JPH0772573A - ハロゲン化銀乳剤ならびにこれを含む写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤ならびにこれを含む写真感光材料

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JPH0772573A
JPH0772573A JP22015093A JP22015093A JPH0772573A JP H0772573 A JPH0772573 A JP H0772573A JP 22015093 A JP22015093 A JP 22015093A JP 22015093 A JP22015093 A JP 22015093A JP H0772573 A JPH0772573 A JP H0772573A
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JP
Japan
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gelatin
emulsion
silver halide
group
silver
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JP22015093A
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English (en)
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Yoshihisa Tsukada
芳久 塚田
Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】単分散性に優れたハロゲン化銀平板乳剤および
これを用いた感度、粒状性が改良され、インキュベーシ
ョン耐性、潜像保存性に優れたハロゲン化銀感光材料を
提供する。 【構成】少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマ
ーの繰返し単位を有するゼラチングラフトポリマーの少
なくとも一種の存在下に形成されたことを特徴とするハ
ロゲン化銀乳剤およびこれを含む感材。一般式(1) 【化1】 式中、R1 は水素原子、低級アルキル基を表し、R2
1価の連結基を表す。R3 は炭素数3以上のアルキレン
基を表し、Lは2価の連結基を表す。nは−R 3 −O−
の繰返し単位の平均数を表し、4以上50以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリマーの存在下
に形成されたハロゲン化銀乳剤および該ハロゲン化銀乳
剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料に関し、さらに
詳しくは、単分散性に優れたハロゲン化銀平板乳剤およ
び該平板乳剤を含有し、粒状性、インキュベーション耐
性、潜像保存性に優れたハロゲン化銀写真感光材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】平行な2枚以上の双晶面を含むハロゲン
化銀粒子は平板状の形態を有する。(以下「平板粒子」
と呼ぶ)この平板粒子はその写真特性として以下の点が
挙げられる。 1) 体積に対する表面積の比率(以下比表面積と言う)
が大きく、多量の増感色素を表面に吸着させる事ができ
る。その結果、色増感感度が相対的に高い。 2) 平板粒子を含む乳剤を塗布し、乾燥した場合、その
粒子が支持体表面に平行に配向する為、粒子による光散
乱が低減できシャープネス、解像力を向上させる事がで
きる。またこの配列により塗布層の厚さで薄くでき、シ
ャープネスを向上できる。 3) 比表面積が大きいので、現像進行を速くする事がで
きる。 4) カバリングパワーが高く省銀化できる。 この様に多くの利点を有する為に、従来かち高感度の市
販感材に用いられてきている。
【0003】特開昭58−113926号、同58−1
13926号、同58−113928号にはアスペクト
比が8以上の乳剤粒子が開示されている。ここで言うア
スペクト比とは平板粒子の厚さに対する直径の比で示さ
れる。さらに粒子の直径とは粒子を投影面積と等しい面
積を有する円の直径を指すものとする。また厚みは平板
粒子を構成する二つの平行な主表面の距離で示される。
【0004】しかしながら、前記特許の実施例に見られ
る様に、周知の調製法による平板粒子は単分散性が良く
ない。これは 平板粒子投影面積径の分布が広い 平板粒子以外に、棒状粒子、テトラポット状粒子、一
重双晶粒子や非平行な双晶面を有する粒子が混じってい
る事を意味する。 この為 特性曲線の硬調化(いわゆる高ガンマ)が期待できな
い 大粒子と小粒子が混在した乳剤を化学増感した場合
に、化学増感の最適条件が大粒子と小粒子とでは異なる
為、両者に対して最適化学増感を行う事が難しい 大粒子と小粒子が混在した乳剤塗布層に比べ、単分散
大粒子を上層に、単分散小粒子を下層に塗布する重層系
の方が光の利用効率の点で高感度になるが、この重層効
果を十分に利用できない、など欠点を持つ。
【0005】従って、これまで平板粒子の単分散化の試
みが種々なされてきており、いくつかの特許が開示され
ている。特開昭52−153428号の単分散平板粒子
は核にAgI晶を用いるという制約があり、かつ得られ
る粒子形状は平板粒子比率が少ないものである。特開昭
55−142329号は平板粒子の単分散化の為の成長
条件を開示したものであるが、生成した粒子は平板粒子
の比率が低いものであった。特開昭51−39027号
の単分散双晶粒子は核形成後、ハロゲン化銀溶剤を加え
て熟成し、次に成長させる方法であるが、得られる粒子
は、平板粒子比率が低く、かつアスペクト比も低い。粒
子形成プロセスとして、この特許と同様の単分散双晶粒
子特許として、特開昭61−112142号がある。こ
の特許においては球状粒子を種晶として用いる為、アス
ペクト比が2.2以下であり、平板粒子比率も低い平板
粒子乳剤しか得られなかった。仏国特許第253403
6号記載の単分散平板粒子は、核形成後、ハロゲン化銀
溶剤を用いずに熟成する方法で形成するものであり、得
られた平板粒子の円相当径の変動係数(円相当径の標準
偏差を平均円相当径で割った数値を100倍した数値)
が15%のものが記載されている。この特許の実施例に
掲載されている粒子写真で計算すると三角形平板粒子の
投影面積が50%以上である。この三角形平板粒子は、
J.E.Maskasky、J. Imaging Sci. 、31、1987年、
p15〜26によると、主表面に平行の双晶面を3枚有
する粒子である。
【0006】特開昭63−11928号、同63−15
1618号及び特開平2−838号には六角形平板粒子
を含む単分散平板粒子が開示されている。この六角平板
粒子は、上記の三角平板粒子と異なり、平行な双晶面を
2枚有する平板粒子である。上記の特開平2−838号
の実施例1には、平行な双晶面を2枚有する平板粒子の
全投影面積に占める割合が99.7%で且つその円相当
径の変動係数が10.1%の単分散平板粒子の記載があ
る。
【0007】米国特許第5147771号、同5171
659号、同5147772号、同5147773号に
は、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマーを核形
成時に存在させる事により単分散平板粒子を得る製造方
法が開示されている。また欧州特許第514742A号
には、変動係数が10%以下の単分散平板粒子乳剤が開
示されている。この特許においても、その実施例におい
ては全て上記のポリアルキレンオキシドブロックコポリ
マーが使用されている。
【0008】本発明者らは上記特徴を有する乳剤を調べ
たところ、単分散な平板粒子が形成されることがわかっ
た。しかし、これを用いたハロゲン化銀写真感光材料で
は粒状性・感度の向上が認められたが、インキュベーシ
ョン耐性、潜像保存性が必ずしも十分ではなく、一層の
改良を要することがわかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は第一に
単分散性に優れたハロゲン化平板乳剤を提供することに
ある。本発明の目的は第二に上記ハロゲン化銀平板粒子
乳剤を用いることにより、感度、粒状性、インキュベー
ション耐性、潜像保存性に優れるハロゲン化銀写真感光
材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、以
下の手段により達成された。
【0011】〔1〕 少なくとも下記一般式(1) で表さ
れるモノマーの繰返し単位を有するゼラチングラフトポ
リマーの少なくとも一種の存在下に形成されたことを特
徴とするハロゲン化銀乳剤。一般式(1)
【0012】
【化3】
【0013】式中、R1 は水素原子、低級アルキル基を
表し、R2 は1価の連結基を表す。R3 は炭素数3以上
のアルキレン基を表し、Lは2価の連結基を表す。nは
−R 3 −O−の繰返し単位の平均数を表し、4以上50
以下である。
【0014】本発明のハロゲン化銀平板乳剤の好ましい
態様は下記〔2〕、〔3〕、〔4〕であり、また前記
〔1〕を用いたハロゲン化銀写真感光材料は〔5〕であ
る。
【0015】〔2〕 ゼラチングラフトポリマーが一般
式(1) で表されるモノマーと下記一般式(2) で表される
モノマーのそれぞれ少なくとも1種の繰返し単位からな
るものであることを特徴とする前記〔1〕に記載のハロ
ゲン化銀乳剤。一般式(2)
【0016】
【化4】
【0017】式中、R4 は水素原子、低級アルキル基を
表し、R5 は1価の置換基を表し、L’は2価の連結基
を表す。mは−CH2CH2O −の繰返し単位の平均数を表
し、4以上100以下である。
【0018】〔3〕 アスペクト比が2以上100以下
の平板粒子であることを特徴とする前記〔1〕、記載の
ハロゲン化銀写真乳剤。
【0019】〔4〕 平板粒子の円相当径の変動係数が
15%以下であることを特徴とする前記〔3〕に記載の
ハロゲン化銀写真乳剤。
【0020】〔5〕 支持体上に少なくとも1層の感光
性ハロゲン化乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料
において、前記〔1〕に記載のハロゲン化銀乳剤を含有
することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0021】本発明において、得られるハロゲン化銀乳
剤は、分散媒とハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀
乳剤であり、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積の95%
以上が主平面に平行な双晶面を2枚有する平板粒子で占
められており、該平板粒子は六角状の形状を持ち、かつ
該平板粒子のサイズ分布が単分散であることを特徴とす
るものである。
【0022】本発明でいう六角状の平板粒子とは、六角
形を形成する六つの辺の中の隣接する二辺の長さの比が
2以下であり、かつ六辺のうちどの隣接する二辺の長さ
の比も他の二辺からのずれが10%以下であるような平
板粒子である。
【0023】本発明の単分散六角平板粒子は単分散であ
ることを特徴とするが、ここでいう単分散性は変動係数
で表わされる。本発明の平板粒子の単分散性は変動係数
15%以下である。
【0024】本発明の単分散六角平板粒子の平均アスペ
クト比は、圧力に対し粒子が割れを生じないなどの特性
から、好ましくは2以上100以下であり、特に好まし
くは2以上75以下である。ここで平均アスペクト比と
は、乳剤中の存在する0.2μm径以上のすべての平板
粒子のアスペクト比の平均値をいう。
【0025】以下に本発明のゼラチングラフトポリマー
について詳細に説明する。本発明の平板乳剤粒子を形成
する際に用いられるゼラチングラフトポリマーは、下記
一般式(1)で表されるモノマーをゼラチンにグラフト
重合したものであり、特に好ましくは下記一般式(1)
で表されるモノマーと下記一般式(2)で表されるモノ
マーの両方の繰返し単位のそれぞれ少なくとも1種をグ
ラフト重合したゼラチンである。一般式(1)
【0026】
【化5】
【0027】一般式(2)
【0028】
【化6】
【0029】式中、R1 、R4 は同じでも異なっていて
もよく、水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル(メチ
ル、エチル、n−プロピル、n−ブチル)を表し、水素
原子、メチル基が特に好ましい。
【0030】R2 、R5 は同じでも異なってもよく、1
価の置換基を表し、具体的には水素原子、置換又は無置
換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、n−ヘキシル基、n−ドデシル基、ベンジル
基、2−シアノエチル基、2−クロロエチル基、3−メ
トキシプロピル基、4−フェノキシブチル基、2−カル
ボキシエチル基、−CH2CH2SO3Na 、−CH2CH2NHSO2CH
3等)、置換又は無置換のアリール基(例えばフェニル
基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル基、
o−クロロフェニル基、p−オクチルフェニル基、ナフ
チル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニ
ル基、ベンゾイル基、オクタノイル基等)、カルバモイ
ル基(例えば−CONHCH3 、−CON(CH3)2 、−CONHC6H
13 等)が好ましく、特に水素原子、メチル基、エチ
ル基、フェニル基、アセチル基が好ましい。
【0031】L、L′は同じでも異なってもよく、二価
の連結基を表し、好ましくは下記一般式(3)または
(4)で表される基を表す。一般式(3) −CO−X1−L1−X2
【0032】式中X1 は酸素原子又は−NR6 −を表わす
(R6 は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、
置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換
のアシル基あるいは−L1−X1−(R3 −O)n −R2(一般式
(1)の場合に限る)、−L1−X2−(CH2CH2O) m −R
5(一般式(2)の場合に限る)で表わされる基であ
り、好ましくは水素原子、置換もしくは無置換の炭素数
1ないし10のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、n−ブチル基、n−オクチル基等)、−L1−X2−(R
3 −O)n −R2、L1−X2−(CH2CH2O) m −R5、アシル基
(例えばアセチル基、ベンゾイル基)である)。X1
して特に好ましいのは、酸素原子または−NH−である。
【0033】L1 は、単結合、置換または無置換のアル
キル基(例えば、ジメチレン、トリメチレン、テトラメ
チレン、デカメチレン、メチルジメチレン、フェニルジ
メチレン、−CH2(C6H4)CH2−、−CH2CH2NHCOOCH2
等)、置換または無置換のアリール基(例えば、o−フ
ェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン、メチルフ
ェニレン等)を表し、単結合、−(CH2)1−(lは3以上
12以下の整数)が特に好ましい。
【0034】X2 は単結合、酸素原子、−COO −、−OC
O −、−CONR6 −、−NR6CO −、−OCOO−、−NR6COO
−、−OCONR6−、−NR6 −(R6 は上記に同じ)等を表
し、このうち単結合、酸素原子、−COO −、−CONH−、
−NHCOO −、−NHCONH−が特に好ましい。一般式(4)
【0035】
【化7】
【0036】式中R7 は水素原子、ハロゲン原子もしく
は置換又は無置換のアルキル基、アシル基を表わし、好
ましくは水素原子、塩素原子、炭素数6以下の低級アル
キル基、低級アシル基であり、特に水素原子、メチル基
が好ましい。L2 は単結合、−L1−、−X2−、−L1−X2
−、−X1−L1−X2−、−CO−X1−L1−X2−(X1、X2、L1
は前記に同じ)を表し、−L1−、−X2−、−L1−X2−が
好ましく、−CH2O−、−COO −、−CONH−、−O −が特
に好ましい。
【0037】R3 は、炭素数3以上のアルキレン基を表
し、具体的には−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH
2CH2CH2 −、−CH2CH(OH)CH2−、−(CH2)4−、−(CH2)5
等を挙げることができるが、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH
(CH3)−が特に好ましい。また、R3−O で表される繰返
し単位は1個のモノマーについて1種のみでもよいし、
2種以上の共重合の形をとっていてもよい。
【0038】n、mは各繰返し単位の平均モル数を表
し、グラフト重合に際し実効のビニル基の濃度低下によ
るグラフト反応効率の低下を防ぐ観点から、nは好まし
くは4以上50以下であり、特に好ましくは6以上40
以下以下であり、mは好ましくは4以上100以下であ
り、特に好ましくは6以上50以下である。
【0039】以下に一般式(1)で表されるモノマーの
好ましい例を例示するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】次に一般式(2)で表されるモノマーの好
ましい例を例示するが本発明はこれに限定されるもので
はない。
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】本発明における一般式(1)で表されるモ
ノマーの繰返し単位を有する重合体においては、共重合
してもよいモノマーとして一般式(2)で表されるモノ
マー以外の他のモノマーを重合しても良い。
【0049】この様な単量体としては、たとえばアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルア
ミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、ビニ
ルケトン類、アリル化合物、オレフィン類、ビニルエー
テル類、N−ビニルアミド類、ビニル異節環化合物、マ
レイン酸エステル類、イタコン酸エステル類、フマル酸
エステル類、クロトン酸エステル類などがある。更に具
体的に挙げるならばたとえば次の様なものが挙げられ
る。メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プ
ロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec
−ブチルアクリレート、オクチルアクリレート、ジエチ
レングリコールモノアクリレート、トリメチロールエタ
ンモノアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチル
アクリレート、p−クロルフェニルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、
【0050】N−tert−ブチルアクリルアミト、ヘキシ
ルアクリルアミド、オクチルアクリルアミド、エチルビ
ニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニル
エーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ビニルア
セテート、ビニルプロピオネート、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−オクテン、イタコン酸ジオクチ
ル、マレイン酸ジヘキシル、スチレン、メチルスチレ
ン、ジメチルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチ
ルスチレン、クロルスチレン、ビニル安息香酸メチル、
ビニルクロルベンゾエート、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、塩化ビニルなどのように、その単独重合
体が水に不溶な疎水性単量体、
【0051】アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアク
リルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリ
ン、N−アクリロイルピペリジン、メタクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−メタクリロイドモル
ホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミ
ド、また、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無
水マレイン酸のような含−COOH単量体、あるいは、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
(やその塩)、p−スチレンスルホン酸ソーダ、ホスホ
ノキシエチルメタクリレート等の様な他のアニオン性解
離基を有する単量体のような、単独重合体が水溶性であ
るような単量体。
【0052】上記の一般式(1)で表されるモノマー、
一般式(2)で表されるモノマー、その他のエチレン性
不飽和モノマーは、それぞれ2種以上用いてもよい。
【0053】本発明の一般式(1)で表される繰返し単
位を有するゼラチングラフトポリマーは平板乳剤を形成
する媒体に可溶であることが望ましく、従って水性媒体
に可溶であることが好ましい。つまり、水または水と水
に混和しうる有機溶媒との混合溶媒への溶解性のいずれ
かを満たしていれば良い。本発明におけるゼラチングラ
フトポリマーの水溶性の目安は、室温(25℃)で蒸留
水または蒸留水とメタノールの混合溶媒(9:1の重量
比)のいずれかに1重量%以上溶解することである。
【0054】本発明のゼラチングラフトポリマーにおい
て、グラフト反応するモノマー中の一般式(1)で表さ
れるモノマーの割合は、1ないし90重量%、好ましく
は3ないし85重量%、特に好ましくは5ないし70重
量%である。
【0055】一般式(2)で表されるモノマーの共重合
は、本発明の一般式(1)のモノマーを共重合したゼラ
チングラフトポリマーを用いた平板粒子形成における双
晶形成の制御や単分散性の発現の点でより好ましい効果
を有する。
【0056】共重合モノマーとして用いる場合のグラフ
ト反応するモノマー中の一般式(2)で表されるモノマ
ーの割合は、一般式(1)のモノマー単位の割合にもよ
るが、1ないし90重量%、好ましくは2ないし70重
量%、特に好ましくは3ないし50重量%である。
【0057】その他のエチレン性不飽和モノマーは、上
記の一般式(1)、(2)、モノマーの共重合量によっ
てその重量比は随意に変化し得る。したがって、その共
重合量は0ないし99重量%、特に好ましくは0ないし
90重量%である。また、その他のエチレン性不飽和モ
ノマーの種類としては、ポリマーの水性媒体への溶解性
を勘案すると、その単独重合体が水溶性であるようなモ
ノマーを用いるのが好ましい。ただし、単独重合体が水
不溶性であるようなモノマーもポリマーの溶解性を損な
わない範囲で用いることができることは言うまでもな
い。
【0058】本発明のゼラチングラフトポリマーにおい
て、グラフト重合するモノマーのゼラチンに対する割合
は、1ないし400重量%、好ましくは5ないし300
重量%、特に好ましくは10ないし200重量%であ
る。
【0059】グラフト重合に用いられるゼラチンとして
は、酸化処理ゼラチン、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラ
チン、酵素処理ゼラチンを用いてもよく、酸化処理ゼラ
チンが特に好ましい。また、ゼラチンの加水分解物や酵
素分解物を用いてもよい。また、ゼラチンの側鎖を修飾
したゼラチン誘導体も用いられ、このようなゼラチン誘
導体としては、米国特許第2,525,753号、同
2,614,928号等の記載されたものが含まれる。
また、分解物ゼラチンを用いたグラフトポリマーの製造
に関しては、英国特許第1,424,981号にも記載
されている。
【0060】以下に本発明のゼラチングラフトポリマー
の化合物について、「グラフト重合反応に供したエチレ
ン性不飽和モノマー−g−ゼラチン」の形で例示する
が、これらにより本発明が限定されるものではない。カ
ッコ内は各成分の重量比を表し、ゼラチン量を100と
した相対値を示す。
【0061】P−1 MP−3/ME−4/アクリ
ルアミド−g−ゼラチン(5/5/75/100) P−2 MP−3/ME−4/アクリルアミド−g
−ゼラチン(10/10/70/100) P−3 MP−3/ME−4/アクリルアミド−g
−ゼラチン(15/15/120/100) P−4 MP−3/ME−4/アクリル酸−g−ゼ
ラチン(5/5/65/100) P−5 MP−3/ME−4/アクリル酸−g−ゼ
ラチン(10/10/100/100)
【0062】P−6 MP−2/ME−3/アクリ
ルアミド−g−ゼラチン(25/15/120/10
0) P−7 MP−5/ME−7/アクリルアミド−g
−ゼラチン(20/15/150/100) P−8 MP−1/MP−4/アクリルアミド−g
−ゼラチン(25/10/85/100) P−9 MP−5/ME−5/アクリルアミド−g
−ゼラチン(15/5/100/100) P−10 MP−4/ME−9/アクリルアミド−g
−ゼラチン(20/10/150/100)
【0063】P−11 MP−16/ME−4/アク
リルアミド−g−ゼラチン(15/20/105/10
0) P−12 MP−9/ME−15/2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム−g−ゼ
ラチン(15/20/100/100) P−13 MP−3/ME−13/2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム−g−ゼ
ラチン(25/15/120/100) P−14 MP−3/ME−13/アクリル酸−g−
ゼラチン(25/25/150/100) P−15 MP−8/ME−9/2ーアクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム−g−ゼラ
チン(20/20/150/100)
【0064】P−16 MP−3/アクリルアミド−
g−ゼラチン(5/50/100) P−17 MP−3/アクリルアミド−g−ゼラチン
(10/75/100) P−18 MP−3/アクリルアミド−g−ゼラチン
(20/150/100) P−19 MP−3/アクリル酸−g−ゼラチン(1
0/100/100) P−20 MP−3/アクリル酸−g−ゼラチン(1
5/120/100)
【0065】P−21 MP−2/アクリルアミド−
g−ゼラチン(10/100/100) P−22 MP−4/2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸ナトリムウム−g−ゼラチン(2
0/125/100) P−23 MP−7/アクリル酸−g−ゼラチン(2
0/150/100) P−24 MP−5/アクリルアミド−g−ゼラチン
(25/110/100) P−25 MP−1/アクリルアミド−g−ゼラチン
(30/70/100)
【0066】P−26 MP−4 −g−ゼラチン
(5/100) P−27 MP−3 −g−ゼラチン(10/10
0) P−28 MP−3 −g−ゼラチン(15/10
0)
【0067】これらのうちアニオン性基を含むポリマー
は、水溶液のpHの低下によるゼラチンの凝集を避ける
ためにアルカリにより適度に中和されてもよい。
【0068】本発明のゼラチングラフトポリマーの製造
法については、例えば、米国特許第2,548,520
号、同第2,831,767号、特公昭53−24,2
28号等の記載を参考にすることができる。
【0069】好ましい製造法について以下に説明すると
ゼラチンを均一に溶解した媒体中で重合開始剤の存在
下、エチレン性不飽和モノマーの重合を行えばよい。媒
体としては水が好ましいが、必要に応じて補助溶媒(好
ましくは水に混和しうる有機溶媒、例えばメタノール、
エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ア
セトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等)を
水と混合して用いてもよい。水に混和しうる有機溶媒の
量は水に対して体積比で0〜100%、好ましくは0〜
70%である。
【0070】重合反応は通常、重合すべき単量体に対し
0.05〜5重量%のラジカル重合開始剤を用い、一般
に30℃ないし100℃、好ましくは40℃ないし90
℃の温度で行われる。
【0071】重合開始剤としては、アゾビス化合物、パ
ーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触
媒など、たとえば過硫酸カリウム、過硫酸カリウムと亜
硫酸水素ナトリウムの併用、過硫酸アンモニウム、過硫
酸水素、tert−ブチルパーオクトエート、ベンゾイ
ルパーオキサイド、イソプロピルパ−カーボネート、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2,2′−アゾビスイ
ソブチレート、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)ハイドロクロライドなどがある。
【0072】開始剤の種類やグラフト重合の条件につい
ては、過酸化物開始系が米国特許第2,548,520
号、同第2,831,767号に、アゾビス化合物開始
系が特公昭53−24,228号に記載されており、こ
れらに記載された化合物や重合法を用いることもでき
る。
【0073】エチレン性不飽和モノマーの添加は、予め
ゼラチンに全量を混合してもよいが、数分ないし1時間
程度かけて滴下してもよい。重合開始剤はエチレン性不
飽和モノマーの添加完了後に投入してもよいし、エチレ
ン性不飽和モノマーと同時、あるいは、添加前に投入し
ても構わない。
【0074】本発明のエチレン性不飽和モノマーの重合
反応においては、ゲル化等によるポリマーの不溶化が起
こらない範囲内ならば重合開始剤、濃度、重合温度、反
応時間などを幅広くかつ容易に変更できることはいうま
でもない。
【0075】以下に本発明のゼラチングラフトポリマー
の合成例を示す。 合成例1(例示化合物P−1の合成) 攪拌装置、還流冷却管、温度計を装着した1リットル三
つ口フラスコに酸化処理ゼラチン27g、蒸留水225
mlを入れ、ゼラチンを十分膨潤させた後に、40℃で加
温攪拌してゼラチンを溶解させた。次にMP−3 1.
35g、ME−4 1.35g、アクリルアミド20.
25g、エタノール225mlをさらに加えて、窒素気流
下、フラスコ外温を85℃に設定し加熱還流させた。過
硫酸カリウム0.27gと炭酸水素ナトリウム0.17
gを蒸留水30mlに溶解したものを入れて2時間攪拌を
続けた。得られた溶液を減圧下エタノールを留去し、さ
らにアセトン/酢酸エチル(1/1vol比)の混合溶媒7
リットルに対して再沈殿を行った。得られた粉体をろ
取、減圧乾燥して化合物P─1を40gを得た。
【0076】合成例2(例示化合物P−6の合成) 合成例1においてゼラチンを石灰処理ゼラチンとし、添
加するモノマーをMP−2 6.75g、ME−3
4.05g、アクリルアミド32.4gとした以外は、
合成例1と全く同じ方法で例示化合物P−6を53g得
た。
【0077】合成例3(例示化合物P−19の合成) 攪拌装置、還流冷却管温度計を装着した1リットル三つ
口フラスコに酸化処理ゼラチン27g、蒸留水225ml
を入れ、ゼラチンを十分膨潤させた後に、40℃で加温
攪拌してゼラチンを溶解させた。次にMP−3 2.7
0g、アクリル酸27g、エタノール225mlをさらに
加えて、40℃で加温攪拌しつつ2N水酸化ナトリウム
水溶液を滴下して、フラスコの内容物のpHを6.0と
した。次に、窒素気流下、フラスコ外温を85℃に設定
し加熱還流させた。過硫酸カリウム0.27gと炭酸水
素ナトリウム0.17gを蒸留水30mlに溶解したもの
を入れて2時間攪拌を続けた。得られた溶液を減圧下エ
タノールを留去し、さらにアセトン/酢酸エチル(1/
1vol比) の混合溶媒7リットルに対して再沈殿を行っ
た。得られた粉体をろ取、減圧乾燥して化合物P−19
を51gを得た。
【0078】次に、本発明のハロゲン化銀乳剤の製法に
ついて述べる。本発明のハロゲン化銀には、 核形成→熟成→成長 の過程で製造することができる。上記で説明した水溶性
重合体は、粒子形成中の何処に存在しても良いが、少な
くとも成長前から、好ましくは熟成前から、さらに好ま
しくは核形成前から存在することが望ましい。
【0079】以下に、本発明による製造の核形成、熟
成、および成長の各過程について説明する。 1.核形成 平板粒子の核形成は、一般には保護コロイドの水溶液を
保持する反応容器に、銀塩水溶液とハロゲン化アルカリ
水溶液を添加して行われるダブルジェット法、あるいは
ハロゲン化アルカリを含む保護コロイド溶液に銀塩水溶
液を添加するシングルジェット法が用いられる。また、
必要に応じて銀塩を含む保護コロイド溶液にハロゲン化
アルカリ水溶液を添加する方法も用いることができる。
さらに、必要に応じて特開平2−44335号に開示さ
れている混合器に保護コロイド溶液と銀塩溶液とハロゲ
ン化アルカリ水溶液を添加し、ただちにそれを反応容器
に移すことによって平板粒子の核形成を行うこともでき
る。また、米国特許第5104786号に開示されてい
るように、ハロゲン化アルカリと保護コロイド溶液を含
む水溶液をパイプに通しそこに銀塩水溶液を添加するこ
とにより核形成を行うこともできる。核形成は、保護コ
ロイドを分散媒とし、pBrが1〜4の条件で分散媒形
成することが好ましい。保護コロイドとしては、ゼラチ
ンと保護コロイドポリマーがある。セラチンの種類とし
ては、通常アルカリ処理ゼラチンが用いられるが、低分
子量ゼラチン(分子量:3000〜4万)でも良く、好
ましくは酸化処理ゼラチンである。保護コロイドとして
は、以下にあげるものが適当である。 (1) ポリビニルピロリドン ビニルピロリドンのホモポリマー、フランス特許203
1396号に示されるアクロレインとピロリドンの共重
合物。 (2) ポリビニルアルコール ビニルアルコールのホモポリマー、米国特許30007
41号に示されるポリビニルアルコールの有機酸モノエ
ステル、米国特許3236653号に示されるマレイン
酸エステル、米国特許3479189号に示されるポリ
ビニルアルコールとポリビニルピロリドンと共重合物。 (3) チオエーテル基を有するポリマー 米国特許3615624号、同3860428号、同3
706564号に示されるチオエーテル基を有するポリ
マー。 (4) ポリビニルイミダゾール ビニルイミダゾールのホモポリマー、ビニルイミダゾー
ルとビニルアミドのコポリマー、特公昭43−7561
号、ドイツ特許2012095号、同2012970号
に示されるアクリルアミド、アクリル酸、ビニルイミダ
ゾールの三元共重合ポリマー。 (5) ポリエチレンイミン (6) アセタールポリマー 米国特許2358836号に示される水溶性ポリビニル
アセタール、米国特許3003879号に示されるカル
ボキシル基を有するポリビニルアセタール、英国特許7
71155号に示されるポリマー。 (7) アミノポリマー 米国特許3345346号、同3706504号、同4
350759号、西ドイツトツ2138872号に示さ
れるアミノポリマー、英国特許1413125号、米国
特許3425836号に示される4級アミノを有するポ
リマー、米国特許3511818号に示されるアミノ基
とカルボキシル基を有するポリマー、米国特許3832
185号に示されるポリマー。 (8) ポリアクリルアマイドポリマー アクリルアマイドのホモポリマー、米国特許25414
74号に示されるポリアクリルアマイドとイミド化した
ポリアクリルアマイドの共重合物、西ドイツ特許120
2132号に示されるアクリルアマイドとメタアクリル
アマイドの共重合物、米国特許3284207号に示さ
れる部分的にアミノ化したアクリルアマイドポリマー、
特公昭45−14031号、米国特許3713834
号、同3746548号、英国特許788343号に示
される置換されたアクリルアマイドポリマー。 (9) ヒドロキシキノリンを有するポリマー 米国特許4030929号、同4152161号に示さ
れるヒドロキシキノリンを有するポリマー。 (10)その他 特開昭59−8604号に示されるアザインデン基を有
するビニルポリマー、米国特許2976150号に示さ
れるポリアルキレンオキシド誘導体、米国特許4022
623号に示されるポリビニルアミンイミドポリマー、
米国特許4294920号、同4089688号に示さ
れるポリマー、米国特許2484456号に示されるポ
リビニルピリジン、米国特許3520857号に示され
るイミダゾール基を有するビニルポリマー、特公昭60
−658号に示されるトリアゾール基を有するビニルポ
リマー、ツアイトシュリフトビセンシャフトリヒエフォ
トグラフィー45巻43頁(1950)に示される水溶
性ポリアルキレンアミノトリアゾール類。分散媒の濃度
は、10重量%以下が好ましく、さらに1重量%以下が
より好ましい。核形成時の温度は、5〜60℃が好まし
いが、平均粒径が0.5μm以下の微粒子平板粒子を作
る場合は5〜48℃がより好ましい。分散媒のpHは、
8以下、好ましくは6以下である。添加するハロゲン化
アルカリ溶液の組成としては、Br- に対するI- 含量
は生成するAbBrIの固溶限界以下、好ましくは10
モル%以下である。本発明の一般式(I)で表わされる
化合物は、核形成時の硝酸銀に対し、重量で0.1倍以
上50倍以下、好ましくは0.1倍以上30倍以下で用
いることができる。
【0080】2.熟成 1.における核形成では、平板粒子以外の微粒子(特
に、八面体および一重双晶粒子)が形成される。次に述
べる成長過程に入る前に平板粒子以外の粒子を消滅せし
め、平板粒子となるべき形状でかつ単分散性の良い核を
得る必要がある。これを可能とするために、核形成に引
き続いてオストワルド熟成を行うことがよく知られてい
る。核形成後直ちにpBrを調節した後、温度を上昇さ
せ六角平板粒子比率が最高となるまで熟成を行う。この
時に、保護コロイド濃度を調節する。保護コロイド濃度
は、1〜10重量%が好ましい。この時使用する保護コ
ロイドは、ゼラチンと保護コロイドポリマーが適当であ
る。ゼラチンは通常アルカリ処理ゼラチンであるが、酸
化処理ゼラチンを用いても良い。保護コロイドポリマー
は、1.で述べたものが良い。熟成の温度は、40〜8
0℃、好ましくは50〜80℃であり、pBrは1.2
〜3.0である。また、この時平板粒子以外の粒子を速
やかに消失せしめるために、ハロゲン化銀溶剤を添加し
ても良い。この場合のハロゲン化銀溶剤の濃度として
は、0.3mol /リットル以下が好ましく、0.2mol
/リットル以下がより好ましい。直接反転用乳剤として
用いる場合は、ハロゲン化銀溶剤として、アルカリ性側
で用いられるNH3 より、中性、酸性側で用いられるチ
オエーテル化合物等のハロゲン化銀溶剤の方が好まし
い。このように熟成して、ほぼ100%平板粒子のみと
する。熟成が終わった後、次の成長過程でハロゲン化銀
溶剤が不要の場合は次のようにしてハロゲン化銀溶剤を
除去する。 NH3 のようなアルカリ性ハロゲン化銀溶剤の場合
は、HNO3 のようなAg+ との溶解度積の大きな酸を
加えて無効化する。 チオエーテル系ハロゲン化銀溶剤の場合は、特開昭
60−136736号に記載のごとくH2 2 等の酸化
剤を添加して無効化する。
【0081】3.成長 熟成過程に続く結晶成長期のpBrは1.4〜3.5に
保つことが好ましい。また、結晶成長期におけるA
+ 、およびハロゲンイオンの添加速度を結晶臨界成長
速度の20〜100%、好ましくは30〜100ぱの結
晶成長速度になるようにする事が好ましい。この場合、
結晶成長とともに銀イオンおよびハロゲンイオンの添加
速度を増加させていくが、その場合、特公昭48−36
890号、同52−16364号記載のように、銀塩お
よびハロゲン塩水溶液の添加速度を上昇させても良く、
水溶液の濃度を増加させても良い。成長期に、その核の
上に堆積させるAgXのヨウド含量は、0モル%〜固溶
限界濃度とするのがよい。
【0082】本発明におけるハロゲン化銀とは、例え
ば、臭化銀、ヨウ臭化銀、および塩化銀含量が30モル
%以下の塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀等である。本発明のハ
ロゲン化銀乳剤は、必要により他の乳剤と共に支持体上
に一層もしくはそれ以上設けることができる。また、支
持体の片側に限らず両面に設けることができる。また、
異なる感色性の乳剤として重層することもできる。本発
明のハロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲン化銀写真感光材
料(例えば、Xレイ感材、リス型感材、黒白撮影用ネガ
フィルムなど)やカラー写真感光材料(例えば、カラー
ネガフィルム、カラー反転フィルム、カラーペーパー
等)に用いることができる。さらに、拡散転写用感光材
料(例えば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要
素)、熱現像感光材料(黒白、カラー)等にも用いるこ
とができる。
【0083】本発明のハロゲン化銀写真乳剤、およびそ
れを用いたハロゲン化銀写真感光材料に用いることので
きる種々の技術や無機・有機の素材については一般時に
はリサーチ・ディスクロージャーNo. 308119(1
989年)に記載されたものを用いることができる。
【0084】これに加えて、より具体的には、例えば、
本発明のハロゲン化銀写真乳剤が適用できるカラー写真
感光材料に用いることができる技術および無機・有機素
材については、欧州特許第436,938A2号の下記
の箇所及び下記に引用の特許に記載されている。
【0085】 項 目 該 当 箇 所 1)層構成 第146頁34行目〜第147頁25行目 2)ハロゲン化銀乳剤 第147頁26行目〜第148頁12行目 3)イエローカプラー 第137頁35行目〜第146頁33行目、第14 9頁21行目〜23行目 4)マゼンタカプラー 第149頁24行目〜第28行目;欧州特許第42 1,453A1号の第3頁5行目〜第25頁25行 目 5)シアンカプラー 第149頁29行目〜33行目;欧州特許第432 ,804A2号の第3頁28行目〜第40頁2行目 6)ポリマーカプラー 該149頁34行目〜38行目;欧州特許第435 ,334A2号の第113頁39行目〜第123頁 37行目 7)カラードカプラー 第53頁42行目〜第137頁34行目、第149 頁39行目〜45行目 8)その他の機能性 第7頁1行目〜第53頁41行目、第149頁46 カプラー 行目〜第150頁3行目;欧州特許第435,33 4A2号の第3頁1行目〜第29頁50行目 9)防腐・防黴剤 第150頁25行目〜28行目 10) ホルマリン 第149頁15行目〜17行目 スカベンジャー 11) その他の添加剤 第153頁38行目〜47行目;欧州特許第421 ,453A1号の第75頁21行目〜第84頁56 行目、第27頁40行目〜第37頁40行目 12) 分散方法 第150頁4行目〜24行目 13) 支持体 第150頁32行目〜34行目 14) 膜厚・膜物性 第150頁35行目〜49行目 15) 発色現像工程 第150頁50行目〜第151頁47行目 16) 脱銀工程 第151頁48行目〜第152頁53行目 17) 自動現像機 第152頁54行目〜第153頁2行目 18) 水洗・安定工程 第153頁3行目〜37行目
【0086】このようにして得られる本発明の平板状ハ
ロゲン化銀乳剤は、 粒子形状が単分散である。 投影面積径が単分散である。 粒子厚さがそろっている。 と言う特長を持ち、化学増感が各粒子に対して最適に設
定することができ、かつ、大粒子、中粒子、小粒子をそ
れぞれ高感度層、中感度層、低感度層のごとく重層塗布
した場合、その重層効果を十分に発揮でき、感度、粒状
性、インキュベーション耐性、潜像保存性おいて優れた
特性を持つ感光性用ハロゲン化銀乳剤を提供することが
できる。以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0088】以下に示す実施例はいずれも、欧州特許第
514742A号の実施例1の粒子形成法を参考にし
た。
【0089】実施例−1 (乳剤の調製)反応容器中に収容された酸化ゼラチン
0.41g、4Nの硝酸4.2ml、KBr0.73g、
化合物(P−6)1.7gを含むH2 O1リットルを、45
℃で攪拌しながら、これに0.37gのAgNO3 を含
む水溶液2.75mlと0.27gのKBrを含む水溶液
2.83mlをダブルジェット法で温度を保ちながら1分
間にわたり添加した。1分後、KBr 2.29gを含
む水溶液19.2mlを添加し、9分間かけて温度を60
℃に上げ、3.37gの(NH4 2 SO4 と2.5Nの
NaOH溶液26.7mlとを含むアンモニア水溶液を添
加し、さらに9分間攪拌した。16.7gの酸化アルカ
リ処理ゼラチンと4Nの硝酸10.8mlとを含む水溶液
94.2mlを2分間かけて添加した。その後1.02g
のAgNO3を含む水溶液7.5mlと0.79gのKB
rを含む水溶液8.3mlとを5分間にわたり一定速度で
添加した。その後129gのAgNO3 を含む水溶液4
74.7mlと95gのKBrを含む水溶液474.7ml
とを各々初期流量1.5ml/min および1.62ml/mi
n から一定流量加速で同時に64分間にわたって添加し
た。
【0090】次に、2.9gのKIを含む水溶液290
mlを2分間にわたり単独で添加した。2分後、68.8
gのAgNO3 を含む水溶液253.3mlと、50.3
gのKBrを含む水溶液252mlを同時に一定流量で1
9分間にわたり添加した。
【0091】その後、常法のフロキュレーション法で脱
塩し、40℃において、pH=6.5、pAg=8.5
に調整した後、65℃にて増感色素(後記S−6および
S−7)の存在下にチオ硫酸ソーダと塩化金酸およびチ
オシアン酸カリウムにより最適に化学増感し、平板状A
gBrI乳剤−1(AgI含量=1.5モル%)を得
た。得られた粒子の平均投影直径は2.03μm、平均
粒子厚みは0.137μm、投影面積の平板状粒子の占
める割合は99%、平均アスペクト比は14.8、平板
化率は113、粒子直径の変動係数は5.1%であっ
た。
【0092】次に乳剤−1の調製法において、本発明の
化合物(P−6)の代わりに化合物(P−19)、(P
−21)、(P−5)をそれぞれ3.4g、また欧州特
許第514742A号の実施例1で用いられている化合
物PLURONIC TM31R1 を0.181g使用する以外は乳剤
−1と全く同じ方法で本発明の乳剤2〜4、および比較
用乳剤−Aを調製した。
【0093】以上のようにして得られた乳剤粒子に関す
るデータを表1にまとめた。
【0094】
【表1】
【0095】(塗布試料の作成)以上のようにして得ら
れた乳剤の各々に塗布助剤としてドデシルベンゼンスル
フォン酸塩、増粘剤としてp−ビニルベンゼンフルフォ
ネート、硬膜剤としてビニルフルフォン系化合物、およ
び写真特性改良剤としてポリエチレンオキサイド系化合
物を加えて乳剤塗布液を作った。続いて、それらの塗布
液を別々に下引き加工したポリエステルベース上に均一
に塗布し、その上に主にゼラチン水溶液から成る表面保
護層を塗布して、乳剤−1〜4及び乳剤Aを有する塗布
試料−101〜105を作製した。このとき、試料−1
01〜105の塗布銀量は、それぞれ4.0g/m2であ
り、保護層のゼラチン塗布量は、それぞれ1.3g/m2
であり、乳剤層のゼラチン塗布量は、それぞれ2.7g
/m2であった。
【0096】このようにして得られた塗布物の評価を行
うため以下の実験を行った。
【0097】まず、塗布試料101〜105の試料片を
1/100秒間の露光時間10CMSの露光量でウェッ
ジ露光し、下記の組成の処理液で20℃、4分間現像
し、次いで、定着、水洗、乾燥後、センシトメトリーを
行ない、カブリ+0.1の濃度を与える露光量の逆数に
より感度を求めた。
【0098】次に塗布試料101〜105の試料片を2
組組成し、1組は45℃、55%RHの温湿度雰囲気に
7日間保存し、残りの1組は室温で保存しコントロール
とし、上記と同様に現像処理し、耐インキュベーション
性の評価を行った。
【0099】さらに塗布試料101〜105の試料片を
2組用意し、1/100″でウエッジ露光を行ってか
ら、1組は45℃、55%RHの雰囲気で7日間保存
し、残りの1組はフリーザーで保存しコントロールと
し、上記と同様に現像処理をし、潜像保存性の評価を行
った。
【0100】結果を表−2にまとめた。
【0101】
【表2】
【0102】 処理液 1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.5g ヒドロキノン 10g エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム 2g 亜硫酸カリウム 60g ホウ酸 4g 炭酸カリウム 20g 臭化ナトリウム 5g ジエチレングリコール 20g 水酸化ナトリウムでpH10.0に調整 水を加えて 1リットル 表−2から明らかなように、本発明の化合物を用いて作
成した乳剤による試料は、比較例と比べ同等以上の感度
を有し、保存性に優れ、本発明の効果が顕著である。 実施例2 (試料201の作製)下塗りを施した厚み127μmの
三酢酸セルロースフィルム支持体上に、下記の組成の各
層より成る多層カラー感光材料を作成し、試料201と
した。数字は、m2当たりの添加量を表わす。なお、添加
した化合物の効果は記載した用途に限らない。 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.20g ゼラチン 1.9 g 紫外線吸収剤U−1 0.1 g 紫外線吸収剤U−3 0.04g 紫外線吸収剤U−4 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 染料E−1の微結晶固体分散物 0.1 g 第2層:中間層 ゼラチン 0.40g 化合物Cpd─C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 化合物Cpd−K 3 mg 高沸点有機溶媒Oil−3 0.1 g 染料D−4 0.8 mg 第3層:中間層 表面及び内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数18%、 AgI含量1モル%) 銀量 0.05 g 黄色コロイド銀 銀量 0.05 g ゼラチン 0.4 g 第4層:低感度赤感性乳剤層 乳剤A 銀量 0.1 g 乳剤B 銀量 0.4 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数18%、 AgI含量1モル%) 銀量 0.05 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.15 g カプラーC−2 0.05 g カプラーC−3 0.05 g カプラーC−9 0.05 g 化合物Cpd─C 5 mg 化合物Cpd−J 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物PL−1 0.1 g 第5層:中間度赤感性乳剤層 乳剤C 銀量 0.5 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数18%、 AgI含量1モル%) 銀量 0.05 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−1 0.2 g カプラーC−2 0.05 g カプラーC−3 0.2 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 添加物PL−1 0.1 g 第6層:高感度赤感性乳剤層 乳剤D 銀量 0.4 g ゼラチン 1.1 g カプラーC−1 0.3 g カプラーC−2 0.1 g カプラーC−3 0.7 g 添加物PL−1 0.1 g 第7層:中間層 ゼラチン 0.6 g 添加物M−1 0.3 g 混色防止剤Cpd−I 2.6 mg 染料D−5 0.02 g 化合物Cpd−J 5 mg 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02 g 第8層:中間層 表面及び内部をかぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、 変動係数16%、AgI含量0.3モル%) 銀量 0.02 g 黄色コロイド銀 銀量 0.02 g ゼラチン 1.0 g 添加物PL−1 0.2 g 混色防止剤Cpd−A 0.1 g 化合物Cpd−C 0.1 g 第9層:低感度緑感性乳剤層 乳剤E 銀量 0.3 g 乳剤F 銀量 0.2 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数18%、 AgI含量1モル%) 銀量 0.04 g ゼラチン 0.5 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.05 g カプラーC−8 0.20 g 化合物Cpd─B 0.03 g 化合物Cpd−D 0.02 g 化合物Cpd─E 0.02 g 化合物Cpd−F 0.04 g 化合物Cpd─J 10 mg 化合物Cpd−L 0.02 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.1 g 第10層:中間度緑感性乳剤層 乳剤F 銀量 0.3 g 乳剤G 銀量 0.1 g 内部をかぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、変動係数18%、 AgI含量1モル%) 銀量 0.04 g ゼラチン 0.6 g カプラーC−4 0.1 g カプラーC−7 0.2 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd─B 0.03 g 化合物Cpd−D 0.02 g 化合物Cpd─E 0.02 g 化合物Cpd−F 0.05 g 化合物Cpd─L 0.05 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.01 g 第11層:高感度緑感性乳剤層 乳剤H 銀量 0.5 g ゼラチン 1.0 g カプラーC−4 0.3 g カプラーC−7 0.1 g カプラーC−8 0.1 g 化合物Cpd─B 0.08 g 化合物Cpd−E 0.02 g 化合物Cpd─F 0.04 g 化合物Cpd−K 5 mg 化合物Cpd─L 0.02 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.02 g 高沸点有機溶媒Oil−2 0.02 g 第12層:中間層 ゼラチン 0.6 g 化合物Cpd−L 0.05 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.05 g 第13層:イエローフィルター層 黄色コロイド銀 銀量 0.07 g ゼラチン 1.1 g 混色防止剤Cpd−A 0.01 g 化合物Cpd─L 0.01 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.01 g 染料E−2の微結晶固体分散物 0.05 g 第14層:中間層 ゼラチン 0.6 g 第15層:低感度青感性乳剤層 乳剤I 銀量 0.4 g 乳剤J 銀量 0.2 g ゼラチン 0.8 g カプラーC−5 0.2 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.4 g 第16層:中間度青感性乳剤層 乳剤K 銀量 0.4 g ゼラチン 0.9 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.6 g 第17層:高感度青感性乳剤層 実施例−1に記載の乳剤−1 銀量 0.4 g ゼラチン 1.2 g カプラーC−5 0.1 g カプラーC−6 0.1 g カプラーC−10 0.1 g 高沸点有機溶媒Oil−1 0.6 g 第18層:第1保護層 ゼラチン 0.7 g 紫外線吸収剤U−1 0.2 g 紫外線吸収剤U−2 0.05 g 紫外線吸収剤U−5 0.3 g ホルマリンスカベンジャー Cpd−H 0.4 g 染料D−1 0.15 g 染料D−2 0.05 g 染料D−3 0.1 g 第19層:第2保護層 コロイド銀 銀量 0.1 mg 微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、 AgI含量1モル%) 銀量 0.1 g ゼラチン 0.4 g 第20層:第3保護層 ゼラチン 0.4 g ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μm) 0.1 g メチルメタクリレートとアクリル酸の4:6の共重合体 (平均粒径1.5μm) 0.1 g シリコーンオイル 0.03 g 界面活性剤W−1 3.0 mg 界面活性剤W−2 0.03 g また、すべての乳剤層には上記組成物の他に添加剤F−
1〜F−8を添加した。さらに各層には、上記組成物の
他にゼラチン硬化剤H−1及び塗布用、乳化用界面活性
剤W−3、W−4、W−5、W−6を添加した。
【0103】更に防腐、防黴剤としてフェノール、1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−フェノキシ
エタノール、フェネチルアルコール、p−安息香酸ブチ
ルエステルを添加した。
【0104】試料201に用いた沃臭化銀乳剤は、表3
のとおりである。
【0105】
【表3】
【0106】増感色素は、乳剤A〜K、1の化学増感直
前に下記表4のごとく添加した。
【0107】
【表4】
【0108】試料201の作製において、添加した化合
物は、下記化15〜化28に示す通りである。
【0109】
【化15】
【0110】
【化16】
【0111】
【化17】
【0112】
【化18】
【0113】
【化19】
【0114】
【化20】
【0115】
【化21】
【0116】
【化22】
【0117】
【化23】
【0118】
【化24】
【0119】
【化25】
【0120】
【化26】
【0121】
【化27】
【0122】
【化28】
【0123】(試料201〜205の作製)試料201
の作製において、第17層の高感度青感性乳剤層に使用
した乳剤−1の代わりに、乳剤−2〜4および乳剤Aを
用いた以外は試料201と同じ手順で試料202/20
5を作製した。
【0124】(塗布試料の評価)以上のようにして得ら
れた塗布試料201〜205の試料片を1/100秒間
の露光時間、CMS20の露光量白光でウェッジ露光を
与えた後、下記の現像処理をし、センシトメトリーを行
った。RMS粒状度はマイクロデンシトメーターで走査
して得られる濃度1.1における濃度変動の標準偏差の
1000倍の値を用いた。また、実施例−1に記載の方
法で露光前後のインキュベーションを行い、耐インキュ
ベーション性および潜像保存性のテストを行った。これ
らの結果を表5にまとめた。
【0125】
【表5】
【0126】 処理工程 時間 温度 第一現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 前漂白 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 最終リンス 1分 25℃ 各処理液の組成は以下の通りであった。 (第一現像液) ニトリロ−N,N,N− トリメチレンホスホン酸・5ナトリウム塩 1.5g ジエチレントリアミン五酢酸 ・5ナトリウム塩 2.0g 亜硫酸ナトリウム 30 g ハイドロキノン・モノスルホン酸カリウム 20 g 炭酸カリウム 15 g 重炭酸ナトリウム 12 g 1−フェニル−4−メチル−4 −ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン 1.5g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム 2.0mg ジエチレングリコール 13 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 9.60 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。 (反転液) ニトリロ−N,N,N −トリメチレンホスホン酸 ・ナトリウム塩 3.0g 塩化第一スズ・2水塩 1.0g p−アミノフェノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8 g 氷酢酸 15ミリリットル 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.00 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 (発色現像液) ニトリロ−N,N,N −トリメチレンホスホン酸 ・5ナトリウム塩 2.0g 亜硫酸ナトリウム 7.0g リン酸3ナトリウム・12水塩 36 g 臭化カリウム 1.0g ヨウ化カリウム 90 mg 水酸化ナトリウム 3.0g シトラジン酸 1.5g N−エチル−N− (β−メタンスルホンアミドエチル) −3−メチル−4−アミノアニリン ・3/2硫酸・1水塩 11 g 3,6−ジチアオクタン−1,8 −ジオール 1.0g 水を加えて 1000ミリリットル pH 11.80 pHは硫酸又は水酸化カリウムで調整した。 (前漂白) エチレンジアミン4酢酸 ・2ナトリウム塩・2水塩 8.0g 亜硫酸ナトリウム 6.0g 1−チオグリセロール 0.4g ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム付加物 30 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.20 pHは酢酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 (漂白液) エチレンジアミン4酢酸 ・2ナトリウム塩・2水塩 2.0g エチレンジアミン4酢酸 ・Fe(III)・アンモニウム・2水塩 120 g 臭化カリウム 100 g 硝酸アンモニウム 10 g 水を加えて 1000ミリリットル pH 5.70 pHは硝酸又は水酸化ナトリウムで調整した。 (定着液) チオ硝酸アンモニウム 80 g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000ミリリットル pH 6.60 pHは酢酸又はアンモニア水で調整した。 (最終リンス液) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.02g ポリオキシエチレン−p −モノノニルフェニルエーテル (平均重合度10) 0.3g ポリマレイン酸 (平均分子量2,000) 0.1g 水を加えて 1000ミリリットル pH 7.0
【0127】表5から明らかなように、本発明の化合物
を用いて作製した乳剤による試料は、比較例と比べて同
等以上の感度と粒状性を有し、保存性に優れ、本発明の
効果が顕著である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記一般式(1) で表されるモ
    ノマーの繰返し単位を有するゼラチングラフトポリマー
    の少なくとも一種の存在下に形成されたことを特徴とす
    るハロゲン化銀乳剤。一般式(1) 【化1】 式中、R1 は水素原子、低級アルキル基を表し、R2
    1価の連結基を表す。R3 は炭素数3以上のアルキレン
    基を表し、Lは2価の連結基を表す。nは−R 3 −O−
    の繰返し単位の平均数を表し、4以上50以下である。
  2. 【請求項2】 ゼラチングラフトポリマーが一般式(1)
    で表されるモノマーと下記一般式(2) で表されるモノマ
    ーのそれぞれ少なくとも1種の繰返し単位からなるもの
    であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀
    乳剤。一般式(2) 【化2】 式中、R4 は水素原子、低級アルキル基を表し、R5
    1価の置換基を表し、L’は2価の連結基を表す。mは
    −CH2CH2O −の繰返し単位の平均数を表し、4以上10
    0以下である。
  3. 【請求項3】 アスペクト比が2以上100以下の平板
    粒子であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化
    銀写真乳剤。
  4. 【請求項4】 平板粒子の円相当径の変動係数が15%
    以下であることを特徴とする請求項3に記載のハロゲン
    化銀写真乳剤。
  5. 【請求項5】 支持体上に少なくとも1層の感光性ハロ
    ゲン化乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、請求項1に記載のハロゲン化銀乳剤を含有すること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773207A (en) * 1996-01-09 1998-06-30 Imation Corp. Photographic emulsions

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