をアンテナ色素で分光増感してもよい。これについ
ては特願昭61-51396号、同61-284271号、同61-284272号
の記載を参考にすることができる。
該平板粒子の光干渉性を利用することに関して、およ
び上記事項の詳細やその他の事項については、特願昭61
-299155号およびその補正を参考にすることができる。
該平板粒子を強硬膜系で用い、よりカバリングパワー
を高めて用いることもできる。これについては特開昭58
-113926号、Research Disclosure、184巻、1979年8
月、アイテム18431、K項を参考にすることができる。
本発明で用いられる低分子量ゼラチンは、通常、次の
ようにして作ることができる。通常用いられる平均分子
量10万のゼラチンを水に溶かし、ゼラチン分解酵素を加
えて、ゼラチン分子を酵素分解する。この方法について
は、R.J.Cox,Photographic Gelatin II,Academic Pres
s,London,1976年、P.233〜251、P.335〜346の記載を参
考にすることができる。この場合、酵素が分解する結合
位置は決つている為、比較的分子量分布の狭い低分子量
ゼラチンが得られ、その点で好ましい。この場合、酵素
分解時間を長くする程、より低分子量化する。酵素は、
通常、次に加熱等により失活させる。その他、低pH(pH
1〜3)もしくは高pH(pH10〜12)雰囲気下で、加水分
解する方法も用いることができる。この場合は分解後、
イオン交換処理を行なえば不純物(例えば酵素)の混入
なしに低分子量化できるという点で好ましい。
本発明の核形成過程において、双晶面形成頻度を決め
る過飽和条件を調節する為にハロゲン化銀溶剤を用いて
もよい。
また、本発明の熟成過程においては、熟成を促進する
ために、また、この熟成後の結晶成長期間において、結
晶成長を促進するためにハロゲン化銀溶剤を用いてもよ
い。
しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤としては、チオ
シアン酸塩、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類な
どを挙げることが出来る。
例えばチオシアン酸塩(米国特許第2,222,264号、同
第2,448,534号、同第3,320,069号など)、アンモニア、
チオエーテル化合物(例えば米国特許第3,271,157号、
同第3,574,628号、同第3,704,130号、同第4,297,439
号、同第4,276,347号など)、チオン化合物(例えば特
開昭53-144319号、同53-82408号、同55-77737号な
ど)、アミン化合物(例えば特開昭54-100717号など)
などを用いることができる。
本発明に用いられる増感色素、かぶり防止剤、安定剤
は写真乳剤の製造工程のいかなる工程に存在させて用い
ることもできるし、製造後塗布直前までのいかなる段階
に存在させることもできる。前者の例としては、ハロゲ
ン化銀粒子形成工程、物理熟成工程、化学熟成工程など
である。
本発明のハロゲン化銀乳剤は必要により他の乳剤や保
護層、中間層、フイルター層と共に支持体上に一層もし
くはそれ以上(例えば2層、3層)設けることができ
る。また、支持体の片側に限らず両面に設けることもで
きる。また、異なる感色性の乳剤として重層することも
できる。
本発明の単分散平板状粒子の場合、大粒子、中粒子、
小粒子乳剤の三層、もしくは更に粒子サイズが細分化さ
れた乳剤を3層以上で塗布した場合、高アスペクト比の
平板状粒子である為、各層を薄層化でき、乳剤層厚の大
幅な増加なしに製造できる為、シヤープネスの低下なし
に高感度化、高画質化が達成される。
従って、単分散平板状粒子からなる乳剤を上層から粒
子サイズの大きい順に2層以上、好ましくは3層〜5層
で構成すると、本発明の単分散平板状粒子は、更にその
硬化が発揮される為、好ましい。
この層構成については、特願昭61-299155の記載を参
考にすることができる。
通常、高アスペクト比の平板粒子からなる乳剤を塗布
し、乾燥させた場合、平板粒子はベース面に平行に配向
する。本発明の平板粒子をベース面に平行に配向させ、
かつ、光の透過に対して互いに重なり合って配向させ、
入射光が素通りすることのできる粒子間間隙をなくした
時、光の利用効率が大きく上昇し、高感度化、高画質化
する。また、現像された時にcovering powerが高くな
る。また、カラー写真系では、従来より少ない塗布銀量
で粒状消失効果が得られ、省銀化、高画質化できる。本
発明の単分散六角平板粒子では特にこれらの効果が大き
いので好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層のその他
の構成については特に制限はなく、必要に応じて種々の
添加剤を用いることができる。
添加することのできる化学増感剤、分光増感色素、か
ぶり防止剤、金属イオンドープ剤、ハロゲン化銀溶剤、
安定剤、染料、カラーカプラー、DIRカプラー、バイン
ダー、硬膜剤、塗布助剤、増粘剤、乳剤沈降剤、可塑
剤、寸度安定改良剤、帯電防止剤、螢光増白剤、滑剤、
艶消剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、散乱または吸収材
料、硬化剤、接着防止、写真特性改良剤(例えば現像促
進剤、硬調化剤など)、現像剤等写真的に有用なフラグ
メント(現像抑制剤または促進剤、漂白促進剤、現像
剤、ハロゲン化銀溶剤、トナー、硬膜剤、かぶり防止
剤、競争カプラー、化学または分光増感剤および減感剤
等)を放出するカプラー、像色素安定剤、自己抑制現像
剤、およびその使用法、また、分光増感における超増
感、分光増感色素のハロゲン受容体効果や電子受容体効
果、かぶり防止剤、安定剤、現像促進剤または抑制剤の
作用、その他、本発明の乳剤の製造に用いる製造装置、
反応装置、攪拌装置、塗布、乾燥法、露光法(光源、露
光雰囲気、露光方法)、そして写真支持体、微孔性支持
体、下塗り層、表面保護層、マツト剤、中間層、ハレー
シヨン防止層、AgX乳剤の層構成および写真処理剤、写
真処理方法についてはリサーチ・デイスクロージヤー
誌、176巻、1978年、12月号(アイテム17643)、同184
巻1979年8月号(アイテム18431号)、同134巻1975年6
月(アイテム13452)プロダクト・ライセンシング・イ
ンデツクス誌92巻107〜110(1971年12月)、特開昭58-1
13926〜113928号、同61-3134号、同62-6251号、日化協
月報1984年、12月号、P.18〜27、特願昭62-219982号、
T.H.James,The Theory of the Photographic Process,F
ourth Edition,Macmillan,New York,1977年、V.L.Zelik
man et al.著Making and Coating Photographic Emulsi
on(The Focal Press刊、1964年)の記載を参考にする
ことができる。
その他、本発明のAgX乳剤は、従来の既知技術とのあ
らゆる組み合わせ構成を用いることができる。この従来
の既知技術に関して、および本発明のAgX乳剤のその他
の構成に関しては特願昭63-153722号およびその補正書
の記載を参考にすることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲン化銀写真
感光材料〔例えば、Xレイ感材、印刷用感剤、印画紙、
ネガフイルム、マイクロフイルム、直接ポジ感材〕、カ
ラー写真感光材料(例えばネガフイルム、印画紙、反転
フイルム、直接ポジカラー感材、銀色素漂白法写真な
ど)に用いることができる。更に拡散転写用感光材料
(例えば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要素)、
熱現像感光材料(黒白、カラー)、高密度digital記録
感材、ホログラフイー用感材などにも用いることができ
る。
本発明の乳剤は特開昭62-269958号の実施例1、同63-
151618号の実施例13、14、同60-95533、同59-142539、
同62-253159、特願昭62-203635号の実施例9、同61-109
773号、同62-54640号、同62-141112号、同62-208241
号、同62-263319号の実施例の構成乳剤として好ましく
用いることができる。
(本発明の効果) このようにして得られる本発明の平板状AgX乳剤は 粒子形状が単分散である 投影粒径が単分散である 粒子厚さが揃っている という特徴をもち、化学増感が各粒子に対して最適に設
定することができ、かつ、大粒子、中粒子、小粒子をそ
れぞれ高感度層、中感度層、低感度層の如く重層塗布し
た場合、その重層効果を十分に発揮でき、また、最初に
述べた平板状粒子の特性を十分に発揮でき、感度、階
調、粒状性、シヤープネス、解像力、カバリングパワ
ー、画質、保存性、潜像安定性および圧力性において優
れた特性をもつ感光性用AgX乳剤を提供することができ
る。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する。
〔実施例〕 以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明の態様はこれに限定されるものではな
い。
実施例1 kBr4.5g、平均分子量()2万のゼラチン7g、を含
む水溶液1中に、攪拌しながらダブルジエツト法でAg
NO3水溶液(100ml中に32gのAgNO3と2万のゼラチン0.
7g、HNO3(1N)0.14mlを有する〕とkBr水溶液〔100ml中
に23.2gのkBrと0.7gの2万のゼラチンを含む〕を攪拌
しながら、同時にそれぞれ25cc/分で27.5ccを添加す
る。温度は30℃である。この乳剤の内、350mlを種晶と
し、これにゼラチン水溶液650ml〔ゼラチン20g、kBr1.2
gを含む〕を添加し、温度を75℃に上げ40分間熟成した
後、AgNO3水溶液(AgNO31.7gを含む〕を1′30″間で添
加し、次いでNH4NO3(50重量%)水溶液6.2mlとNH3(25
重量%)水溶液6.2mlを添加し、更に40分間熟成した。
次に乳剤HNO3(3N)液でpH7.0にし、kBr1gを添加した
後、AgNO3水溶液(100ml中にAgNO3を10g含む)とkBr水
溶液をはじめの10分間は8ml/分で、次の20分間は15ml/
分で銀電位−20mVのCDJ添加をした。この乳剤を水洗
し、再分散させた。得られた乳剤粒子のレプリカ像をTE
M(倍率3280倍)で観測した。乳剤中の本発明の粒子の
特性は次の通りであつた。
実施例2 実施例1において、2万のゼラチンを=10万、4
万、1万、5000、500のそれぞれの分子量のゼラチンに
置きかえる以外はすべて同じにした。それぞれの分子量
のゼラチンで得られた乳剤粒子のTEM像より、六角平板
粒子の存在個数比率を求めると、第3図のようになつ
た。
実施例3 核形成は実施例1と同じにする。核形成後ゼラチン水
溶液545ml(ゼラチン32gを含む。pH6.5)を添加し、温
度を75℃に上げる。12分間経時した後、AgNO3水溶液(A
gNO3を3.2含む)を3分間で添加し、続いてNH4NO3(50
重量%)液を10ml、NH3(25重量%)液を10ml添加し、3
0分間熟成する。次にHNO3(3N)液を加えてpH7.0にし、
kBrを1.6g加え、AgNO3水溶液(100ml中にAgNO3を15g含
む)とkBr水溶液を用い、はじめの10分間は8ml/分で、
次の20分間は15ml/分で銀電位−20mVのCDJ添加をした。
この乳剤を水洗し、再分散させた。得られた乳剤粒子の
TEM像より求めた本発明の平板粒子の特性は次の通りで
あつた。得られた粒子のTEM像を第4図に示す。
また、該乳剤粒子の塗布物の断面薄層切片の低温透過
型電子顕微鏡観察によると、観察された平板粒子の100
%が、平行双晶面を2枚有する粒子であつた。
該平板粒子の平均厚さは0.175μm、厚さ分布の変動
係数は7.0%であった。該平板粒子の双晶面間隔の平均
値は0.009μmで、そのバラツキの変動係数は38%であ
った。また、一つの双晶面とその最近接主平面間の距離
をa2、他方の双晶面とその最近接主平面間の距離をa3
とし、(a2>a3)とすると、すべての粒子は(a2/
a3)=1〜1.3の関係であった。
実施例4 実施例3で得られた単分散六角平板粒子からなる乳剤
をAgNO3水溶液とNaOH水溶液でpBr2.8、pH6.4に調節した
後、NH4NO3(25重量%)を10mlとNH3(12.5重量%)を1
2ml加え、75℃で20分間熟成した。熟成後温度を35℃ま
で冷却し、水洗し、分散させた。得られた乳剤粒子のレ
プリカ像をTEM(倍率1200倍)で観察した。乳剤粒子の
特性は次の通りであつた。
実施例5 実施例3で粒子成長が終つた段階で、AgNO3水溶液を
用いて銀電位を+70mVに調節した後、同一濃度のAgNO3
とkBr水溶液を同一速度で更に5分間成長させた。次の
温度を35℃まで冷却し、水洗し、分散させた。得られた
乳剤粒子の特性は次の通りであつた。
実施例6 実施例5で調製した乳剤(AgBr0.5モル/l、pH6.5、pA
g8.0、温度50℃)に3,3′−dimethyl thiazolinodicarb
ocyanine bromide増感色素を飽和吸着量の90%の添加量
を加え、pAgを8.0に調節した。20分間経時させた後、pA
gを8.5にし、triethylthioureaのメタノール溶液(0.00
5重量%)を0.8×10-5mol/molAgBrだけ等速で10分間か
けて添加し、10分間熟成した。次に金増感剤(金チオシ
アン酸錯体)を0.3×10-5mol/molAgBrだけ添加して50分
間熟成した。温度を下げ、この乳剤をpBr1.6の水で2回
水洗し、未反応硫黄増感剤を水洗除去し、次にpAg5.0の
水で2回水洗し、色素を水洗除去した後、更に水で1回
水洗し、再分散させたせ。次に40℃に昇温しDye1を飽和
吸着量の40%量だけ添加し、次にかぶり防止剤TAI(4
−hydoxy−6−methyl-1,3,3a,7-tetraazaindene)と塗
布助剤を加えて塗布した。
比較例1 特願昭61-299155の実施例9で、結晶成長時の添加銀
量が119gになつた所でAgNO3の添加を停止し、平板粒子
1.1μm、平均厚さ0.16μmの平板粒子(六角平板粒子
の投影面積比率約91%、変動係数約11%)を作り、実施
例6と同じ化学増感、分光増感を施し、同様に塗布し
た。
かくして得られた塗布フイルム(塗布銀量はそれぞれ
1.5g/m2、ベースはポリエチレンテレフタレートフイル
ム)を色温度5500℃のフイルターを入れたタングステン
光で1/100秒のウエツジ露光し、MAA−1現像液で20℃、
10分間現像した。
得られた特性曲線より求めた感度粒状性は表3の通り
であつた。
本発明の乳剤の感度及び粒状性が良好であることが判
る。
RMS粒状度は試料をカブリ上0.2の濃度を与える光量で
一様に露光し、前述の現像処理を行つた後、マクミラン
社刊“ザ・セオリー・オブ・ザ・フオトグラフイツク
プロセス"619ページに記述される方法でGフイルターを
用いて測定した。各々比較用乳剤1を用いた試料を100
として相対的に表わした。
実施例7 実施例3と結晶成長過程の前までは同じにし、kBrを
加えて銀電位を−20mVにし結晶成長をAgNO3水溶液(100
ml中にAgNO3を30g含む)とハロゲン化物水溶液(kBrとK
Iを含み、沃度含量は5モル%)をはじめの16分間は5ml
/分で次の30分間は10ml/分で、−20mVのCDJ添加した。
この乳剤を水洗し、再分散(pH6.4、pAg8.5)させた。
得られた乳剤粒子のTEM像より求めた本発明の平板粒子
の特性は次の通りであつた。
この粒子はcore部がAgBrで、横方向の付加部がAgBrI
(5モル%)で第1図の構造を有している。
この粒子のcore部と付加部のモル比は約13である。
この未後熟乳剤を40℃、pH6.5、pAg8.5にし、50℃に
昇温し、ハイポ水溶液を2.5×10-5mol/molAgBrだけ添加
し、5分後に金増感剤を0.9×10-5mol/molAgBrだけ添加
し、50分間熟成した。次に温度を40℃に下げ、Dye2(1,
1′−diethy-2,2′−cyaninechloride)を飽和吸着量の
38%添加し、20分間経時した後、カブリ防止剤と塗布助
剤を加えて塗布した。
実施例8 実施例7で調製した未後熟乳剤を40℃、pH6.5、pAg8.
5にし、Dye2を飽和吸着量の38%添加し、20分間経時し
た後、50℃に昇温し、ハイポを1.2×10-5mol/molAgBrだ
け添加し、5分後金増感剤を0.4×10-5mol/molAgBr添加
し、50分間熟成した。次に温度を40℃にし、かぶり防止
剤と塗布助剤を加えて塗布した。なお、Dye2は、AgBrよ
りAgBrI表面の方に選択的に吸着する色素である。
実施例9 実施例7で調製した未後熟乳剤を40℃にし、Dye2を飽
和吸着量の78%色素させた後、50℃に昇温し、ハイポを
0.9×10-5mol/molAgBrだけ10分間かけて添加し、5分
後、金増感剤を0.3×10-5mol/molAgBrだけ添加し、50分
間熟成した。次に温度を35℃に下げ、pH3.5、pAg4.0で
色素の一部を脱着させ、水洗し、再分散(pH6.4、pAg8.
5)した。この乳剤へのDye2の添加量を増していつた時
の反射スペクトル測定より、残存色素吸着量は38%であ
つた。この乳剤を40℃にし、かぶり防止剤と塗布助剤を
加えて塗布した。
実施例10 実施例7の未後熟乳剤を40℃にし、Dye3(AgBrの{11
1}面に吸着した状態のpKa値は4.6)を飽和吸着量の90
%で吸着させ、20分間経時した後、温度を50℃にし、ハ
イポを0.7×10-5mol/molAgBrだけ10分間かけて添加し、
5分後、金増感剤を0.3×10-5mol/molAgBrだけ添加し、
50分間熟成した。次に温度を35℃に下げ、pH3.5に下
げ、増感色素を脱着させ、pH3.8で乳剤を水洗し、これ
を3回くり返した。次に乳剤を再分散させ、40℃にし、
Dye2を飽和吸着量の37%吸着させ、次にかぶり防止剤と
塗布助剤を加えて塗布(塗布銀量は1.5g/m2、ベースは
ポリエチレンテレフタレートフイルム)した。
実施例7、8、9、10の試料を表1と同じ比較した
所、表4の結果が得られた。
実施例−11 実施例−3で得られた乳剤をイオウ増感剤(ハイポ)
と金チオシアン錯体を用いて常法により化学増感を施し
た。
かくして得られた乳剤を特開昭62-269958号実施例−
1の試料101の第3層用乳剤として用いる以外は該試料1
01と全く同じ組成のカラー写真感光材料を作成した。
特開昭62-269958号実施例−1の処理方法と同様に処
理したところ、良好な感度及び粒状性を示した。
本発明の好ましい実施態様は次の通りである。
1) 平均アスペクト比が2.0以上好ましくは2.5〜20、
より好ましくは4〜16であることを特徴とする特許請求
範囲のハロゲン化銀乳剤。
2) 乳剤中の全ハロゲン化銀粒子の全投影面積の95%
より多く、好ましくは98%以上が該平板粒子であること
を特徴とする特許請求範囲のハロゲン化銀乳剤。
3) 該平板粒子の円相当投影粒径サイズのサイズ分布
が変動係数で30%以下、好ましくは20%以下、より好ま
しくは15%以下であることを特徴とする特許請求範囲の
ハロゲン化銀乳剤。
4) 隣接辺比率が1.0〜2.0、好ましくは1.0〜1.5であ
ることを特徴とする特許請求範囲第1、2項記載のハロ
ゲン化銀乳剤。
5) 該平板粒子の円相当投影粒径サイズが0.2μm以
上、好ましくは0.2〜5μmであることを特徴とする特
許請求範囲記載のハロゲン化銀乳剤。
6) 化学増感核の数が、20個/粒子以下、好ましくは
10個/粒子以下であることを特徴とする特許請求範囲記
載のハロゲン化銀乳剤。
7) 該平板粒子がエツジ部に{100}面を有し、該粒
子の全表面積に対し該{100}面積の割合が5〜50%で
あり、かつ、化学増感核が{100}面上に優先的に形成
されていることを特徴とする特許請求範囲記載のハロゲ
ン化銀乳剤。
8) 該平板粒子が互いにハロゲン組成の異なるcore部
とその横方向に付加部を有し、化学増感核がcore部上、
もしくは付加部上に優先的に形成されていることを特徴
とする特許請求範囲記載のハロゲン化銀乳剤。
9) core部と付加部の外表面積比が20〜1/20であるこ
とを特徴とする実施態様8項記載のハロゲン化銀乳剤。
10) (優先的に化学増感核が形成される場所の化学増
感核の数/cm2)/(優先的に化学増感核が形成されない
場所の化学増感核の数/cm2)が2.5以上、好ましくは5
以上であることを特徴とする実施態様第7、8項記載の
ハロゲン化銀乳剤。
11) 上記1)〜10)のハロゲン化銀乳剤が(1)核形
成、(2)熟成及び(3)粒子成長よりなる工程から調
製され、核形成期の分散媒が分子量1000〜7万、好まし
くは3000〜4万のゼラチンであり、分散媒の濃度が0.05
〜10重量%、pBrが1.0〜2.5、予め投入しておく溶液中
のI-含量は0.03モル/l以下、好ましくは0.01モル/l以
下、AgNO3の添加速度が1の反応溶液あたり0.5〜30g/
分、反応温度が5〜60℃であることを特徴とする製造方
法により製造されたハロゲン化銀乳剤。
12) 上記1)〜10)のハロゲン化銀乳剤が(1)核成
形、(2)熟成及び(3)粒子成長よりなる工程から調
製され、核形成後、ゼラチン濃度、pBr値を調節した
後、温度を上昇させ、低pBr(1.2〜1.7)で第1熟成し
た後、次に銀塩を添加して高pBr(1.7〜3.5)にし、AgX
溶剤を添加して第2熟成することを特徴とする製造方法
により製造されたハロゲン化銀乳剤。
13) 上記(1)〜(2)のハロゲン化銀乳剤の粒子成
長期のpBrが1.4〜3.5であり、かつ、銀イオン及びハロ
ゲンイオンの添加速度が結晶臨界成長速度の20〜100%
であることを特徴とする製造方法により製造されたハロ
ゲン化銀乳剤。
【図面の簡単な説明】
第1図はcore部がAgBrで横方向の付加部がAgBrIで、付
加部上に選択的に吸着剤(シアニン色素)が吸着され、
化学増感核がcore部上に選択的に形成された本発明の好
ましい態様を模式的に示したもの。 第2図は円形平板のホスト粒子に該ホスト粒子と異なる
ハロゲン組成の付加部を成長させた六角平板粒子を模式
的に示したもの。 第3図は実施例−2における分散媒のゼラチンの分子量
と得られた六角平板粒子の存在個数の関係を示すもので
あり横軸はゼラチンの分子量を、たて軸は本発明の六角
平板粒子の個数の割合を示す。 第4図は実施例3で得られた粒子の結晶構造を示す電子
顕微鏡写真であり、その倍率は3280倍である。 第5図は本発明の円形平板粒子の直線部比率を説明する
図である。b、d、f、h、j、lは該円形平板粒子の
直線部の長さを示し、 で表わされる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも分散媒と400個以上のハロゲン
    化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤であって、該ハロゲ
    ン化銀粒子の全投影面積の95%より多くが主平面に平行
    な双晶面を2枚有し、非平行双晶面を有しない平板状ハ
    ロゲン化銀粒子で占められており、かつ、該平板状粒子
    の平均アスペクト比が2以上で、該平板状粒子のサイズ
    分布の変動係数が30%以下であることを特徴とするハロ
    ゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】該平板状粒子の主平面の形状が最大隣接辺
    比率が2以下の六角形であり、該粒子の厚さ分布の変動
    係数が1〜30%であり、該粒子サイズ分布の変動係数が
    20%以下であり、かつ、粒子全体のCl-含率が0〜40モ
    ル%であることを特徴とする請求項(1)記載のハロゲ
    ン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】ハロゲン化銀粒子の全投影面積の95%より
    多くが、主平面に平行な双晶面を2枚有し、非平行な双
    晶面を有しない平板状ハロゲン化銀粒子で占められてお
    り、かつ該平板状粒子の平均アスペクト比が2以上で、
    該平板状ハロゲン化銀粒子400個以上のサイズ分布の変
    動係数が30%以下であるハロゲン化銀乳剤の製造方法で
    あって、該乳剤が、核形成後の工程において、該平板粒
    子核以外の核をオストワルド熟成により消滅させ、該平
    板粒子の比率を高める方法によって製造されることを特
    徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  4. 【請求項4】該核形成過程の温度に対して、該オストワ
    ルド熟成過程の温度を5℃以上昇温させることを特徴と
    する請求項(3)記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  5. 【請求項5】該オストワルド熟成過程でハロゲン化銀溶
    剤を10-4〜0.2モル/L用いることを特徴とする請求項
    (3)記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  6. 【請求項6】該核形成時に添加するAgNO3水溶液とハロ
    ゲン化アルカリ水溶液の一方、もしくは両方の水溶液が
    分散媒を0.05〜5重量%含むことを特徴とする請求項
    (3)記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
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