JP3523737B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents
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Description
料に関するものであり、特に感度/粒状性の関係に優
れ、増感処理適性が改良されたカラー写真感光材料に関
するものである。
各々異なる感色性(ここで感色性とは可視スペクトルの
3つの領域すなわち赤、緑、青のいずれかの光に感光す
る性質をいう)を有する少なくとも各1層のハロゲン化
銀乳剤層を有してなるものである。
く利用されるカラー反転感光材料の分野においては、早
いシャッター速度の要求されるスポーツ写真あるいは露
光に必要な光量の足りない舞台写真等の特殊なシーンの
撮影のため感度の高いカラー感光材料が要求されるが、
高感度のカラー写真感光材料は粒状性が荒く、感度/粒
状性の関係の改善が望まれていた。
る感度調節も行われてきた。この処理による感度調節は
通常「増感処理」と呼ばれ、カラー反転感光材料の場合
は、第1現像(黒白現像)の時間を標準処理の時間より
延長することによって実施されている。
必ずしも十分な増感処理適性を有するものではなく、第
1現像の時間を標準処理よりも非常に延長しないと増感
されないものであったり、高感度層と低感度層に分割さ
れた構成を採用した感光材料においては両層の現像処理
適性が異るため、増感処理によって階調の変化が生じた
り、第1現像の時間を延長して増感の程度を高めようと
すると、発色画像濃度の大巾な低下を起すものであった
り、赤感層、緑感層、青感層の間の現像処理適性の相違
により、増感処理した時にカラーバランスの劣化を起す
ものであったりした。
に増感処理においても欠点の無い技術の開発が望まれて
いた。
いたカラー写真感光材料を提供することにある。
(米国特許4,082,553号)には表面をかぶらせ
たハロゲン化銀粒子を点在させたハロゲン化銀乳剤層を
有する重層効果が改良されたカラー反転感光材料が記さ
れているが、この表面かぶりハロゲン化銀粒子は内部に
かぶりを生ぜしめたハロゲン化銀粒子とは区別されるも
のであり(同公報第(11)項)、またかかる表面かぶ
りハロゲン化銀粒子の添加は、標準処理の写真性に悪影
響を及ぼすとともに、増感処理による発色色像濃度を大
巾に低下させるという欠点を有していた。
第3,178,282号、同第3,397,987号に
は、露光した際に表面潜像を形成しうるハロゲン化銀粒
子と内部かぶり核を有するハロゲン化銀粒子の双方を乳
剤層に入れてスピードとコントラストを高くしたネガ画
像形成性写真要素が記載されている。しかし、この明細
書には増感処理についての記載は全くないし、また通常
のカラー反転感光材料についての記載もない。更に、こ
の写真要素は、露光後に現像を行なうと表面潜像を有す
るハロゲン化銀粒子が露光量に応じて反応生成物を放出
し、これが内部かぶり核を有するハロゲン化銀粒子に割
れ目を作り現像可能にならしめるので、標準現像の際に
もスピード及びコントラストの上昇が生じ、増感処理に
よる増感のコントロールに結びつかないものであった。
許3,505,068号)には、同一感色性の乳剤層を
高感度層と低感度層に分割したカラー反転感光材料にお
いて、高感度層に沃化銀を用い、低感度層にハロ沃化銀
のコアを沃化銀の全く含まれないハロゲン化銀のシェル
にて被覆した粒子を用いて、コントラストを有効に下げ
る方法が記されている。しかし、ここで用いられるコア
シェル型ハロゲン化銀粒子はその内部にかぶり核を有し
ていないため、増感処理に対して何ら特別な作用を示す
ことはなかった。
増感処理しても階調の変化やカラーバランスの劣化がな
く、また発色画像濃度の低下の程度を比較的小さくする
ことができる技術として、ハロゲン化銀乳剤層またはそ
の隣接層に、内部にかぶり核を有するハロゲン化銀乳剤
を添加し、増感処理時に前記かぶり核が機能して現像を
進めるという技術が開示されている。この技術において
は、内部にかぶり核を有するハロゲン化銀乳剤を添加し
た乳剤層の感度が増感処理した際に増加するので、増感
の程度が比較的小さい乳剤層にこの乳剤を添加すること
によって増感処理した後のカラーバランスを調整するこ
とを可能にしている。しかしながら、ある特定の乳剤層
の増感処理後の感度上昇が極めて大きい場合には、前述
の内部にかぶり核を有するハロゲン化銀乳剤を増感の程
度が小さい乳剤層に多量に添加しても感度上昇が不充分
な場合があった。この場合には、増感処理後に良好なカ
ラーバランスを得ることができず、また内部にかぶり核
を有する乳剤の多量添加によって発色画像濃度が低下す
るという欠点も有していた。
像活性を向上せしめるものとしてコロイド銀が知られて
おり、例えば、特開昭60−126652号、同63−
304252号、特開平2−110539号、同3−1
13438号、同3−226732号、米国特許第97
9,001号に乳剤層もしくは隣接層にコロイド銀を含
有せしめる感光材料について記載されている。これらの
特許の内、米国特許第979,001号、特開昭60−
126652号、同63−304252号、特開平2−
110539号、同3−113438号は画質や階調再
現性を改良する事を目的としたものであり、また同3−
226732号は増感現像性に対しても言及して居るも
のの、いずれも黄色コロイド銀がきわめて高い増感現像
性を付与する事に対して全く触れられておらず、各感色
性層の隣接層に黄色コロイド銀を含有せしめる事を実施
していなかった。つまり、コロイド銀が現像活性向上に
与える影響に付いて検討し、どのようなコロイド銀を、
いかように感光材料に含有せしめたときに増感現像性が
好ましくなるかと言う事に対して検討されたことはなか
った。
てはすでに、例えば米国特許第4,434,226号、
同4,439,520号、同4,414,310号、同
4,433,048号、同4,414,306号、同
4,459,353号、特開昭59−994335号、
特開昭60−209445号、特開昭63−15161
8号にその製法および使用技術が開示されており、増感
色素による色増感効率の向上を含む感度の向上、良好な
感度/粒状性の関係、平板粒子の特異的な光学的性質に
よるシャープネスの向上、カバーリングパワーの向上な
どの利点が知られている。
として{111}結晶面によって囲まれかつ8:1未満
の平均アスペクト比を有するハロゲン化銀ホスト粒子、
及び前記ホスト粒子の選択された表面部位上にエピタキ
シャルに位置しかつその部位に実質的に制限されている
銀塩を含むハロゲン化銀乳剤において、前記ハロゲン化
銀ホスト粒子が銀塩エピタキシーを前記ホスト粒子の選
択された表面部位に向けるには不十分な沃化物を含有す
ることを特徴とするハロゲン化銀乳剤が開示されてい
る。しかし、このハロゲン化銀乳剤の増感現像に対する
記載は全くない。
の表面上に有するハロゲン化銀粒子基板を含み、前記突
起物が現像液への前記突起物の溶解性が前記基板の溶解
性より大きくなるように基板とは異なるハロゲン化物組
成を有することで、感度を下げることなく鮮鋭化された
写真材料を提供することが示されている。しかし、前記
突起物の溶解性が前記基板の溶解性より非常に高いこと
で、処理液中で短時間で溶解してしまい、増感現像のコ
ントロール幅が小さいことが明らかになった。
/粒状性の関係に優れ、増感現像適性が改良されたカラ
ー写真感光材料を提供することにある。
行った結果、本発明の目的は以下の手段(1)〜(3)
によって達成された。 (1)支持体上に、青感光性乳剤層ユニット、緑感光性
乳剤層ユニット、赤感光性乳剤層ユニットの少なくとも
1つのユニットが感度の異なる乳剤層を少なくとも3層
有するハロゲン化銀カラー反転写真感光材料において、
該3種の感色性乳剤層ユニットの全感光性層にアスペク
ト比2以上100以下の感光性平板状ハロ沃化銀粒子を
含有し、かつ該感光性平板状ハロ沃化銀粒子が、該感光
性平板状ハロ沃化銀粒子の頂点の少なくとも一つに突起
を有する粒子を含むことを特徴とするハロゲン化銀カラ
ー反転写真感光材料。 (2)青感光性乳剤層ユニット、緑感光性乳剤層ユニッ
ト、赤感光性乳剤層ユニットの少なくとも2つのユニッ
トが感度の異なる乳剤層を少なくとも3層有することを
特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラー反転写
真感光材料。 (3)該感色性乳剤層ユニットの少なくとも1つの最低
感度層に隣接してコロイド銀を含有する層を有すること
を特徴とする(1)または(2)に記載のハロゲン化銀
カラー反転写真感光材料。 (4)該感色性乳剤層ユニットの少なくとも1つに表面
及び/又は内部をかぶらされた沃臭化銀乳剤を含有する
乳剤層を含むことを特徴とする(1)乃至(3)のいず
れか1項に記載のハロゲン化銀カラー反転写真感光材
料。(5)感光性平板状ハロ沃化銀粒子のアスペクト比が3
以上100以下であることを特徴とする(1)乃至
(4)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。 (6)感光性平板状ハロ沃化銀粒子の沃化銀含有率が
0.5〜8モル%であることを特徴とする(1)乃至
(5)のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料。
アスペクト比2以上100以下の感光性平板状ハロ沃化
銀粒子を含有する。
子」という)とは、2つの対向する平行な主平面を有
し、該主平面の円相当直径(該主平面と同じ投影面積を
有する円の直径)が主平面間の距離(すなわち粒子の厚
み)より2倍以上大きなハロゲン化銀粒子をいう。
後記の方法によって求められた粒子個々の円相当直径を
粒子の厚みで割った値として定義される。
ト比は2以上で100以下であるが、3以上であること
が好ましく、特に5以上であることが好ましい。100
を越えると圧力性、製造適性が劣る。
1〜5.0μm 、好ましくは0.1〜4.0μm 、さら
に好ましくは0.2〜3.0μm である。
くは0.03〜0.3μm である。
は米国特許第4,434,226号に記載の方法の如く
粒子の電子顕微鏡写真より求めることができる。
動係数が好ましくは30%以下、さらに好ましくは20
%以下、最も好ましくは10%以下の単分散性であるこ
とが好ましく、ここでいう変動係数とは、“該平板粒子
の投影面積の円相当直径と厚みから求められる粒子サイ
ズのバラツキ(標準偏差)を、平均粒子サイズで割った
値に100を乗じた値”で表わされる。ここで粒子サイ
ズ(Rμm )とは投影面積の円相当直径(rμm )と厚
み(dμm )とから以下の式によって求められるもので
ある。
バラツキが小さい粒子群からなるハロゲン化銀乳剤の粒
子サイズ分布はほとんど正規分布を示し、標準偏差を容
易に求めることができる。平板状粒子のハロゲン組成
は、沃化銀含有率が0.2モル%以上含有することが重
要あり、沃化銀を含有する沃臭化銀、沃塩化銀、沃臭塩
化銀をハロ沃化銀と呼ぶ。沃化銀含有率は0.5〜8.
0モル%が好ましく、さらに1.0〜5.0モル%が好
ましい。平板状粒子は、粒子全体が均一なハロゲン組成
からなるものであっても異なるハロゲン組成を有する2
以上の相からなるものであってもよい。
化銀平板状粒子はそれぞれ沃化物含有量の異なる複数の
相からなる層状構造を有するものを用いることもでき
る。特開昭58−113,927号、特開昭58−11
3,928号、特開昭59−99,433号、特開昭5
9−119,344号、特開昭59−119,350号
等において、平板状ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成お
よびハロゲンの粒子内分布の好ましい例が記載されてい
る。
面、あるいは(111)面と(100)面の混合した面
から形成されるものを選択することができる。
は、潜像が主として粒子表面に形成されるような粒子で
もよく、又潜像が主として粒子内部に形成されるような
粒子でもよい。さらに潜像が粒子表面と粒子内部に形成
されるような粒子でもよい。
当業界で知られた方法を適宜、組み合わせることにより
成し得る。
r値の雰囲気中で平板状粒子が重量で40%以上存在す
る種晶を形成し、同程度のpBr値に保ちつつ銀及びハ
ロゲン溶液を同時に添加しつつ種晶を成長させることに
より得られる。この粒子成長過程において、新たな結晶
核が発生しないように銀及びハロゲン溶液を添加するこ
とが望ましい。
調節、溶剤の種類や量の選択、粒子成長時に用いる銀
塩、及びハロゲン化物の添加速度等をコントロールする
ことにより調整できる。
に、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用いることによ
り、粒子サイズ、粒子の形状(直径/厚み比など)、粒
子のサイズ分布、粒子の成長速度をコントロールでき
る。
イズ分布を単分散化し、成長速度を速めることができ
る。一方、溶剤の使用量とともに粒子の厚みが増加する
傾向もある。
ては、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素類を挙げる
ことができる。
板状ハロゲン化銀粒子の製造時に、粒子成長を速める為
に添加する。銀塩溶液(例えばAgNO3 水溶液)とハ
ロゲン化物溶液(例えばKBr水溶液)の添加速度、添
加量、添加濃度を上昇させる方法が好ましく用いられ
る。
子及びそれらを含むハロゲン化銀乳剤について、より具
体的には、製法も含めて例えば米国特許第4,434,
226号、同第4,439,520号、同第4,41
4,310号、同第4,425,425号、同第4,3
99,215号、同第4,435,501号、同第4,
386,156号、同第4,400,463号、同第
4,414,306号、同第4,425,426号、欧
州特許第84,637A2、特開昭59−99433
号、リサーチディスクロージャーNo. 22534(19
83年1月)などに記載されている。
板粒子を用いることができる。該乳剤は、分散媒とハロ
ゲン化銀粒子とからなるハロゲン化銀乳剤であって、該
ハロゲン化銀粒子の全投影面積の70%以上が、最小の
長さを有する辺の長さに対する最大の長さを有する辺の
長さの比が、2以下である六角形であり、かつ、平行な
2面を外表面として有する平板状ハロゲン化銀によって
占められており、さらに、該六角平板状ハロゲン化銀粒
子の粒子サイズ分布の変動係数〔その投影面積の円換算
直径で表わされる粒子サイズのバラツキ(標準偏差)
を、平均粒子サイズで割った値〕が20%以下の単分散
性をもつものであり、アスペクト比は2.5以上で粒子
サイズは0.2μm以上である。該六角平板粒子の組成
としては、臭化銀、ヨウ臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化
銀のいずれであってもよい。沃度イオンを含む場合、そ
の含量は0〜30モル%であり、結晶構造は一様なもの
でも、内部と外部が異質なハロゲン組成から成るもので
もよく、層状構造をなしていてもよい。また、粒子中に
還元増感銀核を含んでいることが好ましい。該ハロゲン
化銀粒子は、核形成−オストワルド熟成及び粒子成長を
経ることによって製造することができるが、その詳細は
特開昭63−151618号の記載に従う。
昭63−220238号に記載されているような粒子内
に意図的にディスロケーションを導入した平板状粒子を
用いることができる。この平板状ハロゲン化銀粒子は特
公昭47−11,386号等に記載されている様に、ハ
ロゲン化銀粒子の粒径および/あるいは厚みの分散性を
単分散にして使用することも可能である。ここで平板状
ハロゲン化銀粒子が単分散であるということは95%の
粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、好ましくは±
40%以内さらには±25%のサイズに入る分散系であ
ることを指す。ここで数平均粒子サイズとはハロゲン化
銀粒子の投影面積直径の数平均直径である。
1号、同第5147772号、同第5147773号お
よび欧州特許第513723A号に記載のポリアルキレ
ンオキサイド・ブロック・コポリマーが、単分散性を高
めるために好ましく用いられる。
も、内部と外部とが異質なハロゲン組成からなるもので
もよく、層状構造をなしていてもよい。また種々の結晶
形の粒子の混合物を用いてもよい。
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号に記載のコア/
シェル型内部潜像型乳剤であってもよい。このコア/シ
ェル型内部潜像型乳剤の調製方法は、特開昭59−13
3542号に記載されている。この乳剤のシェルの厚み
は、現像処理等によって異なるが、3〜40nmが好ま
しく、5〜20nmが特に好ましい。
成、化学熟成および分光増感を行ったものを使用する。
このような工程で使用される添加剤はリサーチ・ディス
クロージャーNo.17643、同No.18716お
よび同No.307105に記載されている。
突起を有することを特徴とする感光性平板状ハロ沃化銀
粒子とは、以下のように粒子の電子顕微鏡写真を用いて
定義される。平板状ハロゲン化銀粒子の基本形状が六角
形である場合は、平板状ハロゲン化銀の各辺の中点にお
ける稜線を延長することで六角形が描かれる。実際の粒
子形状が頂点部分で描かれた六角形よりも外側に突出し
ている粒子のことを、突起を有することを特徴とする感
光性平板状ハロ沃化銀粒子と定義する。この突起は、前
述した六角形の重心Gから六角形の頂点Aを結んだ直線
と実際の粒子の外縁との交点をBとしたとき、距離AB
が0.005μm〜1μm、好ましくは0.007μm
〜0.5μm、さらに好ましくは0.01μm〜0.5
μmである。
角形で定義された同様の方法で定義することが出来る。
果はあるが、好ましくは2個以上、より好ましくは全て
の頂点に突起物が存在することである。
沃化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩臭沃化銀の
何れでも良いが、塩化銀含有率が50mol%以下が好
ましく、塩化銀含有率が20mol%以下が更に好まし
く、塩化銀を含まない臭化銀、沃臭化銀、沃化銀が最も
好ましい。乳剤層中の平板状ハロ沃化銀粒子中の頂点に
突起を持つ乳剤粒子の割合は10%以上、好ましくは2
0%以上である。
大吸収波長が400nmから500nm、より好ましく
は430nmから460nmの黄色を呈していることが
必要である。
iley & Sons,NewYork,1933年
発行、Weiser著のColloidal Elem
ents(Carey Leaのデキストリン還元法に
よる黄色コロイド銀)又はドイツ特許第1,096,1
93号(褐色および黒色のコロイド銀)または米国特許
第2,688,601号(青色のコロイド銀)に記載さ
れている。このうち最大吸収波長が400nmから50
0nmの黄色のコロイド銀がとくに増感現像性を付与す
る効果が認められた。例えば、黄色のコロイドに沃化カ
リウムを添加するなど方法によって最大吸収波長を長波
化する事が出来るが、このような場合、コロイド銀添加
が増感現像性を改良する効果が著しく低減するか、時に
は全く認められない事があった。このようにコロイド銀
の種類、色によって増感材料の写真性を著しく変化せし
めることは、例えば、特開昭60−126652号、同
63−304252号、特開平2−110539号、同
3−113438号、同3−226732号、米国特許
第979,001号からは全く予想し得ないものであっ
た。
いる層が青感光性乳剤層、緑感光性乳剤層、赤感光性乳
剤層のすべてに隣接している事が必要である。従来の感
光材料、特に撮影用の感光材料においては、支持体から
遠い方から順番に青感性層、緑感性層、赤感性層のごと
く配置し、青感性層と緑感性層の間にはフィルターとし
ての機能をもたせるべく黄色コロイド銀を、また赤感性
層と支持体の間にアンチハレーションの機能をもたせる
べく黒色コロイド銀を配置する事が多く行われている。
しかしながら黒色コロイド銀と黄色コロイド銀は、その
現像活性を高める効果に著しく相違があり、すべての感
色性層に同様に隣接していないと、増感現像処理を行っ
た時にカラーバランスの劣化を引き起こしてしまう。
乳剤層、緑感光性乳剤層、赤感光性乳剤層に隣接した層
に添加する必要がある。黄色コロイド銀を乳剤層に添加
してしまうと感光材料の保存中、もしくは現像処理時に
不必要なかぶりを形成させてしまい好ましくない。また
感色性層に隣接させず、例えば中間層を介した非隣接層
に黄色コロイド銀を添加しても、その現像活性向上効果
は発揮されない。
緑感光性乳剤層ユニット、赤感光性乳剤層ユニットが感
度や分光感度などが異なる2層以上からなる場合が好ま
しく、黄色コロイド銀含有層は各感色性層の最低感層に
隣接せしめることが極めて好ましい。往々にして感度の
高い層が優先的に現像が進んでしまうが、最低感層に黄
色コロイド銀層を隣接せしめることによって、最高感層
と最低感層との現像進行性のバランスがとれ、増感現像
処理時の階調変化を低減する事が出来る。
感光性乳剤層ユニット、赤感光性乳剤層ユニットがすべ
て感度の異なる3層以上からなる場合特に顕著に現れ
る。
上である場合に顕著な効果が現れる。また全塗布銀量が
多すぎると黄色コロイド銀の効果が充分発現し得ず、好
ましくは3g/m2 以上6g/m2 以下であり、4g/
m2 以上5g/m2 以下がさらに好ましい。
せしめる事による現像進行性の改良効果が、その感光材
料の感色性層の構成や塗布銀量によって変化する事は極
めて予想しがたい事であった。しかしながら、相対的に
低感な層の現像が遅延し易い理由が、相対的に高感な層
の現像によって放出されたハロゲンイオンであることを
考えるとこのような現象を理解する事が出来る。すなわ
ち、低感度層の現像を遅延せしめるハロゲン化銀の塗布
量が多いほど、また低感度層に対して高感度層の層数が
多いほど低感度層の隣接層に含有された黄色コロイド銀
の現像進行性改良効果が大きい。
添加量は各添加層当たり0.001から0.4g/m2
である。また0.003から0.3g/m2 がさらに好
ましい。
ぶらされたハロゲン化銀粒子と併用することで、各感色
性層の増感現像時のバランスをさらに厳密にコントロー
ルすることが可能である。
は内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子について説明す
る。
かぶらせたハロゲン化銀粒子とは化学的な方法あるいは
光により、粒子の表面および/あるいは内部にかぶり核
を有し露光に無関係に現像可能になるよう調製されたハ
ロゲン化銀粒子のことをいう。
かぶらせ型ハロゲン化銀粒子)はハロゲン化銀の粒子形
成中及び/又は粒子形成後にこれらのハロゲン化銀粒子
を化学的な方法あるいは光によってかぶらせることによ
って調製しうる。
適当な条件の下で、還元剤や金塩を添加する方法、ある
いは低pAg下で加熱する方法、または一様な露光を与
える方法などによって行なうことができる。還元剤とし
ては、例えば、塩化第1スズ、ヒドラジン系化合物、エ
タノールアミン、二酸化チオ尿素を用いることができ
る。
はかぶらせ物質の感光性乳剤層への拡散による経時かぶ
り防止等の目的で水洗工程の前に配することが好まし
い。
(内部かぶらせ型ハロゲン化銀粒子)は上記の表面かぶ
らせ型ハロゲン化銀粒子を核(コア)としてこれらの粒
子の表面に外殻(シェル)を形成することによって調製
しうる。このように内部かぶらせ型ハロゲン化銀につい
ては特開昭59−214852号に詳しく記載されてい
る。これらの内部かぶらせ型ハロゲン化銀粒子はそのシ
ェル厚を調節することによって増感現像に対する効果を
調節しうる。
子は、粒子形成スタート時から、上記のかぶらせ法を用
い、かぶらせたコアを形成した後に、未かぶらせのシェ
ルをつけることによっても形成しうる。必要に応じて内
部から表面にいたるまですべてかぶらせることも可能で
ある。
銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれ
であっても構わないが、臭化銀もしくは沃臭化銀である
ことが好ましく、この場合、その沃化物含有率は5モル
%以下が好ましく、2モル%以下がさらに好ましい。ま
たこれらのかぶらせハロゲン化銀粒子は粒子内部にハロ
ゲン組成の異なる内部構造を有していてもよい。
の平均粒子サイズは特に限定しないが、これらのかぶら
せハロゲン化銀粒子を添加する感光性ハロゲン化銀乳剤
層または非感光性層に添加する場合は隣接する最低感層
のハロゲン化銀粒子の平均サイズよりも小さいことが好
ましい。具体的には0.5μm以下であることが好まし
く、0.2μm以下であることがより好ましく、さらに
は0.1μm以下であることが最も好ましい。
の粒子形状には特別な限定はなく、規則的な(regu
lar)粒子でも、不規則な(irregular)粒
子でも良い。またこれらのかぶらせハロゲン化銀粒子は
多分散でもよいが単分散である方が好ましい。
の乳剤層あるいは中間層に添加しうるが、乳剤層に添加
する場合、最低感度層より高感度な層に添加すること
が、好ましい。たとえば、ある感色性層が3層構成の場
合、中感度層あるいは高感度層に添加することが好まし
い。
量は本発明において必要とする程度に応じて任意に変化
させうるが、本発明のカラー感光材料の全層に含まれる
感光性ハロゲン化銀の総量に対する比率で示した場合、
0.05〜50モル%が好ましく0.1〜25モル%が
より好ましい。使用銀量当りのかぶらせ効率から見た場
合、より平均サイズの小さい(具体的には0.2μm以
下の)表面かぶらせ型ハロゲン化銀が好ましい。
度をコントロールするためには内部かぶらせ乳剤を用
い、必要なタイミングに必要な現像速度が得られるよう
に各層に添加した内部かぶらせ乳剤のシェル厚を調整す
ることが好ましい。
の配列が、支持体側から、赤感色性乳剤層ユニット、緑
感色性乳剤層ユニット、青感色性乳剤層ユニットの順に
配置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であ
っても、また同一感色性層中に感色性の異なる感光性層
が挟まれたような設置順をもとり得る。
上層、最下層には各種の中間層のような非感光性層を設
けてもよい。
号、同59−113438号、同59−113440
号、同61−20037号、同61−20038号に記
載されるようなカプラー、DIR化合物が含まれていて
もよく、また通常用いられるように混色防止剤を含んで
いてもよい。
化銀乳剤層が、西独特許第1,121,470号あるい
は英国特許第923,045号に記載されるように高感
度乳剤層、低感度乳剤層の2層構成である場合、支持体
に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ま
しい。また、例えば、特開昭57−112751号、同
62−200350号、同62−206541号、同6
2−206543号に記載されているように、支持体よ
り離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳
剤層を設置してもよい。
ら、低感度青感光性層(BL)/高感度青感光性層(B
H)/高感度緑感光性層(GH)/低感度緑感光性層
(GL)/高感度赤感光性層(RH)/低感度赤感光性
層(RL)の順、またはBH/BL/GL/GH/RH
/RLの順、またはBH/BL/GH/GL/RL/R
Hの順等に設置することができる。
れているように、支持体から最も遠い側から赤感光性層
/GH/RH/GL/RLの順に配列することもでき
る。また特開昭56−25738号、同62−6393
6号に記載されているように、支持体から最も遠い側か
ら青感光性層/GL/RL/GH/RHの順に配列する
こともできる。
載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化
銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀
乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化
銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低め
られた感光度の異なる3層から構成される配列が本発明
においては極めて好ましく用いることができるが、この
ような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特
開昭59−202464号に記載されているように、同
一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳
剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されても
よい。
剤層/中感度乳剤層、あるいは低感度乳剤層/中感度乳
剤層/高感度乳剤層のような順に配置されていてもよ
い。
4,663,271号、同第4,705,744号、同
第4,707,436号、特開昭62−160448
号、同63−89850号に記載の、BL,GL,RL
などの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナ
ー層(CL)を主感光層に隣接もしくは近接して配置す
ることが好ましい。
に応じて種々の層構成・配列を選択することができる。
内部潜像型乳剤は黄色コロイド銀に隣接した層に用いる
ことが非常に好ましい。
銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、
粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性が異なる2種
類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することがで
きる。
剤と沃化銀微粒子乳剤に加え、易溶性の粒子より成る乳
剤(これらの粒子は、本質的に、沃化銀よりも溶解性が
大である銀塩からなる)をブレンドすることができる。
これに有用な銀塩は、9.5〜16未満の溶解度積定数
を持っているものの中から選択することができる。好ま
しい銀塩は、9.75〜15.5、最適には11〜13
の溶解度積定数を有しているものである。なお、記載の
溶解度積定数はすべて、特に断りのある場合を除いて、
温度20℃の時のものである。典型的な銀塩に関しての
溶解度積定数の検討及び列挙は、例えば、James.Theory
of thePhotographic Process, 4th Ed., Macmillan, 1
977. Chapter 1, Section F.G及びH. pp.5-10に認める
ことができる。
ンドする場合には、易溶性乳剤は、臭化銀、チオシアン
酸銀あるいは、これらの組合せの銀塩より実質的に成る
ことが好ましく、感光性平板状塩臭沃化銀粒子とブレン
ドする場合には塩化銀あるいは塩臭化銀より実質的に成
ることが好ましい。また粒子サイズは感光性平板状ハロ
沃化銀粒子に比較して小サイズであることが好ましく、
0.5μm 以下、さらに0.3μm 以下が好ましい。さ
らに0.1μm 未満の平均粒径を用いることができる。
したがって、易溶性乳剤は最適には、常用のリップマン
乳剤でありうる。最小平均直径は調製の便宜によっての
み制限されるものであり、通常、最低約0.05μm で
ある。本発明の易溶性乳剤は、反転写真感光材料の写真
性能を改善する任意の濃度で使用することができるが、
混合乳剤の全銀量に対して0.5〜50モル%の範囲で
用いることが好ましく、さらに1〜40モル%、さらに
2〜20モル%が好ましい。
れを用いたハロゲン化銀写真感光材料に用いることので
きる種々の技術や無機・有機の素材については一般には
リサーチ・ディスクロージャー No.308119(19
89年)、 No.37038(1995年)に記載された
ものを用いることができる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤が適用できるカラー写真
感光材料に用いることができる技術および無機・有機素
材については、欧州特許第436,938A2号の下記
の箇所及び下記に引用の特許に記載されている。
光材料は、特公平2−32615号、実公平3−397
84号などに記載されているレンズ付きフィルムユニッ
トに適用した場合に、より効果を発現しやすく有効であ
る。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1
均分子量(M)2万の骨ゼラチン7.5g、を含む40
℃の水溶液1.6リットル中に、攪拌しながらダブルジ
ェット法で硝酸銀水溶液(100ml中に20.48gの
硝酸銀を含む)と臭化カリウムおよびヨウ化カリウム水
溶液(100ml中に14.3gの臭化カリウムと2.7
gの沃化カリウムを含む)を攪拌しながら、同時にそれ
ぞれ61.5cc/分で41ccを添加した。ゼラチン水溶
液(不活性ゼラチン35.6g、水284ccを含む)を
添加した後、58度に昇温し硝酸銀水溶液(硝酸銀2.
4gを含む)を30秒で添加し、5分間熟成した。続い
て硝酸銀47gを含む硝酸銀水溶液(A)と臭化カリウ
ム水溶液を20分で添加した。この時pAgは8.7に
保った。40℃に降温した後、硝酸銀(8.6g)水溶
液とヨウ化カリウム(6.9g)水溶液(C)をダブル
ジェットで添加し、引き続き硝酸銀164gを含む硝酸
銀水溶液(B)と臭化カリウム水溶液をpAgを9.2
に保ちながら添加した。この後、35℃に冷却し、常法
のフロキュレーション法で水洗し、ゼラチン77gを加
え、pH6.2、pAg8.8に調整した。得られた乳
剤は平均円相当径0.25μ、平均厚み0.05μ、ア
スペクト比5.0、平均沃化銀含量3.5モル%の平板
状粒子であった。乳剤を62℃に昇温し後掲の増感色素
を7.15×10-4モル添加し10分間おいて後、チオ
硫酸ナトリウム2.6×10-5モル/モルAg、N,N
ジメチルセレノウレア1.1×10-5モル/モルAg、
チオシアン酸カリウム3.0×10-3モル/モルAg、
塩化金酸8.6×10-6モル/モルAg添加した。増感
色素量および化学増感剤の量、および化学熟成の時間は
1/100秒露光したときの感度が最も高くなるように
した。さらに下記化合物A−1、A−4を加えた後、
0.08μm、沃化銀含有率1.2mol%の微粒子乳
剤を加え粒子表面をカバーすることによって乳剤B−1
をえた。
560ccの3.4%ゼラチン水溶液中にpH6.8、銀
電位(SCE)+90mVに保ちながら15%AgNO
3 水溶液800ccとKBr、KIをそれぞれ0.85、
0.031mol/リットルを含む水溶液とを50分間
かけてダブルジェットで添加し稜長0.27μmの単分
散立方体コア粒子を調整した。次に、このコア粒子に金
増感剤として塩化金酸ナトリウム、及び下記化合物A−
2、A−3を各々2.0mg、7.0mg、0.1mgを加
え、pH6.8、銀電位+100mVで40分間化学増
感を行った。ここで下記化合物A−1、A−4を各々
0.14g、0.2g加えた後、温度を50℃まで下
げ、再び15%AgNO3 水溶液200ccと0.85m
ol/リットルのKBrと0.004mol/リットル
のKIを含む水溶液を5分間かけてpH6.8、銀電位
+10mVで添加することによりシェルを沈澱させ、最
終粒子の平均稜長が0.28mgm、平均沃化銀含有率
3.5mol%の立方体単分散粒子を得た。これを限外
濾過膜を通過させることによって可溶性銀塩を除去し最
終のpHが6.2、pAgが8.4の内部潜像型乳剤
(乳剤G)を得た。この乳剤の粒子サイズ(稜長)分布
の変動係数(分布の標準偏差を平均値で割って100を
かけた値)は8%、沃化銀含有率分布の変動係数は5%
であった。またはここで得られた粒子は(100)面が
99%、(111)面が1%の晶癖であった。 (乳剤B−3の調製)乳剤B−1の調製において化学増
感終了時にAgBrIリップマン乳剤(沃度含量2.5
モル%、粒子サイズ0.06μ)母体乳剤のAg量にし
て3%を添加し、さらに20分間熟成した。この結果、
基本形が六角形であった乳剤B−1に対し、その頂点に
突起物が沈着した乳剤粒子が得られた。本文中に記載の
手法で、基本形の六角形の頂点Aと基本形の六角形の重
心Gとを結んだ直線と実際の粒子の外縁(突起部分)と
の交点をBとした場合のABの距離は0.007μmで
あった。 (乳剤F−3の調製)乳剤B−3の調製方法と同様に乳
剤F−1からAgBrIリップマン乳剤を添加すること
で乳剤F−3を調製した。乳剤F−3の距離ABは0.
009μmであった。
は、乳剤B−1、正常晶乳剤については乳剤B−2か
ら、常法に従って処方の変更を行い、表1、表2及び表
3記載の如く、各種粒子サイズ、粒子形状、AgI含
率、化学増感方法、増感色素、添加方法を変化させた乳
剤を調製した。 乳剤101の作製 下塗りを施した厚み127μmの三酢酸セルロースフィ
ルム支持体上に、下記の組成の各層より成る多層カラー
感光材料を作製し、試料201とした。数字はm2当りの
添加量を表わす。なお添加した化合物の効果は記載した
用途に限らない。
に添加剤F−1〜F−8を添加した。さらに各層には上
記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化
用界面活性剤W−3、W−4、W−5、W−6を添加し
た。更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシエタノー
ル、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチルエステ
ルを添加した。
2のごとく、平板乳剤C−1、G−1、I−1、J−1
に対応する正常晶乳剤C−2、G−2、I−2、J−2
を調製した(増感色素量は感度が最高となるように調節
した)。次に、コントロールド・ダブルジェット法によ
り平均粒子サイズ0.15μの臭化銀立方体乳剤を調製
し、ヒドラジンおよび金錯塩を用いて低pAg下でかぶ
らせた後、乳剤の表面に臭化銀を375Åの厚みでシェ
ル付けし、内部のかぶった臭化銀乳剤Oを得た。さら
に、温度を30℃に保ったゼラチン24g、KBr1.
5gを(1N)NaOH3.0ccを含む溶液300cc
に、90gの硝酸銀を含む水溶液と、64.2gのKB
rを含む水溶液を4分間にわたって添加し、その後10
分間保持した。次いでフロキュレーション法で脱塩し、
40℃でpH=6.5、pAg=8.5に調製すること
により、球相当直径0.06μmの易溶性臭化銀乳剤P
を得た。これらの乳剤を用い、表−4のごとく本発明の
効果を明らかにするための塗布試料102〜115を作
成した。 (塗布試料の評価)
15を2000 lux、1/50秒の色温度4800
Kの白色光源を用い、ウェッジ露光を行い、以下の現像
処理を行った。
を行い、第一現像時間が6分の場合からの感度変化を表
4にまとめた。このときの感度は各感色性層の発色濃度
が1.0になる濃度を与える露光量より求めたものであ
る。さらに各試料を4×5サイズに裁断し、色温度55
00度、露光時間1/100秒でマクベスチャートを実
技撮影した。第一現像時間を6分と8分で現像処理した
後、富士写真フイルム足柄研究所で写真の評価を専門と
する者10名で第一現像時間6分と8分との色味の変化
を採点した。点数は大変優れているを1点、大変劣って
いるを10点として、10名の得点の平均を各試料の得
点とした。
ェッジ露光し、第一現像時間6分で現像処理を行ない、
48μmφの口径でV濃度(黒白濃度)でのRMS粒状
度を測定し、D=1.0での値も表4に挙げた。
本発明の試料102、103、114、115は比較試
料に対し、色味変化が少なくかつ粒状性が良いことが判
る。また請求項2〜4の構成である本発明の試料10
6、107、109、111はさらに好ましいことが判
る。現像処理条件を以下に示す。 処理工程 処理工程 時間 温 度 第一現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 前漂白 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 最終リンス 1分 25℃
試料201〜215を下記のように作成した。 1)支持体 本実施例で用いた支持体は、下記の方法により作製し
た。市販のポリエチレン−2,6−ナフタレートポリマ
ー100重量部と紫外線吸収剤として Tinuvin P.326
(チバ・ガイギー Ciba-Geigy 社製)2重量部とを常法
により乾燥した後、300℃にて溶融後、T型ダイから
押し出し140℃で3.0倍の縦延伸を行い、続いて1
30℃で3.0倍の横延伸を行い、さらに250℃で6
秒間熱固定して厚さ90μmのPENフィルムを得た。
さらに、その一部を直径20cmのステンレス巻き芯に巻
付けて、110℃、48時間の熱履歴を与えた。 2)下塗層の塗設 上記支持体は、その両面にコロナ放電処理、UV放電処
理、さらにグロー放電処理、および火焔処理をした後、
それぞれの面に下記組成の下塗液を塗布して、下塗層を
延伸時高温面側に設けた。コロナ放電処理はピラーPill
ar社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを
用い、30cm幅支持体を20m/分で処理する。このと
き、電流・電圧の読み取り値より、被処理物は0.37
5KV・A/分/m2の処理がなされた。処理時の放電周
波数は、9.6KHz、電極と誘電体ロールのギャップ
クリアランスは、1.6mmであった。又UV放電処理
は、75℃で加熱しながら放電処理した。さらにグロー
放電処理は、円柱電極で3000Wで30秒間照射し
た。 ゼラチン 3g 蒸留水 25ml ソジウム α−スルホージ−2−エチルヘキシルサクシネート 0.05g ホルムアルデヒド 0.02g サリチル酸 0.1g ジアセチルセルロース 0.5g p−クロロフェノール 0.5g レゾルシン 0.5g クレゾール 0.5g (CH2=CHSO2CH2CH2NHCO)2CH2 0.2g トリメチロールプロパンのアジリジン3倍モル付加物 0.2g トリメチロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍 モル付加物 0.2g メタノール 15ml アセトン 85ml ホルムアルデヒド 0.01g 酢酸 0.01g 濃塩酸 0.01g
組成の帯電防止層、磁気記録層、および滑り層を塗設し
た。 3−1)帯電防止層の塗設 3−1−1)導電性微粒子分散液(酸化スズ−酸化アン
チモン複合物分散液)の調製 塩化第二スズ水和物230重量部と三塩化アンチモン2
3重量部をエタノール3000重量部に溶解し、均一溶
液を得た。この溶液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液
を前記溶液のpHが3になるまで滴下し、コロイド状酸
化第二スズと酸化アンチモンの共沈澱を得た。得られた
共沈澱を50℃に24時間放置し、赤褐色のコロイド状
沈澱を得た。
離した。過剰なイオンを除くため、沈澱に水を加え遠心
分離によって水洗した。この操作を3回繰り返し、過剰
イオンを除去した。過剰イオンを除去したコロイド状沈
澱200重量部を水1500重量部に再分散し、650
℃に加熱した焼成炉に噴霧し、青味がかった平均粒径
0.005μmの酸化スズ−酸化アンチモン複合物の微
粒子粉末を得た。この微粒子粉末の比抵抗は5Ω・cmで
あった。上記の微粒子粉末40重量部と水60重量部の
混合液をpH7.0に調製し、攪拌機で粗分散の後、横
型サンドミル(商品名ダイノミル;WILLYA. BACHOFENAG
製)で滞留時間が30分になるまで分散して調製した。
この時の二次凝集体の平均粒径は約0.04μmであっ
た。
るように塗布し、115℃で60秒間乾燥した。 3−1−1)で作製の導電性微粒子分散液 20重量部 ゼラチン 2重量部 水 27重量部 メタノール 60重量部 p−クロロフェノール 0.5重量部 レゾルシン 2重量部 ポリオキシエチレン ノニルフェニルエーテル 0.01重量部 得られた導電性膜の抵抗は、108.0(100V) であり、優
れた帯電防止性能を有するものであった。 3−2)磁気記録層の塗設 磁性体 Co-被着γ-Fe2O3( 長軸0.14μm、単軸0.
03μmの針状、比表面積41m2/g、飽和磁化89em
u/g、表面は酸化アルミと酸化珪素でそれぞれFe3O2 の
2重量%で表面処理されている、保磁力930Oe、Fe
+2/Fe+3比は6/94)1100gを水220g及びポ
リ(重合度16)オキシエチレンプロピルトリメトキシ
シランのシランカップリング剤を150g添加して、オ
ープンニーダーで3時間良く混練した。この粗分散した
粘性のある液を70℃で一昼夜乾燥し、水を除去した
後、110℃、1時間加熱して表面処理をした磁気粒子
を作製した。さらに以下の処方で、再びオープンニーダ
ーにて混練した。
rpm 、4時間微細分散した。 上記混練品 100g ジアセチルセルロース 60g メチルエチルケトン 300g シクロヘキサノン 300g さらにジアセチルセルロースと、硬化剤としてトリメチ
ロールプロパン−トルエンジイソシアナートの3倍モル
付加物をバインダーに対して20wt%添加した。得ら
れた液の粘度が約80cpとなるように、等量のメチル
エチルケトンとシクロヘキサノンで希釈した。また、塗
布は、上記の導電性層の上にバーコーターで膜厚が1.
2μmとなるように行なった。磁性体の量は0.6g/
m2となるように塗布した。またマット剤としてシリカ粒
子(0.3μm)と研磨剤の酸化アルミ(0.5μm)
をそれぞれ10mg/m2となるように添加した。乾燥は1
15℃、6分実施した(乾燥ゾーンのローラーや搬送装
置はすべて115℃となっている)。X−ライトのステ
ータスMでブルーフィルターを用いた時の、磁気記録層
のD B の色濃度の増加分は、約0.1であった。また、
磁気記録層の飽和磁化モーメントは4.2emu/m2、保磁
力923Oe、角形比は65%であった。
ように塗布し、110℃で5分乾燥させて滑り層を得
た。 ジアセチルセルロース 25mg/m2 C8H13CH(OH)C10H20COOC40H41(化合物a) 6mg/m2 C50H101O(CH2CH2O)16H (化合物b) 9mg/m2 なお、化合物a/化合物b(6:9)は、キシレンとプ
ロピレングリコールモノメチルエーテル(容量比1:
1)溶媒中で105℃に加熱、溶解し、この液を10倍
量のプロピレングリコールモノメチルエーテル(25
℃)に注加して微細分散液とした。さらに5倍量のアセ
トン中で希釈した後、高圧ホモジナイザー(200気
圧)で再分散し、分散物(平均粒径0.01μm)にし
てから添加して用いた。得られた滑り層の性能は、動摩
擦係数0.06(5mmφのステンレス硬球、荷重100
g、スピード6cm/minute)、静摩擦係数0.07(ク
リップ法)であり、優れた特性を有する。また後述する
乳剤面との滑り特性も動摩擦係数0.12であった。
試料101〜115と同様の組成の各層を重層塗布し、
試料201〜215を作成した。
幅、160cmに裁断し、さらに感光材料の長さ方向の片
側幅方向から0.7mmの所に2mm四方のパーフォレーシ
ョンを5.8mm間隔で2つ設ける。この2つのセットを
32mm間隔で設けたものを作成し、米国特許第5,29
6,887号のFIG.1〜FIG.7に説明されているプラス
チック製のフィルムカートリッジに収納した。この試料
に磁気記録層の塗布面側からヘッドギャップ5μm、タ
ーン数2000の入出力可能なヘッドを用いて、感光材
料の上記パーフォレーションの間に100mm/sの送り
速度でFM信号を記録した。FM信号記録後、乳剤面に
1000cms の全面均一露光を与えて以下に記載の方法
で各々の処理を行ったのち、再び元のプラスチック製の
フィルムカートリッジに収納した。このサンプルについ
ても、実施例1と同様の評価を行ない、実施例1と同様
本発明の効果が確認された。
Claims (6)
- 【請求項1】 支持体上に、青感光性乳剤層ユニット、
緑感光性乳剤層ユニット、赤感光性乳剤層ユニットの少
なくとも1つのユニットが感度の異なる乳剤層を少なく
とも3層有するハロゲン化銀カラー反転写真感光材料に
おいて、該3種の感色性乳剤層ユニットの全感光性層に
アスペクト比2以上100以下の感光性平板状ハロ沃化
銀粒子を含有し、かつ該感光性平板状ハロ沃化銀粒子
が、該感光性平板状ハロ沃化銀粒子の頂点の少なくとも
一つに突起を有する粒子を含むことを特徴とするハロゲ
ン化銀カラー反転写真感光材料。 - 【請求項2】 青感光性乳剤層ユニット、緑感光性乳剤
層ユニット、赤感光性乳剤層ユニットの少なくとも2つ
のユニットが感度の異なる乳剤層を少なくとも3層有す
ることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀カラ
ー反転写真感光材料。 - 【請求項3】 該感色性乳剤層ユニットの少なくとも1
つの最低感度層に隣接してコロイド銀を含有する層を有
することを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲ
ン化銀カラー反転写真感光材料。 - 【請求項4】 該感色性乳剤層ユニットの少なくとも1
つに表面及び/又は内部をかぶらされた沃臭化銀乳剤を
含有する乳剤層を含むことを特徴とする請求項1乃至3
のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー反転写真感
光材料。 - 【請求項5】 感光性平板状ハロ沃化銀粒子のアスペク
ト比が3以上100以下であることを特徴とする請求項
1乃至4のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー反
転写真感光材料。 - 【請求項6】 感光性平板状ハロ沃化銀粒子の沃化銀含
有率が0.5〜8モル%であることを特徴とする請求項
1乃至5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー反
転写真感光材料。
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US08/790,891 US5900356A (en) | 1996-01-29 | 1997-01-29 | Silver halide color photographic material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01261496A JP3523737B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | ハロゲン化銀カラー写真感光材料 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09204022A JPH09204022A (ja) | 1997-08-05 |
JP3523737B2 true JP3523737B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=11810263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP01261496A Expired - Fee Related JP3523737B2 (ja) | 1996-01-29 | 1996-01-29 | ハロゲン化銀カラー写真感光材料 |
Country Status (2)
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US4463087A (en) * | 1982-12-20 | 1984-07-31 | Eastman Kodak Company | Controlled site epitaxial sensitization of limited iodide silver halide emulsions |
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-
1996
- 1996-01-29 JP JP01261496A patent/JP3523737B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1997
- 1997-01-29 US US08/790,891 patent/US5900356A/en not_active Expired - Lifetime
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