JPH05204068A - 感光性ハロゲン化銀乳剤の製造方法 - Google Patents

感光性ハロゲン化銀乳剤の製造方法

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JPH05204068A
JPH05204068A JP17607592A JP17607592A JPH05204068A JP H05204068 A JPH05204068 A JP H05204068A JP 17607592 A JP17607592 A JP 17607592A JP 17607592 A JP17607592 A JP 17607592A JP H05204068 A JPH05204068 A JP H05204068A
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emulsion
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gelatin
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JP17607592A
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Hubert Vandenabeele
ウベール・ヴァンダナベール
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Agfa Gevaert NV
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ハロゲン化銀乳剤の製造法及びかかる乳剤の
層を組入れた写真材料の製造法を提供する。 【構成】 保護コロイドとして作用するコロイドシリカ
の存在下にハロゲン化銀を沈澱させた後、感光性ハロゲ
ン化銀乳剤の凝析、洗浄及び再分散法を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ハロゲン化銀がシリカのコロイ
ド媒体中で沈澱させられている感光性ハロゲン化銀乳剤
を凝析し、洗浄し、再分散する方法及びかかる乳剤の層
を組入れた写真材料に関する。
【0002】感光性ハロゲン化銀乳剤は、従来より水性
銀塩溶液例えば硝酸銀と水性アルカリ金属ハロゲン化物
溶液とを反応させて、保護コロイドの存在下にハロゲン
化銀の沈澱を生ぜしめることによって作られる。所望平
均粒度まで物理熟成し、洗浄した後、別の量の保護コロ
イドを加え、かくして乳剤に化学熟成を受けさせること
ができる。
【0003】最も普通に使用される保護コロイドはゼラ
チンであり、これは被覆後充分なゲル強度を示す熱可逆
性重合体である。多くの利点を有しているが、従来のゼ
ラチン−ハロゲン化銀乳剤層は、像処理中処理液を吸収
し、そして放出したときかなりの膨潤及び続いての収縮
を受ける。処理条件下での寸法安定性のこの欠如は像品
質に悪影響を与えうる。
【0004】特にハロゲン化銀結晶上に吸着され、かつ
それを取り巻くゼラチンの効果は、現像特性、例えば銀
フイラメントの立体的分布及び関連した被覆力に対する
基本的な欠点である。乾燥被覆と湿潤被覆の間で得られ
る写真特性における差はこの関係で説明できる。
【0005】更に処理液のかなり遅い吸収及び放出によ
り、従来のゼラチン−ハロゲン化銀層は、しばしば要求
される極度に急速な処理に合致できない。
【0006】良好な水透過性を有するが、処理条件下で
従来のゼラチン−ハロゲン化銀層よりも大なる寸法安定
性を有する感光性層を形成するため、ゼラチンの代りに
又はゼラチンに加えて使用するための多くの種類の成分
が提案されている。これらの提案された成分には、種々
の天然フイルム形成物質及び合成樹脂、例えばポリエチ
レングリコール、ポリビニルピロリドン、澱粉及び澱粉
誘導体を含む。これらの先行技術の結合剤の大部分は感
光性層の機械的又は写真的性質に一つ又は別の悪い効果
を有する。特にそれらは光感度を低下させる傾向があ
る。
【0007】ハロゲン化銀乳剤中の保護コロイド結合剤
として従来技術で提案された物質にコロイドシリカがあ
る。このコロイドは光感度に悪影響を有しないか又は少
ない、そして英国特許第1276894号に記載されて
いる如く、結合剤として種々の割合のシリカゾルと共に
ゼラチンを含有するハロゲン化銀乳剤は、同じ厚さの従
来のゼラチン−ハロゲン化銀乳剤層よりも水性処理液で
処理したとき膨潤する傾向が少ない。
【0008】しかしながら物理的安定性の理由のため、
シリカゾルの濃度を制限する必要が、例えば乳剤から形
成した写真層の改良された寸法安定性についてみてゾル
の使用から誘導できる利点を限定している。
【0009】ヨーロッパ特許第0392092号には、
乳剤の許容し得ない物理的不安定性を生ぜしめることな
く、ハロゲン化銀乳剤の製造における保護コロイドとし
て使用するシリカゾルの量を増大することが記載されて
いる。
【0010】その記載によれば、保護コロイドとして作
用するコロイドシリカの存在下にハロゲン化銀を沈澱さ
せて感光性ハロゲン化銀乳剤を製造する方法であり、沈
澱を、乳剤安定化効果を有するオニウム化合物の存在下
に生起させることを特徴とする方法が提案されている。
【0011】沈澱後、乳剤は凝析し、洗浄しなければな
らない。ゼラチン質媒体の凝析は、例えばアルコール又
は塩によって行うことができる、或いは乳剤が充分な量
の酸凝析性ゼラチン誘導体又は水素架橋形成アニオン性
重合体化合物を含有するときには等電点までpHを下げ
るため酸を加えることによって行うことができる。水素
架橋形成アニオン性重合体化合物の良く知られている例
には、普通に使用されるポリスチレンスルホン酸及びス
チレンのスルホン化共重合体がある。フタロイル又はN
−フエニルカルバモイルゼラチンの如き酸凝析性ゼラチ
ン誘導体を使用でき、乳剤を凝析させるため正しい値に
pHを調整することが必要なだけである。
【0012】凝析法は例えば米国特許第2614928
号、第2614929号及び第2728662号に記載
されている。
【0013】不幸にしてこれらの普通の方法は、ハロゲ
ン化銀をシリカ媒体中で沈澱させたハロゲン化銀乳剤に
適用できない。これらの濃度、温度及びpHの情況で
は、必要な透明な上澄液を得ることは不可能であり、そ
の濁度が傾瀉による許容し得ない銀損失を生ぜしめる。
更に洗浄工程は非定量的な凝析の場合には意義を有しな
い。
【0014】シリカ中で作ったハロゲン化銀乳剤に対す
る凝析の別の方法がヨーロッパ特許第0392092号
に記載されており、これには高速遠心分離、透析及び超
濾過による脱塩工程を含んでいる。これらの方法は技術
的に複雑であるばかりでなく、更に膜上にシリカの殆ど
除去できない付着が形成され、その寿命を短縮すること
が実験的に見出されている。
【0015】本発明の目的は、脱塩工程におけるばかり
でなく、細分散段階及び続く被覆のための準備の乳剤の
製造段階においても、多くの著しい利点を与えるシリカ
媒体中で沈澱させたハロゲン化銀のための比較的簡単で
しかも効率的な凝析法を提供することにある。
【0016】本発明によれば、保護コロイドとして作用
するコロイドシリカの存在下にハロゲン化銀を沈澱する
工程、形成された沈澱を凝析洗浄する工程及びハロゲン
化銀を再分散する工程を含む感光性ハロゲン化銀乳剤を
製造する方法を提供し、この方法は凝析を、シリカ粒子
と凝析しうる凝集体を形成するのに充分な量で、水素架
橋形成性重合体化合物の存在下に行うことを特徴とす
る。
【0017】実験の範囲から、凝集剤として各種の水素
架橋形成性重合体、例えばゼラチン、ポリエチレンオキ
サイド、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、ポリビ
ニルアルコール等及びこれらの2種以上の組合せが使用
できることを見出した。好ましい実施態様においては、
ゼラチンを凝集剤として使用する。
【0018】凝集剤の量はそれぞれの特定の場合に応じ
て最適にすることができる。量は再分散が生ずるように
してはならない。
【0019】一般にシリカゾルに対して例えば凝集剤1
〜40重量%、好ましくは10〜40重量%の量が定量
的に良好な凝集体を生ぜしめ、これは砂様構造を有し、
決して粘着現象を示さないので、例えば導管を通して便
利な方法で輸送できる。沈澱の段階で通常使用されるシ
リカの量は、使用する硝酸銀100重量部に対して2〜
20重量部を含む。この方法は実に多くの利点を提供す
る、例えばこの砂様凝集体の凍結乾燥によって粉末状ハ
ロゲン化銀結晶を作ることさえできる。
【0020】一方例えば40重量%より多い量では一般
に再分散を生ぜしめ、従って脱塩法を不可能にする。
【0021】本発明によればハロゲン化銀乳剤は次の工
程で作られる:
【0022】(a) 4より大なるpHを有する水性シリカ
媒体中でハロゲン化銀を沈澱させる、シリカは存在する
唯一の保護コロイドであるのが好ましい。
【0023】(b) ハロゲン化銀乳剤のpHを1.0〜
4.0、好ましくは2.5〜3の値に調整する。
【0024】(c) 乳剤容器に凝集剤として水素架橋形成
性重合体を加える。
【0025】(d) 水素架橋形成後凝集体の形成をさせ
る。
【0026】(e) 例えばサイホン又は傾瀉によって透明
上澄液を除去する。
【0027】(f) 凝集体を撹拌する、例えば弱い水素架
橋を破壊から防ぎ、良く形成された砂様構造凝集体の破
壊を避けるため、洗浄水を加える間又は加えた後、おだ
やかな速度で回転するスクレープラダーで凝集体を撹拌
する。
【0028】(g) pHを1.0〜4.0、好ましくは
2.5〜3.0に再調整する。
【0029】(h) 透明上澄液を除去する。
【0030】(i) 必要ならば(f) 〜(h) の工程を繰返
し、所望のpAg値要件に合致させる。
【0031】(j) 過剰の保護コロイド又は水素架橋形成
性重合体を加え、増大した速度で凝集体を撹拌して凝集
体の再分散を生ぜしめる。
【0032】再分散の段階での保護コロイドの選択は以
後の処理条件例えば化学熟成、スペクトル増感、安定化
及び被覆への準備の如き条件によって決る。
【0033】全体的工程は高温又は低温で行いうること
は明らかである。時間を節約するためには沈澱の終了時
に分散液を冷却することを必要としない。
【0034】凝集体を再分散するため、被覆要件によっ
て決る量が何であれ、過剰の元の凝集剤を使用できる。
しかしながら凝集剤として前述した水素架橋形成性重合
体以外のコロイドを凝集体を再分散するに当って使用で
きる。
【0035】シリカの存在下におけるハロゲン化銀の沈
澱の段階での保護コロイドとしてゼラチンを使用しない
とき、反応容器の温度は、ジエリー構造及び非保護ハロ
ゲン化銀結晶を危険にさらすことなく低下させることが
できる。
【0036】本発明の好ましい実施態様において、シリ
カゾルは再分散の段階で加えるとよく、ハロゲン化銀に
対するシリカゾルの重量比は調整できる。例えばヨーロ
ッパ特許第0392092号では、被覆工程前又は被覆
工程中に、乳剤に補充硬化剤の添加を避けることを望む
ときには、最も好ましい形であるとして1.0を越える
値さえも記載している。被覆前及び被覆中安定コロイド
系を形成するため相溶性ある成分の組合せを使用すると
よい。
【0037】出発点として沈澱後ゼロ(0)のゼラチン
対硝酸銀であるとき、硝酸銀に対するゼラチンの重量比
は、凝析洗浄された乳剤を再分散する段階又は再分散後
の段階で、ゼラチン、シリカ及び/又は好適な重合体の
適合量を加えて調整できる。ゼラチンを用いない被覆さ
え、特に紙下塗被覆又は基体上に、することができる。
【0038】ハロゲン化銀粒子の平均粒度は0.01〜
7μmであることができる。
【0039】本発明により作られた写真乳剤のハロゲン
化銀粒子の粒度分布は均質分散又は不均質分散であるこ
とができる。均質分散は、粒子の95%が、平均粒度か
ら30%より大きく偏差していない粒子を有するとき得
られる。
【0040】本発明によれば、写真ハロゲン化銀は、温
度、濃度、添加順序、及び添加速度の部分的に又は完全
に制御された条件の下でシリカ媒体中でハロゲン化物及
び銀溶液を混合することにより作ることができる。本発
明を実施するに当って使用すべきハロゲン化銀は、正常
混合、逆混合、二重ジエツト、変換、コア/シエル法等
を適用して作ることができる。
【0041】好適な製造法は、例えば Macmillan 19
77年発行、T. H. James 著、TheTheory of the Ph
otographic Process 第4版;パリーの Paul Montel
1967年発行、P. Glafkides 著、Chimie et Phy
sique Photographique;ロンドンの The Focal Pres
s 1966年発行、G. F. Duffin 著、Photographic
Emulsion Chemistry ;及びロンドンの The Focal
Press 1966年発行、V. L. Zelikman 著、 Making
and Coating Photographic Emulsion に記載され
ている。
【0042】本発明による写真乳剤のハロゲン化銀粒子
は規則的結晶形、例えば立方晶又は八面体晶又は転移形
を有することができる。又球形又は板状形の如き不規則
形も得ることができる。さもなければ乳剤結晶は、前記
規則結晶形と不規則結晶形の混合物を含む複合結晶形を
有することができる。
【0043】ハロゲン化銀粒子は多層粒子構造を有する
こともできる。結晶は例えばRh3+、Ir4+、Cd2+
Zn2+、Pb2+の如きドープ剤でドープすることができ
る。ハロゲン化銀の組成に関して制限はなく、塩化銀、
臭化銀、沃化銀及び任意の組合せを使用できる。
【0044】別々に形成した2種以上の異なるハロゲン
化銀乳剤を本発明により使用するため混合してもよい。
【0045】沈澱中粒子生長抑制剤又は促進剤を加える
ことができる。超微粒子ハロゲン化銀結晶を作るために
は粒子生長抑制剤を必要としないが、例えば反応容器中
の温度が高いとき、それを加えることが有用であること
ができる。例えばフエニルメルカプトテトラゾールの如
き生長抑制剤の存在下に超微細粒子を製造するとき、こ
れらの抑制剤はハロゲン化銀結晶面に強力に吸着され、
洗浄工程でそれらを除去することが不可能でなくても非
常に困難であり、被覆後写真特性へのそれらの影響が接
続されることを知るべきである。従ってこれは避けるの
が好ましい。超微細乳剤は、オストワルド熟成又は再結
晶工程の使用をする製造法において種結晶として作用で
きる。
【0046】通常のシリカゾルが本発明による方法に好
適である。好適なシリカゾルは、 Syton シリカゾル
( Monsanto Inorganic Chemicals Div. の商標製
品)、Ludex シリカゾル( duPont de Nemours & C
o. Inc. の商標製品)、Nalco 及び Nalcoag シリカゾ
ル( Nalco Chemical Co. の商標製品)及び Kiesels
ol、タイプ100、200、300、500及び600
( Bayer AG の商標製品)の如く市場で入手できる。
【0047】本発明により作られた感光性ハロゲン化銀
乳剤は、再分散後、いわゆる基本(Primitive )乳剤で
ある。しかしながら本発明により作った感光性ハロゲン
化銀乳剤は、例えば前述した P. Glafkides の Chimie
et Physique Photographique ;前述した G. F. Duf
fin の Photographic Emulsion Chemistry;前述した
V. L. Zelikman の Making and Coating Photograp
hic Emulsion ;及びAkademische Verlagsgesellscha
ft 1968年発行、H. Frieser 編、Die Grundlagen
der Photographischen Prozesse mit Silberhalo
genidenに記載されている如く化学的に増感することが
できる。前記文献に記載されている如く、化学増感は、
硫黄を含有する化合物例えばチオサルフエート、チオシ
アネート、チオ尿素、サルフアイト、メルカプト化合
物、及びローダニンの少量の存在下に熟成を行うことに
よって実施できる。乳剤は又金−硫黄熟成剤により又は
還元剤例えば英国特許第789823号に記載されてい
る如き錫化合物、アミン、ヒドラジン誘導体、ホルムア
ミジン−スルフイン酸、及びシラン化合物により増感す
ることもできる。化学増感は少量のIr、Rh、Ru、
Pb、Cd、Hg、Tl、Pd、Pt、又はAuで行う
こともできる。これらの化学増感法の一つ又はそれらの
組合せを使用できる。混合は、それらを混合する前に化
学的に増感された2種以上の別々に沈澱させた乳剤から
作ることもできる。
【0048】感光性ハロゲン化銀乳剤は、John Wiley
& Sons 1964年発行、F. M. Hamer 著、The Cyani
ne Dyes and Related Compounds に記載されている
ものの如きメチン染料でスペクトル増感できる。スペク
トル増感のために使用できる染料にはシアニン染料、メ
ロシアニン染料、錯体シアニン染料、錯体メロシアニン
染料、ホモポーラーシアニン染料、ヘミシアニン染料、
スチリル染料及びヘミオキソノール染料を含む。特に価
値ある染料は、シアニン染料、メロシアニン染料、錯体
メロシアニン染料に属するものである。
【0049】それ自体は何らスペクトル増感活性を有し
ない他の染料、又は実質的に可視放射線を吸収しない或
る種の他の化合物が、それらを乳剤中に前記スペクトル
増感剤と共に混入したとき超増感効果を有することがで
きる。好適な超増感剤には、例えば米国特許第3457
078号に記載されている如き少なくとも一つの電気陰
性置換基を含有する複素環式メルカプト化合物、例えば
米国特許第2933390号及び第3635721号に
記載されている如き窒素含有複素環式環置換アミノスチ
ルベン化合物、例えば米国特許第3743510号に記
載されている如き芳香族有機酸/ホルムアルデヒド縮合
生成物、カドミウム塩及びアザインデン化合物がある。
【0050】本発明により作ったハロゲン化銀乳剤に、
かぶりの形成を防止する化合物又は写真材料の製造もし
くは貯蔵中又はその写真処理中写真特性を安定化する化
合物を加えることができる。多くの既知の化合物を、か
ぶり防止剤として又は安定剤としてハロゲン化銀乳剤に
加えることができる。好適な例には、例えば複素環式窒
素含有化合物例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミ
ダゾール、ニトロベンズイミダゾール、クロロベンズイ
ミダゾール、ブロモベンズイミダゾール、メルカプトチ
アゾール、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトベ
ンズイミダゾール、メルカプトチアジアゾール、アミノ
トリアゾール、ベンゾトリアゾール(好ましくは5−メ
チル−ベンゾトリアゾール)、ニトロベンゾトリアゾー
ル、メルカプトテトラゾール、特に1−フエニル−5−
メルカプトテトラゾール、メルカプトピリミジン、メル
カプトトリアジン、ベンゾチアゾリン−2−チオン、オ
キサゾリン−チオン、トリアザインデン、テトラザイン
デン及びペンタザインデン、特に Z. Wiss. Phot. 第
47巻(1952年)第2頁〜第58頁に Birr によっ
て記載されているもの、トリアゾロピリミジン例えば英
国特許第1203757号、英国特許第1209146
号、特開昭50−39537号、及び英国特許第150
0278号に記載されているもの、及び他の化合物例え
ばベンゼンチオスルホン酸、ベンゼンチオスルフイン
酸、ベンゼンチオスルホン酸アミドがある。かぶり防止
化合物として使用できる他の化合物には、例えば水銀又
はカドミウム塩の如き金属塩及び Research Disclosur
e No.17643(1978年)第 VI 章に記載されて
いる化合物がある。
【0051】かぶり防止剤又は安定剤はハロゲン化銀乳
剤に、その化学熟成前、中又は後に加えることができ、
これらの化合物の2種以上の混合物を使用できる。
【0052】本発明により製造したハロゲン化銀乳剤
は、良く知られた方法により写真ハロゲン化銀材料を形
成するため、支持体上に被覆される一つ以上のハロゲン
化銀乳剤層を形成するのに使用できる。
【0053】本発明の写真材料は、写真乳剤層中に又は
少なくとも一つの他の親水性コロイド層中に各種の界面
活性剤を含有できる。好適な界面活性剤には、サポニ
ン、アルキレンオキサイド例えばポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコー
ル縮合生成物、ポリエチレングリコールアルキルエーテ
ルもしくはポリエチレングリコールアルキルアリールエ
ーテル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレ
ングリコールソルビタンエステル、ポリアルキレングリ
コールアルキルアミンもしくはアルキルアミド、シリコ
ーン−ポリエチレンオキサイドアダクト、グリシドール
誘導体、多価アルコールの脂肪酸エステル及びサツカラ
イドのアルキルエステルの如き非イオン界面活性剤;カ
ルボキシ、スルホ、ホスホ、硫酸もしくはリン酸エステ
ル基の如き酸基を含有するアニオン界面活性剤;アミノ
酸、アミノアルキルスルホン酸、アミノアルキルサルフ
エートもしくはホスフエート、アルキルベタイン、及び
アミン−N−オキサイドの如き両性界面活性剤;及びア
ルキルアミン塩、脂肪族、芳香族もしくは複素環式四級
アンモニウム塩、脂肪族もしくは複素環式環含有ホスホ
ニウムもしくはスルホニウム塩の如きカチオン界面活性
剤を含む。かかる界面活性剤は種々の目的のため、例え
ば被覆助剤として、帯電防止化合物として、滑性改良化
合物として、分散乳化を容易にする化合物として、接着
を防止又は減ずる化合物として、及び写真特性例えば高
コントラスト、増感及び現像促進を改良する化合物とし
て使用できる。
【0054】現像促進は、種々の化合物、好ましくは例
えば米国特許第3038805号、第4038075
号、第4292400号に記載されている如き少なくと
も400の分子量を有するポリアルキレン誘導体の助け
によって達成できる。
【0055】本発明の写真材料は更に各種の他の添加
剤、例えば後述する如き写真材料の寸法安定性を改良す
る化合物、紫外線吸収剤、スペーシング剤、硬化剤及び
可塑剤を含有できる。
【0056】写真材料の結合剤は、特に使用する結合剤
がゼラチンであるとき、適切な硬化剤例えばエポキサイ
ド系のもの、エチレンイミン系のもの、ビニルスルホン
系のもの例えば1,3−ビニルスルホニル−2−プロパ
ノール、クロム塩例えば酢酸クロム及びクロム明ばん、
アルデヒド例えばホルムアルデヒド、グリオキサール及
びグルタルアルデヒド、N−メチロール化合物例えばジ
メチロール尿素及びメチロールジメチルヒダントイン、
ジオキサン誘導体例えば2,3−ジヒドロキシ−ジオキ
サン、活性ビニル化合物例えば1,3,5−トリアクリ
ロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、活性ハロゲン
化合物例えば2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−
トリアジン、及びムコハロゲン酸例えばムコクロル酸及
びムコフエノキシクロル酸で硬化できる。これらの硬化
剤は単独で又は組合せて使用できる。結合剤は又急速反
応性硬化剤例えばカルバモイルピリジニウム塩で硬化す
ることもできる。
【0057】乳剤は任意の好適な基体例えば好ましくは
熱可塑性樹脂例えばポリエチレンテレフタレート又はポ
リエチレン被覆紙支持体上に被覆できる。
【0058】しかしながら、シリカゾルとは別に、追加
の保護コロイドを沈澱中に存在させるか又は再分散中に
又は後に加えるときには、写真材料の寸法安定性を改良
するのに好適な添加剤、例えば水溶性又は殆ど可溶性で
ない合成重合体例えばアルキル(メタ)アクリレート、
アルコキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステ
ル、アクリロニトリル、オレフイン及びスチレンの重合
体、又は前記とアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不
飽和ジカルボン酸、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、
スルホアルキル(メタ)アクリレート、及びスチレンス
ルホン酸の共重合体の分散液を加えることができる。
【0059】本発明による乳剤中に混入するのに好適な
可塑剤には、例えばグリコール、グリセリン、又はポリ
ビニルアセテート、低級アルコールのアクリレート及び
メタクリレート例えばポリエチルアクリレート及びポリ
ブチルメタクリレートを含む中性フイルム形成性重合体
のラテツクスがある。
【0060】好適な紫外線吸収剤には、例えば米国特許
第3533794号に記載されている如きアリール置換
ベンゾトリアゾール化合物、米国特許第3314794
号及び第3352681号に記載されている如き4−チ
アゾリドン化合物、特開昭46−2784号に記載され
ている如き4−チアゾリドン化合物、米国特許第370
5805号及び第3707375号に記載されている如
きシンナム酸エステル、米国特許第4045229号に
記載されている如きブタジエン化合物、及び米国特許第
3700455号に記載されている如きベンゾキサゾー
ル化合物がある。
【0061】一般にスペーシング剤の平均粒度は0.2
〜10μmに含まれる。スペーシング剤はアルカリに可
溶性又は不溶性であることができる。アルカリ不溶性ス
ペーシング剤は、写真材料中に通常永久的に残り、一方
アルカリ可溶性スペーシング剤は通常アルカリ性処理浴
中でそこから除去される。好適なスペーシング剤は例え
ばポリメチルメタクリレート、アクリル酸とメチルメタ
クリレートの共重合体、及びヒドロキシプロピルメチル
セルロースヘキサヒドロフタレートから作ることができ
る。他の好適なスペーシング剤は米国特許第46147
08号に記載されている。
【0062】写真ハロゲン化銀乳剤は各種の写真材料、
例えばグラフイツクアート用及びいわゆる素人及び職業
写真用写真材料、拡散転写反転写真材料、低速及び高速
写真材料、X線写真材料に使用できる。
【0063】下記実施例は本発明を説明する。百分率は
他に特記せぬ限り重量%である。
【0064】実施例 1 75mlの15%シリカゾルである Kieselsol 500
( Bayer AG の商標製品)、粒子生長促進剤として2.
5gの3,6−ジチオ−1,8−オクタンジオール及び
50mlの1%安定化スルホニウム化合物を含有する容
器中で単一ジエツト法で、沃化銀2.0モル%を含有す
る写真沃臭化銀乳剤を作った。温度は55℃で安定化し
た。得られた乳剤は、150ml/分の一定速度で3モ
ルの硝酸銀を加えた後、分散液1Kgについて硝酸銀約
60gを含有する平均粒度0.5μmのものであった。
【0065】物理的熟成後、4.8の元のpH値を塩酸
で2.5〜3.0の値に調整した。
【0066】15分後、シリカゾル100gについて1
0gのゼラチン(分子量+/−10000)を分散液に
加えた。この凝集剤の添加後撹拌を終了させた。
【0067】乳剤を凝析し、沈降後、サイホンによって
上澄液を除去した。
【0068】その後スクレープラダーを入れ、砂様構造
の定性的に良く処理しうる凝集体を4lの冷脱イオン水
を加えて洗った。速すぎる撹拌は形成された構造を悪く
すること、及び1Nの稀薄硫酸を徐々に加えることによ
ってpH値を約2.5〜3.0に再調整することが必要
であることを知ることが重要である。洗浄工程を2回繰
返した。
【0069】実施例 2(比較例 1) 凝集剤を加えないで、実施例1に記載した方法により写
真乳剤を作った。
【0070】実施例 3〜12 凝集剤として下記化合物を用いたこと以外は、実施例1
に記載した方法に従って写真乳剤を作った。
【0071】実施例 3 実施例1と同じ量でゼラチンを別の不活性種のゼラチン
で置換した、粘度はこの場合下った( Haake Rotavisc
o RV 2装置で測定して、40℃で10%溶液につい
て32.8mPasの代りに19.4mPas)。
【0072】実施例 4 実施例3におけるのと同じ種類のゼラチンを量を増大さ
せて、硝酸銀に対するゼラチンの重量比0.15に上昇
させた、これは沈澱の終了時にゼラチン質媒体中での沈
澱の普通の値に近似している。
【0073】実施例 5 シリカ100gについて、ゼラチンの代りに、式 (−CH2 −CH2 −NH−) に相当する反復単位を有するポリエチレン6.6g( D
ow Chemical からの Montrek 600商標製品)を加
えた。
【0074】実施例 6 シリカ100gについてゼラチンの代りに、式 (−CH2 −CH2 −O−) に相当する反復単位を有するポリエチレンオキサイド
( Union Carbide からのPolyox WSR N3000の
商標製品)(分子量約600+/−100)を加えた。
【0075】実施例 7 シリカ100gについて、6.6gのポリエチレンイミ
ン(実施例5参照)6.6gと下記式の化合物32gの
混合物を使用した。
【0076】
【化1】
【0077】実施例 8 シリカ100gについて、凝集剤として実施例7の有機
ナトリウム塩(ポリエチレンイミンを用いずに)32g
の溶液を用いた。
【0078】実施例 9 実施例8と同じ生成物の同じ量を13gのポリアクリル
酸ナトリウム塩13gと混合した。この生成物は LYTRO
N 889として知られており、これは下記式の反復単位
を有する Monsanto 商標製品である。
【0079】
【化2】
【0080】各実施例に対し沈降速度を測定し、cm/
分で表示した。それぞれC、LC、VCの略記号で表示
した濁度(透明、僅かに曇り、非情な曇り)の定性的判
定と共に、結晶を表1に示す。凝集後で各洗浄法の前の
pHは前述した如く2.5〜3.0の値に調整した。
【0081】 表1:沈降速度(cm/分)及び濁度(C、LC、VC) ─────────────────────────────── 実施例 No. 母 液 第1回洗浄 第2回洗浄 ─────────────────────────────── 1 20 C 20 C 15 C 2(比較) 0 VC − − − − 3 8 LC 9 LC 7.5 LC 4(比較) 8 VC 10 VC 15 VC 5 7 C 6 LC 4 LC 6 6 LC 3 LC 1.5 VC 7 8 LC 6 LC 1.5 VC 8 5 LC 4 LC 2 LC 9 5 C 4 LC 2 LC ───────────────────────────────
【0082】明らかに最良の結果は実施例1の不活性ゼ
ラチンを用いて得ることができる。洗浄回数を増大し、
乳剤のため高度の脱塩を生ぜしめると、沈降速度の低下
が生ずる。許容しうる結果はポリエチレンイミンを用い
ても得ることができる。比較実施例2(凝集剤使用せ
ず)はヨーロッパ特許第0392092号に従って非常
に安定なコロイドが形成されることを示している。60
時間後でさえも凝析は殆ど見られなかった。過剰のゼラ
チンの添加(実施例4)はペプチ化した形で残るコロイ
ドを示している。
【0083】凝集が生起する有効性の例は母液及び各洗
浄工程後得られた上澄液の分析によって与えることがで
きる。シリカの量(mg/l)を容器に対して表2に示
す、これは比較のため、沈澱の最終容積に相当する容積
に達するような量で沈澱前に出発容積に水を加えた後測
定した(表1の実施例1について、これは800mlの
ほぼ最終容積にすることを意味する)。この比較例以外
に、分析測定は第1回ないし第4回洗浄工程後の上澄液
に対して行った。
【0084】
【表1】
【0085】表2は、シリカがハロゲン化銀結晶表面で
定量的に吸着されることを示し、シリカの損失は母液に
おいて1〜2%に限定され、洗浄後0.5%未満にさえ
限定されている。従って凝集法は定量的で信頼性あるも
のと考えることができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護コロイドとして作用するコロイドシ
    リカの存在下にハロゲン化銀を沈澱する工程、形成した
    沈澱を凝析洗浄する工程及びハロゲン化銀乳剤を再分散
    する工程を含む感光性ハロゲン化銀乳剤の製造方法にお
    いて、凝析を、シリカ粒子と凝析しうる凝集体を形成す
    るのに充分な量で、シリカと水素架橋を形成しうる重合
    体の存在下に生起させることを特徴とする感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 凝集剤として作用し、水素架橋を形成す
    る重合体が、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリ
    エチレンイミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコー
    ル又はポリスチレンスルホン酸又はこれらの2種以上の
    組合せであることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 凝集剤が、シリカゾルに対して1〜40
    重量%の量で存在することを特徴とする請求項1又は2
    の方法。
  4. 【請求項4】 凝集剤がゼラチンであり、シリカゾルに
    対して10〜40重量%の量で存在することを特徴とす
    る請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 コロイドシリカが200〜600m2
    gの比表面積を有することを特徴とする請求項1〜4の
    何れか1項の方法。
  6. 【請求項6】 凝集剤の添加前及び後でかつ各洗浄工程
    後、pH値を1.0〜4.0の値に調整することを特徴
    とする請求項1〜5の何れか1項の方法。
  7. 【請求項7】 pH値を2.5〜3.0の値に調整する
    ことを特徴とする請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 コロイドシリカの添加により沈澱したハ
    ロゲン化銀を再分散する工程を更に含むことを特徴とす
    る請求項1〜7の何れか1項の方法。
  9. 【請求項9】 ゼラチンの添加により沈澱したハロゲン
    化銀を再分散する工程を含むことを特徴とする請求項1
    〜8の何れか1項の方法。
  10. 【請求項10】 (a) 4より上のpHを有する水性シリ
    カ媒体中でハロゲン化銀を沈澱する工程、(b) ハロゲン
    化銀乳剤のpHを1.0〜4.0の値に調整する工程、
    (c) 乳剤容器に凝集剤として水素架橋形成重合体を加え
    る工程、(d) 水素架橋形成後凝集体の形成を可能にする
    工程、(e) 透明上澄液を除去する工程、(f) 凝集体を洗
    浄する工程、(g) pHを1.0〜4.0の値に再調整す
    る工程、(h) 透明上澄液を除去する工程、(i) 必要なら
    ばf〜hの工程を繰返して所望のpAg値要求に合致さ
    せる工程、(j) 保護コロイド又は水素架橋形成重合体を
    加えることにより凝集体の再分散を生ぜしめる工程 を含むことを特徴とする感光性ハロゲン化銀乳剤の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 化学及び/又はスペクトル増感の工程
    及び支持体上に乳剤を被覆して写真材料を形成する工程
    を更に含むことを特徴とする請求項1〜10の何れか1
    項の方法。
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