JPH0743509B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0743509B2
JPH0743509B2 JP63132326A JP13232688A JPH0743509B2 JP H0743509 B2 JPH0743509 B2 JP H0743509B2 JP 63132326 A JP63132326 A JP 63132326A JP 13232688 A JP13232688 A JP 13232688A JP H0743509 B2 JPH0743509 B2 JP H0743509B2
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【発明の詳細な説明】 〔従来の技術〕 ハロゲン化銀写真感光材料の感度と画質に対する要請を
両立させるにはハロゲン化銀乳剤の光吸収・量子効率・
現像性を向上させることが必要である。
例えば米国特許第3,979,213号(以下文献A.とする)に
は内部潜像型ハロゲン化銀乳剤の色増感時の固有減感
が、表面だけに化学増感された等粒子径のハロゲン化銀
乳剤と比較して著しく小さく、その結果、多量の増感色
素を用いて効果的に色増感できることが開示されてい
る。しかしながら、ここで用いられた内部潜像型乳剤
は、大部分の放射線感応部(もしくは潜像形成部)を粒
子内部に有し、全感度に対する表面感度の割合が10%以
下のものである。このように粒子の充分内部に潜像を形
成する乳剤は、実用されている黒白・カラーネガ・カラ
ー反転感光材料の現像液によって現像しても現像不充分
となり、実質的に感度を損うことになる。しかも、ここ
で開示されているような多量の増感色素をハロゲン化銀
粒子に吸着させると、粒子の現像はさらに抑制されるこ
とになり好ましくない。
同様にジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエ
ンス13巻48頁(1965年)、同22巻174頁(1974年)、同2
5巻19頁(1977年)、同31巻41頁(1986年)、フォトグ
ラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング、
19巻333頁(1975年)、米国特許第4,035,185号、同第3,
850,637号、ベリヒテ・デア・ブンゼン・ゲゼルシャフ
ト・フュア・フイジイカリッシェ・ケミー、67巻356頁
(1963年)に記載されているような内部潜像型乳剤も放
射線感応部が最も多く存在するのは0.01μm以上の深い
位置であり、実用的な処理液では容易に現像することは
出来ず最適な感度、粒状比を発現しうるものではない。
さらに米国特許第3,966,476号には潜像が粒子表面に向
って開口する空洞内に配置され、表面現像液で現像しう
る乳剤が開示されている。しかしながら、同等サイズの
表面潜像型乳剤と同等以上の感度を表面現像液による処
理によって発現しうる乳剤は内部潜像型乳剤とは言い難
く、文献Aで述べられた内部潜像型乳剤の優れた色増感
性を充分利用し得るものではない。また潜像が表面に開
口しているが故に潜像形成後、現像処理までの保存過程
において、潜像が酸化され実質的な感度がそこなわれ
る。
内部感度の大なるハロゲン化銀乳剤の製法については、
米国特許第3,206,313号に化学増感された大サイズ粒子
に未化学増感の微粒子乳剤を混合し、オストワルド熟成
を行うことによって調製されることが、また米国特許第
3,917,485号に化学増感された粒子に銀イオンとハライ
ドイオンを交互に過剰になるように添加することによっ
て調製されることが記載されている。このような調製法
を用いシェルの厚みを制御することによって表面感度と
内部感度のバランスを適度に調製することが可能であ
る。
しかしながら、最も多く潜像が形成される深さがどのよ
うになっているかは明確でなく、実用される処理液に対
し、表面から内部にわたる潜像分布がどのようなものが
良好な感度と画質を発現させる上で好ましいのかという
点について検討されたことはなかった。
一方、色増感性や粒状性を改良する試みとして、粒子内
のハロゲン組成を制御する試みが行なわれてきた。しか
しながら内部潜像型粒子において、特に潜像を形成する
部位の内部と外側のハロゲン組成について検討し、どの
ような粒子内ハロゲン組成の分布が好ましいかについて
結論されたものはなかった。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は感度、粒状性、潜像保存性に優れた内部
潜像型ハロゲン化銀乳剤を含む感光材料を提供すること
にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このような要望を満足するハロゲン化銀
乳剤を開発すべく鋭意研究を行った。その結果、本発明
の前記目的は、ハロゲン化銀写真乳剤の潜像分布におい
て少なくとも1つの極大値を有し、この極大値の存在す
る位置(モード)が表面から0.01μm未満の深さにあ
り、かつ粒子表面にも上記極大値の5分の1以上1倍未
満の潜像数を有するように化学増感されており、かつま
た、その表面のヨウ化銀含有率が該乳剤に含まれる全粒
子の平均ヨウ化銀含有率の90%以下、より好ましくは70
%以下である乳剤を用いるハロゲン化銀写真感光材料に
よって達成された。
ここで潜像分布とは横軸に潜像の粒子表面からの深さ
(xμm)、縦軸に潜像数(y)をとるもので、xは S:ハロゲン化銀乳剤平均粒子径(μm) Ag1:未露光の乳剤塗布試料に下記の処理を行った後の
残存銀量 Ag0:処理前の塗布銀量 であり、またyは1/100秒間白色露光を行った後、下記
の処理を行ったとき被り+0.2の濃度を与える露光量の
逆数としたものである。上記潜像分布を求める際の処理
条件は N−メチル−p−アミノフェノール硫酸塩 2.5g L−アスコルビン酸ナトリウム 10g メタ硼酸ナトリウム 35g 臭化カリウム 1g 水を加えて 1(pH9.6) なる処理液に無水亜硫酸ナトリウムを0〜10g/l添加し2
5℃で5分間処理するものである。ここで無水亜硫酸ナ
トリウムの量を0〜10g/lまで変化させることにより、
処理中に現像されるハロゲン化銀粒子中の潜像の表面か
らの深さが変化し、深さ方向の潜像数の変化を知ること
ができる。
さらに粒子の表面ヨウ化銀含有率はX線光電子分光法
(XPS)によって求められ、この方法で数10オングスト
ローム程度の深さに至るまでのヨウ化銀含有率を明らか
にすることができる。また全粒子の平均ヨウ化銀含有率
は250℃で3時間アニールし、粒子内のヨウ化銀含有率
の分布を均一化した後、上記XPSの測定を行うことによ
って求めることができる。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
前記のようにして求められた潜像分布の極大値が表面か
ら0.01μm以上の深い位置に存在する場合、黒白、カラ
ーネガあるいはカラー反転感光材料に対して実用されて
いる現像液によって現像しても、現像不充分となり、実
質的な感度が損なわれる。
従来報告されてきた内部潜像型乳剤の調製法によればシ
ェルの厚みを制御することが結果として表面感度と内部
感度の比率を変えていた。しかしながら、本研究の結果
から、ある処理に対し最適な感度を発現させるためには
粒子形成条件を制御し、潜像分布のモードと表面感度と
内部感度の比率も独立にコントロールしなければならな
いことが明らかになった。
たとえば潜像分布のモードが0.01μm未満の位置にあっ
ても、表面における潜像分布が極大値以上になると、文
献Aに記載されているような内部潜像型乳剤の色増感性
の効果が不充分となる。また表面の潜像分布が極大値の
5分の1以下になると実用的な処理液で現像が不充分と
なり実質的な感度を損うことになる。
一方、表面現像を行ったときの感度と、内部現像を行っ
たときの感度との差のみに着目した従来の内部潜像型ハ
ロゲン化銀粒子の設計基準も、最適な感度を達成するに
は不充分であることが明らかとなった。
すなわち、表面感度と内部感度との比率が同じ(例えば
表面感度が内部感度の2分の1)であっても潜像分布の
極大が、0.01μm以上の深い位置に存在する場合、実用
的な処理によっては現像不充分となりその粒子の潜在的
な最適感度を出しきれない。
以上のように最適な感度を発現させるためには、潜像分
布の極大が存在する位置と、極大値と表面における潜像
数との差の両方を考慮した上で内部潜像型ハロゲン化銀
粒子を設計しなければならないことが明らかとなった。
以上で言う実用的な処理液とは、表面潜像のみを現像す
るように意図してハロゲン化銀溶剤を除いた現像液や内
部潜像を現像するように意図して多量のハロゲン化銀溶
剤を含んだ現像液ではない。
前者の現像液では本発明の内部潜像型乳剤の感度を最適
に発現させることは出来ず、また後者の場合、処理中に
ハロゲン化銀の溶解が進みすぎたり、伝染現像によって
粒状を悪化させる。具体的には、現像液中にハロゲン化
銀溶剤として100mg以下のヨウ化カリウムもしくは100g/
l以下の亜硫酸ナトリウムか亜硫酸カリウムを含むこと
が好ましい。この他、現像液中のハロゲン化銀溶剤とし
てチオシアン酸カリウムなどを用いることができる。
これまで述べてきたような内部潜像型粒子において、表
面のヨウ化銀含有率を変化させたところ、潜像を形成す
る位置の近傍より粒子の外側において、内部よりもヨウ
化銀含有率を低くすることによって、特に、潜像保存性
の改良効果が著しいことが明らかとなった。従来、表面
潜像型において研究されてきたヨウ化銀含有率の粒子内
部分布が、内部潜像型においてもその感度、保存性の向
上に対し大きな効果が有ることは予想もされなかったこ
とであるが、乳剤粒子が化学増感された部位まで現像液
によって溶解される速度が粒子表面のヨウ化銀含有率に
よって制御されていると考えればこのような現象を説明
することができる。
粒子の平均ヨウ化銀含有率よりも低いヨウ化銀含有率で
ある部分は(1)粒子の最表面のみでも、(2)潜像を
主に形成する部位近傍より外側から表面に至る領域でも
良いし、また(3)潜像を形成する部位近傍より内側か
ら粒子表面に至る領域であっても良いが、(3)が潜像
保存性を良化する上でより好ましい結果が得られる。
本発明の乳剤は当業界においてよく知られた方法で色増
感を施すことができる。増感色素の量はマイナスブルー
感度の最高を得る量とすべきものであるが、この量は表
面潜像型乳剤において最高のマイナスブルー感度を得る
量と同程度のものであり、その量より甚だしく多量に色
素を添加することは粒子の現像を抑制するため好ましく
ない。
本発明の乳剤は色増感を施さない状態で使用することも
できる。この場合、文献Aに記載された色増感性の効果
は期待できないが、潜像保存性上の効果が見られる。
本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤には、ヨウ臭
化銀またはヨウ塩臭化銀のいずれのハロゲン化銀を用い
てもよい。好ましいハロゲン化銀は約30モル%以下のヨ
ウ化銀を含む、ヨウ臭化銀もしくはヨウ塩臭化銀であ
る。特に好ましいのは約0.5モル%から約15モル%まで
のヨウ化銀を含むヨウ臭化銀である。
また、本発明の粒子自体がエピタキシャル接合によって
組成の異なるハロゲン化銀と接合されていてもよく、ま
た例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化
合物と接合されてもよい。これらの乳剤粒子は、米国特
許第4,094,684号、同4,142,900号、同4,459,353号、英
国特許第2,038,792号、米国特許第4,349,622号、同4,39
5,478号、同4,433,501号,同4,463,087号,同3,656,962
号,同3,852,067号、特開昭59-162540号等に開示されて
いる。
ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のよう
な規則的な結晶体を有するいわゆるレギャラー粒子でも
よく、また平板状、球状などのような変則的な結晶形を
持つもの、双晶面などの結晶欠陥を持つものあるいはそ
れらの複合形でもよいが、レギャラー粒子が潜像分布を
コントロールする上で好ましい。また、特に晶癖が(11
1)である粒子、あるいは平板状粒子が好ましい。種々
の結晶形の混合物を用いてもよい。
アスペクト比が5以上であるような平板状粒子も本発明
に好ましく用いられる。
ハロゲン化銀の粒径は、約0.1ミクロン以下の微粒子で
も投影面積直径が約10ミクロンに至る迄の大サイズ粒子
でもよいが、0.6μ以下の粒子において本発明の効果が
より顕著に発現し好ましい。また狭い分布を有する単分
散乳剤でも、あるいは広い分布を有する単分散乳剤でも
よいが、単分散乳剤が粒状性を良化する上で好ましい。
単分散乳剤としては、その少なくとも95重量%が平均粒
子直径の±40%以内にあるような乳剤が代表的である。
平均粒子直径は0.05〜3ミクロンであり、少なくとも95
重量%または粒子数で少なくとも95%のハロゲン化銀粒
子を平均粒子直径±20%の範囲内としたような乳剤を本
発明で使用できる。このような乳剤の製造方法は米国特
許第3,574,628号、同第3,655,394号及び英国特許第1,41
3,748号に記載されている。また特開昭48-8600号、同51
-39027号、同51-83097号、同53-137133号、同54-48521
号、同54-99419号、同58-37635号、同58-49938号などに
記載されたような単分散乳剤も本発明で好ましく使用で
きる。
特に特願昭61-299155号に記載されている単分散六角平
板粒子は本発明に極めて好ましい。
本発明の乳剤は、同一乳剤層中で通常のいわゆる「表面
潜像型乳剤」と併用することができる。また本発明の乳
剤と、上記の通常の乳剤とを同一感色性又は異なる感色
性を有する乳剤層間で各々単独で用いることもできる。
本発明に使用する通常のハロゲン化銀写真乳剤は、公知
の方法で製造でき、例えばリサーチ・ディスクロージャ
ー、176巻、No.17643(1978年12月)、22〜23頁、“I.
乳剤製造(Eamulsion Preparation and Types)”およ
び同187巻、No.18716(1979年11月)、648頁に記載の方
法に従うことができる。
本発明に用いる写真乳剤は、グラフキデ著「写真の物理
と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafides,Chimie et
Physique Photographique Paul Montel.1967)、ダフ
ィン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス社刊(G.F.
Duffin,Photographic Emulion Chemistry(Focal Pres
s,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、
フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al.Making an
d Coating Photographic Emulsion.Focal Press,1964)
などに記載された方法を用いて調製することができる。
すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれで
もよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させ
る形式としては片側混合法、同時混合法、それらの組合
わせなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰
の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用
いることもできる。同時混合法の一つの形式としてハロ
ゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に保つ方法、す
なわちいわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用
いることもできる。この方法によると、結晶形が規則的
で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤が得られ
る。
また公知のハロゲン化銀溶剤(例えば、アンモニア、ロ
ダンカリまたは米国特許第3,271,157号、特開昭51-1236
0号、特開昭53-82408号、特開昭53-144319号、特開昭54
-100717号もしくは特開昭54-155828号等に記載のチオエ
ーテル類およびチオン化合物)の存在下で物理熟成を行
うこともできる。
本発明に用いられるレギュラー粒子からなるハロゲン化
銀乳剤は、粒子形成中のpAgとpHを制御することにより
得られる。詳しくは、例えばフォトグラフイク・サンエ
ンス・アンド・エンジニアリング(Photographic Scien
ce and Engineering)第6巻、159〜165頁(1962);ジ
ャーナル・オブ・フォトグラフイク・サイエンス(Jour
nal of Photographic Science)12巻、242〜251頁(196
4)、米国特許第3,655,394号および英国特許第1,413,74
8号に記載されている。
平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフイク・サイエン
ス・アンド・エンジニアリング(Gutoff,Photographic
Science and Engineering)第14巻、248〜257頁(1970
年);米国特許第4,434,226号、同4,414,310号、同4,43
3,048号、同4,439,520号および英国特許第2,112,157号
などに記載の方法により簡単に調製することができる。
平板状粒子を用いた場合、被覆力が上がること、増感色
素による色増感効率が上がることなどの利点があり、先
に引用した米国特許第4,434,226号に詳しく述べられて
いる。
本発明でいう単分散六角平板粒子の構造および製造法の
詳細は特願昭61-299155号の記載に従うが、簡単に述べ
ると、該乳剤は分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハ
ロゲン化銀乳剤であって、該ハロゲン化銀粒子の全投影
面積の70%以上が、最小の長さを有する辺の長さに対す
る最大の長さを有する辺の長さの比が2以下である六角
形であり、かつ、平行な2面を外表面として有する平板
状ハロゲン化銀によって占められており、さらに、該六
角平板状ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分布の変動係数
〔その投影面積の円換算直径で表わされる粒子サイズの
バラツキ(標準偏差)を、平均粒子サイズで割った値〕
が20%以下の単分散性をもつものであり、アスペクト比
は2.5以上で粒子サイズは0.2μm以上である。
粒子の組成としては、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀のいず
れであってもよいが、ヨウ素イオンを1〜30モル%、よ
り好ましくは1〜15モル%、さらに好ましくは4〜9モ
ル%含むヨウ臭化銀であることで本発明の効果が大きく
発現する。
種々の化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程で存在せしめ
ることによってハロゲン化銀粒子の性質をコントロール
できる。そのような化合物は反応器中に最初に存在せし
めてもよいし、また常法に従って1もしくは2以上の塩
を加えると共に添加することもできる。米国特許第2,44
8,060号、同2,628,167号、同3,737,313号、同3,772,031
号、並びにリサーチ・ディスクロージャー、134巻、197
5年6月、13452に記載されるように銅、イリジウム、
鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛(硫黄、セレン及びテ
ルルなどのカルコゲン化合物)、金および第VII属貴金
属の化合物のような化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程
で存在せしめることによってハロゲン化銀の特性をコン
トロールできる。特公昭58-1410号、モイザー(Moise
r)等、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・
サイエンス、第25巻、第19〜27頁(1977)に記載される
ように、単分散六角平板粒子は、沈殿生成過程において
内部還元増感することができる。
本発明で用いられる単分散六角平板粒子は、当業界にお
いて周知の技法によって鞘で包み、芯鞘乳剤とすること
ができる。この銀塩鞘の形成法については、米国特許第
3,367,776号、同第3,206,313号、同第3,317,322号、同
第3,917,485号、および同第4,164,878号の記載を参考に
することができる。
内部潜像型乳剤を調製する方法は米国特許第3,979,213
号、同3,966,476号、同3,206,313号、同3,917,485号、
特公昭43-29405号、特公昭45-13259号等に記載された方
法を利用することができるが、いずれの方法において
も、本特許請求範囲の潜像分布をもつ乳剤とするために
は、化学増感の方法や化学増感後に沈澱させるハロゲン
化銀の量、沈澱の条件を調製しなければならない。
具体的には米国特許第3,979,213号では表面が化学増感
された乳剤粒子上にコントロールダブルジェット法によ
って再びハロゲン化銀を沈澱させる方法によって内部潜
像型乳剤が調製されている。この特許中で実施されてい
る量のハロゲン化銀を粒子上に沈澱してしまうと、全感
度に対する表面感度の割合は10分の1よりも小さいもの
になってしまう。このため、本発明の潜像分布とするた
めには化学増感後に沈澱させるハロゲン化銀の量は米国
特許第3,979,213号で実施されているものよりも少なく
なければならない。
また米国特許第3,966,476号でもコントロールダブルジ
ェット法により化学増感後の乳剤粒子以上にハロゲン化
銀を沈澱させる方法が実施されている。しかしながら、
化学増感後ハロゲン化銀をこの特許で実施されているよ
うな方法によって沈澱させると感光核を粒子内部に埋め
こむことはできない。したがって、上記特許で実施され
た乳剤は、表面現像によっても元の表面を化学増感され
た乳剤よりも、少なくとも0.02logE以上感度が上昇する
ことになる。このため、本発明の潜像分布とするために
は、化学増感後に沈澱させるハロゲン化銀の量は米国特
許第3,966,476号で実施されているものよりも多くした
り沈澱条件(例えば沈澱中のハロゲン化銀の溶解度や可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を添加する速度)を制御す
ることが必要である。
本発明の平板粒子の製造時に、粒子成長を速める為に、
添加する銀塩溶液(例えばAgNO3水溶液)とハロゲン化
物溶液(例えばKBr水溶液)の添加速度、添加量、添加
濃度を上昇させる方法が好ましく用いられる。
これらの方法に関しては例えば英国特許第1,335,925
号、米国特許第3,672,900号、同第3,650,757号、同第4,
242,445号、特開昭55-142329号、同55-158124号等の記
載を参考にすることが出来る。
種々の化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程で存在せしめ
ることによってハロゲン化銀粒子の性質をコントロール
できる。そのような化合物は反応器中に最初に存在せし
めてもよいし、また常法に従って1もしくは2以上の塩
を加えると共に添加することもできる。米国特許第2,44
8,060号、同2,628,167号、同3,737,313号、同3,772,031
号、並びにリサーチ・ディスクロージャー、134巻、197
5年6月、13452に記載されるように銅、イリジウム、
鉛、ビスマス、カドミウム、亜鉛(硫黄、セレン及びテ
ルルなどのカルコゲン化合物)、金および第VII属貴金
属の化合物のような化合物をハロゲン化銀沈殿生成過程
で存在せしめることによってハロゲン化銀の特性をコン
トロールできる。特公昭58-1410号、モイザー(Moisa
r)ら著、ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サ
イエンス、25巻、1977、19〜27頁に記載されるようにハ
ロゲン化銀乳剤は沈殿生成過程において粒子の内部を還
元増感することができる。
化学的増感は、ジェームス(T.H.James)著、ザ・セオ
リー・オブ・フォトグラフィック・プロセス、第4版、
マクミラン社刊、1977年、(T.H.James,The Theory of
the Photographic Process,4th ed.Macmillan.1977)67
〜76頁に記載されるように活性ゼラチンを用いて行うこ
とができるし、またリサーチ・ディスクロージャー120
巻、1974年4月、12008;リサーチ・ディスクロージャ
ー、34巻、1975年6月、13452、米国特許第2,642,361
号、同3,297,446号、同3,772,031号、同3,857,711号、
同3,901,714号、同4,266,018号、および同3,904,415
号、並びに英国特許第1,315,755号に記載されるようにp
Ag5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃において硫黄、セ
レン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムまた
はこれら増感剤の複数の組合せを用いて行うことができ
る。化学増感は最適には、金化合物とチオシアネート化
合物の存在下に、また米国特許第3,857,711号、同4,26
6,018号および同4,054,457号に記載される硫黄含有化合
物もしくはハイポ、オチ尿素系化合物、ロダニン系化合
物などの硫黄含有化合物の存在下に行う。化学増感助剤
の存在下に化学増感することもできる。用いられる化学
増感助剤には、アザインデン、アザピリダジン、アザピ
リミジンのごとき、化学増感の過程でカブリを抑制し且
つ感度を増大するものとして知られた化合物が用いられ
る。化学増感助剤改質剤の例は、米国特許第2,131,038
号、同3,411,914号、同3,554,757号、特開昭58-126526
号および前述ダフイン著「写真乳剤化学」、138〜143頁
に記載されている。化学増感に加えて、または代替し
て、米国特許第3,891,446号および同3,984,249号に記載
されるように、例えば水素を用いて還元増感することが
できるし、米国特許第2,518,698号、同2,743,182号およ
び同2,743,183号に記載されるように塩化第一錫、二酸
化チオウレア、ポリアミンのような還元剤を用いて、ま
たは低pAg(例えば5未満)および/または高pH(例え
ば8より大)処理によって還元増感することができる。
また米国特許第3,917,485号および同3,966,476号に記載
される化学増感法で色増感性を向上することもできる。
また特願昭59-122981号や同59-122984号に記載されてい
る酸化剤を用いた増感法も適用することができる。
物理熟成前後の乳剤から可溶性銀塩を除去するために
は、ヌーデル水洗、フロキュレーション沈降法または限
外漏過法などに従う。
本発明で使用する乳剤の化学熟成および分光増感で使用
される添加剤は前述のリサーチ・ディスクロージャーN
o.17643(1978年12月)および同No.18716(1979年11
月)に記載されており、その該当個所を後掲の表にまと
めた。
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記の2つの
リサーチ・ディスクロージャーに記載されており、後掲
の表に記載個所を示した。
ここで分光増感色素、かぶり防止剤および安定剤は写真
乳剤製造工程のいかなる工程に存在させて用いることも
できるし、製造後塗布直前までのいかなる段階に存在さ
せることもできる。前者の例としては、ハロゲン化銀粒
子形成工程、物理熟成工程、化学熟成工程などである。
即ち、分光増感色素、かぶり防止剤および安定剤は、本
来の機能以外に、乳剤に対する強い吸着性などその他の
性質を利用して、化学増感核の形成位置の限定に用いた
り、異なるハロゲン組成の接合構造粒子を得る時に過度
のハロゲン変換を停止させ、異種ハロゲンの接合構造を
保持させる目的などにも使われる。これらについては特
開昭55-26589号、特開昭58-111935号、特開昭58-28738
号、特開昭62-7040号、米国特許第3,628,960号、同第4,
225,666号の記載を参考にすることができる。
添加すべき分光増感色素、かぶり防止剤および安定剤の
一部もしくは全量を化学増感剤を添加する前に加え、次
に化学増感剤を添加して化学熟成を行なった場合、化学
増感核がハロゲン化銀粒子上に形成される位置は、増感
色素、かぶり防止剤および安定剤の吸着していない場所
に限定される為に、潜像分散が防止され、写真特性が向
上する為特に好ましい。特にハロゲン化銀粒子の(11
1)面に選択的に吸着する増感色素、かぶり防止剤およ
び安定剤を添加した場合は、化学増感核は六角平板粒子
のエッジ部にのみ限定して形成される為に特に好まし
い。
一般には、上記添加剤が、平板状粒子の主要表面を形成
する結晶表面に優先的に吸着されることによって、化学
増感核が平板状粒子の互いに異なる結晶表面で生ずるの
である。
また化学増感をハロゲン化銀溶剤の存在下で行うことも
有効である。用いられるハロゲン化銀溶剤の種類はチオ
シアネートおよび特願昭61-299155号記載の溶剤を用い
ることができる。用いる溶剤の濃度は10-5〜10-1mol/l
が好ましい。
上述の技法のいずれか一方、または両者と組合わせて、
またはこれらとは独立して第3の技法として、化学増感
の直前または化学増感の間に、粒子表面に沈でんを生成
し得るチオシアン酸銀、リン酸銀、炭酸銀等のような銀
塩、並びに酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀および硝酸銀の
ような可溶性銀塩、並びに平板粒子表面上にオストワル
ド熟成しえる微細なハロゲン化銀(即ち、臭化銀、ヨウ
化銀および/または塩化銀)粒子を導入することができ
る。例えばリップマン乳剤を化学増感の過程で導入する
ことができる。
また、本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、アンテナ色
素で分光増感される系であってもよい。アンテナ色素に
よる分光増感については、特願昭61-51396号、同61-284
271号、同61-284272号の記載を参考にすることができ
る。
ハロゲン化銀乳剤の製造工程で使用される添加剤はリサ
ーチ・ディスクロージャーNo.17643および同No.18716に
記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。
本発明には種々のカラーカプラーを使用することがで
き、その具体例は前出のリサーチ・ディスクロジャー
(RD)No.17643、VII−C〜Gに記載された特許に記載
されている。
イエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,933,50
1号、同第4,022,620号、同第4,326,024号、同第4,401,7
52号、特公昭58-10739号、英国特許第1,425,020号、同
第1,476,760号、等に記載のものが好ましい。
マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン系及びピラゾ
ロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許第4,310,61
9号、同第4,351,897号、欧州特許第73,636号、米国特許
第3,061,432号、同第3,725,067号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo.24220(1984号6月)、特開昭60-33552
号、リサーチ・ディスクロージャーNo.24230(1984年6
月)、特開昭60-43659号、米国特許第4,500,630号、同
第4,540,654号等に記載のものが特に好ましい。
シアンカプラーとしては、フェノール系及びナフトール
系カプラーが挙げられ、米国特許第4,052,212号、同第
4,146,396号、同第4,228,233号、同第4,296,200号、第
2,369,929号、第2,801,171号、同第2,772,162号、同第
2,895,826号、同第3,772,002号、同第3,758,308号、同
第4,334,011号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,32
9,729号、欧州特許第121,365A号、米国特許第3,446,622
号、同第4,333,999号、同第4,451,559号、同第4,427,76
7号、欧州特許第161,626A号等に記載のものが好まし
い。
発色色素の不要吸収を補正するためのカプード・カプラ
ーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643のVII−
G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57-39413号、米
国特許第4,004,929号、同第4,138,258号、英国特許第1,
146,368号に記載のものが好ましい。
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国特
許第3,451,820号、同第4,080,211号、同第4,367,282
号、英国特許第2,102,173号等に記載されている。
カップリングに伴って写真的に有用な残基を放出するカ
プラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制剤
を放出するDIRカプラーは、前述のRD17643、VII〜F項
に記載された特許、特開昭57-151944号、同57-154234
号、同60-184248号、米国特許第4,248,962号に記載され
たものが好ましい。
現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進剤を放出する
カプラーとしては、英国特許第2,097,140号、同第2,13
1,188号、特開昭59-157638号、同59-170840号に記載の
ものが好ましい。
その他、本発明の感光材料に用いることのできるカプラ
ーとしては、米国特許第4,130,427号等に記載の競争カ
プラー、米国特許第4,283,472号、同第4,338,393号、同
第4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60-18
5950等に記載のDIRレドックス化合物放出カプラー、欧
州特許第173,302A号に記載の離脱後復色する色素を放出
するカプラー等が挙げられる。
本発明に使用するカプラーは、種々の公知分散方法によ
り感光材料に導入できる。
本発明に係る感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層の他に、
保護層、中間層、フィルター層、ハレーション防止剤、
バック層、白色反射層などの補助層を適宜設けることが
好ましい。
本発明の写真感光材料において写真乳剤層その他の層は
リサーチ・ディスクロージャー誌No.17643V VII項(197
8年12月発行)p28に記載のものやヨーロッパ特許0,102,
253号や特開昭61-97655号に記載の支持体に塗布され
る。またリサーチ・ディスクロージャー誌No.17643XV項
p28〜29に記載の塗布方法を利用することができる。
本発明は支持体上に異なる分光感度を有する少なくとも
2つの層を有する多層多色写真材料にも適用できる。多
層天然色写真材料は、通常支持体上に赤感性乳剤層、緑
感性乳剤層、および青感性乳剤層を各々少なくとも一つ
有する。これらの層の順序は必要に応じて任意にえらべ
る。好ましい層配列の順序は支持体側から赤感性、緑感
性、青感性または支持体側から緑感性、赤感性、青感性
である。また前記の各乳剤層は感度の異なる2つ以上の
乳剤層からできていてもよく、また同一感色性をもつ2
つ以上の乳剤層の間に非感光性層が存在していてもよ
い。赤感性乳剤層にシアン形成カプラーを、緑感性乳剤
層にマゼンタ形成カプラーを、青感性乳剤層にイエロー
形成カプラーをそれぞれ含むのが通常であるが、場合に
より異なる組合わせをとることもできる。
本発明は種々のカラー感光材料に適用することができ
る。
例えば、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィ
ルム、カラー反転ペーパー、インスタントカラーフィル
ムなどを代表例として挙げることができる。またフルカ
ラー複写機やCRTの画像を保存するためのカラーハード
コピーなどにも適用することができる。本発明はまた、
「リサーチ・ディスクロージャー」誌No.17123(1978年
7月発行)などに記載の三色カプラー混合を利用した白
黒感光材料にも適用できる。
本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、好
ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分と
するアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬として
は、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−フ
ェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その代
表例としては3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−アミ
ノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル
アニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−
β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸
塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などが挙げられ
る。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用すること
もできる。
また反転処理を実施する場合は通常黒白現像を行ってか
ら発色現像する。この黒白現像液には、ハイドロキノン
などのジヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−3−ピ
ラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類またはN−メチル
−p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類など
公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用い
ることができる。
これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜12である
ことが一般的である。
発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白処
理は定着処理と同時に行なわれてもよいし(漂白定着処
理)、個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を図
るため、漂白処理後漂白定着処理する処理方法でもよ
い。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、脱銀処理
後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的である。
本発明の感光材料の処理における水洗水のpHは、4−9
であり、好ましくは5−8である。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略化
及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。内
蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを用
いるのが好ましい。
本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使用さ
れる。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、より
高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆によ
り低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達成
することができる。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
〈実施例1〉 表1に示すような41種類のヨウ臭化銀乳剤を調製した。
これらの乳剤の調製法を以下に述べる。
70℃に保たれたゼラチン水溶液中にpBrを3.3に保ちなが
ら硝酸銀水溶液とKBr,KIを含む水溶液をダブルジェット
で添加し、立方体乳剤を調製した。次にこのコア乳剤を
分割し、次のような別々の条件でシェルを形成し、最終
粒子のサイズを0.3μm、AgI含量を5モル%とした。
(乳剤5) 上記コアにチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸カリウムとを
加え、化学増感を行なった。その後コア形成と同様の条
件でシェルを沈澱させた。
(乳剤1,2,3,4および6) シェル形成時に添加するハロゲン化カリウムのうち、KI
を1,2,3,4および6モル%用いた以外は乳剤5の場合と
同様にして乳剤を調製し、それぞれ乳剤1,2,3,4および
6とした。
(乳剤7および8) 化学増感をシェルを沈澱させた後にのみ行なった以外は
乳剤3および5の場合と同様にして乳剤を調製し、それ
ぞれ乳剤7および8とした。
(乳剤9および10) pBrの値を2.8に下げてハロゲン化銀の溶解度を下げた条
件下でシェルを沈澱させた以外は乳剤3および5の場合
と同様にして乳剤を調製し、それぞれ乳剤9および10と
した。
(乳剤11〜17) コア粒子形成時に添加するハロゲン化カリウムのうち、
KIを3モル%用いた以外は乳剤2,3,4,7および9の場合
と同様にして乳剤を調製し、それぞれ乳剤11,12,13,15
および17とした。また、シェルを沈澱させる際に、KIを
2モル%用いた以外は乳剤15および17の場合と同様にし
て乳剤14および16を調製した。
(乳剤18〜27) コア粒子形成時のpBrを4.5とした以外は乳剤1〜10の場
合と同様にして、乳剤18〜27を調製した。
(乳剤28〜37) コア粒子のサイズを変えて大きくした以外は乳剤1〜10
の場合と同様にして、乳剤28〜37を調製した。
(乳剤38〜41) コア粒子として平板状の粒子を用いた以外は乳剤12およ
び17の場合と同様にして乳剤39および4(アスペクト比
5.0)を調製し、さらにシェル形成時にKIを1モル%用
いることによって乳剤38および40を調製した。
以上の乳剤1〜41に増感色素S−1を1〜27については
0.4mmol/mol Ag.28〜41については0.2mmol/mol Ag.添加
し、1平方センチメートル当り2μgの銀量で塗布しそ
れぞれ試料101−141とした。
上記フィルムをブルーフィルター(BPN-42)を通じて10
秒、1/100秒、1/100000秒間、あるいはマイナスブルー
フィルター(SC-39)を通じて1/100秒間露光し下記の処
理液を用いて現像処理を行った。
かくして得られたセンシトメトリーの結果を表1に示
す。ここで感度はカブリ+0.1の濃度を与える露光量の
逆数の相対値で示した。
この結果、本発明の潜像分布及びヨウ化銀分布を有する
乳剤を含む感材は感度、潜像保存性が他の乳剤より優れ
ていることがわかる。
例えば乳剤7は、潜像分布の極大値が存在する深さや粒
子内ヨウ化銀分布において本発明の乳剤と近似している
が表面における潜像数が少なく本発明の乳剤より低い感
度しか得られていない。また乳剤6は、潜像分布の極大
値と表面における潜像数との関係および潜像分布の極大
値が存在する深さにおいて本発明の乳剤と近似している
が、粒子内ヨウ化銀分布において本発明の乳剤とは異な
っており、より低い感度しか得られない。
処理液 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.5g ヒドロキノン 10g エチレンジアミン四酢酸・二−ナトリウム 2g 亜硫酸カリウム 60g ホウ酸 4g 炭酸カリウム 20g 臭化ナトリウム 5g ジエチレングリコール 20g 水酸化ナトリウムでpH10.0に調整 水を加えて 1 〈実施例2〉 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に、
下記のような組成の各層よりなる多層カラー感光材料を
作成した。
第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.25g/m2 紫外線吸収剤 U−1 0.1g/m2 紫外線吸収剤 U−2 0.1g/m2 高沸点有機溶媒 Oil 1 0.1g/m2 ゼラチン 1.9g/m2 第2層:中間層−1 Cpd D 10mg/m2 高沸点有機溶媒 Oil 3 40mg/m2 ゼラチン 0.4g/m2 第3層:中間層−2 表面をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06
μ.AgI含量1モル%) 銀量 0.05g/m2 ゼラチン 0.4g/m2 第4層:第1赤感乳剤層 増感色素S−1およびS−2で分光増感された沃臭化銀
乳剤(平均粒径0.2μでAgI含量5モル%)銀量 0.4g
/m2 カプラー C−1 0.2g/m2 C−2 0.05g/m2 高沸点有機溶媒 Oil−1 0.1cc/m2 ゼラチン 0.8g/m2 第5層:第2赤感乳剤層 増感色素S−1およびS−2で分光増感された沃臭化銀
乳剤(表2に記載) 銀量 0.4g/m2 カプラー C−1 0.2g/m2 C−3 0.2g/m2 C−2 0.05g/m2 高沸点有機溶媒 Oil−1 0.1cc/m2 ゼラチン 0.8g/m2 第6層:第3赤感乳剤層 増感色素S−1およびS−2で分光増感された沃臭化銀
乳剤(平均粒径0.7μ、AgI含量2モル%の球状単分散乳
剤) 銀量 0.4g/m2 カプラー C−3 0.7g/m2 ゼラチン 1.1g/m2 第7層:中間層−3 染料 D−1 0.02g/m2 ゼラチン 0.6g/m2 第8層:中間層−4 表面をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤平均粒径0.06μAg
I含量1モル% 銀量 0.05g/m2 化合物 Cpd.A 0.2g/m2 ゼラチン 1.0g/m2 第9層:第1緑感乳剤層 増感色素S−3およびS−4で分光増感された沃臭化銀
乳剤(平均粒径0.2μ、AgI含量5モル%) 銀量
0.5g/m2 カプラー C−4 0.3g/m2 化合物 Cpd.B 0.03g/m2 ゼラチン 0.5g/m2 第10層:第2緑感乳剤層 増感色素S−3およびS−4を含有する沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.4μ、AgI含量3モル%の単分散立方体)銀
量 0.4g/m2 カプラー C−4 0.3g/m2 化合物 Cpd.B 0.03g/m2 ゼラチン 0.6g/m2 第11層:第3緑感乳剤層 増感色素S−3およびS−4を含有する沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.7μ、アスペクト比3のAgI含量2モル%の
平板状乳剤) 銀量 0.5g/m2 カプラー C−4 0.8g/m2 化合物 Cpd.B 0.08g/m2 ゼラチン 1.0g/m2 第12層:中間層−5 染料 D−2 0.05g/m2 ゼラチン 0.6g/m2 第13層:黄色フィルター層 黄色コロイド銀 0.1g/m2 化合物 Cpd.A 0.01g/m2 ゼラチン 1.1g/m2 第14層:ゼラチン 0.4g/m2 第15層:第1青感乳剤層 増感色素S−5およびS−6を含有する沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.5μ、AgI含量3モル%の単分散立方体乳
剤) 銀量 0.6g/m2 カプラー C−5 0.6g/m2 ゼラチン 0.8g/m2 第16層:第2青感乳剤層 増感色素S−5およびS−6を含有する沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.6μ、アスペクト比7、AgI含量2モル%の
平板状乳剤) 銀量 0.4g/m2 カプラー C−5 0.3g/m2 C−6 0.3g/m2 ゼラチン 0.9g/m2 第17層:第3青感乳剤層 増感色素S−5およびS−6を含有する沃臭化銀乳剤
(平均粒径1.0μ、アスペクト比7のAgI含量2モル%の
平板状乳剤) 銀量 0.4g/m2 カプラー C−6 0.7g/m2 ゼラチン 1.2g/m2 第18層:第1保護層 紫外線吸収剤 U−1 0.04g/m2 〃 U−3 0.03g/m2 〃 U−4 0.03g/m2 〃 U−5 0.05g/m2 〃 U−6 0.05g/m2 化合物 Cpd.C 0.8g/m2 D−3 0.05g/m2 ゼラチン 0.7g/m2 第19層:第2保護層 表面をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μ
AgI 含量1モル%) 銀量 0.1g/m2 ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒径1.5μ)0.1g/
m2 メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体
(平均粒径1.5μ)0.1g/m2 Cpd.E 0.03g/m2 フッ素含有活面活性剤W−1 3mg/m2 ゼラチン 2.1g/m2 各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1および
界面活性剤を添加した。
上記試料の第5層に実施例1の乳剤2,5,7,9を用い試料2
01〜204を作製し(表2参照)各々白色ウェッジ露光し
下記現像処理を行った。その結果を表2に示す。
処理工程 工 程 時 間 温 度 第一現像 6 分 38℃ 水 洗 2 分 〃 反 転 2 分 〃 発色現像 6 分 38℃ 調 整 2 分 〃 漂 白 6 分 〃 定 着 4 分 〃 水 洗 4 分 〃 安 定 1 分 常 温 乾 燥 処理液の組成は以下のものを用いる。
第一現像液 水 700 ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・五ナトリ
ウム塩 2g 亜硫酸ナトリウム 20g ハイドロキノン・モノスルフォネート 30g 炭酸ナトリウム(一水塩) 30g 1−フェニル−4メチル−4−ヒドロキシメチル−3ピ
ラゾリドン 2g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム(0.1%溶液) 2ml 水を加えて 1000ml 反転液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・五ナトリ
ウム塩 3g 塩化第1スズ(二水塩) 1g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8g 氷酢酸 15ml 水を加えて 1000ml 発色現像液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・五ナトリ
ウム塩 3g 亜硫酸ナトリウム 7g 第3リン酸ナトリウム(12水塩) 36g 臭化カリウム 1g 沃化カリウム(0.1g%溶液) 90ml 水酸化ナトリウム 3g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N−(β−メタンスルフォンアミドエチ
ル)−3−メチル−4−アミノアニリン・硫酸塩 11g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1g 水を加えて 1000ml 調整液 水 700ml 亜硫酸ナトリウム 12g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(二水塩) 8g チオグリセリン 0.4ml 氷酢酸 3ml 水を加えて 1000ml 漂白液 水 800ml エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(二水塩) 2g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム(二水
塩) 120g 臭化カリウム 100g 水を加えて 1000ml 定着液 水 800ml チオ硫酸ナトリウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000ml 安定液 水 800ml ホルマリン(37重量%) 5.0ml 富士ドライウェル(富士フィルム(株)製界面活性剤)
5.0ml 水を加えて 1000ml カラー反転感度は、最低濃度から濃度0.2大なる相対露
光量をもとに比較した。
以上のように本発明の潜像分布と粒子内ヨウ化銀分布を
有する乳剤は優れた反転感度を示すことがわかる。
Oi1 フタル酸ジブチル Oil2 リン酸トリクレジル Cpd E C15H31COOC16H33

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該
    乳剤層の少なくとも1層に含まれるハロゲン化銀乳剤
    が、粒子内部に少なくとも1の潜像分布極大値を有し、
    該極大値の存在位置が表面から0.01μm未満にあり、か
    つ粒子表面の潜像数が上記極大値の1/5以上、1倍未満
    となるように化学増感されており、さらに該表面領域の
    ヨウ化銀含有率が全粒子平均含有率の90%以下であるこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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