JPH11271898A - ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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JPH11271898A
JPH11271898A JP7032698A JP7032698A JPH11271898A JP H11271898 A JPH11271898 A JP H11271898A JP 7032698 A JP7032698 A JP 7032698A JP 7032698 A JP7032698 A JP 7032698A JP H11271898 A JPH11271898 A JP H11271898A
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emulsion
silver
grains
halide emulsion
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JP7032698A
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Kaneo Mamiya
周雄 間宮
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、従来行なわれてきたハロゲ
ン化銀微粒子乳剤添加による結晶成長法の欠点を解消
し、より個々の因子が制御された均一な結晶成長を可能
にする高感度で高画質なハロゲン化銀乳剤を得るために
有利な、再現性の良い結晶成長法によるハロゲン化銀乳
剤の製造方法を提供することにある。 【解決手段】 感光性のハロゲン化銀乳剤の結晶成長を
行わせる保護コロイド水溶液を有する反応容器に、微細
なサイズのハロゲン化銀微粒子を含有するハロゲン化銀
微粒子乳剤を供給することによって感光性のハロゲン化
銀乳剤の一部または全てを製造するハロゲン化銀乳剤の
製造方法において、該ハロゲン化銀微粒子が、(1)反
応容器外の攪拌装置を有さない静的な混合器で形成さ
れ、かつ(2)該ハロゲン化銀微粒子の双晶比率が1%
以下であり、かつ(3)該反応容器外での混合器で形成
されたハロゲン化銀微粒子乳剤中のハロゲン化銀濃度が
0.2モル/リットル以上0.36モル/リットル以下
であるハロゲン化銀微粒子を用いて製造されることを特
徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料用のハロゲン化銀乳剤の製造方法に関し、詳し
くは単分散性及び製造安定性に優れた平板状ハロゲン化
銀乳剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトカメラやレンズ付きフ
ィルム等の普及により、ハロゲン化銀写真感光材料を用
いた写真撮影の機会が日常化している。それに伴い、ハ
ロゲン化銀写真感光材料の性能向上に対する要請はます
ます厳しく、より高水準な性能を求められている。また
Advanced photosystemの導入によ
り、プリント時の拡大率は以前よりも増し、ハロゲン化
銀写真感光材料の性能の中でも、感度や画質の向上を目
指したハロゲン化銀粒子の開発がますます重要となって
きている。
【0003】一般に、画質を向上させるためには、ハロ
ゲン化銀粒子の粒径を小さくして単位銀量当たりの粒子
数を増加させ、発色点数(画素数)を増やす方法が有効
である。しかし、粒径を小さくすることは、深刻な感度
低下を招くため、高感度と高画質をともに満足させるに
は限界があった。更なる高感度化、高画質化を図るべ
く、ハロゲン化銀粒子1個当たりの感度/サイズ比を向
上させる技術が研究されているが、その一つとして平板
状ハロゲン化銀を用いる技術が特開昭58−11193
5号、同58−111936号、同58−111937
号、同58−113927号、同59−99433号等
に記載されている。
【0004】これらの平板状ハロゲン化銀粒子を6面体
や8面体、或いは12面体粒子等のいわゆる正常晶ハロ
ゲン化銀粒子と比較すると、ハロゲン化銀粒子の単位体
積当たりの表面積が大きくなるため、同一体積の場合に
は平板粒子の方が粒子表面により多くの分光増感色素を
吸着させることができ、一層の高感度化を図れる利点が
ある。
【0005】当業界におけるハロゲン化銀写真感光材料
の感度や画質を向上させることを目的としたハロゲン化
銀乳剤に対する取り組みの中で、最も基本的でかつ重要
な技術として位置付けられるものにハロゲン化銀乳剤の
単分散化技術がある。粒径の大きなハロゲン化銀粒子と
小さなハロゲン化銀粒子では化学増感の最適な条件が異
なるため、両者が混在した、即ち多分散な(粒径分布の
広い)ハロゲン化銀乳剤には最適に化学増感を施すこと
が難しく、結果としてカブリの増加を招いたり十分な化
学増感を行うことができない場合が多い。一方、単分散
なハロゲン化銀乳剤の場合には、最適な化学増感を施す
ことが容易であり、高感度で低カブリなハロゲン化銀乳
剤を調製することが可能となる。また、硬階調(高ガン
マ)な特性曲線が期待できる。
【0006】一般に、臭化銀または沃臭化銀を基本とす
る、平行2枚双晶を有する粒子の調製の際はその側面の
成長活性がきわめて高いために核生成初期に生成した極
一部の2枚双晶核は同時に生成した他の正常晶核の再溶
解で放出される溶質を受けて平行2枚双晶のみが選択的
に生き残るオストワルド熟成過程を利用する。この後こ
の平板種粒子に比較的高pBrで硝酸銀溶液とハロゲン
化物溶液をダブルジェット法で成長させると種粒子のサ
イズ分布を維持または縮小させることが出来る。しか
し、オストワルド熟成過程に頼りすぎると、種晶段階で
平行2枚双晶比率が上がるのと同時に過度の熟成による
分布の劣化を伴ってしまう。従って高度に分布の狭い形
の揃った平板粒子を調製するには、まず平板種晶段階で
サイズ分布を狭くすることが望まれる。
【0007】従来の技術である反応容器中のAgX種晶
乳剤を撹拌しながら、予め調製したAgX微粒子乳剤を
供給し、該反応容器中で該微粒子をオストワルド熟成に
より溶解させ、ハロゲン化銀粒子の一部または全ての成
長を行う成長方式を利用するハロゲン化銀乳剤の製造方
法に関しては、これまでいくつかの文献に記載がある。
例えば、本発明者による米国特許4,242,445
号、特開昭55−142329号、同63−15161
8号、同58−113926号〜113928号、同5
7−23932号、米国特許第2,146,938号、
同3,317,322号、特開平1−183417号を
挙げることができる。すなわち、AgX種晶乳剤に、銀
塩水溶液とハロゲン化物塩(以後、X-塩と記す)水溶
液とを添加する従来の方式では、それらが添加され、均
一混合するまでの間、反応溶液中にそれらの添加成分の
濃度分布が存在し、そして更に該添加が続いている間、
該濃度分布が存在する。これはAgX粒子成長の再現
性、ハロゲン組成の均一性、還元銀核生成の均一性等に
影響すると考えられる。これに対し、前記のハロゲン化
銀微粒子添加法では、そのAgX微粒子がAgX種晶乳
剤で徐々に溶解して溶質イオンを供給する為にそのよう
な不都合な点が取り除かれるという利点を有する。
【0008】しかし、これまでに知られているハロゲン
化銀微粒子添加法には、まだ次のような種々の問題点が
残されている。
【0009】1)予め調製したハロゲン化銀微粒子は一
般に表面ギブス(Gibbs)自由エネルギーが高く、
不安定であり、従って保存中に変化しやすいという問題
点を有する。この点について、特開昭57−23932
号には、成長禁止剤の存在下で調製したハロゲン化銀微
粒子乳剤を水洗、分散して、さらに再溶解して添加する
方法が開示されている。しかし、この場合、成長禁止剤
の存在の為に、該乳剤保存中の粒径変化は少なくなる
が、該乳剤を添加したときに該微粒子が溶解しがたくな
るという欠点を有する。
【0010】2)特開平1−183417号は、この問
題点を解消する為に反応容器の外に混合容器を設けて反
応容器に接続させ、その混合容器に銀塩水溶液とX-
水溶液そして保護コロイド水溶液をトリプルジェット方
式で連続的に供給混合してAgX微粒子乳剤を形成し、
微粒子乳剤を連続的に反応容器に供給する方法を開示し
ている。この場合、該微粒子は形成された後、ただちに
反応容器に供給される為に、保存性の問題はない。しか
し、形成された微粒子がただちに反応容器に添加される
ため、微粒子の形成条件と反応容器内の環境(pBr、
pH、温度など)が独立に設定できない、すなわち微粒
子形成条件か成長に影響するという問題点を有する。ま
た混合室の体積は反応容器と比較して小さいため、過飽
和度が非常に高くなり、粒子サイズは微細になるが、双
晶粒子の比率が高くなり、反応容器に添加した後、溶解
時間が増大するという問題が発生する。
【0011】3)特開平9−197587号ではバッチ
法を用いているが添加初期に過飽和度が高くなり、その
後減少していく。すなわち微粒子形成の間系内の過飽和
度が変化している。このため初期に核発生した後、新規
な核形成の代わりに核粒子状に添加したハロゲン化銀が
析出してしまう。これによってハロゲン化銀微粒子の粒
径増加や分布の劣化につながる。またハロゲン化銀粒子
の核発生は非常に高速反応であるため、攪拌強度を大き
くすることが必要であるが泡の発生やキャビテーション
などの問題により、現実的に困難である。また形成され
た核に常にAg+塩、X-塩が添加されるため、Ag
+塩、X-塩添加液の濃度局在により、微粒子乳剤からの
カブリ核持ち込み、ハロゲン化銀組成分布の広がりなど
の問題が生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、従来行なわれてきたハロゲン化銀微粒子乳剤添
加による結晶成長法の上記欠点を解消し、より個々の因
子が制御された均一な結晶成長を可能にする高感度で高
画質なハロゲン化銀乳剤を得るために有利な、再現性の
良い結晶成長法によるハロゲン化銀乳剤の製造方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0014】1.感光性のハロゲン化銀乳剤の結晶成長
を行わせる保護コロイド水溶液を有する反応容器に、微
細なサイズのハロゲン化銀微粒子を含有するハロゲン化
銀微粒子乳剤を供給することによって感光性のハロゲン
化銀乳剤の一部または全てを製造するハロゲン化銀乳剤
の製造方法において、該ハロゲン化銀微粒子が、(1)
反応容器外の攪拌装置を有さない静的な混合器で形成さ
れ、かつ(2)該ハロゲン化銀微粒子の双晶比率が1%
以下であり、かつ(3)該反応容器外での混合器で形成
されたハロゲン化銀微粒子乳剤中のハロゲン化銀濃度が
0.2モル/リットル以上0.36モル/リットル以下
であるハロゲン化銀微粒子を用いて製造されることを特
徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
【0015】以下、本発明について詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明のハロゲン化銀乳剤
の製造方法に用いるハロゲン化銀微粒子乳剤の調製のた
めの好ましい方法について説明する。
【0017】本発明においてはハロゲン化銀微粒子は、
実質的に双晶面を有しないことが好ましい。それは双晶
面を有する微粒子は再溶解しがたく、従って新核発生し
やすい為である。
【0018】粒子サイズがほぼ同一の場合、ハロゲン化
銀微粒子の溶解度は、双晶粒子<無双晶粒子となる。従
って双晶粒子を実質的に含まない微粒子が好ましい。こ
こで実質的に双晶面を有しないとは、双晶面を有する粒
子数割合が1%以下、好ましくは0.5%以下、より好
ましくは0.3%以下、更に好ましくは0.1%以下を
意味する。最も好ましくは双晶粒子の混在量が検出でき
ない量である。ハロゲン化銀微粒子の双晶比率が1%を
越えると、その溶解度が低いために溶解時間が増大し、
製造時間の増加が無視できなくなる。または微粒子が完
全に溶解しない場合は残った微粒子を核として新たな粒
子成長が起こるために粒径分布の劣化を招く。
【0019】これらの双晶粒子数の比率は、微粒子乳剤
を50℃以下、好ましくは35℃以下の温度で、新核発
生なしに高過飽和条件下で明確な粒子形状を示す所まで
成長させ、該粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写真像
(TEM像)を観察することにより求めることができ
る。
【0020】一方ハロゲン化銀微粒子を用いた成長はオ
ストワルド熟成により、溶解が進行するため、該ハロゲ
ン化銀微粒子のサイズは小さい程好ましい。ハロゲン化
銀微粒子の平均粒径は0.1μm以下が好ましく、0.
05μm以下がより好ましい。さらには0.02μm以
下が好ましい。
【0021】ところでハロゲン化銀微粒子を形成する
際、双晶比率を低減できる条件と粒子サイズを微小にす
る条件とは必ずしも一致しない。微粒化するためには系
内の過飽和度をあげることが好ましい。しかし過飽和度
が高すぎると双晶比率、特に多重双晶粒子の比率は増大
する。従って粒径及び双晶比率を考慮して、過飽和度を
調整することが必要である。
【0022】また微粒子サイズの分布は狭いほど良い。
粒子サイズ分布が広がるとハロゲン化銀微粒子全部が消
失するのに時間がかかる。消失時間は20分以内が好ま
しく、10分以内がより好ましく、5分以内がさらに好
ましい。消失時間が長くなるとハロゲン化銀微粒子間で
オストワルド熟成を起こし、ハロゲン化銀微粒子のサイ
ズが大きくなってしまうためである。これにより、成長
時間の増大や、成長したハロゲン化銀粒子の分布の劣化
を引き起こす。ハロゲン化銀微粒子の分布は25%以下
が好ましく、15%以内がより好ましく、10%以内が
さらに好ましい。
【0023】本発明における反応容器外の攪拌装置を有
さない静的な混合器は、内部に撹拌機を有しない事を特
徴とする。例えば、図1のような各添加液が1つのライ
ンを通して添加される形状でもよいが、可溶性銀塩溶液
およびハロゲン化物溶液を導入するノズルの数が複数本
または複数本ずつ存在する方が好ましい。また、複数の
ハロゲン溶液を用いたり、ハロゲン化銀溶剤や成長抑制
剤、分光増感色素等を同時混合する目的で3種以上の溶
液を混合しても良い。この場合は全ての供給管及び生成
した核を排出する管の軸が全て同一の点で集結する事、
可溶性銀塩溶液およびハロゲン化物溶液を導入する速度
のバランスとしては、同じであっても差があっても良
い。攪拌機構を有さないことにより、混合室内の滞留時
間分布を小さくすることができ、この結果ハロゲン化銀
微粒子の粒径の増加や、不要な銀核の発生を抑えること
ができる。
【0024】さらにハロゲン化銀微粒子中の双晶比率を
下げるために重要なことは混合器で形成されるハロゲン
化銀微粒子乳剤の濃度を適切な領域で行うことである。
形成されるハロゲン化銀乳剤の濃度が0.36モル/L
を越えると下記に述べる製造条件であっても双晶粒子の
比率が無視できない程度になる。一方乳剤濃度が低すぎ
る場合には、保護コロイド物質濃度減少により安定な核
形成が行えず、粒径分布の劣化や双晶比率の増加をもた
らす。保護コロイド量を増加することでこれは回避する
ことができるが、製造される微粒子乳剤中のゼラチン量
が増えるために、該微粒子を用いた粒子成長の際の成長
速度の低下を招く。したがって乳剤濃度としては0.2
5モル/L以上0.36モル/L以下が好ましく、0.
25モル/L以上0.3モル/L以下がより好ましい。
【0025】混合器で形成されたハロゲン化銀微粒子乳
剤は反応容器に送る前に一度バッファ容器に保存するこ
とが好ましい。また微粒子乳剤の濃度を下げると生産性
が低下するため、バッファ容器において混合器での微粒
子乳剤形成後、種々の方法で乳剤を水洗及び/あるいは
濃縮しても良い。本発明による方法では、混合器で形成
される微粒子乳剤の粒径分布が非常に小さいこと、また
乳剤濃度が低いことから、このような過程を経ても微粒
子の粒径にはほとんど影響しない。水洗、濃縮方法は当
業界でよく知られている方法、すなわち、凝集沈殿法、
遠心分離法、膜分離法などを用いることができるが、膜
分離法がとくに好ましい。
【0026】微粒子形成時の分散媒としては従来、写真
の分野で公知の親水性分散媒を用いることができるが、
特にゼラチンが好ましい。ゼラチンとしては従来の9万
〜30万のゼラチンの他、低分子量ゼラチンも用いるこ
とができる。該低分子量ゼラチンは低温でも高粘度化し
たり、ゲル化したりしないために好ましい。好ましいゼ
ラチン濃度は1〜15%である。しかし低分子量ゼラチ
ンは保護コロイド性が弱いため、形成後沈降や粒径変化
が起きやすくなる。このため形成後高分子量(10万以
上)のゼラチンを添加しても良い。
【0027】保護コロイドは硝酸銀水溶液、ハロゲン塩
水溶液のいずれか/または両方に混合しておく事ができ
る。あるいは硝酸銀水溶液、ハロゲン塩水溶液とは別に
準備し、トリプルジェットで混合しても良い。
【0028】混合温度は40℃以下が好ましい。
【0029】また、酸性法、中性法、アンモニア法のい
ずれを用いて微粒子形成を行ってもよい。
【0030】次にハロゲン化銀平板粒子の製造法につい
て述べる。
【0031】〈核形成工程〉核形成時の分散媒としては
従来、写真の分野で公知の親水性分散媒を用いることが
でき、特にゼラチンが好ましい。ゼラチンとしては従来
の9万〜30万のゼラチンの他、低分子量ゼラチンも用
いることができる、分散媒の濃度としては、0.05〜
5重量%を用いることができるが、0.05〜2.0重
量%の低濃度域が特に好ましい。
【0032】また、酸性法、中性法、アンモニア法のい
ずれを用いて粒子形成を行ってもよい。
【0033】核形成は反応容器内に保護コロイドをあら
かじめ導入しておき、銀塩、およびハロゲン塩をシング
ルジェット法、あるいはダブルジェット法で添加する方
法でも良いし、本発明に用いているように連続的にハロ
ゲン化銀核を形成しても良い。
【0034】また、核形成時のpHとしては、1〜7が
好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好まし
い。また、pBrとしては、2.5以下が好ましく、
2.3以下が更に好ましい。
【0035】本発明によって得られる微粒子のハライド
組成は、沃化銀、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩沃化
銀、塩沃臭化銀のいずれでも良いが、臭化銀が好まし
い。
【0036】本発明のハロゲン化銀粒子は、そのまま感
材に適応しても良いし、ハロゲン化銀成長の供給源とし
て用いても良いし、また、平板状ハロゲン化銀の種晶と
して用いても良い。平板状ハロゲン化銀の種晶として用
いる場合は、引き続き以下のような工程(熟成工程およ
び成長工程)を経るのが好ましい。
【0037】〈熟成工程〉以上に述べた工程では微小な
平板粒子核が形成されるが、同時に多数のそれ以外の微
粒子(特に8面体および一重双晶粒子)が形成される。
次に述べる成長工程に入る前に平板粒子核以外の粒子を
消滅せしめ、平板状粒子となるべき形状でかつ単分散性
の良い種晶を得ることが好ましい。これを可能にする方
法として上記工程に続いてオストワルド熟成を行う方法
が知られている。また、熟成時に熟成を促進するために
AgX溶剤を共存させることができる。ハロゲン化銀溶
剤としては、チオシアン酸塩、アンモニア、アンモニウ
ム塩、チオエーテル、チオ尿素類などを挙げることがで
きる。
【0038】AgX溶剤の濃度は、10-4mol/L以
上が好ましく、10-3mol/L以上がより好ましく、
更に好ましくは10-2mol/L以上である。
【0039】〈成長工程〉熟成後のハロゲン化銀乳剤に
新たに可溶性銀塩溶液および可溶性ハロゲン化物溶液を
供給することにより、平板状ハロゲン化銀粒子を得るこ
とができる。
【0040】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子と
は、粒子内に1つまたは互いに平行な2つ以上の双晶面
を有するものである。但し、本発明の主たる特徴である
粒子間のサイズ分布のばらつきを小さくするために、平
行な2つの双晶面を有する粒子であることが好ましい。
【0041】本発明においてアスペクト比とは、粒子の
直径と厚さの比(アスペクト比=直径/厚さ)をいう。
粒子の直径とは、平板状粒子の表面を形成する平面の中
で最も広い面積を有する面(主平面とも称する)に対し
て垂直にその粒子を投影した場合の面積に等しい面積を
有する円の直径(投影面積直径とも称する)で表され
る。粒子の厚さとは、主平面に垂直な方向での粒子の厚
さであり、一般に2つの主平面間の距離に一致する。
【0042】本発明において、粒子の直径と厚さは以下
の方法で求められる。支持体上に内部標準となる粒径既
知のラテックスボールと主平面が平行に配向するように
ハロゲン化銀粒子を塗布した試料を作成し、ある角度か
らカーボン蒸着法によリシャドーイングを施した後、通
常のレプリカ法よってレプリカ試料を作成する。同試料
の電子顕微鏡写真を撮影し、画像処理装置等を用いて個
々の粒子の投影面積直径と厚さを求める。
【0043】この場合、粒子の厚さは、内部標準と粒子
の影(シャドー)の長さから算出することができる。さ
らに、平均アスペクト比とは、乳剤中に含まれるハロゲ
ン化銀粒子のアスペクト比を任意に300個以上観察す
ることにより算出することができる。
【0044】本発明のハロゲン化銀乳剤においては、平
均アスペクト比が5以上であることが好ましく、7以上
であることがさらに好ましい。
【0045】本発明のハロゲン化銀平板粒子の平均粒子
サイズは0.6μm以上が好ましく、1.0μm以上が
更に好ましい。
【0046】本発明におけるハロゲン化銀粒子の組成と
しては、沃臭化銀、塩沃臭化銀であることが好ましく、
沃臭化銀がより好ましい。また、本発明に係るハロゲン
化銀乳剤の平均沃化銀含有率は10モル%以下である
が、8モル%以下がより好ましく、5モル以下がさらに
好ましい。ハロゲン化銀粒子の組成は、EPMA法、X
線回折法等の組成分析法を用いて調べことができる。
【0047】また、本発明のハロゲン化銀乳剤において
は、ハロゲン化銀粒子間の沃化銀含有率がより均一であ
ることが好ましい。即ち、該ハロゲン化銀乳剤における
沃化銀含有率の変動係数が30%以下であることが好ま
しく、さらには20%以下である場合がより好ましい。
但し、ここでいう変動係数とは沃化銀含有率の標準偏差
を沃化銀含有率の平均値で割ったものに100を乗じた
値であり、ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒
子を任意に500個以上選び計算された値をいう。
【0048】本発明のハロゲン化銀乳剤は、その内部に
転位線を有することが好ましい。転位線が存在する位置
について特別な限定はないが、平板状ハロゲン化銀粒子
の外周部近傍や稜線近傍、又は頂点近傍に存在すること
が好ましい。粒子全体における転位導入の位置関係でい
えば、粒子全体の銀量の50%以降に導入されることが
好ましく、60%以上85%未満の間で導入されること
がさらに好ましい。転位線の数については、5本以上の
転位線を含む粒子が30%以上(個数)であることが好
ましいが、50%以上であることがより好ましく、80
%以上であることがさらに好ましい。また、それぞれの
場合において転位線の数は10本以上存在することが特
に望ましい。
【0049】ハロゲン化銀粒子が有する転位線は、例え
ばJ.F.HAmilton,Photo.SCi.E
ng.11(1967)57や、T.ShiozAw
A,J.SoC.Phot.SCi.JApAn,35
(1972)213Sに記載の、低温での透過型電子顕
微鏡を用いた直接的な方法により観察できる。即ち、乳
剤から粒子に転位が発生するほどの圧力をかけないよう
に注意して取り出したハロゲン化銀粒子を、電子顕微鏡
用のメッシュに乗せ、電子線による損傷(プリントアウ
トなど)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法によ
り観察を行う。この時粒子の厚みが厚いほど電子線が透
過しにくくなるので、高圧型の電子顕微鏡を用いた方が
より鮮明に観察することができる。このような方法によ
って得られた粒子写真から、個々の粒子における転位線
の位置及び数を求めることができる。
【0050】ハロゲン化銀粒子間及び粒子内部における
沃化銀含有率をより精密に制御するために、ハロゲン化
銀粒子の沃化銀含有相形成の少なくとも一部が、該ハロ
ゲン化銀粒子よりも溶解度の小さいハロゲン化銀粒子の
存在下に行われることが望ましく、溶解度の小さいハロ
ゲン化銀粒子としては沃化銀を用いることが特に望まし
い。また、同様の理由から、ハロゲン化銀粒子の沃化銀
含有相形成の少なくとも一部を、1種類以上のハロゲン
化銀微粒子のみを供給することによって形成する方法も
好ましい。
【0051】ハロゲン化銀粒子への転位線の導入法に関
しては特に限定はなく、例えば、沃化カリウムのような
沃素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダブルジェットで
添加する方法、もしくは沃化銀微粒子を添加する方法、
沃素イオン溶液のみを添加する方法、特開平6−117
81号に記載されているような沃化物イオン放出剤を用
いる方法等の、公知の方法を使用して所望の位置で転位
線の起源となる転位を形成することができる。これらの
方法の中では、沃素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダ
ブルジェットで添加する方法や沃化銀微粒子を添加する
方法、沃化物イオン放出剤を用いる方法が好ましい。
【0052】本発明に係わるハロゲン化銀粒子は、酸性
法、中性法、アンモニア法のいずれで得られたものでも
良く、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化銀を反応させ
る形式としては片側混合法、同時混合法、およびそれら
の組み合わせなどのいずれを用いても良い。粒子を銀イ
オンの過剰下において形成させる方法(いわゆる逆混合
法)を用いることもできる。同時混合法の一つの形式と
してハロゲン化銀の生成される液層中のpAgを一定に
保つ方法、即ちいわゆるコントロールドダブルジェット
法を用いることもできる。また、別々に形成した2種以
上のハロゲン化銀を混合して用いても良い。
【0053】本発明に係わるハロゲン化銀粒子は、粒子
を形成する過程および/または成長させる過程で、カド
ミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩
(錯塩を含む)、インジウム塩、ロジウム塩(錯塩を含
む)、鉄塩(錯塩を含む)から選ばれる少なくとも1種
を用いて金属イオンを添加し、粒子内部および/または
粒子表面にこれらの金属元素を含有させることができ、
また適当な還元雰囲気におくことにより、粒子内部およ
び/または粒子表面に還元増感核を付与できる。
【0054】単分散乳剤を得る方法としては、種粒子を
含むゼラチン溶液中に、水溶性銀塩溶液と水溶性ハライ
ド溶液、及びハロゲン化銀微粒子の中から任意に選ばれ
た2種以上の反応要素、pAgおよびpHの制御下に添
加することによって得ることができる。添加速度の決定
に当たっては、特開昭54−48521号、特開昭58
−49938号を参考にできる。さらに高度な単分散乳
剤を得る方法として、特開昭60−122935号に開
示されたテトラザインデン存在下の成長方法が適用でき
る。
【0055】本発明に係わるハロゲン化銀粒子の製造時
に、アンモニア、チオエーテル、チオ尿素等の公知のハ
ロゲン化銀溶剤を存在させることもできるし、ハロゲン
化銀溶剤を使用しなくても良い。
【0056】本発明に係わるハロゲン化銀粒子は、分散
媒の存在下に即ち、分散媒を含む溶液中で製造される。
【0057】ここで、分散媒を含む水溶液とは、ゼラチ
ンその他の親水性コロイドを構成し得る物質(バインダ
ーとなり得る物質など)により保護コロイドが水溶液中
に形成されているものをいい、好ましくはコロイド状の
保護ゼラチンを含有する水溶液である。
【0058】本発明を実施する際、上記保護コロイドと
してゼラチンを用いる場合は、ゼラチンは石灰処理され
たものでも、酸を使用して処理されたものでもどちらで
もよい。ゼラチンの製法の詳細はアーサー・グアイス
著、ザ・マクロモレキュラー・ケミストリー・オブ・ゼ
ラチン、(アカデミック・プレス、1964年発行)に
記載がある。
【0059】保護コロイドとして用いることができるゼ
ラチン以外の親水性コロイドとしては、例えばゼラチン
誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、
アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫
酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソ
ーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多
種の合成親水性高分子物質がある。
【0060】ゼラチンの場合は、パギー法においてゼリ
ー強度200以上のものを用いることが好ましい。
【0061】本発明に係わるハロゲン化銀粒子は、ハロ
ゲン化銀粒子の成長終了後に、不要な可溶性塩類を除去
したものであってもよいし、あるいは含有させたままの
ものでも良い。
【0062】また、特開昭60−138538号記載の
方法のように、ハロゲン化銀成長の任意の点で脱塩を行
なう事も可能である。該塩類を除去する場合には、リサ
ーチ・ディスクロージャー(Research Dis
Closure,以下RDと略す)17643号II項に
記載の方法に基づいて行なうことができる。さらに詳し
くは、沈澱形成後、あるいは物理熟成後の乳剤から可溶
性塩を除去するためには、ゼラチンをゲル化させて行な
うヌーデル水洗法を用いても良く、また無機塩類、アニ
オン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(たとえばポリ
スチレンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(たと
えばアシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)
を利用した沈澱法(フロキュレーション)を用いても良
い。
【0063】本発明に係わるハロゲン化銀粒子は、常法
により化学増感することができる。すなわち、硫黄増
感、セレン増感、還元増感法、金その他の貴金属化合物
を用いる貴金属増感法などを単独でまたは組み合わせて
用いることができる。
【0064】本発明に係わるハロゲン化銀粒子は、写真
業界において増感色素として知られている色素を用いて
所望の波長域に光学的に増感できる。増感色素は、単独
で用いてもよいが2種類以上を組み合わせて用いても良
い。増感色素と共にそれ自身分光増感作用をもたない色
素、あるいは可視光を実質的に吸収しない化合物であっ
て、増感色素の増感作用を強める強色増感剤を乳剤中に
含有させても良い。
【0065】本発明に係わるハロゲン化銀粒子には、カ
ブリ防止剤、安定剤などを加えることができる。バイン
ダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利である。乳剤
層、その他の親水性コロイド層は硬膜することができ、
また、可塑剤、水不溶性または可溶性合成ポリマーの分
散物(ラテックス)を含有させることができる。
【0066】カラー感光材料の乳剤層にはカプラーが用
いられる。さらに色補正の効果を有している競合カプラ
ーおよび現像主薬の酸化体とのカップリングによって現
像促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜
剤、カブリ剤、カブリ防止剤、化学増感剤、分光増感剤
および減感剤のような写真的に有用なフラグメントを放
出する化合物を用いることができる。
【0067】感光材料には、フィルター層、ハレーショ
ン防止層、イラジュエーション防止層等の補助層を設け
ることができる。これらの層中および/または乳剤層中
には現像処理中に感光材料から流出するか、もしくは漂
白される染料が含有されても良い。
【0068】感光材料には、マット剤、滑剤、画像安定
剤、ホルマリンスカベンジャー、紫外線吸収剤、蛍光増
白剤、界面活性剤、現像促進剤や現像遅延剤を添加でき
る。
【0069】支持体としては、ポリエチレン等をラミネ
ートした紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、バ
ライタ紙、三酢酸セルロース等を用いることができる。
【0070】本発明の調製方法において、可溶性銀塩溶
液および可溶性ハロゲン化物溶液の添加方法としては、
各溶液は一定速度で添加してもよいし、また、粒子成長
を速めるために可溶性銀塩溶液および/または可溶性ハ
ロゲン化物溶液の添加速度、添加量、添加濃度を上昇さ
せる方法を用いてもよい。また、各溶液は連続的に添加
してもよいし、また断続的に添加してもよい。
【0071】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0072】実施例1 〔微粒子乳剤1−1の調製〕(比較例) 図1(1)に示した混合器を用いてB−101液とS−
101液とX−101液を一定の流量で35秒間で添加
し微粒子形成を行った。
【0073】混合器での反応温度は30℃となるように
B−101液の温度を調整した。X−101液はハロゲ
ン化銀微粒子の形成中pBrが2.59となるように流
量を設定した。
【0074】 (B−101) 低分子量ゼラチン(平均分子量5万) 50g 臭化カリウム 3.0g H2O 800ml (S−101) 硝酸銀 120g H2O 255ml (X−101) 臭化カリウム 82.4g 沃化カリウム 2.34g H2O 252ml ここで形成された微粒子乳剤を乳剤1−1とする。乳剤
1−1は反応終了後30℃で容器に保存した。
【0075】〔微粒子乳剤1−2の調製〕(比較例) 特開平1−183417号記載の混合器を用いて攪拌回
転数4000回転/分で攪拌しながら、トリプルジェッ
ト法を用いてB−102液とS−102液とX−102
液を一定の流量で60秒間で添加し微粒子形成を行っ
た。
【0076】混合器での反応温度は30℃となるように
B−102液の温度を調整した。
【0077】 (B−102) 低分子量ゼラチン(平均分子量5万) 50g 臭化カリウム 4.3g H2O 1400ml (S−102) 硝酸銀 120g H2O 255ml (X−102) 臭化カリウム 90.6g 沃化カリウム 2.58g H2O 277ml ここで形成された微粒子乳剤を乳剤1−2とする。乳剤
1−2は反応終了後30℃で容器に保存した。
【0078】〔微粒子乳剤1−3の調製〕(本発明) 微粒子乳剤1−1と同様の混合器を用い、添加液は微粒
子乳剤1−2の調製と同様の溶液を用いて微粒子乳剤1
−3を調製した。
【0079】60秒間で添加し微粒子形成を行った。混
合器での反応温度は30℃となるようにB−102液の
温度を調整した。ハロゲン化銀微粒子の形成中pBrが
2.59となるようにハライド流量を設定した。
【0080】ここで形成された微粒子乳剤を乳剤1−3
とする。乳剤1−3は反応終了後30℃で容器に保存し
た。
【0081】〔微粒子乳剤1−4の調製〕(本発明) 微粒子乳剤1−1と同様の混合器を用い、下記の添加液
を用いて微粒子乳剤1−4を調整した。
【0082】混合器での反応温度は30℃となるように
B−102液の温度を調整し、80秒間で添加し微粒子
形成を行った。
【0083】ここで形成された微粒子乳剤を乳剤1−4
とする。乳剤1−4は反応終了後30℃で容器に保存し
た。
【0084】 (B−104) 低分子量ゼラチン(平均分子量5万) 50g 臭化カリウム 5.63g H2O 1560ml (S−104) 硝酸銀 120g H2O 678.8ml (X−104) 臭化カリウム 90.6g 沃化カリウム 2.58g H2O 743.4ml 〔微粒子乳剤1−5の調製〕(比較例) 微粒子乳剤1−1と同様の混合器を用い、下記の添加液
を用いて微粒子乳剤1−5を調製した。混合器での反応
温度は30℃となるようにB−102液の温度を調整
し、80秒間で添加し微粒子形成を行った。
【0085】ここで形成された微粒子乳剤を乳剤1−5
とする。乳剤1−5は反応終了後30℃で容器に保存し
た。
【0086】 (B−105) 低分子量ゼラチン(平均分子量5万) 50g 臭化カリウム 5.63g H2O 2580ml (S−105) 硝酸銀 120g H2O 675ml (X−105) 臭化カリウム 84g 沃化カリウム 2.35g H2O 671ml 調製した微粒子乳剤1−1〜1−5をサンプリングし、
レプリカの透過型電子顕微鏡写真像(TEM像)より粒
径を求めた。続いて各々の微粒子乳剤を50mLずつ採
取し、30℃でAgNO3液とKBr液を添加し、多重
双晶粒子と一重双晶粒子の粒子数比率を求めた。
【0087】
【表1】
【0088】本発明による微粒子乳剤は平均粒径が小さ
く、かつ双晶比率も1%以下であることが確認された。
【0089】実施例2 《平板乳剤2−1〜2−5の調製》 [核生成]反応容器内の下記ゼラチン溶液B−201を
30℃に保ち、特開昭62−160128号公報記載の
混合攪拌装置を用いて攪拌回転数400回転/分で攪拌
しながら、濃硫酸を1/10に希釈した溶液を加えてp
Hを4.0に調整した。その後ダブルジェット法を用い
てS−201液とX−201液を一定の流量で1分間で
添加し核形成を行った。
【0090】 (B−201) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.24g 臭化カリウム 0.992g H2O 1293.8ml (S−201) 硝酸銀 5.043g H2O 22.59ml (X−201) 臭化カリウム 3.533g H2O 22.47ml [熟成]上記添加終了後にG−201液を加えた後、3
0分間を要して60℃に昇温しその状態で20分間保持
した。続いて、アンモニア水溶液を加えてpHを9.3
に調整しさらに7分間保持した後、1Nの硝酸水溶液を
用いてpHを5.8に調整した。この間溶液の銀電位
(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電
極で測定)を1Nの臭化カリウム溶液を用いて6mVに
制御した。
【0091】 (G−201) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 1.391g 下記化合物A(※)の10重量%メタノール溶液 0.464ml H2O 326.6ml ※化合物A: HO(CH2CH2O)m[CH(CH3)CH2O]19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77) [成長]熟成終了後、実施例1と同様にして作製した微
粒子乳剤1−1〜1−5をそれぞれ用いて、最終粒径が
立方体換算径0.50ミクロンメートルになるように流
量を調整しながら添加した。微粒子乳剤は添加を始める
30分以内に調製されるように時間を設定した。この
際、成長中に新たな新核が発生しない添加時間を求める
ために添加速度を変えて数回成長を行い、臨海添加速度
を求めた。新核が発生しない条件で添加を行った場合の
得られた乳剤は通常のフロキュレーション法により水洗
して、平板乳剤2−1〜2−5を調製した。
【0092】《平板乳剤2−6の調製》成長時に微粒子
乳剤の代わりに硝酸銀水溶液とハロゲン塩水溶液とを用
いた以外は平板乳剤2−1〜2−5と同様にして平板乳
剤2−6を調製した。
【0093】得られた粒子の粒径とアスペクト比はレプ
リカ法で測定し、表2に示す。
【0094】以上の経過および結果を表2に示す。
【0095】
【表2】
【0096】表2から明らかなように、本発明の微粒子
乳剤を用いることにより、溶液で添加した場合と比較し
て調製時間を増大させることなく単分散な平板粒子を作
製できることがわかる。
【0097】
【発明の効果】本発明により、従来行なわれてきたハロ
ゲン化銀微粒子乳剤添加による結晶成長法の欠点を解消
し、より個々の因子が制御された均一な結晶成長を可能
にする高感度で高画質なハロゲン化銀乳剤を得るために
有利な、再現性の良い結晶成長法によるハロゲン化銀乳
剤の製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における反応容器外の攪拌装置を有さな
い静的な混合器の一例および別の一例を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性のハロゲン化銀乳剤の結晶成長を
    行わせる保護コロイド水溶液を有する反応容器に、微細
    なサイズのハロゲン化銀微粒子を含有するハロゲン化銀
    微粒子乳剤を供給することによって感光性のハロゲン化
    銀乳剤の一部または全てを製造するハロゲン化銀乳剤の
    製造方法において、該ハロゲン化銀微粒子が、(1)反
    応容器外の攪拌装置を有さない静的な混合器で形成さ
    れ、かつ(2)該ハロゲン化銀微粒子の双晶比率が1%
    以下であり、かつ(3)該反応容器外での混合器で形成
    されたハロゲン化銀微粒子乳剤中のハロゲン化銀濃度が
    0.2モル/リットル以上0.36モル/リットル以下
    であるハロゲン化銀微粒子を用いて製造されることを特
    徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法。
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