JP3388914B2 - ハロゲン化銀乳剤 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真の分野において有用
であるハロゲン化銀(以後、「AgX」と記す)乳剤に
関し、特に主平面が{100}面である平板状粒子を含
有するAgX乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】主平面が{100}面である平板状Ag
X粒子を含有するAgX乳剤に関しては、特開昭51−
88017号、特公昭64−8323号、欧州特許05
34395A1に記載されている。しかし、AgClを
含有する該平板状AgX乳剤では欧州特許053439
5A1の実施例の粒子写真に見られる如く、双晶粒子の
混入比率が高く、かつ、粒子サイズ分布が広い。例えば
該明細書のFig.1では粒子数が多い為にその存在確
率の信頼度が高いと思われるが、それによると、100
×(双晶粒子の投影面積の合計/アスペクト比2以上の
平板状粒子の投影面積の合計)=a4は約11%であ
る。また、厚さ0.35μm以下の該平板状粒子の粒子
サイズ分布の変動係数は広い。特に投影面積が大きい粒
子の直径分布が写真性に重要であるが、該分布が広い。
例えば該平板状粒子を投影面積の大きい方から順に該平
板状粒子の全投影面積の70%までを取り出した場合、
その直径分布の変動係数(標準偏差/平均直径)は0.
12を越える。また、該平板状粒子のエッジ比(長辺の
エッジ長/短辺のエッジ長)が1.4以下である該平板
状粒子の投影面積比率が低い。例えばFig.1では約
0.4である。これらは写真の感度、画質を悪化させ
る。その他、該平板状粒子と針状晶粒子を含むAgX乳
剤に関しては特開昭63−271335号に記載されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はAgC
lを含有し、より感度、画質が改良されたAgX乳剤を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は次項によ
って達成された。 (1) 少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含むハロ
ゲン化銀乳剤において、該ハロゲン化銀粒子の全投影面
積の60%以上がCl-含率が20モル%以上で主平面
が{100}面で、厚さが0.35μm以下でアスペク
ト比(円相当直径/厚さ)が2以上の平板状粒子であ
り、該平板状粒子の核部分にハロゲン組成ギャップ面を
有し、該ハロゲン組成ギャップがCl - またはBr - 含率
で25〜100モル%であり、かつ、双晶粒子の投影面
積の合計が該平板状粒子の全投影面積の10%以下であ
ることを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0005】(2) 該平板状粒子を投影面積の大きい方か
ら順に該平板状粒子の全投影面積の70%までを取り出
した場合に、その直径分布の変動係数が0〜0.11で
ることを特徴とする(1)記載のハロゲン化銀乳剤。少
なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀
乳剤において、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積の60
%以上がCl- 含率が20モル%以上で、主平面が{1
00}面で、厚さが0.35μm以下でアスペクト比が
2以上の平板状粒子であり、かつ、該平板状粒子を投影
面積の大きい方から順に該平板状粒子の全投影面積の7
0%までを取り出した場合に、その直径分布の変動係数
が0〜0.11であることを特徴とするハロゲン化銀乳
剤。
【0006】(3) 該平板状粒子の全投影面積の47%以
上がエッジ比(長辺のエッジ長/短辺のエッジ長)が1
〜1.4であることを特徴とする(1)記載のハロゲン化
銀乳剤。
【0007】(4) 該平板状粒子の全投影面積の10%
以上が4つの角の内の1つの角が優先的に欠損し、丸味
を帯びた形状であることを特徴とする(1)記載のハロゲ
ン化銀乳剤。
【0008】その他の本発明の好ましい実施態様は次の
通りである。 (5) 少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を含むハロゲ
ン化銀乳剤において、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積
の60%以上が、Cl- 含率が20モル%以上で、主平
面が{100}面で、厚さが0.35μm以下でアスペ
クト比が2以上の平板状粒子であり、かつ、該平板状粒
子が前記(1)〜(4)の内の少なくとも2つの特徴を
有することを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0009】(6) 少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子
を含むハロゲン化銀乳剤において、該ハロゲン化銀粒子
の全投影面積の60%以上がCl- 含率が20モル%以
上で、主平面が{100}面で、厚さが0.35μm以
下でアスペクト比が2以上の平板状粒子であり、かつ、
該平板状粒子が前記(1)〜(4)の少なくとも3つの
特徴を有することを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0010】(7) 少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子
を含むハロゲン化銀乳剤において、該ハロゲン化銀粒子
の全投影面積の60%以上がCl- 含率が20モル%以
上で、主平面が{100}面で、厚さが0.35μm以
下でアスペクト比が2以上の平板状粒子であり、かつ、
該平板状粒子が前記(1)〜(4)の特徴を有すること
を特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0011】次に本発明を更に詳細に説明する。少なく
とも分散媒とハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤
において、該ハロゲン化銀粒子の全投影面積の60%以
上、好ましくは70%以上、より好ましくは80〜10
0%が、Cl- 含率20モル%以上、好ましくは50モ
ル%以上、より好ましくは75〜99.99モル%、更
に好ましくは90〜99.9モル%で主平面が{10
0}面である平板状粒子である。主平面は平板状粒子の
最大外表面を指す。該平板状粒子の厚さは0.35μm
以下が好ましく、0.05〜0.3μmがより好まし
く、0.05〜0.25μmが更に好ましい。アスペク
ト比(直径/厚さ)は2以上、好ましくは2〜25、よ
り好ましくは4〜20である。ここで直径とは、該平板
状粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(円相
当直径)を指し、厚さは2つの主平面間の距離を指す。
該ハロゲン化銀乳剤には双晶粒子が混入し易いが、本発
明のAgX乳剤ではa4 値が10%以下、好ましくは0
〜8%、より好ましくは0〜5%、更に好ましくは0〜
2%である。ここで双晶粒子とは双晶面を1枚以上有
し、外表面が{100}面である粒子を指し、詳細は写
真工学の基礎、銀塩写真編、第3章、コロナ社(197
9年)の記載を参考にすることができる。
【0012】更には(該平板状粒子を投影面積の大きい
方から順に該平板状粒子の全投影面積の70%までを取
り出した場合に、その直径分布の標準偏差)=a6 が好
ましくは0〜0.11、より好ましくは0〜0.09、
更に好ましくは0〜0.07、最も好ましくは0〜0.
06である。該平板状粒子の全投影面積の好ましくは4
7%以上、より好ましくは55〜100%、更に好まし
くは75〜100%、最も好ましくは85〜100%が
エッジ比(長辺のエッジ長/短辺のエッジ長)が1〜
1.4、好ましくは1〜1.3、より好ましくは1〜
1.2である。該平板状粒子の主平面の形状は実質的に
直角平行四辺形である。但し、角が少し丸味を帯びた態
様も許容されるが、(角の欠損部の体積/欠損前の粒子
の体積)は0.2以下であり、多くの場合は0〜0.1
である。
【0013】ここで欠損前の粒子の体積とは、該粒子の
直線部を延長し、直方体を形成した時の粒子の体積を指
す。本発明のAgCl含率の高い粒子では四つの角の
内、1つだけが優先的に丸味を帯びた粒子が多くなる場
合がある。ここで優先的とは、該欠損部体積が他の2倍
以上、多くの場合は4倍以上、より多くの場合は8倍以
上である。該粒子の粒子構造例を図3に示した。100
X(この平板状粒子の全投影面積/前記平板状粒子の全
投影面積)=a8 、が好ましくは10%以上、より好ま
しくは15〜100%、更に好ましくは35〜100%
を占める態様が好ましい。該平板状粒子の平均粒子直径
は0.2〜10μmが好ましく、0.3〜5μmがより
好ましい。該平板状粒子のI- 含率は12モル%以下が
好ましく、6モル%以下がより好ましく、0〜3モル%
が特に好ましい。
【0014】本発明のAgX乳剤は次のようにして製造
することができる。該平板状粒子はエッジ方向へ優先的
に成長する為に、平板状粒子となる。該優先的成長を可
能にする欠陥を本発明ではらせん転位欠陥と呼ぶ。該欠
陥は核形成時に1個以上、好ましくは1〜3、より好ま
しくは1〜2個のハロゲン組成ギャップ面を形成するこ
とにより形成される。より好ましくは溶解度の高いAg
1 層上に、AgX1層よりも溶解度の低いAgX2
を積層させることにより形成される。即ち、ハロゲンコ
ンバージョン反応を伴なうハロゲン組成ギャップ面の形
成が有効である。溶解度はAgCl>AgBr>Ag
I、である為、Cl- 含率が高く、I- 含率が低い程、
溶解度は高いといえる。より具体的に記せば、核形成時
に形成される核のハロゲン組成構造が、例えば(AgX
1 |AgX2 )、または(AgX1|AgX4 |AgX
3 )の構造を有する。
【0015】該構造は、例えば銀塩溶液(以後、「Ag
+ 液」と記す)とハロゲン塩溶液(以後、「X- 液」と
記す)を同時混合添加し、該ギャップ面の所でX- 液の
ハロゲン組成を不連続に変化させることにより形成する
ことができる。または分散媒溶液にX- 液を添加し、次
にAg+ 液を添加し、AgX1 を形成し、次に別のX-
液を添加し、次にAg+ 液を添加し、(AgX1 |Ag
2 )構造を作ることもできるし、それらの組み合せ方
法で作ることもできる。AgX1 とAgX2 、およびA
gX1 とAgX4 、AgX4 とAgX3 はCl- 含率も
しくはBr- 含率が25〜100モル%、好ましくは5
0〜100モル%、より好ましくは75〜100モル%
だけ異なる。更に/またはI- 含率が5〜100モル
%、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは3
0〜100モル%だけ異なる。その他、Cl- 含率差も
しくはBr- 含率差が前記規定に従がい、I- 含率差が
0〜5モル%である態様を挙げることができる。核のサ
イズは0.15μm以下が好ましく、0.01〜0.1
μmがより好ましい。
【0016】(AgX1 |AgX2 )の場合のAg
1 :AgX2 のモル比、また、(AgX1 |AgX4
|AgX3 )のAgX1 :AgX2 :AgX3 のモル比
は実験計画法的に種々変化させ、最も好ましい本発明の
態様が得られる該モル比を選んで用いることができる。
(AgX1 |AgX2 )の場合、AgX2 層の厚さはA
gX1 層の表面を平均で1格子層以上覆う量が好まし
く、3格子層覆う量〜AgX1 層の104 倍モル量がよ
り好ましい。(AgX1 |AgX4 |AgX3 )の場合
の該AgX4 層の添加モル量は、該AgX1 層の添加モ
ル量の0.02〜10倍モル量が好ましく、0.1〜3
倍モル量がより好ましい。通常は該ギャップ差が大きく
なる程、該欠陥形成頻度が高くなる。
【0017】該(AgX1 |AgX4 |AgX3)核の形
成方法としてはその他、次の方法をあげる事ができる。
AgX1 核を形成した後、X4 - 塩溶液を添加し、ハロ
ゲンコンバージョン反応により(AgX1 |AgX4)を
形成し、次にAg+ 塩溶液とX3 - 塩溶液を添加し、該
核を形成する。この場合、該X4 - 塩は、溶解度が(A
gX1 >AgX4)となる条件を満たす塩である事が好ま
しい。X4 - 塩溶液の添加量はAgX1 の存在量に対し
0.01〜10倍モル量が好ましく、0.03〜3倍モ
ル量がより好ましい。該ハロゲン組成ギャップ差が大き
くなるに従って、AgX1 量に対するAgX4 の必要添
加モル量比は小さくなる。これらの内で最も好ましい態
様は、Cl- とBr- 含率が共に25モル%以上、好ま
しくは50〜100モル%、より好ましくは75〜10
0モル%だけ異なる態様である。該ギャップ構造として
は、該(AgX1 |AgX4 |AgX3)構造が最も好ま
しい。
【0018】該核形成時の分散媒溶液の雰囲気は、{1
00}面形成雰囲気にする必要がある。Cl- 過剰濃度
下で行なう核形成の場合は、通常の殆んどの条件(pCl
0.8〜3.0、pH2〜9)は{100}面形成雰囲
気である。該欠陥形成頻度はpH1〜7領域では、pH
が高くなる程、また、pCl値は高くなる程、該欠陥形
成頻度が高くなる。ここでpCl=−log〔Cl-
モル/リットル〕である。1粒子中に多数本の該欠陥が
導入されると、最終的に得られるAgX乳剤中に厚さが
厚い粒子の頻度が高くなる。従って該欠陥導入量は多す
ぎても好ましくない。最終的に得られるAgX乳剤が本
発明の態様となるように該欠陥形成条件を選ぶ必要があ
る。該ギャップ面形成を核間で均一に行なえば、本発明
の態様が得られる。
【0019】核形成時の分散媒溶液の分散媒濃度は0.
1〜10重量%が好ましく、0.3〜5重量%がより好
ましい。pHは1〜10が好ましく、2〜8がより好ま
しい。温度は10〜80℃が好ましく、30〜60℃が
より好ましい。多くの場合、該ギャップ面形成時の温度
が30°より低下すればする程、該欠陥形成頻度は低下
する。これは該欠陥形成にある程度以上の温度が必要な
ことを示している。過剰Br- 濃度は10-2モル/リッ
トル以下が好ましく、10-2.5モル/リットル以下がよ
り好ましい。過剰Cl- 濃度はpCl=0.8〜3.0
が好ましく、1.2〜2.8がより好ましい。
【0020】核形成時には均一な核形成を可能にする為
に添加する銀塩溶液および/もしくはX- 塩溶液に分散
媒を含ませることができる。分散媒濃度は0.1重量%
以上が好ましく、0.1〜2重量%がより好ましく、
0.2〜1重量%が更に好ましい。分子量3000〜6
万、好ましくは8000〜4万の低分子量ゼラチンがよ
り好ましい。更にはAg+ 液とX- 液を添加孔数が3〜
1015個、好ましくは30〜1015個の多孔体添加系を
通して、直接に液中に添加することがより好ましい。そ
の詳細は特開平3−21339号、同4−193336
号、特願平4−240283号の記載を参考にすること
ができる。ゼラチンはメチオニン含率の低いゼラチンの
方が該欠陥形成頻度が高くなる。メチオニン含率が1〜
60μmol/gのゼラチンから、それぞれの場合に応じ
て最も好ましいゼラチンを選んで用いることができる。
【0021】核形成時の過剰X- 塩濃度、または過剰A
+ 塩濃度を低くすることにより、双晶粒子の混入比率
を下げることができる。その他、該混入比率は分散媒濃
度を下げる程、また攪拌レベルが悪化する程、増加す
る。従って、最終的に得られる粒子が本発明の態様に入
るように、トライ アンド エラー法で該条件を選べば
よい。核形成時の該ハロゲン組成ギャップ面の形成、お
よび該界面におけるハロゲンコンバージョン反応によ
り、らせん転移欠陥を形成した後、次に温度を好ましく
は10℃以上、より好ましくは20〜70℃だけ昇温さ
せ熟成する。{100}面形成雰囲気下で熟成すること
が好ましい。熟成条件は前記核形成条件範囲から選ぶこ
とが好ましい。該熟成により平板状粒子を優先的に成長
させ、非平板状粒子を消滅させ、平板状粒子比率を高め
る。該熟成速度は通常、pH1〜6の領域ではpHが高
くなるにつれ、また、pCl1〜3の領域ではCl-
度が増すにつれ、速くなる。
【0022】該平板状粒子比率を高めた後、次に溶質を
添加して、該平板状粒子を更に成長させる。溶質の添加
方法としては、1)イオン添加法(Ag+ 液とX- 液を
添加する方法)、2)予めAgX微粒子を形成し、該微
粒子を添加する方法、3)両者の併用方法、を挙げるこ
とができる。該平板状粒子をエッジ方向に優先的に成長
させる為には、該平板状粒子がオストワルド熟成を受け
ない範囲内で、過飽和濃度を低くして成長させる必要が
ある。即ち、低過飽和濃度でかつ、該濃度を高精度で制
御する必要がある。2)の方法はこれを可能にする為に
より好ましい。各平板状粒子を均一に成長させることが
でき、好ましい。微粒子乳剤添加法では0.15μm径
以下、好ましくは0.1μm径以下、より好ましくは
0.06〜0.006μm径のAgX微粒子乳剤を添加
し、オストワルド熟成により該平板状粒子を成長させ
る。該微粒子乳剤は連続的に添加することもできるし、
断続的に添加することもできる。該微粒子乳剤は反応容
器の近傍に設けた混合器でAgNO3 溶液とX- 塩溶液
を供給して連続的に調製し、ただちに反応容器に連続的
に添加することもできるし、予め別の容器でバッチ式に
調製した後に連続的もしくは断続的に添加することもで
きる。該微粒子乳剤は液状で添加することもできるし、
乾燥した粉末として添加することもできる。
【0023】該乾燥粉末を添加直前に水と混合し、液状
化して添加することもできる。添加した微粒子は20分
以内に消失する態様で添加することが好ましく、10秒
〜10分がより好ましい。消失時間が長くなると、微粒
子間で熟成が生じ、粒子サイズが大きくなる為に好まし
くない。従って一度に全量を添加しない方が好ましい。
該微粒子は多重双晶粒子を実質的に含まないことが好ま
しい。ここで多重双晶粒子とは、1粒子あたり、双晶面
を2枚以上有する粒子を指す。実質的に含まないとは、
多重双晶粒子数比率が5%以下、好ましくは1%以下、
より好ましくは0.1%以下を指す。更には1重双晶粒
子をも実質的に含まないことが好ましい。更にはらせん
転位を実質的に含まないことが好ましい。ここで実質的
に含まないとは前記規定に従う。
【0024】該微粒子のハロゲン組成はAgCl、Ag
Br、AgBrI(I- 含率は10モル%以下が好まし
く、5モル%以下がより好ましい)およびそれらの2種
以上の混晶である。その他の詳細は特願平4−2141
09号の記載を参考にすることができる。核形成時、熟
成時および成長時の分散媒としては従来公知のAgX乳
剤用分散媒を用いることができるが、特にメチオニン含
率が好ましくは0〜50μモル/g、より好ましくは0
〜30μモル/gのゼラチンを好ましく用いることがで
きる。該ゼラチンが熟成、成長時に用いられた場合、直
径サイズ分布が揃ったより薄い平板状粒子が形成され、
好ましい。また、特公昭52−16365号、日本写真
学会誌、29巻(1)、17、22(1966年)、同
30巻(1)、10、19(1967年)、同30巻
(2)、17(1967年)、同33巻(3)、24
(1967年)記載の合成高分子を分散媒として好まし
く用いることができる。また、欧州特許0534395
A1号記載の晶癖制御剤を併用することができる。該分
散媒濃度は0.1〜10重量%が好ましく、該制御剤は
好ましくは10-1〜10-6モル/リットル、より好まし
くは10-2〜10-5モル/リットルで用いることができ
る。これらは核形成前から成長終了時までのどの時点で
添加することもできる。既存の分散媒に追加添加の形で
添加することもできるし、既存の分散媒を遠心分離等で
除去した後、添加することもできる。
【0025】該熟成、成長時の分散媒濃度、pH、X-
塩濃度の範囲、Ag+ 液とX- 液の添加方法(多孔体添
加系を用いること、分散媒を含有させること)に関して
は前記核形成の記載を参考にすることができる。温度は
25℃以上が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
該成長も{100}面形成雰囲気下で行なうことが好ま
しい。前記{100}面形成雰囲気は、それぞれの条件
で、核形成または熟成し、または成長させ、該粒子表面
の60〜100%、好ましくは80〜100%、より好
ましくは90〜100%が{100}面となる条件を指
す。該面比率は、T. Tani, Journal of Imaging Scienc
e,29巻、165(1985年)記載の方法を用いて測
定することができる。
【0026】本発明のAgX粒子の製造法としてはその
他、次の方法を挙げることができる。核形成→低過飽和
濃度下で平板状粒子を選択的に成長させ、平板状粒子と
非平板状粒子のサイズ差を大きくする→オストワルド熟
成により非平板状粒子を消滅させる、2)核形成→10
℃以上昇温し、オストワルド熟成を伴なう低過飽和度下
で成長させる。即ち、平板状粒子以外の微粒子の消失を
伴ないながら、平板状粒子を成長させる。該平板状粒子
は主にAgClを主体とする粒子であるが、粒子内に種
々のハロゲン組成構造を持たせることができる。具体例
として特願平5−96250号記載の多重構造粒子をあ
げることができる。即ち、Br- 含率および/またはI
-含率が粒子表面で高くなった態様、粒子のエッジ部で
高くなった態様、粒子の中間層が高くなった態様、粒子
の主平面で高くなった態様を挙げることができる。Br
- 含率は好ましくは1モル%以上、より好ましくは3〜
100モル%、更に好ましくは5〜70モル%高くなっ
た態様、I- 含率は好ましくは1モル%以上、より好ま
しくは2〜30モル%、更に好ましくは3〜10モル%
高くなった態様を挙げることができる。
【0027】該平板状粒子の主平面は{100}面であ
り、Ag+ とX- が交互に配列している。この面上に分
光増感色素が吸着した場合、該色素は該Ag+ と直接に
相互作用することができる。AgX粒子ではAg+ は伝
導帯を構成し、X- は価電子帯を構成している。従って
該色素の最低空位準位は、AgX粒子の伝導帯と直接に
相互作用することができ、該色素が光励起された時のA
gX伝導帯への電子注入効率がよい。従って分光増感効
率が高くなる。一方、主平面が{111}面である平板
状粒子では、該色素とAgX粒子の伝導帯とはX- 層を
介してしか、相互作用できない。表面のX- 層は表面で
結合が切れている為に過剰の負荷電を帯びており、この
負荷電障壁をのり越えて電子注入される為に電子注入効
率が悪い。従って分光増感効率が悪くなる。従って、従
来の{111}面型平板状粒子に対してもより優れた分
光増感効率を示す。また、該{111}面型平板状粒子
を固有域光で励起した場合、生じた正孔は表面のX-
を介して該色素の最高被占軌道に捕獲され易く、それが
励起電子と再結合し、いわゆる固有減感を生じ易い。こ
れは該正孔が表面のX- 層により捕獲され易い為であ
る。これに対し、該{100}面型平板状粒子ではそれ
が少ない。得られた粒子をホスト粒子とし、エピタキシ
ャル粒子を形成して用いてもよい。また、該粒子をコア
として内部に転位線を有する粒子を形成してもよい。そ
の他、該粒子をサブストレートとして、サブストレート
と異なるハロゲン組成のAgX層を積層させ、種々の既
知のあらゆる粒子構造の粒子を作ることもできる。これ
らに関しては後述の文献の記載を参考にすることができ
る。また、得られた乳剤粒子に対し、通常、化学増感核
が付与される。
【0028】この場合、該化学増感核の生成場所と数/
cm2 が制御されていることが好ましい。これに関しては
特開平2−838号、同2−146033号、同1−2
01651号、同3−121445号、特開昭64−7
4540号、特願平3−73266号、同3−1407
12号、同3−115872号の記載を参考にすること
ができる。
【0029】また、該平板粒子をコアとして、浅内潜乳
剤を形成して用いてもよい。また、コア/シェル型粒子
を形成することもできる。これについては特開昭59−
133542号、同63−151618号、米国特許第
3,206,313号、同3,317,322号、同
3,761,276号、同4,269,927号、同
3,267,778号の記載を参考にすることができ
る。本発明の方法で製造したAgX乳剤粒子を他の1種
以上のAgX乳剤とブレンドして用いることもできる。
ブレンド比率は1.0〜0.01の範囲で適宜、最適比
率を選んで用いることができる。
【0030】これらの乳剤に粒子形成から塗布工程まで
の間に添加できる添加剤に特に制限はなく、従来公知の
あらゆる写真用添加剤を添加することができる。例えば
AgX溶剤、AgX粒子へのドープ剤(例えば第8族貴
金属化合物、その他の金属化合物、カルコゲン化合物、
SCN化物等)、分散媒、かぶり防止剤、増感色素
(青、緑、赤、赤外、パンクロ、オルソ用等、強色増感
剤、化学増感剤(イオウ、セレン、テルル、金および第
8族貴金属化合物、リン化合物、ロダン化合物、還元増
感剤の単独およびその2種以上の併用)、かぶらせ剤、
乳剤沈降剤、界面活性剤、硬膜剤、染料、色像形成剤、
カラー写真用添加剤、可溶性銀塩、潜像安定剤、現像剤
(ハイドロキノン系化合物等)、圧力減感防止剤、マッ
ト剤等を挙げることができる。
【0031】本発明のAgX乳剤粒子および製造方法で
製造したAgX乳剤は従来公知のあらゆる写真感光材料
に用いることができる。例えば、黒白ハロゲン化銀写真
感光材料〔例えば、Xレイ感材、印刷用感材、印画紙、
ネガフィルム、マイクロフィルム、直接ポジ感材、超微
粒子乾板感材(LSIフォトマスク用、シャドーマスク
用、液晶マスク用)〕、カラー写真感光材料(例えばネ
ガフィルム、印画紙、反転フィルム、直接ポジカラー感
材、銀色素漂白法写真など)に用いることができる。更
に拡散転写型感光材料(例えば、カラー拡散転写要素、
銀塩拡散転写要素)、熱現像感光材料(黒白、カラ
ー)、高密度 digital記録感材、ホログラフィー用感材
などをあげることができる。
【0032】塗布銀量は0.01g/m2以上の好ましい
値を選ぶことができる。該写真感光材料の構成(例え
ば、層構成銀/発色材モル比、各層間の銀量比等)、露
光、現像処理および写真感光材料の製造装置、写真用添
加剤の乳化分散等に関しても制限はなく、従来公知のあ
らゆる態様、技術を用いることができる。従来公知の写
真用添加剤、写真感光材料およびその構成、露光と現像
処理、および写真感光材料製造装置等に関しては下記文
献の記載を参考にすることができる。
【0033】リサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure)、176巻(アイテム17643)(12
月、1978年)、同307巻(アイテム30710
5、11月、1989年)、ダフィン(Duffin) 著、写
真乳剤化学(Photographic Emulsion Chemistry)、Foca
l Press, New York(1966年)、ビル著(E.J.Bir
r)、写真用ハロゲン化銀乳剤の安定化(Stabilization
of Photographic Silver Halide Emulsions)、フォー
カル・プレス(Focal Press)、ロンドン(1974
年)、ジェームス編(T.H.James)、写真過程の理論(Th
e Theory of PhotographicProcess) 第4版、マクミラ
ン(Macmillan)、ニューヨーク(1977年)
【0034】グラフキデ著(P.Glafkides)、写真の化学
と物理 (Chimie et Physique Photographiques) 、第5
版、エディション・ダ・リジンヌヴェル(Edition de
I' Usine Nouvelle, パリ(1987年)、同第2版、
ポウル・モンテル、パリ(1957年)、ゼリクマンら
(V.L.Zalikman at al.)、写真乳剤の調製と塗布(Maki
ng and Coating Photographic Emulsion) 、Focal Pres
s(1964年)、ホリスター(K.R.Hollister) ジャーナ
ル・オブ・イメージング・サイエンス(Journalof Imag
ing science) 、31巻、p.148〜156(198
7年)、マスカスキー(J.E.Maskasky)、同30巻、p2
47〜254(1986年)、同32巻、160〜17
7(1988年)、同33巻、10〜13(1989
年)
【0035】フリーザーら編、ハロゲン化銀写真過程の
基礎(Die Grundlagen Der Photographischen Prozesse
Mit Silverhalogeniden) 、アカデミッシェ・フェルラ
ークゲゼルシャフト(Akademische Verlaggesellschaf
t) 、フランクフルト(1968年)。日化協月報19
84年、12月号、p.18〜27、日本写真学会誌、
49巻、7〜12(1986年)、同52巻、144〜
166(1989年)、同52巻、41〜48(198
9年)、特開昭58−113926〜113928号、
同59−90841号、同58−111936号、同6
2−99751号、同60−143331号、同60−
143332号、同61−14630号、同62−62
51号、同63−220238号、同63−15161
8号、同63−281149号、同59−133542
号、同59−45438号、同62−269958号、
同63−305343号、同59−142539号、同
62−253159号、同62−266538号、同6
3−107813号、同64−26839号、同62−
157024号、同62−192036号、
【0036】特開平1−297649号、同2−127
635号、同1−158429号、同2−42号、同2
−24643号、同1−146033号、同2−838
号、同2−28638号、同3−109539号、同3
−175440号、同3−121443号、同2−73
245号、同3−119347号、米国特許第4,63
6,461号、同4,942,120号、同4,26
9,927号、同4,900,652号、同4,97
5,354号、欧州特許第0355568A2号、特願
平2−326222号、同2−415037号、同2−
266615号、同2−43791号、同3−1603
95号、同2−142635号、同3−146503
号、同4−77261号。本発明の乳剤は特開昭62−
269958号、同62−266538号、同63−2
20238号、同63−305343号、同59−14
2539号、同62−253159号、特開平1−13
1541号、同1−297649号、同2−42号、同
1−158429号、同3−226730号、同4−1
51649号、特願平4−179961号、欧州特許0
508398A1の実施例の感光材料の構成乳剤として
好ましく用いることができる。
【0037】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
い。 実施例1 反応容器にゼラチン水溶液1200ml(メチオニン含率
が約40μモル/gの脱イオン化アルカリ処理骨ゼラチ
ン18gを含み、pH4.3)を入れ、温度を43℃に
保ちながらAg−1液(100ml中にAgNO3 20
g、該ゼラチン0.8g、HNO3 1N液0.2mlを含
む)とX−1液(100ml中にNaCl6.9g、該ゼ
ラチン0.8g、NaOH1N液0.3mlを含む)を2
4ml/分で12mlだけ同時混合添加した。2分間攪拌し
た後、Ag−2液(100ml中にAgNO3 を2g、該
ゼラチン0.8g、HNO3 IN液0.2mlを含む)と
X−2液(100ml中にKBr1.4g、該ゼラチン
0.8g、NaOH1N液0.2mlを含む)を31ml/
分で19mlだけ同時混合添加した。2分間攪拌した後、
Ag−1液とX−1液を48ml/分で36mlだけ同時混
合添加した。これにより形成された核の態様は(AgC
l|AgBr|AgCl)であり、AgX1 とAg
4 、およびAgX4 、AgX3 のCl- 含率差および
Br- 含率差は100モル%である。NaCl−1液
(100ml中にNaCl10gを含む)を20ml加え、
pHを4.8とし、温度を75℃に昇温した。20分間
熟成した後、温度を60℃に下げ、pHを5.0とした
後、銀電位130mVでAg−3液(100ml中にAg
NO3 10gを含む)とX−3液(100ml中にNaC
l3.6gを含む)を C.D.J (controlled double jet)
添加した。
【0038】添加開始時の流量は7ml/分で1分間に
0.1ml/分ずつ流量を加速添加し、Ag−3液を40
0ml添加した。沈降剤を添加し、温度を30℃に下げ、
沈降水洗し、ゼラチン水溶液を加え、38℃でpH6.
2、pCl 3. 0に調節した。該乳剤の一部を採取し、
該粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写真像(以後、
「TEM像」と記す)を観察した所、図1の粒子写真が
得られた。該粒子の形状特性値は次の通りであった。 100×(アスペクト比2以上の平板状粒子の全投影面
積/全AgX粒子の投影面積和)=a1 =91%、 アスペクト比2以上の平板状粒子の平均アスペクト比
(平均直径/平均厚さ)=a2 =3.4、 アスペクト比2以上の平板状粒子の平均直径=a3
1.0μm、 100×(双晶粒子の全投影面積/アスペクト比2以上
の平板状粒子の全投影面積)=a4 =0%、 100×(アスペクト比2以上でエッジ比1〜1.4の
平板状粒子の投影面積和/全AgX粒子の投影面積の
和)=a5 =94%、 (アスペクト比2以上の平板状粒子を大きい方から全投
影面積の70%までを取り出した時、その粒子の直径分
布の変動係数)a6 =0.059、平均厚さ=a7
0.29μm
【0039】実施例2 反応容器中にゼラチン水溶液1200ml(脱イオン化ア
ルカリ処理ゼラチン20gを含み、pH4.3)を入
れ、温度を41℃に保ちながら、Ag−1液とX−1液
を50ml/分で12mlだけ同時混合添加した。2分間攪
拌した後、Ag−2液とX−2液を62ml/分で22ml
だけ同時混合添加した。2分間攪拌した後、Ag−1液
とX−1液を50ml/分で38mlだけ同時混合添加し
た。これにより形成された核の態様は(AgCl|Ag
Br|AgCl)であり、AgX1 とAgX4 、および
AgX4 、AgX3 のCl- 含率差およびBr- 含率差
は100モル%である。NaCl−1液を23ml加え、
pHを5.0とし、温度を75℃に昇温した。20分間
熟成した後、温度を65℃に下げ、AgCl微粒子乳剤
(平均粒子直径0.08μm)を4×10-3モル/分の
AgCl添加速度で添加し、10分間添加した後、Ag
Cl10-4モル/分の加速添加法で70分間添加した。
添加後、8分間熟成した後、沈降剤を加え、温度を30
℃に下げ、沈降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、38
℃でpH6.2、pCl3.0に調節した。該乳剤の一
部を採取し、AgX粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡
写真像を観察した所、図2の粒子写真が得られた。該粒
子の形状特性値は次の通りであった。 a1 =92%、a2 =4.5 、a3 =1.0 μm、a4 =0
%、a5 =82%、a6 =0.077、a7 =0.22
μm
【0040】実施例3 実施例2で粒子形成が終った後、温度を72℃に上げ、
更に10分間、熟成をした後、沈降剤を加え、温度を3
0℃に下げ、沈降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、3
8℃でpH6.2、pCl3.0に調節した。該乳剤粒
子のレプリカのTEM像を観察した所、アスペクト比2
以上の平板状粒子の全投影面積の約38%が、図3の形
状の平板状粒子である本発明のAgX乳剤であった。
【0041】比較例1 欧州特許0534395A1号の実施例11Bの処方に
従って、粒子形成した。該乳剤に沈降剤を添加し、30
℃で沈降水洗法で水洗し、ゼラチン水溶液を加え、38
℃でpH6.2、pCl3.0に調節した。該乳剤粒子
のレプリカのTEM像の粒子形状は同明細書のFig.
5の粒子形状に近かった。該粒子形状の計測より得られ
た結果は次の通りであった。a1 =62%、a2=1
0.0、a3 =1.3μm、a4 =19%、a5 =53
%、a6 =17%、a7 =0.13μmであった。
【0042】実施例1、2、3、比較例1の乳剤にそれ
ぞれ次の増感処理を施し、増粘剤、塗布助剤を加えてT
ACベース上に保護層とともに塗布した。次に乾燥し、
順に塗布試料A、B、Cとした。実施例1、2、3、お
よび比較例1の乳剤を40℃とし、それぞれ下記分光増
感色素1を飽和吸着量の65%だけ吸着させた。次に温
度を55℃とし、NaCl液を加え、pCl=2.0と
し、ハイポを2×10-5モル/モルAgだけ添加し、塩
化金酸を10-5モル/モルAgだけ添加し、熟成した
後、下記かぶり防止剤1を10-3モル/モルAgだけ添
加し、温度を40℃にした。
【0043】
【化1】
【0044】該塗布試料をマイナス青フィルター(52
0nm以上の光を通す)を通して、10-2秒間の露光を
し、現像し、停止液、定着液、水洗液を通し、乾燥させ
た。該写真特性の結果は(感度値/粒状度)の比較にお
いて、実施例3(121)>実施例2(118)>実施
例1(115)>比較例1(100)、であり、本発明
のAgX乳剤の優位性が確認された。但し、感度値は大
きい程、高感度で、粒状度は大きい程、粒状性が悪い。
【0045】実施例4 反応容器にゼラチン水溶液1200ml(メチオニン含率
が約30μモル/gの脱イオン化アルカリ処理骨ゼラチ
ン25gを含み、pH4.2)を入れ、温度を40℃に
保ちながらAg−41液(100ml中にAgNO3 20
gを含む)とX−41液(100ml中にNaCl16.
9g、該ゼラチン0.8gを含む)を50ml/分で20
秒間、同時混合添加した。30秒間攪拌した後、X−4
2液(100ml中にKBr0.73、NaCl0.36
gを含む)を60ml/分で53ml添加した。2分間攪拌
した後、Ag−41液とX−41液を50ml/分で40
秒間、同時混合添加した。NaCl−1液を13ml加
え、pHを5.0とし、温度を75℃に昇温した。20
分間熟成した後、銀電位140mVでAg−3液とX−3
液をCDJ添加した。
【0046】添加開始の流量は7ml/分で、1分間に
0.1ml/分ずつ流量を加速添加し、Ag−3液を40
0ml添加した。乳剤の一部を採取し、粒子のレプリカの
TEM像を観察した所、その形状特性値は次の通りであ
った。 a1 =93%、a2 =5.5、a3 =1.2μm、a4
=0%、a5 =95%、a6 =0.06、a7 =0.2
μm 形成された核の態様は(AgCl|AgBr0.5 Cl
0.5 |AgCl)であり、AgX1 とAgX4 のハロゲ
ン組成ギャップはCl- 含率差50モル%、Br- 含率
差50モル%である。添加終了後、5分間熟成をした
後、沈降剤を加えた。後は実施例1〜3と同様に処理
し、塗布試料を作り、センシトメトリーを行なった。
(感度値/粒状度)の相対値は125であった。
【0047】
【発明の効果】従来の主平面が{100}面の平板状粒
子を含むAgX乳剤に比べて、(感度値/粒状度)で優
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたハロゲン化銀粒子結晶の約
6500倍の写真である。
【図2】実施例2で得られたハロゲン化銀粒子結晶の約
5000倍の写真である。
【図3】実施例3で得られたハロゲン化銀粒子結晶の約
18,000倍の写真である。
【図4】実施例3で得られたハロゲン化銀粒子結晶の約
13,000倍の写真である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−204073(JP,A) 特開 昭51−88017(JP,A) 特開 昭63−316847(JP,A) 特開 平4−161947(JP,A) 特開 平5−281640(JP,A) 特開 平5−313273(JP,A) 特公 昭64−8323(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/035

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも分散媒とハロゲン化銀粒子を
    含むハロゲン化銀乳剤において、該ハロゲン化銀粒子の
    全投影面積の60%以上がCl-含率が20モル%以上
    で主平面が{100}面で、厚さが0.35μm以下で
    アスペクト比(円相当直径/厚さ)が2以上の平板状粒
    子であり、該平板状粒子の核部分にハロゲン組成ギャッ
    プ面を有し、該ハロゲン組成ギャップがCl - またはB
    - 含率で25〜100モル%であり、かつ、双晶粒子
    の投影面積の合計が該平板状粒子の全投影面積の10%
    以下であることを特徴とするハロゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 該平板状粒子を投影面積の大きい方から
    順に該平板状粒子の全投影面積の70%までを取り出し
    た場合に、その直径分布の変動係数が0〜0.11であ
    ることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】 該平板状粒子の全投影面積の47%以上
    がエッジ比(長辺のエッジ長/短辺のエッジ長)が1〜
    1.4であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン
    化銀乳剤。
  4. 【請求項4】 該平板状粒子の全投影面積の10%以上
    が4つの角の内の1つの角が優先的に欠損し、丸味を帯
    びた形状であることを特徴とする請求項1記載のハロゲ
    ン化銀乳剤。
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