JP2660506B2 - ハロゲン化銀写真乳剤 - Google Patents
ハロゲン化銀写真乳剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】
I 発明の背景
技術分野
本発明はハロゲン化銀写真乳剤に関するものであり、
特に保存性の改良されたハロゲン化銀写真乳剤に関す
る。 先行技術とその問題点 ハロゲン化銀写真感光材料に使用するハロゲン化銀
は、一般に所望の感度、階調等を得るために化学増感さ
れる。 その方法としては、すなわち、銀イオンと反応し得る
硫黄を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、
還元性物質を用いる還元増感法、金その他の貴金属化合
物を用いる貴金属増感法などを単独または組合せて用い
る方法が知られている。硫黄増感剤としては、チオ硫酸
塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類、その他
の化合物を用いることができ、それらの具体例は、米国
特許第1,574,944号、同第2,410,689号、同第2,278,947
号、同第2,728,668号、同第3,656,955号、同第4,030,92
8号、同第4,067,740号に記載されている。還元増感剤と
しては第一すず塩、アミン塩、ヒドラジン誘導体、ホル
ムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いるこ
とができ、それらの具体例は米国特許第2,487,850号、
同第2,419,974号、同第2,518,698号、同第2,983,609
号、同第2,983,610号、同第2,694,637号、同第3,930,86
7号、同第4,054,458号に記載されている。貴金属増感の
ためには金錯塩のほか、白金、イリジウム、パラジウム
等の周期律表VIII族の金属の錯塩を用いることができ、
その具体例は米国特許第2,399,083号、同第2,448,060号
英国特許第618,061号などに記載されている。 また、これらのよく知られた増感技術に加えて、 チオシアン酸塩、 チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3,021,215
号等)、 チオン化合物(例えば、特公昭59−11892号、特開昭5
3−144319号等)、 イミノ化合物(例えば、特開昭56−1042号、同57−82
833号等)、 ベンゼンスルフィン酸類、 ベンゼンチオスルホン酸類、 N−ハロゲン化合物(例えば、特公昭51−41056号
等) 等の化合物を併用してさらに増感させたり、カブリの発
生を抑制するといった研究が続けられてきた。 これらの化学増感剤や化学増感補助剤は、添加した量
のすべてが反応し切るものでは無いため、化学増感が、
いつまでも進行していく。このため所望の写真性に到達
した時点で、化学増感を止めるために、これまでは、反
応環境の変化による反応抑制(例えば、温度低下、pH,p
Agの変化等)に加えて、安定剤やカブリ防止剤とよばれ
る有機複素環化合物、例えば、アザインデン類(特に、
4−ヒドロキシ−6−メチル−1、3,3a,7−テトラザイ
ンデン)、アゾール類(例えば、ベンズイミダゾール
類、ベンズトリアゾール類、ベンズチアゾリウム類
等)、メルカプト化合物(例えば、メルカプトテトラゾ
ール類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトベンズ
イミダゾール類、メルカプトプリン類等)やシアニン色
素、メロシアニン色素といった分光増感色素ないし減感
色素等の化合物を添加していた。 しかし、これらの化合物を加えて化学増感の進行を止
めたといっても、未反応の化学増感剤や化学増感補助剤
は、ハロゲン化銀乳剤中に残留しているので、化学増感
を施したハロゲン化銀乳剤を支持体上に塗布するまで
に、冷蔵庫に保存している間や、溶解して支持体上に塗
布されるまで加温されている間(いわゆる溶解経時と呼
ばれるもの)や、支持体上に塗布されたハロゲン化銀感
光材料が、保存されている間に、写真性が経時変化して
いくことが多々ある。 これらの事から、ハロゲン化銀乳剤の保存性の改良が
強く望まれていた。 II 発明の目的 本発明の目的は、保存性の改良されたハロゲン化銀写
真乳剤を提供することにある。 III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。 すなわち、本発明は化学増感剤で化学熟成され、化学
熟成終了後塗布までの間に多孔性吸着剤で未反応の化学
増感剤の除去処理が施されていることを特徴とするハロ
ゲン化銀写真乳剤である。 IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。 本発明では、ハロゲン化銀乳剤を製造する工程におい
て、支持体上にハロゲン化銀乳剤を塗布するまでに、ハ
ロゲン化銀乳剤を多孔性吸着剤で処理しており、本発明
のハロゲン化銀写真感光材料にはこのような処理をした
ハロゲン化銀乳剤を用いる。 ここでいう多孔性吸着剤で処理するとは、多孔性吸着
剤をハロゲン化銀乳剤にバッチ式に添加し撹拌混合した
後、多孔性吸着剤を濾過して除去する工程、あるいは、
多孔性吸着剤を吸着床や吸着筒に充填しておいて、連続
式にハロゲン化銀乳剤をにそこに通過させる工程を指
し、本発明ではこれらの工程のいずれをも用いることが
できる。 多孔性吸着剤の使用量は、吸着剤の性能(例えば、種
類、形状、吸着能力、吸着容量等)と、対象とするハロ
ゲン化銀乳剤の内容(例えば、化学増感剤の種類、使用
量等)により適宜選択することができる。 例えば、バッチ式の場合にはハロゲン化銀乳剤1Kg当
り0.05gないし100gの添加量の範囲で用いることがで
き、連続式の場合には通過するハロゲン化銀乳剤の総量
に対する吸着剤の量と考えればバッチ式と同様の範囲で
用いることができる。 また、処理温度はハロゲン化銀乳剤が液体化する温度
(約30℃)より高い温度とすればよく、処理時間は、バ
ッチ式、連続式とも1分以上の適当な時間とすればよ
い。 本発明における多孔性吸着剤での処理時期は、化学熟
成終了後ないし塗布直前までに行うが、化学熟成終了直
後に行うのが最も好ましい。 本発明においては、用いた化学増感剤や化学補助剤の
未反応部分の一部または大部分を取り除いて本発明の効
果を得るものである。従って、従来用いられてきた安定
剤、カブリ防止剤、色素等を添加して化学増感の進行を
阻止する方法とは異なるものといえる。 本発明においては、ハロゲン化銀乳剤を製造する際に
本発明の方法のみを単独に用いてもよいが、従来の安定
剤(特に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン)、カブリ防止剤、色素等を添加する方
法と併用するのが好ましい。 本発明でいう多孔性吸着剤とは、表面積の大きな多孔
質の固型吸着剤(吸着媒ともいわれる)であり、具体的
には、 活性炭、活性アルミナ、 活性白土、シリカ系吸着剤(耐水性のものが好まし
い)、 ゼオライト系吸着剤、多孔質ガラス、多孔質セラミッ
ク 等の無機質多孔性の吸着剤である。 これらの中では、活性炭が最も好ましい。 形状は、粉末状、粒状、繊維状、膜状等があるが、適
宜取り扱い易いものを選択すればよい。 また、大きさはハロゲン化銀乳剤に用いるハロゲン化
銀粒子よりも大きい必要がある。 というのは、ハロゲン化銀乳剤を多孔性吸着剤で処理し
た後、乳剤中に多孔性吸着剤が残留することが多く、残
留しても弊害のないものもあるが、一般には濾過するな
どして多孔性吸着剤を乳剤から除去する必要があるから
である。 これらの多孔性吸着剤は、一般に市販に供されてお
り、目的に応じたものを容易に入手できる。 本発明において、写真乳剤には、ハロゲン化銀として
臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、沃化銀およ
び塩化銀のいずれを用いてもよい。 粒子サイズ分布はせまくても広くてもいずれでもよ
い。 写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、
14面体、斜方12面体のような規則的(regular)な結晶
体を有するものでもよく、また球状、板状などのような
変則的(irregular)な結晶形をもつもの、あるいはこ
れらの結晶形の複合形をもつものでもよい。種々の結晶
形の粒子の混合から成ってもよい。 ハロゲン化銀粒子は内部と表層とが異なる相をもって
いても、均一な相から成っていてもよい。 また、例えばPbOの様な酸化物結晶と塩化銀の様なハ
ロゲン化銀結晶を結合させた、接合型ハロゲン化銀結
晶、エピタキシャル成長をさせたハロゲン化銀結晶(例
えば臭化銀上に塩化銀、沃臭化銀、沃化銀等をエピタキ
シャルに成長させる。)、六方晶形、沃化銀に正六面体
の塩化銀が配向重複した結晶などでもよい。 また、写真乳剤中のハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分
布は任意であるが単分散であってもよい。ここで単分散
とは95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、好ま
しくは40%以内のサイズに入る分散系である。ここで数
平均粒子サイズとはハロゲン化銀粒子の投影面積径の数
平均直径である。 本発明において写真乳剤はピー グラフキデス(P.Gl
afkides)著シミー エ フィジク フォトグラフィッ
ク(Chimie et Physique Photographique)、ポール
モンテル(Paul Montel)社刊(1967年)、ジー エフ
デュフィン(G.F.Duffin)著フォトグラフィック エ
マルジョン ケミストリー(Photographic Emulsion Ch
emistry)、ザ フォーカル プレス(The Focal Pres
s)刊(1966年)、ヴィ エル ツェリクマン他著(V.
L.Zelikman et al)メーキング アンド コーティング
フォトグラフィック エマルジョン(Making and Coa
ting Photographic Emulsion)、ザ フォーカル プレ
ス(The Focal Press)刊(1964年)などに記載された
方法を用いて調製することができる。すなわち、酸性
法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては
片側混合法、同時混合法、それらの組合せなどのいずれ
を用いてもよい。 粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(い
わゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の
一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpA
gを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド
・ダブルジエット法を用いることもできる。 この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均
一に近いハロゲン化銀乳剤がえられる。 別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合し
て用いてもよい。 ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程におい
て、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄
塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。また、それら
の添加量は、目的とする感光材料に応じて少量でも多量
でもよい。 沈澱形成後あるいは物理熟成後の乳剤から可溶性塩類
を除去するためにはゼラチンをゲル化させて行なうヌー
デル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性
界面活性剤、アニオン性ポリマー(たとえばポリスチレ
ンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(たとえばア
シル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)を利用
した沈降法(フロキュレーション法)を用いてもよい。 ハロゲン化銀乳剤は、化学増感される。化学増感のた
めには、例えばエイチ フリーザー(H.Frieser)編デ
ィー グルンドラーゲン デェア フォトグラフィッシ
ェン プロツェッセ ミット ジルバーハロゲニデン
(Die Grundlagen der Photographischen Prozesse mit
Silberhalogeniden)、アカデミッシェ フェアラーグ
スゲゼルシャフト(Akademische Verlagtgesellschaf
t)(1968)675〜734頁に記載の方法を用いることがで
きる。 すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る硫黄を含む
化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト
化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;還元性
物質(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導
体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)を用
いる還元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほ
か、Pt,Ir,Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を用
いる貴金属増感法などを単独または組合せて用いること
ができる。 これらの具体例については、前述の通りである。 本発明において写真乳剤には、感光材料の製造工程、
保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは
写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有さ
せることができる。 すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾリウム塩、
ニトロインダゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリア
ゾール類、ベンズイミダゾール類(特にニトローまたは
ハロゲン置換体);ヘテロ環メルカプト化合物類たとえ
ばメルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾー
ル類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−
フェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカプト
ピリミジン類;カルボキシル基やスルホン基などの水溶
性基を有する上記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオ
ケト化合物たとえばオキサゾリンチオン;アザインデン
類たとえばテトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ
置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類);ベンゼンチ
オスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸;などのような
カブリ防止剤または安定剤として知られた多くの化合物
を加えることができる。 詳しくは、イー ジー ビル(E.J.Birr)著、スタビ
リゼーション オブ フォトグラフィック ジルバーハ
ライド エマルジョンズ(Stabilization of Photograp
hic Silver Halide Emulsions)、フォーカル プレス
(Focal Press)刊(1974年)等を参照すればよい。 本発明で調製したハロゲン化銀乳剤を用いてハロゲン
化銀写真感光材料を作成するのに使用されるカラーカプ
ラー、バインダー、硬膜剤、マット剤、界面活性剤、退
色防止剤、増感色素、染料、ポリマーラテックス、支持
体等に関しては特に制限はなく、例えばリサーチ・ディ
スクロージャー誌第176巻21〜31頁(1978年12月)の記
載を参考にすることができる。 V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、ハロゲン化銀乳剤を製造する工程に
おいて、化学熟成終了後、支持体上にハロゲン化銀乳剤
を塗布するまでに、ハロゲン化銀乳剤を多孔性吸着剤で
処理しているため、保存性の改良されたハロゲン化銀写
真感光材料が得られる。 VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明の効果を
さらに詳細に説明する。 実施例1 70℃に保った臭化カリウムを含有するゼラチン水溶液
を激しく撹拌しながら、アンモニアを添加した後、硝酸
銀水溶液と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液
とを同時に添加した。 このようにして、平均粒子サイズが約0.8μの沃臭化
銀乳剤(沃度5モル%)を得た。 次いで、常法に従ってフロキュレーション法により水
洗、脱塩した後、pHとpAgを各々6.5と8.9に調整した
後、62℃に加温し、ハロゲン化銀1モル当り、5−ベン
ジリデン−3−プロピルローダニン4.8mg、塩化金酸2.0
mg、チオシアン酸カリウム68mg、テトラメチルチオ尿素
4.2mgおよびベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム1.4mg
を添加し、55分間熟成した。 次いで、40℃に温度を下げてから小分けし、ハロゲン
化銀乳剤200g当り、表1に示すように多孔性吸着剤(活
性炭)を添加し、10分間撹拌した後、直ちに、ミクロフ
ィルターで3回濾過し活性炭をハロゲン化銀乳剤から取
り除いた。 こうして得られた乳剤に、下記の増感色素、カプラ
ー、安定化剤、ゼラチン硬化剤および塗布助剤を添加し
た後、セルロースアセテートフィルム支持体上に塗布し
乾燥させた。 また、多孔性吸着剤で処理しない乳剤を用いて上記と
同様に塗布し乾燥させた。 このようにして表1に示す試料1〜4を作成した。 増感色素;5,5′−ジクロロ−3,3′−ジ−(γ−スルホ
プロピル)−9−エチル−オキサカルボシアニンナトリ
ウム塩 安定化剤;4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン カプラー;1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
〔3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)−アセトア
ミド〕ベンツアミド−5−ピラゾロン ゼラチン硬化剤;2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−
トリアジンナトリウム 塗布助剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ これらの試料を光楔を通して露光し(1/100秒)、次
いで下記カラー現像処理した。 処理工程 1.カラー現像 2分45秒(38℃) 2.漂白 6分30秒 3.水洗 3分15秒 4.定着 6分30秒 5.水洗 3分15秒 6.安定 3分15秒 各工程に用いた処理液組成は下記のものである。 カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸ナトリウム 30.0g 臭化カリ 1.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−βヒドロキシエチルアミノ)−
2−メチル−アニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1 漂白液 臭化アンモニウム 160.0g アンモニア水(28%) 25.0ml エチレンジアミン−四酢酸ナトリウム鉄塩 130g 氷酢酸 14ml 水を加えて 1 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1 安定液 ホルマリン 8.0ml 水を加えて 1 また、塗布試料を未露光のまま、45℃、相対湿度(R
H)80%の雰囲気に3日間保存したあと同様に露光、現
像処理した。 これらの結果を表1に示す。 なお、相対感度は、カブリ値+0.2の光学濃度を得る
のに要する露光量の逆数の相対値で表わし、試料1の塗
布直後のそれを100とした。 表1より、本発明の処理によって保存による感度の低
下が小さく、塗布試料の経時性が改良されることが明白
である。 実施例2 60℃に保ったゼラチン水溶液を激しく撹拌しながら、
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを添加した後、硝
酸銀水溶液と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶
液とを同時に添加した。添加の間、pAgを8.1に保った。 得られた乳剤は、単分散で、14面体が多い平均粒子サ
イズが約0.5μの沃臭化銀乳剤(沃度3モル%)であっ
た。 次いで、常法に従ってフロキュレーション法により水
洗、脱塩した後pHとpAgを各々6.5と8.7に調整し、ハロ
ゲン化銀1モル当りチオ硫酸ナトリウム6.2mg、塩化金
酸4.5mg、チオシアン酸カリウム80mgおよびベンゼンチ
オスルフォン酸ナトリウム1.8mgを添加し、65℃で40分
間熟成した。 次いで、40℃に温度を下げて2分し、一方はそのま
ま、一方は、乳剤500g当り活性炭を1.5g添加して10分間
撹拌し、ミクロフィルターで3回濾過し活性炭をハロゲ
ン化銀乳剤から取り除いたあと、4−ヒドロキシ−6−
メチル−(1,3,3a,7)テトラザインデンを同量ずつ(0.
72g)添加した。 これらの2つの乳剤にそれぞれドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ(塗布助剤)および2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム(ゼラチン硬化
剤)を加えて、セルロースアセテートフィルム支持体上
に塗布して乾燥し、試料を得た。この場合活性炭を添加
しない乳剤を用いたものを試料5、添加した乳剤を用い
たものを試料6とする。これらの試料を光楔を介して露
光し、コダック処方D−19現像液で20℃で10分間現像し
たあと停止、定着した。 さらに、上記2つの乳剤を冷蔵庫中に90日間保存した
あと、同様の添加物を加えて塗布し、同様の露光、現像
処理を行った。 この場合、試料5に対応するものを試料5′、試料6
に対応するものを試料6′とする。 この結果を表2に示す。 なお、相対感度は実施例1の定義に従って表わし、試
料5のそれを100とした。 表2より明らかな様に、本発明の方法により化学増感
済みの固型乳剤の冷蔵庫中での保存性が改良されている
ことがわかる。
特に保存性の改良されたハロゲン化銀写真乳剤に関す
る。 先行技術とその問題点 ハロゲン化銀写真感光材料に使用するハロゲン化銀
は、一般に所望の感度、階調等を得るために化学増感さ
れる。 その方法としては、すなわち、銀イオンと反応し得る
硫黄を含む化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、
還元性物質を用いる還元増感法、金その他の貴金属化合
物を用いる貴金属増感法などを単独または組合せて用い
る方法が知られている。硫黄増感剤としては、チオ硫酸
塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類、その他
の化合物を用いることができ、それらの具体例は、米国
特許第1,574,944号、同第2,410,689号、同第2,278,947
号、同第2,728,668号、同第3,656,955号、同第4,030,92
8号、同第4,067,740号に記載されている。還元増感剤と
しては第一すず塩、アミン塩、ヒドラジン誘導体、ホル
ムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いるこ
とができ、それらの具体例は米国特許第2,487,850号、
同第2,419,974号、同第2,518,698号、同第2,983,609
号、同第2,983,610号、同第2,694,637号、同第3,930,86
7号、同第4,054,458号に記載されている。貴金属増感の
ためには金錯塩のほか、白金、イリジウム、パラジウム
等の周期律表VIII族の金属の錯塩を用いることができ、
その具体例は米国特許第2,399,083号、同第2,448,060号
英国特許第618,061号などに記載されている。 また、これらのよく知られた増感技術に加えて、 チオシアン酸塩、 チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3,021,215
号等)、 チオン化合物(例えば、特公昭59−11892号、特開昭5
3−144319号等)、 イミノ化合物(例えば、特開昭56−1042号、同57−82
833号等)、 ベンゼンスルフィン酸類、 ベンゼンチオスルホン酸類、 N−ハロゲン化合物(例えば、特公昭51−41056号
等) 等の化合物を併用してさらに増感させたり、カブリの発
生を抑制するといった研究が続けられてきた。 これらの化学増感剤や化学増感補助剤は、添加した量
のすべてが反応し切るものでは無いため、化学増感が、
いつまでも進行していく。このため所望の写真性に到達
した時点で、化学増感を止めるために、これまでは、反
応環境の変化による反応抑制(例えば、温度低下、pH,p
Agの変化等)に加えて、安定剤やカブリ防止剤とよばれ
る有機複素環化合物、例えば、アザインデン類(特に、
4−ヒドロキシ−6−メチル−1、3,3a,7−テトラザイ
ンデン)、アゾール類(例えば、ベンズイミダゾール
類、ベンズトリアゾール類、ベンズチアゾリウム類
等)、メルカプト化合物(例えば、メルカプトテトラゾ
ール類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトベンズ
イミダゾール類、メルカプトプリン類等)やシアニン色
素、メロシアニン色素といった分光増感色素ないし減感
色素等の化合物を添加していた。 しかし、これらの化合物を加えて化学増感の進行を止
めたといっても、未反応の化学増感剤や化学増感補助剤
は、ハロゲン化銀乳剤中に残留しているので、化学増感
を施したハロゲン化銀乳剤を支持体上に塗布するまで
に、冷蔵庫に保存している間や、溶解して支持体上に塗
布されるまで加温されている間(いわゆる溶解経時と呼
ばれるもの)や、支持体上に塗布されたハロゲン化銀感
光材料が、保存されている間に、写真性が経時変化して
いくことが多々ある。 これらの事から、ハロゲン化銀乳剤の保存性の改良が
強く望まれていた。 II 発明の目的 本発明の目的は、保存性の改良されたハロゲン化銀写
真乳剤を提供することにある。 III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。 すなわち、本発明は化学増感剤で化学熟成され、化学
熟成終了後塗布までの間に多孔性吸着剤で未反応の化学
増感剤の除去処理が施されていることを特徴とするハロ
ゲン化銀写真乳剤である。 IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。 本発明では、ハロゲン化銀乳剤を製造する工程におい
て、支持体上にハロゲン化銀乳剤を塗布するまでに、ハ
ロゲン化銀乳剤を多孔性吸着剤で処理しており、本発明
のハロゲン化銀写真感光材料にはこのような処理をした
ハロゲン化銀乳剤を用いる。 ここでいう多孔性吸着剤で処理するとは、多孔性吸着
剤をハロゲン化銀乳剤にバッチ式に添加し撹拌混合した
後、多孔性吸着剤を濾過して除去する工程、あるいは、
多孔性吸着剤を吸着床や吸着筒に充填しておいて、連続
式にハロゲン化銀乳剤をにそこに通過させる工程を指
し、本発明ではこれらの工程のいずれをも用いることが
できる。 多孔性吸着剤の使用量は、吸着剤の性能(例えば、種
類、形状、吸着能力、吸着容量等)と、対象とするハロ
ゲン化銀乳剤の内容(例えば、化学増感剤の種類、使用
量等)により適宜選択することができる。 例えば、バッチ式の場合にはハロゲン化銀乳剤1Kg当
り0.05gないし100gの添加量の範囲で用いることがで
き、連続式の場合には通過するハロゲン化銀乳剤の総量
に対する吸着剤の量と考えればバッチ式と同様の範囲で
用いることができる。 また、処理温度はハロゲン化銀乳剤が液体化する温度
(約30℃)より高い温度とすればよく、処理時間は、バ
ッチ式、連続式とも1分以上の適当な時間とすればよ
い。 本発明における多孔性吸着剤での処理時期は、化学熟
成終了後ないし塗布直前までに行うが、化学熟成終了直
後に行うのが最も好ましい。 本発明においては、用いた化学増感剤や化学補助剤の
未反応部分の一部または大部分を取り除いて本発明の効
果を得るものである。従って、従来用いられてきた安定
剤、カブリ防止剤、色素等を添加して化学増感の進行を
阻止する方法とは異なるものといえる。 本発明においては、ハロゲン化銀乳剤を製造する際に
本発明の方法のみを単独に用いてもよいが、従来の安定
剤(特に、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデン)、カブリ防止剤、色素等を添加する方
法と併用するのが好ましい。 本発明でいう多孔性吸着剤とは、表面積の大きな多孔
質の固型吸着剤(吸着媒ともいわれる)であり、具体的
には、 活性炭、活性アルミナ、 活性白土、シリカ系吸着剤(耐水性のものが好まし
い)、 ゼオライト系吸着剤、多孔質ガラス、多孔質セラミッ
ク 等の無機質多孔性の吸着剤である。 これらの中では、活性炭が最も好ましい。 形状は、粉末状、粒状、繊維状、膜状等があるが、適
宜取り扱い易いものを選択すればよい。 また、大きさはハロゲン化銀乳剤に用いるハロゲン化
銀粒子よりも大きい必要がある。 というのは、ハロゲン化銀乳剤を多孔性吸着剤で処理し
た後、乳剤中に多孔性吸着剤が残留することが多く、残
留しても弊害のないものもあるが、一般には濾過するな
どして多孔性吸着剤を乳剤から除去する必要があるから
である。 これらの多孔性吸着剤は、一般に市販に供されてお
り、目的に応じたものを容易に入手できる。 本発明において、写真乳剤には、ハロゲン化銀として
臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、沃化銀およ
び塩化銀のいずれを用いてもよい。 粒子サイズ分布はせまくても広くてもいずれでもよ
い。 写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、
14面体、斜方12面体のような規則的(regular)な結晶
体を有するものでもよく、また球状、板状などのような
変則的(irregular)な結晶形をもつもの、あるいはこ
れらの結晶形の複合形をもつものでもよい。種々の結晶
形の粒子の混合から成ってもよい。 ハロゲン化銀粒子は内部と表層とが異なる相をもって
いても、均一な相から成っていてもよい。 また、例えばPbOの様な酸化物結晶と塩化銀の様なハ
ロゲン化銀結晶を結合させた、接合型ハロゲン化銀結
晶、エピタキシャル成長をさせたハロゲン化銀結晶(例
えば臭化銀上に塩化銀、沃臭化銀、沃化銀等をエピタキ
シャルに成長させる。)、六方晶形、沃化銀に正六面体
の塩化銀が配向重複した結晶などでもよい。 また、写真乳剤中のハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分
布は任意であるが単分散であってもよい。ここで単分散
とは95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、好ま
しくは40%以内のサイズに入る分散系である。ここで数
平均粒子サイズとはハロゲン化銀粒子の投影面積径の数
平均直径である。 本発明において写真乳剤はピー グラフキデス(P.Gl
afkides)著シミー エ フィジク フォトグラフィッ
ク(Chimie et Physique Photographique)、ポール
モンテル(Paul Montel)社刊(1967年)、ジー エフ
デュフィン(G.F.Duffin)著フォトグラフィック エ
マルジョン ケミストリー(Photographic Emulsion Ch
emistry)、ザ フォーカル プレス(The Focal Pres
s)刊(1966年)、ヴィ エル ツェリクマン他著(V.
L.Zelikman et al)メーキング アンド コーティング
フォトグラフィック エマルジョン(Making and Coa
ting Photographic Emulsion)、ザ フォーカル プレ
ス(The Focal Press)刊(1964年)などに記載された
方法を用いて調製することができる。すなわち、酸性
法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、また可
溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形式としては
片側混合法、同時混合法、それらの組合せなどのいずれ
を用いてもよい。 粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(い
わゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の
一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpA
gを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド
・ダブルジエット法を用いることもできる。 この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均
一に近いハロゲン化銀乳剤がえられる。 別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合し
て用いてもよい。 ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程におい
て、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄
塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。また、それら
の添加量は、目的とする感光材料に応じて少量でも多量
でもよい。 沈澱形成後あるいは物理熟成後の乳剤から可溶性塩類
を除去するためにはゼラチンをゲル化させて行なうヌー
デル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性
界面活性剤、アニオン性ポリマー(たとえばポリスチレ
ンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(たとえばア
シル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)を利用
した沈降法(フロキュレーション法)を用いてもよい。 ハロゲン化銀乳剤は、化学増感される。化学増感のた
めには、例えばエイチ フリーザー(H.Frieser)編デ
ィー グルンドラーゲン デェア フォトグラフィッシ
ェン プロツェッセ ミット ジルバーハロゲニデン
(Die Grundlagen der Photographischen Prozesse mit
Silberhalogeniden)、アカデミッシェ フェアラーグ
スゲゼルシャフト(Akademische Verlagtgesellschaf
t)(1968)675〜734頁に記載の方法を用いることがで
きる。 すなわち、活性ゼラチンや銀と反応し得る硫黄を含む
化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト
化合物類、ローダニン類)を用いる硫黄増感法;還元性
物質(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導
体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物)を用
いる還元増感法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほ
か、Pt,Ir,Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を用
いる貴金属増感法などを単独または組合せて用いること
ができる。 これらの具体例については、前述の通りである。 本発明において写真乳剤には、感光材料の製造工程、
保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは
写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有さ
せることができる。 すなわちアゾール類たとえばベンゾチアゾリウム塩、
ニトロインダゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリア
ゾール類、ベンズイミダゾール類(特にニトローまたは
ハロゲン置換体);ヘテロ環メルカプト化合物類たとえ
ばメルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾー
ル類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチ
アジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−
フェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカプト
ピリミジン類;カルボキシル基やスルホン基などの水溶
性基を有する上記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオ
ケト化合物たとえばオキサゾリンチオン;アザインデン
類たとえばテトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ
置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類);ベンゼンチ
オスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸;などのような
カブリ防止剤または安定剤として知られた多くの化合物
を加えることができる。 詳しくは、イー ジー ビル(E.J.Birr)著、スタビ
リゼーション オブ フォトグラフィック ジルバーハ
ライド エマルジョンズ(Stabilization of Photograp
hic Silver Halide Emulsions)、フォーカル プレス
(Focal Press)刊(1974年)等を参照すればよい。 本発明で調製したハロゲン化銀乳剤を用いてハロゲン
化銀写真感光材料を作成するのに使用されるカラーカプ
ラー、バインダー、硬膜剤、マット剤、界面活性剤、退
色防止剤、増感色素、染料、ポリマーラテックス、支持
体等に関しては特に制限はなく、例えばリサーチ・ディ
スクロージャー誌第176巻21〜31頁(1978年12月)の記
載を参考にすることができる。 V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、ハロゲン化銀乳剤を製造する工程に
おいて、化学熟成終了後、支持体上にハロゲン化銀乳剤
を塗布するまでに、ハロゲン化銀乳剤を多孔性吸着剤で
処理しているため、保存性の改良されたハロゲン化銀写
真感光材料が得られる。 VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明の効果を
さらに詳細に説明する。 実施例1 70℃に保った臭化カリウムを含有するゼラチン水溶液
を激しく撹拌しながら、アンモニアを添加した後、硝酸
銀水溶液と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶液
とを同時に添加した。 このようにして、平均粒子サイズが約0.8μの沃臭化
銀乳剤(沃度5モル%)を得た。 次いで、常法に従ってフロキュレーション法により水
洗、脱塩した後、pHとpAgを各々6.5と8.9に調整した
後、62℃に加温し、ハロゲン化銀1モル当り、5−ベン
ジリデン−3−プロピルローダニン4.8mg、塩化金酸2.0
mg、チオシアン酸カリウム68mg、テトラメチルチオ尿素
4.2mgおよびベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム1.4mg
を添加し、55分間熟成した。 次いで、40℃に温度を下げてから小分けし、ハロゲン
化銀乳剤200g当り、表1に示すように多孔性吸着剤(活
性炭)を添加し、10分間撹拌した後、直ちに、ミクロフ
ィルターで3回濾過し活性炭をハロゲン化銀乳剤から取
り除いた。 こうして得られた乳剤に、下記の増感色素、カプラ
ー、安定化剤、ゼラチン硬化剤および塗布助剤を添加し
た後、セルロースアセテートフィルム支持体上に塗布し
乾燥させた。 また、多孔性吸着剤で処理しない乳剤を用いて上記と
同様に塗布し乾燥させた。 このようにして表1に示す試料1〜4を作成した。 増感色素;5,5′−ジクロロ−3,3′−ジ−(γ−スルホ
プロピル)−9−エチル−オキサカルボシアニンナトリ
ウム塩 安定化剤;4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン カプラー;1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
〔3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)−アセトア
ミド〕ベンツアミド−5−ピラゾロン ゼラチン硬化剤;2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−
トリアジンナトリウム 塗布助剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ これらの試料を光楔を通して露光し(1/100秒)、次
いで下記カラー現像処理した。 処理工程 1.カラー現像 2分45秒(38℃) 2.漂白 6分30秒 3.水洗 3分15秒 4.定着 6分30秒 5.水洗 3分15秒 6.安定 3分15秒 各工程に用いた処理液組成は下記のものである。 カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸ナトリウム 30.0g 臭化カリ 1.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−βヒドロキシエチルアミノ)−
2−メチル−アニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1 漂白液 臭化アンモニウム 160.0g アンモニア水(28%) 25.0ml エチレンジアミン−四酢酸ナトリウム鉄塩 130g 氷酢酸 14ml 水を加えて 1 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1 安定液 ホルマリン 8.0ml 水を加えて 1 また、塗布試料を未露光のまま、45℃、相対湿度(R
H)80%の雰囲気に3日間保存したあと同様に露光、現
像処理した。 これらの結果を表1に示す。 なお、相対感度は、カブリ値+0.2の光学濃度を得る
のに要する露光量の逆数の相対値で表わし、試料1の塗
布直後のそれを100とした。 表1より、本発明の処理によって保存による感度の低
下が小さく、塗布試料の経時性が改良されることが明白
である。 実施例2 60℃に保ったゼラチン水溶液を激しく撹拌しながら、
3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを添加した後、硝
酸銀水溶液と、臭化カリウムと沃化カリウムの混合水溶
液とを同時に添加した。添加の間、pAgを8.1に保った。 得られた乳剤は、単分散で、14面体が多い平均粒子サ
イズが約0.5μの沃臭化銀乳剤(沃度3モル%)であっ
た。 次いで、常法に従ってフロキュレーション法により水
洗、脱塩した後pHとpAgを各々6.5と8.7に調整し、ハロ
ゲン化銀1モル当りチオ硫酸ナトリウム6.2mg、塩化金
酸4.5mg、チオシアン酸カリウム80mgおよびベンゼンチ
オスルフォン酸ナトリウム1.8mgを添加し、65℃で40分
間熟成した。 次いで、40℃に温度を下げて2分し、一方はそのま
ま、一方は、乳剤500g当り活性炭を1.5g添加して10分間
撹拌し、ミクロフィルターで3回濾過し活性炭をハロゲ
ン化銀乳剤から取り除いたあと、4−ヒドロキシ−6−
メチル−(1,3,3a,7)テトラザインデンを同量ずつ(0.
72g)添加した。 これらの2つの乳剤にそれぞれドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ(塗布助剤)および2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム(ゼラチン硬化
剤)を加えて、セルロースアセテートフィルム支持体上
に塗布して乾燥し、試料を得た。この場合活性炭を添加
しない乳剤を用いたものを試料5、添加した乳剤を用い
たものを試料6とする。これらの試料を光楔を介して露
光し、コダック処方D−19現像液で20℃で10分間現像し
たあと停止、定着した。 さらに、上記2つの乳剤を冷蔵庫中に90日間保存した
あと、同様の添加物を加えて塗布し、同様の露光、現像
処理を行った。 この場合、試料5に対応するものを試料5′、試料6
に対応するものを試料6′とする。 この結果を表2に示す。 なお、相対感度は実施例1の定義に従って表わし、試
料5のそれを100とした。 表2より明らかな様に、本発明の方法により化学増感
済みの固型乳剤の冷蔵庫中での保存性が改良されている
ことがわかる。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭58−14831(JP,A)
特開 昭50−126420(JP,A)
特公 昭26−2918(JP,B1)
特公 昭33−3474(JP,B1)
米国特許3782953(US,A)
米国特許2827428(US,A)
化学大辞典編集委員会編「化学大辞典
(第2巻)」(昭35−6−30)共立出
版、第437〜438頁
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.化学増感剤で化学熟成され、化学熟成終了後塗布ま
での間に多孔性吸着剤で未反応の化学増感剤の除去処理
が施されていることを特徴とするハロゲン化銀写真乳
剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60061430A JP2660506B2 (ja) | 1985-03-26 | 1985-03-26 | ハロゲン化銀写真乳剤 |
US07/073,127 US4845023A (en) | 1985-03-26 | 1987-08-19 | Silver halide photographic light-sensitive material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60061430A JP2660506B2 (ja) | 1985-03-26 | 1985-03-26 | ハロゲン化銀写真乳剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61219949A JPS61219949A (ja) | 1986-09-30 |
JP2660506B2 true JP2660506B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=13170842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60061430A Expired - Lifetime JP2660506B2 (ja) | 1985-03-26 | 1985-03-26 | ハロゲン化銀写真乳剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2660506B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2827428A (en) | 1955-03-21 | 1958-03-18 | Ionics | Photographic emulsion purification |
US3782953A (en) | 1971-09-20 | 1974-01-01 | Eastman Kodak Co | Purification of silver halide precipitates |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS551571B2 (ja) * | 1974-03-25 | 1980-01-16 | ||
JPS5814831A (ja) * | 1981-07-21 | 1983-01-27 | Konishiroku Photo Ind Co Ltd | 現像液中の現像阻害物質の除去方法 |
-
1985
- 1985-03-26 JP JP60061430A patent/JP2660506B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2827428A (en) | 1955-03-21 | 1958-03-18 | Ionics | Photographic emulsion purification |
US3782953A (en) | 1971-09-20 | 1974-01-01 | Eastman Kodak Co | Purification of silver halide precipitates |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
化学大辞典編集委員会編「化学大辞典(第2巻)」(昭35−6−30)共立出版、第437〜438頁 |
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---|---|
JPS61219949A (ja) | 1986-09-30 |
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