JP2699119B2 - ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、写真分野において有用であるハロゲン化銀
(以後、AgXと記すこともある)の乳剤の製造方法に関
する。更に詳しくは、本発明は、ハロゲン化銀種晶乳剤
にハロゲン化銀微粒子乳剤を供給し、その種晶を成長さ
せることによりハロゲン化銀乳剤を製造する方法におい
て、その種晶の結晶成長中における新核発生が少なく
(すなわち、種晶の成長速度が速く、得られる乳剤中の
ハロゲン化銀の粒子サイズや形状の均一性が高く)、か
つ結晶成長時の過飽和度がより均一に制御され、更に微
粒子乳剤の保存性の問題を有することのないハロゲン化
銀乳剤の製造方法に関する。
[発明の背景] 反応容器中のAgX種晶乳剤を撹拌しながら、予め調製
したAgX微粒子乳剤を供給し、該反応容器中で該微粒子
をオストワルド熟成により溶解させ、該種晶を成長させ
る結晶成長方式を利用するハロゲン化銀乳剤の製造方法
に関しては、これまでいくつかの文献に記載がある。例
えば、本発明者による米国特許4,242,445号明細書、特
開昭55−142329号公報、同63−151618号公報、同58−11
3926号〜113928号の公報、同57−23932号公報、米国特
許第2,146,938号明細書、同3,317,322号明細書、特開平
1−183417号公報を挙げることができる。
すなわち、AgX種晶乳剤に、銀塩水溶液とハロゲン化
物塩(以後、X-塩と記す)水溶液とを添加する従来の方
式では、それらが添加され、均一混合するまでの間、反
応溶液中にそれらの添加成分の濃度分布が存在し、そし
て更に該添加が続いている間、該濃度分布が存在する。
これはAgX粒子成長の再現性、ハロゲン組成の均一性、
還元銀核生成の均一性等に影響すると考えられる。
これに対し、前記のハロゲン化銀微粒子添加法では、
そのAgX微粒子がAgX種晶乳剤で徐々に溶解して溶質イオ
ンを供給する為にそのような不都合点が取り除かれると
いう利点を有する。
[発明の目的] しかし、これまでに知られているハロゲン化銀微粒子
添加法には、まだ次のような種々の問題点が残されてい
る。
1)予め調製したハロゲン化銀微粒子は一般に表面ギブ
ス(Gibbs)自由エネルギーが高く、不安定であり、従
って保存中に変化しやすいという問題点を有する。この
点について、特開昭57−23932号公報には、成長禁止剤
の存在下で調製したハロゲン化銀微粒子乳剤を水洗、分
散して、さらに再溶解して添加する方法が開示されてい
る。しかし、この場合、成長禁止剤の存在の為に、該乳
剤保存中の粒径変化は少なくなるが、該乳剤を添加した
ときに該微粒子が溶解しがたくなるという欠点を有す
る。
2)特開平1−183417号公報は、この問題点を解消する
為に反応容器の外に混合容器を設けて反応容器に接続さ
せ、その混合容器に銀塩水溶液とX-塩水溶液そして保護
コロイド水溶液をトリプルジェット方式で連続的に供給
混合してAgX微粒子乳剤を形成し、微粒子乳剤を連続的
に反応容器に供給する方法を開示している。この場合、
該微粒子は形成された後、ただちに反応容器に供給され
る為に、保存性の問題はない。しかし、濃い銀塩水溶液
と濃いX-塩水溶液が直接に混合される為に混合部の過飽
和度は非常に高くなり、該微粒子中の多重双晶粒子数比
率が2%より高くなるという欠点を有する(すなわち、
該公報に記載の実施例を追試してみると、ハロゲン化銀
微粒子中の多重双晶粒子の量は粒子数割合で約3%とな
る)。また、粒子サイズ分布も広くなる。そして、本発
明者の研究によると、このような多重双晶粒子の含有率
の高いハロゲン化銀微粒子を種晶乳剤に添加すると該微
粒子中の多重双晶粒子が成長し、新核が発生しやすくな
り、従って最終的に得られるハロゲン化銀乳剤中のハロ
ゲン化銀粒子のサイズや形状の均一性が低下するという
問題が発生することが判明した。
3)上記の新核発生を防止する為に、保護コロイド水溶
液の流量を増加させたり、銀塩水溶液やX-塩水溶液を希
釈すると、今度は総添加液量が著しく増加するという問
題点が発生する。また、連続法のために、単位容量当り
の銀量を増加させることが難かしいという問題もある。
これらは総添加液量の増加を引き起こし、一定の反応容
器で製造できるAgXモル数が低くなり、生産効率を上げ
られないという問題を引き起こす。
4)また、連続法で添加されると、該混合容器内での反
応が充分に進行せず、可溶性塩のまま反応容器に添加さ
れる確率が増える。また、該混合容器内の滞留時間が短
かい微粒子もあれば、長い微粒子も存在するようにな
り、その制御が十分になされないという欠点を有する。
5)なお、上記の特開平1−183417号公報には、添加す
るハロゲン化銀微粒子の特性に関しては、0.1μmφ以
下の微粒子と規定されているが、それ以上の記載はな
い。
また、米国特許4,242,445号明細書、特開昭55−14232
9号公報、同63−151618号公報、同58−113926〜113928
号の各公報、同57−23932号公報にも、0.1μmφ以下の
ハロゲン化銀微粒子乳剤添加が記載されているが、ハロ
ゲン化銀微粒子のその他の特性や調製法については記載
されていない。そして、米国特許2,146,938号明細書で
は、ハロゲン化銀微粒子乳剤を熟成することにより粗粒
子を形成しているが、その方法で利用しているのは通常
の微粒子間のオストワルド熟成である。
米国特許3,317,322号明細書には、化学増感したコア
乳剤に未化学増感の微粒子乳剤を混合し、熟成し、シェ
ルを形成することが記されているが、微粒子乳剤の調製
法として記されているTrivelli and Smith,“The Photo
graphic Journal"vol,LXXIX,May 1939,p.330〜338に記
載の処方に従うと、多重双晶粒子数比率は5%以上とな
る。そして、微粒子乳剤の調製法については、それ以上
の詳細な記載はない。
本発明は、従来行なわれてきたハロゲン化銀微粒子乳
剤添加による結晶成長法の上記欠点を解消し、より個々
の因子が制御された均一な結晶成長を可能にする高感度
で高画質なハロゲン化銀乳剤を得るために有利な、再現
性の良い結晶成長法を提供するものである。
[発明の構成] 本発明は、混合容器中に導入された分散媒水溶液に、
銀塩水溶液とハロゲン化物塩水溶液とを、その内の少な
くとも一方の水溶液を多孔体を介して添加し混合するこ
とを含む工程により、粒子数割合で5%を越える多重双
晶粒子を含むことのないハロゲン化銀微粒子を得たの
ち、そのハロゲン化銀微粒子をハロゲン化銀種晶乳剤を
有する反応容器に供給し、該反応容器中で該微粒子をオ
ストワルド熟成により溶解させ、該種晶を結晶成長させ
る工程を含むことを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造
方法にある。
本発明はまた、ハロゲ化銀種晶乳剤を有する反応容器
に、該反応容器の外部で調製した粒子数割合で5%を越
える多重双晶粒子を含むことのないハロゲン化銀微粒子
を多孔体を介して供給し、該反応容器中で該微粒子をオ
ストワルド熟成により溶解させ、該種晶を結晶成長させ
る工程を含むことを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造
方法にもある。
本発明は更に、混合容器中に導入された分散媒水溶液
に、銀塩水溶液とハロゲン化物塩水溶液とを、その内の
少なくとも一方の水溶液を多孔体を介して添加し混合す
ることを含む工程により、粒子数割合で5%を越える多
重双晶粒子を含むことのないハロゲン化銀微粒子を得た
のち、そのハロゲン化銀微粒子を多孔体を介してハロゲ
ン化銀種晶乳剤を有する反応容器に供給し、該反応容器
中で該微粒子をオストワルド熟成により溶解させ、該種
晶を結晶成長させる工程を含むことを特徴とするハロゲ
ン化銀乳剤の製造方法にもある。
本発明で、多孔体は多孔質膜もしくは中空細管が好ま
しく、また多孔体は1×102〜1×1015個の開口を有す
るものであることが好ましい。そして、多孔体が直径10
オングストローム〜0.5mmの開口、特に100〜10000オン
グストロームの開口を有するものであることが好まし
い。
本発明の上記以外の好ましい態様を次に記載する。
(1)上記ハロゲン化銀微粒子が、銀塩水溶液とハロ
ゲン化物塩水溶液を別々にバルク溶液で希釈混合した後
に混合させることにより得られるものである。
(2)ハロゲン化銀微粒子の形成を、低分子量ゼラチ
ン分散媒の存在下、0〜45℃で行なう。
(3)ハロゲン化銀微粒子の製造を、分散媒水溶液中
で銀塩とハロゲン化物塩を新核発生を伴う加速添加法で
添加して実施する。
(4)ハロゲン化銀微粒子を反応容器へ複数交互式ポ
ンプを用いて添加する。
(5)ハロゲン化銀種晶が、平行双晶面を有するアス
ペクト比1.5以上の平板状粒子を投影面積で50%以上有
する平均粒径0.25μmφ以上の平板状乳剤粒子であり、
該熟成時のpBr値が2以下である。
(6)ハロゲン化銀種晶が、アスペクト比1.5以上の
平行二重双晶粒子を、投影面積で50%以上有する平均粒
径0.25μmφ以上の平板状乳剤粒子である。
まず、本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法に用いる
ハロゲン化銀微粒子乳剤の調製のための好ましい方法に
ついて説明する。
本発明においてはハロゲン化微粒子は、実質的に多重
双晶面を有しないことが好ましい。それは双晶面を有す
る微粒子は再溶解しがたく、従って新核発生しやすい為
である。本発明者の研究によると、粒子サイズがほぼ同
一の場合、ハロゲン化銀微粒子の溶解度は、多重双晶粒
子(1つの粒子あたり二枚以上の双晶面を有する粒子)
《一重双晶粒子<無双晶粒子となる。従って多重双晶粒
子を実質的に含まない微粒子が好ましい。ここで実質的
に多重双晶面を有しないとは、多重双晶を有する粒子数
割合が1%以下、好ましくは0.3%以下、より好ましく
は0.1%以下、更に好ましくは0.01%以下を意味する。
最も好ましくは多重双晶粒子の混在量が検出できない量
である。多重とは二重以上を指す。
多重双晶粒子構造の詳細に関しては、H.Frieser等
編、「ハロゲン化銀の写真過程の基礎、第3章、Akadem
ische Verlagsgesellschaft Frankfurt am Main(196
8)」の記載を参考にすることができる。
本発明で用いるハロゲン化銀微粒子は、更には一重双
晶粒子をも実質的に含まないことがより好ましい。一重
双晶粒子を有する粒子数割合は5%以下が好ましく、1
%以下がより好ましく、0.1%以下が更に好ましい。
これらの双晶粒子数の比率は、微粒子乳剤を40℃以
下、好ましくは35℃以下の温度で、新核発生なしに高過
飽和条件下で明確な粒子形状を示す所まで成長させ、該
粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写真像(TEM像)を
観察することにより求めることができる。詳細は特開平
2−146033号公報の記載を参考にすることができる。
また、ハロゲン化銀微粒子の粒子サイズ分布は狭いこ
とがより好ましい。そして、粒子サイズ分布の変動係数
(y)は、(y<−80x+45)が好ましく、(y<−80x
+38)がより好ましく、(y<−80x+30)が更に好ま
しい。なお、yは(粒径分布の標準偏差/平均粒径)×
100%で表わされる。xは平均粒径を意味する。
ハロゲン化銀微粒子の平均粒径は0.2μmφ以下が好
ましく、0.1μmφ以下がより好ましい。
ハロゲン化銀微粒子のハロゲン組成は、AgCl、AgBr、
AgIおよびそれらの2種以上の混晶であって、好ましく
は、AgCl、AgBr、AgBrI(I-含率は0〜45モル%)およ
びそれらの二種以上の混晶である。
本発明で用いるハロゲン化銀微粒子は、未水洗粒子で
あることが好ましく、反応容器近傍に設けられた混合容
器で形成され、形成後、ただちに反応容器に添加される
態様が好ましい。ただし、その混合容器はバッチ式混合
容器が好ましい。また成長禁止剤なしの状態で形成する
ことがより好ましい。
通常、ハロゲン化銀微粒子を形成する為には、AgXの
溶解度のできるだけ低い状態(AgX溶剤を用いないで、
できるだけ低温で、かつ、AgX溶解度曲線の最低溶解度
のpAg領域を選ぶ)で、できるだけ撹拌効率のよい状態
で短時間に銀塩とX-塩の水溶液を添加すればよい。しか
し、この低温で、かつ、短時間に銀塩とX-塩の水溶液を
添加することは上記の多重双晶粒子の生成確率を上げる
方向である。AgX微粒子を形成する為には、これらの条
件を用いることは避けられない。従って核形成時の他の
過飽和因子を、双晶面が形成されない方向へ調節する。
具体的には次の手法の少なくとも一つ以上を用い、生成
した粒子特性が上記規定内に入るように次の各因子を調
節すればよい。
1)ゼラチン濃度を高くする。
反応容液中のゼラチン濃度を高くする程、双晶面生成
確率は減る。しかし、通常の写真用ゼラチンの場合、高
くしすぎると、特に低温で反応溶液が高粘度化したり、
ゲル化し、撹拌混合効率が低下する。従って反応開始時
の反応溶液中の好ましいゼラチン濃度は1〜10重量%、
より好ましくは3〜8重量%である。
2)低分子量ゼラチンを用いる。
同一重量%濃度溶液で、用いるゼラチンの分子量を変
化させた場合、分子量が1〜3万の範囲で双晶面の生成
確率が最も下がる。従って分子量が好ましくは5000〜6
万、より好ましくは1〜3万のゼラチンを用いることで
ある。また、該低分子量ゼラチンは低温でも高粘度化し
たり、ゲル化しない為に好ましい。例えば分子量1万の
ゼラチンの10重量%液は、0℃においてもゲル化しな
い。従って、低温で高ゼラチン濃度化してもゲル化せ
ず、かつ、双晶面の形成確率が低い為に特に好ましい。
好ましいゼラチン濃度は1〜15重量%、より好ましくは
3〜12重量%である。この場合、特に平均分子量1万以
下の場合、該微粒子乳剤の粘度が低くなりすぎる為に、
撹拌を止めると、AgX微粒子がゆっくり沈降することが
ある。これを防止する為に、該微粒子形成の後に、分子
量が約10万の通常の写真用ゼラチン溶液を添加すること
ができる。その添加量は、該微粒子乳剤がゲル化するよ
りは少なく、かつ、該沈降速度が速すぎない範囲で任意
に調節することができる。その微粒子形成時の他の分散
媒に対する低分子量ゼラチンの重量比率は、好ましくは
30重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
3)銀塩とX-塩の水溶液の少なくとも一方の溶液にゼラ
チンを加える。
通常、上記の溶液が添加された領域部位の近傍ではゼ
ラチン濃度が低下し、それが双晶面の形成頻度を上げる
為である。該添加口の近辺では特に過飽和が高くなる為
に、該近辺のゼラチン濃度の低下は好ましくない。より
好ましくは、銀塩とX-塩の水溶液の両溶液にゼラチンを
加える。この場合、銀塩溶液が水酸化銀や酸化銀の形成
により白くなることを防ぐ為にHNO3等の酸を加え、pHを
5以下にすることができる。そのゼラチン濃度として
は、通常写真業界で用いられている平均分子量が10万近
傍のゼラチンでは、それらの水溶液のゲル化防止の点か
ら、1.6重量%以下が好ましく、1.6〜0.2重量%がより
好ましい。一方、低分子量ゼラチン(平均分子量1000〜
6万)を用いる場合はゲル化しない為、10重量%以下で
使用することが好ましく、10〜0.2重量%がより好まし
い。
4)Ag+とX-濃度の等イオン点近傍で微粒子形成する。
微粒子形成中の反応溶液中の過剰のBr-、I-、Cl-濃度
を下げると、双晶面生成確率が下がる。このX-過剰下で
核形成を行う場合の双晶面形成への寄与の大きさは、同
一モル濃度での比較ではI->Br->Cl-の順である。従っ
て、特に過剰のI-、Br-濃度を減少させることが大切で
ある。
逆に、Ag+過剰下で核形成を行う場合は、過剰のAg+
度を下げると、双晶面の生成確率が下がる。即ち、Ag+
もしくはX-の過剰量が少ないほど、双晶面の生成確率は
下がる。
ハロゲン化銀微粒子形成時の好ましい過剰X-濃度また
は過剰Ag+濃度は、0〜10−2.1M/L、好ましくは0〜10
−2.5M/Lである。この条件はAgX溶解度曲線の上記低溶
解度領域に相当し、微粒子形成条件としても好ましい領
域である。
5)pHを低くする。
分散媒としてゼラチンを用いた場合、反応溶液のpHを
低くした方が双晶面形成確率が下がる。該依存性はAgBr
系よりもAgCl系でより大きい。好ましいpH領域は5以下
であり、より好ましくは4〜1.8である。但し、pHの関
係が逆相関となる場合も存在する。従って実用的には、
各々の場合について実験的に最適pHを求めることが好ま
しい。
6)無関係塩の濃度を高くする。
反応溶液のKNO3、NaNO3等の無関係塩の濃度を高くす
るほど、双晶面生成確率は減少する。その好ましい濃度
は0〜1M/Lであり、より好ましくは1×10-2〜1M/Lであ
る。
7)核形成時に添加するX-塩溶液中のI-含率を低くす
る。
ハロゲン化銀微粒子形成の核形成時に添加するX-塩溶
液中のI-含率が高くなればなる程、双晶面形成確率は高
くなる。従って該I-含率を可能な範囲で、できるだけ低
くした方がよい。それで問題がある場合には、この方法
に、下記のような方法を併用することができる。
(イ)I-の供給は別に調製したAgI微粒子を添加して行
なう。
(ロ)核形成時(添加開始のはじめの少なくとも10秒
間)は7モル%以下のI-含率にし、核形成後にI-含率を
要求する7.5モル%以上のI-含率に上げる方法。
(ハ)上記の(イ)と(ロ)との併用。
8)銀塩とX-塩とを加速添加方式で添加する。
通常、銀塩とX-塩との水溶液を等速で短時間の同時混
合法で添加することが多い。しかし、該添加の初期に最
も過飽和度が高くなり、双晶面が発生しやすい為、初期
(添加開始のはじめの少なくとも10秒間)の添加速度を
1/nに下げる。ここでnは、好ましくは1.2〜30、より好
ましくは2〜30である。そうすると、双晶面の発生確率
は下がるが、生成核数も減少する。これは同一銀量を添
加した時に最終的に得られる粒子サイズの増大をもたら
す。従って、次にそのm倍の添加速度(新核が発生する
添加速度の具体的には1.2〜30倍、好ましくは2〜30
倍)で添加し、核の数を増す。そして、同一モルの銀塩
水溶液を添加し終った時の生成核数が従来法で得られる
生成核数を上回るように、上記のn、mおよびステップ
数(該加速ステップ数は1〜30の整数)を選ぶ、という
方式である。また、最初に生じた核の成長は、低温(45
℃以下)、低溶解度条件を選ぶことにより、できるだけ
抑える。
なお、これらの核形成条件と双晶面形成頻度との関係
については、特開昭63−92942号公報、特開平2−838号
公報、特願昭63−223739号明細書の記載を参考にするこ
とができる。
次に、本発明で使用する無双晶ハロゲン化銀微粒子
(多重双晶粒子の混在量が著しく少ないハロゲン化銀微
粒子)を調製する為に好ましく利用できる混合装置につ
いて説明する。
無双晶AgX微粒子を形成する為の混合装置としては、
既知のAgX乳剤製造装置を用いることができるが、特に
添加した銀塩とX-塩の水溶液を迅速に均一に混合できる
装置が好ましい。それはAgX微粒子形成が短時間の間
に、多量の銀塩とX-塩の水溶液を添加して行なわれる為
に、迅速に均一混合しないと、粒子形成中の過飽和度が
非常に高くなり、双晶面等の欠陥を有する欠陥粒子が高
い頻度で生成しやすくなる為である。これに関しては本
発明者による特願昭63−223739号明細書の記載を参考に
することができる。迅速に均一混合化できる装置として
は次のようなものを挙げることができる。
1)銀塩とX-塩の水溶液の、水溶液の供給管の添加口
を容器溶液中の撹拌羽根近傍に設置し、それらの溶液が
添加されると、即座に撹拌羽根により激しく撹拌混合さ
れるようにした方式。
容器溶液の表面近傍の撹拌状態は通常、他の部位での
撹拌状態よりも劣ることや、容器溶液の表面近傍に撹拌
羽根を設置し、添加された添加溶液を迅速に撹拌混合し
ようとすると泡が激しく生じ、逆に撹拌効率を悪くする
為である。この直接液面下添加方式の反応装置の詳細
は、特公昭55−10545号公報、同58−58288号公報、同58
−58289号公報、特開昭61−113056号公報、同62−10645
1号公報、実公昭60−117834号公報の記載を参考にする
ことができる。
2)上記1)の方式では銀塩とX-塩の水溶液は混合容
器内の混合ボックスと称する小ボックス内で混合され、
ボックス外のバルク溶液中へ放出される。この場合、混
合ボックス内では銀塩の過飽和とX-塩の過飽和が存在
し、その濃度積による局所的過飽和は非常に高くなる。
特にAgX微粒子形成の場合はそのようになる。これを避
ける為には銀塩とX-塩の水溶液を別々の混合ボックス内
で混合希釈した後、バルク水溶液中へ放出すればよい。
上記の場合、両希釈液を混合しながらバルク溶液(分
散媒水溶液)へ放出するタイプ(具体例として、米国特
許3,415,650号明細書、及び同3,785,777号明細書に記載
の装置を挙げることができる。)と、両希釈溶液を独立
にバルク溶液中へ放出するタイプ(具体例として、本明
細書に添付の第3図の装置を挙げることができる。この
タイプで両撹拌羽根の回転方向を逆にする場合は、両撹
拌羽根の撹拌力を違わせることが好ましい。全体撹拌が
弱くなる為である。)。なお、前者のタイプに比べて後
者のタイプでは、両希釈液は更にバルク溶液に希釈され
た後に混合される為に、混合容器内における局所的過飽
和はより低く抑えられるので好ましい。
3)銀塩とX-塩の水溶液を多孔体を通して添加する方
式。
ここでいう多孔体の詳細に関しては特願平1−76678
号明細書、同2−326222号明細書の記載を参考にするこ
とができるが、簡単に記すと次の通りである。この多孔
体は形態的には次の二つに分類される。
I.一般にフィルタと称されている膜状の多孔膜で、そ
の孔径サイズが(1)超濾過(superfiltration、10Å
φ以下)、(2)限外濾過(ultrafiltration、10〜104
Åφ)、(3)精密濾過(microfiltration,200〜105
φ)、そして(4)濾過(filtration,孔径>104Åφ)
のいずれかの範囲に入るもの。
II.一般にチューブ(細管)と称されている中空の細
長い細管で1本の細管当りに一つの出口のみを有するも
のを指す。この細管を用いる場合には、複数本を組合せ
て用いる。1本の細管で二つ以上の出口を有するものは
上記のI類に含めることもできる。
上記の多孔体は、ひとつの添加溶液について、4個以
上、好ましくは10個以上、より好ましくは100〜1015
の添加口(出口、溶液排出用の開口)を有することが好
ましい。また、該多孔体の孔径は、好ましくは2mmφ以
下、より好ましくは0.5mm〜10Åφ、更に好ましくは0.1
mm〜20Åφ、最も好ましくは104Å〜100Åφである。
上記の多孔体を用いた場合には、添加される溶質溶液
の液滴サイズが小さくなるため、その液滴の比表面積が
大きくなり、分子拡散による希釈効果が大きくなる。そ
して、添加口の孔が小さくなればなる程、分子拡散√Dt
による希釈効果が大きくなる。ここで、Dは溶質イオン
の拡散係数であり、tは添加後の経過時間である。例え
ば孔径102Åφの孔より添加された銀塩水溶液は、10-4
秒間に室温で約104倍に希釈される。この方式の場合、
銀塩と、X-塩水溶液の添加口を、a)第1図に示すよう
に1つの混合ボックス内に設けた方式、b)上記2)に
記載の如く銀塩とX-塩水溶液とを別々の混合ボックス内
に添加する方式、そしてc)バルク溶液中にできるだけ
均等に該添加口を散在させる方式(具体例は、特開平1
−76678号公報の第1図を参照のこと)を挙げることが
できる。
上記の混合装置としては。該装置内にて局所的高過飽
和状態が発生しない装置が好ましく、その点では、好ま
しい順番は、[3)の装置]>[2)の装置]>
[1)]の装置である。この3)の装置で孔径が小さ
く、孔が反応容器内に均一に分布している場合には、添
加された直後に、反応溶液全体にわたって均一混合化が
達成されるが、1)や2)のタイプの装置の場合には、
製造スケールが大きくなればなるほど、反応溶液の循環
頻度を同じに保つためには循環流速を大きくしていく必
要があるが、発泡等の発生により限界がある。従って、
製造スケールが大きくなるにつれ、均一化速度が遅くな
る。しかしながら、装置の取り扱いやすさの観点からは
2)のタイプの方式がより好ましい。
4)その他、特開平1−183417号公報記載の連続法混
合器において、銀塩水溶液とX-塩水溶液のそれぞれの添
加を上記多孔体を用いて添加すること、そして前記の
1)〜7)の手法の1つ以上を併用することにより、多
重双晶粒子の生成確率を下げることもできる。しかし、
この4)′の手法により前記の、1)〜3)の手法の方
がより好ましい。
従って、本発明では、ハロゲン化銀微粒子は連続法よ
りバッチ式に調製される方がより好ましい。バッチ式の
方がハロゲン化銀の粒子サイズを任意に選ぶことがで
き、かつ、サイズ分布が狭いという利点もある。
上記のハロゲン化銀微粒子を形成する時の温度は、好
ましくは0〜45℃、より好ましくは5〜35℃、更に好ま
しくは10〜30℃である。低温の方がより微粒子となり、
かつ、該微粒子の合一化反応も抑えられる為に好まし
い。添加時間は、好ましくは5秒〜15分、より好ましく
は10秒〜5分である。添加時間を長くすると、乳剤中の
AgXのモル数/mLを大きくできるため好ましいが、生成粒
子の粒子サイズが大きくなるという欠点も有する。ハロ
ゲン化銀微粒子乳剤としては、所望の粒径を持ち、かつ
AgXのモル数/mL値が大きい方がより好ましい。それは微
粒子乳剤の総添加量が少なくなり、製造効率が高くなる
ためである。即ち、同一の混合容器で、より多くのAgX
モル生成量を得ることができる。
ハロゲン化銀微粒子乳剤のAgXのモル数/mL値を高くす
る為には、次の方法を併用することもできる。即ち、ハ
ロゲン化銀微粒子乳剤の調製後、該乳剤中の水の一部ま
たは全量を除去する。除去方法としては、次のような方
法を挙げることができる。
1)減圧蒸留法 例えば、第2図の減圧蒸留装置32に、低温トラップと
減圧装置を取り付け、開閉弁27の減圧蒸留装置32側に開
け、混合容器内を減圧にする。この操作により、混合容
器内のハロゲン化銀乳剤の沸点が低下し、低温で沸騰し
始める。この場合、第2図の添加口24から、もしくは別
に挿入した毛細管より不活性ガス(N2,Arガス等)、も
しくは空気、より好ましくはそれらの乾燥ガスを送る
と、水の蒸発がより促進される。蒸発した水蒸気は冷却
トラップ(図示なし)にトラップされる。減圧装置とし
て油回転ポンプを用いる場合は、油の劣化を防止するた
めに冷却トラップを要するが、流水ポンプや水ポンプな
どを用いる場合は不要である。このようにして低温で水
を蒸発除去することができる。このようにすれば低温の
条件が維持されるため、ハロゲン化銀微粒子がオストワ
ルド熟成を受けることもない。乳剤は恒温槽により一定
温度に保たれる。冷却トラップとしてはドライアイス、
液体窒素(ドライアイス+エタノール)、冷蔵庫等に用
いられている冷凍機器等を挙げることができる。
この減圧蒸留法の実施に際しては、ハロゲン化銀微粒
子乳剤を完全に乾燥することもできる。その場合には、
ハロゲン化銀微粒子の保存安定性の問題も解消される。
2)限外濾過法 限外濾過装置を用いて、ハロゲン化銀微粒子乳剤の微
粒子を残し、水分を濾過し、除去する方法である。この
場合、濾過による目づまりを防止するために、フイルタ
ー面に対し平行に溶液を流すクロスフロー方式が好まし
い。例えばハロゲン化銀微粒子乳剤をクロスフロー式限
外濾過装置を通して濃縮した後に、反応容器に添加する
ことができる。該限外濾過装置に関しては、大矢晴彦編
著、膜利用技術ハンドブック、幸書房(1983年)の記載
を参考にすることができる。
3)遠心分離法 簡便な遠心分離装置としては、特願平1−258862号出
願に添付された図面の第6図を挙げることができる。
なお、遠心分離法や、減圧蒸留の詳細に関しては日本
化学会編、新実験化学講座、基本操作〔I〕、第4章、
丸善(1975)、同、実験化学ガイドブック、第3章、丸
善(1984)の記載を参考にすることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法においては、目
的に応じてハロゲン化銀微粒子のサイズを選ぶことがで
きる。より高過飽和度下で迅速に種晶を形成させたい場
合は、ハロゲン化銀微粒子のサイズはできるだけ小さい
ことが好ましい。それはサイズが小さいほど、その溶解
度が高く、より高過飽和度下で種晶を迅速に成長させる
為である。この場合、ハロゲン化銀微粒子のサイズとし
ては平均粒径0.1μmφ以下が好ましく、0.06μmφ以
下がより好ましい。一方、低過飽和度下で種晶を成長さ
せたい場合には、ハロゲン化銀微粒子のサイズを大きく
した方がよい。それは、サイズが大きいほど、その溶解
度が低くなるためである。しかし、種晶を成長させる為
には、種晶の溶解度よりは高くする必要がある。この場
合は、その制限内でハロゲン化銀微粒子のサイズを自由
に選ぶことができる。種晶を選択的に異方成長させたい
場合には、低過飽和成長法が有効である。例えば平行双
晶面を有する平板状微粒子を該主平面に平行な方向にの
み選択的に成長させたい場合、(例えば、特願平1−17
8545号明細書記載の粒子形成)や、一つの粒子表面が二
種以上の結晶学的表面で構成されている場合に、一方の
結晶表面上にのみ選択的に成長させたい場合(例えば特
開平2−34号公報記載の粒子形成)に有効である。この
場合、種々のサイズの微粒子乳剤を添加して種晶を成長
させ、成長した種晶の電子顕微鏡写真像を観察すること
により、最適のハロゲン化銀微粒子のサイズを決めるこ
とができる。通常、該投影粒径が0.01〜0.15μmφ、好
ましくは0.04〜0.1μmφの範囲で選ぶことができる。
ハロゲン化銀微粒子乳剤の調製の時の銀塩とX-塩の水
溶液の添加系としてはガス加圧添加系(空気またはN2
より添加溶液に圧力をかけ、ひとつ、または複数の孔を
通して、Hagen−Poiseuille式に従い、該流量を制御す
る方式、即ち、該孔の両側の圧力差ΔP、該孔の有効面
積もしくはその両者を変化させることにより、該流量を
制御する方式)、ギヤーポンプ、プランジャーポンプ、
ダイヤフラム型ポンプ等を用いることができる。
その他、特願平2−43791号明細書記載の容量制御式
添加装置を好ましく用いることができる。これらの添加
系に関しては、特開平1−258862号公報、同2−43791
号公報、化学工学協会編、「化学装置便覧」第18章、丸
善発行(1989年)、特開平1−199123号公報、「化学装
置百科事典」第1章、化学工業社発行(1976年)の記載
を参考にすることができる。
本発明で用いるハロゲン化銀無双晶粒子は、また、ら
せん転位も実質的に含まないことが好ましい。ここで実
質的とは粒子数比で1%以下が好ましく、0.1%以下が
より好ましく、0.01%以下が更に好ましい。上記手法で
作った無双晶微粒子は、らせん転位も実質的に含まな
い。らせん転位を含む粒子は通常投影形状が矩形、菱形
を示す。即ち、上記手法はらせん転位の生成をも防止す
る。
次に、ハロゲン化銀種晶乳剤への微粒子剤の供給添加
と、その添加後の種晶の成長について説明する。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法で利用する、種
晶乳剤が導入されている反応容器とハロゲン化銀微粒子
形成用混合容器の関係は、第1図と第2図に示す関係に
あることが望ましい。
即ち、まずハロゲン化銀微粒子を形成した後、ハロゲ
ン化銀微粒子を該混合容器から速やかに反応容器2に供
給する。この方法によれば、ハロゲン化銀微粒子乳剤を
冷蔵庫に保存したり、再溶解したりする手間が省ける
し、ハロゲン化銀微粒子の保存安定性の問題も解消され
る。
ハロゲン化銀微粒子乳剤を反応容器中に添加する時の
添加装置としては複数交互式ポンプ添加装置を利用する
ことが好ましい。例えば代表例として、添付図面の第1
図の態様例を挙げることができる。この場合、一方の添
加装置(例えば第1図のAのポンプ)で添加している間
に、次のステップで添加する微粒子乳剤を該バッチ式混
合容器で調製し、もう一方の添加装置(例えば第1図の
B)に入れて待機できる為である。添加装置Aによる添
加が終れば、すぐに添加装置Bによる添加に移ることが
できる。
ハロゲン化銀微粒子乳剤の添加は、上記のようにして
連続的に添加することができるが、断続的に行なうこと
もできる。すなわち、ハロゲン化銀微粒子添加法の場
合、ハロゲン化銀微粒子を一度に添加しても、反応溶液
の過飽和度はハロゲン化銀微粒子自身の溶解度より高く
なることがなく、従ってイオン添加法(硝酸銀やハロゲ
ン化アルカリ塩水溶液を添加する法)の時のような新核
発生に結びつかない為である。ただし、多く添加すれ
ば、ハロゲン化銀微粒子全部が消失するまでの時間が長
くなる。その場合、消失時間は20分以下が好ましく、10
分以下がより好ましく、7〜1分が更に好ましい。それ
は、消失時間が長くなると、ハロゲン化銀微粒子間でオ
ストワルド熟成を起こし、ハロゲン化銀微粒子の平均サ
イズが大きくなる為である。これは種晶の成長速度を低
下させることになる。即ち、この場合には、溶質イオン
の供給源は大過剰に存在し、種晶表面におけるAgXの沈
積過程が律速過程となる。そして(種晶表面の過飽和≒
微粒子の溶解度)となり、微粒子間でオストワルド熟成
を起こすのである。
通常は、(ハロゲン化銀微粒子の存在モル量/種晶モ
ル量)が増加するにつれて、種晶表面の過飽和を上昇さ
せ、種晶の成長速度を上昇させる。しかし、増加させす
ぎると、上記の如く、微粒子間のオストワルド熟成を生
じる確率が増し、種晶の成長速度を低下させることにな
る。従って、最適のモル比が存在する。これは種晶のサ
イズや溶液条件により異なる。実用的には種々のモル比
で混合して種晶を成長させ、種晶の成長速度が最も速く
なる領域を選んで用いることができる。最も好ましく
は、その最適条件を連続的に維持しつつ、種晶を成長さ
せることである。
ハロゲン化銀微粒子乳剤中に多重双晶粒子を含んでい
ると、pBr<2、特にpBr<1.4では微粒子間のオストワ
ルド熟成により、特に多重双晶粒子が成長し、新核発生
を起こしやすい。従ってハロゲン化銀微粒子のモル比率
を高めることができなくなり、種晶粒子の成長速度も低
下する。多重双晶粒子が実質的に存在しない場合は、該
モル比率を高めることができ、より高過飽和条件で種晶
を成長させることができる。従って本発明の効果がより
発揮される。
ハロゲン化銀微粒子乳剤は反応容器内の液面上にも添
加することができるが、一般に直接に液中に添加した方
が、撹拌効率もよく、発泡も少ない。従って通常は直接
に液中に添加される。この場合の好ましい添加装置とし
ては、前述の特公昭55−10545号公報、同58−58288号公
報、同58−58289号公報、特開昭61−113036号公報、同6
2−106451号公報、実公昭60−117834号公報記載の装置
を挙げることができる。更に、前述した多孔体を通して
添加することがより好ましい。但し、該多孔体の孔径は
ハロゲン化銀微粒子径より大きくする必要がある。
最も理想的には該多孔体の添加口が反応溶液中に均等
に散在し、添加直後に、添加された微粒子乳剤が反応溶
液中に均一混合化される状態である。このように添加系
として、特願平1−76678号出願に添付の第1図の態様
例を挙げることができる。
粒子成長とともに添加する微粒子のハロゲン組成を変
化させる場合、次の手法を用いることができる。
1)バッチ式混合器(例えば第1図の1)で調製する
微粒子のハロゲン組成を各バッチ毎に変化させていく方
法 2)微粒子添加系を他に1個以上設け、異なるハロゲ
ン組成の微粒子乳剤を調製し、それらの添加速度比を連
続的に、またはステップ状に変化させる方法 例えば、AgBr、AgCl、AgIの各微粒子乳剤の添加速度
比を変化させていく方法、および/もしくはAgBr、AgBr
Cl、AgBrIの各微粒子乳剤の添加速度比を変化させてい
く方法等を挙げることができる。
なお、混晶AgX層を成長させる場合には、該混晶組成
の微粒子を添加するよりは、AgCl、AgBr、AgIの各微粒
子乳剤を添加する方が、エントロピー効果により微粒子
がより速く溶解し、成長速度がより速くなるという利点
がある。
ハロゲン化銀種晶は、(1)予め別の反応容器で調製
した種晶、(2)当該反応容器内(例えば第1図の反応
容器2)で調製した種晶、(3)当該バッチ式混合容器
(例えば第1図の混合容器1)で調製した種晶、を用い
ることができ、特に制限はない。しかし、当該反応容器
内で行った方が、続けて結晶成長に移行できるためによ
り好ましい。すなわち、移液や反応装置の洗浄の手間が
省ける。
本発明の製法では、ハロゲン化銀微粒子とハロゲン化
銀種晶とは別個に調製される。そして、本発明の製法で
は、ハロゲン化銀種晶として平均粒径0.25μmφ以上の
平板状粒子を用い、該熟成時のpBrが2以下である態様
が特に好ましい。平板状粒子としては、アスペクト比2
以上の平板状粒子が、投影面積で50%以上、好ましくは
70%以上、より好ましくは90%以上を占める粒子が好ま
しい。該平板状粒子としては、平行二重双晶粒子が投影
面積で50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは
90%以上を占める平板状粒子が用いられる。ここでアス
ペクト比とは平板粒子の(直径/厚み)を意味し、直径
とは電子顕微鏡で観察した時に、粒子の投影面積と等し
い面積を有する円の直径を意味するものとする。また厚
みは平板状粒子の主平面の厚みを意味する。pBr値は2
以下が好ましく、1.7〜0.4がより好ましく、1.4〜0.6が
更に好ましい。
ハロゲン化銀種晶粒子としては粒子表面に化学増感を
施した粒子を用いてもよい。ここで化学増感とは、カル
コゲナイド増感(イオン、セレン、テルルを含む化合物
およびその二種類以上の併用)、金増感(塩化金酸、チ
アシアン化金、チオ硫酸金等の金化合物の添加による増
感)、貴金属増感(白金、イリジウム、パラジウム等の
第8族貴金属を含む化合物の添加による増感)、還元増
感(還元性化合物の添加による増感)およびその二種以
上の併用を意味する。添加量はいずれも10-2モル/モル
AgX以下であり、好ましくは10-7〜10-2モル/モルAgXで
ある。詳細は後述の文献で記載を参考にすることができ
る。
単分散平行二重双晶粒子の種晶形成に関しては、特開
平2−838号公報、同2−28638号公報、特開昭63−1516
18号公報、特開平1−302790号公報の記載を参考にする
ことができる。無双晶AgX種晶形成に関しては特願昭63
−223739号明細書の記載を参考にすることがでいる。そ
の他の公知粒子種晶形成に関しては、後述の文献の記載
を参考にすることができる。種晶の粒径は(種晶の溶解
度<微粒子の溶解度)が成り立つ粒径であることが必須
である。また、「微粒子の溶解度」と「種晶の溶解度」
との差は大きい方が種晶はより迅速に成長する。
イオン添加法の場合、添加した溶液を迅速にバルク溶
液中に均一混合化する為に激しく撹拌混合する必要があ
る。それはAgXの溶解度積が小さい為に、局所的にAg+
X-の濃度の高い所が存在すると、そこで迅速な不可逆の
不均一反応を起こす為である。特に大量処理用の製造装
置で反応溶液の循環頻度を上げる為には協力な撹拌が必
要である。しかしながら、激しい撹拌は、特に成長した
大きいAgX粒子を損傷(圧力かぶり等)することが多
い。本発明の微粒子添加法の場合は、添加された微粒子
濃度が局所的に高濃度となっても、該微粒子の溶解速度
が遅い為に不均一反応の程度は小さい。従って、大量処
理用の製造装置においても、激しい撹拌を必要としな
い。よって、成長したAgX粒子に対する損傷の問題もな
く、かつ、均一な再現性のよい結晶成長ができる。本発
明の製法では微粒子形成の場合は激しく撹拌されるが、
この場合、該微粒子は単なる溶質イオンの供給源であ
り、再溶解する為に問題にはならない。
本発明の方法をイオン添加法と併用して用いることが
できる。例えば粒子成長中のある期間をイオン添加法で
添加し、不均一な混晶AgX層を形成したり、急激なハロ
ゲン組成変化層を形成することにより結晶欠陥(転移欠
陥等)を形成することもできる。耐圧力性や相反則特
性、感度を改良することができる。例えば圧力が印加さ
れた時に、該転移が玉つき状に順に動くことにより該圧
力を緩和することができる。その他、X-の過剰存在下で
種晶を成長させる場合に微粒子乳剤の添加とともに、X-
塩溶液を添加することもできる。それは、該微粒子乳剤
が、Ag+とX-に関して前記のごとく等イオン点近傍で調
製された場合、該微粒子乳剤の添加で薄められた種晶乳
剤にX-を補給する必要があるためである。そして、微粒
子乳剤にX-塩溶液を予め添加すると、該乳剤の溶解度が
増加し、該微粒子の平均径が増す為に添加したくないと
いう場合に有効である。その他、微粒子乳剤の添加に際
しては、Ag+塩溶液とX-塩溶液とをモル比で70%以下、
好ましくは30%以下で併用添加することもできる。
本発明のAgX乳剤の製造方法に好ましく用いられる代
表例である第1図の装置の操作を簡単に説明する。
まず、バッチ式混合容器1の内部にゼラチン水溶液を
入れ、銀塩とX-塩水溶液の添加によりハロゲン化銀微粒
子乳剤を調製する。ハロゲン化銀微粒子乳剤調製の終了
後、銀塩とX-塩との添加を止め、開閉弁5を開け、ネジ
付きシャフト18を上げ、微粒子乳剤をプランジャーポン
プAのシリンダー4の内部に吸入する。次いで、開閉弁
5を閉じ、開閉弁6を開け、ネジ付きシャフト18を下
げ、シリンダー4の内部の残留空気を抜く。次に開閉弁
6を閉じ、開閉弁9を開け、ネジ付きシャフト18を下げ
ることにより、ハロゲン化銀微粒子乳剤を、添加口(多
孔体添加具)20を介して、反応容器2の内部の反応溶液
(ハロゲン化銀種晶溶液)10に添加する。新粒子が発生
しない範囲で添加時間に対して階段状もしくは連続的に
添加速度を増加させることができる。また、断続的に添
加することもできる。
上記のように先に調製したハロゲン化銀微粒子乳剤を
プランジャーポンプAで添加している間に、混合容器1
にて次に添加する微粒子乳剤を調製する。すなわち、上
記と同様に、該微粒子乳剤をプランジャーポンプBのシ
リンダー4′の内部に入れ、空気抜きをする。プランジ
ャーポンプAからの添加が終われば、開閉弁9を閉じ、
開閉弁9′を開け、ネジ付きシャフト18′を下げ、プラ
ンジャーポンプBから微粒子乳剤を添加する。そして、
この後、この操作を繰り返す。また、各ステップ間に、
各容器の洗浄過程を入れることもできる。例えば、開閉
弁13を洗浄水供給排出装置12の方に開け、ネジ付きシャ
フト18を上げ、プランジャーポンプAのシリンダー4の
内部に洗浄水供給排出装置12より水を吸入し、次に開閉
弁6を開け、水を洗浄水供給排出装置12より排出するこ
とができる。また、ネジ付きシャフト18を下げ、洗浄水
供給排出装置12およびまたは開口部7より水を排出し洗
浄することもできる。その他、開口部8より水を吸入
し、開口部8および/または開口部7より水を排出する
ことにより洗浄することもできる。
17はシステム制御装置であり、各弁の開閉、撹拌の開
始、停止、溶液の計量および添加の開始・停止、C.D.J.
(controlled−double jet、コントロールド・ダブル・
ジェット)制御の開始、停止等の制御の装置全体にわた
って、予め定められた順序に従って、逐次組織的に調節
する制御装置をいう。制御装置としては、一般的なもの
を使用することができ、詳細に関しては、沢井善三郎監
修、シーケンス自動制御便覧、オーム社(1971)の記載
を参考にすることができる。
19は混合ボックスであり、特開昭51−72994号公報の
記載を参考にすることができる。
本発明の装置の他の態様例として第2図の装置を挙げ
ることができる。
バッチ式混合容器1内にゼラチン水溶液を入れ、銀塩
とX-塩水溶液との添加により微粒子乳剤を調製する。調
製が終れば、銀塩とX-塩の添加を止め、開閉弁31と27と
を開ける。次にガス圧制御装置26によりガス圧を制御し
て混合容器1内にガス圧力を印加し、該微粒子乳剤を反
応容器2内に添加する。該添加流量は該印加ガス圧とオ
リフィス28の径を選ぶことにより制御される。この場合
の該バッチ式混合装置も二基以上設けて用いることが好
ましい。
第2図において、20、22は多孔体であり、多孔体20は
0.3mmφの穴を200個有し、多孔体22は0.15mmφの穴を10
3個有する。該孔は該混合ボックス内面に均一に分布し
ている。
本発明の製造方法は特願平1−258862号明細書と図面
に記載の直列バッチ式連続製造装置の添加系に対しても
好ましく適用することができる。
本発明を製法を、カラーネガ用AgX乳剤調製に用いる
場合には、AgX粒子中に正孔捕獲性還元増感銀核を含ま
せることが好ましい。該条件は通常、AgX乳剤粒子の結
晶成長時の温度、pH、pAg、成長時間などに依存する。
温度を上げ、pHを上げ、pAgを下げ、成長時間を長くす
るとより、単位体積あたりの銀核形成は増加する。その
他、添加する還元剤の種類や添加量に依存する。しか
し、還元銀の生成量が多くなりすぎると、かぶりが増加
し、好ましくない。従って、粒子成長中のそれらの条件
を変化させ、最終的に得られる写真感度が最も高くなる
ように該条件を選ぶことができる。
通常用いられるpH領域は、1.8〜11であって、多くは
2〜10であり、pX-=−log(X-濃度mol/リットル)領域
は6〜0.4で、多くは4〜0.6、温度は40〜90℃で、多く
は50〜85℃である。
その他、反応容器の温度制御、C.D.J.制御、反応容器
やポンプの接液部の材質、撹拌混合法、邪魔板の併用等
に関しては特願平1−207513号明細書、同1−144724号
明細書、同1−258862号明細書、同2−43791号明細書
の記載を参考にすることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法は、双晶面を有
する双晶粒子、平行双晶面を有する平板状粒子、双晶面
を有しない正常晶粒子(例えば、立方体、14面体、8面
体粒子)、その他、斜方12面体、38面体、偏菱形24面
体、46面体、68面体粒子など、既存のあらゆるハロゲン
化銀粒子の形成法として用いることができるが、前記平
板状粒子に利用することが特に好ましい。
ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成には特に制限はな
く、AgCl、AgBr、AgIおよびそれらの混晶に対して用い
ることができる。粒子サイズは0.25μmφ以上、好まし
くは0.4〜5μmφのあらゆるハロゲン化銀粒子の製法
として用いることができる。これらに関しては後述の文
献の記載を参考にすることができる。
ハロゲン化銀乳剤を製造する場合に用いられる分散媒
としては、ハロゲン化銀乳剤に通常用いられるものを用
いることができ、ゼラチンをはじめ、種々の親水性コロ
イド、合成コロイドを用いることができる。通常はゼラ
チンが好ましく、不純物イオンや不純物を除去したアル
カリ処理がより好ましい。ゼラチンとしてはアルカリ処
理ゼラチンの他、酸処理ゼラチン、フタル化ゼラチンの
ごとき誘導体ゼラチン、低分子量ゼラチン(分子量1000
〜10万で、具体例として酵素で分解したゼラチン、酸お
よび/もしくはアルカリで加水分解したゼラチン、熱で
分解したゼラチンを挙げることができる。)、高分子量
ゼラチン(分子量10万〜30万)、メチオニン含率が50μ
モル/g以下のゼラチン、酸化処理ゼラチン、メチオニン
がアルキル化等により不活性されたゼラチンを用いるこ
とができるし、それらの二種以上の混合物を用いること
もできる。
その他、ゼラチンと防腐剤(フェノール、フェノール
誘導体等)およびもしくはかぶり防止剤を二価の連結基
で結合させたもの(これに関しては特願平1−144725号
明細書、同2−161924号明細書の記載を参考にすること
ができる)、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマ
ー、チオエーテルポリマー、アルブミン、カゼイン等の
タンパク質、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロース硫酸エステル類のごとき
セルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、でんぷん誘導体
などの糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリド
ン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾー
ル等の単一あるいは共重合体のごとき多種の合成親水性
高分子物質を単独もしくは混合系で用いることができ
る。
これらの詳細に関しては後述の文献の記載を参考にす
ることができる。
該防腐剤に関しては日本防菌防黴学会編、防菌防黴ハ
ンドブック、第3章、技報堂(1986)、堀口博司著、防
菌防黴の化学の記載を参考にすることができる。かぶり
防止剤に関しては後述の文献の記載を参考にすることが
できる。
これらの詳細に関しては後述の文献の記載を参考にす
ることができる。
また結晶成長過程で成長を促進する為に、また粒子形
成後および/または化学増感時に化学増感を効果的にな
らしめる為にハロゲン化銀溶剤を用いることができる。
しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤としては、チオ
シアン酸塩、アンモニアア、チオエーテル、チオ尿素類
などを挙げることができる。これらについては後述の文
献の記載を参考にすることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤の製造時に粒子形成から塗
布時までに添加することのできる添加剤には特に制限は
ない。添加することのできる添加剤は、ハロゲン化銀溶
剤(熟成促進剤ともいう)、ハロゲン化銀粒子へのドー
プ剤[第8族貴金属化合物、その他の金属化合物(金、
鉄、鉛、カドミウム等)、カルコゲン化合物、SCN化物
等]、分散媒、かぶり防止剤、安定剤、増感色素(青、
緑、赤、赤外、パンクロ、オルソ用等)、強色増感剤、
化学増感剤(イオウ、セレン、テルル、金および第8族
貴金属化合物、リン化合物の単独およびその組み合わせ
添加による化学増感剤であり、最も好ましくは金、イオ
ウ、セレン化合物の組み合わせからなる化学増感剤、塩
化第1スズ、二酸化チオウレア、ポリアミンおよびアミ
ンボラン系化合物等の還元増感剤)、かぶらせ剤(ヒド
ラジン系化合物等の有機かぶらせ剤、無機かぶらせ
剤)、界面活性剤(消泡剤等)、乳剤沈降剤、可溶性銀
塩(AgSCN、リン酸銀、酢酸銀等)、潜像安定剤、圧力
減感防止剤、増粘剤、硬膜剤、現像剤(ハイドロキノン
系化合物等)、現像変性剤等である。具体的な化合物お
よび使用方法等については、下記文献の記載を参考にす
ることができる。
その他、乳剤の水洗、化学増感、塗布、露光、現像の
各工程に関して、また、AgX乳剤塗布物の層構成、塗布
物の保存法等に関し、下記文献に記載された既知技術、
既知化合物とのあらゆる組み合わせ構成を用いることが
できる。
リサーチ ディスクロージャー(Research Disclosur
e)第176巻(No.17643)(December,1978)、第184巻
(No.18431)(August,1979)、第216巻(No.21728)
(May,1982)、第307巻(No.307105)(November,198
9)、「日化協月報」1984年12月号、18〜27頁、「日本
写真学会誌」49巻、7〜12頁(1986年)、同52巻、144
〜166頁(1989年)、特開昭58−113926〜113928号の各
公報、同59−90842号公報、同59−142539号公報、同62
−253159号公報、同62−99751号公報、同63−151618号
公報、同62−6251号公報、同62−115035号公報、同63−
305343号公報、同62−269958号公報、同61−112142号公
報、特公昭59−43727号公報、特願昭63−223739号明細
書、同63−315741号明細書、同61−109773号明細書、同
62−54640号明細書、同62−263319号明細書、同62−208
241号明細書、同63−129226号明細書、特開平1−13154
1号公報、米国特許4705744明細書、同47−07436明細
書、T.H.James、「The Theory of the Photographic Pr
ocess(Fourth Edition)」Macmillan,New York,1977、
V.L.Zelikman et al.「Making and Coating Photograph
ic Emulsion(The Focal Press,1964)」、P.Glafkides
著、写真の化学および物理学、Fifth Edition de 1'Usi
ne Nouvelle,Paris,1987、同Second Edition Paul Mont
el,Paris,1957、K.R.Hoilister、「Journal of Image.S
ci.」31,148〜156頁(1987)、J.E.Maskasky,「Jounal
of Imaging Science」30,247〜254頁(1986)、H.Fries
erら著、ハロゲン化銀の写真工程の基礎、Academische
Verlagsgesellschaft Frankfurt Am Main(1968)、特
願平1−76678号明細書、同1−258862号明細書、同1
−144724号明細書。
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
[実施例1] 第1図の構成からなり、微粒子形成用混合装置として
第3図の多孔体供給口を備えた混合装置を二基(No.1と
No.2)有する装置を用い、次の実験を行なった。
(1)ハロゲン化銀種晶乳剤の調製 第1図の反応容器2に、ゼラチン水溶液(水12リット
ル、平均分子量が2万の低分子量ゼラチン(以下同じ)
84g、KBr54g、pH6.0)を入れ、30℃に恒温し、撹拌しな
がら、AgNO3水溶液(100mL中にAgNO320g、低分子量ゼラ
チン0.7g、HNO3の1N液0.16mLを含む)とKBr水溶液(100
mL中にKBr14.9g、低分子量ゼラチン0.7gを含む)を480m
L/分で同時添加し、各々528mLを添加した。添加後、1
分間撹拌した後、ゼラチン水溶液(水1.62リットル、脱
イオン化アルカリ処理ゼラチン380g、pH5.5)を入れ、
2分間撹拌した後、温度を10分間かけて75℃に昇温し
た。
昇温後16分間、熟成した後、AgNO3180g/L液]を70mL/
分で添加し、溶液の銀電位(V.S.室温の飽和カロメル電
極)を−10mVに調節した。次にNH4NO3(50重量%液)を
95mLとNH3(25重量%液)を95mL添加し、18分間熟成し
たのち、HNO3(3N)液を添加し、pH5.5に調節した。次
にKBr水溶液(100g/L液)を添加し、溶液の銀電位を−2
0mVに調節した。次にAgNO3水溶液(180/L液)とKBr水溶
液(131g/L)を用いて銀電位−20mVでC.D.J.添加した。
AgNO3の添加は100mL/分で8分間添加した。この時点で
サンプリングした乳剤粒子のレプリカの透過型電子顕微
鏡写真像(TEM像)より求めた特性は次のとおりであっ
た。平均粒子径0.7μm、平均厚さ0.13μm、粒子サイ
ズ分布の変動係数(C.V.)=18%、平板状粒子の投影面
積比率99.9%であった。
上記の方法で得られたハロゲン化銀種晶乳剤にKBr(3
00g/L)液を添加し、pBr1.0とした。
(2)ハロゲン化銀微粒子乳剤の調製 第3図の混合容器1内にゼラチン水溶液(水3.6リッ
トル、低分子量ゼラチン72g、KBr0.6gを含む)を入れ、
25℃に恒温し、撹拌しながらAgNO3水溶液(100mL中にAg
NO332g、2Ge1.1g、HNO3/N0.24mLを含む)とX-水溶液(1
00mL中にKBr22.45g、低分子量ゼラチン1gを含む)を300
mL/分で3分間添加した。両撹拌羽根の回転方向は同じ
とした。更に2分間撹拌した後、撹拌を停止した。この
場合、ゼラチンの平均分子量は2万であること、および
AgX粒子が微粒子である為に、撹拌を停止してもAgX粒子
の沈降は起こらなかった。該微粒子乳剤の調製終了時刻
と、前記種晶の調製終了時刻は同じであった。
得られた微粒子乳剤をサンプリングし、これに色素I
のメタノール溶液を添加し、色素を吸着させた。該乳剤
を希釈し、コロジオン膜を張ったメッシュ上にうすくの
せ、乾燥させた。その上にカーボン蒸着した後、該メッ
シュをメタノール液に浸し、コロジオン膜を除去する。
次に該メッシュを冷水に浸し、KNO3塩を除去する。乾燥
後、透過型電子顕微鏡写真像を撮影した。該写真像より
該粒子の平均粒径は0.025μmφであった。
上記の微粒子乳剤を調製後、次に該乳剤を第1図の添
加系のプランジャーポンプAのシリンダー4に吸入し
た。種晶調製の終了後、3分後に微粒子乳剤の添加を開
始した。300mL/分で10分間添加し、2分後に乳剤を1mL
採取し、色素Iのメタノール溶液(0.08重量%液)4mL
を加え、該粒子のTEM像を観察した。新核発生は認めら
れなかった。
次に同じ種晶と微粒子乳剤を調製し、種々の添加速度
で実験したところ、400mL/分を越えたところで新核が発
生しはじめた。これはAgの0.125モル/分の添加速度に
相当する。
次に同じ種晶と微粒子乳剤とを調製し、微粒子乳剤
を、初期流量365mL/分、直線流量加速量7.7mL/分で13分
間添加し、更に2分間所熟成した。その結晶成長中に種
晶乳剤にKBr水溶液を添加し、種晶乳剤のpBr値を常に1.
0に保った。次に、沈降剤を添加し、温度を30℃に下
げ、酸でpHを4.0に下げ、沈降水洗法で乳剤を水洗し
た。次に温度を40℃に上げ、ゼラチン水溶液を加え、pH
6.2、pBr2.8に調節し、再分散した。得られた乳剤粒子
のレプリカのTEM像を観察したところ、次のとおりであ
った。
粒子の平均厚さ0.13μm 平均粒径 1.2μm 粒子サイズ分布(C.V.)17% 平板状粒子の投影面積比率99.9% 新粒子の混入投影面積比率0% 該乳剤を55℃にし、色素IIを飽和吸着量の70%添加
し、10分後にチオ硫酸ソーダと(塩化金酸+チオシアン
酸ナトリウム)を添加し、最適に化学増感した。温度を
40℃に下げ、かぶり防止剤[TAI(4−ヒドロキシ−6
−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン]を7×10-3
ンモル/モルAgXだけ添加し、10分後に塗布助剤(ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム)と増粘剤[ポリ
(4−スルホスチレン)ナトリウム塩]を加え、ゼラチ
ン保護層とともに、三酢酸セルロース製透明ベース上
に、銀1.5g/m2で塗布し、乾燥させた。
[比較例1] 第1図の態様の装置において、該反応容器二基(但し
添加口は各添加溶液あたり1個である)を有する装置を
用いて次の実験を行なった。微粒子乳剤の調製法を次の
ようにした以外は全て、実施例1と同じ操作を行なっ
た。混合容器内にゼラチン水溶液[H2O3.6リットル、低
分子量ゼラチン24g、KBr7.2gを含む]を入れ、25℃に恒
温し、撹拌しながら、AgNO3水溶液(320g/L)とX-水溶
液(KBr228g/L)を300mL/分で3分間添加した。低分子
量ゼラチン液(低分子量ゼラチン60g、水300mL)を添加
し、更に2分間撹拌した後、撹拌を停止した。
次に実施例1と同じように、該微粒子乳剤を種々の添
加速度で10分間添加したところ、130mL/分を越えたとこ
ろで新核が発生し始めた。従って、臨界添加速度は実施
例1の約1/3であった。これはAgの約0.04モル/分の添
加速度に相当する。
[比較例2] ハロゲン化銀種晶の調製は実施例1と同様に行なっ
た。一方、微粒子乳剤の調製法は次のようにした。特開
平1−183417号公報記載の混合容器と同様の混合容器を
用い、実施例1で用いた微粒子形成用のゼラチン水溶
液、AgNO3水溶液、X-水溶液を用い、種々の添加速度で1
0分間の等速添加をした。AgNO3溶液とX-溶液を14mL/分
を越える速度で添加した時に新核が発生し始めた。これ
はAgの0.026モル/分の添加速度に相当する。従って、
臨界添加速度は実施例1の約1/4.8であった。
なお、実施例1、比較例1、2の各々の微粒子乳剤を
100mLずつ採取し、30℃でAgNO3液とKBr液を添加し、多
重双晶粒子と一重双晶粒子の粒子数比率を求めたとこ
ろ、次の通りであった。
多重双晶粒子数比率: 実施例1(0%)、比較例1(2%)、比較例2
(3%) 一重双晶粒子数比率: 実施例1(0.1%以下)、比較例1(18%)、比較
例2(23%) 従って、本発明の効果が確認された。
また、本発明の微粒子乳剤は調製された容器から直接
に種晶乳剤に供給される為に、保存、および保存安定性
の問題もなかった。
[実施例2] 反応容器に、ゼラチン水溶液(水12リットル、低分子
量ゼラチン84g、KBr54g、pH6.5)を加え、温度を30℃に
し、撹拌しながらAgNO3水溶液(1000mL中にAgNO3200g、
低分子量ゼラチン8.4g、HNO3(0.5B)4mLを含む)とKBr
水溶液(1000mL中にKBr14.9g、低分子量ゼラチン8.4g、
HNO3(0.5N)4mLを含む)を480mL/分で528mLを添加し
た。1分後にゼラチン水溶液(水1620mL、脱イオン化ア
ルカリ処理ゼラチン380g、pH6.5)を添加し、2分間撹
拌した後、温度を75℃に上げた。12分間の第一熟成を行
なった後、AgNO3水溶液(1000mL中にAgNO3180gを含む)
を70mL/分で添加し、銀電位を+15mVにした。更にNH4NO
3(50重量%)水溶液95mLとNH3(25重量%)水溶液95ml
を添加し、18分間熟成した。
次にHNO3(3N)水溶液とKBr(10重量%)を添加し、p
H6.7、銀電位−20mVに調節し、AgNO3水溶液(1000mL中
にAgNO3180gを含む)とKBr水溶液(1000mL中にKBr131g
を含む)を用いて、銀電位−20mV、100mL/分で8分間の
C.D.J.添加した。この時点でサンプリングした乳剤粒子
のTEM像を観察したところ、平均投影粒径0.61μmφ、
粒子の平均厚さ0.185μm(従って平均体積0.054μ
m3)、6角形状平板粒子の個数割合99.9%、粒子サイズ
分布の変動係数12%であった。
ここまでがハロゲン化銀種晶乳剤形成である。この種
晶乳剤を形成したのち、1100mLずつに三つに小分けし
た。
上記の種晶乳剤に、後述の微粒子2a乳剤550mLを添加
し、75℃でKBr溶液を添加し、該乳剤のpBr値をそれぞ
れ、1.8,1.5,1.3,1.0,0.6にし、熟成した。熟成時間の
経過に対し乳剤を1mLずつサンプリングし、その電子顕
微鏡写真を観察し、その写真により該微粒子の消失時間
を求めた。(添加微粒子のモル数/消失時間)を求め、
その値を第4図の曲線bで示した。
次に後述の微粒子2b乳剤を用い、実施例1と同様の値
を求め、臨界添加速度を第4図の曲線cで示した。
次にAg−2水溶液(AgNO318g/100mL)とX−2水溶液
(Ag−2と等量添加でpBrが一定に保たれる濃度)を用
いて、銀電位を一定に保ちつつ、同時定量添加した。新
粒子が発生しはじめる臨界添加速度を求め、その値を第
4図の曲線dで示した。
pBrが約1.3以下、特に1.0以下では臨界成長速度は曲
線b>曲線c>曲線dであった。
またその時に得られた粒子の単分散性は曲線b>曲線
c>曲線dであった。
従って添加する微粒子の多重双晶粒子比率が低い程、
臨界添加速度(=臨界成長速度)が大きく、かつ、単分
散性のよい平板状乳剤粒子が得られ、本発明の効果が確
認された。
(微粒子2a乳剤の調製) 第2図の態様の混合容器内に、ゼラチン水溶液(水36
00mL、低分子量ゼラチン72g、KBr0.9gを含む)を入れ、
30℃に恒温し、撹拌しながらAgNO3水溶液(100mL中にAg
NO330g,低分子量ゼラチン1g、HNO31N液0.24mLを含む)
とKBr水溶液(100mL中にKBr21.05g、低分子量ゼラチン1
g、HNO31N液0.24mLを含む)を200mL/分で4、5分間添
加した。更に2分間撹拌した後、温度を20℃にした。得
られた粒子の平均粒径は0.06μmφであって、多重双晶
粒子数比率は0.01%以下であった。(該確認法は特開平
2−146033号公報に記載されている)。
(微粒子2b乳剤の調製) 特開昭51−72994号公報記載の構成の装置を用い、容
器内にゼラチン水溶液(水3600mL、KBr6.48gを含む)を
入れた。30℃に恒温し、撹拌しながら、AgNO3水溶液(1
00mL中にAgNO330gを含む)とKBr水溶液(100mL中にKBr2
1.36gを含む)を300mL/分で3分間添加した。更に2分
間撹拌した後、温度を20℃にした。得られた粒子の平均
粒径は0.06μmφであり、多重双晶粒子数比率は1.5%
であった。
[発明の効果] 本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法は次のような効
果を有する。
(1)本発明の製法で用いるハロゲン化銀微粒子は多重
双晶粒子を実質的に含まれない為に、再溶解しやすく、
従って新核発生を生じ難い。この効果は特に高X-濃度下
で平行双晶面を有する種晶を成長させる場合に効果が大
きい。例えば、高Br-濃度下で種晶を成長させる場合、
イオン添加法では、銀塩水溶液が添加されたところで形
成される微粒子核が、平行双晶面を含む確率が高くな
る。そしてそれが迅速に成長し、薄い大きな平板状の新
核を発生させるためである。すなわち、種晶乳剤のpBr
値が変化すると、形成される該微粒子核の特性も変化す
る為である。本発明の場合、ハロゲン化銀微粒子核は別
の混合容器で、多重双晶を実質的に含まないように、一
定した微粒子核が形成された後に供給される為に、粒子
形成時の要因がより独立に制御できるという利点を有す
る。
(2)ハロゲン化銀微粒子乳剤は調製された後、水洗せ
ずに直ちにハロゲン化銀種晶乳剤を含む反応容器に供給
する方法を利用すれば、ハロゲン化銀微粒子乳剤の保存
の手間、保存中の粒子サイズ変化の問題、該乳剤の再溶
解の手間がなくなる。
(3)ハロゲン化銀微粒子乳剤の形成が前記のバッチ式
混合容器で行なわれた場合には、特開平1−183417号公
報記載の混合装置を用いた場合に対して、次の利点を有
する。
a)バルク溶解による希釈効果を、より有効に利用で
き、多重双種粒子の生成を有効に抑えることができる。
例えば、第3図のバッチ式混合装置を用いた場合に、そ
の効果はより大きい。
b)目的に応じてハロゲン化銀微粒子乳剤の粒子サイ
ズを自由に選ぶことができる。従って種晶を成長させる
時の過飽和度を自由に選ぶことができ、種晶を選択的に
異方成長させることもできる。
c)ハロゲン化銀微粒子の平均滞留時間を揃えること
ができる為に、利用できるハロゲン化銀微粒子のサイズ
分布がより揃う。従って、反応溶液中の過飽和度がより
高精度で制御される。
d)ハロゲン化銀微粒子乳剤の濃度(銀量/mL値)を
上げることができる。従って一定の反応容器で製造でき
るAgXモル数が高くなり、製造効率を上げることができ
る。但し、この場合、銀塩とX-塩の水溶液の添加時間を
長くすればする程、該銀量/mL値をより高くすることが
できるが、粒子サイズも大きくなる。これは反応系の温
度をより低温にすることにより、最初に生じた核の成長
をできるだけ抑えること、新しい粒子の発生を伴う添加
をすること、およびその併用により抑えることができ
る。
(4)ハロゲン化銀微粒子乳剤を複数交互式ポンプ添加
装置により添加すると、ステップ間で待ち時間もなく、
連続的に微粒子乳剤を添加することにできる。
(5)反応溶液を激しく撹拌する必要がなくなる為に、
成長した種晶に対する物理的損傷を小さくすることがで
き、圧力かぶりの少ないAgX乳剤粒子を製造できる。
(6)局所的なAg+高濃度域が生成しない為に、還元増
感レベルが粒子内および粒子間でより制御されたAgX乳
剤粒子を調製できることができる。従ってより高感度で
高画質な写真感光材料の製造に適したハロゲン化銀乳剤
を得ることができる。
(7)混晶AgX粒子を形成する場合において均一組成の
混晶を形成することができる。また、粒子内に意図通り
に、均一組成部と不均一組成部を作り分けることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法に用い
られる製造装置の好ましい実施態様例である。 第2図は、本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法に用い
られる製造装置の他の態様例である。 第3図は、本発明のハロゲン化銀乳剤の製造方法に用い
られるバッチ式混合装置の別の態様例である。 第4図は、実施例2の実験で求めた種々のpBr下におけ
る臨界添加速度に対するpAg(pBr)の関係を示す。 (1):AgX微粒子形成用のバッチ式混合装置 (2):種晶を成長させる反応装置 (3):微粒子乳剤の添加系 A,B:プランジャーポンプ 1:混合容器 2:反応容器 3,3′:プランジャー 4,4′:シリンダー 5,5′,6,6′:開閉弁 7,7′,8,8′:開口部 9,9′:開閉弁 10:バルク溶液 11,11′:シールドパッキング 12:開口部 13:開閉弁 15:プランジャーを駆動させる駆動部 16:撹拌羽根 17:システム制御装置 18,18′:ネジ付きシャフト 19:混合ボックス 20:多孔添加口 21:混合ボックス 22:多孔添加口 23:バルク溶液 24:銀塩水溶液の添加系 25:X-塩水溶液の添加系 26:ガス圧制御装置 27:開閉弁 28:流量制御用オリフィス 29:排液口 30:邪魔板 31:開閉弁 32:減圧蒸留装置(低温トラップと減圧装置) a:75℃におけるAgBrの溶解度曲線 b:微粒子2aを添加した時の臨界添加速度 c:微粒子2bを添加した時の臨界添加速度 d:溶液添加した時の臨界添加速度 e:Br-濃度 f:Ag+濃度

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混合容器中に導入された分散媒水溶液に、
    銀塩水溶液とハロゲン化物塩水溶液とを、その内の少な
    くとも一方の水溶液を多孔体を介して添加し混合するこ
    とを含む工程により、粒子数割合で5%を越える多重双
    晶粒子を含むことのないハロゲン化銀微粒子を得たの
    ち、そのハロゲン化銀微粒子をハロゲン化銀種晶乳剤を
    有する反応容器に供給し、該反応容器中で該微粒子をオ
    ストワルド熟成により溶解させ、該種晶を結晶成長させ
    る工程を含むことを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】ハロゲ化銀種晶乳剤を有する反応容器に、
    該反応容器の外部で調製した粒子数割合で5%を越える
    多重双晶粒子を含むことのないハロゲン化銀微粒子を多
    孔体を介して供給し、該反応容器中で該微粒子をオスト
    ワルド熟成により溶解させ、該種晶を結晶成長させる工
    程を含むことを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方
    法。
  3. 【請求項3】混合容器中に導入された分散媒水溶液に、
    銀塩水溶液とハロゲン化物塩水溶液とを、その内の少な
    くとも一方の水溶液を多孔体を介して添加し混合するこ
    とを含む工程により、粒子数割合で5%を越える多重双
    晶粒子を含むことのないハロゲン化銀微粒子を得たの
    ち、そのハロゲン化銀微粒子を多孔体を介してハロゲン
    化銀種晶乳剤を有する反応容器に供給し、該反応容器中
    で該微粒子をオストワルド熟成により溶解させ、該種晶
    を結晶成長させる工程を含むことを特徴とするハロゲン
    化銀乳剤の製造方法。
  4. 【請求項4】多孔体が多孔質膜である特許請求の範囲第
    1項乃至第3項のいずれかの項に記載のハロゲン化銀乳
    剤の製造方法。
  5. 【請求項5】多孔体が中空細管である特許請求の範囲第
    1項乃至第3項のいずれかの項に記載のハロゲン化銀乳
    剤の製造方法。
  6. 【請求項6】多孔体が1×102〜1×1015個の開口を有
    するものである特許請求の範囲第1項乃至第5項のいず
    れかの項に記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  7. 【請求項7】多孔体が直径10オングストローム〜0.5mm
    の開口を有するものである特許請求の範囲第1項乃至第
    6項のいずれかの項に記載のハロゲン化銀乳剤の製造方
    法。
  8. 【請求項8】多孔体が直径100〜10000オングストローム
    の開口を有するものである特許請求の範囲第1項乃至第
    6項のいずれかの項に記載のハロゲン化銀乳剤の製造方
    法。
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