JPH11338085A - ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置

Info

Publication number
JPH11338085A
JPH11338085A JP14297398A JP14297398A JPH11338085A JP H11338085 A JPH11338085 A JP H11338085A JP 14297398 A JP14297398 A JP 14297398A JP 14297398 A JP14297398 A JP 14297398A JP H11338085 A JPH11338085 A JP H11338085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver
solution
silver halide
nuclei
emulsion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14297398A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisahiro Okada
尚大 岡田
Haruhiko Masutomi
春彦 益富
Kaneo Mamiya
周雄 間宮
Hiroshi Takada
宏 高田
Yoshitami Kasai
惠民 笠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP14297398A priority Critical patent/JPH11338085A/ja
Publication of JPH11338085A publication Critical patent/JPH11338085A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影面積径の分布が単分散で、平板化率の高
いハロゲン化銀写真乳剤を提供する。 【解決手段】 少なくとも硝酸銀溶液とハロゲン化
物溶液を混合してハロゲン化銀核粒子を生成させる装置
において、全ての溶液供給管及び生成した核を排出する
管の軸が全て同一の点で集結し、かつ管内部に撹拌手段
を有さないハロゲン化銀乳剤製造装置、 少なくとも
硝酸銀溶液とハロゲン化物溶液を混合機を用いて混合し
て核を発生させ、発生した核の銀電位を連続的に測定
し、その変動が2.0mV以下に収まった時点以降の核
を使用するハロゲン化銀乳剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単分散性及び製造
安定性に優れた平板状ハロゲン化銀写真乳剤の製造装置
及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトカメラやレンズ付きフ
ィルム等の普及により、ハロゲン化銀写真感光材料を用
いた写真撮影の機会が日常化している。それに伴い、ハ
ロゲン化銀写真感光材料の性能向上に対する要請はます
ます厳しく、より高水準な性能を求められている。また
Advanced Photo Systemの導入に
より、プリント時の拡大率は以前よりも増し、ハロゲン
化銀写真感光材料の性能の中でも、感度や画質の向上を
目指したハロゲン化銀粒子の開発がますます重要となっ
てきている。
【0003】一般に、画質を向上させるためには、ハロ
ゲン化銀粒子の粒径を小さくして単位銀量当たりの粒子
数を増加させ、発色点数(画素数)を増やす方法が有効
である。しかし、粒径を小さくすることは、深刻な感度
低下を招くため、高感度と高画質を共に満足させるには
限界があった。より一層の高感度化、高画質化を図るべ
く、ハロゲン化銀粒子1個当たりの感度/サイズ比を向
上させる技術が研究されているが、その一つとして平板
状ハロゲン化銀を用いる技術が特開昭58−11193
5号、同58−111936号、同58−111937
号、同58−113927号、同59−99433号等
に記載されている。
【0004】これらの平板状ハロゲン化銀粒子を6面体
や8面体、或いは12面体粒子等のいわゆる正常晶ハロ
ゲン化銀粒子と比較すると、ハロゲン化銀粒子の単位体
積当たりの表面積が大きくなるため、同一体積の場合に
は平板粒子の方が粒子表面により多くの分光増感色素を
吸着させることができ、一層の高感度化を図れる利点が
ある。更に、特開昭63−92942号には、平板状ハ
ロゲン化銀粒子内部に沃化銀含有率の高い領域を設ける
技術が、特開昭63−151618号には、6角平板状
ハロゲン化銀粒子を用いる技術が採り上げられ、それぞ
れ感度、粒状性における効果が示されている。
【0005】又、特開昭63−106746号には、二
つの相対向する主平面に対して平行な方向に実質的に層
状の構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子を、特開平1
−279237号には、二つの相対向する主平面に対し
て実質的に平行な面で区切られる層状構造を有し、最外
層の平均沃化銀含有率が該ハロゲン化銀粒子全体の平均
沃化銀含有率より少なくとも1モル%以上高い平板状ハ
ロゲン化銀粒子を、それぞれ用いる技術について記述さ
れている。この他、特開平1−183644号では、沃
化銀を含むハロゲン化銀相の沃化銀分布が完全に均一で
ある平板状ハロゲン化銀粒子を用いる技術について述べ
られている。
【0006】平板状ハロゲン化銀粒子における平行な双
晶面に着目した技術に関しても幾つかの報告がある。例
えば、特開昭63−163451号においては、平行な
2枚以上の双晶面間の最も長い距離(A)と粒子の厚み
(B)との比(B/A)の値が5以上である平板状ハロ
ゲン化銀粒子を用いる技術が、更に、特開平1−201
649号では、平板状ハロゲン化銀粒子に存在する転位
線の本数も同時に規定した技術が示され、感度、粒状
性、鮮鋭性に対する効果が報告されている。
【0007】またWO91/18320号においては、
少なくとも2つの双晶面間の距離が0.012μm未満
である平板状ハロゲン化銀粒子を用いる技術が、特開平
3−353043号においては、最長双晶面間距離の平
均が10〜100Åであるコア/シェル型双晶ハロゲン
化銀粒子を用いる技術が報告され、それぞれ感度、粒状
性、或いは鮮鋭性、圧力特性、粒状性に対する改良効果
が述べられている。
【0008】ところで、当業界におけるハロゲン化銀写
真感光材料の感度や画質を向上させることを目的とした
ハロゲン化銀乳剤に対する取り組みの中で、最も基本的
でかつ重要な技術として位置付けられるものにハロゲン
化銀乳剤の単分散化技術がある。粒径の大きなハロゲン
化銀粒子と小さなハロゲン化銀粒子では化学増感の最適
な条件が異なるため、両者が混在した、即ち多分散な
(粒径分布の広い)ハロゲン化銀乳剤には最適に化学増
感を施すことが難しく、結果としてカブリの増加を招い
たり十分な化学増感を行うことができない場合が多い。
一方、単分散なハロゲン化銀乳剤の場合には、最適な化
学増感を施すことが容易であり、高感度で低カブリなハ
ロゲン化銀乳剤を調製することが可能となる。又、硬階
調(高ガンマ)な特性曲線が期待できる。
【0009】一般に、臭化銀又は沃臭化銀を基本とす
る、平行2枚双晶を有する粒子の調製の際はその側面の
成長活性がきわめて高いために核生成初期に生成した極
一部の2枚双晶核は同時に生成した他の正常晶核の再溶
解で放出される溶質を受けて平行2枚双晶のみが選択的
に生き残るオストワルド熟成過程を利用する。この後こ
の平板種粒子に比較的高pBrで硝酸銀溶液とハロゲン
化物溶液をダブルジェット法で成長させると種粒子のサ
イズ分布を維持又は縮小させることが出来る。しかし、
オストワルド熟成過程に頼りすぎると、種晶段階で平行
2枚双晶比率が上がるのと同時に過度の熟成による分布
の劣化を伴ってしまう。従って高度に分布の狭い形の揃
った平板粒子を調製するには、まず平板種晶段階でサイ
ズ分布を狭くすることが望まれる。それには最初に生成
する平行2枚双晶核の生成確率をあげ、オストワルド熟
成後の平板種晶の平均サイズを出来るだけ低く抑える必
要がある。
【0010】平均サイズを小さくする方法としては、微
量の沃素イオンを予め反応溶液中に加えておくか、或い
はハロゲン化物溶液に加えておき、ダブルジェット法で
核生成することにより小粒径でかつ双晶確率の高いハロ
ゲン化銀核を生成する方法が知られている。しかしこの
場合、2枚双晶の凹入角の成長活性が低下するために、
高アスペクト比化が困難になってしまう。
【0011】感光材料として用いられるハロゲン化銀乳
剤の調製方法としては、分散媒とハロゲン化物を含む反
応器に硝酸銀等の可溶性銀塩溶液を導入して、直接両者
を反応させて成長させる、いわゆるシングルジェット
法、及び可溶性の銀塩とハロゲン化物をそれぞれ別のノ
ズルから分散媒を含む反応器に同時に導入して該反応器
中で反応させて成長させる、いわゆるダブルジェット法
が主流である。しかしながら、シングルジェット法を用
いてハロゲン化銀粒子を調製する場合、粒子の分布や粒
子内、粒子間のハロゲン分布や粒子内歪みの制御は本質
的に困難である。これに対してダブルジェット法の場合
は、シングルジェット法に比べると比較的容易に制御で
きるが、反応前後での過飽和度の変化や混合滞留による
不均一化をなくすのには限界があり、十分とは言えな
い。一方特開平2−44335号では、反応前室を設
け、高速攪拌下に、溶質源粒子となる超微粒子を作製
し、この溶質源粒子を反応器に導入する方法が開示され
ている。しかし、この方法では、攪拌を施すのに必要な
最小限のスペースと反応前室から反応器の有効攪拌域へ
溶質源粒子を導くための配管を必要とするために、溶質
源粒子はその滞留時間中に自分自身の成長等が起こって
しまう。
【0012】又、特開平4−139441号において、
上記の問題を解決するために、銀塩溶液とハライド溶液
を各々別経路で渦状混合ノズルに導き直接混合反応させ
る装置による製造方法が開示されている。しかしこの場
合、乱流域を使用していないこともあって両反応液の混
合は未だに不均一であり、双晶比率としても不充分で、
又、粒径/粒径分布や写真性能については全く触れられ
ていない。
【0013】平板状ハロゲン化銀粒子の単分散技術とし
ては、特開平1−213637号では、平行な双晶面を
2枚有する単分散なハロゲン化銀粒子で感度や粒状性等
を改良する技術について述べられている。又、特開平5
−173268号、及び特開平6−202258号で
は、粒径分布の小さな平板状ハロゲン化銀乳剤を製造す
る方法が示されている。
【0014】しかし、更なる性能向上を求める市場の要
請に対して、前記した平板状ハロゲン化銀乳剤における
種々の技術を用いて得られる写真性能を上回る、特に、
感度、粒状性といった主要な写真要素において優れた性
能を実現する技術の開発が望まれている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、その目的は、投影面積径の
分布が単分散で、平板化率の高いハロゲン化銀写真乳剤
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、 少なくとも硝酸銀溶液とハロゲン化物溶液を混合し
てハロゲン化銀核粒子を生成させる装置において、全て
の溶液供給管及び生成した核を排出する管の軸が全て同
一の点で集結し、かつ管内部に撹拌手段を有さないハロ
ゲン化銀乳剤製造装置、 少なくとも硝酸銀溶液とハロゲン化物溶液を混合機
を用いて混合して核を発生させ、発生した核の銀電位を
連続的に測定し、その変動が2.0mV以下に収まった
時点以降の核を使用するハロゲン化銀乳剤の製造方法、 硝酸銀溶液とハロゲン化アルカリ溶液の2液を混合
して核を発生させた時点でのハロゲン化銀乳剤の銀量が
0.01mol/L以下であるハロゲン化銀乳剤の製造
方法、及び、 脈動流が平均流量の±2%以下であるポンプを用い
て、少なくとも硝酸銀溶液及びハロゲン化アルカリ溶液
をそれぞれ送液し混合させ核を発生させるハロゲン化銀
乳剤製造装置、により達成される。
【0017】尚、特開平4−182636号で開示され
ている2重構造の同軸ノズルや、特開平4−13943
9号で開示されている多重同軸ノズルや、特開平8−3
28177号で開示されているdual zone反応
装置は、本発明とは全く混合形態が異なるものである。
【0018】又、特開平8−171156号において、
高速乱流の反応ゾーンに可溶性銀塩溶液及び可溶性ハロ
ゲン化物溶液を同時に導入することにより、規模変更性
及び移行性を改良したハロゲン化銀乳剤の製造方法につ
いて開示されている。しかし、これも混合ヘッドを用い
た攪拌方式であり、本発明とは混合形態が異なる。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】通常の混合釜を用いた攪拌装置の場合、発
生した核が循環して戻ってくるため、核発生時間中に均
一な状態で核を生成する事ができないのに対し、本発明
では発生した核を直ちに排出管により排出するため、定
常状態での核生成を可能にする。
【0021】本発明を実施するための装置の概念図を図
1〜図4に示す。
【0022】図2に示す装置を例にとって説明すると、
可溶性銀塩溶液をY字型パイプの入口1より、ハロゲン
化物溶液を入口2より、別々の管で導く。各反応液が衝
突・混合して核が形成された後、直ちに反応生成物出口
3より放出される。この出口3より放出された核は熟成
・成長用容器4に移動し、分散液は、攪拌翼5により攪
拌され、熟成及び成長する。成長は、熟成・成長用容器
4に通常のダブルジェット法により、可溶性銀塩溶液及
びハロゲン化物溶液を導入することにより行われ、本発
明に係るハロゲン化銀粒子、即ち微粒子が生成される。
【0023】本発明における反応装置は全ての供給管及
び生成した核を排出する管の軸が全て同一の点で集結
し、かつ管内部に撹拌機を有さないことを特徴とする。
例えば、図1に示すT字型や図2に示すY字形でもよい
が、図3、4に示す様な可溶性銀塩溶液及びハロゲン化
物溶液を導入するノズルの数が複数本又は複数本ずつ存
在する方が好ましい。
【0024】図3(a)は正面断面図、図3(b)は上
面のA−A′断面図で、ハロゲン化物溶液入口2、2′
より導入されたハロゲン化物溶液は、一旦マニホールド
21に貯留されてから各導入管22より入口1から導入
された可溶性銀塩溶液と均一に混合され、核形成が行わ
れる。図4の反応装置では、可溶性銀塩溶液も入口1か
ら導入された後一旦マニホールド11に貯留されてか
ら、導入管12より混合部6に導入され、ハロゲン化物
溶液導入管22は可溶性銀塩溶液導入管12の合間に配
置されている。
【0025】又、複数のハロゲン化物溶液を用いたり、
ハロゲン化銀溶剤や成長抑制剤、分光増感色素等を同時
混合する目的で3種以上の溶液を混合しても良い。可溶
性銀塩溶液及びハロゲン化物溶液を導入する速度のバラ
ンスとしては、同じであっても差があっても良い。
【0026】本発明において、可溶性銀塩溶液及び可溶
性ハロゲン化物溶液の添加方法としては、各溶液は一定
速度で添加してもよいし、又、粒子成長を速めるために
可溶性銀塩溶液及び/又は可溶性ハロゲン化物溶液の添
加速度、添加量、添加濃度を上昇させる方法を用いても
よい。
【0027】可溶性銀塩としては、硝酸銀、過塩素酸銀
等が用いられるが、特に硝酸銀が好ましい。可溶性のハ
ロゲン化物としては塩化物、臭化物、沃化物等のアルカ
リ金属塩やアンモニウム塩等が好ましく用いられる。
又、溶媒としては、水が好ましい。
【0028】本発明に用いられる可溶性のハロゲン化物
や銀塩溶液等の一部又は全てにゼラチンや水溶性ポリマ
ー等の保恒剤や、界面活性剤を加えることができる。ハ
ロゲン化物溶液にゼラチンや水溶性ポリマー等の保恒剤
や、界面活性剤を加えることが好ましく、可溶性銀塩溶
液及びハロゲン化物溶液の両方にゼラチンや水溶性ポリ
マー等の保恒剤や、界面活性剤を加えることが特に好ま
しい。
【0029】核生成時の分散媒としては、写真の分野で
従来から公知の親水性分散媒を用いることができ、特に
ゼラチンが好ましい。ゼラチンとしては従来の分子量9
万〜30万のゼラチンの他、低分子量ゼラチンも用いる
ことができる、分散媒の濃度としては、0.05〜5重
量%で用いることができるが、0.05〜2.0重量%
の低濃度域で用いるのが特に好ましい。
【0030】又、酸性法、中性法、アンモニア法のいず
れを用いて粒子形成を行ってもよい。
【0031】本発明において、反応装置内の混合は特に
制限はないが、逆流を防いだり、より均一に混合させる
意味では、実質的に乱流であることが好ましい。乱流
は、レイノルズ数(Re)の範囲により定義される。こ
こに、レイノルズ数とは、流れの中にある物体の代表的
な長さをD、速度をU、密度をρ、粘性率をηとする
と、Re=DUρ/ηによって定義される無次元数であ
る。
【0032】一般に、Re<2300の時を層流、23
00<Re<3000を遷移域、Re>3000の時を
乱流という。本発明において、実質的に乱流とは、Re
>3000をさし、好ましくはRe>5000、より好
ましくはRe>10000である。
【0033】本発明に係る微粒子(核)において、得ら
れる粒子の平均粒子サイズは、0.05μm以下である
ことが特徴である。ここで粒子の平均粒子サイズは、乳
剤中に含まれる微粒子を直接メッシュにのせてそのまま
透過型電子顕微鏡によって任意に1000個以上観察す
ることにより確認することができる。ここで粒子サイズ
とは、粒子の表面を形成する平面の中で最も広い面積を
有する面(主平面とも称する)に対して垂直にその粒子
を投影した場合の面積に等しい面積を有する円の直径
(投影面積直径とも称する)のことをさす。尚、本発明
において微粒子の平均粒子サイズは、0.03μm以下
が好ましい。
【0034】本発明において、実質的に単分散とは、粒
子サイズの変動係数が20%以下であることを示してい
る。ここで粒子サイズの変動係数は、(粒子サイズの標
準偏差/粒子サイズの平均値)×100[%]によって
定義される。本発明において粒子サイズの変動係数は1
8%以下が好ましく、より好ましくは15%以下、更に
好ましくは10%以下である。
【0035】ハロゲン化銀乳剤製造の最初期にハロゲン
化銀の核を発生させる際、硝酸銀溶液とハロゲン化物溶
液を混合するが、この時の硝酸銀溶液とハロゲン化物溶
液の流量の僅かなずれで過飽和度が大きく変動し発生す
る核の個数・双晶枚数分布等が変動する原因となり、こ
の変動により最終的な乳剤粒子径・分布・アスペクト比
等が変動する。従って、この反応初期の非定常な核を除
去することにより、より安定な核発生が可能となり、ロ
ット間でばらつかない安定なハロゲン化銀乳剤の製造が
可能となる。混合機を用いて核を発生させた場合、発生
した核の銀電位を連続的に測定し、その変動が2.0m
V以下に収まった時点以降の核を使用するのが好まし
い。更に好ましくは、該銀電位の変動が1.0mV以下
に収まった時点以降の核、最も好ましくは、0.5mV
以下に収まった時点以降の核を使用する。
【0036】硝酸銀溶液とハロゲン化物溶液を混合しハ
ロゲン化銀の核を発生させた時点における銀量は、粒子
の単分散性に大きな影響を与える。そのため、硝酸銀溶
液とハロゲン化物溶液を混合しハロゲン化銀の核を発生
させた時点における銀量が0.01mol/L以下であ
ることが好ましく、0.008mol/L以下であるこ
とが特に好ましく、0.005mol/L以下であるこ
とが最も好ましい。
【0037】本発明において、硝酸銀溶液とハロゲン化
物溶液を混合しハロゲン化銀の核を発生させる場合に用
いるポンプは、脈動流がないことが重要である。ポンプ
の脈動が大きい場合、硝酸銀溶液とハロゲン化物溶液の
両液が混合する部分の過飽和度は周期的に大きく変動
し、それにより発生した核は不均一なものとなってしま
う。これは、非平行多重双晶粒子等の発生の原因とな
り、製造される粒子の単分散性を著しく損なうものとな
る。このため、使用するポンプの脈動流が平均流量の
2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であ
ることが更に好ましく、0.5%であることが特に好ま
しい。
【0038】又、核生成時のpHとしては、1〜7が好
ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好まし
い。又、pBrとしては、2.5以下が好ましく、2.
3以下が更に好ましい。
【0039】本発明によって製造する微粒子の組成は、
沃化銀、沃臭化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃
臭化銀のいずれでも良いが、臭化銀で本発明の効果を遺
憾なく発揮する。
【0040】本発明で得られるハロゲン化銀粒子は、そ
のまま感光材料に適用しても良いし、ハロゲン化銀成長
の供給源として用いても良いし、又、平板状ハロゲン化
銀の種晶として用いても良い。平板状ハロゲン化銀の種
晶として用いる場合は、引き続き以下のような工程(熟
成工程及び成長工程)を経るのが好ましい。
【0041】〈熟成工程〉以上に述べた工程では微小な
平板粒子核が形成されるが、同時に多数のそれ以外の微
粒子(特に8面体及び一重双晶粒子)が形成される。次
に述べる成長工程に入る前に平板粒子核以外の粒子を消
滅せしめ、平板状粒子となるべき形状でかつ単分散性の
良い種晶を得ることが好ましい。これを可能にする方法
として上記工程に続いてオストワルド熟成を行う方法が
知られている。又、熟成時に熟成を促進するためにハロ
ゲン化銀溶剤を共存させることができる。ハロゲン化銀
溶剤としては、チオシアン酸塩、アンモニア、アンモニ
ウム塩、チオエーテル、チオ尿素類等を挙げることがで
きる。ハロゲン化銀溶剤の濃度は、10-4mol/L以
上が好ましく、10-3mol/L以上がより好ましく、
更に好ましくは10-2mol/L以上である。
【0042】〈成長工程〉熟成後のハロゲン化銀乳剤に
新たに可溶性銀塩溶液及び可溶性ハロゲン化物溶液を供
給することにより、平板状ハロゲン化銀粒子から成る乳
剤を得ることができる。
【0043】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子と
は、粒子内に1つ又は互いに平行な2つ以上の双晶面を
有するものである。但し、本発明の主たる特徴である粒
子間のサイズ分布のばらつきを小さくするために、平行
な2つの双晶面を有する粒子であることが好ましい。
【0044】本発明においてアスペクト比とは、粒子の
直径と厚さの比(直径/厚さ)を言う。粒子の直径と
は、平板状粒子の表面を形成する平面の中で最も広い面
積を有する面(主平面とも称する)に対して垂直にその
粒子を投影した場合の面積に等しい面積を有する円の直
径(投影面積直径とも称する)で表される。粒子の厚さ
とは、主平面に垂直な方向での粒子の厚さであり、一般
に2つの主平面間の距離に一致する。
【0045】本発明において、粒子の直径と厚さは以下
の方法で求めたものとする。
【0046】支持体上に内部標準となる粒径既知のラテ
ックスボールと主平面が平行に配向するようにハロゲン
化銀粒子を塗布した試料を作製し、ある角度からカーボ
ン蒸着法によリシャドーイングを施した後、通常のレプ
リカ法によってレプリカ試料を作製する。同試料の電子
顕微鏡写真を撮影し、画像処理装置等を用いて個々の粒
子の投影面積直径と厚さを求める。この場合、粒子の厚
さは、内部標準と粒子の影(シャドー)の長さから算出
することができる。更に、平均アスペクト比は、乳剤中
に含まれるハロゲン化銀粒子のアスペクト比を任意に3
00個以上観察することにより算出する。
【0047】本発明で得られるハロゲン化銀乳剤におい
ては、平均アスペクト比が5以上であることが好まし
く、7以上であることが更に好ましい。又、得られるハ
ロゲン化銀平板粒子の平均粒子サイズは0.6μm以上
が好ましく、1.0μm以上が更に好ましい。
【0048】本発明で形成するハロゲン化銀粒子の組成
としては、沃臭化銀、塩沃臭化銀であることが好まし
く、沃臭化銀がより好ましい。又、形成するハロゲン化
銀乳剤の平均沃化銀含有率は10モル%以下、好ましく
は8モル%以下、更に5モル%以下が好ましい。ハロゲ
ン化銀粒子の組成は、EPMA法、X線回折法等の組成
分析法を用いて調べることができる。
【0049】又、本発明に係るハロゲン化銀乳剤におい
ては、ハロゲン化銀粒子間の沃化銀含有率がより均一で
あることが好ましい。即ち、該ハロゲン化銀乳剤におけ
る沃化銀含有率の変動係数が30%以下であることが好
ましく、さらには20%以下である場合がより好まし
い。但し、ここでいう変動係数とは沃化銀含有率の標準
偏差を沃化銀含有率の平均値で割ったものに100を乗
じた値であり、ハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化
銀粒子を任意に500個以上選び計算された値をいう。
【0050】本発明で得られるハロゲン化銀乳剤は、そ
の内部に転位線を有することが好ましい。転位線が存在
する位置について特別な限定はないが、平板状ハロゲン
化銀粒子の外周部近傍や稜線近傍、又は頂点近傍に存在
することが好ましい。粒子全体における転位導入の位置
関係でいえば、粒子全体の銀量の50%以降に導入され
ることが好ましく、60%以上85%未満の間で導入さ
れることが更に好ましい。転位線の数については、5本
以上の転位線を含む粒子が30%以上(個数)であるこ
とが好ましいが、50%以上であることがより好まし
く、80%以上であることが更に好ましい。また、それ
ぞれの場合において転位線の数は10本以上存在するこ
とが特に望ましい。
【0051】ハロゲン化銀粒子が有する転位線は、例え
ばJ.F.Hamilton,Photo.Sci.E
ng.11(1967)57や、T.Shiozaw
a,J.Soc.Phot.Sci.Japan,35
(1972)213Sに記載の、低温での透過型電子顕
微鏡を用いた直接的な方法により観察できる。即ち、乳
剤から粒子に転位が発生する程の圧力を掛けない様に注
意して取り出したハロゲン化銀粒子を、電子顕微鏡用の
メッシュに乗せ、電子線による損傷(プリントアウト
等)を防ぐ様に冷却した状態で透過法により観察を行
う。この時粒子の厚みが厚いほど電子線が透過しにくく
なるので、高圧型の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に
観察することができる。この方法によって得られた粒子
写真から、個々の粒子における転位線の位置及び数を求
めることができる。
【0052】ハロゲン化銀粒子間及び粒子内部における
沃化銀含有率をより精密に制御するために、ハロゲン化
銀粒子の沃化銀含有相形成の少なくとも一部が、該ハロ
ゲン化銀粒子よりも溶解度の小さいハロゲン化銀粒子の
存在下に行われることが望ましく、溶解度の小さいハロ
ゲン化銀粒子としては沃化銀を用いることが特に望まし
い。又、同様の理由から、ハロゲン化銀粒子の沃化銀含
有相形成の少なくとも一部を、1種類以上のハロゲン化
銀微粒子のみを供給することによって形成する方法も好
ましい。
【0053】ハロゲン化銀粒子への転位線の導入法に関
しては特に限定はなく、例えば、沃化カリウムの様な沃
素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダブルジェットで添
加する方法、若しくは沃化銀微粒子を添加する方法、沃
素イオン溶液のみを添加する方法、特開平6−1178
1号に記載されている様な沃化物イオン放出剤を用いる
方法等の、公知の方法を使用して所望の位置で転位線の
起源となる転位を形成することができる。これらの方法
の中では、沃素イオン水溶液と水溶性銀塩溶液をダブル
ジェットで添加する方法や沃化銀微粒子を添加する方
法、沃化物イオン放出剤を用いる方法が好ましい。
【0054】本発明に係るハロゲン化銀粒子は、粒子を
形成する過程及び/又は成長させる過程で、カドミウム
塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を
含む)、インジウム塩、ロジウム塩(錯塩を含む)、鉄
塩(錯塩を含む)から選ばれる少なくとも1種を用いて
金属イオンを添加し、粒子内部及び/又は粒子表面にこ
れらの金属元素を含有させることができ、また適当な還
元雰囲気におくことにより、粒子内部及び/又は粒子表
面に還元増感核を付与できる。
【0055】本発明で得られるハロゲン化銀粒子は、成
長終了後に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、ある
いは含有させたままでも良い。該塩類を除去する場合に
は、リサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure,以下RDと略す)17643
号II項に記載の方法に基づいて行なうことができる。更
に詳しくは、沈澱形成後、或いは物理熟成後の乳剤から
可溶性塩を除去するためには、ゼラチンをゲル化させて
行なうヌーデル水洗法を用いても良く、また無機塩類、
アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例えばポ
リスチレンスルホン酸)、或いはゼラチン誘導体(例え
ばアシル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチン)を利用
した沈澱法(フロキュレーション)を用いても良い。
【0056】本発明で得られるハロゲン化銀粒子は、常
法により化学増感することができる。即ち、硫黄増感、
セレン増感、還元増感法、金その他の貴金属化合物を用
いる貴金属増感法等を単独で又は組み合わせて用いるこ
とができる。
【0057】本発明で得られるハロゲン化銀粒子は、写
真業界において増感色素として知られている色素を用い
て所望の波長域に光学的に増感できる。増感色素は、単
独で用いてもよいが2種類以上を組み合わせて用いても
良い。増感色素と共にそれ自身分光増感作用をもたない
色素、或いは可視光を実質的に吸収しない化合物であっ
て、増感色素の増感作用を強める強色増感剤を乳剤中に
含有させても良い。
【0058】本発明で得られるハロゲン化銀乳剤には、
カブリ防止剤、安定剤等を加えることができる。バイン
ダーとしては、ゼラチンを用いるのが有利である。
【0059】本発明で得られるハロゲン化銀乳剤を感光
材料に適用する場合、乳剤層、その他の親水性コロイド
層は硬膜することができ、又、可塑剤、水不溶性又は可
溶性合成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有させる
ことができる。
【0060】カラー感光材料の乳剤層にはカプラーが用
いられる。更に色補正の効果を有している競合カプラー
及び現像主薬の酸化体とのカップリングによって現像促
進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カ
ブリ剤、カブリ防止剤、化学増感剤、分光増感剤及び減
感剤の様な写真的に有用なフラグメントを放出する化合
物を用いることができる。
【0061】感光材料には、フィルター層、ハレーショ
ン防止層、イラジュエーション防止層等の補助層を設け
ることができる。これらの層中及び/又は乳剤層中には
現像処理中に感光材料から流出するか、もしくは漂白さ
れる染料が含有されても良い。
【0062】感光材料には、マット剤、滑剤、画像安定
剤、ホルマリンスカベンジャー、紫外線吸収剤、蛍光増
白剤、界面活性剤、現像促進剤や現像遅延剤を添加でき
る。
【0063】支持体としては、ポリエチレン等をラミネ
ートした紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、バ
ライタ紙、三酢酸セルロース等を用いることができる。
【0064】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
【0065】実施例1 (乳剤1−1の調製) [核生成]反応容器内の下記ゼラチン溶液B−101を
30℃に保ち、特開昭62−160128号公報記載の
混合攪拌装置を用いて攪拌回転数400回転/分で攪拌
しながら、濃硫酸を1/10に希釈した溶液7.8ml
を加えてpHを調整した。その後ダブルジェット法を用
いてS−101液とX−101液を一定の流量で1分間
で添加し核形成を行った。
【0066】 (B−101) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.24g 臭化カリウム 0.992g H2O 1293.8ml (S−101) 硝酸銀 5.043g H2O 22.59ml (X−101) 臭化カリウム 3.533g H2O 22.47ml [熟成]上記添加終了後にG−101液を加えた後、3
0分間を要して60℃に昇温しその状態で20分間保持
した。続いて、アンモニア水溶液を加えてpHを9.3
に調整し更に7分間保持した後、1Nの硝酸水溶液を用
いてpHを5.8に調整した。この間溶液の銀電位(飽
和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で
測定)を1Nの臭化カリウム溶液を用いて6mVに制御
した。
【0067】 (G−101) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 1.391g HO(CH2CH2O)m[CH(CH3)CH2O]19.8(CH2CH2O)nH (m+n=9.77)の10重量%メタノール溶液 0.464ml H2O 326.6ml [成長]熟成終了後、ダブルジェット法を用いて1.2
5Nの硝酸銀溶液と1.25Nの臭化カリウム溶液を流
量を加速しながら添加した。この際、最終粒径が立方体
換算径0.65μmになる様に硝酸銀溶液と臭化カリウ
ム溶液の添加量を調節した。
【0068】上記成長終了後に常法に従い脱塩・水洗処
理を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にてp
Hを5.8、pAgを8.1に調整した。かくして得ら
れた乳剤を比較乳剤1−1とする。
【0069】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.38μm 平均アスペクト比 7.4 投影面積換算円相当粒径の変動係数 16.8% であった。
【0070】(乳剤1−2の調製) [核生成]乳剤1−1のゼラチン溶液B−101及びp
Hを調整するのに用いた硫酸を銀塩溶液及びハライド液
に振り分けた下記のS−201及びX−201を、図2
の様な核生成装置(硝酸銀液、ハライド溶液導入口、ハ
ロゲン化銀吐出口各々の内径1mm)を通じて、各々6
00ml/minの一定流量で全量添加し核生成を行っ
た。
【0071】 (S−201) 硝酸銀 5.043g 1/10濃硫酸 3.90ml H2O 670.87ml (X−201) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.24g 臭化カリウム 3.533g 1/10濃硫酸 3.90ml H2O 668.35ml [熟成工程]G−101液を予め30℃に保温した混合
釜内に、上記核乳剤を連続的に導入し、30分間を要し
て60℃に昇温した。それ以降は、乳剤1−1と同様に
行った。
【0072】[成長]熟成終了後、乳剤1−1と同様に
行った。かくして得られた乳剤を乳剤1−2とする。
【0073】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.37μm 平均アスペクト比 7.3 投影面積換算円相当粒径の変動係数 12.9% であった。
【0074】(乳剤1−3の調製)図4の様な核生成装
置(硝酸銀液、ハライド溶液導入口、ハロゲン化銀吐出
口各々の内径1mm)を通じて、各々600ml/mi
nの一定流量で全量添加し核生成を行った以外は、乳剤
1−2と同様に行った。かくして得られた乳剤を乳剤1
−3とする。
【0075】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.35μm 平均アスペクト比 7.0 投影面積換算円相当粒径の変動係数 9.2% であった。
【0076】この様に、本発明の装置を用いることによ
って著しく平板状ハロゲン化銀粒子の単分散性が向上す
ることがわかる。
【0077】実施例2 (乳剤2−1の調製)S−201、X−201と同組成
の溶液を2000ml用意し、図2の様な核生成装置
(硝酸銀液、ハライド溶液導入口、ハロゲン化銀吐出口
各々の内径1mm)を通じて、各々600ml/min
の一定流量で全量添加し核生成を行い、添加開始と同時
に生成した核を1200ml用いた。この時発生した核
の銀電位を連続的に測定し、その変動は2.8mVであ
った。熟成行程以降は、乳剤1−2と同様に行った。か
くして得られた乳剤を乳剤2−1とする。
【0078】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.41μm 平均アスペクト比 7.9 投影面積換算円相当粒径の変動係数 21.3% であった。
【0079】(乳剤2−2の調製)S−201、X−2
01と同組成の溶液を2000ml用意し、図2の様な
核生成装置(硝酸銀液、ハライド溶液導入口、ハロゲン
化銀吐出口各々の内径1mm)を通じて、各々600m
l/minの一定流量で全量添加し核生成を行った。こ
の時発生した核の銀電位を連続的に測定し、その変動が
2.0mV以内となってからの核を1200ml採取し
以下の工程に用いた。核発生中全時間での銀電位の変動
は1.8mVであった。熟成行程以降は、乳剤1−2と
同様に行った。かくして得られた乳剤を乳剤2−2とす
る。
【0080】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.39μm 平均アスペクト比 7.7 投影面積換算円相当粒径の変動係数 11.7% であった。
【0081】この様に、本発明の方法を用いることによ
って著しく平板状ハロゲン化銀粒子の単分散性が向上す
ることがわかる。又、乳剤2−2の方法を用いると製造
ロット間での粒子径、アスペクト比、変動係数等の変動
が著しく低減される。
【0082】実施例3 (乳剤3−1の調製)下記のS−202及びX−202
を、図2の様な核生成装置(硝酸銀液、ハライド溶液導
入口、ハロゲン化銀吐出口各々の内径1mm)を通じ
て、各々600ml/minの一定流量で全量添加し核
生成を行った。
【0083】 (S−202) 硝酸銀 4.097g 1/10濃硫酸 3.90ml H2O 670.87ml (X−202) アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.24g 臭化カリウム 2.873g 1/10濃硫酸 3.90ml H2O 668.35ml 熟成行程以降は、乳剤1−2と同様に行った。かくして
得られた乳剤を乳剤3−1とする。
【0084】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.36μm 平均アスペクト比 7.1 投影面積換算円相当粒径の変動係数 10.8% であった。
【0085】この様に、本発明の方法を用いることによ
って著しく平板状ハロゲン化銀粒子の単分散性が向上す
ることがわかる。
【0086】実施例4 (乳剤4−1の調製)市販のローラーポンプを用い図3
の様な核生成装置(硝酸銀液、ハライド溶液導入口、ハ
ロゲン化銀吐出口各々の内径1mm)を通じて、各々6
00ml/minの一定流量で全量添加し核生成を行っ
た以外は、乳剤1−2と同様に行った。核発生時用いた
ローラーポンプの脈動流は測定の結果平均流量の±5.
3%であった。かくして得られた乳剤を乳剤4−1とす
る。
【0087】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.38μm 平均アスペクト比 7.5 投影面積換算円相当粒径の変動係数 17.6% であった。
【0088】(乳剤4−2の調製)プランジャーポンプ
(富士テクノ工業株式会社製)を用い図3の様な核生成
装置(硝酸銀液、ハライド溶液導入口、ハロゲン化銀吐
出口各々の内径1mm)を通じて、各々600ml/m
inの一定流量で全量添加し核生成を行った以外は、乳
剤1−2と同様に行った。核発生時用いたプランジャー
ポンプの脈動流は測定の結果平均流量の±1.1%であ
った。かくして得られた乳剤を乳剤4−2とする。
【0089】得られた乳剤の粒径とアスペクト比をレプ
リカ法で測定したところ、 投影面積換算平均円相当粒径 1.34μm 平均アスペクト比 6.9 投影面積換算円相当粒径の変動係数 11.3% であった。
【0090】この様に、本発明の装置を用いることによ
って著しく平板状ハロゲン化銀粒子の単分散性が向上す
ることがわかる。又、乳剤4−2の方法を用いると製造
ロット間での粒子径、アスペクト比、変動係数等の変動
が著しく低減される。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、投影面積径の分布が単
分散で、平板化率の高いハロゲン化銀写真乳剤を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の例の概念図。
【図2】本発明の装置の他の例の概念図。
【図3】本発明の装置の反応液供給管及び反応生成物排
出管の構成の例を示す図。
【図4】反応液供給管及び反応生成物排出管の構成の他
の例を示す図。
【符号の説明】
1 可溶性銀塩溶液入口 2 ハロゲン化物溶液入口 3 反応生成物出口 4 熟成・成長用容器 5 攪拌翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 宏 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 笠井 惠民 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも硝酸銀溶液とハロゲン化物溶
    液を混合してハロゲン化銀核粒子を生成させる装置にお
    いて、全ての溶液供給管及び生成した核を排出する管の
    軸が全て同一の点で集結し、かつ管内部に撹拌手段を有
    さないことを特徴とするハロゲン化銀乳剤製造装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも硝酸銀溶液とハロゲン化物溶
    液を混合機を用いて混合して核を発生させ、発生した核
    の銀電位を連続的に測定し、その変動が2.0mV以下
    に収まった時点以降の核を使用することを特徴とするハ
    ロゲン化銀乳剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 硝酸銀溶液とハロゲン化アルカリ溶液の
    2液を混合して核を発生させた時点でのハロゲン化銀乳
    剤の銀量が0.01mol/L以下であることを特徴と
    するハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 脈動流が平均流量の±2%以下であるポ
    ンプを用いて、少なくとも硝酸銀溶液及びハロゲン化ア
    ルカリ溶液をそれぞれ送液し混合させ核を発生させるこ
    とを特徴とするハロゲン化銀乳剤製造装置。
JP14297398A 1998-05-25 1998-05-25 ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置 Pending JPH11338085A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14297398A JPH11338085A (ja) 1998-05-25 1998-05-25 ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14297398A JPH11338085A (ja) 1998-05-25 1998-05-25 ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11338085A true JPH11338085A (ja) 1999-12-10

Family

ID=15327970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14297398A Pending JPH11338085A (ja) 1998-05-25 1998-05-25 ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11338085A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6096495A (en) Method for preparing silver halide emulsion
JPH0228638A (ja) ハロゲン化銀写真乳剤およびその製造方法
US5017469A (en) Twinned emulsions made from silver iodide seed crystals having an aspect ratio of at least 2:1
JP3025585B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤
US5213772A (en) Apparatus for forming silver halide grains
EP0391560B1 (en) Process for the preparation of photographic silver halide emulsions having tabular grains
US5145768A (en) Process of forming silver halide grains
JPH0534851A (ja) ハロゲン化銀乳剤及びその製造方法
JPH06507255A (ja) 単分散平板状粒子を得る方法
JPH11338085A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法及び製造装置
JP2987011B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPH0711679B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JPH02234151A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
US6214532B1 (en) Method of preparing silver halide emulsion containing homogeneous and thin tabular crystals
JPH06186656A (ja) ハロゲン化銀粒子の製造方法及び製造装置
JP2835714B2 (ja) 保護コロイドとしてのシリカゾル中で塩化銀を多く含む平板状ハロゲン化銀粒子の製造法
JP2840897B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤およびその製造方法
JPH0617988B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤およびその製造方法
JP2000187293A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP2936105B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法及びハロゲン化銀写真感光材料
JP2000029155A (ja) ハロゲン化銀粒子の製造方法
JP3687442B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤及びその製造方法とハロゲン化銀写真感光材料
JP2534121B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH11217217A (ja) ハロゲン化銀製造装置
JP2709799B2 (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法