JPH05216149A - クレーターまたはホッパー構造を有するグレインを含有するハロゲン化銀エマルジョンおよびそれらの調製法 - Google Patents

クレーターまたはホッパー構造を有するグレインを含有するハロゲン化銀エマルジョンおよびそれらの調製法

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JPH05216149A
JPH05216149A JP4187948A JP18794892A JPH05216149A JP H05216149 A JPH05216149 A JP H05216149A JP 4187948 A JP4187948 A JP 4187948A JP 18794892 A JP18794892 A JP 18794892A JP H05216149 A JPH05216149 A JP H05216149A
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silver halide
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bromide
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Marcello Amicucci
マルチェロ・アミクッチ
Milena Debenedetti
ミレーナ・デベネデッティ
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 立方結晶格子構造を有し、少なくとも1のひ
び割れ形または凹形領域を有する少なくとも1の[111]
および/または少なくとも1の[100]結晶面を有してお
り、この領域の回りに、少なくとも1の結晶面上に少な
くとも1のクレーターおよび/または少なくとも1のホ
ッパー構造を形成するハロゲン化銀の突出を有するハロ
ゲン化銀グレインを含有するハロゲン化銀写真エマルジ
ョンの調製法。 【効果】 化学的およびスペクトル的に増感されたハロ
ゲン化銀写真エマルジョンが提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真エマル
ジョンに関し、それらの調製および写真フィルムにおけ
るそれらの使用に関する。さらに詳しくは、本発明は、
異なるハライド組成物を有するスペクトル的および化学
的に増感されたハロゲン化銀グレインに関する。そのハ
ロゲン化銀グレインは[100]および/または[111]結晶面
により主に隔てられており、それらの面上にハロゲン化
銀の突出が形成されており、それらの突出はこのハロゲ
ン化銀グレインの少なくとも1の結晶面上に少なくとも
1のクレーターまたはホッパー構造を形成する。
【0002】
【従来の技術】ハライドを組み合わせることにより単一
のハロゲン化銀グレイン構造において別々のハロゲン化
銀の利点を達成する試みは当業者に認められており、そ
の使用または有用性を確認するまでもなく以前から当業
界において用いられている。
【0003】ハロゲン化銀グレイン用のコア-シエル構
造(core-shell structures)の種々の例が文献に記載さ
れている。典型的には、このコアは、異なるハロゲン化
銀の1層以上または「シエル」で全表面上から被覆され
る。コア-シエル構造に向けられた参照文献は米国特許
第3,505,068号、同第3,695,888号、同第4,444,877号、
同第4,477,564号および英国特許第1,027,146号に見い出
すことができる。
【0004】第2のハロゲン化銀が第1のコアハロゲン
化銀の回りにシエルを形成しないコンポジットハロゲン
化銀グレインの発明は、米国特許第3,804,629号、同第
4,094,684号、同第4,142,900号、同第4,435,501号およ
び同第4,463,087号に見い出される。これらすべての特
許では、ハロゲン化銀はハロゲン化銀ホストグレイン上
でエピタキシャル付着させたものである。すなわち、こ
の付着はその上で成長するハロゲン化銀グレインの構造
により制御された配向を有し、その付着は実質的に選択
された面位置(surface site)に制限される。米国特許第
4,496,652号には、4面体状のハロゲン化銀グレインの
[111]結晶面上におけるハロゲン化銀コーナー(corners)
を成長させることにより通常の立方体グレインを形成す
ることを記載している。そして、米国特許第4,710,455
号には、ホストハロゲン化銀グレインの上にホストグレ
インのハロゲン化銀よりも低い溶解性を有する第2のハ
ロゲン化銀塩を沈澱させることにより得られる表面上に
窪みを有するハロゲン化銀が開示されている。他の文献
としては、ベリー(Berry)及びスキルマン(Skillman)、
応用物理ジャーナル(Joural of Applied Physics)、第3
5巻、第7号、「AgBrマイクロクリスタルにおける表面構
造およびエピタキシャル成長」、1964年7月、カラサワ
(Karasawa)において、日本写真科学技術学会誌(Journal
of the Society of Photographic Science and Techno
logy of Japan)、第47巻、第4号、「新しいタイプの写
真エマルジョンにおけるハロゲン化銀結晶」; および、
スズキおよびウエダ、「単分散AgBrエマルジョンの化学
増感のための活性位置」、1973年、SPSE東京シンポジウ
ムなどが挙げられる。
【0005】当業者にはハロゲン化銀グレインのハライ
ド比を変化させること、およびコア-シエルエマルジョ
ンを用いることは知られている。しかしながら、本発明
の特定のスペクトル的および化学的に増感されたハロゲ
ン化銀グレインは未だ報告されていない。
【0006】
【発明の要旨】以下の(a)、(b)、(c)および(d)の工程を
包含する、化学的およびスペクトル的に増感されたクレ
ーターまたはホッパー構造を有する凹形またはひび割れ
形ハロゲン化銀グレインを含有するハロゲン化銀写真エ
マルジョンの調製法: (a)親水性コロイド分散媒体中に、少なくとも1の[111]
および/または少なくとも1の[100]結晶面を有する立方
結晶格子構造を有する少なくとも50モル%の臭化物を含
有するハロゲン化銀グレイン、を含有するホストハロゲ
ン化銀グレインエマルジョンを反応容器中に形成する工
程; (b)30〜50℃の温度で5〜7のpHにおいて、銀および/ま
たはハライド塩溶液の第1の添加を7〜9のpAgとなる
まで行う工程; (c)7〜9のpAgにおいて、銀およびハライド塩溶液の第
2の添加をホストハロゲン化エマルジョンの銀1モルに
対して0.01〜0.10モルの銀が添加されるまで行い、その
際に、反応容器中に、式
【0007】
【化2】
【0008】[式中、R1およびR2は直鎖または分岐鎖ア
ルキル基、アルキレン基、アリール基またはアリル基で
あって、R1およびR2の少なくとも一方はアリル基であ
り、Aは二価の有機結合基であり、そしてR3はカルボキ
シル部分、スルホ部分、ヒドロキシル部分またはアミノ
部分の部類から選択される部分であり、Bはアニオンで
あり、そしてnは0(R3が負帯電基である場合)または1
(R3が非帯電基である場合)である。]で示す構造を有す
るイソチウロニウム化合物を含有する溶液を注ぐ工程;
および (d)6〜8のpH、7〜9のpAgおよび30〜50℃の温度にお
いて、得られたハロゲン化銀エマルジョンを熟成する工
程。
【0009】本発明の他の局面は、立方結晶格子構造を
有し、少なくとも1のひび割れ形または凹形領域を有す
る少なくとも1の[111]および/または少なくとも1の[1
00]結晶面を有しており、この領域の回りに、少なくと
も1の結晶面上に少なくとも1のクレーターおよび/ま
たは少なくとも1のホッパー構造を形成するハロゲン化
銀の突出を有する、化学的およびスペクトル的に増感さ
れたハロゲン化銀グレインを含有するハロゲン化銀写真
エマルジョンに関する。
【0010】
【発明の構成】本発明は、以下の(a)、(b)、(c)および
(d)の工程を包含する、化学的およびスペクトル的に増
感されたクレーターまたはホッパー構造を有する凹形ま
たはひび割れ形ハロゲン化銀グレインを含有するハロゲ
ン化銀写真エマルジョンの調製法に関する。 (a)親水性コロイド分散媒体中に、少なくとも1の[111]
および/または少なくとも1の[100]結晶面を有する立方
結晶格子構造を有する少なくとも50モル%の臭化物を含
有するハロゲン化銀グレイン、を含有するホストハロゲ
ン化銀グレインエマルジョンを反応容器中に形成する工
程; (b)30〜50℃の温度で5〜7のpHにおいて、銀および/ま
たはハライド塩溶液の第1の添加を7〜9のpAgとなる
まで行う工程; (c)7〜9のpAgにおいて、銀およびハライド塩溶液の第
2の添加をホストハロゲン化エマルジョンの銀1モルに
対して0.01〜0.10モルの銀が添加されるまで行い、その
際に、反応容器中に、式
【0011】
【化3】
【0012】[式中、R1およびR2は直鎖または分岐鎖ア
ルキル基、アルキレン基、アリール基またはアリル基で
あって、R1およびR2の少なくとも一方はアリル基であ
り、Aは二価の有機結合基であり、そしてR3はカルボキ
シル部分、スルホ部分、ヒドロキシル部分またはアミノ
部分の部類から選択される部分であり、Bはアニオンで
あり、そしてnは0(R3が負帯電基である場合)または1
(R3が非帯電基である場合)である。]で示す構造を有す
るイソチウロニウム化合物を含有する溶液を注ぐ工程;
および (d)6〜8のpH、7〜9のpAgおよび30〜50℃の温度にお
いて、得られたハロゲン化銀エマルジョンを熟成する工
程。
【0013】ホストハロゲン化銀グレインは、従来のす
べてのハロゲン化銀エマルジョンより調製されうる。そ
のグレインは立方結晶格子構造を有し、少なくとも1の
[111]および/または[100]結晶面により隔てられてお
り、少なくとも50%Mの臭化銀を、好ましい実施態様で
は少なくとも80%Mの臭化銀を含有し、残りは20%Mを下
回るヨウ化銀、好ましくは、8%を下回るヨウ化銀、お
よび10%Mを下回る塩化銀、好ましくは5%Mを下回る塩
化銀を含有する。さらに好ましい実施態様では、塩化銀
は存在しない。
【0014】高ヨウ化物ハロゲン化銀グレインを除くす
べてのハロゲン化銀グレインはは立方結晶格子構造を示
す。しかしながら、このグレインは外観において著しく
異なりうる。ハロゲン化銀グレインの最も通常の状態は
立方体および8面体形状である。立方体のグレインは6
の同一の結晶面により隔てられており、これは通常は[1
00]結晶面と称される。これは結晶面を説明するために
よく知られているミラーインデックスによる。通常のグ
レインにおいては立方体結晶形状は容易に視認できるけ
れども、より複雑な形状のグレインにおいては[100]結
晶面の存在は目視観察と隣接[100]結晶面により形成さ
れる90°角の断面との組み合わせにより最も確実とされ
る。8面体グレインは8の同一結晶面により隔てられて
いる。これは通常[111]結晶面と称される。これも結晶
面を説明するためによく知られているミラーインデック
スによる。8面体結晶形態は通常のグレインにおいては
容易に視認できるけれども、より複雑な形態のグレイン
では[111]結晶面の存在は目視観察と隣接[111]結晶面に
より形成される109.5°角の断面との組み合わせにより
確認できる。重要なことは、立方体および8面体グレイ
ンはともに、全く同一の立方体結晶格子構造を有してお
り、その結果、銀とハライドイオンとの内部関係は同一
であるということである。2種類のグレインはそれらの
表面の結晶面においてのみ異なる。[100]結晶面におい
ては、表面銀イオンはそれぞれの表面銀イオンは5個の
ハライドイオンに直接隣接して存在する。しかしなが
ら、[111]結晶面においては、表面銀イオンはそれぞれ
3個のハライドイオンに直接隣接して存在するに過ぎな
い。これらは最も通常のハロゲン化銀グレインの形態で
あるけれども、他の多くの異なる結晶形態もまた観察さ
れることは周知である。例えば、ハロゲン化銀グレイン
は14面体でありうる。すなわち、[111]および[100]結晶
面の組み合わせから形成されうる。通常の14面体グレイ
ンは14の結晶面を有する。6の[100]結晶面と8の[111]
結晶面とである。ハロゲン化銀溶媒の作用により幾つか
の角またはエッジが丸くなる場合が多くあり、この状態
が甚だしくなるとグレインが球状になる。板状グレイン
および棒状グレインのような他のグレイン形態も内部の
結晶の不規則性による。例えば、ツインプレーン(twin
planes)や、スクリュー欠損(screw dislocation)などで
ある。板状グレインは主に2の[111]結晶面により隔て
られる。これらの平行な2面は多数積み重なっており、
これは他のエッジ(alternate edge)のエッジ凹角および
エッジ非凹角の相対数に影響する。この2面の数は板状
グレインの形態に影響する。すなわち、奇数の2面を有
する板状グレインは、通常三角形の主要表面を有する。
偶数個の2面を有する板状グレインは、通常六角形の主
要表面を有する。
【0015】本発明で用いるホストハロゲン化銀エマル
ジョンは親水性バインダー中の臭化銀、塩化臭化銀、ヨ
ウ化臭化銀および塩化ヨウ化臭化銀の分散体でありう
る。好ましいハロゲン化銀は、臭化銀と、1〜20%M、
好ましくは1〜8%Mのヨウ化銀を含有するヨウ化臭化
銀とである。このエマルジョンは、粗粒、中粒および微
粒子グレインであり得、単分散または多分散でありう
る。このハロゲン化銀グレインは立方体、8面体、板状
または混合結晶形態のようなすべての結晶形態を有し得
る。このハロゲン化銀は均一のグレイン寸法、または幅
広いグレイン寸法の分散を有しうる。ハロゲン化銀の寸
法は約0.1〜約5μmの範囲である。このハロゲン化銀エ
マルジョンはシングル-ジェット法、ダブル-ジェット法
またはこれらの方法の組み合わせにより調製されうる。
または、これらは例えば、アンモニア法、中和法、酸法
により熟成されうる。またはこれらは、加速流または定
速流沈澱、阻害沈澱(interrupted precipitation)、沈
澱中における限外濾過などを行いうる。参照文献には、
トリベリ(Trivelli)およびスミス(Smith)、写真ジャー
ナル、第LXXIX巻、1939年5月、第330〜338頁、T.H.ジ
ェームス(James)、写真法の理論(The Theory of The Ph
otographic Process)、第4版、第3章、米国特許第2,2
22,264号、同第3,650,757号、同第3,917,485号、同第3,
790,387号、同第3,716,276号、同第3,979,213号、リサ
ーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure)、1989
年12月、第308119項目「写真ハロゲン化銀エマルジョ
ン、調製、添加剤、処理およびシステム」、およびリサ
ーチ・ディスクロージャ、1976年9月、第14987項目が
挙げられる。
【0016】シングルジェット法においては、写真エマ
ルジョンを製造するためにハライドおよひせゼラチン溶
液中に銀ニトレート溶液を添加することが長期間にわた
り行なわれてきた。この方法では、ハロゲン化銀グレイ
ンが形成される溶液中のハライドの濃度が種々に異なる
ので、形成されるグレインは、種々異なる形態および寸
法の混合物となる。
【0017】ダブルジェット法においては、アルカリハ
ライド溶液と銀ニトレート溶液とは同時にゼラチン溶液
中に添加される。形成されるハロゲン化銀グレインの形
状および寸法はゼラチン中に存在する溶媒の種類および
濃度、および添加速度により制御しうる。特に、過剰の
臭化物の存在が主に[111]結晶面で隔てられた8面体の
グレインの形成を促進する。一方、臭化物の量が少ない
と、[100]結晶面を有する立方体グレインの形成が促進
される。中位の量の臭化物およびハロゲン化銀溶媒を存
在させると、特にオストワルド(Ostwald)熟成中におい
ては、14面体または球状のグレインの形成が促進され
る。これは[100]および[111]結晶面の両方を有する。ハ
ロゲン化銀グレインの組成はグレインの形状に影響す
る。臭化ヨウ化グレインは臭化銀よりも[111]結晶面を
形成する傾向が高い。塩化銀はすべての条件において主
に[100]結晶面を形成し、[111]結晶面を形成しにくい。
【0018】本発明の好ましい実施態様では、ダブルジ
ェット沈澱法により球状または14面体形状を有する臭化
銀および/またはヨウ化物8%Mまでの臭化ヨウ化銀のホ
ストグレインの製造から出発することができる。その際
に、pAgは8〜9の間であり、チオ尿素、アンモニアま
たはチオエーテルのようなハロゲン化銀の溶媒が存在す
る。このpAgの範囲内では、pAgを増大させると[111]面
と[100]面との比が高くなる。この比を減少させるため
には、この範囲でpAgを最低にする必要がある。そのこ
とによりほぼ完全な立方体が形成される。この条件で
は、少なくとも1個、最大8個の[111]結晶面を有する
主に[100]結晶面で隔てられた丸味を帯びた立方体グレ
インが通常形成される。
【0019】他の好ましい実施態様では、9を上回るpA
gにおける銀および銀塩のダブルジェット沈澱により板
状形状を有する臭化銀および/または8%Mまでのヨウ化
物を有する臭化ヨウ化銀ホストグレインの製造から始め
ることができる。反応容器中の分散媒体は最初は実質的
にヨウ化物イオンを含有しない(すなわち、0.5%Mを下
回る)。というのも、銀およびハライド塩の同時導入に
先立つヨウ化物の存在は厚い板状でないグレインの生成
に都合がよいからである。さらに、反応容器のpBrは最
初は0.6〜1.6の範囲に保たれる。主に2の[111]主要面
により隔てられた板状グレインを得るよく知られた例
は、カラサワにおいて、日本写真化学技術学会誌、第47
巻、第4号「新しいタイプの写真エマルジョンにおける
ハロゲン化銀結晶」、米国特許第4,386,156号、同第4,43
4,226号、同第4,411,986号、同第4,414,304号、同第4,4
33,048号、同第4,435,501号、同第4,439,520号、同第4,
414,310号および同第4,413,053号に記載されている。板
状グレインは、中および高アスペクト比板状グレインエ
マルジョンと定義される。板状グレインエマルジョンを
称する際に、「高アスペクト比」という用語は、0.3μmを
下回る厚さと少なくとも0.6μmの直径を有するハロゲン
化銀グレインが少なくとも8:1の平均アスペクト比を
有し、そして、エマルジョン中に存在するハロゲン化銀
グレインの合計投影面積の少なくとも50%を占めること
を意味する。上で記載した板状グレインエマルジョンに
関連して本特許において用いる用語とともにこの用語を
このように定義する。
【0020】「中アスペクト比」という用語は、0.3μmを
下回る厚さを有し、少なくとも0.6μmの直径を有する板
状ハロゲン化銀グレインが5:1〜8:1の範囲の平均ア
スペクト比を有し、そして、エマルジョン中に存在する
ハロゲン化銀グレインの合計投影面積の少なくとも50%
を占めることを意味する。「薄中アスペクト比」という用
語も、0.3μmの厚さを0.2μmの厚さと変えること以外は
同様に定義される。
【0021】上述の板状ハロゲン化銀グレインの特徴は
当業者に周知の方法により容易に確認することができ
る。「直径」という用語は、グレインの投影面積と等しい
面積を有する円の直径と定義する。「厚さ」という用語
は、板状ハロゲン化銀グレインを構成する実質的に平行
な2主要平面の間の距離を意味する。それぞれのグレイ
ンの直径および厚さの測定からそれぞれのグレインの直
径:厚さが計算され、そしてすべての板状グレインの厚
さに対する直径の比を計算することができ、これを平均
すると平均直径:厚さ比が得られる。この定義によれ
ば、厚さに対する直径の比は個々の板状グレインの直
径:厚さ比の平均である。実際には、もう少し簡単に、
板状グレインの平均直径と平均厚さとを求め、これらの
平均から計算した値を平均直径:厚さ比とする。用いた
方法が何であれ、得られる平均直径:厚さ比は極端には
変わらない。
【0022】本発明のハロゲン化銀エマルジョン中に含
有されるホスト板状ハロゲン化銀グレインは、少なくと
も3:1、好ましくは少なくとも5:1、さらに好ましく
は5:1〜8:1の平均アスペクト比を有する。本発明に
用いるのに適する板状ハロゲン化銀グレインの平均直径
は約0.3〜約5μm、好ましくは0.5〜3μm、さらに好ま
しくは0.8〜1.5μmである。本発明に用いるのに適する
板状ハロゲン化銀グレインは0.4μm、好ましくは0.3μ
m、そしてさらに好ましくは0.2μmを下回る厚さを有す
る。
【0023】上記ハロゲン化銀グレイン用の分散媒体は
従来からハロゲン化銀エマルジョンに用いられてきたも
ののなかから選択することができる。好ましい分散媒体
には、プロティン、プロティン誘導体、セルロース誘導
体(例えば、セルロースエステル)、ゼラチン(例えば、
酸またはアルカリ処理ゼラチン)、ゼラチン誘導体(例え
ば、アセチル化ゼラチン、フタレート化ゼラチンな
ど)、ポリサッカライド(例えば、デキストラン)、アラ
ビアゴム、カゼインなどのような親水性コロイドが包含
される。また、このような親水性コロイドと組み合わせ
てアクリルアミドおよびメタクリルアミドポリマー、ア
ルキルおよびスルホアルキルアクリレートおよびメタク
リレートのポリマー、ポリビニルアルコールおよびその
誘導体、ポリビニルラクタム、ポリアミド、ポリアミ
ン、ポリビニルアセテートなどのような合成ポリマーバ
インダーおよびペプタイザーの使用も一般的である。グ
レインの沈澱の最後に、水溶性塩が当業者に周知の操作
によりエマルジョンから除去される。好ましい除去法は
分散媒体およびそれらの溶解された可溶性塩が連続的に
ハロゲン化銀エマルジョンから除去される方法である。
例えば、透析または可溶性塩の除去のための電気透析の
組み合わせまたは浸透または分散媒体の除去のための逆
浸透の組み合わせなどが挙げられる。
【0024】ハロゲン化銀グレインを分散させたままで
分散媒体および可溶性塩を除去する方法のうち、特に好
ましい態様の中で、本方法の実施のためには、限外濾過
は特に利点を有する方法である。典型的には、限外濾過
ユニットは内部に半透膜を有しており、除去装置として
用いる場合は、非イオン性ポリマーが用いられる。ハロ
ゲン化銀グレインは分散媒体および可溶性塩またはイオ
ンと比較して大きいので、ハロゲン化銀グレインは、そ
れらに溶解した可溶性塩が除去されている間上記半透膜
により保持される。
【0025】好ましい半透膜の作用機構は英国特許第1,
307,331号に記載されている。限外濾過に用いられる半
透膜は比較的厚目の多孔性の構造の上に支持された極度
に微細な多孔性の生地である。好ましい半透膜はポリビ
ニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホ
ルメート、ポリビニルエーテル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリビニルクロリドおよびポリビニリデンクロリ
ド、芳香族ポリエステルのような芳香族ポリマー、ポリ
テトラフルオロエチレン、再生セルロース、セルロース
アセテートのようなセルロースエステルまたは混合セル
ロースエステルのようなポリマーからなる。この半透膜
は異方性の半浸透特性を有し、かなりの機械的、熱的お
よび化学的安定性を示し、そして写真的に不活性であ
る。好ましくは、この半透膜は約300,000まで、さらに
好ましくは50,000までの分子量を有する分子を透過す
る。
【0026】本発明の新規なハロゲン化銀グレインエマ
ルジョンは、制御されたpAg、pHおよび温度の条件下で
上述のホストハロゲン化銀ゼラチンエマルジョンにハラ
イドと銀との水溶液を添加することによる沈澱法により
得られる。
【0027】本発明による製造法の好ましい態様をより
詳細に説明する。
【0028】上述のホストハロゲン化銀グレインエマル
ジョンに5〜7の間のpH、好ましくは5.5〜6.5の間のpH
において、30〜50℃、好ましくは35〜45℃の温度におい
て、銀および/またはハライド塩溶液の第1の添加をpAg
が7〜9、好ましくは7.5〜8.5の間に達するまで行う。
この第1の添加はAgNO3のような銀塩溶液のシングルジ
ェットおよび/またはNaCl、KI、KBrなどのようなハライ
ド塩溶液のシングルジェットにより行なわれる。この2
種の添加の間に休止を設けてもよい。または、銀および
ハライド塩溶液はダブルジェット法により同時に添加し
てもよい。本発明の好ましい実施態様では、2種類の異
なるハライド塩を同時または連続的に添加する。本発明
のより好ましい態様では、塩化物および臭化物塩または
塩化物およびヨウ化物塩が同時または連続して添加され
る。この第1の添加の間に、1および20mmolの範囲の合
計Ag、好ましくは開始エマルジョンの銀1molに対して
4〜10mmolの範囲の銀が消費される。
【0029】得られるエマルジョンに、7〜9の範囲の
pAg、好ましくは8〜9の間のpAgにおいて、銀およびハ
ライド塩溶液のダブルジェットを行い、出発エマルジョ
ンのAgの1モルに対して0.01〜0.10、好ましくは0.03〜
0.07モルのAgを添加する。この添加は加速されたまたは
一定流速において行うことができ、後者が特に好まし
い。本発明の好ましい実施態様では、上記ハライド塩は
塩化物および/または臭化物塩からなる。このダブルジ
ェット添加の間に、好ましくは開始から2〜15分後、さ
らに好ましくは3〜10分後に、イソチウロニウム化合物
の溶液を同時に添加する。このようなこのイソチウロニ
ウム化合物は以下の式により示される。
【0030】
【化4】
【0031】式中、R1およびR2は直鎖または分岐鎖アル
キル基、アルキレン基、1〜10個の炭素原子を有するア
リール基またはアリル基であって、R1およびR2の少なく
とも一方はアリル基であり、Aは、例えば、直鎖又は分
岐鎖二価アルキル基、アルキレン基または1〜14個の炭
素原子を有するアラルキル基のような二価有機結合基で
あり、そしてR3はカルボキシル部分、スルホ部分、ヒド
ロキシル部分またはアミノ部分であり、Bはアニオンで
あり、そしてnは0(R3が負帯電基である場合)または1
(R3が非帯電基である場合)である。
【0032】当該技術分野でよく知られているように、
高い程度の置換は許容されるばかりでなくしばしば望ま
しいことである。単純化のために、「部分」および「基」と
いう用語を、置換されうる基か、または置換された基の
いずれかを指して用いることとする。例えば、「アルキ
ル基」という用語はメチル、エチル、オクチル、シクロ
ヘキシル、イソオクチル、t-ブチルなどのような純粋に
炭化水素アルキル鎖のみでなく、ヒドロキシル、アルコ
キシ、フェニル、ハロ(F、Cl、Br、I)、シアノ、ニト
ロ、アミノなどのような当業界では通常の置換基を有す
るアルキル鎖をも意味することとする。「アルキル部分」
という用語は、反対に、メチル、エチル、プロピル、シ
クロヘキシル、イソオクチル、t-ブチルなどのような純
粋な炭化水素アルキル鎖のみを意味するものとする。
【0033】上記イソチウロニウム化合物の典型例を以
下に示すけれどもこれらに限定されない。
【0034】
【化5】
【0035】本発明の好ましい実施態様では、上記の第
1の添加と第2のダブルジェット添加との間に1〜60
分、好ましくは5〜41分の休止を設ける。この間に、pA
gを8〜9の範囲に調節することができる。
【0036】イソチウロニウム塩の溶液の添加と同時ま
たはこれに続いて、本発明のハロゲン化銀グレインエマ
ルジョンは通常の増感剤を用いて化学的に増感される。
イオウ含有化合物、金および貴金属化合物、ポリオキシ
ルアルキレン化合物が特に好ましい。特に、ハロゲン化
銀エマルジョンは、アリルチオカルバミド、チオ尿素、
システィンなどのようなイオウ増感剤; 活性または不活
性セレニウム増感剤;スズ塩、ポリアミンなどのような
還元増感剤; 金増感剤、さらに特定には、カリウムアウ
リチオシアネート、カリウムクロロアウレートなどのよ
うな貴金属増感剤; または、例えば、ルテニウム、ロジ
ウム、イリジウムなど、特に、アンモニウムクロロパラ
デート、カリウムクロロプラチネートおよびナトリウム
クロロパラダイトなどのような水溶性塩の増感剤;およ
びこれらの組み合わせを用いて化学的に増感される。化
学増感剤の他の有用な例は、例えば、リサーチ・ディス
クロージャ17643、第III節、1978年、およびリサーチ・
ディスクロージャ308119、第III節、1989年に記載され
ている。
【0037】さらに、本発明のハロゲン化銀ゼラチンエ
マルジョンは、可視スペクトルの所望の領域に光学的に
増感されうる。本発明のスペクトル増感法は特に限定さ
れない。例えば、シアニン染料、メロシアニン染料、錯
体(complex)シアニンおよびメロシアニン染料、オキソ
ノール染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料およ
びストレプトシアニン染料を含む光学増感剤を単独でも
しくは組み合わせて用いることにより、行いうる。特に
有用な光学増感剤は、ベンズオキサゾール-、ベンズイ
ミダゾール-およびベンゾチアゾール-カルボシアニン型
の染料である。スペクトル増感剤の添加は、銀およびハ
ライド塩の上記ダブルジェット添加の前または後に行い
うる。好ましい実施態様では、上記スペクトル増感剤は
ハロゲン化銀グレインの表面上に吸着された場合にJ凝
集体を生成し、水溶液中の遊離染料の吸収極大に対応す
る深色シフトによりシャープな吸収帯(J帯)を提供す
る。J凝集体を提供するスペクトル増感染料は当業界で
周知であり、例えば、F.M.ハーマー(Hamer)、シアニン
染料および関連化合物、ジョン・ワイレイ・アンド・サ
ンズ(John Wiley and Sons)、1964年、第XVII章および
T.H.ジェームス(James)、写真法の理論、第4版、マク
ミラン、1977年、第8章に記載されている。
【0038】好ましい形態では、J帯に存在する染料は
シアニン染料である。このような染料はメチン基の連結
により結合された2個の基本的な複素環核を有する。こ
のヘテロ環核は、好ましくは、縮合ベンゼン環を有す
る。そのことによりJ凝集が増強される。複素環核は、
好ましくは、キノリニウム、ベンズオキサゾリウム、ベ
ンゾチアゾリウム、ベンゾセレナゾリウム、ベンズイミ
ダゾリウム、ナフトオキサゾリウム、ナフトチアゾリウ
ムおよびナフトセレナゾリウム四級塩である。
【0039】他の有用なスペクトル増感染料は、リサー
チ・ディスクロージャ17643、1978年、およびリサーチ
・ディスクロージャ308119、第IV節、1989年に見い出さ
れる。
【0040】ダブル-ジェット沈澱の終わりに、本発明
のハロゲン化銀エマルジョンは30〜60℃、好ましくは30
〜50℃の間の温度において熟成される。
【0041】上記のエマルジョンにはそれらが用いられ
る用途に依存して種々の添加剤が好適に添加される。こ
のような添加剤には、例えば、アザインデン、トリアゾ
ール、テトラゾール、イミダゾリウム塩、ポリヒドロキ
シ化合物その他のような安定剤またはかぶり防止剤; ア
ルデヒド、アジリジン、イソオキサゾール、ビニルスル
ホン、アクリロイル、トリアジン型などのようなフィル
ム硬化剤; ベンジルアルコール、ポリオキシエチレン型
化合物などのような現像促進剤; クロマン、クマラン、
ビスフェノール型の化合物のような画像安定剤; および
ワックス、高級脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸の高級ア
ルコールエステルなどのような潤滑剤などが挙げられ
る。また、被覆補助剤、処理溶液の浸透性改良剤、消泡
剤、帯電防止剤および艶消し剤なども用いうる。他の有
用な添加剤はリサーチ・ディスクロージャ、第17643項
目、1978年12月、リサーチ・ディスクロージャ第18431
項目、1979年8月、およびリサーチ・ディスクロージャ
308119、第IV節、1989年に記載されている。
【0042】得られたハロゲン化銀グレインの電子顕微
鏡により示される構造は、出発ハロゲン化銀グレインと
比較すると変形されている。特に、ひび割れ形または凹
形領域の形成に伴うグレインのエッチングが生じてい
る。そして、その回りには、グレインの表面上にクレー
ターまたはホッパー構造を形成するハロゲン化銀の突出
が生じている。X線散乱によるグレイン分析によれば、
このような突出は第2のダブルジェット添加のハロゲン
化銀組成物により主に形成される。
【0043】「ひび割れ形領域」という用語は、本発明の
方法においてグレインの表面上に形成された不規則な轍
状の溝の領域を指していう。このような轍状の溝は、ホ
ストグレインの表面上に存在するハロゲン化銀の一部の
付随的な溶解に起因する。このような「ひび割れ形領域」
は、狭く深いものであると定義でき、通常は、グレイン
表面の狭い一部にのみ生じる。
【0044】「凹形領域」という用語は本発明の工程にお
いてグレイン表面に形成された人の手の窪みのような凹
部を意味する。この場合に「凹部」という用語は、グレイ
ンを貫通した穴を意味しない。「凹形領域」という用語
は、グレイン表面のある主要部分に見られる比較的大き
く円形の沈下部分を意味する。これは「ひび割れ形領域」
という用語により定義された状態とは異なる。
【0045】「クレーター構造」という用語は、上で定義
のひび割れ形領域を含み、上記ひび割れ形領域の端部の
回りに盛り上がった領域を形成する突出をも含めた構造
を意味する。このようなクレーター構造、および、特
に、上記の突出の部分は本発明の工程中に添加されたハ
ロゲン化銀の付着による。
【0046】「ホッパー構造」という用語は、上で定義し
た凹形領域を含み、グレインの端部または下部部分上に
成長した突出をも含めた構造を意味する。この突出によ
り、さらに沈下部分が強調される。
【0047】結晶のホッパー形成は結晶学の分野におい
てよく知られた現象である。ホッパーの成長は、結晶表
面の中心から端部における過飽和状態における成長グラ
デェント(growing gradient)が結晶表面の端部付近にお
いてはその中心付近においてよりも高い速度で生じた場
合に生じる。このことは、表面の中心部分のより顕著な
欠損と周辺端部の優位の成長につながる。そのことによ
り、ホッパー構造、または浅い皿または凹形プリズムの
ような形態が生じる。関連文献には、J.J.ギルマン(Gil
man)、結晶成長の技術および化学(The Art and Science
of Growing Crystals)、第141〜143頁、ジョン・ワイ
レイ&サンズ社、ニューヨーク-ロンドン、1963年が挙
げられる。
【0048】本発明のクレーター構造の形成の機構は未
だ完全に理解されていない。上記ひび割れ形領域の過飽
和の小さいグラデェントが中心部から端部に形成された
場合に、結晶表面の限られた部分において生じた特定の
ホッパーの成長として説明されうる。周辺部の成長は上
記ひび割れ形領域の端部に限られる。そして、凹形中心
におけるより明確な欠損が生じる。
【0049】本発明の視野をより明確にするために、本
発明の方法により得られるハロゲン化銀エマルジョンの
存在するすべてのハロゲン化銀において上記グレイン構
造の変形が必要である訳ではないということを理解しな
ければならない。本発明の方法により提供される良好な
センシトメトリ特性は、本発明のハロゲン化銀グレイン
エマルジョンのグレインの総数の少なくとも1%、好ま
しくは少なくとも5%、さらに好ましくは少なくとも10
%がグレイン構造において上記のように変性された場合
に得られる。
【0050】本発明の好ましい実施態様では、[100]結
晶面により隔てられた球状または8面体形状を有し、そ
して少なくとも1、最大で8の[111]結晶面を有する臭
化銀および/または最大8%Mのヨウ化物を含有する臭化
ヨウ化銀ホストグレインから出発する場合に、得られる
ハロゲン化銀グレインは上記[111]結晶面上に少なくと
も1の突出を有する。[100]結晶面はひび割れ形または
凹形領域の形成とともに侵食される。ハロゲン化銀の突
出が、ホッパー構造が形成されるグレインのそれぞれの
[111]結晶面上に分配された場合は、上記突出により非
常に顕著な沈下部が形成される。
【0051】他の好ましい実施態様では、主に2の[11
1]主要結晶面により隔てられた板状形状を有し、5:1
〜8:1のアスペクト比を有する臭化銀および/または8
%Mまでのヨウ化物を含有する臭化ヨウ化銀ホストグレ
インから出発した場合に、得られるハロゲン化銀グレイ
ンは少なくとも1の上記[111]結晶面に少なくとも1の
突出を有する。この突出は少なくとも1のひび割れ形領
域の端部の回りに形成されており、上記結晶面上に少な
くとも1のクレーター構造を形成する。
【0052】写真支持体上に本発明の上述のハロゲン化
銀エマルジョンを被覆することにより感光性ハロゲン化
銀写真材料が調製されうる。支持体に関しては何も制限
はない。支持体を調製するのに適する材料の例には、ガ
ラス、紙、ポリエチレン被覆紙、金属、セルロースニト
レート、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリエ
チレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチ
レン、ポリプロピレンおよび他の周知の支持体が包含さ
れる。
【0053】上記感光性ハロゲン化銀写真材料は、カラ
ーネガティブフィルム、カラーリバーサルフィルム、カ
ラーペーパーなどのようなカラー写真材料に特に適す
る。ならびに、X線感光性材料、リソグラフ感光性材
料、白黒写真プリント紙、白黒ネガティブフィルムのよ
うな白黒感光性写真材料にも好適に用いうる。
【0054】好ましい感光性ハロゲン化銀写真材料は、
好ましくはポリエチレンテレフタレート支持体の片面、
好ましくは両面に被覆された上述のハロゲン化銀エマル
ジョンを有するX線感光性材料である。好ましくは、こ
のハロゲン化銀エマルジョンは1平方メートル当り3〜
6gの範囲の合計銀被覆で支持体上に被覆される。通常
は、X線感光性材料は強調スクリーン(intensifying scr
eens)とともに、このスクリーンによって放出される照
射に露出させて用いられる。このスクリーンは比較的厚
いホスファー(phosphor)層からなり、このホスファー層
はX線を光照射(例えば、可視光)に変換する。スクリー
ンは感光性材料を非常に上回るX線の部分を吸収し、こ
れらは有用な画像得るために必要な程度にX線の線量(do
se)を低減するために用いうる。化学的な組成に依存し
て、ホスファーは可視スペクトルのブルー、グリーンま
たはレッド領域の照射を発光することができ、ハロゲン
化銀エマルジョンはそのスクリーンにより発光された光
の波長領域に増感される。当業者に周知のように、増感
はハロゲン化銀グレインの表面上に吸着されたスペクト
ル増感染料を用いることにより行なわれる。
【0055】本発明の露出された感光性材料は、従来の
処理技術のいかなるものを用いても処理することができ
る。この処理は、目的に依存して、銀画像を形成するた
めの白黒写真処理であるか、または染料画像を形成する
ためのカラー写真処理でありうる。このような処理技術
は、例えば、リサーチ・ディスクロージャ、17643、197
8年12月に記載されている。米国特許第3,025,779号、同
第3,515,556号、同第3,545,971号、および同第3,647,45
9号および英国特許第1,269,268号に記載のような自動処
理装置におけるローラー移送処理が特に望ましい。米国
特許第3,232,761号に記載のような硬化現像(Hardening
development)を行ってもよい。
【0056】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0057】
【実施例1】エマルジョン1 主に[100]結晶面により隔てられており、しかしなが
ら、少なくとも1の[111]結晶面有する丸くなったハロ
ゲン化銀グレインであって、97.76M%のAgBrおよび2.26
M%のAgIを含有するものを含有するハロゲン化銀エマル
ジョンに、pH5.7およびpAg8.2において、Ag1モル当り
4.27NのNaCl3mlおよび以下の式で示す構造を有する光
学増感剤の0.4重量%溶液55mlを添加した。
【0058】
【化6】
【0059】得られる溶液にNaClおよびAgNO3溶液のダ
ブルジェット添加を60分間行うことにより、Agの1モル
に対して7M%のAgClを沈澱させた。このダブルジェッ
ト添加の最中に、pAgは8.2に保たれ、pHは6.7に保たれ
た。以下の式に示す構造を有するイソチウロニウム塩の
0.05重量%溶液17mlを添加した。
【0060】
【化7】
【0061】Ag1モルに対して、塩化金0.2mMの溶液7m
l、カリウムチオシアネート(KCNS)0.031Nの溶液12mlお
よびp-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液10mlを、
上記ダブルジェット添加の開始8分後に添加開始した。
次いで、得られるエマルジョンを47℃、pH6.7およびpAg
8.2において110分間熟成させた。
【0062】エマルジョン2 エマルジョン1と同じ出発ハロゲン化銀エマルジョン
に、pH6.8およびpAg8.5において、ベンゾチアゾリウム
ヨードエチレート3.4mMの溶液15ml、ナトリウムp-トル
エンチオスルホネート0.27Mの溶液10ml、塩化金0.2mMの
溶液7ml、およびKCNS0.031Mの溶液12mlを添加し、次い
で、得られるエマルジョンを55℃で155分間熟成した。
【0063】エマルジョン1および2を従来の被覆法に
より合計4.4gのAg/m2の被覆量で両面被覆した。次い
で、50℃で15時間インキュベートした。そして、3Mトリ
マックス(TRIMAX)TMT8強調スクリーンを用いて、ブル
ーおよびグリーン光およびX線に照射し、そして、3M XA
D/2現像剤および3M XAF/2固定剤を用いて3Mトリマチッ
ク(TRIMATIC)TMXP507自動処理装置において処理した。
【0064】以下の表に2種類のエマルジョンの写真特
性を示す。
【0065】
【表1】エマルジョン かぶり Dmax 平均コントラスト ブルー速度 グリーン速度 1(本発明) 0.17 4.57 3.31 2.41 2.71 2(比較例) 0.17 4.77 3.13 2.34 2.45
【0066】電子顕微鏡によれば、エマルジョン1は出
発エマルジョンと比べて変形したグリーン構造を示し
た。特に、エマルジョン1は出発エマルジョンよりも鋭
利なコーナー部分のプロファイル(corner profile)を有
していた。また、グレインの少なくとも1結晶面上に典
型的なホッパー構造を形成する突出により隔てられた顕
著な凹形領域が存在していた。
【0067】
【実施例2】エマルジョン1 8:1のアスペクト比を有する臭化銀板状グレインを含
有する臭化銀エマルジョンに、pH5.7において、Ag1モ
ルに対して、NaCl4.27Nの5.6mlおよび6mmolのAgを加
え、AgNO30.25Nの溶液を用いてpAgを8.0とし、KI0.06N
の56mlおよび以下の式に示す構造を有する光学増感剤の
1.0重量%溶液77mlを加えた。
【0068】
【化8】
【0069】得られた溶液にNaClおよびAgNO3溶液のダ
ブルジェット添加を60分間行い、Agの1モルに対して6
M%のAgClを沈澱させた。このダブルジェット添加の間
はpAgは8.0に保たれ、pHは6.7に保たれた。Agの1モル
に対して、実施例1と同一のイソチウロニウム塩の0.1
重量%溶液8ml、KCNS0.031Nの溶液6.8mlおよびナトリ
ウムp-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液21.7mlを
上記ダブルジェット添加の開始8分後に添加開始した。
次いで、43℃、pH7.2、そしてpAg8.2において、得られ
たエマルジョンを100分間熟成させた。
【0070】エマルジョン2 エマルジョン1と同一の出発臭化銀エマルジョンに、pH
6.5、そしてpAg8.4において、ロイコフォア(Leucophor)
TMの1重量%溶液9.5ml、式
【0071】
【化9】
【0072】に示す構造を有するスペクトル増感剤の1
重量%溶液60ml、ベンゾチアゾリウムヨードエチレート
3.4mMの溶液25ml、ナトリウムp-トルエンスルフィネー
トの溶液30ml、ナトリウムp-トルエンチオスルホネート
0.027Mの溶液25ml、塩化金0.2mMの溶液8.7ml、そしてKC
NS0.31Nの溶液3.5mlを加え、次いで、得られるエマルジ
ョンを70℃で100分間熟成させた。
【0073】実施例1と同様にしてエマルジョン1およ
び2を被覆し、処理した。得られた結果を以下の表2に
示す。
【0074】
【表2】エマルジョン かぶり Dmax 平均コントラスト ブルー速度 グリーン速度 1(本発明) 0.21 2.6 1.59 3.13 2.95 2(比較例) 0.20 2.4 1.56 2.77 2.59
【0075】電子顕微鏡によれば、エマルジョン1は出
発エマルジョンと比べた場合に変形したグレイン構造を
示した。主要表面上にクラック領域の端部の回りに形成
されたクレーター構造由来の突出が見られた。
【0076】
【実施例3】エマルジョン1 少なくとも1の[111]結晶面、0.7μmの平均直径を有
し、97.74M%のAgBrおよび2.26M%のAgIを含有するハロ
ゲン化銀エマルジョンに、pH5.8、pAg8.5そして40℃の
温度において、Ag1モルに対して、NaCl4.27Nの6ml、
以下の式に示す構造を有する光学増感剤の1重量%溶液
68mlを加えた。
【0077】
【化10】
【0078】そして、30分の休止の後に、5mmolのAgを
15分で添加した。その後、AgNO30.25Nの溶液を用いてpA
gを8.0とした。得られた溶液に、NaClおよびAgNO3溶液
のダブルジェット添加を60分間行い、Agの1モルに対し
て5M%のAgClを沈澱させた。このダブルジェット添加
の間に、pAgは8.5に増大し、pH6.7に保たれた。Agの1
モルに対して、ベンゾチアゾリウムの溶液15ml、塩化金
0.2mMの溶液7ml、KCNS0.031Nの溶液12mlおよびナトリ
ウムp-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液10mlを上
記ダブルジェット添加の開始6分後に添加開始した。次
いで、55℃、pH6.7そしてpAg8.2において、得られたエ
マルジョンを105分間熟成させた。
【0079】エマルジョン2 ダブルジェット添加の間に、ベンゾチアゾリウムおよび
少量のナトリウムp-トルエンチオスルホネート(Ag1モ
ルに対して6.95ml)の代わりに実施例1と同一のイソチ
ウロニウム塩の0.1重量%溶液8.1mlを用いること以外は
エマルジョン1と同様の条件を用いた。得られたエマル
ジョンを45℃およびpAg8.2で120分間熟成させた。
【0080】エマルジョン3 エマルジョン1と同一の出発エマルジョンに、pH6.8、
温度55℃およびpAg8.5において、ベンゾチアゾリ
ウムイオドエチレート3.4mMの溶液15ml、ナトリウ
ムp-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液10ml、塩化
金0.2mMの溶液7ml、およびKCNS0.31Nの溶液12mlを添加
し、得られたエマルジョンを55℃で170分間熟成した。
【0081】実施例1と同様にしてエマルジョン1、2
および3を被覆し、処理した。得られた結果を以下の表
3に示す。
【0082】
【表3】 平均 ブルー グリーン X線 エマルジョン かぶり Dmax コントラスト 速度 速度 速度 1(比較例) 0.16 3.55 2.53 2.26 2.57 2.68 2(実施例) 0.17 3.61 2.67 2.31 2.62 2.75 3(比較例) 0.17 3.70 2.81 2.23 2.47 2.63
【0083】表3の結果より、イソチウロニウム塩を用
いると、ブルー、グリーンおよびX線速度において良好
な結果が得られ、より低温での熟成において望ましくな
い混合結晶の形成が防止された。電子顕微鏡によれば、
エマルジョン1および2は出発エマルジョンと比べた場
合に変形したグレイン構造を示した。特に、エマルジョ
ン1および2は出発エマルジョンよりも鋭利なコーナー
プロファイルを有していた。また、グレインの少なくと
も1の結晶面上に、典型的なホッパー構造を形成する突
出部由来の著しい凹形領域を示した。
【0084】
【実施例4】エマルジョン1 実施例3のエマルジョン2と同一のものを用いた。最後
に、このエマルジョンを45℃で120分間熟成した。
【0085】エマルジョン2 ダブルジェット添加中に、銀1モルに対して0.3mgのチ
オスルフェート、0.5mgのNaAuCl4および9mgのKCNSを用
いること以外は実施例3のエマルジョン2と同一の条件
で調製したエマルジョンを用いた。エマルジョン3 KCNSを用いること以外はエマルジョン2と同様にして調
製したものを用いた。最後に、このエマルジョンを45℃
で60分間、55℃で75分間、60℃で60分間熟成した。
【0086】実施例1と同様にして、3種類のエマルジ
ョンを被覆し、処理した。得られた結果を以下の表4に
示す。
【0087】
【表4】 平均 ブルー グリーン X線 エマルジョン かぶり Dmax コントラスト 速度 速度 速度 1(実施例) 0.20 3.66 2.80 2.36 2.69 2.82 2(比較例) 0.19 2.30 0.63 1.40 1.65 1.59 3(比較例) 0.20 2.11 0.50 1.12 1.40 1.35
【0088】以上の結果より、金およびチオスルフェー
トの熟成は本発明のエマルジョンの良好な写真特性を提
供しないことが明確に示された。
【0089】
【実施例5】エマルジョン1 光学増感剤を添加しないこと以外は実施例3のエマルジ
ョン2と同様の条件で調製したエマルジョンを用いた。
最後に、このエマルジョンを45℃で220分間熟成した。
【0090】エマルジョン2 実施例3のエマルジョン3と同様にして調製したものを
用いた。
【0091】実施例1と同様にして、2種類のエマルジ
ョンを被覆し、処理した。得られた結果を以下の表5に
示す。
【0092】
【表5】 平均 ブルー グリーン X線 エマルジョン かぶり Dmax コントラスト 速度 速度 速度 1(実施例) 0.17 3.72 2.68 2.35 2.55 2.62 2(比較例) 0.18 3.85 2.79 2.21 2.45 2.49
【0093】エマルジョン1は、実施例3と同様に、顕
著な凹形領域由来のエッジおよびコーナー突出を示し
た。光学増感剤を用いなかったことは、センシトメトリ
ーにおいて無影響であった(それぞれブルーおよびグリ
ーン速度において+0.14および+0.10、X線速度+0.13)。
【0094】
【実施例6】8:1のアスペクト比および約1.10μmの平
均直径を有する臭化銀板状グレインを含有する臭化銀エ
マルジョンに、pH5.8および40℃において、Ag1モルに
対して、NaCl4.27Nの5.3mlおよび7.7mmolのAgを加え、A
gNO30.25Nの溶液を用いてpAgを8.0とし、KI0.06Nの53ml
および上述と同様のAgNO3を用いてAg4mmol、そして、
5分間の休止の後に、以下の式に示す構造を有する光学
増感剤の1.0重量%溶液60mlを加えた。
【0095】
【化11】
【0096】得られた溶液にNaClおよびAgNO3溶液のダ
ブルジェット添加を60分間行い、Agの1モルに対して5.
7M%のAgClを沈澱させた。このダブルジェット添加の間
にpAgは8.5に増大した。Ag1モルに対して、実施例1と
同一のイソチウロニウム塩の0.1重量%溶液7.6ml、塩化
金0.2mMの溶液7.5ml、KCNS0.031Nの溶液7.0mlおよびナ
トリウムp-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液17.8
mlを、上記ダブルジェット添加の開始6分後に添加開始
した。次いで、43℃、pH7.2、そしてpAg8.2において、
それぞれ異なる時間得られたエマルジョンを熟成させ
た。
【0097】エマルジョン1:91分間 エマルジョン2:95分間
【0098】エマルジョン3 上述のエマルジョン1および2と同一の出発エマルジョ
ンに、pH6.5、pAg8.5および65℃において、ロイコフォ
TMの1重量%溶液9.4ml、エマルジョン1で用いたの
と同一のスペクトル増感剤の1重量%溶液60ml、ベンゾ
チアゾリウムヨードエチレート3.4mMの溶液25ml、ナト
リウムp-トルエンスルフィネートの溶液30ml、ナトリウ
ムp-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液25ml、塩化
金0.2mMの溶液8.7ml、そしてKCNS0.31Nの溶液3.5mlを加
え、次いで、得られるエマルジョンを65℃で146分間熟
成させた。最後に、KI0.066Nの溶液35mlを添加し、得ら
れたエマルジョンを従来法により安定化した。
【0099】実施例1と同様にしてエマルジョン1、2
および3を被覆し、処理した。得られた結果を以下の表
6に示す。
【0100】
【表6】 平均 ブルー グリーン X線 エマルジョン かぶり Dmax コントラスト 速度 速度 速度 1(実施例) 0.21 3.52 2.32 2.35 2.74 2.95 2(実施例) 0.21 3.54 2.31 2.36 2.74 2.95 3(比較例) 0.23 3.57 2.50 2.04 2.46 2.61
【0101】以上の結果より、比較エマルジョン3と比
較して、エマルジョン1および2は速度において改良さ
れていることが示された。電子顕微鏡によれば、エマル
ジョン1および2は出発エマルジョンと比べた場合に変
形したグレイン構造を示した。主要表面上にひび割れ形
領域の端部の回りに形成されたクレーター構造由来の突
出が見られた。沈殿中の熟成においてイソチウロニウム
塩の代わりにベンゾチアゾリウムの溶液を用いても、昇
温することなく同様のセンシトメトリー特性を得ること
はできなかった。しかしながら、昇温すると、望ましく
ない混合結晶の形成を生じる可能性が増大する。
【0102】
【実施例7】エマルジョン1 銀およびハライド塩をダブルジェット添加しないこと以
外は、実施例6のエマルジョン1と同様にして調製した
ものを用いた。最後に、このエマルジョンを43℃で180
分間熟成し、従来法により安定化し、そして、53℃に10
分間保持した。
【0103】エマルジョン2 ダブルジェット沈殿の前ではなく、後にスペクトル増感
剤を添加すること以外は実施例6のエマルジョン1と同
様にして調製したエマルジョンを用いた。得られたエマ
ルジョンを43℃において160分間熟成させた。エマルジョン3 実施例6のエマルジョン3と同様にして調製したものを
用いた。
【0104】実施例1と同様にして、エマルジョン1、
2および3を被覆し、処理した。得られた結果を以下の
表7に示す。
【0105】
【表7】 平均 ブルー グリーン X線 エマルジョン かぶり Dmax コントラスト 速度 速度 速度 1(比較例) 0.22 3.50 1.85 1.56 1.92 1.93 2(実施例) 0.18 3.61 2.40 2.15 2.47 2.58 3(比較例) 0.20 3.75 2.66 1.97 2.40 2.48
【0106】以上の結果より、ダブルジェット沈殿を用
いないでイソチウロニウム塩を用いても作用せず(エマ
ルジョン1)、しかしながら、銀およびハライド塩のダ
ブルジェット添加の前および後のスペクトル増感剤の添
加は本発明の写真特性に影響しないことが明確に示され
た(X線速度+0.10、ブルー速度+0.18、グリーン速度+0.0
7)。電子顕微鏡によれば、エマルジョン2は主要表面上
にクレーター構造を有していた。
【0107】
【実施例8】8:1のアスペクト比および約1.10μmの平
均直径を有する臭化銀板状グレインを含有する臭化銀エ
マルジョンに、pH5.8および40℃において、Ag1モルに
対して、pAg8.9となるまでKBr溶液を加え、AgNO30.25N
の溶液を用いて1mmolのAgを加え、pAgを8.0とした。つ
いで、KI0.06Nの53mlおよび0.25NのAgNO3のダブルジェ
ットを4mmolのAgを用いるまで行った。その後、休止を
おいてpAgを8.5に修正した後に、以下の式に示す構造を
有する光学増感剤の1重量%溶液60mlを添加した。
【0108】
【化12】
【0109】得られた溶液にKBrおよびAgNO3溶液のダブ
ルジェット添加を60分間行い、Agの1モルに対して5.7M
%のAgClを沈澱させた。このダブルジェット添加の間に
pAgは8.5に増大した。Ag1モルに対して、実施例1と同
一のイソチウロニウム塩の0.1重量%溶液7.6ml、塩化金
0.2mMの溶液7.5ml、KCNS0.031Nの溶液7.0mlおよびナト
リウムp-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液17.8ml
を、上記ダブルジェット添加の開始6分後に添加開始し
た。次いで、43℃、pH7.2、そしてpAg8.2において、得
られたエマルジョンを120分間熟成させ、安定させ、53
℃で10分間保持し、ついで冷却し、保存した。
【0110】エマルジョン2 上述のエマルジョン1と同一の出発臭化銀エマルジョン
に、pH6.5、pAg8.5および65℃において、ロイコフォア
TMの1重量%溶液9.4ml、エマルジョン1で用いたのと
同一のスペクトル増感剤の1重量%溶液60ml、ベンゾチ
アゾリウムヨードエチレート3.4mMの溶液25ml、ナトリ
ウムp-トルエンスルフィネートの溶液30ml、ナトリウム
p-トルエンチオスルホネート0.027Mの溶液25ml、塩化金
0.2mMの溶液8.7ml、そしてKCNS0.31Nの溶液3.5mlを加
え、次いで、得られるエマルジョンを65℃で146分間熟
成させた。最後に、KI0.066Nの溶液35mlを添加し、得ら
れたエマルジョンを従来法により安定化した。
【0111】実施例1と同様にしてエマルジョン1およ
び2を被覆し、処理した。得られた結果を以下の表8に
示す。
【0112】
【表8】 平均 ブルー グリーン X線 エマルジョン かぶり Dmax コントラスト 速度 速度 速度 1(実施例) 0.20 3.80 2.55 2.29 2.69 2.85 2(比較例) 0.21 3.90 2.64 1.98 2.41 2.50
【0113】以上の結果より、本発明の写真エマルジョ
ンは速度において改良されていることが示された。電子
顕微鏡によれば、エマルジョン2は出発エマルジョンと
比べた場合にわずかに変形したグレイン構造を示した。
特に、主要表面上にひび割れ形領域の端部の回りに形成
されたクレーター構造由来の突出が見られたグレインは
極わずかであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ミレーナ・デベネデッティ イタリア17016フェラーニア(サヴォーナ) (番地の表示なし) スリーエム・イタリ ア・リチェルシェ・ソシエタ・ペル・アチ オニ内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)、(b)、(c)および(d)の工程を
    包含する、化学的およびスペクトル的に増感されたクレ
    ーターまたはホッパー構造を有する凹形またはひび割れ
    形ハロゲン化銀グレインを含有するハロゲン化銀写真エ
    マルジョンの調製法: (a)親水性コロイド分散媒体中に、少なくとも1の[111]
    および/または少なくとも1の[100]結晶面を有する立方
    結晶格子構造を有する少なくとも50モル%の臭化物を含
    有するハロゲン化銀グレイン、を含有するホストハロゲ
    ン化銀グレインエマルジョンを反応容器中に形成する工
    程; (b)30〜50℃の温度で5〜7のpHにおいて、銀および/ま
    たはハライド塩溶液の第1の添加を7〜9のpAgとなる
    まで行う工程; (c)7〜9のpAgにおいて、銀およびハライド塩溶液の第
    2の添加をホストハロゲン化エマルジョンの銀1モルに
    対して0.01〜0.10モルの銀が添加されるまで行い、その
    際に、反応容器中に、式 【化1】 [式中、R1およびR2は直鎖または分岐鎖アルキル基、ア
    ルキレン基、アリール基またはアリル基であって、R1
    よびR2の少なくとも一方はアリル基であり、Aは二価の
    有機結合基であり、そしてR3はカルボキシル部分、スル
    ホ部分、ヒドロキシル部分またはアミノ部分の部類から
    選択される部分であり、Bはアニオンであり、そしてnは
    0(R3が負帯電基である場合)または1(R3が非帯電基で
    ある場合)である。]で示す構造を有するイソチウロニウ
    ム化合物を含有する溶液を注ぐ工程; および (d)6〜8のpH、7〜9のpAgおよび30〜50℃の温度にお
    いて、得られたハロゲン化銀エマルジョンを熟成する工
    程。
  2. 【請求項2】 前記ホストハロゲン化銀エマルジョンが
    少なくとも80モル%の臭化物を含有し、残りの部分は20
    モル%を下回るイオダイドであるハロゲン化銀グレイン
    を含有する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ホストハロゲン化銀エマルジョンが
    臭化銀グレインを含有する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ホストハロゲン化銀エマルジョン
    が、親水性コロイド分散媒体中に、少なくとも1、最大
    8の[111]結晶面を有する少なくとも50モル%の臭化物
    を有する球状または14面体状ハロゲン化銀グレインを含
    有する、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン化銀グレインが少なくとも
    80モル%の臭化銀を含有し、残りは20モル%を下回るヨ
    ウ化物である、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ホストハロゲン化銀エマルジョン
    が、親水性コロイド分散媒体中に、主に[111]結晶面に
    より隔てられた少なくとも50モル%の臭化物を含有する
    板状グレインを含有する、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ホストハロゲン化銀板状グレインが
    3:1を上回るアスペクト比を有する、請求項6記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記ホストハロゲン化銀板状グレインが
    臭化銀グレインである、請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の添加が銀および塩化物および
    /または臭化物塩溶液とともに行なわれる、請求項1記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の添加が銀および塩化物およ
    び/またはヨウ化物塩溶液とともに行なわれる、請求項
    1記載の方法。
  11. 【請求項11】 銀塩とハライド塩溶液との前記第1の
    添加の間に休止が設けられる、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記イソチウロニウム化合物の添加が
    銀およびハライド塩の前記第2の添加の開始から2〜15
    分後に開始される、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 得られるエマルジョンが化学的および
    スペクトル的に増感されている、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】 銀およびハライド塩の前記第2の添加
    の前または後にスペクトル増感染料が添加される、請求
    項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記スペクトル増感染料がJ-凝集体形
    成シアニンまたはメロシアニン染料である、請求項14記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 前記第2の添加が銀および塩化物、臭
    化物または塩化臭化物塩溶液とともに行なわれる、請求
    項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 立方結晶格子構造を有し、少なくとも
    1のひび割れ形または凹形領域を有する少なくとも1の
    [111]および/または少なくとも1の[100]結晶面を有す
    る化学的およびスペクトル的に増感されたハロゲン化銀
    グレインであって、該領域の回りに、該ハロゲン化銀グ
    レインの少なくとも1の結晶面上に少なくとも1のクレ
    ーターおよび/または少なくとも1のホッパー構造を形
    成するハロゲン化銀の突出を有するものを含有するハロ
    ゲン化銀写真エマルジョン。
  18. 【請求項18】 前記ハロゲン化銀グレイン少なくとも
    80%Mの臭化銀を含有し、残りは20%Mを下回るヨウ化銀
    であり、そして前記ハロゲン化銀の突出が少なくとも80
    %Mの塩化銀および/または臭化銀からなる、請求項17記
    載のハロゲン化銀写真エマルジョン。
  19. 【請求項19】 前記ハロゲン化銀グレインが、[100]
    結晶面により隔てられており、少なくとも1、最大8の
    [111]結晶面を有しており、該[111]結晶面の少なくとも
    1は、該ハロゲン化銀グレインの少なくとも1の結晶面
    上に、該凹形またはひび割れ形領域の周囲に少なくとも
    1のクレーターまたはホッパー構造を形成するハロゲン
    化銀の突出を有する、請求項17または18記載のハロゲン
    化銀写真エマルジョン。
  20. 【請求項20】 前記ハロゲン化銀グレインが、[111]
    結晶面により主に隔てられており、該[111]結晶面の少
    なくとも1が、該ハロゲン化銀グレインの少なくとも1
    の結晶面上の該凹形またはひび割れ形領域の回りに少な
    くとも1のクレーターまたはホッパー構造を形成するハ
    ロゲン化銀の突出を有する、請求項17または18記載のハ
    ロゲン化銀写真エマルジョン。
JP4187948A 1991-07-15 1992-07-15 クレーターまたはホッパー構造を有するグレインを含有するハロゲン化銀エマルジョンおよびそれらの調製法 Pending JPH05216149A (ja)

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JP2631720B2 (ja) * 1988-10-31 1997-07-16 コニカ株式会社 ハロゲン化銀結晶粒子及びハロゲン化銀感光材料

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