JP2907964B2 - 高感度で現像性が良好なハロゲン化銀乳剤 - Google Patents

高感度で現像性が良好なハロゲン化銀乳剤

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀乳剤に関し、特に高感度で現像
性が良好なハロゲン化銀乳剤に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、写真用のハロゲン化銀乳剤に対する要請はます
ます厳しく、高感度、優れた粒状性、高鮮鋭性、低いカ
ブリ濃度及び十分高い光学濃度等の写真性態に対して、
ますます高水準の要求がなされている。また、現像性が
良好であることが要請されている。
これらの内、高感度乳剤を提供する試みとして、各種
の技術が提案されている。例えば、沃臭化銀乳剤で沃化
銀含有率が10モル%以下である乳剤が良く知られてい
る。また、これらの乳剤を調製する方法としては、従来
からアンモニア法、中性法、酸性法等のpH条件、pAg条
件を制御する方法、混合法としてはシングルジェット
法、ダブルジェット法等が知られている。
これらの公知技術を基盤にして、高感度化、粒状性の
改良、高鮮鋭性及び低カブリを達成する目的のために精
緻に技術手段が検討され、実用化されてきた。特に臭化
銀及び沃臭化銀乳剤においては、晶相、粒度分布はもと
より、個々のハロゲン化銀粒子内での沃化銀の濃度分布
まで制御された乳剤が研究されてきた。
上に述べてきたような高感度、優れた粒状性、高鮮鋭
性、低いカブリ濃度及び十分高いカバリングパワー等の
写真性能を達成するための手段、特に高感度化のための
最も正統な方法は、ハロゲン化銀の量子効率を向上させ
ることである。この目的のために固体物理の知見等が積
極的に取り入れられている。この量子効率を理論的に計
算した研究によれば、粒度分布を狭くして、単分散性乳
剤をつくることが量子効率を向上させるのに有効とな
る。更に加えて、ハロゲン化銀乳剤を増感する化学増感
と呼ばれる工程において、低カブリを保ったまま効率よ
く高感度を達成するためにも単分散性乳剤が有利であろ
うと推論される。
工業的な単分散性乳剤調製には、特開昭54-48521号に
記載されているように厳密なpAg及びpHの制御のもと
に、理論上求められた銀イオン及びハロゲン化物イオン
の反応系への供給速度の制御及び十分な撹拌条件が必要
とされる。これらの条件下で製造されるハロゲン化銀乳
剤は立方体、8面体、14面体のいずれかの形状を有して
いる(100)面と(111)面を様々の割合で有している、
いわゆる正常晶粒子からなる。そして、このような正常
晶粒子により高感度化し得ることが知られている。
また高感度を得られるハロゲン化銀粒子として、特開
昭61-35440号、同60-222842号にはそれぞれ(110)面を
有する写真特性の優れた沃臭化銀粒子が開示されてお
り、また特公昭55-42737号には、カブリの少ないものと
して(110)面を持つ菱12面体の塩臭化銀粒子を含む写
真乳剤が開示されている。
一方、特開昭61-83531号には、(110)面の中央に稜
線を有する結晶面を持つ臭化銀、沃臭化銀粒子が開示さ
れており、これにより更に高感度化し得ることが示され
ている。この結晶面は、非常に高次な結晶面であると考
えられ、その特性については、特開昭61-83531号に述べ
られている。
該結晶面は(nn1)と表され、(331)面等の例が示さ
れる。
その他の面については特開昭62-124551号、同62-1245
50号、同62-123447号に記載がある。
一方、従来から高感度写真フィルムに適するハロゲン
化銀乳剤として多分散性の双晶粒子からなる沃臭化銀乳
剤が知られている。
また、特開昭58-113927号その他には偏平双晶粒子を
含む沃臭化銀乳剤が開示されている。
一方、化学増感処理の分野では、正常晶に対する化学
増感反応は晶相依存性が大きく、例えば通常の方法で
は、(100)面に比べ(111)面には硫黄増感核が沢山で
きてしまうため、潜像形成が分散的になり効率が悪く、
従って、増感効率が悪いことが知られている。よって、
上記のような(111)面を有する形態のハロゲン化銀粒
子の実用化は不利、または困難とされてきた。
例えば特開昭50-63914号及びドイツ特許出願(OLS)
2,419,798号には、臭化銀含有モル比率が80%以上の立
方体型粒子の単分散性ハロゲン化銀粒子乳剤を硫黄増感
した後、ヒドロキシテトラザインデン化合物を含有させ
ると感度が増大することが記載されており、かつこの公
報には立方体以外の結晶形、例えば、実質的に(111)
面で囲まれた八面体粒子では感度はかえって減少するか
増加してもその程度はわずかであることが併記されてい
る。
前記したようにハロゲン化銀感光材料の写真特性改善
に向かって結晶形態面からの研究は瞠目すベき発展を進
めつつあるが、双晶の微細な凹部もしくは蝕像の凹部を
除けばそのほとんどは外に凸な結晶に止っており、結晶
面上に明確な大きな凹凸部を有する結晶に関する研究は
少ない。
公知技術として開示されているものとしては、特開昭
58-106532号公報の記載では8面体または14面体結晶の
(111)面の中央部にくぼみを有するハロゲン化銀乳剤
がある。また特開昭61-75337号公報には、表面から内部
に向かって空洞の導通部を有するハロゲン化銀粒子を含
むハロゲン化銀が開示されている。また正常晶以外の平
板状粒子としては、特開昭63-311244号公報において、
(111)面からなる対向せる平行な主平面からなる平板
状粒子のその主表面の中心部にくぼみもしくは空間を有
するハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤が開示
されている。
それらはいずれもハロゲン化銀粒子上のくぼみもしく
は空間に潜像もしくは現像開始点を集中して、これによ
る高感度化、保存性の向上、現像性向上を目的としてい
る。
しかしそれらはいずれも一度形成されたハロゲン化銀
粒子の一部をハロゲン化銀溶剤を用いて溶解、取り除く
工程を含み、ハロゲン化銀粒子表面上のくぼみ、もしく
は空間以外の微細なハロゲン化銀粒子表面上の凹凸をも
増やしてしまい、潜像の集中化、現像開始点の集中化と
いう点で充分な効果が得られていなかった。それ故潜
像、現像開始点の集中化による高感度化、現像性向上は
不充分であり、上記以外の方法で結晶形態面からの研究
が待ちのぞまれていた。
〔発明の目的〕
本発明は上記背景においてなされたもので、上記した
ように結晶形態面からの研究により、高感度化及び現像
性向上を実現したハロゲン化銀乳剤を提供しようとする
ことを目的とする。
〔発明の構成〕
本発明者らは鋭意研究を行った結果、上記本発明の目
的は、立方体、または14面体結晶の{100}面のいずれ
か少なくとも1つの面の中心部にくぼみを有する沃臭化
銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤によって達成されるこ
とを見い出し、本発明を完成した。
本発明において「{100}面のいずれか少なくとも1
つの面の中心部にくぼみを有する」とは、{100}面の
いずれか少なくとも1つの面(好ましくはすべての{10
0}面)の中心(厳密に中心でなくてもほぼ中心として
作用し得る位置であればよい)に、各種形状の凹み状の
くぼみ(凹入)が存在することをいう。該くぼみは、四
角形状の凹入であることが多いが、調整条件で変化す
る。くぼみの径(そのくぼみについて、これを投影し、
その投影面積を円に換算したときの円の直径で表す)
は、母体の立方体または14面体粒子の径によって変化す
るが、好ましくは0.005μm〜20μm、より好ましくは
0.005μm〜2.0μmである。くぼみの深さは、立方体粒
子の{100}面に垂直な〈100〉方向に0.005μm以上で
あることが好ましく、より好ましくは0.02μm以上であ
る。立方体または14面体は、対称性の良い形状の良好な
ものが好ましいが、厳密に立方体または14面体でなくて
も、ほぼそれに近い形状であればよい。
例えば、後記詳述する本発明の乳剤の一例である乳剤
EM-1の粒子構造を示す第1図の写真の粒子構造について
言えば、14面体の6つの{100}面の各面のほぼ中心
に、角形(やや丸みを帯びている)のくぼみが形成され
ている。各粒子は、その大部分が概ね対称性の良好な14
面体をなしており、くぼみのある各{100}面も、ほぼ
対称な面形状をなしている。なお、同時に微細粒子も形
成されているが、体積比では14面体の{100}面にくぼ
みを有する上記粒子が主たる部分をなす。
以下本発明について、更に詳細に説明する。
一般にハロゲン化銀乳剤に含有されているハロゲン化
銀結晶粒子の結晶面には、該面に配列される銀イオン、
ハロゲン化物イオンの稠密度、格子エネルギー、表面エ
ネルギー、或いは成長条件に対応して、特定のミラー指
数を有する結晶面が優勢に発現して結晶に特定の晶相を
与える。更に各結晶粒子を囲繞する成長条件に粒子サイ
ズ尺度での差異があるときには、同ミラー指数の面であ
るにも拘らず、面の大きさを異にして夫々の粒子に晶癖
を生ずる。
一方、結晶に晶相を与える“終局的結晶面となる平面
は、該面の法線方向の成長速度が最小の面である”(A.
Johnsen,1910)ので、成長条件を選ぶことによって、立
方晶系に属するハロゲン化銀結晶にも所定の晶相を有す
る結晶形を与えることができる。
例えば立方晶系のハロゲン化銀に晶相として六面体
(立方体)結晶形を与えるには、立方体面上における成
長速度即ち銀イオン及びハロゲン化物イオンの沈着が、
他のミラー指数の結晶面より遅い成長条件が与えられれ
ばよい。
更にホスト粒子として(111)面に囲まれた八面体の
ハロゲン化銀結晶粒子から六面体(立方体)に晶相を変
える場合には、立方体面(100)の成長を抑える成長条
件を与えてハロゲン化銀を追加沈澱させてゆくと、中間
的に立方八面体即ち八面体の6個の頂点が削がれた形の
14面体が出現し、(111)面は漸次縮退し、遂に立方体
面だけの結晶粒子となり、それ以後はハロゲン化銀の追
加に伴った立方体結晶粒子が肥大してゆく。
逆に立方体結晶粒子をホスト粒子として8面体結晶粒
子へ導くこともできる。
同様にして、例えば三八面体結晶粒子も立方体結晶粒
子をホスト粒子として導くことができる。即ち三八面体
結晶面の法線方向の成長が他のミラー指数の面より遅く
なる成長条件を選んでハロゲン化銀の沈澱を続けると、
まず三八面体結晶面が認められるようになり、続いて遂
にはホスト粒子は三八面体結晶面で占められるに到る。
その他四六面体、偏菱形24面体、六八面体の結晶面を
もつ結晶粒子についても、各々の晶相を与える面の成長
を抑える成長条件を選ぶことによって所望の結晶粒子を
得ることができる。
前記各種の晶相をもつハロゲン化銀粒子の成長条件
は、ハロゲン化銀組成、結晶面に配列されるイオンの稠
密度、温度、格子もしくは表面エネルギー、吸着物質、
ハロゲン化銀溶剤等多岐に亘る因子によって左右され、
また結晶面上でのハロゲン化銀の沈着を遅らせる成長調
節剤(growth modifier)が因子として加えられる。
成長調節剤としては既に多数の化合物が公知であり、
写真用ハロゲン化銀に対しては、その表面に吸着性を有
するシアニン色素等の写真用色素類、アザインデン、イ
ミダゾール等の安定剤、カブリ抑制剤の中に有用なもの
が知られている(前記開示特許公報、特願昭62-159280
号等)。
しかしながら現時点では前記したような結晶成長に影
響する多岐に亘る因子と生成する結晶形を関係づける理
論に乏しく、特に本発明の如く結晶粒子にくぼみを有す
る面を生成させる未踏技術分野の理論的裏付は無に等し
く、殆ど試行錯誤の下にその意図する結晶形を具現する
方法を探索せざるをえない。
本発明の乳剤は立方体または14面体結晶の{100}面
のいずれか少なくとも1つの面の中心部にくぼみを有す
るハロゲン化銀粒子を含むが、かかる粒子結晶の作成
は、必ずしも容易ではない。本発明者はこのような粒子
結晶を得るべく、結晶粒子の調製条件、例えばpAg,温度
或いはハロゲン化銀添加速度及び条件揺動について試行
錯誤を行い、次のようにして本発明の乳剤が得られるこ
とを見い出した。即ち、例えば、次に示すような製造方
法を挙げることができる。
沃度含有率が10モル%以下のハロゲン化銀粒子の生成
及び/または成長を行い、14面体もしくは立方体結晶に
形状が整った成長時点で、該粒子の最表面の沃度含有率
よりも好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル
%以上の沃度含有率の高い相を成長させる。形状が整っ
た時点での、前記当初の粒子により構成される部分を低
沃度相、その上に形成される沃度含有率の高い相を高沃
度相と称すれば、その時、該低沃度相に対する、該高沃
度相の体積比としては、50%以上が好ましい。また、該
粒子の成長時のpAgとしては、9以下が好ましい。
更に続けて、該得られた粒子の最表面の沃度含有率よ
りも好ましくは10モル%以下、より好ましくは15モル%
以下の沃度含有率の低い相を成長させる。その時、前記
高沃度相に対して、この沃度含有率の低い相(外部定沃
度相と称する)の体積比としては、100%以上が好まし
い。また該外部低沃度層の成長時のpAgとしては、8以
上が好ましい。
本発明のハロゲン化銀乳剤に含まれる上記立方体また
は14面体結晶の(100)面の中心部にくぼみを有するハ
ロゲン化銀粒子(以下適宜「本発明のハロゲン化銀粒
子」などということもある)は、酸性法、中性法及びア
ンモニア法のいずれで得られたものでもよい。該粒子は
連続的に成長させてもよいし、段階的に種粒子を作りつ
つ成長させてもよい。種粒子をつくる方法と成長させる
方法は同じであっても、異なってもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は沃臭化銀粒子からなるも
のであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、臭化
銀、塩臭化銀や塩化銀等が含有されていてもよい。本発
明の乳剤は、沃素を含有するが、この場合粒子成長にお
いて、沃素イオンは沃化カリウム溶液のようなイオン溶
液として添加されてもよく、また、成長中のハロゲン化
銀粒子よりも溶解度積の小さい粒子として添加されても
よい。この沃素の供給は、溶解度積の小さいハロゲン化
銀粒子(以下に詳述)として添加する方がより好まし
い。
即ち本発明のハロゲン化銀粒子は、該粒子の成長過程
の少なくとも一期間において、該本発明のハロゲン化銀
粒子(粒子成長過程についての以下の説明においては、
便宜上、「AgX粒子(1)」と称する)よりも溶解度積
が同等以下のハロゲン化銀微粒子(同じく「AgX粒子
(2)」と称する)の存在下において、そのハロゲン化
銀粒子の粒子成長が行われることが好ましい一態様であ
る。
溶解度積が同等以下とは、AgX粒子(2)の溶解度積
が、AgX粒子(1)の溶解度積と同じであるか、それよ
り小さいことをいう。また本明細書中溶解度積とは、通
常の化学的意味におけるものである。
このような態様を採用する場合、AgX粒子(1)の溶
解度積と同等、もしくはそれより小さい溶解度積のAgX
粒子(2)が、AgX粒子(1)の成長過程の少なくとも
一時期において存在し、該AgX粒子(2)の存在下にAgX
粒子(1)の成長が行われる。ここで、AgX粒子(2)
は、AgX粒子(1)の粒子成長要素(ハロゲンイオン液
や、銀イオン液等)の供給終了までに存在させて、AgX
粒子(1)を成長させるように用いることができる。
このAgX粒子(2)の平均粒径は、一般に、AgX粒子
(1)の平均粒経より小さいが、場合によっては大きい
こともある。かつ、このAgX粒子(2)は、一般に実質
的に感光性は有さない程度のものである。このAgX粒子
(2)の平均粒経は、0.001〜0.7μmであることが好ま
しく、0.01〜0.3μmが更に好ましく、特に0.1〜0.01μ
mが好ましい。
AgX粒子(2)は、遅くともAgX粒子(1)の成長が終
了するまでに、AgX粒子(1)の調製の場となる懸濁系
(以下、母液と称す)中に存在せしめることが好まし
い。
ハロゲン化銀種粒子を用いる場合には、AgX粒子
(2)は該種粒子より前に母液中に存在せしめてもよい
し、種粒子を含む母液中に粒子成長組成物に先立って添
加してもよいし、粒子成長要素を添加している途中に添
加してもよいし、上述の添加時期の内、2以上の時期に
分けて添加してもよい。
種粒子を用いず、ハロゲン化銀該形成後粒子成長を行
う場合には、該形成後にAgX(2)を添加することが好
ましく、粒子成長要素の添加前であっても、添加の途中
でもよく、2以上の時期に分けてもよい。
また、AgX粒子(2)及び粒子成長要素の添加法とし
ては、一括して添加してもよいし、連続的に、または継
続的に添加してもよい。
AgX粒子(2)及び粒子成長要素は、粒子成長に適合
した速度でpH、pAg、温度等をコントロールした条件下
で、ダブルジェット方式の如き多ジェット方式により母
液に添加することが好ましい。
AgX粒子(2)及びハロゲン化銀種粒子は、母液中で
調製してもよいし、母液外で調製した後、母液に添加し
てもよい。
AgX粒子(2)の調製に用いる水溶性銀塩溶液として
は、アンモニア性銀塩溶液が好ましい。
AgX粒子(2)のハロゲン組成としては、例えばAgX粒
子(1)が沃臭化銀である場合には、沃化銀または成長
中の沃臭化銀粒子よりも沃素含有率の高い沃臭化銀が好
ましく、例えばAgX粒子(1)が塩臭化銀である場合に
は、臭化銀または成長中の塩臭化銀よりも臭素含有率の
高い塩臭化銀が好ましい。AgX粒子(1)が沃臭化銀の
場合、AgX粒子(2)は沃化銀であることが特に好まし
い。
AgX粒子(1)が沃臭化銀または塩沃臭化銀である場
合には、粒子成長に用いられる沃素が全てAgX粒子
(2)として供給されることが好ましいが、本発明の効
果を損なわない範囲で一部をハロゲン化物水溶液として
供給してもよい。
また、ハロゲン化銀粒子の成長時に、アンモニア、チ
オエーテル、チオ尿素等の公知のハロゲン化銀溶剤を存
在させることができる。
ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成する過程及び/また
は成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タ
リウム塩、イリジウム塩、ロジウム塩及び鉄塩及びそれ
らの錯塩から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオ
ンを添加し、粒子内部及び/または粒子表面にこれらの
金属元素を含有させることができ、また適当な還元的雰
囲気におくことにより、粒子内部及び/または粒子表面
に還元増感核を付与できる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成
長の終了後に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、あ
るいは含有させたままでもよい。該塩類を除去する場合
には、リサーチ・ディスクロージャ(Research Disclos
ure 以下RDと略す)17643号II項に記載の方法に基づい
て行うことができる。
また、本発明のハロゲン化銀粒子の平均粒経は、0.05
〜30μmが好ましく、0.1〜3.0μmがより好ましい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズ分布の広い
多分散乳剤、粒子サイズ分布の狭い単分散乳剤など、任
意の構成をとることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、単独の乳剤から成るも
のであっても、数種類の乳剤を混合して成るものであっ
てもよい。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、常法により化学増感す
ることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、写真業界において増感
色素として知られている色素を用いて、所望の波長域に
光学的に増感できる。増感色素は単独で用いてもよい
が、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ハロゲン化銀乳剤には、カブリ防止剤、安定剤等を加
えることができる。該乳剤のバインダーとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利である。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いて感光材料を形成す
る場合、感光材料の乳剤層、その他の親水性コロイド層
は、硬膜することができ、また、可塑剤、水不溶性また
は難溶性合成ポリマーの分散物(ラテックス)を含有さ
せることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、カラー写真用感光材料
を形成するために有効に用いることができ、その乳剤層
に用いる場合には、一般に発色カプラーを含有させて用
いられる。
更に色補正の効果を有しているカラードカプラー、競
合カプラー及び現像主薬の酸化体とのカップリングによ
って各種のフラグメント、即ち現像促進剤、漂白促進
剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜剤、カブ
リ剤、カブリ防止剤、化学増感剤、分光増感剤、及び減
感剤のような写真的に有用なフラグメントを放出する化
合物を用いることができる。
本発明のハロゲン化銀乳剤を用いて感光材料を形成す
る場合、該感光材料には、フィルター層、ハレーション
防止層、イラジエーション防止層等の補助層を設けるこ
とができる。これらの層中及び/または乳剤層中には、
現像処理中に感光材料から流出するかもしくは漂白され
る染料が含有させられてもよい。
感光材料には、ホルマリンスカベンジャ、蛍光増白
剤、マット剤、滑剤、画像安定剤、界面活性剤、色カブ
リ防止剤、現像促進剤、現像遅延剤や漂白促進剤を添加
できる。
感光材料の支持体としては、ポリエチレン等をラミネ
ートした紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、バ
ライタ紙、三酢酸セルロース等、任意のものを用いるこ
とができる。
本発明の感光材料を用いて色素画像を得るには、露光
後、通常知られているカラー写真処理を行うことによる
ことができる。
〔実施例〕
次に実施例によって、本発明を説明する。但し当然の
ことであるが、本発明は以下の実施例によって限定され
るものではない。
実施例−1 (沃化銀微粒子乳剤AI-1の調製) 反応容器に、オセインゼラチン5重量%を含む水溶液
を加え、40℃で撹拌しながら、3.5N硝酸銀水溶液及び3.
5N沃化カリウム水溶液各々1モルを、30分を所要して定
速で添加した。
添加中のpAgは、常法のpAg制御手段で、13.5に保っ
た。
生成した沃化銀は、平均粒径0.06μmの、β‐AgIと
γ‐AgIの混合物であった。
以下この乳剤を乳剤AI-1とする。
(乳剤EM-1の作成) 以下に示す4種類の溶液を用いて乳剤EM-1 (本発明の乳剤に該当)を作製した。
温度60℃の状態で激しく撹拌された上記組成の水溶液
(a−1)に、0.208モル相当の種乳剤(平均粒径0.27
μm,平均AgI含有率2モル%)を加え、pH及びpAgを酢酸
とKBr水溶液を用いて調整した。
しかる後にpH及びpAgを表−1に示すようにコントロ
ールしながら、水溶液(a−2)(a−3)及び(a−
4)を、各々表−2,表−3,及び表−4に示すような流量
で、トリプルジェット法により添加した。
添加終了後、常法により脱塩水洗を行い、ゼラチンを
含む水溶液に分散した。
電子顕微鏡観察によって、この乳剤は平均粒径0.80μ
mの、{100}面の各面に凹み状のくぼみを有する14面
体粒子よりなる乳剤であることがわかった。
表−5に、この乳剤中のハロゲン化銀粒子の処方上の
粒子構造を示す。
第1図は本発明に係るこの乳剤中のハロゲン化銀粒子
の電子顕微鏡観察写真である。
実施例−2 特開昭61-246740号、特開昭61-275741号、特開昭61-2
86845号公報に示された方法によって、実施例−1で調
製した乳剤EM-1と同一のハロゲン組成、粒径分布、平均
粒径で、かつ最終形状が(100)面にくぼみを有さない1
4面体であるハロゲン化銀粒子から成る比較乳剤EM-2を
調製した。
作成したEM-1,2の各乳剤に、最適に金イオウ増感を施
し、AgX1モル当たり下記の増感色素(I)を120mg、及
び増感色素(II)を80mg添加し、緑感性に分光増感し
た。次いでTAI及び1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾールを加えて安定化した。(AgXはハロゲン化銀を
示す)。
更に、AgXlモル当たり5×10-3モルの下記マゼンタカ
プラー(M−1)、6.2×10-3の下記マゼンタカプラー
(M−2)、及び4.0×10-3モルの下記カラードマゼン
タカプラー(CM-1)を、ジ−t−ノニルフタレートに溶
解し、ゼラチンを含む水溶液中に乳化分散して得た分散
液をそれぞれの乳剤に添加し、ついで延展剤、硬膜剤な
どの一般的な写真添加剤を加えて塗布液を作成し、下引
きされたフィルムベース上に常法により塗布、乾操し
て、試料No.101,102を作成した。
常法に従い試料No.101,102の各々に、イエローフィル
ターを介し、ウェッジ露光を行った。次いで、下記現像
処理液で下記処理工程(I)(II)により処理を行い、
感度を求めた。
処理工程(I)(35℃) 現 像 15秒 定 着 25秒 水 洗 25秒 乾 燥 15秒 処理工程(II)(35℃) 現 像 25秒 定 着 25秒 水 洗 25秒 乾 燥 15秒 各処理工程において使用した処理液組成は下記に示
す。
(現像液) 亜横酸カリウム 55.0g ハイドロキノン 25.0g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.2 g ホウ酸 10.0g 水酸化ナトリウム 21.0g トリエチレングリコール l7.5g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.07g 5−ニトロインダゾール 0.14g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.015g グルタルアルデヒド重亜硫酸塩 15.0g 氷酢酸 16.0g 臭化カリウム 4.0g トリエチレンテトラミン六酢酸 2.5g 水を加えて1に仕上げ、pH=10.20に調整する。
〈定着液〉 エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム塩 5.0g 酒石酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム 130.9g 無水亜硫酸ナトリウム 7.3g ホウ酸 7.0g 酢酸(90wt%) 5.5g 酢酸ナトリウム3水塩 25.8g 硫酸アルミニウム18水塩 14.6g 硫酸(50wt%) 6.77g 水を加えて1に仕上げ、pH=4.20に調整する。
結果を表−6に示す。感度は、最小濃度(かぶり)+
0.1を与える露光量の逆数で表し、試料No.102の処理工
程(I)の感度を100とした時の相対値で表す。
表−6より容易に理解されるように、本発明の乳剤を
用いた試料は、現像時間を短くした場合でも十分に高感
度である。よって本発明の乳剤は、現像性に優れ、高感
度であることがわかる。
〔発明の効果〕
上述の如く本発明の乳剤は、ハロゲン化銀粒子の結晶
形態面からの研究によって、現像性の向上と、高感度化
を達成したものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例−1で得られた本発明の乳剤EM-1に含
有されるハロゲン化銀粒子の粒子構造を示す写真であ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/035

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立方体または14面体結晶の{100}面のい
    ずれか少なくとも1つの面の中心部にくぼみを有する沃
    臭化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤。
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