JP2634059B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2634059B2 JP63085420A JP8542088A JP2634059B2 JP 2634059 B2 JP2634059 B2 JP 2634059B2 JP 63085420 A JP63085420 A JP 63085420A JP 8542088 A JP8542088 A JP 8542088A JP 2634059 B2 JP2634059 B2 JP 2634059B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、潜像保存性の改良されたハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料に関する。
(従来の技術) 通常、青感性、緑感性および赤感性のハロゲン化銀乳
剤層を有する多層カラー写真材料ではハロゲン化銀粒子
による光散乱が、下層に位置する乳剤層の鮮鋭度を低下
させる傾向が知られている。
米国特許第4,434,266号、および第4,439,520号には、
平板状のハロゲン化銀乳剤粒子を用いることによって鮮
鋭度、感度および粒状性を向上させたカラー写真感光材
料が記載されている。
米国特許第4,433,048号では粒子内のAgI分布が中心か
ら外に向かって増大する平板状粒子がすぐれた感度/サ
イズ比を示すことが開示されている。
特開昭59−99433には、粒子内に一定の高AgI相を有す
る平板状粒子が耐圧力性にすぐれていることが開示され
ている。
特開昭63−220238号には、粒子内に意図的にディスロ
ケーションを導入した平板状粒子が保存性、相反則性等
においてすぐれていることが開示されている。
このように様々な平板状粒子とその特長がこれまで開
示されている。
一方これらの平板状乳剤は、露光によって生成した潜
像が時間と共に変化しやすく、例えば、特開昭60−1773
38号には0.7Vより低い酸化電位値を持つシアニン色素で
分光増感された平板状乳剤を含有する層の平衡pH値が6.
0以下であることが好ましいことが開示されている。
しかしながら、実用的には、0.7Vより高い酸化電位値
を持つ増感色素による分光増感を必要とする場合、ある
いは分光増感が不要の場合もおこりうる。例えば青感光
性層には、通常酸化電位が0.7Vより高い代表的には以下
の色素が用いられたり、分光増感されないこともある。
このような場合には、平板状乳剤の潜像保存性は、む
しろ退行することが問題となる。本研究者らは、その改
良に鋭意努力してきた。
潜像退行を防止するための添加剤としては、イオウ、
酸素あるいは窒素含有化合物が広く検討されておりGB−
1,308,777、1,335,923、1,353,527、1,378,354、1,386,
630、1,387,654、1,389,089、1,391,672、1,390,237、
1,394,371、1,412,294、1,458,197、US−3881939、特開
昭47−37922、49−17720、57−22234、57−158840、58
−90634、58−152235、US−4397942等に開示されてい
る。またアルケニル基を有することを特徴とする化合物
が、特開昭50−94918、57−158840に開示されている。
さらに、スルフィン酸誘導体としていくつかの化合物
が、特開昭57−104927、62−21145に開示されている。
その他各種化合物が例えばRD(リサーチディスクロージ
ャー)No.17643に開示されている。
本発明者らは、上記の知見に基づき種々検討を行なっ
てきたが、いずれも、保存中のかぶり上昇、処理時の写
真性の変動が増大するなど実用化するには不充分な結果
であった。
(発明の解決すべき課題) 本発明の目的は、平均アスペクト比が5以上の平板状
ハロゲン化銀粒子を用いかつ潜像退行の小さい写真感光
材料を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明の前記目的は、 支持体上に各々少なくとも一層の赤感性ハロゲン化銀
乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、および青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層を有する感光材料であって、該乳剤層の
少なくとも一層に含まれるハロゲン化銀粒子の全投影面
積の少なくとも50%が平均アスペクト比5以上で、粒子
形成途中でヨードイオンを含む溶液を単独で添加して形
成した、平板状ハロゲン化銀粒子によって占有され、か
つ前記感光材料の膜面pHが6.0以上7.0未満であることを
特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料によって達
成された。なお、該粒子は、飽和カロメル電極に対し0.
7eVより高い酸化電位値を持つ色素で分光増感されてい
るか、又は、分光像感されていないことが好ましい。
本発明において平板状粒子のアスペクト比とはその粒
子の直径/厚みの比を指し、ハロゲン化銀粒子の直径と
は粒子の投影面積に等しい面積の円の直径を指し、厚み
とは平板状ハロゲン化銀粒子を形成する2つの平行な面
の距離を指す。
該感光材料を形成する層のうち平板状ハロゲン化銀粒
子を含有する層の厚さは0.1〜6.0μであり、好ましくは
0.2〜3.0μ、さらに好ましくは0.5〜2.0μである。
又、平板状ハロゲン化銀粒子による塗布銀量は0.1〜1
2g/m2、特に0.3〜8g/m2であることが好ましい。
本発明において平板状ハロゲン化銀粒子の直径は10.0
μ以下であり、好ましくは0.5〜5.0μである。また厚み
は0.5μ以下、好ましくは0.4μ以下0.05μ以上、より好
ましくは0.3μ以下0.05μ以上である。
本発明において用いる乳剤に占める平板状ハロゲン化
銀粒子のアスペクト比は5以上であり、実用的要請に応
じて5〜8あるいは8以上でも良い。アスペクト比が5
未満では粒状性が悪く、またシャープネスが十分に改良
されないため、満足の得られる画質が得られない。
また本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒子は、
粒子内に均一に沃化銀を含有しても良く、US−4,433,04
8に開示されたように粒子の直径方向に外側に向って沃
化銀が増大しても良く、粒子の直径方向に沃化銀の含有
量の高い部分を有しても良く、さらに一粒子当り一定本
数以上の転位を含んでも良い。
本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒子が含まれ
る乳剤層における平板状ハロゲン化銀粒子の占める割合
に関しては、全投影面積に対して、50%以上であること
が好ましく、70%以上であることがより好ましく、特に
90%以上であることが最も好ましい。
この平板状ハロゲン化銀粒子は特公昭47−11,386号等
に記載されている様に、ハロゲン化銀粒子の粒径および
/あるいは厚みの分散性状態を単分散して使用すること
も可能である。
ここで平板状ハロゲン化銀粒子が単分散であるという
ことは95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、好
ましくは±40%以内のサイズに入る分散系であることを
指す。ここで数平均粒子サイズとはハロゲン化銀粒子の
投影面積径の数平均直径である。
平板状粒子のハロゲン組成としては、臭化銀、沃臭化
銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩化銀、沃塩化銀が好まし
い。高感度感光材料に用いるものには、沃臭化銀、臭化
銀、塩臭沃化銀またはこれらの混合物が特に好ましい。
沃臭化銀の場合、沃化銀含有量は、通常40モル%以下で
あり、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル
%以下である。
平板状粒子は、均一なハロゲン組成からなるものであ
っても異なるハロゲン組成を有する2以上の相からなる
ものであってもよい。
例えば、沃臭化銀を用いる場合、この沃臭化銀平板状
粒子はそれぞれ沃化物含有量の異なる複数の相からなる
層状構造を有するものを用いることもできる。特開昭58
−113,927号、特開昭58−113,928号、特開昭59−433
号、特開昭59−119,344号、特開昭59−119,350号等にお
いて、平板状ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成およびハ
ロゲンの粒子内分布の好ましい例が記載されている。
平板状粒子は、(111)面、(100)面、あるいは(11
1)面と(100)面の混合した面から形成されるものを選
択することができる。
潜像の形成サイドに関しては、潜像が主として粒子表
面に形成されるような粒子でもよく、又潜像が主として
粒子内部に形成されるような粒子でもよい。さらに潜像
が粒子表面と粒子内部に形成されるような粒子でも良
い。
次に平板状ハロゲン化銀粒子の製法について述べる。
平板状ハロゲン化銀粒子の製造としては、当業界で知
られた方法を適宜、組合せることにより成し得る。
たとえばpBr 1.3以下の比較的低pBr値の雰囲気中で平
均状粒子が重量で40%以上存在する種晶を形成し、同程
度のpBr値に保ちつつ銀及びハロゲン溶液を同時に添加
しつつ種晶を成長させ、粒子形成の途中でヨードイオン
を含む溶液を単独で添加することにより得られる。ヨー
ドイオンを含む溶液は例えばヨー化カリウムの水溶液を
用いる。ヨードイオンを単独で添加する時期は粒子形成
の途中であり、添加するすべての銀量の20%以上80%以
下の銀量を添加した後である。ヨードイオンを単独で添
加する時期は添加するすべての銀量の30%以上60%以下
の銀量を添加した後が望ましい。
この粒子成長過程に於て、新たな結晶核が発生しない
ように銀及びハロゲン溶液を添加することが望ましい。
平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは、温度調節、溶剤
の種類や量の選択、粒子成長時に用いる銀塩、及びハロ
ゲン化物の添加速度等をコントロールすることにより調
整できる。
本発明の平板状ハロゲン化銀粒子の製造時に、必要に
応じてハロゲン化銀溶剤を用いることにより、粒子サイ
ズ、粒子の形状(直径/厚み比など)、粒子のサイズ分
布、粒子の成長速度をコントロールできる。
例えば溶剤の使用量の増加とともに粒子サイズ分布を
単分散化し、成長速度を速めることが出来る。一方、溶
剤の使用量とともに粒子の厚みが増加する傾向もある。
しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤としては、アン
モニア、チオエーテル、チオ尿素類を挙げることが出来
る。
これらのハロゲン化銀溶剤は、本発明の平板状ハロゲ
ン化銀粒子の製造時に、粒子成長を速める為に添加す
る。銀塩溶液(例えばAgNO3水溶液)とハロゲン化物溶
液(例えばKBr水溶液)の添加速度、添加量、添加濃度
を上昇させる方法が好ましく用いられる。
本発明に用いられる平板状ハロゲン化銀粒子及びそれ
らを含むハロゲン化銀乳剤について、より具体的には、
製法も含めて例えば米国特許第4,434,226号、同第4,43
9,520号、同第4,414,310号、同第4,425,425号、同第4,3
99,215号、同第4,435,501号、同第4,386,156号、同第4,
400,463号、同第4,414,306号、同第4,425,426号、欧州
特許第84,637 A 2、特開昭59−99433号、リサーチディ
スクロージャーNo.22534(1983年1月)などに記載され
ている。
本発明の平板状ハロゲン化銀乳剤層以外の写真乳剤層
には、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩化
銀、および塩沃化銀のいずれのハロゲン化銀を用いても
よく、高感度感光材料には沃臭化銀が好ましい。沃臭化
銀の場合、沃化銀含量は通常40モル%以下であり、好ま
しくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下であ
る。
上記のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面
体のような規則的な結晶体を有するいわゆるレギュラー
粒子でもよく、また球状などのような変則的な結晶形を
持つもの、双晶面などの結晶欠陥を持つものあるいはそ
れらの複合形でもよい。また種々の結晶形の粒子の混合
物を用いてもよい。
上記のハロゲン化銀の粒径は、約0.1ミクロン以下の
微粒子でも投影面積直径が約10ミクロンに至る迄の大サ
イズ粒子でもよく、狭い分布を有する単分散乳剤でも、
あるいは広い分布を有する多分散乳剤でもよい。
また、上記の乳剤層にはアスペクト比が5以上である
ような平板状粒子を併用してもよい。
上記の乳剤粒子の結晶構造は一様なものでも、内部と
外部とが異質なハロゲン組成からなる物でもよく、層状
構造をなしていてもよい。これらの乳剤粒子は、英国特
許第1,027,146号、米国特許第3,505,068号、同4,444,87
7号および特開昭60−143331号)等に開示されている。
また、エピタキシャル接合によって組成の異なるハロゲ
ン化銀が接合されていてもよく、また例えばロダン銀、
酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接合されてい
てもよい。これらの乳剤粒子は、米国特許第4,094,684
号、同4,142,900号、同4,459,353号、英国特許第2,038,
792号、米国特許第4,349,622号、同4,395,478号、同4,4
33,501号、同4,463,087号、同3,656,962号、同3,852,06
7号、特開昭59−162540号等に開示されている。
上記の乳剤は潜像を主として表面に形成する表面潜像
型でも、粒子内部に形成する内部線像型でも表面と内部
のいずれにも線像を有する型のいずれでもよい。
本発明に併用できるハロゲン化銀写真乳剤は、公知の
方法を適宜用いて製造でき、例えばリサーチ・ディスク
ロージャー、176巻、No.17643(1978年12月)、22〜23
頁、“I.乳剤製造(Emulsion Preparation and type
s)”および同、187巻、No.18716(1979年11月)、648
頁に記載の方法に従うことができる。
本発明に併用できる写真乳剤は、グラフキデ著「写真
の物理と化学」、ポールモンテル社刊(P.Glafkides,Ch
imie et Physique Photographique Paul Montel,196
7)、ダフィン著「写真乳剤化学」フォーカルプレス社
刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemistry(Fo
cal Press,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と
塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al,M
aking and coating Photographic Emulsion,Focal Pres
s,1964)などに記載された方法を適宜用いて調製するこ
とができる。すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法
等のいずれでもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン
塩を反応させる形式としては片側混合法、同時混合法、
それらの組合わせなどのいずれを用いてもよい。粒子を
銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆
混合法)を用いることもできる。同時混合法の一つの形
式としてハロゲン化銀の生成する液相中のpAgを一定に
保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド・ダブルジ
ェット法を用いることもできる。この方法によると、結
晶が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン化銀乳剤
が得られる。
本発明に併用できる写真乳剤の調製には必要に応じて
各種のハロゲン化銀溶剤(例えば、アンモニア、ロダン
カリまたは米国特許第3,271,157号、特開昭51−12360
号、特開昭53−82408号、特開昭53−144319号、特開昭5
4−100717号もしくは特開昭54−155828号等に記載のチ
オエーテル類およびチオン化合物)を用いることもでき
る。
本発明に併用できるレギュラー粒子からなるハロゲン
化銀乳剤は、粒子形成中のpAgとpHを制御することによ
り得られる。詳しくは、例えばフォトグラフィク・サイ
エンス・アンド・エンジニアリング(Photographic Sci
ence and Engineering)第6巻、159〜165頁(1962);
ジャーナル・オブ・フォトグラフィク・サイエンス(Jo
urnal of Photographic Science),12巻、242〜251頁
(1964)、米国特許第3,655,394号および英国特許第1,4
13,748号に記載されている。
また単分散乳剤としては、平均粒子直径が約0.05ミク
ロンより大きいハロゲン化銀粒子で、その少なくとも約
95重量%が平均粒子直径の±40%内にあるような乳剤が
代表的である。平均粒子直径が約0.05〜2ミクロンであ
り、少なくとも約95重量%または粒子数で少なくとも95
%のハロゲン化銀粒子を平均粒子直径±20%の範囲内と
したような乳剤を本発明で使用できる。このような乳剤
の製造方法は米国特許第3,574,628号、同第3,655,394号
および英国特許第1,413,748号に記載されている。また
特開昭48−8600号、同51−39027号、同51−83097号、同
53−137133号、同54−48521号、同54−99419号、同58−
37635号、同58−49938号などに記載されたような単分散
乳剤も本発明で好ましく使用できる。
ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程におい
て、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄
塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。
物理熟成前後の乳剤から可溶性銀塩を除去するために
は、ヌーデル水洗、フロキュレーション沈降法または限
外漏過法などに従う。
本発明で使用する乳剤は、通常、物理熟成の後、化学
熟成音よび必要に大じ分光増感を行ったものを使用す
る。このような工程で使用される添加剤は前述のリサー
チ・ディスクロージャーNo.17643(1978年12月)および
同No.18716(1979年11月)に記載されており、その該当
個所を後掲の表にまとめた。
本発明に使用できる公知の写真用添加剤も上記の2つ
のリサーチ・ディスクロージャーに記載されており、後
掲の表に記載個所を示した。
本発明で用いられる増感色素の酸化電位(EOX)の値
は、当業者が容易に測定することができる。この方法
は、A.Stanienda著論文“Naturwiss−enschaften"47巻3
53頁と512頁(1960年)、P.Delahay著論文“New Instru
mental Methods in Electrochemistry"1954年(Intersc
ience Publishers社発刊)やL.Meites著“Polarographi
c Techniques"第2版1965年(Interscience Publishers
社発刊)などに記載されている。
EOXの値はその化合物がボルト・アンメトリーにおい
て陽極でその電子を引き抜かれる電位を意味し、そして
それは化合物の基底状態における最高被占電子エネルギ
ー・レベルと近似的に一次的に関連すると考えられてい
る。
本発明におけるEOXの値は過塩素酸ナトリウムを支持
電解質として、化合物の1×10-4〜1×10-6モルのアセ
トニトリル溶液中で回転白金電極を用いて飽和カロメル
電極(SCE)を参照電極として電圧電流曲線を求め、こ
の曲線から半波電位として決定された。一連のEOXの値
は液間接触電位差の影響、試料溶液の液抵抗などの較正
の不完全さ、増感色素のアニオンの効果による妨害や色
素濃度の影響などによって約100mVまでの偏差を生じ得
るが、標準試料に3,3′−ジエチル−チアカルボシアニ
ン・パークロレイトを用いて較正することによって、測
定された電位の値の再現性を保証することができる。
本発明における酸化電位は上記3,3′−ジエチル−チ
アカルボシアニン・パークロレイトの酸化電位を0.77V
として規定した。
このようにすれば個々の色素についての酸化電位の再
現性は、本発明を規定するに充分である。
本発明においては、前記酸化電位値0.7V以上の増感色
素を用いることができる。
本発明でいう膜面pH値とは次の値である。即ち、「支
持体上に塗布された感光材料層側の総ての層の乾燥膜厚
の堆積が1cm3になるような面積を切取り、小片に切り刻
み、50mlの蒸留水に浸漬し、pHが平衡値に達したところ
で液を遠心分離した後、pHメーターで測定した値」であ
る。
ここで得られるpH値は、支持体上に水溶性の塗布物を
塗布する際の塗布物のpH値とは必ずしも一致せず、塗布
後乾燥硬膜せしめた後の膜中のpHと対応するものであ
る。
本発明の感光材料においては、膜面pHが6.0以上7.0未
満であり、6.1以上6.8以下であることが好ましい。膜面
pHが6.0未満では潜像保存性が改良されず、露光してか
ら処理するまでの経時により写真性能が変化し、満足の
得られる性能が得られない。また、pH7.0以上では感光
材料製造後の経時により、乳剤のかぶりが上昇し、ネガ
型感光材料では最小濃度Dminが増大し、反転型感光材料
では最大濃度Dmaxが低下し、写真性能上好ましくない。
膜面pHを、上記範囲に設定する方法としては、塗布すべ
き液に酸またはアルカリを添加することが一般的であ
る。上記酸またはアルカリは塗布液中に予め添加混合し
ておいてもよいし、塗布直前に添加しpH調整してもよ
い。
本発明において使用される酸は、硫酸、硝酸、塩酸、
リン酸などの無機酸、及び酢酸、クエン酸などの有機酸
があげられる。また、アルカリとしては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどがあげられ
る。
本発明には種々のカラーカプラーを使用することがで
き、その具体例は前出のリサーチ・ディスクロジャー
(RD)No.17643、VII−C〜Gに記載された特許に記載
されている。
イエローカプラーとしては、例えば米国特許第3,933,
501号、同第4,022,620号、同第4,326,024号、同第4,40
1,752号、特公昭58−10739号、英国特許第1,425,020
号、同第1,476,760号、等に記載のものが好ましい。
マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン系及びピラ
ゾロアゾール系の化合物が好ましく、米国特許第4,310,
619号、同第4,351,897号、欧州特許第73,636号、米国特
許第3,061,432号、同第3,725,067号、リサーチ・ディス
クロージャーNo.24220(1984年6月)、特開昭60−3355
2号、リサーチ・ディスクロージャーNo.24230(1984年
6月)、特開昭60−43659号、米国特許第4,500,630号、
同第4,540,654号等に記載のものが特に好ましい。
シアンカプラーとしては、フェノール系及びナフトー
ル系カプラーが挙げられ、米国特許第4,052,212号、同
第4,146,396号、同第4,228,233号、同第4,296,200号、
第2,369,929号、第2,801,171号、同第2,772,162号、同
第2,895,826号、同第3,772,002号、同第3,758,308号、
同第4,334,011号、同第4,327,173号、西独特許公開第3,
329,729号、欧州特許第121,365A号、米国特許第3,446,6
22号、同第4,333,999号、同第4,451,559号、同第4,427,
767号、欧州特許第161,626A号等に記載のものが好まし
い。
発色色素の不要吸収を補正するためのカプード・カプ
ラーは、リサーチ・ディスクロージャーNo.17643のVII
−G項、米国特許第4,163,670号、特公昭57−39413号、
米国特許第4,004,929号、同第4,138,258号、英国特許第
1,146,368号に記載のものが好ましい。
ポリマー化された色素形成カプラーの典型例は、米国
特許第3,451,820号、同第4,080,211号、同第4,367,282
号、英国特許第2,102,173号等に記載されている。
カップリングに伴って写真的に有用な残基を放出する
カプラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制
剤を放出するDIRカプラーは、前述のRD17643、VII〜F
項に記載された特許、特開昭57−151944号、同57−1542
34号、同60−184248号、米国特許第4,248,962号に記載
されたものが好ましい。
現像時に画像上に造刻剤もしくは現像促進剤を放出す
るカプラーとしては、英国特許第2,097,140号、同第2,1
31,188号、特開昭59−157638号、同59−170840号に記載
のものが好ましい。
その他、本発明の感光材料に用いることのできるカプ
ラーとしては、米国特許第4,130,427号等に記載の競争
カプラー、米国特許第4,283,472号、同第4,338,393号、
同第4,310,618号等に記載の多当量カプラー、特開昭60
−185950等に記載のDIRレドックス化合物放出カプラ
ー、欧州特許第173,302A号に記載の離脱後復色する色素
を放出するカプラー等が挙げられる。
本発明に使用するカプラーは、種々の公知分散方法に
より感光材料に導入できる。
本発明に係る感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層の他
に、保護層、中間層、フィルター層、ハレーション防止
剤、バック層、白色反射層などの補助層を適宜設けるこ
とが好ましい。
本発明の写真感光材料において写真乳剤層その他の層
はリサーチ・ディスクロージャー誌No.17643 V VII項
(1978年12月発行)p28に記載のものやヨーロッパ特許
0,102,253号や特開昭61−97655に記載の支持体に塗布さ
れる。またリサーチ・ディスクロージャー誌No.17643 X
V項p28〜29に記載の塗布方法を利用することができ
る。
本発明は支持体上に少なくとも2つの異なる分光感度
を有する多層多色写真材料にも適用できる。多層天然色
写真材料は、通常支持体上に赤感性乳剤層、緑感性乳剤
層、および青感性乳剤層を各々少なくとも一つ有する。
これらの層の順序は必要に応じて任意にえらべる。好ま
しい層配列の順序は支持体側から赤感性、緑感性、青感
性または支持体側から緑感性、悪化感性、青感性であ
る。また前記の各乳剤層は感度の異なる2つ以上の乳剤
層からできていてもよく、また同一感色性をもつ2つ以
上の乳剤層の間に非感光性層が存在していてもよい。赤
感性乳剤層にシアン形成カプラーを、緑感性乳剤層にマ
ゼンタ形成カプラーを、青感性乳剤層にイエロー形成カ
プラーをそれぞれ含むのが通造であるが、場合により異
なる組合わせをとることもできる。
本発明は種々のカラー感光材料に適用することができ
る。
例えば、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フ
ィルム、カラー反転ペーパー、インスタントカラーフィ
ルムなどを代表例として挙げることができる。またフル
カラー複写機やCRTの画像を保存するためのカラーハー
ドコピーなどにも適用することができる。本発明はま
た、「リサーチ・ディスクロージャー」誌No.17123(19
78年7月発行)などに記載の三色カプラー混合を利用し
た白黒感光材料にも適用できる。
本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−
フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その
代表例としては3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチ
ルアニリン、3−ミチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−βメトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩酸
塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩などが挙げられ
る。これらの化合物は目的に応じ2種以上併用すること
もできる。
また反転処理を実施する場合は通常黒白現像を行って
から発明現像する。この黒白現像液には、ハイドロキノ
ンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−3−
ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類またはN−メチ
ル−p−アミノフェノールなどのアミノフェノール類な
ど公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合わせて用
いることができる。
これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜12であ
ることが一般的である。
発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白
処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし(漂白定着
処理)、個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を
図るため、漂白処理後漂白定着処理する処理方法でもよ
い。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、脱銀処
理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的であ
る。
本発明の感光材料の処理における水洗水のpHは、4−
9であり、好ましくは5−8である。
本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には処理の簡略
化及び迅速化の目的で発色現像主薬を内蔵しても良い。
内蔵するためには、発色現像主薬の各種プレカーサーを
用いるのが好ましい。
本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使用
される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、よ
り高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆に
より低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達
成することができる。
(実施例) 乳剤の調製 pBr 0.8の雰囲気のヨウ化カリウムを含まない67℃に
保たれたゼラチン水溶液中に、硝酸銀水溶液および臭化
カリウムとヨウ化カリウムを含む水溶液を硝酸銀に対
し、上記ハロゲン化物のモル数が等しくなるように5分
間で添加し、さらに30分間物理熟成することにより平均
アスペクト比3.0の厚い板状粒子から成る乳剤を調製し
た。調製された沃臭化銀粒子は球換算時の平均直径が0.
8μであり、ヨウ化銀を4モル%含有していた(乳剤
A)。
臭化カリウム6g、不活性ゼラチン30gを蒸留水3.7に
溶かした水溶液をよく撹拌しながら、これにダブルジェ
ット法により、14%の臭化カリウム水溶液と20%の硝酸
銀水溶液とを一定流量で1分間にわたって、55℃、pBr
1.0において加えた(この添加(I)で全銀量の2.40%
を消費した)、ゼラチン水溶液(17%、300cc)を加え5
5℃において撹拌した後、20%の硝酸銀水溶液をpBrが1.
40に達するまで一定流量で加えた(この添加(II)で全
銀量の5.0%を消費した)。さらにヨウ化カリウム16.6g
が添加されるようにヨウ化カリウムを含む20%の臭化カ
リウム溶液および33%の硝酸銀水溶液をダブルジェット
法により、80分間にわたって加えた(この添加(III)
で全銀量の92.6%を消費した)。この間温度を55℃、pB
rを1.30に保持した。また、この乳剤に使用した硝酸銀
量は425gであった。次いで通常のフローキュレーション
法により脱塩後、平均粒子直径/粒子厚み比8.0、球相
当直径0.8μである比較用の平板状AgBrI(AgI=4.0モル
%)乳剤Bを調製した。
上記の手順において添加(III)で用いたハロゲン溶
液からヨウ化カリウムを除き16.6gのヨウ化カリウムを
含む溶液を(III)の終了時点で添加すること以外は同
様の方法によって、平均粒子直径/粒子厚み比8.0、球
相当直径0.8μである比較用の平板状AgBrI(AgI=40モ
ル%)乳剤Cを調製した。
上記乳剤Bの調製手順において、沃化カリウム16.6g
を含む溶液の添加を、(III)の途中、全銀量の57%を
消費した時点で硝酸銀と臭化カリウムの溶液の添加を中
断して行なう以外は同様の方法によって、平均粒子直径
/粒子厚み比8.0、球相当直径0.8μである本発明の平板
状AgBrI(AgI=4.0モル%)乳剤Dを調製した。乳剤A
〜Dをそれぞれ最高感度が出るよう金/硫黄増感した。
実施例1. 試料として三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下
記に示すような組成の各層よりなる多層カラー感光材料
である試料101を作製した。
第1層;ハレーション防止層 黒色コロイド銀 ……0.18g/m2 紫外線吸収剤C−1 ……0.12g/m2 紫外線吸収剤C−2 ……0.17g/m2 を含むゼラチン層 第2層;中間層 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン ……0.18/m2 カプラー C−3 ……0.11g/m2 沃臭化銀乳剤 (沃化銀1モル%、平均粒子サイズ0.07μ) ……銀塗布量(以下同様)0.15g/m2 を含むゼラチン層 第3層;第1赤感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……1.0 g/m2 (沃化銀6モル%、平均粒子サイズ0.6μ) 増感色素I ……銀1モルに対して7.0×10-5モル 増感色素II ……銀1モルに対して2.0×10-5モル 増感色素III ……銀1モルに対して2.8×10-4モル 増感色素IV ……銀1モルに対して2.0×10-5モル カプラー C−4 ……0.093g/m2 カプラー C−5 ……0.31 g/m2 カプラー C−6 ……0.01 g/m2 を含むゼラチン層 第4層;第2赤感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……0.8 g/m2 (沃化銀6モル%、平均粒子サイズ1.5μ) 増感色素I ……銀1モルに対して5.2×10-5モル 増感色素II ……銀1モルに対して1.5×10-5モル 増感色素III ……銀1モルに対して2.1×10-4モル 増感色素IV ……銀1モルに対して1.5×10-5モル カプラー C−4 ……0.10 g/m2 カプラー C−5 ……0.061g/m2 を含むゼラチン層 第5層;第3赤感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……1.5 g/m2 (沃化銀6モル%、平均粒子サイズ1.8μ) 増感色素I ……銀1モルに対して5.5×10-5モル 増感色素II ……銀1モルに対して1.6×10-5モル 増感色素III ……銀1モルに対して2.2×10-5モル 増感色素IV ……銀1モルに対して1.6×10-5モル カプラー C−5 ……0.044g/m2 カプラー C−7 ……0.16 g/m2 を含むゼラチン層 第6層;中間層 ゼラチン層 第7層;第1緑感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……0.55 /m2 (沃化銀5モル%、平均粒子サイズ0.5μ) 増感色素V ……銀1モルに対して3.8×10-4モル 増感色素IX ……銀1モルに対して1.5×10-5モル カプラー C−8 ……0.29 g/m2 カプラー C−9 ……0.040g/m2 カプラー C−10 ……0.055g/m2 カプラー C−11 ……0.058g/m2 を含むゼラチン層 第8層;第2緑感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……1.0 g/m2 (沃化銀6モル%、平均粒子サイズ1.2μ) 増感色素V ……銀1モルに対して2.7×10-4モル 増感色素IX ……銀1モルに対して1.1×10-4モル カプラー C−8 ……0.25 g/m2 カプラー C−9 ……0.013g/m2 カプラー C−10 ……0.009g/m2 カプラー C−11 ……0.011g/m2 を含むゼラチン層 第9層;第3緑感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……1.5 g/m2 (沃化銀8モル%、平均粒子サイズ1.8μ) 増感色素V ……銀1モルに対して3.0×10-4モル 増感色素IX ……銀1モルに対して1.2×10-4モル カプラー C−9 ……0.013g/m2 カプラー C−12 ……0.070g/m2 を含むゼラチン層 第10層;イエローフィルター層 黄色コロイド銀 ……0.04 g/m2 2,5−ジ−t−ペンタデシルハイドロキノン ……0.031g/m2 を含むゼラチン層 第11層;第1青感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……0.32 g/m2 (沃化銀5モル%、平均粒子サイズ0.4μ) カプラー C−13 ……0.68 g/m2 カプラー C−14 ……0.030g/m2 を含むゼラチン層 第12層;第2青感乳剤層 沃臭化銀乳剤 ……0.29g/m2 (乳剤A) 増感色素VIII ……銀1モルに対して2.2×10-4モル カプラー C−13 ……0.22g/m2 を含むゼラチン層 第13層;第1保護層 紫外線吸収剤C−1 ……0.14g/m2 紫外線吸収剤C−2 ……0.22g/m2 を含むゼラチン層 第14層;第2保護層 ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μ) ……0.05g/m2 沃臭化銀乳剤 ……0.30g/m2 (沃化銀2モル%、平均粒子サイズ0.07μ) を含むゼラチン層 各層には上記組成物の他に高沸点有機溶媒を添加し、
また、ゼラチン硬化剤C−16をゼラチンに対して2重量
%添加し界面活性剤を添加した。以上の如くして作製し
た試料を試料101とした。
試料を作るのに用いた化合物を後掲の第3表に示す。
さらに試料101において第12層中の乳剤をB,C,Dに置換
え,さらに膜面pHを調節することにより第1表に示す試
料102〜112を作成した。これらの試料について白色ウェ
ッジ露光をし、以下のカラー現像処理を行なった。
1. カラー現像 ……3分15秒 2. 漂白 ……6分30秒 3. 水洗 ……3分15秒 4. 定着 ……6分30秒 5. 水洗 ……3分15秒 6. 安定 ……3分15秒 各工程に用いた処理液組成は下記の通りである。
カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム ……1.0 g 亜硫酸ナトリウム ……4.0 g 炭酸ナトリウム ……30.0 g 臭化カリウム ……1.4 g ヒドロキシルアミン硫酸塩 ……2.4 g 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシルエチル アミノ)−2−メチルアニリン硫酸塩 ……4.5 g 水を加えて ……1.0 漂白液 臭換アンモニウム ……160.0 g アンモニア水(28%) ……25.0cc エチレジアミン−四酢酸ナトリウム鉄塩 ……130.0 g 氷酢酸 ……14.0cc 水を加えて ……1.0 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム ……2.0 g 亜硫酸ナトリウム ……4.0 g チオ硫酸アンモニウム(70%) ……175.0cc 重亜硫酸ナトリウム ……4.6 g 水を加えて ……1.0 g 安定液 ホルマリン ……8.0cc 水を加えて ……1.0 また露光後の潜像安定性を調べるために、露光後50
℃、相対湿度30%の雰囲気で3日間保存した後同様に処
理した。結果を第1表に示す。カラーネガ感度は、未露
光部の濃度プラス0.15の光学濃度を与える相対露光量を
もとに求めた。潜像退行幅は室温、相対湿度30%(1時
間)で現像したものを基準とした(マイナス符号が減
感)。
第1表から明らかなように平板乳剤を用いた場合に
は、膜面pHを6.0以上とすることにより顕著な潜像退行
防止硬化が得られた。ただし、pH=7.0では保存時の乳
剤かぶりが著るしく、実用に供することはできなかっ
た。
実施例2. 下塗りを施した三酢酸セルロースフィルム支持体上に
下記のような組成の各層よりなる多層カラー感光材料で
ある試料201を作成した。
第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 ……0.25g /m2 紫外線吸収剤 U−1 ……0.1 g/m2 紫外線吸収剤 U−2 ……0.1 g/m2 高沸点有機溶媒Oil 1 ……0.1 cc/m2 ゼラチン ……1.9 g/m2 第2層:中間層−1 Cpd D ……10 mg/m2 高沸点有機溶媒Oil 3 ……40 g/m2 ゼラチン ……0.4 g/m2 第3層:中間層−2 表面をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μ、AgI含量1モル%) 銀量 ……0.05g/m2 ゼラチン ……0.4 g/m2 第4層:第1赤感乳剤量 増感色素S−1、およびS−2で分光増感された沃臭化
銀乳剤 (平均粒径0.4μでAgI含量5モル%の単分散立方体と平
均粒径0.2μでAgI含量5モル%の単分散立方体の1対1
の混合物) 銀量 ……0.4 g/m2 カプラー C−1 ……0.2 g/m2 C−2 ……0.05 g/m2 高沸点有機溶媒Oil−2 ……0.1 cc/m2 ゼラチン ……0.8 g/m2 第5層:第2赤感乳剤層 増感色素S−1およびS−2で分光増感された沃臭化銀
乳剤 (平均粒径0.6μのAgI含量4モル%の単分散立方体乳
剤) 銀量 ……0.4 g/m2 カプラー C−1 ……0.2 g/m2 C−3 ……0.2 g/m2 C−2 ……0.05 g/m2 高沸点有機溶媒Oil−2 ……0.1 cc/m2 ゼラチン ……0.8 g/m2 第6層:第3赤感乳剤層 増感色素S−1でおよびS−2で分高増感された沃臭化
銀乳剤 (平均粒径0.8μのAgl含量2モル%の単分散立方体) 銀量 ……0.4g/m2 カプラー C−3 ……0.7g/m2 ゼラチン ……0.1g/m2 第7層:中間層−3 染料 D−1 ……0.02g/m2 ゼラチン ……0.6 g/m2 第8層中間層−4 表面をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μ、AgI含量1モル%) 銀量 ……0.05g/m2 化合物Cpd A ……0.2 g/m2 ゼラチン ……1.0 g/m2 第9層:第1緑感乳剤層 増感色素S−3およびS−4で分光された沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.4μ)、AgI含量5モル%の単分散立方体と
平均粒径0.2μ、AgI含量5モル%の単分散立方体の1:1
混合物) 銀量 ……0.5 g/m2 カプラー C−4 ……0.3 g/m2 化合物Cpd B ……0.03g/m2 ゼラチン ……0.5 g/m2 第10層:第2緑感乳剤層 増感色素S−3およびS−4を含有する沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.6μのAgI含量5モル%の単分散立方体) 銀量 ……0.4 g/m2 カプラー C−4 ……0.3 g/m2 化合物Cpd B ……0.03g/m2 ゼラチン ……0.6 g/m2 第11層:第3緑感乳剤層 増感色素S−3およびS−4を含有する沃臭化銀乳剤A 銀量 ……0.5 g/m2 カプラー C−4 ……0.8 g/m2 化合物Cpd B ……0.08g/m2 ゼラチン ……1.0 g/m2 第12層:中間層−5 染料 D−2 ……0.05g/m2 ゼラチン ……0.6 g/m2 第13層:黄色フィルター層 黄色コロイド銀 ……0.1 g/m2 化合物Cpd A ……0.01g/m2 ゼラチン ……1.1g/m2 第14層:第1青感乳剤層 増感色素S−5およびS−6を含有する沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.4μ、AgI含量3モル%の単分散立方体乳剤
と平均粒径0.2μ、AgI含量3モル%の単分散立方体乳剤
との1:1混合物) 銀量 ……0.6g/m2 カプラー C−5 ……0.6g/m2 ゼラチン ……0.8g/m2 第15層:第2青感乳剤層 増感色素S−5およびS−6を含有する沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.6μアスペクト比7、AgI含量2モル%の平
板状乳剤) 銀量 ……0.4g/m2 カプラー C−5 ……0.3g/m2 C−6 ……0.3g/m2 ゼラチン ……0.9g/m2 第16層:第3青感乳剤層 増感色素S−5およびS−6を含有する沃臭化銀乳剤A 銀量 ……0.4g/m2 カプラー C−6 ……0.7g/m2 ゼラチン ……1.2g/m2 第17層:第1保護層 紫外線吸収剤 U−1 ……0.04g/m2 〃 U−3 ……0.03g/m2 〃 U−4 ……0.03g/m2 〃 U−5 ……0.05g/m2 〃 U−6 ……0.05g/m2 化合物Cpd C ……0.8 g/m2 D−3 ……0.05g/m2 ゼラチン ……0.7 g/m2 第18層:第2保護層 表面をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μ AgI含量1モル%) 銀量 ……0.1 g/m2 ポリメチルメタクリレート粒子 (平均粒径1.5μ) ……0.1 g/m2 メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体
(平均粒径1.5μ) ……0.1 g/m2 シリコンオイル ……0.03g/m2 フッ素含有界面活性剤W−1 ……3 mg/m2 ゼラチン ……0.8 g/m2 各層には、上記組成物の他にゼラチン硬化剤H−1お
よび界面活性剤を添加した。
試料を作るのに用いた化合物を後掲の第4表に示す。
さらに試料201において第11層および第16層中の乳剤
を、乳剤B、Dに置換え、さらに膜面pHを調節すること
により、第2表に示す試料202〜215を作成した。試料20
1〜215を各々白色ウェッジ露光し、下記現像処理を行な
った。処理工程 時間 温 度 第一現象 6分 38℃ 水 洗 2〃 38〃 反 転 2〃 38〃 発色現像 6〃 38〃 調 整 2〃 38〃 漂 白 6〃 38〃 定 着 4〃 38〃 水 洗 4〃 38〃 安 定 1〃 25〃 各処理液の組成は、以下の通りであった。
第一現像液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリ
ウム塩 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 炭酸カリウム 33 g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3
−ピラゾリドン 2.0 g 臭化カリウム 2.5 g チオシアン酸カリウム 1.2 g ヨウ化カリウム 2.0 mg水を加えて 1000 ml pH 9.60 pHは、塩酸又は水酸化カリウムで調整した。
反転液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリ
ウム塩 3.0 g 塩化第一スズ・2水塩 1.0 g p−アミノフェノール 0.1 g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15 ml水を加えて 1000 ml pH 6.00 pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
発色現像液 ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・5ナトリ
ウム塩 2.0 g 亜硫酸ナトリウム 7.0 g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 臭化カリウム 1.0 g ヨウ化カリウム 90 mg 水酸化ナトリウム 3.0 g シトラジン酸 1.5 g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)
−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 11 g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1.0 g水を加えて 1000 ml pH 11.80 pHは、塩酸又は水酸化カリウムで調整した。
調整液 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩8.0
g 亜硫酸ナトリウム 12 g 1−チオグリセリン 0.4 ml水を加えて 1000 ml pH 6.20 pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
漂白液 エチレンジアミン4酢酸・2ナトリウム塩・2水塩 2.0
g エチレンジアミン4酢酸・Fe(III)・アンモニウム・
2水塩 120 g 臭化カリウム 100 g 硝酸アンモニウム 10 g水を加えて 1000 ml pH 5.70 pHは、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。
定着液 チオ硫酸ナトリウム 80 g 亜硫酸ナトリウム 5.0 g 重亜硫酸ナトリウム 5.0 g水を加えて 1000 ml pH 6.60 pHは、塩酸又はアンモニア水で調整した。
安定液 ホルマリン(37%) 5.0ml ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエーテル
(平均重合度10) 0.5ml水を加えて 1000 ml pH 調整せず カラー反転感度は、最大濃度から濃度0.2小なる相対
露光量をもとに比較した。潜像退行巾は露光後1時間で
現像したものを基準にした(マイナス符号が減感)。結
果を以下の第2表に示す。
第2表の結果から明らかなように、平板乳剤を用いた
場合には、膜面pHを6.0以上とすることにより顕著な潜
像退行防止効果が得られた。ただし、pH=7.0では、乳
剤かぶりによる反転最高濃度の低下が著しく実用に供す
ることはできなかった。
実施例3. 実施例1において第12層中の増感色素を除去したサン
プルを作成し、潜増保存性に対する膜面pHの影響を調べ
たが、実施例1と同様6.0以上7未満が好ましいとの結
果を得た。
フロントページの続き (72)発明者 池田 秀夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−113934(JP,A) 特開 昭59−119350(JP,A) 特開 昭61−59333(JP,A) 特開 昭62−18556(JP,A) 特開 昭51−9434(JP,A) 特開 昭54−123024(JP,A) 特開 昭60−88943(JP,A) 特開 昭61−198154(JP,A) 特開 昭61−245153(JP,A) 特開 昭59−99433(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に各々少なくとも一層の赤感性ハ
    ロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、および
    青感性ハロゲン化銀乳剤層を有する感光材料であって、
    該乳剤層の少なくとも一層に含まれるハロゲン化銀粒子
    の全投影面積の少なくとも50%が平均アスペクト比5以
    上で、粒子形成途中でヨードイオンを含む溶液を単独で
    添加して形成した、平板状ハロゲン化銀粒子によって占
    有され、かつ前記感光材料の膜面pHが6.0以上7.0未満で
    あることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
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