JP3089578B2 - ハロゲン化銀写真乳剤及びこれを用いる写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及びこれを用いる写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単分散性に優れたハロゲ
ン化銀平板乳剤及び、該ハロゲン化銀平板乳剤を含有す
るハロゲン化銀写真感光材料に関し、さらに詳しくは、
形状のそろった六角状ハロゲン化銀平板乳剤及び該平板
乳剤を含有し、粒状性、感度かぶり比シャープネスに優
れたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】平行な2枚以上の双晶面を含むハロゲン
化銀粒子は平板状の形態を有する。(以下「平板粒子」
と呼ぶ)この平板粒子はその写真特性として以下の点が
挙げられる。 1) 体積に対する表面積の比率(以下比表面積と言う)
が大きく、多量の増感色素を表面に吸着させる事ができ
る。その結果、色増感感度が相対的に高い。 2) 平板粒子を含む乳剤を塗布し、乾燥した場合、その
粒子が支持体表面に平行に配列する為、粒子による光散
乱が低減できシャープネス、解像力を向上させる事がで
きる。またこの配列により塗布層の厚さを薄くでき、シ
ャープネスを向上できる。 3) 比表面積が大きいので、現像進行を速くする事がで
きる。 4) カバリングパワーが高く省銀化できる。 この様に多くの利点を有する為に、従来から高感度の市
販感材に用いられてきている。
【0003】特開昭58−113926号、同58−1
13927号、同58−113928号にはアスペクト
比が8以上の乳剤粒子が開示されている。ここで言うア
スペクト比とは平板粒子の厚さに対する直径の比で示さ
れる。さらに粒子の直径とは粒子を投影面積と等しい面
積を有する円の直径を指すものとする。また厚みは平板
粒子を構成する二つの平行な主表面の距離で示される。
【0004】しかしながら、前記特許の実施例に見られ
る様に、周知の調製法による平板粒子は単分散性が良く
ない。これは 平板粒子の投影面積径の分布が広い 平板粒子以外に、棒状粒子、テトラポット状粒子、一
重双晶粒子や非平行な双晶面を有する粒子が混じってい
る事を意味する。 この為 特性曲線の硬調化(いわゆる高ガンマ)が期待できな
い 大粒子と小粒子が混在した乳剤を化学増感した場合
に、化学増感の最適条件が大粒子と小粒子とでは異なる
為、両者に対して最適化学増感を行う事が難しい 大粒子と小粒子が混在した乳剤塗布層に比べ、単分散
大粒子を上層に、単分散小粒子を下層に塗布する重層系
の方が光の利用効率の点で高感度になるが、この重層効
果を十分に利用できない、などの欠点を持つ。
【0005】従って、これまで平板粒子の単分散化の試
みが種々なされてきており、いくつかの特許が開示され
ている。特開昭52−153428号の単分散平板粒子
は核にAgI晶を用いるという制約があり、かつ得られ
る粒子形状は平板粒子比率が少ないものである。特開昭
55−142329号は平板粒子の単分散化の為の成長
条件を開示したものであるが、生成した粒子は平板粒子
の比率が低いものであった。特開昭51−39027号
の単分散双晶粒子は核形成後、ハロゲン化銀溶剤を加え
て熟成し、次に成長させる方法であるが、得られる粒子
は、平板粒子比率が低く、かつアスペクト比も低い。粒
子形成プロセスとして、この特許と同様の単分散双晶粒
子特許として、特開昭61−112142号がある。こ
の特許においては球状粒子を種晶として用いる為、アス
ペクト比が2.2以下であり、平板粒子比率も低い平板
粒子乳剤しか得られなかった。仏国特許第253403
6号記載の単分散平板粒子は、核形成後、ハロゲン化銀
溶剤を用いずに熟成する方法で形成するものであり、得
られた平板粒子の円相当径の変動係数(円相当径の標準
偏差を平均円相当径で割った数値を100倍した数値)
が15%のものが記載されている。この特許の実施例に
掲載されている粒子写真で計算すると三角形平板粒子の
投影面積が50%以上である。この三角形平板粒子は、
J.E.Maskasky、J.Imaging Sci.、31、1987年、p
15〜26によると、主表面に平行の双晶面を3枚有す
る粒子である。
【0006】特開昭63−11928号、同63−15
1618号及び特開平2−838号には六角形平板粒子
を含む単分散平板粒子が開示されている。この六角平板
粒子は、上記の三角平板粒子と異なり、平行な双晶面を
2枚有する平板粒子である。上記の特開平2−838号
の実施例1には、平行な双晶面を2枚有する平板粒子の
全投影面積に占める割合が99.7%で且つその円相当
径の変動係数が10.1%の単分散平板粒子の記載があ
る。
【0007】米国特許第5147771号、同5171
659号、同5147772号、同5147773号に
は、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマーを核形
成時に存在させる事により単分散平板粒子を得る製造方
法が開示されている。また欧州特許第514742A号
には、変動係数が10%以下の単分散平板粒子乳剤が開
示されている。この特許においても、その実施例におい
ては全て上記のポリアルキレンオキシドブロックコポリ
マーが使用されている。
【0008】しかしながら、この実施例に従って平板粒
子を形成すると単分散性平板粒子が形成されるものの、
六角形平板粒子の形状が、六辺の辺長がランダムに異な
るいびつな形状をしたものになる。一般的に、イメージ
センサーの各絵素の配列で、理想的な絵素配列はハニカ
ム構造であることが知られており、正六角形状のものが
好ましい(J.C.Dainty and R.Shaw,Image Science,Acad
emic Press,London ,1974年)。したがって、形の
そろった六角状平板粒子の形成が望まれていた。また、
この特許によって調製した単分散平板乳剤の写真性にお
いては、硬調化、粒状性の向上等の利点が確認された。
しかしながら、感度かぶり比においてはまだ十分ではな
く、さらなる改良が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は第1
に、形のそろった六角形の形状を有し、かつ単分散性に
優れたハロゲン化銀平板粒子乳剤を提供することにあ
る。本発明の目的は第2に上記ハロゲン化銀平板粒子乳
剤を用いることにより、粒状性、感度かぶり比、シャー
プネスの向上が可能でかつ高感度のハロゲン化銀写真感
光材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、以
下の手段により達成された。
【0011】〔1〕少くとも下記一般式(1)で表され
るモノマーの繰返し単位を有する重合体の少くとも1種
の存在下で形成されたことを特徴とするハロゲン化銀乳
剤。 一般式(1)
【0012】
【化3】
【0013】式中、R1 は水素原子、低級アルキル基を
表し、R2 は1価の置換基を表す。R3 は炭素数3以上
10以下のアルキレン基を表し、Lは2価の連結基を表
す。nは−R3 −O−の繰返し単位の平均数を表し、4
以上である。
【0014】〔2〕重合体が一般式(1)で表されるモ
ノマーと下記一般式(2)で表されるモノマーの少くと
も2種の繰返し単位からなるものであることを特徴とす
る前記〔1〕記載のハロゲン化銀乳剤。 一般式(2)
【0015】
【化4】
【0016】式中R4 は水素原子、低級アルキル基を表
し、R5 は1価の置換基を表し、L′は2価の連結基を
表す。mは−CH2 CH2 O−の繰返し単位の平均数を
表し、4以上である。 〔3〕平板粒子のアスペクト比が2以上であり、かつ、
平板粒子の円相当径の変動係数が15%以下であること
を特徴とする前記〔1〕に記載のハロゲン化銀写真乳
剤。 〔4〕支持体上に少くとも1層の感光性ハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハ
ロゲン化銀乳剤層が前記〔1〕記載のハロゲン化銀乳剤
を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0017】本発明において、得られるハロゲン化銀乳
剤は、分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハロゲン化
銀乳剤であって、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積の9
5%以上が、主平面に平行な双晶面を二枚有する平板粒
子で占められており、該平板粒子は六角状の形状を持
ち、かつ該平板粒子のサイズ分布が単分散であることを
特徴とするものである。本発明でいう六角状の平板粒子
とは、六角形を形成する六つの辺の中の隣接する二辺の
長さの比が2以下であり、かつ六辺のうちどの隣接する
二辺の長さの比も他の二辺の比からのズレが10%以下
である様な平板粒子である。
【0018】本発明の単分散六角平板粒子は単分散であ
ることを特徴とするが、ここでいう単分散性は、変動係
数で表される。本発明の平板粒子の単分散性は、変動係
数で15%以下が好ましい。本発明の単分散六角平板粒
子の平均アスペクト比は2以上である。ここで平均アス
ペクト比とは、乳剤中に存在する0.2μm径以上の全
ての平板粒子のアスペクト比の平均値を言う。
【0019】以下に本発明の重合体について詳細に説明
する。本発明の平板乳剤粒子を形成する際に用いられる
重合体は、下記一般式(1)で表されるモノマーの繰返
し単位を有する重合体であり、特に好ましくは下記一般
式(1)で表されるモノマーと下記一般式(2)で表さ
れるモノマーの両方の繰返し単位のそれぞれ少くとも1
種を有する重合体である。 一般式(1)
【0020】
【化5】
【0021】一般式(2)
【0022】
【化6】
【0023】式中R1 、R4 は同じでも異なっていても
よく、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基(メチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル)を表し、水素
原子、メチル基が特に好ましい。
【0024】R2 、R5 は同じでも異なってもよく、1
価の置換基を表し、具体的には水素原子、置換又は無置
換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、n−ヘキシル基、n−ドデシル基、ベンジル
基、2−シアノエチル基、2−クロロエチル基、3−メ
トキシプロピル基、4−フェノキシブチル基、2−カル
ボキシエチル基、−CH2CH2SO3Na 、−CH2CH2NHSO2CH
3等)、置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル
基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、
o−クロロフェニル基、p−オクチルフェニル基、ナフ
チル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニ
ル基、ベンゾイル基、オクタノイル基等)、カルバモイ
ル基(例えば−CONHCH3 、−CON(CH3)2 、−CONHC6H
13 等)が好ましく、特に水素原子、メチル基、エチ
ル基、フェニル基、アセチル基が好ましい。
【0025】L、L′は同じでも異なってもよく、二価
の連結基を表し、好ましくは下記一般式(IV)または一
般式(V)で表される基を表す。 一般式(IV) −CO−X1 −L1 −X2
【0026】式中X1 は酸素原子又は−NR6 −を表わ
す(R6 は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無
置換のアシル基あるいは−L1−X2−(R3−O)n −R2(一
般式(1)の場合に限る)、−L1−X2−(CH2CH2O)m
R5(一般式(2)の場合に限る)で表わされる基であ
り、好ましくは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数
1ないし10のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、n−ブチル基、n−オクチル基等)、−L1−X2
(R3−O)n −R2、−L1−X2−(CH2CH2O)m −R5、アシル
基(例えばアセチル基、ベンゾイル基)である。X1
して特に好ましいのは、酸素原子または−NH−であ
る。
【0027】L1 は、単結合、置換または無置換のアル
キレン基(例えば、ジメチレン、トリメチレン、テトラ
メチレン、デカメチレン、メチルジメチレン、フェニル
ジメチレン、−CH2(C6H4)CH2−、−CH2CH2NHCOOCH2
等)、置換または無置換のアリーレン基(例えば、o−
フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、メチル
フェニレン等)を表し、単結合、−(CH2l −(lは3
以上12以下の整数)が特に好ましい。
【0028】X2 は単結合、酸素原子、−COO−、−
OCO−、−CONR6 −、−NR6 CO−、−OCO
O−、−NR6 COO−、−OCONR6 −、−NR6
−(R6 は上記に同じ)等を表し、このうち単結合、酸
素原子、−COO−、−CONH−、−NHCOO−、
−NHCONH−が特に好ましい。 一般式(V)
【0029】
【化7】
【0030】式中R7 は水素原子、ハロゲン原子もしく
は置換又は無置換のアルキル基、アシル基を表わし、好
ましくは水素原子、塩素原子、炭素数6以下の低級アル
キル基、低級アシル基であり、特に水素原子、メチル基
が好ましい。L2 は単結合、−L1 −、−X2 −、−L
1 −X2 −、−X1 −L1 −X2 −、−CO−X1 −L
1 −X2 −(X1 、X2 、L1 は前記に同じ)を表わ
し、−L1 −、−X2 −、−L1 −X2 −が好ましく、
−CH2 O−、−COO−、−CONH−、−O−が特
に好ましい。
【0031】R3 は、炭素数3以上のアルキレン基を表
わし、具体的には、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、
−CH2CH2CH2 −、−CH2CH(OH)CH2−、−(CH2)4−、−(C
H2)5−等を挙げることができるが、−CH(CH3)CH2−、−
CH2CH(CH3)−が特に好ましい。また、R3 −Oで表され
る繰返し単位は1個のモノマーについて1種のみでもよ
いし、2種以上の共重合の形をとっていてもよい。
【0032】n、mは各繰返し単位の平均モル数を表
し、nは好ましくは4ないし50、特に好ましくは6な
いし40であり、mは好ましくは4ないし100、特に
好ましくは6ないし50である。以下に一般式(1)で
表されるモノマーの好ましい例を例示するが、本発明が
これに限定されるものではない。
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】次に一般式(2)で表されるモノマーの好
ましい例を例示するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】本発明における一般式(1)で表されるモ
ノマーの繰返し単位を有する重合体においては、共重合
してよいモノマーとして一般式(2)で表されるモノマ
ー以外の他のモノマーを重合しても良い。
【0042】この様な単量体としては、たとえばアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルア
ミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、ビニ
ルケトン類、アリル化合物、オレフィン類、ビニルエー
テル類、N−ビニルアミド類、ビニル異節環化合物、マ
レイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、フマル酸
エステル類、クロトン酸エステル類などがある。更に具
体的に挙げるならばたとえば次の様なものが挙げられ
る。メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec
−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、ジエチ
レングリコールモノアクリレート、トリメチロールエタ
ンモノアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチル
アクリレート、p−クロルフェニルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、
【0043】N−tert−ブチルアクリルアミド、ヘキシ
ルアクリルアミド、オクチルアクリルアミド、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−オクテン、イタコン酸ジオクチ
ル、マレイン酸ジヘキシル、スチレン、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチ
ルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸メチル、
ビニルクロルベンゾエート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、塩化ビニルなどのように、その単独重合
体が水に不溶な疎水性単量体、
【0044】アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアク
リルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリ
ン、N−アクリロイルピペリジン、メタクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルモル
ホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミ
ド、また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸のような含−COOH単量体、あるいは、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(やその塩)、p−スチレンスルホン酸ソーダ、ホスホ
ノキシエチルメタクリレート等の様な他のアニオン性解
離基を有する単量体のような、単独重合体が水溶性であ
るような単量体。
【0045】上記の一般式(1)で表されるモノマー、
一般式(2)で表されるモノマー、その他のエチレン性
不飽和モノマーは、それぞれ2種以上用いてもよい。
【0046】本発明の一般式(1)で表される繰返し単
位を有する重合体は、平板粒子を形成する媒体に可溶で
あることが望ましく、従って水性媒体に可溶であること
が好ましい。つまり、水または水と水に混和しうる有機
溶媒との混合溶媒への溶解性のいずれかを満たしていれ
ば良い。本発明における重合体の水溶性の目安は、室温
(25℃)で蒸留水、または蒸留水とメタノールの混合
溶媒(9:1の重量比)のいずれかに1重量%以上溶解
することである。
【0047】本発明の重合体における、一般式(1)で
表されるモノマー単位の占める割合は1ないし90重量
%、好ましくは3ないし85重量%、特に好ましくは5
ないし70重量%である。一般式(2)で表されるモノ
マーの共重合は、本発明の一般式(1)のモノマーを共
重合した重合体を用いた平板粒子形成における双晶形成
の制御や単分散性の発現の点でより好ましい効果を有す
る。
【0048】共重合モノマーとして用いる場合の一般式
(2)で表されるモノマーの占める割合は、一般式
(1)のモノマー単位の共重合体中での割合にも依る
が、1ないし90重量%、好ましくは2ないし70重量
%、特に好ましくは3ないし50重量%である。
【0049】その他のエチレン性不飽和モノマーは、上
記の一般式(1)、(2)のモノマーの共重合量に依っ
てその重量比は随意に変化し得る。従ってその共重合量
は、0ないし99重量%、特に好ましくは0ないし90
重量%である。また、その他のエチレン性不飽和モノマ
ーの種類としては、ポリマーの水性媒体への溶解性を勘
案すると、その単独重合体が水溶性であるようなモノマ
ーを用いるのが好ましい。但し、単独重合体が水不溶性
であるようなモノマーも、ポリマーの溶解性を損なわな
い範囲で用いることができることは言うまでもない。
【0050】本発明の重合体の分子量は、重合体の極
性、使用するモノマーの種類等により種々変わり得る
が、好ましい範囲としては重量平均分子量で2×103
ないし1×106 、特に好ましくは3×103 ないし5
×105 の範囲である。
【0051】以下に本発明の水溶性重合体の好ましい具
体例について例示するが、本発明がこれらに限定される
ものではない。カッコ内は各単量体のポリマー中におけ
る重量百分率を表す。
【0052】P−1 MP−3/ME−4/アクリル
アミド共重合体(5/5/90) P−2 MP−3/ME−4/アクリルアミド共重合
体(10/10/80) P−3 MP−3/ME−4/アクリルアミド共重合
体(25/25/50) P−4 MP−3/ME−4/アクリルアミド共重合
体(35/35/30) P−5 MP−3/ME−4共重合体(50/50)
【0053】P−6 MP−2/ME−3/アクリル
アミド共重合体(25/15/60) P−7 MP−5/ME−7/アクリルアミド/アク
リル酸共重合体(20/20/50/10) P−8 MP−1/MP−4/ME−4/アクリルア
ミド共重合体(15/10/25/50) P−9 MP−5/ME−5/メタクリルアミド/ア
クリル酸共重合体(25/25/30/20) P−10 MP−4/ME−9/アクリロイルモルホリ
ン/メタクリル酸共重合体(20/10/50/20)
【0054】P−11 MP−16/ME−4/アクリ
ルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸ソーダ共重合体(25/15/45/15) P−12 MP−9/ME−15/2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート/スチレンスルホン酸ソーダ酸共重合
体(10/10/40/40) P−13 MP−3/ME−2/ME−4/アクリルア
ミド共重合体(25/15/15/45) P−14 MP−3/ME−13/アクリルアミド共重
合体(25/25/50) P−15 MP−8/ME−9/メチルメタクリレート
/アクリルアミド共重合体(20/20/10/50)
【0055】P−16 MP−3/アクリルアミド共重
合体(10/90) P−17 MP−3/アクリルアミド共重合体(20/
80) P−18 MP−3/アクリルアミド共重合体(50/
50) P−19 MP−3/アクリル酸/アクリルアミド共重
合体(50/30/20) P−20 MP−3/アクリル酸共重合体(70/3
0)
【0056】P−21 MP−2/メタクリルアミド共
重合体(30/70) P−22 MP−4/アクリルアミド共重合体(20/
80) P−23 MP−7/アクリルアミド共重合体(40/
60) P−24 MP−5/アクリルアミド/メタクリル酸共
重合体(25/50/25) P−25 MP−12/N,N−ジメチルアクリルアミ
ド/アクリル酸共重合体(30/35/35)
【0057】P−26 MP−7/ジアセトンアクリル
アミド共重合体(30/70) P−27 MP−13/アクリルアミド/2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸ソーダ共重合体
(30/60/10) P−28 MP−3/MP−18/アクリルアミド/ア
クリル酸共重合体(20/20/40/20)
【0058】本発明のポリマーの製造は種々の重合方
法、例えば溶液重合、沈澱重合、懸濁重合、塊状重合、
乳化重合によって行うことができる。また、重合の開始
方法はラジカル開始剤を用いる方法、光または放射線を
照射する方法、熱重合等がある。これらの重合方法、重
合の開始方法は例えば鶴田禎二「高分子合成反応」改訂
版(日刊工業新聞社刊、1971)や大津隆行、木下雅
悦共著「高分子合成の実験法」化学同人、昭和47年
刊、124〜154頁に記載されている。
【0059】上記の重合方法のうち、特にラジカル開始
剤を用いた溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いら
れる溶剤は、水、あるいは例えば酢酸エチル、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、アセトン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、n−
ヘキサン、アセトニトリルのような種々の有機溶剤の単
独あるいは二種以上の混合物で用いてもよいし、水との
混合溶媒としてもよい。このうち、本発明の重合体にお
いては、水または水と水に混和しうる有機溶剤との混合
物が特に好ましい。
【0060】重合温度は生成するポリマーの分子量、開
始剤の種類などと関連して設定する必要があり、0℃以
下から100℃以上まで可能であるが、通常30℃〜1
00℃の範囲で重合する。
【0061】重合に用いられるラジカル開始剤として
は、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジ
ハイドロクロライド、4,4′−アゾビス(4−シアノ
ペンタノイックアシッド)のようなアゾ系開始剤や、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド、過硫酸カリウム(例えば、亜硫酸水素ナトリウ
ムと組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよ
い)のようなペルオキシド系開始剤が好ましい。
【0062】重合開始剤の使用量は単量体の重合性や必
要とする重合体の分子量に応じて調節することが可能で
あるが、単量体に対して0.01〜10モル%の範囲が
好ましく、特に0.01〜2.0モル%の範囲が好まし
い。
【0063】本発明の重合体を共重合の形で合成する際
には、使用する単量体を最初にすべて反応容器に入れて
おき、開始剤を投入して重合を行っても良いが、単量体
を重合媒体に滴下する過程を経て合成する方が好まし
い。
【0064】滴下するエチレン性不飽和単量体は、使用
する二種あるいはそれ以上の単量体をすべて混合して滴
下してもよいし、また別々に滴下してもよい。また、滴
下を行う際にエチレン性不飽和単量体を適当な補助溶媒
に溶解してもよい。補助溶媒としては水、あるいは有機
溶媒(例えば、上記に記載のもの)あるいは水と該有機
溶媒との混合溶媒でもよい。
【0065】滴下に要する時間はエチレン性不飽和単量
体の重合反応活性や重合温度等により異なり得るが、好
ましくは5分ないし8時間、特に好ましくは30分ない
し4時間である。また滴下速度は滴下の間中、等速でも
よいし、滴下時間内で適当に変えても構わない。エチレ
ン性不飽和単量体を別々に滴下する場合には、各々の滴
下総時間や滴下速度は必要に応じて自由に変えることが
できる。特に各エチレン性不飽和単量体の重合反応性の
差が大きい場合には反応性の高い単量体をよりゆっくり
滴下する等の方法が好ましい。
【0066】重合開始剤はあらかじめ重合溶媒に添加し
ておいてもよいし、エチレン性不飽和単量体と同時に添
加してもよい。また溶媒に溶かしておいてエチレン性不
飽和単量体と別々に滴下してもよい。またこの様な添加
法の二種以上を組み合わせても構わない。以下、本発明
の重合体の合成例を示す。
【0067】合成例(例示化合物P−2の合成) 攪拌装置、還流冷却管を装着した1リットル三ツ口フラ
スコに、MP−3 1.0g、ME−4 1.0g、ア
クリルアミド8.0g、亜硫酸水素ナトリウム0.39
g、エタノール280ml、蒸留水140gを入れ、窒素
気流下70℃に加熱攪拌した。
【0068】過硫酸カリウム0.20gの水溶液20ml
を添加し1時間加熱攪拌の後、過硫酸カリウム0.60
g、エタノール50ml、蒸留水50mlの混合溶液、及び
MP−3 9.0g、ME−4 9.0g、アクリルア
ミド72g、エタノール100ml、蒸留水100gの混
合溶液をそれぞれ1.5時間かけて等速で同時滴下し
た。
【0069】滴下終了後、過硫酸カリウム0.20gの
水溶液20mlを添加し、70℃でさらに3時間加熱攪拌
した。得られたポリマー溶液から、減圧下エタノールを
留去し、さらに、アセトン/酢酸エチル(1/1 vol
比)の混合溶媒7リットルに対し、再沈澱を行った。得
られた粉体を濾取、減圧乾燥して標記のポリマー85.
5gを得た(重量平均分子量は53,500。ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィーによる)。
【0070】次に、本発明のハロゲン化銀乳剤の製法に
ついて述べる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、 核形成→熟成→成長 の過程で製造することができる。上記で説明した水溶性
重合体は、粒子形成中の何処に存在しても良いが、少な
くとも成長前から、好ましくは熟成前から、さらに好ま
しくは核形成前から存在することが望ましい。
【0071】以下に、本発明による製造の核形成、熟
成、および成長の各過程について説明する。 1.核形成 平板粒子の核形成は、一般には保護コロイドの水溶液を
保持する反応容器に、銀塩水溶液とハロゲン化アルカリ
水溶液を添加して行われるダブルジェット法、あるいは
ハロゲン化アルカリを含む保護コロイド溶液に銀塩水溶
液を添加するシングルジェット法が用いられる。また、
必要に応じて銀塩を含む保護コロイド溶液にハロゲン化
アルカリ水溶液を添加する方法も用いることができる。
さらに、必要に応じて特開昭2−44335号に開示さ
れている混合器に保護コロイド溶液と銀塩溶液とハロゲ
ン化アルカリ水溶液を添加し、ただちにそれを反応容器
に移すことによって平板粒子の核形成を行うこともでき
る。また、米国特許第5104786号に開示されてい
るように、ハロゲン化アルカリと保護コロイド溶液を含
む水溶液をパイプに通しそこに銀塩水溶液を添加するこ
とにより核形成を行うこともできる。核形成は、保護コ
ロイドを分散媒とし、pBrが1〜4の条件で分散媒形
成することが好ましい。保護コロイドとしては、ゼラチ
ンと保護コロイドポリマーがある。ゼラチンの種類とし
ては、通常アルカリ処理ゼラチンが用いられるが、低分
子量ゼラチン(分子量:3000〜4万)でも良く、好
ましくは酸化処理ゼラチンである。保護コロイドとして
は、以下にあげるものが適当である。 (1) ポリビニルピロリドン ビニルピロリドンのホモポリマー、フランス特許203
1396号に示されるアクロレインとピロリドンの共重
合物。 (2) ポリビニルアルコール ビニルアルコールのホモポリマー、米国特許30007
41号に示されるポリビニルアルコールの有機酸モノエ
ステル、米国特許3236653号に示されるマレイン
酸エステル、米国特許3479189号に示されるポリ
ビニルアルコールとポリビニルピロリドンと共重合物。 (3) チオエーテル基を有するポリマー 米国特許3615624号、同3860428号、同3
706564号に示されるチオエーテル基を有するポリ
マー。 (4) ポリビニルイミダゾール ポリビニルイミダゾールのホモポリマー、ポリビニルイ
ミダゾールとポリビニルアミドのコポリマー、特公昭4
3−7561号、ドイツ特許2012095号、同20
12970号に示されるアクリルアミド、アクリル酸、
ビニルイミダゾールの三元共重合ポリマー。 (5) ポリエチレンイミン (6) アセタールポリマー US−2358836に示される水溶性ポリビニルアセ
タール、US−3003879に示されるカルボキシル
基を有するポリビニルアセタール、Brit 771155
に示されるポリマー。 (7) アミノポリマー 米国特許3345346号、同3706504号、同4
350759号、西ドイツ特許2138872号に示さ
れるアミノポリマー、英国特許1413125号、米国
特許3425836号に示される4級アミンを有するポ
リマー、米国特許3511818号に示されるアミノ基
とカルボキシル基を有するポリマー、米国特許3832
185号に示されるポリマー。 (8) ポリアクリルアマイドポリマー アクリルアマイドのホモポリマー、米国特許25414
74号に示されるポリアクリルアマイドとイミド化した
ポリアクリルアマイドの共重合物、西ドイツ特許120
2132号に示されるアクリルアマイドとメタアクリル
アマイドの共重合物、米国特許3284207号に示さ
れる部分的にアミノ化したアクリルアマイドポリマー、
特公昭45−14031号、米国特許3713834
号、同3746548号、英国特許788343号に示
される置換されたアクリルアマイドポリマー。 (9) ヒドロキシキノリンを有するポリマー 米国特許4030929号、同4152161号に示さ
れるヒドロキシキノリンを有するポリマー。 (10)その他 特開昭59−8604号に示されるアザインデン基を有
するビニルポリマー、米国特許2976150号に示さ
れるポリアルキレンオキシド誘導体、米国特許4022
623号に示されるポリビニルアミンイミドポリマー、
米国特許4294920号、同4089688号に示さ
れるポリマー、米国特許2484456号に示されるポ
リビニルピリジン、米国特許3520857号に示され
るイミダゾール基を有するビニルポリマー、特公昭60
−658号に示されるトリアゾール基を有するビニルポ
リマー、ツアイトシュリフトビセンシャフトリヒエフォ
トグラフィー45巻43頁(1950)に示される水溶
性ポリアルキレンアミノトリアゾール類。分散媒の濃度
は、10重量%以下が好ましく、さらに1重量%以下が
より好ましい。核形成時の温度は、5〜60℃が好まし
いが、平均粒径が0.5μm以下の微粒子平板粒子を作
る場合は5〜48℃がより好ましい。分散媒のpHは、
8以下、好ましくは6以下である。添加するハロゲン化
アルカリ溶液の組成としては、Br- に対するI- 含量
は生成するAgBrIの固溶限界以下、好ましくは10
モル%以下である。本発明の一般式(1)で表わされる
化合物は、核形成時の硝酸銀に対し、重量で0.1倍以
上50倍以下、好ましくは0.1倍以上30倍以下で用
いることができる。
【0072】2.熟成 1.における核形成では、平板粒子以外の微粒子(特
に、八面体および一重双晶粒子)が形成される。次に述
べる成長過程に入る前に平板粒子以外の粒子を消滅せし
め、平板粒子となるべき形状でかつ単分散性の良い核を
得る必要がある。これを可能とするために、核形成に引
き続いてオストワルド熟成を行うことがよく知られてい
る。核形成後直ちにpBrを調節した後、温度を上昇さ
せ六角平板粒子比率が最高となるまで熟成を行う。この
時に、保護コロイド濃度を調節する。保護コロイド濃度
は、1〜10重量%が好ましい。この時使用する保護コ
ロイドは、ゼラチンと保護コロイドポリマーが適当であ
る。ゼラチンは通常アルカリ処理ゼラチンであるが、酸
化処理ゼラチンを用いても良い。保護コロイドポリマー
は、1.で述べたものが良い。熟成の温度は、40〜8
0℃、好ましくは50〜80℃であり、pBrは1.2
〜3.0である。また、この時平板粒子以外の粒子を速
やかに消失せしめるために、ハロゲン化銀溶剤を添加し
ても良い。この場合のハロゲン化銀溶剤の濃度として
は、0.3mol/リットル以下が好ましく、0.2 mol
/リットル以下がより好ましい。直接反転用乳剤として
用いる場合は、ハロゲン化銀溶剤として、アルカリ性側
で用いられるNH3 より、中性、酸性側で用いられるチ
オエーテル化合物等のハロゲン化銀溶剤の方が好まし
い。このように熟成して、ほぼ100%平板状粒子のみ
とする。熟成が終わった後、次の成長過程でハロゲン化
銀溶剤が不要の場合は次のようにしてハロゲン化銀溶剤
を除去する。 NH3 のようなアルカリ性ハロゲン化銀溶剤の場合
は、HNO3 のようなAg+ との溶解度積の大きな酸を
加えて無効化する。 チオエーテル系ハロゲン化銀溶剤の場合は、特開昭
60−136736号に記載のごとくH2 2 等の酸化
剤を添加して無効化する。
【0073】3.成長 熟成過程に続く結晶成長期のpBrは1.4〜3.5に
保つことが好ましい。また、結晶成長期におけるA
+ 、およびハロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長
速度の20〜100%、好ましくは30〜100%の結
晶成長速度になるようにする事が好ましい。この場合、
結晶成長とともに銀イオンおよびハロゲンイオンの添加
速度を増加させていくが、その場合、特公昭48−36
890号、同52−16364号記載のように、銀塩お
よびハロゲン塩水溶液の添加速度を上昇させても良く、
水溶液の濃度を増加させても良い。成長期に、その核の
上に堆積させるAgXのヨウド含量は、0モル%〜固溶
限界濃度とするのがよい。
【0074】本発明におけるハロゲン化銀とは、例え
ば、臭化銀、ヨウ臭化銀、および塩化銀含量が30モル
%以下の塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀等である。本発明のハ
ロゲン化銀乳剤は、必要により他の乳剤と共に支持体上
に一層もしくはそれ以上設けることができる。また、支
持体の片側に限らず両面に設けることができる。また、
異なる感色性の乳剤として重層することもできる。本発
明のハロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲン化銀写真感光材
料(例えば、Xレイ感材、リス型感材、黒白撮影用ネガ
フィルムなど)やカラー写真感光材料(例えば、カラー
ネガフィルム、カラー反転フィルム、カラーペーパー
等)に用いることができる。さらに、拡散転写用感光材
料(例えば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要
素)、熱現像感光材料(黒白、カラー)等にも用いるこ
とができる。
【0075】本発明のハロゲン化銀写真乳剤、およびそ
れを用いたハロゲン化銀写真感光材料に用いることので
きる種々の技術や無機・有機の素材については一般時に
はリサーチ・ディスクロージャーNo. 308119(1
989年)に記載されたものを用いることができる。
【0076】これに加えて、より具体的には、例えば、
本発明のハロゲン化銀写真乳剤が適用できるカラー写真
感光材料に用いることができる技術および無機・有機素
材については、欧州特許第436,938A2号の下記
の箇所及び下記に引用の特許に記載されている。
【0077】 項 目 該 当 箇 所 1)層構成 第146頁34行目〜第147頁25行目 2)ハロゲン化銀乳剤 第147頁26行目〜第148頁12行目 3)イエローカプラー 第137頁35行目〜第146頁33行目、第14 9頁21行目〜23行目 4)マゼンタカプラー 第149頁24行目〜第28行目;欧州特許第42 1,453A1号の第3頁5行目〜第25頁55行 目 5)シアンカプラー 第149頁29行目〜33行目;欧州特許第432 ,80A2号の第3頁28行目〜第40頁2行目 6)ポリマーカプラー 第149頁34行目〜38行目;欧州特許第435 ,334A2号の第113頁39行目〜第123頁 37行目 7)カラードカプラー 第53頁42行目〜第137頁34行目、第149 頁39行目〜45行目 8)その他の機能性 第7頁1行目〜第53頁41行目、第149頁46 カプラー 行目〜第150頁3行目;欧州特許第435,33 4A2号の第3頁1行目〜第29頁50行目 9)防腐・防黴剤 第150頁25行目〜28行目 10) ホルマリン 第149頁15行目〜17行目 スカベンジャー 11) その他の添加剤 第153頁38行目〜47行目;欧州特許第421 ,453A1号の第75頁21行目〜第84頁56 行目、第27頁40行目〜第37頁40行目 12) 分散方法 第150頁4行目〜24行目 13) 支持体 第150頁32行目〜34行目 14) 膜厚・膜物性 第150頁35行目〜49行目 15) 発色現像工程 第150頁50行目〜第151頁47行目 16) 脱銀工程 第151頁48行目〜第152頁53行目 17) 自動現像機 第152頁54行目〜第153頁2行目 18) 水洗・安定工程 第153頁3行目〜37行目
【0078】このようにして得られる本発明の平板状ハ
ロゲン化銀乳剤は、 粒子形状が均一である。 投影面積径が単分散である。 粒子厚さがそろっている。 と言う特徴を持ち、化学増感が各粒子に対して最適に設
定することができ、かつ、大粒子、中粒子、小粒子をそ
れぞれ高感度層、中感度層、低感度層のごとく重層塗布
した場合、その重層効果を十分に発揮でき感度、粒状
性、シャープネスにおいて優れた特性を持つ感光性用ハ
ロゲン化銀乳剤を提供することができる。以下に実施例
を挙げて本発明をさらに説明する。
【0079】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0080】実施例1 KBr0.15g、酸化処理ゼラチン0.4g、1NH
NO3 16.8cc、化合物(P−3)3gを含む水溶液
1リットルを45℃に保った。この溶液中に攪拌しなが
ら0.165 mol/リットルの硝酸銀溶液を14cc、
0.155 mol/リットルの臭化カリウム溶液を14cc
を1分間で添加した。添加後1分後にKBrを2.98
g添加した後、9分間で60℃に昇温した。昇温後直ち
に、20%硫酸アンモニウム17ccと2.5NNaOH
27ccを添加した。9分間攪拌後、酸化処理ゼラチン1
6.7gとINHNO343ccを添加した。2分間攪拌後、
0.165 mol/リットルの硝酸銀溶液を75cc、0.
155 mol/リットルの臭化カリウム溶液を83cc、5
分間で添加した。2分間攪拌後、1.21 mol/リット
ルの硝酸銀溶液を初期流速1cc/min で88分間で62
7cc添加できるように流量を加速して添加した。この
時、1.21 mol/リットルの臭化カリウム溶液を銀/
飽和カロメル電極間電位差が−40mVになるように流
速をコントロールしながら添加した。この乳剤を水洗
し、分散させた。得られた乳剤レプリカ像をTEMで観
察した(図1)。本発明によって形成された平板粒子は
単分散であり、かつ下記の比較例1のようないびつな形
をしていないことが分かる。 比較例1 本発明の実施例1で化合物(P−3)の代わりに、欧州
特許第514742A号の実施例1で用いられている化
合物 PLURONIC TM31R1を0.11g使用して乳剤粒子を
調製し上記と同様の処理を行った。
【0081】
【図1】
【0082】実施例2 KBr0.15g、酸化処理ゼラチン0.4g、1NH
NO3 16.8cc、化合物(P−3)3gを含む水溶液
1リットルを45℃に保った。この溶液中に攪拌しなが
ら0.165 mol/リットルの硝酸銀溶液を14cc、
0.155 mol/リットルの臭化カリウム溶液を14cc
を1分間で添加した。添加後1分後にKBrを2.98
g添加した後、9分間で60℃に昇温した。昇温後直ち
に、20%硫酸アンモニウム17ccと2.5NNaOH
27ccを添加した。9分間攪拌後、酸化処理ゼラチン1
6.7gと1NHNO3 43ccを添加した。2分間攪拌
後、0.165 mol/リットルの硝酸銀溶液を75cc、
0.155 mol/リットルの臭化カリウム溶液を83c
c、5分間で添加した。2分間攪拌後、1.21 mol/
リットルの硝酸銀溶液を初期流速1cc/min で107分
間で900cc添加できるように流量を加速して添加し
た。この時、1.21 mol/リットルの臭化カリウム溶
液を銀/飽和カロメル電極間電位差が−40mVになる
ように流速をコントロールしながら添加した。この乳剤
を水洗し、分散させた。得られた乳剤レプリカ像をTE
Mで観察した。本発明により得られた乳剤の特性を比較
例1と比較して表1に示した。本発明によって形成され
た平板粒子は比較例1と同様に単分散であり、かつ図1
と同様に形状のそろったものであったのに対し、比較例
1で形成された粒子には、辺長の異なるいびつな形状の
粒子がかなり混在していた。 比較例2 本発明の実施例2で化合物(P−3)の代わりに、欧州
特許第514742A号の実施例1で用いられている化
合物 PLURONIC TM31R1を0.11g使用して乳剤粒子を
調製した。
【0083】
【表1】
【0084】実施例3 実施例1で調製した乳剤に3,3−dimethyl thiazolin
odicarbocyaninebromide増感色素を飽和吸着量の90%
の添加量を加え、pAgを8.0に調整した。20分間
経時させた後、pAgを8.5にし、triethylthiourea
のメタノール溶液(0.005重量%)を0.8×10
-5mol /mol AgBrだけ等速で10分かけて添加し、
10分間熟成した。次に、金増感剤(金チオシアン錯
体)を0.3×10-5mol /mol AgBrだけ添加して
50分間熟成した。温度を下げ、この乳剤をpBr1.
6の水で2回水洗し、未反応硫黄増感剤を水洗除去し、
次にpAg5.0の水で2回水洗し、色素を水洗除去し
た後、さらに水で1回水洗し、再分散させた。次に40
℃に昇温しDye1を飽和吸着量の40%量だけ添加
し、次にかぶり防止剤TAI(4−hydroxy −6−meth
yl−1,3,3a,7−tetraazaindene)と塗布助剤を
加えて塗布した。
【0085】
【化15】
【0086】比較例3 比較例2で調整した乳剤を、実施例3と同じ化学増感、
分光増感を施し塗布した。
【0087】かくして得られた塗布フィルムを色温度5
500℃のフィルターを入れたタングステン光で1/1
00秒のウェッジ露光し、表面現像液(MAA−1)で
20℃、10分間現像した。 表面現像液 メトール 2.5 g L−アスコルビン酸 10.0 g 臭化カリウム 1.0 g ナボックス(富士写真フイルム製) 35.0 g 水で 1000ミリリットル 得られた特性曲線より求めた感度は表2の通りであっ
た。本発明の乳剤の感度が良好であることが分かる。
【0088】
【表2】
【0089】実施例4 (1)乳剤の調製 表3のように各種ヨウ臭化銀を調製した。
【0090】
【表3】
【0091】ここで x;AgI含量(モル%) y;平均アスペクト比 z;分光感度パターン(3,6,10) 多層塗布時の分光感度が下記の結果に成るように調製さ
れたことを意味する 3;青感性。最大感度を与える波長が460nm。最低濃
度+0.7での分光感度分布における480nmの感度が
最大感度に対し50%。 6;緑感性。最大感度を与える波長が550nm。最低濃
度+0.7での分光感度分布における500nmの感度が
最大感度に対し10%。 10;赤感性。最大感度を与える波長が650nm。
【0092】(1)乳剤Qの調製 0.04Mの臭化カリウムを含有する1.0重量%のゼ
ラチン水溶液1.0リットルに3.0gの本発明の化合
物(P−3)を添加し45℃に保ちpHを1.85とし
た。攪拌しながらダブルジェット法で0.5Mの硝酸銀
溶液と0.5Mの臭化カリウム溶液とを50秒間でpA
gを9.7に保ちながらそれぞれ42cc添加した。pA
gを9.8にしたのち、60℃まで昇温した。60℃昇
温後、0.8Nの硫酸アンモニウムを14cc添加した後
NaOHでpHを10.0に調整した。10分間の後2
0gのゼラチンを添加して、1NHNO3 によってpH
を5.8に合わせた。130gの硝酸銀を含む硝酸銀溶
液とヨウ化カリウム1.7gを含む臭化カリウム溶液を
加速された流量で添加した。この間pAgは9.2に保
たれた。さらに10分間で20gの硝酸銀を含んだ硝酸
銀溶液と臭化カリウム溶液をpBrを2.55に保ちな
がら加速された流量で添加した。このあと、乳剤を常法
のフロキュレーション法で脱塩し、40℃においてpH
=6.5、pAg=8.5に調整した後、チオ硫酸ソー
ダと塩化金酸カリウムおよびチオシアン酸カリウムによ
り最適に化学増感した。このようにして球換算時の直径
1μm、AgI含量1.0モル%の乳剤を得た。
【0093】同様にして、粒子形成時の温度とヨウ化カ
リウム量および粒子形成のpBrを変更してQ1−1〜
3乳剤を調製した。また、化合物P−3の代わりにP−
4を2g、P−6を4g、P−9を3g、およびP−1
6を1gをそれぞれ添加して、各化合物に対してQ2−
1〜2、Q3−1〜2、Q4−1〜2、およびQ5−1
〜2乳剤を同様に調製した。いずれの乳剤においても投
影面積径の円換算直径が0.2μm以上の全粒子の投影
面積の98%以上が平板粒子によって占められた。
【0094】青感性乳剤を調製する際は、化学増感前に
分光増感色素S−1とS−2を添加し表3のスペクトル
を示すように両者の比を決定し、感度が最高になるよう
に全添加モル数を決定した。緑感性乳剤を調製する際
は、化学増感終了後に分光増感色素S−3とS−4とS
−5を添加し、表3のスペクトルを示すように両者の比
を決定し、感度が最高になるように全添加モル数を決定
した。赤感性乳剤を調製する際は、化学増感後に分光増
感色素S−6とS−7、S−8、S−9を添加し、表3
のスペクトルを示すように両者の比を決定し、感度が最
高になるように全添加モル数を決定した。
【0095】(2)P−1〜3乳剤調製 0.04Mの臭化カリウムを含有する1.0重量%のゼ
ラチン水溶液1.0リットルに0.3gの PLURONIC TM
31R1(欧州特許514,742号記載化合物)を添加し
45℃に保ちpHを1.85とした。攪拌しながらダブ
ルジェット法で0.5Mの硝酸銀溶液と0.5Mの臭化
カリウム溶液とを50秒間でpAgを9.7に保ちなが
らそれぞれ42cc添加した。pAgを9.8にしたの
ち、60℃まで昇温した。60℃昇温後、0.8Nの硫
酸アンモニウムを14cc添加した後NaOHでpHを1
0.0に調整した。10分間の後20gのゼラチンを添
加して、1NHNO3 によってpHを5.8に合わせ
た。130gの硝酸銀を含む硝酸銀溶液とヨウ化カリウ
ム1.7gを含む臭化カリウム溶液を加速された流量で
添加した。この間pAgは9.2に保たれた。
【0096】さらに10分間で20gの硝酸銀を含んだ
硝酸銀溶液と臭化カリウム溶液をpBrを2.55に保
ちながら加速された流量で添加した。このあと、乳剤を
常法のフロキュレーション法で脱塩し、40℃において
pH=6.5、pAg=8.5に調整した後、チオ硫酸
ソーダと塩化金酸カリウムおよびチオシアン酸カリウム
により最適に化学増感した。このようにして球換算時の
直径1μm、AgI含量1.0モル%の乳剤を得た。同
様にして粒子形成時の温度とヨウ化カリウム量および粒
子形成のpBrを変更して、Q1−1〜3乳剤と同様に
分光増感しP−1〜3乳剤を調製した。いずれの乳剤に
おいても投影面積径の円換算直径が0.2μm以上の全
粒子の投影面積の98%以上が平板粒子によって占めら
れた。
【0097】(3)R−1〜3乳剤調製 温度60℃に保った3.0重量%のゼラチン溶液1.0
リットルにNH4OH を添加しpH=10.3とした。この
溶液にダブルジェット法で0.5Mの硝酸銀溶液と0.
5Mの臭化カリウム溶液とを2分間でそれぞれ42cc添
加した。10分間保った後、1.0M硝酸銀溶液100
ccをゆっくり添加した後pHをもとに戻し、さらに60
分間で130gの硝酸銀を含む硝酸銀水溶液と1.7g
の沃化カリウムを含む臭化カリウム水溶液を一定流量で
添加した。この間pBrは2.90に保たれた。さらに
10分間で20gの硝酸銀を含む硝酸銀水溶液と臭化カ
リウム水溶液をpBrを2.85に保ちながら一定流量
で添加した。このあと乳剤を常法のフロキュレーション
法で脱塩し、40℃においてpH=6.5、pAg=
8.5に調製した後チオ硫酸ソーダと塩化金酸カリウム
およびチオシアン酸カリウムにより最適に化学増感し
た。このようにして球換算時の直径1μm、AgI含量
1.0モル%の乳剤を得た。同様にして粒子形成時の温
度と沃化カリウム量を変更しさらにQ1−1〜3乳剤と
同様に分光増感しR−1〜3乳剤を調製した。なお上記
乳剤間の感度は大サイズのものほど高感であった。
【0098】試料301〜310の作成 下塗りをした厚み127μmの三酢酸セルロースフィル
ム支持体上に、下記の基本構成よりなる試料301〜3
10(表4)を作成した。数字はm2当たりの添加量を表
す。
【0099】
【表4】
【0100】第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.20g ゼラチン 1.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.1 g 紫外線吸収剤U−3 0.04g 紫外線吸収剤U−4 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1 g
【0101】第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 3 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1 g 染料D−4 0.8 mg
【0102】 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.05g 黄色コロイド銀 銀量 0.05g ゼラチン 0.4g
【0103】第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤 銀量 0.5 g 単分散立方体内部潜像型乳剤(平均粒径0.3μm、変動係数10%、 AgI含量4モル%) 銀量 0.1 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数 18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.05g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.15g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.05g カプラーC−9 0.05g 化合物Cpd−C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物PM−1 0.1 g
【0104】第5層:中感度赤感性乳剤層 乳剤 銀量 0.5 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数 18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.05g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.2 g カプラーC−2 0.05g カプラーC−3 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物PM−1 0.1 g
【0105】第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤 銀量 0.4 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−1 0.3 g カプラーC−2 0.1 g カプラーC−3 0.7 g 添加物PM−1 0.1 g
【0106】第7層:中間層 ゼラチン 0.6 g 添加物M−1 0.3 g 混色防止剤Cpd−I 2.6 mg 染料D−5 0.02g 化合物Cpd−J 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g
【0107】 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係 数16%、AgI含量0.3モル%) 銀量 0.02g 黄色コロイド銀 銀量 0.02g ゼラチン 1.0 g 添加物PM−1 0.2 g 混色防止剤Cpd−A 0.1 g 化合物Cpd−C 0.1 g
【0108】 第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤 銀量 0.5 g 単分散立方体内部潜像型乳剤(平均粒径0.35μm、変動係数11%、 AgI含量3モル%) 銀量 0.1 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数 18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.04g ゼラチン 0.5 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.05g カプラーC−8 0.20g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.04g 化合物Cpd−J 10mg 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g
【0109】 第10層:中感度緑感性乳剤層 乳剤 銀量 0.4 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、変動係数 18%、AgI含量1モル%) 銀量 0.04g ゼラチン 0.6 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.2 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd−B 0.03g 化合物Cpd−D 0.02g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.05g 化合物Cpd−L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01g
【0110】第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤 銀量 0.5 g ゼラチン 1.0 g カプラーC−4 0.3 g カプラーC−7 0.1 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd−B 0.08g 化合物Cpd−E 0.02g 化合物Cpd−F 0.04g 化合物Cpd−K 5 mg 化合物Cpd−L 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.02g
【0111】第12層:中間層 ゼラチン 0.6 g 化合物Cpd−L 0.05g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.05g
【0112】第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.07g ゼラチン 1.1 g 混色防止剤Cpd−A 0.01g 化合物Cpd−L 0.01g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.05g
【0113】第14層:中間層 ゼラチン 0.6 g
【0114】第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤 銀量 0.5 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−5 0.2 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.4 g
【0115】第16層:中感度青感性乳剤層 乳剤 銀量 0.4 g ゼラチン 0.9 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.6 g
【0116】第17層:高感度青感性乳剤層 乳剤 銀量 0.4 g ゼラチン 1.2 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.6 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g
【0117】第18層:第1保護層 ゼラチン 0.7 g 紫外線吸収剤U−1 0.2 g 紫外線吸収剤U−2 0.05g 紫外線吸収剤U−5 0.3 g ホルマリンスカベンジャー Cpd−H 0.4 g 染料D−1 0.15g 染料D−2 0.05g 染料D−3 0.1 g
【0118】 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.1 mg 微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含量1モル%) 銀量 0.1 g ゼラチン 0.4 g
【0119】 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.4 g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5 μ)0.1 g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5 μ) 0.1 g シリコーンオイル 0.03g 界面活性剤W−1 3.0 mg 界面活性剤W−2 0.03g
【0120】また、すべての乳剤層には上記組成物の他
に添加剤F−1〜F−8を添加した。さらに各層には上
記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化
用界面活性剤W−3、W−4、W−5、W−6を添加し
た。更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノー
ル、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステ
ルを添加した。
【0121】
【化16】
【0122】
【化17】
【0123】
【化18】
【0124】
【化19】
【0125】
【化20】
【0126】
【化21】
【0127】
【化22】
【0128】
【化23】
【0129】
【化24】
【0130】
【化25】
【0131】
【化26】
【0132】
【化27】
【0133】
【化28】
【0134】
【化29】
【0135】試料301〜310を露光後、以下の現像
処理を行い表5に示す結果を得た。ここで鮮鋭度につい
てはMTF値(20本/mm)、RMS粒状度はマイクロ
デンシトメーターで走査して得られる濃度1.0におけ
る濃度変動の標準偏差の1000倍の値を用いた。さら
に種々撮影を行い評価した。
【0136】
【表5】
【0137】表5において、同一層に単分散乳剤を入れ
た試料301と304、302と305及び307〜3
10、303と306の各々の比較から本発明の化合物
を用いて粒子形成した単分散平板粒子乳剤を用いると、
比較のため用いた PLURONICTM31R1 で形成した単分散
平板粒子乳剤を用いた場合に比べ、鮮鋭度、粒状度、感
度のいずれも同等ないし、それ以上の性能を示してお
り、優れたものであることが明らかである。
【0138】 処理工程 時間 温 度 第一現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 前漂白 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 最終リンス 1分 25℃
【0139】各処理液の組成は以下の通りであった。 〔第一現像液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン 酸・5ナトリウム塩 1.5g ジエチレントリアミン五酢酸・5ナトリウム塩 2.0g 亜硫酸ナトリウム 30g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20g 炭酸カリウム 15g 重炭酸ナトリウム 12g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシ メチル−3−ピラゾリドン 1.5g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム 2.0mg ジエチレングリコール 13g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 9.60 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0140】 〔反転液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン 酸・5ナトリウム塩 3.0g 塩化第一スズ・2水塩 1.0g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8g 氷酢酸 15 ミリリットル 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.00 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0141】 〔発色現像液〕 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン 酸・5ナトリウム塩 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g リン酸3ナトリウム・12水塩 36g 臭化カリウム 1.0g ヨウ化カリウム 90mg 水酸化ナトリウム 3.0g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチ ル)−3−メチル−4−アミノアニリン・3/2 硫酸・1水塩 11g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 11.80 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。
【0142】 〔前漂白〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 8.0g 亜硫酸ナトリウム 6.0g 1−チオグリセロール 0.4g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.20 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0143】 〔漂白液〕 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・ 2水塩 2.0g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III) ・アンモ ニウム・2水塩 120g 臭化カリウム 100g 硝酸アンモニウム 10g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 5.70 pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
【0144】 〔定着液〕 チオ硫酸アンモニウム 80g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 6.60 pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。
【0145】 〔最終リンス液〕 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02g ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニル エーテル(平均重合度10) 0.3 g ポリマレイン酸(平均分子量2,000) 0.1 g 水を加えて 1000 ミリリットル pH 7.0.
【図面の簡単な説明】
【図1】A,Bはそれぞれ実施例1、比較例1で調製さ
れた粒子の結晶構造のレプリカ透過電子顕微鏡写真。倍
率は、6000倍であり、図中の黒球はサイズ比較のた
めのラテックス粒子である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−261527(JP,A) 特開 平2−205844(JP,A) 特開 平5−173268(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/015 G03C 1/035 G03C 1/043 G03C 1/053

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるモノマーの
    繰返し単位を有する重合体の少くとも1種の存在下で形
    成されたことを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。 一般式(1) 【化1】 式中、R1 は水素原子、低級アルキル基を表し、R2
    1価の置換基を表す。R3 は炭素数3以上10以下のア
    ルキレン基を表し、Lは2価の連結基を表す。nは−R
    3 −O−の繰返し単位の平均数を表し、4以上200以
    下である。
  2. 【請求項2】 重合体が一般式(1)で表されるモノマ
    ーと下記一般式(2)で表されるモノマーの少くとも2
    種の繰返し単位からなる共重合体であることを特徴とす
    る請求項1に記載のハロゲン化銀写真乳剤。 一般式(2) 【化2】 式中R4 は水素原子、低級アルキル基を表し、R5 は1
    価の置換基を表し、L′は2価の連結基を表す。mは−
    CH2 CH2 O−の繰返し単位の平均数を表し、4以上
    200以下である。
  3. 【請求項3】 アスペクト比が2以上の平板粒子であ
    り、かつ円相当径の変動係数が15%以下であることを
    特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】 支持体上に少くとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、該ハロゲン化銀乳剤層が請求項1記載のハロゲン化
    銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料。
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