JPH11174612A - ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法

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JPH11174612A
JPH11174612A JP33745997A JP33745997A JPH11174612A JP H11174612 A JPH11174612 A JP H11174612A JP 33745997 A JP33745997 A JP 33745997A JP 33745997 A JP33745997 A JP 33745997A JP H11174612 A JPH11174612 A JP H11174612A
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gelatin
group
silver halide
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carbon atoms
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JP33745997A
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English (en)
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Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
Yoichi Hosoya
陽一 細谷
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】厚みが小さく、サイズ分布が単分散であるハロ
ゲン化銀平板状粒子からなる写真乳剤及びその製法を提
供する。 【解決手段】ゼラチンと平板状ハロゲン化銀粒子からな
るハロゲン化銀写真乳剤に於いて、該ゼラチンが下記一
般式(1)のエチレン性不飽和モノマーをグラフトした
グラフトゼラチンである事を特徴とするハロゲン化銀写
真乳剤。 一般式(1) 【化1】 式中、R0 は水素原子もしくは置換または無置換のアル
キル基を表し、L′は2価、3価又は4価の連結基を表
す。lは0または1であり、mは1、2または3であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀乳剤、
特に写真用ハロゲン化銀平板粒子乳剤及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】平行な2枚以上の双晶面を含むハロゲン
化銀粒子は平板状の形態を有する。(以下「平板粒子」
と呼ぶ。)この平板粒子はその写真特性として、 1)体積に対する表面積の比率(以下比表面積と呼ぶ)
が大きく、多量の増感色素を表面に吸着させることがで
きる。その結果色増感感度が相対的に高い。 2)平板粒子を含む乳剤を塗布し乾燥した場合、その粒
子が支持体表面に平行に配列するため、粒子による光散
乱が低減できシャープネス、解像力を向上させることが
できる。また、この配列により塗布層の厚さを薄くで
き、シャープネスを向上できる。 3)比表面積が大きいので、現像進行を速くすることが
できる。 4)カバリングパワーが高く省銀化できる。 このように多くの利点を有するために、従来から高感度
の市販感材に用いられてきている。特開昭58−113
926号、同58−113927号、同58−1139
28号にはアスペクト比が8以上の乳剤粒子が開示され
ている。ここで言うアスペクト比とは平板粒子の厚さに
対する直径の比で示される。さらに粒子の直径とは粒子
を投影面積と等しい面積を有する円の直径を指すもの
(以下、投影面積径と呼ぶ。)とする。また、厚みは平
板粒子を構成する二つの平行な主表面の距離で示され
る。
【0003】また、アスペクト比の大きい平板粒子ほど
比表面積が大きくなるので上で述べたような平板粒子の
利点を大きく活用することができる。アスペクト比を大
きくするために、平板粒子の厚みを小さくする試みが種
々行われている。特公平5−12696号にはゼラチン
中のメチオニン基を過酸化水素等で無効化したゼラチン
を分散媒として用いて厚みの小さい平板粒子を調製する
方法が開示されている。特開平8−82883号にはア
ミノ基およびメチオニン基を無効化したゼラチンを分散
媒として用いて薄い平板粒子を調製する方法が開示され
ている。また、米国特許第5,380,642号、特願
平7−117684号には、合成ポリマーを分散媒とし
て用いて薄い平板粒子を調製する方法が開示されてい
る。
【0004】これまで平板粒子の単分散化の試みが種々
なされてきており、いくつかの特許が開示されている。
例えば、特開昭52−153428号、特開昭55−1
42329号、特開昭51−39027号、特開昭61
−112142号、フランス特許第2,534,036
号が挙げられる。また、特開昭63−11928号、同
63−151618号および特開平2−838号には六
角形平板粒子を含む単分散平板粒子が開示されている。
この六角形平板粒子は、三角形平板粒子と異なり、平行
な双晶面を二枚有する平板粒子の全投影面積に占める割
合が99.7%でかつその円相当径の変動係数が10.
1%の単分散平板粒子の記載がある。しかし、厚みが小
さくアスペクト比の大きな平板粒子は投影面積径の分布
が広くなり、単分散な乳剤を得ることが難しかった。一
方、米国特許第5,147,771号、同5,171,
659号、同5,147,772号、同5,147,7
73号、および欧州特許第514,742A号には、ポ
リアルキレンオキシドブロックコポリマーを核形成時に
存在させることによって単分散平板粒子を得る製造方法
が開示されており、変動係数が4.7%の単分散平板粒
子の記載がある。また、特開平7−28183号および
同7−98482号にも合成ポリマーを用いて単分散平
板粒子を調製する方法が開示されている。これらの技術
は、AgBr系では厚みが小さく、かつ優れた単分散性
を実現できているが、AgBrI系では単分散性と薄板
化の両立が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきた観点か
ら、本発明の目的は、厚みが小さく(すなわちアスペク
ト比が大きい)、かつ投影面積径の分布が単分散な平板
粒子からなる乳剤及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、次項に
よって達成された。 (1)分散媒溶液中でハロゲン化銀平板粒子を製造する
方法において該分散媒が、下記一般式(1)のエチレン
性不飽和モノマーをグラフトしたグラフトゼラチンを含
む事を特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造法又はハロゲ
ン化銀平板粒子と下記一般式(1)のエチレン性不飽和
モノマーをグラフトしたグラフトゼラチンからなるハロ
ゲン化銀写真乳剤。 一般式(1)
【0007】
【化7】
【0008】式中、R0 は水素原子もしくは置換または
無置換のアルキル基を表し、L′は2価、3価又は4価
の連結基を表す。lは0または1であり、mは1、2ま
たは3である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のハロゲン化銀写真乳剤及
びその製造法の好ましい態様の1つとしては、以下の
(2)〜(5)を挙げる事ができる。 (2)該分散媒中に下記一般式(2)で表される繰り返
し単位を有する重合体を少なくとも1種含むことを特徴
とする上記(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤又はそ
の製造方法。 一般式(2) −(R−O)n − 式中Rは炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。
nは繰り返し単位の平均数を表し、4以上200以下を
表す。
【0010】(3)一般式(2)で表される繰り返し単
位を有する重合体が、下記一般式(3)のモノマーの少
なくとも1種を構成成分とするビニル重合体または下記
一般式(4)のポリウレタンから選ばれる少なくとも1
種の重合体であることを特徴とする上記(2)に記載の
ハロゲン化銀写真乳剤又はその製造方法。 一般式(3)
【0011】
【化8】
【0012】一般式(4)
【0013】
【化9】
【0014】式中、Rは炭素数2以上10以下のアルキ
レン基を表す。nは繰り返し単位の平均値を表し、4以
上200以下を表す。R1 は水素原子、低級アルキル基
を表し、R2 は1価の置換基を表す。Lは2価の連結基
を表す。R3 、R4 は炭素数1ないし20のアルキレン
基、炭素数6ないし20のフェニレン基、または炭素数
7ないし20のアラルキレン基を表す。x、y、zは各
成分の重量百分率を表し、xは1ないし70、yは1な
いし70、zは20ないし70を表す。ここで、x+y
+z=100である。
【0015】(4)一般式(2)で表される繰り返し単
位を有する重合体が下記一般式(5)および(6)で表
されるポリアルキレンオキシドのブロック重合体成分を
有することを特徴とする上記(2)に記載のハロゲン化
銀写真乳剤又はその製造方法。 一般式(5)
【0016】
【化10】
【0017】一般式(6)
【0018】
【化11】
【0019】式中R5 は水素原子、炭素数1から10の
アルキル基、炭素数6から10のアリール基を表し、n
は1から10の整数を表す。ここで、n=1のとき、R
5 が水素原子となることはない。R6 は水素原子、また
は親水性基で置換された炭素数4以下の低級アルキル基
を表す。x、yは各単位の繰り返し数(数平均重合度)
を表す。
【0020】(5)グラフトゼラチン中のアミノ基がさ
らに化学修飾によりカルボキシル基を少くとも1個含む
基へと変換されたグラフトゼラチンである事を特徴とす
る上記(1)〜(4)に記載のハロゲン化銀写真乳剤又
はその製造方法。
【0021】このようにして得られたハロゲン化銀乳剤
は、分散媒と平板状ハロゲン化銀粒子とからなるハロゲ
ン化銀乳剤であって、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積
の50%以上、好ましくは80%以上が、主平面に平行
な双晶面を2枚以上有する平板粒子で占められており、
該平板粒子は六角形形状を持ち、かつ該平板粒子のサイ
ズ分布が単分散である事が好ましい。本発明でいう六角
平板粒子とは、六角形を形成する6つの辺の中の隣接す
る2辺の長さの比が2以下である様な平板粒子である。
本発明の平板粒子の厚みは0.01μm以上0.2μm
以下が好ましく、特に好ましくは0.02μm以上0.
15μm以下である。本発明の平板粒子は単分散である
ことが好ましいが、ここで言う単分散性は、投影面積径
の変動係数で表される。本発明の平板粒子の単分散性
は、変動係数で30%以下であり、好ましくは5〜25
%である。本発明の平板粒子のアスペクト比は2以上で
あり、好ましくは3以上50以下、特に3〜15であ
る。平均アスペクト比としても3〜50が好ましい。こ
こに平均アスペクト比とは、乳剤中に存在するアスペク
ト比2以上の全ての平板粒子のアスペクト比の平均値を
言う。アスペクト比とは周知の如くハロゲン化銀粒子の
円相当投影面積径と厚みの比である。
【0022】まず、本発明で用いるグラフトゼラチンに
ついて述べる。本発明のグラフトゼラチンは、前記一般
式(1)のエチレン性不飽和モノマーをゼラチンにグラ
フトした化合物である。一般式(1)においてR0 は水
素原子又はメチル基、エチル基、n−プロピル基などの
無置換アルキル基、カルボキシメチル基などの置換アル
キル基があげられる。これらのうち水素原子、メチル基
又はカルボキシメチル基が好ましい。L′は2価、3価
または4価の連結基であり、2価の連結基の場合には−
Q−、3価、4価の場合にはそれぞれ
【0023】
【化12】
【0024】が好ましい。
【0025】ここで、Qは2価の連結基であり、その例
はアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリ
メチレン基)、アリーレン基(例えばフエニレン基)、
【0026】
【化13】
【0027】等を挙げる事ができる。lは0または1を
表し、mは1、2または3を表す。
【0028】このような一般式(I)で表されるエチレ
ン性不飽和モノマーを以下に例示する。アクリル;メタ
クリル酸;イタコン酸;マレイン酸;イタコン酸モノア
ルキル、例えば、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モ
ノエチルなど;マレイン酸モノアルキル、例えば、マレ
イン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなど、アクリ
ルアミド酢酸、2−アクリルアミドプロピオン酸など。
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
【化17】
【0033】以上の例のうち、水溶性の含−COOHエ
チレン性不飽和モノマーが好ましく、またアクリル酸、
メタクリル酸が特に好ましい。
【0034】本発明のゼラチングラフトポリマーにおい
ては、上記の−COOH基含有エチレン性不飽和モノマ
ーとともに、他のエチレン性不飽和モノマーが共重合さ
れていてもよい。このようなモノマーとして特に好まし
いのは、その単独重合体が水に可溶であるようなモノマ
ーであり、以下のモノマーをその例として挙げることが
できる。
【0035】アクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−n−プロピルアク
リルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルモルホリ
ン、N−アクリロイルピペリジン、メタクリルアミド、
N−メチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルモル
ホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、ω−メトキシポリエチ
レングリコールアクリレート(付加モル数n=9)、ω
−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(付
加モル数n=23)、N−メトキシエチルアクリルアミ
ド等を挙げることができる。
【0036】また、他のエチレン性不飽和モノマーとし
ては、ゼラチングラフトポリマーの水溶性を損ねない範
囲で、その単独重合体が水に不溶なモノマーを共重合す
ることが可能であり、以下のモノマーをそれの例として
挙げることができる。
【0037】アクリル酸エステル類、具体的には、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチル
アクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミル
アクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、オクチルアクリレート、tert−
オクチルアクリレート、2−クロロエチルアクリレー
ト、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチル
アクリレート、シアノエチルアクリレート、2−アセト
キシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、メト
キシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フルフリ
ルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルア
クリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3
−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルア
クリレート、2−iso−プロポキシアクリレート、2
−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエ
トキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブトキシエト
キシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシ
エチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシ
エチルアクリレート等が挙げられる。その他、下記のモ
ノマー等が使用できる。
【0038】メタクリル酸エステル類:その具体例とし
ては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブ
チルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベン
ジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、
オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、
2−(3−フェニルプロピルオキシ)エチルメタクリレ
ート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クレジ
ルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメ
タクリレート、トリエチレングリコールモノメタクリレ
ート、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、2
−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチル
メタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレー
ト、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート、2−
エトキシエチルメタクリレート、2−iso−プロポキ
シエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリ
レート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリ
レート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルメタクリ
レート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリ
レート、アリルメタクリレートなどを挙げることができ
る。
【0039】ビニルエステル類:その具体例としては、
ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチ
レート、ビニルイソブチレート、ビニルカプロエート、
ビニルクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、
ビニルフェニルアセテート、安息香酸ビニル、サリチル
酸ビニルなど; アクリルアミド類:例えばブチルアクリルアミド、te
rt−ブチルアクリルアミド、シクロヘキシルアクリル
アミド、ベンジルアクリルアミド、フェニルアクリルア
ミド、β−シアノエチルアクリルアミド、N−(2−ア
セトアセトキシエチル)アクリルアミドなど;
【0040】メタクリルアミド類:例えば、ブチルメタ
クリルアミド、tert−ブチルメタクリルアミド、シ
クロヘキシルメタクリルアミド、ベンジルメタクリルア
ミド、フェニルメタクリルアミド、N−(2−アセトア
セトキシエチル)メタクリルアミドなど;
【0041】オレフィン類:例えば、ジシクロペンタジ
エン、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロ
プレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエンな
ど;
【0042】スチレン類:スチレン、メチルスチレン、
ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレ
ン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メ
トキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレ
ン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香
酸メチルエステルなど;
【0043】ビニルエーテル類:例えば、ブチルビニル
エーテル、ヘキシルビニルエーテルなど;
【0044】その他として、クロトン酸ブチル、クロト
ン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、
フマル酸ジブチル、フェニルビニルケトン、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル、メチレンマロンニトリ
ル、塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
【0045】上記のゼラチンにグラフト重合するエチレ
ン性不飽和モノマーのうち、−COOH基を有するエチレン
性不飽和モノマーの割合は約1ないし100重量%、好
ましくは30ないし100重量%であり、その他のエチ
レン性不飽和モノマーの割合は0ないし約99重量%、
好ましくは0ないし70重量%である。また、その他の
エチレン性不飽和モノマーのうち、その単独重合体が水
に不溶である様なモノマーの割合は、他のモノマーの種
類や量等により、種々変わりうるが、0ないし50重量
%の範囲が好ましい。上記のアニオン性基を有するモノ
マー、その他のモノマーは、それぞれ2種以上用いても
よい。本発明のゼラチングラフトポリマーにおいて、グ
ラフト重合するエチレン性不飽和モノマーのゼラチンに
対する比率は、1〜500重量%、好ましくは1〜30
0重量%、より好ましくは3〜100重量%の範囲であ
る。
【0046】グラフト反応に用いられるゼラチンとして
は、石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや酵素処
理ゼラチンあるいは酸化処理ゼラチンを用いてもよく、
またゼラチンの加水分解物や酵素分解物を用いてもよ
い。また、ゼラチンの側鎖を修飾したゼラチン誘導体も
含まれ、このようなゼラチン誘導体としては、米国特許
第2,525,753号、同第2,614,928号等
に記載されたものが含まれる。また、分解物ゼラチンを
用いたグラフトポリマー製造に関しては、英国特許第
1,424,981号にも記載されている。
【0047】以下に本発明のアニオン性ゼラチングラフ
トポリマーの化合物について、「グラフト重合反応に供
したエチレン性不飽和モノマー−g−ゼラチン」の形で
例示するが、本発明がこれらに限定されるものではな
い。また特にことわらない限り、ゼラチンは石灰処理ゼ
ラチンを表すものとする。カッコ内は各成分の重量比を
表し、ゼラチン量を100とした相対値を示す。
【0048】 P−1 アクリル酸−g−ゼラチン(6/100) P−2 アクリル酸−g−ゼラチン(12/100) P−3 アクリル酸−g−ゼラチン(24/100) P−4 アクリル酸−g−ゼラチン(50/100) P−5 アクリルアミド/アクリル酸−g−ゼラチン
(20/10/100) P−6 アクリルアミド/アクリル酸−g−ゼラチン
(20/20/100) P−7 メタクリル酸−g−ゼラチン(15/100)
【0049】P−8 アクリルアミド/メタクリル酸−
g−ゼラチン(25/15/100) P−9 アクリルアミド/ジアセトンアクリルアミド/
アクリル酸−g−ゼラチン(15/10/25/10
0) P−10 メタクリルアミド/メタクリル酸−g−ゼラチ
ン(50/25/100) P−11 N−アクリロイルモルホリン/アクリルアミド
/アクリル酸−g−ゼラチン(30/50/20/10
0) P−12 メチルアクリレート/アクリルアミド/アクリ
ル酸−g−ゼラチン(10/20/20/100) P−13 メトキシエチルアクリレート/アクリル酸/メ
タクリル酸−g−ゼラチン(20/50/30/10
0) P−14 2−ヒドロキシエチルアクリレート/アクリル
アミド/アクリル酸−g−ゼラチン(5/30/15/
100) P−15 アクリル酸/2−アセトアセトキシエチルメタ
クリレート−g−ゼラチン(47/3/100)
【0050】P−16 アクリル酸−g−酸化処理ゼラチ
ン(6/100) P−17 アクリル酸−g−酸化処理ゼラチン(12/1
00) P−18 アクリルアミド/アクリル酸−g−酸化処理ゼ
ラチン(14/6/100) P−19 メタクリル酸−g−酸化処理ゼラチン(10/
100) P−20 アクリル酸−g−酸化処理ゼラチン(20/1
00)
【0051】これらのうち−COOH基を含むポリマー
は、水溶液のpHの低下によるゼラチンの凝集を避ける
ためにアルカリによって適度に中和されていてもよい。
【0052】本発明のゼラチングラフトポリマーの製造
法については、例えば、米国特許第2,548,520
号、同第2,831,767号、特公昭53−2422
8号等の記載を参考にすることができる。
【0053】好ましい製造法について以下に説明すると
ゼラチンを均一に溶解した媒体中で重合開始剤の存在
下、エチレン性不飽和モノマーの重合を行えばよい。媒
体としては水が好ましいが、必要に応じて補助溶媒(好
ましくは水に混和しうる有機溶媒、例えばメタノール、
エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、ア
セトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等)を
水と混合して用いてもよい。水に混和しうる有機溶媒の
量は水に対して体積比で0〜100%、好ましくは0〜
50%である。
【0054】重合反応は通常、重合すべき単量体に対し
0.05〜5重量%のラジカル重合開始剤を用い、一般
に30℃ないし100℃、好ましくは40℃ないし90
℃の温度で行われる。
【0055】重合開始剤としては、アゾビス化合物、パ
ーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、レドックス触
媒など、たとえば過硫酸カリウム、硝酸セリウムアンモ
ニウム、過硫酸カリウムと亜硫酸水素ナトリウムの併
用、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、tert−ブチ
ルパーオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、イソ
プロピルパーカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキ
サイド、2,2′−アゾビスイソブチレート、2,2′
−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライ
ドなどがある。
【0056】開始剤の種類やグラフト重合の条件につい
ては、過酸化物開始系が米国特許第2,548,520
号、同第2,831,767号に、アゾビス化合物開始
系が特公昭53−24228号に記載されており、これ
らに記載された化合物や重合法を用いることもできる。
【0057】エチレン性不飽和モノマーの添加は、予め
ゼラチンに全量を混合してもよいが、数分ないし1時間
程度かけて滴下してもよい。重合開始剤はエチレン性不
飽和モノマーの添加完了後に投入してもよいし、エチレ
ン性不飽和モノマーと同時、あるいは、添加前に投入し
ても構わない。
【0058】本発明のエチレン性不飽和モノマーの重合
反応においては、ゲル化等によるポリマーの不溶化が起
こらない範囲内ならば重合開始剤、濃度、重合温度、反
応時間などを幅広くかつ容易に変更できることは言うま
でもない。
【0059】以下に本発明におけるゼラチンへのグラフ
ト反応の合成例を示す。 合成例1(例示化合物P−2の合成) 攪拌装置、温度計を装着した500ml三ツ口フラスコに
ゼラチン30g、アクリル酸3.6g、蒸留水200ml
を入れ、窒素気流下40℃に加温攪拌した。硝酸セリウ
ムアンモニウム0.82g、1N硝酸15g、蒸留水2
50mlの溶液を添加し、さらに40℃で6時間攪拌を続
けた。得られた液を40℃で2日間透析し、室温まで冷
却して例示化合物P−2の水溶液980gを得た(溶液
の固形分は3.1%であった)。
【0060】合成例2(例示化合物P−6の合成) 合成例1において、添加するモノマーをアクリルアミド
6g、アクリル酸6gとした以外は合成例1と全く同じ
方法で例示化合物P−6の水溶液1020gを得た(溶
液の固形分は4.0%であった)。
【0061】さらに、本発明のグラフトゼラチンは、そ
のアミノ基が−COOH基を少くとも1個含む基で置換
されていてもよい。−COOH基の導入に関する具体的
な手段としては、ゼラチンに反応試薬を添加してアミノ
基(−NH2 )を修飾する方法が取れる。試薬としては
以下に具体例として挙げるが、これらに限定されるもの
ではない。 少なくとも、1つ以上の酸無水物構造を有する化合
物。例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水
メリット酸等が挙げられる。 少なくとも、1つ以上のカルボン酸を持つ化合物で、
その構造中にイソシアネート基を少なくとも1つ以上持
つような化合物。 少なくとも、1つ以上のカルボン酸を持つ化合物で、
その構造中にアルデヒド又はケトンを少なくとも1つ以
上持つような化合物。 少なくとも、1つ以上のカルボン酸を持つ化合物で、
その構造中にイミドエステルを少なくとも1つ以上持つ
ような化合物。 アミノ基(−NH2 基)の置換率は、ゼラチン分子中の
リジン残基の−NH2基(ε−NH2 基)に対しては6
0%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90
%以上であり、ゼラチン分子中の全−NH2 基(α−N
2 基、ε−NH2 基、グアニジル基)に対しては30
%以上、好ましくは50%以上である。
【0062】以下に、アミノ基を修飾したグラフトゼラ
チンについて例示するが、本発明がこれらに限定される
ものではない。 P−21 P−2と無水フタル酸の反応物 P−22 P−2と無水コハク酸の反応物 P−23 P−2と無水トリメリット酸の反応物 P−24 P−2と無水マレイン酸の反応物 P−25 P−3と無水フタル酸の反応物 P−26 P−5と無水フタル酸の反応物 P−27 P−5と無水コハク酸の反応物 P−28 P−5と無水トリメリット酸の反応物 P−29 P−7と無水フタル酸の反応物 P−30 P−10と無水トリメリット酸の反応物
【0063】アミノ基の修飾に関しては、古くから多様
な手法が開発されている。例えば、米国特許第2,52
5,753号、同3,118,766号、同2,61
4,928号、同2,614,929号、特公昭40−
15585号、特開平8−82883号、および、日本
写真学会誌58巻25頁(1995年)などの記載を参
考に出来る。また、アミノ基を修飾したグラフトゼラチ
ンを製造する際には、予めアミノ基を修飾したゼラチン
に対しグラフト反応を行ってもよいし、グラフトゼラチ
ンを作成したのちにアミノ基を修飾しても構わない。
【0064】次に、本発明のグラフトゼラチンに加え、
ハロゲン化銀乳剤に好ましく用いられる重合体について
詳細に説明する。本発明の平板粒子乳剤を形成する際に
用いられる重合体は、前記一般式(2)で表される繰り
返し単位を有する重合体である。一般式(2)において
Rは炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。nは
繰り返し単位の平均数を表し、4以上200以下を表
す。また、本発明の乳剤を形成させるに際しては、一般
式(2)の繰り返し単位が含まれていれば好ましく用い
ることができるが、前記一般式(3)で表されるモノマ
ーの少なくとも1種を構成成分とするビニル重合体ある
いは、前記一般式(4)のポリウレタンが好ましく用い
られ、前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有す
るビニル重合体が特に好ましい。
【0065】一般式(3)及び一般式(4)においてR
は炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。nは繰
り返し単位の平均数を表し、4以上200以下を表す。
1は水素原子、低級アルキル基、R2 は1価の置換
基、およびLは2価の連結基を表す。R3 、R4 は炭素
数1ないし20のアルキレン基、炭素数6ないし20の
フェニレン基、または炭素数7ないし20のアラルキレ
ン基を表す。x、y、zは各成分の重量百分率を表し、
xは1ないし70、yは1ないし70、zは20ないし
70を表す。ここで、x+y+z=100である。
【0066】本発明で用いられる上記ポリマーに関する
具体的な例を以下に示すが、本発明のポリマーはこれら
に限定されるものではない。更に詳細な具体例や、一般
的な記載に関しては特願平8−113454号に記載さ
れている。
【0067】
【化18】
【0068】本発明の一般式(2)で表される繰り返し
単位を有する重合体の好ましい例として、さらに前記一
般式(5)および(6)で表されるポリアルキレンオキ
シドのブロック重合体が挙げられる。一般式(5)及び
(6)において、R5 は水素原子、炭素数1から10の
アルキレン基、炭素数6から10のアリール基を表し、
nは1から10の整数を表す。ここで、n=1のとき、
9 が水素原子となることはない。R6 は水素原子、ま
たは親水性基で置換された炭素数4以下の低級アルキル
基を表す。x、yは各単位の繰り返し数(数平均重合
度)を表す。
【0069】本発明で用いられる上記ブロック重合体に
関する具体的例を以下に示すが、本発明のポリマーはこ
れらに限定されるものではない。更に詳細な具体例や、
一般的な記載は、欧州特許513,722号、同51
3,723号、同513,724号、同513,735
号、同513,742号、同513,743号、同51
8,066号、特願平8−113454号に記載されて
いる。
【0070】
【化19】
【0071】次に、本発明のハロゲン化銀乳剤の製法に
ついて述べる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、 核形成→熟成→成長 と言う過程で製造することができる。本発明のゼラチン
は、少なくとも粒子形成中の成長前から、好ましくは核
形成直後から、更に好ましくは核形成前から存在するこ
とが好ましい。その量は、粒子形成中の全分散媒中に対
して20%以上、好ましくは50%以上、更に好ましく
は80%以上である。本発明のゼラチンを用いると厚み
が小さく、かつ単分散な平板粒子が得られる。また、本
発明のゼラチンを用いた粒子形成中に一般式(2)で表
される水溶性ポリマーを存在させることで単分散性を上
げることが出来る。一般式(2)で表される水溶性ポリ
マーは、粒子形成中に存在させる場合、粒子形成中の何
処に存在しても良いが、少なくとも成長前から、好まし
くは熟成前から、更に好ましくは核形成前から存在する
ことが望ましい。また、その量は核形成で使用される硝
酸銀に対して、重量で0.1倍以上50倍以下、好まし
くは0.1倍以上30倍以下で用いることが出来る。
【0072】以下に、核形成、熟成、および成長の各過
程について説明する。 1.核形成 平板粒子の核形成は、一般にはゼラチンの水溶液を保持
する反応容器に、銀塩水溶液とハロゲン化アルカリ水溶
液を添加して行われるダブルジェット法、あるいはハロ
ゲン化アルカリを含むゼラチン溶液に銀塩水溶液を添加
するシングルジェット法が用いられる。また、必要に応
じて銀塩を含むゼラチン溶液にハロゲン化アルカリ水溶
液を添加する方法も用いることができる。さらに、必要
に応じて特開昭2−44335号に開示されている混合
器にゼラチン溶液と銀塩溶液とハロゲン化アルカリ水溶
液を添加し、ただちにそれを反応容器に移すことによっ
て平板粒子の核形成を行うこともできる。また、米国特
許第5,104,786号に開示されているように、ハ
ロゲン化アルカリと保護コロイド溶液を含む水溶液をパ
イプに通しそこに銀塩水溶液を添加することにより核形
成を行うこともできる。核形成は、ゼラチンを分散媒と
し、pBrが1〜4の条件で分散媒形成することが好ま
しい。ゼラチンの種類としては、本発明のゼラチンを用
いることが好ましいが、アルカリ処理ゼラチン、低分子
量ゼラチン(分子量:3000〜4万)、もしくは酸化
処理ゼラチンを用いても良いし、本発明ゼラチンとこれ
らのゼラチンを同時に使用しても良い。同時に使用する
際の本発明ゼラチンは全分散媒に対して20%以上、好
ましくは50%以上、更に好ましくは80%以上であ
る。分散媒の濃度は、10重量%以下が好ましく、さら
に1重量%以下がより好ましい。核形成時の温度は、5
〜60℃が好ましいが、平均粒径が0.5μm以下の微
粒子平板粒子を作る場合は5〜48℃がより好ましい。
分散媒のpHは、本発明ゼラチンを用いる場合は、4以
上10以下が好ましいが、それ以外のゼラチンを用いる
場合は2以上10以下が好ましい。添加するハロゲン化
アルカリ溶液の組成としては、Br- に対するI- 含量
は生成するAgBrIの固溶限界以下、好ましくは10
モル%以下である。
【0073】2.熟成 1.における核形成では、平板粒子以外の微粒子(特
に、八面体および一重双晶粒子)が形成される。次に述
べる成長過程に入る前に平板粒子以外の粒子を消滅せし
め、平板粒子となるべき形状でかつ単分散性の良い核を
得る必要がある。これを可能とするために、核形成に引
き続いてオストワルド熟成を行うことがよく知られてい
る。核形成後直ちにpBrを調節した後、温度を上昇さ
せ六角平板粒子比率が最高となるまで熟成を行う。この
時に、ゼラチン溶液を追添加しても良い。その際の分散
媒溶液に対するゼラチンの濃度は、10重量%以下であ
ることが好ましい。この時使用する追添加ゼラチンは、
本発明ゼラチンを用いるのが好ましいが、アルカリ処理
ゼラチン、酸化処理ゼラチンを用いても良い。熟成の温
度は、40〜80℃、好ましくは50〜80℃であり、
pBrは1.2〜3.0である。また、pHは本発明ゼ
ラチンが存在する場合は4以上10以下が好ましいが、
それ以外のゼラチンの場合は2以上8以下が好ましい。
また、この時平板粒子以外の粒子を速やかに消失せしめ
るために、ハロゲン化銀溶剤を添加しても良い。この場
合のハロゲン化銀溶剤の濃度としては、0.3mol/リットル以
下が好ましく、0.2mol/リットル以下がより好ましい。直接
反転用乳剤として用いる場合は、ハロゲン化銀溶剤とし
て、アルカリ性側で用いられるNH3 より、中性、酸性
側で用いられるチオエーテル化合物等のハロゲン化銀溶
剤の方が好ましい。このように熟成して、ほぼ〜100
%平板状粒子のみとする。熟成が終わった後、次の成長
過程でハロゲン化銀溶剤が不要の場合は次のようにして
ハロゲン化銀溶剤を除去する。 NH3 のようなアルカリ性ハロゲン化銀溶剤の場合
は、HNO3 のようなAg+ との溶解度積の大きな酸を
加えて無効化する。 チオエーテル系ハロゲン化銀溶剤の場合は、特開昭
60−136736号に記載のごとくH2 2 等の酸化
剤を添加して無効化する。
【0074】3.成長 熟成過程に続く結晶成長期のpBrは1.4〜3.5に
保つことが好ましい。成長過程に入る前の分散媒溶液中
のゼラチン濃度が低い場合(1重量%以下)に、ゼラチ
ンを追添加する場合がある。その際、分散媒溶液中のゼ
ラチン濃度は、1〜10重量%にすることが好ましい。
この時使用するゼラチンは、本発明ゼラチンである。成
長中のpHは、4以上10以下、好ましくは5以上8以
下である。結晶成長期におけるAg+ 、およびハロゲン
イオンの添加速度は、結晶臨界成長速度の20〜100
%、好ましくは30〜100%の結晶成長速度になるよ
うにする事が好ましい。この場合、結晶成長とともに銀
イオンおよびハロゲンイオンの添加速度を増加させてい
くが、その場合、特公昭48−36890号、同52−
16364号記載のように、銀塩およびハロゲン塩水溶
液の添加速度を上昇させても良く、水溶液の濃度を増加
させても良い。成長期に、その核の上に堆積させるAg
Xのヨウド含量は、0モル%〜固溶限界濃度とするのが
よい。
【0075】本発明におけるハロゲン化銀とは、例え
ば、臭化銀、ヨウ臭化銀、および塩化銀含量が30モル
%以下の塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀等である。本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料の乳剤層のその他の構成につい
ては特に制限はなく、必要に応じて種々の添加剤を用い
ることができる。添加することのできる化学増感剤、分
光増感剤、かぶり防止剤、金属イオンドープ剤、ハロゲ
ン化銀溶剤、安定剤、染料、カラーカプラー、DIRカ
プラー、バインダー、硬膜剤、塗布助剤、増粘剤、乳剤
沈降剤、可塑剤、寸度安定改良剤、帯電防止剤、蛍光増
白剤、滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、散乱または吸
収材料、硬化剤、接着防止、写真特性改良剤(例えば現
像促進剤、硬調化剤など)、現像剤等写真的に有利なフ
ラグメント(現像抑制剤または促進剤、漂白促進剤、現
像剤、ハロゲン化銀溶剤、トナー、硬膜剤、カブリ防止
剤、競争カプラー、化学または分光増感剤及び減感剤)
を放出するカプラー、像色素安定剤、自己抑制現像剤、
およびその使用法、また、分光増感における超増感、分
光増感色素のハロゲン受容体効果や電子受容体効果、か
ぶり防止剤、安定剤、現像促進剤または抑制剤の作用、
その他、本発明の乳剤の製造に用いる製造装置、反応装
置、攪拌装置、塗布、乾燥法、露光法(光源、露光雰囲
気、露光方法)、そして写真支持体、微孔性支持体、下
塗り層、表面保護層、マット剤、中間層、ハレーション
防止層、AgX乳剤の層構成および写真処理剤、写真処
理方法についてはリサーチ・デスクロージャー誌、17
6巻、1978年、12月号(アイテム17643)、
同184巻1979年8月号(アイテム18431)、
同134巻、1975年6月号(アイテム1345
2)、プロダクト・ライセンシング インデックス誌9
2巻107〜110(1971年12月)、特開昭58
−113926〜113928号、同62−3134
号、同62−6251号、日化協月報1984年12月
号、P18〜27、特開昭62−219982号、T.H.
James,The Theory of The Photographic Process, Four
th Edission, Macmillan, New York, 1977年、V.L.Zeli
kman et al. 著 Making and Coating Photographic Emu
lsion(The Focal Press刊、1964年)の記載を参考にす
ることができる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、必要に
より他の乳剤と共に支持体上に一層もしくはそれ以上設
けることができる。また、支持体の片側に限らず両面に
設けることができる。また、異なる感色性の乳剤として
重層することもできる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、
黒白ハロゲン化銀写真感光材料(例えば、Xレイ感材、
リス型感材、黒白撮影用ネガフィルムなど)やカラー写
真感光材料(例えば、カラーネガフィルム、カラー反転
フィルム、カラーペーパー等)に用いることができる。
さらに、拡散転写用感光材料(例えば、カラー拡散転写
要素、銀塩拡散転写要素)、熱現像感光材料(黒白、カ
ラー)等にも用いることができる。次に実施例により本
発明を更に詳細に説明するが、本発明の実施態様はこれ
に限定されるものではない。
【0076】
【実施例】比較例1 0.38gのKBr、低分子量ゼラチン(分子量:15
000)0.5gを含有する分散媒溶液1リットル(p
H=5)を反応容器に40℃に保ち、それを攪拌しなが
らダブルジェット法で、0.29 mol/リットルの硝酸銀溶
液と同じく0.29 mol/リットルのKBr溶液とを各々2
0ccずつ、40秒間で添加した。添加後この分散媒溶液
を15分かけて75℃に昇温した。昇温後15分経過後
にアルカリ処理ゼラチン35gと水250ccを含んだ分
散媒溶液(A)を新たに添加した。この際、pHは6に
調整された。この後、1.2 mol/リットルの硝酸銀溶液が
加速された流量で734cc添加された。この間、pBr
は2.93に保たれるようにKBr溶液が同時に添加さ
れた。 比較例2 比較例1において、分散媒溶液(A)の代わりに、酸化
処理ゼラチン35gと水250ccを含んだ分散媒溶液を
用いた以外は、比較例1と同様に粒子形成を行った。こ
こで、酸化処理ゼラチンとは、アルカリ処理ゼラチンを
過酸化水素で酸化処理して、ゼラチン中のメチオニンを
完全に酸化したものである。 比較例3 比較例1において、分散媒溶液(A)の代わりに、フタ
ル化ゼラチン35gと水250ccを含んだ分散媒を用い
た以外は、比較例1と同様に粒子形成を行った。ここ
で、フタル化ゼラチンとは、アルカリ処理ゼラチン中の
アミノ基を無水フタル酸で98%置換したものである。 比較例4 比較例1において、分散媒溶液(A)の代わりに、トリ
メリット化ゼラチン35gと水250ccを含んだ分散媒
を用いた以外は、比較例1と同様に粒子形成を行った。
ここで、トリメリット化ゼラチンとは、アルカリ処理ゼ
ラチン中のアミノ基を無水トリメリット酸で98%置換
したものである。
【0077】実施例1 本発明 比較例1において、分散媒溶液(A)の代わりに、本発
明のゼラチン35gと水250ccを含んだ分散媒を用い
た以外は、比較例1と同様に粒子形成を行った。比較例
1および実施例1で得られた粒子は、いずれも主平面が
{111}面である六角状AgBr平板粒子であった。
サイズ分布は(表1)に示した。 実施例2 本発明 比較例1において、分散媒溶液(A)の代わりに、本発
明のゼラチン35gと水250ccを含んだ分散媒を用い
た以外は、比較例1と同様に粒子形成を行った。比較例
2および実施例2で得られた粒子は、いずれも主平面が
{111}面である六角状AgBr平板粒子であった。
サイズおよびサイズ分布は(表2)に示した。 実施例3 本発明 比較例1において、分散媒溶液(A)の代わりに、本発
明のゼラチン35gと水250ccを含んだ分散媒を用い
た以外は、比較例1と同様に粒子形成を行った。比較例
3および実施例3で得られた粒子は、いずれも主平面が
{111}面である六角状AgBr平板粒子であった。
サイズおよびサイズ分布は(表3)に示した。 実施例4 比較例1において、分散媒溶液(A)の代わりに、本発
明ゼラチン35gと水250ccを含んだ分散媒を用いた
以外は、比較例1と同様に粒子形成を行った。比較例4
および実施例4で得られた粒子は、いずれも主平面が
{111}面である六角状AgBr平板粒子であった。
サイズおよびサイズ分布は(表4)に示した。グラフト
ポリマー化したゼラチンを用いることで単分散性を損な
わずに平板粒子の厚みが減少した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】実施例5 実施例1において、75℃に昇温直後、4%の水溶液と
したアルキレンオキシドポリマー(PP−1)を50cc
添加し、pHを9に調整した以外は、実施例1と同様の
工程を行った。 実施例6 実施例1において、75℃に昇温直後、0.22%の水
溶液とした合成ポリマー(BASF社製 PLURON
IC TM31R1:化合物B−1に相当)を50cc添
加し、pHを9に調整した以外は、実施例1と同様の工
程を行った。実施例5、および6で得られた粒子は、い
ずれも主平面が{111}面である六角状AgBr平板
粒子であり、サイズおよびサイズ分布は(表5)に示す
通りであった。
【0083】
【表5】
【0084】実施例7 実施例1と全く同じようにして粒子形成を行った後、3
5℃に冷却し、粒子をフロキュレーション法で水洗し、
分散させて(乳剤A)を得た。 実施例8 実施例7で得られた乳剤Aに化学増感と分光増感を施し
て特開平6−258788号の実施例3のサンプル6
(試料 No.101)の感材の第5層に用い、同実施例と
同じ処理をして良好な性能が得られた。 実施例9 実施例7で得られた乳剤Aに化学増感と分光増感を施し
て特開平6−273866号の実施例1の感材−Xの乳
剤として用い、スクリーンBと組み合わせて同実施例の
如く処理して良好な性能が得られた。 実施例10 実施例7で得られた乳剤Aに化学増感と分光増感を施し
て特開平2−854号の実施例1(試料 No.101)の
感材の第6層に用い、同実施例と同じ処理をして良好な
結果を得た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチンと平板状ハロゲン化銀粒子から
    なるハロゲン化銀写真乳剤に於いて、該ゼラチンが下記
    一般式(1)のエチレン性不飽和モノマーをグラフトし
    たグラフトゼラチンである事を特徴とするハロゲン化銀
    写真乳剤。 一般式(1) 【化1】 式中、R0 は水素原子もしくは置換または無置換のアル
    キル基を表し、L′は2価、3価又は4価の連結基を表
    す。lは0または1であり、mは1、2または3であ
    る。
  2. 【請求項2】 分散媒溶液中でハロゲン化銀平板粒子を
    製造する方法において該分散媒が、下記一般式(1)の
    エチレン性不飽和モノマーをグラフトしたグラフトゼラ
    チンを含む事を特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製造
    法。 一般式(1) 【化2】 式中、R0 は水素原子もしくは置換または無置換のアル
    キル基を表し、L′は2価、3価又は4価の連結基を表
    す。lは0または1であり、mは1、2または3であ
    る。
  3. 【請求項3】 乳剤中に下記一般式(2)で表される繰
    り返し単位を有する重合体を少なくとも1種含むことを
    特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真乳
    剤又はその製造方法。 一般式(2) −(R−O)n − 式中Rは炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。
    nは繰り返し単位の平均数を表し、4以上200以下を
    表す。
  4. 【請求項4】 一般式(2)で表される繰り返し単位を
    有する重合体が、下記一般式(3)のモノマーの少なく
    とも1種を構成成分とするビニル重合体または下記一般
    式(4)のポリウレタンから選ばれる少なくとも1種の
    重合体であることを特徴とする請求項3記載のハロゲン
    化銀写真乳剤又はその製造方法。 一般式(3) 【化3】 一般式(4) 【化4】 式中、Rは炭素数2以上10以下のアルキレン基を表
    す。nは繰り返し単位の平均値を表し、4以上200以
    下を表す。R1 は水素原子、低級アルキル基を表し、R
    2 は1価の置換基を表す。Lは2価の連結基を表す。R
    3 、R4 は炭素数1ないし20のアルキレン基、炭素数
    6ないし20のフェニレン基、または炭素数7ないし2
    0のアラルキレン基を表す。x、y、zは各成分の重量
    百分率を表し、xは1ないし70、yは1ないし70、
    zは20ないし70を表す。ここで、x+y+z=10
    0である。
  5. 【請求項5】 一般式(2)で表される繰り返し単位を
    有する重合体が下記一般式(5)および(6)で表され
    るポリアルキレンオキシドのブロック重合体成分を有す
    ることを特徴とする請求項3記載のハロゲン化銀写真乳
    剤又はその製造方法。 一般式(5) 【化5】 一般式(6) 【化6】 式中R5 は水素原子、炭素数1から10のアルキル基、
    炭素数6から10のアリール基を表し、nは1から10
    の整数を表す。ここで、n=1のとき、R5 が水素原子
    となることはない。R6 は水素原子、または親水性基で
    置換された炭素数4以下の低級アルキル基を表す。x、
    yは各単位の繰り返し数(数平均重合度)を表す。
  6. 【請求項6】 グラフトゼラチン中のアミノ基がさらに
    化学修飾によりカルボキシル基を少くとも1個含む基へ
    と変換されたグラフトゼラチンである事を特徴とする請
    求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真乳剤又はその製
    造方法。
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