JP2558495B2 - ウェブ供給装置の制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ウェブ巻装ロールの着脱交換を効率的に
行ない得るウェブ供給装置の制御方法に関する。

従来技術 例えば、中芯紙に所要ピッチの波形段を付与し、各波
形段の頂部にライナを糊付け接着して片面段ボールシー
トを製造し、得られた片面段ボールシートにバックライ
ナを貼合わせて両面段ボールシートを製造するコルゲー
トマシンが広く普及している。このコルゲートマシンで
は、中芯紙やライナその他バックライナ等のウェブ（以
下「原紙」という）を芯管に巻回してなるロール（以下
「原紙ロール」という）を回転自在に枢支し、該ロール
から原紙の繰出し供給を行なう原紙供給装置の配設が不
可欠である。

この原紙供給装置としては、第６図に示す如く、所謂
スィングアーム式のミルロールスタンドが広く知られて
いる。このミルロールスタンド10は、水平な回動軸11,1
2に夫々スプライン結合した左右１対のスィングアーム1
3,13を２基有し、各アーム13,13の先端に対向的に装着
したセンターブロック16,16により、原紙ロール14の芯
管15を両端部から挿通支持し得るようになっている。前
記ミルロールスタンド10と隣接し、かつ両スィングアー
ム13,13の揺動軌跡の下方となる位置には、原紙ロール1
4の搬入・搬出を行なう台車等からなる搬送手段17が配
設されている。

このミルロールスタンド10において、例えば右側の回
動軸12に支持したスィングアーム13,13に原紙ロール14
を装填するには、所定のストックヤードで原紙ロール14
を搬送手段17に載置し、当該搬送手段17を前記スィング
アーム13,13の揺動軌跡の下方に到来させる。このと
き、両スィングアーム13,13は相互に離間させてあり、
この状態で回動軸12を時計方向に揺動させて、前記セン
ターブロック16,16と原紙ロール14の芯管15との中心が
整列する位置で停止させる。

継いで、両スィングアーム13,13を相互に近接移動さ
せて、前記センターブロック16,16により原紙ロール14
の芯管15を挟圧（チャッキング）した後、当該アーム1
3,13を反時計方向上方に回動させることにより、原紙ロ
ール14の装填（原紙掛け）がなされる。

また、前記スィングアーム形式のミルロールスタンド
10以外に、回動軸に対し夫々反対方向に延出したアーム
が一体的に揺動するターンオーバー形や、１対の無端軌
道に配設したベースを無端チェンにより移動させる形式
のミルロールスタンドも一部で採用されている。何れに
しても、アームまたはベースに配設した１対のセンター
ブロックを、その軸線を一致させた状態で近接・離間さ
せることにより、原紙ロールの装着・離脱を行なうよう
構成されている。

発明が解決しようとする課題 前述したミルロールスタンドでは、搬送手段17に載置
された原紙ロール14をスィングアーム13,13に装填する
ために、前記センターブロック16,16を原紙ロール14に
おける芯管15の中心に一致させる必要がある。

ここで、センターブロック16の中心は、回動軸12を中
心としてスィングアーム13の長さを半径とする円弧軌跡
上を移動する。このため、搬送手段17に載置されるロー
ル径の異なる各種の原紙ロール14の中心と、センターブ
ロック16の中心とを常に一致させることは不可能であ
り、従来センターブロック16,16と芯管15との中心合せ
の作業は人手により行なわれている。このため、自動化
作業が極めて困難であった。

更に第７図に示す如く、原紙が消費されて原紙ロール
14の径が大きく減少したものについては、その自動装填
自体をなし得ない欠点がある。すなわち、スィングアー
ム13の先端に取付けられるセンターブロック16には、原
紙ロール14の回転時における慣性による原紙の過剰繰出
し（オーバーラン）を防止するために、ブレーキ手段18
が同軸的に配設され、該センターブロック16の回転に制
動を付与するようになっている。このブレーキ手段18
は、その構造上直径が極めて大きくなるため、工場敷地
面に対し最大限近接し得る距離には自ずと制限があり、
原紙の消費により直径の大きく減少した原紙ロール14の
芯管中心まで到来し得なくなる。

このときは自動チャッキングが不可能となるので、作
業者が原紙ロール14を人手により持上げ、各芯管15の端
部を対応のセンターブロック16に挿入する煩雑な重作業
を要している。また、この原紙ロール14の交換作業に時
間が掛かり、作業能率の低下を招来する難点があった。

そこで、これを解決するための提案が、本件出願人に
より特願昭62−221623号に係る発明「コルゲートマシン
の原紙供給装置」として出願されている。この発明に係
る装置は、スィングアームの揺動軌跡の下方位置にリフ
ターを配設し、このリフターにより原紙ロールを昇降移
動させるよう構成してある。従って、原紙ロールの直径
の大小に拘らず、センターブロックと原紙ロールの芯管
との中心を整列一致させて自動チャッキングを行ない得
て、しかも交換作業の短縮化を達成することができる。
しかしながら現今の如く、頻繁な小ロット生産に伴うオ
ーダ変更に対応する必要がある段ボールの製造業界で
は、その原紙ロール交換時におけるサイクルタイムの一
層の短縮化が希求されている。

発明の目的 この発明は、前述したウェブ巻装ロールの交換作業に
内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべ
く提案されたものであって、頻繁なオーダ変更に伴うウ
ェブ巻装ロールの着脱交換を迅速に行なって、そのサイ
クルタイムの一層の短縮化を図り得るウェブ供給装置の
制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明
は、対をなす所要の移動部材に軸線を整列させて対向配
置され、相互に近接および離間してウェブ巻装ロールの
装着・離脱を行なう１対のセンターブロックと、前記移
動部材に隣接配置され、前記ウェブ巻装ロール（14）を
載置して昇降駆動されるリフターと、前記１対のセンタ
ーブロックの夫々に対向的に設けられ、これらセンター
ブロックの軸線とウェブ巻装ロールの芯管が整列したこ
とを検出するセンサとを備えるウェブ供給装置におい
て、 前記移動部材の移動に伴って移動する前記１対のセン
ターブロックの軸線が、前記リフターにおける垂直な中
心線と交わる定位置で該移動部材の移動を停止させ、 次いでウェブ巻装ロールを載置した前記リフターを上
昇させ、 このウェブ巻装ロールの芯管と前記１対のセンターブ
ロックの軸線とが整列したことを、該センターブロック
に対向的に設けた前記センサにより検出して、前記リフ
ターの上昇を瞬時に停止させる制御を行なうようにした
ことを特徴とする。

実施例 次に、本発明に係るウェブ供給装置の制御方法につ
き、これを好適に実施し得る装置との関係において以下
説明する。なお本実施例では、スィングアーム形式のミ
ルロールスタンドに採用した場合につき説明するが、本
発明はこの形式のウェブ供給装置に限定されるものでは
なく、前述したターンオーバー形式および無端軌道を使
用する形式のミルロールスタンド等に関しても、好適に
使用し得るものである。また、第６図および第７図に関
連して、従来技術で説明した同一の部材については同一
の符号で指示するものとする。

第１図に概略的に示すように、ミルロールスタンド10
を構成するスィングアーム機構は、上方に延在する垂線
を中心として、左右に所望の角度だけ回動可能な１対の
スィングアームを備えている。但し図示例では、スプラ
イサー26を使用して自動紙継ぎを実施するために、左右
２基のスィングアーム機構19,20が配設されており、こ
れら２基のスィングアーム機構は何れも機械的構成が全
く同一であるので、図中左側に配設したスィングアーム
機構19についてのみ説明する。

図に示す回動軸11には、１対のスィングアーム13,13
（第２図参照）の基部が、スプライン接続され、図示し
ない油圧シリンダを正逆方向に付勢することにより、相
対的な近接方向および離間方向へ移動し得るよう構成さ
れている。また回動軸11は、図示しない油圧シリンダに
よって、１対のスィングアーム13,13と共に、所定の角
度範囲内で回動される。

各スィングアーム13の先端部には、第２図に示す如
く、対をなす他方のスィングアーム13の先端部に指向し
て突出するセンターブロック16が装着されており、両セ
ンターブロック16,16により原紙ロール14の芯管15を両
側からチャッキング可能となっている。このセンターブ
ロック16は、その回転軸16aを介してアーム13に自由回
転可能に枢支され、両センターブロック16,16に挟持し
た原紙ロール14と一体的に回転可能に構成されている。
なお、前記回動軸11は、スィングアーム13,13の両セン
ターブロック16,16の軸線が、後述するリフター24の垂
直中心線と一致する角度で停止するよう制御される（第
３図（ｂ）参照）。

センターブロック16および回転軸16aには、その中心
に通孔21が穿設され、各スィングアーム13の背面側にブ
ラケット22を介して配設したセンサ23により、原紙ロー
ル14の芯管中心を検出するよう構成される。すなわち、
センサ23は、例えば光電スイッチからなる投受光手段23
a,23bであって、一方のスィングアーム13に配設した投
光手段23aから投射された光が、両センターブロック16,
16の通孔21,21を介して受光手段23bに入射することによ
りON作動する。なおこのセンサ23は、ON状態から一度OF
F状態になった後、再びON状態になることにより、後述
する如く、リフター24の上昇停止を指令するよう回路設
計がなされている。

前記ミルロールスタンド10に隣接し、かつスィングア
ーム13,13の揺動軌跡の下方位置に、パンダグラフ式の
リフター24が配設されている。このリフター24は、その
テーブル24aに載置された原紙ロール14を所定の垂直方
向の領域において昇降させるものであって、その基本構
造自体は公知である。従って、スィングアーム13,13を
リフター24の上方に臨ませた際に、当該リフター24を載
置した原紙ロール14を所要距離上昇させれば、当該原紙
ロール14の芯管15と、スィングアーム13,13の対向し合
うセンターブロック16,16との中心合わせを行ない得
る。

そして、スィングアーム13,13を相互に近接すれば、
両センターブロック16,16によりリフター24に載置され
た原紙ロール14がキャッキングされる。

次に、この基本構成に係るミルロールスタンドを、本
発明方法により制御した場合につき、第３図〜第５図に
示す動作説明図を参照して説明する。先ず、ミルロール
スタンド10に隣接配置したリフター24のテーブル24a
に、図示しないストックヤードから所望の原紙ロール14
が搬送されて載置される。この状態において、第３図
（ｂ）に示す如く、前記スィングアーム13,13は、油圧
シリンダ（図示せず）の作用下に反時計方向への回動を
開始する。スィングアーム13,13の最大回動角度は、前
記油圧シリンダにおけるピストンのストローク長により
決定される。そして前記１対のセンターブロック16,16
は、スィングアーム13,13の回動に伴って該アームと共
に回動するが、その際における該センターブロック16,1
6の軸線が、前記リフターの垂直な中心線に一致する位
置（第３（ｂ）図に示す如く、センターブロックの軸線
がリフターの垂直な中心線と交じわる定位置）で、該セ
ンターブロック16,16の回動を停止し、斜め左方への傾
動姿勢をもって待機状態に入る。なお、対をなす両アー
ム13,13は、第３図（ａ）に示す如く、相互に軸方向に
離間してセンターブロック16,16を開放させている。

次いで、スィングアーム13,13の停止信号（前記リミ
ットスイッチの検出信号等）により、図示しない油圧シ
リンダの如き所要の駆動源により前記リフター24が駆動
されて、その上昇を開始する。該リフター24が所要距離
だけ上昇すると、前記センターブロック16,16に配設し
た投受光手段23a,23bの光軸は、先ず原紙ロール14の原
紙巻回部で遮光されOFF状態となる。そして、更にリフ
ター24が上昇して原紙ロール24の芯管15中心が、前記セ
ンターブロック16,16の軸線と整列する位置に到来する
と、第４図（ａ）に示す如く、再び投受光手段23a,23b
の光軸が再通してON状態となる。この時点で、当該セン
サー23から停止指令が出され、リフター24の上昇が瞬時
に停止される。しかる後に、第５図（ｂ）に示す如く、
前記油圧シリンダを同期的に付勢し、アーム13,13を相
互に近接させれば、そのセンターブロック16,16による
原紙ロール14のチャッキングが確実に行なわれる。

発明の効果 以上に説明した如く、本発明に係るウェブ供給装置の
制御方法によれば、移動部材を所定位置まで移動させて
停止させると共に、ウェブ巻装ロールを担持したリフタ
ーを上昇させることにより、移動部材に配設したセンタ
ーブロックに確実にロールを装填することができ、サイ
クルタイムの短縮が実現される。また、ウェブの繰出し
消費によりウェブ巻装ロールの外径が大きく減少して
も、前記リフターによるロール全体の上昇がなされるの
で、ウェブ巻装ロールの自動チャッキングが好適に実現
されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るウェブ供給装置の制御方法が好適
に実施されるミルロールスタンドを概略的に示す正面
図、第２図は第１図に示すミルロールスタンドにおける
スィングアーム機構の縦断面図、第３図（ａ），第４図
（ａ）および第５図（ａ）は本発明に係る制御方法によ
りミルロールスタンドを稼働させた場合の経時的な動作
順序を示す説明側面図、第３図（ｂ），第４図（ｂ）お
よび第５図（ｂ）は第３図（ａ），第４図（ａ）および
第５図（ａ）に夫々対応する説明正面図、第６図は従来
技術に係るミルロールスタンドの概略構成を示す斜視
図、第７図は第６図に示すミルロールスタンドでは、直
径が減少した原紙ロールに関して使用し得なくなる状態
を示す説明図である。 13……スィングアーム、14……原紙ロール 15……芯管、16……センターブロック 23……センサ、24……リフター

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対をなす所要の移動部材（13,13）に軸線
   を整列させて対向配置され、相互に近接および離間して
   ウェブ巻装ロール（14）の装着・離脱を行なう１対のセ
   ンターブロック（16,16）と、前記移動部材（13,13）に
   隣接配置され、前記ウェブ巻装ロール（14）を載置して
   昇降駆動されるリフター（24）と、前記１対のセンター
   ブロック（16,16）の夫々に対向的に設けられ、これら
   センターブロック（16,16）の軸線とウェブ巻装ロール
   （14）の芯管（15）が整列したことを検出するセンサ
   （23a,23b）とを備えるウェブ供給装置において、 前記移動部材（13,13）の移動に伴って移動する前記１
   対のセンターブロック（16,16）の軸線が、前記リフタ
   ー（24）における垂直な中心線と交わる定位置で該移動
   部材（13,13）の移動を停止させ、 次いでウェブ巻装ロール（14）を載置した前記リフター
   （24）を上昇させ、 このウェブ巻装ロール（14）の芯管（15）と前記１対の
   センターブロック（16,16）の軸線とが整列したこと
   を、該センターブロック（16,16）に対向的に設けた前
   記センサ（23a,23b）により検出して、前記リフター（2
   4）の上昇を瞬時に停止させる制御を行なうようにした ことを特徴とするウェブ供給装置の制御方法。