JP2838532B2 - 粒状性のよい高感度ハロゲン化銀感光材料 - Google Patents

粒状性のよい高感度ハロゲン化銀感光材料

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JP2838532B2 JP1085045A JP8504589A JP2838532B2 JP 2838532 B2 JP2838532 B2 JP 2838532B2 JP 1085045 A JP1085045 A JP 1085045A JP 8504589 A JP8504589 A JP 8504589A JP 2838532 B2 JP2838532 B2 JP 2838532B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真用ハロゲン化銀感光材料に関する。
〔発明の背景〕
近年写真技術の発達に伴い、ハロゲン化銀感光材料の
高感度化高画質化が望まれ、この要望に対し沃化銀含有
率の高い沃化銀相を有するコア/シェル型のハロゲン化
銀粒子乳剤、特に粒子内部に含有率10モル%以上の高沃
化銀相を有するコア/シェル型粒子に焦点が絞られて来
ている。
例えば、特開昭60−143331号、同62−3247号、同62−
7039号には、コア部の沃化銀含有率の高いコア/シェル
型乳剤が開示され、又特開昭60−35726号、同60−19832
4号では、粒子内部に沃化物によるハロゲン置換を施し
た相からなる殻層を有する粒子が示されている。
又、これら粒子調製時に写真用色素を添加する技術も
知られており、高感度化技術を提供しているが、この方
法は粒状性の低下を招く等の問題点を残している。
ハロゲン化銀粒子の生成及び成長、特にコア/シェル
型への成長、調製には、その粒子成長の形態から二つの
典型に大別される。
その一つはハロゲン化銀(以後AgXと標記する)を懸
濁媒中に無定形の微小粒として新生させ、該微小粒の新
生中の懸濁媒に於ける生成条件の場所的ゆらぎ及び/又
は時系列的な生成時期の差に応じて相対的に大小を生じ
た微小粒間の凝集性と溶解度積、粒子大きさから定まる
溶解圧の差にまかせて、粒子に自然淘汰的成長を行わ
せ、凝集に対する表面活性の消尽につれて溶解圧による
成長を主導させる方式であって、溶解圧方式と称してお
く。溶解圧だけによる成長工程は特にオストワルド熟成
と称される。
この方式によるAgX結晶粒子の1個1個についてはア
ンニーリングを受け、転位その他の結晶欠陥が整理され
て正則な平衡にいたると思われるが、粒子間についてみ
れば新たな結晶核の発生によって必然的に粒子分布が広
く、又含有各AgXの組成比率、結晶形に均等性を保証す
ることは難しい。
他の一つの成長形態は懸濁媒中の既存の無定形微小粒
もしくは結晶粒子を結晶成長核として新生AgXをその表
面に凝着もしくは析出させて既存粒子を被覆肥大させる
結晶核方式である。粒子の成長は必然的に少なくとも2
段、一般的には、多段的に、もしくは既存粒子の総表面
積に見合せ新結晶核の発生を避けて連続的に新生AgXを
供給することによって行われる。
この方式では、既に安定な大きさを有する粒子は勿
論、最初に新生させた原始微小粒でも次に新生させるAg
Xに対してはpAg、生成速度或はpHを整えることによって
結晶成長核として作用し、大きさがほぼ揃って成長した
粒子群を与えることができる。
尚、結晶成長核に対して新生AgXを供給する期間に結
晶制御剤を併用すれば晶相は相当自由に選択できる。
又結晶核方式はコア/シェル型粒子の調製には便利で
ある。
乳剤の製造方法としては目的に応じ前記した典型的方
式の中間的方法を選ぶことは自由である。
これら乳剤の製造工程に於いて、乳剤中に溶存するに
至る反応副生物もしくは過剰化合物、添加剤が以後の工
程或は特性設計に悪影響を及す場合には除去される。除
去に際して近代乳剤技術に於いては一般に凝集剤を用い
る凝析法が選ばれる。
前記した典型的方式のうち、溶解圧方式でえられた乳
剤は、そのAgX粒子の粒子分布、粒子間に於ける含有AgX
の組成比率のばらつき及び粒子表面条件の差異のため、
受光率、量子効率、添加剤の吸着性、現像性に差を生じ
最終仕上り乳剤の性能に大きなばらつきをもたらす。
又結晶核方式でえられる乳剤は、粒子間に粒子大きさ
及び組成比率の均等な、又特性制御の容易な、従って再
現性のよい単分散性粒子群を構成することができるの
で、写真特性に対する要求が高く厳しくなった近時に於
いては広く賞用されている。
しかしながら従来の結晶核方式の結晶核(種晶)を用
いてえられた単分散性乳剤は、粒子内の沃化銀の濃度、
分布如何によって動もすると圧力カブリに弱く増感色素
の吸着性が悪く粒状性の劣化を招く嫌いがあり、商品価
値を損うと言う欠陥がある。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、粒状性のよい高感度ハロゲン化銀感
光材料の提供にある。
〔発明の構成及び作用効果〕
前記した本発明の目的は、共存するハロゲン化銀粒子
とはそのハロゲン化銀組成を異にし、かつ結晶系におい
てブラバス格子を異にするハロゲン化銀粒子、並びに銀
塩水溶液及びハロゲン化物水溶液を添加して、前記共存
粒子を成長させる工程を経て得られた、粒子内部に高沃
化銀相を有するコア/シェル型ハロゲン化銀粒子を含有
し、脱塩工程終了までに写真用色素が添加された乳剤を
有することを特徴とするハロゲン化銀感光材料によって
達成される。
次に本発明を詳しく説明する。
AgCl,AgBr及びその混晶或は75モル%までのAgIを含む
AgIBr等のAgXは面心立方格子をなし、又90モル%以上が
AgIであるAgIBrは六方格子となることが知られている。
従って本発明に謂うハロゲン化銀組成を異にし、かつ
ブラバス(Bravais)格子を異にするハロゲン化銀粒子
には、上記2通りあり、従って相対的に、共存するハロ
ゲン化銀粒子との2種の組合せがあるが、実用的な写真
用乳剤での含有AgIは全AgXの90モル%以下の面心立方で
あるので、共存するハロゲン化銀粒子には面心立方粒子
を選ぶことが好ましい。
又ブラバス格子を異にする六方格子の粒子は格子変換
されて面心立方に組直されAgX結晶中に再分散される観
測結果を与える。
又本発明における粒子成長方式は前記した溶解圧方式
でも結晶核方式でもよいが、種晶を用いる結晶核方式が
好ましい。
本発明のAgX写真乳剤を得るに当たって特開昭60−138
538号記載の方法のようにコア/シェル型AgX乳剤を種晶
から出発して成長させる手段を用いることもでき、この
場合、粒子中心部にコアとは異なるハロゲン組成殻層領
域をもつことがあり得る。このような場合、種晶のハロ
ゲン化銀組成AgBr,AgBrI,AgICl,AgBrCl,AgCl等の任意の
組成のものを用いうるが、AgI含有率が10モル%以下のA
gBrI又は、AgBrが好ましい。
又、この場合、種晶の全AgXに占める割合は50%以下
が好ましく、10%以下が特に好ましい。
この種晶の粒子サイズの分布が広いほど、粒子成長後
の粒子サイズ分布も広くなる。従って、単分散乳剤を得
るためには、種晶の段階で粒子サイズ分布の狭いものを
用いるのが好ましい。
このようにして得られた単分散乳剤は化学増感等の増
感処理を十分に施すことができ、きわめて高い感度が得
られ、しかも増感処理による軟調化も少なく、硬調とす
ることができる。
本発明において、格子変換をうける高沃化銀六方格子
粒子は、乳剤母液中種晶の存在に先じて或は後れて添加
してもよい、又添加方法は一括添加でもジェット添加に
よってもよい。更に銀塩水溶液、ハロゲン化物水溶液と
ダブルジェット或はトリプルジェットに拠って添加して
もよい。
本発明のAgX写真乳剤粒子の内部相成長時のpAg値とし
ては、8.4以下が好ましく、更に7以上8.4以下が好まし
い。又内部相成長時のpH値としては、9.8以上が好まし
く、更に10以上11以下が好ましい。
本発明に係る上記乳剤中のAgX粒子の組成は任意であ
り、例えば塩沃臭化銀、沃臭化銀等のハロゲン化銀であ
ればよい。
本発明に係る上記乳剤、或は必要に応じて本発明に係
る感光材料に用いる他の乳剤の基本的な製法は任意であ
り、例えば酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれを
用いてもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物を反
応させる形式としては片側混合法、同時混合法、それら
の組合せなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン
過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)
を用いることもできる。同時混合法の一つの形式として
AgXの生成する母液中のpAgを一定に保つ方法、即ちいわ
ゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることも
できる。又沃化銀を加えたトリプルジェット法も好まし
い。
前述の如くこの方法によると、結晶形が規則的で粒子
サイズが均一に近いAgX乳剤が得られる。
尚本発明においては、別々に形成した2種以上のAgX
乳剤を混合して用いてもよい。
又種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。AgX
粒子形成又は物理熟成の過程において、カドミウム塩、
亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩又はその錯
塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又は鉄錯塩などを共
存させてもよい。
AgX粒子の形成時に、粒子の成長をコントロールする
ためにAgX溶剤として例えば、アンモニア、チオエーテ
ル化合物、チオン化合物などを用いてもよい。
乳剤を得るに当たっては、種々の化合物、例えば結晶
制御剤、安定剤、増感色素等をAgX沈澱生成過程で存在
せしめることによって、AgX粒子の性質をコントロール
できる。
本発明においては、写真用色素の添加は脱塩工程終了
までに添加すれば添加する時点(添加位置)は問わない
が、物理熟成中及び/又は脱塩工程中に添加するのが好
ましく、物理熟成においてAgXを調製する際に使用する
銀50%を添加した以降から脱塩工程が終了するまでに添
加するのが更に好ましく、特に脱塩工程で分光増感色素
を添加するのが好ましい。更に、脱塩工程で分光増感色
素を添加した後、化学増感後に沃化カリ(KI)を添加
し、再度分光増感色素を添加するのが好ましい。
次に本発明でいう脱塩工程について説明する。一般に
AgX写真乳剤は、ゼラチン水溶液中での可溶性銀塩と可
溶性ハロゲン化物の複分解などの手段によるAgX粒子の
形成、物理熟成及び脱塩、更に化学増感の各工程を経て
調製されるのが通例である。
脱塩工程では凝析剤の添加、静置、デカンテーション
という一連の操作を少なくとも1回、通常はこれを数回
くり返し、その後一般に後ゼラチン(後述)を加えて分
散し、それが終了した後に化学増感過程に入るが、本発
明でいう脱塩工程は、沈澱形成乃至は物理熟成後、化学
増感に入る前(少なくとも後ゼラチン添加工程は入る)
までを称する。
脱塩の手段には種々のものかあり、例えば古くから知
られているゼラチンをゲル化させて行うヌーデル水洗法
があり、又多価アニオンより成る無機塩類(例えば硫酸
ナトリウムなどの硫酸塩)、アニオン性界面活性剤、ア
ニオン性ポリマー、(例えばポリスチレンスルホン
酸)、或はゼラチン誘導体(例えば脂肪族アシル化ゼラ
チン、芳香族アシル化ゼラチン、芳香族カルバモイル化
ゼラチンなど)を利用した凝析法(フロキュレーショ
ン)を用いる方法がある。
好ましい脱塩手段は、凝析剤として硫酸塩(MgSO4,Na
2SO4その他)を用いるか、又はアニオン性ポリマー(特
公昭35−16086号等に記載のようなポリスチリルスルホ
ン酸系ポリマーや、特開昭62−32445号に記載の側鎖に
カルボン酸を有するビニルポリマーなど)を用いるもの
である。
又分光増感色素の添加方法は任意であり、例えば分光
増感色素を水或は有機溶媒に溶解して乳剤に添加するこ
とができる。実質的に水不溶性分光増感色素は、水不水
溶性溶媒中に分散した分散物として使用することができ
る。分光増感色素は全量を一時に添加しても、いくつか
に分割して添加してもよく、又、所定の時間の間連続し
て添加するのでもよい。又特開昭60−196749号記載のよ
うに、実質的に水不溶性分光増感色素を水系溶媒に分散
した分散物として添加してもよい。
脱塩工程時における乳剤のpHは、好ましくは3.5〜9.5
であり、該工程中に分光増感色素を添加するのは、pHが
6.0〜9.5である時点が好ましい。
又脱塩工程時における乳剤のpAgは、好ましくは4.9〜
12.5であり、同じく分光増感色素を添加するのは、pAg
が8.0〜12.5である時点が好ましい。
分光増感色素としては、種々のものを用いることがで
きる。例えばシアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラシアニ
ン色素、ヘミシアニン色素、ステリル色素やヘミオキサ
ノール色素を用いることができる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素
及び複合メロシアニン色素である。これらの色素類に
は、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用さ
れる核のいずれをも適用できる。即ち、ピロリン核、オ
キサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾー
ル核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール
核、テトラゾール核、ピリジン核及びこれらの核に脂環
式炭化水素環が縮合した核:及びこれらの核に芳香族炭
化水素環が縮合した核、即ちインドレニン核、ベンズイ
ンドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、
ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチ
アゾール核、ベンゾサレナゾール核、ベンズイミダゾー
ル核、キノリン核などである。これらの核は、炭素原子
上で置換されてもよい。
メロシアニン色素又は複合メロシアニン色素はケトメ
チレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,
4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニ
ン核、チオバルピツール酸核などの5〜6員異節環核を
適用することができる。
これらの増感色素は単独に用いられてもよいが、組合
せて用いてもよい。
具体的には例えばRD(リサーチ・ディスクロージャ
ー)17643の22〜24頁、RD18716の648頁右欄以下に記載
の色素や、特開昭61−80237号記載の色素を好ましく用
いることができる。
次に本発明に係る写真用色素の具体例を示す。
AgX乳剤は、通常化学増感を施して粒子表面を増感す
るが、本発明において脱塩工程後に化学増感を施す場合
は、上記の如くすでに分光増感色素の少なくとも一部は
乳剤に添加されている。
本発明において化学増感を施す場合、銀イオンと反応
し得る硫黄を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増
感法、還元性物質を用いる還元増感法、金その他の貴金
属化合物を用いる貴金属増感法などを単独又は組合せて
行うことができる。好ましくは金増感と硫黄増感とを併
用する。
硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チア
ゾール類、ローダニン類、その他の化合物を用いること
ができる。
還元増感剤としては、第一すず塩、アミン類、ヒドラ
ジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合
物などを用いることができる。貴金属増感のためには金
錯塩のほか、白金、イリジウム、パラジウム等の周期律
表VIII族の金属の錯塩を用いることができる。
塗布銀量は任意であるが、好ましくは1000mg/m2
上、15000mg/m2以下であり、更に好ましくは2000mg/m2
以上、10000mg/m2以下である。
本発明に係る写真乳剤のバインダ又は保護コロイドと
しては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外
の親水性コロイドも用いることができる。
本発明において、上記本発明に係る乳剤から成る乳剤
層は、感光材料に少なくとも一層形成される。乳剤層は
通常支持体に乳剤を塗布して設けられるが、該乳剤層は
支持体の片面に形成するのでも、両面に形成するのでも
よく、本発明に係る乳剤から成る層はいずれかの側に少
なくとも一層存在すればよい。本発明に係る乳剤以外の
乳剤から成る層が存在していてもよい。又保護層、中間
層その他の非感光性層が存在していてもよいことは当然
である。乳剤を製造する工程で使用される添加剤は、前
述のものの他に、リサーチ・ディスクロージャ176巻、N
o.17643(1978年12月)及び同187巻、No.18716(1976年
11月)に記載されており、その該当個所を表−1にまと
めた。
本発明の実施に際して感光性乳剤の調製に当たり使用
できる公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・デ
ィスクロージャに記載されており、次の表にその記載個
所を示した。
〔実施例〕 次に実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1(種晶の調製) 反応釜の条件として60℃,pAg=8,そしてpH2に保ちつ
つ、ダブルジェット法により平均粒径0.3μmの沃化銀2
mol%を含む沃臭化銀の単分散立方晶乳剤を得た。
電子顕微鏡観察によれば、双晶の発生率は個数で1%
以下であった。この乳剤を種晶として、更に以下のよう
に成長させた。
EmA−1の調製 40℃に保った2wt%のゼラチン水溶液に、前記種晶
を、全銀量の7.87%相当分を分散した。アンモニアと酢
酸を加え、pH=9.8に、又アンモニア性AgNO3(IN)溶液
にてpAg=7.3に調整した。pH及びpAgを一定に保ちつ
つ、INのアンモニア性AgNO3溶液、BKr(0.6N),KI(0.4
N)を含むハロゲン化物水溶液をダブルジェットで30分
間かけて添加し、AgBrI殻層を形成せしめた。(工程−
1) 次に酢酸及びKBr水溶液を用いpH=9.0,pAg=9.0に調
整した。3Nのアンモニア性AgNO3水溶液と、KBr水溶液を
用い、成長後粒径の90%にあたるところまで20分かけて
成長させた。この時pHは8.20まで、pAgは8.5まで徐々に
変化させた(工程−2)。
3.5NのKBr水溶液を加え、pAg=11とし、pH=8.0まで
徐々に下げながら3Nアンモニア性AgNO3水溶液と、KBrを
加え、10分かけて成長させ、平均粒径0.70μm、AgI2.2
モル%を含む丸みを帯びた十四面体のAgBrI乳剤を得た
(工程−3)。
ここで、色素(例示7)の水溶液(0.3%)を0.1mmol
/Agmolになるようラッシュで添加し、25分間撹拌し混合
を終了した。
混合終了した反応液を、40℃にして、ナフタレンスル
ホン酸ナトリウムとホルマリンの縮合物と硫酸マグネシ
ュウムMgSO4をそれぞれ、15g/AgXlモル、60g/AgX1モル
加え、3分間撹拌した。その後静置し、デカンテーショ
ンにより過剰な塩を除去する。その後、40℃の純水、2.
1/AgX1モルを加え、分散させた後、MgSO4を30g/AgX1
モル加え、3分間撹拌した後、静置し、デカンテーショ
ンを行った。
次に再度40℃の純水を2.1/AgX1モル加え、分散させ
た後、MgSO4を30g/AgX1モル加え、3分間撹拌し、静置
し、デカンテーションを行った。以上の脱塩工程を工程
−4とする。
その後、ゼラチン25.5g/AgX1モル添加し、55℃に保
ち、20分間再分散しEmA−1を得た。
EmB−1の調製 40℃に保った2wt%のゼラチン水溶液に、前記種晶
を、全銀量の7.87%を分散した。アンモニアと酢酸を加
え、pH=9.8に、又アンモニア性AgNO3(IN)溶液にてpA
g=7.3に調整した。pH及びpAgを一定に保ちつつ、INの
アンモニア性AgNO3溶液、AgI乳剤(Em−C;後述)及びIN
KBr水溶液をトリプルジェットで10分間かけて添加し
た。AgNO3水溶液とAgI乳剤の添加速度比は、銀に換算し
て3:2になるように添加し、KBr水溶液はpAgを一定に保
つ流量とした(工程−1)。
次に酢酸及びKBr水溶液を用いpH=9.0,pAg=9.0に調
整した。3Nのアンモニア性AgNO3水溶液と、KBr水溶液を
用い、成長後粒径の90%にあたるところまで20分かけて
成長させた。この時pHは8.20まで、pAgは8.5まで徐々に
変化させた(工程−2)。
3.5NのKBr水溶液を加え、pAg=11とし、pH=8.0まで
徐々に下げながら3Nアンモニア性AgNO3水溶液と、KBrを
加え、10分かけて成長させ、平均粒径0.70μm、AgI2.2
モル%を含むEmA−1と同様の形状であるAgBrI乳剤を得
た(工程−3)。
ここで、色素(例示7)の0.3%の水溶液をEmA−1と
同様に添加撹拌し、色素吸着を終了した。脱塩は、EmA
−1と同様にB−1の方法で行った。
沃化銀乳剤Em−Cの調製 40℃に保った2wt%のゼラチン水溶液をアンモニアと
酢酸でpH=9.5に調整した0.5Nのアンモニア性AgNO3水溶
液と0.5NのKI水溶液を用いダブルジェット法にて添加
し、EmA−1と同様の方法で脱塩を行い、ゼラチン水溶
液を加え、分散後冷却した。得られた粒子は、平均粒径
0.31μmの八面体粒子であった。
EmA−2〜A−5の調製 ・EmA−1において、表2に示す工程で色素液Aを添加
した以外は、EmA−1と同様の方法で調製した。
EmB−2〜B−5の調製 EmB−1において、表2に示す工程で色素液Aを添加
した以外は、EmB−1と同様の方法で調製した。
得られたAgX乳剤に、チオシアン酸アンモニウム、塩
化金酸及びハイポを加え、分光増感色素を添加しそれぞ
れ最高感度の得られる条件で化学増感を施しその後、4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ンを加えて、冷却セットし、乳剤を保存した。なお、こ
こで加える増感色素は、粒子調製時に用いるのと同じも
のを用いた。
得られた化学熟成済みの乳剤に、カブリ防止剤、キレ
ート剤、安定剤及び延展剤を加え、ポリエチレンテレフ
タレートの両面で銀量として4.0g/m2となる量を塗布
し、同時マット剤、延展剤、帯電防止剤及び硬膜剤を含
むゼラチン溶液を乳剤層上に保護膜として塗布し乾燥し
試料A−1〜5及び試料B−1〜5を得た。
得られた試料は3.2CMSで光学ウェッジを用いて露光
し、コニカ(株)製XD−SR現像液及びXF−SR定着液を用
いて、コニカ(株)製SRX−501自動現像機を用い、35℃
で45秒モードにて処理した。
結果を表2に示す。
表2中、感度は、得られた特性曲線から(ベース濃度
+カブリ濃度+1.0)における露光量の逆数を求め、EmA
−1で得られた試料の感度を100としたときの相対感度
で表した。
又ガンマは、特性曲線の濃度1.0から2.0のガンマ値で
示した。即ち濃度1.0の点と濃度2.0の点を結んだ直線の
傾きをθとしたとき、tanθをガンマ:γとするもので
ある。
又粒状性はマイクロデンシトメータで走査したときに
生じる濃度変動の標準偏差の1000倍で表示した。
マイクロデンシトメータのアパーチャサイズは100μ
m×200μmを用いた。
〔発明の効果〕 表2に示すように、本発明乳剤は感度、粒状性とも優
れていることがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共存するハロゲン化銀粒子とはそのハロゲ
    ン化銀組成を異にし、かつ結晶系においてブラバス格子
    を異にするハロゲン化銀粒子、並びに銀塩水溶液及びハ
    ロゲン化物水溶液を添加して、前記共存粒子を成長させ
    る工程を経て得られた、粒子内部に高沃化銀相を有する
    コア/シェル型ハロゲン化銀粒子を含有し、脱塩工程終
    了までに写真用色素が添加された乳剤を有することを特
    徴とするハロゲン化銀感光材料。
JP1085045A 1989-04-03 1989-04-03 粒状性のよい高感度ハロゲン化銀感光材料 Expired - Lifetime JP2838532B2 (ja)

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