JP2660509B2 - ハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、ハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲ
ン化銀写真感光材料に関するものであり、特に保存性の
改良された高感度のハロゲン化銀写真感光材料に関す
る。 先行技術とその問題点 ハロゲン化銀写真感光材料に使用するハロゲン化銀
は、一般に所望の感度、階調等を得るために化学増感さ
れる。 その方法としては、銀イオンと反応し得る硫黄を含む
化合物や活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、還元性物質
を用いる還元増感法、金その他の貴金属化合物を用い貴
金属増感法などを単独または組合せて用いる方法が知ら
れている。硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素
類、チアゾール類、ローダニン類、その他の化合物を用
いることができ、それらの具体例は、米国特許第1,574,
944号、同第2,410,689号、同第2,278,947号、同第2,72
8,668号、同第3,656,955号、同第4,030,928号、同第4,0
67,740号に記載されている。還元増感剤としては第一す
ず塩、アミン塩、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンス
ルフィン酸、シラン化合物などを用いることができ、そ
れらの具体例は米国特許第2,487,850号、同第2,419,974
号、同第2,518,698号、同第2,983,609号、同第2,983,61
0号、同第2,694,637号、同第3,930,867号、同第4,054,4
58号に記載されている。貴金属増感のためには金錯塩の
ほか、白金、イリジウム、パラジウム等の周期律表VIII
族の金属の錯塩を用いることができ、その具体例は米国
特許第2,399,083号、同第2,448,060号、英国特許第618,
061号などに記載されている。 ところで、最近ハロゲン化銀乳剤の高感度化が所望さ
れているが、このような目的を達成するためには、上記
の化学増感法のなかでも、通常、硫黄増感剤と貴金属増
感剤、特に金増感剤とを組み合せて用いる金・硫黄増感
法の使用が必要不可欠とされている。 この場合、これらの増感剤の添加量は、化学増感され
るハロゲン化銀結晶粒子の状態(例えば、粒子サイズや
その分布、ハロゲン組成、晶壁等)や環境(例えば、バ
インダーの量、種類、pH、pAg、反応温度、反応時間
等)、さらには金増感の補助剤、(例えば、チオシアン
酸塩やチオエーテル化合物に代表される促進剤、チオス
ルフォン酸塩に代表されるカブリ抑制剤など)等ととも
に、実際に用いる硫黄増感剤と金増感剤の種類により決
定される。そして、その方法は当業者間では公知のこと
である。 しかし、これらの化学増感剤は、添加した量のすべて
が反応し切るものではなく、ハロゲン化銀乳剤中に残留
するのが通常である。このためこのようなハロゲン化銀
乳剤は感光材料の調製中あるいは保存中に変化して写真
性に経時変化を及ぼすことが多い。そしてこのような悪
影響は、ハロゲン化銀乳剤のバインダー相中に化学増感
剤が残留することによると予想される。 特に、バインダー相中に金増感剤が多いと、化学増感
後支持体上に塗布するまでの間や、塗布後においても、
経時とともに拡散等によりハロゲン化銀粒子相へ移動
し、経時による感度、階調、カブリなど、望ましくない
写真性の変化がおこり易い。 このような現象に対処するために、従来から、前述の
ような化学増感の条件を変化させたり、パラジウム錯塩
を併用すること等により、バインダー相中に残留する金
増感剤の量を減らす努力がなされてきたが、このような
方法ではまだ不十分である。 そして、後述の実施例に示すように、従来は添加した
金増感剤量の70%程度までが、ハロゲン化銀粒子相に移
るだけであった。 また、残留する化学増感剤による上述のような写真性
への悪影響は、特に表面潜像型のハロゲン化銀乳剤を使
用したときに著しい。 従って、表面潜像型のハロゲン化銀乳剤においてバイ
ンダー相中に残留する金増感剤の量を減少させて経時安
定性を良好にすることが必要である。 II 発明の目的 本発明の目的は、経時安定性に優れ、かつ高感度であ
る実質的に表面潜像型の金増感されたハロゲン化銀乳剤
及びそれを用いたハロゲン化銀写真感光材料を提供する
ことにある。 III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。 すなわち、本発明における第1の発明は、金増感され
た実質的に表面潜像型のハロゲン化銀乳剤であって、こ
の乳剤に残留金増感剤の除去処理が施されており(ただ
し、イオン交換樹脂処理と、多孔性吸着剤処理は除
く)、この乳剤が含有する金増感剤の80%以上が、ハロ
ゲン化銀粒子相に存在していることを特徴とするハロゲ
ン化銀乳剤である。 また、第2の発明は、金増感された実質的に表面潜像
型のハロゲン化銀乳剤であって、この乳剤に残留金増感
剤の除去処理が施されており(ただし、イオン交換樹脂
処理と、多孔性吸着剤処理は除く)、この乳剤が含有す
る金増感剤の80%以上が、ハロゲン化銀粒子相に存在し
ているハロゲン化銀乳剤を少なくとも一種含有した乳剤
層を少なくとも一層有していることを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料である。 第3の発明は、金増感された実質的に表面潜像型のハ
ロゲン化銀乳剤の層を少なくとも2層以上有するハロゲ
ン化銀写真感光材料であって、各乳剤に残留増感剤の除
去処理が施されており、この感光材料に含有される全て
の金増感剤の80%以上がハロゲン化銀粒子相に存在して
いることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料であ
る。 IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。 本発明のハロゲン化銀乳剤は、金増感された実質的に
表面潜像型のハロゲン化銀乳剤であって、この乳剤に含
有させた金増感剤の80%以上、好ましくは85%以上、よ
り好ましくは90%以上、特に好ましくは93%以上がハロ
ゲン化銀粒子相に存在している。 そして、本発明のハロゲン化銀写真感光材料はこのよ
うなハロゲン化銀乳剤を少なくとも一種含有した乳剤層
を少なくとも有する。 上記のように、ハロゲン化銀乳剤のバインダー相中に
残留する金増感剤の比率を低く抑えることにより本発明
の効果が得られる。また、4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラザインデンや1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾールおよびその誘導体に代表される、
いわゆる安定剤やカブリ防止剤の作用を顕著にすること
が可能となる。 一般にハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化アルカリと硝
酸銀とをゼラチン存在化で混合し、後述するいずれかの
公知技術でハロゲン化銀粒子を形成する段階、物理熟
成、冷却、洗浄、加熱、化学増感、固化するするための
冷却といった段階を含むプロセスにより調製される。化
学増感についてより明確にいえば、最初に形成されたハ
ロゲン化銀乳剤は、脱塩・水洗され新しいゼラチンに分
散され、pH、pAgを調整後、化学増感剤、典型的には金
増感剤、より好ましくは金増感剤と硫黄増感剤との混合
物を添加して化学増感される。化学増感された乳剤は種
々の添加物を加えた後、支持体上に塗布される。 本発明は、以下に示すような方法により、化学増感剤
添加後、化学増感された乳剤のバンイダー相に残存する
最初に添加された金増感剤の大部分を除去することによ
り達成される。過剰の金増感剤を除去する時期は、金増
感剤添加後乳剤塗布前であり、より好ましくは化学熟成
終了後、すなわち冷却開始後の期間である。 前述のようにバインダー相中に残留する金増感剤の量
を減少させる具体的な方法としては、以下の方法が挙げ
られるが、これらの方法に限定されるものではない。 詳しくは、リサーチ・ディスクロージャー誌12月号19
78年アイテム(Item)17643号、II A項に記載されてい
る方法のいくつかを、本発明の目的、即ち、ゼラチン相
中に残存する金増感剤を除去して、ハロゲン化銀粒子相
中の金が80%以上になるように改善して用いればよい。 (a)吸着 金増感剤添加後の乳剤を支持体上に塗布するまでに多
孔性吸着剤やイオン交換樹脂等で処理し、バインダー相
に残留する金増感剤を吸着除去する方法である。 ここでいう多孔性吸着剤とは、表面積の大きな多孔質
の固型吸着剤(吸着媒ともいわれる)であり、具体的に
は、 活性炭、活性アルミナ、 活性白土、シリカ系吸着剤(耐水性のものが好まし
い)、 ゼオライト系吸着剤、多孔質ガラス、多孔質セラミッ
ク 等の無機質多孔性の吸着剤である。 これらの中では、活性炭が最も好ましい。 また、イオン交換樹脂とは、具体的には、 陽イオン交換樹脂(例えば、商品名アンバーライトIR
−120;ロームアンド・ハース社製など)、 陰イオン交換樹脂(例えば、商品名ダイヤイオンSA−
21A;三菱化成社製、商品名ダウエックス1×8;ダウケミ
カル社製など)、 両性樹脂およびキレート樹脂(例えば、商品名ダイヤ
イオンCR−20;三菱化成社製など)である。 これらのイオン交換樹脂は、多種類のものが市販に供
されており、目的に応じたものを容易に入手することが
できる。 これらのなかでは、陰イオン交換樹脂、両性樹脂およ
びキレート樹脂が好ましく、陰イオン交換樹脂が最も好
ましい。 これらの吸着剤、イオン交換樹脂の具体的な使用方法
については、特願昭60−61429号および同60−61430号に
詳述されている。 (b)水洗 金増感剤添加後の乳剤を支持体上に塗布するまでに水
洗する方法である。 水洗方法は、公知のフロキュレーション法やヌードル
法を用いればよい。水洗は好ましくは30℃までの温度
で、特に好ましくは5〜25℃の温度で5〜60分、特には
10〜30分間行われる。この場合用いる水洗液は、水のみ
でもよく、ハロゲン化アルカリやチオシアン酸塩や亜硫
酸塩等を溶解した水溶液でもよい。 そのための手段としては古くから知られたゼラチンを
ゲル化させて行うヌードル水洗法を用いてもよく、また
多価アニオンよりなる無機塩類、例えば硫酸ナトリウ
ム、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例え
ばポリスチレンスルホン酸)、あるいはゼラチ誘導体
(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼラ
チン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用した
沈降法(フロキュレーション)を用いてもよい。可溶性
塩類除去の過程は省略してもよい。 (c)機械的方法 金増感剤添加後の乳剤を遠心分離法、液体サイクロン
法などの機械的方法で金増感剤が残留するバインダー相
を必要なだけ除き、新しく必要なバインダー量を追加す
る方法である。 遠心分離法、液体サイクロン法については例えば米国
特許第3,881,934号、英国特許第1,336,692号等を参照す
ることができる。 これらの方法は、単独で用いても、または組み合せて
用いてもよい。 ただし、先願特願昭60−61429号および同60−61430号
は、化学増感後イオン変換樹脂あるいは多孔性吸着剤処
理を行った乳剤に関するものである。そこで、この出願
では、これら先願との関係で、(a)のイオン交換樹脂
や多孔性吸着剤による吸着処理を行った乳剤と、それを
用いた感光材料は除かれる。ただし、感光材料が複数の
乳剤層を有し、この全乳剤層に処理を行うときには、
(a)の処理を全層について行っても、先願とは異なる
ので、(a)〜(c)のいずれであってもよい。 金増感剤のハロゲン化銀粒子相と、バインダー相との
分配比は、以下のような方法で測定することができる。 なお、ハロゲン化銀粒子相あるいはバインダー相に存
在する金増感剤の定量は、具体的には、比色分析法、原
子吸光法、ICP発光分光法、中性子放射化法、質量分析
法等によればよい。 より具体的には、下記の方法(i)、(ii)、(ii
i)などの操作を行って分析することができる。 (i)支持体上に塗布される以前のハロゲン化銀乳剤分
散物では、遠心分離法により、ハロゲン化銀粒子固相と
バインダー相とに分け、各々を前述の分析法で金増感剤
の量を定量する。 (ii)支持体上に塗布された塗布物では、水で膨潤させ
て酵素分解または酸分解によりハロゲン化銀乳剤を支持
体から剥離させた後、遠心分離法によりハロゲン化銀粒
子固相とバインダー相とに分けて、各々を前述の分析法
で金増感剤の量を定量する。 (iii)支持体上に塗布された塗布物では、塗布物をそ
のままチオ硫酸ナトリウムの稀薄水溶液(例えば、0.01
%水溶液)でハロゲン化銀が定着されないように注意し
ながら充分に洗浄すると、バインダー相中の金増感剤が
ほぼ全量洗い流されることが判っているので、チオ硫酸
ナトリウム浴処理前後の塗布物中の全金増感剤の量を定
量することで、ハロゲン化銀粒子固相とバインダー相と
の金増感剤の量が判明する。この(iii)の方法につい
て、詳しくは、ピー・エー・フェーレンズ(P.A.Falen
s)著、フォトグラフィッシュ コレスポンデンツ(Pho
tographische Korrespondenz)、104巻、137〜146頁(1
968年)に記載されている。 特に(iii)または(i)の方法で判定するのが好ま
しい。 本発明に用いる金増感剤としては、特に金錯塩(例え
ば、米国特許第2,399,083号明細書参照)を好ましく用
いることができる。これらのうち、クロロオーリックア
シッド(塩化金酸)、カリウムクロロオーレート、カリ
ウムオーリチオシアネート、オーリックトリクロライ
ド、ソディウムオーリチオサルフェート、およびオーリ
ック−5−スルホンベンゾチアゾール−2−スルフィド
クロライドが特に好適である。 金増感剤のハロゲン化銀粒子相中の含有量は、ハロゲ
ン化銀1モル当り10-9〜10-3モル、特に、10-8〜10-4
ルが好ましい。 本発明においては、金増感のみならず、硫黄増感を併
用することが好ましい。 用いる硫黄増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素
類、チアゾール類、ローダニン類、その他の化合物(具
体例;米国特許第1,574,944号、同第2,410,689号、同第
2,278,947号、同第2,728,668号、同第3,656,955号、同
第4,030,928号、同第4,067,740号に記載)等が挙げら
れ、これらのうちチオ硫酸塩、チオ尿素類およびローダ
ニン類が特に好適である。 本発明において少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層
に用いられるハロゲン化銀粒子は実質的に表面潜像型で
あることが好ましい。本発明で「実質的に表面潜像型で
ある」とは、感光材料を1〜1/100秒露光後、下記に示
す表面現像(A)及び内部現像(b)の方法で現像した
場合に、表面現像(A)で得られた感度が内部現像
(B)で得られた感度より大であることと定義される。
ここで感度とは次のように定義される。 Sは感度、Ehは最大濃度(Dmax)と最小濃度(Dmin)
の丁度中間の濃度1/2(Dmax+Dmin)を得るに要する露
光量を示す。 表面現像(A) 下記処方の現像液中で、温度20℃において3分間現像
する。 p−ヒドロキシ・フェニルグリシン 24 g 炭酸ナトリウム・一水塩 60.8g 塩化ナトリウム 2.8g 水を加えて 1 内部現像(B) 赤血塩3g/とフェノサフラニン0.0125g/を含む漂
白液中で約20℃で10分間処理し、次いで10分間水洗後、
下記処方の現像液中で、20℃において10分間現像する。 N−メチル−p−アミノフェノール(ヘミ硫酸塩) 5g ハイドロキノン 10g 無水悪硫酸ソーダ 75g メタホウ酸ナトリウム・四水塩 30g 苛性ソーダ 10g チオ硫酸ソーダ 3g 水を加えて 1 本発明の乳剤は、単独もしくは2種以上(例えばハロ
ゲン組成、粒子サイズ、金増感剤の種類、含有量などの
異なったもの)混合してハロゲン化銀乳剤層としてもよ
い。 また、本発明の乳剤に他の乳剤を本発明の効果を損な
わない程度に混合してもよい。 本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層は、単層
でも2層以上(例えば2層、3層)であってもよい。 また、特開昭61−29915号に記載の単分散の六角平板
状粒子からなる乳剤も好ましく用いることができる。 この乳剤は、分散媒とハロゲン化銀粒子とからなるハ
ロゲン化銀乳剤であって、このハロゲン化銀粒子の全投
影面積の70%以上が、最小の長さを有する辺の長さに対
する最大の長さを有する辺の長さの比が、2以下である
六角形であり、かつ、平行な2面を外表面として有する
平板状ハロゲン化銀によって占められており、さらに、
この六角平板状ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分布の変
動係数(その投影面積の円換算直径で表わされる粒子サ
イズのバラツキ(標準偏差)を、平均粒子サイズで割っ
た値)が20%以下の単分散性をもつものであり、アスペ
クト比は2.5以上で粒子サイズは0.2μm以上である。 このハロゲン化銀粒子は、核形成−オストワルド熟成
および粒子成長を経ることによって製造することができ
るが、その詳細は特願昭61−299155号の記載に従う。 このとき、各層は本発明の乳剤が単独でも2種以上混
合されたものであってもよい。 ここで各層は、互いに粒子サイズ、ハロゲン組成など
が異なっていてもよい。 2種以上の乳剤を用いた感光材料のとき、本発明の乳
剤を少なくとも1種用いてもよいが、より好ましくは、
感光材料の全金増感剤量の80%以上がハロゲン化銀粒子
層中に存在しているようにするのがよく、最も好ましい
のは、用いる乳剤がすべて、本発明の乳剤である。 また、ハロゲン化銀写真感光材料は、感色性の異なる
少なくとも3種の層(例えば青感性、赤感性、緑感性)
からなる乳剤層を有したものであってもよい。 本発明において、写真乳剤には、ハロゲン化銀として
臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀、沃化銀およ
び塩化銀のいずれを用いてもよい。 粒子サイズ分布はせまくても広くてもいずれでもよ
い。 写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、
14面体、菱12面体のような規則的(regular)な結晶体
を有するものでもよく、また球状、板状などのような変
則的(irregular)な結晶形をもつもの、あるいはこれ
らの結晶形の複合形をもつものでもよい。種々の結晶形
の粒子の混合から成ってもよい。また、粒子の直径がそ
の厚みの3倍以上、好ましくは5〜20倍の平板状粒子を
用いてもよい(ここで粒子の直径とは投影面積に等しい
面積の円の直径を、粒子の厚みとは2つの並行な面の距
離で表わされる。)。このとき平板状粒子が、全投影面
積の50%以上を占めるような乳剤として用いることがで
きる。詳しくは、米国特許第4,434,226号、同第4,439,5
20号、ヨーロッバ特許84,637A2,ガトフ著「フォトグラ
フィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング」
(Gutoff,Photographic Science and Engineering)、
第14巻、248〜257頁(1970年)、リサーチ・デイスクロ
ージャー誌、第225巻、No.22534(1983年1月)20〜58
頁などに記載されている。 ハロゲン化銀粒子は内部と表層とが異なる相をもって
いても、均一な相から成っていてもよい。 また、例えばPbOの様な酸化物結晶と塩化銀の様なハ
ロゲン化銀結晶を結合させた、接合型ハロゲン化銀結
晶、エピタキシャル成長をさせたハロゲン化銀結晶(例
えば臭化銀上に塩化銀、沃臭化銀、沃化銀等をエピタキ
シャルに成長させる。)、六方晶形、沃化銀に正六面体
の塩化銀が配向重複した結晶などでもよい。 また、写真乳剤中のハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分
布は任意であるが単分散であってもよい。ここで単分散
とは95%の粒子が数平均粒子サイズの±60%以内、好ま
しくは40%以内のサイズに入る分散形である。ここで数
平均粒子サイズとはハロゲン化銀粒子の投影面積径の数
平均直径である。 本発明において写真乳剤は、リサーチ・ディスクロー
ジャー誌アイテム(Item)17643,I,II項22頁右欄〜23頁
左欄(1978年12月)に記載もしくは引用された文献に記
載された方法を用いて調製することができる。 すなわち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれ
でもよく、また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応さ
せる形式としては片側混合法、同時混合法、それらの組
合せなどのいずれを用いてもよい。 粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(い
わゆる逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の
一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpA
gを一定に保つ方法、すなわちいわゆるコントロールド
・ダブルジエット法を用いることもできる。 この方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均
一に近いハロゲン化銀乳剤がえられる。 別々に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を混合し
て用いてもよい。 ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程におい
て、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄
塩または鉄錯塩などを共存させてもよい。また、それら
の添加量は、目的とする感光材料に応じて少量でも多量
でもよい。 沈澱形成後あるいは物理熟成後の乳剤から可溶性塩類
を除去するためにはゼラチンをゲル化させて行なうヌー
デル水洗法を用いてもよく、また無機塩類、アニオン性
界面活性剤、アニオン性ポリマー(たとえばポリスチレ
ンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導体(たとえばア
シル化ゼラチン、カルバモイル化ゼラチンなど)を利用
した沈降法(フロキュレーション法)を用いてもよい。 ハロゲン化銀乳剤は、前述の金・硫黄増感に加えて、
還元性物質(例えば、第一すず塩、アミン類、ヒドラジ
ン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合
物)を用いる還元増感法を組合せて用いることもでき
る。 本発明において写真乳剤には、感光材料の製造工程、
保存中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは
写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有さ
せることができる。すなわちアゾール類たとえばベンゾ
チアゾリウム塩、ニトロインダゾール類、トリアゾール
類、ベンゾトリアゾール類、ベンゾイミダゾール類(特
にニトロ−またはハロゲン置換体);ヘテロ環メルカプ
ト化合物類、たとえばメルカプトチアゾール類、メルカ
プトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾー
ル類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトテトラ
ゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール)、メルカプトピリミジン類;カルボキシル基やス
ルホン基などの水溶性基を有する上記のヘテロ環メルカ
プト化合物類;チオケト化合物、たとえばオキサゾリン
チオン;アゼインデン類、たとえばテトラアザインデン
類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザイ
ンデン類);ベンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスル
フィン酸;などのようなカブリ防止剤または安定剤とし
て知られた多くの化合物を加えることができる。 詳しくは、イー ジー ビル(E.J.Birr)著、スタビ
リゼーション オブ フォトグラフィック ジルバーハ
ライド エマルジョン(Stabilization of Photographi
c Silver Halide Emulsions)、フォーカル プレス(F
ocal Press)刊(1974年)等を参照すればよい。 本発明で調製したハロゲン化銀乳剤を用いてハロゲン
化銀写真感光材料を作成するのに使用されるカラーカプ
ラー、バインダー、硬膜剤、マット剤、界面活性剤、退
色防止剤、増感色素、染料、ポリマーラテックス、支持
体等に関しては特に制限はなく、例えばリサーチ・ディ
スクロージャー誌第176巻21〜31頁(1978年12月)の記
載を参考にすることができる。 本発明において感光材料の写真乳剤層や中間層に使用
されるバインダー、保護コロイドとしては、ゼラチンが
好ましく使用されるが、他の親水性コロイドも同様に使
用される。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子化合物とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイ
ンなどのようなタンパク質、たとえば、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロース硫酸塩、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウ
ム、デンプン誘導体などのような糖誘導体、たとえば、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセ
タール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等のホモポリマ
ーやコポリマーなどのような親水性の種々の合成化合物
などである。 特に、ゼラチンとともにポリアクリルアミドおよび/
またはデキストランを併用することが好ましい。 ゼラチンをポリアクリルアミドおよび/またはデキス
トランと併用する場合のゼラチンに対するポリアクリル
アミドおよび/またはデキストランの好ましい比率は重
量比で0.10〜0.30の範囲である。 本発明で好ましく用いられる色素には、シアニン色
素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシ
アニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン
色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含
される。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素であ
る。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシアニ
ン色素類に通常利用される核のいずれをも適用できる。
すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン
核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレ
ナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジ
ン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した
核;およびこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した
核、すなわち、インドレニン核、ベンゾインドレニン
核、インドール核、ベンズオキサドール核、ナフトオキ
サゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール
核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キ
ノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原子上に
置換されていてもよい。 メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケ
トメチレン構造を有する核としてピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,
4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニ
ン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異節環核を
適用することができる。 たとえば、RESEARCH DISCLOSURE Item17,643 第23
頁、IV項(1978年12月)に記載された化合物または引用
された文献に記載された化合物を用いることができる。 代表的な具体例としては以下のメチレン色素類が挙げ
られる。 本発明の写真乳剤を用いた写真感光材料としては、種
々のカラーおよび黒白感光材料を挙げることができる。
例えば撮影用カラーネガフィルム(一般用、映画用
等)、カラー反転フィルム(スライド用、映画用等、ま
たカプラーを含有しないで適用する場合もある)、カラ
ー印画紙、カラーポジフィルム(映画用等)、カラー反
転印画紙、熱現像用カラー感光材料、銀色素漂白法を用
いたカラー感光材料、製版用写真感光材料(リスフィル
ム、スキャナーフィルム等)、Xレイ写真感光材料(直
接・間接医療用、工業用等)、撮影用黒白ネガフィル
ム、黒白印画紙、マイクロ用感光材料(COM用、マイク
ロフィルム等)、カラー拡散転写感光材料(DTR)、銀
塩拡散転写感光材料、プリントアウト感光材料などを挙
げることができる。 感光材料で特に好ましいのは、保存性が特に問題とな
る高感度撮影材料(例えば、カラーネガフィルム、カラ
ー反転フィルム、X−レイ感材、黒白ネガフィルム、拡
散転写感材など)であり、中でも色増感した平板状のハ
ロゲン化銀乳剤を用いた高感度撮影材料で効果が著し
く、特に、X−レイ感材での改善が大きい。 V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、使用した金増感剤の80%以上が、ハ
ロゲン化銀粒子相に存在し、バインダー相に残留する金
増感剤の量を減らすことができるため、経時安定性に優
れ、かつ高感度である実質的に表面潜像型の金増感され
たハロゲン化銀乳剤及びそれを用いたハロゲン化銀写真
感光材料が得られる。 VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明の効果を
さらに詳細に説明する。 実施例1 75℃に保った沃化カリウムと臭化カリウムを含有する
ゼラチン水溶液を激しく撹拌しながら、アンモニアを添
加した後、硝酸銀水溶液と、臭化カリウムと沃化カリウ
ムの混合水溶液とを同時に添加し、平均粒子サイズが約
1.2μの双晶沃臭化銀乳剤(沃度8モル%)を得た。 次いで、常法に従ってフロキュレーション法により水
洗、脱塩した後pHを6.5、pAgを8.9に調節した。 次いで、60℃に加温し、ハロゲン化銀1モル当り、チ
オ硫酸ナトリウム4.5mg、塩化金酸2.1mg、およびチオシ
アン酸カリウム68mgを順次添加し、35分間熟成した。 この乳剤を2分した。一方はそのまま下記のカプラー
安定化剤、ゼラチン硬化剤および塗布助剤を添加し、セ
ルロースアセテートフィルム支持体上に塗布し乾燥させ
た。 他方は、15℃に下げて固化させた後、細片に刻み、0.
01%のチオシアン酸カリウムの水溶液洗液で15℃で10分
間流水水洗した後、再度40℃で溶解し、pH、pAgを調節
し直した後上記と同様に塗布し乾燥させた。 安定化剤;4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン カプラー;1−(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−
〔3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)−アセトア
ミド〕ベンツアミド−5−ピラゾロン ゼラチン硬化剤;2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−
トリアジンナトリウム 塗布助剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ これらの試料を光楔を通して露光し(1/100秒)、次
いで下記カラー現像処理した。 処理工程 1.カラ現像像 2分45秒(38℃) 2.漂白 6分30秒 3.水洗 3分15秒 4.定着 6分30秒 5.水洗 3分15秒 6.安定 3分15秒 各工程に用いた処理液組成は下記のものである。 カラー現像液 ニトリロ三酢酸ナトリウム 1.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 炭酸ナトリウム 30.0g 臭化カリ 1.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 4−(N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミノ)
−2−メチル−アニリン硫酸塩 4.5g 水を加えて 1 漂白液 臭化アンモニウム 160.0g アンモニア水(28%) 25.0ml エチレンジアミン−四酢酸ナトリウム鉄塩130 g 氷酢酸 14 ml 水を加えて 1 定着液 テトラポリリン酸ナトリウム 2.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g チオ硫酸アンモニウム(70%) 175.0ml 重亜硫酸ナトリウム 4.6g 水を加えて 1 安定液 ホルマリン 8.0ml 水を加えて 1 また、上記塗布試料を未露光のまま、温度45℃、相対
湿度80%RHの雰囲気に3日間保存したあと同様に露光し
現像処理した。 これらの結果を表1に示す。 なお、相対感度は、カブリ値+0.2の光学濃度を得る
のに要する露光量の逆数の相対値で表わし、試料1の塗
布直後のそれを100とした。 また、各々の乳剤中の金のハロゲン化銀粒子相とゼラ
チン相との分配量を測定するため、乳剤を40℃に保った
まま遠心分離を行って、ハロゲン化銀粒子固相とゼラチ
ン液相に分けて、各々を一定量ずつ10%のチオ尿素水溶
液に溶解した後、ゼーマン原子吸光光度計で金を定量測
定した。 得られた値をハロゲン化銀モル当りの塩化金酸の量に
換算して表1に掲げた。 表1より明らかなようにゼラチン相中の金増感剤を取
り除くことによって塗布試料の経時性が改良されるのが
わかる。 参考例1 60℃に保った、ゼラチン水溶液を激しく撹拌しなが
ら、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを添加した
後、硝酸銀水溶液と、臭化カリウムと沃化カリウムの混
合水溶液とを同時に添加した。添加の間、pAgを8.1に保
った。 得られた乳剤は、単分散で、14面体が多い平均粒子サ
イズが約0.5μの沃臭化銀乳剤(沃度3モル%)であっ
た。 次いで、常法に従ってフロキュレーション法により水
洗、脱塩した後pHとpAgを各々6.5と8.7に調整し、ハロ
ゲン化銀1モル当りチオ硫酸ナトリウム6.2mg、塩化金
酸4.5mg、チオシアン酸カリウム80mgおよびベゼンチオ
スルフォン酸ナトリウム1.8mgを添加し、65℃で40分間
熟成した。 次いで、40℃に温度を下げて乳剤を3分した。3分し
た乳剤をそれぞれ乳剤A、B、Cとする。乳剤Aはその
まま10分間撹拌した。乳剤Bは乳剤500g当りイオン交換
樹脂(商品名;ダウエックス1×8)を4.5g添加して10
分間撹拌した。乳剤Cは、乳剤500g当り活性炭を5g添加
して10分間撹拌した。乳剤B、Cについてはそれぞれ、
ミクロフィルターで3回濾過し、イオン交換樹脂や活性
炭をハロゲン化銀乳剤から取り除いた後、pHとpAgを再
調節し4−ヒドロキシ−6−メチル(1,3,3a,7)テトラ
ザインデンを同量ずつ(0.72g)添加した。 これらの3つの乳剤にそれぞれドデシルベンゼンスル
ホン酸ソーダ(塗布助剤)および2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム(ゼラチン硬化
剤)を加えて、セルロースアセテートフィルム支持体上
に塗布して乾燥し、試料を得た。これらの試料を光楔を
介して露光し、コダック処方−D19現像液で20℃で10分
間現像したあと停止、定着した。 また、上記塗布試料を未露光のまま温度50℃、相対湿
度80%RHの雰囲気に3日間保存したあと、同様に露光
し、現像処理した。 また、実施例1と同様にして乳剤A、B、Cのハロゲ
ン化銀粒子相とゼラチン相の金を定量分析した。 これらの結果を表2に示す。 なお、相対湿度は、実施例1の定義に従って表わし、
乳剤Aの塗布直後のそれを100とした 表2より明らかなように、ゼラチン相中の未反応の金
増感剤の量を減らすことにより、塗布試料の保存性は著
しく改良されることがわかる。 参考例2 臭化カリウムおよびゼラチンを加えて溶解して70℃に
保った水溶液中に、撹拌しながら硝酸銀水溶液と沃化カ
リウムと臭化カリウムの混合水溶液とをダブルジェット
法により添加した。 添加後、沈降法により可溶性塩類を除去したのち、ゼ
ラチンを追添して溶解しpHを6.8に合わせた。 得られた平板状ハロゲン化銀粒子は、平均直径が1.9
μmで厚み0.14μm、平均の直径/厚み比は13.6であ
り、沃化銀含量が3モル%であった。また40℃でpAg
は、8.95であった。 この乳剤に、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸、および
チオシアン酸カリウムを用いて、62℃で最適に金・硫黄
増感を施した。 次いで、40℃に温度を下げてこの乳剤を2分し、一方
はそのまま10分間撹拌した(乳剤D)。他方は、乳剤1K
g当り活性炭を4g添加し、10分間撹拌したのち、ミクロ
フィルターで濾過し、活性炭を取り除いた(乳剤E)。 各々の乳剤に、増感色素アンヒドロ−5,5′−ジクロ
ロ−9−エチル−3,3′−ジ(3−スルフォプロピル)
オキサカルボシアニンハイドロオキサイドナトリウム塩
500mg、沃化カリウム200mgを銀1モル当り添加して緑色
増感をした。 次いで、安定剤(4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,
3a,7−テトラザインデン)、塗布助剤(p−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム)および硬膜剤(2,4−ジ
クロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム)
を添加して、表面保護層と共に、同時押し出し法により
PET支持体上に塗布した。 得られた塗布試料を各々、温度25℃、相対湿度60%
〔雰囲気(イ)〕と温度50℃、相対湿度80%〔雰囲気
(ロ)〕にそれぞれ3日間保存したあと、黄色フィルタ
ー下で光楔を介して露光したのち、富士写真フイルム
(株)製の現像液「ハイレンドール」にて20℃で4分間
現像したのち、定着、水洗、乾燥した。 カブリ値+1.0の黒化度を得るのに必要な露光量より
算出する相対感度で評価すると、乳剤Dの試料の雰囲気
(ロ)での相対感度が雰囲気(イ)でのそれの70%に減
少したのに対し、乳剤Eの雰囲気(ロ)での相対感度
は、雰囲気(イ)のそれの95%にしか減少せず高温多湿
条件下での著しい保存性の改善が得られた。 乳剤Dと乳剤Eの塗布試料を0.01%のハイポ水溶液で
20℃で10分間充分水洗した。水洗前後で蛍光X線法で塗
布Ag量を、ゼーマン原子吸光法でAu量を定量したとこ
ろ、塗布Ag量は変化がなかったが、Au量は、乳剤Dでは
水洗により65%に、乳剤Eでは95%になった。ハイポ浴
洗浄によりゼラチン相のAuが洗い流されることから、こ
れらの値は乳剤D、Eのハロゲン化銀粒子相に使われた
金の比率に相当するといえ、乳剤Eでは含有される金の
95%までもがハロゲン化銀粒子相に使われていた。 実施例2 ダブルジェット法により、アンモニアの存在下で沃臭
化銀(沃化銀2.4モル%)の球状粒子を形成し(平均粒
子サイズ1.1μm)、塩化金酸、チオシアン酸カリウム
とチオ硫酸ナトリウムで65℃で金・硫黄増感を施した。 次いで、40℃に温度を下げて、この乳剤を2分し、一
方はそのまま10分間撹拌した(乳剤F)。 他方は、乳剤1kg当り活性炭を4g添加し、10分間撹拌
したのち、ミクロフィルターで濾過し、活性炭を取り除
いた(乳剤G)。 各々の乳剤に、参考例2と同様の緑色増感色素、安定
剤、塗布助剤、および硬膜剤を添加した。 この球状粒子に用いた金増感剤量は、参考例2の平板
状乳剤のそれの0.8倍量であった。 また、実施例1と同様にしてハロゲン化銀粒子相とゼ
ラチン液相との金の配分を測定したところ、乳剤Fは70
%が、乳剤Gでは95%がハロゲン化銀粒子相に存在して
いた。 参考例2の平板状3ハロゲン化銀乳剤(下層)と球状
ハロゲン化銀乳剤(上層)をポリエチレンテレフタレー
ト支持対上に表3に示すように、表面ゼラチン保護層と
同時に塗布乾燥した。 下層の塗布銀量は1.5g/m2、上層のは0.5g/m2であっ
た。 また、これらの塗布物を参考例2と同様の雰囲気
(イ)、(ロ)に保存し、その参考例2と同様の露光、
現像、定着、洗浄、乾燥処理を行ったあとカブリ値+1.
0の黒化度を得るのに必要な露光量より算出した相対密
度も表3に揚げた(ただし、試料10の雰囲気(イ)のそ
れと100とした)。 また、参考例2と同様に塗布物を0.01%のハイポ浴で
洗浄したときのAu量も表3に揚げた。表3より明らかな
ように今回のような重層感材では、増感剤除去処理を行
った乳剤を1種でも用いると(試料11)、保存性がかな
り改善されるのが明らかであり、特に、全Au量の80%以
上がハロゲン化銀粒子相になる構成(試料12)では改善
が著しい。 そして、すべて増感剤除去処理を行った乳剤を用いた
複数の乳剤層を有する感光材料であれば(試料13)最も
良いのは明らかである。 参考例3 0.08Mの臭化カリウムを含有する0.8重量%のゼラチン
溶液1に、それを撹拌しながらダブルジェット法で、
2.00Mの硝酸銀溶液と同じく2.00Mの臭化カリウム溶液と
を150cc添加した。この間ゼラチン溶液は30℃に保っ
た。添加後75℃に昇温した。また添加後ゼラチンを30g
添加した。 上記一段目添加終了後、1.0Mの硝酸銀溶液を90cc添加
した。 さらに、添加後から30分間熟成を行った。このように
して形成した粒子(以後種晶と呼ぶ)を常法のフロキュ
レーション法により洗浄し、40℃においてpH5.0、pAg7.
5になるように調整した。 上記種晶の十分の一を、3重量%のゼラチンを含む溶
液1中に溶解し温度75℃、pBr2.55に保った。この後6
0分間に150gの硝酸銀を加速された流量(終了時の流量
が開始時の流量の19倍)で添加した。この間pBrは2.55
に保った。 この後、乳剤を35℃まで冷却し、常法のフロキュレー
ション法で洗浄し、40℃においてpH6.5,pAg8.6に調整し
た。この平板状粒子はその80%が六角平板状粒子で占め
られており、その変動係数は18%である単分散の平板状
粒子からなる乳剤である。粒子は平均投影面積円相当直
径が1.8μmであり、平均の厚みは0.16μmであった。 この乳剤に、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸およびチ
オシアン酸カリウムを用いて58℃で最適に金・硫黄増感
を施した。 次いで、40℃に温度を下げてこの乳剤を2分し、一方
はそのまま10分間撹拌した(乳剤H)。他方は、乳剤1k
g当り活性炭を3g添加し、10分間撹拌したのち、ミクロ
フィルターで濾過し、活性炭を取り除いた(乳剤I)。 各々の乳剤に参考例2と同じ、増感色素、沃化カリウ
ム、安定剤、塗布助剤および硬膜剤を添加して、表面保
護層と共に、同時押し出し法によりPET支持体上に塗布
した。 得られた塗布試料を各々、温度25℃、相対湿度60%
[雰囲気(イ)]と温度50℃、相対湿度80%[雰囲気
(ロ)]にそれぞれ3日間保存したあと、黄色フィルタ
ー下で光楔を介して露光したのち、富士写真フイルム
(株)製の現像液「ハイレンドール」にて20℃で4分間
現像したのち定着、水洗、乾燥した。 ガブリ値+1.0の黒化度を得るのに必要な露光量より
算出する相対感度で評価すると、乳剤Hの試料の雰囲気
(ロ)での相対密度が雰囲気(イ)でのそれの75%に減
少したのに対し、乳剤Iの雰囲気(ロ)での相対感度
は、雰囲気(イ)のそれの95%にしか減少せず高温多湿
条件下での著しい保存性の改善が得られた。 乳剤Hと乳剤Iの塗布試料を0.1%のチオシアン酸カ
リウム水溶液で20℃で10分間充分水洗した。水洗前後で
蛍光X線法で塗布Ag量を、ゼーマン原子吸光法でAu量を
定量したところ、塗布Ag量は変化がなかったが、Au量
は、乳剤Hでは水洗により70%に、乳剤Iでは92%にな
った。チオシアン酸カリウム浴洗浄によりゼラチン相の
Auが洗い流されることから、これらの値は乳剤H、Iで
のハロゲン化銀粒子相に使われた金の比率に相当すると
いえ、乳剤Iでは含有される金の92%までもがハロゲン
化銀粒子相に使われており、増感剤除去処理を行った乳
剤Iでは、塗布試料の高温多湿下での保存性の改善が大
きい。 参考例4 参考例3に記載したものと同じ乳剤Hと乳剤Iにおい
て参考例3で用いた増感色素を例示化合物(D−9)、
(D−11)、(D−23)、(D−28)、(D−41)にそ
れぞれかえ、添加量をそれぞれ200mgとした他は全く同
様にして調製した乳剤を用いてPET支持体上に塗布し試
料を得た。 さらに、参考例3と同様の雰囲気(イ)、(ロ)下で
保存したあと参考例3と同様の現像処理を行った。 その結果、それぞれの増感色素で乳剤Hを用いた試料
よりも乳剤Iを用いた試料の方が、雰囲気(イ)に比べ
雰囲気(ロ)での相対感度の減少が小さく、参考例3と
同様に、バインダー相に残るAu量を減らして本発明の改
善効果が得られた。 以上の実施例の結果よりハロゲン化銀粒子相に使われ
た金の比率が80%以上では塗布試料の高温多湿下での保
存性の改善が大きく、更に90%以上では著しく改良され
ることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−104019(JP,A) 特開 昭53−46021(JP,A) 特開 昭61−219948(JP,A) 特開 昭61−219949(JP,A) 特開 昭62−23035(JP,A) 特公 昭26−2918(JP,B1) 特公 昭33−3474(JP,B1) 化学大辞典編集委員会編「化学大辞典 (第2巻)」(昭35−6−30)、共立出 版、第437〜438頁

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.金増感された実質的に表面潜像型のハロゲン化銀乳
    剤であって、この乳剤に残留金増感剤の除去処理が施さ
    れており(ただし、イオン交換樹脂処理と、多孔性吸着
    剤処理は除く)、この乳剤が含有する金増感剤の80%以
    上が、ハロゲン化銀粒子相に存在していることを特徴と
    するハロゲン化銀乳剤。 2.金増感終了後塗布までの間に水洗処理または機械的
    処理により残留金増感剤の除去処理が行われている特許
    請求の範囲第1項に記載のハロゲン化銀乳剤。 3.金増感された実質的に表面潜像型のハロゲン化銀乳
    剤であって、この乳剤に残留金増感剤の除去処理が施さ
    れており(ただし、イオン交換樹脂処理と、多孔性吸着
    剤処理は除く)、この乳剤が含有する金増感剤の80%以
    上が、ハロゲン化銀粒子相に存在しているハロゲン化銀
    乳剤を少なくとも一種含有した乳剤層を少なくとも一層
    有していることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。 4.金増感終了後塗布までの間に水洗処理または機械的
    処理により残留金増感剤の除去処理が行われている特許
    請求の範囲第3項に記載のハロゲン化銀写真感光材料。 5.金増感された実質的に表面潜像型のハロゲン化銀乳
    剤の層を少なくとも2層以上有するハロゲン化銀写真感
    光材料であって、各乳剤に残留増感剤の除去処理が施さ
    れており、この感光材料に含有される全ての金増感剤の
    80%以上がハロゲン化銀粒子相に存在していることを特
    徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
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