JP2535595B2 - プロピレン重合体組成物 - Google Patents

プロピレン重合体組成物

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JP2535595B2 JP63198975A JP19897588A JP2535595B2 JP 2535595 B2 JP2535595 B2 JP 2535595B2 JP 63198975 A JP63198975 A JP 63198975A JP 19897588 A JP19897588 A JP 19897588A JP 2535595 B2 JP2535595 B2 JP 2535595B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプロピレン重合体組成物に関し、詳しくは一
定の性状を有するプロピレン重合体に、特定の有機リン
系化合物を配合してなる剛性,耐熱性,耐面衝撃性等の
すぐれたプロピレン重合体組成物に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
一般にポリプロピレンは耐熱性,耐薬品性,剛性,耐
衝撃性,成形性等が良好であり、フィルム成形,シート
成形,ブロー成形,射出成形等の素材として広く利用さ
れている。
しかしながら、このポリプロピレンは上述の如く一般
的にはすぐれた物性を有しているものの、用途によって
はこれらの性状が充分に満たされているわけではない。
特に、剛性及び耐面衝撃性がさらに向上すればその分だ
け成形品の薄肉化が可能となり、生産性も向上し、また
製品の軽量化にもつながる。
そこで、従来からポリプロピレンの剛性及び耐面衝撃
性を向上させる目的で、結晶性の高いポリプロピレンを
開発することが試みられている(特開昭55−81125号公
報,特開昭59−22313号公報)が、未だ充分に剛性及び
耐面衝撃性の満足しうるものは得られていない。
本出願人は、既に、ポリプロピレンと有機リン系化合
物からなる組成物を開発した(特願昭62−74129号明細
書,特願昭62−75931号明細書)が、耐面衝撃性,剛性
等においてなお改良の余地があった。
本発明者は、上述したような従来技術の問題点を解消
し、剛性,耐熱性,耐面衝撃性等のより向上したポリプ
ロピレン組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、驚くべきことに、ポリプロピレンに配合し
た特定の有機リン系化合物の粗大粒子を一定量以下に低
減することにより、上記課題を解決できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は (A)極限粘度〔η〕PPが0.8〜4dl/gであり、かつその
アイソタクチックペンタッド分率〔I〕が式 〔I〕≧−1.02〔η〕PP+96.0 (単位:%) を満たすプロピレン単独重合体あるいは該単独重合体と
プロピレン−エチレン共重合体との混合物100重量部に
対して (B)造核剤として一般式 (式中、R1は水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル
基を示し、R2は炭素数1〜18のアルキル基, あるいはM1/aを示す。また、MはNa,K,Mg,Caあるい
はAlを示し、aはMの原子価を示す。) で表わされる有機リン系化合物および/または一般式 (式中、Rはメチレン基,エチリデン基,プロピリデン
基あるいはイソプロピリデン基を示し、R3,R4はそれぞ
れ水素原子あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。
また、M,aは前記と同じである。) で表わされる有機リン系化合物を0.005〜1.0重量部配合
すると共に、前記有機リン系化合物の最大寸法50μm以
上の粒子が、得られる組成物1mgあたり150個以下である
ことを特徴とするプロピレン重合体組成物を提供するも
のである。
本発明の組成物の(A)成分であるプロピレン単独重
合体は、通常は立体規則性触媒の存在下で製造されるも
のであり、100%プロピレン単位からなるプロピレン単
独重合体は勿論、そのほか重合体中に2重量%以下のエ
チレン単位もしくはC4以上のオレフィン単位を含有する
実質的なプロピレン単独重合体であってもよく、特に特
願昭62−74129号明細書に記載したプロピレン単独重合
体が好ましい。また、(A)成分としてプロピレン単独
重合体成分とプロピレン−エチレン共重合体成分との混
合物よりなり、いわゆるプロピレンブロック共重合体
(厳密にはブロック共重合体はわずかしか形成されてい
ない)と称されるものを使用することもでき、この種の
ものとしては、特願昭62−75931号明細書に記載したプ
ロピレン重合体が特に好ましい。
上述の如き性状を有するプロピレン単独重合体は、様
々な方法により製造することができる。そのうち好適な
方法としては、例えば立体規則性触媒の存在下に、公知
のスラリー重合法,溶液重合法,オレフィンモノマーを
媒体とする液相重合法,気相重合法を適用することによ
り製造することができる。
ここで用いられる立体規則性触媒とはエチレン,プロ
ピレンなどの立体規則性重合反応に一般的に使用される
触媒であり、通常は少なくとも遷移金属ハロゲン化合物
成分と有機アルミニウム化合物成分とからなる混合物が
用いられる。
遷移金属ハロゲン化合物としては、チタンのハロゲン
化物が好ましく、例えば三塩化チタン,四塩化チタンが
あげられ、特に三塩化チタンが好適である。三塩化チタ
ンとしては、四塩化チタンを種々の方法で還元したも
の;これらをさらにボールミル処理および/または溶媒
洗浄(たとえば不活性溶媒および/または極性化合物含
有不活性溶媒を用いて洗浄)により活性化したもの;三
塩化チタンまたは三塩化チタン共晶体(例えばTiCl3・1
/3AlCl3)をさらにアミン,エーテル,エステル,イオ
ウ,ハロゲンの誘導体,有機または無機の窒素もしくは
リン化合物等と共粉砕処理したもの;エーテル化合物の
存在下に液状化した三塩化チタンから析出させて得られ
るもの;特公昭53−3356号公報に記載された方法により
得られたもの等をあげることができる。また、チタンの
ハロゲン化物をマグネシウム化合物上に担持せしめたも
のを用いることもできる。
有機アルミニウム化合物としては、一般式 AlRnX3-n (ただし、式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基,炭
素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜10のアリール基
を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは0<n≦3の値
を示す。)で表わされる化合物が好適である。
このようなものとしては、例えばトリエチルアルミニ
ウム,トリイソブチルアルミニウム,トリ−n−プロピ
ルアルミニウム,ジエチルアルミニウムモノクロライ
ド,ジエチルアルミニウムモノブロマイド,ジエチルア
ルミニウムモノアイオダイド,ジエチルアルミニウムモ
ノエトキサイド,ジイソブチルアルミニウムモノイソブ
トキサイド,ジエチルアルミニウムモノハイドライド,
ジイソブチルアルミニウムモノハイドライド,エチルア
ルミニウムセスキクロライドなどがあげられ、これらの
一種または二種以上を用いることができる。これら触媒
の混合物中におけるAl/Mt(MtはTi等の遷移金属を示
す。)の原子比は、0.1〜1000、好ましくは1〜100程度
である。また、触媒の第三成分として例えば、アルコー
ル,アルデヒド,エーテル,エステル,ラクトン,ケト
ン,アミン,アミド,有機リン化合物,有機ケイ素化合
物,チオール,チオエーテル,チオエステルのような電
子供与性化合物を用いることもできる。
上記プロピレン単独重合体の極限粘度〔η〕PPについ
ては、水素などの分子量調節剤を重合反応系へ適量加え
ることにより効率よく制御することができる。また、ア
イソタクチックペンタッド分率〔I〕や密度〔d〕につ
いては触媒や助触媒の種類,温度等の重合条件などを適
宜選定することにより制御することができる。更に、こ
のプロピレン単独重合体は、その密度〔d〕が、極限粘
度〔η〕PPとの間に式 〔d〕≧−0.00563〔η〕PP+0.885 (単位:g/cm3) 特に〔d〕≧−0.00563〔η〕PP+0.890 (単位:g/c
m3) を満たすものが望ましい。
また、(A)成分が上記のようなプロピレン単独重合
体とプロピレン−エチレン共重合体とのブロック共重合
体(混合物)である場合、このブロック共重合体を製造
するには、各種の方法があるが、一般には多段重合法、
特に二段重合法により効率よく製造される。ここで二段
重合法は様々な条件下で進行させることができるが、通
常は上記のような立体規則性触媒の存在で重合反応を行
うことによって進行させることができる。
このような立体規則性触媒は、通常用いられている量
ならびに態様において重合反応の各段階に使用される。
各段の重合条件は、温度が通常0〜100℃、好ましく
は30〜90℃、圧力が通常0.01〜45kg/cm2、好ましくは0.
05〜40kg/cm2程度とすればよい。重合の方法としては、
公知の方法を適用することができ、例えば、スラリー重
合,溶液重合,気相重合,オレフィンモノマーを媒体と
した液相重合等をあげることができる。
なお、重合に際して溶媒を用いる場合には、その溶媒
として、通常、脂肪族,脂環族,芳香族の不活性炭化水
素が好適に使用でき、具体的には例えば、ペンタン,ヘ
キサン,ヘプタン,シクロヘキサン,ベンゼン,トルエ
ンなどをあげることができる。
二段重合法の具体的な操作としては、例えばまず第一
段階として反応系に適当な溶媒と立体規則性触媒を加
え、所定の重合条件下でプロピレンを導入して重合反応
を進行させて所望の性状のプロピレン単独重合体を得、
次いで必要に応じて未反応のプロピレンモノマーを除去
した後、第二段階として生成したプロピレン単独重合体
の存在する上記反応系に、所定の重合条件下でプロピレ
ンとエチレンを導入して共重合させてプロピレン−エチ
レン共重合体を得れば、これと前記プロピレン単独重合
体との混合物として本発明の(A)成分が得られる。
この(A)成分として、(a1)プロピレン単独重合体
成分と(a2)プロピレン−エチレン共重合体成分との混
合物よりなるブロック共重合体を使用する場合には、こ
の場合比率は特に制限はないが、(a1)プロピレン単独
重合体成分55〜97重量%、好ましくは60〜90重量%、
(a2)プロピレン−エチレン共重合体成分45〜3重量
%、好ましくは40〜10重量%の範囲である。
本発明の組成物の(A)成分中のプロピレン単独重合
体は、上述の如き極限粘度〔η〕PPおよびアイソタクチ
ックペンタッド分率〔I〕を有するものである。
ここで極限粘度〔η〕PPは、135℃に加熱されたテト
ラリン中での測定値である。プロピレン単独重合体の極
限粘度〔η〕PPは、上述の如く0.8〜4dl/gであるが、好
ましくは1.0〜3.0dl/gである。極限粘度〔η〕PPが0.8d
l/gより小さいと耐衝撃性を満足しうる組成物を得るこ
とができず、一方、4dl/gより大きいと、成形性のすぐ
れた組成物を得ることができない。
また、このプロピレン単独重合体のアイソタクチック
ペンタッド分率〔I〕は、前述したように極限粘度
〔η〕PPとの間に 〔I〕≧−1.02〔η〕PP+96.0 (単位:%) の関係式を満たすこと、特に好ましくは 〔I〕≧−1.02〔η〕PP+96.5 (単位:%) の関係式を満たすことを要する。
このアイソタクチックペンタッド分率〔I〕が、上記
の関係式を満足しないと、得られる組成物は剛性,耐熱
性および硬度において充分なものとならない。
ここで、アイソタクチックペンタッド分率〔I〕と
は、A.ZambelliらによってMacromolecules,,925(197
3)に発表された方法に従い、同位体炭素による核磁気
共鳴スペクトル(13C−NMR)を使用して測定されるポリ
プロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチ
ック分率である。換言すれば、アイソタクチックペンタ
ッド分率は、プロピレンモノマー単位が5個連続してメ
ソ結合したプロピレンモノマー単位の分率である。ただ
し、ピークの帰属に関しては、Macromolecules,,687
(1975)に記載の上記文献の訂正版に基いて行った。具
体的には、13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸
収ピーク中mmmmピークの強度分率をもってアイソタクチ
ックペンタッド単位を測定する。
一方、本発明の組成物の(A)成分が、上記のような
プロピレン単独重合体とプロピレン−エチレン共重合体
との混合物である場合、このプロピレン−エチレン共重
合体の物性については、特に制限はなく、状況に応じて
適宜選定すればよいが、一般には極限粘度〔η〕PEが2
〜7dl/g、好ましくは2.2〜6.0dl/gであり、かつエチレ
ン単位含量が20〜70重量%、好ましくは25〜65重量%の
ものである。ここで、極限粘度〔η〕PEが2dl/g未満の
ものでは、得られる組成物の耐衝撃性が不充分なものと
なり、また7dl/gを超えるものでは、成形性や剛性が不
充分なものとなる場合がある。さらに、プロピレン−エ
チレン共重合体のエチレン単位含量が20〜70重量%の範
囲外では、得られる組成物の耐衝撃性が低下するおそれ
がある。
なお、前記極限粘度〔η〕PEの値は、135℃に加熱さ
れたテトラリン中での測定値である。ここで(a2)プロ
ピレン−エチレン共重合体の極限粘度〔η〕PEは、
(a1)成分と(a2)成分の混合物である(A)成分たる
重合体から(a2)成分のみを取り出して測定した値では
なく、下記の如き計算手順によって算出される便宜的な
概念である。
まず(A)成分である重合体の製造工程の第一段階で
重合される(a1)プロピレン単独重合体の極限粘度
〔η〕PPを測定しておき、次いで第一,二段階の重合を
経て得られた(A)成分たる重合体の極限粘度〔η〕
を測定する。この時、(a2)成分であるプロピレン−エ
チレン共重合体の比率をxとして、〔η〕PE,〔η〕PP
および〔η〕との間に下記式が成立すると仮定すれ
ば、(a2)プロピレン−エチレン共重合体の極限粘度
〔η〕PEは式によって求められる。
〔η〕=x〔η〕PE+(1−x)〔η〕PP ・・・ 〔η〕PE=1/x・〔η〕−(1/x−1)〔η〕PP・・・
この(a2)プロピレン−エチレン共重合体の極限粘度
〔η〕PEの制御についても、(a1)プロピレン単独重合
体の極限粘度〔η〕PPと同様に、水素などの分子量調節
剤を重合反応系へ加えることによって行うことができ
る。
本発明の組成物は、上記のようなプロピレン単独重合
体あるいはプロピレン単独重合体とプロピレン−エチレ
ン共重合体の混合物よりなる重合体を(A)成分とし、
これに(B)成分として造核剤としての特定の有機リン
系化合物を配合したものである。有機リン系化合物とし
ては、前述した一般式〔B−I〕で表わされる有機リン
系化合物および/または一般式〔B−II〕で表わされる
有機リン系化合物が用いられ、これらのうち一種又は二
種以上を配合することができる。この(B)成分、即ち
有機リン系化合物の配合割合については、通常は(A)
成分たる重合体100重量部に対して、(B)成分を0.005
〜1.0重量部、好ましくは0.01〜0.7重量部の範囲で定め
ればよい。ここで、(B)成分の配合量が0.005重量部
未満では、得られる組成物の剛性や耐熱性が不充分であ
り、また1.0重量部を超えても配合量に相当するほどの
効果の向上が認められない。
一般式〔B−I〕で表わされる有機リン系化合物は、
式中のR1,R2およびMの種類により様々なものがあげら
れる。式中のR1は前述した如く水素原子あるいは炭素数
1〜18のアルキル基を示す。ここで炭素数1〜18のアル
キル基としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,
イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,第2ブチ
ル基,第3ブチル基,n−アミル基,第3アミル基,ヘキ
シル基,ヘプチル基,n−オクチル基,2−エチルヘキシル
基,第3オクチル基,ノニル基,デシル基,ウンデシル
基,ドデシル基,トリデシル基,テトラデシル基,ペン
タデシル基,ヘキサデシル基,ヘプタデシル基あるいは
オクタデシル基などがあげられる。
また、R2は炭素数1〜18のアルキル基(具体的には上
記R1と同様)あるいは (即ち炭素数7〜24のアリール基)またはM1/aを示
す。さらにMはNa,K,Mg,CaあるいはAlであり、aはこの
Mの原子値を示す。
この一般式〔B−I〕で表される有機リン系化合物の
具体例を化学式で示すと次の如くである。
一方、一般式〔B−II〕で表わされる有機リン系化合
物(b2)についても、式中のR,R3,R4およびMの種類に
より様々なものがある。そのうちR3,R4はそれぞれ水素
原子あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示すが、この
アルキル基としてはメチル基,エチル基,イソプロピル
基,n−ブチル基,イソブチル基,第2ブチル基,第3ブ
チル基,n−アミル基,第3アミル基,ヘキシル基などが
ある。
一般式〔B−II〕で表わされる有機リン系化合物の具
体例を化学式で示すと、次の如くである。
本発明の組成物においては、組成物1mg中に最大寸法5
0μm以上の有機リン系化合物粒子が150個以下、好まし
くは100個以下、特に好ましくは50個以下となるように
する。組成物1mg中に最大寸法50μm以上の有機リン系
化合物粒子が150個より多く含まれると、剛性の向上が
少なく、逆に耐面衝撃性が著しく低下するという問題が
ある。また、組成物中の有機リン系化合物の平均粒径は
50μm以下が好ましく、30μm以下であることがより好
ましい。平均粒径が50μmを越えると、剛性の向上が少
なく、耐面衝撃性が低下することがある。
本発明の組成物は、基本的には上述した(A)成分お
よび予め微粉砕した(B)成分を配合することにより得
られるが、二軸混練機を用いて(B)成分の粒径が所定
以下となるまで(A)成分と(B)成分を強混練するこ
とによっても製造することができる。さらに、所望によ
り適量の熱安定剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤,アンチ
ブロッキング剤,帯電防止剤,中和剤,滑剤,着色剤,
顔料,無機充填剤等を配合することができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1〜8 内容積10の攪拌機付きオートクレーブに脱水n−ヘ
キサン5を投入し、ジエチルアルミニウムクロライド
1.0gと三塩化チタン0.3gを加えた。
第一段の重合反応は、液相温度を65℃に維持し、生成
するポリプロピレンが所定の極限粘度になるように計量
された水素および反応圧力が9kg/cm2になるようにプロ
ピレンを連続的に供給し、90分間攪拌しながら重合を行
った。しかる後、未反応のプロピレンを反応系外に除去
し、液相温度を57℃まで下げた。
次に、第二段階の重合反応は、温度を57℃に維持しな
がら、所定の極限粘度およびエチレン単位含量になるよ
うに、プロピレンとエチレンの混合物および計量された
水素を供給し、60分間重合を行った。次いで、未反応ガ
スを除去し、重合生成物にn−ブタノール50mlを加え、
65℃で1時間攪拌して触媒を分解した。しかる後、分離
工程,洗浄工程,乾燥工程を経て白色粉末状ポリマーを
得た。得られたポリマー〔(A)重合体)〕の性状を第
1表に示す。
続いて、この(A)重合体と(B)予め粉砕した平均
粒径2μmの有機リン化合物を単軸押出機を用いて230
℃で均一に混練して樹脂組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物中の50μm以上の有機系リン
化合物の粒子数および平均粒径を測定し、結果を第1表
に示す。
なお、樹脂組成物中の粗大粒子数の測定は、一定の厚
さ(50〜100μm)のフィルムを作成し、常温あるいは1
80℃で偏光顕微鏡を用いて最大寸法50μm以上の粒子の
個数を測定し、測定点数n=40の平均値を組成物1mg当
たりに換算したものである。
さらに、この樹脂組成物について曲げ弾性率,熱変形
温度(アニールなし),落錘衝撃強さおよびロックウェ
ル硬さを測定した。結果を第2表に示す。
実施例9〜13 内容積5のステンレス鋼製重合反応器に、脱水精製
したn−ヘプタン2を入れ、さらに三塩化チタンとジ
エチルアルミニウムクロライドを加えて反応器温度を65
℃とし、気相部をプロピレンで充分置換し、水素を供給
した。その後、攪拌しながら全圧が9.0kg/cm2Gで一定に
なるようにプロピレンを連続的に供給し、65℃の温度で
60分間重合を行った。第1表に示す性状のプロピレン単
独重合体〔(A)重合体;JIS K 7112に準拠して測定し
た密度0.900g/cm3〕を得た。
この(A)重合体と予め粉砕した平均粒径2μmの有
機リン系化合物を実施例1〜8と同様に混練して樹脂組
成物を得た。
この樹脂組成物について、実施例1〜8と同様にして
組成物中の最大寸法50μm以上の粒子数及び平均粒径を
測定した結果を第1表に示し、曲げ弾性率,熱変形温
度,落錘衝撃強さおよびロックウェル硬さを測定した結
果を第2表に示す。
実施例14〜17 平均粒径60μmの有機リン系化合物とプロピレン重合
体を二軸混練機を用いて強混練して樹脂組成物を製造し
た以外は、実施例1〜8あるいは実施例9〜13と同様に
して樹脂組成物を製造した。
この樹脂組成物について、実施例1〜8と同様にして
組成物中の最大寸法50μm以上の粒子数及び平均粒径を
測定した結果を第1表に示し、曲げ弾性率,熱変形温
度,落錘衝撃強さおよびロックウェル硬さを測定した結
果を第2表に示す。
比較例1〜16 平均粒径60μmの有機リン系化合物と第3表に示す性
状の(A)重合体とを単軸押出機を用いて混練して、樹
脂組成物を製造した。
この樹脂組成物について、実施例1〜8と同様にして
組成物中の最大寸法50μm以上の粒子数及び平均粒径を
測定した結果を第3表に示し、曲げ弾性率,熱変形温
度,落錘衝撃強さおよびロックウェル硬さを測定した結
果を第4表に示す。
比較例17〜19 予め粉砕した平均粒径2μmの有機リン系化合物と第
3表に示す性状の(A)重合体とを単軸押出機を用いて
混練して、樹脂組成物を製造した。
この樹脂組成物について、実施例1〜8と同様にして
組成物中の最大寸法50μm以上の粒子数及び平均粒径を
測定した結果を第3表に示し、曲げ弾性率,熱変形温
度,落錘衝撃強さおよびロックウェル硬さを測定した結
果を第4表に示す。
なお、実施例及び比較例において、有機リン系化合物
としては、下記の物質を用いた。
で表わされるリン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナ
トリウム(NA−10と記す) 式 で表わされるメチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ノール)アシッドホスフェートナトリウム(NA−11と記
す)。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明のプロピレン重合体組成物は、プ
ロピレンが本来有する硬度,透明性,成形性等を充分に
維持しつつ、剛性,耐熱性,耐面衝撃性等において著し
くすぐれたものである。
したがって、本発明のプロピレン重合体組成物を用い
れば、成形品の剛性が向上するため薄肉化が可能とな
り、省資源や生産性の点で有利である。
それ故、本発明のプロピレン重合体組成物は、射出成
形,フィルム成形,シート成形,ブロー成形材料等とし
て幅広くかつ有効に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 淳一 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石 油化学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−243150(JP,A) 特開 昭63−243152(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)極限粘度〔η〕PPが0.8〜4dl/gであ
    り、かつそのアイソタクチックペンタッド分率〔I〕が
    式 〔I〕≧−1.02〔η〕PP+96.0 (単位:%) を満たすプロピレン単独重合体あるいは該単独重合体と
    プロピレン−エチレン共重合体との混合物100重量部に
    対して (B)造核剤として一般式 (式中、R1は水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル
    基を示し、R2は炭素数1〜18のアルキル基, あるいはM1/aを示す。また、MはNa,K,Mg,CaあるいはA
    lを示し、aはMの原子価を示す。) で表わされる有機リン系化合物および/または一般式 (式中、Rはメチレン基,エチリデン基,プロピリデン
    基あるいはイソプロピリデン基を示し、R3,R4はそれぞ
    れ水素原子あるいは炭素数1〜6のアルキル基を示す。
    また、M,aは前記と同じである。) で表わされる有機リン系化合物を0.005〜1.0重量部配合
    すると共に、前記有機リン系化合物の最大寸法50μm以
    上の粒子が、得られる組成物1mgあたり150個以下である
    ことを特徴とするプロピレン重合体組成物。
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