JP2770185B2 - 耐圧性能の改良されたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

耐圧性能の改良されたハロゲン化銀写真感光材料

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JP2770185B2 JP1092499A JP9249989A JP2770185B2 JP 2770185 B2 JP2770185 B2 JP 2770185B2 JP 1092499 A JP1092499 A JP 1092499A JP 9249989 A JP9249989 A JP 9249989A JP 2770185 B2 JP2770185 B2 JP 2770185B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、特に耐圧
性能の改良されたハロゲン化銀写真感光材料を提供する
ものである。
〔発明の背景〕
ハロゲン化銀写真感光材料は、高画質であることが望
まれる。例えば、X線感光材料は、特に医療用X線感光
材料の場合など、鮮鋭性が高いことが要請される。鮮鋭
性を向上させると、細部にまでわたる診断性を向上させ
ることができ、これにより例えば血管の末端まで良く診
断できるようになるからである。
本発明者の知見によれば、鮮鋭性を上げるには、ハロ
ゲン化銀粒子生成の開始から脱塩工程の終了までの間に
分光増感色素を添加して得られた乳剤を用いることが有
効である。そのほかの手段、例えば染料等を添加するな
どの手段は、感度低下が大きく、好ましくない。
上記の如く、ハロゲン化銀粒子生成の開始から脱塩工
程の終了までの間に分光増感色素を添加することは、特
に鮮鋭性向上のために有効ではあるが、本発明者が更に
検討を重ねた所、このような乳剤を用いた感光材料は、
耐圧性能に劣ることがわかった。特に、手による取扱い
(ハンドリング)等によって生ずる折曲げ部分が黒化す
るという現象(圧力黒化現象)が生じ易いことがわかっ
た。
〔発明の目的〕
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、本発明
の目的は、鮮鋭性が良好で、しかも耐圧性能(特に圧力
黒化に対する性能)を改良したハロゲン化銀写真感光材
料を提供することにある。
〔発明の構成及び作用〕
本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも1層の感
光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光
材料において、上記感光性ハロゲン化銀乳剤層を構成す
る乳剤が、下記のような乳剤を含有するものによって、
達成される。即ち、そのハロゲン化銀粒子生成の開始か
ら脱塩工程の終了までの間に、分光増感色素を添加して
得られた乳剤であって、かつ、該粒子が、周期律表第II
I B族及びVIII族から選ばれる少なくとも1つの金属を
含有しているものであり、かつ、該粒子は二層以上の多
層構造をもつものである乳剤(以下適宜「本発明に係る
乳剤」などと称することもある)を含むことを特徴とす
るハロゲン化銀写真感光材料によって、上記目的は達成
される。
以下本発明について更に詳述する。
まず、本発明に係る乳剤について説明する。
本発明に係る乳剤は、 粒子生成の開始から脱塩工程の終了までの間に分光
増感色素を添加して得られた乳剤である。
該粒子が周期律表第III B族及び第VIII族から選ば
れる少なくとも1つの金属を含有している。
という特徴をもつものである。
上記の如く、本発明に係る乳剤はそのハロゲン化銀
粒子生成の開始から脱塩工程の終了までの間に分光増感
色素を添加して得られたものであるが、ここでハロゲン
化銀粒子生成の開始からの時点とは、少なくともハロゲ
ン化銀粒子を形成するためのハロゲン化銀粒子の核の生
成の開始の時点を含むものである。
一般に、ハロゲン化銀乳剤の調製においては、大まか
に言って二つの過程を経る。即ち、銀イオンとハライド
イオンが最初に注加された時ハロゲン化銀粒子の核を発
生する核の発生時期である過程と、さらにこれにひきつ
づき銀イオンとハライドイオンが供給されることによ
り、その核が成長する成長期である過程の二つを経る。
一般には両過程は必ずしも明瞭にわけられず、成長期
において核発生をともなう場合もあるが、成長期に核発
生がほとんど生じない、例えば単分散乳剤の調製法も知
られている。しかしながら銀イオンが注加されはじめて
1分〜2分間が通常核発生期といわれ、それ以降が成長
期と呼ばれる。
本発明において粒子生成の開始からの時点には、少な
くとも上記のような核発生期が含まれる。ハロゲン化銀
乳剤の調製方法として、釜内にあらかじめ微小粒子を添
加しておき、それを核として銀イオンとハライドイオン
の供給により成長させる場合もあり、この場合には上記
で定義した実質的な核発生期はないが、この場合、銀イ
オンが注加される以前の状態を核発生期(成長時期では
ない)の範疇とし、この状態で分光増感色素を添加した
ものも、本発明の範囲に含まれる。
また、本発明に係る乳剤を得るには、上記のハロゲン
化銀粒子生成の開始から、脱塩工程の終了までの間に分
光増感色素を添加するが、本発明において脱塩工程と
は、乳剤粒子の形成が完結した後(沈澱形成後、あるい
は物理熟成後)に行われる可溶性塩類の除去の工程をい
う。
即ち一般に、ハロゲン化銀写真乳剤は、ゼラチン水溶
液中での可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物の複分解など
の手段によるハロゲン化銀粒子の形成、物理熟成、及び
脱塩、更に化学増感の各工程を経て調製されるのが通例
であるが、このような工程の中で、上記ハロゲン化銀粒
子の形成が完結した後における、つまり沈澱の形成後で
あるか、更には物理熟成の完了の後に行う塩類の除去
を、脱塩工程と称するのである。
脱塩工程では通例、脱塩剤の添加、静置、デカンテー
ションという一連の操作を少なくとも1回、通常はこれ
を数回くり返し、その後一般に後ゼラチンを加えて分散
し、それが終了した後に化学増感過程に入るが、本発明
でいう脱塩工程は、沈澱形成乃至は物理熟成後、化学増
感に入る前(少なくとも後ゼラチン添加工程は入る)ま
でを称する。ここまでの間に、分光増感色素を添加すれ
ばよい。
脱塩の手段には種々のものがあり、例えば古くから知
られているゼラチンをゲル化させて行うヌーデル水洗法
があり、また多価アニオンより成る無機塩類(例えば硫
酸ナトリウムなどの硫酸塩)、アニオン性界面活性剤、
アニオン性ポリマー(例えばポリスチレンスルホン
酸)、あるいはゼラチン誘導体(例えば脂肪族アシル化
ゼラチン、芳香族アシル化ゼラチン、芳香族カルバモイ
ル化ゼラチンなど)を利用した沈澱法(フロキュレーシ
ョン)を用いる方法がある。
好ましい脱塩手段は、脱塩剤として硫酸塩(MgSO4、N
a2SO4その他)を用いるか、またはアニオン性ポリマー
(特公昭35−16086号公報等に記載のようなポリスチリ
ルスルホン酸系ポリマーや、特開昭62−32445号公報に
記載の側鎖にカルボン酸を有するビニルポリマーなど)
を用いるものである。
本発明で用いるハロゲン化銀の結晶形態等は特に限定
はなく、例えば当業界で用いられる通常の昌癖等のもの
が使用できる。
ハロゲン化銀粒子として、いわゆる正常晶といわれる
ものとしては、通常は立方晶、14面体、正八面体が知ら
れている。ここで立方晶はミラー指数として(100)を
もついわゆる(100)面で囲まれたものであり、正八面
体ミラー指数(111)をもつ、いわゆる(111)面で囲ま
れたものであり、14面体は(100)面と(111)面の両者
をもつ立方晶(正六面体)と正八面体の中間状態であ
る。
ハロゲン化銀乳剤の形成は、特開昭55−26589号の記
載では、分光増感色素の存在下では、核生成が不安定で
あるとされているが、本発明者は種々検討した結果、粒
子形成時の雰囲気により分光増感色素の存在下でも安定
にハロゲン化銀粒子が調製できることを見い出した。例
えば、核形成をミラー指数(100)面が生成する雰囲気
下で行うと、核発生及びそれに続く成長は安定に行え
る。ここでいう(100)面が生成する雰囲気とは、分光
増感色素の存在無しでも、(100)面が生成する雰囲気
をいう。
(100)面が生成する雰囲気を一義的に定義すること
は難しいが、例えばW.マルコッチらによる報告(フォト
グラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリン
グ、17巻 289頁〜294頁 1973年)や、平田明らによる
報告(日本写真学会誌36巻 359頁〜365頁 昭和48)に
条件が記載されている。
具体的には例えばアンモニア法では、アンモニア濃度
が0.5Nで沃化銀含有量が2モル%の場合、pH9.5〜10の
領域では、pAgが9.5〜5.0で(100)面が主に生成する。
中性法では、沃化銀含有量が0〜15モル%の時、pAg
が8〜3.5以下で(100)面が主に生成する。
分光増感色素を添加する時点(添加位置)は、粒子の
生成の開始から脱塩工程の終了までの間ならどこでも任
意である。好ましくは、後ゼラチン即ち脱塩後再びハロ
ゲン化銀粒子を分散させるために添加するゼラチンが入
る前に、添加する。更にこのようにして得られたハロゲ
ン化銀粒子に、化学増感の前または後に、同一の及び/
または他の分光増感色素を添加してもよい。
分光増感色素の添加方法は任意である。例えば、銀溶
液とハライド溶液の混合と同時に添加を開始する。また
銀溶液とハライド溶液が混合されるべき反応釜に、予め
分光増感色素を添加しておくのも良い。添加は銀溶液及
びハライド溶液とは別途の添加ラインから添加するのが
望ましいが、銀溶液及びまたはハライド溶液に混入させ
る事により添加してもよい。
また分光増感色素の添加は、粒子成長に伴って添加量
を増大せしめるのが好ましく、増大のパターンとしては
成長する粒子の粒径の1.5〜3.5乗に比例させ増大させる
のが良く、特に粒径の2乗(表面積)に比例させる添加
が好ましい。調製する粒子のハロゲン組成分布によって
は、断続的に添加しても良い。
添加の期間は、混合開始から、調製完了後の粒子の銀
量にして50%〜100%まで添加するのが良い。
本発明に係る乳剤中の粒子は、二層以上の多層構造を
もつものであるが、この種のものとしていわゆるコアシ
ェル粒子(内部に例えば沃化銀含有量の高い部分を持つ
粒子)を用いる場合に本発明を適用するときは、少なく
ともコア部の調製終了までは添加完了しない方がよい。
また分光増感色素を添加するための手段も任意であ
り、例えば分光増感色素を水あるいは有機溶媒に溶解し
て添加することができる。実質的に水不溶性分光増感色
素は、水不溶性溶媒中に分散した分散物として使用する
ことができる。分光増感色素は全量を一時に添加して
も、いくつかに分割して添加してもよく、また所定の時
間の間連続して添加するのでもよい。
脱塩工程時における乳剤のpHは、好ましくは3.5〜9.5
であり、該工程中に分光増感色素を添加する場合には、
pHが6.0〜9.5である時点が好ましい。
また脱塩工程時における乳剤のpAgは、好ましくは4.9
〜12.5であり、同じく分光増感色素を添加するのは、pA
gが8.0〜12.5である時点が好ましい。
分光増感色素としては、種々のものを用いることがで
きる。例えばシアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素や、ヘミオ
キサノール色素を用いることができる。
特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニン色
素、及び複合メロシアニン色素である。これらの色素類
には、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用
される核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン
核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核及びこれらの核に
脂環式炭化水素環が融合した核:及びこれらの核に芳香
族炭化水素環が融合した核、即ち、インドレニン核、ベ
ンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキサゾー
ル核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナ
フトチアゾール核、ベンゾサレナゾール核、ベンズイミ
ダゾール核、キノリン核などである。これらの核は、炭
素原子上で置換されてもよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケ
トメチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オ
ン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダ
ニン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異節環核
を適用することができる。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、組み合わ
せて用いてもよい。
具体的には例えばRD(リサーチ・ディスクロージャ
ー)17643の22〜24頁、RD18716の684頁右欄以下に記載
の色素や、特開昭61−80237号記載の色素を好ましく用
いることができる。
次に、本発明に係る乳剤は、前記で記したとおり、
周期律表第III B族及び第VIII族から選ばれる少なくと
も1つの金属(以下適宜、本発明に係る金属ということ
もある)を含有するものである。
この粒子は、第III B族の金属の任意の1種以上の金
属を含有するのでも、第VIII族の金属の任意の1種以上
の金属を含有するのでも、またあるいは、第III B族の
金属の任意の1種以上と第VIII族の金属の任意の1種以
上をともに含有するのでもよい。
本発明に係る金属としては、第III B族の金属では例
えばAl、Ga、In、Tlを用いることができる。好ましいも
のはTlである。また第VIII族の金属では、例えばFe、C
o、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptを用いることができ
る。好ましいものはRu、Os、Irである。
本発明に係る金属は、乳剤形成過程の任意の時期、例
えば、ハロゲン化銀沈澱生成過程で存在せしめるように
することができる。
その他、必要に応じて本発明に係る以外の金属、例え
ば銅、鉛、カドミウム、亜鉛、金及び第VII族貴金属等
を併用して、これらによって、ハロゲン化銀の特性をコ
ントロールすることもできる。
乳剤を得るに当たっては、種々の化合物をハロゲン化
銀沈澱生成過程で存在せしめることによって、ハロゲン
化銀粒子の性質をコントロールでき、そのような化合物
は反応器中に最初に存在せしめてもよく、また常法に従
って1もしくは2以上の塩を加えると共に添加すること
もできるが、本発明に係る金属等の添加も、これと同様
である。
本発明に係る上記乳剤中のハロゲン化銀粒子の組成は
任意であり、例えば塩沃臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、臭
化銀、沃臭化銀、沃化銀等のハロゲン化銀であればよ
い。高感度という点からは沃臭化銀が好ましい。さらに
は沃臭化銀中の平均沃化銀含有量は0.1〜10モル%であ
るのが好ましく、特に1〜8モル%であるのが好まし
い。
該ハロゲン化銀粒子の平均粒径は、0.2〜8.0μmが好
ましく、更に好ましくは0.3〜1.5μmである。
本発明に係る乳剤中のハロゲン化銀粒子は二層以上の
多層構造をもつものである。この場合隣接する層との沃
化銀(AgI)含有量の差が、その粒子内部の層より20モ
ル%以上多いような層を有するものが好ましい。また、
各層は臭化銀または沃臭化銀であるのが好ましい。20モ
ル%以上の高濃度の沃化銀が局在化した局在化部分を有
する場合は、これが粒子の外表面からできるだけ内側に
あることが好ましく、特に外表面から0.01μm以上離れ
た部分に局在部分が存在することが好ましい。
本発明に係る乳剤は、単分散乳剤でも多分散乳剤でも
よいが、単分散乳剤とすることが好ましい。このように
すると化学増感等の増感処理を十分に施すことができ、
きわめて高い感度が得られ、しかも増感処理による軟調
化も少なく、硬調とすることができる。
なお、本発明でいうハロゲン化銀乳剤の単分散度と
は、粒径の分布の標準偏差を平均粒径で割った値をい
う。
単分散乳剤を作製するには、一般にまず、結晶の粒子
成長を行う。粒子成長にあっては、銀イオン及びハライ
ド溶液の添加に関し、両者を時系列的に交互に行っても
よいが、いわゆるダブルジェット法によることが好まし
い。
上記単分散乳剤を得るためには、特に種晶を用い、こ
の種晶を成長核として、銀イオン及びハライドイオンを
供給することにより、粒子を成長させることが好まし
い。
この種晶の粒子サイズの分布が広いほど、粒子成長後
の粒子サイズ分布も広くなる。従って、単分散乳剤を得
るためには、種晶の段階で粒子サイズ分布の狭いものを
用いるのが好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は、通常化学増感を施して粒子表面
を増感するが、本発明において脱塩工程後に化学増感を
施す場合は、上記の如くすでに分光増感色素の少なくと
も一部は乳剤に添加されている。本発明において化学増
感を施す場合、銀イオンと反応し得る硫黄を含む化合物
や活性ゼチランを用いる硫黄増感法、還元性物質を用い
る還元増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属
増感法などを単独でまたは組み合わせて行うことができ
る。好ましくは金増感と硫黄増感とを併用する。硫黄増
感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール
類、ローダニン類、その他の化合物を用いることができ
る。還元増感剤としては、第一すず塩、アミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物などを用いることができる。貴金属増感のためには
金錯塩のほか、白金、イリジウム、パラジウム等の錯塩
を用いることができる。
塗布銀量は任意であるが、好ましくは1000mg/m2以上1
5000mg/m2以下であり、さらに好ましくは2000mg/m2
上、10000mg/m2以下である。
本発明に係る写真乳剤の結合剤または保護コロイドと
しては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以外
の親水性コロイドも用いることができる。
本発明において、上記本発明に係る乳剤から成る乳剤
層は、感光材料に少なくとも一層形成される。乳剤層は
通常支持体に乳剤を塗布して設けられるが、該乳剤層は
支持体の片面に形成するのでも、両面に形成するのでも
よく、本発明に係る乳剤から成る層はいずれかの側に少
なくとも一層存在すればよい。本発明に係る乳剤以外の
乳剤から成る層が存在していてもよい。また保護層、中
間層その他の非感光性層が存在していてもよいことは当
然である。
本発明に係る上記乳剤、あるいは必要に応じて本発明
の感光材料に用いる他の乳剤の基本的な製法は任意であ
り、例えば酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれを
用いてもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反
応させる形式としては片側混合法、同時混合法、それら
の組み合わせなどのいずれを用いてもよい。粒子を銀イ
オン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合
法)を用いることもできる。同時混合法の一つの形式と
してハロゲン化銀の生成する液層中のpAgを一定に保つ
方法、すなわちいわゆるコントロールド・ダブルジェッ
ト法を用いることもできる。前述の如くこの方法による
と、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン
化銀乳剤が得られるので、好ましい。
別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合し
て用いてもよい。
また、アスペクト比が5以上であるような平板状粒子
も乳剤中のハロゲン化銀粒子として使用できる。該平板
状粒子が前記したような層構造をなしていてもよい。
また種々の結晶形の粒子の混合物を用いてもよい。
ハロゲン化銀粒子の形成時に、粒子の成長をコントロ
ールするためにハロゲン化銀乳剤として例えばアンモニ
ア、チオエーテル化合物、チオン化合物などを用いても
よい。
乳剤を製造する工程で使用される添加剤は、前述のも
のの他に、リサーチ・ディスクロージャー176巻、No.17
643(1978年12月)及び187巻、No.18716(1976年11月)
に記載されており、その該当個所を次の表にまとめた。
本発明の実施に際して感光性乳剤の調製に当たり使用
できる公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・デ
ィスクロージャーに記載されており、次の表にその記載
個所を示した。
〔実施例〕 以下、本発明の具体的な実施例を示す。なお当然のこ
とではあるが、本発明は以下述べる実施例により限定さ
れるものではない。
実施例−1 まず本発明に係る乳剤の調製について述べる。次のよ
うに、本発明に係る乳剤である乳剤Em−1〜4を調製し
た。
乳剤Em−1 60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブ
ルジェット法で平均粒径0.29μmの沃化銀2モル%を含
む沃臭化銀の単分散立方晶乳剤(A)を得た。この乳剤
(A)は、電子顕微鏡写真から双晶の発生率は個数で1
%以下であった。この乳剤(A)を種晶として、以下の
ように粒子を成長させた。
すなわち、40℃に保たれた保護ゼラチン、及び必要に
応じてアンモニアを含む溶液8.5に、この種晶となる
乳剤(A)を溶解させ、さらに酢酸によりpHを調製し
た。この液を母液として、3.2規定のアンモニア性銀イ
オン水溶液をダブルジェット法で添加した。
この場合、pHとEAgは、沃化銀含有率及び晶癖により
随時変化させた。
つまり、pAgを7.3、pHを9.7に制御し、沃化銀含有率4
0モル%の層を形成した(工程1)。その後pHを9から
8へ変化させて、臭化銀の層を形成させた。この時粒径
の95%まではpAgを9.0に保ち(工程2)、その後、臭化
カリ溶液をノズルで8分かけ添加し、pAgを11.0に落と
し、その臭化カリ添加終了3分後に混合終了させた(工
程3)。次に酢酸でpHを6.0にした(工程4)。こうし
て得られた乳剤1−1は、平均粒径0.50μm、また粒子
全体の沃化銀含有率は約2モル%であった。
次にこの反応液の過剰を可溶塩を除去するために、脱
塩工程を行った。すなわち反応液を40℃に保ち、下記化
合物(I)を5g/AgX1モル、及びMgSO4を8g/AgX1モル添
加し、5分間撹拌し、その後静置した。(AgXはハロゲ
ン化銀を示す。以下の記載においても同じ)。その後、
上澄液を排出し、AgX1モル当たり200ccの液量にした。
次に、40℃の純水を1.8/AgX1モル加え、5分間撹拌し
た(工程5)。
次いでMgSO4を20g/AgX1モル加え、上記と同様に撹拌
後静置し、上澄液を排除し、脱塩を行った。次にこの溶
液を撹拌した(工程6)。撹拌後、AgXを再び分散させ
るための後ゼラチンを添加し、55℃で分散させた。
乳剤Em−2 前記Em−1と脱塩工程までは同じであるが、脱塩工程
中の“工程5"において、表−1に示す如き種類及び量の
増感色素を添加し、その後は乳剤Em−1と同様に処理
し、分散させて乳剤を得た。
乳剤Em−3 Em−1に対し、工程2と工程3との間において、表−
1に示す金属イオンを水溶液として1分かけて添加した
以外はEm−1と同じとした。
乳剤Em−4 本発明に係る金属イオンを次のように添加した。即ち
乳剤Em−1の粒子成長における工程3で、表−1に示す
金属を、水溶液として、約1分かけて添加した。その他
はEm−2と同じとした。なお表−1中、A+Bの如く示
すのは両者の併用を示し、添加量は+をもって同順で示
した。
実施例で用いた増感色素は下記のとおりである。
以上の様にして得られた各々の乳剤に対し、化学増感
を施した。すなわち、まず乳剤を55℃に保った後、チオ
シアン酸アンモニウムと塩化金酸とハイポを加え、金−
硫黄増感を行った。増感終了後、4−ヒドロキシ−6−
メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを加えた。その
後、170mg/モルAgXのKI溶液を加え、10分間撹拌した。
上記のようにして得た乳剤に、通常の安定剤を通常の
量、つまり4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデンを2×10-2モル/モルAgX加え、更に同
様に通常の抑制剤及びその他通常の安定剤、硬膜剤、塗
布助剤を通常の量加え、その後、この乳剤を支持体であ
るポリエチレンテレフタレートベースに以下の如く塗設
した。
すなわちグリシジルメタクリレート50wt%、メチルア
クリレート10wt%、ブチルメタクリレート40wt%の3種
のモノマーから成る共重合体を、その濃度が10wt%にな
るように希釈して得た共重合体水性分散液を下引き液と
してこれをポリエチレンテレフタレートベース上に塗設
し、このようにして得たフィルムベース上に、上記乳剤
を通常の帯電防止剤及び通常のマット剤、塗布助剤、硬
膜剤を含むゼラチン保護層と共に両面均一塗布、乾燥
し、試料No.1〜27を得た。
このとき、試料のAg量は、両面で4.3g/m2であり、ま
た、塗布されたゼラチン量は片面当り、3.23g/cm2であ
った。
得れた試料に対し、「新編・照明のデータブック」
(社団法人照明学会編第1版第2刷)第39頁に記載の標
準の光Bを光源とし露光時間1秒で、3.2CMSでノンフィ
ルターで露光する白色露光を行った。
この試料をコニカ(株)製SRX−501自動現像機を用
い、XD−SR現像処理液で45秒処理を行い、各試料の感度
を求めた。感度は露光によって、黒化濃度が1.0だけ増
加するのに必要な光量の逆数として求めた。試料No.1の
感度を100とした相対値で表す。
次に、黒化濃度で求めた。即ち、相対湿度40%、温度
23℃の条件下で2時間調湿した試料を、曲率半径4mmで1
80゜折り曲げる。次いで、前記同様に現像を行い(但し
露光は行わない)、得られた試料について折曲げて黒化
の生じた部分の濃度を測定し黒化の生じていない部分と
の濃度差(ΔD)を求めた。結果を表−1にまとめて記
す。
また、各試料の鮮鋭性について、次のように評価を行
った。即ち、血管の入った頭部ファントームを、管電圧
70kVp、管電流350mAの条件で撮影し、前記条件で現像処
理を行い、得られた画像について評価を行った。評価は
目視で行い、1(劣)〜5(優)の5段階で表し、表−
1に示した。評価5〜3は問題ないが、1,2では実用に
耐えない。
表−1より理解されるように、本発明に従えば、所望
の鮮鋭性を有しながら圧力黒化のないハロゲン化銀写真
感光材料を提供することができることがわかる。
〔発明の効果〕 上述のごとく、本発明によれば、鋭鮮性が良好で、し
かも耐圧性能(特に圧力黒化に対する性能)を改良した
ハロゲン化銀写真感光材料を提供することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
    て、 上記感光性ハロゲン化銀乳剤層を構成する乳剤が、 そのハロゲン化銀粒子生成の開始から、脱塩工程の終了
    までの間に、分光増感色素を添加して得られたものであ
    って、かつ、該粒子が、周期律表第III B族及びVIII族
    から選ばれる少なくとも1つの金属を含有しているもの
    であり、かつ、該粒子は二層以上の多層構造をもつもの
    である乳剤 を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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